JP2002010737A - 緑茶組成物の成形体及びその製造方法 - Google Patents

緑茶組成物の成形体及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度で粉末状乃至粒状緑茶を含有する緑茶
組成物の成形体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 下記の成分(A)〜成分(C)からなる
緑茶組成物を成形してなることを特徴とする緑茶組成物
の成形体。及び、該緑茶組成物を加圧成形することによ
る緑茶組成物の成形体の製造方法 成分(A):粉末状乃至粒状緑茶 35〜80重量% 成分(B):麦芽糖 10〜60重量% 成分(C):トレハロース 1〜20重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末状乃至粒状緑
茶を各種形状に成形した緑茶組成物の成形体及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、緑茶はその製造に際して、蒸熱工
程、揉捻工程、乾燥工程等の多数の工程を経る間にその
形状が針状の茶葉となっているのが普通である。しか
し、一般の緑茶の中には、その針状の緑茶が折れて生成
した粉末状乃至粒状の茶葉が多少含まれているのが普通
である。この様な針状の茶葉を、或いは、粉末状乃至粒
状の緑茶を、錠剤等の各種形状に成形しようとしても、
緑茶自体の水分含量が3〜5重量%程度と極めて低い水
分含量で、著しく乾燥された状態である為に、粘性が無
く、たとえ粉末状乃至粒状の緑茶に麦芽糖等の成形助剤
を配合して、金型内で高い圧力をかけて成形させたとし
ても成形体にすること困難であり、仮に一時的に成形さ
れたとしても形状保持性が乏しい為に簡単に崩壊してし
まうものしか得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、錠剤等の各種
形状に一時的にでも成形するためには、成形助剤である
麦芽糖等を緑茶成分(30重量%以下)よりも多量(7
0重量%以上)に配合しなければならなかった。それ
故、この様に麦芽糖等の成形助剤を多量に配合して得ら
れる緑茶組成物の成形体の色は、緑茶成分の含有量が低
いことから、緑色の薄い緑茶組成物の成形体しか得られ
なかった。しかも、この様に多量(70重量%以上)の
麦芽糖が混入された緑茶組成物の成形体は、麦芽糖の甘
みにより緑茶本来の味覚が損なわれてしまうことから、
味覚を大切にする緑茶を成形体に成形しようとは思わな
いのが普通であった。一方、粉末状乃至粒状の緑茶は、
著しく水分が除去されて、粉末状乃至粒状化されて、そ
の表面積が大きくなっていることから、酸化がより一層
生じ易くなる為に、緑茶中に含まれているクロロフィル
(青緑色)が酸化されてフェオフィチン(帯褐色)に変
化してしまう等の現象が生じるので、緑茶は、時間の経
過と共に徐々に変色して黄色味を帯びてくる。それ故、
粉末状乃至粒状の緑茶に加工した後では、緑色の濃い緑
茶として長期間保持することは非常に困難なことであっ
た。更に、緑茶は一般に棒状或いは粉末状乃至粒状のま
ま、スプーンにより掬い取って急須に入れるか、或い
は、棒状或いは粉末状乃至粒状のまま紙パック等に入れ
て個別に包装されて市販されているのが普通である。し
かし、このように紙パック等により個別に包装された緑
茶は、使用の際に簡便ではあるが、棒状或いは粉末状乃
至粒状の緑茶をその形状が不揃いのまま計量して紙パッ
ク等に入れて個別包装することが大変困難なことである
ことから、紙パック等の工業的生産においては棒状や粉
末状乃至粒状の緑茶では粉体流動性が悪く、包装速度を
向上させることができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、麦芽糖及びトレハロー
スを粉末状乃至粒状緑茶に対して特定な割合で配合する
ことにより成形体に成形することができるとの知見に基
づき本発明を完成するに至ったものである。すなわち、
本発明の緑茶組成物の成形体は、下記の成分(A)〜成
分(C)からなる緑茶組成物を成形してなること、を特
徴とするものである。 成分(A):粉末状乃至粒状緑茶 35〜80重量% 成分(B):麦芽糖 10〜60重量% 成分(C):トレハロース 1〜20重量% また、本発明のもう一つの発明である緑茶組成物の成形
体の製造方法は、下記の成分(A)〜成分(C)からな
る緑茶組成物を加圧成形すること、を特徴とするもので
ある。 成分(A):粉末状乃至粒状緑茶 35〜80重量% 成分(B):麦芽糖 10〜60重量% 成分(C):トレハロース 1〜20重量%
【0005】
【発明の実施の形態】[I] 緑茶組成物の成形体 (1) 構成成分 (A) 成分(A):粉末状乃至粒状緑茶 (a) 緑 茶 本発明の緑茶組成物の成形体において原料として用いら
れる緑茶組成物の構成成分である粉末状乃至粒状緑茶と
しては、植物であるお茶の木より手摘み、挟み摘み、機
械摘み等により採取した生茶葉を、一般に95℃以上、
好ましくは97〜100℃の温度で、一般に20秒以
上、好ましくは30秒〜3分間程度、加熱水蒸気で加熱
処理することによって得られた蒸し茶葉を、揉捻し、乾
燥し、粉粒化させることによって得られる粉末状乃至粒
状の緑茶か、或いは、該蒸し茶葉を、乾燥し、粉粒化
(切断・篩分・挽き)することによって得られる粉末状
乃至粒状の緑茶か、或いは、生茶葉を釜等で炒って加熱
し、乾燥し、粉粒化して得られる粉末状乃至粒状の緑茶
等が用いられる。上記加熱水蒸気等で加熱処理された蒸
し茶葉や炒った茶葉は、上記加熱処理により生茶葉の中
の酵素の活性を失わせて、生茶葉の青臭さを除去した
り、茶葉を平らに平均に柔らかくさせて、以降の揉む操
作を容易にし、緑色を保持した不発酵茶としたものであ
る。
【0006】しかし、この様な蒸し茶葉や炒った茶葉
は、クロロフィル酸化酵素(クロロフィラーゼ)の活性
は完全に失われているが、その後の長時間の製造の各工
程を経る間に加熱されたり、水分が除去されることによ
り、通常の酸化が生じ易くなり、緑茶葉中に含まれてい
るクロロフィル(青緑色)が酸化されてフェオフィチン
(帯褐色)に変化する等、緑茶葉は徐々に変色して黄色
みを帯びてくる。従って、粉末状乃至粒状緑茶として、
上記粉末状乃至粒状の緑茶をそのままの状態で成分
(A)の粉末状乃至粒状緑茶として使用することもでき
るが、特に緑茶の製造工程中で緑茶葉に後記成分(C)
として用いられるトレハロースを接触させて、緑茶葉中
にトレハロースを配合させることにより変色を阻止した
トレハロース処理の粉末状乃至粒状緑茶を用いることが
好ましい。
【0007】(b) 粒 径 本発明の緑茶組成物の成形体の原料となる粉末状乃至粒
状緑茶は、粒径が一般に16メッシュ以下(目開き約1
mm以下)、好ましくは32〜200メッシュ(目開き
約0.5〜0.07mm)、特に好ましくは60〜10
0メッシュ(目開き約0.25〜0.15mm)の粉末
状乃至粒状緑茶ものが用いられる。これら粒径のもの
は、酸化劣化が生じ易いために、特にトレハロースによ
る変色防止効果を顕著に発揮することができる。
【0008】(c) 緑色指数 一般に、煎茶や玉露においては余り変色し難いが、緑茶
を細かく粉末状にすると、緑茶の表面積が大きくなるた
めに酸化を受け易くなり、しかも、水分も吸収し易くな
ることから、簡素化された工程にて短時間で緑茶を製造
したとしても酸化劣化する速度が顕著に早くなり、変色
し易くなる。例えば、通常の粉末状の緑茶においては、
採取直後の生茶葉の緑色指数が1000であったもの
が、製造後2ヶ月を経過した後の緑色指数は700未満
となってしまう。
【0009】トレハロース処理緑茶 従って、本発明の好適な緑茶組成物の成形体において
は、原料となる緑茶組成物として、生茶葉に後記成分
(C)として用いられるトレハロースを接触させて茶葉
中にトレハロースを含有させることにより、粒子の細か
い粉末状緑茶や粒状緑茶に加工しても余り変色し難くさ
せている。それ故、本発明の好適な緑茶組成物の成形体
に用いられる緑茶組成物の粉末状乃至粒状緑茶は、上記
茶葉中にトレハロースを配合させることにより、デジタ
ルカラー判別センサーによる製造直後の緑色指数が90
0〜1000、好ましくは930〜990、特に好まし
くは950〜990を呈するものである。この様なトレ
ハロース処理した粉末状乃至粒状緑茶は、2ヶ月を経過
した後でも緑色指数が700以上、好ましくは800以
上、更に好ましくは900以上、特に好ましくは930
以上の緑茶に保持することができる。
【0010】(B) 成分(B):麦芽糖(マルトース) 本発明の緑茶組成物の成形体において原料として用いら
れる緑茶組成物の構成成分である麦芽糖(マルトース)
としては、ピラノース型のD−グルコース2分子がα−
1,4結合で結合した糖である麦芽糖(マルトース)、
還元麦芽糖を挙げることができる。これら麦芽糖(マル
トース)の中でも遊離のアルデヒド基或いはケトン基を
有する還元性を示す還元麦芽糖を用いることが好まし
い。麦芽糖(マルトース)以外の糖類である果糖(フル
クトース)や乳糖(ラクトース等を代替品として用いる
と、形状保持性が悪く、崩壊し易い成形体しか得られな
い。それ故、形状保持性を保持するためには緑茶の量を
減少させ、糖類を増加させなければならない。しかし、
糖類を増加させると成形体の甘味度が増したり、風味が
悪化して、お茶本来の風味が損なわれてしまうとの問題
点が生じる。
【0011】(C) 成分(C):トレハロース 本発明の緑茶組成物の成形体において原料として用いら
れる緑茶組成物の構成成分であるトレハロースとして
は、二糖類の一つで、二分子のD−グルコースがその還
元性基同士で結合した化合物である。結合様式がα結合
か、β結合かによって、下記に示すα,α−体、α,β
−体、β,β−体の三つの異性体があるが、一般には天
然に存在するα,α−体が使用される。 [1] α,α−体:ミコース、ミコシド、マッシュルー
ム糖 [2] α,β−体:ネオトレハロース [3] β,β−体:イソトレハロース 上記トレハロースは、融点が97℃の斜方柱状晶の固体
で、水に可溶性で、熱エタノールに微溶で、エーテルに
不溶であることから、水に溶解させた水溶液として用い
られるのが一般的である。これらトレハロースはかって
は酵母からの抽出によって製造されていたが、近年で
は、澱粉から直接製造されたものが株式会社林原より
「トレハTM」として市販されており、この様なトレハ
ロースを用いることが好ましい。この様な成分(C)の
トレハロースを配合した緑茶組成物の成形体は、緑茶を
トレハロースと接触させることにより緑茶自体の酸化劣
化を防止し、緑色を保持して変色を阻止すると共に、緑
茶中のカテキンやクロロフィルの劣化を阻止することが
できる。また、この緑茶組成物中に成分(C)のトレハ
ロースが配合されていることにより成形体を成形する際
の成形体の形状保持性を高めることができる。
【0012】(D) その他の成分(任意成分) 本発明の緑茶組成物の成形体に用いられる緑茶組成物
は、上記必須の構成成分から構成されものであるが、上
記成分以外に本発明の効果を著しく阻害しない範囲内
で、カルボキシメチルセルロース塩や滑材等の他の成分
を配合することができる。カルボキシメチルセルロース塩 カルボキシメチルセルロース塩としては、具体的には、
例えば、成形物の溶解性等の改良を目的として、例え
ば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキ
シメチルセルロースマグネシウム、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリ
ウム等を配合することができる。これらの中でもカルボ
キシメチルセルロースカルシウムを用いることが好まし
い。上記カルボキシメチルセルロース塩は、一般に0.
01〜0.05重量%の割合で配合することが好まし
い。滑 剤 緑茶組成物の成形体への成形を容易にするために滑剤を
配合することが好ましい。該滑剤としては、具体的に
は、例えば、蔗糖脂肪酸エステル、微粒二硫化珪素、菜
種硬化油等を挙げることができる。これら滑剤は一般に
0.2〜8.0重量%、特に1.0〜5.0重量%程度
配合されることが好ましい。
【0013】(2) 構成成分の含有量 本発明の緑茶組成物の成形体を構成する粉末状乃至粒状
緑茶(成分(A))と還元麦芽糖(成分(B))とトレ
ハロース(成分(C))との各構成成分の含有量として
は、粉末状乃至粒状緑茶35〜80重量%、好ましくは
45〜70重量%、特に好ましくは55〜65重量%、
麦芽糖が10〜60重量%、好ましくは20〜50重量
%、特に好ましくは30〜40重量%、トレハロースが
1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、特に好ま
しくは5〜10重量%である。上記麦芽糖の含有量が少
なすぎると成形体に成形できなかったり、成形しても僅
かな衝撃でも型くずれしてしまう。また、麦芽糖の含有
量が多すぎると麦芽糖の甘みを強く感じたり、緑茶本来
の旨味が失われる。また、トレハロースの含有量が少な
すぎると成形体に成形しても型くずれしてしまう。又、
トレハロースの含有量が多すぎると麦芽糖の甘みが強く
感じたり、緑茶本来の旨味が失われる。
【0014】(3) 成形体の形状形 状 上記緑茶組成物より形成される緑茶組成物の成形体の形
状としては、上記緑茶組成物を錠剤成形機、食品成形機
等の各種成形型内に充填して加圧して圧縮成形すること
により、錠剤状、平板状、棒状、球状、直方体状等の各
種形状に成形することができる。これら各種形状の中で
も成形された成形体の硬度等の観点から直径が3〜15
mm、特に6〜12mmの錠剤状に成形するのが好まし
い。
【0015】硬 度 本発明の緑茶組成物の成形体の硬度としては、一般に3
〜10kg/cm、特に4〜6kg/cmであるこ
とが好ましく、錠剤状にした場合にも形状保持性が十分
であり、柔らかめで噛み砕き易く、崩壊性が良く、水又
はお湯に溶け易い。
【0016】[II] 緑茶組成物の成形体の製造 (1) 緑茶組成物の構成成分 (A) 粉末状乃至粒状緑茶(成分(A)) (a) 緑 茶 本発明の緑茶組成物の成形体の製造において原料として
用いられる緑茶組成物の構成成分である粉末状乃至粒状
緑茶としては、植物であるお茶の木より手摘み、挟み摘
み、機械摘みにより採取した生茶葉を、一般に95℃
以上、好ましくは97〜100℃の温度で、一般に20
秒以上、好ましくは30秒〜3分間程度、加熱水蒸気で
加熱処理することによって得られた蒸し茶葉を、揉捻
し、乾燥し、粉末状乃至粒状化させることによって得ら
れる粉末状乃至粒状の緑茶か、或いは、該蒸し茶葉を、
乾燥し、粉粒化(切断・篩分・挽き)することによって
得られる粉末状乃至粒状の緑茶か、或いは、生茶葉を釜
等で炒って加熱し、乾燥し、粉末状乃至粒状化して得ら
れる粉末状乃至粒状の緑茶が用いられる。上記加熱水蒸
気等で加熱処理された蒸し茶葉や炒った茶葉は、上記加
熱処理により生茶葉の中の酵素の活性を失わせて、生茶
葉の青臭さを除去したり、茶葉を平らに平均に柔らかく
させて、以降の揉む操作を容易にし、緑色を保持した不
発酵茶としたものである。この様な蒸し茶葉や炒った茶
葉は、クロロフィル酸化酵素(クロロフィラーゼ)の活
性は完全に失われているが、その後の長時間の製造の各
工程を経る間に加熱されたり、水分が除去されることに
より、通常の酸化が生じ易くなり、緑茶葉中に含まれて
いるクロロフィル(青緑色)が酸化されてフェオフィチ
ン(帯褐色)に変化する等、緑茶葉は徐々に変色して黄
色みを帯びてくる。
【0017】トレハロース処理 従って、本発明の緑茶組成物の成形体において原料とし
て用いられる緑茶組成物の構成成分である粉末状乃至粒
状緑茶としては、上記粉末状乃至粒状の緑茶をそのまま
の状態で成分(A)の粉末状乃至粒状緑茶として使用す
ることもできるが、特に緑茶の製造工程中で緑茶葉に後
記成分(C)として用いられるトレハロースを予め接触
させて、緑茶葉中にトレハロースを配合させることによ
り変色を阻止したトレハロース処理の粉末状乃至粒状緑
茶を用いることが好ましい。緑茶葉をトレハロースと接
触させて緑茶葉中にトレハロースを配合する為に行われ
るトレハロース処理としては、生茶葉を加熱処理する前
に、又は、加熱処理した後に、或いは、加熱処理と同時
にトレハロースと接触させることにより行われる。これ
ら接触処理の中でも、加熱処理と同時に、或いは、加熱
処理した後にトレハロースと接触させることが好まし
い。該トレハロース処理は、緑茶葉100重量部に対し
てトレハロース0.01〜30重量部、好ましくは0.
1〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部を配合し
た粉末状乃至粒状緑茶を用いることが好適である。
【0018】上記トレハロースは通常粉体であるが、緑
茶葉の酸化劣化を防止するために使用される際にはトレ
ハロース水溶液として用いられることもある。トレハロ
ースをトレハロース水溶液として用いる場合には、一般
にトレハロース5〜50重量%、好ましくは10〜40
重量%、特に好ましくは20〜30重量%のトレハロー
ス水溶液として調製して用いられるのが普通である。茶
葉中にトレハロースを含浸させようとするならば、浸透
圧の関係から低濃度の溶液の方が含浸され難い。しかし
ながら、余り濃厚な溶液とすると脱水作用が生じて含浸
し難くなる。また、この様にトレハロースが配合された
緑茶葉は、酸化劣化され難く変色を阻止すると共に、緑
茶の緑色を保持することによる緑茶中のカテキン類やク
ロロフィルの劣化を阻止することができる。トレハロー
スが、緑茶自体の酸化劣化を防止し、緑色を保持して変
色を阻止することができる理由については未だ不明であ
るが、トレハロースが茶葉中の有効成分を包接によって
包み込んで、空気との接触を阻止して酸化による変色を
防止したり、或いは、緑茶葉中の組織内の保有水にトレ
ハロース成分を含有させて、保有水の粘度を増加させ
て、保有水の移動を阻止することにより、酸化による変
色を防止しているためであろうと推定している。
【0019】(b) 粒 径 本発明の緑茶組成物の成形体の製造において用いられる
緑茶組成物を構成する粉末状乃至粒状緑茶の粒径は、一
般に16メッシュ以下(目開き約1mm以下)、好まし
くは32〜200メッシュ(目開き約0.5〜0.07
mm)、特に好ましくは60〜100メッシュ(目開き
約0.25〜0.15mm)の粉末状乃至粒状緑茶もの
が用いられる。これら粒径のものは、酸化劣化が生じ易
い為に、特にトレハロースによる変色防止効果を顕著に
発揮することができる。
【0020】(c) 緑色指数 一般に、煎茶や玉露においては余り変色し難いが、緑茶
を細かく粉末状すると、緑茶の表面積が大きくなるため
に酸化を受け易くなり、しかも、水分も吸収し易くなる
ことから、簡素化された工程にて短時間で緑茶を製造し
たとしても酸化劣化する速度が顕著に早くなり、変色し
易くなる。例えば、通常の粉末状乃至粒状の緑茶におい
ては、採取直後の生茶葉の緑色指数が1000であった
ものが、製造後2ヶ月を経過した後の緑色指数は700
未満となってしまう。しかし、本発明の緑茶組成物の成
形体の製造方法において好適に用いられる緑茶組成物で
は、生茶葉にトレハロースを接触させて茶葉中にトレハ
ロースを含有させることにより、粒子の細かい粉末状緑
茶に加工しても余り変色し難くさせている。従って、本
発明の緑茶組成物の成形体に用いられる緑茶組成物の粉
末状乃至粒状緑茶は、上記茶葉中にトレハロースを配合
させることにより、デジタルカラー判別センサーによる
製造直後の緑色指数が900〜1000、好ましくは9
30〜990、特に好ましくは950〜990を呈する
ものとすることができる。しかも、この様なトレハロー
ス処理した粉末状乃至粒状緑茶は、2ヶ月を経過した後
でも緑色指数が700以上、好ましくは800以上、更
に好ましくは900以上、特に好ましくは930以上の
緑茶に保持することができる。
【0021】(B) 麦芽糖(成分(B)) 本発明の緑茶組成物の成形体において用いられる麦芽糖
(成分(B))としては、ピラノース型のD−グルコー
ス2分子がα−1,4結合で結合した糖である麦芽糖
(マルトース)、還元麦芽糖を挙げることができる。こ
れら麦芽糖(マルトース)の中でも遊離のアルデヒド基
或いはケトン基を有する還元性を示す還元麦芽糖を用い
ることが好ましい。麦芽糖(マルトース)以外の糖類で
ある果糖(フルクトース)や乳糖(ラクトース等を代替
品として用いると、形状保持性を保持するためには緑茶
の量を減少させ、糖類を増加させなければならない。し
かし、糖類を増加させると成形体の甘味度が増したり、
風味が悪化して、お茶本来の風味が損なわれてしまう。
【0022】(C) トレハロース(成分(C)) 本発明の緑茶組成物の成形体において原料として用いら
れる緑茶組成物の構成成分であるトレハロースとして
は、二糖類の一つで、二分子のD−グルコースがその還
元性基同士で結合した化合物である。結合様式がα結合
か、β結合かによって、下記に示すα,α−体、α,β
−体、β,β−体の三つの異性体があるが、一般には天
然に存在するα,α−体が使用される。 [1] α,α−体:ミコース、ミコシド、マッシュルー
ム糖 [2] α,β−体:ネオトレハロース [3] β,β−体:イソトレハロース 上記トレハロースは、融点が97℃の斜方柱状晶の固体
で、水に可溶性で、熱エタノールに微溶で、エーテルに
不溶であることから、水に溶解させた水溶液として用い
られるのが一般的である。これらトレハロースはかって
は酵母からの抽出によって製造されていたが、近年で
は、澱粉から直接製造されたものが株式会社林原より
「トレハTM」として市販されており、このトレハロー
スを用いることが好ましい。この様な成分(C)のトレ
ハロースを配合した緑茶組成物の成形体は、緑茶をトレ
ハロースと接触させることにより緑茶自体の酸化劣化を
防止し、緑色を保持して変色を阻止すると共に、緑茶中
のカテキンやクロロフィルの劣化を阻止することができ
る。また、この緑茶組成物中に成分(C)のトレハロー
スが配合されていることにより成形体を成形する際の成
形体の形状保持性を高めることができる。成形時の成形
体の形状保持性を高めることができる理由については未
だ不明であるが、トレハロースと麦芽糖とがトレハロー
スが麦芽糖(マルトース)の存在下に圧力をかけると、
溶融して一体化されて成形されるためであろうと推定し
ている。
【0023】トレハロースの配合方法 それ故、成分(C)のトレハロースは緑茶組成物の成形
体を成形する以前の粉末状乃至粒状緑茶を製造する工程
中で添加するか、或いは、緑茶組成物の成形体を成形す
る際の原材料中に添加して成形することにより、緑茶組
成物の成形体中に必要量のトレハロース成分を配合す
る。しかし、必要量のトレハロースは、粉末状乃至粒状
緑茶を製造する工程中のみで、或いは、成形体を成形す
る際の原材料中のみに配合しても良いが、粉末状乃至粒
状緑茶を製造する工程中で少量を配合し、残りを成形体
を成形する際の原材料中に配合して成形することにより
必要量のトレハロース成分を配合することもできる。こ
れら配合方法の中でも、必要量のトレハロースを粉末状
乃至粒状緑茶を製造する工程中のみで配合するか、或い
は、粉末状乃至粒状緑茶を製造する工程中で少量を配合
し、残りを成形体の原材料中に配合して成形することに
より必要量のトレハロース成分を配合することが好まし
い。特に、必要量のトレハロースを粉末状乃至粒状緑茶
を製造する工程中のみで配合することが好ましい。更
に、この必要量のトレハロースを、粉末状乃至粒状緑茶
を製造する工程中のみで配合する方法の中でも、特に生
茶葉を加熱処理する際に、或いは、生茶葉を加熱処理し
た直後の蒸し茶葉にトレハロースを接触させることが好
ましい。
【0024】(D) その他の成分(任意成分) 本発明の緑茶組成物の成形体に用いられる緑茶組成物
は、上記必須の構成成分から構成されものであるが、上
記成分以外に本発明の効果を著しく阻害しない範囲内
で、カルボキシメチルセルロース塩や滑材等の他の成分
を配合することができる。カルボキシメチルセルロース塩 カルボキシメチルセルロース塩としては、具体的には、
例えば、成形物の溶解性等の改良を目的として、例え
ば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキ
シメチルセルロースマグネシウム、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリ
ウム等を配合することができる。これらの中でもカルボ
キシメチルセルロースカルシウムを用いることが好まし
い。上記カルボキシメチルセルロース塩は、一般に0.
01〜0.05重量%の割合で配合することが好まし
い。滑 剤 緑茶組成物の成形体への成形を容易にするために滑剤を
配合することが好ましい。該滑剤としては、具体的に
は、例えば、蔗糖脂肪酸エステル、微粒二硫化珪素、菜
種硬化油等を挙げることができる。これら滑剤は一般に
0.2〜8.0重量%、特に1.0〜5.0重量%程度
配合されることが好ましい。
【0025】(2) 緑茶組成物の調製 (A) 配合割合 本発明の緑茶組成物の成形体の製造において原料として
用いられる緑茶組成物の構成成分の配合割合としては、
粉末状乃至粒状緑茶(成分(A))が35〜80重量
%、好ましくは45〜70重量%、特に好ましくは55
〜65重量%、麦芽糖(成分(B))が10〜60重量
%、好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは30
〜40重量%、トレハロース(成分(C))が1〜20
重量%、好ましくは3〜15重量%、特に好ましくは5
〜10重量%である。上記緑茶組成物を各種形状の成形
体とするためには、成形体中に上記粉末状乃至粒状緑茶
(成分(A))と麦芽糖(成分(B))とトレハロース
(成分(C))とを上配合割合で配合することが重要で
ある。上記麦芽糖の配合量が少なすぎると成形体に成形
できなかったり、たとえ成形されたとしても僅かな衝撃
でも型くずれしてしまう。また、麦芽糖の配合量が多す
ぎると麦芽糖の甘みを強く感じたり、緑茶本来の旨味が
失われる。また、トレハロースの配合量が少なすぎると
成形体に成形しても型くずれしてしまう。又、トレハロ
ースの配合量が多すぎると麦芽糖の甘みが強く感じた
り、緑茶本来の旨味が失われる。
【0026】(B) 配合方法 上記粉末状乃至粒状緑茶成分(成分(A))と麦芽糖成
分(成分(B))とトレハロース成分(成分(C))の
配合方法としては、これら各成分を単純に混合すること
により調製しても良いが、一般に粉末状乃至粒状緑茶成
分(成分(A))とトレハロース成分(成分(C))と
を先に配合した後に、麦芽糖成分(成分(B))を配合
しても良い。配合方法について具体的に述べるならば、 トレハロース成分(成分(C))で処理した粉末状
乃至粒状緑茶成分(成分(A))に麦芽糖成分(成分
(B))を配合する方法、 トレハロース成分(成分(C))で処理した粉末状
乃至粒状緑茶成分(成分(A))に麦芽糖成分(成分
(B))及びトレハロース成分(成分(C))を配合す
る方法、 粉末状乃至粒状緑茶成分(成分(A))に麦芽糖成
分(成分(B))及びトレハロース成分(成分(C))
を配合する方法、 等の方法を挙げることができる。
【0027】これらの配合方法の中でも、トレハロース
成分を先に配合した後に、麦芽糖成分を配合する上記
及びに記載の方法が好ましい。トレハロース成分を先
に配合するのは、粉末状乃至粒状緑茶の変色を阻止する
ことができるからで、その変色を阻止することができる
理由については未だ不明であるが、トレハロース成分が
茶葉中の有効成分を包接によって包み込んで、空気との
接触を阻止して酸化による変色を防止したり、或いは、
緑茶葉中の組織内の保有水にトレハロース成分を含有さ
せて、保有水の粘度を増加させて、保有水の移動を阻止
することにより、酸化による変色を防止しているためで
あろうと推定している。従って、トレハロース成分が溶
解する水溶液中に蒸した直後の茶葉を浸積させるか、或
いは、トレハロース成分を溶解した水溶液を水蒸気の存
在下又は不存在下に茶葉に満遍なく噴霧して、茶葉中に
トレハロース成分を含有させた後に乾燥し、粉末化して
粉末状緑茶成分とした後、麦芽糖成分を配合することが
好ましい。
【0028】(C) トレハロースの添加 上記トレハロース成分は、緑茶組成物の成形体の原材料
中に添加して成形するか、或いは、緑茶組成物の成形体
を成形する以前の粉末状乃至粒状緑茶を製造する工程中
で添加することにより、緑茶組成物の成形体中に必要量
のトレハロース成分を配合する。しかし、成形体に成形
するのに必要な量のトレハロース成分は、粉末状乃至粒
状緑茶成分を製造する工程中のみで、或いは、成形体の
原材料中のみに配合して成形しても良いが、粉末状乃至
粒状緑茶成分を製造する工程中で少量を配合し、残りを
成形体の原材料中に配合して成形することにより必要量
のトレハロース成分を配合することができる。上記トレ
ハロース(成分(C))を粉末状乃至粒状緑茶を製造す
る工程中で少量を配合し、残りを成形体の原材料中に配
合して成形する、いわゆるトレハロースを分割して配合
する場合には、トレハロースで処理された粉末状乃至粒
状緑茶(成分(A))のトレハロースの配合割合が既に
成分(C)の配合割合に十分な量に達しているならば、
新たにトレハロースを配合する必要性はないが、前記ト
レハロースの配合割合の範囲内であれば新たにトレハロ
ースを追加して配合することもできる。これら配合方法
の中でも、必要量のトレハロースを粉末状乃至粒状緑茶
を製造する工程中のみで配合するか、或いは、粉末状乃
至粒状緑茶を製造する工程中で少量を配合し、残りを成
形体の原材料中に配合して成形することにより必要量の
トレハロース成分を配合することが好ましい。特に、必
要量のトレハロースを粉末状乃至粒状緑茶を製造する工
程中のみで配合する方法は、トレハロースを粉末状乃至
粒状緑茶中に均一に分散することができるので好ましい
方法である。また、トレハロースを粉末状乃至粒状緑茶
を製造する工程中のみで配合する方法の中でも、特に生
茶葉を加熱処理する際に、或いは、加熱処理した直後の
蒸し茶葉にトレハロースを接触させるトレハロース処理
方法を行うことが好ましい。以上述べたことから明らか
なように、本発明の緑茶組成物の成形体の製造において
は、原料として用いられる緑茶組成物として、成分
(C)のトレハロースを成分(A)の粉末状乃至粒状緑
茶の製造工程中で予め接触させて含有させたものと、成
分(B)の麦芽糖とを配合した緑茶組成物を使用するこ
とが好ましい。
【0029】(3) 緑茶組成物の成形体の成形 (A) 成形方法 上記緑茶組成物を錠剤成形機、食品成形機等の各種成形
機の金型内に充填して加圧して圧縮成形することによ
り、各種形状の緑茶組成物の成形体に成形することがで
きる。成形は原材料をそのまま、又は賦形剤、結合剤、
崩壊剤若しくはその他の適当な添加剤を加えて均等に混
合した粉体を直接圧縮成形する直接圧縮法により製造す
るのが好ましい。 (B) 成形条件 成形は、一般に加圧成形、特に直接粉末圧縮法により行
われ、その成形条件は、一般に0〜30℃、好ましくは
5〜25℃、特に好ましくは10〜20℃の温度で、一
般に350kg/cm以上、好ましくは400〜50
0kg/cm、特に好ましくは450〜500kg/
cmの圧力条件下で行われる。
【0030】(4) 緑茶組成物の成形体の形状 (A) 形 状 上記緑茶組成物より形成される緑茶組成物の成形体の形
状としては、上記緑茶組成物を錠剤成形機、食品成形機
等の各種成形型内に充填して加圧して圧縮成形すること
により、錠剤状、平板状、棒状、球状、直方体状等の各
種形状に成形することができる。これら各種形状の中で
も成形される成形体の硬度等の観点から直径が3〜15
mm、特に6〜12mmの錠剤状に成形するのが好まし
い。
【0031】(B) 硬 度 本発明の緑茶組成物の成形体の硬度としては、一般に3
〜10kg/cm、特に4〜6kg/cmであるこ
とが好ましく、錠剤状にした場合にも形状保持性が十分
であり、柔らかめで噛み砕き易く、崩壊性が良く、水又
はお湯に溶け易い。
【0032】[III] 用 途 本発明の緑茶組成物の成形体は、粉末状乃至粒状緑茶を
錠剤等の各種形状に成形したものは、口臭予防や薬剤と
して服用する場合においても計量が容易である。また、
紙パック等の個別に包装する場合においても、棒状や粉
末状乃至粒状の緑茶と異なり、粉体流動性が良好で、し
かも、計量が容易で、紙パック等の個別包装においても
包装速度を低下させることはない。
【0033】
【実施例】以下に示す実験例によって、本発明を更に具
体的に説明する。 [I] 評価方法 (1) 緑色指数の測定 本発明の緑茶組成物の緑色指数の測定は、株式会社キー
エンス製デジタルカラー判別センサ CZ−V1型測定
器によって行うことができる。 測定条件 光源 色 :緑色LED 種類 :CZ−40 検体距離:60mm 角度 :センサヘッドの検体に対して直角 スポット:6mm 計測時間:0.5〜1分 基準色設定 :収穫直後の生茶葉の色を標準品(1000)とする。 測定条件 :静止 検体収納容器 :ガラスシャーレ 検体 :恒温器を用いて40℃にて保存したもの 製造直後、1ヶ月後、2ヶ月後、
【0034】(2) 水分の測定 本発明の緑茶中の水分の測定は、日本薬局方生薬乾燥減
量測定法に準じて行うことができる。
【0035】(3) カテキン含量の測定 本発明の緑茶組成物中のカテキン含量の測定は、(株)
矢内原研究所製酵素イムノアッセイキットを用いて、お
茶中に含まれるガロカテキン・ガレート(GCg)、エ
ピガロカテキン・ガレート(EGCg)、エピカテキン
・ガレート(ECg)を総カテキン量として測定するこ
とができる。
【0036】(4) 硬 度 この緑茶組成物の成形体の硬度の測定方法としては、一
般に硬度計で錠剤に圧力をかけて錠剤が破壊されたとき
の圧力を測定する日本薬局方に記載される方法によって
測定することができる。この時に使用される硬度計とし
てはデジタル錠剤硬度計 ERWEKA(測定範囲0〜
30kg/cm)が用いられる。
【0037】(5) 甘味度 緑茶組成物の成形体の甘味度は、砂糖100%を100
とした時の甘さに対する割合であることから、使用した
糖の割合と甘味度とを掛けることにより算出される。な
お、以下に実施例中にて使用した各糖100%の甘味度
を示す。 砂糖 :100 還元麦芽糖 : 80 トレハロース: 45 フルクトース:173 ラクトース : 17
【0038】[II] 実験例 実施例1 (1) 生茶葉 静岡県榛原郡相良町地区にて8月下旬より9月上旬に機
械摘みにより収穫した夏茶(番茶)100kgを採取し
たものを原材料として用いた。この生茶葉の水分含量を
測定した結果、78重量%であった。 (2) 蒸熱工程 上記夏茶を平野鉄工社製ボイラー及び鈴木鉄工社製10
寸型(スピードコントロール付送帯型)蒸し器を用い
て、100℃の温度で90秒間蒸して酵素の活性を失わ
せた。この蒸し茶葉の水分含量を測定した結果、78重
量%であった。 (3) 冷 却 上記蒸熱工程で処理した蒸し茶葉を宮村鉄工所製(スピ
ードコントロール付送帯型)冷却器を用いて、2分間常
温にまで冷却した。
【0039】(4) トレハロース処理 上記蒸し茶葉を、水14.5リットルにトレハロース
(株式会社林原製「トレハTM」)5.5kgを溶解さ
せたトレハロース27.5重量%水溶液中に浸漬させ、
組織を壊さない程度に攪拌を行いながら、常温で2時間
含浸させた。このトレハロース処理茶葉の水分含量を測
定した結果、78重量%であった。 (5) 粗揉工程 上記トレハロース処理した茶葉を、カワサキ機工社製1
20型粗揉機を用いて、50〜70℃の温度の熱風を吹
き付けながら40〜45分間攪拌し、乾燥させた。この
粗揉処理した茶の水分含量を測定した結果、50重量%
に減少した。 (6) 乾 燥 45〜50℃の温度の熱風が送られている山益製作所社
製MAS−2420型減圧乾燥機を用いて、最大減圧値
450mm/HOの減圧下で、8時間かけて乾燥させ
た。この乾燥処理した茶葉の水分含量を測定した結果、
5重量%であった。また、この茶葉の緑色指数は950
であり、カテキン類は茶葉中に18重量%であった。
【0040】(7) 製粉機 乾燥緑茶を日本ニューマチック工業社製衝突式気流粉砕
機PGM130型を用いて60メッシュ以下に設定し粉
砕した。 (8) 緑茶組成物の調製 上記トレハロース処理した粒径が60〜100メッシュ
の粉末状乃至粒状緑茶60.0kgに、還元麦芽糖(株
式会社林原製「還元麦芽糖」)39.48kg、蔗糖脂
肪酸エステル0.50重量%、カルボキシメチルセルロ
ーズカルシウム0.02重量%を配合して、粉末状乃至
粒状緑茶57.00重量%、還元麦芽糖37.51重量
%、トレハロース5.00重量%、蔗糖脂肪酸エステル
0.48重量%、カルボキシメチルセルローズカルシウ
ム(CMC)0.02重量%からなる緑茶組成物98.
60kgを得た。 (9) 成形体の製造 上記緑茶組成物を(株)菊水製作所製 錠剤機D−36
型を用いて直接圧縮法により450kg/cmの圧力
下で、大きさが9mm×6.6mm、重量335mgの
錠剤を成形した。 (10) 評 価 得られた錠剤の硬度、甘味度、緑色指数の測定を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0041】実施例2〜3及び比較例1〜5 実施例1において「(8) 緑茶組成物の調製」及び「(9)
成形体の製造」を、下記の「(8) 緑茶組成物の調
製」に変更する以外は実施例1と同様に実施した。 (8) 緑茶組成物の調製 上記トレハロース処理した粒径が60〜100メッシュ
の粉末状乃至粒状緑茶に表1に示す各種配合成分を表1
に示す配合割合で配合して緑茶組成物を得た。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】このような本発明の粉末状乃至粒状緑茶
組成物の成形体は、酸化変色されておらず、緑色の濃い
粉末状乃至粒状緑茶を高濃度で含んでいることから、該
成形体中にはアミノ酸やカフェインやカテキン類を多量
に含有しているので、カフェインの生理作用(覚醒作
用、利尿作用、血管の拡張による血液の循環を良くし、
消化液の分泌を良くし、中枢神経の刺激による脳の働き
を活性化し、物事に対する反応を速める。)の他に、カ
テキン類を高濃度で含有していることから、老化を防ぐ
抗酸化作用、抗菌・ウィルス作用(消化器病原菌に対す
る抗菌力、インフルエンザウィルスに対する抗菌力、虫
歯に関係ある細菌に対する作用)、コレステロール量の
調整、血圧上昇抑制作用、血糖降下作用、抗糖尿病作
用、血小板凝集抑制作用、血栓形成予防効果、抗腫瘍・
発ガン抑制作用、解毒作用、消臭作用等の薬理効果を発
揮することができる。また、水に溶けないクロロフィル
や弗素を高濃度で含有していることから、口臭を防止し
たり、歯の表面を強化することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)〜成分(C)からなる緑
    茶組成物を成形してなること特徴とする緑茶組成物の成
    形体。 成分(A):粉末状乃至粒状緑茶 35〜80重量% 成分(B):麦芽糖 10〜60重量% 成分(C):トレハロース 1〜20重量%
  2. 【請求項2】緑茶組成物が、デジタルカラー判別センサ
    ーによる緑色指数が900〜1000を示す、請求項1
    に記載の緑茶組成物の成形体。
  3. 【請求項3】緑茶組成物の成形体の硬度が3〜10であ
    る、請求項1又は2に記載の緑茶組成物の成形体。
  4. 【請求項4】成分(A)〜成分(C)の合計量100重
    量部に対して、滑剤が0.2〜8.0重量部配合されて
    いる、請求項1〜3のいずれかに記載の緑茶組成物の成
    形体。
  5. 【請求項5】下記の成分(A)〜成分(C)からなる緑
    茶組成物を加圧成形することを特徴とする緑茶組成物の
    成形体の製造方法。 成分(A):粉末状乃至粒状緑茶 35〜80重量% 成分(B):麦芽糖 10〜60重量% 成分(C):トレハロース 1〜20重量%
  6. 【請求項6】緑茶組成物が、成分(A)の粉末状乃至粒
    状緑茶の製造工程中で成分(C)のトレハロースと予め
    接触させて粉末状乃至粒状緑茶中にトレハロースを含有
    させたものに、成分(B)の麦芽糖を配合して得られた
    緑茶組成物である、請求項5に記載の緑茶組成物の成形
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】緑茶組成物が、デジタルカラー判別センサ
    ーによる緑色指数が900〜1000である、請求項5
    又は6に記載の緑茶組成物の成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】緑茶組成物100重量部に対して滑剤を
    0.2〜8.0重量部配合する、請求項5〜7のいずれ
    かに記載の緑茶組成物の成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】加圧成形を直接圧縮法により行う、請求項
    5〜8のいずれかに記載の緑茶組成物の成形体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】加圧成形を350kg/cm以上の圧
    力下で行う、請求項5〜9のいずれかに記載の緑茶組成
    物の成形体の製造方法。
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