JP2001520011A - ヒトガンについてのマウスモデル - Google Patents

ヒトガンについてのマウスモデル

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Abstract

(57)【要約】 ヒトの乳ガン、卵巣ガン、および前立腺ガンのマウスモデルが提供される。このモデルは、性腺脂肪パッド内に移植されたヒトの原発性乳ガン、卵巣ガンまたは前立腺ガン組織を含む免疫不全マウス、あるいは免疫不全マウスの皮下に移植されたヒトの前立腺ガンまたは卵巣ガン組織を含む免疫不全マウスのいずれかを含む。マウスモデルを使用する方法(例えば、腫瘍を増殖させ、そして乳ガン、卵巣ガン、および/または前立腺ガンの処置をスクリーニングするための方法)もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般に、患者の乳ガン、卵巣ガン、および前立腺ガンの増殖につい
てのマウスモデルに関する。本発明は、より詳細には、例えば、性腺脂肪パッド
(gonadal fat pad)内に移植されるヒトの原発性乳ガン、卵巣
ガン、または前立腺ガンの外科的検体を含む免疫不全マウスに関する。本発明は
また、例えば、乳ガン、卵巣ガン、および/または前立腺ガンの処置の有効性を
評価するために、またはガン関連抗原(carcinoma−associat
ed antigen)を同定するために、このような腫瘍保有マウスを使用す
る方法に関する。
【0002】 (発明の背景) ヒトガンの動物モデルは、ガン治療の研究および開発のための価値のある手段
である。しかし、いくつかのヒトガンは、動物モデルにおいて増殖させることが
例外的に難しいことが証明されている。例えば、かなりの努力にも関わらず、ヒ
ト乳ガンの外科的検体は、種々の動物モデル系(モルモットの前眼房、致死的に
照射したマウスまたは胸腺除去したマウス、ならびにヌードマウスおよびSCI
Dマウスを含む)における増殖に抵抗性であった。ヌードマウスにおいて、動物
にエストロゲンを補充したときでさえ、腫瘍の生着率は低く、そして増殖するそ
れらの腫瘍は、貧弱な予後に関係するHER−2/neuガン遺伝子の増幅を示
す。従って、最良の本発明のモデルは、極度に悪性なガンの限定されたカテゴリ
ーにのみ有効であり、ヒト乳ガンの一般の実験の研究に受容可能な動物モデルは
、現在利用可能でない。現在まで研究がほとんど行われていないヒトの前立腺ガ
ンおよび卵巣ガンのための動物モデルの必要性はさらに大きい。
【0003】 従って、当該分野において、ヒトの乳ガン、卵巣ガン、および前立腺ガンの研
究のための改良された動物モデルの必要性がある。本発明はこれらの必要性を満
たし、さらに他の関連した利点を提供する。
【0004】 (発明の要旨) 簡単に述べれば、本発明は、乳ガン、卵巣ガン、および前立腺ガンのマウスモ
デルを提供する。一つの局面では、ヒトの原発性乳ガン、卵巣ガン、または前立
腺ガン組織を含む免疫不全マウスが提供され、ここでガン組織は、免疫不全マウ
スの性腺脂肪パッド内に移植される。別の局面では、卵巣ガン組織または前立腺
ガン組織を皮下に移植した免疫不全マウスが提供される。
【0005】 関連した局面では、本発明は、乳ガン、卵巣ガン、または前立腺ガンのマウス
モデルを作製する方法を提供する。一つの実施態様では、その方法は、ヒトの乳
ガン、卵巣ガン、または前立腺ガンの検体を、免疫不全マウスの性腺脂肪パッド
内(あるいは、卵巣ガンまたは前立腺ガンについては皮下)に移植する工程を包
含する。好ましい実施態様では、その方法は、移植されたガン検体の少なくとも
一部分を取り出す工程、および引き続いてその一部を第二の免疫不全マウスの性
腺脂肪パッド内、または皮下のいずれかに移植する工程をさらに包含する。
【0006】 なお別の局面では、ヒトの乳ガン、卵巣ガン、または前立腺ガン組織を増殖さ
せるための方法が提供され、この方法は、(a)ヒトの乳ガン、卵巣ガン、また
は前立腺ガンの検体を免疫不全マウスの性腺脂肪パッド内に移植する工程か、あ
るいはその検体を卵巣ガンまたは前立腺ガンについては皮下に移植する工程;お
よび(b)このガンを免疫不全マウス内で増殖させる工程を包含する。好ましい
実施態様において、このような方法は、移植されたガン検体の少なくとも一部分
を取り出す工程、および次いで第二の免疫不全マウスの性腺脂肪パッド内または
皮下のいずれかにその一部分を移植する工程をさらに包含する。
【0007】 さらなる局面では、本発明は、乳ガン、卵巣ガン、または前立腺ガンの治療の
有効性を評価するための方法を提供し、この方法は、(a)ヒトの乳ガン、卵巣
ガン、または前立腺ガンの検体を、上記のように免疫不全マウス内に移植する工
程;(b)免疫不全マウスを候補治療に暴露する工程;ならびに(c)移植した
検体のサイズの変化、腫瘍細胞死の程度、および/またはマウスにおける転移の
拡散のレベルを測定し、そしてそこから治療の有効性を決定する工程を包含する
【0008】 別の局面では、腫瘍反応性ヒト細胞溶解性Tリンパ球を産生するための方法が
提供され、この方法は、(a)ヒトTリンパ球を含むヒトのガン検体を、上記の
ように免疫不全マウスに移植する工程;(b)ヒトTリンパ球を免疫不全マウス
内で増殖させる工程;(c)ヒト細胞溶解性Tリンパ球を、検体保有免疫不全マ
ウスから単離する工程;および(d)リンパ球のガン細胞を殺傷する能力につい
て評価し、そしてそこから腫瘍反応性リンパ球を同定する工程を包含する。
【0009】 関連する局面では、抗腫瘍抗血清を生成するための方法が提供され、この方法
は、(a)ヒトB細胞を含むヒトのガン検体を、免疫不全マウスの性腺脂肪パッ
ド内に移植する工程であって、ここでガンは、乳ガン、卵巣ガン、または前立腺
ガンである、工程、あるいは卵巣ガンまたは前立腺ガンについては検体を皮下に
移植する工程;(b)ヒトB細胞を免疫不全マウス内で増殖させ、そしてヒト抗
腫瘍抗体を産生させる工程;(c)免疫不全マウスから抗血清を単離する工程;
および(d)抗血清をガン細胞に結合する能力について評価し、そしてそこから
抗腫瘍抗血清を同定する工程を包含する。
【0010】 さらに別の関連する局面では、抗腫瘍モノクローナル抗体を生成するための方
法が提供され、この方法は、(a)ヒトB細胞を含むヒトのガン検体を、上記の
ように免疫不全マウス内に移植する工程;(b)ヒトB細胞を免疫不全マウス内
で増殖させ、そしてヒト抗腫瘍抗体を産生させる工程;(c)単離されたB細胞
からモノクローナル抗体を生成する工程;および(d)モノクローナル抗体をガ
ン細胞に結合する能力について評価し、そしてそこから抗腫瘍モノクローナル抗
体を同定する工程を包含する。
【0011】 他の関連する局面では、本発明は、上記方法で産生される、腫瘍反応性ヒト細
胞溶解性Tリンパ球、抗腫瘍抗血清、およびモノクローナル抗体を提供する。
【0012】 さらなる局面において、腫瘍特異的抗原をコードするDNA分子を単離するた
めの方法が提供され、このような方法は、(a)腫瘍特異的抗原を含むヒトガン
の検体を、免疫不全マウスの性腺脂肪パッド内に移植する工程であって、ここで
このガンは、乳ガン、卵巣ガンまたは前立腺ガンである、工程、あるいは卵巣ガ
ンまたは前立腺ガンについては皮下にその検体を移植する工程;(b)そのガン
をその免疫不全マウス内で増殖させる工程;(c)その免疫不全マウスから血清
を得る工程;および(d)その血清から腫瘍特異的抗原をコードするDNA分子
を単離する工程、を包含する。
【0013】 さらに別の局面では、本発明は、患者のガンを処置するための方法を提供し、
ここでガンは乳ガン、卵巣ガン、または前立腺ガンである。一つの実施態様では
、その方法は、上記の腫瘍反応性細胞溶解性Tリンパ球を患者に投与する工程を
包含する。別の実施態様では、その方法は、上記の抗腫瘍モノクローナル抗体を
患者に投与する工程を包含する。
【0014】 本発明のこれらのおよび他の局面は、以下の詳細な説明を参照して明らかにな
る。本明細書中で開示される全ての参考文献は、それぞれが個々に援用されるか
のように、本明細書中で参考としてその全体が援用される。
【0015】 (発明の詳細な説明) 上記のように、本発明は、一般に、ヒトのガンの新規の動物モデルの作製に関
する。より詳細には、1つの実施態様において、本明細書中で記載される動物モ
デルは、ヒトの原発性悪性の乳組織、卵巣組織、または前立腺組織の、免疫不全
マウスの性腺脂肪パッド内への移植により調製される。第2の実施態様において
、本発明の動物モデルは免疫欠損マウスにおける原発性悪性ヒト卵巣組織または
前立腺組織の皮下移植によって調製される。このようなモデルは、例えば、ヒト
の乳腫瘍、卵巣腫瘍、または前立腺腫瘍を増殖させるために、あるいはこのよう
なガンに有効な治療をスクリーニングするために使用され得る。本明細書中に記
載されるモデルはまた、ヒトのガンに関連する新規の抗原を同定するために使用
され得る。
【0016】 任意の免疫不全マウスが、本明細書中に記載される動物モデルを作製するため
に使用され得る。本発明の文脈における「免疫不全」は、有効な免疫応答を備え
る(mount)動物の能力を損なう遺伝的改変をいう。この点において、「有
効な免疫応答」は、侵入する病原体(例えば、限定はされないが、ウイルス、細
菌、寄生虫、悪性細胞、および/または異種または同種異系間の移植片)を破壊
し得る応答をいう。一つの好ましい実施態様では、免疫不全マウスは、重篤な免
疫不全(SCID)マウスであり、このマウスは、免疫グロブリンおよび機能的
なT細胞抗原レセプターを生成するために必要なリコンビナーゼ活性を欠き、従
って機能的なBリンパ球およびTリンパ球を産生しない。BosmaおよびCa
rrol、Ann.Rev.Immunol. 9:323−350(1991
)。別の好ましい実施態様では、免疫不全マウスはヌードマウスであり、このマ
ウスは、機能的な胸腺の欠如を生じ、T細胞およびB細胞の欠損に至る、遺伝的
欠損を含む。しかし、他の免疫不全を含むマウス(例えば、Chenら、Cur
r.Opin.Immunol. 6:313−319(1994)およびGu
idasら、J.Exp.Med. 181:1187−1195(1995)
に記載のrag−1またはrag−2ノックアウトマウス、またはKollma
nnら、J.Exp.Med.177:821−832(1993)に記載のナ
チュラルキラー細胞もまた欠くベージュヌードマウス(beige−nude
mause))もまた使用され得る。
【0017】 移植に適切なガンは、患者の原発性乳ガン、卵巣ガン、または前立腺ガンの任
意の外科的検体である。このようなガンを有する患者は、当業者により容易に同
定され得る。一般に、移植される検体は、過剰な脂肪および結合組織から切り取
られた新鮮な生検検体であるべきであり、そして明らかに壊死または敗血症が無
いべきである。好ましくは、検体は、移植の直前に1〜2mmより小さくない大
きさまで切り刻まれる。検体はまた、移植前に無菌的に操作されるべきである。
【0018】 本明細書中に記載される一貫した腫瘍の増殖および転移を達成するために、原
発性乳ガンについては、移植は、免疫不全マウスの性腺脂肪パッド内でなければ
ならない。卵巣ガンおよび前立腺ガンの移植については、原発性腫瘍検体の性線
脂肪パッド内移植または皮下移植のいずれもが十分である。性線脂肪パッド内の
移植については、マウスは好ましくは少なくとも約6週齢、より好ましくは少な
くとも8週齢である。
【0019】 性腺脂肪パッドの二つの半分(half)は、雄および雌両方のマウスの腹腔
の表面の多くの領域を占める。性腺脂肪パッド内への移植は、一般に、四部円下
腹部切開を通して、性腺脂肪パッドの一部を外腹壁の外に引き出し、腫瘍検体の
周りにマウスの性腺脂肪パッドを包み(wrapping)、縫合糸でこのよう
な配置を確保し、そして腫瘍を含む性腺脂肪パッドを腹部へ戻すことにより、達
成され得る。卵巣ガンおよび前立腺ガンの場合において、皮下移植は、皮膚の縫
合を介して確保される。乳ガンおよび卵巣ガン検体の場合において、好ましくは
、エストロゲンが、例えば、除放性エストロゲンペレット[体重21〜22gの
cB17 SCIDマウスについて1mgのペレット(90日放出)]の皮下の
挿入により、移植時にマウスに与えられる。前立腺腫瘍の移植について、雄のマ
ウスの使用は必要であり、そして移植時のマウスへのテストステロンの投与が有
利である。
【0020】 腫瘍の増殖は、一般に、5〜7週間以内に視診または触診(palpitat
ion)により観察され、そして腫瘍は、典型的に、移植後3ヶ月までに約1〜
3センチメートルの大きさの範囲になる。また、他の器官への転移の拡散はまた
、解剖および組織学的試験のような当業者に周知の方法を用いて観察され得る。
【0021】 好ましい実施態様において、腫瘍は継代される(すなわち、腫瘍組織の一部が
第1のマウスから取り出され、そして上記の手順を用いて、第2の免疫不全マウ
スに移植される)。より好ましくは、腫瘍組織は、最初の移植後約30日間と約
60日間との間で継代される。このような継代は、何度も反復され得る。乳ガン
のレシピエントマウスの性線脂肪パッドへの移植は、原発性(もともとの)腫瘍
について必要である。しかし、レシピエントマウスの性腺脂肪パッド内における
原発性乳ガン検体の増殖の後に、腫瘍は次のマウスに皮下に継代され得る。
【0022】 従って、本発明の一つの局面では、性腺脂肪パッド内に(または、前立腺ガン
の場合は皮下に)移植されたヒトのガン検体を有する免疫不全マウスが提供され
る。このようなマウスは、当業者に明らかな種々の目的のために使用され得る。
例えば、マウスモデルは、ヒトの原発性乳ガン、卵巣ガン、または前立腺ガンを
増殖させるために使用され得、これは、大量のヒトの乳ガン細胞、卵巣ガン細胞
、または前立腺ガン細胞の単離を可能にする。この局面では、上記のように移植
が行われ、そして腫瘍細胞は、十分な増殖が達成された後(一般に、約2〜3ヶ
月)で収集される。
【0023】 本発明の別の局面において、上記のマウスモデルは、ヒトの乳ガン、卵巣ガン
、または前立腺ガンに対する治療の有効性を評価するために使用される。本明細
書中で使用する、用語「治療」は、食事条件または環境条件のような外因性因子
、ならびに薬学的組成物およびワクチンを包含する。1つの好ましい実施態様に
おいて、治療は免疫療法であり、これは、腫瘍応答性免疫細胞の集団での腫瘍保
有動物の処置を含み得る。さらなる実施態様において、治療は化学療法および/
またはサイトカイン治療を含み得る。あるいは、治療はまた、遺伝子治療(すな
わち、1つ以上の遺伝子(この産物は、抗腫瘍活性を有し得る)を発現するよう
に操作された細胞集団での、腫瘍保有マウスの処置を含む治療)であり得る。
【0024】 候補治療の有効性を評価するために、ヒトの乳ガン、卵巣ガン、または前立腺
ガンの検体は、最初に、好ましくは一連の類似の免疫不全マウスに移植される。
所望であれば、移植されたガン組織は、多量の組織が移植に利用可能になるよう
に上述のように継代され(passage)得る。次いで、移植されたガン組織
を有するマウスの1群は候補治療に曝露されるが、一方、別の群(すなわち、コ
ントロール群)は曝露されない。次いで、腫瘍増殖が、適切な時間(例えば、2
〜3ヶ月)の後に、両群のマウスにおいて評価される。候補治療は、治療に曝露
されたマウスにおける移植された検体のサイズ、腫瘍増殖の程度、および/また
は転移の拡散のレベルが、コントロール群における増殖よりも統計学的に少ない
場合、ならびに/あるいは、治療に曝露されたマウスにおける腫瘍細胞死の程度
(顕微鏡的方法または他の方法により評価される)がコントロール群より統計学
的に大きな場合に、有効であるとみなされる。
【0025】 なお別の局面において、上記の腫瘍保有免疫不全マウスは、ヒト腫瘍応答性細
胞溶解性Tリンパ球、抗腫瘍抗体、および/または抗腫瘍抗血清の調製のために
使用され得る。一般に、移植検体は、ヒトのT細胞およびB細胞を含み、これら
は、免疫不全マウス内で増殖可能であり、そしてB細胞の場合ではヒト抗腫瘍抗
体を産生し得る。このようなヒトのリンパ球および/または抗体の採集は、十分
な増殖が達成された後(一般的に、約1〜2ヶ月)、当業者に公知の任意の適切
な技術を用いて行われ得る。好ましい実施態様において、ヒトの細胞溶解性Tリ
ンパ球および/または抗体は、予めヒトリンパ組織内で再増殖されている(re
populated)腫瘍保有マウスから単離され得る。このようなキメラマウ
ス(例えば、SCID−huマウス)は容易に作製され、そしてこのようなマウ
ス由来のヒトのリンパ球および免疫グロブリンは、当業者に公知の方法およびK
aneshimaら、Curr.Opin.Immunol.6:327−33
(1994)に記載の方法を用いて、スクリーニングのために使用され得る。
【0026】 上記の腫瘍保有免疫不全マウスから単離された腫瘍反応性ヒト細胞溶解性リン
パ球、抗血清、および/またはB細胞は、当業者に公知の種々の方法を用いて評
価され得る。例えば、このようなマウス由来のT細胞は、単離され得、そして腫
瘍反応性細胞溶解性T細胞の増殖性応答を可能にするために腫瘍細胞の存在下で
増殖させ得る。腫瘍反応性細胞溶解性リンパ球は、腫瘍細胞の直接的な溶解を媒
介し得るこれらのリンパ球である。このような腫瘍反応性細胞溶解性T細胞の腫
瘍細胞を殺傷する能力は、当業者に公知の方法(例えば、MacDonaldら
、J.Exp.Med. 140: 718 (1974)に記載されるアッセ
イ)を用いて、例えば、51Cr放出アッセイを用いて容易に測定され得る。ある
いは、細胞溶解性T細胞は、当業者に周知の方法を用いて、サイトカインを分泌
するそれらの能力について試験され得る。このような評価の後、適切なヒト腫瘍
反応性細胞溶解性T細胞は、インビトロで増殖させ得、そして治療目的、または
このような細胞により認識される腫瘍関連遺伝子産物の同定目的のいずれかの目
的に使用され得る。
【0027】 抗血清は、抗血清内の抗体がガン細胞に結合し得るか否か、および/またはこ
のような抗体が腫瘍細胞により発現されることがわかっている抗原を認識するか
否かを決定ことにより、抗腫瘍特性について評価され得る。同様に、単離された
B細胞は、モノクローナル抗体を作製するために使用され得、これは同様の手段
により評価され得る。一般的に、モノクローナル抗体は、KohlerおよびM
ilstein, Eur.J.Immunol. 6: 511−519 (
1976)の技術およびその改良を用いて調製され得る。これらの技術には、S
teinitzら、Nature 269: 420−422 (1977);
Zurauskiら、Science 199: 1439−1441 (1
979); KozborおよびRoder, J.Immunol. 127
: 1275−1280 (1981); Irieら、Proc. Natl
. Acad. Sci. USA 79: 5666−5670 (1982
);ならびにGarzelliら、J.Clin.Invest. 77: 1
627−1631 (1986)に記載されるように、形質転換ヘルペスウイル
ス、EBVでの感染による抗体産生B細胞の不死化が含まれる。いずれの場合で
も、結合アッセイは、HarlowおよびLane, Antibodies:
A Laboratory Manual, Cold Spring Ha
rbor Laboratory, 1988に記載される方法のような、当業
者に公知の種々の方法のいずれかを用いて行われ得る。適切な方法としては、放
射性免疫沈降、酵素結合免疫吸着アッセイ、およびウエスタンブロットアッセイ
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】 腫瘍反応性細胞溶解性リンパ球、抗血清、および抗体(またはこのような抗体
を産生する細胞株)は、当業者には明らかな種々の目的、例えば、ガンの免疫療
法に使用され得る。この目的のために、1つ以上の細胞溶解性T細胞の集団、ま
たは1つ以上の抗体が、生理学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物と
して処方され得(そうする必要はない)、これらは生理学的に受容可能キャリア
を含む。一般的に、薬学的組成物は、任意の種々の経路(皮下、静脈内、腹腔内
、または皮内注射による経路、または吸引による経路を含む)を介して投与され
得る。当業者に公知の任意の適切なキャリアが利用され得るが、一方、キャリア
の型は、投与の形式に依存して変化する。非経口投与(例えば、皮下注射)のた
めには、キャリアは、好ましくは、水、生理食塩水、油脂、ワックス、および/
または緩衝液を含む。経口投与のためには、上記のキャリアまたは固体キャリア
(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、
サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、および
炭酸マグネシウム)のいずれかが使用され得る。生分解性ミクロスフェア(例え
ば、ポリ乳酸ガラクチド)もまた、薬学的組成物のためのキャリアとして使用さ
れ得る。適切な生分解性ミクロスフェアは、例えば、米国特許番号第4,897
,268号、および同第5,075,109号に開示される。
【0029】 投与および投薬の適切な頻度は、一般的に、上記の動物モデルを用いて、そし
て引き続く臨床試験により決定され得る。一般的に、適切な用量は、上記のよう
に投与される場合は、ポジティブな臨床結果を生じ得る(すなわち、ガンの安定
、または部分的なもしくは完全な緩解をもたらし得る)ような用量である。細胞
溶解性T細胞の適切な用量は、代表的に、約107〜約1010細胞の範囲である 。モノクローナル抗体の適切な用量は、代表的に、体重1kgあたり約1〜20
0mgの範囲である。
【0030】 腫瘍反応性細胞溶解性リンパ球はまた、このような細胞により認識されるガン
関連抗原を同定するために使用され得る。例えば、腫瘍細胞クラス1 MHC分
子の抗原結合クレフトに結合したペプチドは、ガン細胞クラス1 MHC分子の
免疫親和性カラムクロマトグラフィーの後に分離され得る。得られたペプチドは
、高速液体クロマトグラフィーによりさらに分画化され得る。次いで、分画化し
たペプチドは、腫瘍反応性細胞溶解性T細胞による細胞傷害活性を誘引する能力
について試験され得る。細胞溶解性T細胞活性を誘引する個々のペプチドのアミ
ノ酸配列は、標準的なタンデム質量分析により決定され得る。例えば、Boon
ら、Ann.Rev.Immunol. 12: 337−365 (1994
)を参照のこと。同定されたペプチドのアミノ酸配列は、Sambrookら、
Molecular Cloning: A Laboratory Manu
al, Cold Spring Harbor Laboratories,
Cold Spring Harbor, NY(1989)(およびそこに
引用された参考文献)に記載されるような当業者に周知の方法を用いて、このペ
プチドをコードする遺伝子を単離するために使用し得るオリゴヌクレオチドプロ
ーブを作製するために使用され得る。このような遺伝子および対応するタンパク
質は、腫瘍診断および治療モニタリングのためのマーカーとして、または抗腫瘍
ワクチンとして、さらに使用され得る。
【0031】 上記のような抗血清、モノクローナル抗体、および/またはT細胞はまた、抗
体および/またはT細胞により認識される腫瘍関連抗原をコードするcDNA分
子の直接発現クローニングのために使用され得る。例えば、移植されたガン由来
のmRNAは、cDNAに転写され得、そして哺乳動物細胞(例えば、COS細
胞、CV−1細胞、アフリカミドリザル腎細胞または線維芽細胞)に挿入された
cDNAの発現を指向し得るプラスミドに挿入され得る。このようなcDNAを
含むプラスミドは、E.Coliにおいて複製され、そして哺乳動物細胞、また
は(細胞溶解性T細胞に対するこのような抗原の提示のために)予めヒトクラス
1MHC遺伝子でトランスフェクトされた哺乳動物細胞にプールでトランスフェ
クトされ得る。トランスフェクションの24〜72時間後、このような哺乳動物
細胞は、挿入されたcDNAの産物の発現の検出のための標的として使用され得
る。抗体の場合、検出は、放射性標識抗体の結合を測定することによるか、また
は酵素結合免疫吸着アッセイにより達成され得る。T細胞の場合、腫瘍反応性細
胞溶解性T細胞によるサイトカイン放出を誘発するトランスフェクトされた細胞
の能力が検出され得る。いずれの場合でも、適切な検出方法は、当業者には容易
に明らかである。一旦cDNAのプール(その産物は腫瘍応答性T細胞または抗
体のいずれかによる検出を導く)が同定されると、このようなプールはサブプー
ルにさらに分けられ、サブプールは、E.coliにおいて増幅され得、そして
標的細胞に再度トランスフェクトされ得、そして検出アッセイは、最終的に単一
のcDNA(その発現産物は腫瘍応答性抗体またはT細胞のいずれかにより検出
される)が単離されるまで、上記のように繰り返され得る。このようなcDNA
分子ならびに対応する完全長遺伝子およびコードされるタンパク質は、腫瘍診断
および治療モニタリングのためのマーカーとして、または腫瘍ワクチンとしてさ
らに使用され得る。
【0032】 同様に、腫瘍を有する本発明の免疫不全マウスから単離された血清は、腫瘍特
異的抗原の供給源として使用され得る。このような抗原をコードする遺伝子は、
例えば、腫瘍を有する免疫不全マウス、および腫瘍を有さない免疫不全マウスの
両方に由来する血清を利用するディファレンシャルディスプレイPCRによって
単離され得る。このような遺伝子、およびこのような遺伝子によってコードされ
るポリペプチドは、腫瘍診断および治療モニタリング、ガン免疫治療のために、
ならびにまた抗腫瘍ワクチンとして利用され得る。
【0033】 以下の実施例は、限定のためではなく、例示のために提供される。
【0034】 (実施例) (実施例1:免疫不全マウスにおけるヒトの乳ガン細胞の移植) 本実施例は、ヒトの乳ガンのためのマウスモデルの作製を例示する。ヒトの乳
ガンの新鮮な生検検体を、手術の直後に受けとる。腫瘍を、SCIDマウスの性
腺脂肪パッドへの移植の直前に、メスで1〜2mmより小さくならない大きさま
で、(RPMI 1640および10%ヒト血清中で)無菌的に細かく切り刻む
。マウスを、0.35〜0.5mLのAvertinの腹腔内注射により麻酔し
、そして手術用の金属十字台におく。典型的には、はさみで右下腹部に縦方向に
3mm切開し、そして性腺脂肪パッドの右部分を、切開部から引き出す。腫瘍の
一片を、性腺脂肪パッドの表面におき、次いで腫瘍の周りを性腺脂肪パッドで包
み、そして6−0 DexonTMで適所に固定することにより封入する。次いで
、腫瘍/性腺脂肪パッドを、腹部に再配置する。腹膜切開を、縫合糸で閉じる。
ホチキスのクリッピングを用いて、皮膚の切開部を閉じる。乳ガン組織の移植時
に、エストロゲンペレットを、マウスの頚部の後ろに皮下的に与える。手術の後
、マウスが覚醒するまで暖める。
【0035】 腫瘍増殖を、移植後の5〜7週間、下腹部領域を視覚的に調べるか、またはこ
の領域を触診することにより識別する。最初の移植の3ヶ月後までに、腫瘍は、
約1〜3平方センチメートルの大きさの範囲になる。
【0036】 表1は、上記のSCIDマウスに移植された32の一連の乳ガンについて得ら
れた結果を示す。それぞれの場合において、原発性腫瘍の2〜10の検体を、個
々のマウスに移植し、そして増殖が観察された移植検体の数を、移植検体の総数
と共に提供する。
【0037】
【表1】 a 数は、明らかな増殖が元の外科的な生検材料の小片で移植された総数以外の 第1の継代において得られた、動物を示す。b II型ケラチンを発現し、そしてヒトDNA特異的プローブを用いたインサ イチュハイブリダイゼーションによりヒトであると証明された、腫瘍。c 例外的に急速な増殖の証拠を示した。d ヌードマウスにおいても増殖した。(#7356、#7418、および#7 628は、ヌードマウスにおいて増殖しなかった)e 後の継代において、他の器官への転移の証拠を示した。f 第2の継代の間に、リンパ腫として生じた。
【0038】 これらの結果は、上記の移植方法が、免疫不全マウスにおいて原発性ヒト乳ガ
ン組織を増殖させることに高度に有効であることを示す。
【0039】 さらなる研究において、約8週齢以上のマウスの使用がヒト乳ガンの検体の増
殖の速度を首尾よく増加に導くことが見出された。このことは、より高齢のマウ
スにおける性線脂肪パッドのサイズの増加に起因し得る。
【0040】 (実施例2:免疫不全マウスにおけるヒト前立腺ガン細胞の評価) 本実施例は、ヒト前立腺ガンについてのマウスモデルの作製を例示する。ヒト
前立腺ガンの新鮮な生検検体を、手術後間もなく得る。この腫瘍を、雄性CB1
7 SCIDマウスの皮下移植の直前に、メスで1〜2mmより小さくならない
大きさまで、培地(RPMI 1640および10%ヒト血清)中で無菌的に細
かく切り刻む。マウスを、0.35〜0.5mLのAvertinの腹腔内注射
により麻酔する。代表的には、胸壁の中心に2〜3mmの水平方向に切開し、そ
して鉗子を用いて、皮膚を下にある肋骨の前方にある結合組織から穏やかに引き
離す。一片の腫瘍を、開口部から十分に離して皮膚下に挿入する。皮膚の切開を
縫合糸で閉じ、そしてテストステロンペレットを、同様の様式でマウスの頚部の
後ろに皮下的に与える。手術後、そのマウスが覚醒するまで、そのマウスを暖め
る。腫瘍増殖を、乳ガンと同じ様式で識別する。
【0041】 上述の方法を使用して、全部で56検体の内14の皮下に移植した原発性前立
腺腫瘍に関する動悸により、増殖を観察した。この14検体の内4は、2期首尾
良く継代した。第2継代の間、転移の蔓延を4検体のうち2で観察した。組織病
理学的な分析を使用して、腫瘍増殖を、第1継代の間移植した前立腺腫瘍サンプ
ルの90%に観察した。
【0042】 (実施例3:免疫不全マウスにおけるヒト卵巣ガン細胞の移植) この実施例は、ヒト卵巣ガン細胞についてのマウスモデルの産生を説明する。
【0043】 原発性卵巣ガンの検体を、実施例1および2に上述の方法を使用して、SCI
Dマウスの皮下または、性腺脂肪パッドのいずれかに移植した。以下表II中に
示すように、性腺脂肪パッドに移植した5検体のうち5つに、および皮下に移植
した25検体のうち21に、増殖を観察した。腹での蔓延を、性腺脂肪パッドに
移植した検体の1つに観察した(腫瘍番号8436)。
【0044】
【表2】 (実施例4:免疫不全マウスにおける腫瘍検体の複数継代) この実施例は、免疫不全マウス中のヒト腫瘍サンプルの連続的な継代の効果を
説明する。
【0045】 5つのヒト前立腺ガン検体を、実施例2に上述のようにオスSCIDマウスに
皮下に移植した。移植後6週後、腫瘍増殖が観察されたか、されなかったかにか
かわらず、各腫瘍検体を取り出し、第2SCIDマウスに移植した。この手順を
さらに6週間についても繰り返した。第3継代における5つのうち3つの検体に
、迅速な増殖を観察した。
【0046】 6つのヒト胸部腫瘍検体を上述の実施例1に記載のようにSCIDマウスの性
腺脂肪パッドに移植した。増殖が観察されたかどうかにかかわらず、各検体を6
週後に取り出し、第2SCIDマウスにおける性腺脂肪パッドまたは皮下のいず
れかに移植した。6週後継代を繰り返した。
【0047】 (実施例5:薬学的薬剤の抗腫瘍活性についての評価) 実施例1および2に記載した方法を使用する最初の手術サンプルの3平方セン
チメートルを超える面積への増殖後、動物を屠殺し、そして腫瘍組織を摘出する
。次いで、単離された腫瘍組織を、複数の1〜2mmの小片に切り裂き、次いで
このような小片を、実施例1に詳述されるように複数の免疫不全マウスの性腺脂
肪パッドに移植するか、または実施例2に記載のように複数の免疫不全マウスへ
皮下移植する。所望であれば、上記のように移植組織を増殖させ、摘出し、そし
てこの組織を切り裂き、そしてこの小片をさらなる免疫不全マウスに移植するこ
とにより、腫瘍組織をさらに連続的に移植し得る。
【0048】 初代手術検体または連続的に移植された腫瘍組織を受けた動物における腫瘍発
生後、腫瘍保有レシピエント動物を、複数のコホートに分け、そして抗腫瘍活性
を有すると推測される薬学的薬剤または薬学的薬剤の組合せを用いた処置に供す
る。このような処置は、皮下、静脈内、腹腔内、または皮内注射による、エアロ
ゾル吸入による、または経口を含む複数の経路を介して投与され得る。一単位の
治療後、効力を、処置なしかまたは偽薬での処置のいずれかを受ける腫瘍保有マ
ウスに対する治療を受ける腫瘍保有マウスのコホートの、相対的な生存および腫
瘍増殖速度の測定により評価する。
【0049】 (実施例6:養子的に移入された免疫細胞集団の抗腫瘍活性についての効力の
評価) 実施例1および2に記載のように、最初の手術サンプルの3平方センチメート
ルを超える面積までの増殖の後、動物を屠殺し、そして腫瘍組織を摘出する。次
いで、単離された腫瘍組織を、複数の1〜2mmの小片に切り裂き、次いで、こ
のような小片を、実施例1に詳述されるように複数の免疫不全マウスの性腺脂肪
パッドに移植するか、または実施例2に記載されるように複数の免疫不全マウス
の皮下に移植する。所望であれば、上記のように移植組織を増殖させ、摘出し、
そしてこの組織を切り裂き、そしてこの小片をさらなる免疫不全マウスに移植す
ることにより、腫瘍組織を、さらに連続的に移植し得る。
【0050】 初代手術検体または連続的に移植された腫瘍組織を受けた動物における腫瘍発
生の後、腫瘍保有レシピエント動物を、複数のコホートに分け、そして抗腫瘍応
答性を有すると推測される免疫リンパ球の集団、もしくはこのような細胞集団の
組合せ、またはこのような細胞集団と抗腫瘍活性を有すると推測される薬学的薬
剤との組合せを用いた処置に供する。このような細胞として、細胞溶解T細胞、
ヘルパーT細胞、樹状細胞、B細胞、リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞
、または以前にサイトカインに曝露された類似の細胞が挙げられ得る。このよう
な細胞は、抗腫瘍免疫応答性を有すると推測される、バルク集団、細胞株、また
はクローンとしてのいずれかで存在し得る。このような細胞はまた、治療実験に
おけるそれらの使用前に、遺伝情報をこのような細胞へ移入することによりさら
に操作され得る。処置は、皮下、静脈内、腹腔内、または皮内注射による経路を
含む複数の経路を介して投与され得る。一単位の治療の後、効力を、処置なしか
または偽薬での処置のいずれかを受ける腫瘍保有マウスに対する細胞の治療を受
ける腫瘍保有マウスのコホートの、相対的な生存および腫瘍増殖速度の測定によ
り評価し得る。
【0051】 (実施例7:ガンの処置のための遺伝子治療の効力の評価) 実施例1におよび2記載のように、最初の手術サンプルの3平方センチメート
ルを超える面積までの増殖の後、動物を屠殺し、そして腫瘍組織を摘出する。次
いで、単離された腫瘍組織を、複数の1〜2mmの小片に切り裂き、次いで、こ
のような小片を、実施例1に詳述されるように複数の免疫不全マウスの性腺脂肪
パッドに移植するか、または実施例2に記載されるように複数の免疫不全マウス
の皮下に移植する。所望であれば、上記のように移植組織を増殖させ、摘出し、
そしてこの組織を切り裂き、そしてこの小片をさらなる免疫不全マウスに移植す
ることにより、腫瘍組織を、さらに連続的に移植し得る。
【0052】 初代手術検体または連続的に移植された腫瘍組織を受けた動物における腫瘍発
生の後、腫瘍保有レシピエント動物を、複数のコホートに分け、そして種々の遺
伝子(この産物は抗腫瘍活性を有し得る)を発現するように操作された細胞の集
団を用いた処置に供する。このような細胞は、バルク集団または細胞株としての
いずれかで存在し得、そして線維芽細胞、造血、肝起、皮膚、またはリンパ様起
源の細胞を含み得る。あるいは、抗腫瘍活性を有すると推測されるタンパク質を
コードするプラスミド、または裸のDNAもしくはリポソームにカプセル化され
たDNAは、このモデル系における処置として使用され得る。処置は、皮下、静
脈内、腹腔内、または皮内注射による経路を含む複数の経路を介して投与され得
る。一単位の治療の後、効力を、処置なしかまたは偽薬での処置のいずれかを受
ける腫瘍保有マウスに対する遺伝子治療を受ける腫瘍保有マウスのコホートの、
相対的な生存および腫瘍増殖速度の測定により評価し得る。
【0053】 (実施例8:腫瘍増殖に対する異なる食餌療法の効果の評価) 実施例1および2に記載のように、最初の手術サンプルの3平方センチメート
ルを超える面積までの増殖の後、動物を屠殺し、そして腫瘍組織を摘出する。次
いで、単離された腫瘍組織を、複数の1〜2mmの小片に切り裂き、次いで、こ
のような小片を、実施例1に詳述されるように複数の免疫不全マウスの性腺脂肪
パッドに移植するか、または実施例2に記載されるように複数の免疫不全マウス
の皮下に移植する。所望であれば、上記のように移植組織を増殖させ、摘出し、
そしてこの組織を切り裂き、そしてこの小片をさらなる免疫不全マウスに移植す
ることにより、腫瘍組織を、さらに連続的に移植し得る。
【0054】 初代手術検体または連続的に移植された腫瘍組織を受けた動物における腫瘍発
生の後、腫瘍保有レシピエント動物を、複数のコホートに分け、そして、後の腫
瘍増殖および発生に対する特定の食餌変化の効果を調べるために、このような食
餌療法に供する。食餌療法は、単純糖質および複合糖質物、脂肪、およびタンパ
ク質の組成および濃度により変え得る。一単位の治療の後、効力を、処置なしか
または偽薬での処置のいずれかを受ける腫瘍保有マウスに対する食事療法を受け
る腫瘍保有マウスのコホートの、相対的な生存および腫瘍増殖速度の測定により
評価し得る。
【0055】 (実施例9:ガンワクチンの効力の評価) 実施例1および2に記載のように、最初の手術サンプルの3平方センチメート
ルを超える面積までの増殖の後、動物を屠殺し、そして腫瘍組織を摘出する。次
いで、単離された腫瘍組織を、複数の1〜2mmの小片に切り裂き、次いで、こ
のような小片を、実施例1に詳述されるように複数の免疫不全マウスの性腺脂肪
パッドに移植するか、または実施例2に記載されるように複数の免疫不全マウス
の皮下に移植する。所望であれば、上記のように移植組織を増殖させ、摘出し、
そしてこの組織を切り裂き、そしてこの小片をさらなる免疫不全マウスに移植す
ることにより、腫瘍組織を、さらに連続的に移植し得る。
【0056】 初代手術検体または連続的に移植された腫瘍組織を受けている動物における腫
瘍発生の前または後に、腫瘍保有レシピエント動物を、ヒトリンパ様組織を用い
て再増殖させ、当業者にSCID−huマウスとして公知であるものを作製し得
る。このような動物は、本質的にキメラ動物を示す。ここでこの宿主動物は、マ
ウス起源であるが、動物のTリンパ球およびBリンパ球はヒト起源である。従っ
て、このような動物は、患者を免疫応答を刺激することが推測される薬剤に曝露
する必要なく、ヒト免疫応答の研究において有用である。腫瘍保有SCID−h
uマウスを、複数のコホートに分け、そして抗腫瘍免疫応答を惹起することが推
測される1つ以上のタンパク質もしくはペプチド、またはこのようなタンパク質
またはペプチドをコードする1つ以上のDNA分子(裸もしくはベクター中のい
ずれか)でのワクチン接種に供する。このようなタンパク質、ペプチド、または
DNA分子は、種々の水性処方物もしくは非水性処方物中に存在し得るか、ある
いはマイクロカプセルもしくはリポソーム中に処方され得る。ワクチン接種は、
皮下、静脈内、腹腔内、もしくは皮内注射による経路を含む複数の経路、または
経口経路の投与を介して投与され得る。一単位のワクチン接種の後、効力を、処
置なしかまたは偽薬での処置のいずれかを受ける腫瘍保有マウスに対するワクチ
ン治療を受ける腫瘍保有マウスのコホートの、相対的な生存および腫瘍増殖速度
の測定により評価し得る。このようなワクチン接種の結果として誘発されたヒト
抗腫瘍免疫応答もまた、このモデルにおいて評価し得る。
【0057】 本発明の特定の実施態様は、例示の目的のために本明細書中で記載されたが、
種々の改変は、本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得ることが、
前述から理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/08 A61P 13/08 4H045 15/00 15/00 35/00 35/00 C07K 16/30 C07K 16/30 C12N 5/10 C12N 5/00 B 15/09 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 セクリスト, ヘザー アメリカ合衆国 ワシントン 98119, シアトル, 12ティーエイチ アベニュー ウエスト 2207, アパートメント ナ ンバー3 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA45 CA04 DA03 EA04 GA11 4B065 AA94X AC14 CA25 CA44 CA46 4C084 AA13 NA14 ZA812 ZB022 ZB261 ZC022 4C085 AA13 AA14 BB17 CC03 CC13 DD31 4C087 AA01 BB35 BB63 CA21 NA14 ZA81 ZB02 ZB26 ZC02 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト原発性前立腺ガン組織を含む免疫不全マウスであって、
    該ガン組織が該免疫不全マウスにおいて性腺脂肪パッド内または皮下に移植され
    ている、マウス。
  2. 【請求項2】 ヒト原発性卵巣ガン組織を含む免疫不全マウスであって、該
    ガン組織が該免疫不全マウスにおいて性腺脂肪パッド内または皮下に移植されて
    いる、マウス。
  3. 【請求項3】 前記マウスがヌードマウスである、請求項1または2のいず
    れか1項に記載の免疫不全マウス。
  4. 【請求項4】 前記マウスがSCIDマウスである、請求項1または2のい
    ずれか1項に記載の免疫不全マウス。
  5. 【請求項5】 前立腺ガンについてのマウスモデルを作製する方法であって
    、免疫不全マウスの皮下または性腺脂肪パッド内にヒト前立腺ガンの検体を移植
    する工程を包含する、方法。
  6. 【請求項6】 卵巣ガンについてのマウスモデルを作製する方法であって、
    免疫不全マウスの皮下または性腺脂肪パッド内にヒト卵巣ガンの検体を移植する
    程を包含する、方法。
  7. 【請求項7】 前記マウスがヌードマウスである、請求項5または6のいず
    れか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記マウスがSCIDマウスである、請求項5または6のい
    ずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の方法であって、免疫不全マウスに対してテ
    ストステロンを投与する工程をさらに包含する、方法。
  10. 【請求項10】 ヒト前立腺ガン組織を増殖させる方法であって、以下の工
    程: (a)ヒト前立腺ガンの検体を免疫不全マウスの皮下または性腺脂肪パッド内
    に移植する工程;および (b)該免疫不全マウス内で該ガンを増殖させる工程、 を包含する、方法。
  11. 【請求項11】 ヒト卵巣ガン組織を増殖させる方法であって、以下の工程
    : (a)ヒト卵巣ガンの検体を免疫不全マウスの皮下または性腺脂肪パッド内に
    移植する工程;および (b)該免疫不全マウス内で該ガンを増殖させる工程、 を包含する、方法。
  12. 【請求項12】 前記マウスがヌードマウスである、請求項10または11
    のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記マウスがSCIDマウスである、請求項10または1
    2のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前立腺ガン治療の効力を評価するための方法であって、以
    下の工程: (a)ヒト前立腺ガンの検体を免疫不全マウスの皮下または性腺脂肪パッド内
    に移植する工程; (b)候補治療に対して該免疫不全マウスを曝露する工程;ならびに (c)該移植された検体のサイズの変化、腫瘍細胞死の程度および/または該
    マウスにおける転移拡散のレベルを決定し、そこから該候補治療の効力を決定す
    る工程、 を包含する、方法。
  15. 【請求項15】 卵巣ガン治療の効力を評価するための方法であって、以下
    の工程: (a)ヒト卵巣ガンの検体を免疫不全マウスの皮下または性腺脂肪パッド内に
    移植する工程; (b)候補治療に対して該免疫不全マウスを曝露する工程;ならびに (c)該移植された検体のサイズの変化、腫瘍細胞死の程度および/または該
    マウスにおける転移拡散のレベルを決定し、そこから該候補治療の効力を決定す
    る工程、 を包含する、方法。
  16. 【請求項16】 前記マウスがヌードマウスである、請求項14または15
    のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記マウスがSCIDマウスである、請求項14または1
    5のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記治療が免疫治療である、請求項14または15のいず
    れか1項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記治療が遺伝子治療である、請求項14または15のい
    ずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記治療が食餌療法である、請求項14または15のいず
    れか1項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記治療が化学療法である、請求項14または15のいず
    れか1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記治療がサイトカイン治療である、請求項14または1
    5のいずれか1項に記載の方法。
  23. 【請求項23】 ヒト前立腺ガンについてのマウスモデルを作製する方法で
    あって、以下の工程: (a)ヒト前立腺ガンの検体を免疫不全マウスの皮下または性腺脂肪パッド内
    に移植する工程; (b)該移植されたガン検体の一部分を取り出す工程;および (c)続いて、第二の免疫不全マウス内に該一部分を移植する工程、 を包含する、方法。
  24. 【請求項24】 ヒト卵巣ガンについてのマウスモデルを作製する方法であ
    って、以下の工程: (a)ヒト卵巣ガンの検体を免疫不全マウスの皮下または性腺脂肪パッド内に
    移植する工程; (b)該移植されたガン検体の一部分を取り出す工程;および (c)続いて、第二の免疫不全マウス内に該一部分を移植する工程、 を包含する、方法。
  25. 【請求項25】 腫瘍反応性ヒト細胞溶解性Tリンパ球を産生する方法であ
    って、以下の工程: (a)ヒトTリンパ球を含むヒト前立腺ガンの検体を免疫不全マウスの皮下ま
    たは性腺脂肪パッド内に移植する工程; (b)該免疫不全マウス内で該ヒトTリンパ球を増殖させる工程、 (c)該検体を有する免疫不全マウスからヒト細胞溶解性T細胞を単離する工
    程;および (d)ガン細胞を殺傷する能力について、該細胞溶解性Tリンパ球を評価し、
    そこから腫瘍反応性ヒト細胞溶解性Tリンパ球を同定する工程、 を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 腫瘍反応性ヒト細胞溶解性Tリンパ球を産生する方法であ
    って、以下の工程: (a)ヒトTリンパ球を含むヒト卵巣ガンの検体を免疫不全マウスの皮下また
    は性腺脂肪パッド内に移植する工程; (b)該免疫不全マウス内で該ヒトTリンパ球を増殖させる工程、 (c)該検体を有する免疫不全マウスからヒト細胞溶解性T細胞を単離する工
    程;および (d)ガン細胞を殺傷する能力について、該細胞溶解性Tリンパ球を評価し、
    そこから腫瘍反応性ヒト細胞溶解性Tリンパ球を同定する工程、 を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 前記移植工程の前に、前記免疫不全マウスをヒトリンパ球
    組織を用いて再増殖する、請求項23または24のいずれか1項に記載の方法。
  28. 【請求項28】 請求項23または24のいずれか1項に記載の方法に従っ
    て産生された、腫瘍反応性ヒト細胞溶解性Tリンパ球。
  29. 【請求項29】 抗腫瘍抗血清を産生する方法であって、以下の工程: (a)ヒトB細胞を含むヒト前立腺ガンの検体を、免疫不全マウスの皮下また
    は性腺脂肪パッド内に移植する工程; (b)該ヒトB細胞を増殖させて、そしてヒト抗腫瘍抗体を該免疫不全マウス
    内で産生する工程; (c)該免疫不全マウスから抗血清を単離する工程;ならびに (d)ガン細胞に結合する能力について該血清を評価し、そこから抗腫瘍抗血
    清を同定する工程、 を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 抗腫瘍抗血清を産生する方法であって、以下の工程: (a)ヒトB細胞を含むヒト卵巣ガンの検体を、免疫不全マウスの皮下または
    性腺脂肪パッド内に移植する工程; (b)該ヒトB細胞を増殖させて、そしてヒト抗腫瘍抗体を該免疫不全マウス
    内で産生する工程; (c)該免疫不全マウスから抗血清を単離する工程;ならびに (d)ガン細胞に結合する能力について該血清を評価し、そこから抗腫瘍抗血
    清を同定する工程、 を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 抗腫瘍モノクローナル抗体を産生する方法であって、以下
    の抗体: (a)ヒトB細胞を含むヒト前立腺ガンの検体を、免疫不全マウスの皮下また
    は性腺脂肪パッド内に移植する工程; (b)該ヒトB細胞を増殖させて、そしてヒト抗腫瘍抗体を該免疫不全マウス
    内で産生する工程; (c)ヒト抗体産生B細胞を、該免疫不全マウスから単離する工程; (d)該単離されたB細胞からモノクローナル抗体を生成する工程;ならびに (e)ガン細胞に結合する能力について該モノクローナル抗体を評価し、そこ
    から抗腫瘍モノクローナル抗体を同定する工程、 を包含する、方法。
  32. 【請求項32】 抗腫瘍モノクローナル抗体を産生する方法であって、以下
    の抗体: (a)ヒトB細胞を含むヒト卵巣ガンの検体を、免疫不全マウスの皮下または
    性腺脂肪パッド内に移植する工程; (b)該ヒトB細胞を増殖させて、そしてヒト抗腫瘍抗体を該免疫不全マウス
    内で産生する工程; (c)ヒト抗体産生B細胞を、該免疫不全マウスから単離する工程; (d)該単離されたB細胞からモノクローナル抗体を生成する工程;ならびに (e)ガン細胞に結合する能力について該モノクローナル抗体を評価し、そこ
    から抗腫瘍モノクローナル抗体を同定する工程、 を包含する、方法。
  33. 【請求項33】 前記移植工程の前に、前記免疫不全マウスがヒトリンパ組
    織とともに再増殖する、請求項27から30のいずれか1項に記載の方法。
  34. 【請求項34】 請求項27または28のいずれか1項に記載の方法に従っ
    て産生された、抗腫瘍抗血清。
  35. 【請求項35】 請求項29または30のいずれか1項に記載の方法に従っ
    て産生された、抗腫瘍モノクローナル抗体。
  36. 【請求項36】 患者におけるガンを処置するための方法であって、該ガン
    が前立腺ガンまたは卵巣ガンであって、請求項26に記載の腫瘍反応性細胞溶解
    性Tリンパ球を該患者に投与する工程を包含する、方法。
  37. 【請求項37】 患者におけるガンを処置するための方法であって、該ガン
    が乳ガン、卵巣ガンまたは前立腺ガンであって、請求項33に記載の抗腫瘍モノ
    クローナル抗体を該患者に投与する工程を包含する、方法。
  38. 【請求項38】 前立腺腫瘍特異的抗原をコードするDNA分子を単離する
    ための方法であって、以下の工程: (a)腫瘍特異的抗原を含むヒト前立腺ガンの検体を、免疫不全マウスの皮下
    または性腺脂肪パッド内に移植する工程; (b)該ガン検体を該免疫不全マウス内で増殖させる工程; (c)該免疫不全マウスから血清を得る工程;および (d)該血清から前立腺腫瘍特異的抗原をコードするDNA分子を単離する工
    程、 を包含する、方法。
  39. 【請求項39】 卵巣腫瘍特異的抗原をコードするDNA分子を単離するた
    めの方法であって、以下の工程: (a)腫瘍特異的抗原を含むヒト卵巣ガンの検体を、免疫不全マウスの皮下ま
    たは性腺脂肪パッド内に移植する工程; (b)該ガン検体を該免疫不全マウス内で増殖させる工程; (c)該免疫不全マウスから血清を得る工程;および (d)該血清から卵巣腫瘍特異的抗原をコードするDNA分子を単離する工程
    、 を包含する、方法。
  40. 【請求項40】 ヒト乳ガンについてのマウスモデルを作製するための方法
    であって、以下の工程: (a)ヒト乳ガンの検体を、免疫不全マウスの性腺脂肪パッド内に移植する工
    程; (b)該移植したガン検体の一部分を取り出す工程;および (c)次いで、該一部分を、第二の免疫不全マウス内に移植する工程、 を包含する、方法。
  41. 【請求項41】 前記免疫不全マウスがSCIDマウスである、請求項39
    に記載の方法。
  42. 【請求項42】 ヒト乳ガンを増殖させるための方法であって、以下の工程
    : (a)ヒト乳ガンの検体を、免疫不全マウスの性腺脂肪パッド内に移植する工
    程; (b)該移植したガン検体の一部分を取り出す工程; (c)次いで、該一部分を、第二の免疫不全マウス内に移植する工程;および (d)該ガンを、該第二の免疫マウス内で増殖させる工程、 を包含する、方法。
  43. 【請求項43】 前記マウスがSCIDマウスである、請求項40に記載の
    方法。
  44. 【請求項44】 乳ガン治療の効力を評価する方法であって、以下の工程: (a)ヒト乳ガンの検体を、免疫不全マウスの性腺脂肪パッド内に移植する工
    程; (b)該移植したガン検体の一部分を該免疫不全マウスから取り出す工程; (c)次いで、該一部分を、第二の免疫不全マウス内に移植する工程; (d)該第二の免疫不全マウスを候補治療に曝露する工程;ならびに (e)該移植された検体のサイズの変化、腫瘍細胞死の程度および/または該
    マウスにおける転移拡散のレベルを決定し、そこから該候補治療の効力を決定す
    る工程、 を包含する、方法。
  45. 【請求項45】 前記マウスがSCIDマウスである、請求項42に記載の
    方法。
  46. 【請求項46】 前記治療が免疫療法である、請求項42に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記治療が遺伝子治療である、請求項42に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記治療が食餌療法である、請求項42に記載の方法。
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