JP2002003398A - 徐放製剤、その製造法及びワクチン - Google Patents

徐放製剤、その製造法及びワクチン

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裕 水島
Toshisato Igarashi
理慧 五十嵐
Akira Kitagawa
晶 北川
Yukie Takagi
幸江 高木
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    • A61K9/146Intimate drug-carrier mixtures characterised by the carrier, e.g. ordered mixtures, adsorbates, solid solutions, eutectica, co-dried, co-solubilised, co-kneaded, co-milled, co-ground products, co-precipitates, co-evaporates, co-extrudates, co-melts; Drug nanoparticles with adsorbed surface modifiers with organic macromolecular compounds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製剤作製方法がきわめて簡単であり、ほとん
どすべての蛋白医薬品に応用できるとともに、蛋白結合
性のある多くの低分子医薬品についても利用可能で優れ
た徐放効果が得られる蛋白質と多糖体不溶性結合体から
なる徐放製剤、ワクチン、及び徐放製剤の製造法を提供
すること。 【解決手段】 薬効をもつ蛋白質溶液と酸性ムコ多糖体
溶液を混和することにより製造される不溶性結合体から
なる徐放製剤であること,ワクチンの作用をもつ高分子
物質を薬効をもたないヒト血清蛋白質溶液に溶解し、次
に酸性ムコ多糖体を混和し、溶液を酸性とすることによ
り生成される不溶性結合体からなるワクチンであるこ
と,コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液とヒトγグロブ
リン溶液、又は低分子医薬品を含むグロブリン溶液を混
和し、酸性にすることにより不溶性結合体を生成し、遠
沈し、上清を除去し、pH6〜pH8の緩衝液に当該不
溶性結合体を小さな粒子となるよう再懸濁させ、凍結乾
燥することにより製造される徐放製剤の製造法であるこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬効をもつ蛋白
質、多糖体及び蛋白結合性のある低分子薬剤のための、
蛋白質と酸性ムコ多糖体の不溶性結合体からなる徐放製
剤、ワクチン及び当該徐放製剤の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛋白質(以下、本発明においては、ペプ
チドを含む)の薬剤は通常注射によらなければならな
い。また多くの蛋白薬剤の血中半減期は短いので、頻繁
に注射しなければならない。また多糖体や低分子の薬剤
の中でも注射療法の方が好ましいものがあり、この場
合、徐放製剤が必要であり、またワクチンも徐放される
ことが好ましい。
【0003】以上の理由により、多くの蛋白薬剤などに
応用できる優れた注射用の徐放製剤及びワクチンの開発
が望まれている。これまでにも高分子基材も含め薬剤の
徐放製剤は種々検討されているが、蛋白質と多糖体不溶
性結合体を用いたものはない。注射用徐放製剤としては
PLGA製剤、コラーゲンミニペレット、ポリエチレン
グリコール製剤などがあるが、技術的に通常複雑であ
る。蛋白や金属との結合物で徐放を得ているものがある
が、24時間以上持続するものはまれである。また、本
発明に近いものとしては、現在開発中であるが、網目状
のヒアルロン酸に蛋白質を封入したもの、プロタミン亜
鉛インスリンのような結合物などがあるが、製造方法が
複雑であることが多く、また一般的に特殊な薬剤にしか
応用できていない。ワクチンについても同様な試みがな
されているが優れたものがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、製剤
作製方法がきわめて簡単であり、ほとんどすべての蛋白
薬剤に応用できるとともに、蛋白結合性のある多くの低
分子薬剤についても利用可能で優れた徐放効果が得られ
る蛋白質と多糖体不溶性結合体からなる徐放製剤、ワク
チン及び当該徐放製剤の製造法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特に本発
明者の一人である水島裕が酸性ムコ多糖体(グリコサミ
ノグリカン)と蛋白質が酸性溶液中では不溶性結合体を
作ること及び塩基性蛋白は中性溶液でも不溶性結合体を
作ることを膠原病の病変形成機序の研究として見い出
し、1962年にすでに報告している(最新医学、17
(2), 483-487, 1962)。しかしこの不溶性結合体を徐放
製剤に利用するという研究及び発想は全くなかった。そ
こで、本発明者らは最近この研究をすすめた結果、酸性
溶液中で不溶化した蛋白質と酸性ムコ多糖体は中性溶液
中では少しずつ溶解することを見い出し、この現象をD
DS(Drug Delivery System)に応用することができる
ことを発見した。これらの知見に基づいて本発明を完成
した。
【0006】さらに、本発明におけるコンドロイチン硫
酸ナトリウム溶液と、ヒトγグロブリン溶液又は低分子
薬剤を含むグロブリン溶液を混和し、酸性にすることに
より不溶性結合体を生成し、遠沈し、上清を除去し、p
H6〜pH8の緩衝液又は弱酸性緩衝液に当該不溶性結
合体を小さな粒子となるよう再懸濁させ、再度遠沈する
ことにより製造される徐放製剤は局所投与のみが可能で
あるが、本発明の他の徐放製剤は通常全身投与を目的と
して、皮下あるいは筋肉内に注射するが局所投与も可能
であり、かつワクチンは全身に抗体があがらないと効果
がないので本発明のワクチンも基本的に全身投与を目的
とするが、鼻、肺及び消化器官については局所投与が可
能であることを発見した。
【0007】そこで、1.本発明の徐放製剤は、(1)
薬効をもつ蛋白質溶液と酸性ムコ多糖体溶液を混和する
ことにより生成される不溶性結合体からなる徐放製剤、
(2)薬効をもつ蛋白質溶液と酸性ムコ多糖体溶液を混
和し、室温または1℃〜5℃で溶液を酸性にすることに
より生成される不溶性結合体からなる徐放製剤、(3)
薬効をもつ蛋白質の少量を、薬効をもたないヒト血清蛋
白質溶液に溶解し、次に酸性ムコ多糖体溶液を混和し、
溶液を酸性とすることにより生成される不溶性結合体か
らなる徐放製剤、(4) 薬効をもつ蛋白質の少量を、
薬効をもたないヒト血清蛋白質溶液に溶解する時、結合
性が弱い場合は、イオン強度及び/又は温度を下げた
り、及び/又は結合強化剤を加え、次に酸性ムコ多糖体
溶液を混和し、溶液を酸性とすることに生成される不溶
性結合体からなる徐放製剤、(5)薬効をもつ少量の蛋
白あるいは蛋白結合性のある低分子薬剤を血漿蛋白質と
結合するために両溶液を混合する時、結合性が弱い場合
は、イオン強度及び/又は温度を下げたり、及び/又は
結合強化剤を加え、次に酸性ムコ多糖体溶液を混和し、
溶液を酸性とすることにより生成される不溶性結合体か
らなる徐放製剤、(6)薬効をもつ蛋白質又は蛋白結合
性のある低分子薬剤をヒト血清蛋白質溶液に溶解し結合
をはかる場合、結合性の弱い時は、共有結合させること
により生成される不溶性結合体からなる徐放製剤、
(7)コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液とヒトγグロ
ブリン溶液、又は低分子薬剤を含むグロブリン溶液を混
和し、酸性にすることにより生成される不溶性結合体を
懸濁し、その懸濁液からなる徐放製剤、(8)コンドロ
イチン硫酸ナトリウム溶液の最終濃度が0.1%〜2%
であり、ヒトγグロブリン溶液の最終濃度が0.1%〜
2%である徐放製剤、(9)コンドロイチン硫酸ナトリ
ウムに代えてヒアルロン酸ナトリウム又は人体に存在す
るすべての酸性ムコ多糖体を使用する徐放製剤、(1
0)ヒトγグロブリンに代えてヒト血清アルブミン、ヒ
トフィブリノーゲン、ヒトヒストン、ヒトプロタミン、
ゼラチン、コラーゲンを使用する徐放製剤であり、2.
本発明のワクチンは、(1)ワクチンの作用をもつ高分
子物質を薬効をもたないヒト血清蛋白質溶液に溶解し、
次に酸性ムコ多糖体を混和し、溶液を酸性とすることに
より生成される不溶性結合体からなるワクチン、(2)
ワクチンの作用をもつ高分子物質を酸性ムコ多糖体溶液
に混和し、溶液を酸性とすることにより生成される不溶
性結合体からなるワクチンであり、3.本発明の徐放製
剤の製造法は、(1)コンドロイチン硫酸ナトリウム溶
液とヒトγグロブリン溶液、又は低分子薬剤を含むグロ
ブリン溶液を混和し、酸性にすることにより不溶性結合
体を生成し、遠沈し、上清を除去し、pH6〜pH8の
緩衝液に当該不溶性結合体を小さな粒子となるよう再懸
濁させ、凍結乾燥することにより製造される徐放製剤の
製造法、(2)コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液とヒ
トγグロブリン溶液、又は低分子薬剤を含むグロブリン
溶液を混和し、酸性にすることにより不溶性結合体を生
成し、遠沈し、上清を除去し、pH6〜pH8の緩衝液
に当該不溶性結合体を小さな粒子となるよう再懸濁さ
せ、再度遠沈することにより製造される徐放製剤の製造
法、(3)前記(1)記載の不溶性結合体を弱酸性緩衝
液に小さな粒子となるよう再懸濁させることにより製造
される徐放製剤の製造法、(4)前記(2)記載の不溶
性結合体を弱酸性緩衝液に小さな粒子となるよう再懸濁
させることにより製造される徐放製剤の製造法、(5)
コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液の最終濃度が0.1
%〜2%であり、ヒトγグロブリン溶液の最終濃度が
0.1%〜2%である徐放製剤の製造法、(6)コンド
ロイチン硫酸ナトリウムに代えてヒアルロン酸ナトリウ
ム又は人体に存在するすべての酸性ムコ多糖体を使用す
る徐放製剤の製造法、(7)ヒトγグロブリンに代えて
ヒト血清アルブミン、ヒトフィブリノーゲン、ヒトヒス
トン、ヒトプロタミン、ゼラチン、コラーゲンを使用す
る徐放製剤の製造法であり、さらに、4.本発明の徐放
製剤は、(1)コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液とヒ
トγグロブリン溶液又は低分子薬剤を含むグロブリン溶
液を混和し、酸性にすることにより不溶性結合体を生成
し、遠沈し、上清を除去し、pH6〜pH8の緩衝液に
当該不溶性結合体を小さな粒子となるよう再懸濁させ、
凍結乾燥することにより製造される徐放製剤、(2)コ
ンドロイチン硫酸ナトリウム溶液とヒトγグロブリン溶
液、又は低分子薬剤を含むグロブリン溶液を混和し、酸
性にすることにより不溶性結合体を生成し、遠沈し、上
清を除去し、pH6〜pH8の緩衝液に当該不溶性結合
体を小さな粒子となるよう再懸濁させ、再度遠沈するこ
とにより製造される徐放製剤、(3)前記(1)記載の
不溶性結合体を弱酸性緩衝液に小さな粒子となるよう再
懸濁させることにより製造される徐放製剤、(4)前記
(2)記載の不溶性結合体を弱酸性緩衝液に小さな粒子
となるよう再懸濁させることにより製造される徐放製
剤、(5)コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液の最終濃
度が0.1%〜2%であり、ヒトγグロブリン溶液の最
終濃度が0.1%〜2%である徐放製剤、(6)コンド
ロイチン硫酸ナトリウムに代えてヒアルロン酸ナトリウ
ム又は人体に存在するすべての酸性ムコ多糖体を使用す
る徐放製剤、(7)ヒトγグロブリンに代えてヒト血清
アルブミン、ヒトフィブリノーゲン、ヒトヒストン、ヒ
トプロタミン、ゼラチン、コラーゲンを使用する徐放製
剤である。
【0008】本発明において、溶液を酸性とすることに
より、蛋白質と酸性ムコ多糖体のイオン結合等が起りや
すくなり、沈殿物が生じやすくなる。又薬効をもつ蛋白
質溶液と酸性ムコ多糖体溶液を混和し、溶液を酸性にす
る場合、室温または5℃以下、好適には1℃〜5℃で溶
液を酸性にすることが良い。
【0009】室温においては、反応性が高まり、強固な
結合体が出来るものであり、1℃〜5℃においては、溶
解度が下がるので不溶性結合体が出来やすく蛋白質が変
性しにくいものである。
【0010】少量の蛋白質のみでは十分多糖体と沈殿物
を作るほど結合しないことがある。しかし安全性の確認
されている薬効をもたないヒト血清蛋白質溶液を加える
ことにより十分な沈殿物を作ることが出来る。この場合
イオン強度及び/又は温度を下げることが有利である場
合があり、同時に/又はZnやCaなどの結合強化剤を
用いるのが良い場合がある。
【0011】低分子薬剤を本発明における不溶性結合体
に入れるためには結合性の強い蛋白質と低分子薬剤を結
合させたあと酸性ムコ多糖体を混ぜると良いので、本発
明においては、蛋白質結合性のある低分子薬剤を使用す
るが、結合性が弱い場合は、イオン強度及び/又は温度
を下げたり、同時に/又はZnやCaなどの結合強化剤
を加えると有利である。結合強化剤は、Zn、Ca、C
o、Cu、Feなどの金属、パモ酸、プルロニックなど
の界面活性剤,ポリエチレングルコールなどが好適であ
る。
【0012】イオン強度を下げると一般的に蛋白質が結
合しやすく、温度をさげると、前述した1℃〜5℃と同
様に、溶解度が下がるので結合体が出来やすく蛋白質が
変性しにくいものである。
【0013】薬効をもつ蛋白質又は蛋白結合性のある低
分子薬剤をヒト血清蛋白質溶液に溶解し結合をはかる場
合、両者の結合性の弱い時は、結合強化剤の使用に代え
てエステル結合などにより両者を結合させて製造するの
が良い。結合強化剤の場合はイオン結合であるが、エス
テル結合などの共有結合のほうが結合力が強いものであ
る。
【0014】緩衝液はpHを一定にするための液のこと
である。
【0015】ヒト血清アルブミン、ヒトγグロブリンは
ヒト血清蛋白質の代表的なものである。コンドロイチン
硫酸とヒアルロン酸はヒト生体中の酸性ムコ多糖体の代
表的なものである。
【0016】本発明における薬効をもつ蛋白質はすべて
のペプチド、蛋白結合性のある薬効をもつ低分子薬剤を
結合した蛋白質、ワクチンを含むものであり、酸性ムコ
多糖体はヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等をはじめ
とする酸性基をもつムコ多糖体(アミノ糖)のことであ
る。
【0017】また本発明において、ワクチンはワクチン
の作用をもつ高分子物質を薬効をもたないヒト血清蛋白
質溶液に溶解し、次に酸性ムコ多糖体を混和し、溶液を
酸性とすることにより生成される不溶性結合体からなる
ものであるが、ワクチンの量が多いときはヒト血清蛋白
質を用いず、ワクチンと酸性ムコ多糖体の不溶性結合体
を作ること、即ちワクチンの作用をもつ高分子物質を酸
性ムコ多糖体溶液に混和し、溶液を酸性とすることによ
り生成される不溶性結合体が望ましい。
【0018】コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液とヒト
γグロブリン溶液、又は低分子薬剤を含むグロブリン溶
液を混和し、酸性にすることにより不溶性結合体を生成
し、遠沈し、上清を除去し、pH6〜pH8の緩衝液に
当該不溶性結合体を小さな粒子となるよう再懸濁させ、
再度遠沈するとペレット状になる。そしてこのペレット
状のものを局所投与するものであるがこのペレット状の
ものは局所投与のみ可能である。
【0019】本発明の他の徐放製剤は通常全身投与を目
的として皮下あるいは筋肉内に注射するが局所投与も可
能である。
【0020】又本発明のワクチンは、ワクチンの性質、
即ち、全身に抗体があがらないと効果がないので本発明
のワクチンも基本的に全身投与を目的とするが、鼻、肺
及び消化器官については局所投与が可能である。
【0021】本発明を局所投与することにより、局所に
おける薬剤の持続的高濃度を得ることが出来るものであ
る。
【0022】又緩衝液はpH6〜pH8、即ちpH7前
後が適当であるが、特にpH7.2が好適である。
【0023】コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液と、ヒ
トγグロブリン溶液又は低分子薬剤を含むグロブリン溶
液を混和し、酸性にすることにより生成される不溶性結
合体において、コンドロイチン硫酸ナトリウムに代えて
ヒアルロン酸ナトリウム又は人体に存在するすべての酸
性ムコ多糖体を使用しても良く、又ヒトγグロブリンに
代えてヒト血清アルブミン、ヒトフィブリノーゲン、ヒ
トヒストン、ヒトプロタミン、ゼラチン、コラーゲンを
使用しても良い。
【0024】さらにコンドロイチン硫酸ナトリウムやヒ
アルロン酸ナトリウム等の溶液の濃度は0.1%〜飽和
迄、特に最終濃度が0.1%〜2%が適当であり、かつ
ヒトγグロブリンやヒト血清アルブミン等の溶液の濃度
は0.1%〜飽和迄、特に最終濃度が0.1%〜2%が
適当である。
【0025】蛋白質薬剤としては、各種抗体、EPO、
G−CSF、GM−CSF、トロンボポエチン、インタ
ーフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロン
γ、ウロキナーゼ、TPA、ストレプトキナーゼ、血液
凝固因子VIII、IL−2、IL−11、エンブレル、F
GF、EGF、HGF、BDNF、NGF、レプチン、
NT−3、SOD、カルシトニン、インスリン、ヒト成
長ホルモン、他の脳下垂体ペプチドホルモン、バンコマ
イシン、テイコプラニン、SOD、PTHなどがある。
【0026】以下、本発明の製剤作製方法について記述
する。製剤製造法に関する項目としては、蛋白質、酸性
ムコ多糖体、溶液pHの変化の操作、遠沈及び凍結乾
燥、凍結乾燥品のヒトへの投与があげられる。
【0027】蛋白質であるが、薬効をもつ蛋白質で投与
量が多い場合はそのまま使用する。投与量の少ないもの
は、ヒトγグロブリンやヒト血清アルブミン溶液に溶
解、つまり基剤としての蛋白で希釈する形で用いる。蛋
白結合性のある低分子薬剤(蛋白質・酸性ムコ多糖体以
外の高分子も含む)は、ヒト血清アルブミン溶液などに
溶解し使用する。酸性ムコ多糖体であるが、薬効をもつ
例外的なものを除き、本徐放製剤においては基剤として
用いる。コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸などすでに
臨床に使われている酸性ムコ多糖体が望ましい。以上の
ように蛋白質も酸性ムコ多糖体もすでにヒトに薬剤とし
て用いられているもの、また生体内物質であるものが好
ましいが、この他の蛋白質や酸性ムコ多糖体を利用して
もよい。使用する酸性ムコ多糖体や蛋白質の種類によっ
ては生成する不溶性結合体の性状も中性領域での溶解性
の速度も異なる。たとえばヒアルロン酸を使用する場合
は、ヒトγグロブリンを使用する方が、アルブミンに比
べ、中性溶液での不溶性結合体の溶解速度はかなり遅く
なる。それゆえ、個々の薬剤に適した蛋白質や酸性ムコ
多糖体を使用する方が好ましい。なお、はじめに酸性ム
コ多糖体及び蛋白質を溶解する場合、蒸留水、等張食塩
水、各種バッファーのいずれを用いてもよい。
【0028】溶液のpHを変える操作は次の通りであ
る。即ち、蛋白質及び酸性ムコ多糖体の混合液を撹拌し
ながら塩酸(0.1〜1規定位が好ましい)を滴下し、
pH3程度にする。次第に不溶性の結合体ができる。結
合体である沈殿物が十分できたところで遠沈し、沈殿物
をグルコース、マンニトールなど適切な安定剤の入った
pH7.2の等張緩衝液に再懸濁し、よく混和する。こ
のものを凍結乾燥し、徐放製剤とする。pHを3程度に
下げるためには、塩酸や硫酸などの酸を用いてもバッフ
ァーなどを用いてもよいが、酸を用いる方がよさそうで
ある。なお、塩酸の濃度は0.1〜1規定で十分であ
る。バッファーを用いないときは、さらに低い濃度の塩
酸を用いる。本製剤をヒトに投与するときは、蒸留水を
加え等張とし、皮下あるいは筋肉内などに投与する。
【0029】本発明における酸性ムコ多糖体と蛋白質の
不溶性結合体の作製に関しては、ほとんど特殊な設備な
しできわめて簡便に徐放製剤を作ることができる。ま
た、薬物の封入率もきわめて高く経済的でもある。さら
に基剤として使用している酸性ムコ多糖体と蛋白質は、
いずれもヒトへの大量使用経験があるものが使えるので
安全性にほぼ問題がなく、比較的廉価でもある。本技術
の大きな他の特徴は、ほぼすべての蛋白質薬剤に応用で
きうるとともに、操作中のもっとも過酷な条件であるp
Hの3への変化では、多くの蛋白質の活性はほとんど影
響を受けないことである。このように本製剤はこれまで
の注射用徐放製剤と比べ、徐放効果以外にもはるかに多
くの利点をもっている。
【0030】本製剤の徐放効果はin vitroとin vivoで
検討される。in vitroの検討では、蛋白(ヒトγグロブ
リン、ヒト血清アルブミン、またこれに活性蛋白を含む
もののいずれか)と酸性ムコ多糖体(コンドロイチン硫
酸ナトリウムかヒアルロン酸ナトリウム)を4:1、
3:1、2:1、1:1、1:2の比率で混和し(酸性
ムコ多糖体の濃度は1%に固定)、pH3で不溶性結合
体を作り、遠沈し、pH7.2のリン酸緩衝液(または
これに1/10希釈の各種血清を付加する)に再懸濁す
る。再び遠沈し、上清の蛋白濃度を測定した後、撹拌
し、37℃で放置する。この操作を1週間続け、不溶性
結合体より1日間に溶出した蛋白濃度を1週間にわたり
測定する(コンドロイチン硫酸ナトリウムとヒトγグロ
ブリンの例を図1に示した)。混合比は1:2か1:3
がよく1週間にわたり徐放することが認められる。活性
蛋白を少量封入した場合は、ELISAなどでその濃度
を測定する。
【0031】in vivoの試験であるが、マウスを用い本
徐放製剤の皮下投与で検討できる。上記の方法で作製し
た蛋白質と酸性ムコ多糖体の結合体、又は少量の蛋白あ
るいは低分子薬剤を含んだ不溶性結合体の懸濁液をマウ
スの皮下に注射し、注射後定期的に採血し、薬物の血中
濃度を測定する。実施例7(図8参照)に示したように
数日間にわたって徐放効果が認められる。
【0032】本発明を局所投与剤として用いる場合、こ
れまでに述べた方法により得られた薬効成分を含む不溶
性結合体の懸濁液の他に、遠沈により得られた同様に薬
効成分を含むペレット状のものを用いる。前者の懸濁液
の場合は注射で局所病変部に注入し、後者の場合は局所
病変部に挿入することにより行われる。また手術時に局
所投与する場合は前者の懸濁液と共に後者のペレット状
のものが有用である。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例について記述する。
【0034】(実施例1)100mg/mlコンドロイチン
硫酸Aナトリウム(SIGMA社、分子量4〜50×1
6)30μlと30mg/mlヒトγグロブリン(SIGM
A社)200μl及びpH7.2のリン酸緩衝液370
μlを試験管中で混合し、コンドロイチン硫酸Aナトリ
ウムとヒトγグロブリンの重量比を1:2、合計量を6
00μlとした。この混合液に0.2規定の塩酸を静か
に50μl加えてpH3とし、ボルテックスミキサーを
用いてよく撹拌の上、3000rpm×5分遠心を行っ
た。上清をすべて回収し、その一部を蛋白濃度測定用と
した。沈査にpH7.2のリン酸緩衝液を1ml加えボル
テックスミキサーを用いてよく撹拌し、3000rpm×
5分遠心を行い、上清1mlのうち25μlをエッペンド
ルフチューブに採取し蛋白濃度測定用とした。さらにボ
ルテックスミキサーで十分に撹拌し37℃にてインキュ
ベートし、24時間ごとに3000rpm×5分の遠心後
上清より25μlを採取することを7日間行った。蛋白
濃度はLowry Methodの原理に基づくBioRad社の測定キッ
トを使用し、ヒトγグロブリン(SIGMA社)を標準
品として検量線を求め算出した。ヒトγグロブリンは2
日目まで1日約30%、その後7日目まで1日5%の割
合で徐放した(図2)。
【0035】(実施例2)20mg/mlヒアルロン酸ナト
リウム(生化学工業(株)より譲与、分子量23×10
4)150μlと30mg/mlヒトγグロブリン(SIGM
A社)200μl及びpH7.2のリン酸緩衝液250
μlを試験管中で混合し、ヒアルロン酸ナトリウムとヒ
トγグロブリンの重量比を1:2、合計量を600μl
とした。この混合液に0.2規定の塩酸を静かに50μ
l加えてpH3とし、ボルテックスミキサーを用いてよ
く撹拌の上、10,000rpm×5分遠心を行った。上
清をすべて回収し、その一部を蛋白濃度測定用とした。
沈査にpH7.2のリン酸緩衝液を1ml加えボルテック
スミキサーを用いてよく撹拌し、10,000rpm×5
分遠心を行い、上清1mlのうち25μlをエッペンドル
フチューブに採取し蛋白濃度測定用とした。さらにボル
テックスミキサーで十分に撹拌し37℃にてインキュベ
ートし、24時間ごとに10,000rpm×5分の遠心
後上清より25μlを採取することを12日間行った。
蛋白濃度はLowry Methodの原理に基づくBioRad社の測定
キットを使用し、ヒトγグロブリン(SIGMA社)を
標準品として検量線を求め算出した。ヒトγグロブリン
は1日4%程度の割合で徐放を続けた(図3)。
【0036】(実施例3)100mg/mlコンドロイチン
硫酸ナトリウム(SIGMA社、分子量4〜50×10
6)30μlと30mg/mlヒト血清アルブミン(SIGM
A社)200μl及びpH7.2のリン酸緩衝液370
μlを試験管中で混合し、コンドロイチン硫酸ナトリウ
ムとアルブミンの重量比を1:2、合計量を600μl
とした。この混合液に0.2規定の塩酸を静かに50μ
l加えてpH3とし、ボルテックスミキサーを用いてよ
く撹拌の上、3000rpm×5分遠心を行った。上清を
すべて回収し、その一部を蛋白濃度測定用とした。沈査
にpH7.2のリン酸緩衝液を1ml加えボルテックスミ
キサーを用いてよく撹拌し、3000rpm×5分遠心を
行い、上清1mlのうち25μlをエッペンドルフチュー
ブに採取し蛋白濃度測定用とした。さらにボルテックス
ミキサーで十分に撹拌し37℃にてインキュベートし、
24時間ごとに3000rpm×5分の遠心後上清より2
5μlを採取することを7日間繰り返した。蛋白濃度はL
owry Methodの原理に基づくBioRad社の測定キットを使
用し、ヒト血清アルブミン(SIGMA社)を標準品と
して検量線を求め算出した。アルブミンは1日5%程度
の割合で徐放した(図4)。
【0037】(実施例4)20mg/mlヒアルロン酸ナト
リウム(生化学工業(株)より譲与、分子量23×10
4)150μlと30mg/mlヒト血清アルブミン(SIG
MA社)200μl及びpH7.2のリン酸緩衝液25
0μlを試験管中で混合し、ヒアルロン酸ナトリウムと
アルブミンの重量比を1:2、合計量を600μlとし
た。この混合液に0.2規定の塩酸を静かに50μl加
えてpH3とし、ボルテックスミキサーを用いてよく撹
拌の上、10,000rpm×5分遠心を行った。上清を
すべて回収し、その一部を蛋白濃度測定用とした。沈査
にpH7.2のリン酸緩衝液を1ml加えボルテックスミ
キサーを用いてよく撹拌し、10,000rpm×5分遠
心を行い、上清1mlのうち25μlをエッペンドルフチ
ューブに採取し蛋白濃度測定用とした。さらにボルテッ
クスミキサーで十分に撹拌し37℃にてインキュベート
し、24時間ごとに10,000rpm×5分の遠心後上
清より25μlを採取することを数日繰り返した。蛋白
濃度はLowry Methodの原理に基づくBioRad社の測定キッ
トを使用し、ヒト血清アルブミン(SIGMA社)を標
準品として検量線を求め算出した(図5)。
【0038】(実施例5)レシチン化したSOD(PC
−SOD)、PC−SOD+コンドロイチン硫酸ナトリ
ウム+ヒトγグロブリンを酸性溶液中で不溶性結合体を
作り、SODとして等量マウス皮下に注射し、血中SO
Dの量をアイソトープ法を用いて測定した。SODはい
ずれもトリチウムラベルしてある。本発明の徐放製剤を
用いると初期血中高濃度が抑えられ血中濃度が長時間維
持されることが分かる(図6)。
【0039】(実施例6)5mg/mlインドメタシン(和
光純薬工業(株))エタノール溶液60μlと100μC
i/ml[14C]インドメタシン(第一化学薬品(株))エ
タノール溶液5μlを試験管中で混合し、30mg/mlヒト
血清アルブミン(SIGMA社)100μl及び30mg/
mlヒトγグロブリン(SIGMA社)200μlを加え
て混合し、さらに100mg/mlコンドロイチン硫酸ナト
リウム30μlとpH7.2のリン酸緩衝液805μlを
加えて混合し、コンドロイチン硫酸ナトリウムと総蛋白
の重量比を約1:3、合計量を1200μlとした。こ
の混合液に0.2規定の塩酸を静かに100μl加えて
pH3とし、ボルテックスミキサーを用いてよく撹拌の
上、3000rpm×5分遠心を行い、上清をすべて回収
した。沈査にpH約7のリン酸緩衝液を1ml加えボルテ
ックスミキサーを用いてよく撹拌し、3000rpm×5
分遠心を行い、上清を別のチューブに回収した。さらに
リン酸緩衝液を1ml加えてボルテックスミキサーで十分
に撹拌し37℃にてインキュベートし、24時間ごとに
3000rpm×5分の遠心後上清を全量回収することを
7日間繰り返した。回収した上清1mlのうち100μl
をシンチレーションバイアルに採取し、シンチレーショ
ンカクテル(Packard社)5mlを加え、シンチレーショ
ンカウンターにて上清に放出したインドメタシンの濃度
14Cの放射活性として測定し、1サンプル分の
14C]インドメタシン全量の放射活性に対する放出割
合として算出した(図7)。
【0040】(実施例7)20mg/mlヒトγグロブ
リン(SIGMA社)150μlと10μCi[125I]ヒ
トIgG(γグロブリンの主成分、ICN Biochemica
ls社)を混合し、さらに10mg/mlコンドロイチン
硫酸ナトリウム100μlとpH7.2のリン緩衝液1
00μlを加えて混合し、コンドロイチン硫酸ナトリウ
ムと総タンパクの重量比を約1:3とする。この混合液
に0.2規定の塩酸を静かに100μlを加えてpH3
とし、ボルテックスミキサーを用いてよく攪拌する。こ
れを1500rpm×10分、4℃で遠沈し、上清をす
べて回収し、その一部をグロブリン濃度測定用とする。
沈査にpH7.2のリン酸緩衝液を450μlを加え、
攪拌し、これを3週齢のマウス(C3H)の皮下に投与
し、投与後4時間、1日〜5日目に眼底より50μlず
つ採決を行い、マウス血液中のヒトγグロブリンの濃度
を125Iの放射活性として測定する(図8のCho−
S)。なお、コントロール(図8のControl)と
しては、計算上上記と同量になるように125Iラベル
ヒトIgGとヒトγグロブリンのみを投与した。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンドロイチン硫酸ナトリウムとヒトγグロブ
リンの混和比率を変化させたときのヒトγグロブリンの
徐放について示す図である。
【図2】コンドロイチン硫酸ナトリウムとヒトγグロブ
リンを1:2の比率で不溶性結合体を作った場合の放出
を示す図である。
【図3】ヒアルロン酸ナトリウム(MW23万)とヒト
γグロブリンを1:2の比率で不溶性結合体を作った場
合の放出を示す図である。
【図4】コンドロイチン硫酸ナトリウムとヒト血清アル
ブミンを1:2の比率で不溶性結合体を作った場合の放
出を示す図である。
【図5】ヒアルロン酸ナトリウムとヒト血清アルブミン
を1:2の比率で混和したときのアルブミンの放出を示
す図である。
【図6】PC−SODを投与したときのマウス体内での
放出を示す図である。
【図7】インドメタシンの徐放を示す図である。
【図8】コンドロイチン硫酸ナトリウムとヒトγグロブ
リン不溶性結合体(Cho−S)とγグロブリンのみ
(Control)をマウスに注射した時の血中γグロ
ブリン濃度を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/12 A61K 47/42 47/36 47/46 47/42 47/48 47/46 37/02 47/48 37/04 (72)発明者 高木 幸江 神奈川県川崎市多摩区長沢4−3−2 Fターム(参考) 4C076 AA22 AA94 CC29 CC41 EE37 EE41 EE56 EE59 FF31 GG08 4C084 AA01 AA03 BA41 BA42 CA18 CA62 DA37 DA38 DA39 DC10 MA05 MA23 NA12 ZC802

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬効をもつ蛋白質溶液と酸性ムコ多糖体
    溶液を混和することにより生成される不溶性結合体から
    なる徐放製剤。
  2. 【請求項2】 薬効をもつ蛋白質溶液と酸性ムコ多糖体
    溶液を混和し、室温または1℃〜5℃で溶液を酸性にす
    ることにより生成される不溶性結合体からなる徐放製
    剤。
  3. 【請求項3】 薬効をもつ蛋白質の少量を、薬効をもた
    ないヒト血清蛋白質溶液に溶解し、次に酸性ムコ多糖体
    溶液を混和し、溶液を酸性とすることにより生成される
    不溶性結合体からなる徐放製剤。
  4. 【請求項4】 薬効をもつ蛋白質の少量を、薬効をもた
    ないヒト血清蛋白質溶液に溶解する時、結合性が弱い場
    合は、イオン強度及び/又は温度を下げたり、及び/又
    は結合強化剤を加え、次に酸性ムコ多糖体溶液を混和
    し、溶液を酸性とすることに生成される不溶性結合体か
    らなる徐放製剤。
  5. 【請求項5】 薬効をもつ少量の蛋白あるいは蛋白結合
    性のある低分子薬剤を血漿蛋白質と結合するために両溶
    液を混合する時、結合性が弱い場合は、イオン強度及び
    /又は温度を下げたり、及び/又は結合強化剤を加え、
    次に酸性ムコ多糖体溶液を混和し、溶液を酸性とするこ
    とにより生成される不溶性結合体からなる徐放製剤。
  6. 【請求項6】 薬効をもつ蛋白質又は蛋白結合性のある
    低分子薬剤をヒト血清蛋白質溶液に溶解し結合をはかる
    場合、結合性の弱い時は、共有結合させることにより生
    成される不溶性結合体からなる徐放製剤。
  7. 【請求項7】 コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液と、
    ヒトγグロブリン溶液又は低分子薬剤を含むグロブリン
    溶液を混和し、酸性にすることにより生成される不溶性
    結合体を懸濁し、その懸濁液からなる徐放製剤。
  8. 【請求項8】 コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液の最
    終濃度が0.1%〜2%であり、ヒトγグロブリン溶液
    の最終濃度が0.1%〜2%であることを特徴とする請
    求項7記載の徐放製剤。
  9. 【請求項9】 コンドロイチン硫酸ナトリウムに代えて
    ヒアルロン酸ナトリウム又は人体に存在するすべての酸
    性ムコ多糖体を使用することを特徴とする請求項7記載
    の徐放製剤。
  10. 【請求項10】 ヒトγグロブリンに代えてヒト血清ア
    ルブミン、ヒトフィブリノーゲン、ヒトヒストン、ヒト
    プロタミン、ゼラチン、コラーゲンを使用することを特
    徴とする請求項7記載の徐放製剤。
  11. 【請求項11】 ワクチンの作用をもつ高分子物質を薬
    効をもたないヒト血清蛋白質溶液に溶解し、次に酸性ム
    コ多糖体を混和し、溶液を酸性とすることにより生成さ
    れる不溶性結合体からなるワクチン。
  12. 【請求項12】 ワクチンの作用をもつ高分子物質を酸
    性ムコ多糖体溶液に混和し、溶液を酸性とすることによ
    り生成される不溶性結合体からなるワクチン。
  13. 【請求項13】 コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液
    と、ヒトγグロブリン溶液又は低分子薬剤を含むグロブ
    リン溶液を混和し、酸性にすることにより不溶性結合体
    を生成し、遠沈し、上清を除去し、pH6〜pH8の緩
    衝液に当該不溶性結合体を小さな粒子となるよう再懸濁
    させ、凍結乾燥することにより製造される徐放製剤の製
    造法。
  14. 【請求項14】 コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液
    と、ヒトγグロブリン溶液又は低分子薬剤を含むグロブ
    リン溶液を混和し、酸性にすることにより不溶性結合体
    を生成し、遠沈し、上清を除去し、pH6〜pH8の緩
    衝液に当該不溶性結合体を小さな粒子となるよう再懸濁
    させ、再度遠沈することにより製造される徐放製剤の製
    造法。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14記載の不溶性結合
    体を弱酸性緩衝液に小さな粒子となるよう再懸濁させる
    ことにより製造される徐放製剤の製造法。
  16. 【請求項16】 コンドロイチン硫酸ナトリウム溶液の
    最終濃度が0.1%〜2%であり、ヒトγグロブリン溶
    液の最終濃度が0.1%〜2%であることを特徴とする
    請求項13又は14記載の徐放製剤の製造法。
  17. 【請求項17】 コンドロイチン硫酸ナトリウムに代え
    てヒアルロン酸ナトリウム又は人体に存在するすべての
    酸性ムコ多糖体を使用することを特徴とする請求項13
    又は14記載の徐放製剤の製造法。
  18. 【請求項18】 ヒトγグロブリンに代えてヒト血清ア
    ルブミン、ヒトフィブリノーゲン、ヒトヒストン、ヒト
    プロタミン、ゼラチン、コラーゲンを使用することを特
    徴とする請求項13又は14記載の徐放製剤の製造法。
  19. 【請求項19】 請求項13記載の製造法により製造さ
    れる徐放製剤。
  20. 【請求項20】 請求項14記載の製造法により製造さ
    れる徐放製剤。
  21. 【請求項21】 請求項15記載の製造法により製造さ
    れる徐放製剤。
  22. 【請求項22】 請求項16記載の製造法により製造さ
    れる徐放製剤。
  23. 【請求項23】 請求項17記載の製造法により製造さ
    れる徐放製剤。
  24. 【請求項24】 請求項18記載の製造法により製造さ
    れる徐放製剤。
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