JP2002003771A - 油性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

油性ボールペン用インキ組成物

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JP2002003771A
JP2002003771A JP2000192011A JP2000192011A JP2002003771A JP 2002003771 A JP2002003771 A JP 2002003771A JP 2000192011 A JP2000192011 A JP 2000192011A JP 2000192011 A JP2000192011 A JP 2000192011A JP 2002003771 A JP2002003771 A JP 2002003771A
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克彦 白石
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子量25万以上の高重合度のポリビニルピ
ロリドンを2.5%以上含有し、25℃に於ける粘度が
2Pa・sec以下、好ましくは0.5Pa・secから1.5Pa・s
ecの粘度を有するボールペンインキ。高重合度のポリビ
ニルピロリドンはインキに粘度を付与するため、低粘度
のインキは作りにくい。本発明はインキ中の総固形分量
(25℃に於いて、原材料の段階で液体や気体でないも
の)を極力減らし、低粘度の溶剤を多用する事で低粘度
のインキを実現した。 【効果】 本発明のインキは、耐光堅牢性やボタ落ち抑
止性を犠牲にせず、軽い書き味で、書き出し時のカスレ
長さが短く、ボタ落ちも少ないボールペン用インキであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボールペンインク用組成
物、更に詳しく言えば、書き出し時のインクの出がスム
ース(初筆性が良い)で、滑らかな運筆感(書き味が良
い)が得られ、インキのボタ落ちが少なく、耐光堅牢性
に優れる油性ボールペン用インク組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】 通常の油性ボールペン用インキの粘度
は25℃に於いて5〜20Pa・secである。希に書き味の
軽さを優先した物に3Pa・sec程度の物が有るが、これを
下回る粘度の物は殆ど存在しない。インキの粘度が低い
場合には軽い書き味が得られることは当該業者の常識で
あるが、インキ粘度を極端に下げるとインキのボタ落ち
が激しく多くなる。この現象が現れるインキ粘度が経験
的に3Pa・sec以下であり、従来の油性ボールペン用イン
キの粘度は「3Pa・sec以上、好ましくは5Pa・sec以上」
となっている。高重合度のポリビニルピロリドンを少量
添加すると、インキのボタ落ちが軽減されることが知ら
れているが、特開平8−157765ではポリビニルピ
ロリドンの持つ曳糸性に着目した低粘度インキを提案し
ている。確かに高重合度のポリビニルピロリドンを添加
すると曳糸性が付与され、インキのボタ落ちは軽減され
るが、多量に添加すると、筆記時にも描線とボールペン
のペン先との間が糸状のインキで結ばれ、結果これが紙
面に落ちて描線に髭状の汚れが付いてしまう(以下これ
を「髭ボテ」)。また、筆記描線が均一にならず、描線
の中心部分に近いところなどにインキ付着しない「線割
れ」と呼ばれる現象も多くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】3Pa・sec以下の粘度の
インキは、軽い書き味の他に、溶解固形分量が少ないた
め書き出し時の掠れも低減される長所がある。低粘度の
インキのボタ落ち対策として、ポリビニルピロリドンの
持つボタ落ち軽減効果を十分に発揮させ、かつ描線に髭
状の汚れを残さず、「線割れ」を起こさない工夫が必要
である。この様な例としては、特開平1−299880
の実施例2に見受けられるが、インキのボタ落ち、描線
滲み、ペンを下向きにしたときのインキの浸み出しに優
秀な結果が得られている。特開平1−299880の実
施例2の粘度は230cpであると記載されているが、実
際にこれを調製すると(本発明実施例中の比較例7)粘
度は2100cpとなった。インキ粘度は材料ロットや吸
湿水分量で少なからずばらつくが、この記載は粘度23
00cpの記載ミスであろうと判断する。このインキは髭
ボテと線割れに関しては悪い結果となった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この様な
欠点を改良し、初筆感や書味に優れる油性ボールペンイ
ンク組成物を提供すべく鋭意研究を重ねた結果、思い切
った粘度低減によって高重合度のポリビニルピロリドン
の持つ糸引き性を弱め、更に筆記後の描線のレベリング
性を向上させることで線割れを防止できることを見いだ
した。すなわち、インキ中の着色成分以外の固形分を極
力減らし、2Pa・sec更に言えば1.5Pa・secを下回る粘
度にする事によって、ポリビニルピロリドンは切れやす
い糸を引くに止まり、筆記描線上に「髭ボテ」を残さ
ず、かつ筆記直後の描線のレベリング性と侵透時の滲み
によって「線割れ」が発現し難い事を見いだした。
【0005】本発明の最も肝要な部分は、多量に高重合
度のポリビニルピロリドンを用いるにも関わらず、極め
て低粘度のインキに仕立てたところである。高重合度の
ポリビニルピロリドンには米国ISP社製PVP−K9
0(分子量36万)、PVP−K120(分子量64
万)、独国BASF社のルビスコールK80(分子量2
8万),同K90(分子量36万),同120(分子量
64万)などがある。これらを2.5%以上添加するこ
とで、インキのボタ落ちが極端に減らすことが出来るも
のであるが、過度の添加によるインキの増粘等を考慮す
ると2.5〜5%の範囲で添加されることがより好まし
い。高重合度のポリビニルピロリドンは増粘剤としても
有名で、1%以上添加する場合、従来のように染料を3
0%以上添加したり、バインダー樹脂を用いたりすると
粘度は2Pa・sec以上になってしまう場合が多い。本発明
では高重合度のポリビニルピロリドンをなるべく多く添
加することを心得つつも、染料やバインダー樹脂を極力
減らし、インキ粘度を2Pa・sec以下に保つことを特徴と
する。
【0006】通常油性ボールペン用インキでは耐光堅牢
性の良い染・顔料が用いられる。一般に顔料は耐光堅牢
性の良い着色剤として知られいる。また、分子構造中に
金属元素の存在する染料は、含金染料(顔料の場合は含
金顔料)と呼ばれて耐光堅牢性に優れることが知られて
いる。筆記具の描線としては他にもアゾ染料、ジアゾ染
料、トリアゾ染料など、分子構造中にアゾ基を持つアゾ
系染料も比較的耐光堅牢性が強い。繊維などで用いると
耐光堅牢性が弱いとされるフェナジン環を有するアジン
染料も、ニグロシンに代表されるように、筆記描線とし
ては耐光堅牢性が良い。
【0007】前述の耐光堅牢度の良い含金染料、アゾ系
染料、アジン系染料は共通して着色力が弱いと言う欠点
を持っている。このため通常は多量に用いるか、発色力
の良いトリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、メ
チン系染料など、一般に塩基性染料と呼ばれる染料で補
色して用いられる。耐光性の良い染料は最低でも10%
以上添加しないと描線の耐光堅牢性向上の意味が無い。
塩基性染料は、染料の持つ酸性基や酸性界面活性剤と造
塩たり、ベース化するなどして、有機溶剤に可溶な形に
して用いられる。また、元々油溶性の非イオン性染料も
補色用として用いられる場合がある。補色用染料も、描
線濃度確保や色相調整の為に10%以上添加されるのが
普通である。
【0008】本発明組成物における有機溶剤は、通常の
油性ボールペンインク組成物に用いられている溶剤、す
なわち着色剤を溶解又は分散し、かつ比較的高沸点であ
るものが使用される。このようなものとしては、例えば
ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、カービト
ール類、セロソルブ類などが挙げられる。また、分子量
600以下のポリエチレングリコールや分子量1000
以下のポリプロピレングリコール等も染料や顔料の分散
剤、樹脂などの溶解性が優れ、有機溶剤と同じような用
い方をすることが出来る。これらは単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよく、その配合量は組成
物全量に基づき50乃至80重量%の範囲であることが
好ましい。50重量%以下になると、染料や他の添加剤
の溶解性が不足する場合がある。また、インキ粘度を
1.5Pa・sec以下に納めることが難しい。ボールペン用
インキとしての諸性能を満足させるために、着色剤、潤
滑剤類、その他分散剤や経時変化安定剤等の必要成分を
加えていくと、必然的に主溶剤は80重量%以下とな
る。
【0009】本発明におけるバインダー樹脂は、前述の
通りインキ粘度軽減のために極力減らさなければならな
い。本発明では高重合度のポリビニルピロリドンが粘度
調整材の働きをするので、必ずしも必要ではないが、耐
水性などの描線堅牢性付与やボールとホルダー部の摩耗
軽減のために用いられても良い。この場合、通常の油性
ボールペンインク組成物に慣用されている樹脂、例えば
ケトン樹脂、スルフォアミド樹脂、マレイン樹脂、エス
テルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール
樹脂、ロジン樹脂、ブチラール樹脂、低重合度のポリビ
ニルピロリドンなどが用いられる。これらの樹脂は単独
で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよく、ま
た、インク組成物全量につき0乃至10重量%の範囲で
あることが好ましい。前述の理由で極めて低粘度のイン
キを作る場合には添加の必要がなく、10重量%を超え
ると2Pa・sec以下のインキを作ることは難しい。
【0010】次に実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。各試験は以下の様にして行なった。用いたボー
ルペンは、市販のSA−S細字(三菱鉛筆(株)商品
名)と同じ部材を用いた。(ボール径は0.7mmであ
る) (試験1)書き出し時のかすれ長さ(初筆性試験) 捨て書き後、室温に24時間放置した後、0.98N
(荷重100g)、筆記速度4.5m/分で直線書き
し、そのかすれの長さを測定した。試料数10本の平均
値を記す。数値は低いほど成績が良い。 (試験2)インキのボタ落ち 25℃60%の環境で筆記試験機を用いて1.96N
(荷重200g)、筆記速度4.5m/分、筆記角度6
0度で100m螺旋書きし、描線上に付いたボタ落ちの
数を数えた。試料数は各10本でその平均値を比較し
た。数値は低いほど成績が良い。 (試験3)耐光堅牢性 試験2で得られた描線のインキのボタ落ちが少ない部分
を選んで、スガ試験機製キセノンアークフェドメーター
FAL−25AX−HC−B・ECで100時間暴露
し、描線が判読可能か否かを判定した。評価は3段階
で、ほとんど変化がない場合は「◎」、判読可能ならば
「○」、判読不能又は殆ど消えかけていると判断された
場合は「×」と評価した。 (試験4)書き味試験 20人にインキ内容を伏せて直径1cm程度の大きさで螺
旋筆記してもらい、5点満点で書き味の良さを評価して
もらった。評点5が最も良く、書き味が劣悪な場合は0
点とし、整数で評価してもらい、その合計を点数とし
た。満点は100点、最悪は0点となる。 (試験5)描線品位試験 試験4の結果、髭ボテが出ると思った人数と、線割れが
気になると答えた人数を点数とした。どちらも0点が最
も良く、20点が最も悪い。
【0011】実施例に用いたインキ配合を以下に記す。 実施例1 スピロンブラック GMH(Cr含金染料) 10 重量% スピロンイエロー C−GNH(メチン系染料の造塩染料) 7 〃 スピロンバイオレットC−RH (トリフェニルメタン系染料の造塩染料) 9 〃 (以上の染料は、保土谷化学工業(株)商品名) ベンジルアルコール 70 〃 PVP K−90 3 〃 (ポリビニルピロリドン、ISP社商品名) オレイン酸 1 〃 以上を混練後濾過して、実施例1とした。 実施例2 モーグル−L 3 重量% (カーボンブラック、Cabot社商品名) エスレック BL−1 1.5 〃 (ポリビニルブチラール、積水化学(株)商品名) バリファストバイオレット 1701(ジアゾ染料と メチルバイオレットの造塩染料;オリエント化学工業(株)商品名)9 〃 SBNイエロー 530(ジアゾ染料とメチン染料の造塩染料 ;保土ヶ谷化学工業(株)商品名) 7 〃 ベンジルアルコール 65 〃 フェノキシエタノール 10 〃 オレイン酸 2 〃 以上をビーズミルで混練して濾過した後、 PVP K−90 2.5 〃 を加え、実施例2とした。 実施例3 バリファーストブルー 1603(Cu含金染料と 20 重量% トリフェニルメタン系染料の造塩染料、オリエント化学工業(株)商品名) ベンジルアルコール 20 〃 フェノキシエタノール 56 〃 PVP K−120 2.5 〃 リシノール酸 1.5 〃 以上を混練後濾過して、実施例3とした。 実施例4 ニグロシンベースEX 10 重量% (アジン染料;オリエント化学工業(株)商品名) バリファストバイオレット 1701 9 〃 スピロンイエロー C−GNH 5 〃 ベンジルアルコール 67 〃 ハイラック110H(バインダー樹脂;日立化成(株)商品名) 5 〃 PVP K−90 3 〃 オレイン酸 1 〃 以上を混練後濾過して、実施例5とした。 実施例5 モーグル−L 3 重量% エスレック BL−1 2 〃 バリファストバイオレット 1701 9 〃 SBNイエロー 530 7 〃 ベンジルアルコール 64 〃 フェノキシエタノール 10 〃 オレイン酸 2 〃 以上をビーズミルで混練して濾過した後、 PVP K−90 3 〃 を加え、実施例5とした。
【0012】比較例に用いたインキ配合を以下に記す。 比較例1 スピロンブラック GMH 10 重量% スピロンイエロー C−GNH 7 〃 スピロンバイオレット C−RH 9 〃 ベンジルアルコール 65 〃 PVP K−30 8 〃 (分子量4万のポリビニルピロリドン、ISP社商品名) オレイン酸 1 〃 以上を混練後濾過して、比較例1とした。 比較例2 モーグル−L 3 重量% エスレック BL−1 2 〃 バリファストバイオレット 1701 9 〃 SBNイエロー 530 7 〃 ベンジルアルコール 44 〃 フェノキシエタノール 30 〃 オレイン酸 2 〃 以上をビーズミルで混練して濾過した後、 PVP K−90 3 〃 を加え、比較例2とした。 比較例3 バリファーストブルー 1603 20 重量% ベンジルアルコール 12 〃 フェノキシエタノール 60 〃 エスレックBL−1 6 〃 PVP K−120 0.5 〃 リシノール酸 1.5 〃 以上を混練後濾過して、比較例3とした。 比較例4 ニグロシンベースEX 10 重量% バリファストバイオレット 1701 9 〃 スピロンイエロー C−GNH 5 〃 ベンジルアルコール 68 〃 ハイラック110H 5 〃 PVP K−90 2 〃 オレイン酸 1 〃 以上を混練後濾過して、比較例4とした。 比較例5 バリファーストブルー 1603 20 重量% ベンジルアルコール 66 〃 フェノキシエタノール 10 〃 PVP K−120 2.5 〃 リシノール酸 1.5 〃 以上を混練後濾過して、比較例5とした。 比較例6 スピロンレッドC−GH 13.3重量% (キサンテン系染料の造塩染料;保土ヶ谷化学工業(株)商品名) ベンジルアルコール 26.7 〃 フェノキシエタノール 33.4 〃 プロピレングリコール 13.2 〃 PVP K−30 10.7 〃 PVP K−90 2.7 〃 以上を混練後濾過して、比較例6とした。 比較例7 スピロンバイオレットC−RH 13.3重量% ベンジルアルコール 26.7 〃 フェノキシエタノール 33.4 〃 プロピレングリコール 13.2 〃 PVP K−30 10.7 〃 PVP K−90 2.7 〃 以上を混練後濾過して、比較例7とした。
【0013】試験結果を表1に記す。
【表1】
【0014】実施例1〜5は全ての試験で優秀な成績が
得られた。比較例1は実施例1と樹脂の重合度が異なる
ものである。配合量が違うのは粘度を同程度に調整した
ためである。髭ボテ、線割れもなく書き味も多くの支持
が得られたが、インキのボタ落ちが非常に多くボールペ
ンとして使用に耐えない。実施例5は実施例2の樹脂量
を増やして粘度を高くした物である。比較例2は実施例
5の溶剤比率を変えて粘度を2Pa・secより大きくした物
である。実施例5も比較例1〜7と比べれば良い結果と
言えるが、実施例の中で唯一髭ボテと線割れが気になる
と数人から指摘された。また、書き味の支持も実施例中
最も低かったが、これは描線が線割れ気味になるために
モニターの筆圧が自然に高くなってしまった為と推測す
る。実施例2,実施例5に比べて、比較例2は書き味の
支持が更に低く、髭ボテと線割れを指摘した人数も半数
を超えた。本発明のインキ粘度が2Pa・sec以下なら良い
結果が得られ、1.5Pa・sec以下の方が更に好ましいとす
る所以である。比較例3は高重合度のPVPを通常量用
いて、別の樹脂で実施例3と同様の粘度となるように調
製したインキである。ボタ落ちが非常に多くボールペン
として使用に耐えないものであった。比較例4は実施例
4の溶剤比率を変えることで粘度を500mPa・sec未満
とした。全体に成績は優秀であったが、粘度が500mP
a・secを割るとボタ落ちが多くなる例である。比較例5
は比較例4と同様、実施例3の溶剤比率を変えることで
粘度を下げたものである。粘度は250mPa・secと非常
に低く、比較例4と同様インキのボタ落ちが多くなっ
た。試験では評価されていないが、試験2を延長して筆
記したときに、200mより前でボール受け座の摩耗の
為に筆記不能となってしまった。粘度が低く書き味は軽
いはずだが、書き味の支持は今回最も低かった。筆記部
のボールとボール受け座の間に出来るインキ膜がうすく
なりすぎて抵抗が大きくなったためと考えられる。比較
例4及び比較例5の結果を持って本発明では25℃に於
ける粘度が0.5mPa・sec未満のインキは好ましくない
とするが、本実施例では市販の5Pa・secから15Pa・sec
程度のインキを用いるボールペンの部材を流用した結果
にすぎず、500mPa・sec未満のインキでも、低粘度専
用のボールペンチップを開発すればインキのボタ落ちが
抑制出来るかも知れないし、また、優れた潤滑剤を併用
した場合にはボール受け座の摩耗も問題にならないこと
は指摘しておきたい。比較例6は特開平1−29988
0の実施例2を重量%に換算したものである。インキ粘
度は材料ロットや吸湿水分量で少なからずばらつくが、
比較例6は粘度が2100mPa・secであった。類似配合
として、同じ可溶化剤で造塩した染料を用いてインキ化
してみた(比較例7)が、これも粘度は2300mPa・se
cとなった。特開平1−299880の実施例2は粘度
230cpと記載されているが、粘度は2300cpの記載
ミスではないかと推測する。比較例6と比較例7は予想
通り耐光堅牢度が全くなく、髭ボテ、線割れも激しい。
初筆も良くなく、書き味の支持も少ない。これは本発明
の技術思想と違うものであるから、本発明の実施例の試
験項目まで考慮されていないインキなので仕方がないか
も知れない。具体的には総固形分中の樹脂の量が多く、
着色成分は総固形分量の50%にすぎないためだと推測
する。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明の油性ボールペン用
インキは、軽く滑らかな書き味で、インキのボタ落ちが
少なく、書き出し時の描線掠れの少ないインキを供給す
るものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有機溶剤と、インキ全量に対
    して20重量%以上の着色剤を含み、25℃における粘
    度が0.5Pa・sec以上2Pa・sec以下のボールペンインキ
    において、重量平均分子量が25万以上のポリビニルピ
    ロリドンを2.5%以上含有する事を特徴とした油性ボ
    ールペン用インキ。
  2. 【請求項2】 25℃における粘度が0.5Pa・sec以上
    1.5Pa・sec以下の請求項1記載のボールペンインキ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013080232A (ja) * 2012-11-19 2013-05-02 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

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