JP2001527082A - ホウ素系化合物 - Google Patents

ホウ素系化合物

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JP2001527082A
JP2001527082A JP2000526521A JP2000526521A JP2001527082A JP 2001527082 A JP2001527082 A JP 2001527082A JP 2000526521 A JP2000526521 A JP 2000526521A JP 2000526521 A JP2000526521 A JP 2000526521A JP 2001527082 A JP2001527082 A JP 2001527082A
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diboron
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JP2000526521A
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マルカッシオ、セバスチャン、マリオ
ロドポウロス、メアリー
ウェイゴールド、ヘルムート
Original Assignee
コモンウエルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • C07F5/022Boron compounds without C-boron linkages

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(I)の二ホウ素誘導体、または式(II)の二ホウ素誘導体、または式(III)の二ホウ素誘導体(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随時置換されたアルケニル、随時置換されたアリール、随時置換されたシクロアルキル、随時置換されたシクロアルケニル、式−(RQ)(ここで、Qは、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシクロアルキレンから選択され、mは1〜3から選択される整数であり、各Rは独立に、随時置換されたC〜Cアルキレンであり、RはC〜Cアルキルまたは水素であり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである)の群、よりなる群から独立に選択され;各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、Rは水素もしくはC〜C12アルキルであるか、−NR、−NR、−NRおよび−NRの1つまたはそれ以上は、随時置換された5もしくは6員複素環基である)から独立に選択され;そしてA、AおよびAは、異なるかまたは異ならない2価の基である)に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ホウ素化合物、特に新規二ホウ素誘導体およびそこから調製される
有機ボロン酸(boronicacid)誘導体に関する。本発明はまたこれら
の誘導体の調整方法に関する。これらの二ホウ素誘導体および有機ボロン酸誘導
体は、有機化合物を共有結合させる方法における中間体として有用である。
【0002】 有機化合物の間に(分子間および分子内に)共有結合を形成する方法は、有機
合成化学者にとって特に重要である。このような反応の多くは既知であり、それ
ぞれの自身の特殊な反応条件、溶媒、触媒、環活性化基などを必要とする。一部
の既知のタイプの結合反応に、グリニャール反応、ヘック(Heck)反応およ
びスズキ(Suzuki)反応がある(エヌ・ミガウラ(N.Migaura)
とエー・スズキ(A.Suzuki)、Chem.Rev.1995,95:2
457−2483)。
【0003】 置換ビーおよびトリーアリール化合物は、製薬産業および農薬産業にとって非
常に重要である。非常に多くのこれらの化合物は、薬剤活性を有することがわか
っており、他の多くの化合物も有用な除草剤であることがわかっている。また有
機化合物を互いに結合させることにより調製されるポリマーについて、高分子産
業で興味がある。
【0004】 芳香環を共有結合するための従来法(例えば、適当なグリニャール試薬の反応
)は、厳しい条件を含み、活性水素含有置換基を有する芳香環には適さない。活
性水素原子を有する置換基はまた、好ましくない副反応に関与し、好ましくない
生成物を生成する。このような置換基は、反応前に保護する必要がある。スズキ
(Suzuki)反応に必要なボロン酸誘導体は、伝統的に非常に反応性の高い
有機金属中間体を介して合成されている。
【0005】 反応条件の厳しさを考慮すると、結合反応中に存在することができる置換基の
範囲は大幅に限定され、かつ有用な反応媒体(溶媒)の範囲は、高価で、除去が
困難で、および/または毒性のあるものに限定された。
【0006】 既知の結合反応に関連する困難さは、生成物の官能基の制御が限定され、分離
が困難になり得る複雑な混合物が得られることである。
【0007】 一部の公知の二ホウ素誘導体は比較的不安定な化合物であり、これは水溶液中
または空気にさらすと容易に分解する。このためにおよび化合物作成のが困難さ
認識されているために、化学反応におけるこれらの使用はあまり開発されていな
い。
【0008】 二ホウ素誘導体は、非常に安定で、かつ有機ボロン酸誘導体の調製において有
用であること、および二ホウ素誘導体の性質は、特定反応条件に適するようにま
たは適当な置換基の選択により特定生成物を提供するように、調整することがで
きることが、見いだされた。
【0009】 従って本発明の第1の面において、式(I)の二ホウ素誘導体:
【化7】
【0010】 (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随
時置換されたアルケニル、随時置換されたアリール、随時置換されたシクロアル
キル、随時置換されたシクロアルケニル、および式−(RQ)(ここで
、Qは、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシ
クロアルキレンから選択され、mは1〜3の整数であり、各Rは独立に、随時
置換されたC〜Cアルキレンであり、RはC〜Cアルキルまたは水素
であり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである)の群、よりなる
群から独立に選択され;そして
【0011】 各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、R
は水素もしくはC〜C12アルキルであるか、または−NR、−NR
、−NRおよび−NRの1つもしくはそれ以上は、随時置換
された5もしくは6員複素環基である)から独立に選択され;
【0012】 ただし、各XがOであり、かつR〜Rが同一である時、R〜Rは、非
置換直鎖アルキル、フェニルもしくはナフチル、イソプロピル、またはアルキル
で置換されたフェニルではなく;各XがN(C〜Cアルキル)である時、R
〜Rは、C〜Cアルキルではなく、−NR、−NR、−N
および−NRは、非置換ピペリジルまたは非置換ピロリジニルで
はなく;各XがNHである時、R〜Rは、C〜Cアルキルまたは非置換
フェニルではなく;そして−XRが−OCHであり、−XRが−N(CH
であり、−XRが−N(CHである時、−XRはOCHでは
ない)が提供される。
【0013】 本発明の第2の面において、式(II)の二ホウ素誘導体:
【化8】
【0014】 (式中、Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜2の整数であり
、Rは水素もしくはC〜C12アルキルである)から独立に選択され、A
とAは同じかまたは異なる2価の基であるが、ただし各XがOである時、A
とAは、非置換C〜Cアルキ レン、1,1,2,2−テトラメチルエチ
レン、2,2−ジメチルプロピレン、1,2−ジアルコキシカルボニルエチレン
、1,2−ジフェニルエチレン、1−フェニルエチレン、非置換フェニレンまた
はC〜Cアルキルでモノ−もしくはジ−置換されたフェニレンではなく;各
XがSまたはNMeである時、AとAの両方がエチレンではない)が提供さ
れる。
【0015】 好ましくはAとAは、随時置換されたアルキレン、随時置換されたアルケ
ニレン、随時置換されたアルキニレン、随時置換されたアリーレン、随時置換さ
れたアルキルアリーレン、随時置換されたシクロアルキレン、随時置換されたシ
クロアルケニレン、または式−(RQ)(ここで、Qは、O、S、NR
、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシクロアルキレンから選
択され、mは1〜3の整数であり、RとRは独立に、随時置換されたC
アルキレンであり、Rは水素またはC〜C12アルキルである)の群か
ら独立に選択される。2価基であるAとAは、融合した5または6員脂肪族
または芳香環を含有してもよい。
【0016】 本発明の第3の面において、式(III)の二ホウ素誘導体:
【化9】
【0017】 (式中、RとRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随時置換されたアル
ケニル、随時置換されたアルキニル、随時置換されたアリール、随時置換された
シクロアルキル、随時置換されたシクロアルケニル、式−(RQ)(こ
こで、Qは、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換され
たシクロアルキレンから選択され、mは1〜3から選択される整数であり、各R
は独立に、随時置換されたC〜Cアルキレンであり、Rは水素またはC
〜Cアルキルであり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである
)の群、よりなる群から独立に選択され;
【0018】 各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、R
は水素もしくはC〜C12アルキルであるか、または−NRおよび−
NRの1つもしくは両方は、随時置換された5もしくは6員複素環基であ
る)から独立に選択され;そして
【0019】 Aは2価の基であり; ただし、RとRがMeであり各XがNMeである時、Aは非置換エチレン
ではない)が提供される。
【0020】 好ましくはAは、随時置換されたアルキレン、随時置換されたアルケニレン、
随時置換されたアリーレン、随時置換されたシクロアルキレン、随時置換された
シクロアルケニレン、または式−(RQ)(ここで、Qは、O、S、N
、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシクロアルキレンから
選択され、mは1〜3の整数であり、RとRは独立に、随時置換されたC
〜C アルキレンであり、Rは水素またはC〜C12アルキルである)の群
から独立に選択される。2価基であるAとAは、融合した5または6員脂肪
族または芳香環または環系を含有してもよい。
【0021】 本発明はさらに、式(I)の二ホウ素誘導体:
【化10】
【0022】 または式(II)の二ホウ素誘導体:
【化11】
【0023】 または式(III)の二ホウ素誘導体:
【化12】
【0024】 (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随
時置換されたアルケニル、随時置換されたアリール、随時置換されたシクロアル
キル、随時置換されたシクロアルケニル、式−(RQ)(ここで、Qは
、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシクロア
ルキレンから選択され、mは1〜3から選択される整数であり、各Rは独立に
、随時置換されたC〜Cアルキレンであり、RはC〜Cアルキルまた
は水素であり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである)の群、よ
りなる群から独立に選択され;
【0025】 各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、R
は水素もしくはC〜C12アルキルであるか、−NR、−NR
、−NRおよび−NRの1つまたはそれ以上は、随時置換された5
もしくは6員複素環基である)から独立に選択され;そして
【0026】 A、AおよびAは、異なるかまたは異ならない2価の基であり; ここで、該誘導体は、1つまたはそれ以上のキラル中心を有し、エナンチオマ
ー過剰の1つの型がある)を提供する。
【0027】 好ましくはエナンチオマー過剰率は80%より多く、より好ましくは90%よ
り多い。
【0028】 上記定義において、単独または「アルケニルオキシアルキル」、「アルキルチ
オ」、「アルキルアミノ」、および「ジアルキルアミノ」のような複合語の中で
使用される用語「アルキル」とは、直鎖または分岐鎖のアルキル、好ましくはC
1−20アルキルを意味する。直接および分岐鎖アルキルの例には、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、アミル、イソアミル、sec−アミル、1,2−ジメチルプロピル
、1,1−ジメチル−プロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル、1−メチルペ
ンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、
2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、
1,3−ジメチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、1,1,2−トリ
メチルプロピル、ヘプチル、5−メトキシヘキシル、1−メチルヘキシル、2,
2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル
、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチル−
ペンチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,1,2−トリメチルブチル、1
,1,3−トリメチルブチル、オクチル、6−メチルヘプチル、1−メチルヘプ
チル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、1−,2−,3−,4−
,5−,6−または7−メチル−オクチル、1−,2−,3−,4−,または5
−エチルヘプチル、1−,2−または3−プロピルヘキシル、デシル、1−,2
−,3−,4−,5−,6−,7−および8−メチルノニル、1−,2−,3−
,4−,5−または6−エチルオクチル、1−,2−,3−,または4−プロピ
ルヘプチル、ウンデシル、1−,2−,3−,4−,5−,6−,7−,8−ま
たは9−メチルデシル、1−,2−,3−,4−,5−,6−または7−エチル
ノニル、1−,2−,3−,4−または5−プロピルオクチル、1−,2−また
は3−ブチルヘプチル、1−ペンチルヘキシル、ドデシル、1−,2−,3−,
4−,5−,6−,7−,8−,9−または10−メチルウンデシル、1−,2
−,3−,4−,5−,6−,7−または8−エチルデシル、1−,2−,3−
,4−,5−または6−プロピルノニル、1−,2−,3−または4−ブチルオ
クチル、1−2−ペンチルヘプチルなどがある。
【0029】 用語「アルキレン」は、上記で定義した2価アルキル基を意味する。
【0030】 用語「シクロアルキル」は、環状アルキル基、好ましくはC3−20シクロア
ルキルを意味する。シクロアルキルの例には、モノ−またはポリ環状アルキル基
(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなど)がある。
【0031】 用語「シクロアルキレン」は、上記で定義した2価シクロアルキル基を意味す
る。
【0032】 用語「アルケニル」は、エチレン性モノ−、ジ−またはポリ−不飽和アルキル
または上記で定義した基(好ましくはC2−20アルケニル)を含む直鎖または
分岐鎖のアルケンから形成される基を意味する。アルケニルの例には、ビニル、
アリル、1−メチルビニル、ブテニル、イソ−ブテニル、3−メチル−2−ブテ
ニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、1−ヘプテニル、3
−ヘプテニル、1−オクテニル、1−ノネニル、2−ノネニル、3−ノネニル、
1−デセニル、3−デセニル、1,3−ブタジエニル、1,4−ペンタジエニル
、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニルがある。
【0033】 用語「アルケニレン」は、上記で定義した2価アルケニル基を意味する。
【0034】 用語「シクロアルケニル」は、環状アルケン基、好ましくはC5−20シクロ
アルケニルを意味する。シクロアルケニルの例には、シクロペンテニル、メチル
シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、1,3−シクロペン
タジエニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シクロヘキサジエニル、
1,3−シクロヘプタジエニル、1,3,5−シクロヘプタトリエニルおよび1
,3,5,7−シクロオクタテトラエニルがある。
【0035】 用語「シクロアルケニレン」は、上記で定義した2価シクロアルケニル基を意
味する。
【0036】 用語「アリール」は、本明細書において最も広い意味で使用され、任意の芳香
環または環系(好ましくは3〜20炭素原子を有する)を意味する。環または環
系は、N、SおよびOから選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含有し
てもよい。芳香環は、炭素環、複素環または擬似芳香環でもよく、モノまたはポ
リ環系でもよい。適当な環の例には、特に限定されないが、ベンゼン、ビフェニ
ル、テルフェニル、クアテルフェニル、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、
1−ベンジルナフタレン、アントラセン、ジヒドロアントラセン、ベンズアント
ラセン、ジベンズアントラセン、フェナントラセン、ペリレン、ピリジン、4−
フェニルピリジン、3−フェニルピリジン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ナ
フトチオフェン、チアントレン、フラン、ピレン、イソベンゾフラム、クロメン
、キサンテン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、インドリジン、イソインドール、プ
リン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、プテ
リジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナン
トロリン、フェナジン、イソチアゾール、イソキサゾール、フェノキサジンなど
があり、これらはそれぞれ随時置換されてよい。用語「擬似芳香族」とは、厳密
に芳香族性ではないが、π電子の非局在化により安定化され、芳香環に似た挙動
をする環系を意味する。擬似芳香環の例には、特に限定されないが、フラン、チ
オフェン、ピロールなどがある。
【0037】 用語「脂肪族環または環系」とは、本明細書において、好ましくは3〜20個
の炭素原子を有する非芳香族炭素環または複素環または環系を意味する。環また
は環系は、1つまたはそれ以上の2重結合または3重結合を有してもよい。適当
な脂肪族環の例には、特に限定されないが、前記のシクロブタン、シクロペンタ
ジエン、シクロヘキサノン、シクロヘキセン、スピロ−[4,5−デカン]およ
び水素化または部分的水素化芳香環がある。
【0038】 用語「アリーレン」とは本明細書において、前記の2価「アリール」残基を意
味する。
【0039】 本明細書において「オレフィン」化合物とは、芳香族または擬似芳香族系の一
部ではない少なくとも1つの炭素−炭素2重結合を有する有機化合物を意味する
。オレフィン化合物は、随時置換された直鎖、分岐または環状アルケン;および
、少なくとも1つの炭素−炭素2重結合を有する分子、モノマーおよび巨大分子
(例えば、ポリマーおよびデンドリマー(dendrimer))から選択され
る。適当なオレフィン化合物の例には、特に限定されないが、エチレン、プロピ
レン、ブタ−1−エン、ブタ−2−エン、ペンタ−1−エン、ペンタ−2−エン
、シクロペンタン、1−メチルペンタ−2−エン、ヘキサ−1−エン、ヘキサ−
2−エン、ヘキサ−3−エン、シクロヘキセン、ヘプタ−1−エン、ヘプタ−2
−エン、ヘプタ−3−エン、オクタ−1−エン、オクタ−2−エン、シクロオク
テン、ノナ−1−エン、ノナ−4−エン、デカ−1−エン、デカ−3−エン、ブ
タ−1,3−ジエン、ペンタ−1,4−ジエン、シクロペンタ−1,4−ジエン
、ヘキサ−1,4−ジエン、シクロヘキサ−1,3−ジエン、シクロヘキサ−1
,4−ジエン、シクロヘプタ−1,3−ジエン、シクロヘプタ−1,3,5−ト
リエンおよびシクロオクタ−1,3,5,7−テトラエンがあり、これらの各々
は随時置換されてよい。好ましくは直鎖、分岐または環状アルケンは、2〜20
個の炭素原子を含有する。
【0040】 本明細書において「随時置換される」とは、ある基が、アルキル、アルケニル
、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニ
ル、ハロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキ
シ、アリールオキシアルキル、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニ
ルオキシ、ハロアリールオキシ、イソシアノ、シアノ、ホルミル、カルボキシル
、ニトロ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロアリ
ール、ニトロヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ア
ルケニルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジ
ルアミノ、イミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、ア
リールイミノ、ベンジルイミノ、ジベンジルアミノ、アシル、アルケニルアシル
、アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシル
オキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロシク
リル、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアミノ、ハロヘテロシクリル、アルキ
ルスルフェノル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオ
キシメルカプト、アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、スルホンアミド、
スルファニル、スルホおよびリン含有基から選択される1つまたはそれ以上の基
でさらに置換されても置換されなくてもよいことを意味する。
【0041】 2価の基A、AおよびAに関連して本明細書において使用される用語「融合
脂肪族または芳香環」とは、式I、IIまたはIIIの化合物のX残基を連結す
る1つまたはそれ以上の結合は、脂肪族または芳香環系の一部であることを意味
する。
【0042】 本明細書において用語「2価の基」とは、別の化学残基との結合に利用できる
2価を有する任意の基を意味する。適当な2価の基の例には、アルキレン、アル
ケニレン、シクロアルキレンなどがある。
【0043】 本明細書において用語「アシル」とは、カルバモイルを意味し、脂肪族アシル
基とアシル基は、ヘテロシクロアシル、好ましくはC1−20アシルと呼ばれる
。アシルの例には、カルバモイル;直鎖または分岐鎖アルカノイル、例えばホル
ミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタ
ノニル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタ
ノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノ
イル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノ
イル、オクタデカノイル、ノナデカノイル、およびイコサノイル;アルコキシカ
ルボニル、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカル
ボニル、t−ペンチルオキシカルボニルおよびヘプチルオキシカルボニル;シク
ロアルキルカルボニル、例えばシクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボ
ニル、シクロペンチルカルボニルおよびシクロヘキシルカルボニル;アルキルス
ルホニル、例えばメチルスルホニルおよびエチルスルホニル;アルコキシスルホ
ニル、例えばメトキシスルホニルおよびエトキシスルホニル;アロイル、例えば
ベンゾイル、トルオイルおよびナフトイル;アラルカノイル、例えばフェニルア
ルカノイル(例えば、フェニルアセチル、フェニルプロパノイル、フェニルブタ
ノイル、フェニルイソブチリル、フェニルペンタノイルおよびフェニルヘキサノ
イル)およびナフチルアルカノイル(例えば、ナフチルアセチル、ナフチルプロ
パノイル、およびナフチルブタノイル];アラルケノイル、例えばフェニルアル
ケノイル(例えば、フェニルプロペノイル、フェニルブテノイル、フェニルメタ
クリロイル、フェニルペンテノイルおよびフェニルヘキセノイルおよびナフチル
アルケノイル(例えば、ナフチルプロペノイル、ナフチルブテノイルおよびナフ
チルペンテノイル);アラルコキシカルボニル、例えばフェニルアルコキシカル
ボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル);アリールオキシカルボニル、例
えばフェノキシカルボニルおよびナフチルオキシカルボニル;アリールオキシア
ルカノイル、例えばフェノキシアセチルおよびフェノキシプロピオニル;アリー
ルカルバモイル、例えばフェニルカルバモイル;アリールチオカルバモイル、例
えばフェニルチオカルバモイル;アリールグリオキシロイル、例えばフェニルグ
リオキシロイルおよびナフチルグリオキシロイル;アリールスルホニル、例えば
フェニルスルホニルおよびナフチルスルホニル;ヘテロシクリックカルボニル;
ヘテロシクリックアルカノイル、例えばチエニルアセチル、チエニルプロパノイ
ル、チエニルブタノイル、チエニルペンタノイル、チエニルヘキサノイル、チア
ゾリルアセチル、チアジアゾリルアセチルおよびテトラゾリルアセチル;ヘテロ
シクリックアルケノイル、例えばヘテロシクリックプロペノイル、ヘテロシクリ
ックブテノイル、ヘテロシクリックペンテノイル、およびヘテロシクリックヘキ
セノイル;およびヘテロシクリックグリオキシロイル、例えばチアゾリルグリオ
キシロイルおよびチエニルグリオキシロイルがある。
【0044】 二ホウ素誘導体は、ブロサートン(Brotherton)らの方法に従って
作成される[アール・ジェイ・ブロサートン(R.J.Brotherton)
、エー・エル・マクロスキー(A.L.McCloskey)、エル・エル・ピ
ーターソン(L.L.Peterson)およびエイチ・スタインバーグ(H.
Steinberg)、J.Amer.Chem.Soc.82:6242(1
960);アール・ジェイ・ブロサートン(R.J.Brotherton)、
エー・エル・マクロスキー(A.L.McCloskey)、ジェイ・エル・ブ
ーン(J.L.Boone)およびエィチ・エム・マナセビット(H.M.Ma
nasevit)、J.Amer.Chem.Soc.82:6245(196
0)]。この方法では、BClとNHMeとの反応により得られるB(NM
は、化学量論量のBBrとの反応によりBrB(NMeに変換
される。還流トルエン中で金属ナトリウムで還元すると、二ホウ素化合物[B(
NMeが得られ、これは蒸留後、化学量論量(4当量)のHClの存
在下でアルコール(例えば、ピナコールまたはネオペンタンジオール)と反応さ
せて、所望のエステル生成物を得ることができる。
【0045】 多くのアルコールではこの反応は満足できるものではなく、反応は遅く、無水
の鉱酸(4当量)を反応物に加えない場合は、アミンの完全な除去は困難である
【0046】 本発明の1つの面は、ジボロン酸(テトラヒドロキシジボロン)とアルコール
(ジオールとポリオールを含む)との反応により、ほぼ定量的収率でテトラヒド
ロキシジボロンのエステルを容易に合成することができ、この反応は酸の存在を
必要としないという発見である。さらにテトラヒドロキシジボロンとある種のジ
オールとの反応は、メタノールまたはエタノールのような単純なモノアルコール
の存在下で、これらのモノアルコールは最終反応生成物中に取り込まれることな
く、有利に行うことができる。モノアルコールの存在下でのこれらの反応は、こ
れらのモノアルコールのテトラヒドロキシジボロンエステルは、ジオールと容易
にエステル交換反応して、ホウ素原子上で環構造を形成することができることを
示す。エステル交換は、テトラヒドロキシジボロンのエステルの産生ためのさら
なる方法である。これらの反応は、種々の溶媒またはこれらの混合物中で行うこ
とができる。
【0047】 従って本発明のさらなる面において、ジボロン酸がジオールまたはポリオール
と反応して二ホウ素誘導体を産生するような時間かつ条件下で、ジボロン酸を適
当なモノアルコール、ジオールまたはポリオールと接触させることを含んでなる
、ジボロン酸エステルの調製方法が提供される。
【0048】 文献の方法と異なり本発明のこの面に従う方法は、酸感受性アルコールを用い
るテトラヒドロキシジボロンエステルの合成に応用することができる。得られる
生成物はその塩基性官能基上で部分的または完全にプロトン化しているため、塩
基性官能基を有するアルコールを用いてテトラヒドロキシジボロンエステルを合
成することは、公知の文献を使用する場合困難である。本発明のこの面に従う方
法は、この本質的問題がない。
【0049】 先行技術の方法では、純粋な生成物を得るために副産物であるアミンの酸塩を
除去する必要がある。本方法の大きな利点は、得られる生成物が充分に純粋であ
り、一般的にさらに精製することなく使用することができる。
【0050】 本発明の二ホウ素誘導体は、有機ボロン酸誘導体の調製において有用であり、
および適当な置換基と反応物質の選択により、二ホウ素誘導体を使用して、有機
結合反応において有用な有機ボロン酸誘導体を形成することができる。
【0051】 有機ボロン酸誘導体は一般に、第VIII族の金属触媒の存在下で本発明の二
ホウ素誘導体と有機化合物との反応により調製することができる。このような反
応に参加するためには、有機化合物はホウ素反応部位を持っていなければならな
い。
【0052】 このホウ素反応部位は、有機化合物上のハロゲンもしくはハロゲン様置換基、
炭素−炭素2重結合もしくは3重結合、またはアリル位に存在する脱離基でもよ
い。
【0053】 ハロゲンもしくはハロゲン様置換基およびアリル脱離基の場合、二ホウ素誘導
体は、置換反応でこの基を置換して、有機ボロン酸誘導体を生成する。白金や類
似の触媒の存在下で炭素−炭素2重結合および3重結合を用いる反応の場合、二
ホウ素化合物は、2重結合または3重結合を介して付加反応を受けて、隣接炭素
原子上にホウ素エステルが存在する生成物を生成する傾向がある。
【0054】 用語「ハロゲン様置換基」および「擬似ハロゲン化物」とは、有機化合物上に
存在するなら、第VIII金属触媒と塩基の存在下で二ホウ素誘導体と反応して
、有機ボロン酸誘導体を与える。好適なハロゲン置換基には、IとBrがある。
Clを使用してもよいが、Clは一般に、二ホウ素化合物による置換に対して反
応性が低い。クロロ置換有機化合物の反応性は、第VIII族金属触媒上の適当
なリガンドを選択することにより上昇させることができる。ハロゲン様置換基の
例には、トリフレートおよびメシレート、ジアゾニウム塩、リン酸塩、およびP
alladium Reagents & Catalysts(ジェイ・ツジ
(J.Tsuji)のInnovations in Organic Syn
thesis、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley a
nd Sons)、1995,ISBN 0−471−95483−7)に記載
のようなものがある。
【0055】 本明細書において用語「脱離基」とは、ボロン酸残基により置換され得る化学
基を意味する。適当な脱離基は、当業者には明らかであり、ハロゲンやハロゲン
様置換基がある。
【0056】 ジボロン酸エステルの調製が行われる温度は、多くの要因(例えば、所望の反
応速度、選択された溶媒中の反応物の溶解度と反応性、溶媒の沸点など)に依存
する。反応の温度は、一般に−100〜200℃の範囲である。好適な実施態様
において、本方法は、0〜80℃、より好ましくは15〜40℃の温度で行われ
る。
【0057】 キラルジボロン酸誘導体は、キラル性が保存される条件下でキラル出発物質ま
たは中間体から調製されるか、または分離工程が必要なラセミ体を介して調製し
てもよい。エナンチオマーの分離は、従来のクロマトグラフィー法(キラルクロ
マトグラフィー)、酵素的分離、または分離剤の使用により行われる。個々のキ
ラル型はまた、本発明の一部である。
【0058】 もしエナンチオマー過剰の異性体があるなら、キラル中心を含有する二ホウ素
誘導体は、キラル化合物のエナンチオマーの調製において特に有用である。この
点で、1つまたはそれ以上のキラル中心を有する二ホウ素化合物、およびエナン
チオマー過剰の1つのエナンチオマーを、ホウ素反応部位を有する有機化合物と
反応させて、キラル性が保存された有機ボロン酸エステル誘導体を産生すること
ができる。キラル有機ボロン酸誘導体は、次に別の有機化合物と反応させて、新
しいキラル中心(その立体構造は、キラル有機ボロン酸誘導体の立体構造により
誘導される)を産生してもよい。キラル有機ボロン酸誘導体と反応する適当な有
機化合物には、アルデヒドおよび非対象ケトンがあり、カルボニルでの反応は新
しいキラル中心を生み出す。また、芳香族ボロン酸誘導体中間体を介して立体障
害を受けた芳香環を結合させて、キラルビアリール化合物(芳香環を結合する結
合の周りの制限された回転により、らせん面が維持される(アトロピズム(at
ropism)とも呼ぶ)が得られる。
【0059】 本発明の特に好適な実施態様において、二ホウ素誘導体は、適当な二ホウ素反
応物を、キラルジオール(例としてピナンジオール)、酒石酸ジイソプロピル、
および糖(例えば、マンノースまたはガラクトース、およびcis−ヒドロキシ
基またはホウ素と結合するように適切に配向した他のヒドロキシ基を含有する同
様の糖)とを反応させることにより調製される。次にキラル二ホウ素誘導体は、
ホウ素反応部位を有する適当な有機化合物と反応して、キラル有機ボロン酸誘導
体を生成する。これらは、立体特異的に、有機化合物と反応して、新しいキラル
中心を形成する。
【0060】 ホウ素原子の1つとさらに配位結合することができるR〜R、A、A
またはA置換基を選択することにより、ホウ素−ホウ素結合を活性化すること
もできる。そのような基は、ホウ素原子に電子密度を供給することができる、電
子の多い置換基または原子を含むであろう。電子の多い原子の例には、酸素、窒
素およびイオウがある。
【0061】 ジボロン酸の公知のピナコールエステルを使用して有機ボロン酸を産生するこ
との難しさは、ピナコールエステルを切断して対応する有機ボロン酸を得ること
が困難であることにある。本発明の他のエステルは、ピナコールエステルより容
易に加水分解することが見いだされている。X残基に対して炭素α上の芳香環を
含有するエステルは、対応するボロン酸を切断することが驚くほど容易である。
ベンジルエステル誘導体は、この目的に特に有用である。
【0062】 置換基を選択して、以後の反応が行われるべき特定の溶媒中の二ホウ素誘導体
の溶解度を改善することもできる。二ホウ素化合物の水溶性は、R〜R、A
、A、およびA置換基中に極性基(例えば、ヒドロキシ基)を導入すること
により上昇させることができる。同様に、所望の有機溶媒中の二ホウ素化合物の
溶解度を上昇させる置換基を選択することができる。
【0063】 本発明の新規ジボロン酸誘導体から調製されるボロン酸エステル誘導体の多く
はまた新規であり、本発明のさらなる面を構成する。
【0064】 これらの有機ボロン酸誘導体は、前記したように、1つまたはそれ以上のホウ
素反応部位を有する有機化合物と反応して、結合生成物を与える。これらの結合
反応は一般に、第VIII族金属触媒と適当な塩基の存在下で行われる。
【0065】 本発明の方法と化合物はまた、さらなる反応または転位に参加することができ
る反応性中間体の調製に有用である。これらの反応性中間体は、有機ボロン酸誘
導体または結合生成物でもよい。例えば有機ボロン酸誘導体は、Chem.Re
v.1995,95:2457−2483でミヤウラ(Miyaura)とスズ
キ(Suzuki)が記載した有機ホウ素化合物の白金触媒反応の1つまたはそ
れ以上に参加する。本発明の二ホウ素誘導体が有用である他のタイプの反応の例
は、同時係属出願PCT/AU98/00245およびPCT/AU98/00
476に記載されている。
【0066】 本発明を、本発明のいくつかの好適な実施態様を例示する以下の例を参照して
説明する。以下の説明は、本発明の前記説明の一般性に取って代わるものではな
いことは理解されたい。
【0067】 例 一般的方法
【0068】 一般的方法A 2当量のジオールを、窒素下で無水ジエチルエーテル中のテトラキス(ジメチ
ルアミノ)ジボロンの溶液に加える。反応混合物を磁石で攪拌し、氷浴で冷却後
、1時間かけて塩酸(4当量)の無水エーテル溶液を加える。室温で一晩攪拌後
、反応混合物をろ過し、集めた固体を熱ベンゼン(2X)で抽出して、ジメチル
アミン塩酸塩を除去する。エーテルろ液とベンゼン抽出物を、真空下で乾燥する
。次に得られる生成物を一緒にし、ベンゼン/石油エキス(60〜80℃)から
再結晶し、真空下で乾燥する。
【0069】 一般的方法B 2当量のジオールをベンゼン中のジボロン酸に加え、ディーンスターク(De
an−Stark)装置を使用して反応混合物を24時間加熱還流する。形成し
た水からベンゼン溶液を分離し、乾燥し、真空下で乾燥してジボランエステルを
得る。エタノールまたはメタノールのようなモノアルコールを加えて、この操作
を増強することができる。
【0070】 一般的方法C 2当量のジオールをテトラヒドロフラン中のジボロン酸に加える。無水硫酸ナ
トリウムのような脱水剤を加えて、反応混合物を室温で一晩攪拌する。次に溶液
をろ過し、ろ液を真空下で乾燥してジボロン酸エステルを得る。エタノールまた
はメタノールのようなモノアルコールを加えて、この操作を増強することができ
る。満足できる収率を得るのに、脱水剤の存在は必ずしも必要ではない。
【0071】例1 (4R,4’R,5R,5’R)−テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−
ジオキサボロラン
【化13】
【0072】 このジボロン酸エステルは、(2R,3R)−(−)−2,3−ブタンジオー
ルを使用して一般的方法Aに従って調製する。H−nmr(CDCl,20
0MHz):δ 1.22(6H,マルチプレット;CHC )と4.00(
2H,マルチプレット;CCH)。
【0073】例2 1,1,2,2−テトラキス(2−メトキシエチルオキシ)ジボラン
【化14】
【0074】 このジボロン酸エステルは、2−メトキシ−エタノールを使用して一般的方法
Aに従って調製する。H−nmr(CDCl,200MHz):δ 3.3
6(3H,シングレット;C )、3.42−3.51(2H,マルチプレッ
ト;BOC )および3.62−3.71(2H,マルチプレット;C
)。
【0075】例3 ビス((1S,2S,3R,5S)−(+)−ピナンジオラト)(ジボロン(B
−B)
【化15】
【0076】 このジボロン酸エステルは、(1S,2S,3R,5S)−(+)−ピナンジ
オールを使用して一般的方法Aに従って調製する。収率98%。H−nmr(
CDCl,200MHz):δ 0.77(シングレット,3H;C
)、1.01−1.13(ダブレット,2H;C)、1.20(3H,シ
ングレット;C )、1.87−1.91(2H,マルチプレット;C
)、1.92−2.31(3H,マルチプレット;C COとCCO
)および4.15−4.26(1H,マルチプレット;CO)。
【0077】例4 (4R,4’R)−ジフェニル−2,2−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン
【化16】
【0078】 このジボロン酸エステルは、(R)−(−)−1−フェニル−1,2−エタン
ジオールを使用して一般的方法Aに従って調製する。収率88%。H−nmr
(CDCl,200MHz):δ 3.90−4.01(1H,トリプレット
;CHC)、4.42−4.57(1H,トリプレット;C C)および7
.10−7.31(5H,マルチプレット;Ar)。13C−nmr(CDC
,200MHz):δ 72.73(1C;)、78.78(1C;
Ph)、125.71(2C;m−)、128.17(1C;p−)、1
28.70(2C;o−)および140.65(1C;−O)。
【0079】例5 4,4’−ビ−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2’−ビ−1,3
,2−ジオキサボロラン
【化17】
【0080】 このジボロン酸エステルは、3−(4−メトキシフェノキシ)−1,2−プロ
パンジオールを使用して一般的方法Aに従って調製する。収率70%。13C−
nmr(D−DMSO、200MHz):δ 55.27、66.50,70
.00,70.74,74.80,114.51,115.45,152.30
および153.60。
【0081】例6 2,2’−ビ−(3aR,7aS)ヘキサヒドロ−1,3,2−ベンゾジオキサ
ボロール
【化18】
【0082】 このジボロン酸エステルは、cis−1,2−シクロヘキサンジオールを使用
して一般的方法Aに従って調製する。収率65%。H−nmr(CDCl
200MHz):δ 1.20−2.00(マルチプレット,8H;C )お
よび4.30(マルチプレット,2H;C)。
【0083】例7 テトライソプロピル(4R,4’R,5R,5’R)−2,2’−ビ−1,3,
2−ジオキサボロラン−4,4’,5,5’−テトラカルボキシレート
【化19】
【0084】 このジボロン酸エステルは、L−酒石酸ジイソプロピルを使用して一般的方法
Aに従って調製する。収率、定量的。H−nmr(CDCl、200MHz
):δ 1.10−1.30(マルチプレット,28H;CCHおよびC )および4.30(シングレット,4H;OC)。
【0085】例8 (3aR,3’aR,6aS,6’aS)−ジ−(テトラヒドロ−3aH−シク
ロペンタ[d])−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン
【化20】
【0086】 このジボロン酸エステルは、cis−1,2−シクロペンタジオールを使用し
て一般的方法Aに従って調製する。収率、78%。H−nmr(CDCl
200MHz):δ 1.40−1.61(マルチプレット,4H;OCHC )、1.75−2.00(マルチプレット,2H;CH CH)およ
び4.80(マルチプレット,2H;OC)。
【0087】例9 (3R,6S,3’R,6’S)−ジ−(テトラヒドロフロ[3,4−d])−
2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン
【化21】
【0088】 このジボロン酸エステルは、1,4−アンヒドロエリトリトールを使用して一
般的方法Aに従って調製する。収率、78%。H−nmr(CDCl、20
0MHz):δ 3.40−3.50(マルチプレット,2H;OCH)、4
.00−4.14(マルチプレット,2H;CH)および4.90(マルチプ
レット,2H;OC)。
【0089】例10 4,4’−ビス(メトキシメチル)−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロ
ラン
【化22】
【0090】 このジボロン酸エステルは、3−メトキシ−1,2−プロピルジオールを使用
して一般的方法Aに従って調製する。収率、96%。H−nmr(CDCl
、200MHz):δ 3.23(シングレット,6H;OC )、3.30
−3.40(マルチプレット,4H;CHOCH)、3.80−3.95(
マルチプレット,2H;CHOCH)、4.10−4.20(トリプレット
,2H;C OB)および4.40−4.50(マルチプレット,2H;OC
)。
【0091】例11 2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボレパン
【化23】
【0092】 このジボロン酸エステルは、1,4−ブタンジオールを使用して一般的方法A
に従って調製する。H−nmr(D−DMSO、200MHz):δ 1.
36−1.42(マルチプレット,4H;CH CH)、および3.3
6(マルチプレット,4H;CHO)。
【0093】例12 5,5’−ジヒドロキシメチル−5,5’−ジメチル−2,2’−ビ−1,3,
2−ジオキサボリナン
【化24】
【0094】 このジボロン酸エステルは、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン
を使用して一般的方法Cに従って調製する。収率、90%。H−nmr(d
−dmso、200MHz):δ 0.79(シングレット,6H;2×C
)、3.21−3.75(マルチプレット、12H;6×C O)、および4
.76(トリプレット,2H;2×O)。F.W.:C1020
理論値=257.89,実測値m/z 259(M+1)。
【0095】例13 ビス(1R,2R,3S,5R−(−)−ピナンジオラト)ジボロン(B−B)
【化25】
【0096】 このジボロン酸エステルは、1R,2R,3S,5R−(−)−ピナンジオー
ルを使用して一般的方法Aに従って調製する。収率、77%。H−nmr(C
DCl、200MHz):δ 0.84(シングレット,6H;2×C
、1.08−1.14(ダブレット、2H;2×C)、1.28(シング
レット,6H;2×C )、1.39(シングレット,6H;2×C
CO)1.87−1.97(マルチプレット、4H;2×C )、2.0
4−2.37(マルチプレット、6H;2×C COと2×CCO)および
4.24−4.29(マルチプレット、2H;2×CO)。F.W.:C
2032の理論値=358.09,実測値m/z 359(M+1)
【0097】例14 2,2’−ビ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサボリニン
【化26】
【0098】 このジボロン酸エステルは、2−ヒドロキシベンジルアルコールを使用して一
般的方法Cに従って調製する。収率、77%。H−nmr(CDCl、20
0MHz):δ 5.12(シングレット,4H;2×ArC )、6.91
−7.26(マルチプレット、8H;2×Ar)。F.W.:C1412
の理論値=265.87,実測値m/z 267(M+1)。
【099】例15 4,4’−ビ−(フェノキシメチル)−2,2’−1,3,2−ジオキサボロラ
【化27】
【0100】 このジボロン酸エステルは、3−フェノキシ−1,2−プロピルジオールを使
用して一般的方法Aに従って調製する。収率、71%。H−nmr(CDCl
、200MHz):δ 3.96−4.41(マルチプレット、8H;4×C
O)、4.74−4.86(マルチプレット、2H;2×OC)および6
.86−7.34(マルチプレット、10H;2×OAr)。F.W.:C
20の理論値=353.97,実測値m/z 355(M+1)。
【0101】例16 4,4,4’,4’,6,6’−ヘキサメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジ
オキサボリナン
【化28】
【0102】 このジボロン酸エステルは、2−メチル−2,4−ペンタンジオールを使用し
て一般的方法Aに従って調製する。収率、71%。H−nmr(CDCl
200MHz):δ 1.18−1,32(マルチプレット、18H;6×C )、1.44−1.56(マルチプレット2H;2×CHC)、1.69−
1.78(マルチプレット、2H;2×HCC)、および4.07−4.22
(マルチプレット、2H;2×OC)。F.W.:C1224の理
論値=253.94,実測値m/z 255(M+1)。
【0103】例17 5,5,5’,5’−テトラエチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボリ
ナン
【化29】
【0104】 このジボロン酸エステルは、2,2−ジエチル−1,3−プロピルジオールを
使用して一般的方法Aに従って調製する。収率、79%。H−nmr(CDC
、200MHz):δ 0.75−0.82(トリプレット、12H;4×
)、1.25−1.37(カルテット、8H;4×C CH)、およ
び3.69(シングレット、8H;4×C O)。F.W.:C1428
の理論値=282.00、実測値m/z 283(M+1)。
【0105】例18 4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロ
ラン
【化30】
【0106】 このジボロン酸エステルは、2,3−ブタンジオールを使用して一般的方法A
に従って調製する。H−nmr(CDCl、200MHz):δ 1.10
−1.28(シングレット、12H;4×C )、および4.42−4.52
(マルチプレット、4H;4×C)。
【0107】例19 4,4’−ジメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボリナン
【化31】
【0108】 このジボロン酸エステルは、1,3−ブタンジオールを使用して一般的方法A
に従って調製する。収率、94%。H−nmr(CDCl、200MHz)
:δ 1.21−1.25(ダブレット、6H;2×C )、1.56−1.
94(マルチプレット、4H;2×CH CH)、および3.81−4.
14(マルチプレット、6H;2×OC と2×OC)。F.W.:C
16の理論値=197.83、実測値m/z 199(M+1)。
【0109】例20 5,5’−ジメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボリナン
【化32】
【0110】 このジボロン酸エステルは、2−メチル−1,3−プロピルジオールを使用し
て一般的方法Aに従って調製する。収率、96%。H−nmr(CDCl
200MHz):δ 0.80−0.84(ダブレット、6H;2×C )、
1.97−2.17(マルチプレット、2H;2×CCH)、3.43−3
.57(トリプレット、4H;4×CHCCH)、および3.87−3.9
5(マルチプレット、4H;4×HCCCH)。F.W.:C16
の理論値=197.83、実測値m/z 199(M+1)。
【0111】例21 ビ−(ジナフト[2,1−d:1,2−f])−2,2’−ビ−1,3,2−ジ
オキサボレピン
【化33】
【0112】 このジボロン酸エステルは、1,1’−ビス−2−ナフトールを使用して一般
的方法Aに従って調製する。H−nmr(CDCl、200MHz):δ
6.90−6.95(マルチプレット、2H;Ar)、7.12−7.34(
マルチプレット、6H;Ar)、および7.83−7.99(マルチプレット
、2H;Ar)。
【0113】例22 6,6’−ジエチル−2,2’−ビ−1,3,6,2−ジオキサアザボロカン
【化34】
【0114】 このジボロン酸エステルは、N−エチルジエタノールアミンを使用して一般的
方法Cに記載の方法と類似の方法に従って調製するが、この場合、反応の初期段
階で硫酸ナトリウムを加え、混合物を加熱還流する。H−nmr(200MH
z;CDCl):δ 1.15−1.23(トリプレット、6H;2×C
)、2.88−2.91(マルチプレット、12H;6×C N)、および3
.83−3.85(マルチプレット、8H;4×OC )。
【0115】例23 6,6’−ジメチル−2,2’−ビ−1,3,6,2−ジオキサアザボロカン
【化35】
【0116】 このジボロン酸エステルは、N−メエチルジエタノールアミンを使用して一般
的方法Bに従って調製する。H−nmr(200MHz;CDCl):δ
2.51(トリプレット、6H;C )、2.79−3.35(マルチプレッ
ト、8H;4×C N)、および3.76−3.94(マルチプレット、8H
;4×C O)。
【0117】例24 5,5,5’,5’−テトラフェニル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボ
リナン
【化36】
【0118】 このジボロン酸エステルは、2,2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール
を使用して一般的方法Aに従って調製する。H−nmr(CDCl,200
MHz):δ 4.48(シングレット、8H;C O)、および7.13−
7.31(マルチプレット、20H;Ar)。
【0119】例25 4,4,4’,4’,7,7,7’,7’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,
3,2−ジオキサボレパン
【化37】
【0120】 このジボロン酸エステルは、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールを
使用して一般的方法Aに従って調製する。H−nmr(CDCl,200M
Hz):δ 1.27(シングレット、24H;C )、および1.77(シ
ングレット、8H;C )。
【0121】例26 1,1,2,2−テトラキス(ネオペンチルオキシ)ジボラン
【化38】
【0122】 このジボロン酸エステルは、ネオペンチルアルコールを使用して一般的方法A
に従って調製する。H−nmr(CDCl,200MHz):δ 0.93
(シングレット、36H;C )および3.62(シングレット、8H;C )。F.W.:C2044の理論値=370.19,実測値(GC
MS)m/z=371(M+1)。
【0123】例27 (4S,4’S,5S,5’S)−テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−
ジオキサボロラン
【化39】
【0124】 このジボロン酸エステルは、(2S,3S)−(+)−2,3−ブタンジオー
ルを使用して一般的方法Aに従って調製する。収率、定量的。H−nmr(C
DCl,200MHz):δ 1.30(シングレット、6H;C )、1
.33(シングレット、6H、C )および3.99(マルチプレット、4H
;C)。F.W.:C16の理論値=197.83,実測値(G
CMS)m/z=199(M+1)。
【0125】例28 テトラブチル(4R,4’R,5R,5’R)−2,2’−ビ−1,3,2−ジ
オキサボロラン−4,4’,5,5’−テトラカルボキシレート
【化40】
【0126】 このジボロン酸エステルは、L−酒石酸ジブチルを使用して一般的方法Aに従
って調製する。収率、93%。H−nmr(CDCl,200MHz):δ
0.89−0.98(マルチプレット、12H;C )、1.27−1.47
(マルチプレット、8H;C CH)、1.58−1.72(マルチプレッ
ト、8H;CH CH)、4.15−4.25(マルチプレット、8H
;C O)および4.92(シングレット、4H;CCO)。GCMSに
より所望の化合物が検出された。
【0127】例29 (4R,4’R,5R,5’R)−N,N,N4’,N4’,N,N
5’,N5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン
−4,4’,5,5’−テトラカルボキサミド
【化41】
【0128】 このジボロン酸エステルは、N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸
アミドを使用して一般的方法Aに従って調製する。収率、74%。H−nmr
(CDCl,200MHz):δ 2.90(シングレット、12H;NC )、3.14(シングレット、12H;NC )および5.54(シングレ
ット、4H;CC=O)。
【0129】例30 4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボリ
ナン
【化42】 の合成
【0130】 ジオールである2−メチル−2,4−ジヒドロキシブタン(1.04g、1m
mol)は、25ml無水THF中で室温でジボロン酸(0.45g、0.5m
mol)と反応させた(脱水剤なしの方法C)。ジボロン酸は急速に溶解して、
無色の清澄な溶液が得られた。酢酸エチルで希釈した反応溶液の少量のアリコー
トのgcは、面積比2:98の2つだけのピークを示した。弱いピークは、ジオ
ールの保持時間に対応した。減圧下で反応溶液から溶媒を除去すると、生成物の
エステルが白色の固体として得られた。H−nmr(CDCl):δ 1.
30(s、12H)、1.78(t、J=5.8Hz、4H)、3.98(t、
J=5.8Hz)4H)。
【0131】例31 4,4,4’,4’,6,6,6’,6’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,
3,2−ジオキサボリナン
【化43】 の合成
【0132】 ジオールである2,4−ジメチル−2,4−ジヒドロキシペンタン(1.32
g、1mmol)を、25ml無水THF中で室温でジボロン酸(0.45g、
0.5mmol)と反応させた(脱水剤なしの方法C)。ジボロン酸は溶解して
、無色の清澄な溶液が得られた。酢酸エチルで希釈した反応溶液の少量のアリコ
ートのgcは、面積比4:95の2つだけのピークを示した。弱いピークは、ジ
オールの保持時間に対応した。減圧下で反応溶液から溶媒を除去すると、生成物
のエステルが白色の固体として得られた。H−nmr(D−DMSO):δ
1.25(s、24H)、1.77(s、4H)。
【0133】例32 3,3’−ビ−1,5−ジヒドロ−2,4,3−ベンゾジオキサボレピン
【化44】 の合成
【0134】 ジオールである1,2−ベンゼンジメタノール(1.38g、1mmol)を
、25ml無水THF中で室温でジボロン酸(0.45g、0.5mmol)と
反応させた(脱水剤なしの方法C)。大部分のジボロン酸が溶解した後、反応液
を数時間50〜55℃に加温し、次に濾過することにより、清澄な無色の溶液が
得られた。減圧下で化合物から溶媒を除去して、白色の軟質の化合物が得られた
H−nmr(CDCl)では、3つのブロードなピークがδ4.74、4
.89、5.01に、シャープなシングレットが5.10(全部で8H)に、そ
して2つのマルチプレットが7.22と7.28(全部で8H)に得られた。ブ
ロードなピークは、CDCl溶液を冷却するとシャープになったが、これはお
そらく所望の化合物の異性体によるものである。
【0135】 室温でのエステルの形成は、THF中よりもエタノール中でかなり速く、全て
のジボロン酸(0.45g、0.5mmol)が数分以内にジオールである1,
2−ベンゼンジメタノール(1.38g、1mmol)と反応し、次いで溶媒を
添加(25ml)すると、清澄な無色の溶液が得られる。これを室温で撹拌して
、次に減圧下で溶媒を除去した。この物質に数時間10−7〜10−6mmHg
の圧力と約40℃の温度をかけると、エタノールを含まない(H−nmr)白
色の硬質の固体が得られた。H−nmr(CDCl):δ 4.73(s)
、5.09(s)(強度比1:4.3、全部で8H)、および7.23と7.3
2(全部で8H)。δ4.73と7.31のピークは弱く、リガンドが2つのホ
ウ素原子を架橋している、生成物の異性体によるものであろう。
【0136】例33 4,4,4’,4’,5,5’−ヘキサメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジ
オキサボロラン
【化45】
【0137】 このジボロン酸エステルは、2−メチル−2,3−ブタンジオールを使用して
一般的方法Aに従って調製する。H−nmr(CDCl,200MHz):
δ 0.75−1.18(マルチプレット、C とC)。F.W.:C10
20の理論値=225.89、実測値(GCMS)m/z=226(
M+1)。
【0138】例34 4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロ
ラン
【化46】
【0139】 このジボロン酸エステルは、2−メチルプロパン−1,2−ジオールを使用し
て一般的方法Aに従って調製する。H−nmr(CDCl,200MHz)
:δ 1.22(シングレット、12H;C )および3.73(シングレッ
ト、4H;C )。F.W.:C16の理論値=197.83,
実測値(GCMS)m/z=198(M+1)。
【0140】
【表1】
【0141】 本明細書および請求の範囲を通して、他に記載がなければ、「含む」という用
語、またはその変化形「含んでなる」は、記述の整数または整数の群を含むこと
を意味するのであって、他の整数または整数の群を排除するものではないと理解
されたい。
【0142】 当業者であれば、本明細書に記載される発明が、具体的に記載される発明以外
の変更や修飾を受けることを認めるであろう。本発明は、そのような全ての変更
と修飾を含むと理解されたい。本発明はまた、個別または集合的に、本明細書に
参照するかまたは示される、全ての工程、特色、組成物および化合物、並びに任
意の2つまたはそれ以上の該工程または特色のいずれかのおよび全ての組合せを
含む。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年10月11日(1999.10.11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随
時置換されたアルケニル、随時置換されたアリール、随時置換されたシクロアル
キル、随時置換されたシクロアルケニル、および式−(RQ)(ここで
、Qは、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシ
クロアルキレンから選択され、mは1〜3の整数であり、各Rは独立に、随時
置換されたC〜Cアルキレンであり、RはC〜Cアルキルまたは水素
であり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである)の群、よりなる
群から独立に選択され;そして 各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、R
は水素もしくはC〜C12アルキルであるか、または−NR、−NR
、−NRおよび−NRの1つもしくはそれ以上は、非置換ピ
ペリジルおよび非置換ピロリジル以外の、随時置換された5もしくは6員複素環
基である)から独立に選択され; ただし、各XがOであり、かつR〜Rが同一である時、R〜Rは、ア
セチル、非置換直鎖アルキル、シクロアルキル、フェニルもしくはナフチル、イ
ソプロピル、フェニルで置換されたアルキル、またはアルキルで置換されたフェ
ニルではなく; 各XがN(C〜Cアルキル)である時、R〜Rは、C〜Cアルキ
ルではなく; 各XがNHである時、R〜Rは、C〜Cアルキルまたは非置換フェニ
ルではなく; −XRが−OCHであり、−XRが−OCHであり、−XRが−N
(CHであり、そして−XRが−N(CHである時、−XR
、−N(CHであり、−XRは、OCHではなく; XR、XRおよびXRがそれぞれ−N(CHである時、XR
、OCHCHではなく; XRおよびXRがそれぞれ−N(CHである時、XRおよびXR
は、両方とも−NH(非置換フェニル)ではなく; 各XがSであり、かつR〜Rが同一である時、各R〜Rは、CH
はなく;そして NR〜NRが同一である時、それぞれは、ピラゾリルではない)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【化2】 (式中、Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜2の整数であり
、Rは水素もしくはC〜C12アルキルである)から独立に選択され、A
とAは同じかまたは異なる2価の基であるが、 ただし各XがOである時、AとAは、非置換C〜Cアルキレン、1,
1,2,2−テトラメチルエチレン、1,2−ジエチルエチレン、2,2−ジメ
チルプロピレン、1−フェニルプロピレン、2−フェニルプロピレン、1,2−
ジアルコキシカルボニルエチレン、1,2−ジフェニルエチレン、1−フェニル
エチレン、非置換フェニレンまたはC〜Cアルキルでモノ−もしくはジ−置
換されたフェニレンではなく; 各XがS、NHまたはNMeである時、AとAは、両方がエチレンである
ことはなく; 各XがSである時、AとAは、両方が非置換フェニレン、または非置換エ
テニレンであることはなく; 各XがNMeである時、AとAは、両方が−N=Nであることはなく; 各XがOであり、かつAが1−フェニルプロピレンである時、Aは、2−
フェニルプロピレンではなく; 各XがOである時、AとAは、両方が−C(O)−(モノヒドロキシ置換
フェニレン)−または−C(O)−(非置換フェニレン)−であることはなく; 各XがNMeであるとき、AとAは、両方が−B(CH)−N(CH
)−B(CH)−であることはなく; 各XがOであり、かつAが1R,2R−ジカルボメトキシエチレンである時
、Aは、1R,2R−ジカルボメトキシエチレンまたは非置換フェニレンでは
なく;そして −XAX−およびXAX−は、両方が−S−(モノメトキシ置換フェニレ
ン)−O−または−N(CH)−(CH−Oであることはない)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【化3】 (式中、RとRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随時置換されたアル
ケニル、随時置換されたアルキニル、随時置換されたアリール、随時置換された
シクロアルキル、随時置換されたシクロアルケニル、式−(RQ)(こ
こで、Qは、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換され
たシクロアルキレンから選択され、mは1〜3から選択される整数であり、各R
は独立に、随時置換されたC〜Cアルキレンであり、Rは水素またはC
〜Cアルキルであり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである
)の群、よりなる群から独立に選択され; 各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、R
は水素もしくはC〜C12アルキルであるか、または−NRおよび−
NRの1つもしくは両方は、随時置換された5もしくは6員複素環基であ
る)から独立に選択され;そして Aは2価の基であり; ただし、RとRがMeであり各XがNMeである時、Aは非置換エチレン
ではなく; X−A−Xが−S−CH=CH−S−である時、XRとXRは、N(
CHまたはN(CHCHまたはSCHではなく; X−A−Xが−S−(非置換フェニレン)−Sである時、XRとXRは、
両方がN(CHであることはなく;そして X−A−Xが−N(CH)−(CH−N(CH)−である時、XR
とXRは、両方がN(CHCHであることはない)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ロドポウロス、メアリー オーストラリア国 ビクトリア、ブラクバ ーン サウス、 バラッタ ストリート 39 (72)発明者 ウェイゴールド、ヘルムート オーストラリア国 ビクトリア、マウント ウェーバリイ、 リーズ ロード 54 Fターム(参考) 4H048 AA01 AA02 AB84 AC90 BA90 BB14 BC19 BC31 VA20 VA22 VA30 VA32 VA77 VB10

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)の二ホウ素誘導体: 【化1】 (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随
    時置換されたアルケニル、随時置換されたアリール、随時置換されたシクロアル
    キル、随時置換されたシクロアルケニル、および式−(RQ)(ここで
    、Qは、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシ
    クロアルキレンから選択され、mは1〜3の整数であり、各Rは独立に、随時
    置換されたC〜Cアルキレンであり、RはC〜Cアルキルまたは水素
    であり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである)の群、よりなる
    群から独立に選択され;そして 各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、R
    は水素もしくはC〜C12アルキルであるか、または−NR、−NR
    、−NRおよび−NRの1つもしくはそれ以上は、随時置換
    された5もしくは6員複素環基である)から独立に選択され; ただし、各XがOであり、かつR〜Rが同一である時、R〜Rは、非
    置換直鎖アルキル、フェニルもしくはナフチル、イソプロピル、またはアルキル
    で置換されたフェニルではなく;各XがN(C〜Cアルキル)である時、R
    〜Rは、C〜Cアルキルではなく、−NR、−NR、−N
    および−NRは、非置換ピペリジルまたは非置換ピロリジニルで
    はなく;各XがNHである時、R〜Rは、C〜Cアルキルまたは非置換
    フェニルではなく;そして−XRが−OCHであり、−XRが−N(CH
    であり、−XRが−N(CHである時、−XRはOCHでは
    ない)。
  2. 【請求項2】 式(II)の二ホウ素誘導体: 【化2】 (式中、Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜2の整数であり
    、Rは水素もしくはC〜C12アルキルである)から独立に選択され、A
    とAは同じかまたは異なる2価の基であるが、ただし各XがOである時、A
    とAは、非置換C〜Cアルキレン、1,1,2,2−テトラメチルエチレ
    ン、2,2−ジメチルプロピレン、1,2−ジアルコキシカルボニルエチレン、
    1,2−ジフェニルエチレン、1−フェニルエチレン、非置換フェニレンまたは
    〜Cアルキルでモノ−もしくはジ−置換されたフェニレンではなく;各X
    がSまたはNMeである時、AとAの両方がエチレンではない)。
  3. 【請求項3】 式(III)の二ホウ素誘導体: 【化3】 (式中、RとRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随時置換されたアル
    ケニル、随時置換されたアルキニル、随時置換されたアリール、随時置換された
    シクロアルキル、随時置換されたシクロアルケニル、式−(RQ)(こ
    こで、Qは、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換され
    たシクロアルキレンから選択され、mは1〜3から選択される整数であり、各R
    は独立に、随時置換されたC〜Cアルキレンであり、Rは水素またはC
    〜Cアルキルであり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである
    )の群、よりなる群から独立に選択され; 各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、R
    は水素もしくはC〜C12アルキルであるか、または−NRおよび−
    NRの1つもしくは両方は、随時置換された5もしくは6員複素環基であ
    る)から独立に選択され;そして Aは2価の基であり; ただし、RとRがMeであり各XがNMeである時、Aは非置換エチレン
    ではない)。
  4. 【請求項4】 式(I)の二ホウ素誘導体: 【化4】 または式(II)の二ホウ素誘導体: 【化5】 または式(III)の二ホウ素誘導体: 【化6】 (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ、随時置換されたアルキル、随
    時置換されたアルケニル、随時置換されたアリール、随時置換されたシクロアル
    キル、随時置換されたシクロアルケニル、式−(RQ)(ここで、Qは
    、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシクロア
    ルキレンから選択され、mは1〜3から選択される整数であり、各Rは独立に
    、随時置換されたC〜Cアルキレンであり、RはC〜Cアルキルまた
    は水素であり、そしてRは水素またはC〜C12アルキルである)の群、よ
    りなる群から独立に選択され; 各Xは、O、S(O)およびNR(ここで、nは0〜3の整数であり、R
    は水素もしくはC〜C12アルキルであるか、−NR、−NR
    、−NRおよび−NRの1つまたはそれ以上は、随時置換された5
    もしくは6員複素環基である)から独立に選択され;そして A、AおよびAは、異なるかまたは異ならない2価の基であり; ここで、該誘導体は、1つまたはそれ以上のキラル中心を有し、エナンチオマ
    ー過剰の1つの型がある)。
  5. 【請求項5】 XはOである、請求項1〜4までのいずれか1項に記載の二
    ホウ素誘導体。
  6. 【請求項6】 AとAは、随時置換されたアルキレン、随時置換された
    アルケニレン、随時置換されたアルキニレン、随時置換されたアリーレン、随時
    置換されたアルキルアリーレン、随時置換されたシクロアルキレン、随時置換さ
    れたシクロアルケニレン、または式−(RQ)(ここで、Qは、O、S
    、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシクロアルキレン
    から選択され、mは1〜3の整数であり、RとRは独立に、随時置換された
    〜Cアルキレンであり、Rは水素またはC〜C12アルキルである)
    の群から独立に選択される、請求項2記載の二ホウ素誘導体。
  7. 【請求項7】 Aは、随時置換されたアルキレン、随時置換されたアルケニ
    レン、随時置換されたアリーレン、随時置換されたシクロアルキレン、随時置換
    されたシクロアルケニレン、または式−(RQ)(ここで、Qは、O、
    S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシクロアルキレ
    ンから選択され、mは1〜3の整数であり、RとRは独立に、随時置換され
    たC〜Cアルキレンであり、Rは水素またはC〜C12アルキルである
    )の群から独立に選択される、請求項3記載の二ホウ素誘導体。
  8. 【請求項8】 A、AおよびAは、随時置換されたアルキレン、随時置
    換されたアルケニレン、随時置換されたアルキニレン、随時置換されたアリーレ
    ン、随時置換されたアルキルアリーレン、随時置換されたシクロアルキレン、随
    時置換されたシクロアルケニレン、または式−(RQ)(ここで、Qは
    、O、S、NR、随時置換されたアリーレン、および随時置換されたシクロア
    ルキレンから選択され、mは1〜3の整数であり、RとRは独立に、随時置
    換されたC〜Cアルキレンであり、Rは水素またはC〜C12アルキル
    である)の群から独立に選択される、請求項4記載の二ホウ素誘導体。
  9. 【請求項9】 A、AおよびAの少なくとも1つは、縮合した脂肪族ま
    たは芳香環または環系である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の二ホウ素誘
    導体。
  10. 【請求項10】 R〜R、A、AおよびAの少なくとも1つは、ホ
    ウ素原子の1つにさらに配位結合することができる、請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の二ホウ素誘導体。
  11. 【請求項11】 R〜R、A、AおよびAの少なくとも1つは、ホ
    ウ素原子に電子密度を供給することができる電子の豊富な置換基または原子を含
    む、請求項10に記載の二ホウ素誘導体。
  12. 【請求項12】 エナンチオマー過剰率は80%より多い、請求項4記載の
    二ホウ素誘導体。
  13. 【請求項13】 エナンチオマー過剰率は90%より多い、請求項12記載
    の二ホウ素誘導体。
  14. 【請求項14】 ジボロン酸が、モノアルコール、ジオールまたはポリオー
    ルと反応してジボロン酸エステルを生成する時間かつ条件下で、ジボロン酸を、
    適当なモノアルコール、ジオールまたはポリオールと接触させることを含んでな
    る、ジボロン酸エステルの調製方法。
  15. 【請求項15】 反応は、モノアルコールを含む溶媒中で行われる、請求項
    14記載の方法。
  16. 【請求項16】 モノアルコールは低級アルカノールである、請求項15記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 少なくとも4当量のモノアルコールが使用され、生成する
    誘導体は、エステル交換により第2のアルコールと反応される、請求項16記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 低級アルカノールは、メタノールまたはエタノールである
    、請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 触媒の非存在下で行われる、請求項14記載の方法。
  20. 【請求項20】 適当な二ホウ素反応物をキラルアルコールと反応させるこ
    とを含んでなる、XはOである請求項4記載の二ホウ素誘導体の調製方法。
  21. 【請求項21】 キラルボロン酸エステル誘導体が生成する時間かつ条件下
    で、請求項4記載の二ホウ素誘導体を、ホウ素反応性部位を有する有機化合物と
    反応させることを含んでなる、キラル有機ボロン酸エステル誘導体の調製方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の方法に従って調製されるキラル有機ボロ
    ン酸エステルを、アルデヒドまたは非対象ケトンと反応させることを含んでなる
    、キラル化合物の調製方法。
  23. 【請求項23】 以下から選択されるすべての異性体型の二ホウ素誘導体: テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン; 1,1,2,2−テトラキス(2−メトキシエチルオキシ)ジボラン; ビス(ピナンジオラト)ジボロン(B−B); ジフェニル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン; 4,4’−ビ−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2’−ビ−1,3
    ,2−ジオキサボロラン; 2,2’−ビ−ヘキサヒドロ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール; テトライソプロピル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4’
    ,5,5’−テトラカルボキシレート; ジ−(テトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d])−2,2’−ビ−1,3,
    2−ジオキサボロラン; ジ−(テトラヒドロフロ[3,4−d])−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキ
    サボロラン; 4,4’−ビ−(メトキシメチル)−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロ
    ラン; 2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボレパン; 5,5’−ジヒドロキシメチル−5,5’−ジメチル−2,2’−ビ−1,3,
    2−ジオキサボリナン; ビス(ピナンジオラト)ジボロン(B−B); 2,2’−ビ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサボリニン; 4,4’−ビ−(フェノキシメチル)−2,2’−1,3,2−ジオキサボロラ
    ン; 4,4,4’,4’,6,6’−ヘキサメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジ
    オキサボリナン; 5,5,5’,5’−テトラエチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボリ
    ナン; 4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロ
    ラン; 4,4’−ジメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボリナン; 5,5’−ジメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボリナン; ビス−(ジナフト[2,1−d:1,2−f]−2,2’−ビ−1,3,2−ジ
    オキサボレピン; 6,6’−ジエチル−2,2’−ビ−1,3,6,2−ジオキサアザボロカン; 6,6’−ジメチル−2,2’−ビ−1,3,6,2−ジオキサアザボロカン; 5,5,5’,5’−テトラフェニル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボ
    リナン; 4,4,4’,4’,7,7,7’、7’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,
    3,2−ジオキサボレパン; 1,1,2,2−テトラキス(ネオペンチルオキシ)ジボラン; テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン; テトラブチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4’,5,
    5’−テトラカルボキシレート; N,N,N4’,N4’,N,N,N5’,N5’−オクタメチル−2
    ,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4’,5,5’−テトラカル
    ボキサミド; 4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボリ
    ナン; 4,4,4’,4’,6,6,6’、6’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,
    3,2−ジオキサボリナン; 3,3’−ビ−1,5−ジヒドロ−2,4,3−ベンゾジオキサボレピン; 4,4,4’,4’,5,5’−ヘキサメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジ
    オキサボロラン;または 4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロ
    ラン。
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