JP2002003628A - ポリアクリロニトリル系不炎化体の製造方法 - Google Patents

ポリアクリロニトリル系不炎化体の製造方法

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JP2002003628A
JP2002003628A JP2000182972A JP2000182972A JP2002003628A JP 2002003628 A JP2002003628 A JP 2002003628A JP 2000182972 A JP2000182972 A JP 2000182972A JP 2000182972 A JP2000182972 A JP 2000182972A JP 2002003628 A JP2002003628 A JP 2002003628A
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JP
Japan
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polyacrylonitrile
flammable
flaming
substance
production method
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JP2000182972A
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English (en)
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Takashi Ito
伊藤  隆
Jirou Sadanobu
治朗 定延
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、効率的にアクリロニトリル
樹脂の不炎化体を製造する方法を提供することにある。 【解決手段】 ポリアクリロニトリル樹脂をヨウ素ガス
と接触させることを特徴とするポリアクリルニトリル系
不炎化体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不炎化されたポリ
アクリロニトリル樹脂を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアクリロニトリルを酸化、環化およ
び架橋化せしめ、自己消火性を有する不炎化体を得る技
術は、これまで繊維の形態で不炎化繊維として取り組ま
れている。また、炭素繊維を製造する中間体として位置
付けられ、より高性能な炭素繊維を得る目的で技術展開
がなされて来た。
【0003】これまで取り組まれてきた不炎化繊維を製
造する技術としては、例えば、特開平5−339813
広報には、ポリアクリロニトリルのみからなるホモポリ
マーでは、酸化、環化および架橋化反応が遅いためにア
クリル酸などのカルボン酸基含有ビニルモノマーを共重
合させて反応を促進させ効率的に不炎化繊維を得る方法
が記載されている。しかしながら、酸化反応には当然酸
素あるいは空気を必要としており、依然300℃に近い
高温が必要とされているし、アクリロニトリル以外の共
重合成分により、繊維としての物性や、後の炭素繊維の
物性に悪影響を及ぼすことが懸念されている。更には、
酸素や空気の存在下での反応を必須とするために、後の
炭素繊維化での収率を下げる要因になっている。
【0004】上記と同様な目的で例えば、Carbon
Vol.29,No.8,pp.1081−1090
(1991)には、ポリアクリロニトリルに塩基性物質
や求核剤を環化助剤として処理せしめ環化を促進する方
法が紹介されている。
【0005】例えば、J.Mats.Sci.Lett
s.7,pp.628(1988)には、過マンガン酸
カリウム水溶液でポリアクリロニトリル繊維を処理し環
化を促進することが報告されている。しかしながら、実
用に到る効果的な方法が見出されていないのが実状であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、効率
的にアクリロニトリル樹脂の不炎化体を製造する方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して鋭意検討した結果、ポリアクリロニトリルの
ホモポリマーは、従来よりも低い酸素濃度の下、低い温
度条件下においてすみやかに不炎化できる方法を見出し
た。すなわち本発明は、ポリアクリロニトリル樹脂をヨ
ウ素ガスと接触させることを特徴とするポリアクリルニ
トリル系不炎化体の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳述する。本発明
においては、ポリアクリロニトリル樹脂をヨウ素ガス中
に存在せしめて処理することによってポリアクリルニト
リル系不炎化体を低温で効率よく製造す
【0009】本発明に用いられるポリアクリロニトリル
樹脂は、公知の方法で調製される、主たる成分がアクリ
ロニトリルモノマー成分80〜100モル%からなるポ
リマーを用いることができる。また、従来技術の酸化促
進効果を持たせるためにアクリロニトリルモノマー以外
に他のモノマーを20〜0%を共重合せしめて得られる
共重合ポリアクリロニトリルも用いることができる。好
ましくはアクリロニトリル100モル%から重合せしめ
て調整されるポリアクリロニトリル樹脂である。
【0010】本発明においては、上記ポリアクリロニト
リル樹脂をヨウ素ガスと接触処理する。
【0011】本発明に用いられるヨウ素ガスは、公知の
方法で調製されるガスを用いることができるが、純度の
高いヨウ素を用いることが望ましい。純度が低いと目的
の不炎化体が得られなくなったり、不炎化体の力学物性
が低下するため、好ましくない。好ましくは99%以
上、より好ましくは99.5%以上、更に好ましくは9
9.9%以上の純度のガスが好ましい。
【0012】固体ヨウ素を加熱することによりガス化せ
しめポリアクリロニトリル樹脂が存在する系内へ導入す
ることが望ましい。
【0013】ポリアクリロニトリル樹脂をヨウ素ガスに
て処理する条件を詳述する。温度条件としては、0〜5
00℃の温度条件が好ましい。温度がこの範囲を外れる
と、目的の不炎化体が得られなくなったり、不炎化体の
力学物性が低下するため好ましくない。
【0014】ガス濃度としては、ヨウ素ガスと、不活性
ガス、酸素、空気などとの混合ガスの状態で用いても何
ら問題はないが、その際には好ましくはヨウ素ガス濃度
を気体全体のモル量に対して、1〜100モル%にする
ことが好ましい。濃度がこの範囲を外れると、目的の不
炎化体が得られなくなったり、不炎化体の力学物性が低
下するため好ましくない。また、その際の圧力条件とし
ては、用いる混合ガスの種類にもよるが、実質的には、
1Pa〜100MPaの範囲である。接触時間は特に制
限はないが、1秒から10時間である。
【0015】本発明の不炎化体の製造方法は、製造する
形態には制限はないが、特に形態が繊維状あるいはフィ
ルム状のポリアクリロニトリル系不炎化体を得るための
製造方法として有効である。即ち、ポリアクリロニトリ
ル樹脂を一度可溶性の有機溶媒に溶解せしめたのち、繊
維状、フィルム状あるいは他の形態に成形せしめ、これ
をヨウ素ガス処理することで、目的の繊維状あるいはフ
ィルム状の不炎化体を得ることができる。
【0016】用いる有機溶媒としては、ポリアクリロニ
トリルが可溶であれば特に制限はないが、以下に挙げる
有機溶媒、即ち、ハロゲン化炭化水素、非プロトン性極
性溶媒が好ましく用いることができる。1,1,2,2
−テトラクロロエタン、クロロホルム、ジメチルクロラ
イド、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジ
メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシドがより好ましく用いることができ、更には
N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミドがより好ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアクリロニトリル
樹脂をヨウ素ガスと接触させることによって、定温にお
いても効率的に不炎化体を得ることができる。これは、
ヨウ素ガスが、ポリアクリロニトリル樹脂を速やかに酸
化、環化および架橋化反応を進行せしめているからと考
えられる。本発明により得られたポリアクリロニトリル
不炎化体は、炎に暴露せしめた場合に従来よりも優れた
不炎化性能、寸法安定性を示している。更には、本発明
のポリアクリロニトリル不炎化体を原料として用いるこ
とにより、強度に優れた炭素繊維が安定して得られ、プ
リプレグ、複合材料へ展開することによって従来より機
械的強度に優れた製品を安価に得ることができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を詳述するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。 <燃焼試験>ガスバーナーの炎を2センチ大の大きさに
調製し、そこへ切り取った不炎化体試験サンプルをピン
セットで挟みんで、炎に近づける。炎が試験サンプルに
燃え移ったことを確認した後、炎からサンプルを遠ざ
け、その後の様子を観察し、自然に炎が消え、自己消火
性を示した場合は「○」とし、遠ざけてもそのまま炎が
燃えつづける場合を「×」とした。ポリアクリロニトリ
ル樹脂は、アルドリッチ社製のものを使用した。ヨウ素
は、関東化学製のもの(純度99.8%)を、昇華精製
等で精製して使用した。
【0019】[参考例1]ポリアクリロニトリル粉末34
Kgを、N−メチルピロリドン166Kgに溶解させ、
17重量%の溶液を調製した。得られた溶液を湿式紡糸
し、単糸0.11テックス,繊維束333テックスのポ
リアクリロニトリル繊維を得た。
【0020】[参考例2]ポリアクリロニトリル粉末34
gを、N−メチルピロリドン166gに溶解させ、17
重量%の溶液を調製した。得られた溶液をフィルムキャ
スト法により製膜し、乾燥させることにより、厚さ50
μmのポリアクリロニトリルフィルムを得た。
【0021】[実施例1、2]参考例1,2で得られたポ
リアクリロニトリル繊維およびフィルムをそれぞれ耐圧
ガラス瓶(容量420cc)の中に入れ、固体ヨウ素
1.066gを入れた後、窒素置換をして密閉した。そ
の耐圧瓶ごと200℃の熱風乾燥機の中に入れ,2時間
後、取りだし放冷した。取り出したサンプルを、燃焼試
験を行った結果、いずれの繊維、フィルムも自己消火性
を示した不炎化体であった。結果を表1にまとめた。
【0022】[実施例3、4]参考例1,2で得られたポ
リアクリロニトリル繊維およびフィルムをそれぞれその
まま250℃の熱風乾燥機の中に入れ、処理時間を1時
間とした以外は実施例1,2と同様な処置を行った。
【0023】[比較例1、2]参考例1,2で得られたポ
リアクリロニトリル繊維およびフィルムをそれぞれその
まま250℃の熱風乾燥機の中に入れた以外は実施例
1,2と同様な処置を行った。
【0024】[比較例3、4]参考例1,2で得られたポ
リアクリロニトリル繊維およびフィルムをそれぞれ耐圧
ガラス瓶(容量420cc)の中に入れ、固体ヨウ素を
入れずに窒素置換をして密閉した。以外は実施例1,2
と同様な処置を行った。
【0025】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアクリロニトリル樹脂をヨウ素ガス
    と接触させることを特徴とするポリアクリルニトリル系
    不炎化体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリアクリロニトリル樹脂の主たる成分
    がアクリロニトリル80〜100モル%であることを特
    徴とする請求項1記載のポリアクリロニトリル系不炎化
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 不炎化体の形態が繊維状であることを特
    徴とする請求項1または2記載のポリアクリロニトリル
    系不炎化体の製造方法。
  4. 【請求項4】 不炎化体の形態がフィルム状であること
    を特徴とする請求項1または2記載のポリアクリロニト
    リル系不炎化体の製造方法。
JP2000182972A 2000-06-19 2000-06-19 ポリアクリロニトリル系不炎化体の製造方法 Pending JP2002003628A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146062A (ja) * 2000-11-14 2002-05-22 Teijin Ltd ポリアクリロニトリル系不炎化体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002146062A (ja) * 2000-11-14 2002-05-22 Teijin Ltd ポリアクリロニトリル系不炎化体の製造方法

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