JP2001517206A - 免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色腫細胞株およびその使用方法 - Google Patents

免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色腫細胞株およびその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、(a)1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色腫細胞株を取得し、(b)未改変黒色腫細胞株に比べてサイトカインの産生レベルが増加し得るように該黒色腫細胞株を改変し、(c)黒色腫を有するかあるいは黒色腫が発生する危険のある哺乳動物宿主に該黒色腫細胞株を投与することを含む、黒色腫の治療または予防方法に関する。好ましくは、該黒色腫細胞株は、該宿主と同種であり且つ宿主とMHCがマッチしないものである。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色腫細胞株およびその使用方法 発明の技術分野 本発明は、複数の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する1または2以上の黒色 腫腫瘍細胞株をワクチンとして用いた、黒色腫に対する治療または予防方法に関 する。特に、本発明は、ワクチンとしての同種黒色腫細胞株の使用方法に関する 。本発明はまた、免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色腫細胞株、および該 黒色腫細胞株の細胞を含有する組成物に関する。 発明の背景 腫瘍細胞が細胞ゲノム中にその癌表現型の原因となる複数の特異的な変化を含 むことが一般に認められている。これらの変化は、細胞の増殖および分化を制御 する遺伝子の発現または機能に影響を及ぼす。例えば、通常これらの変異は、癌 遺伝子、すなわちrasのような細胞のトランスフォーメーションの正のエフェク ター、および負の増殖調節因子をコードする腫瘍抑制因子遺伝子(すなわち劣性 癌遺伝子)中に認められ、その機能を喪失すると癌化表現型の発現を結果として もたらす。このような劣性癌遺伝子としては、p53、p21、Rb1、DCC、MCC、NFIお よびWTIが挙げられる。 免疫療法は癌治療において治療的アプローチとなる可能性がある。免疫療法は 、自然に生じる腫瘍を拒絶する免疫系の不全が腫瘍抗原に対して適切に応答する 免疫系の不全に関連するという前提に基づいている。機能している免疫系におい て、腫瘍抗原はプロセッシングされ、ヒトにおいては「ヒト白血球関連」(HL A)分子とも呼ばれる主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIおよびII分 子においては細胞表面上に発現される。MHCクラスIおよびII分子と抗原性ペ プチドの複合体は、それぞれCD8+およびCD4+T細胞によって認識される。 この認識により、一連の二次細胞シグナルと、細胞間相互作用を仲介し、宿主防 御を刺激して病 気を撃退する特異的なサイトカインもしくは可溶性のいわゆる「生物応答調節剤 」のパラクリン放出とが生じる。次いで、サイトカインの放出の結果、抗原特異 的T細胞の増殖が起こる。 したがって、能動免疫療法は、腫瘍細胞を注射して、新規な、あるいは増強さ れた全身性免疫応答を生じさせることを含む。腫瘍に対する全身性T細胞応答を 増強するこの免疫療法的アプローチの能力は以前に記載されている。例えば、特 に国際出願WO 92/05262、Fearonら,Cell,60,397-403(1990)およびDranoffら ,Proc.Natl.Acad.Sci.,90,3539-43(1993)を参照。注射される腫瘍細胞は 、通常はその免疫原性を高めるために、非特異的なアジュバントと混合したり、 あるいはサイトカインもしくは他の免疫共同刺激分子を発現するように細胞を遺 伝的に改変したりすることにより改変されている。使用される腫瘍細胞は自己由 来、すなわち、治療中の宿主と同一の宿主由来であってよい。あるいは、腫瘍細 胞はMHCがマッチする、すなわち、同一もしくは少なくともいくつかは同一の MHC複合体分子を有する、別の宿主由来であってもよい。 ほとんどの完全細胞の癌ワクチンは、患者自身の腫瘍細胞を用いて製造される 。このように自家ワクチンを用いるのには2つの理由がある。第1に、ネズミの 腫瘍での結果に基づいて、各々の腫瘍は各々の患者の腫瘍に独特な腫瘍関連抗原 (TAA)を発現するものだと以前は考えられていた。第2に、T細胞の認識は MHC対立遺伝子と特異的抗原の両方に依存するので、患者自身の腫瘍由来の細 胞を使用すると、腫瘍もしくはMHC抗原をマッチさせるいかなる必要も回避で きる。 しかしながら、自家腫瘍細胞ワクチンの製造に必要な新鮮なヒト腫瘍外植片を インビトロで増殖させることは、労力集約型であり高度な技術を要求され、高度 に専門化された研究施設をもってしてもほとんどの組織学的タイプのヒト腫瘍で 不可能なことが多い。さらに、各患者の腫瘍からワクチンを製造するのは非常に 費用がかかる。また、培養において自家細胞の継代を続けると、このような細胞 の抗原性組成は、該細胞株が由来する初代腫瘍に比べて変化し、該細胞がワクチ ンとして無効になるという本質的な可能性もある。このような変化はすべての樹 立細胞株でし ばしば起こるので、腫瘍ワクチンとして自家細胞を使用するについては、このア プローチを用いて治療中の各患者の最初に単離したそれぞれの細胞株の凍結保存 株を維持しておくことが必要となる可能性があるだろう。 Huangら,Science,264,961-65(1994)の最近の結果はワクチンを用いた癌治 療と関連がある。すなわち、Huangらの研究以前は、腫瘍ワクチンストラテジー は、ワクチン接種する腫瘍細胞がそれらのMHCクラスIおよびII分子上に腫瘍 抗原を提示する抗原提示細胞(APC)として機能し、免疫応答のT細胞武装を 直接活性化するという理解に基づいていた。対照的に、Huangらの結果は、ワク チン接種する腫瘍細胞ではなく、むしろ宿主の専門的なAPCが免疫応答のT細 胞武装を準備することを示す。Huangらの研究において、サイトカインGM-CS Fを分泌する腫瘍ワクチン細胞は、腫瘍骨髄由来APCの領域を補充する。該骨 髄由来APCは該腫瘍の細胞蛋白質の全体を取り込んでプロセッシングし、次い で、そのMHCクラスIおよびII分子上に抗原性ペプチドを提示する。このよう にして、APCは免疫系のCD4+およびCD8+T細胞の両方の武装を準備し、 宿主腫瘍の抗原性エピトープに特異的な全身性の抗腫瘍免疫応答を生じさせる。 これらの結果は、癌治療において、自家もしくはMHCがマッチする腫瘍細胞を 使用する必要がないかもしれないことを示唆する。 また、腫瘍ワクチンの使用に関連して、T細胞が腫瘍ワクチンによって誘導さ れる全身性抗腫瘍免疫の重大なメディエーターであることが確認されている(Pa rdollにより総説,Trends in Pharmacological Sciences,14,202-08(1993)) 。したがって、普遍的な腫瘍ワクチン、すなわち、特定のタイプの癌患者の大多 数に適用できるワクチンを製造するには、T細胞により認識される免疫優性な共 有腫瘍抗原の存在についての知識が必要である。現在、T細胞により認識される 免疫優性な共有腫瘍抗原は、1つのヒト腫瘍、黒色腫においてのみ同定されてい る。黒色腫は、メラニンを形成し得る細胞由来の悪性腫瘍であり、身体のあらゆ る部分の皮膚、眼、あるいはあまり一般的ではないが、生殖器の粘膜、肛門、口 腔もしくは他の部位で起こり得る。黒色腫はしばしば広く転移し、おそらく局所 のリンパ節、肝臓、 肺および脳が巻き込まれるだろう。一次的な皮膚悪性黒色腫は皮膚に生じるすべ ての病気の中で第一の死亡原因である。転移性黒色腫は治療に対して抵抗力があ るとしばしば考えられている。事実、転移した黒色腫に最も有効な単独の治療薬 であるダカルバジン(ジメチルトリアゼノイミダゾールカルボキサミド、すなわ ちDTIC)は、症例の20%においてのみ部分的な緩解をもたらすにすぎず、 完全な応答を誘発するのは症例の5%未満である(Fitzpatrickら,「皮膚の悪性 黒色腫」,「ハリソンの内科学の原理」中,Braunwaldら編,第11版(McGraw- Hill Book Company:NY,1987)1595-97))。 T細胞により認識される免疫優性な共有黒色腫抗原は2つの主要なカテゴリー に分類される。抗原の1つのカテゴリーは、黒色腫細胞内で産生され、精巣を除 く他のいかなる成体組織内でも産生されない蛋白質を包含する。これら、いわゆ る腫瘍特異的共有抗原としては、MAGEファミリー抗原であるMAGE−1お よびMAGE−3が挙げられる。これら2つの抗原のうち、MAGE−3はMA GE−1よりもより広く産生され、免疫優性であるらしい。MAGE−3はまた 、小細胞肺細胞癌(SCLC)、非小細胞肺細胞癌(non−SCLC)、頭お よび頚の扁平上皮細胞癌(SCCHN)、結腸癌および乳癌のような他の非黒色 腫瘍においても産生される。同様に、MAGE−1はまた、乳癌、神経膠芽腫、 神経芽腫、SCLCおよび甲状腺の髄癌においても産生される。共有黒色腫抗原 のもう1つのカテゴリーは、メラニン細胞系列特異的な分化抗原を包含する。こ のような系列特異的な分化抗原はメラニン細胞およびそれらの悪性の対応物であ る黒色腫において産生され、これまでに同定されている他の細胞および組織内で は産生されない。このような分化抗原としては、MART−1/メラン−A、チ ロシナーゼ、GP75およびGP100が挙げられる。これらの黒色腫抗原およ び他の抗原(例えば、最近同定された、共有であるか否かわかっていない腫瘍特 異的変異抗原)を表1にさらに記載する。さらなる免疫優性な共有黒色腫抗原も おそらく同定されるであろう。 表1.T細胞により認識される黒色腫抗原 これらの共有黒色腫抗原に関する知識は、すべての、もしくは大多数の共有黒 色腫抗原を発現する単一の黒色腫細胞株、あるいはすべての、もしくは大多数の 共有黒色腫抗原を集合的に発現する一連の細胞株を同定する可能性を提供するだ ろう。もしこのような黒色腫細胞株を同定できれば、これらの細胞株は、ワクチ ンとして用いた場合、黒色腫を有する実質的にすべての患者由来の黒色腫と少な くとも1つの、そして大抵の場合は複数の抗原が同じだろう。本発明は、このよ うな細胞株を用いた癌の治療方法、特に、黒色腫の治療方法を提供するが、それ は自家もしくはMHCがマッチした腫瘍細胞の使用に頼らず、そのような使用に 付随する困難さや欠点がない。本発明のこれらの、および他の目的、および利点 、並びに本発明のさらなる特徴は、後記の発明の説明から明らかになるだろう。発明の簡単な要約 本発明は、1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色腫細胞 株を取得し、該黒色腫細胞株を、未改変細胞株に比べてサイトカインの産生レベ ルが増加し得るように改変し、黒色腫を有するかあるいは黒色腫が発生する危険 のある哺乳動物宿主に該黒色腫細胞株を投与することを含む、黒色腫の治療また は予防方法を提供する。好ましくは、該黒色腫細胞株は宿主と同種であるが、必 ずしも宿主とMHCがマッチしなくてもよい。 好ましい態様の説明 本発明の黒色腫の治療または予防方法は、(a)1または2以上の免疫優性な 共有黒色腫抗原を発現する黒色腫細胞株を取得し、(b)該黒色腫細胞株を、未 改変黒色腫細胞株に比べてサイトカインの産生レベルが増加し得るように改変し 、(c)黒色腫を有するかあるいは黒色腫が発生する危険のある哺乳動物宿主に 該黒色腫細胞株を投与する工程を含む。好ましくは、投与された黒色腫細胞株は 宿主と同種であるが、必ずしも宿主とMHCがマッチしなくてもよい。黒色腫 本発明の方法は、黒色腫を治療または予防するのに使用することができる。本 発明において、「黒色腫の治療」とは、治療的応答を達成する目的で本明細書に 記載する黒色腫細胞株を宿主に投与することを包含する。このような治療は他の 黒色腫の治療手段(例えば、一次病変の外科的切除)と組み合わせて行うことが できる。 特に、治療的応答は、ここにさらに記載するように、黒色腫抗原に対する全身性 の免疫応答(例えば、T細胞応答)である。このような応答は、黒色腫の増殖の 減衰および/または黒色腫の退縮をモニタリングすることにより評価することが できる。「黒色腫の増殖」は黒色腫の大きさおよび/または黒色腫の数の増加を 包含する。「黒色腫の退縮」は黒色腫の質量の減少を包含する。本発明において 、「黒色腫の予防」とは、新しい黒色腫の形成を防ぐ目的で、感受性の高い宿主 (例えば、 日光に対する寛容性の乏しい宿主、形成異常性の母斑もしくは大きな先天性のメ ラニン細胞性母斑を有する患者、一次黒色腫病変の切除を受けたことのある患者 他)にここに記載する黒色腫細胞株を投与することを含む。 本発明において、「黒色腫」は、皮膚または他の部位のメラニン細胞から生じ る悪性腫瘍(それは薄黒い色素を含んでいてもよい)を包含する。この用語は一 次腫瘍内に局在するような癌、並びに、例えば、隣接する組織の侵入によって局 所的に腫瘍から広がるか、あるいは転移した、腫瘍内に局在しない黒色腫細胞を 包含する。 該黒色腫の治療または予防方法は、広範な種類の異なる宿主を用いて効果的に 行うことができる。例えば、該方法は、種々の動物宿主に使用することができる が、好ましくは、齧歯類、サル、チンパンジー、ネコ、イヌ、有蹄類(例えば反 芻動物またはブタ)、並びに特にヒト宿主を含むがそれらに限定されない哺乳動 物宿主に使用することができる。黒色腫細胞株 本明細書に記載するように、「黒色腫細胞株」は、黒色腫に元来由来する細胞 を包含する。黒色腫細胞株はいかなる黒色腫に由来してもよい。このような細胞 は通常、何らかの変化を受けて、理論的に培養において無限増殖性を有する。す なわち、限られた時間の間しか培養できない非癌細胞と異なる。 癌の治療方法において使用される黒色腫細胞株はいかなる適切な手段によって も得ることができるが、好ましくは、本明細書に記載するように、(a)哺乳動 物宿主から黒色腫の試料を取得し、(b)該黒色腫試料から単細胞懸濁液を形成 させ、(c)該黒色腫細胞をペレットにし、(d)該黒色腫細胞を標準の無菌培養 技術を用いて組織培養物中に移し、(e)該黒色腫細胞が増殖できる条件下で該 黒色腫細胞を組織培養中で維持する工程を含む方法によって得られる。 より詳細には、黒色腫の試料は通常外科手術の際に得られる。続いて、該黒色 腫試料を無菌技術を用い、組織損傷を最小限にするようにして処理および操作す る。該組織試料は、無菌容器中、氷上に置き、クリーンベンチに移すのが好まし い。黒 色腫細胞株の単離用に使用する黒色腫の部分を該試料から切除し、好ましくは、 残りの黒色腫を適切な温度、例えば−70℃で保存する。 単細胞懸濁液の使用に関しては、該懸濁液は細胞を、好ましくは一晩、酵素に より消化することにより形成される。例えば、試料をコラーゲナーゼを含む溶液 中に懸濁する。該溶液はまた、DNAseおよび/またはヒアルロニダーゼを含 んでもよい。細胞培養培地を使用して消化を実施することができる。得られる単 細胞懸濁液をペレット状にし、該ペレットを少量の組織培養培地中に再懸濁する 。好ましくは、次いで該再懸濁細胞を、培養中での該細胞の増殖に適当な組織培 養培地中に、5×105腫瘍細胞/mlの密度で接種する。 あるいは、新鮮な腫瘍試料を直接培養物中に入れる小片に細かく切り刻む。こ のもう1つの好適な黒色腫細胞株の単離方法は、(a)哺乳動物宿主から黒色腫 の試料を取得し、(b)該試料を細かく切り刻んでその断片を得、(c)該新鮮腫 瘍断片を組織培養中に移し、(d)該細胞が増殖できる条件下で組織培養中で該 黒色腫細胞を維持する工程を含む。 黒色腫細胞を組織培養中に移すのに用いる手段に関わらず(当該分野の通常の 技術を有する者にとっては周知の手段等の、いかなる手段も用いることができる )、いったん移植すると、培養は約5〜8%CO2の存在下に約35〜40℃で 維持することができる。好ましくは、細胞増殖に使用される培地は、多くのタイ プの細胞培養の増殖を助ける広い適用性があるもの、例えば、重炭酸緩衝系と種 々のアミノ酸およびビタミン類を利用する培地である。最適には、培地はRPM I1640培地であり、ウシ血清(例えば、胎児ウシ血清)を、好ましくは約5 ないし約20%の濃度で補充されたものが望ましい。培地は必要に応じて、例え ば、黒色腫細胞の増殖を必要とする場合、あるいは黒色腫細胞を未分化の状態で 維持する必要のある場合、種々の付加的因子を含んでもよい。培地および培地成 分は容易に入手可能であり、例えば、市販元より入手することができる。腫瘍細 胞培養は、必要に応じて例えば、通常1ないし10日毎に栄養分を補給して再培 養することができる。また、腫瘍細胞を分別トリプシン処理にかけて、一次腫瘍 培養よりも過剰増殖し得る他の 細胞(例えば、基質細胞)を除去することもできる。さらに、培養培地にコレラ 毒素(例えば、10ng/ml)を補充することにより、線維芽細胞の過剰増殖 の抑制を達成することもできる。 実質的に純化された黒色腫細胞の培養が得られたらしい時には(例えば、培養 の外見または増殖の挙動から判断して)、必要もしくは所望に応じて、種々の試 験を実施して該培養が純粋であることを確認することができる。例えば、このこ とは、フローサイトメトリーまたは免疫細胞学で黒色腫関連蛋白質もしくはガン グリオシドの発現を確認することにより確かめることができる。これは容易に入 手可能な抗体を用いて行われるが、それは当業者には周知である。免疫優性な共有黒色腫抗原 黒色腫細胞株が免疫優性な共有抗原を産生する(すなわち、「発現する」)こ とを確認するために、該黒色腫細胞株の細胞上で試験を実施することができる。 本発明によれば、好ましくは、黒色腫細胞株は、本明細書に記載するかあるいは 将来同定される、1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する。「共 有の」という用語は、特定の個体自身の腫瘍に独特な抗原は一般に適用できるワ クチンとしては有用ではなく、むしろ、特定の腫瘍タイプの複数の(すなわち2 以上の)症例に共有される抗原が必要であるという事実を意味する。「免疫優性 な」という用語は、プロセッシング、MHCへの結合または非結合のせいで、あ る特定の抗原がワクチン接種された宿主由来のT細胞によってより効率よく認識 され得るという事実を意味する。 特に、本発明によれば、好ましくは2患者以上、最も好ましくは4患者以上に 由来する腫瘍浸潤性リンパ球が該黒色腫細胞株を認識することが確認される。さ らに、免疫優性な共有黒色腫抗原のRNA発現および/または蛋白産生を、当業 者に公知であり、ここにさらに記載される標準の技術(例えば、PCRに基づく アッセイ、ノーザンおよびウェスタンアッセイ、他の免疫学的アッセイなど)を 用いて調べることが望ましい。 本発明によれば、好ましくは、免疫優性な共有黒色腫抗原は、本明細書に記載 するような、あるいは将来ある時同定される、メラニン細胞特異的分化抗原およ び腫瘍特異的共有抗原からなる群より選択される。特に、免疫優性な共有黒色腫 抗原は、1または2以上のメラニン細胞特異的分化抗原または1または2以上の 腫瘍特異的共有抗原を含むことが望ましい。最も好ましくは、該黒色腫細胞株は 、少なくとも3つの免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する。好ましい実施態様に おいては、免疫優性な共有黒色腫抗原はMAGE−1、MAGE−3、MART −1/メラン−A、チロシナーゼ、gp75、gp100、BAGE、GAGE −1、GAGE−2、GnT−Vおよびp15抗原からなる群より選択される。 該黒色腫細胞株はまた、腫瘍特異的変異抗原を含んでもよい。例えば、該黒色 腫細胞株は、好ましくはb−カテニン腫瘍特異的変異抗原を含むことができる。 同様に、該黒色腫細胞株はMUM−1腫瘍特異的変異抗原を好ましく含むことが できる。また、該黒色腫細胞株はCDK4腫瘍特異的変異抗原を含むこともでき る。 本発明の方法においてワクチンとして使用される黒色腫細胞株は、継続した世 代で免疫優性な共有黒色腫抗原の安定な産生を示すことが好ましい。特に、該黒 色腫細胞株は、別の免疫優性な共有黒色腫抗原と一緒にMAGE−3抗原を発現 することが好ましい。望ましくは、該黒色腫細胞株は、MAGE−3、チロシナ ーゼ、MART−1/メラン−A、gp75およびgp100抗原からなる群よ り選択される2つの免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する。いっそう好ましくは 、該黒色腫細胞株は、MAGE−3、チロシナーゼ、MART−1/メラン−A 、gp75およびgp100抗原からなる群より選択される3つの免疫優性な共 有黒色腫抗原を発現する。望ましくは、該黒色腫細胞株は、MAGE−3、チロ シナーゼ、MART−1/メラン−A、gp75およびgp100抗原からなる 群より選択される4つの免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する。最も好ましくは 、該黒色腫細胞株は、MAGE−3、チロシナーゼ、MART−1/メラン−A 、gp75およびgp100抗原を発現する。特に、本発明の方法に適用される 黒色腫細胞株は、好ましく は526−MELまたは624−MELである。サイトカイン 本発明の癌治療方法において、好ましくは、黒色腫細胞株は、未改変黒色腫細 胞株に比べてサイトカインの産生レベルが増加し得るように改変されている。「 サイトカイン」は、この用語が当業者に理解されている通り、宿主内に存在する 黒色腫に対する宿主の免疫系の応答性を増強するいかなる免疫強化蛋白(糖蛋白 質のような修飾された蛋白質を含む)でもよい。好ましくは、サイトカインは、 それ自身は宿主に対して免疫原性がなく、免疫系の細胞の活性を活性化または増 強することにより免疫を強化する。 本明細書で用いる際、サイトカインとしては、インターフェロン類、インター ロイキン類(例えば、IL−1ないしIL−17)、腫瘍壊死因子(TNF)、 エリスロポエチン(EPO)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF) 、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)および顆粒球−マクロファージコロニ ー刺激因子(GM−CSF)が挙げられるが、それらに限定されない。好ましく は、サイトカインはGM−CSFである。 本発明において、黒色腫細胞株を「改変する」とは、対象とするサイトカイン の発現の増加をもたらし得る遺伝的材料を導入することを包含する。該遺伝的材 料は、裸のDNAの形態であっても、プラスミド、ウイルスもしくは他のビーク ルのようなDNA分子を包含する「ベクター」の形態であってもよい。ベクター は1または2以上の異種もしくは組換えDNA配列(例えば、サイトカイン遺伝 子、もしくは機能的なプロモーターあるいはさらにエンハンサーの制御下にある サイトカインコード配列)を含み、この用語が当業者に理解されているようにベ クターとして機能し得る。適当なウイルスベクターとしては、シミアンウイルス 40、ウシパピローマウイルス、エプスタインーバールウイルス、アデノウイル ス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス、 ハーベイマウス肉腫ウイルスおよびラウス肉腫ウイルスが挙げられるが、それら に限定されない。 ベクターまたは他のDNA配列に関して「組換え」というときは、天然から単離 される際には通常結合していないDNA配列が連結していることを単に意味する だけである。「遺伝子」は蛋白質または初期mRNΛ分子をコードするいかなる 核酸配列でもよい。遺伝子はコード配列に加えていかなる非コード配列(例えば 、調節配列)を含んでもよいが、「コード配列」はいかなる非コードDNAも含 まない。「プロモーター」はRNAポリメラーゼの結合を指示し、それによって RNA合成を促進するDNA配列である。「エンハンサー」は、近傍の遺伝子の 転写を刺激または阻害するDNAのシス作動性エレメントである。転写を阻害す るエンハンサーは「サイレンサー」とも呼ばれる。エンハンサーは、それがどち らの方向にも、数キロ塩基対(kb)まで離れていても、さらに転写領域の下流 に位置していても機能し得る点で、プロモーター中にのみ見出される配列特異的 DNA結合蛋白質とのDNA結合部位(これは「プロモーターエレメント」とも 呼ばれる)と相違する。 真核の黒色腫細胞、あるいは特に哺乳動物のような動物黒色腫細胞(例えば、 ヒト黒色腫細胞)内に核酸を導入するのに適したいかなる適切なベクターも使用 することができる。好ましくは、該ベクターは黒色腫細胞と適合性であり、例え ば、サイトカイン遺伝子もしくはコード配列の発現を付与することができるもの であり、該黒色腫細胞内で安定にもしくは比較的安定に維持されるものである。 望ましくは、該ベクターは複製起点を含む。好ましくは、ベクターはいわゆる「 マーカー」機能(例えば、抗生物質耐性遺伝子)をも含み、該「マーカー」機能 によりベクターを同定し選択することができる。サイトカインコード配列が導入 されるとき(すなわち、それ自身のプロモーターを有するサイトカイン遺伝子と は対照的に)、最適にはベクターは、コード配列の発現を駆動することができ、 且つ該コード配列に機能的に連結したプロモーターも含む。プロモーターがコー ド配列の転写を指示し得るとき、コード配列はプロモーターに「機能的に連結し ている」(例えば、コード配列とプロモーターの両方が一緒になって、天然もし くは組換えサイトカイン遺伝子を構成するとき)。 本明細書で用いるように、サイトカイン「遺伝子」または「コード配列」は、 該遺伝子またはコード配列がサイトカインの特徴的な機能、すなわち宿主の免疫 応答を刺激する能力、を有する蛋白質を発現し得るか、あるいは該蛋白質内に発 現され得る限り、天然から単離したか、または全合成もしくは部分合成したかに かかわらず、サイトカインのゲノミックまたはcDNA配列、そのより大きい配 列およびより小さい配列、並びにそれらの変異体を包含する。遺伝子またはコー ド配列を改変する手段は当該分野でよく知られており、市販のキット(例えば、 New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA;Clontech,Palo Alto,CA)によって 行うこともできる。サイトカイン遺伝子またはコード配列はいかなる適当なソー スからのものでもよく、例えば、ヒトのようないかなる哺乳動物から単離された ものでもよい。しかしながら、好ましくは該サイトカイン遺伝子またはコード配 列はGM−CSF配列、特に、ヒトまたはマウスGM−CSF cDNA配列を 含むヒトまたはマウスGM−CSF遺伝子またはコード配列を含有する(例えば 、Cantrellら,Proc.Natl.Acad.Sci.,82,6250-54(1985)に記載)。 本発明の組換えベクターにおいて、好ましくは、すべての適切な転写、翻訳お よびプロセッシングシグナル(例えば、スプライシングおよびポリアデニル化シ グナル)は、サイトカイン遺伝子またはコード配列がそれが導入された黒色腫細 胞内で適切に転写および翻訳されるように、ベクター上に正しく配置されている 。宿主細胞内での適切な発現を確実にするためのこのようなシグナルの操作は、 当業者の知識および技術の範囲でよく知られている。サイトカイン遺伝子はそれ 自身のプロモーターにより制御される(すなわち、機能的に連結している)が、 構成的プロモーター(例えば、アデノウイルスの2型(Ad2)もしくは5型( Ad5)の主要後期プロモーター(MLP)および三分リーダー、サイトメガロ ウイルス(CMV)の前初期プロモーター/エンハンサー、ラウス肉腫ウイルス のロングターミナルリピート(RSV−LTR)およびその他のもの)を含む別 のプロモーターを、サイトカインコード配列の発現を命令するのに使用すること もできる。 あるいは、組織特異的プロモーター(すなわち、所定の組織中で優先的に活性 化されて、その結果、活性化された組織中で遺伝子産物を発現するプロモーター )をベクター中に使用することもできる。そのようなプロモーターとしては、膵 臓の腺房細胞内で活性のあるエラスターゼIの遺伝子調節領域(Swiftら,Cell ,38,639-46(1984)およびMacDonald,Hepatology,7,425-515(1987)に記載) 、膵臓のβ細胞内で活性のあるインスリンの遺伝子調節領域(Hanahan,Nature ,315,115-22(1985)に記載)、肝臓特異的なアルブミンまたはα1−アンチト リプシンのプロモーター(Frainら,Mol.Cell.Biol.,10,991-99(1990)およ びCilibertoら,Cell,41,531-40(1985)に記載)、およびどちらも肝臓内で活 性のあるアルブミンおよびα1−アンチトリプシンの遺伝子調節領域(Pinkert ら,Genes and Devel.,1,268-76(1987)およびKelseyら,Genes and Devel.,1 ,161-71(1987)に記載)が挙げられるが、それらに限定されない。 同様に、Schreweら,Mol.Cell Biol.,10,2738-48(1990)に記載されるよう に、結腸癌に対する癌胎児性抗原と類似した黒色腫特異的プロモーターをベクタ ー中に使用することもできる。同じ細胞株において、異なる発生段階で選択的に 活性化されるプロモーター(例えば、グロビン遺伝子は胚と成体では異なって転 写される)を特定のタイプの癌の遺伝子治療に使用することができる。 別の選択肢は、TNFに応答するIL−8プロモーターまたはインターフェロ ンに応答する6−16プロモーターのような誘導プロモーターを使用すること、 あるいは宿主内に存在するかもしくは外来的に投与し得る他のサイトカインまた は他の因子に応答する他の同様なプロモーターを使用することである。サイトカ イン誘導性プロモーターを使用することは、サイトカイン遺伝子の自己誘導的な 発現を可能にするというさらなる利点がある。本発明によれば、所望の結合能力 とプロモーター強度を有する限り、いかなるプロモーターも変異誘発により変化 させることができる。 したがって、本発明は、上記で定義するようなサイトカインをコードする核酸 配列を含み、本発明の癌治療方法に使用することができるベクターを提供する。 特に、 本発明は、ヒトGM−CSFをコードする核酸配列を含む組換えベクターを提供 する。したがって、好ましくは、本発明はpcDNA3/Neo-GM-CSFと呼ばれるベクタ ーを提供する。これは本明細書でさらに説明する。 本発明の方法において、細胞(好ましくは樹立黒色腫細胞株の細胞)に、イン ビトロでサイトカイン遺伝子またはコード配列を導入するのに、裸のDNAまた は組換えベクターを使用することができる。細胞にインビトロで新しい遺伝的材 料を送達するのに種々の方法が使用できる。例えば、このような方法としては、 エレクトロポーレーション、リポソームを用いた膜融合、DNAをコーティング したマイクロプロジェクタイルの高速射撃、リン酸カルシウムとのインキュベー ションによるDNA沈澱、DEAEデキストランを介したトランスフェクション 、改変ウイルス核酸を用いた感染、単細胞への直接マイクロインジェクションな どが挙げられる。他の方法も利用可能であり、当業者に公知である。このように 、本発明は、未改変黒色腫細胞株に比べて増加したレベルのサイトカイン(好ま しくはGM−CSF)を産生し得るように改変されている、実質的に純化された 黒色腫細胞株を提供する。 改変された黒色腫細胞により産生されるサイトカインのレベルは、本発明に関 しては免疫刺激的応答を得る目的で重要である。好ましくは、改変された(例え ば、トランスフェクトまたは形質転換された)黒色腫細胞株は、改変されていな い(すなわち、親の)黒色腫細胞株で観察されるサイトカインのレベルよりも増 加したレベルのサイトカインを産生する。いっそう好ましくは、改変された細胞 株は、36ng/106細胞/日より多いサイトカイン分泌を生じさせるレベル のサイトカインを産生する。 本発明はまた、サイトカインが投与された黒色腫細胞によって提供されるので はなく、他の手段によって提供される黒色腫の治療または予防方法をも包含する 。この方法は、単に、(a)1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現 する黒色腫細胞株を取得し、(b)黒色腫を有するか、黒色腫が発生する危険の ある哺乳動物宿主に該黒色腫細胞株を投与することを含むだけである。この方法 では、黒色腫細胞株は、投与に先立って、サイトカインの産生レベルが増加し得 るように改変され ることはない。その代わりに、サイトカインは当該分野で知られている他のある 手段により提供される。例えば、該黒色腫細胞株の細胞を、マイクロスフェアー (例えば、Golumbekら,Cancer Research,53,1-4(1993)を参照)またはリポソ ーム(例えば、Nabelら,Proc.Natl.Acad.Sci.,90,11307-11(1993)を参照 )中に包まれたサイトカインとともに投与することができる。黒色腫細胞株の投与 哺乳動物宿主への黒色腫細胞株の細胞の「投与」とは、黒色腫細胞、特に改変 された(すなわち、サイトカイン産生)黒色腫細胞を宿主に実際に物理的に導入 することをいう。黒色腫細胞を宿主に導入する、いかなるそしてすべての方法を 本発明では意図している。該方法はいかなる特定の導入手段にも依存するもので はなく、また、そのように解すべきではない。導入手段は当業者には周知であり 、そのような導入手段のいくつかは本明細書において例示されている。 投与される黒色腫細胞株は宿主の黒色腫と共通するいくつかのMHC抗原を有 し得ると予想されるが、本発明の目的のために、投与される黒色腫細胞は宿主の 黒色腫と共通のMHC抗原を有する必要はない。したがって、本発明は宿主に対 して同種の(すなわち、異なる個体由来の)、必ずしも宿主とMHCがマッチし ていない黒色腫細胞株の投与を包含する。本発明によれば、黒色腫細胞株が宿主 と共通のいかなるMHC抗原も共有していないとき、あるいは同種黒色腫細胞ワ クチンを用いるときに通常はMHCがマッチするMHC抗原(例えば、MHCク ラスI抗原、特にHLA−A2)のいずれも宿主と共有していないとき、黒色腫 細胞株は宿主と「MHCがマッチしていない」ということである。 また、好ましくは、黒色腫細胞株(例えば、改変された黒色腫細胞株)を、投 与の前に、細胞複製および起こり得るインビボでの黒色腫形成を防ぐために放射 線照射される。黒色腫細胞を放射線照射するには、通常、黒色腫細胞を集めて液 体培地中、試験管に移し、137Cs源を用いて室温にて照射を行う。好ましくは 、約50ないし約200ラド/分、いっそう好ましくは約120ないし140ラ ド/分の線量 速度で細胞を照射する。大多数の細胞、好ましくは約100%の細胞がインビト ロで増殖するのを阻害するのに十分な総線量を細胞に照射することが好ましい。 したがって、望ましくは、約10,000ないし30,000ラドの総線量を細 胞に照射する。 さらに、黒色腫細胞株(例えば、改変された黒色腫細胞株)は、最適にはその 免疫原性を増強するために投与の前に処理される。好ましくは、この処理は、本 明細書で説明するように、さらに遺伝子操作、例えば、他のサイトカインまたは 免疫共刺激機能を導入するような遺伝子操作、あるいは非特的アジュバントとの (例えば、フロイントの完全または不完全アジュバント、細菌およびマイコバク テリアの細胞壁成分より構成される乳化物等が挙げられるがそれらに限定されな い)との混合を含む。 したがって、患者自身の黒色腫に対する全身性の抗黒色腫免疫応答を生じさせ るために、黒色腫を患者にワクチン接種するのに同種黒色腫細胞株を用いること ができる。MAGE−3はSCLC、非SCLC、SCCHN、結腸癌および乳 癌のような他の非黒色腫瘍でも産生されるし、また、MAGE−1は乳癌、神経 膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、SCLCおよび甲状腺の髄様癌でも産生されるので 、MAGE−3および/またはMAGE−1抗原を発現する本発明の同種黒色腫 細胞株は、これら他の非黒色腫瘍の治療にも使用することができる。 投与を容易にするために、本発明の同種黒色腫細胞株、特に、投与の前に免疫 原性を増強するように処理された改変同種黒色腫細胞株を、適当な、そして医薬 上許容される担体または希釈剤とともに、インビボでの投与に適した医薬組成物 またはインプラントに製造することができる。このような組成物またはインプラ ントの製造手段は当該分野で記載されている(例えば、「レミントンの薬科学」 ,第16版,Mack編,(1980)を参照)。適当な場合、黒色腫細胞株はカプセル剤 、液剤、注射剤、吸入剤またはエアロゾルのような半固形または液状の製剤に、 それぞれの投与経路用の通常の方法で製剤化することができる。標的組織または 器官に到達するまで組成物の放出および吸収を防止または最小限にするために、 あるいは組成物の定時的 な放出を確実にするために、当該分野で公知の手段を利用することができる。し かしながら、好ましくは、本発明の組成物の効力を失くさない医薬上許容される 形態を使用する。したがって、望ましくは、黒色腫細胞株を、平衡塩類溶液、好 ましくはHanksの平衡塩類溶液、あるいは通常の食塩水を含有する医薬組成物に 製造することができる。 したがって、本発明は、ここに記載するように、医薬上許容される担体、およ び本発明の黒色腫細胞株または1または2以上の免疫優性な共有抗原を発現する 他のいずれかの黒色腫細胞株の細胞を含有する医薬組成物を提供する。好ましく は、本発明は、医薬上許容される担体、および増加したレベルのサイトカイン、 最適にはGM−CSFを生産するように改変されている黒色腫細胞株を含有する 医薬組成物、特に、該黒色腫細胞株が526−MELまたは624−MELであ る該医薬組成物を提供する。本発明はまた、好ましくは医薬上許容される担体お よび複数の本発明の黒色腫細胞株の細胞を含有する医薬組成物を提供する。例え ば、該組成物は、好ましくは2以上の本発明の細胞株の細胞を含有し、最も好ま しくは2以上の細胞株、例えば、526−MELおよび624−MEL細胞を含 有するか、あるいは526−MEL、624−MELおよび他のある細胞株から なる群より選択される細胞を含有する。 医薬投与形態において、組成物は単独でまたは適当な関連性にて、並びに他の 医薬上活性な化合物および治療方法と組み合わせて用いることができる。例えば 、癌治療、特に黒色腫の治療に本発明の方法を適用する場合、このような治療は 、他の癌(特に黒色腫)治療手段、例えば外科的切除、放射線照射、化学療法等 と組み合わせて用いることができる。化学療法についていえば、ダカルバジン、 ダクチノマイシン、カルムスチン、プロカルバジン、ビンブラスチンおよびイン ターフェロン、並びに黒色腫の治療に使用される他の薬剤に加えて、本発明の組 成物を使用することができる。 本発明の医薬組成物は、特定の効果を達成するために種々の経路により、また 哺乳類(特にヒト)の体の種々の部位に送達することができる。2つ以上の経路 を投与に用いることができるが、ある特定の経路が別の経路よりも迅速かつ効果 的な反応を与えることが当業者には理解されるであろう。局所または全身送達は 、体腔への製剤の適用または滴注、エアロゾルの吸入または通気を含む投与によ り、あるいは筋肉内、静脈内、門脈内、肝臓内、腹腔内、皮下、または皮内投与 を含む非経口導入により行うことができる。好ましくは、送達は皮下または皮内 投与により行う。 本発明の組成物は、単独でまたは他の活性薬剤との適当な組み合わせで、各投 与単位(例えば、注射剤)が所定量の組成物を含む単位投与形態で提供すること ができる。本明細書で用いる「単位投与形態」という語は、ヒトおよび動物の患 者にとって単回投与形態として適当な物理的に分離した単位をいい、各単位は所 望の効果を生じさせるのに十分な量として算出された所定量の本発明の組成物を 、単独でまたは他の活性薬剤と組み合わせて、適当な場合、医薬的に許容される 希釈剤、担体、またはビヒクルと共に含有する。本発明の新規な単位投与形態の 詳細については、特定の宿主における医薬組成物に関連する特定の薬力学により 決定される。 好ましくは、本明細書でさらに説明するように、組成物中に十分な数の修飾さ れた黒色腫細胞が存在し、宿主細胞によりサイトカインが発現されるように宿主 内に導入され、続く黒色腫部位へのAPCの補充により、残存する宿主黒色腫に 対してこのような治療を行わないときに比べてより大きい免疫応答が生じる。従 って、投与されるワクチン細胞の量は、投与経路を考慮に入れなければならない し、所望の治療(すなわち、免疫強化)応答を達成するために十分な数の黒色腫 細胞が導入されるようにしなければならない。さらに、本明細書に記載する組成 物に含有される各活性薬剤の量(例えば、各細胞当たりの接触する量、またはあ る体重当たりの量)は適用ごとに異なる。一般に、修飾された黒色腫細胞の濃度 は、好ましくは少なくとも約1×106〜約1×109黒色腫細胞、より好ましく は1×107〜約5×108黒色腫細胞を、治療される宿主内で提供すれば十分で あるが、より多い、例えば5×108細胞より多い、またはより少ない、例えば 1×107細胞より少ない適当な量を利用することもできる。 これらの値は、本発明を実施するために本発明の方法を最適化した後に、実施 者により利用される各成分の範囲の一般的なガイダンスを与えるものである。本 明細書に記載するそのような範囲は、特定の適用において正当だと認められるで あろうように、成分のより多いまたはより少ない量の使用を排除するものではな い。例えば、実際の投与量および投与スケジュールは、組成物が他の医薬組成物 と組み合わせて投与されるかにより、または個人間の薬物動態、薬物素質、およ び代謝の相違により変わり得る。当業者は特定の状況における必要性に従って必 要な調整を容易に行うことができる。さらに、組成物の有効量は癌細胞、特に黒 色腫細胞の増殖を阻害することが知られている他の化合物との類似性によりさら に概算することができる。 当業者はまた、本発明の組成物を投与したときに治療的(すなわち、全身性免 疫)応答をモニターするための手段を知っている。特に、治療的応答は黒色腫増 殖の減衰および/または黒色腫退縮をモニターすることにより評価することがで きる。治療に対する応答における黒色腫増殖の減衰または黒色腫退縮は、当業者 に知られている幾つかのエンドポイント法(例えば、黒色腫の数、黒色腫質量ま たは大きさ、または転移の減少/予防を含む)を用いてモニターすることができ る。記載したこれらの方法は包括的なものではなく、特定の適用に適したさらな る方法が当業者には明らかであろう。実施例 以下の実施例は本発明をさらに説明するものであり、本発明の範囲を限定する と解釈すべきでないことは言うまでもない。 実施例1 この実施例では、1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色 腫細胞株を取得および培養する方法について説明する。 黒色腫細胞株を外科的切除標本から樹立した。以前に記載され、当業者に公知 の標準的手段を使用して、細胞株を単離した(例えば、Freshney,「動物細胞の 培養」(第3版)Wi1ey-Liss,Inc.,NY(1993)を参照)。詳細には、コラーゲナ ーゼ、DNAseおよびヒアルロニダーゼで一晩酵素的に消化することにより、 腫瘍を単細胞懸濁液に分散させ、10%ウシ胎児血清(FBS)を含むRPMI 1640培地中で培養した。次いで、標準的な無菌組織培養技術を用いて該細胞 を培養中で繁殖させた。 実施例2 この実施例では、1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色 腫細胞株の特性解析について説明する。 免疫優性な共有抗原が黒色腫細胞株内に存在することは、黒色腫患者由来の、 該患者自身の黒色腫を認識するT細胞が、問題となる特定の同種黒色腫細胞株を も認識することを示すことによって確認することができる。この測定を行うため には、T細胞が由来する患者と試験される黒色腫株との間で、少なくとも1つの MHCクラスI抗原が共有されていなければならない。白人のほぼ50%の個体 において発現するので、このような目的に使用される最良のMHC抗原の1つは HLA−A2である。 すなわち、新鮮な腫瘍懸濁液をFicoll-Hypaque勾配(リンパ球分離用培地,Or ganon Technical Corporation,Durham,North Carolina)に通して単離し、黒 色腫を認識するT細胞集団を増殖させた。生きている腫瘍細胞とリンパ球とを含 む該勾配の界面を洗浄し、全細胞濃度をmlあたり約2.5ないし約5.0×1 05細胞に調整して、完全培地中で培養した。完全培地は、10%熱非働化AB 型ヒト血清、50IU/mlペニシリンおよび50mg/mlストレプトマイシ ン(Biofluids,Rockville,MD)、50mg/mlゲンタマイシン(GIBCO Laborator ies,Chagrin Falls,OH)、10mM HEPES緩衝液(Biofluids)および2 mML−グルタミン(MA Bioproducts,Walkersville,MD)を含むRPMI16 40か らなる。該培地に6000IU/ml IL−2およびLAK細胞の培養上清を 補充した。培養は、24穴プレートや175cm2フラスコを含む、種々の組織 培養容器中で、37℃、5%CO2加湿雰囲気中で維持した。これらの条件下で は腫瘍浸潤性T細胞が選択的に増殖する。腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)の培養 をIL−2中で少なくとも4週間増殖させた。 黒色腫細胞株のTILによる認識(Topalianら,J.Immunol.,142,3714(198 9))を分析するために、これらの細胞株に対する培養したTILの細胞溶解活性 を標準的な4時間の51Cr放出アッセイを用いて調べた。あるいは、腫瘍細胞と 共培養したTILによる特異的なサイトカイン分泌をモニタリングした。これら の実験結果を表2に示す。 表2.HLA−A2制限黒色腫TILによるHLA−A2+黒色腫の溶解表2に示される通り、8つの異なるHLA−A2+患者由来のTIL培養(すな わち、TIL620、TIL1073、TIL1143、TIL1235、TI L501、TIL660、TIL1074およびTIL1128)を、7つの異 なる樹立黒色腫細胞株(すなわち、526−MEL、553−MEL、624− MEL、677−MEL、697−MEL、1102−MELおよび1011− MEL)、並びに樹立線維芽細胞株(560−fibro)およびDaudiリンパ 腫細胞株に対して試験した。クロム放出アッセイにおいてエフェクター対腫瘍細 胞の比(E:T)が40の時の特異的溶解が>10%であることによって確定さ れるように、2つの腫瘍細胞株、すなわち、526−MELおよび624−ME Lが、すべてのTIL培養により認識された。1011−MEL(HLA−A2 陰性)を除く他の黒色腫細胞株は、大多数または少なくとも1つのTIL培養に よって認識された。 526−MELおよび624−MELを、MZ2−E(またはMAGE−1) 、MZ2−D(またはMAGE−3)、MART−1/メラン−A、GP100 およびGP75抗原の発現について、逆転写酵素・ポリメラーゼ連鎖反応(RT −PCR)またはノーザンブロッティングにより試験した。該細胞株のチロシナ ーゼ産生について、チロシナーゼ特異的ヘルパーT細胞株による認識を通じて調 べた。また、該細胞株のGD3産生について、特異的モノクローナル抗体を用い た染色により調べた。これらの実験結果を表3に示す。 表3.黒色腫細胞培養による共有黒色腫抗原の発現 表3に示される通り、どちらの細胞株も、MAGE−1抗原を除いて、これらの アッセイで試験されたすべての一般的な共有抗原を発現していた。 これらの結果は、526−MELおよび624−MEL黒色腫細胞株が大多数 の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現することを確認するものである。さらに、こ れらの結果は、ここに記載される方法が、1または2以上の免疫優性な共有黒色 腫抗原を発現する黒色腫細胞株を取得および/または同定するのに使用できるこ とを確認するものである。 実施例3 この実施例では、1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色 腫細胞株を、そのサイトカイン産生量が増加するように改変する方法について説 明する。サイトカイン顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF )は、前臨床黒色腫モデルにおける全身性の抗黒色腫応答を生じさせることにお いて、他のサイトカインよりも強力である可能性がある(例えば、Dranoffら,P roc.Natl.Acad.Sci.,90,3539-42(1993)を参照)。したがって、黒色腫細胞 株をGM−CSFを分泌するように改変した。実施例1に記載される黒色腫細胞 株526−MELおよび624−MELを1または2以上の免疫優性な共有黒色 腫抗原を発現する同種黒色腫細胞株の代表として使用した。 細胞株の操作を容易にするために、組換えヒトGM−CSF遺伝子をpcDNA3/N eo(Invitrogen)にクローニングした。得られた組換えベクターを以下、pcDNA3 /Neo-GM-CSFと称する。すべてのクローニング反応およびDNA操作は、当業者 によく知られ、当該分野で記載された方法(例えば、Maniatisら,「モレキュラ ー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル」,第2版(Cold Spring Ha rbor Laboratory,NY,(1982))を参照)を用いて行った。これらの反応に使用し た酵素は市販の業者(例えば、New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA;Clont ech,Palo Alto,CA;Boehringer Mannheim,Inc.,Indianapolis,IN;他)より 入手し、製造者の推奨に従って使用した。 プラスミドpcDNA3/Neo-GM-CSFは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモー タ ーの制御下にヒトGM−CSFサイトカインコード配列を含み、また、別個のC MVプロモーターにより制御されるネオマイシン耐性遺伝子を含む。CMVプロ モーターはほとんどの真核細胞において比較的高レベルの遺伝子発現を駆動し得 るので使用した(Boshartら,Cell,41,521-30(1985))。ヒト黒色腫細胞株へ の遺伝子導入にこのベクターを用いた初期の研究により、ネオマイシン耐性で選 択後、36ng/106細胞/日を超えるレベルのGM−CSFの分泌が達成さ れたことが確認されている。これらの初期研究により、pcDNA3/Neo-GM-CSFプラ スミドが真核細胞で機能的であることが確認される。さらに、これが、マウスモ デルにおける適切な抗黒色腫免疫応答を生じさせるのに必要なGM−CSFの用 量である。GM−CSF遺伝子を担持するレトロウイルスベクターで形質導入し たか、あるいはしていない黒色腫細胞を種々の濃度で用いた希釈実験により、B 16−F10黒色腫系においては、GM−CSFの分泌が36ng/106細胞 /日を下回ると、この閾値を上回る分泌レベルにおいて見られる強力な抗黒色腫 免疫を生じさせることができないことが確認されている。これらの発見は、高レ ベル且つ持続したレベルのGM−CSFを、関連する黒色腫抗原のソースである ワクチン接種した黒色腫細胞の部位に直接送達することが重要であることを強調 している。 526−MELおよび624−MEL細胞株を、リン酸カルシウム法により、 pcDNA3/Neo-GM-CSFでトランスフェクトした。これらの実験につき、526−M ELは培養第32継代において、624−MELは培養第28継代においてトラ ンスフェクトした。GM−CSFレベルはELISAにより測定した。これらの 実験結果を表4に示す。 表4.トランスフェクトされた黒色腫細胞株によるGM−CSFの分泌 526−MEL細胞株で観察されたGM−CSF分泌レベルは10ng/106 黒色腫細胞/日未満であった。526−MEL細胞株についてのGM−CSF分 泌は、異なるトランスフェクション用発現ベクターを使用するか、あるいはより 高レベルの発現を示す黒色腫細胞株を選択することによって増加させ得る。これ に比べて、黒色腫細胞株624−MELで観察されたGM−CSF分泌レベルは 80ng/106黒色腫細胞/日を超えていた。トランスフェクトされていない 黒色腫は測定可能な量のGM−CSFを分泌しなかった。 この実施例で使用された方法は、増加したレベルの他のサイトカインを生産し 得る黒色腫細胞株を生じさせるのにも用いることができ、また、他の黒色腫細胞 株にも用いることができるが、それらはすべて同様にワクチンとして使用するこ とができる。 実施例4 この実施例では、宿主へのGM−CSF投与に関する付加的研究について説明 する。 さらなる研究により、GM−CSFの分泌は、このサイトカインの公知のパラ クリン生理に近似する必要があることが確認されている。詳細には、前記実施例 に記載したように、分泌は関連する抗原(すなわち、黒色腫細胞)の部位で起こ らなければならず、また、数日間高レベルが持続しなければならない(例えば、 Dranoff ら,上述;Golumbekら,上述)。しかしながら、黒色腫細胞自身がGM−CSF の分泌源である必要はないらしい(Golumbekら,上述)。黒色腫細胞と共に注射 された生分解性ポリマーからGM−CSFを徐放させると、レトロウイルスによ り形質導入したサイトカイン発現黒色腫細胞で見られるのと類似の免疫学的防御 および組織学的浸潤を生じさせることができる。さらに、もし交差反応しない第 二の腫瘍をGM−CSF分泌性黒色腫と共に注射すれば、両方の腫瘍に対する免 疫学的防御が生じ得るだろう。しかしながら、単に黒色腫細胞と一緒に可溶性G M−CSFを注射しただけでは、このサイトカインの局所におけるレベルを持続 できず、全身性免疫は生じない(Golumbekら,上述)。そこで、インビボでのサ イトカインの送達に、宿主細胞とMHCがマッチしない同種黒色腫細胞を使用す ることの有効性を調査した。 マウスモデルにおいて、傍観者である同種黒色腫細胞によるGM−CSFの送 達によって生じる抗黒色腫免疫が、標的黒色腫細胞自身によってGM−CSFが 送達された場合に達成されるそれに匹敵することが実証された。詳細には、これ らの実験では、BALB/cマウスに放射線照射したCT26結腸癌細胞を、レ トロウイルスにより形質導入したCT26細胞またはレトロウイルスにより形質 導入したB16−F10細胞とともに皮下接種した。2週間後、マウスにCT2 6野生株を注射して再度チャレンジした。CT26結腸癌細胞株はある固有の免 疫原性を有しているが、同系の細胞によってであれ、同種(異系)の細胞によっ てであれ、ワクチン接種部位でGM−CSFが分泌されると、より大きな防御が 見られた。どの程度、あるいはどのようなメカニズムによって、同種黒色腫細胞 が抗CT26免疫を増強できるのかは明らかではないが、これらの結果は、おそ らくは本発明のGM−CSFの同種送達が自家黒色腫の送達と少なくとも同程度 に有効らしいことを強く示唆している。実施例5 この実施例では、本発明に従って、1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗 原を発現する黒色腫細胞株、好ましくは同種であるが必ずしも宿主とMHCがマ ッチしない黒色腫細胞株を、宿主に投与することによる癌の治療方法について説 明する。 GM−CSFを、好ましくは36ng/106黒色腫細胞/日を超えるレベル で分泌する黒色腫細胞株を取得して使用する。該改変黒色腫細胞を組織培養フラ スコからトリプシン処理して回収する。該細胞を通常の食塩水を用いて洗浄し、 ペレット状にし、Hanksの平衡塩類溶液またはインビボでの導入に適当な他の塩 類溶液中に再懸濁させる。細胞は約1×106ないし約1×108黒色腫細胞/m lの濃度で再懸濁させる。この再懸濁混合液約0.1ないし約0.5mlをワク チンとして使用する。したがって、好ましくは約1×106ないし約1×109黒 色腫細胞、最も好ましくは約1×107ないし約5×108黒色腫細胞が、全部で 注射される。改変黒色腫細胞はマウスでは皮下注射されるが、ヒトにおいては皮 内注射するのが好ましい。 注射の前に、改変黒色腫細胞を、例えば137Cs源を用いて放射線照射するこ とができる。このような放射線処理は腫瘍細胞の複製を防ぐが、培養中で少なく とも1週間、該細胞がGM−CSFを分泌し且つ代謝学的に活性であり続けるこ とを許す。好ましくは、放射線照射は、137Cs源を用いて約120〜140ラ ド/分の線量速度で約15,000ラドの総線量を送達するように実施すること ができる。改変黒色腫細胞株はまた、その免疫原性を増強するように変化させる こともできる。例えば、細胞をさらに遺伝子操作したり(例えば、他のサイトカ インまたは他の免疫刺激核酸配列(例えば、GM−CSF以外の、またはそれに 加えて、あるサイトカイン)を挿入することによって)、あるいは非特異的アジ ュバント(例えば、フロイントの完全または不完全アジュバント、細菌およびマ イコバクテリアの細胞壁成分からなる乳化物等)と混合したりすることができる 。 本発明は、黒色腫を有するか、あるいは黒色腫が発生する危険のある哺乳動物 (特にヒト)に使用することができる。本明細書に記載するような免疫療法の前 に、あるいはそれに加えて(すなわち、同時または直後に)、例えば、外科的切 除、放射線照射、化学療法等の、癌治療に使用される方法をいくつでも用いて、 患者を処置し得ることも予期される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 パードル、ドゥリュー エム. アメリカ合衆国、メリーランド州 20833、 ブルークヴィル、ジェイムズ クリーク コート 19400 (72)発明者 ジャフィー、エリザベス エム. アメリカ合衆国、メリーランド州 21093、 ルーサーヴィル、サマー フィールズ コ ート 20 (72)発明者 アドゥラー、アダム アメリカ合衆国、メリーランド州 21208、 パイクスヴィル、アパートメント 3ビ ー、クインパー コート 5 (72)発明者 トパリアン、スザンヌ エル. アメリカ合衆国、メリーランド州 20833、 ブルークヴィル、ジェイムズ クリーク コート 19400 (72)発明者 ローゼンバーグ、スティーヴン エイ. アメリカ合衆国、メリーランド州 20854、 ポトマック、アイアン ゲイト ロード 10104

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a) 1または2以上の免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する黒色腫細胞株を 取得し、 (b) 未改変黒色腫細胞株に比べてサイトカインの産生レベルが増加し得るよ うに該黒色腫細胞株を改変し、 (c) 黒色腫を有するかあるいは黒色腫が発生する危険のある哺乳動物宿主に 該黒色腫細胞株を投与すること を含む、黒色腫の治療または予防方法。 2.該黒色腫細胞株が該宿主と同種であり、且つ宿主とMHCがマッチしないも のである請求の範囲1の方法。 3.該免疫優性な共有黒色腫抗原が、黒色腫特異的分化抗原および腫瘍特異的共 有抗原からなる群より選択される請求の範囲1〜2のいずれかの方法。 4.該免疫優性な共有黒色腫抗原が、1または2以上の黒色腫特異的分化抗原お よび1または2以上の腫瘍特異的共有抗原を含むものである請求の範囲1〜3の いずれかの方法。 5.該黒色腫細胞株が少なくとも3つの免疫優性な共有黒色腫抗原を発現する請 求の範囲1〜4のいずれかの方法。 6.該免疫優性な共有黒色腫抗原が、MAGE−1、MAGE−3、MART− 1/メラン−A、チロシナーゼ、gp75、gp100、BAGE、GAGE− 1、GAGE−2、GnT−Vおよびp15からなる群より選択される請求の範 囲1〜5のいずれかの方法。 7.該黒色腫細胞株がMAGE−3、チロシナーゼ、MART−1/メラン−A 、gp75およびgp100抗原を発現する請求の範囲1〜6のいずれかの方法 。 8.該黒色腫細胞株が526−MELまたは624−MELである請求の範囲1 〜7のいずれかの方法。 9.投与の前に該黒色腫細胞株を放射線照射する請求の範囲1〜8のいずれかの 方法。 10.投与の前に該黒色腫細胞株をその免疫原性が増強するように処理する請求 の範囲1〜9のいずれかの方法。 11.該処理が遺伝子操作または非特異的アジュバントとの混合を含む請求の範 囲10の方法。 12.該遺伝子操作が、未改変黒色腫細胞株に比べてサイトカインの産生レベル が増加し得るように該黒色腫細胞株を改変することを含む請求の範囲11の方法 。 13.該サイトカインがGM−CSFである請求の範囲12の方法。
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