JP2002005574A - 超硬合金の再生設備 - Google Patents

超硬合金の再生設備

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JP2002005574A
JP2002005574A JP2000188022A JP2000188022A JP2002005574A JP 2002005574 A JP2002005574 A JP 2002005574A JP 2000188022 A JP2000188022 A JP 2000188022A JP 2000188022 A JP2000188022 A JP 2000188022A JP 2002005574 A JP2002005574 A JP 2002005574A
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low melting
point metal
melting point
vacuum vessel
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Haruaki Yamanaka
治昭 山中
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KOSEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回収した低融点金属を使用済み超硬合金のリ
サイクルに使用する場合、低融点金属を小塊にするため
の再溶解を行うことなく、しかも低融点金属の真空容器
の内壁への付着を防止する超硬合金の再生設備を提供す
る。 【解決手段】 使用済みの超硬合金と低融点金属とを真
空容器11に入れて加熱し、超硬合金のバインダー材を
低融点金属に溶解させ、低融点金属を蒸発させて、真空
容器11の下方に配置され周囲を冷却された回収容器1
2に導き、回収容器12内にて低融点金属を回収する超
硬合金の再生設備10において、回収容器12は底部1
3と側壁部14とは分離可能となって、更に、回収容器
12の内部15を縦方向に区分する分離部材16が設け
られ、しかも、分離部材16は低融点金属とは馴染みの
悪い耐熱材からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超硬合金のリサイ
クルを経済的に行うための超硬合金の再生設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、超硬材(例えば、WC(タングス
テンカーバイト)、W等)とバインダー材(例えば、C
o、Ni、Cu、Ag等)とを有する超硬合金は、鋳鉄
や非鉄金属用の切削工具、各種ダイス、プラグ、ゼンジ
ミアロール、モルガンロール等の耐摩耗工具、削岩機用
ビット等の鉱山工具、超高圧発生用部品等に用いられて
きている。そして使用により摩耗した超硬合金は、粉砕
した後、粉末冶金の原料等としてリサイクルされてい
る。しかし、この使用済みの超硬合金は、バインダー材
をマトリックスとして、バインダー材により超硬材を強
固に結合しているため、未処理のまま使用済みの超硬合
金を破砕することは困難である。そこで、特開昭58−
84932号公報に記載のように、超硬合金スクラップ
を超硬合金マトリックスを溶解する低融点金属で形成さ
れる合金の融点よりも高い温度でコンテナ中で不活性ガ
スの存在下に処理し、その際合金過程を低融点金属の分
圧のほぼ2倍よりも高い圧力で実施し、その後に低融点
金属を1ミリバールよりも低い圧力で蒸発させ、凝縮面
で凝縮することによって超硬合金スクラップを後処理す
る装置において、内室が、毛管又は拡散間隙の保持下で
重なり合って載置されかつ専ら凝縮面の方向に開いた、
中心に相互に同列に置いた蒸気路を有する積み重ね可能
なリング溝るつぼからなり、内室の下部に不活性ガスに
対する還流路が存在する超硬合金スクラップを合金によ
って後処理する装置を利用して、使用済みの超硬合金
(超硬合金スクラップ)を脆化処理する方法が提案され
ている。この装置を用いることで、バインダー材(超硬
合金マトリックス)を、バインダー材よりも融点の低い
低融点金属に溶解させ、次に、減圧することで低融点金
属を蒸発させ、使用済みの超硬合金(超硬合金スクラッ
プ)を、破砕しやすい多孔質体とする。この多孔質体と
なった超硬合金を破砕し、粉末冶金の原料等としてリサ
イクルしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た装置には以下の問題がある。低融点金属を蒸発させた
後、冷却して回収し、再度使用済み超硬合金のリサイク
ル(再生)に使用する場合、回収した低融点金属は1塊
のインゴットとなっているため取り扱いにくく、回収時
の状態のままの低融点金属ではリサイクルが困難であ
る。また、回収した低融点金属をリサイクルに使用する
ためには、再溶解による小塊のインゴット化が必要であ
るため、エネルギーコストが多くかかる。低融点金属の
再溶解時には、低融点金属の一部に酸化が生じるため、
酸化した低融点金属を除去することで使用可能な低融点
金属のリサイクル量が低下する。一方、酸化した低融点
金属を再度使用済みの超硬合金のリサイクルに使用した
場合、リサイクルした超硬合金の粉の品質が低下する恐
れがある。そして、蒸発した後、冷却することで液化し
た低融点金属は、真空容器内壁に付着し、真空容器内壁
の腐食を発生させるため、真空容器の寿命を短くする原
因となる。また、真空容器内壁に低融点金属が付着する
ことで、使用済み超硬合金と低融点金属とを共に投入す
るるつぼの抜取りが難しくなる。更に、真空容器内壁に
低融点金属が付着することで、低融点金属の剥離作業を
行わなければならないため作業性が悪い。本発明はかか
る事情に鑑みてなされたもので、回収した低融点金属を
使用済み超硬合金のリサイクルに使用する場合、低融点
金属を小塊にするための再溶解を行うことなく、しかも
低融点金属の真空容器内壁への付着を防止する超硬合金
の再生設備を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る超硬合金の再生設備は、使用済みの超硬合金と
低融点金属とを真空容器に入れて加熱し、超硬合金のバ
インダー材を低融点金属に溶解させ、低融点金属を蒸発
させて、真空容器の下方に配置され周囲を冷却された回
収容器に導き、回収容器内にて低融点金属を回収する超
硬合金の再生設備において、回収容器は底部と側壁部と
は分離可能となって、更に、回収容器の内部を縦方向に
区分する分離部材が設けられ、しかも、分離部材は低融
点金属とは馴染みの悪い耐熱材からなる。これにより、
蒸発させ回収容器で回収した低融点金属は、回収容器に
設けられた分離部材により小塊で回収することが可能と
なり、しかも容易に回収容器から取出すことが可能とな
る。ここで、第1の発明に係る超硬合金の再生設備にお
いて、分離部材は、回収容器の中央に配置される軸芯ロ
ッドと、軸芯ロッドを中心として放射状に配置された複
数の仕切り板とを備え、しかも回収容器の底部には、仕
切り板の下端部を所定位置に支持するガイドが設けられ
ていることが好ましい。これにより、蒸発させ回収容器
で回収した低融点金属は、更に小塊で回収することが可
能となる。
【0005】前記目的に沿う第2の発明に係る超硬合金
の再生設備は、使用済みの超硬合金と低融点金属とを真
空容器に入れて加熱し、超硬合金のバインダー材を低融
点金属に溶解させ、低融点金属を蒸発させて、真空容器
の下方に配置され周囲を冷却された回収容器に導き、回
収容器内にて低融点金属を回収する超硬合金の再生設備
において、真空容器の下端部には、低融点金属とは馴染
みの悪い耐熱材からなって、蒸発した低融点金属が真空
容器の内壁に付着することを防止するリング部材を設け
た。これにより、蒸発した低融点金属を、真空容器の内
壁に付着させることなく、回収容器で回収することが可
能となる。ここで、第1、第2の発明に係る超硬合金の
再生設備において、耐熱材には黒鉛を用いることが好ま
しい。これにより、耐熱材への低融点金属の付着を更に
防止することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る超硬合金の再生設備の構成図、図2(a)、
(b)、(c)はそれぞれ同超硬合金の再生設備に使用
される回収容器の底部の平面図、側面図、ガイドの部分
拡大図、図3(a)、(b)はそれぞれ同超硬合金の再
生設備に使用される分離部材の平面図、A−A矢視図、
図4(a)、(b)はそれぞれ同超硬合金の再生設備に
使用される回収容器の側壁部の平面図、側面図である。
【0007】図1〜図4に示すように、本発明の一実施
の形態に係る超硬合金の再生設備10は、使用済みの超
硬合金(例えばWC−Co、WC−Ni、W−Cu、W
−Ag等)と低融点金属の一例である亜鉛とを真空容器
(炉心管)11に入れて加熱し、超硬合金のバインダー
材(例えば、Co、Ni、Cu、Ag等)を亜鉛に溶解
させ、亜鉛を蒸発させて、真空容器11の下方に配置さ
れ周囲を冷却された回収容器12に導き、回収容器12
内にて亜鉛を回収する設備である。また、超硬合金の再
生設備10に備えられた回収容器12は、底部13と側
壁部14とが分離可能となって、更に、回収容器12の
内部15を縦方向に区分する分離部材16が設けられ、
しかも、分離部材16は亜鉛とは馴染みの悪い耐熱材の
一例である黒鉛からなる。そして、超硬合金の再生設備
10に設けられた真空容器11の下端部には、亜鉛とは
馴染みの悪い耐熱材の一例である黒鉛からなって、蒸発
した亜鉛が真空容器11の内壁41に付着することを防
止するリング部材17を設けている。以下、詳しく説明
する。
【0008】真空容器11はステンレス製(例えば、S
US304)で、天井部18を備えた円筒状の筒体であ
り、この真空容器11の天井部18の上端には、真空容
器11を吊上げ可能とするための吊上げ部19が配設さ
れている。また、この真空容器11の外側下端には、亜
鉛を回収する回収容器12の側壁部14の外側上端に設
けられているフランジ20と嵌合可能なフランジ21が
形成されている。そして、真空容器11の内側の下端部
には、黒鉛からなるリング部材17が配設されている。
なお、このリング部材17は、蒸発した亜鉛が凝縮(液
化)し、真空容器11の内壁41に付着し始める位置に
設けることが好ましく、高さ150cm程度の真空容器
11では、真空容器11の下端から高さが例えば15〜
30cm程度、厚みが13〜15mm程度であるリング
部材17を設けることが好ましい。
【0009】図2(a)、(b)、図4に示すように、
回収容器12の底部13はステンレス製(例えば、SU
S304)で円盤状となっており、底部13の円周部2
2には、回収容器12の側壁部14の外側下端に設けら
れたフランジ23と嵌合可能なくぼみ部24が設けられ
ている。また、このくぼみ部24から半径方向の内側に
入った部分には溝部25が形成され、この溝部25には
Oリング(オーリング)(図示しない)が備えられてい
るため、回収容器12の底部13と側壁部14との結合
部の密封状態は維持されている。そして、この底部13
の下側円周部には、この底部13を所定の高さに支持す
る支持部材26が複数備えられている。更に、この底部
13の下側円周部に備えられた支持部材26の内側に
は、底部13を水冷するための空間部27が形成され、
亜鉛の回収時には、常に冷却水を流し続けることが可能
な構成となっている。
【0010】また、底部13の上面には、図3(a)、
(b)に示すように、黒鉛からなる分離部材16が設け
られ、回収容器12の内部15を縦方向に区分する構成
となっている。この分離部材16は、回収容器12の中
央に配置される軸芯ロッド28と、軸芯ロッド28を中
心として放射状に配置された複数(この実施の形態で
は、30度毎に12枚)の矩形状の仕切り板29とを備
えており、回収容器12の底部13の上面に設けられた
ガイド30により、仕切り板29の下端部31が所定位
置に支持されている。軸芯ロッド28は円柱部32を有
し、上部34が半球となっており、しかもこの軸芯ロッ
ド28の側面は研削され、12角柱の形状となってい
る。ここで、軸芯ロッド28の上部34を仕切り板29
の上端より突出させ、しかも上部34を曲面とすること
で、軸芯ロッド28の上端で亜鉛が凝固することなく、
仕切り板29で仕切られた各空間部35にそれぞれ導か
れることが可能となっている。
【0011】仕切り板29の高さは側壁部14の高さと
同程度とすることが好ましく、しかも側壁部14と仕切
り板29とは当接していることが好ましい。これによ
り、回収容器12に回収される亜鉛は、小塊とすること
が可能となる。ガイド30は、ステンレス製(例えば、
SUS304)であり、円盤状の底部13の中心から放
射状に、仕切り板29の厚みに応じて平行に配設された
2本の棒材36で形成されている。なお、棒材36の直
径は、仕切り板29の大きさや厚みに応じて、底部13
の上面の所定位置に仕切り板29を支持できる程度の直
径、例えば1〜10mm程度とし、配置した棒材36の
間隔Dは、仕切り板29の厚みに応じて、例えば20〜
30mm程度とすることが好ましい(図2(c)参
照)。
【0012】なお、前記した仕切り板29の上端には、
軸芯ロッド28を軸心として、円筒状のサポーター37
を積載することが可能である。このサポーター37は黒
鉛で作製されており、複数段(この実施の形態では3
段)積み重ねられている。このように構成することで、
使用済み超硬合金と亜鉛とを投入したるつぼ38に対し
て、冷却により低い温度となった回収容器12の温度の
影響を低減することが可能となる。このサポーター37
の最上段上端には、使用済み超硬合金と亜鉛とを投入可
能とする黒鉛からなるるつぼ38が複数段(この実施の
形態では3段)積み重ねられている。このるつぼ38の
側壁部39には、上下方向に貫通した孔40が設けら
れ、蒸発した亜鉛を、真空容器11の下方に配置された
回収容器12に導くことが可能な構成となっている。ま
た、複数段積み重ねられたるつぼ38の最上段のるつぼ
38の上端部には蓋(図示しない)が設けられ、蒸発し
た亜鉛がるつぼ38内から真空容器11内へと拡散する
現象を低減する構成となっている。なお、上記した複数
のサポーター37及び複数のるつぼ38は、真空容器1
1の内壁41と例えば25〜40mm程度の隙間を開け
てそれぞれ配置されている。
【0013】回収容器12の側壁部14は、図4
(a)、(b)に示すように、ステンレス製(例えば、
SUS304)で平面視して円形の筒体である内側壁部
42と外側壁部43とを有している。従って、側壁部1
4は、内側壁部42と外側壁部43とが所定の距離W
(例えば30〜80mm程度)を開けて配置される2重
壁の構造となっている。また、回収容器12の側壁部1
4の外側上端に設けられているフランジ20及び、回収
容器12の側壁部14の外側下端に設けられているフラ
ンジ23は、それぞれ内側壁部42の上端部及び下端部
を基部としてそれぞれ設けられている。また、外側壁部
43には、側壁部14を冷却するため、内側壁部42と
外側壁部43との間の空間部44に冷却水を注入する注
入口45と、空間部44に注入された冷却水を排出する
排出口46とが設けられている。また、空間部44に
は、注入口45と排出口46とを仕切るための仕切り板
47が備えられているため、注入口45から注入された
冷却水は、側壁部14を周回して排出口46から排出さ
れる構成となっている。一方、内側壁部42には、真空
容器11及び回収容器12内の気体を排気するための排
気管48と、真空容器11及び回収容器12内に不活性
ガスの一例であるアルゴンガスを充填するためのガス導
入口49が、外側壁部43を貫通してそれぞれ配設され
ている。なお、排気管48の下流側には、真空ポンプ
(図示しない)が、真空ポンプを保護するためのフィル
ター(図示しない)を介して備えられている。
【0014】なお、前記した内側壁部42の内径と、前
記した真空容器11の下端部に設けられたリング部材1
7の内径とは、実質的に同じとすることが好ましく、こ
れにより、リング部材17の内側に凝縮する亜鉛を、真
空容器11の下方に配置された回収容器12に導くこと
が容易となる。そして、外側壁部43の外側上部には複
数(この実施の形態では、120度毎に3箇所)の吊上
げ部50が設けられ、側壁部14を吊上げることが可能
となっている。
【0015】超硬合金の再生設備10には、図1に示す
ように、真空容器11を囲み、真空容器11内の使用済
み超硬合金のバインダー材を亜鉛に溶解させる温度まで
加熱する加熱炉51と、この加熱炉51を上下方向に誘
導する対となる棒状の誘導部材52が備えられている。
この誘導部材52は、超硬合金の再生設備10の規模に
応じて、加熱炉51を誘導可能なように加熱炉51と例
えば10〜100cm程度の間隔を開け、ベース部60
に対して実質的に垂直に立設されている。この加熱炉5
1はステンレス製(例えば、SUS304)で、天井部
53を備えた円筒状の筒体であり、この加熱炉51の天
井部53の上端には、加熱炉51を吊上げ可能とするた
めの吊上げ部54が配設されている。また、この加熱炉
51の側壁部54aの内側には、ヒータ55が側壁部5
4aの円周に沿って高さ方向に複数段設けられている。
【0016】更に、この加熱炉51の側壁部54aの内
側と天井部53の内側には、加熱炉51から外部への熱
の放射を低減するため、断熱材の一例である耐火物56
がそれぞれ固定されている。そして、この加熱炉51の
両側の外側下部(下端及び下端から間隔を有して上方位
置)には、加熱炉51を誘導部材52に沿って上下動さ
せるための環状部材58、57がそれぞれ設けられてい
る。これにより、加熱炉51の吊上げ部54を用いて加
熱炉51を吊上げる場合に、加熱炉51を揺らすことな
く、上下方向に移動させることが可能となる。ここで、
加熱炉51は、支持部材59により所定の高さに支持さ
れる。この高さは、冷却水で冷却されている回収容器1
2の高さより高いことが好ましい。
【0017】続いて、本発明の一実施の形態に係る超硬
合金の再生設備10を使用し、使用済み超硬合金をリサ
イクルする方法について説明する。まず、ベース部60
に載置された回収容器12の底部13の上面に、ガイド
30に沿って分離部材16を配置し、回収容器12の側
壁部14の外側下端に設けられたフランジ23が、底部
13のくぼみ部24と嵌合可能なように、側壁部14を
底部13に設置する。このように設置した分離部材16
の仕切り板29の上端に、サポーター37を複数積載
し、サポーター37の最上部上端に、使用済み超硬合金
と、亜鉛とを投入したるつぼ38を複数積み重ねて配置
する。
【0018】積載が終了した後、真空容器11をるつぼ
38の上方から、るつぼ38を覆うように降ろし、真空
容器11の外側下端に設けられたフランジ21を、亜鉛
を回収する回収容器12の側壁部14の外側上端に設け
られているフランジ20と嵌合する。次に、加熱炉51
を、誘導部材52に沿って真空容器11の上方から降ろ
し、真空容器11の周囲を囲むように配置する。加熱炉
51を所定位置に配置した後、加熱炉51の内側下端部
と真空容器11の外側下端部間に断熱材61を配置し、
加熱炉51内から外部への熱の放射を低減する。上記の
方法で、使用済み超硬合金のリサイクルを行う超硬合金
の再生設備10の準備を行う。
【0019】次に、真空ポンプを作動させ、真空容器1
1及び回収容器12内の大気を排気管48から排出し、
真空脱気する。真空脱気が終了すれば、ガス導入口49
からアルゴンガスを真空容器11及び回収容器12内に
充填する。なお、上記した方法は、真空容器11及び回
収容器12内の大気の残存濃度を低くするため、繰返し
実施することが好ましい。これにより、黒鉛の酸化によ
り発生する黒鉛の劣化を抑制でき、しかも加熱された亜
鉛の酸化も防止できるため、経済性が良好となる。続い
て、加熱炉51に取付けられたヒータ55に通電して、
超硬合金のバインダー材を亜鉛に溶解させることが可能
な温度、例えば900〜1000℃程度に真空容器11
内を加熱する。ここで、ヒータ55は、独立に複数段設
けられているため、その通電量を各段でそれぞれ制御す
ることにより、真空容器11内の温度を最も良好な温度
分布に調節することが可能となる。
【0020】この加熱により、バインダー材は亜鉛に溶
解し、使用済みの超硬合金は膨張する。充分な加熱時間
が経過した後、排気管48から真空容器11及び回収容
器12内のアルゴンガスを排気し、真空容器11及び回
収容器12内を真空化(例えば、10-4〜10-2tor
r程度)する。ここで、真空容器11及び回収容器12
の規模や、真空容器11及び回収容器12の密封度を考
慮し、真空化する場合の圧力調整は次の方法で行うこと
が好ましい。排気管48の下流側の真空ライン(図示し
ない)に適当な径の孔を有するオリフィス(図示しな
い)を挿入することで、真空容器11内の低真空状態を
維持する。その後、排気管48の下流側に設けられたバ
イパスライン(図示しない)に切換えることで高真空状
態を維持する。これにより、外部から真空容器11及び
回収容器12内に大気が流入することを防ぐことが可能
となるため、黒鉛の酸化により発生する黒鉛の劣化を抑
制でき、しかも加熱された亜鉛の酸化も防止できる。
【0021】上記した真空化を行うことでるつぼ38内
から蒸発した亜鉛は、真空ポンプの作動により、るつぼ
38の側壁部39に設けられた孔40を介して、常に回
収容器12に導かれる。このとき、回収容器12は冷却
水により冷却されているため、蒸発した亜鉛がこの回収
容器12で凝縮、更に凝固し固体の亜鉛となって回収さ
れる。また、真空容器11の下方に取付けられたリング
部材17付近で凝縮した亜鉛は、リング部材17の内面
から、回収容器12の側壁部14の内側壁部42の内面
へと落下するため、真空容器11の内壁41に付着する
ことなく回収容器12で回収することが可能となる。こ
れにより、亜鉛は分離部材16により仕切られた空間部
35で、小塊として回収される。なお、真空容器11の
加熱は、使用済み超硬合金から亜鉛が充分除去された状
態で停止する。
【0022】次に、真空容器11内を亜鉛や黒鉛が酸化
しにくい温度まで冷却する。このとき、冷却に伴い真空
容器11及び回収容器12内の体積が収縮するため、超
硬合金の再生設備10の耐久性を考慮し、ガス導入口4
9から真空容器11及び回収容器12内にアルゴンガス
を常時流し続けることが好ましい。目的の温度まで冷却
した後、真空容器11及び回収容器12内の体積が僅か
に膨張する程度のアルゴンガスを、真空容器11及び回
収容器12内に流し込むことが好ましい。これにより、
真空容器11と回収容器12の分離は容易に行うことが
可能となる。
【0023】続いて、使用済み超硬合金から亜鉛を蒸発
させることで、スポンジ状の多孔質体となった超硬合金
と、回収容器12で回収した亜鉛の取出し方法について
説明する。まず、加熱炉51を、誘導部材52に沿って
上方に吊上げて除去し、更に真空容器11を吊上げ除去
する。積み重ねられたるつぼ38を順次ベース部60に
降ろし、スポンジ状の多孔質体となった超硬合金を回収
する。そして、積み重ねられたサポーター37を、分離
部材16の上端から除去し、更に回収容器12の側壁部
14を吊上げ、回収容器12の底部13から除去する。
これにより、分離部材16で仕切られた各空間部35で
凝固した亜鉛の小塊を回収する。
【0024】なお、回収容器の底部13及び側壁部14
は、常時冷却水により冷却され続けていたので、底部1
3及び側壁部14に接触していた亜鉛は粉状となり、容
易に底部13及び側壁部14から亜鉛を分離することが
可能である。また、分離部材16には黒鉛を使用してい
たため、容易に分離部材16と亜鉛とを分離することが
可能である。上記の方法により回収したスポンジ状の多
孔質体となった超硬合金は、従来公知の方法を用いて必
要な粒径に粗粉砕、更には微粉砕することで、リサイク
ルすることが可能となる。一方、酸化することなく、し
かも小塊で回収した亜鉛は、必要な大きさにするため再
溶解処理することなく、使用済み超硬合金のリサイクル
に再利用することが可能となる。
【0025】以上、本発明を、一実施の形態を参照して
説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記
載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に
記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施
の形態や変形例も含むものである。前記実施の形態にお
いては、低融点金属として亜鉛を使用した場合について
説明したが、他の低融点金属、例えばカドミウム等を使
用することも可能である。また、前記実施の形態におい
ては、リング部材の内径と、回収容器の側壁部の内側壁
部の内径とを等しくした場合について説明した。しか
し、リング部材の内径を内側壁部の内径より小さくし、
リング部材の下側内壁を回収容器側に拡径するように機
械加工して、凝縮した亜鉛を回収容器に導くことも可能
である。そして、前記実施の形態においては、仕切り板
は12枚としたが、必要な大きさの亜鉛を回収するた
め、12枚より少なく、また多くすることも可能であ
る。そして、仕切り板の配置は、軸芯ロッドを中心とし
て等角度で行ったが、必要に応じて狭い角度の部分や広
い角度の部分を設けることも可能である。これにより、
回収した亜鉛に大きさの分布を付けることが可能とな
る。更に、前記実施の形態において、耐熱材には黒鉛を
用いたが、セラミックスや金属等を用いることも可能で
ある。
【0026】
【発明の効果】請求項1及びこれに従属する請求項2、
4記載の超硬合金の再生設備においては、蒸発させ回収
容器で回収した低融点金属は、回収容器に設けられた分
離部材により小塊で回収することが可能となり、しかも
容易に回収容器から取出すことが可能となる。従って、
回収した低融点金属を、小塊にするための再溶解が必要
なくなるため作業性が良好となる。また、再溶解に必要
な熱エネルギーが必要なくなるため、経済性が良好とな
る。そして、再溶解時に加熱することで発生する低融点
金属の酸化を防止できるため、低融点金属のリサイクル
量を向上させることが可能となる。更に、回収した小塊
の低融点金属を、再度超硬合金のリサイクルに利用する
ことで、超硬合金の製造時の供給原料と同一組成の超硬
合金の粉を回収することが可能となる。特に、請求項2
記載の超硬合金の再生設備においては、蒸発させ回収容
器で回収した低融点金属は、更に小塊で回収することが
可能となる。従って、回収した低融点金属を所定の大き
さに再度調整処理することなく、使用済み超硬合金のリ
サイクルに使用できるため、経済性が良好である。
【0027】請求項3及びこれに従属する請求項4記載
の超硬合金の再生設備においては、蒸発した低融点金属
を、真空容器の内壁に付着させることなく、回収容器で
回収することが可能となる。これにより、真空容器の内
壁の腐食の発生を防止することが可能となるので、真空
容器の成分が溶融することのない高純度の低融点金属を
回収することができる。従って、回収した低融点金属を
使用済み超硬合金のリサイクルに再度利用することで、
高品位の超硬合金の粉を回収することが可能となる。ま
た、低融点金属に使用済み超硬合金のバインダー材を溶
融させるために用いるるつぼの抜き取りを容易に行うこ
とができ、しかも真空容器内壁の付着物の剥離作業を削
除することが可能となるため、作業性が良好となる。請
求項4記載の超硬合金の再生設備においては、耐熱材へ
の低融点金属の付着を更に防止することが可能となる。
従って、高純度の低融点金属を回収することが可能とな
るので、回収した低融点金属を使用済み超硬合金のリサ
イクルに再度利用することで、超硬合金の製造時の供給
原料と同一組成の超硬合金の粉を回収することが可能と
なる。また、黒鉛が低融点金属に微量含有されたとして
も、超硬合金の超硬材にカーボンの化合物、例えばWC
を使用した場合には、超硬合金の製造時の供給原料と同
一組成の超硬合金の粉を回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る超硬合金の再生設
備の構成図である。
【図2】(a)、(b)、(c)はそれぞれ同超硬合金
の再生設備に使用される回収容器の底部の平面図、側面
図、ガイドの部分拡大図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ同超硬合金の再生設
備に使用される分離部材の平面図、A−A矢視図であ
る。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ同超硬合金の再生設
備に使用される回収容器の側壁部の平面図、側面図であ
る。
【符号の説明】
10:超硬合金の再生設備、11:真空容器、12:回
収容器、13:底部、14:側壁部、15:内部、1
6:分離部材、17:リング部材、18:天井部、1
9:吊上げ部、20:フランジ、21:フランジ、2
2:円周部、23:フランジ、24:くぼみ部、25:
溝部、26:支持部材、27:空間部、28:軸芯ロッ
ド、29:仕切り板、30:ガイド、31:下端部、3
2:円柱部、34:上部、35:空間部、36:棒材、
37:サポーター、38:るつぼ、39:側壁部、4
0:孔、41:内壁、42:内側壁部、43:外側壁
部、44:空間部、45:注入口、46:排出口、4
7:仕切り板、48:排気管、49:ガス導入口、5
0:吊上げ部、51:加熱炉、52:誘導部材、53:
天井部、54:吊上げ部、54a:側壁部、55:ヒー
タ、56:耐火物、57:環状部材、58:環状部材、
59:支持部材、60:ベース部、61:断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K001 AA01 AA07 AA09 AA19 AA29 AA30 BA22 DA05 DA06 DA07 DA12 EA02 EA05 GA08 GA15 GA19 GB02 4K051 BB01 BB06 4K061 AA02 BA02 CA01 CA08 CA17 DA05 FA02 FA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済みの超硬合金と低融点金属とを真
    空容器に入れて加熱し、該超硬合金のバインダー材を前
    記低融点金属に溶解させ、該低融点金属を蒸発させて、
    前記真空容器の下方に配置され周囲を冷却された回収容
    器に導き、該回収容器内にて前記低融点金属を回収する
    超硬合金の再生設備において、前記回収容器は底部と側
    壁部とは分離可能となって、更に、前記回収容器の内部
    を縦方向に区分する分離部材が設けられ、しかも、前記
    分離部材は前記低融点金属とは馴染みの悪い耐熱材から
    なることを特徴とする超硬合金の再生設備。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超硬合金の再生設備にお
    いて、前記分離部材は、前記回収容器の中央に配置され
    る軸芯ロッドと、該軸芯ロッドを中心として放射状に配
    置された複数の仕切り板とを備え、しかも前記回収容器
    の底部には、前記仕切り板の下端部を所定位置に支持す
    るガイドが設けられていることを特徴とする超硬合金の
    再生設備。
  3. 【請求項3】 使用済みの超硬合金と低融点金属とを真
    空容器に入れて加熱し、該超硬合金のバインダー材を前
    記低融点金属に溶解させ、該低融点金属を蒸発させて、
    前記真空容器の下方に配置され周囲を冷却された回収容
    器に導き、該回収容器内にて前記低融点金属を回収する
    超硬合金の再生設備において、前記真空容器の下端部に
    は、前記低融点金属とは馴染みの悪い耐熱材からなっ
    て、蒸発した前記低融点金属が前記真空容器の内壁に付
    着することを防止するリング部材を設けたことを特徴と
    する超硬合金の再生設備。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の超
    硬合金の再生設備において、前記耐熱材には黒鉛を用い
    たことを特徴とする超硬合金の再生設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1618219A2 (en) * 2003-03-14 2006-01-25 World Resources Company Recovery of metal values from cermet
JP2013019019A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Toyota Motor Corp 超硬合金のリサイクル方法及びその方法に用いられる装置

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