JP2001521759A - ヒトアミロイド前駆体タンパク質遺伝子の翻訳エンハンサーエレメント - Google Patents

ヒトアミロイド前駆体タンパク質遺伝子の翻訳エンハンサーエレメント

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JP2001521759A JP2000519589A JP2000519589A JP2001521759A JP 2001521759 A JP2001521759 A JP 2001521759A JP 2000519589 A JP2000519589 A JP 2000519589A JP 2000519589 A JP2000519589 A JP 2000519589A JP 2001521759 A JP2001521759 A JP 2001521759A
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ジャック・ロジャーズ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトアミロイド前駆体タンパク質(APP)遺伝子の翻訳を増加させるDNAエレメントに関する。エンハンサーは発現ベクターに挿入され、組換えタンパク質産生を増加し得る。加えて、本発明は、ヒトアミロイド前駆体タンパク質の発現を調節する薬剤の同定の目的で、翻訳エンハンサーエレメントを含むベクターを使用するアッセイに関する。これらの薬剤は、アルツハイマー病の患者のAPP発現の抑制に最終的に使用されるであろう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ヒトアミロイド前駆体タンパク質(APP)遺伝子の翻訳を促進する核 酸エレメントに関する。本エレメントは、組換えタンパク質生産を促進するため
に、他の構造遺伝子とライゲートし得る。加えて、レポーター遺伝子配列とライ
ゲートし得、APPの発現を変える因子の同定の目的で、アッセイに使用し得る。 加えて、配列は、APP産生のダウンレギュレーションするための治療標的として 使用できる。
【0002】 (背景技術) アルツハイマー病は、最後に神経細胞死および認識機能の喪失を導く複合的な
段階の結果として発症する。現在、二つの段階が特に重要であるように見える。
第1は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の合成およびそのAβペプチドへの 添加であり、それは次いで重合化して、アルツハイマー病の証明であるアミロイ
ドフィラメントとして沈着する(Selkoe, J. Biol. Chem. 271:18295(1996); Sch
euner, et al., Nature Med. 2:864(1996); Goate, et al., Nature 349:709(19
91))。この進行と対になるのは、アミロイド関連タンパク質、α1−アンチキモ トリプシン(ACT)および補体活性化を導く脳の炎症の特別な形および急性相反応 である(Abraham, et al., Cell 52:487(1989))。インビトロ実験で、ACTおよび 他のアミロイド関連タンパク質、アポリポタンパク質E(ApoE)が、Aβのアミロ
イドフィラメントへの重合化を調節することが示されている(Yee, et al., Natu
re 372:92(1994))。ApoE4およびおそらくACT-A対立遺伝子は、アルツハイマー病
の遺伝性危険因子である(Corder, et al., Science 261:921(1992))。
【0003】 いくつかの事実が、増加したAPPレベルとアルツハイマー病の発症の間の直接 の関連を示し、更にこのような増加が炎症性機構と関連し得ることを示す: a)トリソミー−16マウスのダウン症の脳は、その遺伝子量から予期されるよ り0.5倍を超えたAPPタンパク質レベルの増加を示す(Neve, et al., Mol. Brai
n Res. 39:185(1996))。 b)トランスジェニックマウスでのAPPタンパク質の過発現は、FAD変異存在下で さえ、アミロイドフィラメント沈着およびアルツハイマー病様病因のために十分
なAβペプチド産生のために必要である(Quon, et al., Nature 352:239(1991))
。更に、APPタンパク質合成は、インビトロおよびインビボの両方でAβペプチ ド産生と相関する(Ho, et al., J. Biol. Chem. 271:30929 (1996))。 c)アルツハイマー病の既知の危険因子である外傷性脳損傷は、ラット脳でIL −1およびAPP−免疫反応性を増加させる(Nieto-Sampedro, et al., J. Neurosc
i. Res. 17:214(1987))。 d)ラット大脳皮質に注射したIL−1は、損傷部位でAPPタンパク質の定常期レ
ベルを増加させ(Sheng, et al., Neurobiol. Aging 17:761(1996))、一次星状細
胞が分泌Aβペプチドの源であることが示されている(Busciglio, et al., Proc
. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:2092 (1993))。
【0004】 炎症が脳細胞内でのAPPの加産生を導く機構の確定は、アルツハイマー病をコ ントロールする新しい治療を導き得る。その上に、遺伝子発現を制御する新しい
方法およびエレメントの発見は、インビトロおよびインビボの両方で組換え遺伝
子の産生をコントロールする新しい機会を提供する。
【0005】 (発明の要約) 本発明は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)遺伝子から転写されたmRNAが翻 訳される速度を増進させる、独特なDNAエレメントの発見に基づく。このエレメ ントは、他の遺伝子と組み合わさり、転写活性を増加させることなく組換えタン
パク質産生を増加させ得る。
【0006】 第1の態様において、本発明は非同種遺伝子、即ち、ヒトAPPをコードする以 外の遺伝子と作動可能に結合した、APPの翻訳エンハンサーエレメントを含む、 実質的に純粋なDNA分子に関する。翻訳エンハンサーエレメントは、配列番号1 のヌクレオチド配列から本質的に成り、好ましい態様において、非同種遺伝子は
エンハンサーにおける3'側の10および100ヌクレオチドの間から3'の最後
のヌクレオチドに至るまでの部位に位置する。
【0007】 他の態様において、本発明は真核細胞においてペプチドまたはタンパク質を組
換え的に発現させるためのベクターに関する。ベクターは細胞内で活性なプロモ
ーター、プロモーターの3'に位置する、および組換え産生のためのペプチドま たはタンパク質をコードするDNA配列の5'に位置する配列番号1のものから本質
的に成る配列を有する翻訳エンハンサーエレメントを含む。ペプチドまたはタン
パク質をコードする配列は、エンハンサーエレメントの3'に位置すべきである 、プロモーターに作動可能に結合すべきである、そして翻訳エンハンサーエレメ
ントに関して非同種であるべきである。好ましい態様において、組換え発現に付
される遺伝子は、エンハンサーにおける3'側の10および100ヌクレオチド の間から3'の最後のヌクレオチドに至るまでの部位に位置する。これらのベク ターは種々の宿主細胞、好ましくは真核宿主細胞を、形質転換の標準法を使用し
て形質転換するのに使用し得る。この方法で形質転換した細胞はまた本発明の範
囲内である。
【0008】 本発明はまた上記のベクターで形質転換された宿主細胞をインビトロまたはイ
ンビボで生育させ、次いで宿主細胞または細胞の周りの生育培地から組換えタン
パク質を精製する、タンパク質の組換え的製造法に関する。精製は、沈殿、種々
のマトリックスでのクロマトグラフィー、電気泳動法、親和性クロマトグラフィ
ー等を含む標準生化学法により達成し得る。所望により、方法は、翻訳エンハン
サーエレメントの活性を増加させるインデューサー、例えば、インターロイキン
−1αおよびインターロイキン−1βのようなサイトカインに宿主細胞を曝すこ
とを含み得る。インデューサーの最適濃度は、それをシステム内に滴定し、各濃
度で産生される組換えタンパク質の量を測定することにより決定できる。このよ
うな方法に関する以外に、本発明はこれらの方法で産生された組換えペプチドま
たはタンパク質を含む。
【0009】 他の態様において、本発明はヒトAPPの発現を変える能力について、試験化合 物をアッセイする方法にも関する。これは、プロモーター、翻訳エンハンサーエ
レメントおよびエレメントに作動可能に結合した非同種遺伝子を含むベクターの
調製により達成し得る。好ましくは、非同種遺伝子は比較的簡単に定量できる生
産物を産生する、例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼを
この目的で使用し得る。次いで、遺伝子発現を、試験化合物の存在下および非存
在下で、これらが発現を促進するか阻害するかを決定するために測定する。アッ
セイは、インビトロシステムを使用して、またはベクターで宿主細胞を形質転換
した後に行い得る。APPの過発現がアルツハイマー病と関連するため、翻訳エン ハンサーエレメントの活性を阻害する薬害が特に興味深い。このように、本発明
は、使用した試験化合物が、特に翻訳エンハンサーエレメントに対するアンチセ
ンス薬剤である方法を含む。これらのアンチセンス化合物は、配列番号1の、少
なくとも10塩基長である領域に相補的な核酸でなければならない。このタイプ
の薬剤はその効果を増加するために、種々の修飾に付され得る。アッセイに使用
できる他の試験化合物は、配列のエンハンサー機能を変えるRNA標的化合物を含 む。このような化合物は、異なるRNAで想定される二次構造の認識部分により働 き得る。加えて、薬理学的試薬および阻害的レセプター介在リガンドを試験し得
る。
【0010】 (定義) 本明細書で提供される本発明は、組換えDNA法に関する多くの用語を使用する 。このような用語により付与されるべき範囲を含む、明細書および特許請求の範
囲の明確な矛盾の無い理解を提供するために、以下の定義を提供する。
【0011】 実質的に純粋:本明細書での使用において、“実質的に純粋”なる用語は、典
型的にサンプル中の、多い割合が好ましいが、少なくとも85%を成すように、
他の付随する生物学的成分から分離された生物学的成分、タンパク質または核酸
を意味する。サンプル中の核酸およびタンパク質の純度を評価する多くの手段が
利用可能であり、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、クロマトグラフィーおよび
分析的遠心を含む。
【0012】 作動可能に結合:“作動可能に結合”なる用語は、その正常機能を実行するこ
とが可能なように結合した遺伝子エレメントを意味する。例えば、遺伝子は、そ
の転写がプロモーターの制御下であり、産生された転写物がその遺伝子により通
常コードされるタンパク質に正確に翻訳される場合、プロモーターに作動可能に
結合している。
【0013】 本質的に成る:“本質的に成る”または“本質的に成り”なる用語は、翻訳エ
ンハンサーエレメントと一緒に使用する。これは、翻訳エンハンサーが配列番号
1に示すものと正確に同じものを含む配列、ならびに、エレメントの基本的、定
性的機能的特性の保持により明らかにされる、実質的でない差異を有するDNAエ レメントの配列を包含する。特に、ヌクレオチドの小さい置換、付加または欠失
を、作動可能に結合した遺伝子の翻訳を促進する能力に影響しない配列の位置内
で行い得る。
【0014】 非同種:“非同種”なる用語は、本明細書でAPP翻訳エンハンサーエレメント が通常天然で結合している以外の遺伝子と結合している、すなわち、翻訳エンハ
ンサーエレメントがヒトAPP遺伝子以外の何かと結合していることを示すために 使用する。 プロモーター:プロモーターは、そこで転写が開始するDNA配列である。プロ モーターが誘導可能なタイプの場合、その活性は誘導剤に反応して増加する。
【0015】 相補的ヌクレオチド配列:“相補的ヌクレオチド配列”なる用語は、通常の塩
基対形成により惹起する配列を意味する。例えば、ヌクレオチド配列5'-AGA-3' は、相補的配列5'-TCT-3'を有する。 発現:発現は、ポリペプチドがDNAから産生される過程である。本過程は、遺 伝子のmRNAへの転写および続くmRNAのポリペプチドへの翻訳を含む。
【0016】 宿主:複製可能発現ベクターまたはクローニングベクターの受け手である原核
または真核細胞が、そのベクターの“宿主”である。本用語は、所望の遺伝子を
その染色体またはそのゲノム内に包含するように操作した原核または真核細胞を
含む。宿主として働くことができる細胞の例は、細胞形質転換の技術として当業
者に既知である(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory
Manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor (1989))。
【0017】 クローニングベクター:クローニングベクターは宿主細胞内で自主的に複製で
きるDNA配列(典型的に、プラスミドまたはファージ)であり、1個または少数の 制限エンドヌクレアーゼ認識部位により特徴付けられる。外来DNAフラグメント は、その部位でベクターにスプライスされ、フラグメントの複製およびクローニ
ングを引き起こす。ベクターは、形質転換細胞の同定に使用するのに適した1個
またはそれ以上のマーカーを含み得る。例えば、マーカーはテトラサイクリンま
たはアンピシリン耐性を提供し得る。
【0018】 発現ベクター:発現ベクターは、クローニングベクターと類似であるが、宿主
に形質転換後に、その中にクローン化されているDNAの発現を誘導できる。クロ ーン化DNAは、通常プロモーターまたはエンハンサーのようなある制御配列の制 御下(即ち、作動可能に結合)にある。プロモーター配列は、構造的、誘導可能ま
たは抑制可能であり得る。 遺伝子:本明細書での使用において、“遺伝子”なる用語は核酸ポリメラーゼ
、真核細胞においてはRNAポリメラーゼIIの鋳型を含む核酸配列を意味する。遺 伝子はmRNAに転写され、次いでそれはタンパク質に翻訳される。
【0019】 (発明の詳細な説明) 本発明は、ヒトアミロイド前駆体タンパク質遺伝子の5'非翻訳領域(5'UTR)で
最初に同定された翻訳エンハンサーエレメントに関する。エレメントは、配列番
号1に示す構造により定義される。しかし、本発明はそれに示される配列だけで
なく、作動可能に結合した構造遺伝子の翻訳を促進する、その基本的機能的特性
の保持により明らかな本質的に同じ配列も含むと理解される。加えて、本発明は
、このエレメントを使用する組換え的にタンパク質を産生する方法およびAPP発 現を阻害する能力に関して化合物をアッセイする方法を含む。
【0020】 I.APP翻訳エンハンサーエレメント APP翻訳エンハンサーエレメントは、90ヌクレオチド長であり、広範囲の方 法により得られ得る。有効であることが立証されている一つの方法は、大量のAP
Pを産生することが既知の細胞型のcDNAライブラリーのスクリーニングにより得 た、ヒトAPPクローンの5'非翻訳領域からのエレメントの単離である。例えば、
Kang, et al. (Nature 325:733 (1987))の方法を、胎児脳cDNAのライブラリーの
発現スクリーニングにより、APP cDNAのクローンに使用できる。使用し得る他の
細胞は、ヒト星状細胞腫細胞およびヒト星状細胞を含む。
【0021】 完全なAPP cDNAが単離されたら、適当な制限酵素でクローンを消化し、エレメ
ントを含むフラグメントをサブクローニングすることにより、翻訳エンハンサー
エレメントが得られ得る。上記のライブラリーの場合、クローン化APP cDNAを含
むCDプラスミドをSmaIおよびHindIIIの組合わせにより消化し、3kBフラグメ ントを得ることができる。次いで、これをクローニングベクターまたは発現ベク
ターに挿入し得る。例えば、SmaI/HindIII消化産物を、pSV2CATの5'UTRの適合 性StuI/HindIII部位に挿入し得る。次いで3kB APP遺伝子体を、NruIおよびHi
ndIIIでの消化によりこのクローン(消化pSV2(APP-1)CAT)から切り、CATレポータ
ー遺伝子に融合したAPP遺伝子5'UTRが後になるようにする。
【0022】 この方法で製造したプラスミドを、標準法(即ち、リン酸カルシウム沈殿、リ ポソーム移入、エレクトロポレーション等)を使用して宿主細胞にトランスフェ クトし、宿主細胞を生育させて大量のプラスミドを産生し得る。あるいは、宿主
細胞を下記セクションIIIに記載のアッセイに使用し得る。細胞、例えば、星状 細胞腫細胞をpSV2(APP)CATでトランスフェクトした時、それらはAPP遺伝子5'UTR
の90ヌクレオチドが117ヌクレオチド5'リーダー配列の一部であるキメラ 転写体を産生する。
【0023】 上記の方法は、ヒト転写エンハンサーを得るのに適しているが、多くの別な方
法が遺伝的エレメントの単離に関して記載され、これらを比較的少ない努力で、
APP翻訳エンハンサーの単離に適するようにできると予期される(例えば、Sambro
ok, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring
Harbor Press (1989)参照)。このように、エンハンサーエレメントは化学的に 合成し得るか、cDNAライブラリーを、既知のAPP遺伝子配列の領域に対応する標 識PCR−産生プローブを使用してスクリーニングし得る。一般に、このようなプ ローブは少なくとも14ヌクレオチド長であるべきであり、タンパク質間で保存
的であることが既知の領域から選択してはならない。一つの特に好ましい別法に
おいて、APP遺伝子配列は、エンハンサーエレメントの増幅の目的でPCRプライマ
ーを構築するのに使用し得る。
【0024】 II.タンパク質を組換え的に製造する方法 ヒトAPP翻訳エンハンサーエレメントの主な使用の一つは、タンパク質の組換 え製造である。適当な発現ベクターを製造するために、上記の方法を使用してエ
ンハンサーエレメントを得ることができ、次いでそれを転写の開始部位の下流お
よび発現に付される構造遺伝子セグメントの上流に配置しなければならない。プ
ロモーターおよび遺伝子キャップ部位に関する正確な位置は本発明では重要では
ないが、好ましくは、キャップ部位は、エンハンサーにおける3'側の10およ び100ヌクレオチドの間から3'の最後のヌクレオチドに至るまでの部位であ る。全ての場合、エンハンサーはAUGコドンと転写プロモーターの間でなければ ならない。存在する他のエレメントは、宿主細胞型に依存して変化するが、一般
に、転写および翻訳の開始に関与する配列および転写の停止をシグナル伝達する
配列を含む。転写エンハンサー配列も存在し得る。使用し得る真核プロモーター
の例は、マウスメタロチオネインI遺伝子(Haymer, et al., J. Mol. Appl. Gen
. 1:273 (1982));およびヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKnight, Cell
31:355-365 (1982));SV40初期プロモーター(Benoist, et al., Nature 290:30
4 (1981))等を含む。
【0025】 真核mRNAの翻訳が遺伝子の最初のメチオニンをコードするコドンで開始するこ
とは広く知られている。この理由のため、プロモーターとDNA構造配列の間の連 結は、メチオニンに関する干渉コドンを含んではならない。このようなコドンの
存在は、融合タンパク質の形成(AUGコドンが構造配列と同じリーディングフレー
ムである場合)またはフレームシフト変異(AUGコドンが同じリーディングフレー ムでない場合)をもたらす。エンハンサーの挿入は、それ自体、置き違え開始コ ドンを産生してはならない。
【0026】 真核生物での使用に適した多くのプラスミドが記載されている(Botstein, et
al., Miami Winter Symp. 19:265 (1982); Broach, Cell 28:203 (1982); Bolle
on, et al., J. Clin. Hematol. Oncol. 10:39 (1980); Maniatis, Cell Biolog
y: A Comprehensive Treatise, vol. 3, Academic Press, M.Y. pp. 563-608 (1
980))。加えて、翻訳エンハンサーエレメントを、同種組換えのために設計したD
NA構築物中に包含し得る(Capecchi, TIG 5:70 (1989); Mansour, et al., Natur
e 336:348 (1988); Thomas, et al., Cell 51:503 (1987); およびDoestschman,
et al., Nature 330:576 (1987)参照)。
【0027】 ベクターまたはDNA配列が製造されたら、それを適当な宿主細胞に、トランス フェクションの適当な手段を使用して挿入し得る(例えば、リン酸カルシウムお よびリポフェクチン沈殿)。次いで、大量のレシピエント細胞をベクター含有細 胞のために選択した培地中で生育させ得る。所望により、インデューサーを翻訳
エンハンサーエレメントの活性の増加の目的で生育培地に挿入し得る。この点で
有効であることが判明しているインデューサーは、インターロイキン−1αおよ
びインターロイキン−1βであるが、他のサイトカインも同様に使用し得る。
【0028】 発現した組換えタンパク質を、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、親和性クロ
マトグラフィー、電気泳動等のような慣用法に従って精製し得る。使用する正確
な方法は、産生された具体的タンパク質および用いた具体的発現系に依存する。
【0029】 III.APP発現を調節する化合物のアッセイ APPタンパク質の過発現は、アルツハイマー病の発症と密接に関連している。 従って、発現を阻害または促進する化合物の同定のためのアッセイは、かなり興
味深い。発現を阻害する化合物は治療剤としての使用の可能性があり、一方発現
を促進する化合物は、アルツハイマー病の病因を試験する科学実験で使用される
であろう。
【0030】 アッセイは、APP翻訳エンハンサーがレポーター遺伝子の上流に位置する発現 ベクターを使用して行う。例えば、セクションIに記載のpSV2(APP)CATプラスミ
ドを使用し得る。これらのプラスミドは、適当な宿主細胞、例えば、星状細胞ま
たは星状細胞腫細胞にトランスフェクトし、次いで、等しくサンプルウェルに分
配し、試験化合物に曝す。試験化合物のレポーター遺伝子発現への効果を、次い
で、試験化合物の存在下で見られる発現と、その非存在下で行われるものとの比
較により測定できる。
【0031】 化合物が、翻訳のレベルで作用するかを確認するために、暴露および非暴露細
胞のmRNA含量を比較し得る(この目的で使用できる方法の一例に関して、実施例 の章参照)。所望により、アッセイはインターロイキン−1αまたはインターロ イキン−1βの存在下で行い得、試験化合物がこれらの化合物で典型的に見られ
る翻訳活性の促進を変えるか否かを測定する。
【0032】 特に興味深い試験化合物の一つのグループは、翻訳エンハンサー配列のセグメ
ントと相補的なオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌクレオチドは、エ
ンハンサーエレメント内の少なくとも10塩基と、好ましくは、15塩基または
それ以上と相補的である。翻訳活性を変えることが判明したオリゴヌクレオチド
は、効果の増強のために、誘導体化するか、接合し得る。例えば、ヌクレオシド
ホスホロチオエートはその天然相同物に置換し得る(例えば、Cohen, Oligodeoxy
nucleotides, Antisense, Inhibitors of Gene Expression, CRC Press (1989) 参照)。オリゴヌクレオチドは、APP発現阻害の目的で、インビボ送達のための設
計もし得る。これを行った時、オリゴヌクレオチドを、細胞による取りこみが促
進された形で適用するのが好ましい。例えば、オリゴヌクレオチドは、リポソー
ム、レトロウィルスまたは細胞により摂取されるペプチドとの接合体の手段で送
達し得る(例えば、米国特許第4,897,355号および第4,394,488号 参照)。オリゴヌクレオチド送達の効果の促進のための他の方法は当分野で既知 であり、本発明とまた適合する。
【0033】 RNA標的化合物、薬理学的試薬および阻害的レセプター介在リガンドも本アッ セイで試験し得る。これらの中で最も好ましいのは、RNAの折りたたみによりも たらされる二次構造を認識することにより作用するRNA標的化合物である。
【0034】 (実施例) I.方法 一次ヒト星状細胞の製造 一次ヒト星状細胞は、先に記載の方法によるヒト胎児脳組織のトリプシン処理
により製造した(Das, et al., Neuron 14:447 (1995))。細胞をポリ−L−リジ ン(10μg/ml)被覆プレートに蒔き、10%ウシ胎児血清添加DMEM培地(低グル
コース)で70%コンフルエントまで生育させた。小神経膠細胞を除去するため に、培養物を5mM H−Leu−O−メチルエステルで処理した(Guilian, J. Neur
osci. Res. 18:155 (1987))。免疫蛍光法のために、細胞を100,000細胞/
60mmペトリ皿の密度で、ポリ−L−リジン被覆カバーガラス上に蒔き、24時
間、0.5ml培地中で生育させ、細胞を接着させた。グリア線維酸性タンパク質(
GFAP)の存在を、ヒトGFAPに特異的な1:10希釈ウサギIgG1抗体を使用して、 ホルムアルデヒド固定細胞の免疫蛍光染色により検出した。一次GFAP−特異的抗
体を、カバーガラスに30分、室温で、リン酸緩衝食塩水および10%ヤギ血清
中添加した。使用した二次抗体は、フルオレッセインイソチオシアナートに接合
した抗−ウサギIgGで、1:100希釈であった(Boehringer)。蛍光顕微鏡法に より、代謝実験に使用した細胞は、95%純度星状細胞として評価された。神経
特異的微小管関連タンパク質(MAP-2)およびβ−3−チューブリンの抗体は、星 状細胞培養の標識ができなった。U373MG星状細胞腫系を100mm非被覆皿で、1
0%ウシ胎児血清添加DMEM培地中、60−80%コンフルエントまで培養した。
【0035】 APPタンパク質合成の測定 細胞内APPタンパク質合成を、各処理のために8マイクロタイターウェルに同 数ずつ蒔いた後に、一次星状細胞で測定した(96ウェル皿中、1×105細胞/
ウェル)。12ウェルの5列の星状細胞を16時間、(1)0.5mg/ml組換えIL
−1α;(2)0.5mg/ml組換えIL−1β;(3)鉄(フェロトランスフェリン、
10mM Fe2Tfから由来し、10mM−100mMデスフェリオキサミン(Van No
strand, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:10302 (1991)とキレート)
;(4)デスフェリオキサミンで刺激した;または(5)コントロールとして未処置
のまま放置した(1×105細胞/ウェル)。無作為のウェル由来の細胞を計測し 、各実験の最初に1×105細胞/ウェルが一致して存在することを確認した。 星状細胞を無メチオニン培地で15分プレインキュベートし、300μCi/ml[3
5S]−メチオニンで30分、無メチオニン培地(RPMI1640;GIBCO)中でパルス標 識した。各マイクロタイタープレートを、2回コールドリン酸緩衝食塩水(PBS) で4℃で洗浄し、その後星状細胞を25ml STEN緩衝液および滅菌ガラス棒で溶
解した。STEN緩衝液は0.2% NP-40、2mM EDTA、50mM トリス、pH7.6 である。溶解緩衝液への20mM PMSF、5mg/mlロイペプチンの添加は、タンパ
ク質分解を防止した。各ウェル由来の緩衝液を全量300マイクロリットルでプ
ールした。各プールした溶解物の半分を、APPのカルボキシル末端に対して産生 した抗血清で免疫沈降した(APP−695のアミノ酸残基676−695に対して
産生したC−8抗体の1:500希釈)。各溶解物の残りをヒトフェリチン抗血 清で免疫沈降した(1:500希釈、Boehringer, Indianapolis, In)。
【0036】 IL−1による一次星状細胞からのAPP(プロテアーゼ−ネキシン−2)の分泌 および標識は、別のセットの実験で測定した。星状細胞培養物の100mm皿(1 0ml)由来の培地を、200μCi/ml[35S]−メチオニンで2時間パルス標識し た後に回収した。5mlの予め浄化した培地中のAPPを、APPのアミノ酸595−6
11に特異的なウサギポリクローナル血清の1:1500希釈を使用して免疫沈
降した(R1736, D. Selko)。アポリポタンパク質Eを、ポリクローナル抗血清の 1:200を使用して5mlの培養上清から免疫沈降した(Chemicon)。
【0037】 星状細胞腫の製造 星状細胞腫細胞(60%コンフルエント)を、一次星状細胞で使用したのと同じ
濃度のIL−1で刺激した。刺激後、同数の細胞を、メチオニン欠失DMEM培地中
の100μCi/ml[35S]−メチオニンで標識し、PBSで2回洗浄し、細胞ペレッ トを、20mM PMSF含有200μlコールドSTEN緩衝液中で溶解させた。APPを、
2μlの抗−APP抗体(C−8)の添加により免疫沈降した。
【0038】 免疫沈降 全標識実験において、免疫沈降タンパク質をプロテインAセファロース(登録 商標)ビーズに複合した抗体標識抗原の結合により回収した。免疫沈降サンプル を、10−20%トリス−トリシンゲル(Novex)に適応し、サンプルを製造者の 指示に従ってトリス−トリシン緩衝液中で電気泳動した。ゲルを25%メタノー
ル、7%(v/v)メタノールで1時間固定し、螢光間接撮影試薬(Amplify, Amersha
m)で30分処理し、乾燥させ、X-omatコダックフィルムに一晩−80℃で曝した
【0039】 ノーザンハイブリダイゼーション 全RNA(10μg)を一次星状細胞および星状細胞腫細胞から、RNA-STATキット(T
el-Test)で抽出した。RNAサンプルを50%ホルムアミド/2.2Mホルムアルデ
ヒド/20mM MOPS/50mM酢酸ナトリウム/0.5M EDTA、pH7.4で、60
℃で10分変性させ、1.0%アガロース−ホルムアルデヒドゲルで電気泳動し 、Hybond-Nフィルターにブロットし、UV架橋により固定化し、フィルターを8
0℃に加熱した。フィルターを3時間プレハイブリダイズし、一晩、50%ホル
ムアミド、50mg/ml変性サケ精子DNA、5×SSC、0.1%ドデシル硫酸ナトリ ウムおよび5×デンハルト溶液からなる溶液中でハイブリダイズした。ハイブリ
ダイゼーションに続き、フィルターを2回、合計1時間、2×SSC/0.2%ドデ
シル硫酸ナトリウムで室温で洗浄し、2回、合計1時間、0.5×SSC/0.1% ドデシル硫酸ナトリウムで55℃で洗浄した。同じ充填を、エチジウムブロミド
染色、ACTプローブの28S rRNAへの非特異的ハイブリダイゼーション、および内
部標準としてのGAPDH cDNAへの標準化ハイブリダイゼーションにより確認した 。APP cDNAプローブは、3kb APP cDNA(Kang et al., Nature 325:733 (1987))
から精製した独得な内部1kbフラグメントゲル、ヒトACT cDNAのPstI/SacIフラ
グメント(536−943)へのACT cRNAプローブ(Chandra, et al., Biochemist
ry 22:5055(1983))およびヒトGAPDH遺伝子へのGAPDHプローブ(Tokunaga, et al.
, Cancer Res. 47:5616 (1987))に対応する。
【0040】 pSV2(APP)CATの構築 pSV2(APP)CAT構築物は、SmaIとNruI部位(5'キャップ部位から、各々+52nt
および+142nt)の間にAPP遺伝子5'UTRを含む。pSV2(APP)CATは、2段階のサ ブクローニングで製造した。(1)コーディング領域および3'UTRのセグメントを 含む、APP遺伝子を含む3kb SmaI-HindIIIフラグメントを、pSV2(APP)CAT発現 ベクターのCAT遺伝子の5'UTRに独得なコンパチブルStuI-HindIII部位にサブクロ
ーン化した。(2)NruIとHindIII部位の間のAPP遺伝子フラグメントを構築物から
除去した。次いで、制限部位を平滑末端にし、再ライゲートした。pSV2(APP)CAT
トランスフェクタントにおいて、APP遺伝子5'UTRの90ntが、1.5kb APP/CA
T転写物のキメラ1171nt 5'リーダーの一部として発現された。pSV2CAT構築
物は、pBluescriptの独得なポリリンカー部位に挿入されたCAT遺伝子の5'末端 を含む。pSV2CATにおけるCAT遺伝子由来の250nt HindIII/EcoRIフラグメン
トをpBSベクター(Stratagene)にサブクローン化した。CAT遺伝子フラグメントは
、CAT遺伝子5'UTRの36ntおよびCAT遺伝子のコード配列の5'末端の218bpを
コードする。
【0041】 トランスフェクション 星状細胞腫および神経芽細胞腫細胞を、リポフェクションにより、pSV2CATま たはpSV2(APP)CATでトランスフェクトした。簡単に、リポフェクタミン試薬(Boe
hringer)をDMEM(血清無し)に添加し、30分室温で放置した。DMEMの等用量中の
プラスミド(10μg)を次いで添加し、45分、室温で撹拌後、100×20mm 細胞培養プレート上の60%コンフルエント細胞に、脂質/DNA溶液を添加した 。4時間後、この溶液を除去し、細胞を2回DMEM(血清無し)で洗浄した。新鮮な
DMEM培地(10%ウシ胎児血清含有)を添加した。この時点で、(1)0.5ng/ml IL−1α;(2)0.5ng/ml IL−1β;(3)5μM Fe2TF(ホロ−トラ ンスフェリン);および(4)非刺激コントロールを含む処理をした。20時間後 、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)に採取し、直ぐにCAT活性またはmRNAレベル(RNa
se保護)に関してアッセイした。
【0042】 CAT活性 採取後、細胞を100μl 0.25Mトリス、pH7.8に再懸濁し、凍結(液体
窒素)および乾燥(37℃)の3サイクルに付し、細胞を溶解させた。溶解物を1 00,000rpm、5分の遠心後に回収した。タンパク質濃度をBioradアッセイに
より測定し、正確に20μgの溶解物を、50μl 1Mトリス、pH7.8、20 μlアセチルコエンザイム−A(3.5mg/ml)および5ml 14C−標識クロラムフ
ェニコール(25mCi/ml)を含むCAT反応混合物に添加した。1時間、37℃の後
、反応産物を1ml酢酸エチルで抽出し、サンプルを先に記載のように薄層クロマ
トグラフィーで解析した(Rogers, Blood 87:2525 (1996))。定量分析のために、
フィルム上のドットと密接に関係するTLCプレート上の領域を削り取り、放射
活性を、シンチレーションカウンター(Hewlett Packard)を使用して、5mlシン チレーションカクテル(Econofluor)中で計数した。ある実験において、CAT活性 を先に記載のように、液体シンチレーション溶液に拡散したCAT反応産物の量を 計数することにより測定した(Rogers, et al., Nucl. Acid Res. 22:2678 (1994
))。各溶解物を37℃で、200mlの100mmトリスCl(pH7.8)中の[3H]−
アセチルコエンザイム−A(0.1mCi)および2mmクロラムフェニコール(CAP)と
インキュベートした。本水性反応混合物を、5mlの液体シンチラント(Econofluo
r, NEN)と重層させた。
【0043】 RNase保護実験 細胞を4Mチオシアン酸グアニジニウム、25mM NaOac、pH6.0、100mm
β−メルカプトエタノールを含む緩衝液2ml中で溶解させた。DNAを剪断し、溶 解物を31K、23℃で12時間、5mlの5.7M CsCl2クッションを介して遠
心した後に、RNAを製造した。この方法は、CAT mRNAおよび内因性フェリチンmRN
Aが、トランスフェクトしたCAT遺伝子配列を含むプラスミドDNAの汚染のないペ レットとして精製されることを確認した。RNAペレットをTES緩衝液中に再懸濁し
(10mMトリス、pH7.6、1mM EDTA、0.5%SDS)、等量のフェノール/クロ ロホルムで抽出し、エタノール沈殿し、TES緩衝液に再懸濁した。
【0044】 星状細胞腫および神経芽細胞腫pSV2(APP)(CAT)トランスフェクタント由来のト
ランスフェクトしたCAT mRNAの安定状態レベルを、RNase保護により特徴付けし た。261ヌクレオチド32P−標識cRNAを、pSV2CATサブクローン中のCAT遺伝 子から単離したHindIII消化DNA鋳型から転写した(Rogers, et al., Nucl. Acid
Res. 22:2678 (1994); Campbell, et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 16
0:453 (1989); Fahmy, et al., Biochem. J. 296;175 (1993))。CAT遺伝子にア ンチセンスである標識cRNAを、星状細胞腫のpSV2(APP)(CAT)トランスフェクタン
トから精製した20μgのmRNAとハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション は、24時間、45℃で、80%ホルムアミド、40mM Pipes(pH6.7)、0. 4M NaCl、1mM EDTAを含む緩衝液中で行った。RNase A(40mg/ml)およびR
Nase T1(2mg/ml)での消化により、非ハイブリダイズcRNAを除去した。保護cR
NAを、6%ポリアクリルアミド/尿素配列決定ゲルの電気泳動により分離した。
キナーゼ標識HaeIII消化X-174 DNAフラグメントを、オートラジオグラフィーお よびCAT mRNAレベルの定量のDNAマーカーとして使用した。
【0045】 II.結果および考察 APPタンパク質合成は、0.5ng/mlのIL−1αまたはIL−1βとの16時
間の処理に続き、一次ヒト胎児星状細胞で測定した。実験は、30分の[35S]−
メチオニンでの代謝標識、続くAPP免疫沈降およびゲル電気泳動により行った。 これらは、IL−1αに応答した細胞内APPの合成の4倍の増加およびIL−1 βに応答した細胞内APPの合成の3倍の増加があることを示した。H−フェリチ ンおよびL−フェリチンサブユニット合成における、各々4倍のおよび顕著な2
5%の上方制御もあった。これらの実験は、APP遺伝子が翻訳レベルでIL−1 により制御されていることを示す。
【0046】 IL−1はまた一次ヒト星状細胞からのAPP(APP;プロテアーゼ−ネキシンII)
の分泌の誘導した。[35S]−メチオニンで2時間パルス標識した後に培地を回収
し、APPのアミノ酸595−611に対して産生したN−末端指向抗体を使用し た免疫沈降の後に培地を回収し(Sekoe, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8
5:7341 (1988))、ゲル電気泳動およびオートラジオグラフィーにより分析した。
免疫沈降物の定量は、IL−1βにより誘導された培地への1.8倍増加したAPP
の分泌、および、IL−1αに応答した、APPの、少ない50%増加した分泌を 示した。このように、細胞関連および分泌APPの両方のレベルは、一次APP星状細
胞のIL−1への暴露により増加した。36kDa Apo-Eタンパク質の合成は、I
L−1刺激および[35S]−メチオニンでの代謝標識の内部標準として測定した。
両方の場合、ApoEタンパク質合成の増加は観察されなかった。
【0047】 一次星状細胞におけるIL−1α誘導APPタンパク質合成と比較して、ノーザ ンブロット分析による測定でAPP−mRNAレベルの増加は観察されず、APP合成にお
けるIL−1の効果は、翻訳レベルであることを示した。コントロールとして、
IL−1αは、先に報告されているように、純粋ヒト星状細胞におけるα−1ア
ンチキモトリプシン(ACT)の定常期mRNAレベルにおける明白な増加の刺激が判明 した(Das, et al., Neuron 14:447 (1995))。デンシトメトリーは、IL−1α 暴露が、APP−mRNAレベルを未変化のままにするが、ACT−mRNAレベルの10倍以
上の増加を誘導することを示した。一次星状細胞腫細胞を、別の胎児脳皮質サン
プル源から生育させ、この確認実験において、GAPDH mRNAレベルを、レーン毎の
充填差異の標準化に使用した。
【0048】 一次胎児脳星状細胞での発見を広げるために、ヒト星状細胞腫(U373MG)細胞に
おけるIL−1αおよびIL−1βの両方の効果を試験した。細胞を80%コン
フルエントまで生育させ、同数の細胞を、16時間IL−1α(0.5ng/ml)、 IL−1β(0.5ng/ml)で刺激するか未刺激のまま放置した。IL−1αおよ びIL−1βはAPP合成の速度を増加させ(各々、最大2.8倍および4.3倍)、 星状細胞腫細胞におけるフェリチン−Hサブユニット合成速度を5倍、およびL
−フェリチンを2倍促進した。一次星状細胞において、IL−1αはIL−1β
よりも活性なAPPのインデューサーであるが、星状細胞腫細胞では逆である。
【0049】 一次星状細胞で見られたように、星状細胞腫細胞内のAPP遺伝子発現のIL− 1α刺激は、翻訳のレベルであった。4つの別のノーザンブロット実験において
、IL−1βは、GAPDG−mRNA発現で標準化してAPP−mRNAのレベルを定常期状態
で平均30%しか増加させなかったが、サイトカインは、同じ実験で4.3倍APP
タンパク質合成を増加させた。同時に、IL−1αおよびIL−1βは、各々、
一次ヒト星状細胞で観察されるように、ACT mRNAの大きな転写増加を刺激した。
IL−1刺激16時間後のAPP−mRNAおよびACT mRNAの定常期状態レベルのノー ザンブロット測定において、非刺激細胞のACT−mRNAレベルが検出不可能である ことが判明した。非刺激細胞の低ACT−mRNA発現は、ブロットの48時間暴露の 後に検出され、ACT−mRNAの定常期レベルの6倍の誘導の定量を可能にした。
【0050】 L−フェリチン遺伝子5'UTRの翻訳エンハンサー領域は、APP-mRNA 5'リーダ ーと重要な配列調節を示す。L−フェリチンとAPP-mRNA 5'UTRの間の51%配列
調節が、APP mRNAのコンピューターサーチにより確認された(Gap program, GDGD
efs software from Univ. of Wisconsin, Madison, WI)。この理由のため、APP
mRNA 5'UTRは、IL−1依存的翻訳促進ができる配列を運搬する優れた候補物で
あると見なされた。先に、L−フェリチンおよびH−フェリチン遺伝子の5'非 翻訳領域(L遺伝子キャップ部位から+74から+142およびH−遺伝子キャ ップ部位から+139から+199)は両方のベースラインおよびヒト肝癌細胞 にトランスフェクトされたクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(C
AT)レポーター遺伝子へのIL−1β依存的翻訳に付与されていることが示され ている(Rogers, et al., Nucl. Acid Res. 22:2678 (1994); Campbell, et al.,
Biochem. Biophys, Res. Commun. 160:453 (1989); Fahmy, et al., Biochem.
J. 296:175 (1993); Rogers, Blood 87:2525 (1996))。従って、pSV2(APP)CATレ
ポーター構築物は、146nt APP mRNA 5'UTRの+55から+144ntの位置か らの配列が、ハイブリッドCATレポーターmRNA開始コドンの直ぐ上流に挿入され るように製造した。
【0051】 APP mRNA 5'UTRは、pSV2(APP)CATトランスフェクト星状細胞腫細胞中のCATレ ポーターmRNAに、IL−1依存的翻訳促進を付与した。APP mRNA 5'UTRは、IL
−1αおよびIL−1βでの刺激により、CAT活性に、各々最大3倍および4倍 の効果を介在した。親ベクターpSV2CATでトランスフェクトされた星状細胞腫細 胞のIL−1β刺激は、CAT活性に効果を示さなかった。これらの結果は、親pSV
2CATベクターがIL−1に非反応性であり、APP-mRNA 5'UTRが星状細胞腫細胞 におけるIL−1による翻訳調節の介在に重要であることを確認した。平行した
トランスフェクションにおいて、IL−1β刺激はpSV2(APP)CATトランスフェク
タントにおけるCAT活性の3倍の増強をもたらした。
【0052】 pSV2(APP)CATトランスフェクト星状細胞腫細胞におけるIL−1αまたはIL
−1βでの刺激により増加したCAT活性は、APP/CAT mRNA転写に大きな変化を付
随しなかった。RNAse保護分析は、定常期APP/CAT mRNAレベルが、IL−1β刺 激16時間後、非刺激細胞と比較して、pSV2(APP)CATトランスフェクト星状細胞
腫細胞で穏やかな増加(30%)をしたことを証明した。二つの別々のトランスフ
ェクションの濃度評価は、16時間のIL−1α刺激が、pSV2(APP)CATトランス
フェクタントでCAT mRNAの定常期レベルを減少させるが、一方整合性実験は、CA
T活性の平均2.3倍(最大4倍)の増加を明らかにした。IL−1依存的翻訳の介
在に加えて、APP 5'UTRは、pSV2CATでトランスフェクトした親星状細胞腫細胞と
比較して、pSV2(APP)CATトランスフェクタントで基底CAT活性の一貫した6倍増 加をもたらした。この実験において、トランスフェクションはRSV2GALプラスミ ドで標準化し、CAT遺伝子発現の量を、トランスフェクション効率を考慮に入れ た後に計算した。APP mRNA 5'UTR急性ボックス配列は、APPのIL−1刺激翻訳 を促進し、また基底活性を増加させると結論付けられた。これは、pSV2CATでの トランスフェクションと比較した、pSV2(APP)CATトランスフェクションによりも
たらされる基底CAT遺伝子発現における一貫した差異を説明する。基底CAT遺伝子
発現における同様な増加が、軽および重フェリチンmRNA急性ボックスの肝癌細胞
へのトランスフェクション後に見られた(Rogers, Blood 87:2525 (1996))。
【0053】 データは、IL−1が、両方とも星状細胞起源である二つの異なる細胞機構の
促進されたメッセージ翻訳の機構により、APP合成を誘導することを示す。これ は、IL−1による翻訳調節の第2の例である。このサイトカインは、先に、慢
性疾病の貧血症の一部をもたらし得る肝臓フェリチン翻訳を調節することが示さ
れた。この結果の最も素直な解釈は、主用炎症性サイトカインであるIL−1が
、APP遺伝子コード領域のIL−1反応性幹ループ上流の作用を介してAPP-mRNA 翻訳を増加させるということである。
【0054】 一つの先の報告は、APP遺伝子発現が、メッセージ翻訳のレベルで制御され得 ることを示す。APP-mRNAは、ヒト脳で、二つのポリ(A)選択部位(PA-1およびPA-
2)のポリアデニル化に由来する、二つの主要な形のmRNAとして発現することが示
されている。長いAPP mRNA(3.3kB)は、短い3kB APP mRNAよりも3倍効果的に
翻訳されることが判明した(Sauvage, et al., EMBO J 11:3099 (1992)。APPタン
パク質合成の翻訳調節を示唆する二つの間接的示唆がまたある。ラット大脳皮質
、髄膜および一次アストログリア、小神経膠細胞および神経培養におけるAPPの 定常期レベルは、APP-mRNAレベルを反映しない(LeBlanc, et al., FEBS Letts.
292:171 (1991))。更に、APP-695(KPI-)およびAPP-751(KPI+)mRNAおよびそのタ ンパク質の相対的レベルは、ヒト脳で一致しなかった。各メッセージはほぼ等し
く富むが、一方KPI+タンパク質が優勢である(>82%)(Van Nostrand, et al.,
Proc. Natl. Acad. SCi. U.S.A. 88:10302 (1991))。
【0055】 フェリチンとAPP遺伝子の調節に、著しい重なりがある。APPおよびフェリチン
は両方とも肝癌細胞において翻訳レベルで(Rogers, et al., J. Biol. Chem. 26
5:14572 (1990))およびIL−1により一次星状細胞で調節されている急性相反 応物(APR)である。APP mRNA 5'リーダーは、二つの調節配列−5'部位で鉄、酸 化的ストレスに反応性である、鉄反応性エレメント(IRE)(Pantopolous, et al.,
EMBO J. 14:2917 (1995))および甲状腺ホルモンレセプター(Leedman, et al.,
J. Biol. Chem. 271:12017 (1996))、および鉄依存的形態で作用する基底および
IL−1依存的な両方の翻訳調節エレメントである下流急性ボックス配列に組織
化される。APP遺伝子の5'UTRは、開始コドンの前の有効な急性ボックス配列を有
する。しかし、APP mRNA5'リーダーは、フェリチンmRNAの鉄反応性エレメント に関連する急性ボックスの上流に重複配列を含む(Klausner, et al., Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 93:8175 (1996))。
【0056】 肝臓細胞におけるフェリチンmRNA翻訳および星状細胞におけるAPPタンパク質 のIL−1増強は、アルツハイマー病(AD)中のプラークへのAβペプチドの蓄積
が、肝臓スタイルの急性相反応と同様に、グリア細胞における局所タンパク質合
成のパターンにより加速され得ることを示す。サイトカイン介在機構による増加
した局所APPタンパク質のこのモデルは、アルツハイマー病病因を、炎症性機構 と関連付けさせる増えている実験的および疫学的証拠と一致する。疫学的実験は
、非ステロイド性抗炎症性医薬が、アルツハイマー病の発症の危険性を減少させ
ることを示す(Andersen, et al., Neurology 45:51 (1995))。中央に位置した小
神経膠細胞によるインターロイキン−1の過発現は、アミロイドプラークの初期
の形、非神経炎性拡散プラークと関連し、プラーク発達の間に著しく増加してい
ることが示される(Das, et al., Neuron 14:447 (1995))。このように、IL− 1は、サイトカインのプラーク構造を囲む星状細胞へのシグナル伝達および続く
APPおよびACTタンパク質合成の誘導により介在されるアミロイドプラーク成熟の
駆動力として示されている(Hentz, et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 93:81
75 (1996)))。最近、ラット大脳皮質の柔組織へのIL−1注射が、損傷領域のA
PPタンパク質の定常期レベルを増加させることが示された(Sheng, et al., Neur
obiol. Aging 17:761 (1996))。本明細書に記載の結果は、IL−1が作用するA
PPタンパク質合成は、APP−mRNA翻訳を増加させるという観点を強化する。
【0057】 本明細書に記載の全ての引用文献は、本明細書に全て包含させる。本明細書で
本発明を完全に記載しており、当業者は広範囲そして同等な範囲内の条件、パラ
メーター等で、本発明の精神または範囲またはその態様に影響することなく、本
発明を行い得ることを理解しよう。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月28日(2001.3.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/02 C12Q 1/68 Z C12Q 1/02 C12N 15/00 A 1/68 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA04 DA02 EA04 FA06 GA13 GA18 HA01 HA12 HA15 4B063 QA01 QA18 QQ20 QQ53 QR33 QR40 QR48 QR56 QR60 QR69 QR77 QR80 QS05 QS24 QS34 4B064 AG01 CA10 CA19 CC24 CD20 CE12 DA13 4B065 AA93X AA93Y AB01 AC14 BB23 BB34 CA24 CA46 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA45 EA20 EA50 FA74 GA26

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)配列番号1のヌクレオチド配列から本質的に成る翻訳エ ンハンサーエレメント; b)該翻訳エンハンサーエレメントに作動可能に結合した非同種遺伝子 を含む、実質的に純粋なDNA分子。
  2. 【請求項2】 該非同種遺伝子が、該翻訳エンハンサーエレメントにおける
    3'側の10および100ヌクレオチドの間から3'の最後のヌクレオチドに至る
    までの部位で開始する、請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 真核細胞内でペプチドまたはタンパク質を組換え的に発現す
    るための: a)該真核細胞内で活性なプロモーター; b)該プロモーターに対して3'である、配列番号1のヌクレオチド配列から本質
    的に成る翻訳エンハンサーエレメント; c)i)該翻訳エンハンサーエレメントの3'に存在する; ii)該プロモーターに作動可能に結合する;そして iii)該翻訳エンハンサーエレメントに対して非同種である 該ペプチドまたはタンパク質をコードするDNA配列 を含む、ベクター。
  4. 【請求項4】 該ペプチドまたはタンパク質をコードする該DNA配列が、該 翻訳エンハンサーエレメントにおける3'側の10および100ヌクレオチドの 間から3'の最後のヌクレオチドに至るまでの部位で開始する、請求項3記載の ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  7. 【請求項7】 ペプチドまたはタンパク質を組換え的に製造するための: a)請求項3記載のベクターで形質転換された宿主細胞の生育; b)該宿主細胞または該宿主細胞の周りの培地からの該組換えペプチドまたはタ ンパク質の精製 を含む、方法。
  8. 【請求項8】 該ベクター上の該非同種遺伝子が、該翻訳エンハンサーエレ
    メントにおける3'側の10および100ヌクレオチドの間から3'の最後のヌク
    レオチドに至るまでの部位で開始する、請求項8記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項7の方法により製造した組換えタンパク質。
  10. 【請求項10】 更に、該形質転換宿主細胞をタンパク質製造を有意に増加
    させるのに十分な量のインデューサーと接触させることを含み、該インデューサ
    ーがサイトカインである、請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 該サイトカインがインターロイキン−1αまたはインター
    ロイキン−1βのいずれかである、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の方法により製造された組換えタンパク質
  13. 【請求項13】 ヒトアミロイド前駆体タンパク質の発現を変える能力に関
    する試験化合物のアッセイのための: a)請求項2のベクターの製造; b)該試験化合物非存在下での該ベクター内の該遺伝子の発現の測定; c)b)で測定した発現と該試験化合物存在下での発現との比較 を含む、方法。
  14. 【請求項14】 更に、該遺伝子の発現の測定前に宿主細胞を該ベクターで
    形質転換することを含む、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 該試験化合物が、配列番号1記載の領域と少なくとも10
    塩基対長相補的であるアミノ酸配列を含む、請求項12記載の方法。
  16. 【請求項16】 該試験化合物がRNA標的化合物である、請求項12記載の 方法。
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