JP2001519678A - 空気の消毒方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 加熱される芯を使用して殺菌性化合物の粒子を発生させることによって空気を消毒しかつ空気中の細菌等を殺す方法が開示されている。より詳細には、本発明はその先端近辺で間接的に加熱される芯を使用して、その化合物が微粒子の形で空気中に分散された時に空気中の細菌を殺すことが知られている化合物の粒子を発生させる方法に関する。殺菌組成物はプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールおよびこれらの混合物からなる群から選択されたグリコールを含有している。

Description

【発明の詳細な説明】 空気の消毒方法技術分野 本発明は加熱された芯を使用して殺菌性化合物の粒子を発生させることによっ て空気を消毒しそして空気中の細菌等を殺す方法に関する。より詳細には、本発 明はその先端または先端近辺で間接的に加熱される芯を使用して、微粒子の形で 空気中に分散された時に空気中の細菌を殺すことが知られている化合物の粒子を 発生させる方法に関する。背景技術 殺虫剤物質については化合物を燻蒸させる方法として間接加熱を使用すること は久しく公知である。この種の組成物と方法の１つの例が米国特許第４７４５７ ０５号明細書に開示されている。この特許明細書に開示されている殺虫剤の送り 出し方法は多孔質吸収性芯を殺虫剤溶液に浸漬しそしてその芯を先端部において 間接加熱して吸収されていた溶液を空気中に蒸発させるものである。この特許明 細書には殺虫剤を粒子として空気中に分散させることはまったく開示されていな い。 さらに、多数の特許明細書に、多孔性芯を使用して殺虫剤を送り出す装置が開 示されている。たとえば、ＵＳ５０９５６４７号、ＵＳ４６６３３１５号、ＵＳ ５０３８３９４号、ＵＳ５２９０５４６号の特許明細書に開示されている。しか しながら、これらの特許明細書のいずれにも殺菌剤の粒子を空気中に発生させる ためにそれらの装置が使用できることは記載されていない。 また、いくつかのグリコール化合物は空気中に噴霧された時にな んらかの空気消毒効果を与えることが公知となっている。一般にこれらの有効量 は活性グリコール約５％またはそれ以上であることがわかっている（１９８０年 、９月３日付ＵＳ ＥＰＡ文書）。発明の要約 本発明は液体消毒組成物の中に多孔性芯の一部を浸漬しそして該芯の先端を間 接加熱して当該活性消毒物質の粒子を空気中に発生させることを含み、この際発 生される粒子の少なくとも９０％が１０マイクロメートルより大きくない粒子サ イズを有している、空気の消毒方法に関する。図面の簡単な説明 添付図面は本発明の方法に使用される装置の概略図である。発明を実施するための最良の形態 前記したように、ある特定の空気殺菌剤または空気消毒剤はそれが活性である ためにはある形態で空気中に存在しなければならない、ということがよく知られ ている。本出願人はそのような剤は、それが活性であるためには、粒子の形態で 存在するかおよび／またはすでに空気中に存在している粒子たとえばホコリ粒子 にそれ自体が付着しなければならないと考えるものである。したがって、加熱さ れた芯型発生器から粒子形状で分散されうる任意の空気殺菌剤または空気消毒剤 が本発明の方法において使用可能である。しかしながら、特定のグリコール化合 物を使用するのが好ましい。なぜならば、これらの物質は消費者の小型の用具の 中で安全に使用できるような温度で、空気中でエーロゾル懸濁物を形成する粒子 を容易に発生するからである。好ましいグリコール材料はプロピレングリコール 、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールおよびこれらの混 合物である。これらのグリコール化合物の中で最も好ましいものはジプロピレン グリコールである。 空気消毒用活性物質の多くは水溶性であるから、本発明の方法に使用するため の最も好ましい希釈剤は水である。他の希釈剤、溶剤、助溶剤も使用できるが、 しかし、揮発性の高い炭化水素溶剤は本発明の方法の効果を低減させるのでその 使用は一般に避けるべきである。さらに、香料のような他の揮発性材料も使用を 避けるか、あるいは、少量で、通常は組成物全量の１５％未満の量で使用すべき である。本発明の方法で使用するために適当な組成物は実質的に香料を含有しな いものである。 本発明の方法に使用するために適当なパッケージに包含された濃縮物中の活性 成分の濃度は活性分５％程度の低濃度から活性分１００％までの範囲でありうる 。この点について、少量ならば芳香剤または香料を活性成分の空気消毒作用に悪 影響を及ぼすことなく含有させることもできる。他方、希釈剤の存在量は、活性 成分の量とは逆比的に、希釈剤０％、活性物質１００％から希釈剤約９５％、活 性物質約５％の範囲で選択することができる。好ましい希釈剤は活性物質のため の溶剤である。グリコールの場合、好ましい希釈剤は水である。 次に添付の概略図を参照して本発明をさらに説明する。本発明に使用される装 置は外側シェルすなわち容器１０を含み、これはその上面に開口２０を有してい る。開口２０の周辺には加熱エレメント３０が配置されている。この加熱エレメ ントは任意通常の加熱エレメントたとえばリングヒーター、巻線ヒーターあるい は１つまたはそれ以上のＰＴＣ(正温度係数(positive temperature coefflclent )) ヒーターでありうる。加熱エレメントが芯４０の先端部を約５０乃至１２０℃の 範囲の温度に加熱しうるものである限り、加熱エレメントの特定のタイプは本発 明にとって臨界的なものではない。加熱エレメント３０は導線７０によって電源 に接続される。電源はバッテリーまたは家庭内配線電源でありうる。 芯４０はこの種の芯のために通常使用されている任意の材料からつくることが できる。適当な材料を例示すれば多孔性セラミック芯またはこれに類似するもの である。適当な芯材料は、本明細書にその内容が参照されている米国特許第４６ ６３３１５号明細書に開示されている。好ましい芯材料はセラミックス、ポリエ ステル、圧縮木材、燒結ポリプロピレンおよびポリエチレン、および炭素繊維で ある。 芯４０はびん５０の開口の中に置かれている。好ましくは芯４０はびん５０内 部の液体空気消毒物質６０が容易に排出されないようにシールされた態様でびん ５０の開口の中に配置される。びん５０の開口内で芯４０をシールする手段は常 用公知であり、本発明の一部を構成するものではない。 上記のごとき装置が公知消毒剤物質が活性であるようなサイズ範囲の消毒剤粒 子を発生するということは驚くべきことである。上記装置によって、粒子の９０ ％以上が約０．１６乃至約５マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有してい るような粒子が発生されることが判明している。このような範囲の粒子サイズで あれば、上記空気消毒剤物質は非常に有効である。 以下、本発明の方法を実施例によってさらに説明する。これら実施例は本発明 を説明するためのものであって、本発明を限定するも のではない。実施例１ 下記組成物を製造した： 成分 重量％ ジプロピレングリコール ９０ 芳香剤（ＴＢＡ73299） １０ 上記組成物４５ｇをびんに入れた。このびんには平均細孔サイズが０．７マイ クロメートルのセラミック芯が取りつけれていた。このびんと芯の組み合わせを 、芯の上端部を約１００℃に加熱する電気加熱ユニットの中に配置した。このユ ニットを２２℃の温度かつ４０％ＲＨの湿度に調節された部屋の中に置いた。こ の部屋にはさらに、Met One #200 Clean Room粒子計数器および寒天衝突サンプ ル採集器に対してスリットを開いたMattson-Garvin 220が備えられていた。後者 は時間の経過にともなう細菌のコロニーの数を測定するものである。約２４時間 後に空気内浮遊細菌，micrococcus lutens lysodiekticusをその部屋に導入した 。そして粒子の総数ならびに粒子の相対粒子サイズが測定された。また、時間の 経過に伴うコロニーの数の減少が測定された。粒子を発生するユニットをまった く置いてない対照部屋内でも測定された細菌コロニーの数は減少を示した。上記 ユニットは２４時間経過後において６３９万個の粒子を発生していた。この時間 の間に組成物のびんからの減損分の重量は１．６７ｇであった。次表において、 １０−１５とは部屋に細菌を導入してからの経過時間が１０乃至１５分間である ことを意味する。細菌コロニーの数は次のとおりであった。 本発明の方法がごく短時間の間に空気中の細菌を減少させることがわかる。実施例２ 実施例１の操作を繰り返した。ただし今回は下記の組成物が使用された。 成分 重量％ トリエチレングリコール １０ 脱イオン水 ９０ ２４時間の間に発生した粒子の数は３１０万個、そして組成物の減損分の重量 は０．９８ｇであった。下記の結果が観察された： この実施例においても、空気中に存在する細菌の数は実質的に減少された。産業上の利用可能性 本発明の方法は室内環境内に存在する空気中の細菌の数を減少させるために有 用である。ある種の細菌は病気の一因になることが知られているから、本発明の 方法を使用することによりある種の感染症の蔓延を最低限におさえることができ る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フッド，アーサー，エル. アメリカ合衆国．53406 ウイスコンシン, ラシン，デアウッド ドライヴ 5010

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1．その上端部分が加熱源の周辺に配置されておりそしてその下端部分が液体殺 菌組成物中に浸漬されている多孔性芯を、該芯の上端部が該殺菌組成物の粒子を 発生させるために十分な温度を有するように間接加熱することを含み、この際発 生される粒子の少なくとも９０％は５マイクロメートルよりは大きくない粒子サ イズを有している、空気を消毒する方法。 2．該芯が約５０乃至１２０℃の範囲の温度まで加熱される請求項１記載の方法 。 3．該液体殺菌組成物が活性殺菌剤としてグリコールを含有している請求項１記 載の方法。 4．該グリコールがプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチ レングリコールおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項３記載の 方法。 5．該液体殺菌組成物が希釈剤として水を含有している請求項３記載の方法。 6．該液体殺菌組成物がグリコールを約５乃至１００％そして水を約９５乃至０ ％含有している請求項３記載の方法。 7．該グリコールがジプロピレングリコールである請求項６記載の方法。 8．該液体殺菌組成物がジプロピレングリコールを約１０乃至１００％そして水 を約０乃至９０％含有している請求項７記載の方法。 9．該組成物がさらに１５％未満の香料を含有している請求項３記載の方法。 10．該組成物が実質的に香料を含有していない請求項３記載の方法。