【発明の詳細な説明】
光−安定化有機ポリマー
本発明は、光−安定化有機ポリマーに関する。
特に、本発明は、有効量のエナミン基に属する一又は複数の化合物を該ポリマ
ーに添加することによって光−安定化した有機ポリマーに関し、該エナミン基は
、第一又は第二脂肪族又は芳香族アミンを有するβ−ケト−エステル、β−ケト
−アミド又は1,3−ジケトンの誘導体より成り、分子中に少なくとも一の立体障
害アミン基を有している。
大気中の要因、主として紫外線の照射に曝露された結果として、有機ポリマー
の劣化が長期間に渡って進行すること、及び処理工程及び変換工程の間に容易に
有機ポリマーの熱酸化劣化が進行することが公知である。
この劣化は有機ポリマーの物理的特性の劣化、例えば衝撃強さの減少及び最終
製品の光学特性の歪みや変質を引き起こす。
通常有機ポリマーに安定化化合物を導入して上記の劣化を防止する。
第一又は第二脂肪族又は芳香族アミンを有するβ−ケト−エステル、β−ケト
−アミド又は1,3−ジケトンの誘導体より成り、分子中に少なくとも一の立体障
害アミン基を有しているエナミン基に属する化合物が、有機ポリマーに添加され
るとそれを安定化し、その光、特に紫外線照射への耐性を改良することが可能で
あることを出願人が見出した。
上記化合物は、紫外線照射を280nmの波長において最大の吸収量で吸収する。
この波長は、有機ポリマーに対する作用が特に攻撃的である。
それゆえ、本発明は、有効量のエナミン基に属する一又は複数の化合物を該ポ
リマーに添加することによって光−安定化した有機ポリマーに関し、該エナミン
基は、第一又は第二脂肪族又は芳香族アミンを有するβ−ケト−エステル、β−
ケト−アミド又は1,3−ジケトンの誘導体より成り、分子中に少なくとも一の立
体障害アミン基を有しており、次の一般式(I)を有している:ここで、
−mは1〜3の整数を表わし、両端を含む;
−nは1〜4の整数を表わし、両端を含む;
−R1は下記の一般式(II)、(III)又は(IV)のうちの一を有するトリアジン
を表わす:
ここで、R5は水素原子;線状又は分岐のC1〜C18のアルキル基;−NHR6アミノ
基又は−SR6基を表わし、ここでR6は水素原子又は線状又は分岐のC1〜C18のア
ルキル基を表わす;
−R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子;線状又は分岐のC1〜C18のアルキ
ル基;線状又は分岐のC2〜C8のアルコキシアルキル基;C5〜C8のシクロア
ルキルであって任意に酸素、窒素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を含む基
;C6〜C18のアリール基;C7〜C20のアリールアルキル又はアルキルアリール基
;一般式(V)を有する基:
ここでR7は水素原子;線状又は分岐のC1〜C18のアルキル基であり、該アルキ
ル基は任意に−NHR8基又は-OR8基で置換されており、ここでR8は水素原子、線
状又は分岐のC1〜C18のアルキル基、又はC6〜C18のアリール基を表わす;−OR
9基を表わし、ここでR9は水素原子又は線状若しくは分岐のC1〜C18のアルキル
基を表わす;を表わし、
−又は、R1及びR2は結合して窒素原子と共に、酸素、窒素及び硫黄から選択する
第二のヘテロ原子を任意に含むC5〜C8のヘテロ環基を表わし;
−R3及びR4は、同一又は異なって、線状又は分岐のC1〜C18のアルキル基;C6〜C
18のアリール基;C7〜C20のアルキルアリール又はアリールアルキル基;線状
又は分岐のC1〜C8のアルコキシル基;を表わし
−又は、R4は一般式(VI)を有する基を表わし:
ここで、R7は先の定義と同じ意味を有する;
−又は、R4はNR10R11基を表わし、ここでR10及びR11は同一又は異なって、水素
原子;線状又は分岐のC1〜C18のアルキル基;線状又は分岐のC2〜C8のアルコ
キシアルキル基;C5〜C8のシクロアルキル基であって任意に酸素、窒素
及び硫黄から選択されるヘテロ原子を含む基;C6〜C18のアリール基;C7〜C20
のアリールアルキル又はアルキルアリール基;下記の一般式(II)、(III)
又は(IV)のうちの一を有するトリアジン:
ここで、R5は先の定義と同じ意味を有する;一般式(V)を有する基:
ここでR7は先の定義と同じ意味を有する;を表わし、
−又は、R10及びR11は結合して窒素原子と共に、酸素、窒素及び硫黄から選択す
る第二のヘテロ原子を任意に含むC5〜C8のヘテロ環基を表わし;
−又は、R4は下記の一般式(VII),(VIII)又は(IX)のうちの一を有する基を
表わし: ここで:
−R12は水素原子;又は線状若しくは分岐のC1〜C18のアルキル基を示し;
−R13は線状又は分岐のC1〜C18のアルキル基;−COCH2COCH3基;又は直接結合
を示す、
ただし、R1及びR2が一般式(V)を有する基と異なる場合は、R4は一般式(VI)
を有する基を示す。
R1、R2、R10及びR11基の例は水素原子の他:メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、オクチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、エチルフェ
ニル、メトキシエチル、4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル、4−(2,2,6,
6−テトラメチル)−1−ブトキシエチルピペリジニル、4−(2,2,6,6−テトラメ
チル)−1−ブトキシピペリジニル、4−(2,2,6,6−テトラメチル)−1−メチ
ルピペリジニル、3,5−ジオクチルアミノトリアジン、3,5−ジブチルアミノトリ
アジン、等である。
R1及びR2又はR10及びR11が窒素原子と共に結合している場合におけるC5〜C8の
ヘテロ環基の例は、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、チオモ
ルホリン、チアゾリジン、ベンゾチアゾリジン、等である。
R3及びR4基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、オ
キシメチル、オキシエチル、オキシブチル、等である。
R4が一般式(VI)を有する基を表わす場合におけるR4基の例は、4−(2,2,6,6
−テトラメチル)ピペリジノキシ、N−メチル−4−(2,2,6,6−テトラメチル)
ピペリジノキシ、N−メトキシエチル−4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジ
ノキシ、N−メチルアミノエチル−4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジノキ
シ、等である。
R4が一般式(VII)、(VIII)又は(IX)を有する基を表わし、nが2である
場合におけるR4の例は、
等である。
R4が一般式(VII),(VIII)又は(IX)を有する基を表わし、nが3である場
合におけるR4の例は、
等である。
R4が一般式(VII),(VIII)又は(IX)を有する基を表わし、nが4である場
合におけるR4の例は、
等である。
R7基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エトキシ、ブトキシ、β−
ヒドロキシエチル、β−メトキシエチル、β−ブトキシエチル、メチルアミノエ
チル、等である。
R5、R6、R8、R9、R12及びR13が線状又は分岐のC1〜C18のアルキル基を表わす
場合におけるこれらの基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、オクチル、等である。
本発明の目的に使用可能である一般式(I)を有する化合物の特定の例は以下
のとおりであるが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
先に記載した一般式(I)を有する化合物は種々の方法で得ることができる。
本発明の一般式(I)を有する化合物の合成方法は、1〜4モルの一般式(X)を
有する第一又は第二脂肪族又は芳香族アミン:
ここで、R1及びR2は上記と同じ意味を有する、
を1〜3モルのβ−ケト−エステル又はβ−ケト−アミド、又は一般式(XI)を有
する1,3−ジケトン:
ここで、R3、R4及びnは上記と同じ意味を有する、
と反応させることを含む。
上記の反応は、不活性有機溶媒、好ましくは炭化水素、特にトルエンの存在下
に、60℃〜160℃、好ましくは115℃〜150℃の範囲内の温度で、大気圧下に、か
つ0.5〜24時間、好ましくは3〜10時間の範囲内の時間で生じる。酢酸をこの反応
に触媒として任意に添加することができる。
上記反応の間に、反応水が遊離され、共沸蒸留装置を使用する共沸蒸留により
分離するが、ここで有機溶媒が再循環される。
反応の終わりに、溶媒及び残存が予測される酢酸を蒸留によって除去して、粗
生成物を得る。このようにして得られた粗生成物から、分別蒸留を真空下に、0.
1mm/Hg〜50mm/Hgの範囲内の圧力で、40℃〜200℃の範囲内の温度で行って精製
し、又は一般式(I)を有する該化合物を本分野で公知の技術を使用する結晶化
によって分離する。
本発明の目的に使用することができる一般式(X)を有する第一又は第二脂肪
族又は芳香族アミンの例は以下のとおりである:シクロヘキシルアミン、n−ブ
チルアミン、tert−ブチルアミン、n−オクチルアミン、tert−オクチルアミン
、n−オクタデシルアミン、n−ドデシルアミン、ベンジルアミン、2−メトキ
シエチルアミン、2−フルフリルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン
、ジベンジルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、メラミン、4−アミノ−2,2
,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メチ
ルピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ブトキシエチルピペリ
ジン、1−アミノ−3,5−ジオクチルアミノトリアジン、等。
本発明の目的に使用することができるβ−ケト−エステル、β−ケト−アミド
、又は一般式(XI)を有する1,3−ジケトンの例は以下のとおりである:アセト
酢酸エチル、アセト酢酸t−ブチル、アセト酢酸オクタデシル、エチルベンゾイ
ルアセテート、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、メタンジベンゾイル、
p−トルイルアセトン、4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニルアセトアセ
テート、N−メチル−4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニルアセトアセテ
ート、アセトアセタミド、アセトアセタニリド、アセト酢酸−4−(2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン)アミド、アセト酢酸−(3,5−ジブチルトリアジン)−1
−アミド、等。
上記の方法で合成した一般式(I)を有する化合物のエナミン基を高純度(ガ
スクロマトグラフィーで95%と確認した)の試料で行ったNMR分光分析(BRUKER
AC200分光器を使用して得た)によって確認した。
本発明の一般式(I)を有する化合物の製造に使用することができる他の方法
は、しかしながら、例えばHouben-Weyl(1957),Vol.1111,172-178ページ、
の文献に記載されている。
上記の一般式(I)を有する化合物で光−安定化することが可能な有機ポリマ
ーは以下のとおりである:
(1)モノ−オレフィン及びジオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリイソブ
チレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリイソ
プレン又はポリブタジエンのポリマー;並びにシクロオレフィン、例えばシ
クロペンテン又はノルボルネンのポリマー;ポリエチレン(任意に架橋して
いてもよい)、例えぼ高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE
)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐低密度ポリエチレン(BLDPE)。
ポリオレフィン、例えば先のパラグラフで引用したモノオレフィン、好ま
しくはポリエチレン及びポリプロピレンは、文献で公知の種々の方法、好ま
しくは以下の方法を使用して製造することができる:
(a)ラジカル重合(一般に高圧高温下に行われる);
(b)周期律表のIVb、Vb、VIb又はVIII族の金属を通常一又は複数含む触媒を使
用する接触重合。これらの金属は一般に一又は複数のπ−又はσ−配位が可
能なリガンド、例えばオキシド、ハライド、アルコレート、エーテル、アミ
ン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属複合
体は遊離型であるか又は基質、例えば活性化塩化マグネシウム、チタン(II
I)ハクロライド、アルミナ又は酸化珪素に支持されていることが可能であ
る。これらの触媒は反応媒体に可溶であっても不溶であってもよい。触媒を
単独で又は他の活性化剤、例えば金属アルキル、金属ハライド、金属アルキ
ルのハライド、金属アルキル又は金属アルキルオキサンのオキシドの存在下
に使用することができ、これらの金属は周期律表のIa、IIa及び/又はIIIa
に属する元素である。活性化剤は都合よく他のエステル、エーテル、アミン
又はシリル−エーテル基で変性することができる。これらの触媒系は通常フ
ィリップス、スタンダードオイルインディアナ、チーグラー(−ナッタ)、YN
Z(デュポン)、メタロセン又は“シングルサイト触媒”(SSC)と呼ばれる。
(2)先の(1)に記載したポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソ
ブチレンの混合物;ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えばPP/HDP
E、PP/LDPE);異なる型のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
(3)モノ−オレフィン及びジオレフィン相互の又はこれらと他のビニルモノマ
ーとのコポリマー、例えばエチレン−プロピレンコポリマー、線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プ
ロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマ
ー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー
、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、
エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソ
ブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリ
マー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニ
ルコポリマー及びこれらと一酸化炭素又はエチレン/アクリル酸コポリマー
とのコポリマー、並びにその塩(アイオノマー)及びエチレンのポリプロピ
レン及びジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデ
ン−ノルボルネンとのターポリマー;及びこれらのコポリマー相互の又はこ
れらとパラグラフ(1)に引用したポリマーとの混合物、例えばポリプロピ
レン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニル(EV
A)コポリマー、LDPE/エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマー、LLDPE/E
VA、LLDPE/EAAN及び交互又は“ランダム”ポリアルキレン/一酸化炭素コ
ポリマー及びその他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
(4)炭化水素樹脂の水素添加変性物(例えば接着剤)並びにポリアルキレン及
びデンプンとの混合物を含む炭化水素樹脂(例えばC5-C9)。
(5)ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
(6)スチレン又はα−メチルスチレンとジエン又はアクリル系誘導体とのコポ
リマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチ
レン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレ
ート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マ
レイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;高い衝撃強
さを有する、スチレンのコポリマーと他のポリマー、例えばポリアクリレー
ト、ジエン又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーのポリマー、ス
チレンのブロックポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチ
レン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又
はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン、との混合物。
(7)スチレン又はα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばスチレン
をグラフトしたポリブタジエン、スチレンをグラフトしたポリブタジエン又
はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー;スチレン及びアクリロニ
トリル(又はメタクリロニトリル)をグラフトしたポリブタジエン;スチレ
ン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートをグラフトしたポリブタジ
エン;スチレン及び無水マレイン酸をグラフトしたポリブタジエン;スチレ
ン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミドをグラフトしたポ
リブタジエン;スチレン及びマレイミドをグラフトしたポリブタジエン;ス
チレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレートをグラフトしたポリブ
タジエン;スチレン及びアクリロニトリルをグラフトしたエチレン/プロピ
レン/ジエンターポリマー、スチレン及びアクリロニトリルをグラフトした
ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレート、スチレン及び
アクリロニトリルをグラフトしたアクリレート/ブタジエンコポリマー、並
びに上記したコポリマーと(6)に記載したコポリマーとの混合物、例えば
公知のコポリマー、例えばABS、MBS、ASA又はAESの混合物;
(8)ハロゲンを含むポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、塩素化
又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー
、エピクロロヒドリンのホモポリマー及びコポリマー、特にハロゲンを含む
ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルフルオリド又はポリビニリデンフルオリド;並びにそのコポリマー
、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビ
ニリデン/酢酸ビニル。
(9)α,βタ−不飽和酸およびその誘導体から誘導されるポリマー、例えばポリ
アクリレート及びポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ブチル
アクリレートで変性したポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
(10)(9)のモノマー相互又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアク
リロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリ
レートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート
コポリマー又はアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー又はアクリ
ロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
(11)不飽和アルコール及びアミンから誘導されるポリマー、又はそのアシル若
しくはアセタール誘導体、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテ
ート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレ
ート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミ
ン;並びにこれらと(I)に記載したオレフィンとのコポリマー。
(12)環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えばポリアルキレングリ
コール、ポリエチレンオキシド、又は上記した化合物とビス−グリシジルエ
ーテルとのコポリマー。
(13)ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン及びエチレンオキシドをコモ
ノマーとして含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレー
ト又はMBSで変性したポリアセタール。
(14)ポリフェニレンオキシド及びスルフィド並びにスチレン又はポリアミドポ
リマーを有するポリフェニレンオキシドの混合物。
(15)一方で末端をヒドロキシル化したポリエーテル、ポリエステル又はポリブ
タジエンと他方で脂肪族又は芳香族ポリイソシアナートとから誘導されるポ
リウレタン、及び上記の化合物の前駆体。
(16)ジアミンとジカルボン酸及び/又はアミノカルボン酸から誘導されるか又
は対応するラクタムから誘導されるポリアミド及びコポリアミド、例えば、
ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、
12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンとアジピン酸
から出発して得られる芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンとイソフ
タル酸及び/又はテレフタル酸から製造されかつ変性剤としてエラストマー
を有するか又は有しないポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンテレフタルアミド又はポリm−フェニレンイソフタルアミド;並
びに上記のポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマ
ー又はエラストマーとの化学的に結合するか又はグラフトしたブロックコポ
リマー;又はポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール若しくはポリテトラメチレンメチレングリコールとの
ブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで変性したポリアミド又はコポリ
アミド;並びに処理中に縮合したポリアミド(“RIMポリアミド系”)。
(17)ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド及びポリベンゾイミダゾール
。
(18)ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸から又は対
応するラクトンから誘導されるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘ
キサンテレフタレート及びポリヒドロキシベンゾエート、及びヒドロキシル
−末端基を有するポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエス
テル;並びにポリカーボネート又はMBSで変性したポリエステル。
(19)ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
(20)ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
(21)一方でアルデヒドから他方でフェノール、尿素及びメラミンから誘導され
る架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルム
アルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
(22)乾性又は非−乾性アルキド樹脂。
(23)多価アルコールで飽和又は不飽和にしたジカルボン酸のコポリエステル及
び架橋剤としてのビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステルを主体と
する樹脂、及びハロゲンを含み難燃性に優れた上記の樹脂。
(24)置換アクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート
又はポリエステルアクリレートから誘導される架橋性アクリル系樹脂。
(25)アルキド樹脂、メラミン樹脂で架橋したポリエステル又はアクリレート化
樹脂を主体とする樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアナート又はエポキシ樹脂を
主体とする樹脂。
(26)ポリエポキシド、例えばビス−グリシジルエーテル又は脂環状ジエポキシ
ドから誘導される架橋エポキシ樹脂。
(27)天然ポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチン、及び化学的に変性し
て同族体ポリマーとなるそれらの誘導体、例えば、セルロースアセテート、
プロピオネート及びブチレート、又はセルロースエーテル、例えばメチルセ
ルロース;並びに炭化水素樹脂(“rosins”)又はその誘導体。
(28)上記ポリマーの混合物(“ポリブレンド”)、例えばPP/EPDM、ポリアミド
/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC
/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/
熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及び
コポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO。
特に、上記一般式(I)を有する化合物の添加によって光−安定化するこ
とができる有機ポリマーは、ポリオレフィン、好ましくはポリプロピレン及
びポリエチレンである。
本発明の一般式(I)を有する化合物の前記の有機ポリマーへの添加は、本分
野で公知の方法で行われる。
例えば、一般式(I)を有する化合物を、任意に他の添加物の存在下に、有機
ポリマーの製造に続く段階で、又はトランスフォーメーションプロセスの直前の
段階でそれらに添加することができる。
上記の目的のために、一般式(I)を有する化合物を質量で0.05%〜5%、好ま
しくは0.01%〜2%の範囲内の量、ポリマーに添加して安定化させる。
上記のようにして安定化したポリマーは、光、特に紫外線照射によって生じる
劣化に対して強い耐性を有する。それゆえ、ポリマーは外部の薬品に曝されても
長期間に渡ってその色及び輝きを維持することができる。
一般式(I)を有する上記の組成物は、被覆又は塗布組成物(“被覆組成物”)
、例えば塗料、ラッカー、プラスチックを主体とする組成物の光−安定化に使用
することもできる。
本発明の目的のために、被覆又は塗布組成物においては以下から選択する有機
ポリマーが好ましい:
(a)主鎖にヘテロ原子、特に窒素、硫黄及び/又は酸素を含む熱可塑性ポリマ
ー、スチレンコポリマー、グラフトスチレンポリマー及びポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)から選択する熱可塑性ポリマー;又は
(b)塗料リガンド。
ヘテロ原子特に窒素、硫黄及び/又は酸素を主鎖に含む熱可塑性ポリマー(a
)の特定の例は、上記の(13)から(20)に記載してある。これらのうち好まし
いのは、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ
フェニレンオキシド及びポリフェニレンスルフィドであり;特に好ましいのは、
ポリカーボネート、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、
及びポリアミド(PA)、例えばPA6及びPA6/6であり;ポリカーボネートがさらに
好ましい。
スチレンコポリマー及びグラフトスチレンポリマー(a)の特定の例は、上記
の(6)及び(7)に記載してある。
塗料リガンド(b)は先に特定した有機ポリマーの少なくとも一つを含むこと
ができる。特定のリガンドを含む塗料の特定の例は以下のとおりである:
1.アルキド樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂又はメラミ
ン樹脂を主体とする塗料であって、低温又は高温で架橋可能な塗料、又は架
橋剤を任意に添加するこれらの樹脂の混合物;
2.ヒドロキシル基を含むアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹
脂及び脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌレート又はポリイソシ
アナートを主体とする二成分を有するポリウレタン塗料;
3.オーブン処理の間にブロックがはずれる、ブロックイソシアナート、イソシア
ヌレート又はポリイソシアナートを主体とする一成分を有するポリウレタン
塗料;
4.(ポリ)ケトイミン及び脂肪族又は芳香族イソシアナート、イソシアヌレー
ト又はポリイソシアナートを主体とする二成分を有する塗料;
5.(ポリ)ケトイミン及び不飽和アクリル系樹脂又はポリアセトアセテート樹
脂又はメチルメタクリルアミドグリコレートを主体とする二成分を有する塗
料;
6.カルボキシル基又はアミン基を含むポリアクリレート及びポリエポキシドを主
体とする二成分を有する塗料;
7.無水物基を含むアクリル系樹脂及びポリヒドロキシル又はポリアミン化合物を
主体とする二成分を有する塗料;
8.(ポリ)−オキサゾリン及び無水物基を含むアクリル系樹脂又は不飽和アク
リル系樹脂又は脂肪族若しくは芳香族イソシアナート、イソシアヌレート若
しくはポリイソシアナートを主体とする二成分を有する塗料;
9.不飽和ポリアクリレート及びポリマロネートを主体とする二成分を有する塗料
;
10.エーテル化メラミン樹脂と組合せた熱可塑性アクリル系樹脂又は非−自己架
橋性アクリル系樹脂を主体とする熱可塑性ポリアクリル系塗料;
11.シロキサン−変性アクリル系樹脂を主体とする塗料系;
12.フルオロ−変性アクリル系樹脂を主体とする塗料系;及び
13.アリルグリシジルエーテルを主体とする塗料系。
塗料を一層又は二層(“ワン−コート又はツー−コート”)の塗装で適用する
ことが可能であり、式(I)を有する安定化化合物を上記の無色被覆に添加する
ことが好ましい。
塗料を被塗物(金属、プラスチック、木材等)に従来法、例えば刷毛塗り、ス
プレー塗り、流し塗り(pouring)、浸漬塗り又は電気泳動を使用して適用するこ
とができる。
本発明の好ましい態様は、一般式(I)を有する化合物の少なくとも一を含む
塗料又は被覆(例えば自動車の被覆)にある。本発明の目的に使用できるリガン
ドは、例えば上記したものである。
一般式(I)を有する本発明の化合物は、既に先に延べたように、他の通常の
添加物又はその混合物と組合せることが可能である。これらの添加物は、安定化
すべき重合性組成物の質量に対して約0.1〜約5質量%、好ましくは約0.5〜約3
質量%の範囲内の量で添加する。使用するいくつかの添加剤を例として以下に挙
げる。
1.抗酸化剤
1.1アルキル化モノフェノール、例えば:
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;
2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール;
2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;
2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール;
2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール;
2,6−ジ−シクロペンチル−4−メチルフェノール;
2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール;
2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール;
2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール;
2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール;
2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール;
2,4−ジメチル−6−(1'−メチルウンデシ−1'−イル)フェノール;
2,4−ジメチル−6−(1'−メチルヘクタデシ−1'−イル)フェノール;
2,4−ジメチル−6−(1'−メチルトリデシ−1'−イル)フェノール;及びこ
れらの混合物。
1.2アルキルチオメチルフェノール、例えば:
2,4−ジオクチルチオメチル−6−t−ブチルフェノール;
2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール;
2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール;
2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
1.3ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば:
2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール;
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン;
2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン;
2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール;
2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン;
2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール;
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール;
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート;
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
1.4トコフェロール、例えば:
α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、
δ−トコフェロール及びその混合物(ビタミンE)。
1.5ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば:
2,2'−チオビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール);
2,2'−チオビス−(4−オクチルフェノール);
4,4'−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール);
4,4'−チオビス−(6−t−ブチル−2−メチルフェノール);
4,4'−チオビス−(3,6−ジ−sec−アミルフェノール);
4,4'−ビス−(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスフフィド。
1.6アルキリデン−ビスフェノール、例えば:
2,2'−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール);
2,2'−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−エチルフェノール);
2,2'−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェ
ノール];
2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルメチルフェノール);
2,2'−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール);
2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール);
2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール);
2,2'−エチリデンビス(6−t−ブチル−4−イソブチルフェノール);
2,2'−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール];
2,2'−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノー
ル];
4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);
4,4'−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール);
1,1−ビス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタ
ン;
2,6−ビス−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メ
チルフェノール;
1,3,3−トリス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−
ブタン;
1,1−ビス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n
−ドデシルメルカプトブタン;
エチレングリコールビス[3,3−ビス(3'−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェ
ニル)ブチレート];
ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェノール)−ジシクロペ
ンタジエン;
ビス[2−(3'−t−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルベンジル)−6−t
−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート;
1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン;
2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−
ドデシルメルカプトブタン;
1,1,5,5−テトラ(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペ
ンタン。
1.7O、N又はSを含むベンジル化合物、例えば:
3,5,3',5'−テトラ−t−ブチル−4,4'−ジヒドロキシジベンジルエーテル;
オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプト−アセテ
ート;
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン;
ビス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレ
フタレート;
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド;
イソ−オクチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプト
アセテート。
1.8ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば:
ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル
)マロネート;
ジオクタデシル−2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ−5−メチルシベンジ
ル)−マロネート;
ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)マロネート;
ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
1.9芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば:
1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−
トリメチルベンゼン;
1,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テ
トラメチルベンゼン;
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール
。
1.10トリアジン化合物、例えば:
2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシアニリン)−1,3,5−トリアジン;
2−オクチルメルカプト−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シアニリン)−1,3,5−トリアジン;
2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェノキシ)−1,3,5−トリアジン;
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3
−トリアジン;
1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシア
ヌレート;
1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
イソシアヌレート;
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,
5−トリアジン;
1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル
)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン;
1,3,5−トリス(3,5−ジ−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イ
ソシアヌレート。
1.11ベンジルホスホネート、例えば:
ジメチル−2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート;
ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート;
ジオクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネー
ト;
ジオクタデシル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホ
ネート;
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエス
テルのカルシウム塩。
1.12アシルアミノフェノール、例えば:
4−ヒドロキシラウルアニリド;
4−ヒドロキシステアルアニリド;
オクチル−N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメー
ト
1.13例えば下記の一価又は多価アルコールを有するβ−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル:
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキ
サミド、3−チオウンデカノール、3−チオペンタデカノール、トリメチルヘ
キサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホス
ホ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.14例えば下記の一価又は多価アルコールを有するβ−(5−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステル:
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキ
サミド、3−チオウンデカノール、3−チオペンタデカノール、トリメチルヘ
キサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホス
ホ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.15例えば下記の一価又は多価アルコールを有するβ−(3,5−ジシクロヘキシ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル:
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキ
サミド、3−チオウンデカノール、3−チオペンタデカノール、トリメチルヘ
キサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホス
ホ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.16例えば下記の一価又は多価アルコールを有する(3,5−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)酢酸のエステル:
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキ
サミド、3−チオウンデカノール、3−チオペンタデカノール、トリメチルヘ
キサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホス
ホ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.17β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミ
ド、例えば:
N,N'−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)
ヘキサメチレンジアミン;
N,N'−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)
トリメチレンジアミン;
N,N'−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)
ヒドラジン;
2.紫外線及び光−安定化剤
2.12−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの誘導体、例えば:
2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;
2−(3',5'−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
;
2−(5'−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール;
2−[2'−ヒドロキシ−5'−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベン
ゾトリアゾール;
2−(3',5'−ジ−t−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール;
2−(3'−t−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール;
2−(3'−sec−ブチル−5'−t−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール;
2−(2'−ヒドロキ−4'−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール;
2−(3',5'−ジ−t−アミル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル;
2−[3',5'−ビス(α、α−ジメチルベンジル)−2'−ヒドロキシフェニル]
ベンゾトリアゾール;
2−[3'−t−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニル
エチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3'−t−ブチル−5
'−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)−2'−ヒドロキ
シフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3'−t−ブチル−2'−ヒ
ドロキシ−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−[3'−t−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキ
シカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3'−t−ブチル−
2'−
ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾ
トリアゾール、2−[3'−t−ブチル−5'−(2−(2−エチルヘキシルオキシ
)カルボニルエチル)−2'−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−
(3'−ドデシル−2−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル及び2−[3'−t−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−イソ−オクチルオキ
シカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレン−ビ
ス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル−フェノール]の混合物;
2−[3'−t−ブチル−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)−2'−ヒドロキ
シフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエ
ステル化生成物;
[R−CH2CH2−COO(CH2)3]2ここでR=3'−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5'−2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニルである。
2.22−ヒドロキシベンゾフェノンの誘導体、例えば:
4−ヒドロキシ−;4−メトキシ−;4−オクチルオキシ−;4−デシルオキシ
−;4−ドデシルオキシ−;4−ベンジルオキシ−;4,2',4'−トリヒドロキ
シ−;2'−ヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ。
2.3任意に置換した安息香酸のエステル、例えば:
フェニルサリチレート、4−t−ブチルフェニルサリチレート、オクチルフェ
ニルサリチレート、ベンゾイル−レゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベン
ゾイル)レゾルシノール、ジベンゾイル−レゾルシノール、2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサ
デシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル
−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル4,6−ジ−
t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
2.4アクリレート、例えば、エチル又はイソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェ
ニルアクリレート;メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチル又はブ
チルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カル
ボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−
シアノビニル)−2−メチルインドリン。
2.5ニッケル化合物、例えば、付加的なリガンド、例えばn−ブチルアミン、トリ
エタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンを付加的に有
するか有しない2,2−チオ−ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フ
ェノール]の錯体、例えば1:1又は1:2錯体、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
−ブチル−ベンジル−ホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチル又
はエチルエステルのニッケル塩、ケトオキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−
メチルフェニルウンデシルケトオキシムとのニッケル錯体、1−フェニル−4
−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールの、付加的なリガンドを有するか
有しないニッケル錯体。
2.6オキサミド、例えば:
4,4'−ジオクチルオキシオキサニリド;
2,2'−ジエトキシオキサニリド;
2,2'−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ−t−ブトキサニリド;
2,2'−ジドデシルオキシ−5,5'−ジ−t−ブトキサニリド;
2−エトキシ−2'−エチルオキサニリド;
N,N'−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド;
2−エトキシ−5−t−ブチル−2'−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2'
−エチル−5,4'−ジ−t−ブトキサニリドとの混合物;並びにジ置換オルト
−及びパラ−メトキシアニリドの混合物並びにジ置換オルト−及びパラ−エ
トキシアニリドの混合物。
2.7 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば:
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−ト
リアジン;
2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ
メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;
2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)
−1,3,5−トリアジン;
2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ
メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;
2−(2−ヒドロキシ)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリア
ジン;
2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ
メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;
2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フ
ェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン;
2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロピルオ
キシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン。
3.“金属−不活化剤”、例えば:N,N−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−
N'−サリチロイル−ヒドラジン、N,N'−ビス(サリチロイル)ヒドラジン;
N,N'−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)
ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジ
リデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラ
ジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'−ジアセチルアジポイルジ
ヒドラジド、N,N'−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N'−
ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
4.ホスファイト及びホスホナイト、例えば:
トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジ
アルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウ
リルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエ
リスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2
,5−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ビス[2,4,5−トリス(t−ブチルフェニル)]ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス
−
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ジフェニリレンジホスホナイト、
5−イソ−オクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12H−ジベンゾ[
d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−t−
ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d、g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス
(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2
,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト。
5.ペルオキシドを破壊することが可能な試薬、例えば:β−チオプロピオン酸の
エステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステ
ル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾール
の亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド
ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネー
ト。
6.ポリアミドの安定化剤、例えば、ヨウ素及び/又はリン、二価マンガン塩の化
合物と組合せた銅の塩。
7.塩基性共−安定化剤、例えば:メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアノジ
アミド、トリアリルシアヌレート、尿素の誘導体、ヒドラジンの誘導体、ア
ミン、ポリアミド、ポリウレタン、脂肪酸のアルカリ金属の塩及びアルカリ
土類金属の塩、例えばCa−ステアレート、Zn−ステアレート、Mg−ステアレ
ート、Mg−ベヘネート、Na−リシノールエート、K−パルミテート、アンチ
モン−ピロカテコレート、スズ−ピロカテコレート。
8.核剤、例えば:4−t−ブチル−安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸。
9.充填剤及び強化剤、例えば:炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、アス
ベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属オキシド及びヒドロ
キシド、カーボンブラック、グラファイト。
10.他の添加剤、例えば:可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、蛍光増白剤、難燃化
剤(例えば、臭化物、塩素化物(chlorurates)、リン化物(phosphorates)
及びリン/ハロゲン混合物)帯電防止剤、発泡剤、チオ協働化剤(thiosyner
gizing agents)、例えばジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリル
チオジプロピオネート。
11.ベンゾフラノン及びインドリノン、例えば:
3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−t−ブチルベンゾ
フラン−2−オン;
5,7−ジ−t−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル
]ベンゾフラン−2−オン;
3,3'−ビス[5,7−ジ−t−ブチル−3−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル]ベンゾフラン−2−オン];
5,7−ジ−t−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン
;
3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチル−ベ
ンゾフラン−2−オン;
3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−t−ブチ
ルベンゾフラン−2−オン;
又は米国特許4,325,863、4,338,244、5,175,312、5,216,052、5,252,643、4
,316,611、4,316,622、4,316,876若しくは欧州特許出願589,839及び591.102
に記載されたもの。
本発明を良く理解し、具体化するために、例示はするが制限はしない実施例を
いくつか示す。実施例1 以下の式を有する4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニルのβ−メトキシエ チルアミンクロトネート(化合物番号1)の製造: 24.13g(0.1モル)の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−アセトアセ
テート、24gのトルエン、7.51g(0.1モル)の2−メトキシエチルアミン及び0.23g
の氷酢酸を攪拌機、温度計及び水分離機を有する還流凝縮器を備えた250mlの4
口反応器に入れた。
反応物を攪拌及び還流下に115℃〜118℃の範囲内の温度で4時間加熱した。こ
の間、反応水の生成があり、これは共沸蒸留で分離される:1.5gの水が分離され
る。
溶媒及び酢酸を蒸留で除去し、このようにして得られた粗製残渣を分別蒸留す
る。
この蒸留を、温度計、攪拌機、カラム、凝縮器及び画分を捕集する装置を備え
た100mlのボイラーより成る蒸留装置で行う。
化合物番号1に相当する蒸留生成物26.6gを含む中心画分を、上記の蒸留から
集めたが、その操作条件は以下のとおりである:
−頭部における温度:146℃〜151℃;
−ボイラーの温度:148℃〜152℃;
−真空度:13.3Pa(0.1mm/Hg)。
このようにして得られた化合物番号1をガスクロマトグラフィー(GC)で分析
すると、純度97.5%、収率89.2%が得られる。
化合物番号1をNMR分析で特徴付けをしてそのエナミン構造を確認する。
−1H−NMR(200MHz、CDCl3−TMS)δ(ppm):NH(ブロード)8.50ppm;C=CH(s
)4.34ppm;他のシグナルが構造に一致する。
他の化合物(化合物番号2〜9)が実施例1と同様に製造され、そのうち反応条
件及び特性だけを特定する。実施例2 以下の式を有するβ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−アミノ)エチル クロトネート(化合物番号2)の製造: −アミン:4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;31.25g(0.2モル)。
−カルボニル化合物:エチルアセトアセテート;26.03g(0.2モル)。
−溶媒:トルエン;50g。
−触媒:酢酸;0.3g。
−分離した反応水:3.3g。
−持続時間及び反応温度:126℃〜128℃で5時間。
−蒸留範囲:118℃〜133℃(ヘッド);130℃〜144℃(ボイラー);13.3Pa(0.10mm/Hg
)〜20.0Pa(0.15mm/Hg)(真空)。
−得られた生成物:47.5g。
−GC純度:98.9%。
−収率:88.4%。
−1IH−NMR(200MHz、CDCl3−TMS)δ(ppm):NH(d)8.39ppm;C=CH(s)4.35p
ppm;他のシグナルが構造に一致する。実施例3 以下の式を有する4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニルのβ−(2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン−4−アミノ)クロトネート(化合物番号3)の製造: −アミン:4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;31.25g(0.2モル)。
−カルボニル化合物:2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアセトアセテ−
ト;48.5g(0.2モル)。
−溶媒:トルエン;50g。
−触媒:酢酸;0.3g。
−分離した反応水:3.44g。
−反応時間及び温度:114℃〜128℃で3.5時間。
−蒸留範囲:118℃〜133℃(ヘッド);130℃〜144℃(ボイラー);13.3Pa(0.10mm/Hg
)〜20.0Pa(0.15mm/Hg)(真空)。
この場合、最終生成物が室温で反応媒体中において結晶化するため、得られ
た原料残渣を分別蒸留しない。結晶化が完了するとき、得られた生成物をろ
過し、トルエンで洗浄し、乾燥する。
−得られた生成物:41.4g。
−GC純度:98.9%。
−収率:54.4%。
−1H−NMR(200MHz、CDCl3−TMS)δ(ppm):NH(d)8.32ppm;C=CH(s)4.30ppm
;他のシグナルが構造に一致する。
−融点:151℃。実施例4 以下の式を有する4−ピペリジノ−2,2,6,6−テトラメチル−1,2,5,6−テトラヒ ド ロピリジン(化合物番号4)の製造: 化合物番号4は、M.Dagonneau et al.“Synthesis”(1984),902ページに記載
された方法に従って製造する。得られた生成物は99%より高い純度を有する。実施例5 以下の式を有するβ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−アミノ)−t− ブチルクロトネート(化合物番号5)の製造: −アミン:4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;31.25g(0.2モル)。
−カルボニル化合物:t−ブチルアセトアセテート;31.64g(0.2モル)。
−溶媒:トルエン;50g。
−触媒:酢酸;0.3g。
−分離した反応水:3.2g。
−反応時間及び温度:122℃〜123℃で5時間。
−蒸留範囲:142℃〜162℃(ヘッド);146℃〜183℃(ボイラー);13.3Pa(0.10mm/Hg
)(真空)。
−得られた生成物:37.1g。
−GC純度:91.6%。
−収率:62.6%。
−融点:86.7℃(室温で固体)実施例6 以下の式を有するβ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−アミノ)オクタ デシルクロトネート(化合物番号6)の製造: −アミン:4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;13.22g(0.085モル)
。
。
−カルボニル化合物:オクタデシルアセトアセテート;30g(0.085モル)。
−溶媒:トルエン;25g。
−触媒:酢酸;0.15g。
−分離した反応水:1.21g。
−反応時間及び温度:132℃〜138℃で3時間45分。
この場合、最終生成物が室温で反応媒体中において結晶化するため、得られ
た粗反応物を分別蒸留しない。結晶化が完了するとき、得られた生成物をろ
過し、トルエンで洗浄し、乾燥する。
−得られた生成物:21.7g。
−GC純度:99%。
−収率:51.8%。
−融点:53.7℃実施例7 以下の式を有する1−フェニル−1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−ア ミノ)−2−ベンゾイル−エチレン(化合物番号7)の製造: −アミン:4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;38.57g(0.247モル)
。
−カルボニル化合物:ジベンゾイルメタン;44.85g(0.2モル)。
−溶媒:トルエン;50g。
−触媒:酢酸;0.9g。
−分離した反応水:4.8g。
−反応時間及び温度:159℃〜163℃で22時間。
この場合、最終生成物が室温で反応媒体中において結晶化するため、得られ
た粗反応物を分別蒸留しない。結晶化が完了するとき、得られた生成物をろ
過し、トルエンで洗浄し、乾燥する。
−得られた生成物:32.25g。
−GC純度:92%。
−収率:44.5%。
−融点:99℃実施例8 以下の式を有するβ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−アミノ)アニリ ドクロトネート(化合物番号8)の製造: −アミン:4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;31.25g(0.2モル)。
−カルボニル化合物:アセト−アセタニリド;35.44g(0.2モル)。
−溶媒:トルエン;100g。
−触媒:酢酸;0.4g。
−分離した反応水:この場合、反応水は分離されない。
−反応時間及び温度:20℃〜26℃で13時間。
この場合、最終生成物が室温で反応媒体中において結晶化するため、得られ
た粗反応物を分別蒸留しない。結晶化が完了するとき、得られた生成物をろ
過し、n−ペンタンで洗浄し、乾燥する。
−得られた生成物:54.34g。
−GC純度:>97%。
−収率:86.1%。
−融点:188℃実施例9 以下の式を有する1−メチル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−ア ミノ)−2−ベンゾイル−エチレン(化合物番号9)の製造: −アミン:4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;31.25g(0.2モル)。
−カルボニル化合物:ベンゾイルアセトン;32.44g(0.2モル)。
−溶媒:トルエン;100g。
−触媒:酢酸;0.4g。
−分離した反応水:3.2g。
−反応時間及び温度:118℃〜120℃で6時間。
この場合、最終生成物が室温で反応媒体中において結晶化するため、得られ
た粗反応物を分別蒸留しない。結晶化が完了するとき、得られた生成物をろ
過し、n−ペンタンで洗浄し、乾燥する。
−得られた生成物:50.2g。
−GC純度:>98.5%。
−収率:83.5%。
−融点:112℃実施例10 ポリプロピレンの光安定化
Montellが製造販売するMoplen FLF 20型のポリプロピレンをこの目的のために
使用する(230℃及び21.6kgでMFI=9.2,)。
粉末形態の上記ポリプロピレン100gを下記のコンパウンド0.25gと混合する:
(A):上記のようにして得られた化合物番号1;
(B):Great Lakesが製造販売する、Lowilite 22の商品名で公知の2−ヒドロキ
シ−4−n−オクトキシベンゾフェノン;
(C):上記のようにして得られた化合物番号4.。
得られた均一な混合物を、19mmの直径及び直径の約25倍の長さを有し、スクリ
ュー及び2mmノズルを備えたBrabender押出し機で、圧縮比1:4及び190℃、210℃
、215℃、215℃の温度分布の条件で押出しする。
押出し機を50rpmで活動させ、押出されたフィラメントを切断して顆粒とし、
引き続きこれを“可塑剤”と共に220℃の温度で操作してフィルムに変形する。
フィルムを次いで100μmの厚さのフィルムが得られるまで圧縮するが、操作条件
は次のとおりである:2分の加熱前処理及び2分の200℃における9.81Mpa(100Kg
/cm2)での圧縮。
得られたフィルムを、第−Atlas CI 65耐候試験機中で以下の条件下に促進老
化試験を行う(WOM1):
−ブラックパネルの温度:63℃;
−照射:340nmで0.40W/m2;
−相対湿度:50%;
−降雨サイクル:(102'−18')102分毎に18分の降雨;
引き続き、第二Atlas CI 65耐候試験機中で以下の条件下に行う(WOM2):
−ブラックパネルの温度:60℃;
−照射:340nmで0.33W/m2;
−相対湿度:50%;
比較のために、光−安定化剤を含まないポリプロピレンから得られたフィルム
を製造する。
フィルムの破断時間(時間)を分析し、データを表1に示す。
表1に示されたデータは、化合物番号1が当技術で公知の光−安定化剤(B)
が提供するよりも高い破断強度を与える一方、化合物番号4(C)は分子中に立
体的に妨害されたアミン基を有するが、一般式(I)を有する化合物の群に含ま
れず、破断強度は提供せず、実際、安定化しないポリプロピレンと同じような性
能であることを明確に示している。実施例11 ポリプロピレンの光安定化
Montellが製造販売しているMoplen FLF 20型のポリプロピレンをこの目的のた
めに使用する(230℃及び21.6kgでMFI=9.2)。
粉末形態の上記ポリプロピレン100gを下記のコンパウンド0.25gと混合する:
(A):上記のようにして得られた化合物番号1;
(B):上記のようにして得られた化合物番号2;
(C):上記のようにして得られた化合物番号3.。
(D):Ciba Geigyが製造販売する、Tinuvin 770という商品名で公知のビス(2,2
,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバセート。
得られた均一な混合物を、19mmの直径及び直径の約25倍の長さを有し、スクリ
ュー及び2mmノズルを備えたBrabender押出し機で、圧縮比1:4及び190℃、210℃
、215℃、215℃の温度分布の条件で押出しする。
押出し機を50rpmで活動させ、押出されたフィラメントを切断して顆粒とし、
引き続きこれを“可塑剤”と共に220℃の温度で操作してフィルムに変形する。
フィルムを次いで60μmの厚さのフィルムが得られるまで圧縮するが、操作条件
は次のとおりである:2分の加熱前処理及び2分の200℃における9.81Mpa
(100Kg/cm2)での圧縮。
得られたフィルムをUV−CON中において以下の条件下に紫外線照射試験を行う
:
−8時間、60℃で照射する;
−4時間、暗中で40℃において圧縮;
さらに、Atlas CI 65耐候試験機中で以下の条件下に促進老化試験を行う(WOM1)
:
−ブラックパネルの温度:63℃;
−照射:340nmで0.40W/m2;
−相対湿度:50%;
−降雨サイクル:(102'−18')102分毎に18分の降雨;
比較のために、光−安定化剤を含まないポリプロピレンから得られたフィルム
を製造する。
フィルムの破断時間(時間)を分析し、データを表2に示す。
表2のデータは、化合物番号1の安定化能はTinuvin770(D)に匹敵する一方
、化合物番号2(B)及び化合物番号3(C)の安定化能はTinuvin770(D)より
かなり高いことを示している。実施例12 ポリエチレンの光安定化
Polimeri Europaが製造販売しているRiblene FC20型のポリエチレンをこの目
的のために使用する。
粉末形態の上記ポリエチレン100gを下記のコンパウンド0.25gと混合する:
(A):上記のようにして得られた化合物番号1;
(B):上記のようにして得られた化合物番号2;
(C):上記のようにして得られた化合物番号3。
(D):Ciba Geigyが製造販売する、Tinuvin 770という商品名で公知のビス(2,2
,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバセート。
得られた均一な混合物を、19mmの直径及び直径の約25倍の長さを有し、スクリ
ュー及び2mmノズルを備えたBrabender押出し機で、圧縮比1:4及び190℃、210℃
、215℃、215℃の温度分布の条件で押出しする。
押出し機を50rpmで活動させ、押出されたフィラメントを切断して顆粒とし、
引き続きこれを“可塑剤”と共に220℃の温度で操作してフィルムに変形する。
フィルムを次いで100μmの厚さのフィルムが得られるまで圧縮するが、操作条件
は次のとおりである:2分の加熱前処理及び2分の200℃における9.81Mpa(100Kg
/cm2)での圧縮。
得られたフィルムを、Atlas CI 65耐候試験機中で以下の条件下に促進老化試
験を行う(WOM1):
−ブラックパネルの温度:63℃;
−照射:340nmで0.40W/m2;
−相対湿度:50%;
−降雨サイクル:(102'−18')102分毎に18分の降雨;
比較のために、光−安定化剤を含まないポリエチレンから得られたフィルムを
製造する。
フィルムの破断時間(時間)を分析し、データを表3に示す。
表3のデータは、化合物番号1(A)、番号2(B)及び番号3(C)の安定可
能がTinuvin770(D)の安定可能より高いことを示している。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C08K 5/3435 C08K 5/3435
5/3492 5/3492
C08L 101/00 C08L 101/00
C09D 7/12 C09D 7/12
201/00 201/00
//(C07D 401/12 (C07D 401/12
211:46 211:46
251:54) 251:54)
(C07D 401/12 (C07D 401/12
211:58 211:58
251:44) 251:44)
(C07D 401/14 (C07D 401/14
(72)発明者 ネリ カルロ
イタリア イ―20097 スード ドナート
ミラネーゼ ヴィア エウローパ 32
(72)発明者 アドヴァッシオ マウロ
イタリア イ―24129 ベルガモ ヴィア
ジ マッティオリ 16ア