JP2002004035A - 真空蒸着装置およびこの装置を用いた真空蒸着方法 - Google Patents

真空蒸着装置およびこの装置を用いた真空蒸着方法

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JP2002004035A
JP2002004035A JP2000179653A JP2000179653A JP2002004035A JP 2002004035 A JP2002004035 A JP 2002004035A JP 2000179653 A JP2000179653 A JP 2000179653A JP 2000179653 A JP2000179653 A JP 2000179653A JP 2002004035 A JP2002004035 A JP 2002004035A
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roll
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polymer film
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JP2000179653A
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English (en)
Inventor
Mikio Ishida
幹生 石田
Osamu Yasuda
修 安田
Michiyasu Moriwaki
通泰 森脇
Shigeru Tamaki
茂 玉木
Yoshitomo Nishigori
由朋 錦織
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスキングテープの内周面に積層した金属層
を効率的に除去することができ、さらに蒸着防止用オイ
ルが無端状のマスキングテープの外周面に回り込んで高
分子フィルムに悪影響を与えることが防止できる真空蒸
着装置および真空蒸着方法を提供すること。 【解決手段】 無端状のマスキングテープ7の内周面に
金属層剥離オイルを介して蒸着した金属層が剥離するよ
うに、その周面が、マスキングテープ7の外周面に押し
当てられてマスキングテープ7の走行を蛇行させる位置
と、マスキングテープ7の外周面に押し当てられずマス
キングテープ7の回転走行を妨げない位置との間で進退
可能になっている金属層剥離ロール10が備えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高分子フィルムに金
属を蒸着させる真空蒸着装置およびこの装置を用いた真
空蒸着方法に関し、より詳細には、無端状のマスキング
テープおよび金属層剥離オイルを用いた真空蒸着におい
て、当該マスキングテープから効率的に金属を除去する
ことができるだけでなく、金属層剥離オイルが無端状の
マスキングテープの外周面に回り込んで高分子フィルム
に悪影響を与えることが防止できる真空蒸着装置および
真空蒸着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルム、ガラスシートな
どの高分子フィルム上にアルミニウムなどからなる金属
層を積層する方法として、真空蒸着方法が広く採用され
ている。このようにして金属層を蒸着されたプラスチッ
クフィルムは、金属化フィルムとして、例えば、フィル
ムコンデンサを製造するために用いられている。
【0003】真空蒸着の際には、高分子フィルム上全体
に金属層が蒸着されることが所望されることもあるが、
高分子フィルムの一部にのみ金属層が蒸着されることが
所望される場合、金属層が全体に蒸着された高分子フィ
ルムをレーザートリミングするか、または金属を蒸着し
ない部分(すなわち、「非蒸着部」)を予め遮蔽した後
に金属を蒸着することが一般的である。後者に属する真
空蒸着方法の1つに、マスキングテープを用いた真空蒸
着方法がある。
【0004】マスキングテープを用いた真空蒸着方法
は、金属層が蒸着される高分子フィルムが帯状であっ
て、非蒸着部もまた高分子フィルムの長さ方向に一定幅
の帯状に形成されることが所望される場合に用いられる
方法である。マスキングテープは、高分子フィルム上で
非蒸着部が形成されることが所望される箇所を遮蔽す
る。また、一般的に、マスキングテープは無端状(エン
ドレス状)となっており、マスキングテープが架け渡さ
れたロールにより回転走行するようになっている。これ
と共に金属層が蒸着される帯状の高分子フィルムは、繰
り出しロールから繰り出されて金属層が蒸着された後、
巻き取りロールに巻き取られるようになっている。
【0005】図8は、従来のマスキングテープを用いた
真空蒸着装置である。図8に示すように、高分子フィル
ム2は予め繰り出しロール1に巻回されており、ここか
ら繰り出された高分子フィルム2は冷却ロール3の周面
上を摺動した後、巻き取りロール4に巻き取られるよう
になっている。冷却ロール3の周面上を摺動する高分子
フィルム2には、蒸着装置本体Aから金属が蒸着され
る。この蒸着装置本体Aは、無端状のマスキングテープ
7と金属蒸発源5とを備えている。これらの繰り出しロ
ール1、マスキングテープ7、金属蒸発源5などは、す
べて真空チャンバ内に納められている。
【0006】無端状のマスキングテープ7は複数個のガ
イドロール6に架け渡されており、この複数個のガイド
ロール6によって右回りまたは左回りに回転走行するよ
うになっている。また、マスキングテープ7は、回転走
行により高分子フィルム2とほぼ同じ速度で走行し、冷
却ロール3の周面に密着して摺動する高分子フィルム2
上にその外周面が密着するようになっている。すなわ
ち、冷却ロール3の外周面には、高分子フィルム2およ
びマスキングテープ7がこの順で重なり合っている。そ
して、金属蒸発源5から蒸発した金属は、高分子フィル
ム2またはマスキングテープ7の内周面上に積層し、マ
スキングテープ7により遮蔽された部分の高分子フィル
ム2が非蒸着部となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、マスキ
ングテープ7は金属蒸発源5から蒸発した金属に晒され
るため、マスキングテープ7の内周面上には金属が堆積
して金属層となる。また、マスキングテープ7は回転走
行すると共に無端状であるので、何度も金属蒸発源5か
ら蒸発した金属に晒される。そのため、マスキングテー
プ7の内周面上に堆積して出来る金属層の厚みは徐々に
増していくだけでなく、マスキングテープ7と、その内
周面上に蒸着した金属とが互いに強力に付着してしま
う。付着した金属を除去するためには、マスキングテー
プ7を真空蒸着装置から取り出し、水酸化ナトリウム水
溶液中に浸漬し、次いで乾燥させなければならず、大変
手間がかかるという問題点がある。また、このようにし
ても非常に強力にマスキングテープ7に付着した金属を
除去することができないこともあり、結果的にマスキン
グテープ7を再利用しにくいという問題がある。
【0008】この問題を解決するため、マスキングテー
プ7の内周面にパークロロアルキルエーテルなどの蒸着
防止用オイルを塗布などにより積層し、マスキングテー
プ7の内周面上に金属が蒸着することを防止する方法も
考えられている。しかし、金属蒸発源5から金属を蒸発
させ、かつマスキングテープ7が回転走行している間に
マスキングテープ7へ蒸着防止用オイルを塗布すること
を中止してしまうと、徐々にこの蒸着防止用オイル上に
も金属が積層してしまう。従って、蒸着防止用オイルを
マスキングテープ7へ連続的に積層することが必要であ
る。
【0009】このため、マスキングテープ7の内周面上
に蒸着防止用オイルを積層する際には、図8に示すよう
に、蒸着装置本体にオイル蒸発器8を設け、回転走行す
るマスキングテープ7の内周面上に蒸着防止用オイルを
連続的に蒸着させることが一般的である。また、オイル
蒸発器8に代えて、オイル塗布器なども用いられてい
る。
【0010】しかし、オイル蒸発器にしろオイル塗布器
にしろ、回転走行するマスキングテープ7の内周面上に
蒸着防止用オイルを連続的に蒸着させた場合、マスキン
グテープ7の外周面に常に若干量の蒸着防止用オイルが
回り込む。この回り込んだ蒸着防止用オイルはその後、
冷却ロール3において高分子フィルム2に転写されてし
まい、このマスキングテープ7の外周面から高分子フィ
ルム2に転写されたマスキングオイルがフィルムコンデ
ンサの電気的特性(例えば、静電容量など)に悪影響を
与えているという問題がある。
【0011】本発明は上記課題を解決するためになさ
れ、マスキングテープの内周面に積層した金属層を効率
的に除去することができ、さらに蒸着防止用オイルが無
端状のマスキングテープの外周面に回り込んで高分子フ
ィルムに悪影響を与えることが防止できる真空蒸着装置
および真空蒸着方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、本
発明に係る真空蒸着装置は、予め巻回された高分子フィ
ルム2を繰り出す繰り出しロール1と、繰り出しロール
1から繰り出された高分子フィルム2が周囲を摺動する
冷却ロール3と、冷却ロール3の周面との間に高分子フ
ィルム2を挟み、冷却ロール3上を摺動する高分子フィ
ルム2上に蒸着により電極層12を形成する蒸着装置本
体Aと、電極層12が蒸着した高分子フィルム2を巻き
取る巻き取りロール4とを真空チャンバ内に備え、高分
子フィルム2上に所定幅の非蒸着部11をあけて幅方向
に分割された複数本の電極層12を積層する真空蒸着装
置であって、蒸着装置本体Aが、冷却ロール3の周面と
の間に高分子フィルム2を挟んで非蒸着部11が設けら
れることが所望される箇所を遮蔽すると共に、内周面上
に金属層剥離オイル13が積層されて回転走行する無端
状のマスキングテープ7と、無端状のマスキングテープ
7が架け渡されたガイドロール6と、冷却ロール3と無
端状のマスキングテープ7との間に設置され、冷却ロー
ル3上を摺動する高分子フィルム2に向けて金属を蒸発
させる金属蒸発源5と、無端状のマスキングテープ7の
内周面に金属層剥離オイル13を介して蒸着した金属層
14が剥離するように、その周面が、マスキングテープ
7の外周面に押し当てられてマスキングテープ7の走行
を蛇行させる位置と、マスキングテープ7の外周面に押
し当てられずマスキングテープ7の回転走行を妨げない
位置との間で進退可能になっている金属層剥離ロール1
0とを備えることを特徴とする。
【0013】そして、この真空蒸着装置を用いた本発明
に係る真空蒸着方法は、金属蒸発源5から金属を蒸着さ
せる前に、マスキングテープ7の内周面上に金属層剥離
オイル13を積層し、次いで金属層剥離ロール10をマ
スキングテープ7の外周面に押し当てずにマスキングテ
ープ7の回転走行を妨げない位置に移動した状態で無端
状のマスキングテープ7を回転走行させると共にマスキ
ングテープ7により非蒸着部11が設けられることが所
望される箇所が遮蔽された高分子フィルム2に向かって
金属蒸発源5から金属を蒸着させ、高分子フィルム2に
向かって金属蒸発源5から金属を蒸着させた後に、金属
層剥離ロール10をマスキングテープ7の外周面に押し
当ててマスキングテープ7の走行を蛇行させる位置に前
進させ、無端状のマスキングテープ7の外周面を金属層
剥離ロール10の周面上に摺動させることにより、マス
キングテープ7の内周面上に金属層剥離オイル13を介
して蒸着した電極層12を剥離する方法である。
【0014】金属層剥離ロール10の周面がマスキング
テープ7の外周面に押し当てられてマスキングテープ7
の走行を蛇行させる位置に前進する際には、無端状のマ
スキングテープ7の少なくとも一部がより内側を走行す
るようにガイドロール6の少なくとも一部が内側方向に
移動するようになっていることが好ましい。
【0015】また、金属層剥離ロール10がマスキング
テープ7の外周面に押し当てられた際には、金属層剥離
ロール10をその軸芯に対して垂直な断面から見て、無
端状のマスキングテープ7の外周面が100°以上17
0°以下の角度θで金属層剥離ロール10の周面に押し
当てられることが好ましく、この角度θは130°以上
150°以下であることがより好ましい。
【0016】1つの実施態様においては、所定幅の非蒸
着部11が2本以上設けられ得る。
【0017】金属層剥離オイル13は、分子量194以
上392以下の流動パラフィンを含有することが好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面と共に詳細に
説明する。本発明に係る真空蒸着装置は、図1に示すよ
うに、金属を蒸着される高分子フィルム2が予め繰り出
しロール1に巻回されており、ここから高分子フィルム
2が繰り出されるようになっている。繰り出された高分
子フィルム2は、冷却ロール3の周面上を摺動した後、
巻き取りロール4に巻き取られるようになっている。冷
却ロール3の周面上を摺動する高分子フィルム2には、
蒸着装置本体Aから金属が蒸着される。この蒸着装置本
体Aは、無端状のマスキングテープ7と金属蒸発源5と
を備えている。これらの繰り出しロール1、マスキング
テープ7、金属蒸発源5などは、図1に示すように、す
べて真空チャンバ内に納められている。なお、蒸着装置
本体Aとそれ以外の部分との間には、仕切板15が設け
られている。
【0019】無端状のマスキングテープ7は冷却ロール
3の周面を摺動する高分子フィルム2と金属蒸発源5と
の間を走行する。高分子フィルム2とマスキングテープ
7との間が離間していると、非蒸着部となることが所望
される部分の高分子フィルム2を完全に遮蔽することが
できないため、マスキングテープ7を高分子フィルム2
とほぼ同じ速度で走行させると共に、高分子フィルム2
にマスキングテープ7を密着させることが好ましい。す
なわち、冷却ロール3の外周面には、高分子フィルム2
およびマスキングテープ7がこの順で重なり合ってい
る。なお、マスキングテープ7は、高分子フィルム2上
で非蒸着部が形成される箇所を遮蔽していることは言う
までもない。なお、以下、無端状のマスキングテープ7
は、右回りに回転走行することとして説明する。
【0020】無端状のマスキングテープ7は、複数個の
ガイドロール6に架け渡されており、この複数個のガイ
ドロール6によって右回りまたは左回りに回転走行する
ようになっている。つまり、ガイドロール6は、モータ
ー等の駆動手段(図示せず)により駆動し、ガイドロー
ル6とマスキングテープ7との摩擦によりマスキングテ
ープ7が左回りまたは右回りに回転走行するようになっ
ている。後述するように、この無端状のマスキングオイ
ル7の内周面には、金属層剥離オイル13が積層され
る。
【0021】なお、マスキングテープ7を回転走行させ
る駆動力はガイドロール6により与えられるが、このよ
うな駆動力は必ずしもマスキングテープ7が架け渡され
たガイドロール6によって与えられるとは限らず、例え
ば、ガイドロール6とは別に、ガイドロール6との間に
マスキングテープ7を挟むような駆動ロール(図示せ
ず)を設け、駆動ロールを回転させることによりマスキ
ングテープ7を回転走行させてもよい。また、すべての
ガイドロール6がモーター等の駆動手段(図示せず)に
より駆動する必要はなく、マスキングテープ7が回転走
行する限り、1本のガイドロール6のみがモーター等の
駆動手段(図示せず)により駆動するようになっていて
もよい。
【0022】金属蒸発源5は、冷却ロール3と無端状の
マスキングテープ7との間に設置され、冷却ロール3上
を摺動する高分子フィルム2に向けて金属を蒸発する。
金属蒸発源5から蒸発した金属は、高分子フィルム2上
およびマスキングテープ7の内周面上に積層し、蒸着後
の高分子フィルム2の平面図を示す図5に示すように、
マスキングテープ7により遮蔽された部分の高分子フィ
ルム2が非蒸着部11となり、この非蒸着部11を挟む
様にして、高分子フィルム2上には電極層12が形成さ
れる。金属蒸発源5に供される金属としては特に限定さ
れないが、例えば、アルミニウムを挙げることができ
る。
【0023】本発明においては、図1に示すように、蒸
着装置本体Aに、無端状のマスキングテープ7の外周面
がその周面上を摺動し得る金属層剥離ロール10が設け
られている。この金属層剥離ロール10について詳述す
ると、通常、マスキングテープ7が回転走行し、金属蒸
発器5から金属が蒸着されている際には、図1に示され
るように、この金属層剥離ロール10は、マスキングテ
ープ7の外周面に押し当てられず、マスキングテープ7
の回転走行を妨げない位置に後退している。
【0024】一方、高分子フィルム2に向かって金属蒸
着源5から金属を蒸着させることを終了した後のよう
な、マスキングテープ7上に金属層剥離ロール10を介
して積層した金属層14を除去することが必要になった
場合には、図2に示されるように、金属層剥離ロール1
0がマスキングテープ7側に向かって前進し、その周面
がマスキングテープ7の外周面に押し当てられてマスキ
ングテープ7の走行を蛇行させるようになっている。も
ちろん、金属層14を除去するのは、高分子フィルム2
に向かって金属蒸着源5から金属を蒸着させることを終
了した後だけでなく、その途中であってもよい。但し、
本発明においては、金属層14を除去する際には、金属
蒸発器5からの金属の蒸発を停止させた後に金属層14
を剥離することが一般的である。
【0025】マスキングテープ7側に向かって金属層剥
離ロール10が前進する際には、図2に示すように、マ
スキングテープ7が架け渡された2つのガイドロール6
a、6bが内側方向に移動する。これにより、この2つ
のガイドロール6a、6b間の無端状のマスキングテー
プ7はより内側を走行することになる。このようにする
理由は、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドなど
から作製される一般的なマスキングテープ7は比較的剛
直であって、単に金属層剥離ロール10をマスキングテ
ープ7側に向かって前進させただけでは、大きな力が金
属層剥離ロール10からマスキングテープ7に加わるの
みであって、金属層剥離ロール10によるマスキングテ
ープ7の走行方向がさほど大きく蛇行しない(すなわ
ち、金属層剥離ロール10にマスキングテープ7の外周
面が十分摺動しない)ので、金属層がマスキングテープ
7から剥離しない場合があるためである。
【0026】なお、可撓性に富むゴムなどからマスキン
グテープ7を作製した場合には、図2のように2つのガ
イドロール6a、6bを内側方向に移動させる必要はな
くなる。このような場合には、単に金属層剥離ロール1
0をマスキングテープ7側に向かって前進させるだけで
よい。
【0027】金属層剥離ロール10がマスキングテープ
7側に向かって前進し、マスキングテープ7の走行を蛇
行させる状態を図3に示す。このように金属層剥離ロー
ル10が前進し、マスキングテープ7の外周面がその周
面を摺動する際には、マスキングテープ7は大きくその
走行方向を変更される。マスキングテープ7の走行が蛇
行している図3に示すように、マスキングテープ7は、
走行方向を大きく変える金属層剥離ロール10の周面を
走行する際にも、この金属層剥離ロール10の周面に密
着して走行するが、マスキングテープ7上に金属層剥離
オイル13を介して蒸着した金属層14は、マスキング
テープ7と比較して剛直である上、金属層を剥離させよ
うとする金属層剥離オイル上に積層されているため、走
行方向を大きく変える金属層剥離ロール10の周面に沿
って走行することができず、図3に示すように、金属層
剥離ロール10の周面に密着しながら走行するマスキン
グテープ7の内周面から剥離していく。
【0028】このように、本発明においては、通常、マ
スキングテープ7が回転走行し、金属蒸発器5から金属
が蒸着されている際には、図1に示されるように、マス
キングテープ7の回転走行を妨げない位置に金属層剥離
ロール10を後退させておき、マスキングテープ7上に
金属層剥離ロール10を介して積層した金属層14を除
去することが必要になった際には、図2に示されるよう
に、必要に応じてガイドロール6a、6bを内側に移動
させながら金属層剥離ロール10をマスキングテープ7
側に向かって前進させ、その周面をマスキングテープ7
の外周面に押し当ててマスキングテープ7の走行を大き
く蛇行させることにより、マスキングテープ7上に金属
層剥離オイル13を介して蒸着した金属層14を剥離す
る。従って、マスキングテープに付着した金属を除去す
るために、真空蒸着装置からマスキングテープ7を取り
出し、水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、次いで乾燥
させるという手間もなくなるだけでなく、マスキングテ
ープ7を再利用することが容易になるという利点もあ
る。
【0029】次に、上述した本発明に係る真空蒸着装置
の好ましい使用方法、すなわち、本発明に係る真空蒸着
方法を説明する。まず、金属蒸発源5から金属を蒸着さ
せる前に、マスキングテープ7の内周面上に金属層剥離
オイル(以下、単に「オイル」という場合がある)を積
層する。マスキングテープ7の内周面上に金属層剥離オ
イルを積層する方法としては、例えば、図4に示すよう
な、円筒状のオイル蒸発器8を用い、オイルをマスキン
グテープ7に蒸着させる方法、オイルを塗布する方法、
オイルをグラビアロールなどから転写する方法などが挙
げられる。この中でも、他の方法と比較して確実かつ容
易にオイルをテープに積層できる(理由は後述する)オ
イル蒸発器8を用いた方法を詳述する。
【0030】図4に示すように、本発明に係る真空蒸着
方法に用いられる円筒状のオイル蒸発器8は、周面にス
リット開口部8aが穿設されている。一般的に、このオ
イル蒸発器8は金属筒から作製され、筒内部にヒーター
(図示せず)が内蔵されている。このヒーターにより筒
内部に入れられたオイルを気化し、スリット開口部8a
から放出させ、マスキングテープ7の内周面にオイルを
蒸着させる。
【0031】金属層剥離オイル13としては、分子量が
194以上420以下の流動パラフィンが用いられるこ
とが好ましい。分子量が194未満であると、マスキン
グテープ7に金属が蒸着される前に金属蒸発原5からの
潜熱または輻射熱により金属層剥離オイルがマスキング
テープ7から再蒸発してしまい、金属層14を剥離させ
ることができなくなるという不具合が生じ得る。一方、
分子量が420を越える場合、オイルが安定的に気化せ
ず、突然多量のオイルが気化するというような異常蒸発
が発生するという不具合が生じ得る。
【0032】この中でも、ヒーターが内蔵されたオイル
蒸発器8に入れられるオイルとしては、分子量が194
以上392以下の流動パラフィンが用いられることが好
ましい。分子量が194未満であると、分子量が小さす
ぎて、気化したオイルは、オイル蒸発器8内で循環して
しまい、スリット開口部8aから放出されにくいという
不具合がある。一方、分子量が392を越える場合に
は、分子量が大きすぎて、マスキングテープ7上に蒸着
するオイル13の量が少なすぎて、金属層14を剥離さ
せるために十分なオイル13がマスキングテープ7に蒸
着しない場合があるという不具合がある。
【0033】なお、流動パラフィンを積層しやすい等の
観点からも、マスキングテープ7の材質としては、ポリ
イミドおよびポリフェニレンサルファイドが好ましい。
また、流動パラフィンなどの金属層剥離オイル13をマ
スキングテープ7上に積層する際には、通常、金属層剥
離ロール10は、マスキングテープ7の回転走行を妨げ
ない位置(図1)に後退しているが、マスキングテープ
7の走行を蛇行させる位置(図2)に前進させていても
よい。但し、前進させた状態で金属層剥離オイル13を
積層した場合であっても、次に説明する無端状のマスキ
ングテープ7を回転走行させると共に高分子フィルム2
に向かって金属蒸発源5から金属を蒸着させる前までに
金属層剥離ロール10を後退させる必要がある。
【0034】次に、流動パラフィンなどの金属層剥離オ
イル13をマスキングテープ7上に積層することを終
え、無端状のマスキングテープ7を回転走行させると共
に高分子フィルム2に向かって金属蒸発源5から金属を
蒸着させる。マスキングテープ7は非蒸着部11とされ
ることを所望される箇所を遮蔽し、このような状態で金
属蒸発源5から蒸発した金属に晒され、マスキングテー
プ7の内周面に金属層剥離オイル13を介して金属層1
4が積層される。マスキングテープ7を何度も回転させ
て、高分子フィルム2に電極層12を積層していく。高
分子フィルム2に電極層12を積層していく間には、金
属層剥離オイル13をマスキングテープ7上に追加しな
い。例えば、図1に示されるような、オイル蒸発器8が
用いられる場合には、オイル蒸発器8に内蔵されたヒー
ターの加熱を中止しておく。
【0035】後の実施例でも詳述するが、高分子フィル
ム2に向かって金属蒸発源5から金属を蒸着させた直後
には、金属層剥離オイル13は、蒸着防止オイルとして
も作用し、蒸着してくる金属をはじくが、高分子フィル
ム2に電極層12を積層していく間には、金属層剥離オ
イル13をマスキングテープ7上に追加しないため、徐
々に金属層剥離オイル13上にも金属が蒸着し、金属層
14が形成される。
【0036】高分子フィルム2上に電極層12を積層す
ることが終了したり、または高分子フィルム2上に電極
層12を積層している途中であっても、マスキングテー
プ7上に金属層剥離オイル13を介して積層した金属層
14を除去したい場合には、図2に示されるように、マ
スキングテープ7に金属層剥離ロール10を押し当て、
マスキングテープ7の走行を蛇行させる。なお、マスキ
ングテープ7に向かって金属層剥離ロール10を前進さ
せて押し当てる際には、一旦マスキングテープ7の回転
走行を停止することが好ましい。このようにマスキング
テープ7の走行を蛇行させると、段落番号0027およ
び図3に説明したように、金属層剥離オイル13を介し
てマスキングテープ7の内周面に蒸着した金属層14
は、金属層剥離ロール10の周面に密着しながら走行す
るマスキングテープ7の内周面から剥離していく。
【0037】なお、本発明者らは自然法則に拘泥される
ことを好まないが、マスキングテープ7に金属層剥離ロ
ール10を押し当てた際には、金属層剥離ロール10が
押し当てられた部分のマスキングテープ7の内周面に積
層された金属層14に横方向(マスキングテープの幅方
向)の割れが生じ、この割れによってできた金属層14
の先端から金属層14が剥離していくと考えられてい
る。この後、マスキングテープ7を一回転させれば、金
属層14の後端まで(すなわち、すべての金属層14)
がマスキングテープ7の内周面から剥離する。
【0038】本発明に係る真空蒸着装置を用いた真空蒸
着方法おいては、上記のように、無端状のマスキングテ
ープ7を回転走行させると共に高分子フィルム2に向か
って金属蒸発源5から金属を蒸着させる前に、流動パラ
フィンなどの金属層剥離オイル13をマスキングテープ
7上に積層しておき、マスキングテープ7を回転走行さ
せると共に金属蒸発源5から金属を蒸着させている間に
は金属層剥離オイル13をマスキングテープ7上に追加
しないため、従来の課題の1つであった、マスキングテ
ープ7が回転走行している間に蒸着防止用オイルを積層
させた際にはどうしてもマスキングテープ7の外周面に
蒸着防止用オイルが回り込み、これが高分子フィルム2
に悪影響を与えてしまうことが自ずと防止できる。
【0039】次に、本発明に係る真空蒸着装置および真
空蒸着方法における好ましい金属層剥離ロール10につ
いて説明する。図3に示すように、マスキングテープ7
の内周面に金属層剥離オイルを介して蒸着した金属層が
確実に剥離するように、金属層剥離ロール10がマスキ
ングテープ7に向けて前進した際には、金属層剥離ロー
ル10の軸芯に対して垂直な断面から見て、無端状のマ
スキングテープ7の外周面が、100°以上170°以
下の角度θで金属層剥離ロール10の周面と接している
ことが好ましい。この角度θが100°未満であると、
金属層剥離ロール10によるマスキングテープ7の走行
方向がさほど大きく蛇行しないので、金属層がマスキン
グテープ7から剥離しない場合がある。一方、この角度
θが170°を越える場合には、金属層剥離ロール10
とマスキングテープ7の外周面との摩擦が大きくなり、
マスキングテープ7が擦り切れやすくなる傾向がある。
金属層剥離ロール10とマスキングテープ7の外周面と
の摩擦を最小限に抑えてより確実に金属層をマスキング
テープ7から剥離させることができるという観点から、
上記角度は130°以上150°以下であることがより
好ましい。
【0040】このようにして本発明に係る真空蒸着装置
および真空蒸着方法を用いて、図5に示すような、高分
子フィルム2上に金属層が積層された金属化フィルムを
得ることができる。図5には、高分子フィルム2上に所
定幅を有する複数の非蒸着部11をあけて幅方向に分割
された複数本の電極層12が積層された金属化フィルム
が示されており、このような金属化フィルムを本発明に
係る真空蒸着装置および真空蒸着方法を用いて得るため
には、複数の非蒸着部11に対応する所定間隔をあけて
マスキングテープ7を複数本平行に並べればよい。もち
ろん、高分子フィルム2上の非蒸着部11が1本である
場合、マスキングテープ7は1本でよいことは言うまで
もない。
【0041】なお、図2に示されるような、マスキング
テープ7から剥離した金属層は、マスキングテープ7の
回転走行に悪影響を与えない限り、そのまま放置しても
良いが、図2に示す位置にある金属層剥離ロール10の
下方に金属層回収箱(図示せず)を設置して剥離した金
属層を回収したり、適宜、ロールに剥離した金属層を巻
き取るようにしても良い。
【0042】
【実施例】以下、本発明を以下の実施例を用いてさらに
詳細に説明するが、以下の実施例は例示の目的にのみ用
いられ、特許請求の範囲に記載された発明を解釈する際
に、その発明を限定する目的で用いられてはならない。
【0043】図1に示したような真空蒸着装置を用い、
厚み5μm、幅670mm、長さ30000mであるポリプ
ロピレンフィルム(以下、「PPフィルム」という)の
片面にアルミニウムを蒸着させることにした。マスキン
グテープ7としては、厚み125μm、幅5mm、長さ
約3800mmのポリイミドテープを24本用いた。各
マスキングテープ7の間隔を27mmとした。ポリイミ
ドからなるこのマスキングテープ7は、フッ素樹脂加工
の施していない安価なものであった。
【0044】500mlの筒状のオイル蒸発器8には棒
状ヒーター(図示せず)が内蔵されており、この中に2
50mlの流動パラフィンを充填した。また、マスキン
グテープ7に蒸着した流動パラフィンの分子量分布を調
査したところ、流動パラフィンの分子量は194から3
92までの範囲に分布していた。
【0045】まず、オイル蒸発器8に内蔵された棒状ヒ
ーターを介して流動パラフィンを加熱し、流動パラフィ
ンの温度が130℃になった時点で、ガイドロール6を
駆動させてマスキングテープ7を1m/分の速度で回転
走行させることを開始し、流動パラフィンの温度が16
0℃になった時点で加熱を停止した。その後、流動パラ
フィンの温度が130℃まで低下した時点で金属蒸発源
5からアルミニウムを蒸発させると共に、繰り出しロー
ル1および巻き取りロール4を回転させ、PPフィルム
2を600m/分の速度で走行させた。
【0046】長さ30000mのPPフィルム2をすべ
て繰り出しローラ2から繰り出して巻き取りローラ4に
巻き取った後、金属蒸発源5からのアルミニウムの蒸発
を停止した。図7に示すように、はじめは流動パラフィ
ンはアルミニウムをはじいていたが、PPフィルム2を
約3000mほど巻き取りローラ4に巻き取ってからは
マスキングテープ7の内周面上に金属層14が形成され
始め、30000mmすべてを巻き取りローラ4に巻き
終わった時には、厚み約240μmの金属層14がマス
キングテープ7上に金属層剥離オイル13(流動パラフ
ィン)を介して積層していた。なお、30000mmす
べてを巻き取りローラ4に巻き終わった後には、一旦マ
スキングテープ7の回転走行を停止した。
【0047】次に、この金属層14を剥離するため、図
2に示すように、金属層剥離ロール10をマスキングテ
ープ7に向けて前進させ、金属層剥離ロール10の外周
面をマスキングテープ7の外周面に押し当ててマスキン
グテープ7の走行を蛇行させる位置まで移動させた。こ
のとき、マスキングテープ7の外周面は、金属層剥離ロ
ール10の軸芯に対して垂直な断面から見て、150°
の角度で金属層剥離ロール10の周面と接していた。
【0048】そして、再度マスキングテープ7を回転走
行させ、マスキングテープ7の外周面を金属層剥離ロー
ル10の周面上を摺動させることにより、マスキングテ
ープ7の内周面上に金属層剥離オイル13を介して蒸着
した金属層14を剥離させた。
【0049】図6は、マスキングテープ7の外周面側に
回り込んで高分子フィルム2上に転写した金属層剥離オ
イル13の厚みを示しており、従来のように、金属蒸着
器5から金属を蒸着させている間においてもオイル蒸着
器8からオイルを蒸発させているオイル連続塗布方式の
場合には、高分子フィルム2上に転写した金属層剥離オ
イル13の厚みは、巻き取り量(すなわち、巻き取りロ
ール4に巻き取った高分子フィルム2の長さ)が0mの
時点で1.8nm〜6.7nmであり、蒸着を進めてい
くにつれて徐々に低下し、巻き取り量が15000mの
時点で約2.0nmであり、巻き取り量が30000m
の時点(すなわち、すべての高分子フィルム2を巻き取
りロール4に巻き取った時点)では0.9nm〜1.5
nmであった。すなわち、オイル連続塗布方式の場合に
は、最小でも0.9nm、最大6.7nmもの金属層剥
離オイル13(流動パラフィン)が高分子フィルム2上
に転写されていた。
【0050】一方、予めオイル蒸着器8からマスキング
テープ7の内周面に向けてオイルを蒸着させることによ
り金属層剥離オイル13をマスキングテープ7の内周面
に積層しておき、金属蒸着器5から金属を蒸着させてい
る間においてはオイル蒸着器8からオイルを蒸発させな
い本実施例においては、巻き取り量に拘わらず、高分子
フィルム2上に転写した金属層剥離オイル13の厚みは
0nmであった。すなわち、本実施例においては、金属
層剥離オイル13(流動パラフィン)が、高分子フィル
ム2に転写されることはなかった。
【0051】このように、図6からは、本発明において
は、従来の課題の1つであった、マスキングテープ7が
回転走行している間に金属層剥離オイルを積層させた際
にはどうしてもマスキングテープ7の外周面に金属層剥
離オイルが回り込み、これが高分子フィルム2に悪影響
を与えてしまうことが防止されることが理解される。
【0052】図7には、マスキングテープ7の内周面に
蒸着したアルミニウムの厚みを示している。マスキング
テープ7の内周面にオイル蒸着器8からオイル13を積
層しなかった場合には、図7中「Al付着量1」に示さ
れるように、徐々にマスキングテープ7の内周面にアル
ミニウムが蒸着し、長さ30000mの高分子フィルム
2のすべてに蒸着を終えた後には、マスキングテープ7
の内周面に蒸着したアルミニウム(金属層14)の厚み
は約330μmであった。この後、金属層剥離ロール1
0を図2のようにマスキングテープ7の外周面に押し当
てた後、マスキングテープ7を回転走行させたが、アル
ミニウムからなる金属層14は剥離しなかった。
【0053】これに対して、予めオイル蒸着器8からマ
スキングテープ7の内周面に向けてオイル13を蒸着さ
せることにより金属層剥離オイル13をマスキングテー
プ7の内周面に積層しておいた本実施例においては、図
7中「Al付着量3」に示されるように、約3000m
の高分子フィルム2が繰り出しロール1から繰り出され
るまでは、金属層剥離オイル13が蒸着防止用オイルと
して作用したが、その後、徐々にアルミニウムがマスキ
ングテープ7の内周面に蒸着し、長さ30000mの高
分子フィルム2のすべてに蒸着を終えた後には、マスキ
ングテープ7の内周面に蒸着したアルミニウム(金属層
14)の厚みは約240μmであった。この後、金属層
剥離ロール10を図2のようにマスキングテープ7の外
周面に押し当てた後、マスキングテープ7を回転走行さ
せた。すると、図3に示すように、アルミニウムからな
る金属層14はマスキングテープ7の内周面から容易に
剥離した。
【0054】なお、参考例として、本実施例とは異な
り、高分子フィルム2に向けて金属蒸着器5から金属を
蒸着している間にもオイル蒸着器8からマスキングテー
プ7の内周面に向けてオイル13を蒸着させた参考例に
おいては、図7中「Al付着量2」に示されるように、
マスキングテープ7の内周面にアルミニウムからなる金
属層14が積層されることはなかったが、図6に関して
前述したように、最小でも0.9nm、最大6.7nm
もの金属層剥離オイル13(流動パラフィン)が高分子
フィルム2上に転写されていた。
【0055】
【発明の効果】本発明により、マスキングテープの内周
面に積層した金属層を効率的に除去することができ、さ
らに蒸着防止用オイルが無端状のマスキングテープの外
周面に回り込んで高分子フィルムに悪影響を与えること
が防止できる真空蒸着装置および真空蒸着方法が提供さ
れる。
【0056】また、本発明によれば、付着した金属を除
去するために、マスキングテープ7を真空蒸着装置から
取り出し、水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、次いで
乾燥させるという手間もなくなるだけでなく、マスキン
グテープ7を再利用することが容易になるという利点も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属層剥離ロール10が後退した位置にある状
態における本発明に係る真空蒸着装置を示す図
【図2】金属層剥離ロール10が前進した位置にある状
態における本発明に係る真空蒸着装置を示す図
【図3】金属層剥離ロール10がマスキングテープ7側
に向かって前進し、マスキングテープ7の走行を蛇行さ
せる状態における金属層剥離ロール10の拡大図
【図4】本発明において用いられる円筒状のオイル蒸発
器8を示す図
【図5】蒸着後の高分子フィルム2の平面図
【図6】マスキングテープ7の外周面側に回り込んで高
分子フィルム2上に転写した金属層剥離オイル13の厚
みに関するグラフを示す図
【図7】マスキングテープ7の内周面に蒸着したアルミ
ニウムの厚みに関するグラフを示す図
【図8】従来の真空蒸着装置を示す図
【符号の説明】
1:繰り出しロール 2:高分子フィルム 3:冷却ロール 4:巻き取りロール 5:金属蒸発源 6:ガイドロール 7:マスキングテープ 8:オイル蒸発器 8a:スリット開口部 10:金属層剥離ロール 11:(高分子フィルム2上の)非蒸着部 12:(高分子フィルム2上の)電極層 13:金属層剥離オイル(流動パラフィン) 14:(マスキングテープ7上の)金属層 15:仕切板 A:蒸着装置本体 θ:金属層剥離ロール10にマスキングテープ7が押し
当てられる角度
フロントページの続き (72)発明者 森脇 通泰 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 玉木 茂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 錦織 由朋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA11 AA25 BA03 BB03 CA01 GA05 HA02 HA03 HA05 JA10 KA01 5E082 BC09 EE07 EE24 EE37 EE47 FG06 FG34 FG35 LL35 MM11 MM23 MM24 PP10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め巻回された高分子フィルム(2)を
    繰り出す繰り出しロール(1)と、 前記繰り出しロール(1)から繰り出された高分子フィ
    ルム(2)が周囲を摺動する冷却ロール(3)と、 前記冷却ロール(3)の周面との間に前記高分子フィル
    ム(2)を挟み、前記冷却ロール(3)上を摺動する前
    記高分子フィルム(2)上に蒸着により電極層(12)
    を形成する蒸着装置本体(A)と、 前記電極層(12)が蒸着した高分子フィルム(2)を
    巻き取る巻き取りロール(4)とを真空チャンバ内に備
    え、前記高分子フィルム(2)上に所定幅の非蒸着部
    (11)をあけて幅方向に分割された複数本の前記電極
    層(12)を積層する真空蒸着装置であって、 前記蒸着装置本体(A)は、 前記冷却ロール(3)の周面との間に前記高分子フィル
    ム(2)を挟んで前記非蒸着部(11)が設けられるこ
    とが所望される箇所を遮蔽すると共に、内周面上に金属
    層剥離オイル(13)が積層されて回転走行する無端状
    のマスキングテープ(7)と、 前記無端状のマスキングテープ(7)が架け渡されたガ
    イドロール(6)と、 前記冷却ロール(3)と前記無端状のマスキングテープ
    (7)との間に設置され、前記冷却ロール(3)上を摺
    動する前記高分子フィルム(2)に向けて前記金属を蒸
    発させる金属蒸発源(5)と、 前記無端状のマスキングテープ(7)の内周面に前記金
    属層剥離オイル(13)を介して蒸着した金属層(1
    4)が剥離するように、その周面が、前記マスキングテ
    ープ(7)の外周面に押し当てられて前記マスキングテ
    ープ(7)の走行を蛇行させる位置と、前記マスキング
    テープ(7)の外周面に押し当てられず前記マスキング
    テープ(7)の回転走行を妨げない位置との間で進退可
    能になっている金属層剥離ロール(10)とを備えるこ
    とを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 【請求項2】 前記金属層剥離ロール(10)の周面が
    前記マスキングテープ(7)の外周面に押し当てられて
    前記マスキングテープ(7)の走行を蛇行させる位置に
    前進する際には、前記無端状のマスキングテープ(7)
    の少なくとも一部がより内側を走行するように前記ガイ
    ドロール(6)の少なくとも一部が内側方向に移動する
    ようになっている、請求項1に記載の真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記金属層剥離ロール(10)が前記マ
    スキングテープ(7)の外周面に押し当てられた際に、
    前記金属層剥離ロール(10)をその軸芯に対して垂直
    な断面から見て、前記無端状のマスキングテープ(7)
    の外周面が、100°以上170°以下の角度(θ)で
    前記金属層剥離ロール(10)の周面に押し当てられ
    る、請求項1または2のいずれかに記載の真空蒸着装
    置。
  4. 【請求項4】 前記角度(θ)が、130°以上150
    °以下である、請求項3に記載の真空蒸着装置。
  5. 【請求項5】 前記所定幅の非蒸着部(11)が2本以
    上設けられるように、前記マスキングテープ(7)が複
    数本平行に並べられている、請求項1から4までのいず
    れかに記載の真空蒸着装置。
  6. 【請求項6】 前記金属層剥離オイル(13)が、分子
    量194以上392以下の流動パラフィンを含有する、
    請求項1から5までのいずれかに記載の真空蒸着装置。
  7. 【請求項7】 予め巻回された高分子フィルム(2)を
    繰り出す繰り出しロール(1)と、 前記繰り出しロール(1)から繰り出された高分子フィ
    ルム(2)が周囲を摺動する冷却ロール(3)と、 前記冷却ロール(3)の周面との間に前記高分子フィル
    ム(2)を挟み、前記冷却ロール(3)上を摺動する前
    記高分子フィルム(2)上に蒸着により電極層(12)
    を形成する蒸着装置本体(A)と、 前記電極層(12)が蒸着した高分子フィルム(2)を
    巻き取る巻き取りロール(4)とを真空チャンバ内に備
    え、前記高分子フィルム(2)上に所定幅の非蒸着部
    (11)をあけて幅方向に分割された複数本の前記電極
    層(12)を積層する真空蒸着方法であって、 前記蒸着装置本体(A)は、 前記冷却ロール(3)の周面との間に前記高分子フィル
    ム(2)を挟んで前記非蒸着部(11)が設けられるこ
    とが所望される箇所を遮蔽すると共に回転走行する無端
    状のマスキングテープ(7)と、 前記無端状のマスキングテープ(7)が架け渡されたガ
    イドロール(6)と、 前記冷却ロール(3)と前記無端状のマスキングテープ
    (7)との間に設置され、前記冷却ロール(3)上を摺
    動する前記高分子フィルム(2)に向けて前記金属を蒸
    発させる金属蒸発源(5)と、 その周面が、前記マスキングテープ(7)の外周面に押
    し当てられて前記マスキングテープ(7)の走行を蛇行
    させる位置と、前記マスキングテープ(7)の外周面に
    押し当てられず前記マスキングテープ(7)の回転走行
    を妨げない位置との間で進退可能になっている金属層剥
    離ロール(10)とを備えており、 前記金属蒸発源(5)から金属を蒸着させる前に、前記
    マスキングテープ(7)の内周面上に金属層剥離オイル
    (13)を積層し、 次いで前記金属層剥離ロール(10)を前記マスキング
    テープ(7)の外周面に押し当てずに前記マスキングテ
    ープ(7)の回転走行を妨げない位置に移動した状態で
    前記無端状のマスキングテープ(7)を回転走行させる
    と共に前記マスキングテープ(7)により非蒸着部(1
    1)が設けられることが所望される箇所が遮蔽された前
    記高分子フィルム(2)に向かって前記金属蒸発源
    (5)から金属を蒸着させ、 前記高分子フィルム(2)に向かって前記金属蒸発源
    (5)から金属を蒸着させた後に、前記金属層剥離ロー
    ル(10)を前記マスキングテープ(7)の外周面に押
    し当てて前記マスキングテープ(7)の走行を蛇行させ
    る位置に前進させ、前記無端状のマスキングテープ
    (7)の外周面を前記金属層剥離ロール(10)の周面
    上に摺動させることにより、前記マスキングテープ
    (7)の内周面上に前記金属層剥離オイル(13)を介
    して蒸着した電極層(12)を剥離する、真空蒸着方
    法。
  8. 【請求項8】 前記金属層剥離ロール(10)の周面を
    前記マスキングテープ(7)の外周面に押し当てて前記
    マスキングテープ(7)の走行を蛇行させる位置に前進
    する際に、前記無端状のマスキングテープ(7)の少な
    くとも一部がより内側を走行するように前記ガイドロー
    ル(6)の少なくとも一部を内側方向に移動させる、請
    求項7に記載の真空蒸着方法。
  9. 【請求項9】 前記金属層剥離ロール(10)の軸芯に
    対して垂直な断面から見て、前記無端状のマスキングテ
    ープ(7)の外周面が、100°以上170°以下の角
    度(θ)で前記金属層剥離ロール(10)の周面に接し
    ている、請求項7または8のいずれかに記載の真空蒸着
    方法。
  10. 【請求項10】 前記角度(θ)が、130°以上15
    0°以下である、請求項9に記載の真空蒸着方法。
  11. 【請求項11】 前記所定幅の非蒸着部(11)が2本
    以上設けられるように、前記マスキングテープ(7)が
    複数本平行に並べられている、請求項7から10までの
    いずれかに記載の真空蒸着方法。
  12. 【請求項12】 前記金属層剥離オイル(13)が、分
    子量194以上392以下の流動パラフィンを含有す
    る、請求項7から11までのいずれかに記載の真空蒸着
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101010149B1 (ko) * 2009-04-29 2011-01-24 삼성전기주식회사 외부전극 형성장치

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