JP2001514543A - フープステント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明はステント（１）であり、このステントは単一のワイヤ（２）からなり、該ワイヤは、半径方向にオフセットされたストラット（７）で接続されたフープ（５）に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】 フープステント 発明の属する技術分野 本発明は、管外科手術用のステントに関する。 従来の技術 血管系に使用する多岐に渡るステントの形状が提案されている。典型的には、 ステントは、血管内で何らかの腫瘍により閉じられたもしくは閉塞されたある長 さの血管を広げたまま保持することに使用される。バルーン拡張ステントと自己 拡張ステントは、商業的に入手可能であり、数々の管障害の治療に使用され貢献 している。ダス（Das）の米国特許第５、５５４、１８１号（１９９６年９月１ ０日）のステントは、一本のワイヤにより作られた、多数のフープの全てが半径 方向に配置されたスパインに接続しているワイヤステントを開示している。ヒル ステッド（Hillstead）の米国特許第４、８５６、５１６号（１９８９年８月１ ５日）の血管内ステント（Endovascular Stent）装置とその方法も同様である。 このステントは、カテーテルプレッシャーにより折りたたまれ、体内に放す前に 、カテーテルシースの内側に保持される。これらのステントは、カテーテルシー スの内側に合うように半径方向に圧縮され、弾性的に拡張されるかもしくはバル ーンにより被弾性的に拡張されてもよい。それらは、直径を減少させるために長 手方向の軸に沿って引伸ばされたり、伸長され得るものではない。 発明の概要 本明細書に記載のステントとステントデリバリーシステムは、血管や身体の他 のルーメンの中に挿入するために設計されている。自己拡張ステントは、小径 （０．００５インチ）の１本のニチノールワイヤからなり、まず始めにその中間 部分で一回折り曲げて重ねられる。それから、その一対のワイヤは、管状治具の 周囲に導かれて、フープを形成され、２本により合わせることによるかもしくは 点溶接することにより接合されて、ストラットを形成し、次に管状治具の周囲に 導かれて、別のフープを形成され、さらに結び合わせられて、別のストラットを 形成され、必要とされる数のフープが形成されるまで繰り返される。ステントは 、その長手方向の軸に沿って伸長されると、フープは、ステントの長手方向の軸 とステントの半径とのほぼ中間にある角度で位置する楕円形状に変形され、ステ ントの全ての直径は、この変形により減少する。 ステントを配備（deploy）するために、小さいカテーテル（3−F）の表面上に 完全に伸長される。カテーテルは、低い輪郭（low-profile）のフックを備えた 特別に設計された傾斜チップガイドワイヤ（angled tip guide wire）を有する 。拘束された（constrained）ステントの先端は、フックに引っ掛けられる。そ のフックは、穴を通りカテーテルのルーメンから出て、別の穴を通りカテーテル の中へ戻る。単繊維の回収ループは、配備カテーテル（deployment catheter） の基端側からステントの基端側まで進む。回収ループの基端は、３−Ｆカテーテ ルのシャフトの基端に取り付けられたスライドリングに固定される。ステントを 最終的に解放する前に、ステントの初期の配置における誤りを修正するために、 回収ループは、スライドリングを介して操作され、ステントを引っ張る。ステン トが適正に配置された後、回収ループは、切断され、デリバリーカテーテルから ステントを解き放つ。ステントは、配備を容易にする、熱による形状記憶性もし くは擬似弾性性を有する。 図面の簡単な説明 図１は、ステントを示す。 図２は、デリバリーカテーテルの上に載せるために伸長された状態にあるステ ントを示す。 図３は、ステント用のデリバリーカテーテルの断面図を示す。 図４は、ステント用のデリバリーカテーテルを示す。 図５は、ステント用のデリバリーカテーテルの半径方向断面図を示す。 詳細な説明 図１は、拡張状態のステントを示す。ステント１は、１本のワイヤ２からなり 、中点３のような、ワイヤに沿ったある１点で折り曲げ、２本のワイヤセグメン トからなるある長さのダブルワイヤを形成する。ダブルワイヤには、複数のひね られた部分４が、ダブルワイヤをフープの形になるように引き離すことにより形 成された複数のフープ（hoop）５とともに、散在されている。そして、ダブルワ イヤは、ひねられた部分４とフープ５の間の各接合点（junction）６のところで 、それぞれのフープ５とひねられた部分４との間で約９０度の角度をなすように 曲げられる。ひねられた部分４は、連続するフープ５の間において、半径方向に 交互に対向するストラット（strut）もしくはスパイン（spine）７を創設してい る。ワイヤ２の自由端８は、図示するようにひねられてフリースパインとするこ とが好ましい、もしくはお互いに接合されてもよい。この配置におけるフープは 、ステントの長手方向軸を規定する共通軸９に沿って整列させられ、それらのフ ープは、お互いに対してほぼ平行に向けられている。ステントは、フープ径１０ によって決定される拘束されない直径（unconstrained diameter）を持つ。フー プは、全て同じ直径であるか、もしくは異なる直径であってもよい。そして、フ ープの大きさがステントの一端から他端まで増加するようなフープを形成するこ とは、特に有効である。ストラットは、全て等しい長さであるか、異なる長さで あってもよい。２つのワイヤセグメントを相互により合わせることによって形成 されるように図示されているが、ストラットは、そのセグメントをお互いに溶接 することによるか、またはワイヤの強度が許す限り平行に並ぶようにセグメント を成形することによって形成されてもよい。ここにおいて、ステントは、２本の 分離したワイヤから形成されてもよいが、この場合、末端のフープ５ｄの自由端 ストラット、またはステントのどこかに設けられる接合点が必要であることに留 意する必要がある。 図２は、デリバリーカテーテルの上に装着されて、引き伸ばされた状態にある ステントを示す。その引き伸ばされた状態において、フープ５は、ステント１の 長手方向軸９からある角度に向けられて傾いている楕円１１の形に伸張されてい る。その角度は、ステントの長手方向軸とステントの半径１２とがなす角の中間 である。このようにして、ステントの全体的な直径は、長手方向軸に沿って引き 伸ばされることにより十分減少する。ストラットが半径方向に整列していないこ とが、垂直方向の引き伸ばしまたはステントにおける全てのフープの変形を可能 にしている。図示してあるように、それぞれのストラットは、他の側のストラッ トと半径方向に対向している。これは、前のストラットもしくは後のストラット に対してそのステントの反対側に位置することを意味する。隣接するストラット が１８０度離れていると、フープの最大伸長は、単にステントの両端を引っ張る ことにより達成される。直接向かい合わせ、すなわち正確に１８０度の向かい合 わせは、この構造の利点を享受することには要求されない、またストラットが半 径方向に整列していないことで十分である。 ステントワイヤ２は、ニチノール（または他の形状記憶材料）のような形状記 憶合金、ニチノールのような擬似弾性もしくは超弾性合金（もしくは他の擬似弾 性もしくは超弾性材料）、ステンレス鋼のようなばね金属、および他の適する材 料により形成されるのが好ましい。形状記憶ニチノールもしくは超弾性ニチノー ルから形成されると、ステントは、図１に示す形状にトレーニングされ（traine d）、選択された遷移温度での形状記憶性質によりもしくは体温での超弾性性質 により、復元する。材料の組成とトレーニングの統制は、これらの性質を持つこ とに重要である。ステンレス鋼のような弾性材料もまた使用してもよく、図１の 形が材料の弛緩状態であり、図２において示すような形状に引き伸ばされた後、 弾性的に復元するように作られることが好ましい。従来のステントのように、ス テントは、ステント内に位置するバルーンを膨張させることにより配備させられ てもよい。 図３は、図１と図２において示すフープステント用のデリバリーカテーテルの 断面図を示す。デリバリーカテーテル１３は、マルチルーメンカテーテルであり 、好ましくは、案内ワイヤルーメン１４と保持ループルーメン１５の少なくとも ２ つのルーメンがあるとよい。案内ワイヤ１６は、案内ワイヤルーメン１４内に配 置され、保持ループ１７は、保持ループルーメン１５内に配置される。案内ワイ ヤ１６は、０．０１２ｍｍの冠状動脈のガイドワイヤのような、いかなる有効な ガイドワイヤでもよく、図に示すように傾けられるかもしくは曲げられたソフト チップ１８を有するのが好ましい。保持ループ１７は、金属、縫糸、ナイロンも しくは他の適する材料により形成される小径のワイヤもしくは糸が好ましい。デ リバリーカテーテル１３は、ポリエチレン、ポリエステールもしくは他の適する カテーテル用材料により形成されるのが好ましく、都合のよい長さ（冠状動脈に 使用するのに適する約１００から１３５ｃｍ）と直径（冠状動脈に使用するのに 適する約３フレンチ（１ｍｍ））内に形成されることが好ましい。 案内ワイヤ１６は、該案内ワイヤの末端の数センチメートル基端側で、デリバ リーカテーテル１３とステント１の両方の末端に対応する位置に、保持フック１ ９を取り付けて付加することにより修正されている。図３に示すように、デリバ リーカテーテル１３は２つの保持フック開口２０ｄと２０ｐを有している。保持 フックは、その基端側開口２０ｐを出て、末端側開口２０ｄを通ってカテーテル に再び入る。フックの外部２１は、保持フックとデリバリーカテーテルの間でス テント１の一部を捕らえる。 保持ループ１７は、開口２２ｐと２２ｄの組みを縫うように通される。保持ル ープ１７は基端側開口２２ｐを通って保持ループルーメンに入り、末端側開口２ ２ｄを通ってルーメンから出て、そこでステントの末端でワイヤ２の一部を取り 巻いてループになる。保持ループの基端２３は、デリバリーカテーテルの基端に スライド可能に装着されたスライドリング２４に固定される。図５は、図３と図 ４のａ−ａ断面におけるデリバリーカテーテルの半径方向断面を示し、案内ワイ ヤルーメン１４の内側に案内ワイヤ１６を備え、保持ループルーメン１３の内側 に保持ループ１６を備えている。 デリバリーカテーテル１３のステント１の位置は、図３と図４に示されている 。ステントは、フープを平坦にするために引伸ばされる。末端側フープ５ｄは、 保持フック１９によって保持される一方、基端側フープは５ｐは保持ループ１７ によって保持される。ステントが保持ループと保持フックの間で引伸ばされるた め、 フープ５とスパイン７はデリバリーカテーテルに対して引っ張られ、全アセンブ リの外径は拡張されたステントの外径に比べて減少される。 使用に際して、冠状動脈（またはステントされる他の血管）の主脈幹にカテー テルを入れるのに、案内カテーテルを使用する。案内カテーテルを大腿動脈に径 皮的に挿入し、ステントされる環状動脈の近傍に押し込む。デリバリーカテーテ ル、好ましくは完全に引伸ばされたステントを備えたａ３Ｆダブルチャンネルカ テーテルを案内カテーテルのルーメンに進入させる。カテーテルーステントユニ ットを血管に進入させ、ステントの先端を適正位置に置く。第１ステップとして 、スライドリングをアンロックし、末端側にゆっくり移動させて、ステントを非 拘束径（unconstrained diameter）にする。スライドリングを注意深く使用する とともにステントの熱記憶を利用することで、円滑で制御された配備を達成する ことができる。この時点で、案内カテーテルに取り付けられたチェックフローア ダプター（Check−flow adapter；不図示）のサイドポートを介して、いくらか のコントラスト（contrast）を注入することができる。配備が不満足であると考 えられる場合には、保持ループがその再配置の機会を提供する。カテーテルの上 でスライドリングを（基端側に）引き戻すことにより、再びステントを完全に引 伸ばすことができる。デリバリーカテーテルの位置は保持ループ１７を介して操 作することで変更することができ、またステントを再び配備することができる。 配備が完了すると、保持ループ１７のストランドの一つを切断し、保持ループ１ ７を引き出す。（これにより、保持ループは解放／回復ループとしても役立つ。 保持ループ１７は回復機能を利用することなく有益にしようすることができるこ とに注意。）この動作の後、案内ワイヤ１６をデリバリーカテーテル内で基端側 に引き、ステントを保持フックからの係合を解く。案内カテーテルとデリバリー カテーテルを互いに完全に取り除く。 以上、装置および方法の好ましい実施例をそれらが発揮される環境を参照して 記載したが、それらは本発明の原理の実証例にすぎない。他の実施例や形態は本 発明の精神と請求の範囲から逸脱することな想到することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウォレス，シドニー アメリカ合衆国77030テキサス州ヒュース トン、ホルコウム・ブールバード1515番、 エムディ・アンダーソン・キャンサー・セ ンター (72)発明者 ライト，ケネス・シー アメリカ合衆国77030テキサス州ヒュース トン、ホルコウム・ブールバード1515番、 エムディ・アンダーソン・キャンサー・セ ンター

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．身体のルーメン内で使用するためのワイヤフレーム構造において、 一連のワイヤフープからなり、 該ワイヤフープは、長手方向に整列し、ほぼ平行な複数の面内にあり、各フー プの中心を通るほぼ共通の軸に沿っており、 それらの連続したフープは、一方のフープから他方のフープに延びるストラッ トによって接続され、 前記ストラットは、半径方向に一致しない状態に配置されていることを特徴と するワイヤフレーム構造。 ２．身体のルーメン内で使用するためのワイヤフレーム構造において、 複数のフープからなり、 該複数のフープは、互いにほぼ平行に配置され、それらの中心によって規定さ れる軸に沿って間隔を置かれ、 前記複数のフープは、隣接するフープ間でストラットによって接続され、 一対のフープを接続する各ストラットは、隣接するストラットから半径方向に オフセットしていることを特徴とするワイヤフレーム構造。 ３．身体のルーメンに設置されるステントにおいて、 一連のフープからなり、 各フープは、隣接するフープにストラットによって接続され、 一方のフープを次の連続するフープに接続するストラットは、次のストラット に半径方向に対向し、該次のストラットは、次の連続するフープを第２の連続す るフープに接続することを特徴とするステント。 ４．前記ステントは、ワイヤの第１と第２の２つのセグメントからなり、 該ワイヤの第１と第２のセグメントは、フープを形成する複数の対向する半円 屈曲部を有し、 該複数の対向する半円屈曲部は、前記ワイヤの第１と第２のセグメントの各々 にあってストラットを形成するほぼ直線部によって分離され、 前記ワイヤの第１と第２のセグメントは、フープとストラットの間の各接合部 の近傍で屈曲され、 前記フープの平面の中心が共通軸に沿って整列するようにした請求項３に記載 のステント。 ５．前記ワイヤの２つのセグメントは、該ワイヤの２つのセグメントを形成する ために曲げられる単一長さのワイヤの部分である請求項４に記載のステント。 ６．前記ストラットは、前記ワイヤの第１と第２のセグメントのほぼ直線部を絡 み合わせることによって形成されている請求項４に記載のステント。 ７．ステントおよびステントデリバリーシステムにおいて、 前記システムは、ストラットにより接続された複数のフープからなるステント を有し、 前記ステントは、少なくとも１つのルーメンを有する挿入カテーテルチューブ に装着され、前記挿入カテーテルチューブは、前記ステントの末端近傍に保持ク リップ側開口を有するとともに前記ステントの基端近傍に保持ループ側開口を有 し、 前記システムは、前記挿入カテーテルチューブの基端から前記ルーメンを通っ て前記保持ループ側開口の外に延びるとともに前記ステントに係合して該ステン トを挿入カテーテルチューブに固定する保持ループを有し、 前記システムは、前記挿入カテーテルチューブのルーメンから前記保持クリッ プ側開口の外に延びるとともに前記ステントに係合して該ステントを挿入カテー テルチューブに固定する保持クリップを有し、 前記保持クリップは、前記挿入カテーテルチューブのルーメン内のワイヤに操 作可能に接続され、ここで前記ワイヤは、前記挿入カテーテルチューブの基端へ 延びて、前記保持クリップを前記ステントとの係合状態から退避させるよう操作 可能であり、 前記保持ループは、前記ステントを前記保持ループによる保持状態から解放す るように切断可能であることを特徴とするステントおよびステント供給システム 。 ８．前記ステントは、非拘束径（unconstrained diameter）と長手方向の引伸ば し径（stretched diameter）に特徴があり、前記引伸ばし径は非拘束径より小さ く、 前記ステントは、小さな引伸ばし径にある前記挿入カテーテルチューブに装着 されて、前記保持ループと前記保持クリップにより前記挿入カテーテルチューブ に固定され、 前記ステントは、前記保持クリップを前記ステントとの係合状態から退避させ るとともに前記保持ループを切断して前記ステントを前記保持ループによる保持 状態から解放することにより、前記挿入カテーテルから解放され、これにより前 記ステントは、その非拘束径に拡張する、請求項７に記載のステントおよびステ ントデリバリーシステム。 ９．前記ステントは形状記憶合金からなる請求項７に記載のステント。 １０．前記ステントは擬似弾性材料からなる請求項７に記載のステント。 １１．前記ステントは形状記憶ニチノールからなる請求項７に記載のステント。 １２．前記ステントは擬似弾性ニチノールからなる請求項７に記載のステント。 １３．前記ステントは形状記憶合金からなる請求項３に記載のステント。 １４．前記ステントは擬似弾性材料からなる請求項３に記載のステント。 １５．前記ステントは形状記憶ニチノールからなる請求項３に記載のステント。 １６．前記ステントは擬似弾性ニチノールからなる請求項３に記載のステント。