JP2001515718A - タンパク質−タンパク質相互作用を特性決定するための抑制されたトランスアクチベーター系 - Google Patents

タンパク質−タンパク質相互作用を特性決定するための抑制されたトランスアクチベーター系

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、タンパク質-タンパク質相互作用のアッセイ系を提供するものである。目的のアミノ酸配列を、「bait」および「prey」融合タンパク質に挿入する。bait融合タンパク質にはDNA結合ドメインが含まれる。prey融合タンパク質には転写リプレッサードメインが含まれる。bait融合タンパク質とprey融合タンパク質の相互作用はリポーター遺伝子の抑制によって検出することができる。リポーター遺伝子は、bait融合タンパク質のDNA結合ドメインと結合可能なオペレーター配列を有する。リポーター遺伝子は、prey融合タンパク質がbait融合タンパク質とリポーター遺伝子のオペレーター領域で相互作用しない限りは発現される。prey融合タンパク質がbait融合タンパク質と結合する場合には、リポーター遺伝子の発現が抑制される。bait融合タンパク質とprey融合タンパク質の相互作用を妨害する化合物は、リポーター遺伝子の抑制を翻す能力によって検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 生長及び分化を含む、事実上全ての細胞応答は、生長因子、ホルモン、栄養及
び隣接する細胞との接触という形での生理学的シグナルによって厳重に調節され
ている。これらの種々のシグナルは、適切な応答を開始するために細胞を最終的
に誘発するシグナル伝達メカニズムによって加工され、解釈される。生理学的シ
グナルによって刺激されるシグナル経路は、応答を実行する下流のエフェクター
分子にシグナルを伝える機能を果たす特異的なタンパク質−タンパク質相互作用
のネットワークに関与する(32)。従って、タンパク質の間の特異的な相互作用は
、シグナル伝達メカニズム並びに細胞構造の調節及び生理学的シグナルに対する
応答に重要である。特異的タンパク質−タンパク質相互作用が事実上全ての細胞
機能の実行に関与するならば、特異的タンパク質−タンパク質相互作用の検出及
び分析を単純化し、容易にする技術は、非常に特異的な生物学的プロセスを標的
とする薬物の発見、設計及び試験に役立つだろう。
【0002】 転写アクチベーター及び真核生物の転写の調節 真核生物遺伝子発現は、転写アクチベーターとして知られるあるクラスのタン
パク質、またはエンハンサー結合タンパク質によって調節されている。これらの
分子は、それらが調節する遺伝子のプロモーター内のDNA上の特定配列に結合し 、一般的転写開始複合体を、DNAのメッセンジャーRNAへの転写が始まる部位に集
めることによって機能する(33)。最近の実験は、一般的な真核生物の転写開始複
合体は、一般的開始複合体をプロモーター上の正確な位置に配置するように機能
するTATAエレメント結合タンパク質を含む、転写因子IID(TFIID)及び2本鎖DN
Aをほどき、DNA鋳型のコピーをメッセンジャーRNAに転写するのに必要な酵素的 機能を含む、RNAポリメラーゼIIホロ酵素によって代表される2つの大きなタン パク質複合体からなっていることを示唆する(42)。既知の転写アクチベーター
は、TFIIDの部分及び/またはRNAポリメラーゼホロ酵素による直接のタンパク質
−タンパク質相互作用を形成すること、及びそれらのプロモーターのTATAエレメ
ントでの開始複合体へとアセンブリするのを触媒することによって機能すると理
解されている。
【0003】 Saccharomyces中のGAL遺伝子の調節、真核生物転写調節のパラダイム 真核生物遺伝子の発現を調節するタンパク質は、典型的に2つの機能性エレメ
ントである、部位特異的DNA結合ドメイン及びTFIIDまたはRNAポリメラーゼホロ 酵素のいずれかと相互作用できる転写活性化ドメインを含む。真核生物転写調節
タンパク質は、Saccharomyces酵母GAL4タンパク質によって代表され、そしてそ れは、これらの機能性エレメントに関して特徴付けられた、最初の真核生物転写
アクチベーターの1つであった(33, 35)。GAL4は、6炭糖のガラクトースの利用 に必要な遺伝子の調節をつかさどる。ガラクトースは、異化の前にグルコースに
変換されなければならず;Saccharomycesでは、このプロセスは、5つの異なる酵
素によって触媒される4つの反応を典型的に含む。各酵素は、ガラクトースの存 在に応答してトランスアクチベーターGAL4によって調節されるGAL遺伝子(GAL 1
、2、5、7、及び10)によってコードされる。各GAL遺伝子は、ガラクトースの上
流活性化配列(UASG)と呼ばれ、GAL4が特異的に結合する17塩基対の配列を含む
、プロモーター内にシスエレメントを有する。GAL遺伝子は、ガラクトースが存 在しないと、抑制されるが、ガラクトースの存在によって強力かつ迅速に誘導さ
れる。ガラクトースが存在しないとき、GAL4は、調節タンパク質GAL80によって 転写活性化を妨げられる。GAL80は、GAL4に直接結合し、GAL4の活性化ドメイン と一般的転写開始因子との間の相互作用を妨げることによって機能するようであ
る。酵母にガラクトースを与えると、GAL遺伝子の転写が誘導される。ガラクト ースは、GAL4とGAL80との間の相互作用に変化を引き起こし、TFIID及びRNAポリ メラーゼIIホロ酵素によって代表される一般的転写因子との接触、ならびにGAL 遺伝子の転写によって得られるTATAエレメントでのそれらのアセンブリを触媒で
きるように、GAL4の活性化ドメインが露出される。
【0004】 GAL4タンパク質 GAL4の機能性領域は、生物化学的戦略と分子遺伝学的戦略との組み合わせによ
って注意深く定義されてきた(35)。GAL4は二量体としてGAL遺伝子のUASG内の その特異的シスエレメントに結合する。堅い二量体を形成し、DNAに特異的に結 合する能力は、N末端DNA結合ドメインによって与えられる。このGAL4断片(アミ
ノ酸1〜147)は、効率的にかつ特異的にDNAに結合できるが、転写を活性化する ことはできない。GAL4タンパク質の2つの部分は、転写の活性化に必要であり、
活性化領域1及び活性化領域2と呼ばれる。活性化領域は、一般的転写因子との相
互作用によって機能すると考えられている。2つの活性化領域の間のGAL4の大き
な中心部分は、グルコースの存在に応答してGAL4を阻害するために必要である。
GAL4のC末端の30個のアミノ酸は、陰性の調節タンパク質GAL80に結合し;このセ
グメントの欠失は、GAL転写の構成的な誘導を引き起こす。
【0005】 相互作用トラップ(trap)及び標準ツーハイブリッド(two-hybrid)アッセイ 酵母ツーハイブリッド及び相互作用トラップ系は、in vivoでのタンパク質− タンパク質相互作用の特性決定に対して強力なアプローチを提供する。両者の戦
略は、異種タンパク質との融合体として発現されるときに、転写活性化及び殆ど
の真核生物転写アクチベーターのDNA結合ドメインが機能し(7)、そして別個の融
合体の間での特異的タンパク質−タンパク質相互作用によって一緒にもたらされ
たときに、トランス活性化(transactivate)できる(10、14)という事実を利用 している。これらの系の開発に対して重要な貢献となったのは、ある転写アクチ
ベータータンパク質、特にヘルペスウイルスタンパク質16(VP16)が、DNA結合 タンパク質に特異的な配列との相互作用によってDNAに間接的に集められるとい う発見であった(46)。VP16は、細胞性タンパク質Oct-1及びHCFとの複合体を形成
することによって転写を活性化し;このOct-1/HCF/VP16複合体が、ヘルペス即時
型遺伝子のエンハンサーエレメントに結合する(43)。次いで、負の調節タンパク
質GAL80は、短いマイナスに帯電した転写活性化配列B17の融合によってGAL4依存
性トランスアクチベーターに変換され得るだろうことが示された(30)。このGAL8
0-B17融合タンパク質は、GAL4と同時発現されたときに、GAL4単独よりも高い程 度でGAL4依存性リポーター遺伝子の活性化を引き起こすことが見出された(30)。
より最近行われた同様の実験は、誘導に続くin vivoでのGAL4とGAL80との間の相
互作用を試験するために利用された(28)。
【0006】 初期の「ツーハイブリッド」実験は、そのいずれも、それ自身トランスアクチ
ベーターではない、Snf1pとSnf4pとの間の特異的タンパク質−タンパク質相互作
用が、別個の融合体として発現されたときに、GAL4のDNA結合ドメイン及びC末端
トランス活性化ドメインと共に、機能性のトランスアクチベーターの形成をもた
らすだろうことを示した(14)。標準ツーハイブリッド系では、目的のタンパク質
は、GAL4のDNA結合ドメインに融合されて、bait融合タンパク質を生成する。pre
yと呼ばれる、baitタンパク質と相互作用するタンパク質は、GAL4のC末端トラン
ス活性化ドメインへの融合体として発現されたときに、GAL4依存性リポーター遺
伝子のトランス活性化を引き起こすそれらの能力によって同定できる(10、15、1
6)。「相互作用トラップ」系は、baitが大腸菌由来のDNA結合タンパク質に特異 的な配列である、LexAに融合されており、そしてB42 (31)として知られている人
工的トランス活性化ドメインを「prey」融合体のために利用する以外は、DNA結 合ドメイン及びトランス活性化ドメインによる別個の融合体を利用するのと同一
の原理を利用する。bait融合体とprey融合体との間の相互作用は、LexA応答性リ
ポーター遺伝子の発現によって検出される(6)。
【0007】 転写アクチベータータンパク質は、標準ツーハイブリッド分析に使用できない 標準ツーハイブリッド及び相互作用トラップ系の主な限界は、それ自身で転写
を活性化できるbaitタンパク質は、それらがprey−活性化ドメイン融合タンパク
質との相互作用無くして、それ自身のリポーター遺伝子の活性化を引き起こすの
で、baitとして使用できないことである。転写調節タンパク質は、殆どの細胞性
プロセス制御の鍵となる分子を代表し、殆どの転写調節タンパク質は、異種のDN
A結合ドメインに融合されたときに当然、転写を活性化するので、これは残念な ことである。酵母ゲノム配列は、単純な真核生物でさえ驚くほど大きな画分が、
転写調節タンパク質をコードすると予想されることを示した(17)。酵母Saccharo
mycesのライフサイクルは、異なる分化された状態を4つだけ伴う。これに比べ ると、ヒトの発育は、数千の異なる細胞タイプの分化を調整するための著しく多
数の転写レギュレーターを伴う必要がある。この理由だけのためでも、真核生物
トランスアクチベーターによってなされるタンパク質−タンパク質相互作用の特
性決定を可能にする、単純で信頼できる戦略が利用可能になることが重要である
【0008】 bait融合体をツーハイブリッド及び相互作用トラップ系で使用するためには転
写を活性化することが可能であってはならないという必要条件は、その機能が転
写調節を通常は含まない多くのタンパク質にもあたる限界である。通常は転写因
子として機能しないタンパク質のおよそ10〜15%は、DNA結合ドメインに融合さ れたときに、人工的に転写活性化を引き起こすことができる(31、34)。このこと
は、GAL4−DNA結合ドメインに融合された少なくとも10%のランダムタンパク質 断片が、酵母中での転写活性化を引き起こしたことを示す実験によって説明され
る(31、34)。これらの結果は、大きなRNAポリメラーゼホロ酵素複合体と相互作 用する多くのアミノ酸配列は、DNA結合ドメインに融合されたときに、転写活性 化を引き起こし得ることを示唆する(3)。
【0009】 ツーハイブリッドアッセイは、特異的なタンパク質−タンパク質相互作用に干
渉する化合物を同定するために使用できる。ツーハイブリッドアッセイでは、そ
のような相互作用は、陰性のシグナル、すなわち、リポーター遺伝子の発現を得
ることができないという結果をもたらすだろう。しかしながら、そのような化合
物を同定するために、発現がないことなどの、陰性のシグナルに依存することに
関しては問題がある。発現が得られないことは、目的のタンパク質−タンパク質
相互作用に干渉する以外の因子によって引き起こされるかもしれない。例えば、
転写に干渉する化合物が誤った陽性の結果を与えるかも知れない。同様に、一般
に細胞増殖を阻害する化合物は、制限培地上での生存を可能にするだろうリポー
ター遺伝子の発現に干渉するように見えることによって誤った陽性の結果を与え
るかも知れない。 逆ツーハイブリッドアッセイ 標準ツーハイブリッドタンパク質−タンパク質相互作用の特異的阻害剤を同定
するために使用することを意図した、「逆ツーハイブリッド」(27;Ericksonら
、米国特許第5,525,490号、Vidalら、国際出願番号第PCT/US96/04995号)として
知られる標準ツーハイブリッド系の修飾が報告されている。逆ツーハイブリッド
系は、GAL80遺伝子などの、GAL4などの転写アクチベーターの活性化ドメインに 結合し、マスクするタンパク質をコードする、リレー(relay)遺伝子を発現さ せることによって働く。リポーター遺伝子の発現は、転写アクチベーターの活性
化ドメインの機能に依存させられる。ある化合物がツーハイブリッド相互作用に
干渉することによって、マスキング(masking)タンパク質の濃度が低下したと きにのみ、転写アクチベーターの活性化ドメインがマスクされず、機能できるだ
ろう。
【0010】 しかしながら、選択されたタンパク質−タンパク質相互作用に干渉する化合物
を同定するための逆ツーハイブリッドアッセイの使用に関しては問題がある。例
えば、マスキングタンパク質と転写アクチベーターとの間の相互作用に干渉する
化合物は、誤った陽性の結果を与えるだろう。マスキングタンパク質は、そのよ
うな活性をマスクしないために、「bait」融合タンパク質が転写アクチベーター
として働く場合にも誤った陽性の結果が生じるだろう。上記で示したように、こ
の後者の問題は、多くのタンパク質及びタンパク質断片は、DNA結合ドメインに 融合されたときに、転写アクチベーターとして機能するように見えるという事実
によってさらに悪くなる。
【0011】 転写抑制 殆どの遺伝子が、転写アクチベーターによって正の制御を受けているが、生理
学的シグナルに対する転写の抑制または阻害のメカニズムも存在する。転写の一
般的リプレッサーとして機能する、幾つかのタンパク質が同定されてきた。現在
では転写抑制を引き起こすことが証明されている多様なタンパク質があるが(19)
、報告された最初の真核生物転写リプレッサーの幾つかは、TUP1によってコード
される酵母タンパク質、及びDrosophila Kruppelタンパク質を含む。
【0012】 異種DNA結合ドメインに融合されたとき、転写抑制を引き起こし得る、転写リ プレッサータンパク質内の特定のアミノ酸配列が同定されている(19、35)。その
ような転写リプレッサードメインは、多くの真核生物転写リプレッサー中で同定
されている。転写リプレッサードメインは、構造的類似性を必要とせず、それら
は転写を抑制するというそれらの共通の能力によって定義される。
【0013】 TUP1は、生理学的シグナル及び酵母細胞の分化状態に応答して特定クラスの遺
伝子の転写を阻害することを要求する、長さが713個のアミノ酸タンパク質であ る。現在では、TUP1は、DNAに直接結合せず、むしろSSN6の産物との複合体中の 上流抑制配列(URS)として知られているシスエレメントで結合している特定のD
NA結合タンパク質と相互作用する(50、45、12)と理解されている。TUP1は、TU
P1断片が大腸菌DNA結合タンパク質LexAに直接融合された実験において活性な抑 制をつかさどることが証明されている(47)。LexA-TUP1融合体は、LexAの上流結 合部位を含むリポーター遺伝子の転写を阻害することが見出された(47)。この系
では、TUP1のN末端の200残基のみが、抑制を媒介するのに必要であった。この実
験は、他の真核生物転写リプレッサー中の転写リプレッサードメインを証明した
、以前の実験(19、35)と類似していた。ホロ酵素関連サイクリン依存性プロテイ
ンキナーゼSRB10は、TUP1による転写抑制に要求される(48)。
【0014】 (発明の概要) 抑制トランスアクチベーター(RTA)系と呼ばれる本発明の系は、リポーター 遺伝子の抑制によってタンパク質−タンパク質相互作用を検出する。RTA系では 、GAL4またはLexAのDNA結合ドメインなどのDNA結合ドメインを有する「bait」融
合タンパク質(図2、タンパク質X)と、N末端TUP1抑制ドメインなどの抑制ドメ インを有する「prey」融合タンパク質(図2、タンパク質Y-RD)との間の相互作 用によって、特定のリポーター遺伝子の発現の阻害、すなわち抑制が引き起こさ
れる。
【0015】 「bait」融合タンパク質は、転写アクチベータータンパク質であってもよい(
先行技術のツーハイブリッド及び相互作用トラップ系では利用できない)。ある
いは、リポーター遺伝子及び/またはbait融合タンパク質は、それら自身が転写
アクチベーター活性を含むように修飾されていてもよく、転写を活性化しないba
it融合タンパク質上での本発明のアッセイの実施を可能にする。
【0016】 「prey」融合タンパク質は、GAL4依存性リポーター遺伝子GAL1-CAN1、GAL1-UR
A3、内在性GAL1遺伝子、及びGAL1-LacZ融合遺伝子などの、他の状態では活性な リポーター遺伝子の抑制を引き起こす。これらのリポーター遺伝子を利用すれば
、GAL4依存性リポーター遺伝子発現の抑制は、カナバニン、5-FOA、及び2−デオ
キシガラクトース上での増殖、並びにX-gal上での青色コロニーの形成によって 示すことができる。
【0017】 本発明のRTA系はまた、タンパク質−タンパク質相互作用を阻害する特定の化 合物の同定及び特性決定に利用することもできる。RTA系では、特定のタンパク 質−タンパク質相互作用の阻害剤は、prey融合タンパク質のリプレッサー機能の
回復(recruitment)を妨害し、リポーター遺伝子発現の活性化をもたらすであ ろう。このようなアッセイが標準的なツーハイブリッドアッセイでの活性化の欠
如ではなくてリポーター遺伝子発現の活性化に基づくという事実は、RTA系を、 タンパク質−タンパク質相互作用の阻害剤をスクリーニングするツーハイブリッ
ド系にとって好ましいものにすることができる。
【0018】 本発明は、融合タンパク質間の相互作用をアッセイするための細胞を提供する
ものである。この細胞は、第1の組換え遺伝子、第2の組換え遺伝子及び組換え
リポーター遺伝子を含む。細胞は、例えば、Saccharomyces cerevisiae細胞、Sc
hizosaccharomyces pombe細胞、または哺乳動物組織培養細胞であってよい。第 1の組換え遺伝子はprey融合タンパク質をコードする。第1の組換え遺伝子は、
MET3プロモーターに相同なプロモーターなどの抑制プロモーターの制御下にあっ
てもよい。prey融合タンパク質は、転写リプレッサードメイン及び第1の異種ア
ミノ酸配列を含んでなる。第2の組換え遺伝子は、bait融合タンパク質をコード
し、bait融合タンパク質は、DNA結合ドメイン及び第2の異種アミノ酸配列を含 んでなる。DNA結合ドメインは、GAL4またはLexAのDNA結合ドメインに相同な配列
を含んでいてもよい。組換えリポーター遺伝子は、検出可能な遺伝子産物をコー
ドする。組換えリポーター遺伝子は、bait融合タンパク質のDNA結合ドメインに 結合可能なプロモーター内にオペレーターDNA配列を含んでなる。リポーター遺 伝子は、prey融合タンパク質とbait融合タンパク質が結合しない場合に発現され
、そのような結合の不在は、第1の異種アミノ酸配列と第2の異種アミノ酸配列
が結合しない結果である。リポーター遺伝子は、第1の異種アミノ酸配列と第2
の異種アミノ酸配列が結合する場合に抑制される。リポーター遺伝子のプロモー
ターは、GCN4などのトランスアクチベータータンパク質の結合部位をさらに含ん
でいてもよい。
【0019】 bait融合タンパク質は、GAL4のアミノ酸147〜238(活性化領域1)に相同な配 列などの、転写アクチベータードメインを含んでいてもよい。
【0020】 転写リプレッサードメインは、酵母TUP1タンパク質の転写リプレッサードメイ
ン、Drosophila Kruppelタンパク質の転写リプレッサードメイン、Drosophila e
ngrailedタンパク質の転写リプレッサードメイン、Drosophila knirpsタンパク 質の転写リプレッサードメイン、Drosophila even-skippedタンパク質の転写リ プレッサードメイン、Drosophila pairedタンパク質の転写リプレッサードメイ ン、哺乳動物Egr-1タンパク質の転写リプレッサードメイン、哺乳動物WT1タンパ
ク質の転写リプレッサードメイン、哺乳動物RARaタンパク質の転写リプレッサー
ドメイン、または哺乳動物KRABタンパク質の転写リプレッサードメインに相同な
配列を含んでいてもよい。
【0021】 酵母細胞中では、リポーター遺伝子は、酵母URA3遺伝子、酵母CAN1遺伝子、酵
母GAL1遺伝子、酵母HIS3遺伝子、または大腸菌LacZ遺伝子と相同であってよい。
哺乳動物細胞中では、リポーター遺伝子は、CAT遺伝子、LacZ遺伝子、SEAP遺伝 子、ルシフェラーゼ遺伝子、GFP遺伝子、BFP遺伝子、CD2遺伝子、Flu HA遺伝子 、またはtPA遺伝子と相同であってよい。
【0022】 本発明は、融合タンパク質間の相互作用をアッセイするための細胞を作製する
キットを提供する。このキットは、転写リプレッサードメインを有するprey融合
タンパク質を発現するための第1のベクター、DNA結合ドメインを有するbait融 合タンパク質を発現するための第2のベクター、及び検出可能な遺伝子産物をコ
ードする組換えリポーター遺伝子を有する宿主細胞を含む。第1のベクターは、
挿入部位と転写リプレッサードメインをコードする配列とを有する発現可能な遺
伝子を含んでなる。第2のベクターは、挿入部位とDNA結合ドメインをコードす る配列とを有する発現可能な遺伝子を有する。宿主細胞中の組換えリポーター遺
伝子は、bait融合タンパク質のDNA結合ドメインに結合し得るオペレーターDNA配
列を有する。リポーター遺伝子は、prey融合タンパク質とbait融合タンパク質が
結合しない場合に発現され、そのような結合の不在は、第1の異種アミノ酸配列
と第2の異種アミノ酸配列が結合しない結果である。リポーター遺伝子は、第1
の異種アミノ酸配列と第2の異種アミノ酸配列が結合する場合に抑制される。キ
ットはまた、第1及び第2のベクターの挿入部位に隣接する配列に相同なオリゴ
ヌクレオチドプライマーを含んでいてもよい。
【0023】 キットに含まれる細胞は酵母細胞であってよい。prey融合タンパク質の転写リ
プレッサードメインは、TUP1の転写リプレッサードメインと相同であってよい。
bait融合タンパク質のDNA結合ドメインは、GAL4のDNA結合配列と相同であってよ
い。リポーター遺伝子のオペレーターは、GAL1遺伝子のGAL4タンパク質結合配列
に相同なDNA配列を有していてもよい。リポーター遺伝子は、CAN1遺伝子、URA3 遺伝子またはLacZ遺伝子と相同であってよい。
【0024】 本発明は、融合タンパク質間の相互作用をアッセイする方法を提供する。この
方法は下記の工程を含んでなる: 検出可能な遺伝子産物をコードする組換えリポーター遺伝子を細胞に付与する
工程。組換えリポーター遺伝子は、bait融合タンパク質のDNA結合ドメインに結 合可能なオペレーターDNA配列を含んでなる。 転写リプレッサードメイン及び第1の異種アミノ酸配列を含むprey融合タンパ
ク質をコードする組換え遺伝子を該細胞に発現させる工程。 DNA結合ドメイン及び第2の異種アミノ酸配列を含むbait融合タンパク質をコ ードする組換え遺伝子を該細胞に発現させる工程。
【0025】 リポーター遺伝子は、prey融合タンパク質とbait融合タンパク質が結合しない
場合に発現され、そのような結合の不在は、第1の異種アミノ酸配列と第2の異
種アミノ酸配列が結合しない結果である。リポーター遺伝子は、第1の異種アミ
ノ酸配列と第2の異種アミノ酸配列が結合する場合に抑制される。
【0026】 bait融合タンパク質とprey融合タンパク質との間の相互作用は、検出可能な遺
伝子産物の発現の喪失をアッセイすることによって検出する。酵母細胞では、例
えば、bait融合タンパク質とprey融合タンパク質との間の相互作用は、CAN1がリ
ポーター遺伝子である場合にはカナバニン上での細胞の増殖によって、URA3がリ
ポーター遺伝子である場合には5-FOA上での増殖によって、GAL1がリポーター遺 伝子である場合には2−デオキシガラクトース上での増殖によって、リポーター 遺伝子がHIS3である場合にはヒスチジン欠乏培地上での増殖の不在によって、ま
たは細胞がX-gal含有培地上で増殖する場合には青色コロニーの形成によって検 出できる。
【0027】 本発明は、細胞内における融合タンパク質間の相互作用を妨害する化合物の能
力をアッセイする方法を提供する。この方法は、下記の工程を含んでなる: 検出可能な遺伝子産物をコードする組換えリポーター遺伝子を細胞に付与する
工程。リポーター遺伝子のオペレーターDNA配列は、bait融合タンパク質のDNA結
合ドメインに結合し得る。 転写リプレッサードメイン及び第1の異種アミノ酸配列を有するprey融合タン
パク質をコードする組換え遺伝子を該細胞に発現させる工程。 DNA結合ドメイン及び第2の異種アミノ酸配列を有するbait融合タンパク質を コードする組換え遺伝子を該細胞に発現させる工程。第2の異種アミノ酸配列は
、第1の異種アミノ酸配列に結合し得る。
【0028】 bait融合タンパク質及びprey融合タンパク質の結合を妨害する外来化合物の能
力は、検出可能な遺伝子産物の発現をアッセイすることによって試験する。リポ
ーター遺伝子は、bait融合タンパク質とprey融合タンパク質が結合しない場合に
発現され、これは、第1の異種アミノ酸配列と第2の異種アミノ酸配列が結合し
ないことを反映している。リポーター遺伝子は、第1の異種アミノ酸配列と第2
の異種アミノ酸配列が結合する場合に抑制される。
【0029】 「DNA結合ドメイン」は、特定のDNA配列に結合し得るアミノ酸配列である。 「転写リプレッサードメイン」または「転写抑制ドメイン」は、遺伝子の転写
開始部位の近くに適切に位置する際に、転写を阻害し得るアミノ酸配列である。 「融合タンパク質」は、少なくとも2つの異なる起源由来のアミノ酸配列から なるタンパク質である。融合タンパク質においては、「異種」アミノ酸配列は、
融合タンパク質の他の部分とは違う起源に由来する配列である。
【0030】 アミノ酸配列または核酸配列は、2つの配列が実質的に同一であり、その配列
の機能活性が保存されている(例えば、両配列がDNA結合ドメインとして機能す るか、若しくはそれをコードする、または両配列が転写リプレッサードメインと
して機能するか、若しくはそれをコードする;但し、本明細書中では、配列が保
存されていても進化上関連があるとは推測しない)ならば、もう一方の配列と「
相同」である。2つのアミノ酸配列または核酸配列は、それらが少なくとも約75
%の配列同一性、好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、より好ましくは少
なくとも95%の配列同一性を共有するならば、実質的に同一であると考えられる
。配列同一性は、Altschulら、(1990), J. Mol. Biol. 215:403-10に記載された
BLASTアルゴリズムを利用して決定できる(公表デフォルト設定値を使用)。
【0031】 2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、その2つの配列が中
程度のストリンジェント条件下、または好ましいストリンジェント条件下で互い
にハイブリダイズすることである、中程度のストリンジェント条件下でのフィル
ター結合配列へのハイブリダイゼーションは、例えば、0.5 M NaHPO4、7%ドデ シル硫酸ナトリウム(SDS)、1 mM EDTA中、65℃で行い、0.2×SSC/0.1% SDS 中、42℃で洗浄すればよい(Ausubelら(編), 1989,Current Protocols in Mol
ecular Biology, vol.1、Green Publishing Associates, Inc.、及びJohn Wiley
& Sons, Inc., New York, p.2.10.3を参照されたい)。あるいは、ストリンジ ェント条件下でのフィルター結合配列へのハイブリダイゼーションは、例えば、
0.5 M NaHPO4、7% SDS、1 mM EDTA中、65℃で行い、0.1×SSC/0.1% SDS中、6
8℃で洗浄すればよい(上記Ausubelら(編), 1989を参照されたい)。ハイブリ
ダイゼーション条件は、目的の配列に応じて既知の方法に従って改変してもよい
(Tijssen, 1993, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Bio
logy -- Hybridization with Nucleic Acid Probes、part I、Chapter 2 "Overv
iew of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid prob
e assays", Elsevier, New Yorkを参照されたい)。一般に、ストリンジェント 条件は、規定のイオン強度及びpHでの特定の配列の熱融解温度より約5℃低く選 択される。
【0032】 検出可能な遺伝子産物は、アッセイによって検出できるヌクレオチド配列また
はアミノ酸配列である。好ましくは、検出可能な遺伝子産物の発現によって、検
出可能な遺伝子産物を発現しない他の細胞から簡便に選択し得る特性が細胞に付
与される。
【0033】 「抑制プロモーター」は、機能し得る形で結合している遺伝子の転写を一定の
条件下でのみ促進させるDNA配列であり、他の条件下では、抑制プロモーター配 列はその遺伝子の発現を促進しない。この意味においては、抑制プロモーターの
機能を変化させる条件は、細胞が生存している培地中に特定の化合物が含まれる
か否かといった典型的な生理学的条件である。
【0034】 「トランスアクチベーター・タンパク質」は、遺伝子のオペレーター領域に結
合し、その結果遺伝子の転写を促進することができるタンパク質である。
【0035】 (発明の詳細な説明) RTAの一つの実施態様を図1に示す。目的のbaitタンパク質は、転写を活性化す
ることができ、DNA結合ドメインと融合させる。DNA結合ドメイン−bait融合体を
、次いで、DNA結合ドメインの上流の結合部位を有するリポーター遺伝子を含む 細胞中で発現させる。自己発現する場合には、bait融合体は、リポーター遺伝子
の転写を活性化するはずである。preyタンパク質は、TUP1抑制ドメインなどの転
写抑制ドメインに融合させる。bait融合体と同じ細胞中で発現させると、bait及
びprey融合タンパク質間の特異的相互作用によって、抑制ドメインがリポーター
遺伝子のプロモーターに接近(proximity)し、転写抑制が引き起こされる。従 って、bait及びprey融合タンパク質間の特異的相互作用は、リポーター遺伝子の
発現低下をアッセイすることによって検出できる。種々のリポーター、例えば、
LacZリポーター遺伝子によってもたらされるβ−ガラクトシダーゼ活性が使用で
きる。リポーター遺伝子の活性はまた、リポーター遺伝子から転写されるmRNAの
量を直接分析することによって判定してもよい。
【0036】 転写抑制を検出するための対抗選択(counterselectable)リポーター遺伝子 RTA系におけるタンパク質−タンパク質相互作用が転写阻害を引き起こすため 、RTA系を用いることで特異的なタンパク質−タンパク質相互作用を示す細胞を 、発現が対抗選択され得るリポーター遺伝子によって遺伝学的に選択することが
できる。特定の対抗選択遺伝子は、本明細書中では、このような遺伝子の特性を
説明する実施例によって開示されており、当業者であれば、本発明のRTA系が他 の対抗選択リポーター遺伝子を用いても利用できることは理解できるであろう。
【0037】 表1にまとめたように、Saccharomycesでの対抗選択法に使用された多くの遺伝
子が本発明に使用できる。好ましくは、使用される対抗選択遺伝子は、URA3、CA
N1またはGAL1遺伝子である(表1に記載)。
【0038】
【表1】
【0039】 URA3遺伝子は、オロチジンデカルボキシラーゼをコードし、そしてそれは、ピ
リミジンヌクレオチドのde novo生合成に必要とされる。ura3欠損酵母細胞は、 増殖のためにウラシルを必要とする。5−フルオロオロト酸(5-FOA)は、オロチ
ジル酸デカルボキシラーゼ(URA3)の作用によって5−フルオロウラシルに変換 される、ピリミジン類似体である。5−フルオロウラシルは、酵母細胞にとって 非常に毒性であり、従って、URA3を発現する細胞は、5-FOAの存在下に増殖でき ず、URA3発現の対抗選択を提供する。
【0040】 CAN1遺伝子は、膜アルギニン輸送体タンパク質をコードする。de novoでアル ギニンを合成できる細胞は、増殖のためにCAN1酵素を必要としない。カナバニン
は、CAN1膜アルギニン輸送体タンパク質によって細胞中に輸送され得る、毒性の
アルギニン類似体である。従って、毒性物質が細胞中に輸送されるので、CAN1を
産生する細胞は、カナバニン存在下に増殖できない。
【0041】 GAL1遺伝子は、ガラクトースからガラクトース−1−リン酸を産生する、ガラ クトキナーゼをコードし、これは、ガラクトースをグルコースに変換する経路の
最初の反応である。ガラクトース類似体である2−デオキシガラクトースは、GAL
1によって、ガラクトース異化において下流の酵素によって使用されないために 蓄積する、毒性物質の2−デオキシガラクトース−1−リン酸に変換される。GAL1
を発現する細胞は、2−デオキシガラクトース上で増殖できない。
【0042】 URA3、CAN1及びGAL1遺伝子転写の抑制は、それぞれ5-FOA、カナバニン、及び2
−デオキシガラクトースの存在下で増殖する細胞の能力によって検出できる。
【0043】 RTA系による遺伝子スクリーニングを実施するための構成要素 1) RTA宿主 RTAアッセイに使用する細胞は、典型的に、bait及びprey融合タンパク質遺伝 子を担うベクターによって形質転換されるだろう。形質転換された細胞の選択を
可能にするために、RTA遺伝子スクリーニングを行うための細胞は、有利には、 そのようなプラスミド上の選択マーカーとして利用される遺伝子中に突然変異を
有する。さらに、その株は、対抗選択遺伝子などのリポーター遺伝子を有するこ
とができ、そしてそれは、RTA相互作用の選択に使用できる。
【0044】 例えば、酵母細胞中では、GAL4 DBD bait発現プラスミドがTRP1マーカーと共 に使用され、TUP1 prey発現プラスミドがHIS3またはLEU2マーカーのいずれかと 共に使用され得る。そのような実施形態では、bait及びpreyプラスミドの選択は
、trp1-、his3-、またはleu2-と指定されるそのような機能を欠損する宿主株中 で促進される。株はまた、RTAアッセイのリポーターとしてCAN1及びURA3遺伝子 の使用を可能にするcan1-及びura3-であってもよい。GAL4のDNA結合ドメインがb
ait融合タンパク質に使用される実施形態では、リポーター遺伝子の発現がGAL4 −トランスアクチベーターbait融合体にのみ依存するように、酵母株はまた、ga
l4-であるべきである。要約すると、そのような酵母株は、遺伝子的バックグラ ウンドtrp1、his3、ura3、can1を有し、GAL4の結合部位を有するプロモーターの
制御下に、組み込まれたURA3、CAN1及びLacZリポーター遺伝子の組み合わせを有
していてもよい(下記を参照されたい)。内在性の野生型GAL1遺伝子はまた、2 −デオキシガラクトースによる対抗選択によって遺伝子スクリーニングに使用す
ることもできる。
【0045】 2) リポーター遺伝子 RTA系アッセイのための宿主細胞は、使用されるbait融合タンパク質のDNA結合
ドメインに対する結合部位を有するプロモーターを有するリポーター遺伝子を含
みうる。あるいは、そのようなリポーター遺伝子は、RTAアッセイを行うための ベクター上で、一時的に宿主細胞中に導入されてもよい。
【0046】 ある実施形態では、RTAアッセイにおいて特異的なタンパク質−タンパク質相 互作用を示す酵母株の遺伝子選択は、GAL4に対する結合部位を有するプロモータ
ーの制御下での対抗選択可能なリポーター遺伝子を使用して遺伝子的に選択され
てもよい。そのような実施形態では、GAL1-URA3リポーター遺伝子は、その天然 の上流調節配列が、GAL4タンパク質に対する4つの強い結合部位を含む、GAL1プ ロモーター由来の上流活性化配列(UAS)と置換されるように構築される(35)。G
AL1-LacZ及びGAL1-CAN1リポーター遺伝子は、それぞれ、UAS及びURSを含むGAL1 プロモーター、TATAエレメント、並びに大腸菌LacZ遺伝子またはCAN1遺伝子とイ
ンフレームで融合されるGAL1タンパク質の最初の2、3個のアミノ酸をコードする
配列を含んでいてもよい(図5参照)。LacZ遺伝子が大腸菌から誘導され、転写 産物のポリアデニル化シグナルを含まないので、酵母ADH1遺伝子由来の転写停止
配列をLacZコード配列の後に挿入してもよい(図5参照)。
【0047】 リポーター遺伝子は、隣接DNAの複製を排除して、それらの安定性を確実にす る(40)、標準的な「二段階(two-step)」技術を使用して相同的組換えによって
宿主酵母株中に組み込むことができる。これは、次のように達成される。リポー
ター遺伝子を、URA3マーカーをも含むプラスミド上の組込み遺伝子座遺伝子中に
挿入する。リポータープラスミドを、組込み遺伝子内で切断する制限エンドヌク
レアーゼを使用して線状化する。線状化されたDNAを、ura3-酵母に形質転換し、
形質転換された酵母をプラスミド組込み体を選択するためにウラシル欠損最少培
地上にプレートする。URA+形質転換体は、次いで、数世代にわたって非選択的に
増殖され、組換えによるURA3遺伝子の欠損を選択するために5-FOA上にプレート する。ある割合の5-FOA耐性酵母コロニーは、規定された遺伝子座に組み込まれ たリポーター遺伝子を維持し、残りのコロニーは、典型的には、組込みプラスミ
ドを完全に失っているだろう。リポーター遺伝子形質転換体は、ゲノム酵母DNA のサザンブロット分析によって同定できる。この技術によって、選択マーカーを
喪失することなく多数のリポーター遺伝子を有する酵母株が構築できる。GAL4-U
RA3融合遺伝子は、ADE2遺伝子座で酵母染色体中に組み込まれ、GAL1-CAN1はLYS2
遺伝子座で組み込まれ、GAL1-LacZ融合体はMFA2で組み込まれる(表2、及び図5 参照)。
【0048】
【表2】
【0049】 3) bait発現プラスミド DNA結合ドメインを有するbait融合タンパク質を発現するためのベクターは、D
NA結合ドメインをコードする配列とインフレームで挿入部位を含むことができる
。そのような挿入部位での挿入は、DNA結合ドメインを有するbait融合タンパク 質の発現を可能にするだろう。
【0050】 ある実施形態では、RTA遺伝子スクリーニングのためのbait融合タンパク質は 、GAL4のN末端の147個のアミノ酸との融合体として構築されてもよい。このGAL4
部分は、DNA結合ドメインを含む(図2参照)。このDNA結合ドメインは、ガラク トースに対する上流活性化配列内の17塩基対エレメントに結合するが、転写を活
性化しない。RTA系のためには、このDNA結合ドメインは、転写活性化ドメインを
有する異種アミノ酸配列に融合されていてもよい。代わりのDNA結合ドメインは 、大腸菌LexAタンパク質のDNA結合ドメインである。
【0051】 RTAアッセイの感度は、bait発現のレベルによって変動し得る。異なるレベル のbait発現を有するRTAの実施形態を創り出すには、種々のレベルでGAL4−bait を発現するプラスミドが構築され得る。例えば、本明細書中に開示されているpY
1、pY2及びpY3プラスミドは、酵母細胞当たり1コピーで維持されるARS-CENベク
ターである(36)。これらのプラスミドは、GAL4-DNA結合ドメイン融合体を発現す
るためにADH1プロモーターを使用する。pYプラスミドは、中程度から高いレベル
のGAL4 DBD−bait融合体発現をもたらす。また、開示されているように、pG1、p
G2、及びpG3プラスミドは、より低いレベルのbait融合体の発現を可能にする。 これらのプラスミドは、GAL4 DBD−bait融合体がGAL4自身の弱いプロモーターか
ら発現される以外は、pYベクターと同一である(図6)。プラスミドの両方のセ ットは、trp1-酵母株中での選択及び維持を可能にするTRP1遺伝子を有する。1、
2、及び3と番号付けられたpY及びpGベクターは、インフレーム融合体の構築を容
易にする1個のヌクレオチドによってスタッガーされた(staggered)GAL4 DNA結 合ドメインコード配列の後に多クローニング(挿入)部位を有する。多クローニ
ング部位のすぐ後に、全ての3つのリーディングフレーム中の翻訳停止コドン、 及びADH1プロモーターからの転写停止配列が続く(図6、(36))。
【0052】 4) preyベクター及びライブラリー prey融合タンパク質をコードするベクターを構築するには、目的のアミノ酸配
列を、転写リプレッサードメインをコードする配列中にインフレームで挿入する
ことができる。組換え遺伝子の発現は、転写リプレッサードメイン及びRTAアッ セイのための目的のアミノ酸配列を有するprey融合タンパク質をもたらす。リプ
レッサードメインの位置は、変化し得る。あるリプレッサードメインは、融合タ
ンパク質のC末端で機能でき、他はN末端で機能できる。見込みのあるリプレッサ
ードメインは、TUP1リプレッサードメインの下記「実施例」中で開示される融合
タンパク質の部分としての機能をアッセイされてもよい。
【0053】 あるリプレッサードメインは、転写メカニズムの特定の部分との相互作用を通
じてそれらの効果を発揮することができる。例えば、ホロ酵素関連サイクリン依
存性プロテインキナーゼSRB10は、TUP1による転写の抑制に必要である(48)。下 記「実施例」中で述べるように、TUP1リプレッサードメインは、srb10-株中で機
能しなくてよい。「実施例」セクション中で開示されるアッセイと同様のアッセ
イを行って、他のリプレッサードメインが転写装置の特定の部分との相互作用の
ための同様の必要条件を有するか否かを決定することができる。
【0054】 ある実施形態では、特定のRTA相互作用の検出感度を変化させるために、prey 融合タンパク質を、bait融合タンパク質よりも高いレベルで、有利に発現させる
ことができる。本発明のそのような実施形態では、TUP1−prey発現プラスミドは
、酵母細胞当たり40〜100コピーで複製する、2μサークル(2μ)複製配列を含 んでいてもよい。そのような実施形態では、prey融合タンパク質は、bait融合タ
ンパク質に対して一般に過剰発現される。
【0055】 prey融合タンパク質の遺伝子は、有利には、抑制可能なプロモーターの制御下
に配置される。ある実施形態では、prey融合ベクター(pBDH及びpBDL、図7参照 )は、TUP1−prey融合体の発現のためのMET3プロモーターを含む。MET3プロモー
ターは、メチオニン中で増殖する酵母中で抑制される(11)。RTAを使用した遺伝 子スクリーニングによって同定されたタンパク質−タンパク質相互作用の確認の
ために、初期選択後にTUP1−prey融合体の発現を抑制して、GAL4−bait融合体が
転写を活性化するその能力を喪失していないことを確実にすることは好都合であ
り得る(下記参照)。MET3プロモーターは、TUP1のN末端抑制ドメイン(アミノ 酸1〜200)をコードする配列の上流に融合され、その後に、多クローニング部位
が直接つながれていてもよい(図7参照)。1、2及び3と番号付けられたpBDH及び
pBDLプラスミドは、ランダムDNA及びcDNA断片の挿入物とのインフレーム融合体 を生産する確率を増加するために、1個のヌクレオチドによってスタッガーされ
た多クローニング部位を有する。MET3プロモーター由来の転写産物は、ADH1ター
ミネーターによって停止される。この実施形態では、pBDH TUP1−bait発現ベク ターは、HIS3遺伝子を有し、そしてそれは、his3-酵母株中での選択及び維持を 可能にするが、一方pBDLプラスミドは、選択可能マーカーがLEU2である以外は同
一である。
【0056】 pBDH及びpBDLプラスミドを使用して、既知のまたは予想されるタンパク質−タ
ンパク質相互作用の特徴付けのために予めクローン化されたDNA断片を挿入する ことができる。プラスミドはまた、高い割合のスプライスされた転写産物を有す
る組織または生物由来のcDNAライブラリー、またはイントロンを殆ど有しない下
等真核生物及び原核生物のゲノムライブラリーの構築のためにデザインされる。
【0057】 サッカロミセスなどの生物のゲノムライブラリーは、エンドヌクレアーゼSau3
AIによるゲノムDNAの部分消化を行い、所望のサイズ範囲内、例えば、平均で400
〜1000ヌクレオチド、の断片の集団を生成させることによって作製され得る。無
作為に消化されたDNAは、次いで、BamHIで消化した3つのpBDHまたはpBDLプラス ミドのプールに連結され、そしてそれは、Sau3AIと適合する末端を生成する。pB
DH及びpBDLベクター中のクローニング部位は、1個のヌクレオチドによってスタ
ッガーされているので、理論的には、全ての部分消化されたゲノム断片は、ライ
ブラリー内のインフレーム融合体によって提示されるはずである。cDNAライブラ
リーは、対象の組織、細胞型、または種から抽出されたmRTAから作製され得る。
cDNAライブラリーの構築においては、cDNA挿入物が、TUP1コード配列に対してセ
ンス方向で発現されるように、指向性クローニング戦略(26)が使用され得る。cD
NAは、ポリアデニル化mRTAから調製され、オリゴdTによる親和性によって精製さ
れ、反応で5−メチル−シチジン三リン酸を使用して、5' BamHIリンカーを含む ランダムプライマーによって逆転写される。次いで、第2鎖cDNA合成を通常RNAs
e Hによる消化後に行うことができる。cDNAの5'末端をS1ヌクレアーゼによって 平滑末端とし、そのcDNA断片をEcoRIリンカーに連結させる。cDNA末端のリンカ ーは、次いで、EcoRI及びBamHIで消化して初期逆転写反応物中に5−メチル−シ チジンを含めて、内部EcoRI及びBamHI部位の消化から保護する。cDNA断片は、次
いで、EcoRI及びBamHIで消化した3つのpBDHまたはpBDLプラスミドのプール中に クローニングされ得る。
【0058】 大きな典型的なTUP1-cDNA融合体ライブラリーの構築を簡易化するために、pBD
H及びpBDLプラスミドをλファージ置換ベクター中に挿入して、プラスミドが、C
re組換え酵素の標的シスエレメントであるloxP部位に隣接するようにする。一旦
cDNAがλベクター中にクローニングされたら、全ライブラリーは、Cre組換え酵 素を発現する大腸菌細胞中へのファージライブラリーの感染によってプラスミド
として放出され得る(8)。
【0059】 RTA遺伝子スクリーニング 目的の転写アクチベーターアミノ酸配列と相互作用するアミノ酸配列を同定す
るために、適切な宿主細胞は、転写アクチベーター配列を有するbait融合タンパ
ク質の遺伝子及び転写リプレッサードメインを有するprey融合タンパク質の遺伝
子によって同時形質転換され得る。
【0060】 ある実施形態では、GAL4応答性リポーター遺伝子を有する酵母株が(pYベクタ
ーまたはpGベクターのいずれかの中に構築された)GAL4−baitトランスアクチベ
ーター発現プラスミドによって形質転換される。GAL4−bait発現プラスミドを取
り込んで、発現する形質転換体は、トリプトファン欠損培地上での増殖によって
同定できる。TRP+形質転換体中で発現されるGAL4−baitトランスアクチベーター
融合体は、GAL4応答性リポーター遺伝子の発現を引き起こし、その結果、それら
はLacZ遺伝子によって産生されるβ−ガラクトシダーゼの色原体基質X-galを含 む培地上で青色コロニーを形成するはずである。リポーター遺伝子の活性化はま
た、その株を、5-FOA、2−デオキシガラクトース、及びカナバニン上で増殖でき
なくするはずである。GAL4−トランスアクチベーターbaitは、URA3の発現を引き
起こすだろうから、GAL4−bait発現プラスミドによって形質転換された試験酵母
株もまた、ウラシル欠損培地上で増殖できるはずである。
【0061】 bait融合タンパク質を発現する酵母株は、pBDHまたはpBDLベクター中に構築さ
れたプラスミドライブラリーによって形質転換されてもよく、ライブラリーの形
質転換体は、それぞれトリプトファン及びヒスチジンまたはロイシン欠損寒天プ
レート上で選択され得る。ライブラリー形質転換由来のコロニーは、25%グリセ
ロールを含む最小培地中に掻き取り、次いで、この細胞懸濁液をプールし、液体
窒素中にアリコートとして凍結保存してもよい。
【0062】 GAL4−bait融合タンパク質と相互作用するTUP1−prey融合タンパク質の選択の
ために、ライブラリー形質転換体を融解し、GAL4応答性リポーター遺伝子の抑制
を選択する培地上にプレートする。ライブラリー形質転換体は、最初は、カナバ
ニン上で増殖を起こし、GAL1-CAN1リポーター遺伝子の抑制を示すクローンを選 択する。カナバニン上で増殖するクローンは、次いで、5-FOA及び2−デオキシガ
ラクトース上での増殖について試験される。GAL1-LacZリポーター遺伝子の抑制 はまた、X-galプレート上に白色コロニーの形成をも引き起こすはずである。
【0063】 リポーター遺伝子の抑制は、a) TUP1転写抑制ドメインがリポーター遺伝子発 現を阻害するような、GAL4−bait転写アクチベーターとTUP1-cDNA融合体との間 のRTA相互作用によって引き起こされ得るか、またはb) bait発現プラスミド中の
突然変異のためにGAL4−bait融合体の発現の低下によってもたらされ得るだろう
。4つの異なるリポーター遺伝子のそのようなスクリーニングでの使用は、対抗 選択可能条件下での増殖がリポーター遺伝子の突然変異によって引き起こされる
可能性を大きく減少させる。従って、ありそうな可能性を識別するために、リポ
ーター遺伝子の全てが抑制されるコロニーを、MET3プロモーターのために、TUP1
−prey融合体の発現を阻害するメチオニン含有寒天プレート上で増殖させる。メ
チオニン含有培地上では、TUP1−prey融合体は発現しないだろうから、GAL4−ba
it融合体は自由に転写を活性化するはずである。このことは、コロニーを、メチ
オニン含有または欠損X-galプレートに移すことによって確認できる。GAL4−bai
tと相互作用するTUP1−prey融合体を産生し、かつGAL4−baitが無傷であるコロ ニーは、メチオニン含有X-galプレート上で青色コロニーを形成するはずである が、メチオニン無しのX-gal上では白色コロニーを形成するはずである。
【0064】 さらなる制御アッセイを実施して、TUP1−prey融合体が、目的のbaitと特異的
に相互作用し、GAL4のDNA結合ドメインとの相互作用、またはリポーター遺伝子 の上流に結合し得る他のタンパク質との相互作用によって転写の抑制を引き起こ
さないことを証明することができる。これは、例えば、回収されたTUP1−prey発
現プラスミドを関連のないGAL4 DBD−トランスアクチベーターbait融合タンパク
質を発現する酵母株に形質転換することによって実施され得る。
【0065】 前述の試験によって同定されたプラスミドクローンは、酵母から抽出され、大
腸菌中への形質転換によって回収され得る。プラスミドDNAは、pBDH及びpBDLク ローニング部位に隣接するオリゴヌクレオチドプライマーを使用して配列決定さ
れ得る。
【0066】非トランスアクチベーターを用いたタンパク質-タンパク質相互作用を検出する ためのRTA系の改変 転写を活性化しないbait融合タンパク質を含むタンパク質-タンパク質相互作 用の検出を可能とするためにRTA系にいくつかの改変を行うことができる。対象 とするアミノ酸配列の相互作用を、その配列が転写を活性化するか否かでアッセ
イすることができるので、このことはその系にさらに柔軟性を与えることになる
【0067】a) リポーター遺伝子の改変 非トランス活性化アミノ酸配列と共に用いるRTAの1つの実施形態は、トラン ス活性化タンパク質(すなわちbait融合タンパク質ではないトランス活性化タン パク質)に対して応答性の上流エレメントを有するように改変されたリポーター 遺伝子を含んでいる。転写アクチベーターではないアミノ酸配列の相互作用をア
ッセイするためのリポーター遺伝子は、上述のGAL1-CAN1、GAL1-URA3、およびGA
L1-LacZリポーターと、それらのリポーター遺伝子のためのプロモーターがさら に別の転写活性因子のための結合部位を含むものであることを除いては、同一の
ものとすることができる(図5)。ある実施形態ではそのような結合部位は、GAL4 結合部位が含まれているUASCの上流のプロモーター中に挿入することができる( 表2参照)。
【0068】 ある実施形態においては、GCN4をリポーター遺伝子の転写アクチベーターとし
て用いることができる。GCN4は通常はヒスチジンの合成に必要な遺伝子の転写活
性化に関与しており、HIS遺伝子の上流活性化配列(UASH)中のエレメントと結合 する。リポーター遺伝子のプロモーター中にGCN4結合部位がある場合には、prey
リプレッサー融合タンパク質、例えばTUP1-preyなどと、DNA結合bait融合タンパ
ク質、例えばGAL-4 baitなどとの間の相互作用がなければ、GCN4はH-GAL1-CAN1 、H-GAL1-URA3、およびH-GAL1-LacZなどのリポーター遺伝子の構成的発現を引き
起こして、その酵母株がX-gal上に青色のコロニーを形成し、かつカナバニンも しくは5-FOA上では増殖することができなくなる。しかし、preyとbait融合タン パク質間の相互作用はプロモーターの近傍中に抑制ドメインをもたらし、リポー
ター遺伝子の転写を阻害する。
【0069】b) bait融合ベクターの改変 異種の非トランス活性化アミノ酸配列を含む融合タンパク質の相互作用をアッ
セイするために本発明の別の実施形態を用いることができる。そのような実施形
態の1つは、bait融合タンパク質それ自体がベクター中でトランス活性化活性を
有する改変ベクターを含むものである。本発明のある態様においては、トランス
活性化活性はGAL4のアミノ酸1-238を用いて、(GAL4のDNA結合ドメインのアミノ 酸1-147のみを用いるよりもむしろ)、bait融合タンパク質を作ることによって提
供することができる。GAL4アミノ酸148-238には活性化領域1(図2参照)が含まれ ている。対象とするbaitをGAL4(1-238)に融合させたハイブリッドタンパク質はG
AL4活性化領域が存在するため転写を活性化しうる。GAL4のDNA結合ドメイン、GA
L4活性化領域1、および対象とするタンパク質断片からなる三分節系bait融合タ ンパク質は、上述の標準的なGAL1-CAN1、GAL1-URA3、およびGAL1-LacZリポータ ーを用いるライブラリーのスクリーニングに用いることができる。この戦略に対
する警告(caveat)は、活性化機能をマスクするために活性化領域1と相互作用す るタンパク質は、baitと特異的に相互作用するようなタンパク質と同様にRTAア ッセイにおいて陽性の結果を示しうることである。標準RTAアッセイについて上 で述べたように、リポーター遺伝子の抑制をもたらすbait融合タンパク質を発現
しているクローンは、baitに対する特異性について試験することができる。bait
としてGAL(1-238)融合タンパク質を用いるRTAの実施形態においては、陽性であ る可能性のあるpreyクローンを、異種アミノ酸配列の融合のないGAL4(1-238)を 発現している株中に再形質転換して、bait融合タンパク質中の異種アミノ酸配列
と相互作用するprey融合タンパク質を、GAL4のDNA結合部位もしくは活性化領域1
と相互作用するようなprey融合タンパク質とを区別することができる。
【0070】RTA系の他の細胞への適用 サッカロミセス(Saccharomyces) TUP1タンパク質と類似の転写抑制因子が、他
の真核細胞(19)であるWT1、verbA、Egr-1、YY1、AdE1B、E4B4、SCIP、kid-1、Zn
f2およびkox-1の細胞中で同定されている(表7、参考文献35を参照)。本発明のRT
A系は、この系の適切な構成成分、即ちprey融合タンパク質のためのリプレッサ ードメイン、bait融合タンパク質のためのDNA結合ドメイン、およびbait融合タ ンパク質とprey融合タンパク質の相互作用を検出するためのリポーター遺伝子が
利用できればこのような細胞のいかなるものの中でも行いうる。
【0071】 RTA系は、分子クローンが入手できるようなトランスアクチベーターとの、お よび非トランスアクチベーターとのタンパク質-タンパク質相互作用を特徴づけ るために、哺乳動物細胞中での使用に適合させることができる。ある実施形態に
おいては、GAL4トランスアクチベーターbait融合タンパク質を哺乳動物の発現プ
ラスミドであるpM1、pM2およびpM3を用いて構築することができる(36)。これら のプラスミドの関連する特性としては:GAL4-DBD融合タンパク質の発現を指令す
る強力なSV40初期領域プロモーター;インフレーム融合体の構築を単純化するた
めに1、2 および3と番号を付けたプラスミド中の1個のヌクレオチドによってス
タッガーされた多重クローニング部位;3つのフレーム全てでクローニング部位 の後にある翻訳停止コドン;および、翻訳停止コドンの直後にあるSV40ウイルス
からの転写終結シグナルである。類似のベクターをTUP1-prey融合タンパク質の 哺乳動物細胞中での発現のために構築することができ、それらはpT1、pT2、およ
びpT3と呼ばれる(図9参照)。
【0072】 種々の異なるリポーター遺伝子の哺乳動物細胞における使用については既に述
べられており、bait融合タンパク質によるトランス活性化、およびbaitとprey融
合タンパク質間のRTA相互作用の抑制効果を測定するために用いることができる 。ある実施形態においては、プラスミドpG5ECは、アデノウイルスE1B TATAボッ クスエレメントおよび細菌性クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)遺伝子(36)のすぐ上流に挿入されている5個のGAL4部位からなる最小プロモ
ーターを有する。同様に、プラスミドpG5tkCATは、ヘルペスウイルスのチミジン
キナーゼ(tk)遺伝子の末端切断型誘導体の上流に5個のGAL4結合部位を有する。C
AT酵素活性は細胞抽出液中で検出することができ、それによってリポーター遺伝
子の発現の測定を容易にする。哺乳動物細胞中にトランスフェクトされたとき、
pG5ECリポーター遺伝子産物はGAL4-baitトランスアクチベーター融合タンパク質
を産生するプラスミドと同時トランスフェクトするのでない限りは、CAT活性の 産生は無視しうる程度である。これに対して、pG5tkCATリポーターは、tkプロモ
ーター中に残存するシス作用性エレメントのために、それ自体で少量のCAT活性 を産生する。GAL4-baitトランスアクチベーター発現プラスミドの同時トランス フェクションはpG5tkCATリポーターによって生ずるCAT活性の顕著な増加を起こ す。
【0073】 bait融合タンパク質とprey融合タンパク質の相互作用を測定するために、リポ
ーター遺伝子プラスミドをbaitおよびprey発現プラスミドとともに哺乳動物細胞
中に同時トランスフェクションすることができる。ある実施形態においては、2 つの融合タンパク質間の相互作用は、GAL4-bait融合体発現プラスミドが挿入物 を含まない親のTUP1発現プラスミドととも同時トランスフェクションされた対照
サンプルに比較して、TUP1-prey融合タンパク質によって生ずるCAT活性の産生の
減少によって検出することができる。pG5tkCATリポーター遺伝子構築物を用いる
ことの利点は、bait融合タンパク質は必ずしもそれ自体の転写を活性化する必要
はないということである。GAL4-baitとTUP1-preyとの相互作用はこのリポーター
遺伝子の上昇している基礎的な転写を減少させるはずである。
【0074】 CAT以外の既知のリポーター遺伝子も哺乳動物細胞中でのRTAで用いることがで
きる。それらとしてはホタルのルシフェラーゼ、分泌性アルカリホスファターゼ
(SEAP)(4)、β-ガラクトシダーゼ(lacZ)(20)、緑色もしくは青色蛍光タンパク質
(GFP, BFP)(1)、または、ヘマグルチニン(HA)もしくはCD2などの細胞表面マーカ
ー(13)が挙げられる。これらのリポーター遺伝子のいくつかは自動検出法を要す
る応用法にはおそらくCAT遺伝子より有用であろう。
【0075】 哺乳動物RTA系に対して哺乳動物細胞内の新規の相互作用タンパク質のライブ ラリーをスクリーニングすることができるように改変を加えることができる。ラ
イブラリースクリーニングを可能にする哺乳動物細胞の標準的なツーハイブリッ
ドアッセイについては既に述べられている(49)。このようなスクリーニング系は
、適切なリプレッサーおよび融合タンパク質のためのDNA結合ドメインの選択、 ならびに本発明の開示するところに従う適切なマーカー遺伝子の選択によってRT
Aアッセイのために適合させることができる。
【0076】特異的タンパク質-タンパク質相互作用阻害剤の同定および特徴づけのためのRTA 系の使用 本発明のRTA系は特異的タンパク質-タンパク質相互作用の特異的阻害剤のスク
リーニングおよび特徴づけに用いるために適合させることができる。阻害剤は、
発現によってもしくは外来性のものとして添加することによって試験系に持ち込
みうるような小分子化合物、脂質、ペプチド、ポリペプチド、もしくは核酸のい
かなるものであってもよい。RTA系はタンパク質-タンパク質相互作用阻害剤をス
クリーニングするために、酵母および哺乳動物細胞を含む各種の細胞内で用いる
ために適合させることができる。
【0077】 RTA系中のタンパク質-タンパク質相互作用はリポーター遺伝子の抑制によって
検出されるので、RTA系中でのbaitおよびprey融合タンパク質間の相互作用の阻 害はリポーター遺伝子の誘導を生ずる(図10参照)。RTAと、ツーハイブリッドお よび既存の相互作用トラップ系との間にはこのような基本的な相違があり、RTA は阻害があれば陰性シグナルではなく陽性シグナルが生ずるのでタンパク質-タ ンパク質相互作用のアッセイにおいて重要な利点を提供する。陰性シグナルでな
く陽性シグナルを検出することは、偽の結果、それは対象としている特異的相互
作用以外の何らかの因子がアッセイ系を妨害して陰性シグナルを生ぜしめるのだ
がその偽の結果を最小限に抑える傾向があるために、有利である。
【0078】a) 特異的タンパク質-タンパク質相互作用阻害剤のアッセイ ある実施形態においては特異的タンパク質-タンパク質相互作用阻害剤は、GAL
4 DBD-baitおよびTUP1-prey融合タンパク質などの、対象とする特異的相互作用 を示しているbaitおよびprey融合タンパク質を発現している酵母株をまず構築す
ることによってアッセイすることができる。bait およびprey融合タンパク質間 の相互作用は、GAL4-依存性リポーター遺伝子などのリポーター遺伝子の抑制を もたらす。baitおよびprey融合タンパク質間相互作用を防止する物質が酵母に添
加された場合には、GAL4-bait融合タンパク質などのbait融合タンパク質は転写 を活性化しなくなり、GAL4依存性リポーター遺伝子などのリポーター遺伝子の発
現をもたらす(図10参照)。上述のGAL4依存性リポーター遺伝子が用いられる場合
には、GAL-CAN1、内在性GAL1、およびGAL1-URA3リポーター遺伝子が発現される ので、特異的阻害剤はその酵母株をカナバニン、2-デオキシガラクトース、およ
び5-FOAの存在に感受性とする。
【0079】 リポーター遺伝子の発現を示すための陽性シグナルを提供することは阻害剤の
アッセイにおいて有用なものであろう。例えば、GAL1-HIS3リポーター遺伝子を 用いることができる。HIS3遺伝子の誘導によってヒスチジン欠乏培地での増殖が
可能となる。そのような実施形態においては、タンパク質-タンパク質相互作用 の阻害剤をアッセイするための試験株は、GAL1-LacZおよびGAL1-HIS3リポーター
遺伝子の双方を含有することができ、欠陥のある染色体his3遺伝子を有する。HI
S3遺伝子がこの改変のためのリポーター遺伝子として用いられるので、pBDL発現
プラスミド(表2参照)はTUP1-prey融合タンパク質を産生させるために用いると有
利である。そのような改変株でリポーターを組み合わせることによって、baitお
よびprey相互作用の阻害がヒスチジン欠乏培地での増殖によって検出できるよう
になり、LacZ遺伝子からのβ-ガラクトシダーゼの産生(酵素的に測定すること が可能)によって検出できるようになる。
【0080】 本発明のRTAアッセイ法をさらに改変することは、baitおよびprey相互作用の 阻害剤の作用の強いものと弱いものとを区別するために有用であろう。ヒスチジ
ン類似体である3-アミノトリアゾール(3-AT)はHIS3遺伝子産物の競合阻害剤であ
る。3-ATの阻害作用に打ち勝つためにHIS3遺伝子をより強力に発現させる目的で
3-ATを増殖培地中に添加することができる。ある実施形態においては、ヒスチジ
ン不在下での増殖に必要とされるHIS3発現のレベルは増殖培地中の3-AT濃度に正
比例している(23)。このようなアッセイの結果は、baitおよびprey融合タンパク
質間の特異的相互作用のより強力な阻害剤が、より高濃度の3-ATの存在下での細
胞増殖を可能とするはずであるという前提に基づいて評価することができる。
【0081】b) 哺乳動物細胞中でのタンパク質-タンパク質相互作用阻害剤のアッセイ 本発明の態様に従って、哺乳動物細胞においても、ここに開示した酵母細胞を
用いたものと類似の方策を用いてタンパク質-タンパク質相互作用の阻害剤をア ッセイすることができる。リポーター遺伝子、bait融合タンパク質遺伝子、およ
びprey融合タンパク質遺伝子を用いて一過性に同時トランスフェクションした細
胞を単に処理することによって限定的なスケールで阻害剤をアッセイすることが
できる。そのような実施形態の1つでは、組換えGAL4依存性リポーター遺伝子構
築物、ならびにGAL4-baitおよびTUP1-prey発現プラスミドを用いることができる
(上記参照)。RTA相互作用の阻害は、未処理対照サンプルと比べてリポーター遺 伝子の発現の上昇をもたらすであろう。一過性のトランスフェクションではサン
プル間で遺伝子発現の変動があるため、阻害剤の作用を定量化するための統計学
的に有意な結果を得るためには、好ましくは、複数の独立した一過性トランスフ
ェクション(例えば4ないし5個の独立のサンプル)が必要である。
【0082】 異なる阻害剤の正確な評価に必要な独立したサンプルの数を減らすためには、
組込まれたリポーター遺伝子ならびにbaitおよびprey融合タンパク質のための発
現プラスミドを有している目的の細胞型を用いて細胞系を構築することが有利で
あろう。構築された細胞系中でのbaitおよびprey融合タンパク質の保全性(integ
rity)の確認を容易にするために、誘導プロモーターからprey融合タンパク質を 発現させてbaitおよびprey相互作用を望みのままにオフもしくはオンとなるよう
にすることが有用である。哺乳動物細胞ではMMTV-LTRなどの誘導プロモーターを
用いることができる。MMTV-LTRプロモーターはグルココルチコイドステロイドで
あるデキサメタゾンの存在によって誘導可能である。このような試験細胞系にお
いては、GAL4依存性リポーター遺伝子などのリポーター遺伝子は、デキサメタゾ
ンが存在しなければ発現されるが、prey融合タンパク質遺伝子がデキサメタゾン
の存在によって誘導されれば阻害される。タンパク質-タンパク質相互作用阻害 剤の作用は、このように、あらかじめ誘導量のデキサメタゾンで処理された細胞
へ目的の化合物を添加した後のリポーター遺伝子の発現を測定することによって
求めることができる。prey融合タンパク質のための誘導プロモーターを用いるこ
とで、規定された目的のRTAタンパク質-タンパク質相互作用に特異的なものを安
定的にトランスフェクトされた細胞系でアッセイするRTA系の保全性が可能とな る。細胞系の安定性はRTA系の生存度のアッセイとともに、特異的阻害剤の自動 スクリーニングにそのような細胞系を用いることを容易にする。
【0083】 (実施例) 下記の実施例において、酵母の遺伝学的および生化学的な操作については既に
報告されているとおりである(18)。組換えDNA技術の標準的なプロトコールをbai
tおよびprey発現プラスミドおよびリポーター遺伝子の構築に用いる(2)。
【0084】TUP1-GAL80融合体を用いたin vivoでのGAL4-GAL80相互作用の特性決定 GAL遺伝子の誘導は、転写アクチベーターGAL4とその負の調節タンパク質GAL80
との間の相互作用において、ガラクトースによって誘導される変化を伴う。in v
ivoでの誘導および非誘導(37)条件下でのGAL4とGAL80との間の相互作用を本発明
のRTAアッセイを用いて調べるために、TUP1抑制ドメインおよび異種GAL80 アミ ノ酸配列を有するprey融合タンパク質を産生する酵母発現プラスミドを構築した
。TUP1をGAL80のC末端へ融合させた。prey融合タンパク質をコードする組換え 遺伝子を2μプラスミドベクター上のADH1プロモーターから発現させた。GAL80、
TUP1、およびGAL80-TUP1融合タンパク質は、GAL1-HIS3リポーター遺伝子を含ん でいる酵母株中でGAL4タンパク質と同時発現させた。リポーター遺伝子の活性化
を、ヒスチジン欠乏培地中での酵母の増殖能によって判定した(表3)。GAL4は、G
AL80もしくはTUP1のN末端部と同時に発現させた場合には、ヒスチジン欠乏ガラ
クトースプレート上での増殖によって判定したところ、GAL1-HIS3リポーター遺 伝子の発現を誘導することが可能であった。GAL80をそのC末端でN末端TUP1抑 制ドメインへ融合させたキメラタンパク質(GAL80-TUP1(1-200))は、GAL4のGAL1-
HIS3リポーター遺伝子活性化能に影響を与えなかった(表3)。
【0085】
【表3】 GAL80のN末端に融合させた場合、TUP1抑制ドメインはGAL4によるトランス活性 化を阻害する baitタンパク質 preyタンパク質 SG-Hisa上での増殖 GAL4 なし ++++ GAL4 GAL80 +++ GAL4 TUP1(1-200) ++++ GAL4 GAL80-TUP1(1-200) ++++ GAL4 TUP1(1-200)-GAL80 − a) 酵母をbait発現プラスミドおよびprey発現プラスミドで形質転換し、ヒスチ
ジン欠乏合成ガラクトース(SG)プレート上で画線培養した。3日後に増殖をスコ アリングした。++++:十分に増殖、−:増殖なし。
【0086】 TUP1のN末端側200アミノ酸長のリプレッサードメインをGAL80のN末端に融合
させて、TUP1(1-200)-GAL80と名付けたprey融合タンパク質を作製した。GAL80-T
UP1融合タンパク質で観察された結果とは対照的に、このTUP1(1-200)-GAL80 pre
y融合タンパク質は、このタンパク質を発現する酵母のヒスチジン不在下での増 殖不能性により判定したところ、ガラクトース上でのGAL1-HIS3リポーター遺伝 子の転写を活性化するGAL4の能力を抑制した(表3)。この結果より、TUP1抑制ド メインをGAL80のC末端ではなくN末端と融合させた場合には、GAL4の転写活性 化能を阻害できることが判る。
【0087】 誘導条件および非誘導条件で増殖する細胞において、GAL4活性に対するTUP1-G
AL80融合タンパク質の作用を調べるために、GAL4を過剰に発現する対抗選択可能
なGAL1-URA3リポーター遺伝子を用いて上述の実験を繰り返した。GAL1-URA3リポ
ーター遺伝子の活性化は、ウラシル欠乏培地上での増殖によってアッセイするこ
とができ、URA3発現の抑制は、ピリミジン類似体である5-フルオロオロト酸の存
在下での増殖によって検出することができる(表1参照)。TUP1-GAL80は、グルコ ース、ガラクトース、もしくはラフィノースを含む培地中で、過剰に発現された
GAL4による転写活性化を強力に阻害したが、GAL80もしくはTUP1のいずれも単独 ではこれらの条件下でGAL4活性を妨害することはできなかった(表4)。これらの 結果より、TUP1のN末端側抑制ドメインは、GAL80と融合させた場合には、GAL4 による転写活性化を、GAL4がたとえ高レベルで発現されていたとしても誘導条件
および非誘導条件のいずれにおいても阻害できることが判る。
【0088】
【表4】 TUP1-GAL80はGAL4によるGAL1-URA3リポーター遺伝子の転写活性化を誘導条件お よび非誘導条件のいずれにおいても妨害する baitタンパク質a preyタンパク質 炭素源 5-FOA上での増殖b GAL4 (1-881) なし ガラクトース − GAL4 (1-881) なし グルコース − GAL4 (1-881) なし ラフィノース − GAL4 (1-881) GAL80 ガラクトース − GAL4 (1-881) GAL80 グルコース − GAL4 (1-881) GAL80 ラフィノース − GAL4 (1-881) TUP1 ガラクトース − GAL4 (1-881) TUP1 グルコース − GAL4 (1-881) TUP1 ラフィノース − GAL4 (1-881) TUP1-GAL80 ガラクトース ++++ GAL4 (1-881) TUP1-GAL80 グルコース ++++ GAL4 (1-881) TUP1-GAL80 ラフィノース ++++ a) GAL4タンパク質は2μプラスミド上のADH1プロモーターから過剰に発現させ
た。 b) 酵母は、bait発現プラスミドおよびprey発現プラスミドで形質転換させ、0
.1%の5-FOAの存在下で表に示す炭素源を含有する合成培地で画線培養した。3日
後に増殖をスコアリングした。++++:十分に増殖、−:増殖せず。
【0089】 GAL4活性に対するTUP1-GAL80の作用にGAL4とGAL80間の特異的相互作用が必要 であるか否かを検討するために、本発明のRTAアッセイを使用して、GAL4のC末 端側アミノ酸30個を除去したGAL4誘導体に対するTUP1-GAL80の作用を試験した。
GAL80と相互作用するC末端側セグメントを欠く(図2参照)残基1-848からなるGAL
4誘導体は、TUP1-GAL80によって阻害されなかった。GAL4(1-848)およびTUP1-GAL
80を発現するGAL1-URA3リポーター遺伝子を含む株は、5-FOA上で増殖することが
できなかった(表5)。この結果より、TUP1-GAL80タンパク質は、特異的相互作用 を形成するGAL4誘導体による転写活性化のみを阻害することが判明した。
【0090】
【表5】 GAL4のC末端側アミノ酸30個は、TUP1-GAL80がGAL1-URA3リポーター遺伝子を抑 制するために必要である baitタンパク質a preyタンパク質 炭素源 5-FOA上での増殖b GAL4 (1-881) なし ガラクトース − GAL4 (1-881) GAL80 ガラクトース − GAL4 (1-881) TUP1 ガラクトース − GAL4 (1-881) TUP1-GAL80 ガラクトース ++++ GAL4 (1-848) なし ガラクトース − GAL4 (1-848) GAL80 ガラクトース − GAL4 (1-848) TUP1 ガラクトース − GAL4 (1-848) TUP1-GAL80 ガラクトース − a) GAL4タンパク質は2μプラスミド上のADH1プロモーターから過剰に発現させ
た。 b) 酵母は、bait発現プラスミドおよびprey発現プラスミドで形質転換させ、0
.1%の5-FOAの存在下で表に示す炭素源を含有する合成培地上で画線培養した。3
日後に増殖をスコアリングした。++++:十分に増殖、−:増殖せず。
【0091】RTA系で測定した場合、GAL4のセリン699でのリン酸化によってin vivoでのGAL4- GAL80相互作用のアフィニティーが調節される 本発明のRTAアッセイを使用して、GAL4-GAL80相互作用に対するGAL4のセリン6
99でのリン酸化の作用を検討した。野生型GAL4およびS699Aに突然変異を有するG
AL4による転写活性化に対するTUP1-GAL80融合体の作用を、GAL1-LacZリポーター
遺伝子を有する酵母株で比較した。β-ガラクトシダーゼ活性で測定すると、GAL
4およびGAL4 S699Aの双方とも過剰に発現した場合には、GAL80単独もしくはTUP
1単独のいずれか一方の存在下でこのリポーター遺伝子の効率的な活性化を起こ す(図11)。しかし、TUP1-GAL80融合体は、野生型GAL4による転写活性化よりもGA
L4 S699Aによる転写活性化をより顕著に阻害したことより(図11)、セリン699の リン酸化はGAL4とGAL80との相互作用を弱めることが判明した。
【0092】GAL4とSUG1との相互作用はRTAアッセイによってin vivoで検出することができる 本発明のRTAアッセイを用いて、GAL4とSUG1によってコードされる26Sのプロテ
オソームサブユニットとの相互作用をGAL1-HIS3リポーター遺伝子を用いて検討 した。SUG1も独立に発現させたTUP1抑制ドメインも、いずれもGAL4のGAL1-HIS3 転写活性化能に影響を与えなかった。このことは、ヒスチジン不在下での増殖で
判明した。TUP1-SUG1融合体はSG-His上では非常に遅い増殖を示したことより、 この融合体によってGAL4のGAL1-HIS3リポーター遺伝子活性化能が阻害されたこ とが判明した。
【0093】
【表6】 GAL1-HIS3リポーター遺伝子を用いてRTAによって検出されたGAL4とSUG1との相互
作用 baitタンパク質 preyタンパク質 SG-Hisa上での増殖 GAL4 なし ++++ GAL4 SUG1 ++++ GAL4 TUP1(1-200) ++++ GAL4 TUP1(1-200)-SUG1 + a) 酵母はbait発現プラスミドおよびprey発現プラスミドで形質転換させ、ヒ スチジン欠乏合成ガラクトース(SG)プレート上で画線培養した。3日後に増殖を スコアリングした。++++:十分に増殖、−:増殖せず。
【0094】GAL1-URA3リポーター遺伝子の感度は5-FOAの濃度で調節することができる 本発明のRTAアッセイを用いてさらに弱いタンパク質-タンパク質相互作用を検
出し得るよう、5-FOAの濃度を調節することができる。より低い濃度の5-FOAを用
いることでprey融合体による弱い抑制を選択し、過剰に発現されるGAL4に対する
TUP1-GAL80タンパク質およびGAL80タンパク質の抑制作用の差違の検出を容易に する。TUP1-GAL80 prey融合タンパク質によって、GAL1-URA3リポーター遺伝子を
有し、かつ野生型GAL4タンパク質を過剰に発現する酵母の増殖が0.1%までの5-F
OAの濃度で可能であった(表7)。これに対し、GAL80タンパク質単独では0.05%の
5-FOAを含有する培地では最小限の増殖しか示さないが、0.01%の5-FOAでは顕著
な増殖を示した。この結果より、過剰に発現されたGAL4による転写活性化の阻害
においてTUP1-GAL80タンパク質がGAL80タンパク質単独よりも5〜10倍効率的であ
ることが判る。これより、選択的培地中の5-FOAの濃度を変えることによって、 本発明のRTAアッセイを調整してbait融合体とprey融合体間の相互作用の弱いも のと強いものを選別できることが判る。
【0095】
【表7】
【0096】RTAアッセイは、ライブラリーからの特異的タンパク質-タンパク質相互作用の同 定に用いることができる RTAアッセイのこの態様においては、5-FOAを用いるGAL1-URA3リポーター遺伝 子の抑制の選択を使用して、ライブラリーを特異的タンパク質-タンパク質相互 作用についてスクリーニングすることができる。TUP1、GAL80およびTUP1-GAL80 を発現するプラスミドを、既存の酵母プラスミドライブラリーに添加した。10μ
gのプラスミドライブラリーに対して、TUP1およびGAL80発現プラスミド各10μg 、およびTUP1-GAL80発現プラスミド1ngを添加した。次いで、プラスミドの混合 物を野生型GAL4を発現するプラスミドを含有する酵母(GAL1-URA3リポーター遺 伝子も含んでいる)中に形質転換した。ライブラリーの形質転換体を0.1% 5-FO
A含有プレート上に播き、3日間増殖させた。総計10μgの形質転換から、5-FOA上
で急速に増殖した24個のコロニーを採取した(これらはURA3リポーター遺伝子の
抑制を示している)。プラスミドDNAは5-FOA耐性コロニーから大腸菌中に形質転
換することによって回収し、制限エンドヌクレアーゼ消化によって分析した。5-
FOA耐性の各コロニーから回収したDNAは、元のGAL4発現プラスミドもしくはTUP1
-GAL80発現プラスミドに該当した。1つのコロニーにはGAL4発現プラスミドの再
構成体が含まれていた。GAL80もしくはTUP1を単独で発現したプラスミドまたは 元の酵母ライブラリー由来のプラスミドは回収されなかった。この実験は、対抗
選択リポーター遺伝子を本発明のRTAアッセイ法に従って使用して、プラスミド ライブラリーからタンパク質-タンパク質相互作用を同定することができること を示している。また、24個のコロニーのうちの1個が再構成されたGAL4発現プラ スミドを含んでいたという事実は、初回スクリーニング後のbaitの保全性(integ
rity)の確認を容易にするため、調節プロモーターからのprey融合タンパク質の 発現に伴う利点を強調するものである。
【0097】TUP1のN末端側リプレッサードメインは、RTA系中で機能するためにはSRB10が必 要である TUP1機能の遺伝学的分析より、TUP1がその機能を発揮するためにはRNAポリメ ラーゼホロ酵素の成分が必要であることが示唆されている。とりわけ、ホロ酵素
結合サイクリン依存性タンパク質キナーゼSRB10は、TUP1による転写の抑制に必 要とされる(48)。RTA相互作用においてTUP1抑制ドメインが正常に機能するかど うか調べるために、TUP1-GAL80融合体のsrb10-株中での転写阻害能をアッセイし
た。過剰に発現したGAL4は、この株では正常にGAL1-LacZリポーター遺伝子の転 写を活性化した(図12)。単独でGAL4と発現させたGAL80またはTUP1は、いずれもL
acZの転写に顕著に作用した。野生型酵母で認められた結果とは対照的に、TUP1-
GAL80融合体はsrb10-株中でのGAL4による転写活性化に影響を及ぼさなかった(図
12)。この結果より、RTA相互作用におけるGAL4-baitおよびTUP1-prey融合体間の
相互作用が、TUP1タンパク質の正常な機能と類似の特徴を有していることが判る
【0098】 (参照文献) 下記の文献は、引用により本明細書に含まれるものとする。 1. Anderson, M. T., I.M. Tjioe, M.C.Lorincz, D.R. Parks, L.A. Hezenber
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【0099】 以上の開示から当業者には明らかなように、本発明の実施に当たっては本発明
の概念もしくは範囲を逸脱することなく多くの変更と改変が可能である。したが
って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定義される事項に従うものと解
すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は抑制トランスアクチベーター系(RTA)の概要図である。A)部位特異 的DNA結合ドメイン2に融合されている転写アクチベータータンパク質3からなるb
ait融合タンパク質は、プロモーター内のその同種のシスエレメント1に結合し、
一般的転写因子7(GTFs)をTATAエレメント8に集めることによってリポーター遺
伝子6の発現の活性化を引き起こす。B)トランスアクチベーターbait融合体と 転写抑制ドメインに融合されたpreyタンパク質との間の相互作用は、リポーター
遺伝子発現の阻害を引き起こす。
【図2】 図2はGAL4タンパク質の概要図である。N末端の147個のアミノ酸は、DNA結合ド
メイン10を含み、そしてそれは、UASG内の17個の塩基対配列に特異的に結合する
。転写活性化は、活性化領域1 11及び活性化領域2 13によって仲介される。2つ
の活性化領域の間に存在する中心領域12は、グルコース存在下でGAL4活性の阻害
のために必要である。負の調節タンパク質GAL80は、GAL4タンパク質14のC末端の
30個のアミノ酸残基と最初に接触する。
【図3】 図3には、GAL遺伝子のグルコース抑制におけるTUP1タンパク質の機能を示す。
Saccharomyces中の典型的なGAL遺伝子の概要図である。A)グルコースの不在下
(及びガラクトースの存在下)では、GAL遺伝子は、UASG20に結合されたGAL4タ ンパク質21によって活性化される。MIG1タンパク質22は、上流抑制配列(URS)2
3に結合するが、グルコース不在下ではGAL転写に影響を与えない。B)グルコー
ス存在下では、TUP1 26及びSSN6 25タンパク質からなる複合体は、MIG1タンパク
質に集められる。TUP1は一般的な転写因子を阻害し、GAL遺伝子転写の抑制を引 き起こす抑制ドメインを含む。
【図4】 図4には、TUP1タンパク質上の転写抑制ドメインの同定を示す。A)Saccharom
ycesTUP1タンパク質の概要図。TUP1のN末端の200個のアミノ酸は、転写抑制ドメ
イン31を含む。B)TUP1抑制ドメイン31の大腸菌LexAタンパク質32への融合は
、転写アクチベーターGCN4 34によって制御されているリポーター遺伝子の抑制 を引き起こすことができ、上流のLexAオペレーター33を有する、キメラタンパク
質を製造する。
【図5】 図5は未修飾抑制トランスアクチベーター系で用いられるリポーター遺伝子の 概要図である。A)内在性GAL1遺伝子。B)ADE2遺伝子座に組み込まれたGAL1-U
RA3。C)MFA2に組み込まれたGAL1-LacZ。D)LYS2遺伝子座に組み込まれたGAL1
-CAN1。
【図6】 図6は抑制トランスアクチベーター系のためのGAL4−bait発現プラスミドの概 要図である。A)ADH1プロモーター(pADH)がGAL4 DNA結合ドメイン(GAL4 DB
D)を発現するために使用されるpYベクターの図表。DBDは、多クローニング部位
(MCS)及び各リーディングフレーム中の翻訳停止コドン(示されていない)に 続く。プラスミドは、酵母の自立複製配列、動原体断片(ARS-CEN)ならびに酵 母内での増殖及び選択のためのTRP1遺伝子を有し、また大腸菌pY1、pY2、及びpY
3中での選択のためのアンピシリン耐性遺伝子(Amp)は、多クローニング部位が
、インフレーム(in-frame)融合体の構築を単純化するために1個のヌクレオチ
ドでスタッガー(staggered)されている点を除けば、同一である(36)。GAL4−bai
t転写産物は、ADH1ターミネーター(tADH)内で停止する。B)GAL4 DNA結合ド メインがGAL4プロモーター(pGAL4)から発現される以外は、pYプラスミドと同 一であるpGベクターの図表。
【図7】 図7は抑制トランスアクチベーター系のためのTUP1−prey発現ベクターの概要 図である。TUP1prey発現プラスミドは、2μの起源ベクター(2μ ori)であり、
そしてその中で、MET3プロモーター(pMET3)がTUP1抑制ドメイン(TUP1)を発 現するために使用される。TUP1は、示されているように制限エンドヌクレアーゼ
部位の直後に続く。TUP1−prey転写産物は、ADH1ターミネーター(tADH)によっ
て停止される。pBDHプラスミドは、HIS3遺伝子を含み、一方pBDLプラスミド(示
していない)は、酵母中での選択のためのLEU2遺伝子を含む。1、2及び3と番号 付けられたpBDH及びpBDLプラスミド(示していない)は、多クローニング部位が
、インフレーム融合体の構築を簡易化し、ライブラリー構築を単純化するために
1個のヌクレオチドが互いにスタッガーされている以外は同一である。
【図8】 図8は、未修飾形態の抑制トランスアクチベーター系を使用した新規なタンパ ク質−タンパク質相互作用のためのライブラリーをスクリーニングするための戦
略を具体的に示すフロー図である。示されている例では、pBDH由来のライブラリ
ーが使用され、そしてそれはhis-選択を必要とし;pBDL由来のライブラリーを使
用するスクリーニングは、ライブラリー形質転換体の選択がleu-培地を使用する
だろうこと以外は同一である。
【図9】 図9は、哺乳類細胞中でRTA系を実行するための、哺乳類TUP1−prey発現ベクタ
ーの概要図である。pTプラスミドは、TUP1のN末端抑制ドメインの発現のためにS
V40初期プロモーター領域(SV40 early/ori)を利用する。TUP1コード配列は、p
Mプラスミドと同一である多クローニング部位の直後に続く(36)。TUP1−prey転 写産物は、SV40ポリアデニル化シグナル(SV40 term.)によってそこで停止され
る。pT1、pT2、及びpT3プラスミドは、多クローニング部位のリーディングフレ ーム以外は同一である。
【図10】 図10は、特定のタンパク質−タンパク質相互作用の阻害剤をアッセイするため
のRTA系の使用の概要図である。A)その相互作用がリポーター遺伝子の発現を 阻害するGAL4−bait及びTUP1−prey融合体を発現する、真核細胞が構築される。
B)bait及びprey相互作用の阻害剤41の添加は、リポーター遺伝子の誘導を引き
起こし、その産物は生化学的または遺伝子的に検出できる。
【図11】 図11は、RTA系が、in vivoでのGAL4-GAL80相互作用に関する699番目のセリン のリン酸化の効果を検出できることを示す棒グラフである。GAL1-LacZリポータ ー遺伝子、及び過剰発現する野生型GAL4(WT)またはGAL4 S699A突然変異(A699
)を含む酵母は、GAL80(GAL80)、TUP1-GAL80(Tup1/Gal80)を発現するプラス
ミド、またはベクターコントロール(ベクター)によって形質転換された。細胞
を対数増殖中期まで増殖させ、次いでβ−ガラクトシダーゼ活性の定量によって
LacZ転写をアッセイした。
【図12】 図12は、SRB10を必要とするRTA相互作用のある実施態様でのTUP1抑制ドメイン
の阻害効果を示す棒グラフである。野生型酵母(WT)、またはGAL1-LacZリポー ター遺伝子を含む野生型GAL4を過剰発現させるsrb10-酵母(srb10-)は、GAL80 (GAL80)、TUP1(Tup1)、TUP1-GAL80(Tup1:Gal80)を発現するプラスミド、 またはベクターコントロール(ベクター)によって形質転換された。細胞は、対
数増殖中期まで増殖させ、次いでβ−ガラクトシダーゼ活性の定量によってLacZ
転写をアッセイした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 サドウスキー、イヴァン カナダ国 ヴイ4イー 3イー4 ブリテ ィッシュ コロンビア、デルタ、アルダー ウッド クレッセント11877 (72)発明者 ハースト、マーティン カナダ国 ヴイ4エム 1ワイ9 ブリテ ィッシュ コロンビア、ツァワッセン、11 番 アベニュー 5254 (72)発明者 ロード、ジョン カナダ国 ヴイ6ティー 2ジー9 ブリ ティッシュ コロンビア、バンクーバー、 サンダーバード クレッセント 303− 6335 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA02 CA07 CA20 DA02 DA12 EA04 FA02 FA20 GA11 GA19 HA11 4B063 QA05 QA18 QQ07 QQ08 QQ13 QQ22 QQ26 QQ35 QQ79 QR32 QR33 QR60 QR69 QR76 QR77 QR80 QS05 QS24 QS36 QX01 4B065 AA26Y AA72X AA72Y AA80X AA90X AA90Y AB01 AC14 BA02 BA25 BB04 BB15 BB31 CA46 4H045 AA30 BA41 CA15 EA50 FA72 FA73 FA74

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融合タンパク質間の相互作用をアッセイするための細胞であ って、 転写リプレッサードメインおよび第1の異種アミノ酸配列を含んでなるprey融 合タンパク質をコードする第1の組換え遺伝子; DNA結合ドメインおよび第2の異種アミノ酸配列を含んでなるbait融合タンパク
    質をコードする第2の組換え遺伝子;ならびに 検出可能な遺伝子産物をコードする組換えリポーター遺伝子であって、bait融
    合タンパク質のDNA結合ドメインと結合可能なオペレーターDNA配列を含んでなる
    前記組換えリポーター遺伝子; を含んでなり、ここで、該リポーター遺伝子は、第1の異種アミノ酸配列と第2の
    異種アミノ酸配列が結合しない場合に発現され、第1の異種アミノ酸配列と第2の
    異種アミノ酸配列が結合する場合には抑制されるものである、前記細胞。
  2. 【請求項2】 前記bait融合タンパク質が転写アクチベータードメインをさ
    らに含んでなる、請求項1記載の細胞。
  3. 【請求項3】 前記bait融合タンパク質がGAL4のアミノ酸1〜238に相同な配
    列を含んでなる、請求項2記載の細胞。
  4. 【請求項4】 前記第1の組換え遺伝子が抑制プロモーターの制御下にある 、請求項1記載の細胞。
  5. 【請求項5】 前記抑制プロモーターがMET3プロモーターと相同である、請
    求項4記載の細胞。
  6. 【請求項6】 前記DNA結合ドメインが、GAL4のDNA結合ドメインに相同なDN
    A結合ドメインからなる群より選択されるアミノ酸配列を含んでなる、請求項1記
    載の細胞。
  7. 【請求項7】 前記DNA結合ドメインが、LexAのDNA結合ドメインに相同なDN
    A結合ドメインからなる群より選択されるアミノ酸配列を含んでなる、請求項1記
    載の細胞。
  8. 【請求項8】 前記転写リプレッサードメインが、酵母TUP1タンパク質の転
    写リプレッサードメイン、Drosophila Kruppelタンパク質の転写リプレッサード
    メイン、Drosophila engrailedタンパク質の転写リプレッサードメイン、Drosop
    hila knirpsタンパク質の転写リプレッサードメイン、Drosophila even-skipped
    タンパク質の転写リプレッサードメイン、Drosopila pairedタンパク質の転写リ
    プレッサードメイン、哺乳動物Egr-1タンパク質の転写リプレッサードメイン、 哺乳動物WT1タンパク質の転写リプレッサードメイン、哺乳動物RARaタンパク質 の転写リプレッサードメイン、および哺乳動物KRABタンパク質の転写リプレッサ
    ードメインからなる群より選択されるアミノ酸配列を含んでなる、請求項1記載 の細胞。
  9. 【請求項9】 Saccharomyces cerevisiae細胞、Schizosacharomyces pombe
    細胞、および哺乳動物組織培養細胞からなる群より選択される、請求項1記載の 細胞。
  10. 【請求項10】 前記細胞が酵母細胞であり、前記リポーター遺伝子が酵母
    URA3遺伝子、酵母CAN1遺伝子、酵母GAL1遺伝子、酵母HIS3遺伝子、および大腸菌
    LacZ遺伝子からなる群より選択されるものである、請求項1記載の細胞。
  11. 【請求項11】 前記細胞が哺乳動物細胞であり、前記リポーター遺伝子が
    CAT遺伝子、LacZ遺伝子、SEAP遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、GFP遺伝子、BFP 遺伝子、CD2遺伝子、Flu HA遺伝子、およびtPA遺伝子からなる群より選択される
    ものである、請求項1記載の細胞。
  12. 【請求項12】 前記リポーター遺伝子のオペレータが、トランスアクチベ
    ータータンパク質との結合部位をさらに含んでなる、請求項1記載の細胞。
  13. 【請求項13】 前記トランスアクチベータータンパク質がGCN4である、請
    求項12記載の細胞。
  14. 【請求項14】 融合タンパク質間の相互作用をアッセイするための細胞を
    作製するキットであって、 転写リプレッサードメインを有するprey融合タンパク質を発現させるための第
    1のベクターであって、第1の挿入部位と転写リプレッサードメインをコードする
    配列とを有する発現可能な遺伝子を含んでなる前記第1のベクター; DNA結合ドメインを有するbait融合タンパク質を発現させるための第2のベクタ
    ーであって、第2の挿入部位とDNA結合ドメインをコードする配列とを有する発現
    可能な遺伝子を含んでなる前記第2のベクター;ならびに、 検出可能な遺伝子産物をコードする組換えリポーター遺伝子を有する宿主細胞
    であって、該組換えリポーター遺伝子はbait融合タンパク質のDNA結合ドメイン と結合可能なオペレーターDNA配列を含んでなり、該リポーター遺伝子は、prey 融合タンパク質とbait融合タンパク質が結合しない場合に発現され、prey融合タ
    ンパク質とbait融合タンパク質が結合する場合には抑制されるものである、前記
    宿主細胞 を含んでなる前記キット。
  15. 【請求項15】 前記細胞が酵母細胞であり;前記転写リプレッサードメイ
    ンがTUP1タンパク質の転写リプレッサードメインに相同なアミノ酸配列を含んで
    なり;前記DNA結合ドメインがGAL4タンパク質のDNA結合配列に相同なアミノ酸配
    列を含んでなり;前記リポーター遺伝子のオペレーターがGAL1遺伝子のGAL4タン
    パク質結合配列に相同なDNA配列を含んでなり;前記リポーター遺伝子がCAN1遺 伝子、URA3遺伝子およびLacZ遺伝子のコード配列からなる群より選択されるコー
    ド配列に相同なコード配列を含んでなる、請求項14記載のキット。
  16. 【請求項16】 前記第2のベクターがpYプラスミドおよびpGプラスミドか らなる群より選択されるものである、請求項15記載のキット。
  17. 【請求項17】 前記第1および第2の挿入部位に隣接する配列に相同なオリ
    ゴヌクレオチドプライマーをさらに含んでなる、請求項15記載のキット。
  18. 【請求項18】 前記第1のベクターがpBDHプラスミドおよびpBDLプラスミ ドからなる群より選択されるものである、請求項15記載のキット。
  19. 【請求項19】 細胞内での融合タンパク質間の相互作用をアッセイする方
    法であって、 転写リプレッサードメインおよび第1の異種アミノ酸配列を含んでなるprey融 合タンパク質をコードする組換え遺伝子を細胞に発現させ; DNA結合ドメインおよび第2の異種アミノ酸配列を含んでなるbait融合タンパク
    質をコードする組換え遺伝子を該細胞に発現させ; 検出可能な遺伝子産物をコードする組換えリポーター遺伝子を該細胞に付与し
    、ここで、該組換えリポーター遺伝子はbait融合タンパク質のDNA結合ドメイン と結合可能なオペレーターDNA配列を含んでなり、該リポーター遺伝子は、第1の
    異種アミノ酸配列と第2の異種アミノ酸配列が結合しない場合に発現され、第1の
    異種アミノ酸配列と第2の異種アミノ酸配列が結合する場合には抑制されるもの であり;ならびに 該検出可能な遺伝子産物の発現をアッセイする、 ことを含んでなる前記方法。
  20. 【請求項20】 前記細胞が酵母細胞であり、前記リポーター遺伝子がCAN1
    遺伝子のコード配列に相同なコード配列を含んでなり、前記検出可能な遺伝子産
    物の発現をアッセイする工程が該細胞をカナバニン上で増殖させることを含んで
    なる、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記細胞が酵母細胞であり、前記リポーター遺伝子がURA3
    遺伝子のコード配列に相同なコード配列を含んでなり、前記検出可能な遺伝子産
    物の発現をアッセイする工程が該細胞を5-FOA上で増殖させることを含んでなる 、請求項19記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記細胞が酵母細胞であり、前記リポーター遺伝子がGAL1
    遺伝子のコード配列に相同なコード配列を含んでなり、前記検出可能な遺伝子産
    物の発現をアッセイする工程が該細胞を2-デオキシガラクトース上で増殖させる
    ことを含んでなる、請求項19記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記細胞が酵母細胞であり、前記リポーター遺伝子がLacZ
    遺伝子のコード配列に相同なコード配列を含んでなり、前記検出可能な遺伝子産
    物の発現をアッセイする工程が該細胞をX-gal上で増殖させることを含んでなる 、請求項19記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記細胞が酵母細胞であり、前記リポーター遺伝子がHIS3
    遺伝子のコード配列に相同なコード配列を含んでなり、前記検出可能な遺伝子産
    物の発現をアッセイする工程が該細胞をヒスチジン欠乏培地上で増殖させること
    を含んでなる、請求項19記載の方法。
  25. 【請求項25】 細胞内における融合タンパク質間の相互作用を妨害する化
    合物の能力をアッセイする方法であって、 転写リプレッサードメインおよび第1の異種アミノ酸配列を含んでなるprey融 合タンパク質をコードする組換え遺伝子を細胞に発現させ; DNA結合ドメインおよび第2の異種アミノ酸配列を含んでなるbait融合タンパク
    質をコードする組換え遺伝子を細胞に発現させ、ここで、該第2の異種アミノ酸 配列は第1の異種アミノ酸配列と結合可能であり; 検出可能な遺伝子産物をコードする組換えリポーター遺伝子を該細胞に付与し
    、ここで、該組換えリポーター遺伝子はbait融合タンパク質のDNA結合ドメイン と結合可能なオペレーターDNA配列を含んでなり、該リポーター遺伝子は、第1の
    異種アミノ酸配列と第2の異種アミノ酸配列が結合しない場合に発現され、第1の
    異種アミノ酸配列と第2の異種アミノ酸配列が結合する場合には抑制されるもの であり; 外来の化合物を該細胞に添加し;ならびに 該検出可能な遺伝子産物の発現をアッセイする、 ことを含んでなる前記方法。
  26. 【請求項26】 前記細胞が酵母細胞であり、前記リポーター遺伝子がURA3
    遺伝子のコード配列に相同なコード配列を含んでなり、前記検出可能な遺伝子産
    物の発現をアッセイする工程が該細胞をウラシル欠乏培地上で増殖させることを
    含んでなる、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記細胞が酵母細胞であり、前記リポーター遺伝子がHIS3
    遺伝子のコード配列に相同なコード配列を含んでなり、前記検出可能な遺伝子産
    物の発現をアッセイする工程が該細胞をヒスチジン欠乏培地上で増殖させること
    を含んでなる、請求項25記載の方法。
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