JP2002001044A - 大気の浄化方法 - Google Patents

大気の浄化方法

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JP2002001044A
JP2002001044A JP2000193963A JP2000193963A JP2002001044A JP 2002001044 A JP2002001044 A JP 2002001044A JP 2000193963 A JP2000193963 A JP 2000193963A JP 2000193963 A JP2000193963 A JP 2000193963A JP 2002001044 A JP2002001044 A JP 2002001044A
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JP
Japan
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organic halogen
halogen compound
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tetra
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JP2000193963A
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English (en)
Inventor
Koichi Tanaka
耕一 田中
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Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】操作性が容易で、小スケールから大スケールに
いたるまで使用可能であり、しかも低コストで大気中に
含まれている有機ハロゲン化合物を回収しうる方法を提
供すること。 【解決手段】有機ハロゲン化合物を含む大気と固体のホ
スト化合物とを閉鎖系空間内で気体−固体接触させ、生
成した有機ハロゲン化合物とホスト化合物とからなるホ
ストゲスト化合物を回収することを特徴とする大気の浄
化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気の浄化方法に
関する。さらに詳しくは、環境に対して有害な有機ハロ
ゲン化合物を含む大気から該有機ハロゲン化合物を除去
しうる大気の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】揮発性有機ハロゲン化合物は、化学工業
の分野において、原料化合物あるいは化学反応の際の副
生物として扱われている。この揮発性有機ハロゲン化合
物は、大気中に放出されると環境汚染をもたらされる原
因となることがあるため、水中や大気中などに含まれて
いるハロゲン化物を除去することが必要である。とりわ
け、大気中に含まれている揮発性有機ハロゲン化合物
は、成層圏のオゾン層を破壊するおそれがある化合物で
あると考えられている。
【0003】しかしながら、気体の有機ハロゲン化合物
は、大気中における拡散速度が大きく、また不定形の気
体であるため、その回収が非常に困難である。
【0004】そこで、従来、気体の有機ハロゲン化合物
を回収する方法として、活性炭吸着法、触媒熱分解法お
よび生物処理法が提案されている(特開平6−1061
72号公報、特開平10−52625号公報など)。
【0005】しかしながら、活性炭吸着法では、有機ハ
ロゲン化合物を吸着させた活性炭から該有機ハロゲン化
合物が揮散したり、活性炭の再生時に大気中に放出され
るおそれがある。また、触媒熱分解法および生物処理法
には、大がかりな装置が必要であるため、コスト面で欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、その操作性が容易で、
小スケールから大スケールにいたるまで使用可能であ
り、しかも低コストで大気中に含まれている有機ハロゲ
ン化合物を回収しうる方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、有
機ハロゲン化合物を含む大気と固体のホスト化合物とを
閉鎖系空間内で気体−固体接触させ、生成した有機ハロ
ゲン化合物とホスト化合物とからなるホストゲスト化合
物を回収することを特徴とする大気の浄化方法に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における有機ハロゲン化合
物を含む大気としては、例えば、化学反応によって生成
した有機ハロゲン化合物を含む大気、有機ハロゲン化合
物を取り扱った際に該有機ハロゲン化合物が放出された
大気などが挙げられるが、本発明は、大気中に有機ハロ
ゲン化合物が含まれていればよく、特に限定がない。
【0009】有機ハロゲン化合物としては、例えば、常
温で気体として存在する低沸点化合物および揮発性化合
物が挙げられる。かかる有機ハロゲン化合物の具体例と
しては、例えば、ヨウ化メチル、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ブロモエタン、1,1−ジクロ
ロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,2,2−テトラクロロエタン、トランス−1,2−
ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが挙げ
られ、これらは大気中に単独で含まれていてもよく、そ
の2種以上が含まれていてもよい。
【0010】有機ハロゲン化合物を含む大気における有
機ハロゲン化合物の濃度は、特に限定がなく、高濃度で
あってもよく、あるいは低濃度であってもよい。
【0011】本発明に用いられる固体のホスト化合物
は、有機ハロゲン化合物と気体−固体接触したときに、
該有機ハロゲン化合物を選択的に包接する化合物であ
る。
【0012】このように、固体のホスト化合物と、有機
ハロゲン化合物とを気体−固体接触させるだけで、大気
中に存在している有機ハロゲン化合物をホスト化合物に
包接させることができるので、該有機ハロゲン化合物を
大気中に放出することなく、簡便かつ安全に、小スケー
ルから大スケールにいたるまで、大気中に存在している
有機ハロゲン化合物を回収することができる。
【0013】固体のホスト化合物の代表例としては、例
えば、式(I):
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、
それぞれ独立して、水素原子、水酸基、メトキシ基、ア
ミノ基またはハロゲン原子を示す)で表されるテトラフ
ェニルエチレン化合物が挙げられる。テトラフェニルエ
チレン化合物のなかでは、テトラ(4−クロロフェニ
ル)エチレン、テトラ(4−ブロモフェニル)エチレ
ン、テトラ(4−ヨードフェニル)エチレンおよびテト
ラ(4−ヒドロキシフェニル)エチレンは、好適に使用
しうるものである。それらのなかでも、テトラ(4−ヨ
ードフェニル)エチレンは、有機ハロゲン化合物を包接
しやすいので、本発明において好適に使用しうるもので
ある。
【0016】ホスト化合物の使用量は、回収の対象とな
っている有機ハロゲン化合物の種類などによって異なる
ので、一概には決定することができない。ホスト化合物
の使用量は、通常、大気中に含まれている有機ハロゲン
化合物1モルあたり、0.5〜5モル、好ましくは0.
5〜2モル程度であることが望ましい。
【0017】有機ハロゲン化合物を含む大気と固体のホ
スト化合物との気体−固体接触は、閉鎖系空間で行なわ
れる。このように、閉鎖系空間で行なうことにより、大
気中に含まれている有機ハロゲン化合物が大気中に逃散
するのを回避することができる。閉鎖系空間としては、
例えば、外部大気を遮断しうるルーム、密閉容器などが
挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるも
のではない。
【0018】より具体的には、例えば、閉鎖系空間内に
所望量の固体のホスト化合物をあらかじめ入れておき、
その後、該閉鎖系空間内に有機ハロゲン化合物を含む大
気を導入する方法により、有機ハロゲン化合物を含む大
気と固体のホスト化合物との気体−固体接触を行なうこ
とができる。
【0019】有機ハロゲン化合物を含む大気と固体のホ
スト化合物との気体−固体接触を行なう際の有機ハロゲ
ン化合物を含む大気の温度および圧力には、特に限定が
ない。例えば、その温度は、常温であってもよく、ある
いは加温または冷却下であってもよいが、エネルギー効
率の観点から、常温で行なうことが好ましい。また、そ
の圧力は、常圧であってもよく、あるいは加圧または減
圧であってもよいが、前記と同様に、エネルギー効率の
観点から、常圧で行なうことが好ましい。
【0020】かくして、有機ハロゲン化合物を含む大気
と固体のホスト化合物との気体−固体接触を行なうこと
により、有機ハロゲン化合物とホスト化合物とからなる
ホストゲスト化合物が生成する。このホストゲスト化合
物は、有機ハロゲン化合物とホスト化合物との常温で固
体の錯体である。その一例として、例えば、ホスト化合
物として式(I)で表されるテトラフェニルエチレン化
合物を用い、またゲスト化合物としてヨウ化メチルを用
いた場合には、式(II):
【0021】
【化3】
【0022】(式中、R1 〜R4 は前記と同じ)で表さ
れるホストゲスト化合物が得られる。
【0023】生成したホストゲスト化合物は、常温、常
圧下において、化学的に安定に有機ハロゲン化合物を包
接しているため、該ホストゲスト化合物から有機ハロゲ
ン化合物が大気中に放出されることがほとんどない。
【0024】このように、本発明の方法によれば、大気
中に含まれている有機ハロゲン化合物を固体のホスト化
合物を用いるだけで、容易にこのホスト化合物に包接す
ることにより、回収することができる。
【0025】また、ホストゲスト化合物には、有機ハロ
ゲン化合物が選択的に包接されているため、該ホストゲ
スト化合物から有機ハロゲン化合物を分離すれば、該有
機ハロゲン化合物を高純度で回収することができる。
【0026】ホストゲスト化合物から有機ハロゲン化合
物を高純度で回収する方法としては、例えば、ホストゲ
スト化合物から有機ハロゲン化合物が容易に気化しうる
ようにするために、常圧あるいは減圧下で、ホスト化合
物が熱分解しないが、有機ハロゲン化合物が気化しうる
温度、通常、100〜250℃、好ましくは150〜2
00℃程度の温度にホストゲスト化合物を加熱し、気化
した有機ハロゲン化合物を回収する方法などが挙げられ
る。この回収した有機ハロゲン化合物は、純度が高いの
で、各種化合物の出発物質として好適に使用しうるもの
である。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0028】製造例1〔テトラフェニルエチレンの製
造〕 ベンゾフェノン129.64g(0.71mol)およ
び五塩化リン147.9g(0.71mol)を攪拌し
ながら80℃に加熱した。しばらくすると、その混合物
が溶融し、黄色の液体になった。その後、副生成物であ
るPOCl3 を取り除くために蒸留すると、黄色の液状
のジクロロジフェニルメタン163.3gが得られた
(収率97%)。
【0029】次に、ジクロロジフェニルメタン163.
3g(0.69mol)に、銅粉末107.33g
(1.68mol)を加え、溶媒であるトルエンととも
に、穏やかに3時間還流させた。熱いうちに濾過し、濾
液に無水エタノール100gを加え、しばらく放置する
と、結晶が析出した。その結晶を吸引濾過し、風乾する
と、テトラフェニルエチレン59.34gが得られた
(収率52%)。
【0030】融点:223−224℃1 H−NMR(CDCl3 ):δ7.01−7.12p
pm(m,5HX4 ,芳香族)
【0031】製造例2〔テトラ(4−フルオロフェニ
ル)エチレンの製造〕 4,4’−ジフルオロベンゾフェノン26.6g(0.
12mol)および五塩化リン25.4g(0.12m
ol)を攪拌しながら80℃に加熱した。しばらくする
と、その混合物が溶融し、黄色の液体になった。その
後、副生成物であるPOCl3 を取り除くために蒸留す
ると、黄色の液状のジクロロ−ビス−(4−フルオロフ
ェニル)メタン32.7gが得られた(収率98%)。
【0032】次に、ジクロロ−ビス−(4−フルオロフ
ェニル)メタン32.7g(0.29mol)に、銅粉
末18.7g(0.29mol)を加え、溶媒であるト
ルエンとともに、穏やかに3時間還流させた。その後、
吸引濾過により、副生成物の塩化銅(I)を分離した。
濾液の溶媒を留去し、得られた結晶をテトラヒドロフラ
ンで再結晶すると、針状のテトラ(4−フルオロフェニ
ル)エチレンとテトヒドロフランとの包接結晶が析出し
た。これを濾過し、少量のヘキサンで洗浄した後、ガラ
スチューブオーブンで100℃/1.33kPaでテト
ラヒドロフランを留去すると、テトラ(4−フルオロフ
ェニル)エチレン43.1gが得られた(収率87
%)。
【0033】融点:206−209℃ λ〔CDCl3 (ε)〕:244nm(26000)、
303nm(15000)1 H−NMR(CDCl3 ):δ6.78−6.86p
pm(m,8H,芳香族) δ6.92−6.99ppm(m,8H,芳香族)
【0034】元素分析(C26164 ) 計算値:C77.46、H4.18 実測値:C77.22、H3.99
【0035】製造例3〔テトラ(4−クロロフェニル)
エチレンの製造〕 4,4’−ジクロロベンゾフェノン40.51(0.1
6mol)および五塩化リン33.6g(0.16mo
l)を攪拌しながら80℃に加熱した。しばらくする
と、その混合物が溶融し、黄色の液体になった。その
後、副生成物であるPOCl3 を取り除くために蒸留す
ると、黄色の液状のジクロロ−ビス−(4−クロロフェ
ニル)メタン48.4gが得られた(収率98%)。
【0036】次に、ジクロロ−ビス−(4−クロロフェ
ニル)メタン48.4g(0.16mol)に、銅粉末
24.7g(0.39mol)を加え、溶媒であるトル
エンとともに、穏やかに3時間還流させた。その後、吸
引濾過により、副生成物の塩化銅(I)を分離した。濾
液の溶媒を留去し、得られた結晶をテトラヒドロフラン
で再結晶すると、針状のテトラ(4−フルオロフェニ
ル)エチレンとテトヒドロフランとの包接結晶が析出し
た。これを濾過し、少量のヘキサンで洗浄した後、ガラ
スチューブオーブンで100℃/1.33kPaでテト
ラヒドロフランを留去すると、テトラ(4−フルオロフ
ェニル)エチレン26.4gが得られた(収率71
%)。
【0037】融点:217−219℃ λ〔CDCl3 (ε)〕:291nm(18000)、
317nm(17000)、352nm(34000)1 H−NMR(CDCl3 ):δ6.88−6.93p
pm(m,8H,芳香族) δ7.08−7.13ppm(m,8H,芳香族)
【0038】元素分析(C2616Cl4 ) 計算値:C66.41、H3.43 実測値:C66.49、H3.47
【0039】製造例4〔テトラ(4−ブロモフェニル)
エチレンの製造〕 テトラフェニルエチレン59.34g(0.179mo
l)を乳鉢でよくすりつぶし、臭素を大過剰量で加え
た。これをよくかき混ぜた後、一夜放置した。テトラヒ
ドロフランで再結晶すると、針状のテトラ(4−ブロモ
フェニル)エチレンとテトラヒドロフランとの包接結晶
が析出した。これを濾過し、少量のヘキサンで洗浄した
後、ガラスチューブオーブンで100℃/1.33kP
aでテトラヒドロフランを留去すると、テトラ(4−ブ
ロモフェニル)エチレン89gが得られた(収率77
%)。
【0040】融点:259−260℃ λ〔CDCl3 (ε)〕:257nm(40000)、
288nm(21000)、324nm(18000)1 H−NMR(CDCl3 ):δ6.82−6.86p
pm(m,8H,芳香族) δ7.24−7.29ppm(m,8H,芳香族) 元素分析(C2616Br4 ) 計算値:C48.19、H2.49 実測値:C48.00、H2.49
【0041】製造例5〔テトラ(4−ヨードフェニル)
エチレンの製造〕 テトラフェニルエチレン3.89g(11.7mo
l)、ヨウ素10.36g(81.6mmol)および
ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン10.
00g(23.3mmol)をクロロホルム50mLに
溶かし、室温で一夜攪拌した。この溶液を吸引濾過し、
濾液を分液漏斗に入れ、チオ硫酸ナトリウム水溶液で色
が消えるまで中和した。
【0042】次に、水、飽和食塩水で2回ずつ洗浄し
た。残留物をトルエンに溶解させ、前記と同様に、チオ
硫酸ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄し
た。
【0043】油層を一緒にし、無水硫酸マグネシウムで
乾燥させた。溶液を自然濾過し、濃縮した。テトラヒド
ロフランで再結晶すると、白っぽいテトラ(4−ヨード
フェニル)エチレンとテトラヒドロフランとの包接結晶
が得られた。この包接結晶をガラスチューブオーブンで
100℃/1.33kPaでテトラヒドロフランを留去
すると、テトラ(4−ヨードフェニル)エチレン7.5
9gが得られた(収率78%)。
【0044】融点:284−287℃ λ〔CDCl3 (ε)〕:270nm(16000
0)、320nm(24000)1 H−NMR(CDCl3 ):δ6.69−6.72p
pm(m,8H,芳香族) δ7.44−7.47ppm(m,8H,芳香族) 元素分析(C26164 ) 計算値:C37.35、H1.93 実測値:C37.76、H2.08
【0045】製造例6〔テトラ(4−メトキシフェニ
ル)エチレンの製造〕 4,4’−ジメトキシベンゾフェノン50.2g(0.
21mol)および五塩化リン43.1g(0.21m
ol)を攪拌しながら80℃に加熱した。しばらくする
と、その混合物が溶融し、赤色の液体になった。その
後、副生成物であるPOCl3 を取り除くために蒸留す
ると、赤色の液状のジクロロ−ビス−(4−メトキシフ
ェニル)メタン58.5gが得られた(収率95%)。
【0046】次に、ジクロロ−ビス−(4−メトキシフ
ェニル)メタン58.5g(0.20mol)に、銅粉
末33g(0.51mol)を加え、溶媒であるトルエ
ンとともに、穏やかに3時間還流させた。この液体を吸
引濾過し、得られた結晶をジオキサンで再結晶すると、
針状のテトラ(4−メトキシフェニル)エチレンとジオ
キサンの包接結晶が得られた。この包接結晶を濾過し、
少量のヘキサンで洗浄した後、ガラスチューブオーブン
で100℃/1.33kPaでジオキサンを留去する
と、テトラ(4−メトキシフェニル)エチレン38.7
gが得られた(収率87%)。
【0047】融点:183−185℃ λ〔CDCl3 (ε)〕:261nm(38000)、
323nm(16000)1 H−NMR(CDCl3 ):δ6.64ppm(m,
8H,芳香族) δ7.39ppm(m,2H,芳香族) δ3.75ppm(s,12H,OCH3 ) 元素分析(C30284 ) 計算値:C79.62、H6.24 実測値:C79.38、H6.29
【0048】製造例7〔テトラ(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチレンの製造〕 テトラ(4−メトキシフェニル)エチレン2.03g
(0.00448mol)と47%臭化水素酸25g
(0.145mol)を酢酸50mL中で12時間加熱
還流した。放冷した溶液を水500mLに注ぎ、酢酸エ
チル50mLで抽出した。水、飽和重曹水及び食塩水で
洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
留去すると、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エチレ
ン1.68gが得られた(収率95%)。
【0049】融点:300℃以上1 H−NMR(CDCl3 ):δ6.54ppm(m,
8H,芳香族) δ7.18ppm(m,8H,芳香族) δ8.54ppm(s,4H,OH) 元素分析(C26204) 計算値:C78.77、H5.09 実測値:C78.51、H5.11
【0050】実施例1 テトラ(4−クロロフェニル)エチレン1.00g
(2.13mmol)を有機ハロゲン化合物としてヨウ
化メチルの蒸気を満たした容量500mLの密閉容器中
に室温で24時間放置したところ、テトラ(4−クロロ
フェニル)エチレン1molとヨウ化メチル2molと
からなる包接化合物1.60gが得られた(収率98.
5%)。
【0051】実施例2 テトラ(4−ブロモフェニル)エチレン1.00g
(1.54mmol)を有機ハロゲン化合物としてヨウ
化メチルの蒸気を満たした容量500mLのデシケータ
ー中に室温で10時間放置したところ、テトラ(4−ブ
ロモフェニル)エチレン1molとヨウ化メチル2mo
lとからなる包接化合物1.41gが得られた(収率9
2.4%)。
【0052】実施例3 テトラ(4−ヨードフェニル)エチレン1.00g
(1.20mmol)を有機ハロゲン化合物としてヨウ
化メチルの蒸気を満たした容量500mLの密閉容器中
に室温で5時間放置したところ、テトラ(4−ヨードフ
ェニル)エチレン1molとヨウ化メチル2molとか
らなる包接化合物1.34gが得られた(収率99.6
%)。
【0053】実施例4 固体のホスト化合物として、テトラ(4−フルオロフェ
ニル)エチレン、テトラ(4−クロロフェニル)エチレ
ン、テトラ(4−ブロモフェニル)エチレンまたはテト
ラ(4−ヨードフェニル)エチレン1.00gを用い、
有機ハロゲン化合物として、表1に示す化合物の蒸気を
満たした容量500mLの密閉容器中に室温で24時間
放置した。
【0054】次に、得られた有機ハロゲン化合物とホス
ト化合物とからなるホストゲスト化合物における有機ハ
ロゲン化合物:ホスト化合物(モル比)を熱重量分析に
より調べた。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明の方法によれば、簡単な操作で、
低コストで大気中に含まれている有機ハロゲン化合物を
ホストゲスト化合物として回収することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物を含む大気と固体の
    ホスト化合物とを閉鎖系空間内で気体−固体接触させ、
    生成した有機ハロゲン化合物とホスト化合物とからなる
    ホストゲスト化合物を回収することを特徴とする大気の
    浄化方法。
  2. 【請求項2】 有機ハロゲン化合物が、常温で気体とし
    て存在する低沸点化合物または揮発性化合物である請求
    項1記載の大気の浄化方法。
  3. 【請求項3】 有機ハロゲン化合物が、ヨウ化メチル、
    ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモエ
    タン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタ
    ン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリ
    クロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、
    トランス−1,2−ジクロロエチレン、シス−1,2−
    ジクロロエチレン、トリクロロエチレンまたはテトラク
    ロロエチレンである請求項1または2記載の大気の浄化
    方法。
  4. 【請求項4】 ホスト化合物が式(I): 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立
    して、水素原子、水酸基、メトキシ基、アミノ基または
    ハロゲン原子を示す)で表されるテトラフェニルエチレ
    ン化合物である請求項1〜3いずれか記載の大気の浄化
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108727156A (zh) * 2018-08-10 2018-11-02 济南大学 氟代四苯基乙烯衍生物及其制备方法和用途

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