JP2001515572A - 転がり支承された継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ピン（１）を有する継手は、内側部分（２）と、中間部分（６）と、ケーシング本体（８）と、フランジリング（１２）とから構成されていて、これら構成部分は、転がり軸受け（４，５，９，１０，１３，１４，１８，１９，２０）を介して互いに回転軸線（３，７，１５）を中心として旋回可能にもしくは回転可能に配置されている。本発明による構成によって有利には、摩擦抵抗及び旋回抵抗が比較的減少される同時に特に高い剛性を有する転がり支承された継手が得られる。本発明による継手は有利には、高い位置決め精度を得るためにヘキサポッド・システムの工作機械において使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 転がり支承された継手 発明の使用分野 本発明は、ピンを備えた継手であって、該ピンが、転がり軸受けを介して対応 配置されたケーシング内に旋回可能に受容されている構成部材を支持している形 式のものに関する。 発明の技術背景 ピンを受容する構成部材が球形状に構成されかつ旋回可能に球欠体内に受容さ れている場合には、継手は玉継手と呼ばれる。このような転がり支承された玉軸 受けは、例えばアメリカ合衆国特許第２９７１７７０号明細書から公知である。 ピンは、玉軸受けを介して回転可能に球形状の構成部材の平らな下面に固定され ていて、該構成部材は、その半球形状の面によって多数の小さな支承球を介して 球欠状の切欠き内に旋回可能に受容されている。このような玉継手は、自動車の 前輪懸架装置の領域で使用される。公知の転がり支承された玉継手の欠点は、一 面では多数の小さな支承球と球形状の構成部材との点接触に基づいて、高いヘル ツの接触圧力が生じかつ他面では継手の剛性が不十分であるということにある。 自動車産業以外に、継手の不十分な剛性が欠点とみ なされる使用ケースもある。これは工作機械分野において、あらゆる側に調整可 能な継手が工具を位置決めするために使用される場合に、該当する。この場合、 工具を正確なポイントに位置決めできる継手が必要である。 発明の説明 本発明の課題は、従来の玉継手の欠点を回避して、少なくとも従来の玉継手の 旋回角が得られるように、転がり支承された継手を改良することにある。 前記課題は、請求項１の特徴部分に記載の本発明による継手によれば、ピンが 内側部分によって受容されていて、該内側部分がその周面において転がり軸受け を介して、内側部分回転軸線を中心として旋回可能に中間部分内に受容されてお り、該中間部分がその周面において転がり軸受けを介して、内側部分回転軸線に 対して９０度だずらされて、中間部分回転軸線を中心として旋回可能にケーシン グ本体内に受容されており、該ケーシング本体がその周面に配置された転がり軸 受けを介して、内側部分回転軸線及び中間部分回転軸線に対して９０度だけずら されて、ケーシング本体回転軸線を中心として回転可能にフランジリング内に支 承されており、内側部分、中間部分及びケーシング本体の回転軸線が共通の点を 起点としていることによって、解決された。 継手の本発明による構成によって得られる技術的な 利点は、特に継手の高い剛性が得られかつこれに関連した高い位置決め精度が得 られるということにある。 継手の個々の構成部材の間に設けられる転がり軸受けによって、有利には摩擦 抵抗が比較的減少されひいては旋回抵抗も減少されるようになり、この場合、少 なくとも従来の玉継手の旋回能が得られる。 本発明の別の有利な構成は、請求項２乃至８に記載されている。 請求項２によれば、中間部分はディスク状に構成されて、Ｏ字形配置の互いに 向かい合って位置する２つのアンギュラニードル軸受けによって旋回可能に支承 されている。この場合アンギュラニードル軸受けとは、各転動体にかけられる押 圧力の作用方向がピンの縦軸線に対して斜めに延びることを、意味する。使用さ れるニードル軸受けによって、半径方向構造が短縮されるため、特にスペースを 節減した空間配置が保証される。 請求項３及び４では、ピンを受容する内側部分の異なる構成が示されている。 内側部分は、ディスク状に構成して、Ｘ字形配置の互いに向かい合って位置する ２つのアンギュラニードル軸受けによって支承できるか、又は、球形状に構成し て、Ｏ字形配置の２つのアンギュラニードル軸受けによって支承することができ る。 内側部分及び中間部分を受容するケーシング本体は 、請求項５によれば、クロスころ軸受けによって又はＸ字形配置の互いに向かい 合って位置する２つのアンギュラニードル軸受けによってフランジリング内に回 転可能に支承されている。両種の軸受けは機能の点で同等に並べられる。 請求項６記載の本発明の別の構成によれば、転がり軸受けにはプレロード又は 予圧がかけられる。プレロード又は予圧によって、継手の互いに内外に配置され た構成部材の半径方向変位が阻止されるので、特に高い位置決め精度が得られる 。 請求項７から明らかなように、ケーシング本体、中間部分及び内側部分は、２ 部分から構成されかつ固定ねじによって結合されて１つのユニットを成している 。このような２部分構成によって、転がり支承された継手の問題のない組立てが 保証される。 更に請求項８によれば、転がり支承された継手はヘキサポッド（Hexapod）・ システムの工作機械において使用されている。最新の前記工作機械は当業者にと って周知でありかつ従来の工作機械に比して減少した質量を移動させる。これに より、工作機械は高速の調節速度で運転され、この場合特にフレームと工具受容 部との間の剛性は極めて高い。このような工作機械は多数のアームから構成され 、該アームは一端でフレームにかつ他端で工具受容部に枢着固定されている。こ の場合、本発明による転がり支承された継手が有利に使 用される。 図面の簡単な説明 次に図示の実施例につき本発明を説明する。 図面の詳細な説明 第１図、第４図及び第５図は、ケーシング本体の回転軸線に沿った転がり支承 された継手の縦断面図。 第２図及び第３図は、第１図ＩＩ−ＩＩ線もしくはＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った 断面図。 第６図及び第７図は、第５図ＶＩ−ＶＩ線もしくはＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿った 断面図。 第８図は、ヘキサポッド（Hexapod）・システムによる工作機械の概略図。 第１図乃至第３図で種々の断面図で図示の継手は、内側部分２によって受容さ れるピン１を有している。内側部分２は、ディスク状に構成されていてかつ内側 部分回転軸線３に対して９０度だけずらされてピン１を受容している。内側部分 の周面は、軸方向で互いに向き合う端部で斜め外向きに面取りされているので、 回転軸線３に対して鋭角を成して延びる、２つのアンギュラニードル軸受け４， ５用の２つの転動軌道が形成されている。アンギュラニードル軸受け４，５を用 いて、ピン１を有する内側部分２は旋回可能に中間部分６内に配置される。この 場合、内側部分２はＸ字形配置の両アンギュラニードル軸受け４，５によって保 持されている。 内側部分２を受容する中間部分６は、矢張り内側部分２の回転軸線３に対して ９０度だけずらされて中間部分固有の回転軸線７を中心として旋回可能にケーシ ング本体８内に配置されている。このために、中間部分６の周面は、回転軸線７ に対して鋭角を成して内向きに傾斜した２つの転動軌道を備えていて、該転動軌 道に沿って、Ｏ字形配置で中間部分６を保持する２つのアンギュラニードル軸受 け９，１０が転動する。中間部分６は、ピン１の方向で上端に切り欠き１１を備 えていて、該切欠きは、中間部分内部でのピン１の旋回を可能にする。 ケーシング本体８はフランジリング１２内に、Ｘ字形配置の互いに向かい合っ て位置する２つのアンギュラニードル軸受け１３，１４を介してケーシング本体 回転軸線１５を中心として旋回可能に支承されている。この場合個々の構成部材 、つまり内側部分２、中間部分６及びケーシング本体８は、これら部分の回転軸 線３，７，１５が共通の点で交差するように、即ち、全ての３つの軸受け中心点 が同じ点に位置するように、互いに配置されている。更に第１図乃至第３図から 明らかなように、中間部分６及びケーシング本体８は２部分から構成されていて かつ固定ねじ１６，１７によって結合されて１つのユニットを成している。 第１図の実施例と第４図の実施例との相違点は、第４図で図示の継手がフラン ジリング１２内にクロスこ ろ軸受け（Kreuzrollenlager）１８を用いて保持されていることにある。継手の このような三重の転がり支承によって、転がり支承の既述の利点をもって玉継手 の場合のようにピン１によって所属の球欠体（ボールソケット）に関連した全て の位置を得ることができる。 第５図乃至第７図で図示の継手の特徴とするところは、固定ねじ２１によって 結合される２部分から成る内側部分２が球形状に形成されていてかつＯ字形配置 の２つのアンギュラニードル軸受け１９，２０を介して内側部分回転軸線３を中 心として旋回可能に中間部分６内に支承されていることにある。 第８図で図示の工作機械２８は、互いに内外に配置された管２２，２３から構 成された多数の伸縮アーム又はテレスコープアーム２４を備えている。伸縮アー ム２４は、一端でフレーム２５にかつ他端で工具受容部２６に枢着固定されてい る。工具受容部２６は、モータ２７によって駆動される工具（図示せず）を備え ている。単数又は複数の伸縮アームの進入もしくは進出によって、工具受容部２ ６はそれぞれ所望の位置に立体的に運動できる。図示の工作機械において本発明 による継手は、フレーム２５並びに工具受容部２６において有利に使用される。 符号リスト １ ピン ２ 内側部分 ３ 回転軸線 ４ アンギュラニードル軸受け ５ アンギュラニードル軸受け ６ 中間部分 ７ 回転軸線 ８ ケーシング本体 ９ アンギュラニードル軸受け 10 アンギュラニードル軸受け 11 切欠き 12 フランジリング 13 アンギュラニードル軸受け 14 アンギュラニードル軸受け 15 回転軸線 16 固定ねじ 17 固定ねじ 18 クロスころ軸受け 19 アンギュラニードル軸受け 20 アンギュラニードル軸受け 21 固定ねじ 22 管 23 管 24 伸縮アーム又はテレスコープアーム 26 工具受容部 27 モータ 28 工作機械

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ピンを備えた継手であって、該ピン（１）が、転がり軸受けを介して対応 配置されたケーシング内に旋回可能に受容されている構成部材を支持している形 式のものにおいて、前記ピン（１）が内側部分（２）によって受容されていて、 該内側部分（２）がその周面において転がり軸受け（４，５，１９，２０）を介 して、内側部分回転軸線（３）を中心として旋回可能に中間部分（６）内に受容 されており、該中間部分（６）がその周面において転がり軸受け（９，１０）を 介して、内側部分回転軸線（３）に対して９０度だずらされて、中間部分回転軸 線（７）を中心として旋回可能にケーシング本体（８）内に受容されており、該 ケーシング本体（８）がその周面に配置された転がり軸受け（１３，１４，１８ ）を介して、内側部分回転軸線（３）及び中間部分回転軸線（７）に対して９０ 度だけずらされて、ケーシング本体回転軸線（１５）を中心として回転可能にフ ランジリング（１２）内に支承されており、内側部分（２）、中間部分（６）及 びケーシング本体（８）の回転軸線（３，７，１５）が共通の点を起点としてい る（第１図乃至第７図）ことを特徴とする、継手。 ２．中間部分（６）がディスク状に構成されて、Ｏ字形配置の互いに向かい合 って位置する２つのアンギ ュラニードル軸受け（９，１０）によって旋回可能に支承されている（第２図、 第３図、第６図及び第７図）、請求項１記載の継手。 ３．内側部分（２）がディスク状に構成されて、Ｘ字形配置の互いに向かい合 って位置する２つのアンギュラニードル軸受け（４，５）によって旋回可能に支 承されている（第１図及び第２図）、請求項１記載の継手。 ４．内側部分（２）が球形状に構成されて、Ｏ字形配置の２つのアンギュラニ ードル軸受け（１９，２０）によって旋回可能に支承されている（第５図及び第 ６図）、請求項１記載の継手。 ５．ケーシング本体（８）がフランジリング（１２）内に、クロスころ軸受け （１８）又はＸ字形配置の互いに向かい合って位置する２つのアンギュラニード ル軸受け（１３，１４）によって回転可能に支承されている（第１図、第３図、 第５図及び第７図）、請求項１記載の継手。 ６．転がり軸受け（４，５，９，１０，１３，１４，１８，１９，２０）が予 圧をかけられている、請求項１記載の継手。 ７．ケーシング本体（８）、中間部分（６）及び内側部分（２）が、２部分か ら構成されかつ固定ねじ（１７．１６．２１）によって結合されて１つのユニッ トを成している（第１図、第２図、第３図、第４図、 第５図及び第６図）、請求項１記載の継手。 ８．継手が、ヘキサポッド・システムの工作機械において使用されている（第 ８図）、請求項１記載の継手。