JP2001523956A - ヒトcd6に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

ヒトcd6に対するモノクローナル抗体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトCD6(hCD6)のSRCRドメインに対し特異的に結合し、かつ活性化白血球細胞癒着分子(ALCAM)のhCD6への結合を実質的に抑制する能力を含む有利な性質を有する、抗体および他の結合作用物質を提供する。本発明の結合作用物質は、就中、ペプチド、およびhCD6にも結合しおよび/またはhCD6に結合するALCAMを調整する薬物のスクリーニング法に、並びに炎症および自己免疫疾患の世話や処置のための診断および治療法に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトCD6に対するモノクローナル抗体 技術分野 CD6は、主にヒトT細胞および部分集合(subset)のB細胞により、並びに幾 つかのB細胞慢性リンパ球性白血症およびニューロンにより発現される、重要な 細胞表面タンパク質である[たとえば、Aruffoらの「J.Exp.Med.」(174:9 49、1991年);Kamounらの「J.Immunol.」(127:987、1981年 );Mayerらの「J.Neuroimmunol.」(29:193、1990年)参照]。CD 6は、タイプIマクロファージのスキヤベンジャー・レセプタ・システインの豊 富なドメイン(SRCR)に相同する少なくとも1つのドメインを有することを 特徴とするラージファミリーのタンパク質のメンバーである[マツモトらの「J. Exp.Med.」(173:55、1991年);およびResnickらの「Trends Bioche m.Sci.」(19:5、1994年)]。このファミリーの他のメンバーとしては 、CD5[Jonesらの「Nature」(323:346、1986年)];シクロフ ィリンC[Friedmanらの「PNAS」(90:6815、1993年)];活性 化した補体タンパク質C3bおよびC4bに結合する補体因子I[Goldbergerら の「J.Biol.Chem.」(262:10065、1987年)];γ/δT細胞に よって発現されるウシWC−1[Wijingaardらの「J.Immunol.」(149:32 73、1992年)],およびM130[Lawらの「Eur.J.Immunol.」(23: 2320、1993年)],マクロファージ活性化マーカが挙げられる。 抗CD6モノクローナル抗体(mAbs)を用いるブロッキング実験によれば 、CD6はT細胞発育において、胸腺上皮(TE)細胞とのT細胞癒着性相互作 用(adhesive interaction)を調節することにより、重要な役割を果たすことが示 唆される[Patelらの「J.Exp.Med.」(181:1563−1568、1995 年)]。付加的な実験では、T細胞活性化において、重要な付属分子として機能 しうることが示された。たとえば、ある抗CD6mAbは、T細胞に対して直接 的なミトゲンであり[Gangemiらの「J.Immunol.」(143:2439、198 9年)およびBottらの「Int.Immunol.」(7:783、1993年)]、この 場合、その他は抗CD3、抗CD2またはPMAと共に、T細胞増殖を共同刺激 することができる[Gangemiらの「J.Immunol.」(143:2439、1989 年);モリモトらの「J.Immur.」(140:2165−2170、1988年) ;およびOsorioらの「Cell.Immunol.」(154:23、1994年)]。なお 、付加的なCD6のT細胞活性化での役割の証拠については、T細胞活性化のあ と、CD6はSerおよびThr残基で超ホスホリル化[Swackらの「Mol.Immunol.」 (26:1037−1049、1989年);Swackらの「J.Biol.Chem.」(2 66:7137、1991年);Cardenasらの「J.Immunol.」(145:145 0−1455、1990年)]およびTyr残基でホスホリル化[Weeらの「J.Exp. Med.」(177:219−223、1993年)]されるようになることを示す 実験から得られる。これらのおよび他の実験から、CD6はT細胞活性化および シグナル形質導入の両方に影響を及ぼし、インビボでの未成熟および成熟T細胞 機能両方の重要なモジュレータ(調整剤)として結論づけられる。 成熟CD6タンパク質の細胞外ドメインは、3つのSRCRドメイン(以下、 これらをCD6D1、CD6D2およびCD6D3と称し、CD6D3は該膜の 近位SRCRドメインに相当する)、次いで短い33−アミノ酸ストーク(stal k)領域から成る。これらの細胞外ドメインは、短い膜内外ドメイン、次いで変 わりやすい(変異の)長さの細胞質ドメインを介して、細胞膜に固定される[Ar uffoらの「J.Exp.Med.」(174:949、1991年)]。 CD6−免疫グロブリン融合タンパクであって、ヒトIgG1一定ドメインに 融合するCD6の選定細胞外ドメインを含有するもの(CD6−Rgs)を用い る実験は、“活性化白血球細胞癒着分子”(ALCAM)と呼ばれるCD6リガ ンドの同定およびクローニングに導く[Weeらの「Cell.Immunol.」(158: 353−364、1994年);Patelらの「J.Exp.Med.」(181:1563 −1568、1995年);Bowenらの「J.Exp.Med.」(181:2213−2 220、1995年)]。ALCAMは、免疫グロブリン超遺伝子ファミリーの メンバーであり、かつニワトリ神経癒着分子BEN/SC−1/DM−GRAS P[Pourquieらの「PNAS」(89:5261−5265、1992年);タ ナカらの「Neuron」(535−545、1991年);およびBurnsらの「Neuro n」(209−220)1991年)]およびラット・タンパクKG−CAM[P eduzziらの「Brain Res.」(640:296−307、1994年)]のヒト相 同体であってもよい。ニワトリにおいて、BEN/SC−1/DM−GRASP は同種親和性相互作用を仲介することができ、かつ神経系における軸索成長にか かわり合うことが認められる。 ALCAMは、ニューロンによって発現されることに加えて、ヒトTE細胞や種 々の他の細胞種によっても発現され[Patelらの「J.Exp.Med.」(181:15 63、1995年)]、かつ活性化白血球によっても一時的に発現される[Bowe nらの「J.Exp.Med.」(181:2213、1995年)]。特に、細胞癒着ア ッセイによって、CD6−ALCAM相互作用は、胸腺細胞のTE細胞への結合 を仲介するのに、いく分か応答しうることが証明された[Bowenらの「J.Exp.Med .」(181:2213−2220、1995年)]。ヒトALCAM発現のイ ンビトロ動態の分析により、ミトゲン活性化末梢血液T細胞による発現は、刺激 の72時間後にピークに達し、かつ5〜8時間の間で検出できないレベルに戻る ことが認められた。またニワトリのBEN/SC−1/DM−GRASPは、活 性化T細胞[Corbelらの「Cell Immunol.」(141:99、1992年)]や 造血先駆細胞(progenitor cells)によっても発現され、かつNgCAMや他のタ ンパク質との異種親和性相互作用を仲介すること[DeBernardoらの「J.Cell.Bio l.」(133:657、1996年)]が認められている[Corbelらの「PNA S」(93:2844、1996年)]。T細胞調節におけるCD6/ALCA M相互作用の役割の実験から、このレセプターリガンド対は、CD6発現細胞の 胸腺上皮細胞への癒着を仲介できることが認められた[Bowenらの「J.Exp.Med. 」(181:2213、1995年)]。このおよび他の証拠は、CD6/AL CAM相互作用がT細胞発育および活性化を調整するのに重要であることを示唆 する。 上述の知見は、CD6/ALCAM相互作用がT細胞発育および活性化の調節 に重要な役割を果すことを示すものであるが、当該分野でCD6、およびヒトC D6の、特にALCAMとの相互作用に関してさらなる発見および特性決定を求 める必要が明らかに残されている。さらに詳しくは、hCD6/ALCAM結合 相互作用を仲介するhCD6構造要素の他の特性決定や、hCD6/ALCAM 相互作用を調整することができる、hCD6結合作用物質などの特異的手段(spe cific tools)の必要がある。このような手段は、種々の診断用途、エクスビボ(e x vivo)処置、およびインビボ治療法に、たとえば患者の疾患状態に関連するC D6−仲介応答を診断したり、移植組織物質からCD6+細胞のエクスビボ親和 力除去を行ったり、CD6−仲介T細胞活性化のインビボ調整作用物質、たとえ ばインヒビターまたはエンハンサーを付与して、患者の炎症および自己免疫応答 を調整するのに有用なものである。 本発明は、これらの必要に取り組み、以下の説明から明らかとなる付加的な利 点を提供する。 発明の概要 本発明は、ヒトCD6(hCD6)のSRCRドメインに対し特異的に結合す る抗体および他の結合作用物質を提供する。本発明の好ましい観点において、ヒ トCD6SRCRドメイン3(CD6D3)またはヒトCD6ストーク・ドメイ ン(CD6S)に対し特異的に結合し、かつCD6に結合する活性化白血球細胞 癒着分子(ALCAM)を抑制する、抗体および他の免疫グロブリン(自然のま まや人工変性の抗体および抗体フラグメントを包含)が提供される。 本発明のより詳細な観点では、抗ヒトCD6結合作用物質は、以下に同定され る実例の自然のままのモノクローナル抗体から選ばれ、かつグループ1(たとえ ばmAb 5D4);グループ2(たとえばmAb 10A5);グループ3( たとえばmAb 16A3);グループ4(たとえばmAb 7H6);グルー プ5(たとえばmAb 15B12);グループ6(たとえばmAbs 7C7 および13C3);グループ7(たとえばmAbs 5E8および8A7);ま たはグループ8(たとえばmAbs 10D1および12A5)と呼ばれる8つ のCD6結合サブグループの1つに含まれる。別法として、抗ヒトCD6結合作 用物質は、対応する自然のままの抗体と同一の重要なアミノ酸配列を示し、か つ対応する自然のままの抗体と同じCD6結合特異性を実質的に保有する、変性 免疫グロブリン、たとえば人間向きにした抗体、部位一方向性の変異誘発抗体、 または化学的もしくは組換えで産生した抗体フラグメントから選ばれてよい。 本発明の他の具体例において、特にhCD6に結合する付加的な結合作用物質 を同定するスクリーニング法が提供される。これらの方法は、特にヒトCD6S RCRドメイン3(CD6D3)またはヒトCD6ストーク・ドメイン(CD6 S)に結合し、かつhCD6に結合するALCAMを抑制する、対照抗hCD6 モノクローナル抗体を、競合物質とされるテスト結合作用物質の存在下、CD6 D2、CD6D3およびCD6Sから選ばれる1種以上のhCD6ドメインから なる標的種と接触させることを必然的に伴なう。この接触工程は、テスト結合作 用物質の非存在下の対照抗体と標的種の複合形成に好適な条件下で行なう。次に 、CD6D3またはCD6Sに対するテスト結合作用物質の特異的な結合活性の 指示薬として、テスト結合作用物質の存在下の対照抗体と標的種の複合体形成を 検出する。このスクリーニング法は、たとえば付加的なhCD6結合作用物質を 同定し、特性決定するペプチドや小分子ライブラリー(libraries)の高処理量ス クリーニングに有用である。また、これらのアッセイの好ましい抗体は、CD6 結合サブグループの、グループ1(5D4);グループ2(10A5);グルー プ3(16A3);グループ4(7H6);グループ5(15B12);グルー プ6(7C7,13C3);グループ7(5E8,8A7);またはグループ8 (10D1,12A5)、あるいはこれらの抗体のフラグメントもしくは他の人 工変性形態から選ばれる。 本発明の関連のある観点において、上記スクリーニング法は、標的種に結合す るALCAMに好適な条件下、テスト結合作用物質の存在下、ALCAMを標的 種に接触させる追加の工程によって適応される。その後、ALCAM/CD6結 合を調整するテスト結合作用物質の活性の指示薬として、ALCAMと標的種の 複合形成を検出する。かかるスクリーニング法による選択に好ましいテスト結合 作用物質としては、対照抗体の相補性決定領域(CDR)のペプチド擬態、並び にCD6/ALCAM結合相互作用を調整する能力が選択されうる他のペプチド および小分子種が挙げられる。 本発明の他の観点において、患者の炎症または自己免疫応答を調整する方法、 たとえば多発性硬化症あるいは移植組織拒絶に関係する反対応答を抑制する方法 が提供される。これらの方法には、ヒトCD6SRCRドメイン3(CD6D3 )またはヒトCD6ストーク・ドメイン(CD6S)に対し特異的に結合し、か つhCD6に結合するALCAMを抑制する、治療上または薬理学的に有効量の 抗CD6結合作用物質の患者への投与が含まれる。これらの方法での使用に好ま しい抗CD6結合作用物質は、人間向きにしたモノクローナル抗体を含むモノク ローナル抗体、並びに対応する自然のままの抗体と同一の重要なアミノ酸配列を 有し、かつ実質的に同じ結合特異性を共有する、抗体フラグメントや自然のまま の抗体の変異誘発形態などの変性免疫グロブリンである。 本発明のさらに付加的な観点において、インビトロおよびインビボアッセイで 、CD6、CD6+細胞、および/またはCD6−仲介活性、たとえばT細胞活 性化に関するCD6活性を検出する診断用組成物および方法が提供される。これ らの方法も同様に、ヒトCD6SRCRドメイン3(CD6D3)またはヒトC D6ストーク・ドメイン(CD6S)に対し特異的に結合し、および/またはh CD6に結合するALCAMを抑制する抗CD6結合作用物質を使用する。 図面の簡単な説明 図1は、本発明における結合作用物質の特性決定に用いる、CD6と異なるC D6−Rg融合タンパクに組込まれる種々のSRCRドメインを図式的に示す。 図2は、抗体のCD6+細胞に対する特異的な結合活性と、ALCAM−Ig と該細胞の相互作用の抗体仲介ブロッキングを検出するフロー細胞(血球)計算 走査を示す。 図3および4は、CD6D1−3 Rg融合タンパクに対する実例の抗ヒトC D6D3/抗ヒトCD6Sモノクローナル抗体の滴定曲線を示す。 図5および6は、野性型hCD6 SRCR D3または変異体タンパクに対 する種々のCD6結合サブグループ内の各種実例の抗ヒトCD6D3/抗ヒトC D6Sモノクローナル抗体のELISA結合アッセイ結果を示す。x軸において 下記表7に従って、変異体の数をかぞえる。y軸にO.D.値を記録する。 図7は、変異体hCD6 SRCR D3タンパクに対し、種々のモノクロー ナル抗体希釈での滴定曲線を示す。 図8は、CD6D3/S Rg融合タンパクに対する実例の抗ヒトCD6D2 モノクローナル抗体の滴定曲線を示す。 特別な具体例の説明 I)結合作用物質 本発明は、ヒトCD6の第2SRCRドメイン(CD6D2)、第3(膜近位 )SRCRドメイン(CD6D3)およびストーク・ドメイン(CD6S)の1 つ以上に結合し、あるいはALCAMなどのCD6リガンドに結合する、抗体、 抗体フラグメントおよび他の結合作用物質を提供する。本発明の好ましい結合作 用物質としては、CD6D2、CD6D3およびCD6Sドメインの1つ以上に 特異的に結合する、自然のままおよび変性した抗体およびそのフラグメントが挙 げられる。これらのおよび他の結合作用物質の場合、特異的な結合が存在し、こ のとき、該作用物質のCD6D2、CD6D3またはCD6D3Sへの結合の解 CD6D2、CD6D3またはCD6Sに特異的に結合する抗体の能力は、親和 力単独に基づき、または別法としてあるいは補充として、当該分野で公知の広範 囲にわたるさまざまな抗体特異性アッセイのいずれかを用いて判定することがで きる。かかるアッセイの代表例としては、対向流免疫電気泳動(CIEP)、ラ ジオイムノアッセイ、エンザイム−リンクドイムノソルベントアッセイ(ELI SA)、ドット・ブロット(Dot Blot)アッセイおよび抑制または競合アッセイが 挙げられる。これらのおよび他の、抗体特異性および/または結合親和力を判定 する方法については、HarlowおよびLane著の「Antibodies:A Laboratory Manual 」(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、1988年)が 参照される。 本発明において有用な抗体としては、天然のままのポリクローナルおよびモノ クローナル抗体、並びに対応する自然のままの抗体と実質的に同じCD6D2、 CD6D3およびCD6Sドメイン結合特異性を保有する、遺伝学的に作成した および他の方法で変性した抗体が挙げられる。また抗体フラグメントも提供され 、たとえばF(ab')2およびF(ab')フラグメント、Fvフラグメントおよび 会 合しない重鎖または軽鎖、およびCD6D2、CD6D3またはCD6Sに特異 的に結合するシングル鎖抗体が含まれる。本明細書で用いる“自然のままの抗体 ”および“自然のままの抗体フラグメント”とは、通常の免疫法および精製の手 順によって産生する抗体、並びに自然のままで完全状態の抗体から、たとえば化 学的または酵素的分離によって誘導される抗体フラグメントを意味する。 自然のままの抗体の産生の場合、1つ以上のCD6ドメインからなり、好まし くは実質上純粋なあるいは単離した形状の、CD6タンパク、タンパク・フラグ メントまたは融合タンパクを、動物、たとえばマウス、ラット、ウマ、ラビット 、ヤギまたはブタに対して、該動物において免疫応答を起こさせるのに十分な量 で投与する。好ましくは、免疫応答を高めるため、フロイント・アジュバントな どのアジュバント含有混合物で、CD6タンパク、タンパク・フラグメントまた は融合フラグメントを投与する。抗原の1回注射で、該動物において十分に抗体 産生を誘発しうるが、一般には、最初に多量の注射を行った後、数週間から数ヶ 月にわたって、1以上のブースター注射を行なうのが好ましい。次に動物から血 液を採取し、凝固させ、次いで通常の技法、たとえば塩沈殿、イオン交換クロマ トグラフィー、親和力クロマトグラフィーまたは高性能液体クロマトグラフィー を用いて、血清から抗体を単離する。 本発明の好ましい具体例において、モノクローナル抗体を用いる。モノクロー ナル抗体は、ポリクローナル抗血清と比較して、産生の容易さおよび治療用量が 少ないという利点を有するが、その理由は、所望の特異性を持つ抗体のみを使用 するからである。モノクローナル抗体の産生法は、当該分野で周知であり、かつ たとえばKohlerおよびMisteinの「Nature」(256:495、1975年); 「Eur.J.Iwunol.」(6:511−519、1976年);およびHurrel J.G.R.著 の「Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications」(CR Cプレス・インコーポレイテッド、FL州ボカ・レイトン、1982年)に開示 されている。 好ましくは、本発明の抗体、抗体フラグメント、および他の結合作用物質は実 質上純粋なあるいは単離した形状で提供される。本明細書で用いる“実質上純粋 ”および“単離した”とは、目的種が組成中に存在する主成分である(すなわ ち、モル基準で、他の個々の種より豊富にある)ことを意味する。好ましくは、 目的種は存在する全高分子種の少なくとも約50%(モル基準で)を構成する。 より好ましくは、実質上純粋なまたは単離した形状の目的種は、組成中に存在す る全高分子種の約80〜90%以上を構成するだろう。最も好ましくは、目的種 は本質的同質性(通常の検出法によっては、組成中に異物種を検出できない程度 )となるまで精製され、ここで、組成は本質的に単一の高分子種からなる。 本発明の抗体、抗体フラグメント、および他の結合作用物質は好ましくは、A LCAMのhCD6への結合を特異的に抑制する。CD6に結合するALCAM を特異的に抑制するとは、結合作用物質の存在下で結合するALCAMが、結合 作用物質の非存在下の対照アッセイにおいて結合するALCAMと比較して、少 なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50 %、最も好ましくは少なくとも75〜90%またはそれ以上抑制されるように、 結合作用物質が1つ以上の競合的結合アッセイにおいて結合するALCAMをブ ロックするかあるいは該ALCAMと競合することを意味する。CD6に結合す るALCAMをブロックあるいは競合する能力は、種々の方法、たとえばBowen らの「J.Biol.Chem.」(271:17390−17396、1996年)に開示 の、および後記実施例に記載の方法によって判定されてよい。 CD6に結合するALCAMをブロックあるいは競合する能力は典型例として 、抗体、抗体フラグメントまたは他の結合作用物質が、CD6エピトープにもし くはCD6のALCAM結合部位と構造的に重複する結合部位に、またはCD6 のALCAM結合部位に対し十分近位にあるエピトープもしくは結合部位に結合 して、立体化学的あるいはその他でALCAMのCD6への結合を抑制すること を示す。この点で結合作用物質の具体例としては、ALCAMをブロックし、本 明細書に記載され、かつ以下の如く称せられるCD6結合サブグループの1つの CD6結合特性を有する、抗ヒトCD6D3および抗ヒトCD6D3−S抗体が 挙げられる:グループ1(mAb 5D4が例示);グループ2(mAb 10 A5が例示);グループ3(mAb 16A3が例示);グループ4(mAb 7H6が例示);グループ5(mAb 15B12が例示);グループ6(mA bs 7C7および13C3が例示);グループ7(mAbs 5E8および8 A 7が例示);およびグループ8(mAbs 10D1および12A5が例示)。 これらの異なるCD6結合サブグループのそれぞれの実例となるmAbsを表示 するハイブリドーマは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(AT CC)に寄託されている。詳しくは、1997年2月19日に、以下に示すハイ ブリドーマが、メリーランド州ロックビル、パークラウン・ドライブ12301 のATCCに寄託され、かつ表示の寄託名称(deposit designation)が指定され た:(H6−2.7C7/名称HB12288);(H6−2.10A5/名称H B12289);(H6−2.10D1/名称HB12290);(H6−2.5 D4/名称HB12291);(H6−1.7H6/名称HB12292);( H6−2.15B12/名称HB12293);(H6−2.14H2/名称HB 12294);(H6−2.5E8/名称HB12295);および(H6−2. 16A3/名称HB12296)。 本発明において提供される付加的な結合作用物質としては、たとえば本発明の 自然のままの抗ヒトCD6抗体と実質的に同じCD6ドメイン特異性および結合 親和力を共有する(share)、抗体フラグメントおよび組換え変性抗体が挙げられ る。なお本発明において提供される付加的な結合作用物質としては、たとえば上 述の抗ヒトCD6抗体の相補性決定領域(CDRs)の擬態(mimetics)が挙げら れ、該擬態はCD6に結合するALCAMを抑制することもできる。別法として 、本発明の結合作用物質は、hALCAMのCD6結合ドメインのまたは十分近 位の(すなわち、hALCAMの予測されるA'GFCC'C"面の内部または隣 接した)ヒトALCAMに直接結合することによって、ALCAM/CD6相互 作用を干渉しうる[たとえば、Bajorathらの「Protein Science」(4:164 4−1647、1995年);Skonierらの「Biochmistry」(35:12287 −12291、1996年);およびSkonierらの「Biochemistry」(35:1 4743−14748、1996年)参照]。この後者タイプの結合作用物質の 具体例としては、対照抗ヒトCD6D3または本発明の抗ヒトCD6S抗体によ って認識されるCD6エピトープのペプチド擬態が挙げられ、かかるエピトープ はCD6のALCAM結合部位と実質的配列の同一性を共有する。またこれらの 特定擬態は、ALCAMによっても認識されることにより、該擬態はALCAM 結合 のCD6に対する競合的抑制を示す。かかる擬態は、たとえば、テスト擬態と抗 ヒトCD6対照抗体間のCD6結合競合を検出する周知のアッセイに基づき、商 業上入手しうるペプチドライブラリーから、型どおりのスクリーニングすること ができ、その後、テスト擬態は、対照抗体によって、CD6に結合するALCA Mを抑制しおよび/またはALCAM結合抑制を調整する能力に基づき、型どお りに選択することができる。 本発明の抗体、抗体フラグメントおよび他の結合作用物質が提供され、これら は、1つ以上のCD6ドメインに結合するため、本明細書に開示の1つ以上の選 択された抗CD6D2、抗CD6D3または抗CD6S対照抗体[たとえば結合 グループとして指定の、グループ1(5D4);グループ2(10A5);グル ープ3(16A3);グループ4(7H6);グループ5(15B12);グル ープ6(7C7、13C3);グループ7(5E8、8A7);およびグループ 8(10D1、12A5)から選ばれる1つ以上の対照抗体]によって、CD6 結合を特異的に抑制する。競合はアッセイによって判定され、ここで、たとえば 対照抗体とCD6ドメイン間の複合形成に好適な条件下、一般に競合物質とされ る“テスト抗体”または他の“テスト結合作用物質”の存在下および非存在下で 、CD6D2、CD6D3およびCD6Sドメインの1つ以上を含むCD6また はCD6−Rg融合タンパクからなる標的種への対照抗体の結合の測定で判定さ れるように、テスト下の抗体、抗体フラグメント、または他の結合作用物質は、 1つ以上のCD6ドメインを含有する標的種への対照抗体の特異的な結合を実質 的に抑制する。多種類の競合的結合アッセイは、たとえばU.S.特許No.4 376 110および4016 043や上記HarlowおよびLaneの文献に記載の如 く、公知でありかつ本発明において型どおりに実施することができる。かかるア ッセイは典型例として、CD6ドメイン(たとえばCD6D2、CD6D3およ び/またはCD6Sを含む精製CD6または精製Rg融合タンパク)を含有する 標的種、未標識付けテスト抗体または他のテスト結合作用物質、および標識付け 対照抗体の使用を必要とする。標的種は、生物学的サンプル(たとえばCD6+ 細胞のサンプル)の形状で付与されてよく、あるいはCD6−Rg融合タンパク を溶解してもしくは固体支持体等に結合させて含有する混合物などの人工混合物 で付 与されてもよい。 競合的抑制は、テスト抗体または他のテスト結合作用物質の存在下で標的種に 結合する標識の量を判定して判断される。通常、テスト抗体または結合作用物質 は過剰に存在する。これらの競合アッセイによって同定される抗体および他の結 合作用物質(“競合的結合作用物質”)としては、エピトープまたは対照抗体が 結合する結合部位に結合する抗体、抗体フラグメントおよび他の結合作用物質、 並びに起生するテスト結合作用物質と対照抗体間の競合的結合のため、エピトー プまたは対照抗体が結合するエピトープに十分近位の結合部位に結合する抗体お よび他の結合作用物質が挙げられる。また本発明の抗ヒトCD6抗体と競合する 競合的結合作用物質としては、たとえば、対照抗体が結合するCD6エピトープ のペプチド擬態が挙げられ、該擬態は好ましくは、競合的ALCAM/CD6結 合アッセイにおいてALCAMに結合する。さらに付与的な競合的結合作用物質 としては、対照抗体の相補性決定領域(CDR)のペプチド擬態が挙げられ、該 擬態も好ましくは、ALCAM/CD6結合を抑制する。好ましくは、本発明の 競合的結合作用物質は、過剰に存在すると、選択した標的種への対照抗体の特異 的結合を少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少な くとも50%、最も好ましくは75〜90%もしくはそれ以上に抑制する。 II)自然のままおよび変性した抗CD6免疫グロブリンおよび抗体フラグメン トの組換え産生 抗体、または免疫グロブリンは概して、4つの共有結合したペプチド鎖からな る。たとえば、IgG抗体は2つの軽鎖と2つの重鎖を有する。軽鎖のそれぞれ は重鎖に共有結合する。各重鎖は順次、他方に共有結合して、免疫グロブリン立 体配座としても知られている、“Y”立体配置を形成する。これらの分子のフラ グメント、または重鎖もしくは軽鎖単独でさえもCD6に結合しうる。抗体、抗 体のフラグメント、および個々の鎖もまた、本明細書で免疫グロブリンと称する 。 組換えDNA技法の周知の方法を用いて、本発明の免疫グロブリンを高レベル で産生しうる。加えて、自然のままの抗体および抗体フラグメントを型どおりに 変性して、対応する親抗CD6免疫グロブリンと比べて実質的に同じようなまた は結合を高めた特異性および同様なALCAMブロック、または競合の活性を有 する変性抗CD6免疫グロブリンを生成することができる。たとえば、自然のま まの抗体をコードする遺伝子[たとえば、本明細書に記載のグループ1(5D4 );グループ2(10A5);グループ3(16A3);グループ4(7H6) ;グループ5(15B12);グループ6(7C7、13C3);グループ7( 5E8、8A7);またはグループ8(10D1、12A5)モノクローナル抗 体をコードする遺伝子]を単離し、クローン化して1つ以上のポリヌクレオチド 発現ベクターとし、そして該ベクターを組換え抗体の発現用の適当な宿主細胞系 の中で形質転換させることができる。クローン化抗体をコードする遺伝子の発現 は、抗体の収率の増加をもたらし、かつ結合特異性またはALCAMブロック機 能の重大なロスを伴なわない変異および一定の両領域において、アミノ酸の置換 、削除、付加および他の変性、たとえば人間向きにする変性を導入することによ り、自然のままの免疫グロブリンの型どおりの変性をも可能ならしめる。 抗CD6免疫グロブリンの重鎖および軽鎖をコードする遺伝子を、当該分野で 公知の方法、たとえばSambrookらの「Molecular Cloning:A Laboratory Manual .」(2版、コールド・スプリング・ハーバー、NY、1989年);Berger & Kimmelの「Methods in Enzymology、Volume 152、Guide to Molecular Cloni ng Techniques」(アカデミック・プレス・インコーポレイテッド、サンディエ ゴ、CA、1987年);Coらの「J.Immunol.」(148:1149、199 2年)に記載の方法に従って、単離し、クローン化する。本発明のある観点にお いて、重鎖および軽鎖をコードする遺伝子は、選択した抗ヒトCD6産生ハイブ リドーマのゲノムDNAから、あるいは別法として、ハイブリドーマのRNAの 逆転写によって産生されるcDNAからクローン化される。クローニングは、通 常の技法で行なわれ、該技法としてたとえばクローン化すべき遺伝子、または遺 伝子のセグメントの側面にあるまたは一部をおおう配列にハイブリダイズする(h ybridize)PCRプライマー(primer)の使用が挙げられる。 本発明に係る組換え構造体(construct)は、ハイブリドーマ細胞系によって発 現される免疫グロブリンの完全で自然のままの抗ヒトCD6免疫グロブリン重鎖 および/または完全で自然のままの抗ヒトCD6免疫グロブリン軽鎖をコードす るDNAセグメントで構成されてよい。別法として、自然のままの抗ヒトCD6 抗体の1つ以上のフラグメントのみをコードするDNAセグメントが産生され、 該1つ以上のフラグメントは、自然のままの免疫グロブリンと比べて実質的に同 じようなまたは結合を高めたおよび/または同様なエフェクター(effector)活性 を所有する。他の組換え構造体は、他の免疫グロブリン遺伝子のセグメントに融 合する、自然のままの抗ヒトCD6抗体のフラグメントをコードするハイブリド ーマ細胞系免疫グロブリン遺伝子のセグメント、特にヒト一定領域配列のセグメ ント(重鎖および/または軽鎖)を含有する。ヒト一定領域配列は、これらに限定 されないが、上記Kabatらの文献に列挙されるものを含む、種々の対照源から選 択することができる。 自然のままの抗ヒトCD6免疫グロブリンまたはそのフラグメントをコードす るDNAセグメントに加えて、対応する親抗CD6免疫グロブリンと比べて実質 的に同じようなまたは結合を高めた特異性および同様なブロック活性を有する変 性免疫グロブリンまたは抗体フラグメントを、当業者に公知の種々の組換えDN A技法、たとえば部位一方向性(site−directed)の変異誘発を用いて、容易に設 計および製造することができる。かかる抗体フラグメントを含む変性免疫グロブ リンは、好ましくは、対応する自然のままの抗ヒトCD6免疫グロブリンまたは 抗体フラグメントと実質的に同じ抗原結合特異性および/またはエフェクター機 能を保持するだろうし、かつ対応する自然のままの免疫グロブリンまたは抗体フ ラグメントと比較して、高い結合親和力を示しうる。さらに、変性免疫グロブリ ンおよび抗体フラグメントをコードするポリヌクレオチド配列は、厳しい条件下 でこれらの配列に対してハイブリダイゼーションを可能ならしめるように、元の ハイブリドーマ・ゲノムまたはcDNA配列と実質的に同一であることが好まし い。 本発明の自然のままおよび変性した免疫グロブリンおよび抗体フラグメントの 発現に好適な組換えポリヌクレオチド構造体としては、典型的に発現対照配列が 包含され、たとえば所望のコード配列の1つ以上に操作可能に連結した、自然会 合のまたは異種のプロモータ(promoter)領域が挙げられる。好ましくは、発現対 照配列は、真核生物の宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションしうるベ クターにおける真核生物のプロモータ系である。いったんベクターを適当な宿主 細胞に入れると、該宿主細胞を、コード配列の発現のため、およびその後の、自 然のままあるいは変性した抗ヒトCD6免疫グロブリンまたは抗体フラグメント の収集および精製のために、適当な条件下に維持する。 本発明での使用に好適な発現ベクターは一般に、宿主細胞において、エピソー ムとしてあるいは宿主染色体DNAの不可欠部分としてのいずれかで複製するこ とができる。普通、発現ベクターは選択マーカ(marker)、たとえばアンピシリン 耐性またはヒグロマイシン耐性を含有して、所定のDNA配列で形質転換した細 胞の検出を可能にする。 一般に、自然のままあるいは変性した抗ヒトCD6免疫グロブリンまたは抗体 フラグメントをコードするDNA配列をクローニングするのに、原核生物を使用 することができる。E.coliは原核生物宿主の代表の1つであり、特に本発明のD NA配列をクローニングするのに有用である。他の宿主、たとえば酵母もまた、 クローニングや発現の目的に有用である。Saccharomycesは、発現対照配列を有 する適当なベクター、複製の起点、所望の末端配列を持つ、好ましい酵母宿主で ある。典型的なプロモータとしては、3−ホスホグリセレートキナーゼおよび他 の解糖酵素が挙げられる。その他の中で、誘発性酵母プロモータとしては、アル コール・デヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、およびマルトースおよびガ ラクトース利用の原因をなす酵素からのプロモータが挙げられる。 哺乳類の細胞は、免疫グロブリンまたはそのフラグメントをコードするヌクレ オチド・セグメントを発現する宿主細胞として、特に好ましい[たとえば、Winn ackerの「From Genes to Clones」(VCHパブリッシャーズ、NY、1987 年)参照]。完全状態の異種タンパク質を分泌しうる幾つかの適当な宿主細胞系 が開発されており、たとえばCHO細胞系、各種COS細胞系、HeLa細胞系 、L細胞系および骨髄腫細胞系が挙げられる。かかる細胞はヒト以外が好ましい 。これらの細胞の発現ベクターは、発現対照配列、たとえば複製の起点、プロモ ータ、エンハンサー[たとえばQueenらの「Immunol.Rev.」(89:49、19 86年)参照]、および必要なプロセス情報部位、たとえばリボソーム結合部位 、RNAスプライシング部位、ポリアデニル化部位、および転写ターミネーター (terminator)配列を包含しうる。好ましい発現対照配列は、内因性遺伝子、 サイトメガロウィルス、SV40、アデノウィルス、ウシの乳頭腫ウィルス属等 由来のプロモータである[たとえば、Coらの「J.Immunol.」(148:114 9、1992年)参照]。 興味のあるDNAセグメントをコードする免疫グロブリンを含有するベクター を、宿主細胞の種類に応じ、周知の方法によって宿主細胞に移すことができる。 たとえば、原核生物細胞の場合、一般に塩化カルシウムのトランスフェクション を利用し、一方、他の細胞宿主の場合では、リン酸カルシウム処理、エレクトロ ポレーション(electroporation)、リポフェクション(lipofection)、ビオリスチ ックス(biolistics)またはウィルスに基づくトランスフェクションを使用しうる 。哺乳類細胞を形質転換するのに用いる他の方法としては、ポリブレン(polybre ne)、プロトプラスト融合、リポソーム、エレクトロポレーション、およびミク ロ注入(microinjection)の使用が含まれる[たとえば上記Sambrookらの文献参照 ]。 いったん発現すると、本発明の抗ヒトCD6免疫グロブリンおよび抗体フラグ メントを、当該分野の標準方法に従って精製することができ、これらの方法とし て、HPLC精製、画分カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動等が含まれる [たとえば、Scopesの「Protein Purification」(スプリンガー-ベルラグ、N Y、1982年)参照]。 本明細書に記載の自然のままの抗ヒトCD6免疫グロブリンおよび抗体フラグ メントの多くは、結合特異性またはALCAMブロック機能のロスを伴なわずに (たとえば、CD6結合親和力の約107-1以下への減少もなく)、変異およ び一定の両領域において、重大でないアミノ酸置換、付加、削除および他の変性 を受けることができる。通常、かかる変性を組み入れる免疫グロブリンおよび抗 体フラグメントは、それらが誘導される自然のままの免疫グロブリンまたは抗体 フラグメントに対し、実質的なアミノ酸配列の同一性を示す。好ましくは、本発 明の自然のままの抗体から誘導される抗体の成熟した軽鎖(たとえば、グループ 1(5D4);グループ2(10A5);グループ3(16A3);グループ4 (7H6);グループ5(15B12);グループ6(7C7、13C3);グ ループ7(5E8、8A7);またはグループ8(10D1、12A5))は、 対応する自然のままの抗体の成熟した軽鎖のアミノ酸配列に対し、実質的なアミ ノ酸配列の同一性を示す。同様に、本発明の変性した抗CD6免疫グロブリンの 成熟した重鎖も、典型的に、対応する自然のままの抗体の成熟重鎖の配列に対し 、実質的な配列の同一性を示す。ポリペプチドに適用される、語句“実質的な配 列の同一性”とは、2つのポリペプチド配列が、最適に配列しているとき、たと えばデフォールト・ギャップ(default gap)重量を用いるBLAZE(情報遺伝 学)GAPまたはBESTFITプログラムによって、少なくとも70〜85% 配列の同一性、好ましくは少なくとも90%配列の同一性、より好ましくは少な くとも95%配列の同一性もしくはそれ以上(たとえば99%配列の同一性)を 共有することを意味する。好ましくは、同一でない残基位置は、保存的な(conse rvative)なアミノ酸置換によって異なる。 保存的アミノ酸置換とは、類似の側鎖を有する残基の互換性を指称する。たと えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸のグループは、グリシン、アラニン、バリン 、ロイシンおよびイソロイシン;脂肪族−ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の グループは、セリンおよびトレオニン;アミド含有側鎖を有するアミノ酸のグル ープは、アスパラギンおよびグルタミン;芳香族側鎖を有するアミノ酸のグルー プは、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン;塩基性側鎖を有する アミノ酸のグループは、リシン、アルギニンおよびヒスチジン;および硫黄含有 側鎖を有するアミノ酸のグループは、システインおよびメチオニンである。好ま しい保存的なアミノ酸置換基は、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルア ラニン−チロシン、リシン−アルギニン、アラニン−バリン、およびアスパラギ ン−グルタミンである。 時には、本発明の変性した抗CD6免疫グロブリンとして、それが誘導される 自然のままの抗CD6免疫グロブリンと比較して高い親和力を有するものを選択 することができる。より一般的には、変性した抗CD6免疫グロブリンの親和力 は、対応する自然のままの免疫グロブリンと比べ、20〜50倍大きいもしくは 小さい範囲内、または実質的に同じ(すなわち、2〜5倍の大もしくは小の範囲 内)であって、かかる親和力の差はたとえば、関連CD6ドメイン(たとえばC D6D2、CD6D3および/またはCD6Sを含む、精製CD6または精製C D6−Rg融合タンパク)を含有する標的種に対する、変性および自然のままの 免疫グロブリンの比較結合によって判定される。ファージ−ディスプレー技法は 、当該分野で周知の幾つかの強力な技法の1つを与え、これらの強力な技法は上 記免疫グロブリンの選択に有用である[たとえばDowerらのWO91/1727 1;McCaffertyらのWO92/01047;およびHuseのWO92/06204 参照]。 また本発明の変性抗CD6免疫グロブリンをコードするポリヌクレオチドは、 自然のままの抗CD6抗体または抗体フラグメントをコードするポリヌクレオチ ド“対照配列”との所定の配列関係に基づいて選択される。本明細書で用いる、 ポリヌクレオチド“対照配列”は、配列比較の基準として用いる規定配列であり ;対照配列は、たとえば自然のままの抗CD6mAbまたは抗体フラグメントを コードする全長のcDNAまたは遺伝子配列のセグメントとして、より大きな配 列の部分集合であってもよい。一般に、対照配列は少なくとも20ヌクレオチド の長さ、頻繁には少なくとも25ヌクレオチドの長さであり、そして少なくとも 50ヌクレオチドの長さも少なくない。2つのポリヌクレオチドはそれぞれ、( 1)2つのポリヌクレオチド間で類似する配列(すなわち、完全なポリヌクレオ チド配列の一部)を包含し、および(2)さらに2つのポリヌクレオチド間で異 なる配列をも包含してもよいので、2つ(もしくはそれ以上)のポリヌクレオチ ド問の配列比較は、一般に、“比較窓(comparison window)”から2つのポリヌ クレオチドの配列を比較して、配列の類似点の局部領域を同定および比較するこ とにより、行なわれる。本明細書で用いる“比較窓”とは、少なくとも20の隣 接するヌクレオチド位置の概念的セグメントを指称し、ここで、ポリヌクレオチ ド配列を少なくとも20の隣接ヌクレオチドの対照配列と比較することができ、 また比較窓のポリヌクレオチド配列の一部は、2つの配列の最適整列のため、対 照配列(付加または削除を包含せず)と比較して、20%もしくはそれ以下の付 加または削除(すなわち、ギャップ)を包含してもよい。比較窓を整合する配列 の最適整列は、Smith & Watermanの「Adv.Appl.Math.」(2:482、1 981年)の局所相同アルゴリズムにより、Needleman & Wunschの「J.Mol. Biol.」(48:443、1970年)の相同整合アルゴリズム により、Pearson & Lipmanの「Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)」(85 :2444、1988年)の類似点法の探索により、これらのアルゴリズムのコ ンピュータ処理手段(ウイスコンシン・ジェネティックス・ソフトウェア・パッ ケージ・レリース7.0、ジェネティックス・コンピュータ・グループ、WI州 マジソン、サイエンス・ドライブ575のGAP、BESTFIT、FASTA およびTFASTA)により、または点検によって行うことができ、そして種々 の方法で生じる最良の整列(すなわち、比較窓から最高割合の配列類似点をもた らす)を選択する。語句“配列の同一性”とは、2つのポリヌクレオチド配列が 比較窓から同一である(すなわち、ヌクレオチド/ヌクレオチドを基準に)こと を意味する。語句“配列同一性の割合”は、以下の手順で算出される。すなわち 、2つの最適に整列した配列を比較窓から比較し、両配列において同一の核酸塩 基(たとえば、A、T、C、G、UまたはI)が存在する位置の数を測定して調 和した位置の数を得、該調和位置の数を比較窓の位置の総数(すなわち、窓寸法 )で割り、次いでその商に100を掛けることにより、配列同一性の割合が得ら れる。 本発明の目的のため、変性抗CD6免疫グロブリンをコードする変異体ポリヌ クレオチドは、自然のままの抗CD6抗体または抗体フラグメントをコードする ポリヌクレオチド対照配列に対し、実質的な配列同一性を提示する。本明細書で 使用されかつポリヌクレオチドに適用される、“実質的同一性”とは、変性抗C D6免疫グロブリンをコードする変異体ポリヌクレオチドが、少なくとも20ヌ クレオチド位置の比較窓から、頻繁には少なくとも20−50ヌクレオチドの比 較窓から、対照配列(たとえばグループ1(5D4);グループ2(10A5) ;グループ3(16A3);グループ4(7H6);グループ5(15B12) ;グループ6(7C7、13C3);グループ7(5E8、8A7);またはグ ループ8(10D1、12A5)をコードするゲノムまたはcDNAポリヌクレ オチド)と比較して、少なくとも85%の配列同一性、より通常は少なくとも9 9%の配列同一性を提示することを意味し、ここで、配列同一性の割合は、比較 窓から対照配列の20%以下の総計になる削除または付加を含有しうる変異体ポ リヌクレオチド配列に対し、対照配列を比較することにより、算出される。 A)人間向きにした抗体 診断および治療目的のため、一般に、患者(たとえば人間患者)と同系の、あ るいは同系の一定領域を含有する抗CD6抗体または抗体フラグメントを使用す ることが好ましい。この理由から、ヒトの処置には、遺伝学的に設計した抗体が 一般に使用される。組換えヒト抗体または人間向きにした非ヒト(すなわち、キ メラ)抗体の産生方法は、たとえばCabillyらのU.S.特許No.4816567 ;RobinsonらのWO87/02671;およびNeumaierのWO90/00616 に開示されている。要するに、ヒトの一定領域遺伝子は、適当なヒトまたは非ヒ トの変異領域遺伝子と接合する。たとえば、ネズミの親モノクローナル抗体の抗 原結合部位(CDRs、または相補性決定領域)を示すアミノ酸配列が、ヒト変 異領域のフレームワーク(framework)配列に対しDNAレベルでグラフトして いる。このプロセスは、“人間向き化”として公知である。この技法の方法は当 該分野で公知であり、かつたとえばJonesらの「Nature」(326:522−5 25、1986年);Riechmannらの「Nature」(322:323−327、1 988年);およびQueenらの「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」(86:10 029−10033、1989年)に開示されている。 このようにキメラ化した、ポリヌクレオチドをコードする免疫グロブリンは、 通常の操作に従って人間向き免疫グロブリンを発現するように培養した宿主細胞 にトランスフェクションする。別法として、モノクローナル抗体産生細胞を、ク ローン化ヒト一定領域遺伝子、および相同性組換えで生じるキメラ抗体遺伝子と 共にトランスフェクションしてもよい。このように、構造の重要部分がヒトであ るモノクローナル抗体を組立てることは可能であり、これにより、ヒト患者への 多重投与により好適である抗体を付与する。別法として、たとえばリンカー(li nker)・ポリペプチドを介して、変異重鎖配列に変異軽鎖配列が接合して一般的 になる組換えポリペプチドの発現によって、単鎖抗体を発生させてもよい。単鎖 抗体を産生する方法は、当該分野で公知であり、かつたとえば、Davisらの「Bio Technology」(9:165−169、1991年)に開示されている。 本発明の人間向き抗体を産生する好ましい方法は、ヒト変異ドメイン・フレー ムワークへのマウスCDRsの置換を必要とする。この技法は、ヒト変異ドメイ ン・フレームワークが、CDRsが由来するマウスの変異フレームワークに対し て、同一もしくは類似の立体配座をとる場合に、得られる免疫グロブリンの正し い空間配向の保持をもたらすのに最もありそうである。これは以下の手順によっ て達成される。すなわち、CDRsが誘導されるネズミのフレームワーク・ドメ インとの高度な配列同一性を、そのフレームワーク配列が示すヒト抗体から、ヒ ト変異ドメインを得ることによる。重鎖および軽鎖の変異フレームワーク領域は 、同じまたは異なるヒト抗体配列から誘導することができる。ヒト抗体配列は、 天然産出ヒト抗体の配列、あるは幾つかのヒト抗体の合意(consensus)配列で あってもよい[たとえばKettleboroughらの「Protein Engineering」(4:7 73、1991年);およびKolbingerらの「Protein Engineering」(6:9 71、1993年)参照]。 好適なヒト抗体配列の同定は、公知のヒト抗体の対応する配列と、たとえばマ ウスの変異領域のアミノ酸配列とのコンピュータ比較によって容易に行なうこと ができる。かかる比較は、当該分野で周知であり、かつたとえば、不自然な立体 配座拘束および結合親和力の付随するロスをもたらしうる、ヒト変異フレームワ ーク領域を持つ非ヒトCDR領域の不自然な近位を避けるために用いられる。免 疫グロブリン分子の三次元イメージをもたらすコンピュータ・ハードウェアおよ びソフトウェアが広く利用できる。一般に、分子モデルは、免疫グロブリン鎖ま たはそのドメインの解明構造体から出発してつくられる。モデルとすべき鎖を、 解明した三次元構造の鎖またはドメインとの、アミノ酸配列を比較し、そして最 大の配列類似性を示す鎖またはドメインを、分子モデルの構成の出発ポイントと して選択する。モデルにされる免疫グロブリン鎖またはドメインの実際のアミノ 酸と、出発構造体のそれの相違を考慮に入れて、解明出発構造体を変性する。次 いで変性構造体を、複合免疫グロブリンに組立てる。最後に、エネルギーの最小 限度により、および全ての原子が互いに適切な距離内にあることおよび結合長さ と角度が化学的に許容しうる限度内にあることを確認することによって、モデル を精製する。さらに以下で述べるアミノ酸置換を導入するとき、構造体を示す追 加のモデルを構成することができる。 上述の如く、本発明の人間向きの抗体は、ヒト免疫グロブリンからの変異フレ ームワーク領域とマウス免疫グロブリンからの相補性決定領域を包含する。選択 した抗CD6免疫グロブリン、および適当なヒト受容体免疫グロブリンの相補性 決定領域を同定すれば、次工程は、もしいくらかあれば、これらの成分からのい ずれの残基をも置換して、得られる人間向き抗体の特性を最適化すべきかを判定 することである。一般に、ネズミによるヒトアミノ酸残基の置換は最小限度にす べきであるが、それは、ネズミ残基の導入がヒトのHAMA応答を引き出す抗体 の危険を増大するからである。置換用のアミノ酸は、CDR立体配座および/ま たは抗原への結合に関するそれらの可能な影響に基づき選択される。かかる可能 な影響の調査は、モデリング(modelling)、特定位置のアミノ酸の特性の検査 、または特定アミノ酸の置換または変異誘発の効果の観察所見による。 抗ヒトCD6免疫グロブリン変異フレームワーク領域と対応ヒト変異フレーム ワーク領域間のアミノ酸が異なる場合、アミノ酸が (1)抗原に直接、非共有結合し、 (2)CDR領域に隣接し、上記Chothiaらが提案した別定義下のCDR領域 の一部であり、あるいは逆に、CDR領域と相互作用し(たとえばCDR領域 の約3Å内にあり)、および/または (3)VL−VH界面に加わる ことが道理にかなって予期されるとき、ヒトフレームワーク・アミノ酸を一般に 、対応マウスアミノ酸で置換すべきである。 他の置換用候補(candidates)は、該位置のヒト免疫グロブリンに対し異型の 受容体ヒトフレームワーク・アミノ酸である。これらのアミノ酸は、より代表的 なヒト免疫グロブリンの対応位置からアミノ酸で置換することができる。別法と して、マウス免疫グロブリンの対応位置からのアミノ酸を、ヒトフレームワーク 領域に導入することができ、このとき、かかるアミノ酸は対応位置のヒト免疫グ ロブリンを代表する。 一般に、上記判定基準を満たすアミノ酸の全てもしくはほとんどの置換が望ま しい。しかしながら、ときどき、個々のアミノ酸が上記判定基準に適合するかど うかについて、ある程度のあいまいさがあり、この場合、別の変異体免疫グロブ リンを産生し、所望の結合特異性を試験(その一方は該個々の置換を有し、他方 は有さない)されてよい。 人間向き抗体のCDR領域は通常、対応する自然のままのネズミ抗ヒトCD6 抗体の対応CDR領域と実質的に同じ、より普通には同一である。しかしながら 、時として、CDR領域において1つ以上の残基を置換することが望まれる。た とえば、実例の結合基(たとえばmAb5D4で例示されるグループ1;mAb 10D5で例示されるグループ2;mAb16A3で例示されるグループ3;m Ab7H6で例示されるグループ4;mAb15B12で例示されるグループ5 ;mAbs7C7および13C3で例示されるグループ6:mAbs5E8およ び8A7で例示されるグループ7;およびmAbs10D1および12A5で例 示されるグループ8)の中の2つのmAbsのCDR領域内の対応位置で異なる 残基は、特に保存的置換が必要なとき、結合親和力のロスがほとんどもしくは全 くない他のものに代えて1つを置換されてよい。別法として、非常に高い結合親 和力を示すおよび/またはALCAM結合を非常に有効に抑制するmAbsから のCDR残基を、置換した抗体により高い親和力結合を付与する潜在的結果を伴 なって、他の抗ヒトCD6抗体のCDR領域内で置換されてもよい。通常は望ま しくないが、時折、得られる人間向き免疫グロブリンの結合親和力にかなりの影 響を及ぼすことなく、CDR残基の1つ以上の保存的アミノ酸置換を行なうこと は可能である。 上述の特異的なアミノ酸置換のため以外では、人間向き免疫グロブリンのフレ ームワーク領域は通常、それらが誘導されるヒト抗体のフレームワーク領域と実 質的に同じ、より普通には同一である。勿論、フレームワーク領域のアミノ酸の 多くは、抗体の特異性または親和力に対しほとんどもしくは全く直接的には寄与 しない。このように、フレームワーク残基の個々の保存的置換の多くを、得られ る人間向き免疫グロブリンの特異性または親和力のかなりの変化を伴なわずに、 容認することができる。しかしながら、一般に、このような置換は望ましくない 。 人間向き免疫グロブリンのCDRおよびフレームワーク成分を概念的に選択す れば、かかる免疫グロブリンを産生する種々の方法が利用できる。コードの退化 のため、種々の核酸配列が各免疫グロブリン・アミノ酸配列をコードするだろう 。所望の核酸配列は、新たな固相DNA合成により、または所望のポリヌクレオ チ ドの初期調製変異体のPCR変異誘発により産生することができる。オリゴヌク レオチド−仲介変異誘発は、本発明の免疫グロブリンをコードするポリヌクレオ チドの置換、削除(欠失)および挿入変異体を調製する好ましい方法である[た とえば、Adelmanらの「DNA」(2:183、1983年)参照]。要するに 、ポリヌクレオチドをコードする標的免疫グロブリンは、所望の変異をコードす るオリゴヌクレオチドをハイブリダイズすることによって、単一ストランドDN Aテンプレートに変えられる。ハイブリダイゼーション後、DNAポリメラーゼ を用いて、オリゴヌクレオチド・プライマーを取り入れ、そしてポリヌクレオチ ドをコードする標的免疫グロブリンにおいて選択変性(selected alteration) をコードする、テンプレートの完全な第二相補性ストランドを合成する。 上述の如く産生した人間向き抗体の変異セグメントは典型例として、免疫グロ ブリン一定領域(Fc)、たとえばヒト免疫グロブリンの少なくとも一部に連結 する。ヒト一定領域DNA配列は、種々のヒト細胞から、しかし好ましくは、不 滅のB細胞から周知の操作に従って単離することができる[たとえば、上記Kaba tらの文献;およびWO87/02671参照]。通常、抗体は軽鎖および重鎖 両方の一定領域を含有する。重鎖一定領域は通常、CH1、ヒンジ(hinge)、 CH2、CH3およびCH4領域を包含する。 B)二官能性抗体および抗体パネル(panels) またモノクローナル抗体を用い、周知の方法に従って、各免疫グロブリン分子 に2つの独立した抗原結合部分が存在する二官能性抗体を発生させることができ る。加えて、また単鎖抗体からも二特異的抗体を構成することができる。この技 法も、たとえばA.Georgeの「The Second Annual IBC International Conference on Antibody Engineering」(12月、16−18、1991年 、サンディエゴ、CA)に記載の如く、当該分野で公知である。 また本発明で使用する抗ヒトCD6抗体および抗体フラグメントは、望ましい ようにコンバインして、CD6に結合するALCAMを抑制しうる抗体または抗 体フラグメントのパネルを形成することもできる。本明細書で用いる語句“パネ ル”とは、異なるドメインまたはエピトープ特異性を有する2つ以上の抗体また は抗体フラグメントの組合せを意味する(たとえば、結合してCD6ドメインを 分離し、あるいは単一CD6ドメイン内でエピトープを分離する)。 II)抗ヒトCD6免疫グロブリンおよび抗体フラグメントの診断および治療用 途 A)診断 本発明の抗ヒトCD6抗体、抗体フラグメントおよび他の結合作用物質は、治 療または診断上興味のある化合物および標識成分の輸送用の、標的またはイメー ジ作用物質として使用しうる。他の多くの遺伝子のように、免疫グロブリン遺伝 子は、分離した官能性領域を含有し、それぞれは1つ以上の明瞭な生物学的活性 を有する。従って、本発明の免疫グロブリン遺伝子は、周知の方法に従って、他 の遺伝子からの官能性領域に融合して、新しい特性または特性組合せを有する融 合タンパク(たとえばイムノトキシン)を産生することができる。かかる化合物 としては、これらに限定されるものではないが、トキシン類、細胞増殖抑制性化 合物、またはその潜在的機能が内因性プロ酵素を活性化し、もしくは外因性源か ら加わるプロ酵素を活性化し、もしくはプロドラッグの酵素開裂部位を活性化し うるプロ酵素が挙げられる。さらに、抗ヒトCD6レセプタ抗体および抗体フラ グメントは、たとえば該抗体を放射性ヌクレオチド、染料、蛍光化合物等で標識 付けることにより、イメージ作用物質として使用することができる。この用途の 具体例としては、炎症部位のイメージングが挙げられ、この場合、CD6発現を 検出しおよび/またはCD6が仲介する炎症または自己免疫応答の性質や程度の 診断もしくは治療上のインジケーター(指示薬)として定量化しうる。 本明細書に開示の本発明の抗体、その結合フラグメントおよび他の結合作用物 質は特に、診断目的のためCD6およびCD6+細胞の存在および/または活性 を検出するのに有用である。患者からの診断サンプル(たとえば血液サンプル、 または炎症もしくは自己免疫活性の疑いのある部位から採取した組織生検材料) におけるCD6+細胞の存在は、異常な炎症もしくは自己免疫応答を診断し、か つ以下に述べる治療法の開始の必要のシグナルを送ることができる。診断は、患 者から診断サンプルを取り出し、該サンプルのCD6+発現または活性を定性的 もしくは定量的に査定することによって、達成することができる。たとえば、炎 症もしくは自己免疫疾患の危険のある患者からの血液サンプルのCD6+細胞の 数を、かかる危険のない正常な患者の対照サンプルのCD6+細胞レベルと(ま たは実際の対照サンプルを使用せず、CD6+細胞の確立した正常レベルと)比 較することができる。同様に、CD6+細胞によるCD6発現(発現のパターン およびレベルの両方を含む)は、たとえば本発明の人間向き抗CD6またはその 結合フラグメントを用い、たとえば固定細胞の免疫組織化学染色法または細胞抽 出物のウェスタン(Western)吸取法により、診断サンプルにおいて評価するこ とができる。これらの方法を行うに際し、抗体または他の結合作用物質を直接的 に標識付けるか、あるいはより典型的として抗体の場合では、たとえば所望の抗 原−モノクローナル抗体複合体に向けられる酵素−共役二次抗体により、二次的 に標識付けされてよい。 また診断は、本発明の抗ヒトCD6抗体、抗体フラグメントおよび他の結合作 用物質のインビボ投与を行った後、たとえばインビボ・イメージングの公知方法 に従ってこれら結合作用物質の検出を行うことによっても達成することができる 。投与される結合作用物質の濃度は、標的CD6ドメインを発現する細胞への該 作用物質の結合が、バックグランド・シグナルと比較して検出できる程度に十分 であるべきである。診断の試液は、たとえばカメラ・イメージング用の放射性同 位元素、または磁気共鳴もしくは電子スピン共鳴イメージング用常磁性同位元素 で標識付けることができる。 細胞サンプルにおけるかかる細胞による、あるいは各人からイメージされ、臨 床上確立された正常レベルの範囲から外れる、CD6+またはCD6発現のレベ ルの変化(典型的には増加)は、サンプルを得た各人の望ましくない炎症または 自己免疫応答反応の存在を示しおよび/またはかかる反応を現わす(またはかか る反応が進行する)各人の疾病素質を示すことができる。別法として、本発明の 結合作用物質を含む診断の試液は、一定の血統および発育起点の細胞を同定し、 分類する分化マーカとして使用することができる。このような細胞−分類の特異 的検出は、たとえば望ましくない炎症または自己免疫応答の組織病理学診断に使 用することができる。 B)治療用組成物および処置方法 また本発明は、患者の炎症および自己免疫反応を調整するため、CD6に結合 するALCAMを調整しおよびその他CD6発現および活性に影響を及ぼす、本 発明の免疫グロブリンおよび他の結合作用物質の能力を有効利用する、治療用組 成物および処置方法を提供する。上述の如く、CD6は初期T細胞発育、活性化 およびシグナル形質導入の重要な調節剤である。CD6の活性および発現は順次 、ALCAMとの結合相互作用によって仲介される。たとえば、TE細胞へのT 細胞癒着の促進におけるCD6の活性は、CD6に結合するALCAMによって 仲介され、およびCD6トランスフェクションCOS細胞の抗ALCAM mA bによる前処理は、このCD6仲介癒着を抑制する[たとえばBowenらの「J.Ex p.Med.」(181:2213−2220、1995年)参照]。従って、CD 6に結合するALCAMを新規メカニズムによって抑制する、本発明の抗ヒトC D6D3および抗ヒトCD6D3−S抗体、抗体フラグメントおよび他の結合作 用物質は、患者のT細胞仲介炎症および自己免疫応答を防止または実質的に減少 させるため、インビボでのTE細胞とのCD6仲介T細胞癒着性相互作用を抑制 するのに使用されるだろう。この文脈(context)での好ましい結合作用物質は 、インビトロ・アッセイの前スクリーニングにより、たとえば上記Bowenらの文 献に記載のCD6+COS細胞トランスフェクタント/TE細胞癒着アッセイを 適応させることによって選択されるだろう。治療用結合作用物質の別の選択は、 候補の治療用結合作用物質の存在および非存在下、T細胞活性化にかかわる、Se rおよびThr残基のCD6ホスホリル化[Swackらの「Mol.Immunol.」(26: 1037−1049、1989年)]および/またはTyr残基のCD6ホスホリ ル化[Weeらの「J.Exp.Med.」(177:219−223、1993年)]を 調整する候補の結合作用物質の活性を分析することによって、型どおりに行なう ことができる。 本発明の組成物および方法を用いる処置を受ける傾向にある、炎症および自己 免疫障害によって生じる疾患および症状としては、多発性硬化症、髄膜炎、脳炎 、発作、他の脳外傷、潰瘍性大腸炎やクローン(Crohn)病を含む炎症性腸疾患 、慢性関節リウマチ、喘息、急性若年発症型糖尿病、AIDS痴呆、アテローム 動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血および急性白血球 − 仲介肺傷害が挙げられる。 さらに本発明の抗体および他の結合作用物質の治療用途に関する他の指摘とし て、器官または移植片の拒絶反応の危険が含まれる。近年にわたり、皮膚、腎臓 、肝臓、心臓、肺、膵臓および骨髄などの組織や器官を移植する外科技法の効率 における改善がかなりに行われている。主な未解決の問題は多分、移植された同 種移植片あるいは器官に対するレシピエント(recipient)の免疫耐性を誘発さ せるのに満足な作用物質の欠如と思われる。同種異系の細胞または器官を宿主に 移植するとき(すなわち、ドナーおよびドニー(donee)は同種からの異なる個 人である)、宿主免疫系は移植片における異質の抗原に対する免疫応答(対宿主 性移植片病)を開始(mount)して、移植された組織の破壊に導くことが起こり うる。 CD6発現または活性を調整する抗体および他の結合作用物質は、就中、ドニ ーの同種抗原−誘発免疫応答をブロックするのに使用することができ、これによ って、移植された組織または器官の破壊を助長しうるCD6仲介メカニズムを防 止または減少させる[たとえばPaulらの「Transplant International」(9: 420−425、1996年);Georczynskiらの「Immunology」(87:57 3−580、1996年);Georcyznskiらの「Transplant Immunol.」(3: 55−61、1995年);Yangらの「Transplantation」(60:71−76 、1995年);Andersonらの「APMIS」(102:23−27、1994 年)参照]。この文脈において、抗CD6mAbsは、腎臓または骨髄の同種移 植片の拒絶反応を経験する患者の免疫抑制剤として作用することが認められる[ Kirkmanらの「Transplantation」(36:600、1983年);およびReinhe rzらの「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」(79:6047、1982年)参 照]。 CD6発現または活性を調整する、本発明の抗体および他の結合作用物質の関 連用途として、“対宿主性移植片”病(GVHD)に必然的に伴なう免疫応答の 調整が含まれる[たとえばSchlegelらの「J.Immunol.」(155:3856− 3865、1995年)参照]。GVHDは、免疫受容能力のある細胞を同種異 系のレシピエントに転移するときに起こる、潜在的に致命的な病気である。 この状況において、ドナーの免疫受容能細胞はレシピエントの組織を攻撃するか もしれない。皮膚、腸上皮および肝臓の組織は、頻繁な標的であり、かつGVH Dの経過中に破壊しうる。この病気は、骨髄移植などで免疫組織を移植している ときに、特に厳しい問題を提示するが、同様に心臓および肝臓移植片を含む、他 のケースにおいて、厳しさの少ないGVHDの報告もなされている。本発明の治 療用作用物質は、就中、ドナーT細胞の活性化をブロックするのに用いられ、こ れにより、宿主の標的細胞を崩壊する能力を干渉する。 本発明の抗体および他の結合作用物質の特に好ましい用途は、多発性硬化症の 処置である。多発性硬化症は、米国において約250000〜350000人に 影響を及ぼす、進行性の神経学的自己免疫病である。多発性硬化症は、一定の白 血球が、神経線維を被覆する絶縁鞘のミエリンを攻撃し、その破壊を起こす、特 異的な自己免疫反応の結果であると考えられる。多発性硬化症の動物モデルにお いて、白血球の内皮への癒着をブロックするモノクローナル抗体は、中枢神経系 の炎症、次いで起こる動物の麻痺を防止することが認められる。加えて、本発明 に関係しないとはいえ、CD6に対してmAbsを用いるインビボ実験によれば 、CD6は多発性硬化症の患者において重要な免疫調整効果を有することが示唆 される[たとえば、Haflerらの「Neurology」(36:777、1986年)参 照]。 多発性硬化症や他の処置適応症にとって、本発明の好ましい結合作用物質は、 上述の人間向きmAbsおよび抗体フラグメントである。これらの結合作用物質 は、既に動物モデルにおいて有効であることが認められているマウス抗体を上回 る幾つかの利点を付与する: 1)ヒト免疫系は、人間向き抗体のフレームワークまたは一定領域を異質と認 めるべきでなく、従って、かかる注入抗体に対する抗体応答は、完全に異質のマ ウス抗体あるいは部分異質のキメラ抗体に対してよりも少なくあるべきである。 2)人間向き抗体のエフェクター部はヒトであるため、それはヒト免疫系の他 の部分とより良好に相互作用しうる。 3)注入されたマウス抗体は、正常なヒト抗体のヒト循環の半減期よりもはる かに短い半減期を有することが報告されている(Shawらの「J.Immunol.」 (138:4534−4538、1987年)]。拒絶された人間向き抗体は、 天然産出ヒト抗体に本質的に等しい半減期を有し、より小さいかつより少ない頻 繁な用量を可能ならしめる。 本発明の結合作用物質は、先に列挙した炎症および自己免疫障害(多発性硬化 症、炎症性腸疾患、喘息、アテローム動脈硬化、慢性関節リウマチ、器官または 移植片の拒絶反応および対宿主性移植病を含む)の予防および/または治療処置 用の医薬組成物に加えることができる。治療適用において、かかる病気の疑いの ある、あるいはかかる病気に既にかかっている患者に対し、該医薬組成物を、か かる病気やその合併症の症状を治癒、あるいは少なくとも部分的に阻止するのに 十分な量で投与する。これを遂行するのに適切な量は、治療上もしくは医薬上有 効な用量として定義される。 予防適用において、特定の病気にかかりやすい、さもなければその危険のある 患者に対し、該医薬組成物を、該病気の危険を削減または開始を遅延させるのに 十分な量で投与する。かかる量は、予防上有効な用量として定義される。多発性 硬化症が緩解した患者において、NMRイメージング(映像)により、あるいは 場合によっては、患者が観察する前症状指示により、危険を査定することができ る。 予防または治療処置に用いる、本発明の結合作用物質を取り入れた医薬組成物 は、種々の形状で提供される。好ましい形状は、意図される投与型式および治療 適用といった型どおりの変化に左右される。該医薬組成物は概して、所望の処方 に応じて、医薬的に許容でき、非毒性の担体あるいは希釈剤を包含し、動物また はヒト投与用の医薬組成物を配合するのに一般に用いられる広範囲の輸送ビヒク ルが含まれる。適当な担体および希釈剤は、当該結合作用物質の生物学的活性( たとえば結合特異性、親和力または安定性)を重大なまでに損なわないように選 択される。かかる希釈剤の具体例は、蒸留水、生理学的食塩水、リンゲル液、ブ ドウ糖溶液およびハンク液である。加えて、該医薬組成物もしくは製剤は、他の 担体、アジュバント、または非毒性、非治療性、非免疫抗原性の安定化剤等を包 含してもよい。 医薬組成物は、予防および/または治療処置に際して、非経口投与、局所投与 、 静脈注射、経口投与、または皮下注射、筋肉内局所投与、たとえばエーロゾルも しくは経皮投与によって投与される。本発明のタンパク様物質は、経口投与後に 消化管の通過で残存しうるが、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、デポット(depo t)注入による腹腔内投与;あるいは移植形成(inplant preparation)による 投与が好ましい。 医薬組成物は、投与法に応じて、種々の単位投与剤形で投与することができる 。たとえば、経口投与の場合に好適な単位投与剤形としては、粉剤、錠剤、丸剤 、カプセル剤およびロゼンジが挙げられる。 上記状況の処置のため、本発明組成物の有効用量は、投与手段、標的部位、患 者の生理学的状態、および他の投与薬物を含む、数多くの異なるファクターに応 じて、変化するだろう。このように、処置投与量は安全性と薬効を最適化するよ う滴定する必要がある。これらの組成物は、獣医学用途およびヒトの臨床用途の 場合、他の治療剤、すなわち生理学的に許容しうる担体と同様に、哺乳類に対し て投与されてよい。一般に、投与量は宿主体重の約0.0001〜100mg/kg 、より一般には0.01〜5mg/kgの範囲である。 好ましい処置レジメにおいて、抗体は体重1kg当り1〜5mg抗体の用量で、静 脈内注入または皮下注射によって投与される。この用量は、2〜8週間の間隔で 繰り返される。この範囲内で、好ましい処置レジメは、体重1kg当り3mg抗体で 、4週間間隔で繰り返す。 本発明の人間向き抗体および他の結合作用物質は、急性および慢性炎症に対し て、有効量の他の治療剤といっしょに使用することができる。かかる他の治療剤 は、癒着分子(インテグリン、セレクチン、および免疫グロブリン(Ig)スーパ ーファミリー・メンバーを含む)の抗体および他の拮抗剤を包含する。本発明の 抗体および他のブロック作用物質と組合せて使用できる他の抗炎症剤としては、 シトキンの他の抗体および非抗体拮抗剤、たとえばインターロイキンIL−1〜 IL−13、腫瘍壊死因子α&β、インターフェロンα,βおよびγ、腫瘍増殖 因子ベータ(TGF−β)、コロニー刺激因子(CSF)および顆粒球・単球コ ロニー刺激因子(GM−CSF)が挙げられる。同様に、ケモキネの抗体および 他の拮抗剤、たとえばMCP−1、MIP−1α、MIP−1β、ランテス (rantes)、エキソタキシン(exotaxin)およびIL−8も、NSAIDS、ス テロイドおよび炎症の他の小分子インヒビターなどの抗炎症薬と同様、本発明の 結合作用物質と組合せて使用しうる。 C)付加的用途 また本発明の抗体および他の結合作用物質は、CD6の親和性精製にも有用で ある。たとえば、抗体を固形支持体に固定し、該支持体にCD6を含有する分散 タンパク質の溶液を通して、溶液中の他のタンパク質からCD6を分離すること ができる。かかる方法で得られる精製したCD6またはそのフラグメントは数多 くの目的に、たとえば他の抗CD6抗体を産生するワクチンあるいはイムノゲン として使用することができる。 また本発明の抗体および抗体フラグメントは、たとえば人間向き抗体による動 物の免疫処置によって、イディオタイプ抗体を産生するのにも有用である。ヒト 抗体への結合がCD6またはそのフラグメントによって抑制される抗イディオタ イプ抗体が選択される。抗イディオタイプ抗体およびCD6またはCD6フラグ メントは共に人間向き免疫グロブリンに結合するので、抗イディオタイプ抗体は エピトープの“内部イメージ”を表わし、従って、CD6のリガンドを置換しう る。 T細胞活性化の実験および調整の手段としての用途以外に、抗CD6抗体およ び抗体フラグメントは、臨床環境において、たとえば細胞を分離する免疫−親和 性カラムを用いる移植の前に、ドナー物質(たとえば骨髄)からCD6+細胞を パージする(purge)親和性精製剤として使用しうる。本発明に関係しない抗C D6mAbを用いてT細胞から骨髄がパージされた患者は、急性および慢性GV H病両方の発生率のかなりの減少を示し、かつ移植後の免疫抑制剤による予防処 置の必要がない[Soifferらの「J.Clin.Oncol.」(10:1191、199 2年)参照]。 以下に示す実施例は、例示のものであって、限定されるものではない。 実施例I 公知の抗ヒトCD6モノクローナル抗体のドメイン特異性: 公知の抗ヒトCD6抗体のCD6ドメイン特異性をELISAアッセイで判定 し、ELISAアッセイにおいて、ヒトIgG1のヒンジ、CH2およびCH3 ドメインに融合する1つ以上のCD6ドメイン(D1、D2、D3およびストー ク)を含む切断(truncated)融合タンパク(Rg融合タンパク)のパネルに対する 抗体の結合を検出し、定量する。ここで用いる各Rg融合タンパクの産生および 精製(使用する各種CD6−Rg融合タンパクに取り入れたCD6 SRCRド メインは図1に示される)は、Bowenらの「J.Biol.Chem.」(271:17390 −17396、1996年)の開示に準じて行った。 要するに、ヒトCD6の個々のもしくはグループのドメインをコードする相補 性DNAフラグメントは、たとえばAruffoらの「Cell」(61:1303−13 13、1990年)、およびKuenerらの「J.Immunol.」(155:4917−49 35、1995年)に記載の、トロンビンーヒトIgG1カセット(Rg融合タ ンパク)あるいはトロンビン−マウスIgG2aカセットで融合を仲介する、適 当な制限部位を有するオリゴヌクレオチドを用い、ポリメラーゼ鎖反応方法によ って産生する。 以下に示すCD6融合タンパク(これらも、CD5アミノーターミナル分泌配 列を使用)は、出版配列(published sequences)[Aruffoらの「J.Exp.Med.」(1 74:949−952、1991年)]に従って、以下のアミノ酸:CD6 R g/mIgG2a,Asp25−Arg397;CD6D1−2Rg,Asp25−A la271;CD6D2−S Rg,Glu158−Arg397;CD6D2 Rg、 Glu168−Ala271,CD6D3−S Rg,Ser280−Arg397を含有し 、CD6D1−3 Rgを前記Weeらの「Cell Immunol.」(158:353−3 64、1994年)の記載に準じて構成し、またMet1−Ser361を含有する 。CD5 Rgの産生は、Aruffoらの「Cell」(61:1303−1313、1 990年)の記載に準じる。 全てのCD6−Rgタンパクは、COS細胞の一時的トランスフェクションに より産生し、タンパク質A−セルファロース(Serpharose)クロマトグラフィーに より精製する。マウスIgGタンパク質標準液に対して、ブラッドフォード(Bra dford)の色素結合法(CA州ハーキュルズのBio-Rad)を用いて、タンパク質濃 度を測定する。融合タンパクを分析するため、一時的トランスフェクション COS細胞を35Sトランスラベル(translabel)(IL州エーリントン・ハイツの Amersham Corp.)でパルスし、精製したタンパク質をSDS−ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動で分析する。 化学量論の結合測定用のCD6−Rg融合タンパクからIg末尾(tail)を除去 するため、トロンビン(MO州セントルイスのSigma)を用い、タンパク質/ト ロンビン比50:1(w/w)にて室温でタンパク質を1時間消化する。次いで タンパク質A−Sepharoseを用い、Ig末尾を親和性クロマトグラフィーで除去 し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析する。 抗体のCD6ドメイン特異性を判定するELISAアッセイを行なうため、イ ムロン(Immulon)IIEIA平板(VA州アレキサンドリアのDynatech Laboratorie s Inc.)を、0.05M炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6 )中の各融合タンパクの200ng/ml溶液の75μl/ウェル(well)で被覆 し、4℃で一夜培養する。後の工程は全て、室温で行なう。被覆剤を除去し、平 板を、0.05%のツィーン(Tween)20含有のPBS(PBS−ツィーン)で 2回洗い、ウェルをブロック剤で2時間ブロックする[脱イオン水中1:10に 希釈した、検体希釈液(WA州レッドモンドのGenetic Systems Corp.)]。ブロッ ク剤を除去し、ウェルをPBS−ツィーンで2回洗う。 抗CD6抗体を検体希釈液中5μg/mlに希釈し、各融合タンパクについて 正副の平板とし(50μl/ウェル)、平板を1時間培養する。未結合の抗体を 吸引し、平板を300μl/ウェルのPBS−ツィーンで4回洗った後、検体希 釈液に希釈した、ワサビダイコン・パーオキシダーゼ(HRP)共役ヤギ抗マウ スIgG(AL州バーミンガムのSouthern Biotech)の75μl/ウェルを全て のウェルに1時問にわたって加える。未結合のHRP試液を除去し、平板をPB S−ツィーンで5回洗う。30%H22溶液0.015%含有の0.1Mシトレ ート緩衝液(pH5.5)中に1:100希釈した、100μl/ウェルのテト ラメチルベンジジン(WA州レッドモンドのGenetic Systems Corp.)を加えて、 結合HRP標識付け試液を検出する。平板を15分間培養し、50μl/ウェル の1N硫酸を加え、反応を止める。Bio−TekインストルメントEL312 ミクロプレート・リーダーにて、450/630nmで光学濃度を測定する。 これらのELISAアッセイにおいて、関係しないが同様に構成される、ヒト IgG1(CD40−Rg)に融合したヒトCD40の細胞外領域からなる融合 タンパクの混入によって、抗CD6抗体の非特異的結合を照査する(controlled for)。 これらアッセイの結果を、下記表1に要約する。例外なく、全ての抗体は、C D6の第1ドメイン含有の3つの融合タンパクと反応するが、第2、第3および ストークのドメインの種々の組合せ含有の残りの融合タンパクとは反応しない。 このパターンの反応性によれば、実験した全ての抗体がCD6の第1ドメインに ついて特異性を有することが示される。 実施例II 公知抗ヒトCD6モノクローナル抗体のCD6/ALCAM結合相互作用に対 するブロック活性のテスト: 上記CD6ドメイン特異性を検定し、かつCD6の第1ドメインに結合するこ とが認められる公知抗体のそれぞれについてさらに、CD6/ALCAM相互作 用を抑制する能力の基準として、CD6を発現する細胞へのALCAM Rg融 合タンパクの結合を抑制する能力を評価する。正副の丸底96ウェル平板(NY 州イサカのCorning)に2×105/ウェルのHPB−ALL細胞(CD6+ヒト T細胞白血病系)を加え、平板を4℃にて250xgで5分間遠心分離する。培 地を取出し、抗CD6mAbsを10%(v/v)FCS(10%FCS−Isco ve's)含有のIMDM中20μg/mlに希釈し、これを両平板のウェルに50 μl/ウェルで加える。ヒトCD6−mIg(免疫区分参照)で免疫化したマウ スからの血清の1:100希釈溶液が正対照として使用でき、一方、負対照とし て正常なマウス血清、抗ヒトCD4(メーン州ウェストブロードのImmunotech) および抗ヒトCD71(Immunotech)を含める。氷にて30分の培養後、全てのウ ェルに2%FCS−Iscove'sを150μl/ウェルで加え、平板を4℃にて25 0xgで5分間遠心分離する。抗体を除去した後、1平板のウェルは藻紅素(P E)共役ヤギ抗ネズミIgG(Southern Biotechnology)の1:200希釈溶液 (2%FCS−Iscove's中)50μlを受容し、一方、第2平板のウェルは可溶 性ALCAM−Ig融合タンパク[ALCAM VVCC Rg;Bowenらの「J .Biol.Chem.」(1996年)]の1μg/ml溶液50μlを受容する。各平 板を氷にて30分間培養した後、全てのウェルに冷2%FCS−Iscove'sを15 0μl/ウェルで加え、再度、平板を4℃にて250xgで5分間遠心分離する 。第1平板の未結合PE試液を除去し、細胞をさらに冷2%FCS−Iscove'sで 2回洗い、200μl/ウェルの冷2%FCS−Iscove'sに再度懸濁状態で放置 する。第2平板の未結合ALCAM−Ig融合タンパクを除去し、フルオレセイ ン・イソチオシアネート(FITC)共役ロバ抗ヒトIgG(PA州ウェスト・ グローブのJackson Immuno Research Inc.)の1:100希釈溶液50μlを全 てのウェルに加える。氷にてさらに30分の培養後、ウェルを冷 2%FCS−Iscove'sで3回洗い、200μl/ウェルの冷2%FCS−Iscove 'sに再度懸濁状態で放置する。その後、両平板からの細胞について、FACS缶 (CA州マウンテン・ビュウのBecton Dickinson)にて流れ血球計算法により、 特異的mAb結合(PEシグナル−第1平板)および細胞とのALCAM−Ig 相互作用のmAb仲介ブロッキング(FITCシグナル−第2平板)を分析する 。 この分析の結果を、下記表2に示す。ドメイン・マッピング(mapping)実験に 弱い、かつ時間によって活性を失ったと思われるmAb MBG6を除いて、通 用しているアッセイを行い、抗CD6抗体および免疫マウス血清の全ては、HP B−ALL細胞を全く十分に染色した。しかしながら、免疫マウス血清のみが、 ALCAM融合タンパクのこれらの細胞への結合をブロックすることができた。 表2中、 *)(一次抗体結合の平均蛍光強度)−(二次抗体のみの平均蛍光強度) **)マイナスの抑制率は、一次抗体なしの場合(培地のみ)に見られるものと 比較して、高いALCAM Rg結合を表わす。 実施例III 抗ヒトCD6 mAbsの産生と選択: A.免疫法 6−8週齢の雌BALB/cマウス(NY州ジャーマンタウンのTaconic)を 、ネズミIgG2a抗体(hCD6−mIg)のヒンジ、CH2およびCH3ド メインに融合するヒトCD6の細胞外の3つのSRCRドメインとショート膜近 位ストーク・ドメインからなる、精製した組換えヒトCD6−Rg融合タンパク で免疫化する(上記Bowenらの「J.Biol.Chem.」]。タンパク質25μgのRibi アジュバント中エマルジョン(トータル100μl)[R−730;MT州ハミ ルトンのRibi ImmunoChem Reseach Inc.]を用いて、腹腔内に一次免疫化を行な う。19日目に同様な免疫化(但し、タンパク質50μg使用)を行なう。30 日目、マウスの1匹に、100μlのリン酸塩緩衝食塩水(PBS)中の50μ gタンパク質の静脈内の前融合ブースター注射を受容せしめる。このマウスは、 第1融合用に使用した(H6−1)。37日目、別のマウスに同一のブースター 免疫化を受容せしめ、第2融合に用いた(H6−2)。第2免疫化の1週間後の これら後者2匹のマウスから得た血清サンプルは、hCD6−hIg[上記Bowe nらの文献]および関係しないが同様な構成の融合タンパク,hCD40−hI g[Hollenbaughらの「EMBO J.」(11:4313−4321、1992 年)]を用いて行ったELISAで示されるように、融合タンパクのヒトCD6 タンパクに特異的なかなりの滴定濃度のIgG抗体を有していた。 B融合 前融合ブースターの3日後、脾臓および全ての確認可能なリンパ節から細胞を 取り、Laneの「J.Immunol.Methods」(81:223−228、1985年)の 方法に従い、P3×63−Ag8.653骨髄腫細胞[Kearneyらの「J.Immunol .」(123:1548−1550、1979年)]を用いて、白血 球と骨髄腫細胞の比3:1で融合させる。H6−1の場合、得られる融合後細胞 懸濁物を15の96−ウェル培養平板に、ハイブリドーマ発育培地[Iscove's M odified Dulbecco's Medium、10%ウシ胎児血清、2mM−L−グルタミン、 100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、10%ハイ ポリスのBoehringer Mannheim)、およびHAT(100μMヒポキサンチン; 0.4μMアミノプテリン;16μMチミジン)を補給]の存在下、約1.04 ×105細胞/ウェルの濃度で接種する。融合後の3日目と6日目に、ウェルに 対して上澄み液の半分に代えて、新しいハイブリドーマ培地を供給し、9日目に 抗ヒトCD6特異的抗体を検定する。H6−2の場合、融合後の細胞懸濁物を2 0の96−ウェル平板に、ハイブリドーマ発育培地中約1.24×105細胞/ ウェルの濃度で接種する。融合後の4日目と6日目に、ウェル供給を行い、8日 目に特異的抗体を検定する。 C.スクリーニング 1.hCD6特異的ウェルの同定 a)H6−1融合 全ウェルからの細胞培養上澄み液について最初に、ELISAアッセイにおけ るヒトCD6−Ig融合タンパクに結合する能力の分析によって、ヒトCD6へ の特異的反応性を検査する。ヒトCD6−Igタンパクは、マウスの免疫化に用 いたhCD6−mIgと本質的に同一であった。但し、ネズミ・ヒンジ、CH2 およびCH3領域をヒトIgG1のヒンジ、CH2およびCH3ドメインと取り 替えた[CD6 Rg;上記Bowenらの文献]。 H6−1のアッセイの場合、イムロン(Immulon)IIEIA平板に、0.05M 炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)中のCD6 Rgの5 00ng/ml溶液の75μl/ウェルを被覆し、4℃で一夜培養する。被覆剤 を除去し、ウェルをブロック剤[検体希釈液(WA州レッドモンドのGenetic Sy stems Corp.)、脱イオン水に1:10希釈]で1時間ブロックする。ブロック 剤を除去し、ウェルを0.05%ツィーン20含有のPBS(PBS−ツィーン )で2回洗う。次いで、培養上澄み液を50μ/ウェルで、アッセイ平板上で 複製平板とし、平板を1時間培養する。上澄み液を吸引し、平板を1%FCS含 有のPBSの150μl/ウェルで1回洗う。培養上澄み液の除去後、ウェルを PBS−ツィーンで3回洗い、次いで全ウェルに1時間にわたり、検体希釈液に 希釈した75μl/ウェルのワサビダイコン・パーオキシダーゼ(HRP)共役 ヤギ抗マウスIgG(CA州カマリロのBiosourse International Inc.)を加え る。未結合のHRP試液を除去し、平板をPBS−ツィーンで4回洗う。結合H RP標識付け試液に、0.015%の30%H22溶液含有の、0.1Mシトレ ート緩衝液(pH5.5)に1:100希釈した100μl/ウェルのテトラメ チルベンジジン(WA州レッドモンドのGenetic Systems Corp.)を加えて、映 像化する。平板を15分間培養し、50μl/ウェルの3N硫酸を加えて、反応 を止める。Bio−TekインストルメンツEL312ミクロプレート・リーダ ーにて光学濃度を450/630nmで測定する。 次に、hCD6−hIgと反応したウェルからの上澄み液について、CD6+ 細胞に結合し、ALCAMのCD6+細胞との相互作用をブロックする能力を評 価する。最初に、同じアッセイで結合とブロッキングを調べる。後のアッセイで 、それらを別個に査定する。最初のアッセイで、HPB−ALL細胞,我々が先 に高レベルのCD6を発現することを示したヒトT細胞白血病系を用いた。丸底 96−ウェル平板(NY州イチカのCorning)に、1×105/ウェルの細胞を加 え、平板を4℃にて250xgで5分問遠心分離する。培養培地を除去し、個々 のウェルに冷ハイブリドーマ上澄み液を50μl/ウェルで加える。氷上の30 分培養後、全てのウェルに2%(v/v)FCS(2%FCS−Iscove's)含有 の冷IMDMを150μl/ウェルで加え、平板を4℃にて250xgで5分間 遠心分離する。上澄み液の除去後、各ウェルに藻紅素(PE)共役ヤギ抗ネズミI gG(Southern Biotechnology)の1:200希釈液(2%FCS−Iscove's中 )50μlおよび可溶性ALCAM−Ig融合タンパク(ALCAM VVCC Rg;上記Bowenらの文献)の1μg/ml溶液50μlを受容せしめる。平 板を氷上で30分間培養した後、全てのウェルに冷2%FCS−Iscove'sを15 0μl/ウェルで加え、再度平板を4℃にて、250xgで遠心分離する。未結 合のPE試液およびALCAM−Ig融合タンパクを除去し、全てのウェルに、 フルオレセイン・イソチオシアネート(FITC)共役ロバ抗ヒトIgC(PA 州ウエスト・グローブのJackson Immuno Research Inc.)の1:100希釈液5 0μlを加える。さらに氷上で30分の培養後、ウェルを冷2%FSC−Iscove 'sで3回洗い、200μl/ウェルの冷2%FSC−Isocove'sに懸濁状態で放 置する。次いで、FACS缶(CA州マウンテン・ビュウのBecton Dickinson) にて流れ血球計算法で、細胞について特異的mAb結合(PEシグナル)および 細胞とのALCAM−Ig相互作用のmAb仲介ブロッキング(FITCシグナ ル)を分析する。この方法によって、ELISA正のウェルの多くは、CD6+ 細胞に結合しないことが認められ、抗体が融合タンパクの非自然形状のCD6ま たはIg末尾を認識することが示される。しかしながら、上澄み液の大半は実際 に細胞に結合し、これらの中で約35%以上が、ALCAM−Ig結合の抑制率 24%以上を示した。一例として、図1から、マスター・ウェル上澄み液10B 1および5E8は共にHPB−ALL細胞を明るく染色するが、5E8のみがこ れらの細胞とALCAM−Igの相互作用を有効にブロックしうることが証明さ れる。 b)H6−2融合 H6−2の上澄み液の一次検査は、H6−1の場合に類似するが、但し、第1 ドメインに対比するものとして、CD6の第2または第3ドメインに特異的な抗 CD6抗体を含有するウェルをより容易に同定できるように設計されている。2 0の融合平板の内3つを、タンパク質の被覆濃度が200ng/mlである以外 は、上記に準じて正確に、CD6Rgにスクリーニングする。残りの平板の内9 つについては、CD6D2−S Rg(CD6の第2および第3細胞外SRCR ドメインとショート膜近位ストーク・ドメインを含有)にスクリーニングし、一 方、他の8つをCD6D3−S Rg(CD6の第3細胞外SRCRドメインと ストーク・ドメインを含有)にて検定する。切断タンパク質の両方を200ng /mlの濃度で平板に被覆する。この変性以外は、上述のアッセイを行なう。次 いで、テストした融合タンパクのいずれかと反応する全ての上澄み液について、 H6−1の場合の記載に準じ、CD6+細胞に結合し、ALCAMとCD6+細 胞の相互作用をブロックする能力をテストする。結果はH6−1の結果にかなり 類似し、融合タンパクの正ウェルの約24%がALCAM Rg結合の25%以 上の抑制率を示した。 実施例IV 新規抗ヒトCD6モノクローナル抗体のドメイン特異性: HPB−ALL細胞へのALCAM Rg結合の最も完全な抑制率を示す、上 記同定したマスター・ウェル上澄み液を用い、初期ドメイン特異性テストを行な う。次に、これらの抗体−含有上澄み液がCD6のいずれのドメインに対して特 異的結合を示すかを判定するため、商業上入手しうるワークショップ(workshop) の抗CD6 mAbsに対してドメイン特異性を指定する(assign)のに先に利用 した、切断(truncated)CD6 Rg融合タンパクのパネルで同じELISAを 用いて評価する。10のマスター・ウェル上澄み液を、それぞれ正味(neat)濃度 および正副でテストする。結果を下記表3に示す。ウェルH6−1.7H6、H 6−2.8A7、H6−2.10D1、H6−2.13C3、H6−2.16A 3およびH6−2.15B12からの上澄み液は、CD6D1−2 Rgまたは CD6D2 Rgと反応しなかったが、強くCD6D3−S Rg、CD6D2 −S RgおよびCD6 Rgを認識した。この反応性プロフィールは、これら の抗体のそれぞれによって認識されるエピトープが、第3膜−近位SRCRドメ イン、ストーク・ドメインまたはこれら両ドメインの要素からなる部位に位置す ることを示唆した。これらの上澄み液のそれぞれは、CD6D1−3 Rgと弱 く反応あるいは全く反応しなかった。この所見と他の融合タンパクデータとの組 合せは、表向きとして、主にストーク領域の抗体の反応性エピトープの配置への 賛成意見を述べるものである。しかしながら、ヒトCD6D1−3 Rgタンパ クは前に、ALCAMに対してCD6−Rgよりも約1000倍も少ない親和力 で結合することが認められていたので[Bowenらの「J.Biol.Chem.」(271: 17390−17396、1996年)]、この実験で用いたCD6D1−3 Rgタンパクは、特に第3ドメインにおいて、立体配座的に妥協している(compr omised)ように思われる。このように、これら最初の6抗体に関して、第3ドメ インに対するドメイン指定(assignment)を、除外することはできない。 残りの4つのマスター・ウェルからの上澄み液は、やや少し複雑な反応性プロ フィールを示した。マスター・ウェルH6−2.5D4のプロフィールは、CD 6D2 RgタンパクおよびひょっとしてCD6D1−2 Rgタンパクとの弱 い反応性の付加を除いて、上記のそれにかなり類似し、2つの抗CD6抗体のあ りそうな存在が示唆され、1つはD3/Sドメインに対する特異性を持ち、他は 第2ドメインに向けられる非常に低い滴定量の抗体である。マスター・ウェルH 6−2.5E8、H6−2.7C7およびH6−2.12A5のプロフィールは 、CD6D2 Rgを除き、全ての融合タンパクが認識されるという点で、互い に極めて類似する。この複雑なプロフィールは、D3/Sドメインに特異的な1 つの抗体およびCD6の第ISRCRドメインに対し特異性を持つ抗体の存在に 最も適合した。 上記の反応性プロフィールに基づき、10全てのCD6/ALCAMブロッキ ング・マスター・ウェル上澄み液は、最小限としてCD6の第3SRCRおよび ストーク・ドメインを含有する融合タンパクに対して強い反応性を示した。この 所見から、ヒトCD6/ALCAM相互作用に対してブロッキング活性を有する として同定された抗体は、CD6の膜近位D3−Sドメイン内のエピトープに対 して特異的に結合することが示される。この所見はさらに、H6−1およびH6 −2からの残りのマスター・ウェル上澄み液の場合の類似のドメイン特異性マッ ピングによって支持される。例外なく、ALCAM RgのHPB−ALL細胞 への結合を抑制する能力を明らかに示す上澄み液はいずれも、CD6D3−S Rg融合タンパクとも反応した。さらに、第1または第2SRCRドメインのみ 、あるいは該2ドメインの組合せに対する特異性を明らかに示す上澄み液は、A LCAM RgとCD6の相互作用を抑制することはできなかった。 次いで、上記マスター・ウェルのそれぞれでハイブリドーマを産生する特異的 抗体を、HATを欠くハイブリドーマ発育培地で希釈(dilution)を制限するこ とによってクローン化する。得られるウェルH6−2.5E8、H6−2.7C 7およびH6−2.12A5からのクローンを、全長CD6 RgおよびCD6 D3−S Rgタンパクの両方でELISAにてスクリーニングする。前者融合 タンパクで正および後者融合タンパクで負であるクローンは暫定的に、CD6の 第1SRCRドメインに対し特異性を有すると考えられ、一方、両タンパク質と 反応するものをD3−S特異性と指定した。残りのマスター・ウェルからのクロ ーンを、CD6D3−S Rg融合タンパクのみでELISAにてスクリーニン グする。D1またはD3−Sに特異的なクローンを、マスター・ウェルH6−2 .7C7およびH6−2.12A5から単離する。他のマスター・ウェルからは 、抗D3−S特異的クローンのみが得られる。 次いで、CD6D3−S Rg融合タンパクと反応性の各マスター・ウェルか らの代表的クローンを、CD6融合タンパクの全パネルにて、ドメイン特異性を 指定するため、ELISAで調べる。この分析の結果を下記表4に示し、CD6 の第2SRCRドメインに特異的なmAbsをクローン化しながら単離した、別 の抗D3/S mAb(H6−2.10A5)の場合に得た結果(実施例7参照 )も併記する。 全てのmAbsは予想通り、CD6 Rg、CD6D2−S RgおよびCD 6D3−S Rgタンパクを認識したが、CD6D1−2 Rg、CD6D2 Rgおよび関係しない対照CD40 Rgタンパクと反応せず、パターンはCD 6の第3SRCRおよび/またはストーク・ドメインに対するドメイン特異性指 定に一致した。これらの抗D3/S mAbsを産出するマスター・ウェルにて 、オリジナルのドメイン特異性テストで見られるものと同様、クローン化mAb sとCD6D1−3 Rgタンパクの反応性もまた、他の第3SRCRドメイン 含有タンパク質と比較して、弱乃至極めて弱であった。CD6D1−3へのmA bs5D4、5E8、7C7、8A7、13C3および16A3の結合は、これ らのmAbsが、ストーク領域とは全く異なり、第3SRCRドメインに特異的 であると結論づけるのに十分、相当のものであった。残りのmAbsの場合、特 異 性はCD6D3−Sドメインへの指定レベルに対してのみ、集合的に判定し、但 し、これらの抗体がCD6D3、CD6S、または該2ドメインがオーバーラッ プする接点内でエピトープを認識する可能性を残しておく。全ての抗D3/Sm Absに対するドメイン特異性指定を、表5に要約する。この表には、アイソス トリップ(IsoStrip)テストキットを用い各mAbで行ったアイソタイプ分析の 結果が含まれる[IN州インディアナポリスのBoehringer Mannheim]。5D4 (IgG2a)および16A3(IgG2b)を除いて、全てはIgG1アイソタイ プを有した。 CD6+細胞に結合し、ALCAM RgのCD6+細胞への結合を抑制する クローナル抗D3/S上澄み液の能力の評価を、先の市販/workshop抗CD6m Absの場合の記載に準じて、表6に示す。全てはほぼ同等のレベルでCD6+ 細胞を染色し、観察される染色のレベルは、幾つかの市販抗SRCRドメイン1 mAbsの場合に見られるものに類似した。加えて、全てはALCAM Rgと CD6+HPB−ALL細胞の相互作用を完全にブロックし、これは上記実施例 Iの抗SRCRドメイン1mAbsの場合に見られるものとは著しく異なる。表6中、 *)(抗体結合の平均蛍光強度)−(HPB−ALL細胞に結合する二次抗体の みの平均蛍光強度) **)マイナス%の抑制率は、一次抗体なしの場合(培地のみ)に見られるもの と比較して、高いALCAM Rg結合を示す。 実施例V 抗ヒトCD6D3−S mAbsの中の結合サブグループ: CD6D1−3 Rgタンパクへの抗D3/S mAbsの変異結合は、これ らのmAbsの幾つかがD3/Sドメイン内の異なるエピトープを認識すること を示唆した。これらの結合サブグループを明確にするため、先のドメイン特異性 テストの場合に略述したELISAフォーマットを用い、CD6D1−3 Rg タンパクに対し逐次4倍希釈で、各mAb上澄み液を滴定する。抗ネズミIgサ ンドイッチELISAを用いる、各上澄み液の抗体濃度の予備分析によれば、上 澄み液間のIg濃度において4倍差を越えることのないことがわかった。従って 、抗体の滴定プロフィールの主な差が最も起りうるのは、融合タンパク内の異な るエピトープの認識に基づくと考えられる。 mAb結合を監視するため、抗ネズミIgG Fc特異的第二工程試液を用い 、異なる抗CD6D3/S抗体の滴定プロフィールを図2に示す。Mab 16 A3は明らかにユニークな滴定曲線を有したのに対し、mAbs7C7および1 3C3は、それらの曲線の形状やCD6D1−3 Rgとの大きな反応性に基づ き似ているようであった。残りのmAbsは全て、特異性の少ない融合タンパク を認識し、5D4、5E8および8A7のみがかなりの結合を証明し、かつ類似 の滴定曲線をもたらす。 1つのIgGアイソタイプの第二工程試液の潜在的偏りを他のものに対してコ ントロールするため、抗ネズミ・カッパ軽鎖第二工程試液を用いてアッセイを繰 り返す(mAbsの全ては以前に、IsoStripテストの使用でこの種の軽鎖を有す ることが認められている)。図4に示されるように、mAbs7C7および13 C3も、それらのCD6D1−3 Rgの大きな認識の点で極めて似ているよう であった。またMabs5E8および8A7は、それらの非常によく似た、タン パク質の中間認識に基づくグループに属するようであった。他のmAbsは、こ のフォーマットで乏しい結合を証明した。 これらのデータを合わせると、抗D3/S mAbsの中で少なくとも5つの 違った結合サブグループが示され、該グループは以下の通り、違う滴定プロフィ ールを特徴とし、かつ分類される。 グループA−16A3 グループB−7C7、13C3 グループC−5D4 グループD−5E8、8A7 グループE−7H6、10A5、10D1、12A5、15B12 実施例VI 変異分析によって判定した抗ヒトCD6D3/S抗体中のCD6結合サブグル ープ: 抗D3/S mAbsに対するエピトープ特異性を査定する独立した方法を行 い、この場合、第3SRCRドメインにシングル、あるいは1つのケースでダブ ルの点変異を有する変異体CD6D3−S Rgタンパクを使用する。さらに詳 しくは、mAbs 5D4、10A5、16A3、7H6、15B12、7C7 、13C3、5E、8A7、10D1および12A5をELISAで試験し、2 5の変異体CD6D3−S融合タンパクのパネルに結合するそれらの能力に基づ いてグループ分けした。これらの変異体の、変異体番号並びに列挙した残基のオ リジナル(左)および置換した(右)アミノ酸の対応する記号によるリストを、 下記表7に記す。 表7に記載のCD6変異に影響される抗D3/S抗体の結合活性を検出するE LISAアッセイは一般に、上記Bowenらの文献の方法に従って行なう。要する に、イムロン1平板に、carb/bicarb緩衝液中1μg/mlのロバ抗ヒトIgG (Jackson)を50μl/ウェルにて、室温で一夜被覆する。サンプルを300 μl/ウェルのPBS(Gibco)/0.05%ツイーン20(Biorad)で2回洗 う。100μl/ウェルのGenetic Systems Specimen Diluentを用いてブロ ッキングを行い、室温で1.5時間培養した後、300μl/ウェルのPBS/ 0.05%ツイーン20で2回洗う。次いで、0.5μg/mlの[DMEM/ 10%FBS(Gibco)に希釈]CD6変異体上澄み液の50μl/ウェルを加 え、室温で1.5時間培養し、試験mAbsのそれぞれにつき正副で実施する。 この培養工程後、サンプルを再度、300μl/ウェルのPBS/0.05%ツ イーン20で3回洗う。次に、Genetic Systems Specimen Diluentに1:5 希釈した、50μl/ウェルの抗CD6mAb上澄み液を加え、 室温で1.5時間培養する。再度、サンプルを300μl/ウェルのPBS/0 .05%ツイーン20で4回洗う。100μl/ウェルのGenetic Systems Ch romagen/Buffered Substrate(Chromagen:緩衝液=1:100)を用いて、 発色(developing)を行い、室温にて約15分あるいはブルー色になるまで培養す る。100μl/ウェルの1N−H2SO4で反応を止め、光学濃度(ODs)を 450および630nmで測定する。 CD6D3−S点変異体のELISAアッセイの結果を図5および6に示す。 特に、mAbsの全ては変異体1、3、7、8、10、14、16−20、24 および25に結合したが、mAbsの中で変異体2、4、9、15および21− 23のいずれに対しても結合を示すものはなかった。グループ1抗体(mAb5 D4で例示)およびグループ2抗体(mAb10A5で例示)の場合は、変異体 24(S363K)に結合する能力が特徴で、これら2グループのメンバーの中 で、広範囲の希釈で滴定すると、mAb10A5が最も強い結合を示した。ハイ ブリドーマ上澄み液におけるmAbの濃度が同等であることを証明する対照とし て、変異体17(N345Q)へのmAb5D4結合は10A5結合に対応した 。 さらにCD6結合サブグループについて、変異体ELISAアッセイで明示し 、該アッセイから、グループ3抗体(mAb 16A3で例示)とグループ4抗 体(mAb 7H6で例示)は、変異体6(P296R)に結合しないことが判 明した。グループ3およびグループ4抗体は共に、変異体24(S363K)を 認識したが、広範囲の希釈で滴定すると、mAb 16A3はmAb7H6と同 様に、結合しなかった。再度、mAb濃度の対照として、mAbs16A3およ び7H6の両方について、変異体25(N339D/N345D)において類似 の結合を示すことを明らかにした。 さらに、CD6結合サブグループの特性決定により、グループ5抗体(mAb 15B12で例示)は、試験mAbsのいずれにも認識されない(図5)変異 体(2、4、9、15および21−23)を除く、全ての変異体タンパクに結合 する能力で区別されることが示される。 抗D3/S抗体の3つの付加的サブグループをELISA/CD6変異体アッ セイで確認し、グループ6抗体(mAbs7C7および13C3で例示)、グル ープ7抗体(mAbs5E8および8A7で例示)およびグループ8抗体(mA bs10D1および12A5で例示)は、変異体5、12および13に結合しな いことを証明した(図6)。変異体6への結合は、これらのグループを細分する 。グループ7およびグループ8抗体は、グループ6と同様に、この変異体を認識 しなかった。加えて、これらのmAbsは、ストーク領域を欠くhCD6D3融 合タンパクについて異なる結合特性を有した。 CD6変異体/ELISAアッセイで試験した抗D3/S抗体のパネル中の種 々の結合サブグループのさらに明確な特性は、図5および6に示す結果によって 証明される。これらの結果に従って、試験した25のCD6変異体のパネルに対 する違ったサブグループ結合パターン(たとえば結合変異体の同一性と数、およ び/またはたとえば野生型結合の%で表示する結合のレベル)に基づき、結合サ ブグループを変化するレベルに区別することができる。加えて、CD6D1−3 Rgタンパク(実施例V;図4)に関する滴定分析およびCD6D3−S点変 異体に関するELISA結果は、CD6結合サブグループ1−8を特色付ける特 異的結合パターンを規定することに関して、互いに良好に一致する。 さらに抗D3/S結合サブグループ間の示差結合パターンを規定する付加的デ ータを、本発明の特定mAbsの場合に図7に示す結果によって例証されるよう に、滴定分析で供給する。これらのアッセイは、上記滴定アッセイに従って行い 、但し、上澄み液をGenetic Systemsの検体希釈液に、最初は1:2で始め、次 いで連続的に1:4まで希釈することによって、mAbsを滴定した。図から認 められるように、これらのアッセイ・データは、CD6D1−3 Rgタンパク (実施例V;図4)に関する滴定分析およびCD6D3−S点変異体のELIS Aデータと一緒に、集合して、試験した抗D3/S mAbsのパネルに下記の 8つの結合サブグループが存在することを証明する。 グループ1−5D4 グループ2−10A5 グループ3−16A3 グループ4−7H6 グループ5−15B12 グループ6−7C7、13C3 グループ7−5E8、8A7 グループ8−10D1、12A5 これら結合サブグループのメンバーは特に、本発明において、たとえば別々の エピトープ部位でCD6に結合しおよび/または違った結合特性を持つ、および CD6の違ったエピトープ部位を認識しまたはCD6にユニークな方法で結合す る付加的結合作用物質を同定しかつ特色付ける高特異的な結合作用物質として有 用である。加えて、これらの結合サブグループは、CD6/ALCAM相互作用 を調整する異なる活性を示し、並びにCD6/ALCAM相互作用を調整する異 なる活性を有する他の結合作用物質を同定しかつ特色付ける結合作用物質として も有用である。この点について、CD6結合サブグループのうちいくらかは、C D6−D3および/またはCD6−Sドメイン内の違ったエピトープ部位を認識 することが予想されるが、他のサブグループではオーバーラップするエピトープ 部位、または親和力もしくはCD6/ALCAM相互作用を調整する可能性が変 化する同じエピトープ部位を認識するだろう。 実施例VII CD6の第2SRCRドメインに特異的な抗体の同定および特性決定: CD6/ALCAM相互作用のより強力にブロックするマスター・ウェルのド メイン特異性およびクローニングの評価に続いて、残りのマスター・ウェル上澄 み液の全てを、ELISAベースのドメイン特異性分析に付す。これらのテスト 結果は、いくつかの上澄み液を同定し、それらの融合タンパクパネルに関する反 応性プロフィールは、上記上澄み液がCD6の第2SRCRドメイン(CD6D 2)に対して向けられる抗体を含有することを示唆した。かかる幾つかのウェル の代表的な結果を、下記表8に示す。全ては、CD6 Rg、CD6D2−SR g、CD6D1−2 Rgおよび最も重要なCD6D2 Rgとの反応性を明確 に示した。興味あることに、6例のうち4つのCD6D1−3 Rgタンパクと の反応は乏しく、これも、抗D3/S抗体の場合に以前から注目されているよう に、構造の充全性の問題の可能性を示唆する。またH6−2.10A5上澄み液 は、CD6のD3/Sドメインに対して向けられる第2抗体の存在を証明した。 表8に示すマスター・ウェルのそれぞれからハイブリドーマを産生する特異的 抗体を、上記に準じてクローン化する。クローンからの上澄み液をCD6D2 Rg融合タンパクにてELISAでスクリーニングし、但し、H6−2.10A 5からのクローンは例外として、CD6D3−S Rgタンパクにてスクリーニ ングする。H6−2.10A5を除いて、マスター・ウェルのそれぞれから抗C D6D2 Rgクローンを首尾よく単離する。しかしながら、抗CD6D3−S Rgクローンは後者のマスター・ウェルから単離した。抗CD6D2 Rgクロ ーンの代表例に対するELISAによる全CD6融合タンパク・ドメイン特異性 テストの結果を、表9に示す。上述の如く、抗CD6D3−S Rgクローンの 類するデータが前記表4に示される。抗CD6D2 Rg抗体の全ては、CD6 の第2SRCRドメイン含有の融合タンパクのいずれとも十分に反応し、そして 関係しないCD40 Rgタンパクを認識するものはなかった。これに基づき、 第2SRCRドメインに対するこれらmAbs(すなわち、抗D2 mAbs) のドメイン特異性指定を決定した。しかしながら、mAbsの内2つ(H6−2 .5F7およびH6−2.14H2)はCD6D3−S Rgタンパクと弱くか つ首尾一貫して反応するが、他のものは反応しなかったことへの注目に興味があ る。この理由は明らかでないが、少なくとも2つの異なるエピトープが抗D2 mAbsによって認識され、従って、抗D2 mAbsの2サブグループが単離 (H6−2.5F7およびH6−2.14H2からなるグループ1と、H6−1 .5E1、H6−1.12F10およびH6−1.15D7からなるグループ2 )されたという所見が証拠となる。この結論の裏付として、CD6D3−S R gタンパクについて抗D2上澄み液の全ELISAベースの滴定を行った。図8 に示されるように、グループ1mAbsはこのタンパク質と、飽和可能、滴定可 能な方法で反応し、一方、グループ2mAbsは該タンパク質をほとんど認識し なかった。これらの結果はグループ1上澄み液における高い濃度に基づくもので ないが、それは、抗マウスIgサンドイッチELISAがグループ1上澄み液と 比較して、グループ2上澄み液に高い免疫グロブリンレベルを示すからである。 次に、これら5つのmAbsを含有するクローン上澄み液について、上記市販 /workshop抗SRCRドメイン1mAbsおよび融合マスター・ウェル上澄み液 の場合の記載に準じ、CD6+細胞への結合と、CD6+細胞へのALCAM Rg結合をブロックする能力を評価した。表6に示されるように、5つのmAb sの全ては、CD6+HPB−ALL細胞を同等なレベルで、抗D1および抗D 3/S mAbsの場合に見られる程度まで染色した。抗D3/S mAbsと 異なり、抗D2 mAbsはALCAM RgとHPB−ALL細胞の相互作用 をブロックすることができず、事実、幾つかの抗D1 mAbsの場合に注目さ れるように、このレセプタ/リガンド相互作用を実際に高めているようであった 。グループ1およびグループ2抗D2 mAbs間に結合およびブロック能力に 明らかな差異はなかった。 5つの抗D2 mAbsのネズミIgGサブ分類について、上記のIsoStripテ ストを用いて決定した。5つのmAbsの全ては、IgG1アイソタイプを有す ることが判明した。 以上の通り、本発明について、理解の明瞭化を目的として例証および実施例の つもりである程度詳細に説明したが、当業者であれば、上記と同じ発明的コンセ プトを用いる本発明の他の実施態様および改変が可能であることを理解するであ ろう。従って、本発明は上記の開示によって制限されるべきでなく、かつ後記の 請求の範囲によってその技術的範囲が決定されるべきものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ボーウェン,マイケル・エイ アメリカ合衆国08540ニュージャージー州 プリンストン、ウエスト・カントリー・サ イド・ドライブ86番 (72)発明者 アルフォ,アレハンドロ アメリカ合衆国08502ニュージャージー州 ベル・メッド、チェストン・コート33番 (72)発明者 バヨラト,ユルゲン アメリカ合衆国98037ワシントン州リンウ ッド、サーティセブンス・アベニュー 17406番 (72)発明者 ボディアン,デイル・エル アメリカ合衆国19201ペンシルベニア州パ オーリ、サウス・バレー・ロード50番 (72)発明者 スコニアー,ジョン・イー アメリカ合衆国98107ワシントン州シアト ル、トゥエンティフィフス・ノース・ウエ スト6749番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトCD6SRCRドメイン3(CD6D3)またはヒトCD6ストーク ・ドメイン(CD6S)に対し特異的に結合し、かつCD6に結合する活性化白 血球細胞癒着分子(ALCAM)を抑制する抗ヒトCD6結合作用物質。 2.抗CD6D3もしくは抗CD6Sモノクローナル抗体またはそのフラグメ ントである請求の範囲1に記載の抗ヒトCD6結合作用物質。 3.モノクローナル抗体が、 A)グループ1(5D4);グループ2(10A5);グループ3(16A3 );グループ4(7H6);グループ5(15B12);グループ6(7C7, 13C3);グループ7(5E8,8A7);もしくはグループ8(10D1, 12A5);または B)上記Aから選ばれた抗体と実質的なアミノ酸配列の同一性を示し、かつ該 抗体と実質的に同じCD6結合特異性を保有する変性免疫グロブリン から選ばれる請求の範囲2に記載の抗ヒトCD6結合作用物質。 4.抗体またはそのフラグメントが、CD6D3−S Rgに特異的に結合す る請求の範囲2に記載の抗ヒトCD6結合作用物質。 5.モノクローナル抗体が、ヒト向きにしたモノクローナル抗体である請求の 範囲2に記載の抗ヒトCD6結合作用物質。 6.モノクローナル抗体が、ヒト一定ドメインに操作可能に連結するマウス変 異ドメインからなるヒト−マウス・キメラ抗体である請求の範囲4に記載の抗ヒ トCD6結合作用物質。 7.ヒトCD6(hCD6)に特異的に結合する結合作用物質を同定するスク リーニング法であって、 ヒトCD6SRCRドメイン3(CD6D3)またはヒトCD6ストーク・ド メイン(CD6S)に特異的に結合し、かつヒトCD6(hCD6)に結合する 活性化白血球細胞癒着分子(ALCAM)を抑制する、対照抗ヒトCD6モノク ローナル抗体を、テスト結合作用物質の存在下、テスト結合作用物質の非存在下 の対照抗体と下記標的種の複合形成に好適な条件下で、CD6D2、CD6D3 およびCD6Sから選ばれる1種以上のhCD6ドメインからなる標的種と接触 させ;次いで CD6D3またはCD6Sに対するテスト結合作用物質の特異的な結合活性の 指示薬として、テスト結合作用物質の存在下の対照抗体と標的種の複合形成を検 出する 工程から成るスクリーニング法。 8.テスト結合作用物質が抗体である請求の範囲7に記載のスクリーニング法 。 9.テスト結合作用物質がペプチドである請求の範囲7に記載のクスリーニン グ法。 10.対照抗体がグループ1(5D4);グループ2(10A5);グループ 3(16A3);グループ4(7H6);グループ5(15B12);グループ 6(7C7,13C3);グループ7(5E8,8A7);またはグループ8( 10D1,12A5)から選ばれる請求の範囲7に記載のスクリーニング法。 11.標的種がCD6+細胞のサンプルからなる請求の範囲7に記載のスクリ ーニング法。 12.標的種がCD6 Rg、CD6D1−3 RgおよびCD6D2−S Rgから選ばれる請求の範囲8に記載のスクリーニング法。 13.さらに、ALCAMをテスト結合作用物質の存在下、ALCAMが標的 種に結合するのに好適な条件下で標的種と接触させ、次いでALCAM/CD6 結合を調整するテスト結合作用物質の活性の指示薬として、ALCAMと標的種 の複合形成を検出する工程を包含する請求の範囲7に記載のスクリーニング法。 14.テスト結合作用物質が、対照抗体の相補性決定領域(CDR)のペプチ ド擬態である請求の範囲7に記載のスクリーニング法。 15.テスト結合作用物質が、標的種に対する対照抗体の特異的結合を少なく とも25%抑制する請求の範囲7に記載のスクリーニング法。 16.患者の炎症または自己免疫応答を抑制する方法であって、 ヒトCD6SRCRドメイン3(CD6D3)またはヒトCD6ストーク・ド メイン(CD6S)に対し特異的に結合し、かつCD6に結合する活性化白血球 細胞癒着分子(ALCAM)を抑制する、治療上有効量の抗CD6結合作用物質 を患者に投与する 工程から成る方法。 17.抗CD6結合作用物質がモノクローナル抗体である請求の範囲16に記 載の方法。 18.抗体がヒト向きにしたモノクローナル抗体である請求の範囲17に記載 の方法。 19.抗体が、ヒト一定ドメインに操作可能に連結するマウス変異ドメインか らなるヒト−マウス・キメラ抗体である請求の範囲17に記載の方法。 20.炎症または自己免疫応答が、患者の多発性硬化症の症状である請求の範 囲17に記載の方法。 21.ヒトCD6SRCRドメイン3(CD6D3)またはヒトCD6ストー ク・ドメイン(CD6S)に対し特異的に結合し、かつCD6に結合する活性化 白血球細胞癒着分子(ALCAM)を抑制する、抗ヒトCD6免疫グロブリン。 22.グループ1モノクローナル抗体のサブグループ結合パターンを示す請求 の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 23.グループ2モノクローナル抗体のサブグループ結合パターンを示す請求 の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 24.グループ3モノクローナル抗体のサブグループ結合パターンを示す請求 の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 25.グループ4モノクローナル抗体のサブグループ結合パターンを示す請求 の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 26.グループ5モノクローナル抗体のサブグループ結合パターンを示す請求 の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 27.グループ6モノクローナル抗体のサブグループ結合パターンを示す請求 の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 28.グループ7モノクローナル抗体のサブグループ結合パターンを示す請求 の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 29.グループ8モノクローナル抗体のサブグループ結合パターンを示す請求 の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 30.抗CD6D3もしくは抗CD6Sモノクローナル抗体またはそのフラグ メントである請求の範囲21に記載の抗ヒトCD6免疫グロブリン。 31.免疫グロブリンが、 A)グループ1(5D4);グループ2(10A5);グループ3(16A3 );グループ4(7H6);グループ5(15B12);グループ6(7C7, 13C3);グループ7(5E8,8A7);もしくはグループ8(10D1, 12A5);または B)上記Aから選ばれた抗体と実質的なアミノ酸配列の同一性を示し、かつ該 抗体と実質的に同じCD6結合特異性を保有する変性免疫グロブリン から選ばれるモノクローナル抗体である請求の範囲21に記載の抗ヒトCD6結 合作用物質。
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