JP2001523727A - 造血幹細胞を可動化する方法 - Google Patents

造血幹細胞を可動化する方法

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csf
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アンドリュー・ジー・キング
ヤンキウ・キアン
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Abstract

(57)【要約】 骨髄から末梢循環に造血幹細胞を可動化する方法が、KC、groβ、groα、またはgroγの成熟、修飾または多重結合形態の有効量を動物に投与することにより提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、一般に造血幹細胞を可動化するための方法および新規な脱アミド化
ケモカインに関する。
【0002】 発明の背景 インタークラインまたはケモカインファミリーのすべてのメンバーは、2個の
ジスルフィド架橋を形成する4個のシステイン残基を有する塩基性のヘパリン結
合ポリペプチドである。機能的に解析されているこれらすべてのタンパク質は、
前炎症性および/または回復性機能に関与しているようである。 高用量化学療法の使用に関する臨床状況において、選択される生体分子はG−
CSFである。一般にかかる治療において、患者は低用量のシクロホスファミド
などの化学療法剤で感作される。寛解の間、患者は、白血球伝達血液を集めるた
めに骨髄から末梢循環へ細胞の可動化を引き起こすG−CSFなどのCSFで処
置される。その後患者は、化学療法剤を高用量投与され、その癌の臨床的な寛解
を誘導する。結果として生ずる骨髄損失は、事前に回収された保存血液細胞の注
入により治療する。この方法は、例えば、化学療法剤の初期投与の省略および/
または別の血液回収プロトコールで修飾されてもよい。
【0003】 これらの造血幹細胞移植技術の使用は有望そうであるけれども、G−CSFを
単独で用いる場合、重篤な骨髄抑制を治療するために有効な移植に十分な幹細胞
を集めるため、多数の血漿交換処置が必要である[例えば、Bensinger et al, B lood , 81:3158 (1993) and R. Haas et al, Sem. in Oncology, 21:19 (1994)を
参照]。それゆえ、これらの重要な進歩および特定の調節生体分子が利用できる
ことにもかかわらず、造血の回復の遅いことが、骨髄抑制された患者に関する罹
患率および死亡率の重要な原因のままである。 当該分野において、特に、骨髄抑制を伴う化学療法の場合、造血回復を増強す
るための組成物および方法が依然として必要とされている。
【0004】 発明の要約 一の態様において、本発明は造血幹細胞の刺激のための医薬の調製におけるケ
モカインの使用を提供する。このケモカインは、KC、groβ、groαおよ
びgroγ由来のタンパク質を包含し、これらのケモカインの成熟、修飾および
多重結合形態を包含する。 さらに別の態様において、本発明は、本明細書において記載するような成熟ま
たは修飾または多重結合ケモカインの有効量を動物に投与することを含む、動物
における造血幹細胞を可動化する方法を提供する。 さらなる態様において、本発明は、造血幹細胞の可動化に有用な、修飾gro
βの新規な脱アミド化形態(配列番号:3のアミノ酸5〜73)を提供する。 本発明の他の形態および利点を、以下の好ましい具体例の詳細な説明において
さらに記載する。
【0005】 発明の詳細な説明 本発明は、本明細書において記載する成熟または修飾または多重結合ケモカイ
ンを使用し、骨髄から末梢血液へ造血幹細胞を可動化することによる、骨髄抑制
の治療のための方法を提供する。 本発明はまた、末端平滑化されたgroβ(配列番号:3のアミノ酸5〜73
)の新規な脱アミド化形態、その医薬組成物、および骨髄抑制の治療におけるそ
の使用を提供する。 脱アミド化は、主として位置69において生じる(全長groβを定義するた
めに1〜73の名称を用いる)。脱アミド化は、αまたはβ異性体アスパルテー
ト生成物;アスパラギン酸およびイソ−アスパラギン酸を形成する。
【0006】 驚くべきことに、この脱アミド化形態は親の末端平滑化されたgroβ(5〜
73)の可動化活性を保持することが示された。このことは、AsnがAspま
たはIso−Aspに変換されると活性を失う他のペプチドでは予測できなかっ
た(Bongers et al. Int J Pept Protein Res. 1992 Apr; 39(4): 364-74; Frie
dmen et al, Int J Pept Protein Res. 1991 Jan: 37(1) 14-20)。脱アミド化 (位置69)末端平滑化groβ(配列番号:3のアミノ酸5〜73)単独、お
よび、非−脱アミド化末端平滑化groβ親との混合物を、骨髄から末梢血液へ
の造血幹細胞の移動による骨髄抑制の治療のために用いてもよい。
【0007】 I.定義 本明細書において定義する「造血共同因子」または「HSF」は、インビボお
よびインビトロでコロニー刺激因子などの別の造血因子とともに、または天然の
循環CSFと組み合わせて投与された場合に、造血刺激において共同活性を有す
ることにより特徴付けられる天然のケモカインおよび修飾ケモカインを包含する
タンパク質のクラスを意味する。
【0008】 本明細書において用いる「インタークライン」としても知られる「成熟ケモカ
イン」なる用語は、KC、groα、groβおよびgroγなどと当該分野に
おいて慣用的に称されるタンパク質を意味する。簡便のため、72個の残基を含
む成熟タンパク質KCのアミノ酸配列を配列番号:1に示す。これらの配列は、
Genbank、受け入れ番号J04596から利用可能である。ヒトタンパク
質groαの配列(aa1〜73)を配列番号:2に示す。ヒトタンパク質gr
oβ(アミノ酸1〜73)を配列番号:3に示す。ヒトタンパク質groγの配
列を配列番号:4に示す。groγのcDNAおよびアミノ酸配列は国際特許出
願、公開番号WO92/00326(1992年1月9日)にも示される。これ
らのgroγ配列はさらに国際特許出願、公開番号WO94/29341(19
94年12月22日)においても公開され、これを出典明示により本明細書に包
含する。
【0009】 「修飾ケモカイン」なる用語は、上記の国際出願において定義される。修飾ケ
モカインは、KC、groβ、groαおよびgroγ由来であり、より好まし
くは、groβ、groαおよびgroγ由来であり、もっとも好ましくは、g
roβ由来である。修飾ケモカインは、成熟タンパク質のアミノ末端において約
2個から8個のアミノ酸の間の除去により特徴付けられるデスアミノタンパク質
を包含する。本発明の方法において有用なこれらのデスアミノケモカインは、成
熟タンパク質のアミノ末端から約2個から約8個のアミノ酸の除去により好まし
くは特徴付けられる。最も好ましくは、修飾ケモカインは、アミノ−(N−)−
末端においてはじめの4個のアミノ酸の除去により特徴付けられる。所望により
、特に組換えにより発現される場合、本発明において有用なデスアミノケモカイ
ンは、挿入されたN−末端Metを含んでいてもよい。発現目的のためにタンパ
ク質中に挿入されるN−末端メチオニンは、宿主細胞によるタンパク質のプロセ
シングの間に、または、公知の技術を用いて合成的に切断してもよい。別に、必
要な場合、このアミノ酸を酵素消化または他の公知の手段で切断してもよい。
【0010】 修飾ケモカインなる用語には、成熟タンパク質の生物学的活性を共有するこれ
らのタンパク質のアナログまたは誘導体が包含される。本明細書で定義するかか
るアナログおよび誘導体は、例えば配列番号:1〜4に示されるタンパク質など
のタンパク質の公知のアミノ配列中に作成される変異により特徴付けられる修飾
タンパク質も包含する。かかるアナログは8個もしくはより少ないアミノ酸残基
、好ましくは約5個もしくはより少ない残基により成熟タンパク質のアミノ酸配
列と異なるアミノ酸配列を有することにより特徴付けられる。タンパク質のアミ
ノ酸配列におけるいずれかの相違が保存アミノ酸置換のみを包含することが好ま
しい。保存アミノ酸置換は、アミノ酸がそれが置換されるアミノ酸と実質的に同
じ荷電を有する場合、および、置換がタンパク質の局所構造またはその生物学的
活性に重大な作用を有さない場合に生じる。別に、タンパク質の安定性を変え得
るかまたは所望の宿主細胞においてタンパク質が発現可能となる配列における特
定のアミノ酸導入などの変化が好ましい。これらの修飾タンパク質の他の特徴が
、成熟タンパク質と比較して生物学的活性を増強してもよい。
【0011】 「多重結合タンパク質」または「多量体」なる用語は、本明細書において本発
明において有用な成熟および/または修飾タンパク質の多重結合形態、例えば、
二量体、三量体、四量体および他の集合形態を意味する。かかる多重結合形態は
、合成または組換え発現により調製でき、以下に詳細に記載するように合成およ
び組換え技術の組み合わせにより製造されるケモカインを含むことができる。多
量体は発現時に天然に形成するかまたはかかる多量形態中に構築されてもよい。
多重結合ケモカインは同じ修飾ケモカインの多量体を包含してもよい。他の多量
体は異なる修飾タンパク質の集合により形成されてもよい。さらに別の多量体は
、本発明の修飾ケモカインおよび公知の成熟ケモカインの集合により形成される
。好ましくは、本発明において有用な二量体または多量体は、少なくとも1つの
デスアミノケモカインタンパク質および同じタイプの生物学的活性を有すること
により特徴付けられる少なくとも1つの他のケモカインまたは他のタンパク質を
含む。この他のタンパク質は、さらなるデスアミノケモカイン、または他の公知
のタンパク質であってもよい。
【0012】 II.本発明において有用なタンパク質 一般に、本発明の方法において有用なケモカインは、成熟ケモカインまたはそ
れら由来の修飾および多重結合タンパク質を包含し、これらは国際特許出願、公
開番号WO94/29341に詳細に記載される。望ましくは、これらのケモカ
インは、KC、groα、groβおよびgroγから選択され、最も好ましく
は、ケモカインはgroβである。
【0013】 一の好ましい具体例において、本発明の方法は本発明のデスアミノケモカイン
タンパク質を利用する。このタンパク質は、そのN末端において配列番号:1〜
4のアミノ酸位置2および8の間で平滑末端化された本発明において有用な成熟
ケモカインのアミノ酸配列を含む。好ましくは、本発明のデスアミノタンパク質
は、配列番号:2〜4のアミノ酸5〜73、または、配列番号:1のアミノ酸5
〜72にわたるタンパク質配列を有する。最も好ましくは、本発明の方法は、配
列番号:3のアミノ酸5〜73にわたるタンパク質配列を有するデスアミノgr
oβ、または、配列番号:3のアミノ酸5〜73にわたるタンパク質配列を有す
る脱アミド化デスアミノgroβであり、ここで位置69におけるアミノ酸はイ
ソアスパラギン酸またはアスパラギン酸に脱アミド化されており、または、配列
番号:3のアミノ酸5〜73にわたる脱アミド化および非脱アミド化デスアミノ
groβの混合物である。 WO94/29341に記載されるように、同様な修飾を、本発明の方法にお
いて有用なKC、groαおよびgroγタンパク質に作成できる。これらのタ
ンパク質は、すべて文献中に記載され、当業者に公知である。
【0014】 本発明において有用な好ましい多重結合タンパク質には、少なくとも1つのデ
スアミノケモカインタンパク質および少なくとも1つの他のケモカインまたは同
じタイプの生物学的活性を有することにより特徴付けられる他のタンパク質を含
む二量体または多量体が包含される。この他のタンパク質は、さらなるデスアミ
ノケモカインまたは別の公知のタンパク質であってもよい。例えば、本発明の方
法において有用な望ましい二量体は、好ましくはジスルフィド結合により連結し
た上記したような2個のデスアミノタンパク質を含む。望ましい多量体は2また
はそれ以上のデスアミノgroβタンパク質、特に配列番号:3のアミノ酸5〜
73からなる2個のタンパク質の集合であってもよい。別に、本発明の他の二量
体は、成熟groβタンパク質と組み合わさった本発明のデスアミノgroβタ
ンパク質であってもよい。同様に、二量体または他の多重結合形態の種々の組み
合わせは、成熟または修飾groβおよび他のケモカイン、例えばKC、gro
αおよびgroγタンパク質の組み合わせを含んでいてもよい。例えば、本発明
のデスアミノgroβタンパク質は、修飾されていない成熟groαタンパク質
と二量体を形成してもよい。当業者は本発明の修飾ケモカインを用いて他の望ま
しい多量体を得てもよい。しかしながら、本明細書に定義するような2またはそ
れ以上の異なる修飾タンパク質の多重結合形態の使用が本発明の方法において有
用である。本方法において用いるケモカインは、上記したような修飾ケモカイン
および他の公知の成熟タンパク質の多重結合形態であってもよい。 これらのタンパク質およびモノマーは、文献中に詳細に記載されており、慣用
の技術および/または国際特許公開番号WO94/29341に記載される技術
を用いて合成してもよくまたは組換え的に製造してもよい。
【0015】 III.医薬組成物 望ましくは、本発明の方法において有用なケモカインは、医薬の調製において
用いられるか、および/または、医薬組成物の形態において有用である。かくし
て、ケモカインを、例えば、国際特許出願公開番号WO90/02762(19
90年3月22日)および公開番号WO94/29341(1994年12月2
2日)において記載されるのと同様な方法で、医薬組成物中に処方し、投与でき
る。
【0016】 造血幹細胞の可動化において有用なこれらの医薬または医薬組成物は、本明細
書で定義する成熟、修飾または多重結合ケモカインの治療上有効量および許容さ
れる医薬担体を含む。本明細書で用いる「医薬」なる用語には、本発明の獣医適
用を包含する。 「治療上有効量」なる用語は、モノマーまたは多重結合形態のいずれであって
も、所望の生理学的作用を達成するのに十分な量で幹細胞を可動化するのに有用
なケモカインの量を意味する。
【0017】 一般に、本発明において有用な成熟、修飾またはデスアミノケモカイン(例え
ばgroβ)は、投与あたり、約0.01ng/kg体重から約100mg/k
g体重の間の量、好ましくは、約0.01ng/kg体重から10mg/kg体
重の間の量で投与される。望ましくは、多重結合ケモカインを本発明の方法にお
いて用いる場合、医薬または組成物は、この範囲のより低い量で多重結合タンパ
ク質を含む。好ましくは、これらの医薬組成物を注射によりヒトまたは他の哺乳
動物対象に投与する。しかしながら、投与はいずれかの適当な内的経路によって
もよく、必要ならば、例えば1日から約1週間の間、1日1回から3回繰り返し
てもよい。
【0018】 適当な医薬担体は、当業者に周知であり、容易に選択できる。一般に、好まし
い担体は生理食塩水である。所望により、本発明の医薬アッセイは、他の活性な
成分を含んでいてもよくまたは他の治療剤と共に投与されてもよい。適当な所望
の成分または他の治療剤は、この性質の状態を治療するための慣用のものが包含
され、例えば、なかでも他の抗炎症剤、利尿剤および免疫抑制剤などが包含され
る。望ましくは、これらの修飾ケモカインはコロニー刺激因子と共に投与される
のに特によく適する。
【0019】 IV.造血幹細胞を可動化するための方法 本発明は、免疫抑制または造血幹細胞およびそれらから分化した細胞の数が少
ないことにより特徴付けられる、限定するものではないが、炎症、熱、ウイルス
性、真菌性および細菌性感染症、癌、骨髄性障害、造血障害、再生不能性貧血、
自己免疫疾患および造血および/または骨髄細胞の産生および/または分化が少
ないことにより特徴付けられる症状を包含する症状を治療する改良法が提供され
る。この方法は、選択された哺乳動物に本発明の医薬組成物を投与することを含
む。好ましくは、この組成物は、コロニー刺激因子とともに投与されるか、これ
を含む。コロニー刺激因子の適当な源は、周知であり、例えば、天然、合成およ
び組換えGM−CSF、M−CSF、G−CSFおよびIL−3が包含される。
他の好ましい具体例において、本発明において有用なデスアミノケモカインを、
インビボで投与し、選択された患者中に見られる天然のコロニー刺激因子と共同
して作用させることができる。
【0020】 一の好ましい具体例において、本発明の方法はGM−CSF(またはG−CS
F)と共に本明細書に記載するデスアミノケモカインを使用する。デスアミノg
roβまたは脱アミド化デスアミノgroβおよびデスアミノgroβの混合物
などの修飾ケモカインをG−CSFと共に本発明の方法にしたがって使用すると
(この組み合わせは共同性を有することが観察されている)、患者に投与すべき
G−CSFの用量を少なくでき、GM−CSF(G−CSF)により引き起こさ
れる望ましくない副作用を非常に少なくすることができる。
【0021】 本発明の方法において有用な成熟ケモカインおよび修飾または多重結合ケモカ
インは、単独で投与した場合に造血幹細胞を可動化する能力により、または、イ
ンビボおよびインビトロで、他の造血因子、たとえばコロニー刺激因子または増
殖因子とともに投与されるか、または天然に循環しているCSFと組み合わされ
た場合、または化学療法剤とプロトコールで投与された場合、造血刺激において
共同活性を有することにより特徴付けられる。
【0022】 一の具体例において、本発明は、ヒトgroβ(配列番号:3)、ヒトgro
α(配列番号:2)、ヒトgroγ(配列番号:4)、ネズミ科KC(配列番号
:1)から選択される成熟ケモカインを含む組成物または医薬の有効量を動物に
投与することによる動物において造血幹細胞を可動化するための方法を提供する
【0023】 本発明の別の具体例において、動物において造血幹細胞を可動化するための方
法は、groβ、groα、groγおよびKCから選択されるケモカイン由来
の修飾タンパク質の有効量を動物に投与することを包含する。好ましい具体例と
して、ケモカインヒトgroβ(配列番号:3)由来の修飾タンパク質の有効量
を動物に投与することによる動物において造血幹細胞を可動化するための方法が
提供される。
【0024】 さらに別の態様において、本発明は、上記したような少なくとも1つのケモカ
インおよび第二のケモカインの組み合わせを含む、多重結合タンパク質の有効量
を動物に投与することを含む動物において造血幹細胞を可動化するための方法を
提供する。
【0025】 造血幹細胞を可動化する方法の実施において、これらのタンパク質の「有効量
」なる用語は、適当な手段により患者に投与された場合、造血幹細胞を可動化し
、末梢血液において造血幹細胞の量を増加する量として定義してもよい。この量
は、造血前駆細胞の増殖または発達を刺激するのに必要な量よりも多いことが予
想される。有効量は、適当な臨床または獣医の状況において造血幹細胞から分化
する細胞を循環中に増加させる。望ましい有効量は、投与あたり約0.01ng
/kg〜10mg/kg体重であってもよい。
【0026】 幹細胞を可動化するための投与の適当な手段には、限定するものではないが、
ボーラス注入、または、注入、静注、または皮下注射を含む他の適当な内的経路
による有効量のインクリメンタル投与が包含される。投薬は、例えば1日から約
1週間の間、1日1回から3回、必要に応じて繰り返してもよい。
【0027】 加えて、成熟ケモカイン、または上記した修飾もしくは多重結合ケモカインを
用いる本発明の方法は、末梢血幹細胞移植計画において用いてもよい。例えば、
化学療法剤の所望な初期投与後、成熟ケモカインまたは上記した修飾もしくは多
重結合ケモカインをCSFの代わりに投与し、骨髄から末梢循環へ造血幹細胞を
可動化し、回収し、ならびに高用量化学療法後に再投与する。適当な化学療法剤
は、限定するものではないが、シクロホスファミド、シスプラチン、ARA−C
、5−フルオロウラシル、エトポシド、エピルビシン、カルボプラチン、ブスル
ファン、ミトキサントロンおよびカルムスチンなどの周知の薬剤が包含される。
本発明にしたがってケモカインと共に投与した場合、化学療法剤の量は、慣用的
に用いられる量であり、すなわち、約1.2g/m2エトポシド、800mg/ m2ARA−C、200mg/kgシクロホスファミドなどである。かかる投与 は、出典明示により本明細書に含める、Hass et al, Seminars in Oncol., 21:1
9-24 (1994)を参照。
【0028】 上記したケモカインを用い、治療計画において慣用的に用いられるCSFを補
足してもよい。別に、同じ目的のため、上記したケモカインを、例えば上記した
ような造血に関与する分子などの他の造血調節生体分子と、または、増殖因子、
慣用的な医薬および/または薬剤と組み合わせる治療に用いてもよい。かかる増
殖因子の適当な源は周知であり、限定するものではないが、天然の、合成および
組換えGM−CSF、G−CSF、幹細胞因子およびFlt−3リガンドを包含
する。他の適当な生体分子は、(S)−5−オキソ−L−プロリル−a−グルタ
ミル−L−a−アスパルチル−N8−(5−アミノ−1−カルボキシペンチル) −8−オキソ−N7−[N−{N−(5−オキソ−L−プロリル)−L−a−グ ルタミル}−L−a−アスパルチル]−L−スレオ−2,7,8−トリアミノオ
クタノイル−リジン[(pGlu−Glu−Asp)2−Sub−(Lys)2
[Pelus et al, Exp. Hematol., 22:239-247 (1994)]を包含する。さらに別の共 に投与するための医薬および薬剤は、当業者により容易に選択できる。
【0029】 末梢血幹細胞移植の伝統的方法と置き換えるかまたはそれとともに本発明を使
用する利点は、骨髄移植よりもPMSおよび/または血小板のより迅速な回復が
起こり、感染の危険が減少し、方法が化学療法の潜在的に高い治療用量または投
与すべき増強された化学療法剤の一連の投与を可能にすることである。 以下の実施例は、単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0030】 実施例1−可動化アッセイ 修飾および多重結合ケモカインを包含するKC(配列番号:1)、groβ(
配列番号:3)およびgroγ(配列番号:4)由来のケモカインを、公知の技
術を用いて調製する。例えば、かかるケモカインの調製に関するさらなる議論に
ついて、WO94/29341を参照。これらのケモカインを、マウスにおいて
造血幹細胞を可動化する能力について調べる。各ケモカインを、50、10およ
び2マイクログラム/マウスの濃度でアッセイし、皮下、筋肉内、腹膜内、静脈
内または経口経路で投与する。造血幹細胞のケモカイン可動化のキネティクスを
、マウスから心臓穿刺により血液サンプルを回収することにより60分間にわた
り15分間隔でモニターする。可動化造血幹細胞を、Lympholyte−M
ヤ密度勾配上で分離することにより分画し、回収する。細胞を後で使用するため
に洗浄する。 成熟血液細胞エレメントを、獣医学的ソフトウェアを備えたTechnico
nヤ H1 血液学アナライザーを用いて数える。多形核(PMN)細胞、好酸球
および好塩基球などの成熟炎症性細胞の可動化を、全体の潜在的炎症プロフィー
ルを評価する場合を考慮する。 早期および後期造血前駆細胞をモニターするため、CFU−GMアッセイを行
う、すなわち、可動化時期の間に集められた血液サンプルを7日および14日に
、コロニー形成単位(CFU−GM)について評価する。細胞を血清を含まない
McCoys培地中106細胞/mlに調整する。栄養分(NaHCO3、ピルベ
ート、アミノ酸、ビタミンおよびHEPES緩衝液)に富むMcCoys培地、
0.3%バクトアガー、および15%胎仔ウシ血清からなる単一相寒天システム
を用いる。血液サンプルからの細胞(最終濃度105細胞/ml)を寒天システ ムに加える。寒天プレートを37℃、7.5%CO2にて、7〜14日間インキ ュベートする。増殖する細胞(CFU−GM)のコロニーを顕微鏡を用いて計数
する。 加えて、早期造血高増殖潜在(HPP)前駆体を14日のCFU培養物中で計
数する。 単一因子として造血幹細胞を可動化するケモカインIL−8を正の対照として
これらの実験中に含める。 予備実験により、groβ(配列番号:3)の投与により、対照の結果と同様
にCFU−GMの用量依存性可動化の生じることが示された。修飾groβ、g
roβのN−末端4アミノ酸トランケーションタンパク質(aa5〜73)は、
groβ(アミノ酸1〜73)またはIL−8よりも有意に多くの数の造血前駆
体細胞を可動化した。成熟細胞エレメントにおける有意な変化(>3倍)はgr
oβ処置マウスにおいて観察されず、このことは造血前駆体細胞の特異的可動化
を示唆した。この結果は、修飾デスアミノケモカインは成熟タンパク質と比較し
て増強された可動化特性を有する可能性を示す。
【0031】 実施例2−造血刺激剤との組み合わせにおける可動化アッセイ 造血刺激剤を可動化因子として上記したケモカインと組み合わせてアッセイす
る。造血刺激剤には、G−CSF、GM−CSF、(S)−5−オキソ−L−プ
ロリル−a−グルタミル−L−a−アスパルチル−N8−(5−アミノ−1−カ ルボキシペンチル)−8−オキソ−N7−[N−{N−(5−オキソ−L−プロ リル)−L−a−グルタミル}−L−a−アスパルチル]−L−スレオ−2,7
,8−トリアミノオクタノイル−リジン[(pGlu−Glu−Asp)2−S ub−(Lys)2][Pelus、前掲]およびFLT−3リガンドが包含される。
いずれかのG−CSF模倣物、すなわち、G−CSFまたはGM−CSFのよう
にCSFではないが、造血活性を有する造血刺激剤を用いてもよい。 組み合わせアッセイにおいて、ケモカイン、または、KC(配列番号:1)、
groβ(配列番号:3)およびgroγ(配列番号:4)由来の修飾もしくは
多重結合ケモカインの4日前に、例えばG−CSFなどの造血刺激剤を、マウス
に50マイクログラム/kgで投与する。実施例1におけるように、ケモカイン
の用量および血液回収の時間を変化させる。 CFU−GMアッセイをコロニー刺激活性の源としてSCF、IL−1および
GM−CSFを用いて実施例1において上記したように行う。成熟血液細胞エレ
メント、早期および後期前駆体を実施例1のように測定する。 造血刺激剤前処置での組み合わせ実験では正の対照としてMIP−1αを用い
る。
【0032】 実施例3−ネズミ科末梢血幹細胞移植モデル A.原始長期再集団化幹細胞(primitive long term repopulating stem cell)
の可動化 以下の実験をインビボ幹細胞移植モデルで行い、N−末端平滑化groβ(配
列番号:3のaa5〜73;groβ−Tと称する。)が原始長期再集団化幹細
胞を可動化するかどうかを調べた。このモデルにおいて、ガンマ線照射マウスが
骨髄細胞の受容者である。マウスを生存について100日間追跡する。 PBS、groβ−T(15〜30分にて50マイクログラム)、G−CSF
(1マイクログラム/マウスBID×4)またはG−CSF、ついでgro−T
で処置したマウスから、致死量の放射線を照射したマウスを救う血液幹細胞の能
力を集めた。PBS処置したマウスタンパク質から集められた血液単核細胞(1
E+6まで)は、移植後100日で、マウスの0〜10%を保護した。アッセイ
の正の対照として骨髄細胞を受容したマウスは、100日で100%生存した。
groβ−T単独で処置したマウスから集められた可動化血液細胞(1E+6細
胞/マウス)は受容者の70%を保護した。G−CSF処置ドナーから集められ
た可動化血液細胞(1E+6細胞/マウス)は受容者の80%を保護した。G−
CSFおよびgroβ−Tで処置したドナーから集められた可動化血液細胞は、
G−CSF単独よりも多くの数の再集団化細胞を可動化した。
【0033】 B.末梢血幹細胞の可動化 照射処置された宿主において、groβ−Tにより可動化された末梢血幹細胞
が成熟血液細胞系統を回復する測度を評価した。1E+6低密度末梢血細胞(L
DPBC)を照射処置された受容者中に注入し、照射後7〜19日に心臓穿刺に
より血液を採取した。異なる群からのLDPBCを、CFU−GM可動化につい
て最適条件下で回収した。この実験において比較した群は、PBS、groβ−
T単独(50マイクログラム、15分)、G−CSF(BID×5日、1マイク
ログラム/マウス単独)およびgroβ−T+G−CSFであった。正常マウス
を移植した動物との比較のため、毎日血液採取した。 PBS処置ドナーからの移植を受けたマウスは、成熟血液細胞エレメントを回
復できず、死んだ。平滑末端化groβにより可動化された細胞を受容したマウ
スにおける好中球回復の測度は、G−CSF可動化細胞を受容したマウスよりも
速かった。groβ−T+G−CSFの組み合わせにより可動化したLDPBC
で移植したマウスはgroβ−T可動化細胞よりも好中球回復測度が速かった。 これらの同じマウスにおける血小板数の回復は同じパターンに従った:gro
β−T+G−CSF>groβ−T>G−CSF>>PBS。しかしながら、1
9日で、血小板数は正常値への回復からまだ遠い。これらのデータは、groβ
−T可動化血液幹細胞が受容者マウスに移植されると、好中球および血小板回復
測度はG−CSF可動化幹細胞と同じかまたは優れた結果となることを示唆する
【0034】 実施例4.Groβ−Tの調製 GROβ−Tの発現 LW14宿主株および発現ベクター(pEAHy)を用い、イー.コリ(E.
coli)にて細胞内でGROβ−Tを発現させた。発現を、ベクター上のフェ
ーズラムダPLプロモーターおよび温度感受性cI857リプレッサーにより制
御した。発現を増殖している細胞の温度シフトにより誘導する。誘導されたタン
パク質は細胞溶解物不溶性ペレット中にあった。10リットルの発酵物から回収
した細胞を−70℃で凍結した。
【0035】 細胞溶解、リフォールディングおよびGROβ−Tの精製 凍結細胞を40mM NaClおよび2mM EDTAを含む20mMクエン酸
ナトリウム緩衝液pH6.0中に分散し(10ml/g細胞)、Microfl
uidics M110YまたはGaulinに11,000psiで2回通す ことにより溶解した。溶解物を10,000gにて1時間、4℃にて遠心分離し
た。すべてのGROβ−Tはペレット中にあり、溶解物上澄を捨てた。ペレット
を25℃にて2時間、2M グアニジンHCl、50mM Tris HCl pH
7.0中に溶解した(2ml/g細胞)。溶液を等量の水中に希釈し、不溶性物
質を15,000gにて1時間遠心分離することにより除去した。すべてのGR
Oβ−Tを還元型に変換するために、上澄を20mM DTTに調整し、2時間 25℃にてインキュベートした。溶液を10ml/g細胞に5mM HClで希 釈すると、大量に沈殿した。沈殿物(GROβ−Tを含まない)を25,000
gにて1時間遠心分離することにより除去した。透明な上澄を5mM HClに 対して透析(3K)するか、濾過(Filtron 3 K cut off)した。5mM HCl
中の還元型GROβ−Tを2M Trizma塩基でpH7.5に中和し、1m Mシステアミン、0.2mMシスタミンおよび1mM EDTAに調整した。再 酸化を2時間25℃にて行った。溶液を1M HClでpH6.5に調整し、5 0mM Mes pH6.5(緩衝液A)で平衡化したToyopearl SP
650 Mカラム(2mlレジン/g細胞)にアプライした。カラムを5−カラ ム容積の緩衝液Aで、ついで5−カラム容積の22%緩衝液B(緩衝液A中1M
NaCl)で洗浄した。GROβ−Tを>95%純度で35%の緩衝液Bで溶 出した。プールを0.4M NaCl中Q−セファロースを通し、結合したDN Aまたはエンドトキシンを除去し、50mM NaClを含む1mMリン酸カリ ウムpH6.5(緩衝液P)中で透析し、ハイドロキシアパタイトカラム(BioR
ad Macro-Prep Ceramic Hydroxyapatite Type I)にアプライした。HAカラム を緩衝液P中0.15M NaClで洗浄し、不純物を除去し、GROβ−Tを 緩衝液P中0.5M NaClで溶出した。HAプールを生理食塩水に対して透 析し、無期限に安定である−70℃にて保存した。均一な非脱アミド化GROβ
−Tを得るため、SPカラムからのプールをQ−セファロースおよびHAカラム
の代わりにC18 RP−HPLCカラムを用いて分画した。SP−プールを0 .1%TFAに調整し、12.5%緩衝液R(0.1%TFA中80%アセトニ
トリル)で平衡化したVydac C18(2.2×25cm、10ミクロン、N
est Group)にアプライした。カラムを1カラム容積の30%緩衝液Rで洗浄し た。GROβ−Tを5−カラム容積の緩衝液Rの30〜40%直線勾配で溶出し
た。C18カラムからのプールを凍結乾燥して乾燥し、10mg/mlで生理食
塩水中に再懸濁し、生理食塩水に対して大量に透析し、動物実験に使う前、−8
0℃に保存した。
【0036】 脱アミド化GROβ−Tの調製 上記の精製GROβ−Tを0.1M リン酸ナトリウム緩衝液pH8.0中で 5日間25℃にてインキュベートすると、GROβ−Tはキャピラリー電気泳動
による解析に基づき完全に脱アミド化された。脱アミド化のただ1つの部位がN
69DとしてNMRスペクトルにより同定された。
【0037】 実施例5 逆相HPLCを用いるGroβ−Tの脱アミド化生成物の検出 ジスルフィド架橋状態(非−還元型)のGroβ−Tのiso−Asp69、
Asp69および天然のAsn69形態の分割を、HP1090クロマトグラフ
ィーシステム(Hewlett Packard)に適合させたZorbax 300SB−C8
逆相HPLCカラム(2.1mm x 150mm、part number 883750.906、Ro
ckland Technologies, Inc.)を用いて行った。典型的な解析は、40μlの0 .1%水中TFA中に溶解した16μgのGroβ−T混合物の注入を含んだ。
1mlの「Baker Analyzed」HPLC等級のTFAを1LのNa
noporeII水に加えたものを含む緩衝液A、および、80%アセトニトリ
ル、0.1% TFA(800mlのHPLC等級のアセトニトリルを200m lの水に加え、ついで1mlのHPLC等級のTFAを加えたもの)を含む緩衝
液Bを混合することによる直線勾配溶出(表1)を用いて、分離を行った。カラ
ム温度を60℃に維持し、ピークを210および215nmにて検出した。
【0038】
【表1】 Iso−Asp69、Asp69および天然のAsn69Groβ−Tペプチ
ドの保持時間は、それぞれ44.2分、51.9分および47.7分であった。 上記のものをわずかに修飾した勾配および上記と同じクロマトグラフィー条件
を用い、還元型ジスルフィド架橋(還元型)を有する天然およびGroβ−T脱
アミド化生成物が得られた。
【0039】
【表2】 還元型Iso−Asp69、Asp69および天然のAsn69Groβ−T
ペプチドの保持時間は、それぞれ43.7分、50.6分および46.9分であ
った。 本発明の多くの修飾および変形が上記した明細書中に包含され、当業者に明ら
かであると予測される。本発明の組成物および方法のかかる修飾および変形は、
添付する請求の範囲内に包含されると考えられる。
【0040】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1の単一薬剤可動化アッセイにおけるgroβ(
配列番号:3のアミノ酸1〜73)の作用を示すグラフである。
【図2】 図2は、実施例1の単一薬剤可動化アッセイにおける修飾gro
β(配列番号:3のアミノ酸5〜73)の作用を示すグラフである。
【図3】 図3は、単一薬剤可動化アッセイにおけるリン酸緩衝化生理食塩
水(PBS)、IL−8、groβ(アミノ酸1〜73;配列番号:3)および
修飾groβ(配列番号:3のアミノ酸5〜73)の比較を示す棒グラフである
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/357 A61K 31/495 31/495 31/535 31/535 31/555 31/555 45/00 38/22 A61P 43/00 45/00 111 A61P 43/00 C07K 14/47 111 A61K 37/02 C07K 14/47 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AU,BA,BB,BG,BR,CA,CN, CZ,EE,GE,HU,ID,IL,IS,JP,K P,KR,LC,LK,LR,LT,LV,MG,MK ,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG,SI, SK,SL,TR,TT,UA,US,UZ,VN,Y U (72)発明者 ヤンキウ・キアン アメリカ合衆国19406ペンシルベニア州キ ング・オブ・プルシア、シー−12、ウエス ト・デカルブ・パイク251番 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 AA17 BA01 BA08 BA20 CA18 CA25 DC50 NA14 ZA361 ZA511 ZB071 ZB092 ZB111 ZB261 ZB331 ZB351 4C086 AA01 AA02 AA03 BA07 BA13 BC43 DA32 DA37 DA38 MA01 MA04 NA03 ZB32 4C206 AA01 AA02 AA03 FA31 GA25 JA06 MA01 MA04 NA03 ZB32 4H045 AA30 BA21 DA01 DA11 DA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アミノ酸69がアスパラギン酸またはイソアスパラギ
    ン酸に脱アミド化されている配列番号:3のアミノ酸5〜73;および (b)(a)および配列番号:3のアミノ酸5〜73を含む修飾gro タンパ ク質の組み合わせ からなる群より選択される修飾gro タンパク質の有効量を患者に投与するこ とを含む造血幹細胞を可動化する方法。
  2. 【請求項2】 修飾gro タンパク質が、約0.01ng〜約1gの間の 修飾gro タンパク質を含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 修飾gro タンパク質を増殖因子または他の造血調節生体 分子と共に投与する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 増殖因子がGM−CSF、G−CSF、幹細胞因子およびF
    lt−3リガンドからなる群より選択される請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 修飾gro タンパク質を末梢血造血幹細胞移植を受けた患 者の治療において用いる請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 修飾gro タンパク質で処置するのに先立ち、選択された 化学療法剤を患者に投与し;処置した患者の末梢血液から造血幹細胞を集め:化
    学療法剤を投与し;患者に集めた細胞を再度注入する、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 化学療法剤が、シクロホスファミド、シスプラチン、ARA
    −C、5−フルオロウラシル、エトポシド、エピルビシン、カルボプラチン、ブ
    スルファン、ミトキサントロンおよびカルムスチンからなる群より選択される請
    求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 アミノ酸番号69がアスパラギン酸またはイソアスパラギン
    酸に脱アミド化されている配列番号:3のアミノ酸5〜73からなる新規ケモカ
    イン。
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