JP2001526146A - 中空室を仕切るための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 例えば自動車のシャシまたは車体の領域内で中空室をシール性および遮音性を有するように仕切るための装置が、別々に製作されていて間隔を置いて互いに係止可能な２つの半シェル（１，９）を備えており、これらの半シェルは係止状態ではそれらの間に、外側の環状の縁領域内で外縁へ向かって開いた自由な環状隙間を形成し、この環状隙間は内向きには一方の半シェル（１，９）に設けた内輪郭（２）によって制限されている。輪郭・リング板として形成された膨張可能な成形片（８）がその形状において、両方の半シェル（１，９）の間にそれらの外壁のところで形成された環状隙間の形状にほぼ相応している。本発明による装置によれば材料が節約され、かつ製作および組付けが比較的わずかな費用で行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は特に自動車のシャシまたは車体内でシールと遮音つまり音響絶縁との
目的で中空室を仕切るための装置であって、中空室の当該横断面領域内に位置決
めされる、膨張可能な材料から成る成形片のための保持装置を備えている形式の
ものに関する。

【０００２】 中空室内の湿分に対するシールおよび遮音のための公知の装置では、当該横断
面領域内にプラスチックから成る一体の保持装置が位置決めされ、この保持装置
は内側の結合ウェブまたは結合リブによって互いに結合される側方の２つの制限
壁から成っており、その周囲輪郭はシールされるべき中空室横断面の周囲輪郭に
ほぼ相応している。一体の保持装置内には、その両方の制限壁の間に残されてい
る中間スペースの大きさに相応していて膨張可能な材料から成る成形片が挿入さ
れる。熱供給時、例えば自動車の車体の塗装時の熱供給時に、膨張可能な成形片
が膨張し、その結果、保持装置の両方の制限壁の間に残されている開口から材料
が突出して、中空スベースの隣合う内壁に固定的に結合される。このようにして
当該中空室の水密なまたは遮音性を有する仕切りが得られる。

【０００３】 しかしこの方法は、一面において、一体の保持装置の製作のために、工具費用
が高価であるために極めて多費用が必要であると共に、他面において、膨張可能
な材料から成る成形片を保持装置内に挿入するのに高い組込み費用と時間の消費
とが必要である限りにおいて不利である。中空室の内壁と保持装置との間の縁領
域だけがシールされるだけでよいにもかかわらず、挿入される膨張可能な成形片
は、中空室へ向いた縁でしか膨張することができずかつ中央の領域内では制限壁
へ向かってまったく膨張しないかまたはわずかにしか膨張しないほぼ全面的な、
つまり中空室のほぼ全横断面に相応する成形片として形成されている。このこと
によって、膨張可能な成形片の消費量が多い。

【０００４】 それゆえ、本発明の課題とするところは、わずかな製作費用と材料費用とで安
価に製作されることのできるような、中空室をシール性および遮音性を有するよ
うに仕切るための冒頭に記載した形式の装置を提供することにある。

【０００５】 この課題は本発明によれば、請求項１の上位概念に記載した形式の装置におい
て、互いに分離されて製作されていて間隔をおいて互いに係止可能な２つの半シ
ェルが設けられており、これら両方の半シェルが係止された状態ではそれらの間
に、外側の環状の縁領域内で外縁へ向かって開いた自由な隙間を残し、この隙間
が内向きには一方の半シェルの内輪郭によって制限されており、かつ、輪郭・リ
ング板として形成された膨張可能な成形片が設けられており、その形状が、両方
の半シェルの間に形成された隙間の形状にほぼ相応していることにより解決され
る。

【０００６】 まず、この種の保持装置は射出工具が複雑でないため、簡単かつ安価に製作可
能である。その上、簡単な工具構造が輪郭変化の迅速かつ容易な実施を可能にす
る。別の利点は、保持装置内の膨張可能な材料から成る成形片の簡単かつ自動化
された組込みが可能であることにある。最後に、本発明によれば使用される膨張
可能な材料の材料節約が得られ、この材料節約は５０％より多くなることも可能
である。この材料節約は本発明によれば、シールされるべき中空室の横断面に相
応する外輪郭を有するリング状の板として形成された膨張可能な材料が、シール
のために実際に必要な箇所だけに設けられており、かつ予め規定された流れ方向
に、シールされるべき中空体壁へ向かって妨げなく膨張することができ、他面に
おいて、半シェルの中央への材料流れは、一方の半シェルに設けられた内輪郭に
よって制限される。

【０００７】 本発明のその他の特徴および利点並びに有利な実施形が本発明の有利な実施形
の以下の記載並びに従属請求項から生じる。

【０００８】 次に、添付図面について本発明の実施例を詳細に説明する。

【０００９】 保持装置は別々の射出過程により製作された２つの別体の保持シェルから成り
、このことによりこの保持装置は簡単な工具とわずかな時間の消費で、ひいては
比較的少ない費用で製作することができる。第１の半シェル１（図１）はその中
央領域内に１つの内輪郭２と、一体成形された２つの係止円筒体３とを有してお
り、その高さは膨張可能な成形片８の高さに相応している。突設された内輪郭２
内には１つの係止開口４が設けられている。半シェル１の内輪郭の環状の縁と環
状の外縁との間には狭い縁領域５が残されている。図２に示した膨張可能な成形
片８は材料のないスペース６，７を有しており、それらの輪郭は半シェル１の内
輪郭２もしくは係止円筒体３の周囲の輪郭に比して若干大きい。

【００１０】 第２の半シェル９の外輪郭は第１の半シェル１の外輪郭と膨張可能な成形片８
の外輪郭に相応している。第２の半シェル９はここで見られる外面では平らに形
成されており、かつ内面には１つの係止ウェブ１０と２つのマッシュルーム形係
止体１１を有している（図３に破線で示されている）。

【００１１】 図４は互いに係止されていてその内部に膨張可能な成形片８を備えた２つの半
シェル１，９を１つのマッシュルーム形係止体１１と１つの係止円筒体３との領
域内で断面した図である。図４には、第１の半シェル１が第２の半シェル９に係
止円筒体３との係止結合によってどのように保持されるかが例示されており、さ
らにこの場合には同時にマッシュルーム形係止体１１によって、中空室の内壁１
２に設けられた開口１３内での係止も行われている。この場合には、両方の半シ
ェル１，９は中空室の内壁１２に対してほぼ平行に配置されている。

【００１２】 保持装置が内壁１２に対して垂直に位置決めされる場合には、マッシュルーム
形係止体１１は一方の半シェル１または９の外縁のところに位置し、かつその壁
面へ向かって延びる。

【００１３】 シールと遮音との目的で中空室を仕切りまたは分離するためのこの装置の機能
について以下に説明する。シールされるべき横断面に相応して、例えば自動車車
体の中空室に相応して、例えば図１および図２に示されているように２つの半シ
ェル１，９が射出法によって製作され、かつ、シールされるべき横断面の外輪郭
を備えた対応する輪郭・リング板を主として形成する成形片８が膨張可能な材料
から断裁されることにより形成される。

【００１４】 ３つの板、つまり両方の半シェル１，９と成形片８とは自動化されたプロセス
で互いに上下に置かれて互いに係止させられ、かつこの形状で当該中空室内に位
置決めされる。次いで行われる加熱時に両方の半シェル１，９の間の縁領域だけ
を充填する膨張可能な成形片８が予め規定された方向へ、つまり両方の半シェル
の間の開かれた隙間内で、隣合う内壁１２へ向かって膨張し、他面において、内
向きの膨張は一体成形された内輪郭２によって、かつ横方向の膨張は、存在しな
い材料部分によって行うことができない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１の半シェルの内面を上から見た図である。

【図２】 膨張可能な成形片を上から見た図である。

【図３】 第２の半シェルの外面を上から見た図である。

【図４】 ２つの保持シェルから組み立てられた保持装置を、挿入された成形片と共に、
半シェルを中空体壁に固定するための係止エレメントの領域内で断面して示す図
である。

【符号の説明】

１ 第１の半シェル、 ２ 内輪郭、 ３ 係止円筒体、 ４ 係止開口、
５ 狭い縁領域、 ６，７ 材料のないスペース、 ８ 膨張可能な成形片、
９ 第２の半シェル、 １０ 係止ウェブ、 １１ マッシュルーム形係止体、 １２ 内壁（シールされるべき中空室の）、 １３ 内壁に設けた開口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＵ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ， ＣＵ，ＣＺ，ＥＥ，ＧＥ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ， ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 特に自動車のシャシまたは車体内でシールと遮音との目的で
   中空室を仕切るための装置であって、中空室の当該横断面領域内に位置決めされ
   る、膨張可能な材料から成る成形片のための保持装置を備えている形式のものに
   おいて、 別々に製作されていて間隔をおいて互いに係止可能な２つの半シェル（１およ
   び９）が設けられており、これら両方の半シェルが、係止された状態ではそれら
   の間に、外側の環状の縁領域（５）内で外縁へ向かって開いた自由な隙間を形成
   し、この隙間が内向きには一方の半シェル（１，９）の内輪郭（２）によって制
   限されており、かつ、輪郭・リング板として形成された膨張可能な成形片（８）
   が設けられており、その形状が、両方の半シェル（１，９）の間に形成された隙
   間の形状にほぼ相応していることを特徴とする中空室を仕切るための装置。
2. 【請求項２】 半シェル（１，９）の内面に、両方の半シェルを結合させる
   ための係止手段（３，１１；４，１０）が設けられている、請求項１記載の装置
   。
3. 【請求項３】 係止手段の１つがマッシュルーム形係止体（１１）として形
   成されており、このマッシュルーム形係止体が、同時に、シールされるべき当該
   中空室の内壁（１２）内の開口（１３）内に係止可能である、請求項２記載の装
   置。
4. 【請求項４】 半シェル（１，９）の内面に配置された係止手段（３，１１
   ）の領域内では成形片（８）内に材料のないスペース（７）が設けられている、
   請求項１から３までのいずれか１項記載の装置。
5. 【請求項５】 係止手段（４，１０）が、第１の半シェル（１）の内輪郭（
   ２）の領域内と、第２の半シェル（９）の、第１の半シェル（１）の内輪郭（２
   ）に対応する領域内とに設けられている、請求項１から３までのいずれか１項記
   載の装置。
6. 【請求項６】 第１の半シェル（１）上の係止手段が係止円筒体（３）であ
   り、この係止円筒体が、第２の半シェル（９）に一体成形されたマッシュルーム
   形係止体（１１）に係止可能である、請求項２記載の装置。
7. 【請求項７】 一方の半シェル（１または９）の外面または外縁に、仕切ら
   れるべき中空室の内壁（１２）との結合のための係止手段が一体成形されている
   、請求項１から６までのいずれか１項記載の装置。
8. 【請求項８】 半シェル（１，９）が射出成形法でプラスチックから製作さ
   れている、請求項１から７までのいずれか１項記載の装置。
9. 【請求項９】 膨張可能な成形片（８）が加熱作用下で発泡または膨張する
   材料から成り、半シェル（１，９）の間に形成された環状の隙間の開いた側へ向
   かって膨張するようになっている、請求項１記載の装置。