JP2001526689A - トロンボポエチンの新規な投与 - Google Patents

トロンボポエチンの新規な投与

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Abstract

(57)【要約】 トロンボポエチン材料は毎日1回または少数回投与で実質的な治療効果を有して投与することができる。血小板減少症の反転は治療的有効量トロンボポエチンの1回または少数回の日用量のそのような処置を有するまたは要する患者に対して投与することによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 トロンボポエチンの新規な投与 発明の分野 本発明は、トロンボポエチン、およびその生物学的活性誘導体やイソ型を用い る、血小板減少症を包含する免疫および/または造血疾患を治療する新たな方法 に関する。この使用は、サイトカイン、特にコロニー刺激因子またはインターロ イキンと一緒の、そのような材料の同時投与を企図する。該使用は、血小板減少 症を有するか、またはその危機にある哺乳動物を、そのような治療が必要な該哺 乳動物に治療有効量の該材料を投与することによって、治療する方法を包含し、 かつそれに包含される。 発明の背景 造血系は、すべての哺乳動物に必要であることが既知である、高度に分化した 成熟血球を産生する。これらの成熟した細胞は、酸素や二酸化炭素を輸送するよ う分化した、赤血球、細胞性および体液性免疫応答を担う、TおよびBリンパ球 、血栓を形成するよう分化した、血小板すなわちトロンボサイト、ならびに感染 と戦うためのスキャベンジャーや補助細胞として分化した、顆粒球およびマクロ ファージを包含する。これらの分化した成熟血球はすべて、最初は骨髄で発見さ れた、多能性幹細胞と呼ばれる共通するただ一つの原始細胞型に由来する。 高度に分化した成熟血球は、哺乳動物の生涯を通じて絶えず大量に産生されな ければならない。これらの分化した血球の大多数は、数時間ないし数週間のみ機 能的に活性であり続けるにすぎない運命にある。そのため、これら成熟血球、原 始幹細胞それ自身はもとより、いかなる中間体または系列、すなわち原始細胞と 成熟細胞とを結ぶ方向づけられた前駆細胞系統の絶え間ない更新が、哺乳動物の 継続的生活のための正常な定常状態の血球の必要性を維持するために必要である 。 造血系の核心には、多能性幹細胞がある。これらの細胞は、比較的数が少なく 、娘幹細胞を生じる増殖によって自己再生を果たすか、または一連の分化の段階 の間に、次第に成熟する系列限定前駆細胞へと形質転換して、最終的には、高度 に分化した成熟血球を形成する。 正常な造血細胞系を裏付ける原理は、多能性が失われ、系列限定および成熟が 獲得されるにつれて、自己再生の能力が減退することにあると思われる。したが って、一連の造血細胞の一端には、様々なすべての系列特異的な方向づけられた 前駆細胞へと自己再生かつ分化する能力を保有する、多能性幹細胞がある。一連 の細胞の他端には、自己再生の能力は失ったが、成熟した機能的活性を獲得した 、高度に系列限定された前駆細胞およびその子孫がある。 幹細胞、および系列限定された前駆細胞の増殖や発達は、様々な造血成長因子 またはサイトカインによって注意深く制御されている。そのため、造血成長因子 は、一つまたはそれ以上の系列の増殖や分化を左右するか、ただ一つの前駆細胞 系に影響することが他の成長因子と重複するか、または他の因子と共同して作用 するような可能性がある。 前記から、血球またはその始原のいずれの生存、増殖、分化または成熟にも影 響する、新規な造血成長因子は、疾病、または放射線もしくは化学療法によって 生じた減衰した造血系の再確立に、特に助けとなるのに役立つことが認識される と思われる。 血小板は、血液凝固機構の決定的要素である。血小板減少症と呼ばれる、血小 板の循環レベルの低下は、様々な臨床的状態や疾患の際に発生かつ発現する。臨 床的な血小板減少症は、一般的には、血小板数が1リットルあたり約150x1 09未満である状態として定義される。血小板減少症の主な原因は、血小板の寿 命に基づいて三つの範鴫、すなわち(1)骨髄による血小板生産の欠陥、例えば 化学および放射線療法に起因する血小板減少症;(2)脾臓における血小板の隔離 (脾腫);および(3)末梢循環における血小板の破壊の増強、例えば自己免疫疾 患に起因する血小板減少症に大別することができる。加えて、急速に投与される 大量の貧血小板血液生成物を受ける患者では、希釈率のために血小板減少症が発 生し得る。より詳しい血小板減少症の説明とその原因とは、Schafner,“Thrombo cytopenia and Disorders of Platelet Disfunction”,Internal Medicine,Jo hn J.Hutton et al.,Eds.,Little,Brown & Co.,Boston/Tronto/London,Th ird Ed.(1990)はもとより、国際特許願第PCT/US94/14553号(国際公開第WO95/1 8858号)公報に見出し得る。 血小板減少症の患者に対する治療方策は、臨床状態の重篤度や緊急度によって 決められる。治療は、HIV付随および非HIV関連血小板減少症について同様 であり、異なる数多くの治療方策が用いられているが、治療法は、臨床的に議論 の余地が残されたままである。 前記から、血小板減少症を治療する一方法は、巨核球またはその前駆細胞の血 小板生産形態への分化および成熟を加速できる薬剤を得ることであると認識され ると思われる。かなりの努力が、そのような薬剤を特定することに払われている 。なべて引用されるものの一つが、トロンボポエチン(TPO)、すなわち本願の 主題である。現時点で文献中に一般的に見出される、TPOに対する別名は、血 小板新生刺激因子(TSF);巨核球コロニー刺激因子(MK−CSF)、巨核球成 長および発達因子(MGDF)、巨核球刺激因子、巨核球相乗因子、およびmpl リガンドを包含する。 引用された国際特許願第PCT/US94/14553号公報は、巨核球の成熟血小板生産形 態への増殖、成熟および/または分化を刺激できることが判明している、「MP Lリガンド(ML)」、すなわちより一般的には「トロンボポエチン(TPO)」と 名付けられた、単離された哺乳動物の、巨核球新生性増殖および成熟促進タンパ ク質の同定、単離、生産および利用を記載している。 関心は、国際特許願第WO95/26746号、第WO95/21919号および第WO95/21920号公 報にも向けられている。 国際特許第PCT/US94/14553号出願は、TPOの関連する実施態様の、造血疾患 、特に血小板減少症を有するか、またはその危機にある哺乳動物を治療する方法 であって、治療有効量の材料TPOを該哺乳動物に投与することを含む方法を包 含する様々な側面を包含する。場合により、TPOは、そのようなものとしてか 、またはサイトカイン、特にコロニー刺激因子もしくはインターロイキンと組み 合わせて投与される。該国際特許願に開示された目的のためには、TPOは、T PO自体、または血小板減少症の治療のための、完全なTPOと共通する少なく とも一つの生物学的特性を共有するフラグメントをはじめとする、その様々な変 異体、誘導体もしくはそのイソ型を包含するとして広義に定義されている。該特 許願に記載のとおりに役立つ様々な材料TPOの定義に関連して用いられるとき 、「生物学的特性」とは、材料TPOが直接もしくは間接的に生起もしくは発 揮する造血新生活性、またはin vivoエフェクターまたは抗原の機能もしくは活 性を意味する。 トロンボポエチンという材料の治療的用途に関しては、国際特許願第PCT/US94 /14553号公報に記載されたとおり、材料TPOは、製薬上許容され得る担体との 混合物での、いくつかの投与様式のいずれかを介する投与についてそこに記載さ れている。日次投与方式は、約0.1〜100μg/体重kg、好ましくは約0.1 〜50μg/体重kgにわたり、好ましくは処置用量で1日あたり約1〜5μg/kgに わたる、として記載されている。該特許願の教示の範囲内の含意は、減少した血 小板数の予測的な、または現実の状態の後の数日から何日にもわたる期間、その ような用量を投与するという投与方式である。 臨床的に投与されたトロンボポエチンの刊行された臨床的研究は、血小板減少 症を特徴とする状態に対する、10日の期間にわたる1日1回0.03〜5.0 μg/体重kgという用量でのトロンボポエチンの皮下投与からなる用量および投与 方式を示している。抄録番号1977、Blood 86(1995)を参照されたい。また抄 録番号1012、1014および1978、Blood 86(1995)も参照されたい。 PEG化した(PEG)マウスの巨核球成長および発達因子(mMGDF)の マウスへの1回注入は、巨核球の頻度、大きさおよび倍数化の刺激を生じるのに 充分である。PEG−mMGDFは、1回静脈内注射としての25μg/kgの用量 でマウスに投与された[Blood,Feb.1,1997,89(3):823-33]。正常マウスでの 造血に対するPEG−mMGDFのin vivoでの効果が、Stem Cells,No.1996 ,14(6):651-60に報告されている。Blood,Jul.15,1996,88(2):511-21および Blood,Jun.15,1996,87(12):5006-15も参照されたい。 サルでの骨髄抑制化学療法で誘導された血小板減少症に対するrhTPOの効 果が、Brit.J.Haematol.,Sept.1996,94(4):722-8に報告されている。0日 目にニムスチンで処置した後、サルにrhTPOを、0.04、0.2または1 .0μg/kg/日の用量で静脈内投与した。ニムスチン処置後のrhTPOの投与 は、血小板減少症の重篤度を低下させ、用量依存性の様式で血小板回復の速度を 加速した。ヒトの進行した癌の患者でのPEG−rhMGDFの効果は、 Lancet,Nov.9,1996,348(9037):1279-81に報告されている。この研究でPE G−rhMGDFは、化学療法の前に、皮下注射によって0.03、0.1、0 .3または1.0μg/体重kgの用量で与えられた。更に、肺癌に対する化学療法 後の血小板数に対するPEG−rhMGDFの効果が、New Engl.J.Med.,Feb .6,1997,336(6):404-9に報告されており、ヘプスルファム処置による激しい 骨髄抑制を受けているアカゲザルへのこの化合物の皮下注射の効果は、Blood,J an.1,1997,89(1):15565に報告されている。 同様に、エリトロポエチンに対して与えられた名称である、エポエチンアルフ ァ(Amgen,Inc.がEPOGENとして上市した)という化合物は、赤血球生産の刺激 のために指示される糖タンパク質であり、何週間もの期間、週3回に150〜3 00単位/kgの範囲にわたる出発用量からなる投与量および投与方式で、どのよ うにも理解される貧血に罹患した患者における赤血球の増殖を刺激するために指 示される。 G−CSFおよびGM−CSFは、骨髄前駆細胞の循環と増殖の増大とを誘導 するサイトカインである。これらのサイトカインの薬物動態は研究されており、 化学療法に併用されるときのこれらの薬物のそれぞれについて、異なる投与方式 が提唱されている。 Amgen,Tnc.がNEUPOGENとして上市するフィルグラスチムは、顆粒球コロニー 刺激因子(G−CSF)である。その指示される投与方式は、化学療法後の2週 間に毎日5〜10μg/kgの皮下投与である。G−CSFは、化学療法前の投与に ついては禁忌されている。G−CSFを化学療法後、および化学療法の前後に投 与する臨床試験は、事前投与は、骨髄に対する化学療法剤の毒性効果を悪化させ ることを示している[J.Nat.Canc.Inst.,1996,vol.88,No.19およびExp.Hem at.,1994,22:100-102]。 GM−CSFも、化学療法との併用が臨床的に研究されている。G−CSFと は対照的に、GM−CSFは、比較的短い有効半減期を有する。GM−CSFの 投与後は、造血前駆細胞の増殖活性の急速な上昇が生じる。しかし、投与の中断 後72時間以内に、負のフィードバックが確立されて、骨髄の増殖活性の基本的 水準未満の値までの低下を招く。GM−CSFの短い半減期は、このサイトカイ ンを化学療法以前に投与することを可能にしている[Cancer,1993,vol.72,No. 10]。 赤血球または他の前駆血球を増殖させて、血小板減少症の効果を覆す材料を投 与する際の、慣用の投与方式は、血小板減少症を招く化学療法後のそのような治 療法を要する患者への、治療有効量の生物学的材料の何日間にもわたる毎日の連 続投与である。GM−CSFは、化学療法の前に投与したときは、限定された有 効性を有し得るが、G−CSFは、化学療法の前に投与したときは、患者の血小 板減少症を悪化させる。造血前駆細胞の循環および増殖を開始させる、比較的長 い半減期を有するサイトカインの、放射線または化学療法剤による処置の前の投 与は、これらの細胞削減性処置が、悪性細胞ばかりでなく、増殖中の前駆細胞も 殺すことから、一般的には禁忌されている。 血小板減少症を有するか、または医療手順、例えば放射線および/または化学 療法の結果として血小板減少症の危機にある患者の治療のもう一つの方策は、造 血性自己移植による患者の救済である。この方策では、血小板減少症を誘導する ような医療処置の前に、末梢血の造血前駆細胞を動員する化合物を、患者に投与 する。動員された前駆細胞は、公知の白血球除去血輸血の手順によって採集し、 次いで、患者の造血性自己細胞を骨髄に再確立するために、血小板減少症の発症 後の患者へと再移植する。不幸にも、動員を受ける多くの患者は、採集の時点で 前駆細胞が非常に少数であり、複数回の白血球除去血輸血を必要とするが、これ は、患者には苦痛かつ面倒である。そのため、前駆細胞を動員し、それによって 白血球除去血輸血の回数を削減する手順を改良する方法が、非常に望ましい。 医師と、同様に患者に簡便であるためには、これに代わる、好都合であり、か つ血小板減少症の外見を一変させるのに治療上同等またはそれ以上に優れた、サ イトカイン材料の投与量/投与を開発するという目的が存在する。 発明の要約 したがって、本発明の一つの目的は、血小板減少症からの改良された回復を提 供し、サイトカインを投与する既存の方法についての上記の欠陥を克服するトロ ンボポエチンの投与方法を提供することである。 もう一つの目的は、放射線および/または化学療法の処置を受ける哺乳動物も しくは患者にトロンボポエチンを投与する方法であって、そのような処置に付随 する血小板減少症を最小限度にし、哺乳動物における血小板輸注の必要性を軽減 する方法を提供することである。 下記の例示的実施態様の説明の途上で明らかになると思われる、これらおよび その他の目的は、本発明の方法によって達成されている。 本発明は、生物学的に活性である材料のトロンボポエチンが、血小板減少症を 有するか、またはそれに対する処置を要する患者に、毎日1回もしくは少数回の 用量の治療有効量を投与することによって、治療効果を生じさせることができる という、予想外かつ驚くべきな発見に基づく。この発見は、材料のトロンボポエ チンが、造血細胞系列の後期の前駆細胞に作用すると考えられるG−CSFやG M−CSFとは対照的に、初期の骨髄幹細胞および巨核球前駆細胞に対する成長 因子であり、かつそれらに直接作用すると考えられるという発見に基づく。本発 明の材料は、幹細胞の巨核球に分化を生じること、および投与後の血小板数を上 昇させることができる。それらは、骨髄造血細胞の増殖および分化を誘導し、成 熟巨核球の数を増加させて、循環する血小板数の増加を生じる。 すなわち、本発明は、血小板減少症を有するか、またはその危機にある哺乳動 物を治療する方法であって、そのような治療を要する哺乳動物に、毎日1回もし くは少数回の用量の治療有効量のトロンボポエチンを投与することを含む方法を 対象とする。一面では、本発明は、そのような哺乳動物への治療有効量のトロン ボポエチンの1回の投与を対象とする。 この実施態様のもう一面では、本発明は、少なくとも1周期の、そのような周 期を要する放射線および/または化学療法剤を受ける、哺乳動物へのトロンボポ エチンの投与に関する。代表的には、該哺乳動物は、腫瘍、悪性などを治療する ためには一つ以上のそのような周期を要すると思われる。もう一面では、本発明 は、血小板減少症患者における血小板輸注の回数を減らす方法を対象とする。更 にもう一面では、本発明は、有効量のトロンボポエチンの毎日1回または少数回 の用量の投与によって、前駆細胞を動員する方法を対象とする。 図面の簡単な説明 図1−5.0Gyのγ照射およびカルボプラチン(1.2mg)の併用によって 汎血球減少症にさせた動物に、1、2、4または8日間0.1μgのrmTPO (335)を皮下注射した。それぞれ28日の期間にわたり、パネルAは、この 処置方式への血小板の応答を示し、パネルBおよびCは、赤血球および白血球の 応答を示す。パネルBで示されたキーは、3パネルすべてに該当する。 図2−5.0Gyのγ照射およびカルボプラチン(1.2mg)の併用によって汎 血球減少症にさせた動物に、実験開始の24時間後に、様々なレベルでのrmT PO(335)の1回投与量を皮下注射した。それぞれ28日の期間にわたり、 パネルAは、この処置方式への血小板の応答を示し、パネルBおよびCは、赤血 球および白血球の応答を示す。パネルBで示されたキーは、3パネルすべてに該 当する。 図3−5.0Gyのγ照射およびカルボプラチン(1.2mg)の併用によって汎 血球減少症にさせた動物に、皮下または静脈内で与えた、rmTPO(335) の1回投与に応答する血小板(パネルA)および赤血球(パネルB)の応答の対 数−直線表示。プロットされた細胞数は、実験開始後14日目に測定 図4−5.0Gyのγ照射およびカルボプラチン(1.2mg)の併用によって汎 血球減少症にさせた動物に、実験開始の24時間後に、様々なレベルでのrmT PO(335)の1回投与量を静脈内注射した。それぞれ28日の期間にわたり 、パネルAは、この処置方式への血小板の応答を示し、パネルBおよびCは、赤 血球および白血球の応答を示す。パネルBで示されたキーは、3パネルすべてに 該当する。 図5−5.0Gyのγ照射およびカルボプラチン(1.2mg)の併用によって汎 血球減少症にさせた動物に、実験開始の24時間後に、分子量20,000また は40,000のいずれかのポリエチレングリコール(peg)と結合させた、 様々な形態のrmTPO(153)による1回投与量を皮下注射した。それぞれ 28日の期間にわたり、パネルAは、この処置方式への血小板の応答を示し、パ ネルBおよびCは、赤血球および白血球の応答を示す。パネルBで示されたキー は、3パネルすべてに該当する。 図6−5.0Gyのγ照射およびカルボプラチン(1.2mg)の併用によって 汎血球減少症にさせた動物に、実験開始の24時間後に、分子量40,000の ポリエチレングリコール(peg)と結合させた、rmTPO(335)または rmTPO(153)のいずれかによる1回投与量を皮下注射した。それぞれ2 8日の期間にわたり、パネルAは、この処置方式への血小板の応答を示し、パネ ルBおよびCは、赤血球および白血球の応答を示す。パネルBで示されたキーは 、3パネルすべてに該当する。 図7−5.0Gyのγ照射およびカルボプラチン(1.2mg)の併用によって汎 血球減少症にさせた動物に、実験開始の24時間後に、分子量40,000のポ リエチレングリコール(PEG)と結合させた、rmTPO(335)またはr mTPO(153)のいずれかによる1回投与量を静脈内注射した。それぞれ2 8日の期間にわたり、パネルAは、この処置方式への血小板の応答を示し、パネ ルBおよびCは、赤血球および白血球の応答を示す。パネルBで示されたキーは 、3パネルすべてに該当する。 図8−図8は、6Gyを照射したマウスの、プラシーボを対照とする最下点の時 間での血小板レベルを、図に示した各時点での1回腹腔内投与量(0.3μg) のTPOの投与の時間的関数として示す。 図9−図9は、6Gyを照射したマウスの、プラシーボを対照とする最下点の時 間での血小板レベルを、照射の2時間前(−2h)での1回腹腔内投与量(30 μg)のTPOの投与の時間的関数として示す。 図10−放射線または化学療法に非常に似た細胞削減性処置の遅延形態をモデ ル化するために、それぞれ24時間隔離した3Gyの同等な3分画のマウスに、全 身照射(TBI)を与えた。TPOは、異なる三様の投与方式;すなわち照射か ら+2hでの3x0.3μg、照射から+2hでの0.9μg、および照射から− 2hでの0.9μgで、0.9μgの総用量として与えた。得られた血小板レベル をプラシーボとの対比で示す。 図11−本図は、図10の投与方式に対する大腿骨の造血前駆細胞のデータを 示す。 図12−本図は、図10の投与方式に対する脾臓の造血前駆細胞のデータを示 す。 図13−図13は、0.3μgの3回の用量、または0.9μgの1回の用量の TPOを追跡する薬物動態学的データを示す。 図14−図14は、実施例7、周期1(化学療法のみ)に関する研究分枝によ る用量レベルにわたって平均した血小板数中央値を示す。 図15−図15は、実施例7、周期2(化学療法およびrhTPO)に関する 研究分枝による用量レベルにわたって平均した血小板数中央値を示す。 図16−図16は、実施例7、周期3(化学療法およびrhTPO)に関する 研究分枝による用量レベルにわたって平均した血小板数中央値を示す。 図17−図17は、実施例7、周期4(化学療法およびrhTPO)に関する 研究分枝による用量レベルにわたって平均した血小板数中央値を示す。 図18−図18は、実施例7の分枝C、周期2のためのrhTPO用量レベル による血小板数中央値を示す。 図19−図19は、実施例7の分枝D、周期2のためのrhTPO用量レベル による血小板数中央値を示す。 図20−rhTPOの1回吸入に接触させたマウスの血小板数;実施例8を参 照されたい。 図21−rhTPOの複数回吸入に接触させたマウスの血小板数;実施例8を 参照されたい。 図22−TPO/FL/KLによるCD34+細胞の拡大。図22には、TP O、Flt−3およびc−kitリガンドを含む培養体中での8週間にわたるC D34+細胞の拡大を示す。106倍を越える拡大が観察される;実施例14を参 照されたい。 図23−TPO/KL/FLによるCD34+CD38-細胞の拡大。図23に 示すとおり、CD34+CD38-細胞の下位集団も拡大する。1週目には、この 分集団は、培養体の僅か8%を構成するにすぎないが、8週までには、培養体の 33%を構成して、4倍の拡大を示す。これは、これらの拡大した培養体での原 始前駆細胞集団の拡大と維持との双方を立証する。 図24−TPO/KL/FLによる多系列活性の拡大。図24には、拡大した 培養体がin vitroで多系列コロニーを生じ得ることが示されている。生成され たコロニーの数は、培養体中のCD34+細胞の拡大に正比例する。これは、拡 大した細胞は、それらの多能活性を維持していることを示す;実施例14を参照 されたい。 定義 本明細書に用いられる限りで、「血小板減少症を有するか、またはその危機に ある哺乳動物」とは、血小板減少症、すなわち哺乳動物の集団中の正常な平均的 個体についての血小板数を下回る血小板数を経験している、ヒトを包含する哺乳 動物を意味する。ヒトでは、血小板減少症は、血小板数が、血液1リットルあた り約150x109未満である状態として定義される。しかし、哺乳動物は、血 小板減少症の危機にあるとも云えて、血小板減少症を生じることが公知である特 定の処置の結果として、哺乳動物が血小板減少症の状態を経験し得ると予測でき ることを意味する。例えば、哺乳動物は、処置された哺乳動物に血小板減少症を 誘導することが公知である、放射線および/または化学療法の処置を受けたなら ば、血小板減少症の危機にある。換言すれば、血小板減少症を誘導することが公 知である処置の結果として、血小板減少症を経験する危機にあるか、またはその 確立が高いということが、明確に予測可能であるということである。血小板減少 症の危機にあるそのような哺乳動物は、本発明の方法で治療し得る。本発明の範 囲内に包含されるのは、機能不全の肝臓、例えば肝硬変の結果として血小板減少 症の危機にある哺乳動物、ならびに一般的には放射線および/または化学療法の 処置の前に、前駆細胞の動員療法およびアフェレーシスを受けている哺乳動物で ある。 用語「サイトカイン」は、細胞間メジエーターとして他の細胞に作用する、一 細胞集団が放出するタンパク質の総称的用語である。そのようなサイトカインの 例は、リンホカイン、モノカイン、および従来からのポリペプチドホルモンであ る。サイトカインに包含されるのは、成長ホルモン、インスリン様成長因子、N −メチオニルヒト成長ホルモンを包含するヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン 、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリン、プロインスリン、レラキシン、 プロレラキシン、濾胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH) および黄体形成ホルモン(LH)のような糖タンパク質ホルモン、造血成長因子 、 肝成長因子、線維芽細胞成長因子、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、腫瘍壊死 因子(TNFαおよびTNFβ)、ミュラー阻害物質、マウスゴナドトロピン付随 ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮成長因子、インテグリン、NGF βのような神経成長因子(NGF)、インスリン様成長因子IおよびII、エリトロ ポエチン(EPO)、骨誘導因子、インターフェロンα、βおよびγのようなイン ターフェロン(IFN)、マクロファージCSF(M−CFS)、顆粒球マクロファ ージ−CSF(GM−CSF)および顆粒球−CSF(G−CSF)のようなコ ロニー刺激因子(CFS)、IL−1、IL−1α、IL−2、IL−3、IL− 4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−11、IL− 12のようなインターロイキン(IL)、ならびにLIF、SCF、FLT−3リ ガンドおよびkitリガンド(KL)を包含するその他のポリペプチド因子である 。本明細書に用いられる限りで、前記の用語は、天然の入手源または組換え細胞 培養体からのタンパク質を包含するものとする。同様に、該用語は、例えば1個 以上のアミノ酸が異なるか、または糖鎖形成の形式もしくは程度が異なる、生物 学的に活性である等価体を包含するものとする。 トロンボポエチン(TPO)と関連して用いられるときの用語「生物学的に活 性である」とは、トロンボポエチン、すなわち血小板新生活性を示すか、または 無形成性ブタ血漿から単離されたか、あるいは組換え細胞培養体で発現された、 mplリガンドのエフェクター機能を共有する、血小板新生性ポリペプチドを意 味する。mplの公知の主要なエフェクター機能は、ヒトmplPをトランスフ ェクションしたIL−3依存性Ba/F3細胞のDNAへの標識化ヌクレオチド (3H−チミジン)の取込みである。mplリガンドまたはポリペプチドの本明 細書での公知のもう一つのエフェクター機能は、マウス血小板のリバウンドアッ セイで、循環血小板への35Sの取込みを刺激できることである。mplリガンド の公知の更にもう一つのエフェクター機能は、in vitroでヒトの巨核球新生を刺 激できることであって、これは、巨核球の糖タンパク質GPIIbIIIaに特異的な 放射能標識化モノクローナル抗体を用いることによって、定量し得る。 用語「mplリガンド」、「mplリガンドポリペプチド」、「ML」「トロンボ ポエチン」または「TPO」は、本明細書では相互可換的に用いられ、サイトカ イン受容体スーパーファミリーの一員であるmplに結合する特性を有し、mp lリガンドの生物学的特性を有するいかなるポリペプチドも包含する。例示的な 生物学的特性は、ヒトmplをトランスフェクションしたIL−3依存性Ba/ F3細胞のDNAへの標識化ヌクレオチド(例えば3Hチミジン)の取込みを刺 激できることである。もう一つの例示的な生物学的特性は、マウス血小板のリバ ウンドアッセイで、循環血小板への35Sの取込みを刺激できることである。この 定義は、本明細書に記載の無形成性ブタ血漿のようなmplリガンド源、もしく はもう一つの入手源、例えば、ヒトを包含するもう一つの動物種から単離された か、または組換えもしくは合成の方法によって調製されたペプチドを包含する。 例は、TPO(332)およびrhTPO332を包含する。やはりこの定義に包 含されるのは、還元性条件下でのSDSゲルによって決定した限りでの約31, 000ダルトン(31kD)、および非還元性条件下での28,000ダルトン(2 8kD)の分子量を有する、国際公開特許第WO95/28907号公報に記載の血小板新生 性リガンドである。用語「TPO」は、変異体形態、例えばそのフラグメント、 対立遺伝子、イソ型、類似体、キメラ、およびこれらの形態の混合物を包含する 。簡便のため、これらのリガンドはすべて、すべての個別的リガンドおよびリガ ンド混合物を、この用語によって指すことを認識して、以下、単に「TPO」と 称することにする。 好ましくは、TPOは、哺乳動物において、血小板新生活性を有するか、また は血清血小板数を増加させることができる化合物である。TPOは、好ましくは 、内在血小板数を少なくとも10%、より好ましくは50%増加させることがで き、最も好ましくはヒトの血小板数を血液1リットルあたり約150x109を 越えて上昇させることができる。本発明のTPOは、好ましくは、高度に精製さ れた、実質的に均質であるブタmplリガンドポリペプチドのアミノ酸配列との 少なくとも70%以上の配列全体の同一性、およびブタmplリガンドポリペプ チドの「EPOドメイン」との少なくとも80%以上の配列同一性を有する。こ れに代えて、本発明のTPOは、成熟したヒトmplリガンド(hML)、または その変異体、もしくは転写後修飾した形態、あるいは成熟したヒトmplリガン ドとの約80%の配列同一性を有するタンパク質であってもよい。これに代えて 、該 TPOは、成熟したヒトmplリガンドのフラグメント、特にアミノ末端または 「EPOドメイン」フラグメントであってもよい。好ましくは、該アミノ末端フ ラグメントは、第1および第4システイン残基間の実質的にすべてのヒトML配 列を保持するが、該領域外には実質的な付加、欠失または置換を含んでよい。こ の実施態様によれば、該フラグメントのポリペプチドは、式: X−hTPO(7−151)−Y で示し得る。 式中、hTPO(7−151)は、ヒトTPO(hML)のアミノ酸配列の、 両端を含めてcys7からCys151までを表し;Xは、Cys7のアミノ基、あ るいは成熟TPOの1個以上のアミノ末端アミノ酸残基、またはそれに対するア ミノ酸残基の伸長、例えばMet、Lys、Tyr、もしくはリシンに対するア ルギニンのような、そのアミノ酸の置換、または例えばタンパク質分解性切断部 位を含むリーダー配列(例えば因子Xaもしくはトロンビン)を表し;Yは、C ys151のカルボキシル末端基、あるいは成熟TPOの1個以上のカルボキシル 末端アミノ酸残基、またはそれへの延長を表す。 「TPOフラグメント」とは、天然に産する成熟した完全な長さのmplリガ ンドの一部、または1個もしくはそれ以上のアミノ酸残基もしくは炭水化物単位 が欠失したTPO配列を意味する。欠失したアミノ酸残基は、フラグメントが少 なくとも一つの生物学的特性をmplリガンドと共有する限り、N末端もしくは C末端のいずれか、または内部を含むペプチドのどこに生じてもよい。mplリ ガンドのフラグメントは、代表的には、無形成性ブタ血漿から単離したリガンド 、またはヒトもしくはマウスのリガンドを包含する、哺乳動物から単離したmp l、特にそのEPOドメインの配列と同一である、少なくとも10、15、20 、25、30または40アミノ酸残基の連続配列を有することになる。N末端フ ラグメントの代表例は、TPO(153)、hML153またはTPO(Met-11 −153)である。 TPO等と関連して用いられる用語「TPOイソ型」および「TPO配列イソ 型」または用語「誘導体」は、本明細書に用いられる限りで、組換え細胞培養体 、無形成性ブタ血漿またはヒトmplリガンドから単離されたTPOとの100 % 未満の配列同一性を有する、下記に定義したとおりの生物学的活性材料を意味す る。通常は、生物学的に活性であるmplリガンドまたはTPOイソ型は、無形 成性ブタ血漿または成熟したマウスから単離したmplリガンド/TPOイソ型 、ヒトのmplリガンドもしくはそのフラグメントとの約70%以上、好ましく は約75%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約85%以上 、はるかに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上のアミノ酸配 列同一性を有するアミノ酸配列を有することになる。 イソ型の一実施態様では、TPOは、式:を有してよく、ここで、 第37位のXaaは、Thr、AspまたはGluあり; 第46位のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、T rpまたはMetであり; 第47位のXaaは、Ser、AspまたはGluであり; 第112位のXaaは、欠失しているか、またはLeu、Ala、Val、I le、Pro、Phe、TrpもしくはMetであり; 第113位のXaaは、欠失しているか、またはPro、Phe、Ala、V al、Leu、Ile、TrpもしくはMetであり; 第114位のXaaは、欠失しているか、またはPro、Phe、Ala、V al、Leu、Ile、TrpもしくはMetであり; 第115位のXaaは、欠失しているか、またはGln、Gly、Ser、T hr、TyrもしくはAsnであり; 第122位のXaaは、Lys、Arg、His、GluまたはAspであり ; 第200位のXaaは、Trp、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、 Phe、Met、ArgおよびLysまたはHisであって、 1〜179個のアミノ酸が、C末端から欠失していることができるが、Xaaで 表したアミノ酸の少なくとも1個は、未変性TPO(1−332)の対応するア ミノ酸と異なることを条件とする。 この実施態様は、下記の式: を有するTPOフラグメントも包含し、ここで、 第37位のXaaは、Thr、AspまたはGluであり; 第46位のXaaは、Phe、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、T rpまたはMetであり; 第47位のXaaは、Ser、AspまたはGluであり; 第112位のXaaは、欠失しているか、またはLeu、Ala、Val、I le、Pro、Phe、TrpもしくはMetであり; 第113位のXaaは、欠失しているか、またはPro、Phe、Ala、V al、Leu、Ile、TrpもしくはMetであり; 第114位のXaaは、欠失しているか、またはPro、Phe、Ala、V al、Leu、Ile、TrpもしくはMetであり; 第115位のXaaは、欠失しているか、またはGln、Gly、Ser、T hr、TyrもしくはAsnであり; 第122位のXaaは、Lys、Arg、His、GluまたはAspである が; Xaaで表したアミノ酸の少なくとも1個は、未変性TPO(1−332)の対応 するアミノ酸と異なることを条件とする。これらの変異体は、改良された生物学 的様相、例えば上昇した増殖活性、および/もしくは減少した副作用、ならびに /または改良された物理的特性、例えば改良された半減期、安定性、および/も しくは再折りたたみ効率を有してよい。この実施態様のためのポリペプチドの製 造は、WO96/23888号公報に記載されている。 TPO「類似体」は、TPOのポリペプチドを、様々な非タンパク質性重合体 、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシ アルキレンの一つと、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号 ;第4,670,417号;第4,791,192号または第4,179,337号に説明された方式で結合 することによる、TPOまたはmplリガンドの共有結合での修飾を包含する。 前記重合体と共有結合で結合したTPOポリペプチドは、本明細書では、ペギル 化したTPOと称する。 本明細書に用いられる限りで、「キメラポリペプチド」または「キメラ」は、 第二の異種ポリペプチド、または一つ以上のそのフラグメントに融合もしくは結 合した、完全な長さの親リガンド(TPOもしくはmplリガンド)、または一つ 以上のそのフラグメントを含むポリペプチドである。キメラは、少なくとも一つ の共通する生物学的特性をTPOと共有することになる。第二のポリペプチドは 、代表的には、サイトカイン、例えば上記のサイトカイン、免疫グロブリン、 またはそれらのフラグメントであると思われる。二つのポリペプチドを直接結び 合わせるか、またはリンカー、例えば、2〜50個、一般的には2〜20個のア ミノ酸単位を有してよいペプチドリンカーを介して結び合わせてよい。具体的な 例は、TPO/G−CSF、TPO/GM−CSF、TPO/IL−3、TPO /IL−6等々を包含する。キメラタンパク質の製造は、当技術に周知の方法を 用いて達成してよい。 「mplリガンド」もしくは「単離mplリガンド」または「TPO」と結び 付けて用いたときの用語「生物学的特性」とは、血小板新生活性を有すること、 またはmplリガンドもしくは(その未変性の立体配置であると変性した形態で あるとに関らず)TPO、またはそれらのフラグメントが直接的もしくは間接的 に生起するか、または果たすin vivoでのエフェクターもしくは抗原性の機能や 活性を有することを意味する。エフェクター機能は、mpl結合およびあらゆる 結合の活性、mplの作用または拮抗作用、特に複製、DNA調節機能、その他 のサイトカインの生物学的活性の調整、受容体(特にサイトカイン)の活性化、 失活、アップまたはダウンレギュレーション、細胞の成長または分化などを包含 する増殖シグナルの形質導入を包含する。抗原性機能とは、未変性mplリガン ドまたはTPOに対して誘発した抗体と交差反応できる、エピトープまたは抗原 部位の保有を意味する。mplリガンドまたはTPOのポリペプチドの主な抗原 性機能は、無形成性ブタ血漿から単離した、mplリガンドもしくはTPOに対 して誘発した抗体に、少なくとも約106L/モルの親和性で結合することである 。通常、このペプチドは、少なくとも約107L/モルの親和性で結合する。最も 好ましくは、抗原性的に活性であるmplリガンドまたはTPOポリペプチドは 、上記のエフェクター機能のうち一つを有するmplリガンドもしくはTPOに 対して誘発した抗体と結合するポリペプチドである。「生物学的特性」を定義す るために用いた抗体は、組換え細胞培養体、またはフロイントの完全アジュバン ト中の無形成性ブタ血漿から単離したmplリガンドもしくはTPOを配合し、 該配合物を皮下注射し、mplリガンドもしくはTPOの抗体の力価がプラトー に達するまで、該配合物の腹腔内注射によって免疫応答を促進することによって 誘発したウサギポリクローナル抗体である。 「血小板新生活性」は、巨核球もしくは巨核球前駆細胞が、これらの細胞の血 小板産生形態へと増殖、分化および/または成熟するのを促進することによって 特徴づけられる生物学的活性として定義される。この活性は、in vivoでのマウ ス血小板リバウンド合成アッセイ、ヒト白血病巨核球芽細胞系(CMK)につい ての抗血小板イムノアッセイ(抗GPIIbIIIa)によって測定される限りでの血 小板細胞表面抗原アッセイの誘導、および巨核球芽細胞系(DAMI)での倍数 性の誘導を包含する様々なアッセイで測定してよい。 投与と関連しての用語「少数回」によって、短期間にわたる治療有効量の複数 の用量の投与が意味される。少数回の用量は、1日2〜約6用量、好ましくは1 日2〜4用量を包含してよい。したがって、本発明は、トロンボポエチンの治療 有効量の僅か1回の投与を対象とする。ただ1回の投与は、治療有効量の同じ材 料を、当技術が示唆かつ教示する慣用の複数回で多くの日数という投与方式で投 与したときに実現されるのと同等の治療効果を生じることが見出されている。 本明細書に用いられる限りで、用語「処置周期」とは、哺乳動物もしくは患者 を放射線および/または化学療法剤で処置し、一般的には、観察および回復の期 間(回復期)が続く、放射線および/または化学療法剤の投与(処置期)の1ク ールを意味する。処置期は、哺乳動物または患者に対する不快感を最小化し、ほ ぼ処置前のレベルまでの好中球および血小板数の回復を可能にするために、通常 選ばれる、ある期間によって好ましくは隔離され、放射線および/または化学療 法剤の1回の投与、または複数回の投与を包含してよい。この期間は、一般的に は、個々の放射線および/または化学療法剤に対する、哺乳動物または患者の許 容度によって決定される。代表的な処置期は、1〜10日、好ましくは1〜6日 または1〜4日間経過してよく、この間に、放射線または化学療法剤を連続的す なわち分割して投与する。代表的な回復期は、5〜60日、好ましくは14〜2 4日間経過してよく、この間に、哺乳動物または患者を観察し、評価し、処置か ら回復するのを可能にする。場合により、1を越える処置周期を与えでもよく、 代表的には、個々の処置方式、および処置の目的に応じて2〜約6周期が与えら れる。 好適実施態様の詳細な説明 ここに、TPOは、G−CSFやGM−CSFのようなサイトカインの特性と は驚くほど異なり、TPOを放射線および/もしくは化学療法の前にか、かつ/ またはそれと同時に投与するのを可能にする、薬物動態学的特性を有することが 発見された。事前および/または同時のTPOの投与は、血小板減少症の最下点 の深さを少なくし、放射線および/または化学療法の処置を受ける患者における 、血小板量の回復の時間を短縮することが見出された。TPOの特性におけるこ の差は、造血系列の初期の前駆細胞に対するTPOの効果に由来すると考えられ る。この効果は、TPOの投与後の系列での、より多くの成熟細胞の出現の遅延 を招いて、細胞削減性処置の際に、増殖細胞の僅かにすぎないか、または臨床的 に有意でない損失で放射線および/または化学療法処置を与えるのを可能にする ものと思われる。TPOのこれらの独自の特性の発見が、本発明の一部である。 この発見は、放射線および/または化学療法を受ける患者は、血小板輸注を必 要とすることが多いことから、有意義である。頻繁な血小板輸注は、同種免疫化 を招き得る。これは、HLA適合供与者の必要性と、より頻繁な輸注とを招く。 血小板輸注の規定は、重要で困難の多い医療上の問題である。そのような輸注の 必要性および頻度を減らすことは、患者の看護を改良し、輸注に付随する併発症 、例えば血液抗原不適合、適切な血小板供与者の不足、供与された材料の汚染、 例えばウイルスなどによる汚染を軽減する。長期化した血小板減少症の存続を予 防または短縮するいかなる処置も、重要な医療上の進歩を表す。本発明は、血小 板減少症に罹患した患者の血小板輸注の必要性を軽減する。 本発明の方法は、放射線および/または化学療法の後の血小板力価の基本的水 準レベルへの、また実質的に上昇したレベルへさえもの復帰を速める。上昇した 血小板力価の生成は、その後の放射線および/または化学療法処置の周期に患者 が備えるの役立つ。上昇した血小板レベルを有して処置のその後の周期に入る患 者は、処置の細胞削減性効果に、より充分に耐えることができる。したがって、 本発明は、本発明によるTPOの無投与の方式に対する患者の許容度に比して、 放射線および/または化学療法の方式に対する患者の許容度を高めるのに効果的 である。 本発明の方法は、動員療法にも役立つ。動員療法では、末梢血前駆細胞を骨髄 から動員して、好中球減少症および/または血小板減少症を軽減または排除する 。本発明の方法では、TPOを1回または少数回の日次用量として投与して、末 梢血前駆細胞を動員する。代表的には、哺乳動物は、例えば放射線および/もし くは化学療法または肝疾患の結果として、血小板減少症を有するか、またはその 危機にあるヒトである。本発明によれば、放射線もしくは化学療法の処置の前に か、またはそれと同時に、TPOを患者に投与する。当然であるが、上記の事前 または同時の投与と結合して、血小板の血中力価を回復させるためにTPOを放 射線または化学療法の後にも投与してよい。TPOは、他のサイトカイン、例え ばG−CSF、IL−3、IL−6、GM−CSFなどとともに投与してもよい 。本発明の方法によって動員される前駆細胞は、標準的な白血球除去血輸血によ って捕集し、場合により凍結し、放射線および/または化学療法後に患者に再移 植してよい。追加のサイトカインは、一般的には、TPOの量と同等の量で投与 する。例えば、動員療法では、TPOを、約0.1〜10μg/kgの量で、単独で か、または同等量の追加のサイトカインとともに投与してよいと思われる。異種 骨髄移植のために、場合により、もう1種類の上記のサイトカインと併用して、 ヒトの患者を包含する哺乳動物に、末梢血前駆細胞を動員する目的でTPOを投 与してよく、次いで、それらを白血球除去血輸血によって捕集し、場合により凍 結し、血小板減少症を有するか、またはその危機にある哺乳動物に移植してよい 。異種骨髄移植組織(前駆細胞)を供与する哺乳動物または患者と、移植組織の 受容者とは、公知の手順に従って、組織型検査してよい。TPOおよび他のサイ トカインは、一般的には、自己移植組織について上に考察した量で投与する。 加えて、放射線および/または化学療法の周期の反復は、累積する骨髄抑制を 招き、それが、個々の化学療法剤の用量強度を、特に併用療法を用いたときに、 限定することは周知である。商業的に入手できる骨髄成長因子、例えばG−CS Fは、好中球減少症を軽減するのに役立っているが;累積性血小板減少症は、問 題として存続している。本発明は、併用化学療法の際の好中球減少症を有意に軽 減し、それによって、化学療法の際に患者が許容する処置周期の数を増加させる 。非常に多くの処置周期、またはより強力な用量の化学療法剤は、癌致死率を改 良する。 本発明の方法は、抗TPO抗体の形成の可能性も低下させる。免疫原性は、当 技術に公知の継続的日次投与に比して、1回の用量を包含する、より少ない頻度 の投与のため、軽減または除去される。投与は、好ましくは静脈内である。しか し、静脈内投与を皮下投与と併用する混成投与方式も、本発明によって企図され る。例えば、放射線および/または化学療法による処置の前または直後に、その ような処置に付随する血小板最下点を下げ、血小板力価の回復を加速するために 、TPOの初期静脈内用量を投与するのが望ましい。TPOの初期用量の後、血 小板レベルを維持するための処置後に1回またはそれ以上のTPOの皮下用量を 与えてよいと思われる。 TPOの非経口または皮下送達の代替策は、エーロゾル送達である。投与の肺 からの経路は、投与の容易さ、および吸収のための肺の大表面積のために、静脈 内または皮下に対する魅力的な代替策である。しかし、タンパク質の吸収に対す る障壁は、手に負えそうもなく、吸収の機構は、不明確である。潜在的制約にも 関らず、何種類かのタンパク質(例えばインスリン、hGH、BSAおよびLH RH)は、全身性循環を標的として、肺を経由して好成績で送達されている[Adj ei et al.,International J.Pharm.,61:135-144,1990;Colthorpe et al.,P harm.Res.,9:764-768,1992;Folkesson et al.,Acta Physiologica Scandina via,139;347-54,1990;Patton et al.,Biotech.Therapeut.,1;213-228,198 9-90;およびNiven et al.,Pharm.Res.,12:1343-9,1995を参照されたい]。 下記の表は、肺を経由する送達について試験されているタンパク質を示す。 本発明の興味深い実施態様では、TPO、例えば組換えヒトトロンボポエチン (rhTPO)は、全身性循環を標的として、エーロゾル吸入を介して送達でき ることが発見された。rhTPOは、約80kDの糖タンパク質である。治療血清 濃度は、rhTPOを液体または粉末エーロゾルとして肺に送達することによっ て、達成することができる。TPOの溶液は、慣用の噴霧器を用いて噴霧化し、 エーロゾルとして鼻または口を経由して、哺乳動物またはヒトの患者に投与して よい。TPOは、例えばスプレイドライによって、粉末へと乾燥し、慣用の乾燥 粉末吸入器を用いて投与してもよい。より高用量のrhTPOは、エーロゾルと して与えたとき、静脈内と比較して同様な治療効果を達成することが必要とされ る。一般に、エーロゾルによる用量は、エーロゾル投与のためには静脈内投与と 比較して、約100倍高くなければならない。エーロゾル投与に適した用量範囲 は、1日または複数日での、1回の吸入用量としてか、または複数回の吸入とし て、約5〜1,000μg/kg、好ましくは50〜750μg/kg、連日または非連 日で、好ましくは2〜10もしくは2〜6μg/kgである。 本発明の方法は、哺乳動物もしくはヒトの患者が、血小板減少症を有するか、 またはその危機にある、いかなる放射線および/または化学療法の方式とともに 用いてもよい。本方法は、慣用の量で用いられる、アスパラギナーゼ、ブレオマ イシン、ロイコボリンカルシウム、カルムスチン、カルボプラチン、シスプラチ ン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウ ノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルオロウラシル、 フルオキシメステロン、フルタミド、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシ尿素、 イホスファミド、ロイプロリド、レバミゾール、ロイプロリドデポー、ロムスチ ン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メ チルCCNU(セムスチン)、メチルプレドニゾロン、マイトマイシンC、ミトキ サントロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ストレプトゾシ ン、タモキシフェン、チオグアニン、トリエチレン−チオホスホルアミド、ビ ンブラスチン、ビンクリスチンおよびそれらの組合せを包含するが、これらに限 定されない、慣用の化学療法剤とともに用いてよい。これらの化合物は、場合に より、適切であり、指示された場合には、メスナなどのような公知の尿路防護性 化合物とともに与えてよい。メスナは、商業的に入手可能であり、化学療法剤代 謝物、例えばイホスファミド代謝物による、尿道刺激や出血性膀胱炎を解消する ために、常套的に与えられる。代表的には、化学療法剤は、哺乳動物もしくは患 者への最小のか、または少なくとも許容され得る毒性で、腫瘍細胞の致死を最大 化するよう、組み合せて与えられる。本発明の方法は、この毒性をさらに少なく する。本発明の方法を併用してよい、適切な非制限化学療法の方式を、慣用の略 記を用い、該方式が考慮される具体的な腫瘍/癌腫を示して下記に列挙する。化 学療法剤は、慣用の量で、かつ慣用の処置の時間および方式に従って投与してよ い。例えば、“The Cerenex Handbook”,Robert S.Benjamin,Ed.,Cerenex P harmaceuticals,Research Triangle Park,N.C.(1993);“Combination Cancer Chemotherapy Regimens”,Roger W.Anderson & William J.Dana,Eds.,Lad erly Laboratories(1991)を参照されたい。しかしながら、血小板減少症を誘導 するいかなる細胞削減性の方式も、本発明の範囲内にあると考えられる。乳癌 CAF:シクロホスファミド、ドキソルビシン、フルオロウラシル CFM:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ミトキサントロン CFPT:シクロホスファミド、フルオロウラシル、プレドニゾロン、タモキ シフェン CMF:シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシル CMFP:シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシル、プレ ドニゾロン CMFVP:シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシル、ビ ンクリスチン、プレドニゾロン FAC:フルオロウラシル、ドキソルビシン、シクロホスファミド IMF:イホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシル、メスナ VATH:ビンブラスチン、ドキソルビシン、チオテパ、フルオキシメスデロ ン CEP:シクロホスファミド、エトポシド、シスプラチン ICE:イホスファミド、シクロホスファミド、エトポシド AC:ドキソルビシン、シクロホスファミド FLAC:フルオロウラシル、ロイコボリンカルシウム、ドキソルビシン、シ クロホスファミド結腸癌 F−CL:フルオロウラシル、ロイコボリンカルシウム FLe:レバミゾール、フルオロウラシル FMV:フルオロウラシル、メチルCCNU、ビンクリスチン胃癌 FAM:フルオロウラシル、ドキソルビシン、マイトマイシンC FAME:フルオロウラシル、ドキソルビシン、メチルCCNU FCE:フルオロウラシル、シスプラチン、エトポシド生殖尿路癌 CAP:シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド CISCA:シクロホスファミド、ドキソルビシン、シスプラチン CVEB:シスプラチン、ビンブラスチン、エトポシド、ブレオマイシン FL:フルタミド、酢酸リュープロリドまたはフルタミド、酢酸ロイプロミド デポー L−VAM:酢酸ロイプロリド、ビンブラスチン、ドキソルビシン、マイトマ イシンC MVAC:メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチ ン VAB:ビンブラスチン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、シスプラチン 、シクロホスファミド VB:ビンブラスチン、メトトレキサート VBP:ビンブラスチン、ブレオマイシン、シスプラチン妊娠トロホブラスト 病 DMC:ダクチノマイシン、メトトレキサート、シクロホスファミド頭部および頚部癌 CF:シスプラチン、フルオロウラシル CFL:シスプラチン、フルオロウラシル、ロイコボリンカルシウム COB:シスプラチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン MAP:マイトマイシンC、ドキソルビシン、シスプラチン MBC:メトトレキサート、ブレオマイシン、シスプラチン MF:メトトレキサート、フルオロウラシル、ロイコボリンカルシウム白血病 急性リンパ球性白血病(A.L.L.) DVP:ダウノルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン MM:メルカプトプリン、メトトレキサート AVDP:アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、ダウノノレビシン、プレドニ ゾン 急性骨髄性白血病(A.M.L.) AA:シタラビン、ドキソルビシン COAP:シクロホスファミド、ビンクリスチン、シタラビン、プレドニゾン MV:ミトキサントロン、エトポシド 急性非リンパ性白血病(A.N.L.L.) DCT:ダウノルビシン、シタラビン、チオグアニン MC:ミトザントロン、シタラビン CD:シタラビン、ダウノルビシン TC:チオグアニン、シタラビン 慢性リンパ性白血病(C.L.L.) CVP:シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン肺癌 小細胞 COPE:シクロホスファミド、シスプラチン、エトポシド、ビンクリスチン CV:シスプラチン、エトポシド VAC:ビンクリスチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド ICE:イホスファミド、シクロホスファミド、エトポシド CEP:シクロホスファミド、エトポシド、シスプラチン非小細胞 BACON:ブレオマイシン、ドキソルビシン、ロムスチン、ビンクリスチン 、メクロレタミン CAMP:シクロホスファミド、ドキソルビシン、メトトレキサート、プロカ ルバジン CAP:シクロホスファミド、ドキソルビシン、シスプラチン CV:シスプラチン、エトポシド CVI:シスプラチン、エトポシド、イホスファミド、メスナ FAM:フルオロウラシル、ドキソルビシン、マイトマイシンC FOMi/CAP:フルオロウラシル、ビンクリスチン、マイトマイシンC、 シクロホスファミド、ドキソルビシン、シスプラチン MACC:メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ロムス チン ICE:イホスファミド、シクロホスファミド、エトポシド CEP:シクロホスファミド、エトポシド、シスプラチンリンパ腫 ホジキン ABVD:ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンクリスチン、ダカルバジン B−CAVe:ブレオマイシン、ロムスチン、ドキソルビシン、ビンブラスチ ン B−DOPA:ブレオマイシン、ダカノレバジン、ビンクリスチン、プレドニ ゾン、ドキソルビシン CVPP:ロムスチン、ビンブラスチン、プロカルバジン、プレドニゾン MOPP:メクロレタミン、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン MVPP:メクロレタミン、ビンブラスチン、プロカルバジン、プレドニゾン NOVP:ミトザントロン、ビンブラスチン、プレドニゾン、ビンクリスチン 非ホジキン ASHAP:ドキソルビシン、シスプラチン、シタラビン、メチルプレドニゾ ロン BACOP:ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンク リスチン、プレドニゾン CHOP:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニ ゾン CHOP−Bleo:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン 、プレドニゾン、ブレオマイシン COMLA:シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキサート、ロイ コボリンカルシウム、シタラビン COP:シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン COPP:シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニ ゾン CVP:シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン E−SHAP:エトポシド、シスプラチン、シタバリン、メチルプレドニゾロ ン IMVP−16:イホスファミド、メスナ、メトトレキサート、エトポシド、 m−BACOD:ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビ ンクリスチン、デキサメタゾン、メトトレキサート、ロイコボリンカルシウム m−BACOS:ドキソルビシン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、シクロ ホスファミド、メトトレキサート、ロイコボリンカルシウム MINE:メスナ、イホスファミド、ミトザントロン、エトポシド OPEN:エトポシド、ミトザントロン、ビンクリスチン、プレドニゾン Pro−MACE:プレドニゾン、メトトレキサート、ロイコボリンカルシウ ム、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド AI:ドキソルビシン、イホスファミド AC:ドキソルビシン、シクロホスファミド ICE:イホスファミド、シクロホスファミド、エトポシド CEP:シクロホスファミド、エトポシド、シスプラチン悪性黒色腫 BHD:カルムスチン、ヒドロキシ尿素、ダカルバジン DTIC−ACTD:ダカルバジン、ダクチノマイシン VBC:ビンブラスチン、ブレオマイシン、シスプラチン VDP:ビンブラスチン、ダカルバジン、シスプラチン多発性骨髄腫 AC:ドキソルビシン、カルムスチン BCP:カルムスチン、シクロホスファミド、プレドニゾン MeCP:メチルCCNU、シクロホスファミド、プレドニゾン MP:メルファラン、プレドニゾン M−2:ビンクリスチン、カルムスチン、シクロホスファミド、メルファラン 、プレドニゾン VAD:ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン VBAP:ビンクリスチン、カルムスチン、ドキソルビシン、プレドニゾン VCAP:ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニ ゾン卵巣癌 上皮性 C:カルボプラチン AP:ドキソルビシン、シスプラチン CDC:カルボプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド CHAD:シクロホスファミド、ドキソルビシン、シスプラチン、ヘキサメチ ルメラミン CHAP:シクロホスファミド、ヘキサメチルメラミン、ドキソルビシン、シ スプラチン CP:シクロホスファミド、シスプラチン PAC:シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド AC:ドキソルビシン、シクロホスファミド ICE:イホスファミド、シクロホスファミド、エトポシド CEP:シクロホスファミド、エトポシド、シスプラチン 生殖細胞 VAC:ビンクリスチン、ダクチノマイシン、シクロホスファミド子宮内膜癌 C:カルボプラチン AC:ドキソルビシン、シクロホスファミド膵臓癌 FMS:フルオロウラシル、マイトマイシンC、ストレプトゾシン SD:ストレプトゾシン、ドキソルビシン小児腫瘍 A.L.L. DVP:ダウノルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン VAP:ダウノルビシン、アスパラギナーゼ、プレドニゾン CT:シタラビン、チオグアニン DCPM:ダウノルビシン、シタラビン、プレドニゾン、メルカプトプリン A.N.L.L. DC:ダウノルビシン、シタラビン 骨肉腫 AC:ドキソルビシン、シスプラチン HDMTX:メトトレキサート、ロイコボリンカルシウム T−2:ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスフ ァミド ホジキン病 ACOPP:ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカ ルバジン、プレドニゾン MOPP:メクロレタミン、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン 軟組織肉腫 VAC:ビンクリスチン、ダクチノマイシン、シクロホスファミド肉腫 骨肉腫 AC:ドキソルビシン、シスプラチン CYVADIC:シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、ダ カルバジン HDMTX:メトトレキサート、ロイコボリンカルシウム IMAC:イホスファミド、メスナ、ドキソルビシン、シスプラチン 軟組織 CYADIC:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジン CYVADIC:シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、ダ カルバジン ID:イホスファミド、メスナ、ドキソルビシン VAC:ビンクリスチン、ダクチノマイシン、シクロホスファミド AI:イホスファミド、ドキソルビシン MAID:メスナ、ドキソルビシン、イホスファミド、ダカルバジン 本発明の方法で治療してよい血小板減少症に特に関連して選ばれる方式は: 方式 悪性 ・カルボプラチン/パクリタクセル 卵巣 NSCLC ・FUDR/ロイコボリン/ドキソルビシン/ HBV+/HCV+肝癌 シスプラチン ・シスプラチン/α−インターフェロン/ HBV+/HCV+肝癌 5−FU/ドキソルビシン ・イホスファミド/メスナ/カルボプラチン/ NSCLC エトポシド ・シスプラチン/イホスファミド/メスナ/ 睾丸 エトポシド ・高用量カルボプラチン/エトポシド 睾丸(サルベージ) ・メトトレキサート/ビンブラスチン/ 膀胱 ドキソルビシン/シスプラチン ・BCNU(カルムスチン) グリア芽細胞腫 ・プロカルバジン/CCNU/ 脳 ビンクリスチン ・シクロホスファミド/エトポシド+/− ホジキン病のサルベージ、胸部 シスプラチンまたはカルボプラチン 、卵巣、非ホジキンリンパ腫、 頭部および頚部、肺、骨髄腫、 肉腫 ・デキサメタゾン/HIDAC/シスプラチン 非ホジキンリンパ腫の サルベージ ・メスナ/イホスファミド/ドキソルビシン/ 軟組織肉腫 ±DTIC ・シクロホスファミド/ビンクリスチン/ 軟組織肉腫 DTIC ドキソルビシン 本発明の1回または少数回の用量は、処置周期における放射線および/もしく は化学療法剤の最初の処置時間の前にか、処置周期における処置時間の間か、ま たはそれと同時にか、あるいは処置周期における放射線および/もしくは化学療 法剤の1回またはそれ以上の個々の処置時間の後に、与えてよい。例えば、1周 期は、放射線または化学療法剤の1回の処置時間を構成してよい。本発明では、 TPOの1回または少数回の用量は、この処置時間の前、間または後に投与する ことになると思われる。これに代えて、周期は、放射線または化学療法剤の複数 の処置時間、例えば2〜10またはそれ以上の処置時間を構成してよい。ここで は、本発明は、いかなる1処置時間もの前、間もしくは後にか、または個々の処 置時間のそれぞれの前、間もしくは後にTPOを投与することを企図する。例え ば、周期は、化学療法剤の3回の処置を構成してよい。本発明の方法では、TP Oを、3回の処置時間のそれぞれの前に投与してよいか、または3回の処置時間 のそれぞれの後に投与してよいと思われる。当然ながら、本発明は、周期におけ る化学療法剤の最初の処置時間の前と、周期における最後の処置時間の後とのT POの1回の日次用量の投与も包含する。 好適実施態様では、哺乳動物に、放射線および/または化学療法剤の少なくと も一つの処置周期を与えるが、ここで、該処置周期は、放射線および/または化 学療法剤を投与する最初の処置時間TOと、最後の処置時間TFとを有する。TP Oの用量は、好ましくはTOプラスマイナス24時間、より好ましくは TOプラスマイナス10時間、さらに好ましくはTOプラスマイナス6時間および 最も好ましくはTOプラスマイナス2時間に投与する。 代替実施態様では、用量は、TOにか、またはTO以前ではあるが、TO前7日 以内に、好ましくはTO前1日以内に投与する。1回用量の周期については、TO =TFである。もう一つの好適実施態様では、用量は、TF以前ではあるが、TF 前7日以内に投与する。上記のとおり、TPOは、TF以後に投与してもよい。 TPOの第二の用量を、TF以後に与えたとき、該用量は、TF後24時間以内に 投与する。哺乳動物または患者は、当然、複数回の処置周期、一般的には2〜6 周期であるが、癌もしくは腫瘍の大きさを縮小するか、または完全に放射線治療 をするのに医療上必要なだけ多くの周期を受けてよい。何らかの治療方式では、 腫瘍は、放射線および/または化学療法の処置以前のその大きさに対して、大き さが減少し、次いで、外科手術を利用して、腫瘍の残存する悪性組織を除去する 。本発明の方法は、これらの方式にも用いてよい。 本発明は、一般的にはTPOの用量の投与後の、好ましくは1治療周期での最 後のTPO用量の投与後の、治療有効量のサイトカイン、コロニー刺激因子およ びインターロイキンの同時投与も包含する。サイトカインは、好ましくはKL、 LIF、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、EPO、FLT−3、IL− 1、IL−2、IL−3、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9 またはIL−11、特にG−CSFまたはGM−CSFである。 本発明によれば、本発明の1回または少数回投与方式は、患者の体重1kgあた り約0.1〜50μg、好ましくは約0.1〜10μg、より好ましくは約1〜5 μg、または好ましくは約1〜3μg程度での日用量の比率で効果的であることが 見出された。1回用量では、約2±1.5μg/体重kgの総投与が好ましいと思わ れる。少数回用量では、1用量あたり約0.5〜1.5μg/体重kgの投与が好ま しいと思われる。上記の用量は、好適な静脈内投与で予測される。皮下の経路を 介しての投与では、投与される総量は、静脈内の経路を介して投与される量の約 1〜3倍の範囲、好ましくは約2倍であると思われる。さらに、肺を経由する投 与のための用量は、上記のより高い。個々の患者に対する具体的な治療有効用量 は、慣用の方法によって決定し得る。 本発明の方法は、好ましくは、放射線および/または化学療法の処置周期の間 、哺乳動物での35x10-12モルまたはそれを越える血中TPOレベルを維持 するのに充分なTPOの用量も提供する。好ましくは、該用量は、処置周期の間 、100x10-12モル以上、より好ましくは約35x10-12〜約3,500x 10-12モルの血中TPOレベルを維持するのに充分である。 最適な用量の比率および方式は、疾病の重篤度や種類、体重、性別、食餌、投 与の時間や経路、他の投薬、および他の関連する臨床的因子を包含する、薬物の 作用を変化させる公知の様々な因子を勘案する担当の医師によって決定されるこ とになる。 患者へのトロンボポエチンの1回の日次投与は、血小板減少症の処置に治療上 有効であることが判明しているが、少数回(毎日)の方式を用い得ることが認識 できることが理解されると思われる。1回の用量は、治療応答の開始を刺激し、 本明細書では、複数回の投与が企図されているが、1回または少数回の投与後の 投与の終結は、治療応答とは無関係であることが見出されている。 本発明の生物学的に活性である材料のトロンボポエチンは、それによれば、鼻 または肺経由、皮下、この静脈内を包含する様々な経路で投与することができる 。いずれにしても、投与経路に応じて、本発明の生物学的活性材料のトロンボポ エチンは、好ましくは、製薬上許容され得る適切な担体または賦形剤と組み合せ て投与する。全身的に投与するときは、該治療組成物は、発熱因子を含んではな らず、生理学的なpH等張性および安定性についての正当な考慮を有する、非経口 的に許容され得る溶液として存在しなければならない。これらの条件は、一般的 には、適切な当技術の習熟者には周知であり、かつ充分に受容される。 略述すると、本発明の材料の投与量配合物は、望みの程度の純度を有する化合 物を生理学的に許容され得る担体、賦形剤および/または安定剤と混合すること によって、貯蔵または投与のために製造する。そのような材料は、用いた用量お よび濃度では受容者に無害であり、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩その他の有機 酸塩のような緩衝液;アスコルビン酸のような抗酸化剤;ポリアルギニンのよう な低分子量ペプチド、血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンのよう なタンパク質;ポリビニルピロリジノンのような親水性重合体;グリシン、グル タミン酸、アスパラギン酸もしくはアルギニンのようなアミノ酸;セルロースも しくはその誘導体、グルコース、マンノースもしくはデキストリンを包含する単 糖類、二糖類その他の炭水化物;EDTAのようなキレート化剤;マンニトール もしくはソルビトールのような糖アルコール:ナトリウムのような対イオン;お よび/またはTWEEN、PLURONICSもしくはポリエチレングリコールのような非イオ ン界面活性剤を含む。 本発明の生物学的活性トロンボポエチンの材料は、遊離酸もしくは塩基の形態 としてか、または製薬上許容され得る塩として投与することができ、許容された 製薬の実施に要求されるような、生理学的に許容され得る伝達体、担体、賦形剤 、結合剤、防腐剤、安定剤、香味料などと調合される。 注射用の滅菌組成物は、慣用の製薬または薬理学の慣例に従って配合すること ができる。例えば、水、またはゴマ油、ピーナツ油もしくは綿実油のような天然 に産する植物油のような賦形剤、あるいはオレイン酸エチルなどのような合成脂 肪性賦形剤中の活性物質の溶液もしくは懸濁液が望ましいと思われる。やはり、 緩衝液、防腐剤、抗酸化剤などを、許容された製薬の実施に従って組み込むこと ができる。本発明の生物学的活性材料のトロンボポエチンは、上に特定された疾 患、および血小板減少症を指標とする状態の治療の際に、単独で用いるか、また は他のサイトカイン、ヘマトポエチン、インターロイキン、成長因子もしくは抗 体との併用で投与してよい。すなわち、本発明の活性材料は、G−CSF、GM −CSF、LIF、M−CSF、IL−2、IL−3、エリスロポエチン(EP O)、Kitリガンド、IL−6、IL−11、FLT−3リガンド等々を包含する 、血小板新生活性を有するその他のタンパク質またはペプチドと組み合せて用い てよい。 徐放性調剤の適切な例は、該ポリペプチドを含有する固体の疎水性重合体の、 成形品、例えば薄膜またはマイクロカプセルの形態をなす、半透性マトリックス を包含する。徐放性マトリックスの例は、ポリエステル、ヒドロゲル[例えばLan ger et al.,J.Biomed.Mater.Res.,15:167-277(1981)、およびLanger,Chem .Tec.,12:98-105(1982)に記載のポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート )またはポリ(ビニルアルコール)]、ポリラクチド(米国特許 第3,779,919号明細書、ヨーロッパ特許第58,481号公報)、L−グルタミン酸塩と γ−エチル−L−グルタミン酸塩との共重合体[Sidman et al.,Biopolymers,2 2:547-556(1983)]、非分解性エチレン−酢酸ビニル[Langer et al.前掲]、LUPRO M DEPOTJ(乳酸−グリコール酸共重合体および酢酸リロイプロリドからなる注射 できる微小球)のような分解性乳酸−グリコール酸共重合体、ならびにポリ−D −(−)−3−ヒドロキシ酪酸(ヨーロッパ特許第133,988号公報)を包含する 。 エチレン−酢酸ビニルおよび乳酸−グリコール酸のような重合体が、100日 以上も分子の放出を可能にするのに対し、ある種のヒドロゲルは、より短い期間 だけタンパク質を放出する。カプセルに封入したタンパク質は、長期間体内に存 続するとき、37℃での水分との接触の結果として、変性または凝集して、生物 学的活性の喪失と免疫原性の潜在的変化とを招く。関与する機構に応じて、タン パク質安定化のための合理的な対策を考案することができる。例えば、凝集機構 が、ジスルフィド交換による分子間のS−S結合形成であることが発見されたな らば、安定化は、スルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含 量の制御、適切な添加物の使用、および特定の重合体マトリックス組成物の開発 によって達成し得る。 徐放性血小板新生性タンパク質組成物は、リポソームによって捕捉された巨核 球新生性タンパク質も包含する。巨核球新生性タンパク質を含有するリポソーム は、それ自体は公知である方法によって製造される[ドイツ国特許第3,218,121号 公報;Epstein et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:3688-3698(1985);Hwa ng et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4030-4034(1980);ヨーロッパ特 許第52,322号;第36,676号;第88,046号;第143,949号;第142,641号公報;特開 昭(58)-118,008号公報;米国特許第4,485,045号および第4,544,545号明細書;な らびにヨーロッパ特許第102,324号公報]。通常、リポソームは、小型(約200 〜800オングストローム)の単一膜形式のものであり、その中の脂質含量は、 コレステロールとして約30モル%より多く、選ばれた比率は、最適の巨核球新 生性タンパク質療法のために調整される。 TPOまたはmplリガンドの共有結合による修飾の一形式は、様々な非タン パク質性重合体、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールま たはポリオキシアルキレンの一種とのTPOポリペプチドの、米国特許第4,640, 835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号;また は第4,179,337号明細書に記載の方式での結合を含む。前記重合体と共有結合さ れたTPOポリペプチドは、本明細書ではPEG化したTPOと称する。 mplに結合するのに最適な、かつ上に定義した免疫学的および/または生物 学的活性を有する変異体を選ぶために、回収したTPO変異体の何らかのスクリ ーニングが必要になることが、認識されると思われる。組換え細胞培養体または 血漿における(例えばタンパク質分解性の切断に対する)安定性、mplの成員 に対する高い親和性、酸化に対する安定性、高収率で分泌される能力などについ て、スクリーニングすることができる。例えば、TPOポリペプチドの免疫学的 特徴、例えば与えられた抗体との親和性の変化を、競争的形式のイムノアッセイ によって測定する。酸化還元もしくは熱に対する安定性、疎水性、またはタンパ ク質分解性分解に対する感受性のような、タンパク質またはポリペプチドの特性 のその他のあり得る修飾は、当技術に周知の方法によって検定される。 製造の方法 ヒトmplリガンド(TPO)遺伝子の単離 TPO遺伝子のヒトゲノムDNAクローンを、mplリガンドをコードするヒ トcDNAの3N半分に相当するフラグメントによる低い緊縮(low stringency )条件下、または高い緊縮(high stringency)条件下で、8−Gem12中の ヒトゲノムライブラリーをpR45でスクリーニングすることによって単離した 。35kbに及ぶ二つの重複λクローンを単離した。TPO遺伝子全体を含む二つ の重複フラグメント(BamHIおよびEcoRI)を、ザブクローニングし、 配列決定した。 ヒト遺伝子の構造は、ゲノムDNAの7kb以内の6個のエキソンからなる。す べてのエキソン/イントロン結合部の境界は、哺乳動物の遺伝子で確定された共 通モチーフに一致する[Shapiro,M.B.et al.,Nucl.Acids.Res.15:7155(198 7)]。第1および第2エキソンは、5Nの非翻訳配列、およびシグナルペプ チドの初めの4アミノ酸を有する。分泌シグナルの残余、および成熟タンパク質 の初めの26アミノ酸は、第3エキソン内にコードされている。カルボキシルド メイン全体、ならびにエリスロポエチン様ドメインの3Nの非翻訳およびそれか ら50個までのアミノ酸は、第6エキソン内にコードされている。hML−2( hTPO−2)内で観察される欠失に関与する4個のアミノ酸は、第6エキソン の5N末端にコードされている。 サザンブロットによるヒトゲノムDNAの分析は、TPOの遺伝子が、単一コ ピーとして存在することを示す。遺伝子の染色体での位置は、蛍光in situハイ ブリダイゼーション(FISH)によって決定し、染色体3q27〜28にマッ ピングした。 293細胞からのTPOの発現および精製 293細胞からのMLまたはTPOの調製および精製を、実施例1に詳述する 。略述すると、TPOの全読取り枠に相当するcDNAを、pRK5−hmpl Iを用いたPCRによって得た。PCR産物を精製し、プラスミドpRK5tkne o.ORF(全読取り枠をコードするベクター)の制限部位ClaIとXbaI との間にクローニングした。 EPO相同ドメインをコードする第二のベクターを、同様に、しかし異なるP CRプライマーを用いて生成して、pRK5−tkneoEPO−Dと呼ばれる最終 構成体を得た。 これら2種類の構成体を、CaPO4法によってヒト胚性腎臓細胞にトランス フェクションし、ネオマイシン耐性クローンを選別し、密集するまで増殖させた 。順化培地でのこれらのクローンからのML153またはML332の発現を、Ba/ F3−mpl増殖アッセイを用いて査定した。 rhML332の精製を、実施例1に記載したとおりに実施した。略述すると、 293−rhML332の順化培地を、BLUEセファロース(Pharmacia)カラム にかけ、次いで、2モルの尿素を含有する緩衝液で洗浄した。2モル尿素および 1モルNaClを含有する緩衝液でカラムを溶離した。次いで、BLUEセファ ロース溶出液のプールを、WGAセファロースのカラムに直接かけ、2モル尿素 および1モルNaClを含有する緩衝液10カラム容で洗浄し、0.5モル N−アセチル−D−グルコサミンを含有する同じ緩衝液で溶離した。WGAセフ ァロースの溶出液を、C4−HPLCカラム(Synchrom,Inc.)にかけ、プロパ ノールの不連続勾配で溶離した。SDS−PAGEによって、精製293−fh ML332は、ゲルの68〜80kDaの領域に幅広いバンドとして移動する。 rhML153の精製も、実施例1に記載したとおりに実施した。略述すると、 293−rhML153順化培地を、rhML332について記載したとおりに、BL UEセファロース上で分離した。BLUEセファロースの溶出液を、上記のとお り、mpl親和性カラムに直接かけた。mpl親和性カラムから溶出したrhM L153を、rhML332に用いたのと同じ条件下で、C4−HPLCカラムの操作 を用いて均質にまで精製した。SDS−PAGEによって、精製rhML153は 、18,000未満〜22,000の相対質量を有する20の主要バンドと二つ の副次バンドへと分離する。 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞からのTPOの発現および精製 CHO細胞をトランスフェクションするのに用いた発現ベクターを、pSVI5.ID .LL.MLORF(TPO332の全長)およびpSVI5.ID.LL.MLEPO-D(断端したか、また はTPO153)と称する。 TPOの全読取り枠に相当するcDNAを、PCRによって得た。PCR産物 を精製し、プラスミドpSVI5.TD.LLの二つの制限部位(ClaIとSaII)の 間にクローニングして、ベクターpSVI5.TD.LL.MLORFを得た。EPO相同ドメイ ンに相当する第二の構成体を、同じ方法であるが、異なる逆プライマー(EPO D.sal)を用いて生成した。TPOのEPO相同ドメインをコードするベクタ ーのための最終構成体を、pSVI5.ID.LL.MLEPO-Dと呼ぶ。 これら二つの構成体をNotIで直線化し、電気穿孔法によってチャイニーズ ハムスター卵巣細胞(CHO−DP12細胞、1989年3月15日公開された ヨーロッパ特許第307,247号公報)にトランスフェクションした。記載のとおり [Andreason,G.L.,J.Tissue Cult.Meth.,15:56(1993)]10、25または 50mgのDNAの存在下、BRL電気穿孔装置内で(350V、330mF、低静 電容量)107個の細胞を電気穿孔した。トランスフェクションの翌日、DHF R選別培地(グリシンなしの高グルコースDMEM−F12が50:50、 2mMグルタミン、2〜5%透析ウシ胎児血清)中で細胞を分割した。10〜15 日後、個々のコロニーを、96穴プレートに移し、密集まで増殖させた。順化培 地でのこれらのクローンからのML153またはML332の発現を、Ba/F3−m pl増殖アッセイを用いて査定した。 採集したCHO細胞培養液からのTPOの精製および単離の方法は、実施例2 に記載してある。略述すると、採集した細胞培養液(HCCF)を、樹脂1リッ トルあたりHCCF約100Lという率でBLUEセファロース(Pharmacia)カ ラムにかける。次いで、カラムを緩衝液3〜5カラム容、次いで2.0モルの尿 素を含有する緩衝液3〜5カラム容で洗浄する。次いで、2.0モル尿素と1. 0モルNaClとをともに含有する緩衝液3〜5カラム容で、TPOを溶離する 。 次いで、TPOを含有するBLUEセファロース溶出液のプールを、BLUE セファロース中で平衡させたコムギ胚芽レクチンヤファロースカラム(Pharmaci a)に、樹脂1mlあたり8〜16mlのBLUEセファロース溶出液の率でかける 。次いで、カラムを、平衡緩衝液2〜3カラム容で洗浄する。次いで、TPOを 、2.0モル尿素、および0.5モルN−アセチル−D−グルコサミンを含有す る緩衝液2〜5カラム容で溶離する。 次いで、TPOを含有するコムギ胚芽レクチン溶離液を、酸性化し、0.04 %の最終濃度までC128を加える。得られたプールを、0.1%TFA、0. 04%C128中で平衡させたC4逆相カラムに、樹脂1mlあたり約0.2〜0 .5mgのタンパク質の容量でかける。 タンパク質は、0.1%TFAおよび0.04%C128を含有するアセトニ トリルの二段階線形勾配で溶離し、プールは、SDS−PAGEに基づいて作成 する。 次いで、C4プールを、10,000〜30,000ダルトンの分子量カット オフを有するAMICON−YMまたは類似の限外濾過膜上で、緩衝液約6容に 対して希釈かつダイア濾過する。そうして、得られたダイア濾液は、直接処理す るか、または限外濾過によってさらに濃縮してよい。ダイア濾液/濃縮液は、通 常、0.01%のTWEEN-80の最終濃度に調整する。 次いで、算出力ラム容の2〜5%と等価のダイア濾液/濃縮液の全部または一 部を、0.01%TWEEN-80を含有する緩衝液中で平衡させたSEPHACRYL S-300HR カラム(Pharmacia)にかけ、クロマトグラフィーに付す。次いで、凝集体およ びタンパク質分解性分解生成物を含まないTPO含有画分を、SDS−PAGE に基づいてプールする。得られたプールを濾過し、2〜8℃で貯蔵する。 微生物中での形質転換、およびTPO合成の誘導、ならびにそこに製造されたT POの単離、精製および再折りたたみ E.ColiのTPO発現ベクターの構築を、実施例3に詳述する。略述すると、 プラスミドpMP21、pMP151、pMP41、pMP57およびpMP2 02を、すべて、異なる構成体間で変動する小リーダーの下流で、TPOの最初 の155アミノ酸を発現するように設計した。リーダーは、主として、高レベル の翻訳開始、および迅速な精製を与える。プラスミドpMP210−1、−T8 、−21、−22、−24、−25は、開始メチオニンの下流で、TPOの初め の153アミノ酸を発現するように設計し、TPOの最初の6アミノ酸に対する コドン使用法のみが異なるにすぎないが、プラスミドpMP251は、pMP2 10−1の誘導体であって、TPOのカルボキシル末端が2アミノ酸だけ延長さ れている。上記のプラスミドはすべて、トリプトファンプロモーターで誘導する と、TPOの高レベルの細胞内発現をE.coliで生じると思われる[Yansure,D.G .et al.,Methods in Enzymology,185:54-60(Goeddel,D.V.,Ed.)Academic Press,San Diego(1990)]。プラスミドpMP1およびpMP172は、上記の TPO細胞内発現プラスミドの構築の中間体である。上記のTPO発現プラスミ ドを用いて、実施例3に記載のCaCl2熱ショック法[Mandel,M.et al.,J .Mol.Biol.,53:159-162(1970)]その他の手順を用いて、E.coliを形質転換 した。略述すると、形質転換した細胞を、培養体の光学密度(600nm)が約2 〜3に達するまで、初めに37℃で増殖させた。次いで、培養液を希釈し、通気 による増殖後に、酸を加えた。次いで、培養体を、更に15時間の通気しながら 増殖させ続け、その後、遠心分離によって細胞を回収した。 生物学的に活性であり、再折りたたまれたヒトTPO、またはそのフラグメン トの生成について下に示した単離、精製および再生手順は、実施例4に記載し、 NおよびC末端延長形態を包含する、いかなるTPO変異体の回収にも適用する ことができる。再折りたたみまたは合成TPOに適したその他の手順は、E.col i中で不溶形態で発現させた様々な組換えタンパク質に対する、回復および再折 りたたみの方法の全般的説明のための、下記の特許中に見出すことができる:Bu ilder et al.,米国特許第4,511,502号;Jones et al.,同第4,512,922号;Olso n,同第4,518,526号;およびBuilder et al.,同第4,620,948号明細書。 血小板新生活性の測定の方法 血小板新生活性は、Ba/F3mplリガンドアッセイを包含する様々なアッ セイで測定してよい。in vivoマウス血小板リバウンド合成アッセイ、ヒト白血 病巨核球芽細胞系(CMK)に対する抗血小板免疫アッセイ(抗GPIIbIIIa)で 測定する限りでの、血小板細胞表面抗原の誘導アッセイ[Sato et al.,Brit.J .Heamatol.,72:184-190(1989)を参照されたい]、および巨核球芽細胞系(DA MI)での倍数化の誘導[Ogura et al.,Blood,72(1):49-60(1988)を参照され たい]。未成熟の、大半がDNAを合成しない細胞からの、形態学的に特定でき る巨核球への巨核球の成熟は、細胞質の細胞小器官の出現、膜抗原(GPIIbIIIa )の獲得、背景に記載したような血小板の核内複製および放出を包含する過程 を伴う。巨核球成熟の系列特異的プロモーター(すなわちmplリガンド)は、 血小板の放出、および血小板減少症の緩和へと導く、未成熟巨核球でのこれらの 変化の少なくともいくつかを誘導することが期待されると思われる。したがって 、未成熟巨核球細胞系統、すなわちCMKおよびDAMI細胞での、これらのパ ラメータの出現を測定するように、アッセイを設計した。CMKアッセイは、特 異的な血小板マーカーであるGPIIbIIIaの出現と、血小板の放散とを測定する 。DAMIアッセイは、倍数性の増加が成熟巨核球の顕著な特徴であることから 、核内複製を測定する。認め得る巨核球は、2N、4N、8N、16N、32N などの倍数値を有する。最後に、in vivoマウス血小板リバウンドアッセイは、 試験化合物(ここではmplリガンド)の投与が血小板数の増加 を招くことの立証に役立つ。 TPO活性を測定するために、二つの追加のin vivoアッセイを開発した。第 一は、キナーゼ受容体活性化(KIRA)ELISAであって、CHO細胞をm pl−Rseキメラでトランスフェクションし、キメラのmpl部分をmplリ ガンドと接触させた後に、Rseのチロシンリン酸化をELISAによって測定 する。第二は、受容体依拠ELISAであって、ウサギの抗ヒトIgGで被覆し たELISAプレートが、検定しようとするmplリガンドと結合するヒトキメ ラ受容体mpl−IgGを捕捉する。結合したmplリガンドを検出するには、 mplリガンド(TPO155)に対するビオチニル化したウサギポリクローナル 抗体を用い、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼを用いて測定する。 材料トロンボポエチンの治療的用途 生物学的に活性である血小板新生タンパク質(TPO)は、産生の欠陥、隔離 、または血小板の破壊の増大による、血小板減少症に罹患した患者での巨核球新 生または血小板新生活性を刺激するために、滅菌製剤または配合物として役立ち 得る。血小板減少症に付随する骨髄の発育不全(例えば、化学療法または骨髄移 植組織後の無形成性貧血)はもとより、播種性血管内凝固(DIC)、免疫血小板 減少症(HIV誘導ITPおよび非HIV誘導ITPを包含)、慢性特発性血小板 減少症、先天性血小板減少症、骨髄形成異常症および血栓性血小板減少症も、本 発明の化合物で効果的に治療し得る。加えて、これらの巨核球新生タンパク質は 、骨髄増殖性の血小板疾患はもとより、炎症性状態からの、および鉄分の欠乏で の血小板増加症を治療するのにも役立ち得る。 本発明の方法は、血小板減少症を生じるのに充分な電離性放射線に被曝した哺 乳動物またはヒトの患者、例えば、チェルノブイリで発生した周知の事故のよう な、核事故に被曝した人間を治療するのにも役立つ。TPOは、患者に充分許容 され、これが、核事故後数時間以内の、放射線に作用されたすべての人間へのT POの迅速な投与を正当化し得る。より詳しく下記に述べるとおり、前駆細胞の TPO応答性は、放射線および/または化学療法への人間の暴露の直後には、非 常に大きいと思われる。本発明の方法は、電離性放射線に被曝すると予測され るような人間に、予防的にTPOを投与することによって、放射線防護手順とし ても用いてよい。例えば、重大な核事故の場合、緊急作業員は、高度に汚染され た部域への進入を必要とすることがある。予防的容量のTPOの、本発明の投与 方法による被曝前の投与は、作業員が、放射線への被曝によって誘導される血小 板減少症の程度を軽減するために、高レベルの初期多系列前駆細胞を有するのを 確保することになる。 本発明の血小板新生タンパク質(TPO)の好適な用途は、白血病または充実 性腫瘍の治療のための骨髄毒性化学療法、自己または同種骨髄移植組織に対する 骨髄除去性化学療法、骨髄形成異常症、特発性無形成性貧血、先天性血小板減少 症および免疫血小板減少症にある。 本発明の血小板新生タンパク質で有用に治療される、更に別の疾患は、薬物、 中毒、または人工的表面での活性化に起因する、血小板の欠陥もしくは損傷を包 含する。これらの場合、「放散している」か、または新たな「未損傷の」血小板 を刺激するために、本化合物を用いてよい。 実施例実施例1 :293細胞からのTPOの発現および精製 293細胞発現ベクターの調製 TPO全読取り枠に相当するcDNAを、下記のオリゴヌクレオチドをプライ マーとして用いるPCRによって得た: pfuDNAポリメラーゼ(Stratagene)の存在下での反応のためのテンプレー トとしては、prk5−Hmplを用いた。初期変性は、94℃で7分間、その 後25サイクルの増幅(94℃で1分間、55℃で1分間、および72℃で1分 間)であった。最終的な延長は、72℃で15分間であった。PCR産物を精製 し、チミジンキナーゼ促進の制御下でネオマイシン耐性遺伝子を発現するよう改 質した、pRK5から誘導したベクターである、プラスミドpRK5tkneoの制 限部位ClaIとXbaIとの間にクローニングして、ベクターpRK5tkneo .ORFを得た。epo相同ドメインに相当する第二の構成体を、同じ方法であ るが、前進プライマーとしてCla.FL.Fと、下記の逆行プライマーとを用いて生成 した: 最終構成体をpRK5−tkneoEPO−Dと呼ぶ。両構成体の配列を確認した。 ヒト胚性腎臓細胞のトランスフェクション これら2種類の構成体を、CAPO4法によってヒト胚性腎臓細胞にトランス フェクションした。トランスフェクションの24時間後に、ネオマイシン耐性ク ローンの選別を、0.4mg/mlのG418の存在下で開始した。10〜15日後 、個々のクローンを96穴プレートに移し、密集まで増殖させた。これらのクロ ーンからの順化培地でのML153またはML332の発現(TPO153またはTP O332)を、Ba/F3−mpl増殖アッセイを用いて査定した。 rhML332の精製 392−rhML332順化培地を、10mMリン酸ナトリウム、pH7.4(緩衝 液A)中で平衡させたBLUEセファロース(Pharmacia)カラムにかけた。次 いで、カラムを緩衝液Aおよび2M尿素含有緩衝液A、それぞれ10カラム容で 洗浄した。次いで、カラムを、2M尿素および1M NaClを含有する緩衝液A で溶離した。次いで、BLUEセファロース溶出プールを、緩衝液A中で平衡さ せたWGAセファロースカラムに直接かけた。次いで、WGAセファロースの カラムを、2M尿素および1M NaClを含有する緩衝液A10カラム容で洗浄 し、0.5M N−アセチル−D−グルコサミンを含有する同じ緩衝液で溶離した 。WGAセファロースの溶出液を、0.1%TFA中で平衡させたC4−HPL Cカラム(Synchrom,Inc.)にかけた。C4−HPLCカラムを、プロパノール の不連続勾配(0〜25%、25〜35%、35〜70%)で溶離した。rhM L332は、勾配の28〜30%プロパノールの領域で溶出することが判明した。 SDS−PAGEによって、精製rhML332は、ゲルの68−8−1kDaの領域 に幅広いバンドとして移動した。 rhML153の精製 392−rhML153順化培地を、rhML332について記載したとおりに、B LUEセファロース上で分離した。BLUEセファロースの溶出液を、上記のと おり、mpl親和性カラムに直接かけた。mpl親和性カラムから溶出したrh ML153を、rhML332について記載したのと同じ条件下で、C4−HPLCカ ラムの操作を用いて均質にまで精製した。SDS−PAGEによって、精製rh ML153は、18,000未満〜21,000の相対質量を有する二つの主要バ ンドと二つの副次バンドへと分離した。実施例2 :CHOからのTPOの発現および精製 1.CHO発現ベクターの説明 下記の電気穿孔のプロトコルに用いた発現ベクターは、 pSVI5.ID.LL.MLORF(全長すなわちhTPO332)、および pSVI5.ID.LL.MLEPO-D(断端すなわちhTPO153)と称する。 2.CHO発現ベクターの調製 hTPOの全読取り枠に相当するcDNAを、下表のオリゴヌクレオチドプラ イマーを用いたPCRによって得た。 CHO発現ベクターのPCRプライマー pfuDNAポリメラーゼ(Stratagene)の存在下での反応のためのテンプレー トとしては、pRK5−hmplIを用いた。初期変性は、94℃で7分間、そ の後25サイクルの増幅(94℃で1分間、55℃で1分間、および72℃で1 分間)であった。最終的な延長は、72℃で15分間であった。PCR産物を精 製し、プラスミドpSV15.ID.LLの制限部位ClaIとSalIとの間にクローニングして 、ベクターpSV15.ID.LL.MLORFを得た。EPO相同ドメインに相当する第二の構 成体を、同じ方法であるが、前進プライマーとしてCla.FL.F2と、下記の逆行プ ライマーとを用いて生成した:EPOD.Sa15'AGT CGA CGT CGA CTC ACC TGA CGC AG A GGG TGG ACC 3’(SEQ ID NO:6)。最終構成体をpSV15.ID.LL.MLEPO-Dと呼ぶ。 両構成体の配列を確認した。 本質的には、全長および断端リガンドに対するコーディング配列を、CHO発 現ベクターpSV15.ID.LLの多重クローニング部位に導入した。このベクターは、 SV40の初期プロモーター/エンハンサー領域、マウスDHFRcDNAを含 む修飾されたスプライス単位、問題の遺伝子(この場合は記載のTPO配列)、S V40ポリアデニル化シグナルおよび複製起点、ならびに細菌でのプラスミド選 別および増幅のためのβラクタマーゼ遺伝子を有する。 3.組換えヒトTPO332およびTPO153を発現する安定的CHO細胞系を確立 するための方法論 a.CHO親細胞系の説明 本明細書に記載のTPO分子の発現に用いた宿主CHO(チャイニーズハムス ター卵巣)細胞系は、CHO−DP12として公知である(1989年3月 15日公開されたヨーロッパ特許第307,247号公報を参照されたい)。この哺乳動 物細胞系を、プレプロインスリンを発現するベクターでの親系(L.Chasin博士 の許可により、Stanford UniversityのFrank Lee博士から入手したCHO−K1 DUX−B11(DHFR−))のトランスフェクションからクローン選別して 、インスリン要求度の低いクローンを得た。これらの細胞もDHFRマイナスで あり、クローンは、DHFRcDNAベクター配列の存在について、ヌクレオシ ド補給物質(グリシン、ヒポキサンチンおよびチミジン)を欠く培地での成長に よって選別することができる。CHO細胞系を安定的に発現するこの選別系を、 一般的に用いる。 b.トランスフェクション方法(電気穿孔) 線状にした、それぞれpSVI5.ID.LL.MLORFまたはpSVI5.ID.LL.MLEPO-Dプラスミ ドを、電気穿孔[例えばAndreason,G.L.,J.Tiss.Cult.Meth.,15,56(1993 )を参照されたい]によってDP12細胞にトランスフェクションすることによ って、TPO332およびTPO153発現細胞系を生成した。標準的な分子生物学の 方法によって、酵素NOTIで10μg、25μgおよび50μgのベクターを切 断する各プラスミドについて、3種類の制限酵素反応混合物を構成した。この制 限部位は、ベクターの線状化領域3’内でTPOリガンド転写単位の外側に一度 だけ見出されるにすぎない。100μlの反応を、37℃での終夜培養で実施し た。翌日、混合物をフェノール−クロロホルム−イソアミルアルコール(50: 49:1)で1回抽出し、約1時間ドライアイス上にエタノール沈澱させた。次 いで、15分の微量遠心分離によって沈澱を捕集し、乾燥した。線状化したDN Aを、標準的抗生物質および2mMグルタミンを補充したHamのDMEM−F1 2の1:1培地50μlに再懸濁させた。 DP12細胞を増殖する懸濁液を回集し、DNAの再懸濁について記載した培 地中で1回洗浄し、最後に、同じ培地に750μlあたり107個の細胞の濃度で 再懸濁させた。細胞のアリコート(750μl)、および線状化したDNA混合物 のそれぞれを、室温で1時間まとめて温置し、次いで、BRL電気穿孔チャンバ ーに移した。次いで、各反応混合物を、標準的BRL電気穿孔装置内で、330 μFおよび低静電容量に設定して350Vで電気穿孔した。電気穿孔の後、 細胞を、装置内に5分間、次いで氷上に更に10分の温置期間留めた。電気穿孔 した細胞を、CHO細胞用の標準的完全成長培地(1xGHT、2mMグルタミン および5%ウシ胎児血清を補充した、グリシン抜きの高グルコースDMEM−F 12が50:50)5mlを有する60mm細胞培養皿に移し、5%CO2の細胞培 養インキュベーター内で終夜増殖させた。 c.選別およびスクリーニングの方法 翌日、標準的方法によって、細胞をトリプシン処理して剥離し、DHFR選別 培地(2%または5%透析ウシ胎児血清のいずれかを補充した、グリシン、ヒポ キサンチンおよびチミジンを欠く、上記のHamのDMEM−F12が1:1の 培地)を有する150nlm組織培養更に移した。次いで、60mmの皿の各々から の細胞を、5/150mmの皿に再プレートした。次いで、クローンが出現し始め 、96穴の皿に移すのに従える大きさに達するまで、37℃/15%CO2で1 0〜15日間(1回培地を交換して)細胞を培養した。4〜5日の期間にわたり 、50mlに設定したピペットマンの滅菌黄色チップを用いて、細胞系を96穴の 皿に移した。細胞を集密するまで(通常3〜5日)増殖させ、次いで、トレーを トリプシン処理し、初めのトレーの2コピーを複製した。これらのコピーのうち の二つを、各ウェルの細胞をDMSO中の10%FCS50μlに希釈して、フ リーザー内に短期間貯蔵した。第三のトレーの密集ウェルからの5日目の無血清 順化培地のサンプルを、TPO発現について、Ba/F細胞依拠活性アッセイに よって検定した。このアッセイに基づく最高の発現クローンを、貯蔵物から復活 させ、二つの集密150mmT型フラスコに規模拡大して、懸濁液に適応させるた めの細胞培養群に移し、再検定し、蓄積した。 d.増幅のプロトコル 続いて、上記の選別からの最高力価の細胞系のいくつかを、標準的メトトレキ サート増幅方式に付して、より高い力価のクローンを生成した。CHO細胞クロ ーンを拡大し、メトトレキサートの4様の濃度(すなわち50nM、100nM、2 00nMおよび400nM)で、2または3様の細胞数(1皿あたり105、5x1 05および106個の細胞)で10cmの皿にプレートした。次いで、これらの 培養体を、クローンが確立され、その後のアッセイのために96穴皿に移すのに 従えるようになるまで、37℃/5%CO2で培養する。この選別からのいくつ かの高力価クローンを、より高濃度のメトトレキサート(すなわち600nM、8 00nM、1,000nMおよび1,200nM)に付し、前記と同様に耐性クローン を確立させ、次いで、96穴の皿に写し、検定した。 4.組換えヒトTPO332およびTPO153を発現する安定的CHO細胞系の培養 蓄積した細胞を解凍し、無血清または含血清培地のいずれかでの標準的細胞増 殖法によって、細胞集団を拡大する。充分な細胞密度までの拡大の後、細胞を洗 浄して、消費された細胞培養液を除去する。次いで、細胞を、25〜40℃、中 性pH、溶解O2含量が少なくとも5%の、バッチ、供給バッチまたは連続培養を 包含するいずれかの標準的方法によって培養して、構成的に分泌されたTPOを 蓄積させる。次いで、遠心分離のような機械的手段によって、細胞培養液を細胞 から分離する。 5.CHO培養液からの組換えヒトTPOの精製 回集した細胞培養液(HCCF)を、0.01Mリン酸Na、pH7.4、0. 15M NaCl中で平衡させたBLUEセファロース6FASTFLOWカラム(Pharma cia)に、樹脂1リットルあたりHCCF約100Lの比率で、約300ml/時/cm2 の連続的流速で直接かける。次いで、平衡緩衝液3〜5カラム容、次いで3〜 5カラム容の0.01Mリン酸Na、pH7.4、2.0M尿素で、カラムを洗浄す る。次いで、3〜5カラム容の0.01Mリン酸Na、pH7.4、2.0M尿素、 1.0M NaClで、TPOを溶出させる。次いで、TPOを含有するBLUE セファロースのプールを、0.01Mリン酸Na、pH7.4、2.0M尿素および 1.0M NaClで平衡させたコムギ胚芽レクチンセファロース6MBカラム( Pharmacia)に、樹脂1mlあたりBLUEセファロースプール8〜16mlの比率 で、約50ml/時/cm2の流速でかける。次いで、カラムを、2〜3カラム容の平 衡緩衝液で洗浄する。次いで、2〜5カラム容の0.01Mリン酸Na、pH7. 4、2.0M尿素、0.5M N−アセチル−D−グルコサミンで、TPOを溶出 させる。 次いで、コムギ胚芽レクチンプールを、0.04%C128および(TFA) 0.1%のトリフルオロ酢酸最終濃度に調整する。得られたプールを、0.1% TFA、0.04%C128で平衡させたC4逆相カラム(Vydac214TP10 22)に、樹脂1mlあたりタンパク質0.2〜0.5mgの容量、157ml/時/cm2 の流速でかける。 0.1%TFA、0.04%C128を含有するアセトニトリルの二段階線形 勾配中で、タンパク質を溶出させる。第一段階は、15分間の0〜30%のアセ トニトリルの線形勾配からなり、第二段階は、60分間の30〜60%のアセト ニトリルの線形勾配からなる。TPOは、約50%のアセトニトリルで溶出する 。SDS−PAGEに基づいて、プールを作成する。 次いで、C4プールを、2容の0.01Mリン酸Na、pH7.4、0.15M NaClで希釈し、10,000〜30,000ダルトンの分子量カットオフを 有するAMICON YMまたは類似の限外濾過膜上で、約6容の0.01Mリ ン酸Na、pH7.4、0.15M NaClに対してダイア濾過する。そうして、 得られたダイア濾液は、直接処理するか、または限外濾過によってさらに濃縮し てよい。ダイア濾液/濃縮液は、0.01%のTWEEN-80の最終濃度に調整する。 次いで、算出力ラム容の2〜5%と等価のダイア濾液/濃縮液の全部または一 部を、0.01Mリン酸Na、pH7.4、0.15M NaCl、0.01%TWEEN -80で平衡させたSEPHACRYLS−300HRカラム(Pharmacia)にかけ、約17m l/時/cm2の流速でクロマトグラフィーに付す。凝集体およびタンパク質分解性分 解生成物を含まないTPO含有分画を、SDS−PAGEに基づいてプールする 。得られたプールを0.22μmフィルター、MILLEX−GVなどで濾過し 、2〜8℃で貯蔵する。実施例3 :E.coli中での形質転換、およびTPOタンパク質合成の誘導 1.大腸菌TPO発現ベクターの構築 プラスミドpMP21、pMP151、pMP41、pMP57およびpMP 202を、すべて、異なる構成体間で変動する小さなリーダーの下流で、TPO の初めの155アミノ酸を発現するように設計した。リーダーは、主として、高 レベルの翻訳開始、および迅速な精製を与える。プラスミドpMP210− 1、−T8、−21、−22、−24、−25は、開始メチオニンの下流で、T POの初めの153アミノ酸を発現するように設計し、TPOの初めの6アミノ 酸に対するコドン使用法のみが異なるにすぎないが、プラスミドpMP251は 、pMP210−1の誘導体であって、TPOのカルボキシル末端が2アミノ酸 だけ延長されている。上記のプラスミドはすべて、トリプトファンプロモーター で誘導すると、TPOの高レベルの細胞内発現をE.coliで生じることになる[Ya nsura,D.G.et al.,Methods in Enzymology,185:54-60(Goeddel,D.V.,Ed. )Academic Press,San Diego(1990)]。プラスミドpMP1およびpMP172 は、上記のTPO細胞内発現プラスミドの構築の中間体である。 (a)プラスミドpMP1 プラスミドpMP1は、TPOの初めの155アミノ酸に対する分泌ベクター であり、DNAの5フラグメントをともに結合することによって構成した。その 第一のものは、小さいMluI−BamHIフラグメントを除去した、ベクター pPho21であった。pPho21は、phGH1[Chang,C.N.et al.,Ge ne 55:189-196(1987)]の誘導体であって、ヒト成長ホルモン遺伝子が、E.coli phoA遺伝子と置き換えられ、MluI制限部位が、STIIシグナル配列のコーディン グ配列の第20〜21アミノ酸に組み込まれている。 次の二つのフラグメント、すなわちTPOの第19〜103アミノ酸をコード するpRK5−hmplからのDNAの258塩基対のHinfI−PstI片 、および第1〜18アミノ酸をコードする下記の合成DNA:は、T4−DNAリガーゼで予め結合し、次いでPstIで切断した。第四は、 TPOの第104〜155アミノ酸をコードするpRK5hmpIIからのDN Aの152塩基対のPstI−HaeIIIフラグメントであった。最後は、λ を含むpdh108から前記の転写ターミネーター[Scholtissek,S.et al., NAR 15:3185(1987)]までの412塩基対のStuI−BamHIフラグメント であった。 (b)プラスミドpMP21 プラスミドpMP21は、STIIシグナル配列の一部を含む13アミノ酸の リーダーを援用して、TPOの初めの155アミノ酸を発現するよう設計する。 それは、三つの(3)DNAフラグメントをともに結合することによって構成し たもので、その第一は、小さいXbaI−SphIフラグメントを除去した、ベ クターpVEG31であった。ベクターpVEG31は、pHGH207-1[de Boer, H.A.et al.,in Promoter Structure and Function(Rodriguez,R.L.& Chambe rlain,M.J.,Ed.),462,Praeger,New York(1982)]の誘導体であって、ヒト 成長ホルモン遺伝子を血管内皮成長因子の遺伝子と置き換えてある(この同一の ベクターフラグメントは、この後者のプラスミドから得ることができる)。 結合の第二の部分は、下記の配列: を有する合成DNA二重らせん体であった。 最後の1片は、TPOの155アミノ酸をコードするpMP1からの1,07 2塩基対のMluI−SphIフラグメントであった。 (c)プラスミドpMP151 プラスミドpMP151は、STIIシグナル配列の7アミノ酸、8ヒスチジ ン、および因子Xa切断部位を含むリーダーの下流で、TPOの初めの155ア ミノ酸を発現するように設計する。pMP151は、三つのDNAをともに結合 することによって構成したが、その第一は、小さいXbaI−SphIフラグメ ントを除去した、前記のベクターpVEG31であった。第二は、下記の配列: を有する合成DNA二重らせん体であった。 最後は、TPOの154アミノ酸をコードするpMP11からの1,064塩 基対のBgLI−SphIフラグメントであった。プラスミドpMP11は、S TIIシグナル配列の少数のコドンの変化以外はpMP1と同一である(このフ ラグメントは、pMP1から得られる)。 (d)プラスミドpMP202 プラスミドpMP202は、リーダー中の因子Xa切断部位がトロンビン切断 部位に置き換わっていることを除けば、発現ベクターpMP151に非常に似て いる。図36に示したとおり、pMP202は、三つのDNAフラグメントをまと めて結合することによって構成した。その第一は、小さいXbaI−SphIフ ラグメントを除去した、前記のベクターpVEG31であった。第二は、下記の 配列: を有する合成DNA二重らせん体であった。 最後の1片は、前記のプラスミドpMP11からの1,064塩基対のBgl I−SphIフラグメントであった。 (e)プラスミドpMP172 プラスミドpMP172は、TPOの初めの153アミノ酸に対する分泌ベク ターであり、pMP210を構成するための中間体である。pMP172は、三 つのDNAをまとめて結合することによって調製したが、その第一は、小さいE coRI−HindIセクションを除去した、ベクターpLS321amBであ った。第二は、前記のプラスミドpMP11からの946塩基対のEcoRI− HgaIフラグメントであった。最後の1片は、下記の配列: を有する合成DNA二重らせん体であった。 (f)プラスミドpMP210 プラスミドpMP210は、翻訳開始メチオニンの後のTPOの初めの153 アミノ酸を発現するように設計した。このプラスミドは、実際には、TPOの初 めの6コドンが各コドンの第3位でランダム化された、プラスミドのバンクとし て作成し、三つのDNAフラグメントの結合によって構成した。その第一は、小 さいXbaI−SphIフラグメントを除去した、前記のベクターpVEG31 であった。第二は、初めにDNAポリメラーゼ(クレノウ)で処理し、次いで、 XbaIおよびHinIで消化した、下記に示す配列: を有する合成DNA二重らせん体であり、TPOの開始メチオニン、およびラン ダム化された初めの6コドンをコードしていた。 第三は、TPOの第19〜153アミノ酸をコードするpMP172からの8 90塩基対のHinfI−SphIフラグメントであった。 約3,700クローンからなるプラスミドpMP210のバンクを、高テトラ サイクリン(50μg/ml)LBプレート上に再び形質転換して、高翻訳開始クロ ーンを選別した[Yansura,D.G.et al.,Methods:A Companion to Methods in E nzymology 4:151-158(1992)]。高テトラサイクリンプレートに現出した8コロニ ーのうち、TPO発現に関して最良の5コロニーを、DNA配列決定に付した。 (g)プラスミドpMP41 プラスミドpMP41は、因子Xa切断部位が後続するSTIIシグナル配列 の7アミノ酸からなるリーダーに融合させた、TPOの初めの155アミノ酸を 発現するよう設計した。このプラスミドは、DNAの3片をともに結合すること によって構成したが、その第一は、小さいXbaI−SphIフラグメントを除 去した、前記のベクターpVEG31であった。第二は、下記: の合成DNA二重らせん体であった。 結合の最後の1片は、前記のプラスミドpMP11からの1,064塩基対の BglI−SphIフラグメントであった。 (h)プラスミドpMP57 プラスミドpMP57は、StlIシグナル配列の9アミノ酸と、二塩基部位 Lys−Argとからなるリーダーの下流で、TPOの初めの155アミノ酸を 発現する。この二塩基部位は、リーダーをプロテアーゼArgCで除去する手段 を与える。このプラスミドは、三つのDNA片をともに結合することによって構 成した。その第一は、小さいXbaI−SphIフラグメントを除去した、前記 のベクターpVEG31であった。第二は、下記: の合成DNA二重らせん体であった。 結合の最後の部分は、前記のプラスミドpMP11からの1,064塩基対の BgiI−SphIフラグメントであった。 (i)プラスミドpMP251 プラスミドpMP251は、pMP210−1の誘導体であって、TPOの追 加の2アミノ酸が、カルボキシル末端に含まれている。このプラスミドは、DN Aの2片をともに結合することによって構成したが、その第一は、小さいXba I−ApaIフラグメントを除去した、前記のpMP21であった。結合の第二 の部分は、pMP210−1からの316塩基対のXbaI−ApaIフラグメ ントであった。 2.TPO発現ベクターによる大腸菌の形質転換および誘導 上記のTPO発現プラスミドを用いて、E.coli44C6株(w3110 tonAΔrpo Hts lonΔcipΔgalE)を、CaCl2熱ショック法[Mandel,M.et al.,J.Mol .Biol.,53:159-162(1970)]を用いて形質転換した。形質転換した細 胞を、50pg/mlのカルベニシリンを含有するLB培地で、培養体の光学密度( 600nm)が約2〜3に達するまで、初めに37℃で増殖させた。次いで、LB 培養体を、0.49%(w/v)カザアミノ酸、および50pg/mlのカルベニシリン を含有するM9培地中で20倍に希釈した。30℃で1時間の通気による増殖後 に、インドール−3−アクリル酸を50llg/mlの最終濃度まで加えた。次いで、 培養体を、30℃で更に15時間の通気によって増殖させ続け、その時点で、遠 心分離によって細胞を採集した。 実施例4:大腸菌での生物学的活性TPO(Met-11−153)の生産 生物学的に活性である、再び折りたたまれたTPO(Met-11−153)の 生産のための下記の手順は、NおよびC末端延長形態を包含する、他のTPO変 異体の回収についても、同様にして適用することができる。 1.不溶性TPO(Met-11−153)の回収 プラスミドpMP210−1によってコードされる、TPO(Met-11−1 53)を発現するE.coli細胞を、上記のとおり発酵させた。代表的には、約1 00gの細胞を、細胞破壊緩衝液(10mMトリス、5mMEDTA、pH8)1(1 0容)にPolytronホモジナイザーで再懸濁させ、細胞を5,000xgで30分 間遠心分離した。洗浄した細胞ペレットを、再び、細胞破壊緩衝液1LにPolytr onホモジナイザーで再懸濁させ、細胞懸濁液を、LH CELL DISRUPTER(LH Incelt ech,Inc.)またはMICROFLUIDIZER(Microfluidics International)に、製造者 の教示に従って通す。懸濁液を5,000xgで30分間遠心分離し、再懸濁さ せ、2回目の遠心分離を施して、洗浄した屈折性実体のペレットとした。洗浄し たペレットは、直ちに用いるか、または−70℃で凍結貯蔵した。 2.単量体TPO(Met-1−153)の可溶化および精製 TPOタンパク質の可溶化。高濃度の尿素(6〜8M)も役立つが、一般的に は、グアニジンに比して、より低い収率を招く。可溶化の後、溶液を30,00 0xgで30分間遠心分離して、変性した単量体TPOタンパク質を含有する清 澄な上清を生成した。次いで、上清を、SUPERDEX200ゲル濾過カラム (Pharmacia、2.6x60cm)でのクロマトグラフィーに2ml/分の 流速でかけ、160および200ml間で溶出する単量体の変性TPOタンパク質 を含有する、10mMDTT画分とともに、20mMリン酸Na、pH6.0で溶出す るタンパク質をプールした。TPOタンパク質を、半調製的C4逆相カラム(2 ×20cmVYDAC)でさらに精製した。サンプルを、30%アセトニトリルを 有する0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)平衡させたカラムに、5ml/分でか けた。アセトニトリルの線形勾配(60分で30〜60%)で、タンパク質を溶 出させた。変形した、精製タンパク質を、約50%アセトニトリルで溶出した。 この材料を再折りたたみに用いて、生物学的活性TPO変異体を得た。 3.生物学的活性TPO(Met-11−153)の生成 0.1%TFA/50%アセトニトリル40ml中の変形し、変性した単量体の TPOタンパク質約20gを、場合により下記の試薬を含有する再生緩衝液36 0mlに希釈した: 50mMトリス、 0.3M NaCl、 5mM EDTA、 2%CHAPS界面活性剤、 25%グリセリン、 5mMの酸化したグルタチオン、 1mMの還元したグルタチオン、 pH8.3に調整。 混合した後、再折りたたみ緩衝液を、4℃で12〜48時間静かに攪拌して、 適正なジスルフィド形態のTPO(下記を参照されたい)の最高再折りたたみ収 率を発揮させる。次いで、溶液をTFAで酸性化して、0.2%の最終濃度とし 、0.45または0.22μmフィルターを通じて濾過し、110容のアセトニ トリルを加えた。次いで、この溶液を、C4逆相カラムに直接圧送かつ精製し、 再折りたたまれたTPO(Met-11−153)を、上記と同じ勾配プログラム で溶出させた。これらの条件下で、再折りたたまれた生物学的活性TPOは、約 45%のアセトニトリルに溶出された。TPOの不適正なジスルフィド結合バー ジョンは、より早期に溶出される。最終的な精製TPO(Met-11−153) は、SDSゲル、および分析的C4逆相クロマトグラフィーによって査定した限 りで、95%を上回る純度である。動物実験のためには、C4精製材料を、生理 学的に適合する緩衝液へと透析した。150mMNaCl、および0.01%TWEE N-80を含有する等張緩衝液(10mMリン酸Na、pH5.5、10mMコハク酸Na 、pH5.5、または10mMリン酸Na、pH7.4)を用いた。 Ba/F3アッセイでのTPOの高い効力(半値最大刺激は、約3pg/mlで達 成される)のため、生物学的活性材料は、異なる多くの緩衝液、界面活性剤およ び酸化還元条件を用いて得ることができる。しかし、ほとんどの条件下で、適正 に折りたたまれた少量(<10%)の材料のみが得られるにすぎない。商業的な 製造法のためには、少なくとも10%、より好ましくは30〜50%、最も好ま しくは>50%の折りたたみ収率を有するのが望ましい。異なる多くの界面活性 剤(トリトンX−100、ドデシル−β−マルトシド、CHAPS、CHAPS O、SDS、SARKOSYL、TWEEN20やTWEEN-80、ZWITTERGNT3〜14など )を、高い再生収率を裏付ける効率について査定した。これらの界面活性剤のう ち、CHAPS族(CHAPSおよびCHAPSO)のみが、タンパク質凝集お よび不適正ジスルフィド形成に限定する再折りたたみ反応に役立つことが判明し たにすぎない。1%を越えるレベルのCHAPSが、最も有用であった。最良の 収率には、0.1〜0.5Mの最適レベルとともに、塩化ナトリウムが必要とさ れた。EDTA(1〜5mM)の存在は、いくつかの調製品で観察された金属で触 媒される酸化(および凝集)の量を限定する。15%を越えるグリセリン濃度は 、最適の再折りたたみ条件を生じる。最高収率のためには、酸化および還元グル タチオン、または酸化および還元システインの双方を、酸化還元試薬対として有 することが不可欠である。一般に、酸化された試薬のモル比が、酸化還元対の還 元された試薬である成員に等しいか、またはそれより過剰であるときに、より高 い収率が観察され、7.5と約9の間のpH値が、これらのTPO変異体の再折り たたみに最適であった。有機溶媒(例えばエタノール、アセトニトリル、メタノ ール)は、10〜15%またはそれ以下の濃度で許容された。より高レベルの有 機溶媒は、不適正に折りたたまれた形態の量を増加させた。トリスおよびリン酸 緩衝液は、一般的には、有用であった。4℃での温置も、より高レベルの適正に 折 りたたまれたTPOを生じた。 最初のC4段階を通じて精製したTPOの調製品については、40〜60%の 再折りたたみ収率(再折りたたみ反応に用いられた変形し、変性したTPOの量 に対して)が代表的である。活性材料は、より純粋でない調製品(例えば、Supe rdex 200カラムの直後、または最初の屈折体の抽出後のそれ)のときに得ること ができたが、大規模の沈澱と、TPO再折りたたみ工程の際の非TPOタンパク 質の干渉とのため、収率は比較的少ない。 TPO(Met-11−153)は、4個のシステイン残基を有するため、この タンパク質の異なる3種類のジスルフィドバージョン: バージョン1:第1と4および第2と3システイン残基間のジスルフィド バージョン2:第1と2および第3と4システイン残基間のジスルフィド バージョン3:第1と3および第2と4システイン残基間のジスルフィド を生成することが可能である。再折りたたみ条件を決定する最初の探索の際に、 TPOタンパク質を含有する異なるいくつかのピークが、C4逆相クロマトグラ フィーによって分離された。これらのピークの一つだけが、Ba/F3アッセイ を用いて決定した限りで、有意な生物学的活性を有した。次いで、このバージョ ンを優先的に生じるよう、再折りたたみ条件を最適化した。これらの条件下で、 誤って折りたたまれたバージョンは、得られた全単量体TPOの10〜20%未 満である。 生物学的活性TPOに関するジスルフィドパターンは、質量分析法およびタン パク質配列決定によって1と4および2と3であると決定されている(すなわち バージョン1)。C4で分離した様々なピークのアリコート(5〜10ナノモル )を、トリプシンで消化した(1:25モル比のトリプシン対タンパク質)。消化 混合物を、DTTによる還元の前後で、マトリックス支援レーザー脱離質量分析 法によって分析した。還元後は、TPOの、より大きいトリプシンペプチドの大 部分に相当する質量が検出された。未還元サンプルでは、これらの質量のいくら かが存在せず、新たな質量が観察された。新たなピークの質量は、基本的には、 ジスルフィド対に関与する個々のトリプシンペプチドの合計に相当した。したが って、再折りたたまれた、組換えによる生物学的活性TPOのジスルフィド パターンは、疑いもなく、1と4および2と3によるとすることが可能になった 。これは、関連分子であるエリスロポエチンの公知のジスルフィドパターンと一 致する。 D.組換えによる再生TPO(Met1−153)の生物学的活性 再折りたたまれ、精製されたTPO(Met-11−153)は、invitroとin vivoとの双方のアッセイで活性を有する。Ba/F3アッセイでは、Ba/F3 細胞へのチミジン取込みの半値最大刺激は、3.3pg/ml(0.3pM)で達成さ れた。mpl受容体に基づくELISAでは、半値最高活性は、1.9ng/ml( 120pM)で生じた。正常な動物、および近致死X線によっで生起した骨髄抑制 動物では、TPO(Met-11−153)は、新たな血小板の産生を刺激するの に非常に有効であった(活性は、30ng/マウスという低い用量で認められた)。実施例5 :骨髄抑制(カルボプラチン/照射)マウスのデータ 動物 調べたすべての動物は、Genentech Inc.の研究用飼育および使用委員会によっ て承認された。実験開始の前に、すべての動物を、同定のために耳に標識し、基 本的水準の全血球数(CBC)を得た。メスC57BL/6系マウス10匹の群 に、137Cs線源からの5.0Gyのガンマ線を照射した。6時間以内に、動物に カルボプラチン1.2mgを200μlの腹腔内注射として与えた。 下記は、標準的マウスモデルに組換えマウストロンボポエチン(mTPO)を 用いた、プロトコルおよび結果である。当業者は、このモデルがヒトにおける処 置と相関することを理解すると思われる。ヒトトロンボポエチンは、同じマウス モデルで試験されており、種特異性のために、より低いレベルでではあるが、適 切な活性を示すことが見出された。したがって、適切な効果を立証できるよう、 この種に対する適正な相手であるマウスTPOを用いて、下記のプロトコルを選 んだ。やはり、マウスのプロトコルでのヒトTPOの使用は、程度のみが異なる にすぎない、類似の結果を与えるものと思われる。 血液サンプルの調達 実験の前、および研究期間中の時点で、眼窩から40μlの血液を採取し、直 ちに希釈剤10mlに希釈して、血液凝固を防止した。各血液サンプルからの全血 球数(CBC)を、SERRANO Baker System 9018血液分析装置で捕集の60分以 内に測定した。各用量群の動物の半数のみを、与えられた日に採血し、こうして 、各動物は、交互の時点で採血した。 処置方式 実験1:血小板減少症にさせた動物における組換えマウストロンボポエチン(m TPO335aa)に対する応答を決定するために、0.1μg/日(ほぼ5μg/ kg/日)で連続1、2、4または8日間、動物群を処置した。mTPO(335 aa)による処置は、モデルの開始24時間後に開始し、毎日100μlの皮下 注射として与えた。 実験2:このモデルでのrmTPO(335)に関する用量応答関係の性質を決 定するために、モデルの開始24時間後に、rmTPO(335)の1回注射を 動物に与えた。1回の100μl皮下注射として、rmTPO(335)0.0 1、0.03、0.1または0.3μgの一つを動物群に与えた。二つの投与経 路を比較するために、同時実験は、同一用量のrmTPO(335)を、しかし 静脈内の経路(側尾静脈)を介して与えた4動物群を用いた。 実験3:この一連の実験は、ポリエチレングリコール(PEG)と結合した、P EG化した様々な断端rmTPO分子(rmTPO(153))の薬効を比較する ために実施した。 i.この実験では、血小板減少症の動物に、下記のPEG化rmTPO(153 )分子:PEGなし、1回の20K PEG、または1回の40K、PEGを注射 した(0.1μg皮下)。 ii.最後の実験では、血小板減少症にさせた動物に、0.1μgを皮下または静 脈内のいずれかで与えることによって、1回の40K PEGrmTPO(153 )分子の投与の効果を比較した。rmTPO(335)(0.1μg)を陽性対照 として用いた。 結果 致死下の照射とカルボプラチンとの併用は、一貫した血小板減少症を100% の動物に与える、再現可能な応答を招いた。血小板減少症の最下点は、10日目 に発生し、21〜28日目までに、血小板数は次第に回復した。この血小板減少 症に伴って、顕著な貧血が、やや遅れて14〜17日目に、また28日目までに は対照赤血球数への回復が存在した。白血球数も、実験の経過の際に減少した。 実験1:モデルの開始24時間後に与えた0.1μgのrmTPO(335)の 1回の用量は、このマウスのモデルでの血小板数の回復を加速した。rmTPO (335)のこの1回の投与は、10日目の196x103±33x103/μlか ら7日目の434x103±7x103/μlまで、応答の最下点を上昇させた。血 小板数の減少の初めの速度は、不変のままであったが、回復期は、はるかに急速 であって、血小板数は、14日目までに正常に復帰して、対照群での21日に対 比される。回復速度のそれ以上の何らかの向上は、1日目および2日目に0.1 μg/日を与えることによって認められたが、これは、下限に近かった。連続する 4または8日間のrmTPO(335)の投与によっては、それ以上の向上は、 全く認められなかった(図1a)。血小板数の回復の加速に加え、これらの動物に 発症した貧血も、1日目に与えた1回の用量のrmTPO(335)によって緩 和された。血小板数と同様に、rmTPO(335)の2回以上の投与によって は、それ以上の進歩を得ることはできなかった(図1b)。rmTPO(335) は、血小板および赤血球数の低下を伴う白血球減少症に対しては、全く効果がな かった(図1c)。 実験2:モデル開始の24時間後に与えたrmTPO(335)の1回の皮下用 量に対する応答は、用量依存性であった。試験した最低用量(0.01μg)は 、対照に比して、血小板回復に対する効果が皆無であった。しかし、0.03μ gを与えたとき、応答はほとんど最大である(図2a)。この極端に急勾配の用量 応答曲線は、14日目の血小板数を対数−直線プロットでプロットしたとき、よ り充分に認識される(図3a)。類似の急勾配の用量応答は、このモデルでの赤血 球集団についても認められる(図3b)。rmTPO(335)の静脈内投与は、 類似の用量依存性応答を示した。しかし、試験した最低用量(0.01μg)は 、静脈内に与えたときに効果的であり(図4a)、用量応答曲線が、左方に移動す ることを示唆した。効力のこの増大は、移動が強さの程度の 半分未満であることから、小さい(図3a)。より重要であるのは、両投与経路と も、匹敵する最大値を有することである(図3a)。皮下および静脈内の投与経路 も、貧血からの回復を用量依存性の様式で促進した(図2a、3b、4b)。しか し、皮下および静脈内のいずれの投与経路も、試験した用量範囲にわたっては、 白血球減少症に対して効果がなかった(図2c、4c)。 実験3: A.1回の20KのPEG、または1回の40KのPEGのいずれかによる、r mTPO(153)のPEG化は、血小板回復に対して非PEG化分子より多大 な効果を有した。完全長の分子とは異なり、いずれのPEG化rmTPO(15 3)も、血小板減少症の最下点を左右したが、モデルの開始24時間後に、1回 の0.1μg皮下用量として与えたとき、モデルの回復期を大きく加速した(図5 a)。これは、14日目には非常に明らかであって、このとき、血小板数は、対 照、PEGなしのrmTPO(153)、rmTPO(153)+20K PEG、 rmTPO(153)+40K PEGについて、それぞれ、80x103±15 x103/μl、268x103±67x103/μl、697x103±297x103 /μl、および878x103±31x103/μlである(図5a)。同じ様相は、 赤血球の応答でも明らかであった(図5b)。これらのrmTPO(153)に基 づく分子のいずれも、このモデルでの白血球減少症に対しては、いかなる効果も なかった(図5c)。 B.rmTPO(153)+40K PEG(0.1μg)は、1回の静脈内ま たは皮下注射のいずれかとして投与したとき、一致する応答を示した。この実験 では、皮下の経路は、10日目に最下点を僅かに上昇させ、14日目までには血 小板を対照レベルまで復帰させて、対照群での28日目と対比される(図6a)。 この薬物を静脈内に与えられた動物では、回復の最下点および率に対して類似の 効果があった(図7a)この40K PEG化した断端rmTPO(153)分子 に対する応答は、皮下(図6b)または静脈内(図7b)のいずれかで与えたと き、血小板と赤血球との回復の双方でのrmTPO(335)に対する応答とほ とんど同一である。他の実験のすべてと同じく、皮下または静脈内で与えたrm TPO(153)+40K PEGは、白血球の循環レベルに対しては効果が なかった(図6c、7c)。平行する実験では、この分子の10K PEG化バージ ョンは、血小板または赤血球の集団のいずれでも、rmTPO(153)に対す る応答を変えなかった。実施例6 下記は、細胞毒性である化学療法を受けているヒトの患者での、組換えヒトト ロンボポエチン(rhTPO332)による1回用量療法を用いたプロトコルおよ び結果である: 集中的な化学療法の予備臨床モデルは、rhTPOの1回用量は、血小板の最 下点を上昇させ、重篤な血小板減少症の期間を短縮することを立証した。化学療 法を受けている癌患者に、rhTPOの1回用量を投与する、二つの第I相研究 の暫定的な結果を提示する。 患者および方法 両研究とも、21日目、すなわち、0.3、0.6または1.2meg/kgの1回 静脈内丸塊注射後の、rhTPOの安全性、および血小板応答を査定するための 前化学療法期間(周期0)で開始した(各研究で1群あたり3患者)。そうして、 患者には、選んだその後の周期での化学療法後に、同じ用量のrhTPOを与え た。第一の研究集団は、進行した悪性の患者からなり、二つの連続する化学療法 周期のそれぞれで、チオテパによるサルベージ化学療法(28日ごとに65mg/m2 )の翌日にrhTPOを投与した。第二の研究は、AI化学療法(ドキソルビ シン90mg/m2、21日ごとに10g/m2)での誘導処置を受ける、化学療法未経 験の肉腫患者を包含した。周期0に続いて、この研究の患者は、最初の化学療法 周期の間追跡し、第二以後の周期の間の化学療法の完了の翌日(5日目)に1回 rhTPO注射を与えた。 結果: 現在まで14患者を治療している。rhTPOは、充分に許容されて、研究薬 物に帰せられる重大な有害事象の報告は、皆無である。rhTPOに対する抗体 は、観察されていない。周期0では、最低(0.3mcg/kg)の用量が毎週活性で あり、下記に示すとおり、より高用量では活性が上昇する。 周期0の間の最多血小板数は、中央値で11日目に出現した(範囲:7〜14) 。WBCまたはHCTでは、有意な変化は全く見出されなかった。骨髄のFAC S分析は、0.6mcg/kg後の患者2/2ですべてのCD34+のザブセットの増 加を示した。これらの患者では、末梢血CD34+の増加も認められ、TPOは 、幹細胞動員活性を有する可能性があることを示唆する。用量算出および化学療 法後処置は、進行中である。 これらの第I期の研究は、相俟って、rhTPOの1回用量投与は、安全であ り、かつ充分に許容されることを示唆する。0.3、0.6および1.2mcg/kg の用量レベルは、上昇する血小板新生活性を示す。より高い用量レベルでの患者 の進行中の処置は、rhTPOの1回用量が、集中的な化学療法後の血小板減少 症を軽減する薬効があるとの仮説を試験するものと思われる。実施例7A :アドリアマイシンおよびイホスファミドを投与されている肉腫の被 験者における、組換えヒトトロンボポエチン(rhTPO)の安全性、許容性、 薬物動態および薬力学を決定する第I相研究 処置計画 これは、安全性を主な到達点とする、rhTPOの1回および複数回静脈内用 量の、単一センター、公開ラベル、用量エスカレーション方式の研究であった。 組織学的に診断された肉腫の患者に、rhTPOを投与して、その投与が、ドキ ソルビシンおよびイホスファミドの公知の血小板減少効果を防止し、遅延させ、 軽減し、またはその持続期間を短縮するのに役立つか否かを決定した。 現在まで、71名の患者が、G−CSFおよびGM−CSFとの併用での様々 なrhTPO投与スケジュールの安全性および活性を対象とする、この研究に登 録されている。研究は、癌の患者における安全性、活性および薬物動態を査定す る、21日間の前化学療法周期(周期0)で開始された。データは、0.3〜3 .6mg/kgにわたるrhTPOの1回および複数回静脈内用量に応答する、末梢 血の血小板数、および骨髄巨核球の用量依存性増加を示し、こうして、rhTP Oのすべてを化学療法の完了後に投与するrhTPO投与方式は、安全であった が、控えめな活性を示すにすぎなかった。正常の血小板数の一患者は、併発症の ない、強度の静脈血栓症を足に発症したが、保存療法で消散し、中和抗体は観察 されていない。被験者は、転移性であるか、または切除できない肉腫があった。 化学療法以前の1回用量のrhTPOは、他の用量分枝または病歴対照の患者 に比して、血小板最下点の深さおよび持続期間の面での利得を受けていて、この 効果は、計画された化学療法の6周期を通して示されている(病歴対照の患者( n=18)のうち、6周期をすべてうけたのは皆無であり、2名のみ5周期を受 けたにすぎないことに留意されたい)。前化学療法用量は、充分に許容されてい る。化学療法を通じての用量投与が安全であり、より効果的であり得るため、こ のrhTPO用量投与方式を、プロトコルに組み込んでいる。 用量レベル この研究では、rhTPOの5種類の用量レベル、および6種類の方式(分枝 A〜F)を評価した。用量レベル、および1用量レベルあたりの被験者数を下表 に示す。 用量レベル、用量および被験者数 予備臨床研究での1回または複数回の用量投与後の、血小板数におけるピーク 上昇は、用量投与開始後数日以内に観察されている。したがって、ピーク血小板 応答は、この研究での用量投与開始後7〜14日以内に予測されると思われる。 現在の臨床的経験は、これらの所見を裏付ける。 研究の設計 被験者を、上表に記載の用量群の一つに割り振った。分枝A〜Fについての研 究概要を下記に示す。周期1(第0、1、2および3)および追加の周期に、す ベての被験者にドキソルビシンおよびオホスファミドを投与した。 この研究のためのrhTPO用量投与方式は、下記のとおりである: 分枝A 周期0:0日目にrhTPO 周期1::rhTPOなし 周期2+:4日目にrhTPO 分枝B 周期0:0および3日目にrhTPO 周期1::rhTPOなし 周期2+:4および7日目にrhTPO 分枝C 周期1:rhTPOなし 周期2+:4〜10日目に、または最下点後の血小板数が 3100,000/μlになるまで、毎日rhTPO 分枝D 周期1:rhTPOなし 周期2+:−1、4および7日目にrhTPO 分枝E 周期1:rhTPOなし 周期2+:分枝Dの方式のとおりだが、G−CSFをGM−CSFに置き 換えてrhTPO 周期0:研究のこの時期は、1回および複数回の用量投与の安全性、薬物動態 および薬力学を評価する。分枝Aの被験者に、rhTPOの1回静脈内注射を与 えた(0日目)。分枝Bの被験者には、0および3日目にrhTPOの静脈内注射 を与えた。 周期1:被験者に、ドキソルビシンおよびイホスファミドを与えた。周期1の 間に投与されるrhTPOは、皆無であった。これは、rhTPOによるその後 の周期との、各被験者の応答の比較のための対照周期を与える。この対照周期は 、また、rhTPO用量投与の不在下での化学療法に関連する有害事象を明らか に する。 周期2+:被験者には、ドキソルビシンおよびイホスファミドを投与した。分 枝Aの被験者には、rhTPOの1回静脈内注射を与えた(4日目)。分枝Bの被 験者には、4および7日目にrhTPOの静脈内注射を与えた。分枝Cの被験者 には、4〜10日目に、または最下点後の血小板数が100,000/μl以上に なるまで、7日以内の間、毎日rhTPOの静脈内注射を与えた。分枝Dの被験 者には、−1日目(化学療法の1日前)および4および7日目に、rhTPOの 静脈内注射を与えた。 被験者の危険性を最小化しつつ、ヒトにおけるGM−CSFとのrhTPOの あり得る相乗作用関係を調べるために、分枝EではG−CSFをGM−CSFに 置き換えた。GM−CSFは、周期1および2、ならびに有益であると判明した 場合にその後の周期で投与した。分枝Eの被験者には、分枝Dの方式に従ってr hTPOを投与した。 研究の概要ドキソルビシン ドキソルビシンは、商業的供給源から入手し、製造者の指針に従って貯蔵かつ 投与した。ドキソルビシン(90mg/m2の総量)は、各化学療法周期の初めの3 日間、連続輸注として与えた(3日間(0〜2日目)に毎日30mg/m2)。 イホスファミド イホスファミドは、商業的供給源から入手し、製造者の指針に従って貯蔵かつ 投与した。イホスファミド(10g/m2の総量)は、各化学療法周期の初めの4日 間、毎日4回の個別輸注として与えた(4日間(0〜3日目)に毎日3時間にわ たり2.5g/m2)。 メスナ メスナは、商業的供給源から入手し、製造者の指針に従って貯蔵かつ投与した 。メスナ(500mg/m2、またはイホスファミドの用量の20%)は、各化学療 法周期の0日目にイホスファミドの初期用量で3時間にわたり静脈内投与した。 メスナの投与は、各化学療法周期の最後のイホスファミド投与の24時間後まで (0〜4日目)、連続静脈内輸注として維持した(6g/m2の総量のために1,50 0mg/m2/日)。 G−CSF G−CSFは、商業的供給源から入手し、製造者の指針に従って貯蔵かつ投与 した。G−CSF(5μg/kg)は、周期1の4日目から始めて、その後のいかな る化学療法周期にも毎日投与した。被験者には、G−CSFを自己投与するよう 教えた。G−CSFの注射はすべて、午後8時までに投与しなければならなかっ た。rhTPO投与と同じ日の注射は、rhTPO投与後12時間までに与えて 、注射に関連するいかなる現象も明確にするのに役立てなければならなかった。 G−CSF投与は、絶対好中球計算値が、後最下点で、少なくとも2回の連続す る測定で1,500/μlを上回るまで、日次ベースで継続した。 GM−CSF GM−CSFは、商業的供給源から入手し、製造者の指針に従って貯蔵かつ投 与した。GM−CSF(250mg/m2)は、周期1の4日目から始めて、その後 のいかなる化学療法周期にも毎日皮下投与した。被験者には、GM−CSFを哨 己投与するよう教えた。GM−CSFの注射はすべて、午後8時までに投与しな ければならなかった。rhTPO投与と同じ日の注射は、rhTPO投与後12 時間までに与えて、注射に関連するいかなる現象も明確にするのに役立でなけれ ばならなかった。GM−CSF投与は、後最下点の絶対好中球計算値が、少なく とも2回の連続する測定について1,500/μlを上回るまで、日次ベー スで継続した。 この研究の結果を、図14〜19に示す。実施例7B :カルボプラチンを受けている、進行した婦人科の悪性の患者への皮 下注射を経由して投与された組換えヒトトロンボポエチン(rhTPO)の第I 相試験 この研究は、皮下に注されたrhTPOの安全性と、隔日の時間割でのrhT POの用量投与の活性とを対象とした。研究は、癌の患者での安全性、活性およ び薬力学を査定するために、化学療法周期(周期0)前の21日で開始した。現 時点では、16名の被験者がこの試験に登録されていた。データは、周期0での 末梢血血小板数の用量依存性の増加を示すが、血小板の応答および薬物動態は、 静脈内rhTPOの類似の用量と比較したとき、鈍化される。これまで、断端形 態のrhTPO(エリスロポエチン様ドメイン)に対する2抗体が、観察された ;一方は予め形成され、いずれもバイオアッセイでも、または臨床的にも中和性 ではなかった。被験者は、再発性のか、または進行した婦人科新生物を有し、カ ルボプラチンを投与されていた。 概要 実施例8 動物:CD−1系メスマウス76匹、体重=19.7〜26.3g エーロゾル接触: マウスを経鼻のみの吸入(CH Technologies)でrhTPOに接触させ、同時 に、呼吸パターンを合計60分の持続時間測定した(全身プレチスモグラフ)。P ARI−IS2ネビュライザーを用いて、22psi(約1.56kg/cm2)および 5.1LPMの流速でrhTPOをエーロゾル化した。フィルターサンプルを採取 して、接触のそれぞれについてエーロゾル濃度を推計した。伝達体の対照群と、 異なる3種類の濃度(0.05、0.5および5.0mg/mlのrhTPO)を噴 霧化した。投与群を、各群についてのマウス肺に蓄積した、kgあたりの推計量と して表した。動物の半数は、1回だけ接触させた(1回接触)が、他の半数は、 0、2および6日目の3回、rhTPOに接触させた。抗rhTPO抗体を、最 高用量群でのみ測定したにすぎないが、これらの抗体は、中和性でなかった。投 与群を下表に示す。 投与群: データの終点: 血液学(血小板数)と血清抗TPO抗体の測定とのために、血清および血液を 、エーロゾル吸入後の−4、3、6、8、10、14、21、30および43日 目に採集した。 蓄積されたrhTPOの肺での用量: 蓄積用量(μg/kg)=室濃度(μg/ml)×分体積(ml/分)×接触時間(分) ×蓄積画分/体重(kg) ここで、室濃度=0.000839、0.00839または0.0839μg/ml 分体積=30ml/分 暴露時間=60分 蓄積画分=0.1 体重=0.023kg 蓄積用量=6.4、64または640μg/kg(0.05、0.5または5mg/ml の溶液に対して)となる。rhTPOの1回吸入(用量)に接触したマウスの血 小板数を、図20に示す。rhTPOの複数回吸入(用量)に接触したマウスの 血小板数を、図21に示す。実施例9 動物:ほぼ12週齢のメス(C57BLxCBA)F1(BCBA)系マウス をErasmus Universityの実験動物施設、Rotterdam、オランダ国で繁殖させ、S PF条件下に保った。飼育箱、実験その他すべての条件は、オランダ国での法的 規制に従って、倫理委員会によって承認された。 実験の設定:TBIは、相対する二つの137Cs線源(Gammacel/L 40, Atomic Energy of Canada,Ottawa、カナダ国)を用い、0.92〜0.94Gy/ 分の線量率で、1日目に与えた。用いた線量は、1回線量照射については6Gyで あり、9Gyの総線量を、24時間の間隔で与えた3Gyの3線量に分割した。各デ ータ点について、3匹のマウスからなる群をと殺した。個々のマウスについて、 すべてのパラメータを採集した。 試験薬物:CHO細胞(Genentech Inc.,South San Francisco,CA)が産生 した組換え完全長マウスTPOを、すべての実験を通して用い、PBS/0.0 1%TWEEN 20に希釈し、0.5mlの容量で腹腔内投与した。 TPOレベル:特性記述血漿TPOの薬物動態についてのデータは、前記のと おり、Genentech,Inc.で作成した。略述すると、マウスに、125I−rmTPO を、0.9μg/マウス(約45μg/kg)の1回用量、または24時間を隔でた0 .3μg/マウス(約15μg/kg)の3回用量のいずれかとともに注射した。用量 投与の直後、およびその後間隔を置いて、クエン酸化血を捕集し(1時点あたり n=3マウス)、2,950xgで10分間遠心分離し、血漿を採集し、TCA 沈降性放射能を決定した。薬物動態のパラメータは、TCA沈降性cpm/mlを換 算し、非線形最小平方回帰分析を用いて、一次吸収による二区画モデルに時間デ ータ対濃度を当てはめた(WIN−NONLIN;Statistical Consultants,L exington,KY)の値に、推計した。濃度時間曲線下の部域(AUC)、最高濃度( Cmax)、末端半減期(tl/2)およびクリアランス(mL/時/kg)を、モデルに 当てはめから得られた係数および指数を用いて算出した。 血液学的検査:エーテル麻酔の後、マウスを眼窩後穿刺によって採血し、頚部 脱臼によってと殺した。血液をEDTA管に捕集した。全血球計算値は、SYSMEX F-800血液学分析装置(東亜医療電子、神戸)を用いて測定した。分化白血球カ ウントは、メイグリュンワルトギムザ染色後に実施した。 コロニーアッセイ:この研究には、無血清メチルセルロース培養を用いた。適 切な数の骨髄細胞を、GIBCO(Life Technologies LTD,Paisley、スコット ランド)から入手した、アミノ酸のL−アラニン、L−アスパラギン、L−アル パラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸およびL−プロリン(Sigma)、 ビタミンB12、ビオチン、ピルビン酸Na、グルコース、NaHCO3、なら びに抗生物質(ペニシリンおよびストレプトマイシン)を補充したダルベッコ改 良イーグル培地(ダルベッコのMEM)に、300mOsm/Lのモル浸透圧で懸濁さ せた(∝−培地)。0.8%メチルセルロース(Methocel A4M Premium Grade,Dow Chemical Co.,Barendrecht、オランダ国)、1%ウシ血清アルブミン(BSA、 Fractlon V,Sigma)、2x10-6モル/Lの鉄飽和ヒトトランスフェリン(Interge n Company N.Y.,N.Y)、10-7モル/LのN2SeO3(Merck)、10-4モル/Lのβ −メルカプトエタノール(Merck)、リノレイン酸(Merck)およびコレステロール (Sigma)を、前駆細胞コロニーの種類に応じて、両者について7.5x10-6 モル/Lおよび1.5x10-5モル/Lの最終濃度で含有する∝−培地中の適切な数 の細胞を培養し、10-3g/Lのヌクレオシド(Sigmaから入手したシチジン、アデ ノシン、ウリジン、グアノシン、2’−デオキシシチジン、2’−デオキシアデ ノシン、チミジンおよび2’−デオキシグアノシン)を、1mlのアリコートとし て、35mm Falcon 1008ペトリ皿(Bercton Dickinson Labware)にプレートし た。 基本的には前記に記載したとおり、妊娠マウス子宮抽出物(PMUE)から精 製し、100ng/mlマウス幹細胞因子(SCF、Immunex Corporation,Seattle,WA からの親切な寄贈)、および10ng/mlマウスIL−3(R&D,Minneapolis,MN) を補充した、飽和濃度のM−CSFによって顆粒球/マクロファージのコロニー 形成を刺激した。培養の7日後に、GM−CFUコロニーを計数した。 フェニルヒドラジン処理したマウスの血清から精製した、100ng/mlDCF および4U/mlマウスエリスロポエチン(EPO、Behringwerke,Marburg、ドイ ツ国)によって、BFU−E増殖を刺激し、最適濃度まで滴定した。培養の10 日後に、コロニーを計数した。赤血球前駆細胞の培地は、2x10-4モル/Lの 濃度のへルミン(ウシ、I型、Sigma)も含有した。 巨核球前駆細胞(CFU−Meg)を、0.25%寒天培養として培養した。 100ng/mlSCF、10ng/mlIL−3および10ng/mlマウスTPO(Genente ch,Inc.,San Francisco,CA)によって、コロニー形成を刺激した。10日後 、コロニーを乾燥し、アセチルコリンエステラーゼ陽性細胞について染 色し、計数した。培養体は、すべて、空気中の10%CO2とともに充分に加湿 した雰囲気中、37℃で二重に増殖させた。コロニー数は、個々のマウスの骨髄 サンプルの平均±標準偏差を表した。 脾臓コロニーアッセイ:このアッセイは、Till & McCullochが記載したとおり に実施した。略述すると、TBIの1日後のHH中の5x104のBM細胞、ま たは5x105の脾臓細胞をマウスに注射した。13日後、マウスをと殺し、脾 臓を摘出し、H2O中のテリエスニツキー液(64%エタノール、5%酢酸およ び2%ホルムアルデヒド)中で固定した。 統計学:標準偏差は、正規分布の仮定に基づいて算出し、かつ本文および図に 示した。差の有意度は、STATVIEW(Abacus Concepts Inc.,Berkeley,CA)を用 い、分散の片側解析と、その後の対応なしのスチューデントt検定とによって算 出した。コロニーアッセイは、すべて、個々のマウスについて二重に実施した。 コロニーアッセイの結果は、1群あたり少なくとも3匹のマウスについて、1大 腿骨または脾臓あたりの平均±ISDとして表す。 実験の設定1:BCBAFI系マウスを、時間0に、3Gyの全身照射に付した 。図8に示したとおりの様々な時点でに0.3μgTPO/マウスを腹腔内にか 、または−2時間に30μgTPO/マウスを腹腔内に投与した。 図8は、プラシーボ対照における、最下点の時点での6Gy照射マウスの血小板 レベルを、1回用量のTPOの投与の時間の関数として示す。観察された動態に 基づき、TPO投与直後に到達したTPOのピークレベルが、薬効に最も関連し ていたように思われる。これは、TBIの2時間前の非常に高用量のTPOの投 与によって、直接確認された(図9)。この効果は、赤血球、白血球(主として好 中球)および血小板に対するTPOの同等の効果が末梢血で示したとおり、多系 列細胞に由来した。下記の表1を参照されたい。 実験の設定2:BCBAF1系マウスを、−2、−1、0日目の時点で、6Gy の全身照射に付し、0.9μgTPO/マウスを、図10の説明中に示した様々 な時点、すなわち第一画分のTBIの2時間前、最終画分のTBIの2時間後に か、または3画分の0.3μgのTPOを、各画分のTBIの2時間後に、腹腔 内投与した。 長引かせた形態の細胞削減性処置を、より化学療法に似せて刺激するために、 TBIを、それぞれ24時間の間隔を置く3Gyの等しい3画分として与えた(実 験の設定2)。TPOは、図10の説明に示したとおり、0.9μgの総用量とし て投与した。血小板応答は、TPOのこの用量を、各画分のTBIの2時間後に 、等しい3画分の0.3μgTPOとして投与したときに最適であった。類似の 効果は、赤血球および白血球についても示された。表2は、この実験設定、すな わち第一画分のTBIの2時間前の非常に高用量のTPOも、等しく効果的であ ったことを示す。図11および12は、それぞれ、骨髄および脾臓の造血前駆細 胞のデータを示し、TPOのための最も最適の用量スケジュール、すなわち、各 画分のTBIの2時間後に3x0.3μgも、他の処置群に認められた大きい変 動なしに、前駆細胞レベルを急速に正常化したことを立証する。 図13は、0.3μgのTPOの3回の用量、または0.9μgの1回の用量の 後の薬物動態データを示す。関連するピークレベルは、腹腔内投与の約2時間後 に生じた。効果的なレベルは、30ng/血漿mlであった。しかし、最低有効TP Oレベルは、力価測定実験によっては、依然として決定されていない。 データから、細胞削減性処置の際に高レベルのTPOを維持することは、多系 列の刺激、および末梢血血球の回復を招くことを認めることができる。 TPOは、それぞれ24時間で隔てられた等しい3分画での合計用量が9Gyの TBIに被曝したマウスでは、各TBI分画の2時間後に腹腔内に投与するなら ば、非常に効果的であるように思われた。TPOの投与は、プラシーボ対照で観 察された、血小板数の重大な減少を予防し、顆粒球の回復を刺激し、貧血の発症 も充分に予防した。6Gyの1回TBIの実験と同様に、この効果は、複数の血球 分化系列の前駆細胞の加速された再構成に媒介されるように思われた。これは、 TPOの薬効が、TBI後のある時間帯にTPOによって刺激されることを要す る、残留する免疫多系列細胞とは無関係であることを含意する。 本発明者らは、未成熟細胞が、簡単な短期間の定量的移植アッセイに関与する か否かについての疑問に取り組んだ。致死的に照射した受容者への骨髄の移植の 後、13日目の脾臓コロニーの数(CFU−S−13)は、数ヶ月間持続する、 造血性再構築の初期の短期の波に付随する、比較的未成熟の再集合する幹細胞に ついての尺度である。このアッセイによって、未成熟前駆細胞に対するTPO処 理の効果を、直接立証することができた。等しい3区画で9GyのTBIに被曝し たマウスでは、TPO処理マウスの検出できるCFU−S−13の数は、最後の 分画のTBIの24時間後に、プラシーボ対照マウスに比して、ほぼ14倍に増 加した(表3)。類似の増加は、検査した3系列に属する前駆細胞の数でも観察さ れた。これらの結果は、殆どの未成熟多系列細胞に対する、クローン生成アッセ イによって検出できる、TPOの主要な効果の強力な指標であって、その ような未成熟細胞でのTPO受容体の存在と一致する。 TPOの最適薬効を達成するための小さい時間帯は、TPOレベルの一掃の緩 慢な時期を考慮すると特殊であって、約20時間の末端半減期を有し、投与後の 最初の12時間以内のすべての時点で、血漿中の分布による初期上昇以外は、ほ ぼ類似のレベルを招くと思われる。これによって、投与後の最初の数時間でのT POの高レベルが、決定的に重要であると思わざるを得ない。後者の仮説を、二 つの方法で、すなわち、放射線の各画分後のTPO投与によって得られるのと同 様に、薬効が到達され得るか否かを検証するための、薬物動態の測定と、TBI 前の非常に高い用量の投与とによって試験した。薬効データにに薬物動態データ を重ね合わせることによって、有効レベルは、20ng/mlより高く、腹腔内投与 の約2時間後に生じると推論することができる。後者の所見から、本発明者らは 、これらのマウスでは、TBIの約4時間後のTPOの高いレベルは、未成熟標 的細胞の刺激による、放射線で誘導される骨髄症候群を緩和することを必要とす ると結論した。最初の放射線画分の2時間前の30μgの腹腔内TPOという用 量(初期分布に基づいて算出)の投与によって、これを直接試験した。結果は、 実際に、分画したTBIという方式の際のそのような非常に高レベルのTPOは 、血小板減少症を予防するのに決定的であることを立証した。TBIの最初の用 量の前に30μgで処理されたマウスにおける、TBIの最後の用量の10日後 の血小板数は、各TBI画分の2時間後に、0.3μgのTPOという最も効果 的なスケジュールで処置したマウスのそれと、有意に異なることがなかった。類 似の薬効は、6Gyという1回TBI線量の2時間前の高用量のTPOによって得 られた。 実施例10:rhTPOを投与され、自己骨髄移植物(ABMT)を受けている 患者の研究 骨髄採集物の採集の後、すべての患者に、シクロホスファミド180mg/kg、 チオペタ900mg/m2、±カルボプラチン600mg/m2を投与した。未操作移植細 胞の注入(0日目)後、患者は、1日目に、1日1回または1日3回のいずれか で、21日目までか、または患者が≧50K/μlを数えるかのいずれかまで、r hTPO静脈内投与を開始した(下表を参照されたい)。rhTPOは、患者コホ ートに用量漸増方式で投与した。絶対好中球数が≧500/μlとなるまで、すべ ての患者にB−CSFを投与した。<20K/μlの血小板数に対してか、または 臨床的指示に応じて、血小板を輸注した。 血小板の回復を、≧25,000/mlの非担持血小板数の最初の日としてか(単 純な定義)、またはより厳密には、≧25,000/mlであって、第二の計算値が 先行値より大きいか、もしくはそれに等しい非輸注血小板数の、連続する≧2の 日の初日として(安定的または上昇的定義)、定義した。好中球の回復は、絶対好 中球数が≧500/μlである、連続する2日の初日として定義した。患者は、同 じ移植組織の方式を用いて自己骨髄移植組織を受けた、15名の病歴対照と比較 した。 すべての用量レベルでのrhTPOを、rhTPOを毎日投与した用量レベル 5以外は、毎日3回投与した。 この研究では、中央値年齢が49歳である患者33名(23〜59歳)を登録 した;すべて、安全性および血液学的応答については評価可能であった。患者7 名に0.3μg/kgの用量レベルで;7名に0.6μg/kgで;7名に1.2μg/kg で;3名に2.4μg/kgで;そして6名に4.8μg/kgでrhTPOを投与した (上表を参照されたい)。すべてのレベルが安全に許容され、rhTPOは、研究 した薬物に関連するいかなる有害な事象も付随していない。化学療法関連の副作 用は、予測したとおりに発生した。患者1名は、ヒトへルペスウイルス6の感染 による遅延した汎血球減少症を経験した。血小板減少症の期間中には、2例のみ の出血性症状の発現、すなわち鼻出血および硬膜下血腫が、ともに血小板数が< 25,000/μlのときに観察されたにすぎない。ともに長期の続発症なしに消 散された。注目される血栓症または静脈閉塞性疾患症状の発現は皆無であった。 この研究の患者の群全体にわたって、血小板回復(安定的かつ上昇的定義)の中 央値時間は、17.5日であった。 要約すると、G−CSFと併用したrhTPOは、骨髄解離性療法、および自 己骨髄による救済を経験している患者では、安全であり、充分許容されるように 思われる。実施例11 :乳癌の患者における末梢血前駆細胞(PBPC)動員の研究 患者を、評価可能な患者3名のコホートとして、トロンボポエチンに関連付け られる毒性が生じないならば、0.6、1.2または2.4μg/kgの静脈内投与 のトロンボポエチン(TPO)用量で、継時的コホートで用量を増加させつつ処 置した。TPOに関連付けられる重大な毒性の発生は、皆無であった。最適な生 物学的用量は、PBSC採集の際に処理された血液のCD34+細胞/kg/Lを最 大化するような最低用量であると考えられる。二次的終点は、CVP後と、CB Y/PBPC移植組織後とでの、顆粒球および血小板の回復までの間隔である。 処置方式 CVP:シクロホスファミド1.5mg/m2/日静脈内投与+メスナ;エトポシド 250mg/m21日1〜3回;シスプラチン40mg/m21日1〜3回、その後1回用 量のトロンボポエチン0.6〜2.4μg/kg静脈内投与1日4回、G−CSF6 μg/kg毎12時間。 >1.0のWBCの回復に際し、3xBVの大容積アフェレーシスによるPB PC採集、標的>3x106CD34+細胞/kg。 CBT:シクロホスファミド2.0mg/m2静脈内投与、チオテパ240mg/m2/ 日、BCNU150mg/m2/日、−8、−7、−6日目、0日目に低温保存した細 胞の再注入。 G−CSF5μg/kg/日皮下投与、顆粒球の回復まで。 トロンボポエチンは、PBPC動員のためのCVP化学療法後にG−CSFを 与えたとき、充分許容された。 動員は、病歴対照に比して増強された。1回のアフェレーシスの中央値は、標 的細胞用量に達するために必要とされた。移植組織後の造血回復は、迅速であっ た。実施例12 :乳癌の患者のPBPC研究 高危険度かつ応答性の第IV期乳癌の患者における、末梢血前駆細胞 (PBPC)動員のためのG−CSF10μg/kg、その後のシスプラチン、VP −16およびシクロホスファミド(Cy)による高用量化学療法(HDCT)と 併用される、1回または反復的用量のトロンボポエチン(TPO)の実行可能性 および潜在的薬効を査定するために、第I相臨床試験を実施した。 HDCT処置概要は、下記のとおりであった: TPOの用量概要は、下記のとおりであった: 動員は、群AでのTPOおよびG−CSF10μg/kg(5μg/kgBID)、群B での10μg/kg1日1回、群CでのG−CSF10μg/kg(5μg/kgBID)か らなった。 アフェレーシスは、CS-3000 FenwallまたはCOBEスペクトル細胞分離装置 を通じて、10l未満の血液を処理することによって、実施した。PBPCは、 5%DMSOを含有する溶液中に低温保存し、−130℃のフリーザーへの単純 浸漬によって凍結した。群A対B対Cの比較は、Kruskal-Wallis検定を用いて実 施した。群A対Bは、ウィルコクソン順位和検定を用いて比較した。PBPC、 造血回復および輸注要件に関するデータは、中央値(範囲)として提示する。 血小板(PLT)輸注は、≦20,000のPLT/μlに対してか、または 臨床的指示に応じて与えた。血小板の非依存性を、最終血小板輸注後の日として 定義する。1回アフェレーシス産物、およびプールした血小板産物を、1PLT 輸注として数える。 患者の特徴 アフェレーシス要件の比較、CD34+およびMNC収率 造血回復および輸注要件 RBC=赤血球;AGC= 試験した用量範囲のTPOは、充分に許容される。G−CSFと併用したTP Oは、PBPC動員およびCD34+収率を増大させる。TPOと、G−CSF で動員されたPBPCとは、血小板と顆粒球との双方の回復を加速する。実施例13 :その他の実施態様 本発明は、放射線または化学療法剤を、連続する複数の日に、例えば連続する 4、5、6または7日に投与する処置周期を特定して企図しているが、ここで、 TPOの用量は、処置周期の連続する日の初日の前、および/または連続する1 もしくはそれ以上の日と同時に投与する。連続5日の処置周期に対しては、TP Oは、−1日目と、2、4、6、8、10、12日目等々とにか、または−1日 目と、4、6、8、10、12日目等々とに与え得ると思われる。もう一つの実 施態様では、放射線または化学療法剤は、処置周期の交互の日、例えば1、3、 5日目に与えることになる。この実施態様では、TPOは、−1日目と、2、4 、6、8、10日目等々に与え得ると思われる。実施例14 本発明によるTPOのそれ以上の用途は、例えば哺乳動物の骨髄、末梢血また は臍帯血から得た、前駆細胞のex vivoでの拡大を目的とする。そのような方式 で拡大された前駆細胞は、化学療法または放射線の処置で治療されている患者に 対する同種異系の幹細胞移植組織のために用いることができる。幹細胞活性につ いて強化した前駆細胞集団は、CD34+集団であり、この集団は、CD34+C D38-細胞を選別することによって、更に強化することができる。この集団は 、多系列造血コロニーをin vitroで、また多能造血生着をin vivoで生じる能力 を有する。拡大のための前駆細胞は、フェレーシスによって末梢血から、また標 準的手法によって骨髄吸引物から得ることができる。造血前駆細胞は、臍帯血か らも得ることができる。そうして、CD34+の表現型を有する造血幹細胞細胞 は、免疫磁気強化カラムを用いて、血液または骨髄から単離してよい。次いで、 単離した細胞を、成長因子のTPO、Flt−3およびc−kitリガンド混合 液を含有する細胞増殖培地で培養して、幹細胞集団の細胞数を拡大または増加さ せてよい。成長因子は、前駆幹細胞の増殖を刺激するのに充分な量で加える。好 ましくは、成長因子は、それぞれ、約102〜約106幹細胞/mlを含有する成 長培地に対して、約10〜約100ng/mlの量で加える。セルロースは、標準的 培養手法、例えば、約5%のCO2中、約35〜40℃で約1〜8週間培養する 。培養体は、成長因子を含有する新鮮な培地と毎週交換する。成長培地は、他の 慣用の栄養素、胎児血清などを標準的な量で含有してよい。そうして、拡大され た細胞を、公知の手順に従って、同種異系幹細胞として投与する。 下表には、拡大8週後のCD34+培養体が、SCID−hu骨アッセイを用 いてin vivoでのリンパ造血を生じ得ることが示されている。拡大された培養体 からの細胞を注入された骨移植片では、これらの細胞は、リンパ様、骨髄様およ び前駆性造血区画に寄与する。これは、拡大された細胞が、それらのin vivo多 能生着の能力を維持していることを示す。 材料および方法 ヒト造血幹細胞集団の単離:造血前駆細胞集団は、ヒト骨髄から単離した。略 述すると、単球画分を、非免疫磁気強化カラム(Miltenyi Biotech,Auburn,CA )を用いて、CD34+細胞について濃縮した。純度は、FACSによっで常套 的に>90%であった。 懸濁培養アッセイ:造血幹細胞集団を、IMDM Gibco BRL(Grand Island,NY) +10%ウシ胎児血清(Gibco BRL)、10-5Mの2−メルカプトエタノール、10-6 Mのヒドロコルチゾン、および2mMのL−グルタミン(Gibco BRL)中に2e4 細胞/mlで播種した。成長因子を下記の濃度で加えた:50ng/mlのFlt−3リ ガンド(Immunex,Seattle,WA)、50ng/mlのTPO(Genentech,S.San Franci sco,CA)、および50ng/mlのc-kitリガンド(R and D Systems)。培養体を、3 7℃/5%CO2で7日間培養した。7日目に、すべてのウェルを採集し、すべ ての細胞を血球計算盤によって数えた。その後のプレー ティングのために、2e4細胞/mlを新鮮培地および成長因子に加え、更に7日 間培養した。すべての条件は、二重にして実施した。 フローサイトメトリー分析:FAC分析のためには、細胞をPBS/2%FB Sに1e6細胞/mlで再懸濁させ、マウス抗ヒトCD34FITC)、CD38P E(Becton Dickenson)によって染色した。生細胞をヨウ化プロピジウム排除に よって選別し、FACscan(Becton Dickenson)で分析した。 コロニーアッセイ:メチルセルロースコロニーアッセイを、「完全」骨髄用メ チルセルロース培地(Stem Cell Technologies,Vancouver,B.C.)を用いて実 施した。細胞を、メチルセルロース中に1,000細胞/mlで播種し、4x35m m格子皿にプレートした。コロニーを数え、培養の14日後に倒立位相差顕微鏡 で視覚的に表現型を判定した。 SCID−huマウス再構成アッセイ:CB−17scid/scidマウスに、前記 のとおり胎児骨髄を移植した。移植細胞と細胞とが、主要組織適合性複合体(M HC)クラスI抗原について不対合となるように、マウスを用いた。マウスに、 250ラドの全身γ照射を与えた後、30,000個の培養ヒト骨髄細胞を骨移 植細胞に注入した。細胞の注入の8週後、骨移植細胞を採集し、FITC複合抗 ヒトCD34(前駆細胞)、抗ヒトCD33(骨髄)および抗ヒトCD19(リン パ)に対する供与者HLAの寄与について分析した。次いで、供与者HLA陽性 細胞をFACSによって選別した。次いで、30,000個の供与者HLA陽性 細胞を、一次受容者と同様にして、二次受容者に注入した。注入の8週後、二次 骨移植細胞を取り出し、CD34、CD19およびCD33の生着について分析 した。 前記の説明は、本発明を実施するために用い得る、特定の方法を詳述している 。そのような特定の方法を詳述して、当業者は、本発明の成果を用いる際に、同 じ情報で到達する、代替的な信頼できる方法を考案する方法を充分に知るものと 思われる。従って、前記が試験においていかに詳述されていると思われても、そ れがその範囲全体を限定するとして解釈してはならず;むしろ、本発明の範囲は 、添付の請求の範囲の法律上の構成によってのみ、決定されなければならない。 引用されたすべての文献は、ここに、参照によって明示的に組み込まれる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年12月18日(1998.12.18) 【補正内容】 請求の範囲 1.血小板減少症を有するか、またはその危機にある哺乳動物を処置するための 医薬品の製造のためのトロンボポエチン(TPO)の使用であって、該処置が、 治療有効量のTPOの毎日1回もしくは少数回の用量をそのような処置を要する 哺乳動物に投与することを特徴とする使用。 2.哺乳動物に、放射線および/または化学療法剤の少なくとも一つの処置周期 を与え、該処置周期が、放射線および/または化学療法剤を投与する最初の処置 時間TOと、最後の処置時間TFとを有する、請求項1記載の使用。 3.用量をTOプラスマイナス24時間に投与する、請求項2記載の使用。 4.用量をTOプラスマイナス10時間に投与する、請求項3記載の使用。 5.用量をTOプラスマイナス6時間に投与する、請求項4記載の使用。 6.用量をTOプラスマイナス2時間に投与する、請求項5記載の使用。 7.用量を、TOにか、またはTO以前ではあるが、TO前7日以内に投与する、 請求項2記載の使用。 8.用量を、TO以前ではあるが、TO前1日以内に投与する、請求項7記載の使 用。 9.TO=TFである、請求項2記載の使用。 10.処置周期が、放射線および/または化学療法剤の複数回の処置を含む、請 求項2〜9のいずれか1項記載の使用。 11.用量を、TF以前ではあるが、TF前7日以内に投与する、請求項10記載 の使用。 12.処置周期が、2〜10回の処置を含む、請求項11記載の使用。 13.TPOの第二の用量を、TO以後に投与することを更に含む、請求項2〜 12のいずれか1項記載の使用。 14.第二の用量を、TF以後に与える、請求項13記載の使用。 15.第二の用量を、TF後24時間以内に投与する、請求項14記載の使用。 16.TPOの用量を処置時間と同時に投与することを更に含む、請求項2〜1 5のいずれか1項記載の使用。 17.哺乳動物に、複数回の処置周期を与える、請求項2〜16のいずれか1項 記載の使用。 18.哺乳動物に、2〜6回の処置周期を与える、請求項2記載の使用。 19.TPOを、1回の治療有効日用量で投与する、請求項1記載の使用。 20.TPOを、少数回の治療有効日用量で投与する、請求項1記載の使用。 21.少数回の用量が、1日あたり2〜6回の用量を含む、請求項20記載の使 用。 22.該処置が、サイトカイン、コロニー刺激因子およびインターロイキンより なる群から選ばれる治療有効量の薬剤を同時投与することを更に含む、上記請求 項のいずれか1項記載の使用。 23.薬剤が、KL、LIF、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、EPO 、FLT−3、IL−1、IL−2、IL−3、IL−5、IL−6、IL−7 、IL−8、IL−9およびIL−11よりなる群から選ばれる、請求項22記 載の使用。 24.用量を、担体または賦形剤とともに投与する、上記請求項のいずれか1項 記載の使用。 25.担体または賦形剤が、キレート化剤を含有する、請求項24記載の使用。 26.キレート化剤が、EDTAである、請求項25記載の使用。 27.TPOが、 a)TPOのフラグメントポリペプチド; b)TPOのイソ型ポリペプチド; c)TPOのキメラポリペプチド;および d)PEG化ポリペプチド よりなる群から選ばれる、上記請求項のいずれか1項記載の使用。 28.PEG化ポリペプチドが、ポリエチレングリコールで製造される、請求項 27記載の使用。 29.TPOが、 a)哺乳動物から単離されたTPOポリペプチド; b)組換え手段によって製造されたTPOポリペプチド;および c)合成的手段によって製造されたTPOポリペプチド よりなる群から選ばれる、上記請求項のいずれか1項記載の使用。 30.TPOが、 a)ヒトポリペプチド;および b)ヒトにおいて非免疫原性であるポリペプチド よりなる群から選ばれる、上記請求項のいずれか1項記載の使用。 31.TPOが、式: X−hTPO(7−151)−Y [式中、hTPO(7−151)は、Cys7(これを含んで)からCys151( これを含んで)までのヒトTPO(hML)のアミノ酸配列であり;Xは、Cy s7のアミノ基、あるいは成熟TPOの1個以上のアミノ末端アミノ酸残基、ま たはそのMet、Lys、Tyr、もしくはリシンに対するアルギニンあるいは トロンビンを包含するそのアミノ酸の置換基を包含するアミノ酸残のその延長を 表し;Yは、Cys151のカルボキシル末端基、または成熟TPOの1個以上の カルボキシル末端アミノ酸残基、もしくはそれへの延長を表す] で示される、上記請求項のいずれか1項記載の使用。 32.TPOが、ヒトTPOである、請求項1記載の使用。 33.TPOが、ヒトTPO(153)である、請求項32記載の使用。 34.TPOが、ヒトTPO(332)である、請求項32記載の使用。 35.TPOが、rhTPO332である、請求項32記載の使用。 36.TPOを静脈内に投与する、上記請求項のいずれか1項記載の使用。 37.TPOを皮下に投与する、請求項1〜35のいずれか1項記載の使用。 38.TPOを吸入によって投与する、請求項1〜35のいずれか1項記載の使 用。 39.用量が、35x10-12モルまたはそれ以上の血中TPOレベルを維持す るのに充分である、上記請求項のいずれか1項記載の使用。 40.用量が、処置周期の間、100x10-12モルまたはそれ以上の血中TP Oレベルを維持するのに充分である、請求項39記載の使用。 41.用量が、処置周期の間、約35x10-12モル〜約3,500x10-12モ ルの血中TPOレベルを維持するのに充分である、請求項1〜38のいずれか1 項記載の使用。 42.用量が、体重1kgあたり約0.1〜10μgの範囲にわたる、請求項1〜 38のいずれか1項記載の使用。 43.用量が、体重1kgあたり約1〜5μgの範囲にわたる、請求項42記載の 使用。 44.用量が、エーロゾル中約5〜1,000μg/kgである、請求項38記載の 使用。 45.前駆細胞を含有する哺乳動物のサンプル中のCD34+細胞の数を増加さ せる方法であって、有効量のTPOと、場合により、更に、FLT−3、KL、 およびそれらの混合物よりなる群から選ばれるサイトカインとをサンプル中のC D34+細胞に加えることを含む方法。 46.TPO、FLT−3およびKLを加えることを含む、請求項45記載の方 法。 47.医薬品の治療有効量を前駆細胞を含んでいる哺乳動物サンプル中のCD3 4+細胞に加えかつ該サンプルを哺乳動物に投与することを含む方法によって哺 乳動物患者中のCD34+細胞の数を増加させるための医薬品の製造における、 TPOおよび場合によりFLT−3、KLまたはそれらの混合物の使用。 48.TPO、FLT−3およびKLが該医薬品の製造において使用される、請 求項47記載の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 105 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ジョーンズ,アンドリュー・ジェイ・エス アメリカ合衆国、カリフォルニア 94403、 サン・マテオ、タリータウン・ストリート 1416 (72)発明者 ジョーンズ,デニ・ブイ アメリカ合衆国、カリフォルニア 94002、 ベルモント、ポンス・アベニュー 2326 (72)発明者 パウエル,マイケル・エフ アメリカ合衆国、カリフォルニア 94122、 サンフランシスコ、ヒューゴ・ストリート 531 (72)発明者 スウィーニー,テレサ・ディー アメリカ合衆国、カリフォルニア 94018、 エル・グラナダ、コロンブス・ストリート 1290 (72)発明者 トーマス,グリフィス・アール アメリカ合衆国、カリフォルニア 94010、 バーリンガム、パーク・アベニュー 812 (72)発明者 ウァヘマーケル,ヘラルド オランダ国、エヌエル―3053 エムエー ロッテルダム、アドリアナラーン 138

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.血小板減少症を有するか、またはその危機にある哺乳動物を処置する方法で あって、そのような処置を要する哺乳動物に、毎日1回もしくは少数回の用量の 治療有効量のトロンボポエチン(TPO)を投与することを含む方法。 2.哺乳動物に、放射線および/または化学療法剤の少なくとも一つの処置周期 を与え、該処置周期は、放射線および/または化学療法剤を投与する最初の処置 時間TOと、最後の処置時間TFとを有する、請求項1記載の方法。 3.用量をTOプラスマイナス24時間に投与する、請求項2記載の方法。 4.用量をTOプラスマイナス10時間に投与する、請求項3記載の方法。 5.用量をTOプラスマイナス6時間に投与する、請求項4記載の方法。 6.用量をTOプラスマイナス2時間に投与する、請求項5記載の方法。 7.用量を、TOにか、またはTO以前ではあるが、TO前7日以内に投与する、 請求項2記載の方法。 8.用量を、TO以前ではあるが、TO前1日以内に投与する、請求項7記載の方 法。 9.TO=TFである、請求項2記載の方法。 10.処置周期が、放射線および/または化学療法剤の複数回の処置を含む、請 求項2記載の方法。 11.用量を、TF以前ではあるが、TF前7日以内に投与する、請求項10記載 の方法。 12.処置周期が、2〜10回の処置を含む、請求項11記載の方法。 13.TPOの第二の用量を、TO以後に投与することを更に含む、請求項2記 載の方法。 14.第二の用量を、TF以後に与える、請求項13記載の方法。 15.第二の用量を、TF後24時間以内に投与する、請求項14記載の方法。 16.TPOの用量を処置時間と同時に投与することを更に含む、請求項2記載 の方法。 17.哺乳動物に、複数回の処置周期を与える、請求項2記載の方法。 18.哺乳動物に、2〜6回の処置周期を与える、請求項21記載の方法。 19.TPOを、1回の治療有効日用量で投与する、請求項1記載の方法。 20.TPOを、少数回の治療有効日用量で投与する、請求項1記載の方法。 21.少数回の用量が、1日あたり2〜6回の用量を含む、請求項20記載の方 法。 22.サイトカイン、コロニー刺激因子およびインターロイキンよりなる群から 選ばれる、治療有効量の薬剤を同時投与することを更に含む、請求項1記載の方 法。 23.薬剤が、KL、LIF、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、EFO 、FLT−3、IL−1、IL−2、IL−3、IL−5、IL−6、IL−7 、IL−8、IL−9およびIL−11よりなる群から選ばれる、請求項22記 載の方法。 24.用量を、担体または賦形剤とともに投与する、請求項1記載の方法。 25.担体または賦形剤が、キレート化剤を含有する、請求項24記載の方法。 26.キレート化剤が、EDTAである、請求項25記載の方法。 27.TPOが、 a)TPOのフラグメントポリペプチド; b)TPOのイソ型ポリペプチド; c)TPOのキメラポリペプチド;および d)PEG化ポリペプチド よりなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。 28.PEG化ポリペプチドが、ポリエチレングリコールで製造される、請求項 27記載の方法。 29.TPOが、 a)哺乳動物から単離されたTPOポリペプチド; b)組換え手段によって製造されたTPOポリペプチド;および c)合成的手段によって製造されたTPOポリペプチド よりなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。 30.TPOが、 a)ヒトであるポリペプチド;および b)ヒトに非免疫原性であるポリペプチド よりなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。 31.TPOが、式: X−hTPO(7−151)−Y [式中、hTPO(7−151)は、両端を含めてCys7からCys151までの ヒトTPO(hML)のアミノ酸配列であり;Xは、Cys7のアミノ基、ある いは成熟TPOの1個以上のアミノ末端アミノ酸残基、あるいはMet、Lys 、Tyr、もしくはリシンに対するアルギニンまたはトロンビンを包含するその アミノ酸の置換基を包含するアミノ酸残のそれへの延長を表し;Yは、Cys15 1 のカルボキシル末端基、または成熟TPOの1個以上のカルボキシル末端アミ ノ酸残基、もしくはそれへの延長を表す] で示される、請求項1記載の方法。 32.TPOが、ヒトTPOである、請求項1記載の方法。 33.TPOが、ヒトTPO(153)である、請求項32記載の方法。 34.TPOが、ヒトTPO(332)である、請求項32記載の方法。 35.TPOが、rhTPO332である、請求項32記載の方法。 36.TPOを静脈内に投与する、請求項1記載の方法。 37.TPOを皮下に投与する、請求項1記載の方法。 38.TPOを吸入によって投与する、請求項1記載の方法。 39.用量が、35x10-12モルまたはそれ以上の血中TPOレベルを維持す るのに充分である、請求項1記載の方法。 40.用量が、処置周期の間、100x10-12モルまたはそれ以上の血中TP Oレベルを維持するのに充分である、請求項39記載の方法。 41.用量が、処置周期の間、約35x10-12モル〜約3,500x10-12モ ルの血中TPOレベルを維持するのに充分である、請求項41記載の方法。 42.用量が、体重1kgあたり約0.1〜10μgの範囲にわたる、請求項1記 載の方法。 43.用量が、体重1kgあたり約1〜約5μgの範囲にわたる、請求項42記載 の方法。 44.用量が、エーロゾル中約5〜1,000μg/kgである、請求項38記載の 方法。 45.哺乳動物の血液サンプル中のCD34+細胞の数を増加させる方法であっ て、有効量のTPOと、FLT−3、KL、およびそれらの混合物よりなる群か ら選ばれるサイトカインとをサンプル中のCD34+細胞に加えることを含む方 法。 46.TPO、FLT−3およびKLを加えることを含む、請求項45記載の方 法。 47.サンプルを哺乳動物に投与することを更に含む、請求項45記載の方法。 48.サンプルを哺乳動物に投与することを更に含む、請求項46記載の方法。
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