JP4074345B2 - アルケンボレート類および有機化合物を共有結合的にカップリングする方法 - Google Patents

アルケンボレート類および有機化合物を共有結合的にカップリングする方法 Download PDF

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Description

この発明は有機化合物を共有結合的にカップリングする方法に関し、特に有機硼素中間体を経て、オレフィン部分を他の有機化合物に共有結合的に結合する方法に関する。本発明はまた、有機硼素中間体の製造方法にも関する。
分子間および分子内の両方で、オレフィン系化合物と有機化合物との間に共有結合を形成する方法は、合成有機化学者にとって特に重要な方法である。多くのそのような反応は既知であり、それぞれ特有の反応条件、溶媒、触媒、活性化用基、等を必要とする。オレフィン部分を包含する、既知のタイプのカップリング反応の中にはミカエル(Michael)反応および以下の参照文献に記載されている反応がある:(L.S.HegedusによるUniversity Science Books(1994)(国際標準図書番号(ISBN)0−935702−28−8))における)Transition Metals in the Synthesis of Complex Organic Molecules;(1997年Academic Press発行J.Malleron、J.FiaudおよびJ.Legrosによる(国際標準図書番号(ISBN)0−12−46615−9))Handbook of Palladium Catalysed Organic Reactions;(John Wiley & Sons(1995)発行J.TsujiによるInnovations in Organic Synthesis(国際標準図書番号(ISBN)0−471−95483−7)における)Palladium Reagents and Catalysts;そしてN.MiyuaraおよびA.SuzukiによるChem.Rev.(1995)95,第2457頁〜第2483頁。
パラジウム、その錯体およびその塩の触媒は、カップリング反応に対するC−H結合の活性化のについて十分に認識されている。これに関して、パラジウム誘導体の存在下に、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ビニルにアルケン類を反応させるヘック(Heck)反応はその集中的な研究の主題となってきた。しかしながら、ヘック反応の商業上での発展は、予想されたほどには迅速に進展しなかった。白金のような他の第VIII族金属触媒もまた、そのような炭素結合を活性化するために用いられてきた。
ヘック反応が成功するかどうかは大部分は基質及び反応条件により左右される。2つのβ−水素がアルケンに存在する場合、反応は一般に(E)−アルケン類に導くが、この(E)−アルケン類は対応する(Z)−アルケン類で汚染されていることがよくある。
アルケンボレート類(alkene borates)(硼酸アルケニル類)は、種々の有機分子と反応して、新しい炭素―炭素結合の形成を経て、カップリングされた生成物を与えることが出来る(例えば上記参照文献参照)けれども、通常用いられるアルキン類のハイドロボレーション反応によるアルケニルボレートを製造するための方法は、(種々の異なる官能基の数の減少のような)位置化学(regiochemistry)および化学選択性(chemoselectivity)の欠如により直面する困難性の故に制限を受けてしまう(N.MiyuaraおよびA.Suzuki,Chem.Rev.(1995)95,第2457頁〜第2483頁)。
したがって、改良された方法論がアルケンボレート類(alkene borates)の合成のために必要とされている。
アルケンボレート類がおだやかな条件下、一定の範囲の置換基の存在下でハロアルケン類または擬似ハロアルケン類から合成できることが今や見い出された。この方法はハイドロボレーション方法論を使用する際に直面する1つまたそれ以上の制限を克服するかまたは少なくとも緩和し、出発物質がアルケン類であってそしてアルキン類でない点において根本的に異なる。有機化合物とのアルケニルボレートのカップリングは、第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下で達成することが出来る。
したがって、本発明は、第VIII族金属触媒およで適当な塩基の存在下に、ビニル性カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様(halogen−like)置換基を有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体(diboron derivative)と反応させる工程を含む、有機化合物を共有結合的にカップリングする方法を提供する。
1つの態様において、この方法は、対称的(symmetrical)生成物を造るために用いることが出来る。この態様においては、カップリングは2段階で進行する。第1の段階において、ジボロン誘導体は第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下にオレフィン系化合物と反応してアルケンボレート中間体を形成し、この中間体は、塩基の存在下に、残っているオレフィン化合物と反応する。この態様に従えば、共有結合的カップリングはオレフィン系化合物の2つの分子のカップリング位置間の共有結合を含む。
好ましくは、ジボロン誘導体との反応を触媒作用するために用いられる適当な塩はまた、アルケンボレート中間体を、残っているオレフィン系化合物にカップリングするのを触媒作用することが出来る。しかしながら、カップリング反応を触媒作用するかあるいはその反応を促進する目的で、アルケンボレート中間体の形成の後に、必要に応じて、一層強い塩基を加えたり反応混合物を加熱したりすることが出来る。
本発明に従う方法はまた、非対称的生成物の製造を可能にする。したがって、本発明の他の態様において、
第VIII族触媒および適当な塩基の存在下に、ビニル性カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様(halogen−like)置換基を有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体と反応させて、アルケンボレート中間体を形成する工程、および
第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、該アルケンボレート中間体を、カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する有機化合物と反応させ、それにより該オレフィン系化合物を、各カップリング位置間での直接結合を介して、該有機化合物にカップリングする工程、
を含む、有機化合物を共有結合的にカップリングする方法が提供される。
この態様に従う本方法は、もし有機化合物がオレフィン系化合物と同じであるならば対称的生成物が得られるけれども、有機化合物がオレフィン系化合物と異なる場合には、非対称的化合物の製造を可能にする。
アルケンボレート中間体を単離することなしに1つのポットの中で本方法をを行うことが特に都合がよいが、しかしながら未反応ジボロン誘導体の存在はカップリング段階を妨げ、望ましくない副生成物の形成を生ずることが分かっている。
したがって、本発明の他の態様においては、
第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、ビニル性カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体と反応させてアルケンボレート中間体を形成する工程、
水、あるいは水と適当な塩基を加えて過剰なジボロン誘導体を分解する工程、および
第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、該アルケンボレート中間体を、カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する有機化合物と反応させ、それにより該オレフィン系化合物を、各カップリング位置間での直接結合を介して、該有機化合物にカップリングする工程、
を含む、有機化合物を共有結合的にカップリングする方法が提供される。
最終カップリング工程のまえに、アルケンボレート中間体を単離することが可能であるけれども、好ましくはその反応は1つのポットの中で行う。本反応を1つのポットにおいて行う場合、ジボロン誘導体を分解するために加えられる塩基はカップリング反応を触媒作用するために適していることが好ましい。この場合において、カップリング反応における有機化合物と共に、さらに塩基を加えることは必要がない。
他の態様において、アルケンボレート中間体の形成の後に、有機化合物とのアルケンボレート中間体のカップリングを、そのカップリング反応を起こさせるために十分な温度まで反応混合物の温度を上昇させることによって達成する。この態様においては、カップリング反応を触媒作用させるために一層強い塩基を加えることは必要ではないだろう。
過剰のジボロン誘導体を除去することが必要であるがしかし、置換基、等の感受性あるいは他の要因の故に、水あるいは水と塩基の使用が有害である場合には、アルケンボレート中間体の形成の後に、おだやかな酸化剤の添加により過剰のジボロン誘導体を分解することが出来る。
したがって、本発明の別の態様において、
第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、ビニル性カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体と反応させてアルケンボレート中間体を形成する工程、
おだやかな酸化剤を添加して過剰のジボロン誘導体を分解する工程、
第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、該アルケンボレート中間体を、カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する有機化合物と反応させ、それにより該オレフィン系化合物を、各カップリング位置間での直接結合を介して、該有機化合物にカップリングする工程、
を含む、有機化合物を共有結合的にカップリングする方法が提供される。
おだやかな酸化剤は、ジボロン誘導体のB−B結合を破断するがしかしアルケンボレート中間体の硼素−炭素結合を破断する程には十分に強くない任意の化合物であってよい。好適なおだやかな酸化剤は、N−クロロスクシンイミド、二酸素ガス、クロラミン−T、クロラミン−B、1−クロロトリアゾール、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸およびジクロロイソシアヌル酸カリウム塩である。
過酸化水素、オゾン、臭素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過硫酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムおよび過酸のような酸化剤は、この方法に使用するためにはあまりにも強くて使用出来なく、即ち、強い酸化剤の使用はこの発明の部分を形成しない。
本明細書において使用される用語“オレフィン系”および“オレフィン系化合物”とは、芳香族または擬似芳香族系の部分ではない少なくとも1つの炭素対炭素二重結合を有する任意の有機化合物を言う。オレフィン系化合物は、場合により置換された、直鎖、分枝鎖または環式アルケン類;および少なくとも1つの炭素対炭素二重結合を含む分子、単量体そして重合体およびデンドリマー類(dendrimers)のような巨大分子から選ぶことが出来る。好適なオレフィン系化合物の例は、エチレン、プロピレン、ブテ−1−エン、ブテ−2−エン、ペンテ−1−エン、ペンテ−2−エン、シクロペンテン、1−メチルペンテ−2−エン、ヘキセ−1−エン、ヘキセ−2−エン、ヘキセ−3−エン、シクロヘキセン、ヘプテ−1−エン、ヘプテ−2−エン、ヘプテ−3−エン、オクテ−1−エン、オクテ−2−エン、シクロオクテン、ノネ−1−エン、ノネ−4−エン、デセ−1−エン、デセ−3−エン、ブタ−1,3−ジエン、ペンタ−1,4−ジエン、シクロペンタ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,4−ジエン、シクロヘキサ−1,3−ジエン、シクロヘキサ−1,4−ジエン、シクロヘプタ−1,3,5−トリエンおよびシクロオクタ−1,3,5,7−テトラエンを包含し、それらの各々は場合により置換されていてもよく、しかしそれらに限定されない。好ましくは直鎖、分枝鎖または環式アルケンは2〜20個の炭素原子を含有する。
1つの態様において、オレフィン系化合物は、式I
Figure 0004074345
(式中、R1、R2およびR3は、各々独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキル(これらの各々は場合により置換されていてもよい)、シアノ、イソシアノ、ホルミル、カルボキシル、ニトロ、ハロ、アルコキシ、アルケンオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ジベンジルアミノ、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロシクロオキシ、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、スルホンアミド、スルファニル、スルホ、(カルボキシラートを包含する)カルボキシ、カルバモイル、カルボキシイミジル(carboximidyl)、スルフィニル、スルフィンイミジル(sulfinimidyl)、スルフィノヒドロキシミル(sulfinohydroximyl)、スルホンイミジル(sulfonimidyl)、スルホンジイミジル(sulfondiimidyl)、スルホノヒドロキシミル(sulfonohydroximyl)、スルファミル、(ホスフィニル、ホスフィンイミジル(phosphinimidyl)、ホスホニル、ジヒドロキシホスファニル、ヒドロキシホスファニル、(ホスホナート(phosphonato)を包含する)ホスホンおよびヒドロヒドロキシホスホリルを包含する)燐含有基、グアニジニル、ジュアニジノ(duanidino)、ウレイドおよびウレイレン(ureylene)から選ばれ、Xはハロゲンまたはハロゲン様置換基である)の化合物である。
本明細書において用いられる用語“カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する有機化合物”とは、オレフィン系化合物へのカップリングが所望される位置に、炭素対ハロゲン結合あるいは炭素対ハロゲン様置換基結合を有する任意の有機化合物を言う。その有機化合物は、脂肪族、オレフィン系、アリル系、アセチレン系、芳香族、重合体系またはデンドリマー系(dendritic)であってもよい。当該化合物は、上に定義されたようなオレフィン系化合物であってよくまたはその様なオレフィン系化合物の部分であってもよい。その有機化合物はカップリング位置に1個またはそれ以上、好ましくは1〜6個のハロゲンまたはハロゲン様置換基を有してもよい。
本明細書において用いられる用語“芳香族”および“芳香族化合物(1種または複数種)”とは、1つまたはそれ以上の芳香族環または擬似芳香族環を含むかあるいはそれからなる任意の化合物または部分を言う。その環は炭素環式でも複素環式でもよく単環式系でも多環式系でもよい。好適な環の例は、ベンゼン、ビフェニル、テルフェニル、クォータフェニル、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、1−ベンジルナフタレン、アントラセン、ジヒドロアントラセン、ベンズアントラセン、ジベンズアントラセン、フェナントラセン(phenanthracene)、ペリレン、ピリジン、4−フェニルピリジン、3−フェニルピリジン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ナフトチオフェン、チアントレン、フラン、ピレン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、インドリジン、イソインドール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、イソチアゾール、イソオキサゾール、フェノキサジン、等を包含し、それらの各々は場合によって置換されていてもよく、しかしそれらに限定されない。用語“芳香族”および“芳香族化合物(1種または複数種)”は、分子または巨大分子(例えば1つまたはそれ以上の芳香族環または擬似芳香族環を含むかあるいはそれからなる重合体、共重合体およびデンドリマー(dendrimer)を包含する。用語“擬似芳香族”とは、厳密には芳香族とは言えないが、π電子の非局在化により安定化されており、芳香族環と同様の挙動を示す環系を言う。擬似芳香族環の例は、フラン、チオフェン、ピロール、等を包含するが、それらに限定されない。
本明細書において用いられるものとして用語“カップリング位置”とは、ある有機化合物上の位置であって、もう一つの有機化合物へのカップリングが所望される位置を言う。オレフィン系炭素対炭素結合の部分である炭素原子上のカップリング位置はまた“ビニル性カップリング位置”として称される。各々のオレフィン系化合物または有機化合物は、1つまたはそれ以上、好ましくは1〜6のカップリング位置を有するだろう。
この明細書において、“場合により置換された”とは、基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、イソシアノ、シアノ、ホルミル、カルボキシル、ニトロ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロサイクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、イミノ、アルキルイミン、アルケニルイミン、アルキニルイミノ、アリールイミノ、ベンジルイミノ、ジベンジルアミノ、アシル、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクルオキシ、ヘテルサイクルアミノ、ハロヘテロサイクリル、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、スルホンアミド、スルファニル、スルホおよび燐含有基、アルコキシシリル、シリル、アルキルシリル、アルキルアルコキシシリル、フェノキシシリル、アルキルフェノキシシリル、アルコキシフェノキシシリルおよびアリールフェノキシシリルから選ばれた1つまたはそれ以上の基でさらに置換されていてもよくあるいは置換されていなくともよいことを意味する。
オレフィン系化合物はジボロン誘導体との反応を可能にするために、ビニル性カップリング位置に少なくとも1つのハロゲンまたはハロゲン様置換基を含んでいなければならない。同様に有機化合物はアルケンボレート中間体との反応を可能にするためにカップリング位置に少なくとも1つのハロゲンまたはハロゲン様置換基を有していなければならない。好ましいハロゲン置換基はI、BrおよびClを包含する。クロロ置換された芳香族環化合物の反応性は、第VIII族金属触媒上の適当な配位子の選択により増大することが出来る。用語“ハロゲン様置換基”および“擬似ハライド”とは、存在する場合は、第VIII族金属触媒および塩基の存在下にジボロン誘導体によって置換を受け、アルケンボレート中間体を与える置換基、または有機化合物上に存在する場合は、アルケンボーレート中間体による置換を受け、カップリングされた生成物を与える置換基を言う。ハロゲン様置換基の例はトリフラート類(triflates)、メシラート類(mesylates)、ジアゾニウム塩、燐酸塩および(1995年John Wiley & Sons発行のJ.TsujiによるInnovations in Organic Synthesis(国際標準図書番号(ISBN)0−471−95483−7)における)Palladium Reagents & Catalystsにおいて記載された置換基を包含する。
本発明に従う方法は、グリニャール試薬又はアルキルリチウムのような有機金属化合物と反応性の置換基を含有するオレフィン系化合物をカップリングするために特に好適であり、それ故にこれらの置換基を最初に保護しておかなければ標準のグリニャール方法論を用いて反応させるためには適していない。そのような反応性置換基の一つの類は、活性水素含有置換基である。本明細書において用いられる用語“活性水素含有基”は、反応性水素原子を含有する置換基を言う。そのような置換基の例は、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、アセチレノ(acelyleno)、(カルボキシラートを包含する)カルボキシ、カルバモイル、カルボキシイミジル(carboximidyl)、スルホ、スルフィニル、スルフィンイミジル(sulfinimidyl)、スルフィノヒドロキシミル(sulfinohydroximyl)、スルホンイミジル(sulfonimidyl)、スルホンジイミジル(sulfondiimidyl)、スルホンヒドロキシミル(sulfonhydroximyl)、スルタミル(sultamyl)、ホスフィニル、ホスフィンイミジル(phosphinimidyl)、ホスホニル(phosphonyl)、ジヒドロキシホスファニル(dihydroxyphosphanyl)、ヒドロキシホスファニル(hydroxyphosphanyl)、(ホスホナート(phosphonato)を包含する)ホスホノ、ヒドロヒドロキシホスホリル、アロファニル(allophanyl)、グアニジノ、ヒダントイル、ウレイドおよびウレイレン(ureylene)を包含するがしかしそれらに限定されない。これらの置換基の中で、ヒドロキシおよびアミノ置換基の高い反応性からみて、本反応がそれらヒドロキシおよびアミノ置換基を用いて行うことが出来ることは、特に驚くべきことである。カルボキシル、スルホ、等の(即ち酸性の)置換基は追加の塩基を必要とするだろう。他の反応性置換基はトリメチルシリルを包含する。
上記定義において、単独または複合語(例えば“アルケニルオキシアルキル”、“アルキルチオ”、“アルキルアミノ”および“ジアルキルアミノ”)中に用いられる用語“アルキル”は直鎖、分枝鎖または環式のアルキル、好ましくはC1-20アルキルまたはシクロアルキルを意味する。直鎖および分枝鎖アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、イソアミル、sec−アミル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、5−メトキシヘキシル、1−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,1,2−トリメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、オクチル、6−メチルヘプチル、1−メチルヘプチル、1、1、3、3−テトラメチルブチル、ノニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−メトキシオクチル、1−、2−、3−、4−または5−エチルヘプチル、1−、2−または3−プロピルヘキシル、デシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、および8−メチルノニル、1−、2−、3−、4−、5−または6−エチルオクチル、1−、2−、3−または4−プロピルヘプチル、ウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−メチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、または7−エチルノニル、1−、2−、3−、4−または5−プロピルオクチル、1−、2−または3−ブチルヘプチル、1−ペンチルヘキシル、ドデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−または10−メチルウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−エチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−または6−プロピルノニル、1−、2−、3−または4−ブチルオクチル、1−または2−ペンチルヘプチル、等を包含する。環式アルキルの例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シルロノニル、シルロデシル、等のような単環式または多環式アルキル基を包含する。
用語“アルコキシ”は直鎖または分枝鎖アルコキシ、好ましくはC1-20アルコキシを意味する。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イメプロポキシおよび種々の異なるブトキシ異性体を包含する。
用語“アルケニル”は、前に定義されたとおりのエチレン系モノ−、ジ−またはポリ−不飽和アルキルまたはシクロアルキル基(好ましくはC2-20アルケニル)を包含する、直鎖、分枝鎖または環式アルケンから形成された基を意味する。アルケニルの例は、ビニル、アリル、1−メチルビニル、ブテニル、イソブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、シクロペンテニル、1−メチルシクロペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、シクロヘキセニル、1−ヘプテニル、3−ヘプテニル、1−オクテニル、シクロオクテニル、1−ノネニル、2−ノネニル、3−ノネニル、1−デセニル、3−デセニル、1,3−ブタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1,3−シクロペンタジエニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シクロヘキサジエニル、1,3−シクロヘプタジエニル、1,3,5−シクロヘプタトリエニルおよび1,3,5,7−シクロオクタテトラエニルを包含する。
用語“アルキニル”は、まえに定義されたとおりのアルキルおよびシクロアルキル基に構造的に類似しているものを包含する、直鎖、分枝鎖および環式アルキンから形成された基(好ましくはC2-20アルキニル)を意味する。アルキニルの例は、エチニル、2−プロピニルおよび2−または3−ブチニルを包含する。
単独または複合語(例えば“アシルオキシ”、“アシルチオ”、“アシルアミノ”または“ジアシルアミノ”)中に用いられる用語“アシル”は、カルバモイル、脂肪族アシル基そして芳香族環を含有するアシル基(芳香族アシルと称される)あるいは複素環式環を含有するアシル基(複素環式アシルと称される)、好ましくはC1-20アシル、を意味する。アシルの例は、カルバモイル;ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノイルおよびイコサノイルのような直鎖または分枝鎖アルカノイル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、t−ペンチルオキシカルボニルおよびヘプチルオキシカルボニルのようなアルコキシカルボニル;シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニルおよびシクロヘキシルカルボニルのようなシクロアルキルカルボニル;メチルスルホニルおよびエチルスルホニルのようなアルキルスルホニル;メトキシスルホニルおよびエトキシスルホニルのようなアルコキシスルホニル;ベンゾイル、トルオイルおよびナフトイルのようなアロイル;フェニルアルカノイル(例えばフェニルアセチル、フェニルプロパノイル、フェニルブタノイル、フェニルイソブチリル、フェニルペンタノイルおよびフェニルヘキサノイル)およびナフチルアルカノイル(例えばナフチルアセチル、ナフチルプロパノイルおよびナフチルブタノイル)のようなアリールアルカノイル;フェニルアルケノイル(例えばフェニルプロペノイル、フェニルブテノイル、フェニルメタアクリロイル、フェニルペンテノイルおよびフェニルヘキサノイル)およびナフチルアルケノイル(例えばナフチルプロペノイル、ナフチルブテノイルおよびナフチルペンテノイル)のようなアリールアルケノイル;フェニルアルコキシカルボニル(例えばベンジルオキシオキシカルボニル)のよなアリールアルコキシカルボニル;フェノキシカルボニルおよびナフチルオキシカルボニルのよなアリールオキシカルボニル;フェノキシアセチルおよびフェノキシプロピオニルのようなアリールオキシアルカノイル;フェニルカルバモイルのようなアリールカルバモイル;フェニルチオカルバモイルのようなアリールチオカルバモイル;フェニルグリオキシロイルおよびナフチルグリオキシロイルのようなアリールグリオキシロイル(arylglyoxyloyl);フェニルスルホニルおよびナフチルスルホニルのようなアリールスルホニル;複素環式カルボニル;チエニルアセチル、チエニルプロパノイル、チエニルブタノイル、チエニルペンタノイル、チエニルヘキサノイル、チアゾリルアセチル、チアジアゾリルアセチルおよびテトラゾリルアセチルのような複素環式アルカノイル;複素環式プロペノイル、複素環式ブテノイル、複素環式ペンテノイルおよび複素環式ヘキセノイルのような複素環式アルケノイル;そしてチアゾリルグリオキシロイルおよびチエニルグリオキシロイルのような複素環式グリオキシロイルを包含する。
それ自体であるいは“複素環式アルケノイル”、“ヘテロシクロキシ”または“ハロヘテロサイクリル(haloheterocyclyl)”のような用語の一部として本明細書において用いられる用語“複素環式”、“ヘテロサイクリル”および“ヘテロシクロ”は、N、S、OおよびPから選ばれた1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含有し、場合により置換されていてもよい芳香族、擬似芳香族および非芳香族環または環系を言う。好ましくはその環または環系は3〜20個の炭素原子を有する。その環または環系は“芳香族化合物(1種または複数種)”の定義に関連して上に記載された中から選ぶことが出来る。
それ自体であるいは“ハロアリール”および“アリールオキシカルボニル”のような基の一部として本明細書において用いられる用語“アリール”は、場合により1つまたはそれ以上のヘテロ原子と一緒に炭素原子から構成される芳香族および擬似芳香族の環または環系を言う。好ましくはその環または環系は3〜20個の炭素原子を有する。その環または環系は場合により置換されていてもよくそして“芳香族化合物(1種または複数種)”の定義に関連して上に記載された中から選ぶことが出来る。
ジボロン誘導体は、ジボロン酸(diboronic acid)のエステルまたは他の安定な誘導体であることが出来る。好適なエステルの例は式
(RO)2B−B(RO)2
〔式中、Rは場合により置換されたアルキルまたは場合により置換されたアリールであるか、あるいは−B(RO)2は式
Figure 0004074345
(式中、R’は場合により置換されたアルキレン、アリーレンあるいはその他の結合された脂肪族または芳香族部分を含む二価の基である)の環式基を表す〕のエステルを包含する。好ましいジボロン誘導体はビス(ピナコラート)ジボロン(bis(pinacolato)diboron)(ジボロン酸(diboronic acid)のピナコールエステル)、ビス(エタンジオラート)ジボロン(bis(ethanediolato)diboron)、ビス(n−プロパンジオラート)ジボロン(bis(n−propanediolato)diboron)およびビス(ネオペンタンジオラート)ジボロン(bis(neopentanediolato)diboron)を包含する。ジボロン誘導体の中には、他のものよりも、その後の加水分解を一層容易に受けやすく、一層おだやかな反応条件の使用を可能にするものもある。さらに、使用されるジボロン誘導体を上手に選択すれば、形成される反応生成物に対するコントロールを容易にすることが出来る。ジボロンエステル誘導体類は、Brotherton等の方法によって造られることが出来る(R.J.Brotherton、A.L.McCloskey、L.L.PetersonおよびH.SteinbergよにるJ.Amer,Chem.Soc.82,6242(1960);R.J.Brotherton、A.L.McCloskey、J.L.BooneおよびH.M.ManasevitによるJ.Amer.Chem.Soc.82,6245(1960))。この方法において、NHMe2とのBCl3の反応により得られるB(NMe23は化学量論的量のBBr3との反応によりBrB(NMe22に変換される。金属ナトリウムを用いて還流トルエン中で還元するとジボロン化合物〔B(NMe222が得られ、これを蒸留により精製した後、化学量論的量のHClの存在下にアルコール(例えばピナコール)と反応させ、所望のエステル生成物を得ることが出来る。ビス(ネオペンタンジオラート)ジボロンはNguyen等により記載されている(Nguyen,P.、Lesley,G.、Taylor,N.J.、Marder,T.B.、Pikett,N.L.、Clegg,W.、Elsegood,M.R.J.およびNorman,N.C.によるInorganic Chem.(1994)33,第4623頁〜第4624頁)。ジボロン誘導体の製造のための他の方法は当業者には公知であろう。
本明細書において用いられる用語“第VIII族金属触媒”はChemical and Engineering News,63(5)第27頁(1985)に記載された周期律表の第8族の金属を含む触媒を言う。そのような金属の例は、Ni、PtおよびPdを包含する。好ましくはその触媒は上に記載されたようなパラジウム触媒であるが、他の第VIII族金属の類似の触媒も使用出来る。好適なNi触媒の例は、ニッケル黒、ラネーニッケル、炭素上ニッケル、ニッケルクラスターまたはニッケル錯体を包含する。好適なPt触媒の例は、白金黒、炭素上白金および白金クラスターまたは白金錯体を包含する。第VIII族金属触媒は他の金属をさらに含んでもよい。
パラジウム触媒はパラジウム錯体であってよい。好適なパラジウム触媒の例はPdCl2、Pd(OAc)2、PdCl2(dppf)CH2Cl2、Pd(PPh34およびホスフィン配位子の錯体である関連触媒(例えば、(Ph2P(CH2nPPh2(ただし、nは2〜4である)、P(o−トリル)3、P(i−Pr)3、P(シクロヘキシル)3、P(o−MeOPh)3、P(p−MeOPh)、dppp、dppb、TDMPP、TTMPP、TMPP、TMSPPおよび関連水溶性ホスフィン類)、関連配位子(例えばトリアリールアルシン、トリアリールアンチモン、トリアリールビスマス)、ホスファイト配位子(例えばP(OEt)3、P(O−p−トリル)3およびP(O−iPr)3)、およびその他の適当なパラジウム原子に配位するためのPおよび(または)N原子を含有する配位子を包含する他の適当な配位子(例えばピリジン、アルキルおよびアリール置換ピリジン、2,2’−ビピリジル、アルキル置換2,2’−ビピリジルおよび嵩高い(bulky)第二級または第三級アミン)、および配位子が存在してもしなくてもよい他の単純なパラジウム塩を包含するがしかしそれらに限定されない。パラジウム触媒は、炭素上パラシウムのような固体担体に担持または係留された(tethered)パラジウムおよびパラジウム錯体、および、パラジウム黒、パラジウムクラスター、他の金属を含有するパラジウムクラスターおよびJ.Li、A.W.H.MauおよびC.R.StraussによるChemical Communications(1997)第1275頁に記載されているような多孔質ガラス中のパラジウムを包含する。本方法の異なる工程を触媒作用するために、同一または異なるパラジウム触媒を使用することが出来る。パラジウム触媒はまた、米国特許第5,686,608号において記載されているパラジウム触媒から選ぶことが出来る。一定の反応においては、塩基性度を変えたおよび(または)立体障害をもった(bulk)配位子を用いることが有利である。
本方法は任意の適当な溶媒または溶媒混合物中で行うことが出来る。そのような溶媒の例は、低級アルコール類、および低級脂肪族カルボン酸とのそれらのエステル類、環式および低級第二および第三アミン類、その低級脂肪族カルボン酸と低級脂肪族第二アミンとのアミド類、DMSO、芳香族炭化水素、ニトロメタン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、エーテル類、ポリエーテル類、環式エーテル類、低級芳香族エーテル類、およびそれらの混合物(その他の溶媒との混合物も包含する)を包含する。
好ましい溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、DMF、ジオキサン、DME、ジエチルエーテル、THFまたは他の溶媒とのそれらの混合物を包含する。溶媒から水を排除することは一般に必須ではなく、水の存在が好ましい場合もある。溶媒が無水でない場合、追加のジボロン誘導体を添加することは有用であろう。
本発明に従う方法の各々の工程が行われる温度は、選択された溶媒中での反応体の所望の反応速度、溶解度および反応性、その溶媒の沸点、等を包含する多くの要因により左右されるだろう。反応の温度は一般に−100〜250℃の範囲であろう。好ましい態様においては、本方法は0〜120℃、より好ましくは0〜80℃、最も好ましくは15〜40℃の温度で行われる。
本明細書において用いられる用語“適当な塩基”は、反応混合物中に存在しているときに、反応体間の反応を触媒、促進または補助することが出来る塩基性化合物を言う。その塩基は、反応の所望の結果により、1つの工程を触媒するのに適当でもよく、それ以上の工程を触媒するために適当でもよい。例えばオレフィン系化合物とジボロン誘導体との反応を触媒作用するが、その反応において用いられる条件下では追加のオレフィン系化合物または他の有機化合物とのアルケンボレート中間体の更なる反応を触媒作用するほどには十分強くない塩基を選ぶことが出来る。この場合において、水あるいは水と一層強い塩基は過剰のジボロン誘導体を分解するために加えることが出来、それらは有機化合物とのアルケンボレート中間体の反応を触媒作用することもある。添加する溶媒中に可溶の塩基を選ぶこともまた、好ましい。ジボロン誘導体とのオレフィン系化合物の反応を触媒作用するために好適な塩基の例は、Li、Na、K、Rb、Cs、アンモニウム、アルキルアンモニウム、Mg、CaおよびBaのアリールおよびアルキルカルボン酸塩(例えば酢酸カリウム)、フッ化物、水酸化物および炭酸塩;Li、Na、K、RbおよびCsの燐酸塩およびアリール燐酸塩;Li、Na、K、Rb、Cs、アンモニウムおよびアルキルアンモニウムの燐酸エステル(例えばC65OP(O)(ONa)2);Li、Na、K、RbおよびCsのフェノキシド;Li、Na、K、RbおよびCsの、アルコキシド;および水酸化タリウムを包含する。これらの塩基の中には、相間移動試薬(例えばテトラアルキルアンモニウム塩またはクラウンエーテル)と組み合わせて用いてもよいものもある。
一般にアルケンボレート中間体の更なる反応を触媒作用することなく、ジボロン誘導体とのオレフィン系化合物の反応を触媒作用するのに適当な塩基の例は、Li、Na、K、Rb、Cs、アンモニウムおよびアルキルアンモニウムのアリールおよびアルキルカルボン酸塩、フッ化物および燐酸塩を包含する。反応温度によっては、炭酸塩のような一層強い塩基を使用することも出来る。
過剰のジボロン誘導体を分解しそして(または)有機化合物とのアルケンボーレート中間体の反応を触媒作用するために適当な塩基の例は、炭酸セシウム、炭酸カリウム、燐酸カリウムおよびアルカリ金属水酸化物を包含する、上に挙げられた一層強い塩基を包含する。
本明細書において用いられる用語“アルケンボレート中間体(alkene borate intermediate)”は、第VIII族金属・塩基により触媒されたビニル性カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するオレフィン系化合物とジボロン誘導体との間の反応の生成物(炭素対ホウ素結合をカップリング位置に有する)を言う。
本発明の他の面において、第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、ジボロン誘導体を、ハロゲンまたはハロゲン様置換基および活性水素含有置換基を有するオレフィン系化合物と反応させる工程を含む、アルケンボレート中間体を製造するための方法が提供される。
本発明の別の面において、第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、プロトン性溶媒中において、ジボロン誘導体を、ハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するオレフィン系化合物と反応させる工程を含む、アルケンボレート中間体の製造方法が提供される。
このようにして形成されたアルケンボレート中間体の精製における第1工程は、水、または水と適当な塩基の使用による、あるいは穏和な酸化剤の使用による、すべての過剰のジボロン誘導体の分解である。
本発明の別の面において、確立された方法を用いて、まえに記載されたとおりにアルケンボレート中間体を加水分解することによるオレフィン性ボロン酸(olefinic boronic acid)の製造方法が提供される。加水分解のしやすさは、使用するジボロン酸エステル(diboronic ester)に依存する。アルケンボレート中間体の中には、ビス(ピナコラート)ジボロンから誘導されたものより一層加水分解を受けやすいものもある。この方法はボロン酸エステルであるアルケンボレート中間体にのみ関する。
アルケンボレート中間体およびオレフィン性ボロン酸(olefinic boronic acid)の中には新規なものもあり、本発明の更なる面を代表する。そのような新規なアルケンボレート中間体であって、本発明に従ってつくられるものの例を表2に挙げ、本発明にしたがって造られた幾つかの公知のアルケンボレート中間体を表1に挙げる。
Figure 0004074345
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本明細書において用いられる用語“結合用基”は1つのアリール基を他に結合する任意の原子の鎖を言う。結合用基の例は、重合体鎖、場合により置換されたアルキレン基および任意の他の適当な二価の基を包含する。
本発明に従う方法は、慣用の化学反応をコンビナトリアルケミストリーおよびケミカルライブラリーの作成において使用するのと同様の仕方で、固体重合体担体および樹脂ビーズ上の化学反応において適用することが出来る。すなわち、重合体表面に化学的に結合した、カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する好適な有機化合物は、重合体の表面に結合した、カップリングした生成物を形成するために、第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、アルケンボレート中間体と反応させることが出来る。過剰の化学剤および副生成物は次に該表面から洗い流されて、該表面に反応生成物だけを残すことが出来る。カップリングされた生成物は、その後化学結合を適当に開裂することにより重合体表面から分離することが出来る。この方法はまた、第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、重合体表面に結合した、ハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するオレフィン系化合物を、ジボロン誘導体と反応させ、重合体表面に化学的に結合したアルケン中間体を形成するという、別の戦略を用いることによっても可能である。その後この中間体は、第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に、カップリング位置にハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する有機化合物と反応させ、重合体に化学的に結合した、カップリングした生成物を造ることが可能である。過剰な反応体および副生成物は適当な洗浄により除去することが出来、カップリングした生成物は、重合体への結合を化学的に開裂することにより単離することが出来る。
ビニル性カップリング位置に、1つを超えるハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するオレフィン系化合物の反応により重合体を造ることも可能である。そのようなオレフィン系化合物は、第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下にジボロン誘導体と反応させ、1個を超えるボロン官能性を有するアルケンボレート中間体を形成することが出来る。これらの中間体は1つを超えるハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する有機化合物と反応させ、重合体を形成することが出来る。オレフィン系化合物が、ジボロン誘導体と反応する3個またはそれ以上のハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する場合には、本発明の方法に従ってデンドリチック(dendritic)分子を造ることが可能である。
オレフィン系化合物および有機化合物は、別々の分子であっても互いに結合していてもよい。後者の場合、ジボロン誘導体との反応の後に形成されたアルケンボレート中間体は、分子中のどこか他の位置に位置するカップリング位置において閉環反応のような分子内反応を起こすように反応することが出来る。同様に、本発明に従う方法は、分子の異なる複数の部分に位置する二重結合の間に、各二重結合がビニル性ハロゲンまたはハロゲン様置換基を有することを条件にして、分子内結合の生成を可能にする。
本発明に従う方法はまた、カップリングの後に、更なる反応や転位に関与する反応性中間体の製造に有用である。そのような中間体の一例は、ビニル性ハロゲン化物を含有するエーテル(式(I)において、R1、R2またはR3の1つは−ORである)をジボロン誘導体と反応させることにより形成されたものである。ひき続いて、得られるアルケンボレート中間体と有機化合物とをカップリングさせ、そのエノールエーテルの加水分解を行うと、ケトンを与える。
本発明に従う方法は、有機化合物にオレフィン系部分をカップリングするための別の方法を提供する。この方法は、おだやかな条件の使用を可能にし、かつ、費用のかかる、扱うことが困難なそして(または)毒性の、化学剤および溶媒の使用を避ける。これに関して、硼素および硼素化合物は一般に非毒性である。その反応はまた、メタノールおよびエタノールのような比較的に安価な溶媒中で行うことが出来、反応工程に対するコントロールが改良される点を考慮すると、工業的規模で反応を行うことが出来ることが予想される。そのおだやかな反応条件からみて、殆どの反応性置換基を保護する必要なく、カップリングを行うことも可能である。
以下の例は本発明の好ましい態様を例示するために提供される。しかしながら、以下の記載は上に記載された本発明の一般性を取り消すものではないことは理解されるべきである。
例:
例 1:
Figure 0004074345
(a) ビス(ピナコラート)ジボロン(0.283g、1.11ミリモル)、ブロモトリフェニルエチレン(0.337g、1.0ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(26.4mg)および(C65)P(O)(ONa)2.H2O(0.712g、3.01ミリモル)を17時間80℃でエタノール(5ml)中でかき混ぜた。水を用いての洗浄後に、エーテル中の反応溶液のガスクロマトグラフィ(gc)は、滞留時間−gc/質量分光分析(ms)により所望のアルケンボレートとして確認された(合計積分の70%以上の)1つの主要なピークを有した。ガスクロマトグラフィにおける他のピークは出発物質およびトリフェニルエチレンとして確認された。反応条件(時間/温度)は最適化しなかった。
(b) 本生成物はまた、該燐酸塩の塩基をCsFまたはK2CO3に置き換えて、上記反応条件下で造ることが出来る。塩基として酢酸カリウムまたはCs2CO3を用いると、本反応(アルコール中80℃)は、一層多量のトリフェニルエチレンを与える。DMSOを反応溶媒として用いることが出来、80℃/16.5時間で、トリフェニルエチレンと一緒に所望の生成物を与える。
(c) 上記反応は、より低い温度で炭酸カリウムのような強い塩基を用いて首尾よく行うことが出来る。例えば、30℃でエタノール(5ml)中でビス(ピナコラート)ジボロン(0.142g、0.56ミリモル)、ブロモトリフェニルエチレン(0.168g、0.5ミリモル)、12mgのPdCl2(dppf).CH2Cl2およびK2CO3(0.211g、1.53ミリモル)は、18時間の反応時間の後に、僅かなトリフェニルエチレンと一緒にトリフェニルエテニルボロン酸エステルを与えた。唯一の他のピークは痕跡量(面積積分の2%未満)の未反応ビス(ピナコラート)ジボロンによるものであった。
例 2:
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.281g、1.11ミリモル)、K2CO3(0.409g、2.96ミリモル)および木炭上パラジウム(10%)の50mgを窒素下に反応管に入れた。2−ブロモ−3−メチル−ブテン(0.152g、1.02ミリモル)および乾燥エタノール(5ml)の添加の後に、反応混合物を19.5時間30℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後に、反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、所望のアルケンボレートの存在を示した。
例 3:
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.281g、1.11ミリモル)、K2CO3(0.404g、2.93ミリモル)およびビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウムの27mgを窒素下に反応管に入れた。2−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(0.146g、0.98ミリモル)および乾燥エタノール(5ml)の添加の後に、反応混合物を19.5時間30℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄の後に、反応溶液のガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、所望のアルケンボレートの存在を示した。このことは、gc/msにより確認された。
エステルの形成は、塩基としてK2CO3を用いて、30℃で、NiCl2(dppf).CH2Cl2および酢酸ニッケル四水和物によりエタノール中でも触媒作用された。
cis−ジクロロビス(ジフェニルホスフィン)白金およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)白金はまた、K2CO3の存在下にメタノール中で30℃で2−ブロモ−3−メチル−2−ブテンおよびビス(ピナコラート)ジボロンから、ピナコールアルケンボレートの形成を触媒作用することが分かった。
30℃でエタノール中の1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンとのジクロロパラジウム錯体は、塩基としてK2CO3の存在下に、ブロモトリフェニルエチレンおよびビス(ピナコラート)ジボロンからのトリフェニルエチリルボロン酸ピナコールエステルの形成を触媒作用した。
例 4:
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.282g、1.11ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2の25mgおよび酢酸カリウム(0.300g、3ミリモル)を窒素下に反応管に入れた。β−ブロモスチレン(0.189g、1.03ミリモル)および乾燥エタノール(5ml)の添加後に反応溶液を16時間30℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後に、反応溶液のガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、生成物であるスチリルボロン酸ピナコールエステルとして、gc/msにより確認されるピークを有した。
例 5:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥イソプロピルアルコール(6ml)中のビス(ピナコラート)ジボロン(253mg、0.996ミリモル)、2−ブロモ−3−メチル−ブテン(136mg、0.913ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(22mg、0.027ミリモル)および炭酸カリウム(380mg、2.75ミリモル)の混合物を密閉し、18時間30℃でかき混ぜた。反応混合物をガスクロマトグラフィ分析にかけたところ、gc/msにより所望のアルケンボレートとして確認される主要なピークを示し、ならびに、若干の未反応のジボロン化合物およびアルケンハライド出発物質を示した。
例 6:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥ジオキサン(5.5ml)中のビス(ピナコラート)ジボロン(327mg、1.29ミリモル)、2−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(171mg、1.15ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(61mg、0.075ミリモル)および炭酸カリウム(475mg、3.44ミリモル)の混合物を密閉し、30℃でかき混ぜた。3日後に、反応混合物のガスクロマトグラフィ(gc)分析にかけたところ、3つの主要なピークを示したが、これらは、gc/msにより所望のアルケンボレートおよび未反応出発物質として確認された。
例 7
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥イソプロピルアルコール(6ml)中のビス(ネオペンタンジオラート)ジボロン(247mg、1.09ミリモル)、2−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(148mg、0.993ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(26mg、0.032ミリモル)および炭酸カリウム(426mg、3.08ミリモル)の混合物を密閉し、30℃でかき混ぜた。16.5時間後、反応混合物をガスクロマトグラフィ(gc)分析にかけたところ、2つの主要なピークを示したが、これらは、gc/msにより所望のアルケンボレートおよび未反応アルケンハライドとして確認された。ジボロン化合物および二量体は痕跡量のみが検出された。
例 8:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥DMSO(8ml)中のビス(ピナコラート)ジボロン(412mg、1.62ミリモル)、2−ブロモ−2−メチルプロペン(197mg、1.46ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(40mg、0.049ミリモル)および酢酸カリウム(440mg、4.48ミリモル)の混合物を密閉し、30℃でかき混ぜた。17時間後、その反応混合物のガスクロマトグラフィ(gc)分析にかけたところ、2つの主要なピークを示したが、これらはgc/msにより所望のアルケンボレートおよび未反応ジボロン化合物として確認された。
例 9:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥DNSO(5ml)中のビス(ネオペンタンジオラート)ジボロン(185mg、0.819ミリモル)、ブロモトリフェニルエチレン(253mg、0.755ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(21mg、0.026ミリモル)および酢酸カリウム(237mg、2.41ミリモル)の混合物を密閉し、80℃でかき混ぜた。17時間後、反応混合物をガスクロマトグラフィ(gc)分析にかけたところ、一つの主要なピークを示したが、これはgc/msによりアルケンボレートとして確認された。
例 10:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥エタノール(5.5ml)中のビス(ネオペンタンジオラート)ジボロン(189mg、0.837ミリモル)、ブロモトリフェニルエチレン(255mg、0.761ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(24mg、0.029ミリモル)および酢酸カリウム(251mg、2.56ミリモル)の混合物を密閉し、80℃でかき混ぜた。18時間後、反応混合物をガスクロマトグラフィ(gc)分析にかけたところ、3つの主要なピークを示したが、これらはgc/msにより所望のアルケンボレート、アルケンハライドおよび脱ハロゲン化アルケンとして確認された。
例 11:
Figure 0004074345
窒素下にシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥エタノール(5.5ml)中のビス(ネオペンタンジオラート)ジボロン(187mg、0.828ミリモル)、ブロモトリフェニルエチレン(251mg、0.749ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(20mg、0.024ミリモル)および炭酸カリウム(325mg、2.35ミリモル)の混合物を密閉し、80℃でかき混ぜた。18時間後、反応混合物をガスクロマトグラフィ(gc)分析にかけたところ、2つの主要なピークを示したが、これらはgc/msにより所望のアルケンボレートおよび脱ハロゲン化アルケンとして確認された。
例 12
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥イソプロピルアルコール(5ml)中のビス(ピナコラート)ジボロン(255mg、1.00ミリモル)、ブロモトリフェニルエチレン(298mg、0.889ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(26mg、0.032ミリモル)および炭酸カリウム(376mg、2.72ミリモル)の混合物を密閉し、30℃でかき混ぜた。18時間後反応混合物をガスクロマトグラフィ(gc)分析にかけたところ、一つの主要なピークを示したが、これはgc/msにより所望のアルケンボレートとして確認された。
例 13:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥DMSO(5ml)中のビス(ネオペンタンジオラート)ジボロン(277mg、1.23ミリモル)、β−ブロモスチレン(202mg、1.10ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(29mg、0.036ミリモル)および酢酸カリウム(329mg、3.35ミリモル)の混合物を密閉し、80℃でかき混ぜた。18時間後、ガスクロマトグラフィ(gc)およびgc/ms分析にかけたところ、アルケンボレート、二量体およびジボロン化合物を検出した。
例 14:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥メタノール(5ml)中のビス(ピナコラート)ジボロン(284mg、1.12ミリモル)、cis−1−ブロモ−2−エトキシエチレン(152mg、1.01ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(53mg、0.065ミリモル)および炭酸カリウム(418mg、3.02ミリモル)の混合物を密閉し、30℃でかき混ぜた。16時間後、ガスクロマトグラフィ(gc)およびgc/ms分析にかけたところ、アルケンハライド、ジボロン化合物、アルケンボレートおよび二量体を検出した。
例 15:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥メタノール(5.5ml)中のビス(ピナコラート)ジボロン(251mg、0.988ミリモル)、2−ブロモアリルトリメチルシラン(172mg、0.890ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(45mg、0.055ミリモル)および炭酸カリウム(383mg、2.77ミリモル)の混合物を密閉し、16.5時間、30℃でかき混ぜた。反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、1つの主要なピークを示したが、これはgc/msによりアルケンボレートとして確認された。
例 16
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥メタノール(5ml)中のビス(ピナコラート)ジボロン(249mg、0.981ミリモル)、4,4−ジメチル−2−ヨード−2−シクロヘキセノン(220mg、0.880ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(44mg、0.054ミリモル)および炭酸カリウム(386mg、2.79ミリモル)の混合物を密閉し、25.5時間30℃でかき混ぜた。反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、3つの主要なピークを示したが、これらはgc/msによりアルケンボレート、アルケンハライドおよびジボロン化合物出発物質として確認された。
例 17:
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.280g、1.10ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2の26mgおよびK2CO3の0.419g(3ミリモル)を窒素下に反応管中に入れた。3−クロロビシクロ〔3.2.1〕オクテ−2−エンの0.140g(0.98ミリモル)および5mlの乾燥エタノールの添加後、反応溶液を24時間30℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後、反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、gc/ms(m/z=235:M++1)により所望のアルケンボレートとして確認される一つのピークを有した。その生成物は、同じ反応条件下にK2CO3の代わりの塩基としてCsF(0.61g、4ミリモル)を用いても形成される。
例 18:
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.284g、1.12ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2の24mgおよびK2CO3の0.413g(3ミリモル)を窒素下に反応管に入れた。cis−ヨードアクリル酸エチルの0.232g(1.03ミリモル)および乾燥エタノールの5mlを添加した後に、反応溶液を25℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後、反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、gc/ms〔m/z=227(M++1),m/z=255(M++29)、m/z=267(M++41)〕により所望のアルケンボーレートとして確認される一つのピークを有した。その生成物は、同じ反応条件下にK2CO3の代わりの塩基としてCsF(0.61g、4ミリモル)を用いても形成される。
例 19
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.284g、1.12ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2の50mgおよびCsFの0.61g(4ミリモル)を窒素下に反応管中に入れた。2−ブロモ−2−メチルアクリロニトリルの0.143g(0.98ミリモル)、乾燥ジオキサンの4mlおよびピリジンの1mlの添加後に、反応溶液を19時間50℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後、反応溶液をgc/msにかけたところ、所望のアルケンボレートを形成していたことを示した〔m/z=193(M++1)、m/z=222(M++29)、m/z=234(M++41)〕。
例 20:
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.283g、1.11ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2の24.1mgおよびK2CO3の0.416g(3ミリモル)を窒素下に反応管にいれた。2−ブロモ−3−メチル−2−ブテンの0.152g(1.02ミリモル)および乾燥DMFの5mlの添加後に、反応溶液を30℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後、反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、(gcピークの積分面積の85%以上の)1つの主要なピークを有したが、これはgc/msにより生成物であるボロン酸エステルとして確認された。ジボロン酸のピナコールエステルの若干量(積分面積の10%未満)が未反応のままに残った。二量体形成は最少(合計ピーク面積の2%未満)であった。
例 21
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.283g、1.11ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2の25mgおよびNaHCO3の0.250g(3ミリモル)を窒素下に反応管中に入れた。2−ブロモ−3−メチル−2−ブテンの0.146g(0.98ミリモル)および乾燥エタノールの5mlの添加の後に、反応溶液を30℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後、反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、生成物であるボロン酸エステルが形成されていたことを示し、このことはgc/msにより確認された。二量体は観察されなかった。
例 22:
Figure 0004074345
ガスクロマトグラフィ的に純粋な5,5−ジメチル−2−(1,2,2−トリフェニルビニル)−1,3,2−ジオキサボリナンのメタノール溶液を以下の条件下で、Zorbaxカラム(ODS)を用いてHPLC(Waters 600E)により分析した:λ=230nm、2ml/分、80%CH3CN:20%H2O。2つのピークが、1.9分(部分加水分解による)および7.9分(アルケンボレートによる)で検出された。出発物質/生成物の面積比=5.2。
このサンプルに若干量の水を加え、その溶液を室温で放置した。20分後に、HPLC分析にかけたところ、1.9分で1つのピークを示した。加水分解されたサンプルをガスクロマトグラフィ(gc)およびgc/msによって分析したところ、〔M−B(OH)2+を示した。トリフェニルエチレンの同じ条件下でのHPLCでは8.6分で1つのピークがあらわれた。
上記結果から、5,5−ジメチル−2−(1,2,2−トリフェニルビニル)−1,3,2−ジオキサボリナンを水にさらすと1,2,2−トリフェニルビニルボロン酸へと迅速に加水分解することがわかる。
例 23:
2,3,4,5−テトラメチル−2,4−ヘキサジエン
この例は、強い塩基を用いてアルケニルボロン酸エステルを形成することおよびひき続いてこのボロン酸エステルを更に臭化アルケニルと反応温度を上昇させることによってカップリングさせ、対称性ジエンを生成することを記載する。この反応はアルケンボレート中間体を経て進行する。
この中間体は2−ブロモ−3−メチル−2−ブテンと1つのポット中で反応して下記の化合物を与える:
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.282g、1.11ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2の26.4mgおよびK2CO3(0.0424g、3.07ミリモル)を窒素下に反応管に入れた。2−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(0.286g、1.92ミリモル)および乾燥エタノールの5mlの添加後、反応溶液を18時間30℃でかき混ぜた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後、反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、2つの主要なピークを示したが、これらはgc/msにより所望のアルケンボレートおよび過剰の2−ブロモ−3−メチル−ブテンとして確認された。少量(積分ピーク面積の2%未満)のビス(ピナコラート)ジボロンが未反応のままに残った。二量体は観察されなかった。
反応温度を23時間60℃に上昇させ、ガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、アルケニルボロン酸エステルはすべて反応したことがわかり、2,3,4,5−テトラメチル−2,4−ヘキサジエンがガスクロマトグラフィ(gc)で確認された唯一の主要な生成物であった。
触媒としてPdCl2(dppf).CH2Cl2を、塩基としてK2CO3を用いる2−ブロモ−3−メチル−2−ブテンからのアルケニルボロン酸ピナコールエステルの形成は一層低い温度で行うことが出来る。DMSO中においては、この反応はエタノール中での反応より遅く、K2CO3の代わりに酢酸カリウムを塩基として用いる場合も同様である。
塩基としてK3PO4および20℃の反応温度を用いると高い収量のそのアルケンボロン酸エステルが形成される。そのアルケンボロン酸エステルは、溶媒としてジオキサン中で塩基としてCsFおよび60℃の反応温度を用いても形成されるが、少量の二量体の形成を伴う。
例 24:
Figure 0004074345
この化合物の1つのポット中での合成は、まずK2CO3および過剰のビス(ピナコラート)ジボロン酸の存在下30℃におけるアルケニルボロン酸エステルの合成、次に塩基加水分解による過剰のジボロン種の破壊そしてその後の4−ブロモ−1,2−(メチレンジオキシ)ベンゼンの添加そして60℃への反応温度の上昇により進行した。
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.384g、1.51ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2の24.7mgおよびK2CO3の0.564g(4.1ミリモル)を窒素下に反応管に入れた。2−ブロモ−3−メチル−2−ブテンの0.150g(1.0ミリモル)および乾燥エタノールの5mlの添加の後に、反応溶液を21時間30℃でかき混ぜた。水の0.5mlの添加の後に、反応混合物を30℃にさらに3時間温めた。エーテル中に溶解したアリコットを水で洗浄した後に、反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、ジボロン化合物が水性塩基により、殆どすべて加水分解されることがわかった。
次に、4−ブロモ−1,2−(メチレンジオキシ)ベンゼン(0.195g、0.97ミリモル)を加え、反応溶液を6時間60℃に温めた。すべてのアルケンボレートが反応し、gc/msにより確認された主要な生成物は、カップリングしたアルケニルアリール種であった。この反応において少量のビアリール(biaryl)化合物が観察されたが、これは塩基加水分解の時間を延長させることによりさらに減少させてジボロン酸エステルの完全な除去を確実にすることが出来る。
例 25:
Figure 0004074345
ビス(ピナコラート)ジボロン(0.281g、1.10ミリモル)、酢酸パラジウムの21.1mgおよびK2CO3(0.417g、3ミリモル)を窒素下に反応管に入れた。2−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(0.149g、1.0ミリモル)および乾燥エタノール(5ml)の添加後に、反応溶液を19.5時間30℃でかき混ぜた。反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、唯一の主要なピーク(積分面積の80%)を有したが、これは滞留時間により所望のアルケンボレートとして確認された。反応溶液中に2−ブロモ−3−メチル−ブテンもビス(ピナコラート)ジボロンも観察されなかった。
形成されたアルケニルボロン酸ピナコールエステルは、酢酸パラジウムの存在下に反応溶液を60℃に温めることにより、さらに塩基の添加を行うことなく、β−ブロモスチレンとカップリングされた。カップリングした生成物はgc/msにより確認された。
例 26:
Figure 0004074345
ジボロン酸のピナコールエステル(320mg、1.2ミリモル)、2−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(149mg、1ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(40mg)およびKOAc(300mg、3ミリモル)は、すべての前記臭化物が反応してしまう(少量のサンプルのgc分析、4.9分で新しいピーク、8.1分でジボロン酸エステル)まで、60℃でメタノール(6ml)中でかき混ぜた。約3時間室温でかき混ぜることにより、過剰のジボロン化合物をH2O(0.5ml)およびCs2CO3(960mg、3ミリモル)で分解した。p−ヨードトルエン(218mg、1ミリモル)を加え、すべてのアルケンボレートが反応してしまう(gc痕跡量で5.4分で新しいピーク)まで反応混合物を60℃に温めた。
例 27:
Figure 0004074345
窒素下にシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥MeOH(5mI)中のビス(ピナコラート)ジボロン(271mg、1.07ミリモル)、3−ブロモ−3−ブテン−1−オール(146mg、0.967ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(26mg、0.032ミリモル)および炭酸カリウム(415mg、3.00ミリモル)の混合物を密閉し、18時間30℃でかき混ぜた。反応混合物のサンプルをジクロロメタン中に抽出し、希釈HClで洗浄し、(MgSO4上で)乾燥した。gc/msによる反応混合物の分析は二量体の存在を示した(m/z=143;M++1)。
例 28:
Figure 0004074345
窒素下のシュレンク(Schlenk)管中に、乾燥ジオキサン(5.5ml)中のビス(ピナコラート)ジボロン(250mg、0.984ミリモル)、3−ブロモ−2−メチルアクリロニトリル(131mg、0.897ミリモル)、PdCl2(dppf).CH2Cl2(46mg、0.056ミリモル)及びフッ化セシウム(408mg、2.69ミリモル)の混合物を密閉し、22時間30℃でかき混ぜた。反応溶液をガスクロマトグラフィ(gc)にかけたところ、2つの主要なピークを示したが、これらはgc/msにより、アルケン二量体および未反応ジボロン化合物として確認された。少量のアルケンボーレートもまた、検出された。
他の化合物は同様な方法で造ることが出来る。
この明細書およびこのあとの請求の範囲を通じて、文脈に反しない限り、用語“含む(comprise)”、あるいは“含む(comprises)”または“含んでいる(comprising)”のような活用形は、記載されている完全体(integer)または一群の完全体を包含することを意味するが、それら以外の任意の完全体または一群の完全体を除外することを意味しないことを理解すべきである。
当業者であれば本明細書に記載された本発明に、ここに具体的に記載された事項以外の変更および修正の余地があることが認識できるだろう。本発明にはすべてのそのような変更および修正が包含されることは理解されるべきである。本発明はまた、この明細書において個々にであると集約的であるとを問わず、言及され、または示された工程、特徴、組成物および化合物のすべて、並びに上記工程または特徴のいずれかの2つまたはそれ以上の組み合わせのいずれかおよびすべてを包含する。

Claims (57)

  1. 有機化合物を共有結合的にカップリングする方法であって、ハロゲンまたはハロゲン様置換基をビニル性カップリング位置に有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体と第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に反応させる工程を含む、上記方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記ジボロン誘導体が前記オレフィン系化合物と反応して対称性の共有結合的にカップリングした生成物を形成する、上記方法(前記反応はアルケンボレート中間体を経て進行し、この中間体は残留オレフィン系化合物と反応して前記カップリングした生成物を形成し、前記共有結合的なカップリングは前記オレフィン系化合物2分子のビニル性カップリング位置間の共有結合を含む)。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記適当な塩基が前記アルケンボレート中間体の形成およびそれに続く前記残留オレフィン系化合物との反応の両方を触媒作用する、上記方法。
  4. 請求項2に記載の方法において、前記適当な塩基が前記アルケンボレート中間体の形成を前記反応条件下で触媒作用するのみである、上記方法(前記中間体の形成後に一層強い塩基を添加することおよび(または)温度を上昇させることにより、前記中間体の前記残留オレフィン系化合物との反応を触媒作用する)。
  5. 請求項1の有機化合物を共有結合的にカップリングする方法において、
    (i)ハロゲンまたはハロゲン様置換基をビニル性カップリング位置に有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体と第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に反応させ、アルケンボレート中間体を形成する工程、および
    (ii)前記アルケンボレート中間体をハロゲンまたはハロゲン様置換基をカップリング位置に有する有機化合物と第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に反応させることにより、前記オレフィン系化合物を前記有機化合物に各カップリング位置間の直接結合を介してカップリングする工程、
    を含む、上記方法)。
  6. 請求項5に記載の方法において、前記有機化合物が前記オレフィン系化合物とは異なる、上記方法。
  7. 請求項5に記載の方法において、水、あるいは水と適当な塩基を前記アルケンボレート中間体の形成後に添加して、未反応ジボロン誘導体を分解する、上記方法。
  8. 1つのポット中において行う、請求項5または請求項7に記載の方法。
  9. 請求項5に記載の方法において、前記アルケンボレート中間体を前記有機化合物との反応以前に単離する、上記方法。
  10. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法において、前記有機化合物がハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する芳香族または擬似芳香族環化合物である、上記方法。
  11. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法において、前記有機化合物が、ハロゲンまたはハロゲン様置換基をビニル性カップリング位置に有するオレフィン系化合物である、上記方法。
  12. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法において、前記有機化合物がハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する脂肪族化合物である、上記方法。
  13. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法において、前記有機化合物がハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するアリル化合物である、上記方法。
  14. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法において、前記有機化合物がハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するアセチレン系化合物である、上記方法。
  15. 請求項2または請求項5に記載の方法において、前記有機化合物が、1個を超えるハロゲンまたはハロゲン様置換基をビニル性カップリング位置に有する、上記方法。
  16. 請求項5に記載の方法において、前記オレフィン系化合物が、有機金属化合物と反応し得る置換基を有する、上記方法。
  17. 請求項5に記載の方法において、前記オレフィン系化合物が活性水素含有置換基を有する、上記方法。
  18. 請求項5に記載の方法において、前記オレフィン系化合物および前記有機化合物との少なくとも1つが1個を超えるハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する、上記方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法において、前記第VIII族金属触媒が、パラジウム、ニッケルまたは白金を含む、上記方法。
  20. 請求項19に記載の方法において、前記第VIII族金属触媒がパラジウム触媒である、上記方法。
  21. 請求項20に記載の方法において、前記パラジウム触媒がパラジウム錯体である、上記方法。
  22. 請求項19に記載の方法において、前記触媒がニッケル錯体である、上記方法。
  23. 請求項21に記載の方法において、前記パラジウム錯体が、PdCl2、Pd(OAc)2、PdCl2(dppf).CH2Cl2、Pd(PPh34またはトリアニシルホスフィン、トリトリルホスフィン、Ph2P(CH2nPPh2(但し、nは2、3または4である)、トリシクロヘキシルホスフィンまたはベンゾニトリルを含有するパラジウム錯体から選ばれる、上記方法。
  24. 請求項21または請求項23に記載の方法において、前記パラジウム錯体が固体担体上に係留されている、上記方法。
  25. 請求項20に記載の方法において、前記触媒が、パラジウム黒、炭素上パラジウム、パラジウムクラスター及び多孔質ガラス中パラジウムからなる群から選ばれる、上記方法。
  26. 請求項22に記載の方法において、前記触媒が、ニッケル黒、ラネーニッケル、炭素上ニッケルおよびニッケルクラスターまたはニッケル錯体または固体担体上に係留されているニッケル錯体からなる群から選ばれる、上記方法。
  27. 請求項19に記載の方法において、前記第VIII族金属触媒が白金触媒である、上記方法。
  28. 請求項27に記載の方法において、前記白金触媒が、白金黒、炭素上白金および白金クラスターまたは白金錯体または固体担体に係留されている白金錯体から選ばれる、上記方法。
  29. 請求項1または5の方法において、前記オレフィン系化合物が式I
    Figure 0004074345
    (式中、R1、R2およびR3は各々独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキル(これらの各々は場合により置換されていてもよい)、シアノ、イソシアノ、ホルミル、カルボキシル、ニトロ、ハロ、アルコキシ、アルケンオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ジベンジルアミノ、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロシクロオキシ、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、スルホンアミド、スルファニル、スルホ、カルボキシ、カルバモイル,、カルボキシイミジル、スルフィニル、スルフィンイミジル、スルフィノヒドロキシミル、スルホンイミジル、スルホンジイミジル、スルホノヒドロキシミル、スルファミル、燐含有基、グアニジニル、ジュアニジノ(duanidino)、ウレイドおよびウレイレン(ureylene)から選ばれ、Xはハロゲンまたはハロゲン様置換基である)の化合物である、上記方法。
  30. 請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法において、前記ジボロン誘導体がジボロン酸(diboronic acid)のエステルまたはその他の安定な誘導体である、上記方法。
  31. 請求項30に記載の方法において、前記ジボロン誘導体が、式
    (RO)2B−B(RO)2
    〔式中、Rは置換されていてもよいアルキルまたはアリールであるか、若しくは−B(OR)2は式
    Figure 0004074345
    (式中R’は置換されていてもよいアルキレン、アリーレンまたはその他の結合された芳香族および脂肪族部分を含む二価の基である)の環式基を表す〕の化合物である、上記方法。
  32. 請求項31の方法において、前記ジボロン誘導体が、ビス(ピナコラート)ジボロン、ビス(エタンジオラート)ジボロン、ビス(n−プロパンジオラート)ジボロンおよびビス(ネオペンチルジオラート)ジボロンからなる群から選ばれる、上記方法。
  33. 溶媒の存在下に行う、請求項1〜32のいずれか1項の方法。
  34. 請求項33の方法において、前記溶媒がプロトン性溶媒である、上記方法。
  35. 請求項34の方法において、前記プロトン性溶媒が水またはアルコールである、上記方法。
  36. 請求項34の方法において、前記溶媒が水、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはこれらの混合物である、上記方法。
  37. 請求項33の方法において、前記溶媒が、DMSO、DMF、ジオキサン、DME、ジエチルエーテル、THFまたはこれらの混合物である、上記方法。
  38. 0℃〜120℃の温度で行う、請求項1〜36のいずれか1項の方法。
  39. 請求項38の方法において、前記温度が15〜40℃の範囲にある、上記方法。
  40. 請求項5の方法において、前記工程(i)の適当な塩基が、前記オレフィン系化合物の前記ジボロン誘導体との反応を触媒作用することが出来るが、その反応において使用される条件下では前記アルケンボレート中間体の前記有機化合物との更なる反応を触媒作用するほど強くない、上記方法。
  41. 請求項40の方法において、前記適当な塩基が、Li、Na、K、Rb、Cs、アンモニウムおよびアルキルアンモニウムのアリールおよびアルキルカルボン酸塩、炭酸塩、フッ化物および燐酸塩からなる群から選ばれる、上記方法。
  42. 請求項1または請求項5の方法において、前記適当な塩基が、Li、Na、K、Rb、Cs、アンモニウム、アルキルアンモニウム、Mg、CaおよびBaのアリールおよびアルキルカルボン酸塩、フッ化物、水酸化物および炭酸塩;Li、Na、K、RbおよびCsの燐酸塩およびアリール燐酸塩;Li、Na、K、RbおよびCsの燐酸エステル;Li、Na、K、RbおよびCsのフェノキシド;Li、Na、K、RbおよびCsのアルコキシド;および水酸化タリウムからなる群から選ばれる、上記方法。
  43. 請求項5の方法において、前記工程(ii)の適当な塩基が、炭酸セシウム、炭酸カリウム、燐酸カリウムおよびアルカリ金属水酸化物から選ばれる、上記方法。
  44. 請求項5の方法において、前記オレフィン系化合物および前記有機化合物の1つが重合体である、上記方法。
  45. 請求項44の方法にしたがって造られた場合の機能性高分子固体。
  46. 請求項5の方法において、前記オレフィン系化合物または前記有機化合物が固体重合体担体に化学的に結合される、上記方法。
  47. アルケンボレート中間体の製造方法であって、ハロゲンまたはハロゲン様置換基および活性水素含有置換基を有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体と第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に反応させる工程を含む、上記方法。
  48. アルケンボレート中間体を製造する方法であって、ハロゲンまたはハロゲン様置換基を有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体とプロトン性溶媒、DMSO、DMF、ジオキサン、DME、ジエチルエーテル、THFまたはこれらの混合物中において、第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に反応させる工程を含む、上記方法。
  49. 請求項47または請求項48に記載の方法において、水、水と適当な塩基、または穏和な酸化剤を添加して未反応のジボロン誘導体を分解する、上記方法。
  50. 請求項47〜49のいずれか1項の方法にしたがって造られたアルケンボレート中間体。
  51. アルケンボロン酸を、請求項50のアルケンボレート中間体を加水分解することによって製造する方法。
  52. 請求項1の方法に従って造られた重合体であって、前記オレフィン系化合物が1個を超えるハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する、上記重合体。
  53. 請求項1の方法に従って造られたデンドリマーであって、前記オレフィン系化合物が2個を超えるハロゲンまたはハロゲン様置換基を有する、上記デンドリマー。
  54. 請求項5に記載の方法において、前記オレフィン系化合物と前記有機化合物とが、前記オレフィン系化合物の前記ジボロン誘導体との反応後に形成された前記アルケンボレート中間体が前記有機化合物と反応して分子内閉環をするように、結合している、上記方法。
  55. 2−(1,2−ジメチルプロペ−1−エニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン;
    2−(1,2−ジメチルプロペ−1−エニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン;
    5,5−ジメチル−2−(1,2,2−トリフェニルビニル)−1,3,2−ジオキサボリナン;
    4,4,5,5−テトラメチル−2−(1,2,2−トリフェニルビニル)−1,3,2−ジオキサボロラン;
    エチル(Z)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)エテニルエーテル;
    4,4−ジメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキセ−2−エン−1−オン;
    (E)−2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)プロペ−2−エンニトリル;
    エチル(Z)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)プロペ−2−エノエート;
    2−ビシクロ〔3.2.1〕オクテ−2−エン−3−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン;および
    1,2,2−トリフェニルビニルボロン酸;
    からなる群から選ばれた、新規なアルケンボレート。
  56. 共有結合的にカップリングした有機化合物の製造方法において、
    ハロゲンまたはハロゲン様置換基をビニル性カップリング位置に有するオレフィン系化合物をジボロン誘導体と第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に反応させ、アルケンボレート中間体を形成させる工程、
    穏和な酸化剤を加えて過剰のジボロン誘導体を分解する工程、および
    前記アルケン中間体をハロゲンまたはハロゲン様置換基をカップリング位置に有する有機化合物と第VIII族金属触媒および適当な塩基の存在下に反応させることにより、前記オレフィン系化合物を前記有機化合物に各カップリング位置間の直接結合を介してカップリングさせる工程、
    を含む、上記方法。
  57. 請求項56に記載の方法において、前記穏和な酸化剤が、N−クロロスクシンイミド、二酸素ガス、クロラミン−T、クロラミン−B、1−クロロトリアゾール、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸およびジクロロイソシアヌル酸カリウム塩から選ばれる、上記方法。
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