JP2001513659A - カテーテルシース内の作動要素の長手方向移動を制御する装置および方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 作動要素ムーバー（２２）は、超音波画像又は中空シース（６）及び回転ドライバ１０を収容するケース（１６）とを含む他のカテーテルシステム（２）の一部として用いられる。シースの中には、ドライブケーブル又は他の連結部材（８）が配置され、その遠位端にトランスジューサ（２４）が設けられ、また、近位端（１２）に回転ドライバ（１０）が連結されている。回転ドライバ（１０）は、シース（６）の長手方向軸線（１４）を中心にしてトランスジューサ（２４）を回転させる。止血弁（５０）はシース（６）を患者に固定し、そこからシース（６）が患者の中に入る。トランスジューサ・ムーバー（２２）は、ドライブケーブルをその長手方向軸線に沿って移動させるのに用いられ、また、ケースに対して着脱自在な本体（３８）と、可動アンカ・ポスト（４０）とを含む。このアンカ・ポスト（４０）は、シースにクリップ止めされ、また、シース・アンカ・ドライブ（４６）によって動かされて、シースをケースから又はケースに向けて並進運動させる。これにより、トランスジューサは、シースの中を長手方向（５２）に沿って近位方向又は遠位方向に移動することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 カテーテルシース内の作動要素の長手方向移動を制御する装置および方法 発明の背景 本発明は、一般的にカテーテル装置に関し、より詳しくは、患者の身体の中に 入れたカテーテル移送式手術装置、たとえば回転可能な超音波トランスジューサ 、光ファイバまたはアテローム切除カッタの長手方向移動を制御することができ る長手方向ムーバーに関する。 アテローム性動脈硬化症として知られる動脈硬化は、血管の壁に脂肪様物質（ アテロームまたはプラクと呼ばれる）が堆積することから生じる普遍的な病気で ある。このような付着物は、身体の四肢に血液を供給する末梢血管にも心臓に血 液を供給する冠状血管にも生じる。付着物が血管の限定された領域に蓄積すると 、血管の狭窄または狭細が生じる。血流が制限され、人の健康が損なわれること 甚だしくなる。 このような血管付着物を縮小させて取り出す方法が多数提案されてきた。いく つかの例を挙げると、先端にバルーンの付いたカテーテルを使用してアテローム 領域を膨張させるバルーン式血管形成術とか、付着物に沿ってあるいはそれを貫 いて押したり、引いたりするその他の装置、たとえば、刃あるいは切削ビットを 使用してアテロームを切断して取り出すアテローム切除法、電気火花でプラクを 焼灼する火花ギャップ縮小法、レーザ・エネルギを使用してアテロームの少なく とも一部を除去するレーザ血管形成法、ステントを用いて血管を切開する方法な どがある。 このような装置を使用する際に重大な困難が２つある。装置を一定の並進速度 を維持することと、処置しようとしている血管領域の画像および情報を得ること が困難なのである。いくつかの画像診断技術が提案されている。画像診断のため に超音波トランスジューサを機械的に回転させるカテーテルが、米国特許第4,79 4,931号、同第5,000,185号、同第5,049,130号及び同第5,024,234号に開示されて いる。これらのカテーテルは、カテーテル軸線に対して垂直な平面にお いてスキャンする。位相配列画像処理システムを使用するカテーテルが、米国特 許第4,841,977号および同第4,917,097号に開示されている。光ファイバ画像診断 構成要素を使用するカテーテルもまた公知である。 一般に、付着物は血管の長さ方向に沿って延びている。付着物の異なった部分 を見るためには、医師は、普通、たとえば、カテーテルを押したり、引いたりし て画像診断カテーテルの近位端に取り付けたハンドルを血管に沿って移動させる 。 コンピュータ支援再構築アルゴリズムを使用する画像診断によれば、医師は二 次元あるいは三次元で患者内部の血管内構造の画像を見ることができる(すなわ ち、いわゆる三次元または長手方向視界再構築である)。この点について、画像 再構築アルゴリズムは、代表的には、データ平均化技術を使用するものであって 、隣接した対のデータ・サンプル間の血管内構造が単純にこれら各データ・サン プルの平均となるということを仮定している。したがって、このアルゴリズムは 、グラフィック「フィルイン(fill in)」技術を使用して検査している患者の血 管系の選定断面を描画する。もちろん、データ・サンプルが充分に接近していな い場合には、病巣または他の血管異常あるいはこれら両方は実際に検知されない ままとなる可能性がある(すなわち、これらの異常が一対のデータ・サンプルの 間に存在し、前述した画像再構築アルゴリズムによって「マスクをかけられる」 可能性があるからである)。 熟練した医師でさえ、手動で超音波画像診断装置を充分に遅い一定速度で長手 方向に並進移動させる（こうすることによって、隣接のデータ・サンプル間の分 離距離を正確に知ることができる）ことは実際的に不可能である。それに加えて 、手動並進運動によれば、医師は普通の二次元断面画像を観察しながら並進運動 装置を操作しなければならない。医師のこの注意力分散および充分に遅い一定並 進運動速度を得ることの難しさにより、診断情報を若干取り逃がす可能性がある 。診断情報を取り逃がすリスクを最小限にするためには、患者にとってつらいか もしれない画像診断走査時間を長くすることが必要である。同様に、アテローム 切除カテーテルその他のインターベンション式装置の並進速度を手動で制御し、 血管その他の体腔を通して長手方向に進めたり、後退させたりすることは医師に とって難しい。 米国特許第5,485,466号が、長手方向並進組立体を使用して患者脈管系の１区 間内で長手方向に精密な一定速度で並進させることができる超音波画像診断トラ ンスジューサを開示している。この長手方向並進組立体は回転ドライブ組立体全 体を移動させてトランスジューサの所望の長手方向運動を得る。このような能力 によって、一連の正確に分離したデータ・サンプルを得ることができ、それによ って、超音波でスキャンした血管部分のゆがんだあるいは不正確な再構築または これら両方を（排除しないまでも）最小限に抑えることができる(すなわち、よ り多くの数のより接近したデータ・サンプルを確実に得ることができるからであ る)。また、このような組立体は「ハンドオフ(hand-off)」要領で操作すること ができ、医師がすべての血管部分を確実に表示しながらその注意力をすべてリア ルタイム画像に集中させることができる。このような長手方向並進組立体の作業 は良好なものであり得るが、その反面、それは比較的大きく、かさばって重く、 高価である。そして、滅菌のために回転ドライブ組立体および長手方向並進組立 体を別個の滅菌ドレープ（プラスチック袋）内に梱包するという理由で、セット アップが厄介である。 発明の概要 本発明は、カテーテル装置のカテーテルシース内で作動要素、たとえば超音波 トランスジューサ、光ファイバ、回転カッタ等の長手方向移動を制御するための 装置に向けたものである。この装置は、セットアップ、使用が簡単であり、軽量 であり、所望に応じて使い捨て可能とするに足るほど構造簡単であり、回転作動 要素の場合、回転ドライブ組立体全体を移動させるように設計した長手方向並進 組立体の体積、重量を削減することができる。 本装置は、ケースと、近位端および遠位端を有する中空のシースと、シース内 に収容され、作動要素（たとえば、超音波トランスジューサ、光ファイバまたは 回転可能なカッタ）を遠位端に有する連結部材（たとえば、ドライブ・ケーブル ）とを含んでいる形式のカテーテル装置の一部として使用することができる。ケ ースは、ハンドル、カテーテル・ハブ組立体、以下により詳しく説明するような 回転可能な作動要素を回転させるモータ・ドライブ・ユニット、あるいは、連結 部 材の近位端に取り付けることができる任意他の構成要素を含み得る。連結部材の 近位端はケースに連結され、相対的な長手方向移動を防ぐ(相対回転運動はしば しば望まれることになる)。止血弁その他のシース・患者アンカを使用して、シ ースが患者に入る部位で患者にシースの中間部分を固定することができる。 作動要素ムーバーが、連結部材およびシースの近位端付近に連結され、それを 用いてシースの長手方向軸線に相対的に作動要素を長手方向に並進させる。作動 要素ムーバーは、ケースに固定したり、取り外したりすることができるように構 成したボデーと、ボデーに相対的に第１、第２の長手方向に隔たった位置で移動 できるようにボデーに可動状態で装着したシースアンカとを含んでいる。シース アンカはシースに沿った選定位置でシースに固定可能である。作動要素ムーバー は、また、シース上の選定位置と連結部材近位端のと間の長手方向の距離が変化 する（すなわち、増加または減少する）ように第１、第２の位置間でシースアン カを移動させるシースアンカ・ドライブも含んでいる。この運動によって、シー ス内の作動要素の長手方向位置を変化させる(すなわち、近位方向または遠位方 向に移動させる)。 本発明の主要な利点の１つは、シース、ドライブ・ケーブルその他の連結部材 を連結するケースを移動させることなくシース内のトランスジューサまたは他の 作動要素の制御された長手方向移動を達成することができるという認識から生じ た結果である。これにより、本発明の作動要素ムーバーを、上述したように回転 ドライブ組立体のケースに直接装着した従来の組立体よりも小さくかつ軽くする ことが可能となる。 一実施例によれば、ケースおよび作動要素ムーバーの両方を単一の滅菌ドレー プ（代表的にはプラスチック袋）内に入れることができる。したがって、装置の セットアップおよび使用が、回転ドライブ組立体と線形トランスジューサ・モジ ュールを別個の滅菌バッグに入れる三次元画像処理システムのような装置と比べ て非常に簡単となる。本発明によれば、作動要素ムーバーは充分に簡単かつ低コ ストであり、滅菌使い捨て構成要素として配布することができ、その結果、回転 ドライブ組立体のみを滅菌ドレープ内に置く必要があるだけである。 本発明によれば、シースの一部だけを移動させる。したがって、シースアンカ ・ドライブは、従来の超音波画像処理システムの回転ドライブ組立体全体を長手 方向に並進させるのに使用される従来の長手方向並進器で必要とする場合よりも かなり小さくなる。これによって、シースアンカ・ドライブを比較的小さい電池 で作動させ、別個の電源コードまたは機械的なドライブ・ラインを必要とせず、 作動要素ムーバー全体を内蔵式とすることができる。 典型的な実施例は作動要素として回転可能な超音波トランスジューサの使用を 開示している。他の画像診断装置は、たとえば、位相配列超音波トランスジュー サ(たとえば、米国特許第4,841,977号および同第4,917,097号に開示されている ようなもの)、光学コヒーレント断層撮影装置（米国特許第5,321,501号に開示さ れているようなもの）および他の光ファイバ視覚化装置を、作動要素として使用 し得る。作動要素は、作業遂行装置、たとえば、アテローム切除装置（米国特許 第4,794,931号参照）または他のカッタ装置、レーザ切除装置(米国特許第5,029, 588号参照)、ＲＦエネルギ切除装置および他の切除エネルギ給送装置であっても よい。前記特許の各々の全開示内容を本願明細書において参考資料として援用す る。 本発明の他の特徴および利点は、好ましい実施例を添付図面に関連して説明し た以下の説明から明らかとなろう。 図面の簡単な説明 第１図は、本発明に従って作った作動要素ムーバーの等角投影図である。 第２Ａ図および第２Ｂ図は、従来の超音波画像処理システムの概略横断側面図 である。 第３Ａ図および第３Ｂ図は、本発明の動作を概略的に示す。 第４図は、第１図の作動要素ムーバーの部分展開等角投影図であり、ムーバー ・ボデーの頂部がムーバーの他の部分から隔たっている状態を示す図である。 第５図は、ケース頂部を除いた、第４図の作動要素ムーバーの展開等角投影図 である。 第６図は、第１、４図の作動要素ムーバーの、反対側から見た等角投影図であ り、作動要素ムーバーのボデーに設けた開口を示す図である。 第６Ａ図は、第６図と同様であるが、作動要素ムーバーを破線で示す図である 。 第７Ａ、７Ｂ図は、第１図の組立体をシースの遠位端と共に示しており、アン カ・ポストが第７Ａ図の近位位置から第７Ｂ図の遠位位置まで移動したときに生 じるシースの弓なり状態を拡大して示す図である。 第８図は、本発明のカテーテル装置の一部となり得る位相配列超音波画像診断 カテーテルを示す。 第９図は、本発明のカテーテル装置の一部となり得る光学コヒーレント断層撮 影カテーテルを示す。 第１０図は、本発明のカテーテル装置の一部となり得るレーザ切除カテーテル を示す。 第１１図は、本発明のカテーテル装置の一部となり得るアテローム切除カテー テルを示す。 典型的な実施例の説明 本発明に従って作ったカテーテル装置の典型的な実施例は、回転ドライブ組立 体４（第１図）を含んでいる。この回転ドライブ組立体からドライブ・ケーブル ８のような連結部材を収容する可撓性シース６が延びている(第３Ａ図)。回転ド ライブ組立体４は従来構造のものであってもよい。たとえば、米国特許第５，４ ８５，８４６号に示されているもの、あるいはマサチューセッツ州のナティック にあるBoston Scientific CorporationがAutomatic Catheter Pullback Device （カタログ番号、A７０１５）およびMotor Drive Unit（カタログ番号、１５０ １８）として販売しているものでものであってもよい。以下に論議することを除 いて、回転ドライブ組立体４の特定の構造は本発明の部分ではなく、ここでは詳 細に説明しない。 回転ドライブ組立体４は、ドライブ・ケーブル８の近位端１２に連結した回転 ドライバ１０（第３Ａ図を参照のこと）を含み、ドライブ・ケーブル８をシース の長手方向軸線１４を中心にして回転させる。回転ドライブはケース１６の中に 収容されている。回転ドライバ１０は、ケース１６の外部にある電源（図示せず ）に接続してある。シース６の近位端１８もケース１６内に収容されており、ケ ー ス１６に形成した開口２０を貫通している。ケース１６に対して装着可能、取り 外し可能である作動要素ムーバー２２の構造を説明する前に、従来の方法−ドラ イブドライブ・ケーブル８の遠位端２６でトランスジューサ２４の長手方向移動 を行う普通の方法を第２Ａ、２Ｂ図を参照しながら説明する。 第２Ａ図は、回転ドライバ１０aを収容するケース１６ａを有する普通の回転 ドライブ組立体４aを示す。回転ドライバ１０aはドライブ・ケーブル８aの近位 端１２aに連結してあって、それを駆動してトランスジューサ２４aを回転させ、 所望の画像を得る。普通、適当な普通の信号線がドライブ・ケーブル８aに沿っ て敷いてあり、トランスジューサ２４aに接続してあるが、ここでは図示もしな いし、説明もしない。所望の三次元の画像を生成するために、回転ドライブ組立 体４aは長手方向ドライブ組立体２８に装着してある。ドライブ組立体２８は、 回転ドライブ組立体全体を第２Ａ、２Ｂ図に示すようにドライブ組立体２８のベ ース３０上で長手方向に移動させるように構成した長手方向ドライバ２９を含ん でいる。長手方向ドライブ組立体２８は、シース６Ａに沿った選定位置３４に固 定したアンカ・ポスト３２も含んでいる。したがって、回転するドライブ組立体 ４aが長手方向に矢印３６（第２Ｂ図に示す）の方向に移動したとき、シース６a は所定位置に保持され、一方、ドライブ・ケーブル８aはシース６aを通して長手 方向に引かれ、トランスジューサ２４aを再位置決めする。上述したように、こ の形式の構成を用いる場合に生じる問題は、長手方向ドライブ組立体２８が比較 的、大きく、重く、使用煩雑であり、購入するには高価であるということである 。 以下、作動要素ムーバー２２を概略的な形態で示す第３Ａ、３Ｂ図を参照しな がら本発明を説明する。シース６は縮径入れ子部分３７を含み、この部分は一端 が主シース部分３９内に嵌入し、他端が近位端アダプタ４１（第６Ａ図）から延 びている。このようなカテーテル構造は、米国特許第5,314,408号に一般的に記 載されており、この米国特許の全開示内容を参考資料としてここに援用する(特 にその第１１Ａ、１１Ｂ図を参照のこと)。トランスジューサ・ムーバー２２は 、固定位置でケース１６に取り外し自在に装着したボデー３８と、ボデー３８に よって形成された支持面に沿って摺動するドライブ・ラック４２から延びるアン カ・ ポスト４０とを含んでいる。アンカ・ポスト４０は、開示した実施例においては 、シース部分３３の近位端４５で主シース部分３９にクリップ止めされるように 構成してある。トランスジューサ・ムーバー２２は、また、ドライブ・ラック４ ２に係合し、第３Ｂ図の矢印４８の方向にアンカ・ポスト４０を移動させるシー スアンカ・ドライブ４６を含んでいる。このとき、主シース部分３９の近位端４ ５をドライブ・ケーブル８の近位端１２および入れ子シース部分３７の近位端１ ８から遠位方向に離れるように移動させる(ここで、ドライブ・ケーブルおよび 入れ子シース部分はベース３８に対して動かないケース１６内に長手方向に固定 してある)。主シース部分３９の遠位方向移動の結果として、入れ子部分３７は 第３Ｂ図に示すようにさらに露出させられる。シース部分３９のこのような遠位 方向延長によって、ドライブ・ケーブル８の固定近位端と止血弁５０との距離を アンカ・ポスト４０の動く長さだけ遠位方向（矢印４８）に大きくする。したが って、トランスジューサ２４は、第３Ａ図の位置から第３Ｂ図の位置まで近位方 向（矢印５２）に同じ距離を移動する。第２Ａ、２Ｂ図の従来技術を第３Ａ、３ Ｂ図の実施例と比較して分かるように、トランスジューサ・ムーバー２２は、シ ース６を移動させるだけでよいので、回転ドライブ組立体４a全体を移動させる 必要のある第２Ａ、２Ｂ図の長手方向ドライブ組立体より構造がかなり簡単であ る。 第１、４、５、６、６Ａ図はトランスジューサ・ムーバー２２の特殊な構造を 示している。トランスジューサ・ムーバー２２のボデー３８（第６図）は、ボデ ーの底部５６上に位置し、それに装着可能である頂部５４（第４図）を有する。 頂部５４および底部５６は、普通、接着剤または熱溶接技術を使用して互いに固 定する。底部５６は、支持面４４（第５図参照）を構成する延長部５８を有し、 この延長部上にドライブ・ラック４２が摺動可能に支えられている。頂部５４は 、細長いギャップまたはスロット６１を有する成形ノーズ組立体６０を含んでい る。この組立体６０は、ケース１６の遠位部分すなわちノーズ部分６２および超 音波画像処理システム２の近位端アダプタ４１にスナップ嵌合し、そこに固定さ れるような寸法、形状となっている(第６Ａ図で最も良くわかる)。したがって、 ノーズ組立体６０の形態は、ケース１６のノーズ部分６２および近位端アダプタ ４１の形態によって大きく左右される。 シースアンカ・ドライブ４６（第３Ａ、３Ｂ図に概略的に示す）は、第４、５ 図に示す多数の構成要素を含んでいる。特に、このドライブ４６は、スイッチ６ ８を介して電池６６によって付勢されるＤＣモータ６４を含んでいる。スイッチ ６８はプリント回路基板７０に装着してある。ＬＥＤ７２もプリント回路基板７ ０に装着してあり、このＬＥＤはモータ６４が動作しているときに点灯する。モ ータ６４はドライブ・ギア７６に適当な駆動列（図示せず）によって連結された 駆動軸７４を有する。駆動列は一組のギア、ベルト・ドライブその他の適当な駆 動手段であってもよい。ドライブ・ギア７６はクラッチ７８によってドライブ・ ラック４２に対して保持される。クラッチ７８は、モータ６４が患者を傷つけた り、装置構成要素を損害したりするほどの力でドライブ・ケーブル８を駆動する ことがないように作動する。頂部５４はスイッチ６８およびＬＥＤ７２と整列す る一対の開口８０、８２を有する。スイッチ６８およびＬＥＤ７２は、各々開口 ８０、５２を短い距離貫通するように位置している。ある状況において、スイッ チ６８へのアクセスを制限することが望ましいかもしれない。それを行う１つ方 法としては、スイッチ６８を、開口８０を通してアクセスできるが、開口を貫い て延びないような寸法にすることがある。この代替設計は、器具または工具（た とえば、ボールペンの端）を使用してのみスイッチ６８を押し下げることができ るので、ドライブ４６の不注意な作動を防ぐのに役立つであろう。 使用にあたって、医師は、代表的には、普通のＸ線透視検査技術を用いて、ド ライブ・ケーブル８と共にガイド・ワイヤ（図示せず）を使用して、シース６の 遠位端８６（第１、３Ａ、３Ｂ図）を患者の身体内部の所望位置へ導く。普通、 遠位端２６、８６の一方または両方がこの目的のための放射線不透過性マーカー を含んでいる。第１、７Ａ、７Ｂ図は、シース６の遠位端８６にある放射線不透 過性バンド８８を示している。所定位置に達したならば、ドライブ・ケーブル８ の近位端１２を回転ドライバ１０に連結し、シース６の近位端をケース１６内に 配置する。次いで、ケース１６をこれら近位端まわりに固定してから、医師は、 ドライブ・ケーブル８を回転させるだけあるいは振動を加えながら回転させるこ とによって従来通りに患者の血管について所望の超音波を行う。トランスジュー サ２４をシース６の長手方向軸線１４に沿って長手方向に引きながら超音波スキ ャンを行いたい場合には、トランスジューサ・ムーバー２２をケース１６のノー ズ部分６２にスナップ嵌合形式で装着する。これを行った後、アンカ・ポスト４ ０をアンカ・ハウジング８４にクリップ止めする。このアンカ・ハウジングはシ ース６の主要部分３９の近位端４５に固定してある。第３Ａ、７Ａ図参照。ハウ ジング８４の使用により、シース６をアンカ・ポスト４０によって短縮状態に維 持したり、あるいは使用時にねじれた状態に維持することができる。回転ドライ ブ１０がドライブ・ケーブル８を回転させると、スイッチ６８が押し下げられ、 モータ６４を作動させ、ドライブ・ギア７６をゆっくり回転させ、ドライブ・ラ ック４２を矢印４８の方向に移動させ、それによって、主シース部分３９の近位 端４５を入れ子シース部分３７に沿って遠位方向に押すことになる。こうして、 シースアンカ・ポスト４０と止血弁５０の間の距離が縮まり、シース６が第７Ｂ 図に示すように撓まされる、すなわち、「弓なりにそらされる」。シース６のこの ような横方向撓みは連結部材（ドライブ・ケーブル）８を、止血弁５０によって 患者の脈管構造内に固定されたシース部分から近位方向に引き、したがって、ト ランスジューサ２４を矢印５２の方向（第３Ｂ図）に並進させる。トランスジュ ーサ２４を回転方向、長手方向の両方向に移動させたとき、適切な超音波データ を収集することができる。主シース部分３９の動きは、スイッチ６８を押し下げ たり、アンカ・ハウジング８４からアンカ・ポスト４０を外すことによって停止 させることができる。ひとたびトランスジューサ２４を近位方向に引いたならば 、第７Ｂ図に示すように、トランスジューサ・ムーバー２２を使用し、トランス ジューサ・ムーバー２２のところのボデーに対してアンカ・ポスト４０を並進さ せることによってトランスジューサを遠位方向に前進させることができる。 手術中の滅菌を確実にするために、滅菌ドレープ（代表的にプラスチック袋） を回転ドライブ組立体４およびトランスジューサ・ムーバー２２を覆って設置し 、シース６をアンカ・ポスト・アダプタ８４の遠位側で滅菌ドレープに形成した 開口を通して突出させる。回転ドライブ組立体および長手方向ドライブ組立体の 各々に対して別個の滅菌ドレープを使用する必要があった従来技術と違って、本 発明によればただ１つの滅菌ドレープを使用するだけでよい。トランスジューサ ・ムーバー２２を使い捨てを意図した滅菌組立体として配布する場合には、回転 ドラ イブ組立体４を滅菌ドレープで覆い、トランスジューサ・ムーバーを密閉した組 立体４上に装着する。トランスジューサ・ムーバー２２は、使用後、廃棄するこ とができる。回転ドライブ組立体４は再利用することができる。ときに、再使用 可能なトランスジューサ・ムーバー２２を使用したい場合には、回転ドライブ組 立体４を使用してもよい。この場合、トランスジューサ・ムーバー２２を滅菌ド レープで覆い、次いで組立体４に装着することになる。 上記の各米国特許の開示内容は参考資料としてここに援用する。 以下の請求の範囲で定義した主題発明から逸脱することなく、開示した実施例 に対して修正、変更を行うことができる。たとえば、ドライブ・ギア７６および ドライブ・ラック４２以外のドライバ、たとえば、ウォーム・ウォームギア・ド ライブ、摩擦ベルト・ドライブまたは歯付きベルト・ドライブを使用できる。シ ース６は、他の方法、たとえば、シース６を側方へ撓ませ、シースに弓なり部あ るいは彎曲部を作り出すことによって長くすることができる。入れ子式シース６ を使用する代わりに、シースの近位端１８を近位端アダプタ４１内に摺動可能に 収容し、アンカ・ポストの延長部によってシース６をこれも入れ子式にアダプタ ４１から突出させるようにしてもよい。電池６６を使用する代わりに、外部電源 、たとえば、回転ドライブ組立体４と共に使用する電源あるいは別個の外部電源 を使用することができる。トランスジューサ・ムーバー２２は、ねじ切りした留 め具、クリップまたは他の手段を使用して回転ドライブ組立体４のケース１６に 装着することができる。シース６は止血弁５０によって固定すると好ましいが、 たとえば、手術台から延びているクランプを使用することによって、患者に対し てシースに沿った位置を固定する他の構造を使用することもできる。延長部５８ を除くようにボデー３８を再構築してもよい。ドライブ・ラック４２を、ノーズ 組立体６０の下に設置した構造によって片持ち式に支持するのである。 種々の他の特殊なカテーテル構造を上記の超音波画像診断カテーテルの代わり に使用できる。実際、本発明の作動要素ムーバーは、シース内で軸線方向の並進 運動を必要とする外側シースおよび内側要素を有する任意のカテーテルで実質的 に役に立つ。このような他のカテーテルの特殊な例としては、第８図に示すよう な位相配列超音波画像診断カテーテル１００がある。位相配列カテーテルは、外 側シース１０２および内側連結部材１０４を有し、この連結部材は、その遠位端 近くで複数の個別の超音波トランスジューサ要素１０６を含んでいる作動要素を 支持する。このようなカテーテル構造は、先に参考資料として援用した米国特許 第4,841,977号を含む多数の米国特許に記載されており、周知である。カテーテ ル１００は、シース１０２の近位端をアンカ・ポスト４０に固定し、連結部材１ ０４の近位端をボデー３８（または他のハンドル構成要素）に固定することによ って作動要素ムーバー２２に連結することができる。通常、連結部材１０４は回 転することはない。 作動要素ムーバー２２は、また、第９図に示すように、光学コヒーレント断層 撮影（ＯＣＴ）カテーテル２００と共に使用することができる。カテーテル２０ ０は、また、シース２０２および連結部材２０４を有する。連結部材２０４は２ 本以上の光ファイバと、レンズ２０８と、長手方向に対して４５度で配置した表 面を有するミラー２１０とを支持している。血管内ＯＣＴ画像診断法は、先に参 考資料として援用した米国特許第5,321,501号により詳しく説明されているよう に、光ファイバ２０６から、そして、そこへの光線をスキャンするのにミラー２ １０の回転に依存する。本発明の装置へのカテーテル２００の組み込みは、装置 ２と関連して説明した組み込みときわめて類似している。連結部材２０４を回転 させるモータ・ドライバを含んでいるケース（図示せず）は作動要素ムーバー２ ２内に装着してある。シース２０２はアンカ・ポスト４０に連結してあり、連結 部材２０４の近位端はモータ・ドライブ内の所定位置に近位方向に保持されてい る。 レーザ・カテーテル３００が第１０図に示してある。カテーテル３００は、長 手方向の孔３０４を有するシース３０２を含んでいる。ミラー３１０の４５度反 射面３０８に対してレーザ光線を向けることができる光ファイバ３０６は、シー ス３０２の内腔３１２内に軸方向並進可能に装着されている。シース３０２は、 第８図の位相配列超音波のカテーテル１００に類似した方法で作動要素ドライバ ２２に固定してもよい。光ファイバ３０６の回転は必要ない。 作動要素ムーバー２２は機械的なインターベンション式カテーテル、たとえば 、第１１図に示すアテローム切除カテーテル４００でも使用できる。アテローム 切除カテーテルは、先に参考資料として援用した米国特許第4,794,931号の第８ 図に 示されるものと同様である。カテーテル４００は、回転可能なドライブ・ケーブ ル（連結部材）４０６の遠位端に連結した回転可能なカッタ４０２を含んでいる 。カッタ４０２は、ケーブル４０６によって軸方向に並進させ、回転させ、カッ タ４０２の円形切削縁４０８がバルーン４１２の膨張によって孔４１０に押圧さ れているアテロームを切除することができる。オプションとして、超音波トラン スジューサ４１４をカッタ４０２上に装着し、画像診断ならびにアテローム除去 を行ってもよい。作動要素ムーバー２２へのカテーテル４００の連結は、カテー テル装置２について先に説明した連結と同じである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｂ 18/20 Ａ６１Ｂ 17/36 ３３０ 【要約の続き】 位方向又は遠位方向に移動することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．カテーテル装置であって、 ケースと、 ケースから延びているカテーテル組立体であり、中空のシースおよびこのシ ース内に少なくとも部分的に収容された連結部材を含んでいるカテーテル組立 体とを含み、 シースが、近位端および遠位端を有し、長手方向軸線を構成しており、 また、作動要素を含み、 連結部材が、これに固定された前記作動要素と、ケースに連結された近位端 とを有し、 作動要素ムーバーを更に含み、この作動要素ムーバーが、 ケースに固定したり、ケースから取り外したりすることのできるボデーと、 ボデーに対して第１、第２の位置間で移動できるようにボデーに可動状態で 装着したシース・アンカとを含み、 シースアンカが選定位置でシースに固定できる部分を含んでおり、そして、 ボデーによって支持され、シースアンカに作動可能な状態で連結してあって シースアンカを移動させるようになっているシースアンカ・ドライブを含み、 第１、第２の位置間にシースの選定位置があり、シースに沿った選定位置と連 結部材の近位端との間の長手方向の距離が変化してシース内の作動部材の長手 方向位置を変化させるようになっていることを特徴とするカテーテル装置。 ２．請求の範囲第１項に記載の装置において、作動要素が、超音波トランスジュ ーサ、光ファイバ、回転カッタからなるグループから選んだものであることを 特徴とする装置。 ３．請求の範囲第１項に記載の装置において、シースを患者身体内に入れたとこ ろで患者にシースを固定するためのシース・患者アンカを更に含んでいること を特徴とする装置。 ４．請求の範囲第３項に記載の装置において、シース・患者アンカが止血弁を含 んでいることを特徴とする装置。 ５．請求の範囲第１項に記載の装置において、ボデーが、ケースにボデーをクリ ップ装着するためのノーズ組立体を含んでいることを特徴とする装置。 ６．請求の範囲第１項に記載の装置において、シースアンカ・ドライブが、ユー ザ操作スイッチを介して電池に接続したモータを含み、モータおよび電池がボ デー内に収容されていることを特徴とする装置。 ７．シースと、このシースに対して長手方向に移動できる連結部材とを有するカ テーテルのための作動要素ムーバーであり、 ボデーと、 シースに固定できるシースアンカと、 ボデーによって支持されており、シースアンカに使用可能な状態で連結した シースアンカ・ドライブであり、第１、第２の位置間でシースアンカを長手方 向に移動させるようになっているシースアンカ・ドライブとを含んでいること を特徴とする作動要素ムーバー。 ８．請求の範囲第７項に記載の作動要素ムーバーにおいて、ボデーが、連結部材 の近位端に取り付けたケースに取り外し可能に固定できることを特徴とする作 動要素ムーバー。 ９．ケースと、長手方向軸線を構成している中空のシースと、少なくとも部分的 にシース内に収容されており、ケースに連結した近位端を有する連結部材と、 連結部材に固定した作動要素とを含んでいる形式の改良したカテーテル装置に おいて、 作動要素ムーバーを含み、この作動要素ムーバーが、 ケースに固定したり、ケースから取り外しりすることのできるボデーと、 ボデーによって支持されており、連結部材に取り付け可能であり、シースの 近位位置と連結部材の近位端との間の長手方向距離を変えてシース内のトラン スジューサの長手方向位置を反対方向に変えることができる長手方向に可動の アンカ・ポストとを含んでいることを特徴とするカテーテル装置。 10．カテーテル装置であって、 ケースと、 このケース内に収容された回転ドライバと、 近位端および遠位端を有し、長手方向軸線を構成している中空のシースと、 作動要素と、 シース内に少なくとも部分的に収容されたドライブ・ケーブルであり、作動 要素が固定してあり、回転ドライバに連結した近位端を有し、回転ドライバを 操作することによってシース内でかつ長手軸線まわりにドライブ・ケーブルお よびそれと一緒に作動要素を回転させるようになっているドライブ・ケーブル と、 作動要素ムーバーとを含み、この作動要素ムーバーが、 ケースに固定したり、ケースから取り外したりすることができるボデーと、 ボデーに対して第１、第２の位置間で移動できるようにボデーに可動状態で 装着されたシースアンカとを含み、 このシースアンカがシースを選定位置で固定する部分を含んでおり、 更に、 ボデーによって支持されており、シースアンカに作動可能状態で連結してあ ってシースアンカを移動するようになっているシースアンカ・ドライブを含み 、シースの選定位置が第１、第２の位置間にあり、シースに沿った選定位置と 、ドライブ・ケーブルの近位端との間の長手方向距離が変化し、シース内の作 動要素の長手方向位置を反対方向に変化させるようになっていることを特徴と するカテーテル装置。 11．請求の範囲第１０項に記載のカテーテル装置において、作動要素が、超音波 トランスジューサ、光ファイバ、回転カッタからなるグループから選んだもの であることを特徴とするカテーテル装置。 12．ケース、長手方向軸線を構成している中空のシース、作動要素、少なくとも 部分的にシース内に収容されており、作動要素が固定してあり、ケースに連結 した近位端を有する連結部材を含んでいる形式のカテーテル装置と共に使用す るための作動要素ムーバーであって、 ケース装着／取り外し可能な部分を含んでいるボデーと、 ボデーによって支持されたポジショナであり、連結部材の近位端に対してシ ースの近位部分を並進させ、シース内でトランスジューサの長手方向位置を変 えるようになっているポジショナとを含んでいることを特徴とする作動要素ム ーバー。 13．カテーテル装置であって、 ケースと、 このケース内に収容された回転ドライバと、 長手方向軸線を構成している中空のシースと、 作動要素と、 シース内に少なくとも部分的に収容され、作動要素が固定してあり、回転ド ライバに連結した近位端を有するドライブ・ケーブルであり、回転ドライバを 操作することによって、ドライブ・ケーブルが作動要素と共にシース内でかつ 長手方向軸線まわりに回転するようになっているドライブ・ケーブルと、 作動要素ムーバーとを含み、この作動要素ムーバーが、 ケースに固定したり、ケースから取り外したりできるボデーと、 ボデーによって支持されているポジショナであり、前記ケースに対して前記 シースの近位部分を並進させ、シース内でトランスジューサの長手方向位置を 変えるようになっているポジショナとを含んでいることを特徴とするカテーテ ル装置。 14．カテーテル装置の中空シース内で連結部材によって支持された作動要素を長 手方向に移動させる方法であって、 カテーテル装置のケース上の固定位置に作動要素ムーバーのボデーを装着す る工程と、 シースアンカをケース上で出口点まで延びているシースに沿った選定位置に 固定する工程と、 第１の位置から第２の位置へシースアンカを移動させ、ケース上の選定位置 と出口点との間の長手方向距離が変化させる工程と、 前記移動工程中にシースが患者身体に入る部位とシースに沿った選定位置と の間の長手方向距離の変化を阻止し、それによって、シース移動工程中にシー ス内の作動要素の長手方向位置が変化するようにした工程とを含んでいること を特徴とする方法。 15．請求の範囲第１４項に記載の方法において、前記移動工程が、シースの前記 近位部分をケースから離れる方向に移動させてシース内で作動要素を近位方向 に後退させる工程を含んでいることを特徴とする方法。 16．請求の範囲第１４項に記載の方法において、前記移動工程が前記ケースに前 記ボデーをクリップ止めすることによって実施されることを特徴とする方法。 17．請求の範囲第１４項に記載の方法において、前記ボデーおよび前記ケースを 滅菌ドレープ内に密開する工程を更に含んでいることを特徴とする方法。 18．請求の範囲第１７項に記載の方法において、前記密閉工程が、単一のプラス チック袋を使用することによって実施されることを特徴とする方法。 19．請求の範囲第１４項に記載の方法において、前記取り付け工程の前に滅菌ド レープ内に前記ボデーを密閉する工程を更に含んでいることを特徴とする方法 。 20．中空のシース内に配置した連結部材の遠位端を長手方向に並進させる方法で あって、 連結部材の近位端を長手方向に固定する工程と、 シースの遠位部分を長手方向に固定し、連結部材の遠位端を前記固定した遠 位部分内に位置させる工程と、 連結部材の固定した近位端に対してシースの近位端を長手方向に並進させ、 それによって、固定した遠位部分に対して遠位側のシース部分を側方に撓ませ て連結部材の相対的な運動を生じさせる工程とを含んでいることを特徴とする 方法。 21．請求の範囲第２０項に記載の方法において、シースの近位端を、連結部材の 固定した近位端に対して遠位方向に前進させ、連結部材をシースの固定し遠位 部分内で近位方向に引くようになっていることを特徴とする方法。 22．請求の範囲第２０項に記載の方法において、連結部材の固定した近位端に対 してシースの近位端を近位方向に引き、シースの固定した遠位部分内で連結部 材を遠位方向に前進させるようになっていることを特徴とする方法。