JP2002003546A - 透明性および耐衝撃性に優れた(メタ)アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

透明性および耐衝撃性に優れた(メタ)アクリル系樹脂組成物

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JP2002003546A
JP2002003546A JP2000189346A JP2000189346A JP2002003546A JP 2002003546 A JP2002003546 A JP 2002003546A JP 2000189346 A JP2000189346 A JP 2000189346A JP 2000189346 A JP2000189346 A JP 2000189346A JP 2002003546 A JP2002003546 A JP 2002003546A
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Jiro Uchida
二朗 内田
Akio Harada
昭夫 原田
Takeshi Noguchi
武 野口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝固・乾燥の繁雑な樹脂加工工程を経ること
なく、優れた透明性および耐衝撃性を有する成形品を簡
単に得ることのできる(メタ)アクリル系樹脂組成物
と、これを硬化して得られる成形体を提供すること。 【解決手段】 メタクリル酸メチルを主成分とする(メ
タ)アクリル系単量体(A)と、パワーフィード乳化重
合法により調製されるとともにスプレードライ法により
脱水乾燥された1種以上の官能基を有する(メタ)アク
リル酸エステル共重合体(B)とからなるアクリルシラ
ップ;および1分子中に重合性不飽和二重結合を有しか
つ前記(B)成分中の官能基と反応しうる官能基を有す
る化合物(C)を含んでなる、透明性および耐衝撃性に
優れた(メタ)アクリル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性および耐衝
撃性に優れた(メタ)アクリル系樹脂組成物およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル系樹脂は、その優れた
耐候性、透明性、耐久性により、繊維としては光ファイ
バーに、アクリル板としては航空機、自動車、船舶など
の風防用、光学用、ディスプレー、照明器具、医療用
に、成形品としては車両用部品、家庭用具、文具、玩具
等に使用されている。しかしながら、この(メタ)アク
リル系樹脂は、ガラスと比較して耐衝撃性が数倍あるが
十分ではなく、成形時または使用時において、強い衝撃
が加えられた場合、割れが発生する場合が多々ある。そ
こで、従来の技術としては、耐衝撃性を改善させるため
に(メタ)アクリル系樹脂にジエン系ゴムまたはアクリ
ルゴムのようなゴム成分を併用する手段が一般的にとら
れる。これらの中でジエン系ゴムを併用した(メタ)ア
クリル系樹脂は、耐候性が極めて悪く、経時で商品価値
が著しく低下し、改善すべき点が多い。一方耐候性の観
点からは、アクリルゴム系の併用が種々検討されてい
る。この場合耐候性の面では改善されるものの、フレン
ド系であるがために曲げ強度および表面硬度が非常に低
く、またその併用量とアクリルゴムの粒子径によって
は、透明性が低下する欠点を有している。そこでこれら
性能を全て満足する方法として、ゴム層と樹脂層が段階
的に変化する多層構造重合体が提案されている(特開昭
51−129449号公報、特開昭52−56150号
公報、特開昭53−58554号公報)。この多層構造
重合体は、ゴム層とアクリル樹脂層が段階的に変化して
いるために、相溶性のある重合体にブレンドすることに
より、透明性に優れる組成物が容易に得られる。しかし
ながらこの方法で得られる(メタ)アクリル系樹脂は、
上記と同様ブレンド系であるがために、曲げ強度、表面
硬度、耐衝撃性において満足されるものではない。最近
アルケニル基を有するアクリルゴム存在下アクリルモノ
マーをラジカル重合させることにより、透明性と耐衝撃
性を有する成形物が得られることが提案されている(特
開平11−199638号公報)。しかしながらこの方
法では、確かに優れた性能を示すものの、乳化重合から
得られたアクリルゴムエマルジョンを一度アルコール凝
固により回収し、乾燥を行い、また乾燥したアクリルゴ
ムを用いて、アルケニル基を有するアクリルゴムを予め
合成する必要があり、何れも簡便な方法とは言い難く、
さらに該公報に記載されたアクリルゴムの導入量および
アルケニル基の導入量全ての範囲で透明性およびび耐衝
撃性を兼ね備えた成形体は得られない。そこで市場では
(メタ)アクリル系樹脂の透明性を保持し、簡単に耐衝
撃性を付与させることができる他の手段が強く求められ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、凝固・乾燥の繁雑な樹脂加工工程を経ることな
く、優れた透明性および耐衝撃性を有する成形品を簡単
に得ることのできる(メタ)アクリル系樹脂組成物を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(メタ)
アクリル系樹脂の透明性を保持し、耐衝撃性に優れた
(メタ)アクリル系樹脂を簡便に得る方法に関して研究
を重ねた結果、連続的にポリマーエマルジョン粒子内の
ポリマー組成を変化させることが可能なパワーフィード
乳化重合法を用いてポリマーエマルジョン粒子を調製
し、該粒子表面をスプレードライ法により乾燥して得た
(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、重合性不飽和
二重結合および/または特定の官能基を有する化合物と
を組み合わせることによって、上記課題が解決され得る
ことを見出し、本発明を完成することができた。
【0005】請求項1の発明は、メタクリル酸メチルを
主成分とする(メタ)アクリル系単量体(A)と、パワ
ーフィード乳化重合法により調製されるとともにスプレ
ードライ法により脱水乾燥された1種以上の官能基を有
する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)とから
なるアクリルシラップ;および1分子中に重合性不飽和
二重結合を有しかつ前記(B)成分中の官能基と反応し
うる官能基を有する化合物(C)を含んでなる透明性お
よび耐衝撃性に優れた(メタ)アクリル系樹脂組成物で
ある。請求項2の発明は、請求項1に記載の(A)成分
および(B)成分からなるアクリルシラップ;1分子中
に前記(B)成分中の官能基と反応しうる官能基を有し
かつ重合性不飽和二重結合を有さない多官能化合物
(D);および1分子中に重合性不飽和二重結合を有し
かつ前記(D)成分中の官能基と反応しうる官能基を有
する化合物(E)を含んでなる透明性および耐衝撃性に
優れた(メタ)アクリル系樹脂組成物である。請求項3
の発明は、(B)成分が、粒子中心から粒子最外層に向
かってTgが室温以下から105℃の範囲で変化する粉
末アクリルゴムである請求項1または2に記載の組成物
である。請求項4の発明は、(B)成分の組成がメタク
リル酸メチル−アクリル酸ブチル−スチレン共重合体で
ある請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物で
ある。請求項5の発明は、(B)成分中の官能基が1〜
20mol%である請求項1ないし4のいずれか1項に
記載の組成物である。請求項6の発明は、(B)成分中
の官能基濃度(mol/g)×(C)成分中官能基の前
記(B)成分1gあたりの濃度(mol/g)が0.5
×10-7mol2/g2〜7.5×10-7mol2/g2
ある請求項1に記載の組成物である。請求項7の発明
は、(B)成分中の官能基濃度(mol/g)×(D)
成分中官能基の前記(B)成分1gあたりの濃度(mo
l/g)が0.5×10-7mol2/g2〜7.5×10
-7mol2/g2である請求項2に記載の組成物である。
請求項8の発明は、(B)成分の重量平均分子量が20
万〜500万である請求項1ないし7のいずれか1項に
記載の組成物である。請求項9の発明は、1分子中に2
個以上の重合性不飽和二重結合を有する単量体(F)を
さらに含んでなる請求項1ないし8のいずれか1項に記
載の組成物である。請求項10の発明は、(A)成分を
60〜99重量部および(B)成分を1〜40重量部の
範囲で用いる請求項1または2に記載の組成物である。
請求項11の発明は、(B)成分中の官能基がヒドロキ
シル基であり、かつ(C)成分中の官能基がイソシアネ
ート基である請求項1に記載の組成物である。請求項1
2の発明は、(D)成分中の官能基がイソシアネート基
であり、かつ(E)成分中の官能基がヒドロキシル基で
ある請求項2に記載の組成物である。請求項13の発明
は、(F)成分が、炭素−炭素二重結合を少なくとも2
個以上有する化合物であり、かつその使用量がアクリル
シラップ100重量部に対して0〜50重量部である請
求項9に記載の組成物である。請求項14の発明は、請
求項1ないし13のいずれか1項に記載の組成物を硬化
させて得られる成形体である。
【0006】なお、本発明でいうパワーフィード乳化重
合法は、当業界によく知られた方法であり、詳しい説明
は省略するが、例えばモノマーAを含むA槽と、モノマ
ーBを含むB槽と、反応槽とを用意し、A槽、B槽およ
び反応槽を接続し、モノマーAをB槽にゆっくりと導入
しながらB槽内で両モノマーを均一に混合した後、これ
を反応槽に送ってそこで乳化重合を行う方法である。こ
の方法によれば、反応の初期段階ではモノマーB濃度の
高く、後期では逆にモノマーAの濃度が高くなり、その
際、モノマー濃度がべき乗で変化する。本発明における
(B)成分は、粒子表面が高Tgの樹脂で被覆され、粒
子の中心部分は低Tgの樹脂から構成されることにな
る。本発明では、このような(B)成分と、ラジカル重
合により生成したメタクリル酸メチルを主成分とした共
重合樹脂とを共有結合で結合させたところに特徴の一つ
があり、このことにより、透明性と耐衝撃性とを同時に
簡単に付与することが可能となった。なお、本発明でい
う透明とは、JIS K−7361−1に準じて測定さ
れた光線透過率90%以上のものを意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに説明する。
本発明の組成物は、主に二つの態様に分類することがで
きる。すなわち、(A)、(B)および(C)成分を含
む組成物と、(A)、(B)、(D)および(E)成分
を含む組成物である。以下、このような各種成分を説明
する。
【0008】(A)成分本発明における(A)成分は、
メタクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル系
単量体である。ここで、(A)成分に含まれるメタクリ
ル酸メチル以外の単量体としては、アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プ
ロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アク
リル酸エステルが挙げられ、1種または2種以上用いる
ことができる。ただし、メタクリル酸メチル以外の単量
体は、(A)成分に対して50重量%以下が好ましい。
【0009】(B)成分本発明における(B)成分は、
パワーフィード乳化重合法により調製されるとともにス
プレードライ法により脱水乾燥された1種以上の官能基
を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体である。
スプレードライ法とは、高温雰囲気中に液体をスプレー
して乾燥する方法であり、当業界ではよく知られた方法
である。
【0010】(B)成分を合成するために用いる官能基
を有する単量体として、ヒドロキシル基を有する単量体
としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸
4−ヒドロキシブチル、ビニルアルコール、アリルアル
コール、多価アルコールのモノアリルエーテル等が挙げ
られ、これら1種または2種以上が、アクリル酸ブチル
およびスチレンと共重合されるのがよい。共重合モノマ
ーとしてアクリル酸ブチルおよびスチレンを用いる理由
は、アクリルシラップ内に共存するメタクリル酸メチル
を主成分として硬化した樹脂との屈折率をあわせるため
である。したがって、(B)成分の組成は、メタクリル
酸メチル−アクリル酸ブチル−スチレン共重合体である
のが好ましい。
【0011】(B)成分における官能基は、(B)成分
中1〜20mol%含有されるのが好ましい。1mol
%未満では、反応点が少量であるため、単独重合体が
(B)成分の屈折率と大幅に異なる(メタ)アクリル酸
エステル系単量体を使用した際には、成形後の成形物の
透明性が低下し好ましくない。逆に20mol%を超え
て使用しても効果に変化は見られなくなる。
【0012】また(B)成分の分子量を調整するために
メルカプタン等の連鎖移動剤を用いることも可能であ
る。用いられる連鎖移動剤としては、アルキルメルカプ
タン、チオグリコール酸およびそのエルテル、β−メル
カプトプロピオン酸およびそのエステル、チオフェノー
ル、チオクレゾール等の芳香族メルカプタン等である。
【0013】(B)成分の重合方法としては、上記のよ
うにパワーフィード乳化重合法が用いられる。パワーフ
ィード乳化重合法を用いる理由としては、乳化重合時に
エマルジョン粒子内のポリマー組成を連続的に変化させ
ることが可能となり、Tgの低い(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合樹脂エマルジョン粒子表面をスプレードラ
イ可能な高Tgの樹脂が存在することにより粒子の融着
を防ぎ、粉体として得ることが可能となるためである。
粉体にすることにより、通常の樹脂ブロックより(A)
成分への溶解が容易である。エマルジョン粒子内のポリ
マー組成が異なるシード重合法から得られた(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体の使用は、耐衝撃性および透
明性の面で問題がある。したがって、本発明における
(B)成分は、粉末アクリルゴムが好ましい。また
(B)成分は、粒子中心から粒子最外層に向かってTg
が室温以下から105℃の範囲で変化する粉末アクリル
ゴムであるのがさらに好ましい。
【0014】(B)成分の分子量は、重量平均分子量が
20万〜500万であるものが好ましい。特に重量平均
分子量が200万以上のような超高分子量の(B)成分
は、例えば特開平5−214006号公報に開示された
乳化重合により製造することができ、詳しくは単量体を
乳化重合するに際し、反応系水相の酸素濃度を0.5p
pm以下、好ましくは0.3ppm以下に保持し、ヒド
ロペルオキシドまたは過硫酸塩を単量体100重量部に
対し、0.001〜0.2重量部含むヒドロペルオキシ
ド−還元剤−キレート化剤または過硫酸塩−還元剤−活
性化剤からなるレドックス系開始剤および乳化剤を用い
て乳化重合することからなる。乳化重合に使用されるレ
ドックス系重合開始剤におけるヒドロペルオキシドとし
ては、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペ
ルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシ
ド、p−メンタンヒドロペルオキシド、1,1,3,3
−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジ
メチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド等が使
用される。また過硫酸塩として過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム等が使用される。還元剤としてはグルコー
ス、デキストロースホルムアルデヒドナトリウム−スル
ホキシラート、チオ硫酸ナトリウム等を、活性化剤とし
ては、硫酸第一鉄、硫酸銅、ヘキサシアノ鉄(III)カ
リウム等を、キレート化剤としてはピロリン酸ナトリウ
ム、エチレンジアミン4酢酸塩等を使用することができ
る。これらの使用量はそれぞれの開始剤の組み合わせに
応じて適量を用いる。これらの中で特にヒドロペルオキ
シド硫酸第一鉄−還元剤−キレート化剤または、過硫酸
塩−チオ硫酸ナトリウム−硫酸銅の組み合わせのレドッ
クス開始剤が好ましい。得られた超高分子量エマルジョ
ンは、通常のエマルジョンと同様スプレードライ法によ
り、目的とする(B)成分を得ることができる。
【0015】(A)成分と(B)成分とから構成されて
いるアクリルシラップ中の各成分の使用割合は、(A)
成分60〜99重量部および(B)成分1〜40重量部
が好ましい。(A)成分の使用量が60重量部未満で
は、系の粘度が増大し取り扱い作業性に問題があり、9
9重量部を超えると、粘度が低減しすぎて取り扱い作業
性に劣り、さらに加熱収縮率が大きく、成形品の表面状
態の平滑性にも問題がある。より好ましくは5〜30重
量部である。
【0016】(C)成分 本発明における(C)成分は、1分子中に重合性不飽和
二重結合を有しかつ前記(B)成分中の官能基と反応し
うる官能基を有する化合物である。(C)成分は、1分
子中に重合性不飽和二重結合を例えば1つ有する。
(C)成分の例としては、官能基がイソシアネート基で
あるメタクリロイルイソシアネート、メタクリル酸2−
イソシアネートエチル、m−イソプロペニル−α,α−
ジメチルベンジルイソシアネート、トリレンジイソシア
ネートやジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
トとの付加物等が挙げられ、これらは、1種または2種
以上用いられる。(C)成分の使用量は、(B)成分中
の官能基と有効に反応させるために、(B)成分中の官
能基量に対して適宜決定するのがよい。例えば、(B)
成分中の官能基濃度(mol/g)×(C)成分中官能
基の前記(B)成分1gあたりの濃度(mol/g)が
0.5×10-7mol2/g2〜7.5×10-7mol2
/g2であるのが好ましい。この使用範囲で用いること
により透明性と耐衝撃性のバランスを一層良好に得るこ
とができる。より有効に反応させるためには、公知のウ
レタン化触媒、例えばジブチル錫ジラウリレート,トリ
エチルアミン等の使用が効果的である。
【0017】(D)成分 本発明における(D)成分は、1分子中に前記(B)成
分中の官能基と反応しうる官能基を有しかつ重合性不飽
和二重結合を有さない多官能化合物である。その例とし
ては、官能基がイソシアネート基であるヘキサメチレン
ジイソシアネートの様な脂肪族多官能イソシアネート、
トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニルイソシアネートの様な芳香族多
官能イソシアネート等が挙げられ、これらは1種または
2種以上用いられる。(D)成分の使用量は、(B)成
分中の官能基と有効に反応させるために、(B)成分中
の官能基量に対して適宜決定するのがよい。例えばその
使用量は、(B)成分中の官能基濃度(mol/g)×
(D)成分中官能基の前記(B)成分1gあたりの濃度
(mol/g)が0.5×10-7mol2/g2〜7.5
×10 -7mol2/g2であるのがよい。この使用範囲で
用いることにより、透明性と耐衝撃性のバランスを一層
良好に得ることができる。より有効に反応させるために
は、公知のウレタン化触媒、例えばジブチル錫ジラウリ
レート,トリエチルアミン等の使用が効果的である。
【0018】(E)成分 本発明における(E)成分は、1分子中に重合性不飽和
二重結合を有しかつ前記(D)成分中の官能基と反応し
うる官能基を有する化合物である。その例としては、上
記の(B)成分で説明したヒドロキシル基を有する化合
物が挙げられる。(E)成分の使用量は、(D)成分中
の官能基に対して1/2モル量用いるのがよい。
【0019】なお、(B)成分、(C)成分、(D)成
分および(E)成分は、好適な種類を例示したが、上記
以外のモノマー類を使用することも勿論可能である。ま
た各種成分の組み合わせは、適宜決定すればよい。
【0020】(F)成分 本発明における(F)成分は、1分子中に2個以上の重
合性不飽和二重結合を有する単量体である。(F)成分
は、成形品の強靭性、耐熱性、耐溶剤性及び耐薬品性の
向上の目的とし、必要に応じて用いられる。(F)成分
の例としては、特に制限されないが、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオベンチルグリコールジ
(メタ)−アクリレートを代表としたアルカンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等
のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アリル
(メタ)アクリレート、トリ−メリロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、トリアリールイソシアヌレート
等が挙げられる。これら1種、もしくは2種以上用いら
れる。(F)成分の使用量は、アクリルシラップ100
重量部に対して、0〜50重量部の範囲である。
【0021】本発明に用いられる重合開始剤としては、
公知の有機過酸化物、アゾ化合物などのラジカル重合開
始剤が用いられる。例えばt−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパ
ーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキ
シ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,
2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘ
キシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパー
オキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)バレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイ
ド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート等の有機過酸化物、2,2−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビ
スイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カーボニトリル)等のアゾ化合物が挙げら
れ、単独または2種以上併用してもよい。その使用量
は、(A)成分100重量部に対して、0.01〜10
重量部の範囲内がよい。この使用量が0.01部未満で
は硬化不十分となる傾向にあり、10重量部を超えると
保存安定性に問題がある。また本発明の組成物の重合お
よび硬化は、常法により行えばよい。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明は下記例により制限され
るものではない。また、特記しない限り、部および%
は、それぞれ重量部および重量%を示している。
【0023】実施例1 冷却管、温度計、撹拌機、滴下ロートAを有するセパラ
ブルフラスコに、イオン交換水150部を仕込み75℃
に昇温した。予めアニオン性界面活性剤2.5部、アク
リル酸ブチル197.5部、スチレン40部、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル12.5部、イオン交換水1
25部からなる乳化物を滴下ロートAに仕込み、3時間
かけてセパラブルフラスコに滴下した。同時にアニオン
性界面活性剤2.5部、メタクリル酸メチル250部、
イオン交換水125部からなる乳化物を滴下ロートBに
仕込み、1.5時間かけて撹拌下の滴下ロートAに滴下
した。さらに重合開始剤として過硫酸アンモニウムの1
%水溶液100部を3時間かけて滴下重合した。滴下終
了後、1時間熟成し、冷却後アクリルエマルジョンを
得、得られたエマルジョンをスプレードライにより乾燥
し、(B)成分のアクリル酸エステル共重合体粉末を得
た。得られたメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを2.
1mol%有するアクリル酸エステル共重合体(重量平
均分子量Mw:180万)20部、(A)成分としてメ
タクリル酸メチル60部およびアクリル酸メチル20部
を200mlセパラブルフラスコに入れ、室温で8時間
撹拌溶解し、アクリルシラップを得た。得られたアクリ
ルシラップに、(C)成分である1分子内に不飽和二重
結合および(B)成分中の官能基と反応しうる官能基を
有する化合物として、官能基がイソシアネートであるメ
タクリル酸2−イソシアネートエチルを0.3部(昭和
電工(株)製、商品名カレンズMOI)((B)成分中
の官能基濃度(mol/g)×(C)成分中官能基の前
記(B)成分1gあたりの濃度(mol/g)=3.7
×10-7mol2/g2)、(F)成分の多官能単量体と
してブチレングリコールジメタクリレート5部、ジブチ
ル錫ジラウレート0.01部及びラジカル重合開始剤を
0.15部添加し、樹脂組成物を得た。なお、ラジカル
重合開始剤は、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)
パーオキシジカーボネート(日本油脂社製商品名パーロ
イルTCP)およびt−ヘキシルパーオキシベンゾエー
ト(日本油脂社製商品名パーヘキシルZ)であり、それ
ぞれ0.075重量部ずつ混合した2種の併用系であ
る。この併用系のラジカル重合開始剤は、以下のいずれ
の例においても使用した。次に、片面にポリエチレンテ
レフタレートフィルムを貼り付けたガラス板と3mmゴ
ム板を用いて、フィルム面が内側で、空間が3mmとな
るようなセルを作製し、上記樹脂組成物を減圧脱泡後、
セル内に注型した。得られた樹脂含有セルを熱風乾燥機
内で、60℃、5時間さらに130℃、30分保持し、
注入成形をおこなった。得られたシート状のアクリル成
形板は、透明なものであった。
【0024】実施例2 (B)成分として4.3mol%のメタアクリル酸2−
ヒドロキシエチルを含有するアクリル酸エステル共重合
体(Mw:150万)およびMOI0.2部((B)成
分中の官能基濃度(mol/g)×(C)成分中官能基
の前記(B)成分1gあたりの濃度(mol/g)=
5.0×10-7mol2/g2)を用いた以外は実施例1
と同様な操作を行った。得られたシート状のアクリル成
形板は、透明なものであった。
【0025】実施例3 (B)成分として6.4mol%のメタアクリル酸2−
ヒドロキシエチルを含有するアクリル酸エステル共重合
体(Mw:150万)およびMOI0.1部(B)成分
中の官能基濃度(mol/g)×(C)成分中官能基の
前記(B)成分1gあたりの濃度(mol/g)=3.
7×10-7mol2/g2)を用いた以外は実施例1と同
様な操作を行った。得られたシート状のアクリル成形板
は、透明なものであった。
【0026】実施例4 冷却管、温度計、撹拌機、滴下ロートA、窒素ガス通気
缶および酸素濃度計の電極を備えたセパラブルフラスコ
に、乳化剤としてメタクリロキシポリエチレングリコー
ル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ(乳化剤
E)1.5部、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジア
ミン4酢酸ナトリウム0.01部およびイオン交換水2
00部を仕込んだ。この場合の酸素濃度は一般的に5〜
10ppmである。予めアクリル酸ブチル197.5
部、スチレン40部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル12.5部、乳化剤E1.0部、イオン交換水114
部を滴下ロートAに仕込んだ。乳化物およびセパラブル
フラスコに窒素ガスを50〜100ml/分、約2時間
パブリングすると溶存酸素濃度はゼロになる(溶存酸素
濃度計は0.5%重亜硫酸ソーダ水溶液で酸素濃度ゼロ
に校正する)。なお、溶存酸素計は、東亜電波工業社製
商品名DDIC−3を使用した。両系の酸素濃度がゼロ
になったら、モノマー乳化物、0.3%t−ブチルヒド
ロペルオキシド水溶液20部、および0.7%ホルムア
ルデヒドナトリウムスルホキシレート水溶液20部を3
時間かけて均一にセパラブルフラスコに滴下した。同時
にメタクリル酸メチル250部、乳化剤1.0部、イオ
ン交換水114部を滴下ロートBに仕込み、上記と同様
酸素濃度が0になったら1.5時間かけて撹拌下の滴下
ロートAに滴下した。この間系の反応温度は32±2℃
に保持した。滴下終了後、1時間同温度に保持し、熟成
し、冷却した。得られたアクリルエマルジョンをスプレ
ードライにより乾燥し、(B)成分としての超高分子量
アクリル酸エステル共重合体粉末を得た(Mw:380
万)。得られたメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを
2.1mol%有するアクリル酸エステル共重合体20
部、(A)成分であるメタクリル酸メチル60部および
アクリル酸メチル20部を200mlセパラブルフラス
コに入れ、室温で16時間撹拌溶解し、アクリルシラッ
プを得た。得られたアクリルシラップに、MOI0.3
部((B)成分中の官能基濃度(mol/g)×(C)
成分中官能基の前記(B)成分1gあたりの濃度(mo
l/g)=3.7×10-7mol2/g2)、(F)成分
の多官能単量体としてブチレングリコールジメタクリレ
ート5部、ジブチル錫ジラウレート0.01部およびラ
ジカル重合開始剤を0.15部添加し、樹脂組成物を得
た。次に実施例1と同様な操作を行い、得られたシート
状のアクリル成形板は、透明なものであった。
【0027】実施例5 (B)成分として、官能基を有する単量体に2.1mo
l%メタクリル酸4−ヒドロキシエチルを含有するアク
リル酸エステル共重合体(Mw:160万)を用いた以
外は実施例1と同様な操作を行った((B)成分中の官
能基濃度(mol/g)×(C)成分中官能基の前記
(B)成分1gあたりの濃度(mol/g)=3.7×
10-7mol2/g2)。得られたシート状のアクリル成
形板は、透明なものであった。
【0028】実施例6 実施例1で得られたアクリルシラップに、(D)成分で
ある1分子中に前記(B)成分中の官能基と反応しうる
官能基を有しかつ重合性不飽和二重結合を有さない多官
能化合物として、官能基がイソシアネート基であるヘキ
サメチレンジイソシアネート(HDI)を0.4部
((B)成分中の官能基濃度(mol/g)×(D)成
分中官能基の前記(B)成分1gあたりの濃度(mol
/g)=3.1×10-7mol2/g2)、(E)成分で
ある1分子中に重合性不飽和二重結合および前記(D)
成分中の官能基と反応しうる官能基を有する化合物とし
て、官能基がヒドロキシ基であるメタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルを0.3部、(F)成分の多官能単量体と
してブチレングリコールジメタクリレート5部、ジフチ
ル錫ジラウレート0.01部およびラジカル重合開始剤
を0.15部添加し、樹脂組成物を得た。次に実施例1
と同様な操作を行い、得られたシート状のアクリル成形
板は、透明なものであった。
【0029】実施例7 (A)成分としてメタクリル酸メチル55部、アクリル
酸メチル25部を用いた以外は実施例1と同様な操作を
行った。得られたシート状のアクリル成形板は、透明な
ものであった。
【0030】実施例8 (F)成分である多官能単量体を使用しない以外は実施
例1と同様な操作を行った。得られたシート状のアクリ
ル成形板は、透明なものであった。
【0031】比較例1 (C)成分を用いない以外は、実施例1と同様な操作を
行った。得られたシート状のアクリル成形板は、不透明
なものであった。
【0032】比較例2 (D)成分を用いない以外は、実施例6と同様な操作を
行った。得られたシート状のアクリル成形板は、不透明
なものであった。
【0033】比較例3 冷却管、温度計、撹拌機、滴下ロートAを有するセパラ
ブルフラスコに、イオン交換水150部を仕込み、75
℃に昇温した。予めアニオン性界面活性剤2.5部、ア
クリル酸エチル237.5部、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル12.5部、イオン交換水125部からなる
乳化物を滴下ロートAに仕込み、3時間かけてセパラブ
ルフラスコに滴下した。同時に予めアニオン性界面活性
剤2.5部、メタクリル酸メチル250部、イオン交換
水125部からなる乳化物を滴下ロートBに仕込み、
1.5時間かけて撹拌下の滴下ロートAに滴下した。さ
らに重合開始剤として過硫酸アンモニウムの1%水溶液
100部を3時間かけて滴下重合した。滴下終了後、1
時間熟成し、冷却後アクリルエマルジョンを得、得られ
たエマルジョンをスプレードライにより乾燥し、(B)
成分のアクリル酸エステル共重合体を得た。得られたメ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルを2.1mol%有す
るアクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量Mw:
190万)20部、(A)成分としてメタクリル酸メチ
ル60部およびアクリル酸メチル20部を200mlセ
パラブルフラスコに入れ、室温で8時間撹拌溶解し、ア
クリルシラップを得た。得られたアクリルシラップに、
(C)成分である1分子内に不飽和二重結合および
(B)成分中の官能基と反応しうる官能基を有する化合
物として、官能基がイソシアネートであるメタクリル酸
2−イソシアネートエチルを0.3部(昭和電工(株)
製.商品名カレンズMOI)((B)成分中の官能基濃
度(mol/g)×(C)成分中官能基の前記(B)成
分1gあたりの濃度(mol/g)が=3.7×10-7
mol2/g2)、(F)成分の多官能単量体としてブチ
レングリコールジメタクリレート5部、ジブチル錫ジラ
ウレート0.01部およびラジカル重合開始剤を0.1
5部添加し、樹脂組成物を得た。次に、実施例1と同様
な操作を行い、得られたシート状のアクリル成形板は、
不透明なものであった。
【0034】比較例4 (C)成分としてMOI量0.6部((B)成分中の官
能基濃度(mol/g)×(C)成分中官能基の前記
(B)成分1gあたりの濃度(mol/g)が=7.4
×10-7mol2/g2)量用いた以外は比較例3と同様
な操作を行った。得られたシート状のアクリル成形板
は、透明なものであった。
【0035】比較例5 (E)成分を用いない以外は、実施例6と同様な操作を
行った。得られたシート状のアクリル成形板は、不透明
なものであった。
【0036】上記の実施例および比較例で得られた成形
板を用いて、光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率、破断
点変位およびアイゾット衝撃性(ノッチ無し)を測定し
た。得られた結果を表1および2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、凝固・乾燥の繁雑な樹
脂加工工程を経ることなく、優れた透明性および耐衝撃
性を有する成形品を簡単に得ることのできる(メタ)ア
クリル系樹脂組成物と、これを硬化して得られた成形体
が提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA33 AA77 AF23 AF30 AH16 AH19 BC01 4J011 KA09 KB09 PA69 PC02 PC06 4J026 AA17 AA29 AA30 AA45 AA48 AC33 BA27 BA28 BA29 BA30 BA37 BA39 BA50 BB02 BB03 DA04 DA16 DB10 DB12 DB13 GA01 GA02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチルを主成分とする(メ
    タ)アクリル系単量体(A)と、パワーフィード乳化重
    合法により調製されるとともにスプレードライ法により
    脱水乾燥された1種以上の官能基を有する(メタ)アク
    リル酸エステル共重合体(B)とからなるアクリルシラ
    ップ;および1分子中に重合性不飽和二重結合を有しか
    つ前記(B)成分中の官能基と反応しうる官能基を有す
    る化合物(C)を含んでなる透明性および耐衝撃性に優
    れた(メタ)アクリル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の(A)成分および
    (B)成分からなるアクリルシラップ;1分子中に前記
    (B)成分中の官能基と反応しうる官能基を有しかつ重
    合性不飽和二重結合を有さない多官能化合物(D);お
    よび1分子中に重合性不飽和二重結合を有しかつ前記
    (D)成分中の官能基と反応しうる官能基を有する化合
    物(E)を含んでなる透明性および耐衝撃性に優れた
    (メタ)アクリル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分が、粒子中心から粒子最外層
    に向かってTgが室温以下から105℃の範囲で変化す
    る粉末アクリルゴムである請求項1または2に記載の組
    成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分の組成がメタクリル酸メチル
    −アクリル酸ブチル−スチレン共重合体である請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分中の官能基が1〜20mol
    %である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 (B)成分中の官能基濃度(mol/
    g)×(C)成分中官能基の前記(B)成分1gあたり
    の濃度(mol/g)が0.5×10-7mol 2/g2
    7.5×10-7mol2/g2である請求項1に記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 (B)成分中の官能基濃度(mol/
    g)×(D)成分中官能基の前記(B)成分1gあたり
    の濃度(mol/g)が0.5×10-7mol 2/g2
    7.5×10-7mol2/g2である請求項2に記載の組
    成物。
  8. 【請求項8】 (B)成分の重量平均分子量が20万〜
    500万である請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】 1分子中に2個以上の重合性不飽和二重
    結合を有する単量体(F)をさらに含んでなる請求項1
    ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 (A)成分を60〜99重量部および
    (B)成分を1〜40重量部の範囲で用いる請求項1ま
    たは2に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 (B)成分中の官能基がヒドロキシル
    基であり、かつ(C)成分中の官能基がイソシアネート
    基である請求項1に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 (D)成分中の官能基がイソシアネー
    ト基であり、かつ(E)成分中の官能基がヒドロキシル
    基である請求項2に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 (F)成分が、炭素−炭素二重結合を
    少なくとも2個以上有する化合物であり、かつその使用
    量がアクリルシラップ100重量部に対して0〜50重
    量部である請求項9に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか1項に
    記載の組成物を硬化させて得られる成形体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1772471A1 (en) 2005-08-24 2007-04-11 Nippon Shokubai Co.,Ltd. Radiation-curable composition and cured product thereof
JP2010229308A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Sumitomo Chemical Co Ltd フィルム製造用メタクリル樹脂組成物及びフィルム用耐衝撃性改良剤
CN105330784A (zh) * 2014-08-01 2016-02-17 阜阳师范学院 一种制备水性丙烯酸树脂的方法
JP2022553680A (ja) * 2019-10-16 2022-12-26 コザ・ノベル・マテリアルズ・コリア・カンパニー・リミテッド 硬化性組成物

Cited By (6)

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