JP2001512684A - 新規のpichiapastoris遺伝子配列およびそれらの使用方法 - Google Patents

新規のpichiapastoris遺伝子配列およびそれらの使用方法

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JP2001512684A JP2000506345A JP2000506345A JP2001512684A JP 2001512684 A JP2001512684 A JP 2001512684A JP 2000506345 A JP2000506345 A JP 2000506345A JP 2000506345 A JP2000506345 A JP 2000506345A JP 2001512684 A JP2001512684 A JP 2001512684A
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ケネス エイ. クラウフォード,
ロバート ビショップ,
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Abstract

(57)【要約】 PpSEC遺伝子と命名された新規のPichia pastoris遺伝子の調節ヌクレオチド配列、ならびにこの新規の遺伝子によってコードされる前駆体ポリペプチドの分泌リーダーおよび成熟Sec10pタンパク質成分のヌクレオチド配列およびそれぞれのアミノ酸配列が、提供される。これらの組成物は、目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列をさらに含むDNA構築物中で、適切なリーディングフレーム中で個々にまたは組み合わせて組み立てられる場合に、タンパク質の発現および分泌のための方法において有用である。本発明のDNA構築物を含有するベクターは、酵母宿主細胞を形質転換するために使用され得る。次いで、これは、分泌された目的のタンパク質を得るために培養され得る。この方法および抗体を使用するSec10pタンパク質の検出方法において有用なキットもまた、開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本出願は、1997年8月5日に提出された米国仮特許出願番号第60/05
4783号、および1997年12月12日に提出された米国仮特許出願番号第
60/069,560号(これらの内容は本明細書中で参考として援用されてい
る)の利益を請求する。
【0002】 (発明の分野) 本発明はタンパク質産生の分野に関し、より詳細には、酵母の宿主発現系を使
用する異種タンパク質の産生および分泌における使用のための、酵母に由来する
調節領域およびコード配列に関する。
【0003】 (発明の背景) 酵母の宿主発現系は、異種タンパク質の産生および分泌のために良好に使用さ
れている。目的のタンパク質の発現は、酵母によって認識される調節領域の使用
を用いて増強され得る。目的の異種タンパク質の収量の増大は、一般的には、酵
母に由来するシグナルおよび分泌リーダーペプチド配列の使用により達成される
。天然の酵母の分泌リーダーの使用は、報告によると、酵母宿主の分泌経路を通
じて目的のタンパク質の指向を改善する。短縮を用いるような分泌リーダーの改
変は、さらに収量を改善し得る。
【0004】 Pichia pastorisは、いくつかの異種タンパク質の高レベルの
産生および分泌のために所望される酵母宿主であることが証明されている。この
酵母宿主および他の酵母宿主中での異種タンパク質の発現における使用のために
、さらなる酵母に由来する調節領域および天然の酵母分泌リーダーが必要とされ
ている。
【0005】 (発明の要旨) タンパク質(より詳細には、異種タンパク質)の発現のための、発現系として
酵母宿主細胞を使用する組成物および方法が、提供される。本発明の組成物は、
PpSEC10遺伝子と命名された新規のPichi pastoris遺伝子
のプロモーターおよびターミネーター領域のヌクレオチド配列、ならびにこの新
規の遺伝子によってコードされる前駆体ポリペプチドの分泌リーダーおよび成熟
Sec10pタンパク質成分のヌクレオチド配列およびそれぞれのアミノ酸配列
である。
【0006】 これらの組成物は、タンパク質(特に、異種タンパク質)の発現および分泌の
ための方法において有用である。目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配
列を有する適切なリーディングフレーム中に少なくとも1つのPpSEC10由
来の調節ヌクレオチド配列およびコードヌクレオチド配列を含有する少なくとも
1コピーのDNA構築物を有するベクターが、構築される。次いで、このような
ベクターで形質転換された酵母宿主細胞が培養され得、そして目的のタンパク質
の分泌についてスクリーニングされ得る。
【0007】 無能化PpSEC10遺伝子を有し、そしてSec10pタンパク質を発現し
ない変異体Pichia pastoris株もまた、本発明の方法における使
用のために提供される。通常は、Sec10pタンパク質が発現され、そして高
いレベルで培養培地中に分泌される。変異体酵母株の使用は、培養培地からの所
望のタンパク質の精製が簡単であるので、タンパク質産生の目的のために有利で
ある。
【0008】 Sec10pタンパク質は、その条件下でPpSEC10プロモーターが目的
のコード配列の転写を駆動する培養条件を同定するために有用である。この様式
においては、Sec10pタンパク質に対する抗体は、培養培地中のこのタンパ
ク質の検出のために提供される。タンパク質の産生およびSec10pタンパク
質の検出の方法における使用のためのキットもまた、提供される。
【0009】 (発明の詳細な説明) 本発明は、発現系として酵母宿主細胞を使用する、タンパク質(特に、異種タ
ンパク質)の発現および分泌のための組成物および方法に関する。本発明の組成
物は、本明細書中以後で、PpSEC10遺伝子と呼ばれる、新規のPichi
a pastoris遺伝子の調節性の転写開始領域および転写終結領域につい
ての単離されたヌクレオチド配列、ならびに、この新規のPpSEC10遺伝子
によってコードされる前駆体ポリペプチドの分泌リーダーおよび成熟Sec10
pタンパク質成分の単離されたヌクレオチド配列およびそれぞれのアミノ酸配列
を含む。これらのPpSEC10由来のヌクレオチドおよびアミノ酸配列の変異
体およびフラグメントもまた、本発明に含まれる。「単離された」によって、部
分的または実質的のいずれかで精製されたことが意図され、そしてそれらの天然
の設定以外での使用(例えば、キメラ構築物、発現ベクター、または形質転換プ
ラスミド)における、PpSEC10由来のヌクレオチドまたはアミノ酸配列の
使用を含む。
【0010】 本明細書中で開示されるPpSEC10由来の組成物は、酵母宿主発現系を使
用する、相同ヌクレオチド配列の単離、ならびにタンパク質(特に、異種タンパ
ク質)の発現および分泌に関する方法において有用である。これらの方法および
これらの組成物についてのさらなる使用が、以下に詳細に開示される。
【0011】 本発明の新規のPpSEC10遺伝子は、Sec10pタンパク質と命名され
た10kDaの酵母によって分泌されるタンパク質の分泌リーダーおよび成熟形
態のポリペプチド配列を含む、前駆体ポリペプチドをコードする。この前駆体ポ
リペプチドは、PpSEC10遺伝子から転写されたmRNAの最初の翻訳産物
を表す。PpSEC10前駆体ポリペプチドは、分泌されたタンパク質に典型的
である、いくつかの構造的な構成要素を有する:分泌シグナルの特徴である疎水
性N末端配列を有する分泌リーダー、成熟タンパク質配列、および分泌リーダー
のC末端に配置されそして成熟タンパク質配列のすぐ前に存在する2つの塩基性
アミノ酸。2塩基性残基は、Kex2のようなプロテアーゼをプロセシングする
ための共通の切断認識配列である。タンパク質のアミノ酸配列に基づくSec1
0pの成熟形態の推定の分子量は、10kDaであるが、SDS−PAGEの移
動度に基づいて概算された分泌されたタンパク質の質量は18kDaであり、こ
のことは、Sec10pがグリコシル化され得ることを示す。
【0012】 野生型Pichia pastoris細胞は、酵母細胞の分泌経路を通じて
成熟Sec10pタンパク質の運動を指示する分泌リーダーを除去するための前
駆体ポリペプチドのタンパク質分解的プロセシング後に、高レベルの成熟Sec
10pタンパク質を分泌する。以下に議論するように、Sec10p前駆体ポリ
ペプチドをコードするヌクレオチド配列の操作によって、欠損したPpSEC1
0遺伝子を有し、そしてSec10pタンパク質の発現を欠いているPichi
a pastorisの変異体株を生じる。この変異体株は、酵母宿主発現系中
での異種タンパク質の発現および分泌のための方法において有用である。
【0013】 PpSEC10遺伝子の調節性の転写開始および転写終結ヌクレオチド配列、
前駆体ポリペプチド、およびそれらのそれぞれのアミノ酸配列の成分をコードす
るヌクレオチド配列、ならびにこれらのヌクレオチドおよびアミノ酸配列の変異
体およびフラグメントが、本発明の目的のための特定の関心である。
【0014】 pKC172と命名され、そしてクローン化されたPpSEC10遺伝子を含
有するプラスミドが、1997年2月5日にアメリカンタイプカルチャーコレク
ション、Rockville,Maryland(登録番号98315、CMC
C 4714)に寄託された。クローン化されたPpSEC10遺伝子を含有す
るE.coli中のプラスミドppGen2(配列番号17)が、1997年6
月6日に寄託された(登録番号98450、CMCC4741)。この寄託物は
、ブダペスト条約のもとで維持される。PpSEC10調節エレメントおよびコ
ード配列は、以下のような配列番号17において示されるプラスミドDNA配列
の一部として同定され得る:PpSEC10プロモーターは、nt1180〜2
287として示される;PpSEC10分泌リーダーをコードする配列は、nt
2288〜2443として示される;Sec10p成熟タンパク質をコードする
配列は、nt2444〜2746として示される;そしてPpSEC10転写タ
ーミネーターは、nt2747−3061として示される。これらのヌクレオチ
ド配列およびそれらによってコードされる任意のアミノ酸配列は、以下に同定さ
れるような配列番号2〜7として配列表に別々に示される。
【0015】 寄託された物質中に含まれるポリヌクレオチドの配列、およびそれらによって
コードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中で参考として援用され
、そして本明細書中の配列の記載された説明との任意の矛盾のある場合を管理し
ている。
【0016】 Pichia pastoris PpSEC10遺伝子の天然の転写開始領
域(プロモーターとも呼ばれる)および天然の転写終結領域(ターミネーターと
も呼ばれる)のヌクレオチド配列が、それぞれ配列番号2および3に示される。
「転写開始および転写終結領域」によって、ヌクレオチドコード配列に隣接し、
そしてそのコード配列の転写を制御する調節領域が意図される。PpSEC10
転写開始領域(すなわち、プロモーター)は、TATAAボックス(配列番号2
のnt1035から1039)を含み、これは、PpSEC10コード配列の適
切な転写開始部位で下流(3’)RNA合成を開始するためのRNAポリメラー
ゼIIを指向する。本明細書中で開示されるPpSEC10プロモーターのヌク
レオチド配列を同定したので、本明細書中で同定されたプロモーター配列の上流
に配置された5’非翻訳領域中に、さらなる調節エレメント(例えば、エンハン
サーなど)を単離および同定することが、当業者の技術範囲内であることが認識
される。
【0017】 PpSEC10前駆体ポリペプチドの成分のアミノ酸配列およびこれらの成分
をコードする対応するヌクレオチド配列もまた、本明細書中で開示される。従っ
て、天然のPpSEC10分泌リーダーのアミノ酸配列、およびその対応するヌ
クレオチド配列は、配列番号4および5にそれぞれ示される。天然のSec10
p成熟タンパク質配列のアミノ酸配列、およびその対応するヌクレオチド配列が
、それぞれ配列番号6および7に示される。
【0018】 PpSEC10分泌リーダーは、PpSEC10遺伝子によってコードされる
前駆体ポリペプチドのN末端配列に対応する。そのN末端は、約15から約30
アミノ酸残基を含み、そして疎水性コアによって特徴付けられる、分泌シグナル
である。
【0019】 PpSEC10分泌リーダーは、2個の塩基性アミノ酸(Lys51およびAr
52、配列番号4)(Kex2のような酵母のプロテアーゼに共通の切断認識部
位)で終結する。
【0020】 これらの天然のPpSEC10由来の調節ヌクレオチド配列およびコードヌク
レオチド配列、ならびに分泌リーダーまたは成熟Sec10pタンパク質の天然
のアミノ酸配列のフラグメントおよび変異体もまた、本発明に含まれる。「フラ
グメント」によって、調節もしくはコードヌクレオチド配列の一部、またはアミ
ノ酸配列の一部が意図される。調節ヌクレオチド配列(すなわち、プロモーター
またはターミネーター)のフラグメントは、それらの調節活性を保持し得る。従
って、例えば、本明細書中で開示される全PpSEC10プロモーター配列に満
たない配列は、目的の作動可能に連結されたヌクレオチド配列(例えば、異種タ
ンパク質をコードするヌクレオチド配列)の発現を駆動するために利用され得る
。このようなプラグメントが発現レベルを低下させるか、または発現の性質(す
なわち、誘導性の発現または構成的な発現)を変更するかどうかを決定すること
は、当業者の技術範囲内である。好ましくは、PpSEC10プロモーター配列
の少なくとも約200ヌクレオチドが、コード配列の発現を駆動するために使用
される。同様に、完全に満たないPpSEC10ターミネーターは、コード配列
の転写を終結させるために利用され得、そして機能的なターミネーターフラグメ
ントは、好ましくは、少なくとも約300ヌクレオチドを含む。ハイブリダイゼ
ーションプローブとして有用である調節配列のフラグメントは、好ましくは少な
くとも約20ヌクレオチドの長さであり、最も好ましくは、約100ヌクレオチ
ドの長さである。
【0021】 コード配列に関して、ヌクレオチド配列のフラグメントは、天然のポリペプチ
ド(この場合、天然のPpSEC10分泌リーダーまたは天然の成熟Sec10
pタンパク質)の生物学的活性を維持しているポリペプチドフラグメントをコー
ドし得る。従って、PpSEC10分泌リーダーの機能的なフラグメントは、酵
母細胞の分泌経路を通じる目的の成熟タンパク質の移動を指向する。Sec10
pタンパク質の機能的なフラグメントは、以下に開示されるように、Sec10
p抗体に結合する。コードヌクレオチド配列のフラグメントは、本発明のPpS
EC10分泌リーダーまたは成熟Sec10pタンパク質をコードする、少なく
とも約20ヌクレオチド、約24ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約100
ヌクレオチド、そして最高で完全なヌクレオチド配列までの範囲であり得る。ハ
イブリダイゼーションプローブとして有用であるコードヌクレオチド配列のフラ
グメントは、一般的には、天然のポリペプチドの生物学的活性を維持しているポ
リペプチドフラグメントをコードしない。
【0022】 本発明のフラグメントは、PpSEC10遺伝子の発現を低下させるために使
用されるアンチセンスヌクレオチド配列を含む。「アンチセンス配列」によって
、ヌクレオチド配列の5’から3’の通常の方向とは逆の方向性であるDNA配
列が意図される。細胞に導入される場合、アンチセンス配列の発現は、正常な方
向性である対応するヌクレオチド配列の正常な発現を妨げる。アンチセンスヌク
レオチド配列は、標的化された遺伝子のDNAヌクレオチド配列の転写によって
産生される内因性のmRNAと相補的であり、そしてそれにハイブリダイズし得
るRNA転写物をコードする。この様式において、標的化された遺伝子によって
コードされる天然のタンパク質の産生が阻害される。本発明の目的のために、ア
ンチセンスヌクレオチド配列が、Sec10pタンパク質の産生を阻害するため
に使用され得る。このようなアンチセンスフラグメントは、少なくとも約20ヌ
クレオチド、約50ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、そして最高でPpS
EC10遺伝子の完全なコード配列を含む範囲の長さで変化し得る。
【0023】 「変異体」によって、実質的に類似の配列が意図される。従って、ヌクレオチ
ド配列について、変異体は、PpSEC10分泌リーダーまたは成熟Sec10
pタンパク質をコードするが、遺伝子コードの縮重に起因して保存的に異なる、
配列を含む。これらの天然に存在する対立遺伝子変異体は、周知の分子生物学の
技術(例えば、以下に概説されるような、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およ
びハイブリダイゼーション技術)の使用によって同定され得る。変異体ヌクレオ
チド配列もまた、例えば、部位特異的変異誘発を使用することによって生成され
るが、以下に議論されるように本発明において開示されるPpSEC10分泌リ
ーダーおよび成熟Sec10pタンパク質配列をなおコードする、合成によって
誘導されたヌクレオチド配列を含む。一般的には、本発明のヌクレオチド配列の
変異体は天然のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、好ましくは少なくとも
80%、より好ましくは約90から95%またはそれ以上、そして最も好ましく
は、約98%またはそれ以上の配列同一性を有する。
【0024】 分泌リーダーおよび成熟Sec10pタンパク質のアミノ酸配列に関して、変
異体は、天然のポリペプチドのN末端および/またはC末端に対する1つ以上の
アミノ酸の欠失(いわゆる短縮)または付加;天然のポリペプチド中の1つ以上
の部位での1つ以上のアミノ酸の欠失または付加;あるいは、天然のポリペプチ
ド中の1つ以上の部位での1つ以上のアミノ酸の置換により、天然のポリペプチ
ドから誘導されるポリペプチドを含む。このような変異体は、例えば、遺伝的な
多型性によって、またはヒトの操作によって生じ得る。このような操作のための
方法は、当該分野で一般的に公知である。
【0025】 例えば、ポリペプチドのアミノ酸配列の変異体は、天然のPpSEC10分泌
リーダーまたは成熟Sec10pタンパク質をコードするクローン化されたDN
A配列中での変異によって調製され得る。変異誘発のための方法およびヌクレオ
チド配列の変更は、当該分野で周知である。例えば、本明細書中で参考として援
用されている、WalkerおよびGaastra編(1983)Techni
ques in Molecular Biology(MacMillan
Publishing Company,New York);Kunkel(
1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488−4
92;Kunkelら(1987)Methods Enzymol.154:
367−382;Sambrookら(1989)Molecular Clo
ning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press,Plainvi
ew,New York);米国特許第4,873,192号;および本明細書
中で引用されている参考文献を参照のこと。分泌リーダーまたは成熟Sec10
pタンパク質の生物学的活性には影響を与えない、適切なアミノ酸置換に対する
指針は、本明細書中で参考として援用されている、Dayhoffら(1978
)Atlas of Protein Sequence and Struc
ture(Natl.Biomed.Res.Found.,Washingt
on,D.C.)中に見出され得る。保存的置換(例えば、1つのアミノ酸の類
似の特性を有する別のアミノ酸での交換)が、好まれ得る。保存的置換の例とし
て、Gly⇔Ala、Val⇔Ile⇔Leu、Asp⇔Glu、Lys⇔Ar
g、Asn⇔Gln、およびPhe⇔Trp⇔Tyrが挙げられるが、これらに
限定されない。
【0026】 PpSEC10分泌リーダーの1つのこのようなアミノ酸配列変異体が、配列
番号8に示される。対応するヌクレオチドコード配列は、配列番号9に示される
。この変異体において、19位のアミノ酸残基は、天然の分泌リーダー中のアラ
ニンに対してアスパラギンである。
【0027】 PpSEC10分泌リーダーまたは成熟Sec10pタンパク質の変異体の構
築において、変異体をコードするヌクレオチド配列に対する改変が、変異体ポリ
ペプチドが所望の活性を有し続けるように行われる。明らかに、変異体ポリペプ
チドをコードするDNA中に作製された任意の変異体は、リーディングフレーム
の外の配列には配置されなければならず、そして好ましくは、二次的なmRNA
構造を生じ得る相補性領域を作製しない。
【0028】 その分泌リーダーまたはその変異体をコードする天然のヌクレオチド配列に対
する改変は、翻訳されたPpSEC10分泌リーダーの疎水性の性質を、または
酵母の分泌経路を通じるタンパク質配列の移動、および続く酵母宿主細胞からの
タンパク質の分泌を指向する分泌リーダーの能力を妨害しない。
【0029】 分泌リーダーのアミノ酸配列変異体は、C末端のタンパク質分解的なプロセシ
ング部位の改変によって生じる変異体を含む。従って、天然のLys−Argプ
ロセシング部位は、酵母によって認識される他のタンパク質分解部位(例えば、
Arg−Arg、Pro−Arg、Ala−Arg、およびThr−Arg)に
変更され得る。
【0030】 分泌リーダーの他のアミノ酸配列変異体が、リーダーのC末端の短縮を用いて
得られ得る。このような短縮を作製することにおいて、リーダーは、その疎水性
コアを含む機能的な分泌シグナルを維持するはずである。従って、PpSEC1
0リーダーの短縮された形態は、好ましくは、最少でN末端の最初の約35個の
連続するアミノ酸を含み、そしてそのC末端での酵母によって認識されるプロセ
シング部位を保持する。
【0031】 分泌リーダーのグリコシル化が酵母の分泌経路を通じる成熟タンパク質の移動
を容易にする場合に、グリコシル化部位が、PpSEC10分泌リーダーに付加
され得る。この様式においては、グリコシル化部位を提供するアミノ酸残基が、
保存的様式において、分泌リーダー中の他のアミノ酸を置換し得る(例えば、G
lnのコドンをAsnをコードするように置換)。
【0032】 本発明のヌクレオチド配列は、目的の酵母宿主中での発現を増強するために最
適化され得る。すなわち、これらのヌクレオチド配列は、改善された発現のため
に酵母に好ましいコドンを使用して合成され得る。例えば、米国特許第5,21
9,759号および同第5,602,034号を参照のこと。
【0033】 従って、プロモーターおよびターミネーター領域のヌクレオチド配列、ならび
にPpSEC10分泌リーダーおよび成熟Sec10pタンパク質をコードする
ヌクレオチド配列は、天然の形態、ならびにそのフラグメントおよび変異体を含
む。同様に、PpSEC10分泌リーダーおよび成熟Sec10pタンパク質は
、天然の形態、ならびにそのフラグメントおよび変異体を含む。変異体ヌクレオ
チド配列および変異体ポリペプチドは、それぞれ、天然のヌクレオチド配列およ
び天然のポリペプチドと、実質的に相同であり、そしてそれらと機能的に等価で
ある。天然のヌクレオチド配列または天然のポリペプチドの変異体は、それぞれ
、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは約90%か
ら95%以上、そして最も好ましくは、少なくとも98%のそのヌクレオチド配
列またはアミノ酸配列が、それぞれ、天然のヌクレオチド配列または天然のアミ
ノ酸配列と同一である場合に、天然の配列または天然のポリペプチドに対して「
実質的に相同」である。変異体は、1から10個程度(例えば、6〜10個、わ
ずか5個、わずか4個、3個、2個、またはほんの1個のアミノ酸残基)のアミ
ノ酸残基が異なり得る。
【0034】 「配列同一性」によって、変異体のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の特
定された連続するセグメントが、参照配列のヌクレオチド配列またはアミノ酸配
列と並べられ,そして比較された場合に、変異体配列および参照配列内で見出さ
れる同じヌクレオチドまたはアミノ酸残基が意図される。配列をアラインメント
するための方法および配列間の同一性を決定するための方法は、当該分野で周知
である。例えば、Ausubelら編(1995)Current Proto
cols in Molecular Biology,第19章(Green
e Publishing and Wiley−Interscience,
New York);およびALIGNプログラム(Dayhoff(1978
)、Atlas of Protein Sequence and Stru
cture 5:補遣3(National Biomedical Rese
arch Foundation,Washington,D.C.)を参照の
こと。2つのヌクレオチド配列の最適なアラインメントに関しては、変異体ヌク
レオチド配列の連続するセグメントは、参照ヌクレオチド配列に関してさらなる
ヌクレオチドまたは欠失したヌクレオチドを有し得る。同様に、2つのアミノ酸
配列の最適なアラインメントの目的のために、変異体アミノ酸配列の連続するセ
グメントは、参照アミノ酸配列に関して、さらなるアミノ酸残基、または欠失し
たアミノ酸残基を有し得る。参照ヌクレオチド配列または参照アミノ酸配列との
比較のために使用される連続するセグメントは、少なくとも20個の連続するヌ
クレオチドまたはアミノ酸残基を含み、そして30、40、50、100、また
はそれ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基であり得る。変異体のヌクレオチ
ド配列またはアミノ酸配列中にギャップを含むことに関連する増大した配列同一
性についての補正は、ギャップのペナルティーを割り当てることによって行われ
得る。
【0035】 アミノ酸配列同一性の割合を考慮する場合、いくつかのアミノ酸残基の位置が
、保存的アミノ酸置換の結果として異なり得る。これは、タンパク質機能の特性
には影響を与えない。これらの例において、パーセント配列同一性は、保存的に
置換されたアミノ酸における類似性を上流に向かって計算するために調節され得
る。このような調節は当該分野で周知である。例えば、MeyersおよびMi
ller(1988)Computer Applic.Biol.Sci.4
:11−17を参照のこと。
【0036】 「機能的に等価」によって、変異体ヌクレオチド配列が、天然の調節領域また
は天然のポリペプチドと同じ機能を実質的に有する調節領域を規定するか、また
はそのようなポリペプチドのアミノ酸配列をコードすることが、意図される。従
って、PpSEC10プロモーターのヌクレオチド配列の変異体は、作動可能に
連結されたヌクレオチド配列の発現を駆動するが、一方、PpSEC10ターミ
ネーターのヌクレオチド配列の変異体は、作動可能に連結されたヌクレオチド配
列の発現を終結させる。PpSEC10分泌リーダーをコードするヌクレオチド
配列の変異体はまた、酵母の分泌経路を通じて成熟タンパク質配列の移動を指向
する、PpSEC10分泌リーダーをコードする。同様に、Sec10p成熟タ
ンパク質をコードするヌクレオチド配列の変異体はまた、その成熟タンパク質を
コードする。コードされるPpSEC10分泌リーダーまたは成熟Sec10p
タンパク質がまた変異体である場合、これは、天然のPpSEC10分泌リーダ
ーまたは成熟Sec10pタンパク質と同じ生物学的活性を、それぞれ実質的に
有する。本発明の機能的に等価な配列はまた、PpSEC10が誘導する調節ヌ
クレオチド配列(すなわち、プロモーターおよびターミネーターの配列)のこれ
らのフラグメント、ならびに、PpSEC10分泌リーダーおよびSec10p
成熟タンパク質配列のこれらのフラグメント、ならびにそれぞれの天然の配列と
同じ機能を実質的に保持しているそれらの変異体を含む。
【0037】 例えば、PpSEC10プロモーターヌクレオチド配列の機能的に等価なフラ
グメントは、作動可能に連結されたヌクレオチド配列の発現を駆動する。これら
のフラグメントは、本明細書中で開示される特定のプロモーターヌクレオチド配
列の、少なくとも約20個の連続するヌクレオチド、少なくとも約24個の連続
するヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50個の連続するヌクレオチド、よ
り好ましくは少なくとも約75個の連続するヌクレオチド、なおより好ましくは
少なくとも約100個の連続するヌクレオチド、さらにより好ましくは、少なく
とも約200個の連続するヌクレオチドを含む。このようなフラグメントのヌク
レオチドは、通常は、特定のプロモーター配列のTATAA認識配列を含む。こ
のようなフラグメントは、本明細書中で開示される天然のPpSEC10プロモ
ーターヌクレオチド配列を切断するための制限酵素の使用によって;プロモータ
ーの天然のヌクレオチド配列からヌクレオチド配列を合成することによって得ら
れ得るか;またはPCR技術の使用を通じて得られ得る。詳細には、Mulli
sら(1987)Methods Enzymol.155:335−350、
およびErlich編(1989)PCR Technology(Stock
ton Press,New York)を参照のこと。再度、これらのプロモ
ーターフラグメントの変異体(例えば、部位特異的変異誘発によって得られる変
異体)が、本発明の組成物に含まれる。
【0038】 機能的等価性を決定するための方法は、当該分野で利用可能である。プロモー
ター活性は、ノーザンブロット分析によって測定され得る。例えば、本明細書中
で参考として援用されている、Sambrookら(1989)Molecul
ar Cloning:A Laboratory Manual(第2版、C
old Spring Harbor Laboratory Press,P
lainview,New York)を参照のこと。生物学的活性は、天然の
ポリペプチドの活性を測定するために特に設計されたアッセイを使用して測定さ
れ得る。さらに、生物学的に活性な天然のSec10pタンパク質に対して惹起
された抗体は、機能的に等価な変異体に結合するそれらの能力について試験され
得る。ここで、有効な結合は、天然のタンパク質の立体構造と類似の立体構造を
有するタンパク質の指標である。
【0039】 本発明のPpSEC10が誘導する調節配列およびコードヌクレオチド配列、
ならびにそのフラグメントおよび変異体は、他の生物(より詳細には、他の酵母
)中の対応する相同配列の単離のためのプローブとして使用され得る。この様式
においては、PCR、ハイブリダイゼーションなどのような方法が、本発明の配
列に対して実質的な配列同一性を有するこのような配列を同定するために使用さ
れ得る。例えば、Sambrookら(1989)Molecular Clo
ning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press,Plainvi
ew,New York)およびInnisら(1990)、PCR Prot
ocols:A Guide to Methods and Applica
tions(Academic Press,New York)を参照のこと
。本明細書中で示される完全なPichia pastoris PpSEC1
0遺伝子調節配列およびコード配列、またはそれらのフラグメントおよび変異体
に対するそれらの配列同一性に基づいて単離されたコード配列が、本発明に含ま
れる。
【0040】 PCR法においては、プライマーの対が、目的の任意の生物から抽出したcD
NAまたはゲノムDNAからDNA配列を増幅するためのPCR反応において使
用され得る。さらに、本明細書中で開示されるヌクレオチド配列の1つに対応す
る配列を有する単一の特異的なプライマーは、本明細書中で開示されるヌクレオ
チド配列の5’または3’配列のPCR増幅のためのcDNAまたはゲノムライ
ブラリー中のDNAベクターの配列を有するプライマーと対を形成し得る。同様
に、ネスティッド(nested)プライマーは、本発明の目的のための単一の
特異的なプライマーの代わりに使用され得る。PCRプライマーを設計するため
の方法およびPCRクローニングのための方法は当該分野で一般的に公知であり
、そしてSambrookら(1989)Molecular Cloning
:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring
Harbor Laboratory Press,Plainview,N ew York)に開示されている。Ignisら編(1990)PCR Pr
otocols:A Guide to Methods and Appli
cations(Academic Press,New York)もまた参
照のこと。
【0041】 ハイブリダイゼーション法においては、既知のヌクレオチド配列の全てまたは
一部が、目的の他の生物から作製されたcDNAまたはゲノムライブラリーをス
クリーニングするために使用され得る。このようなcDNAおよびゲノムライブ
ラリーの構築のための方法は当該分野で一般的に公知であり、そしてSambr
ookら(1989)Molecular Cloning:A Labora
tory Manual(第2版、Cold Spring Harbor L
aboratory Press,Plainview,New York)に
開示さている。いわゆるハイブリダイゼーションプローブは、ゲノムDNAフラ
グメント、cDNAフラグメント、RNAフラグメント、または他のオリゴヌク
レオチドであり得、そして検出可能な基(たとえば、32P)または任意の他の検
出可能なマーカーで標識され得る。ハイブリダイゼーションのためのプローブは
、目的の既知のヌクレオチド配列に基づいて合成オリゴヌクレオチドを標識する
ことによって作製され得る。既知のヌクレオチドまたはコードされたアミノ酸配
列中の保存されたヌクレオチドまたはアミノ酸残基に基づいて設計された縮重プ
ライマーが、さらに使用され得る。ハイブリダイゼーションのためのプローブの
調製は、当該分野で一般的に公知であり、そして本明細書中で参考として援用さ
れている、Sambrookら(1989)Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual(第2版、Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press,Plainview,
New York)に開示さている。
【0042】 ハイブリダイゼーション技術を使用して、特定の既知のPpSEC10が誘導
する調節ヌクレオチド配列またはコードヌクレオチド配列の全てまたは一部が、
選択された生物からクローン化されたゲノムDNAフラグメントまたはcDNA
フラグメント(すなわち、ゲノムまたはcDNAライブラリー)の集団中に存在
する、他の可能性のあるPpSEC10調節ヌクレオチド配列またはコードヌク
レオチド配列に選択的にハイブリダイズするプローブとして使用される。種々の
条件下での特異的なハイブリダイゼーションを達成するためには、このようなプ
ローブは、特有であり、そして好ましくは少なくとも約20ヌクレオチドの長さ
の、そして最も好ましくは少なくとも約100ヌクレオチドの長さの配列を含む
。この技術は、所望の生物に由来する、他の可能性のあるPpSEC10調節ヌ
クレオチド配列またはコードヌクレオチド配列を単離するために、あるいは、生
物中のPpSEC10調節ヌクレオチド配列またはコードヌクレオチド配列の存
在を決定するための診断アッセイとして、使用され得る。ハイブリダイゼーショ
ン技術として、プレートされたDNAライブラリーのハイブリダイゼーションス
クリーニングが挙げられる(プラークまたはコロニーのいずれか;例えば、In
nisら編(1990)PCR Protocols:A Guide to
Methods and Applications(Academic Pr
ess,New York)を参照のこと)。
【0043】 従って、天然のヌクレオチド配列、ならびにそのフラグメントおよび変異体に
加えて、本発明の単離されたヌクレオチド配列はまた、本発明のPichia
pastoris PpSEC10が誘導する調節ヌクレオチド配列およびコー
ドヌクレオチド配列またはその変異体から得られた完全なまたは部分的な配列と
のハイブリダイゼーションによって、他の生物から同定されそして単離された、
相同なDNA配列を含む。本明細書中で開示されるDNA配列に他のDNA配列
をハイブリダイズさせる条件は、当該分野で一般的に公知である技術に従って決
定され得る。例えば、このような配列のハイブリダイゼーションは、減少させた
ストリンジェンシー、中程度のストリンジェンシー、または高ストリンジェンシ
ーの条件(例えば、それぞれ、37℃での、5×Denhardt溶液、0.5
%のSDS、および1×SSPEを含有する35〜40%のホルムアミドの洗浄
のストリンジェンシーによって示される条件;42℃での、5×Denhard
t溶液、0.5%のSDS、および1×SSPEを含有する40〜45%のホル
ムアミドの洗浄のストリンジェンシーによって示される条件;および42℃での
、5×Denhardt溶液、0.5%のSDS、および1×SSPEを含有す
る50%のホルムアミドの洗浄のストリンジェンシーによって示される条件;)
下で行われ得る。Sambrookら(1989)Molecular Clo
ning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press,Plainvi
ew,New York)を参照のこと。一般的には、本明細書中で開示される
参照DNA配列に対して実質的に相同であり、そしてそれにハイブリダイズする
配列は、本発明の参照PpSEC10配列に対して、少なくとも70〜75%の
配列同一性、80〜85%の配列同一性、およびさらに90〜95%の配列同一
性を有する。
【0044】 本明細書中で開示される新規のPpSEC10調節ヌクレオチド配列およびコ
ードヌクレオチド配列、ならびにその変異体およびフラグメントは、酵母宿主細
胞中のタンパク質(より詳細には、異種タンパク質)の産生に関する方法におけ
る使用を見出す。PpSEC10ヌクレオチド配列は、別々に、または種々の組
合せで、酵母宿主細胞中への導入のための組換えDNA構築物中に提供され得る
。「組換え」によって、目的のDNA構築物中に組み立てられる、DNAフラグ
メントを遺伝子操作することが意図される。これらのDNA構築物は、酵母宿主
細胞からの目的のタンパク質の発現および分泌に必須のエレメントの全てを含む
。従って、本発明のDNA構築物は、酵母宿主細胞中に導入された場合に、酵母
宿主細胞中で発現され得る。各DNA構築物は、DNA構築物の調節領域の転写
調節下に存在する、目的のヌクレオチドコード配列の挿入のための多数の制限部
位とともに提供される。DNA構築物は、安定に形質転換された細胞の選択を容
易にするために、選択マーカー遺伝子(例えば、Pichia pastori
sヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(HIS4)遺伝子)をさらに含み得る。
【0045】 このような組換えDNA構築物は、酵母によって認識されるプロモーターのヌ
クレオチド配列、目的の所望のタンパク質のヌクレオチドコード配列にインフレ
ームで融合された酵母駆動性の分泌リーダーのヌクレオチドコード配列、および
酵母によって認識される転写ターミネーターのヌクレオチド配列を、適切なリー
ディングフレームで含む。「適切なリーディングフレームで」によって、個々の
ヌクレオチド配列が作動可能に連結され、従ってコード配列の発現が酵母によっ
て認識されるプロモーターおよびターミネーター配列の調節性の制御下にあるこ
とが、意図される。
【0046】 酵母分泌リーダーおよび所望のタンパク質のコード配列の発現は、ハイブリッ
ド前駆体ポリペプチド(または、いわゆる融合タンパク質)を生じる。「ハイブ
リッド」前駆体ポリペプチドによって、分泌リーダーのコード配列が所望のタン
パク質のコード配列に対して外因性であり、従って、2つのコード配列が酵母宿
主細胞中で前駆体ポリペプチドとしては天然には発現されないことが、意図され
る。
【0047】 ハイブリッド前駆体ポリペプチドは、酵母宿主細胞の分泌経路を通じて所望の
タンパク質配列の移動のために不可欠な酵母によって誘導されるペプチド配列を
含む。好ましくは、酵母の分泌リーダーをコードするヌクレオチド配列は、酵母
によって認識されるプロセシング部位(例えば、Kex2プロテアーゼによって
インビボで認識されるLys−Arg、またはArg−Argのような2塩基性
のプロセシング部位)で終結する。その結果、分泌リーダーは、分泌された所望
のタンパク質を切断する。当業者は、ハイブリッド前駆体ポリペプチドが、目的
の別のタンパク質のさらなるコード配列を含み得、その結果、分泌されたタンパ
ク質自体が、ペプチド結合によって連結された2つのポリペプチドを含む融合タ
ンパク質であることを認識する。
【0048】 本発明の組換えDNA構築物の識別特性は、本明細書中で開示される少なくと
も1つの新規のPpSEC10が誘導するヌクレオチド配列を、適切なリーディ
ングフレーム中に含むことである。従って、目的のタンパク質をコードするヌク
レオチド配列に加えて、本発明のDNA構築物は、PpSEC10プロモーター
のヌクレオチド配列、PpSEC10分泌リーダーをコードするヌクレオチド配
列、および/またはPpSEC10ターミネーターのヌクレオチド配列、あるい
はそれらの変異体またはフラグメントをさらに含む。
【0049】 「酵母によって認識される」プロモーターおよびターミネーター配列によって
、酵母宿主細胞中で機能的である調節領域が意図される。本発明の1つの好まし
い実施態様において、組換えDNA構築物は、本明細書中で開示されるPpSE
C10プロモーター、より詳細には、配列番号2に示される配列を有するPpS
EC10プロモーター、あるいはその変異体またはフラグメントを含む。
【0050】 あるいは、組換えDNA構築物が少なくとも1つの他のPpSEC10ヌクレ
オチド配列を含む場合、酵母によって認識されるプロモーターの別の型が使用さ
れ得る。このプロモーターは、構成性のプロモーターまたは誘導性のプロモータ
ーであり得、そして天然のものであり得るか、あるいは特定の酵母宿主に対して
類似であり得るか、またはそれに対して外因性であるかもしくは異種であり得る
。さらに、プロモーターは、天然の配列であり得るか、あるいは合成の配列であ
り得る。「外因性」によって、プロモーターが、そのプロモーターを含むDNA
構築物が導入される目的の天然の酵母中には見出されないことが意図される。
【0051】 他の適切な天然の酵母プロモーターとして、野生型α因子プロモーター、なら
びに、糖分解酵素である、ホスホグルコイソメラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ
、ホスホトリオースイソメラーゼ、ホスホグルコムターゼ、エノラーゼ、ピルビ
ン酸キナーゼ(PyK)、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナ
ーゼ(GAPまたはGAPDH)、およびアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH
)のプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない(EPO公開番号第2
84,044号)。例えば、EPO公開番号第120,551号および同第16
4,556号を参照のこと。
【0052】 1つの酵母プロモーターの上流の活性化因子配列(これは、誘導性の発現を可
能にする)および別の酵母のプロモーターの転写活性化領域から構成される合成
のハイブリッドプロモーターもまた、酵母宿主中で機能的なプロモーターとして
作用する。ハイブリッドプロモーターの例として、ADH/GAPが挙げられ、
ここで、ADHプロモーターの誘導性の領域は、GAPプロモーターの活性化領
域と組み合わされる(米国特許第4,876,197号および同第4,880,
734号)。糖分解酵素(例えば、GAPまたはPyK)の転写活性化領域と組
み合わせた、ADH2、GAL4、GAL10、またはPHO5遺伝子のいずれ
かの上流の活性化配列を使用する他のハイブリッドプロモーターが、当該分野で
利用可能である(本明細書中で参考として援用される、EPO公開番号第164
,556号を参照のこと)。
【0053】 酵母によって認識されるプロモーターとしてまた、酵母のRNAポリメラーゼ
に結合し、そしてコード配列の転写を開始する、天然に存在する非酵母プロモー
ターが挙げられる。このようなプロモーターは、当該分野で利用可能である。例
えば、本明細書中で参考として援用されている、Cohenら(1980)Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 77:1078;Mercere
au−Puigalonら(1980)Gene 11:163;Panthi
erら(1980)Curr.Genet.2:109);Henikoffら
(1981)Nature 283:835;およびHollenbergら(
1981)Curr.Topics Microbiol.Immunol.9
6:119を参照のこと。
【0054】 組換えDNA構築物のターミネーターは、プロモーターとともに天然のもので
あり得るか、または別の供給源から誘導され得、それによって酵母宿主により認
識されることを提供する。従って、1つの好ましい実施態様において、ターミネ
ーターは、PpSEC10ターミネーターであり、より詳細には、配列番号3に
示される配列、またはその変異体もしくはフラグメントを有するPpSEC10
ターミネーターである。この実施態様においては、プロモーターは本発明のPp
SEC10プロモーターであり得るか、またはプロモーターは上記で同定された
他のプロモーターの1つであり得る。あるいは、少なくとも1つの他のPpSE
C10ヌクレオチド配列がDNA構築物中に存在する場合、ターミネーターは、
別の酵母によって認識されるターミネーター(例えば、α因子タンパク質のター
ミネーター(米国特許第4,870,008号)および上記の糖分解酵素のター
ミネーター)であり得る。
【0055】 DNA構築物はさらに、酵母宿主細胞の分泌経路を通じて目的のタンパク質の
ポリペプチド配列を指向するように作用する、酵母に由来する分泌リーダーをコ
ードするヌクレオチド配列を含む。従って、本発明の1つの好ましい実施態様に
おいては、この分泌リーダーは、PpSEC10分泌リーダーであり、より詳細
には、配列番号4に示されるPpSEC10分泌リーダー、またはその変異体も
しくはフラグメントである。従って、DNA構築物は、この分泌リーダーをコー
ドするヌクレオチド配列、より好ましくは、配列番号5に示されるヌクレオチド
配列、または配列番号4に示されるペプチド配列の変異体もしくはフラグメント
をコードする配列を含む。この特定のDNA構築物はさらに、本発明のPpSE
C10プロモーターおよび/またはターミネーターの調節ヌクレオチド配列を含
み得る。
【0056】 あるいは、DNA構築物が少なくとも1つの他の本発明のPpSEC10ヌク
レオチド配列を含む場合、別の酵母によって分泌されるタンパク質に由来する酵
母の分泌リーダーが、酵母宿主細胞の分泌経路を通じて目的のタンパク質のポリ
ペプチド配列を指向するために使用され得る。このような酵母によって誘導され
る分泌リーダーは、その天然の分泌シグナルを含む天然に存在する分泌リーダー
であり得るか、または分泌リーダーは、別の酵母によって分泌されるタンパク質
に由来する分泌シグナルを含む合成のハイブリッドであり得る。分泌リーダーの
供給源として作用する、酵母によって分泌されるタンパク質は、酵母宿主細胞に
対して外因性であり得るか、または天然のものであり得る。
【0057】 本明細書中で規定されるような分泌リーダーは、酵母細胞からのタンパク質の
細胞外分泌をもたらすために不可欠である、機能的な分泌シグナルを含む。分泌
リーダーが天然のシグナル以外の分泌シグナルを含むハイブリッドであるこれら
の例において、多くの分泌シグナルが当該分野で周知である。本発明に適切な分
泌シグナルの例として、α因子(例えば、米国特許第5,602,034号、B
rakeら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81
;4642:4646);インベルターゼ(WO 84/01153);PHO
5(DK 3614/83);YAP3(酵母のアスパラギン酸プロテアーゼ3
;PCT公開番号第95/02059号);およびBAR1(PCT公開番号第
87/02670号)の分泌シグナルが挙げられるが、これらに限定されない。
あるいは、分泌シグナルは、当該分野で利用可能なハイブリダイゼ−ションプロ
ーブ技術を使用してゲノムもしくはcDNAライブラリーから決定され得る(S
ambrookら(1989)Molecular Cloning:A La
boratory Manual(第2版、Cold Spring Harb
or Laboratory Press,Plainview,New Yo
rkを参照のこと)か、または合成によってもなお誘導される(例えば、WO9
2/11378を参照のこと)。
【0058】 ERへの侵入の間に、分泌シグナルは、プロセシング部位で前駆体ポリペプチ
ドから切断されて除去される。プロセシング部位は、酵母のタンパク質分解酵素
によってインビボで認識される任意のペプチド配列を含み得る。このプロセシン
グ部位は、分泌シグナルの天然に存在するプロセシング部位であり得る。より好
ましくは、好ましいプロセシング部位であるように、天然に存在するプロセシン
グ部位が改変されるか、またはプロセシング部位が合成によって誘導される。「
好ましいプロセシング部位」によって、天然に存在する部位よりも効率的に、酵
母のタンパク質分解酵素によってインビボで切断されるプロセシング部位が意図
される。好ましいプロセシング部位の例としては、2塩基性ペプチド、特に、2
つの塩基性残基LysおよびArgの任意の組み合わせ(すなわち、Lys−L
ys、Lys−Arg、Arg−Lys、またはArg−Arg(最も好ましく
は、Lys−Arg))が挙げられるが、これらに限定されない。これらの部位
は、Saccharomyces cerevisiaeのKEX2遺伝子によ
ってコードされるプロテアーゼ(Fullerら、Microbiology
1986:273−278を参照のこと)または他の酵母種の等価なプロテアー
ゼ(Juliusら(1983)Cell 32:839−852を参照のこと
)によって、切断される。Kex2プロテアーゼが目的のタンパク質のポリペプ
チド配列中の部位を切断する事象において、他の好ましいプロセシング部位が利
用され得、その結果、目的のペプチド配列が完全なまま維持される(例えば、S
ambrookら(1989)Molecular Cloning:A La
boratory Manual(第2版、Cold Spring Harb
or Laboratory Press,Plainview,New Yo
rk)を参照のこと)。
【0059】 本発明の目的のために、分泌リーダーは、PpSEC10リーダーの場合と同
様に、好ましくは、その天然の分泌シグナルを含む。α因子タンパク質は、その
天然の分泌シグナルを含む分泌リーダーの別の供給源として作用し得る、別の酵
母によって分泌されるタンパク質である。前駆体α因子タンパク質をコードする
多数の遺伝子がクローニングされており、そしてそれらの分泌リーダーペプチド
配列が同定された。例えば、本明細書中で参考として援用されている、Sing
hら(1983)Nucleic Acids Res.11:4049−40
63;Kurjanら、米国特許第4,546,082号;米国特許第5,01
0,182号を参照のこと。それらの天然の分泌シグナルを含むα因子分泌リー
ダーは、酵母中で異種タンパク質を発現させるために使用されている。例えば、
本明細書中で参考として援用されている、Elliottら(1983)Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 80:7080−7084;Bit
terら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.81:5330
−5334;Smithら(1985)Science 229:1219−1
229;ならびに米国特許第4,849,407号および同第5,219,75
9号を参照のこと。
【0060】 本発明の少なくとも1つのPpSEC10ヌクレオチド配列を含む組換えDN
A構築物は、酵母宿主中に同時に形質転換される目的の少なくとも1つのさらな
るヌクレオチド配列を含み得る。あるいは、目的のさらなるヌクレオチド配列は
、PpSEC10配列を含む組換えDNA構築物以外の組換えDNA構築物につ
いて提供され得る。適切である場合には、ハイブリッド前駆体ポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列および目的の任意のさらなるヌクレオチド配列は、以
前に記載されるように、形質転換された酵母中での発現を増大させるために、最
適化され得る。
【0061】 細胞性宿主中での配列をコードするヌクレオチドの発現を増強するためのさら
なる配列の改変が、公知である。これらとしては、偽ポリアデニル化シグナルを
コードする配列、エキソン−イントロンスプライシング部位シグナル、トランス
ポゾン様反復、および遺伝子の発現に対して有害であり得る他のこのような十分
に特徴付けられた配列の排除が挙げられる。配列のG−C含量は、宿主細胞中で
発現される既知の遺伝子を参照して計算された場合、所定の細胞性宿主について
の平均のレベルに調節され得る。可能である場合は、配列をコードするヌクレオ
チドは、予想されるヘアピン二次mRNA構造を回避するように改変される。
【0062】 組換えDNA構築物を調製することにおいて、種々のヌクレオチド配列のフラ
グメントが、適切な方向で、そして適切である場合は、適切なリーディングフレ
ーム中で配列を提供するように操作され得る。この目的のために、アダプターも
しくはリンカーが、ヌクレオチドフラグメントを連結するために使用され得るか
、または他の操作が、従来の制限部位を提供するため、余計なヌクレオチドを除
去するため、制限部位を除去するためなどのために含まれ得る。この目的のため
に、インビボでの変異誘発、プライマー修復、制限、アニーリング、再置換(例
えば、塩基転移および塩基転換)が、含まれ得る。詳細には、Sambrook
ら(1989)Molecular Cloning:A Laborator
y Manual(第2版、Cold Spring Harbor Labo
ratory Press,Plainview,New York)を参照の
こと。
【0063】 目的のタンパク質のコード配列を挿入するための、組換えDNA構築物の制限
部位は、選択された特定のプロモーターまたは転写ターミネーター内には存在し
ないヌクレオチド配列である。タンパク質をコードする配列は、標準的な組換え
DNA法を使用してDNA構築物中に挿入され得る。タンパク質は、天然に存在
するタンパク質と同一であり得るか、またはその生理化学的特性(例えば、安定
性、活性、特定のリガンドもしくはレセプターに対する親和性、抗原性、治療的
有用性、または宿主細胞から分泌される能力)を変更するような改変を含み得る
。従って、目的の成熟タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、上記で以前
に定義されたような変異体またはフラグメントであり得る。
【0064】 目的のタンパク質は、酵母の宿主細胞中の内因性の遺伝子によってコードされ
得るか、または宿主中では通常は見出されないタンパク質であり得る。これは、
タンパク質の前駆体ポリペプチドの形態であり得、従って、天然の分泌シグナル
および/もしくは分泌リーダーを含み得るか、または、これは、タンパク質の成
熟形態であり得る。タンパク質が前駆体ポリペプチドの形態であるこれらの例に
おいては、酵母によって認識されるプロセシング部位中で終結するような天然の
分泌リーダーの改変は、生物学的に活性な適切に折り畳まれた立体構造での、目
的のタンパク質の成熟形態の分泌を容易にし得る。1997年12月12日に出
願された「酵母中での異種タンパク質の発現方法」と題される同時系属中の出願
である、米国特許出願番号第08/989,251号を参照のこと。
【0065】 目的のタンパク質はまた、ペプチド結合によって互いに融合された2つ以上の
タンパク質フラグメントから構成される、融合タンパク質であり得る。この様式
においては、第1のタンパク質セグメントは、配列番号6に示されるSec10
pアミノ酸配列に由来する、少なくとも6、8、10、12、もしくは15個の
連続するアミノ酸を含み得るか、または成熟Sec10pタンパク質の全長のア
ミノ酸配列までを含み得る。組換えまたは2つのタンパク質セグメントを共有的
に連結させることのいずれかによって融合タンパク質を作製するための技術は、
当該分野で周知である。従って、目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配
列は、Sec10pタンパク質のコード配列、より詳細には、配列番号7に示さ
れる配列を、第2のタンパク質セグメントをコードするヌクレオチド配列ととも
に適切なリーディングフレーム中に含み得る。第2のタンパク質セグメントは、
全長のタンパク質またはタンパク質のフラグメントであり得る。第2のタンパク
質またはタンパク質のフラグメントは、検出可能なマーカー(例えば、抗体タグ
)で標識され得るか、または検出可能な産物を生成する酵素であり得る。この目
的のために適切な酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼ)は、当該分野で周知で
ある。
【0066】 目的のタンパク質は、例えば、治療的または産業的な用途の任意のタンパク質
であり得、構造タンパク質、酵素、成長因子、リガンドのレセプター、抗体、ホ
ルモン、輸送タンパク質、貯蔵タンパク質、収縮性タンパク質、細胞分化因子、
リプレッサー、転写因子、サイトカイン、造血因子、または新規の操作されたタ
ンパク質を含むが、これらに限定されない。目的の例示的なタンパク質として、
以下のようなホルモンおよび因子が挙げられるが、これらに限定されない:例え
ば、インシュリン様成長因子(IGF−I、IGF−II)、血小板由来増殖因
子(PDGF)、成長ホルモン、ソマトメジン、上皮増殖因子(EGF)、ケラ
チノサイト増殖因子(KGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、神経成長因子
(NGF)、TGF−β、血管内皮増殖因子(VEGF)、黄体形成ホルモン、
甲状腺刺激ホルモン、エピセリン(epithelin)前駆体、エピセリン1
、エピセリン2、オキシトシン、インシュリン、バソプレシン、レニン、カルシ
トニン、卵胞刺激ホルモン、プロラクチン、エリスロポエチン(EPO)、コロ
ニー刺激因子(CSF)、リンホカイン(例えば、インターロイキン−2)、グ
ロビン、イムノグロブリン、インターフェロン、酵素、β−エンドルフィン、エ
ンケファリン、ジノルフィンなど。
【0067】 好ましい実施態様においては、目的のタンパク質は、インシュリン様増殖因子
I(IGF−I)である。ソマトメジンファミリーのメンバーであるIGF−I
は、70個のアミノ酸残基を有し、そして約7.5kDaの分子量を有する。R
ingerknecht(1978)J.Biol.Chem.253:276
9およびFEBS Lett.89:283を参照のこと。IGF−Iの概説に
ついては、Humbel(1990)Eur.J.Biochem.190:4
45−462を参照のこと。DNA構築物の一部として組み立てられるIGF−
Iをコードするヌクレオチド配列は、ゲノム、cDNA、または合成のDNAで
あり得る。IGF−Iの天然の形態をコードする遺伝子は配列決定されており、
そしていくつかの変異体が当該分野で周知である。
【0068】 適切な変異体は、IGF−Iのフラグメント、アナログ、および誘導体であり
得る。「IGF−Iのフラグメント」によって、完全なIGF−I配列および構
造の一部のみから構成され、そしてIGF−IのC末端欠失またはN末端欠失で
あり得るタンパク質が意図される。「アナログ」によって、1つ以上のアミノ酸
置換、挿入、または欠失を有する天然のIGF−I配列および構造を含む、IG
F−IまたはIGF−Iフラグメントのいずれかのアナログが意図される。1つ
以上のペプトイド(ペプチド模倣物)を有するペプチドもまた、用語アナログに
含まれる(国際公開番号第WO 91/04282号を参照のこと)。「誘導体
」によって、IGF−I活性が維持される限りは、IGF−I、IGF−Iのフ
ラグメント、またはそれらのそれぞれのアナログの適切な任意の改変(例えば、
グリコシル化、リン酸化、または他の外因性部分の付加)が意図される。IGF
−Iフラグメント、アナログ、および誘導体を作製するための方法は、当該分野
で利用可能である。一般的には、本明細書中で参考として援用されている、米国
特許第4,738,921号、同第5,158,875号、および同第5,07
7,276号;国際公開番号第WO 85/00831号、同第WO 92/0
4363号、同第WO 87/01038号、および同第WO 89/0582
2号;ならびに欧州特許第EP 135094号、同第EP 123228号、
および同第EP 128733号を参照のこと。IGF−I変異体は、一般的に
は、参照IGF−I分子のアミノ酸配列に対して、少なくとも70%、好ましく
は少なくとも80%、より好ましくは約90%から95%またはそれ以上、そし
て最も好ましくは、約98%以上のアミノ酸配列同一性を有する。変異体は、わ
ずか10個、わずか5個、わずか4個、3個、2個、またはほんの1個のアミノ
酸残基で異なり得る。
【0069】 この技術は、以下にさらに議論されるような、このようなIGF−I変異体の
調製および使用に関する実質的な指針を提供する。IGF−Iのフラグメントは
、一般的には、全長の分子の少なくとも10個の連続するアミノ酸残基、好まし
くは、全長の分子の15個の連続するアミノ酸残基、そして最も好ましくは、全
長のIGF−Iの25個以上の連続するアミノ酸残基を含む。IGF−I変異体
を調製することにおいて、当業者は、天然のタンパク質のヌクレオチドまたはア
ミノ酸配列に対するどの改変が、天然のIGF−Iタンパク質の活性を維持する
変異体を生じるかを容易に決定し得る。これらは、一般的には、置換されたアミ
ノ酸残基の電荷を保存する、保存的アミノ酸置換である(例えば、グルタミン酸
のかわりにアスパラギン酸)。
【0070】 いくつかのIGF−I変異体が当該分野で公知であり、そして例えば、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 83(1986)4904−490
7;Biochem.Biophys.Res.Commun.149(198
7)398−404;J.Biol.Chem.263(1988)6233−
6239;Biochem.Biophys.Res.Commun.165(
1989)766−771;Forsbertら(1990)Biochem.
J.271:357−363;米国特許第4,876,242号および同第5,
077,276号;ならびに国際公開番号第WO 87/01038号および同
第WO 89/05822号に記載されているものが挙げられる。代表的な変異
体として、成熟分子のGlu−3の欠失を有する変異体、N末端から5個までの
アミノ酸が短縮された変異体、最初の3個のN末端アミノ酸の短縮を有する変異
体(des(1−3)−IGF−I、des−IGF−I、tIGF−I、また
は脳のIGFと呼ばれる)、およびヒトIGF−Iの最初の16個のアミノ酸の
代わりにヒトインシュリンのB鎖の最初の17個のアミノ酸を含む変異体が挙げ
られる。
【0071】 IGF−Iをコードするヌクレオチド配列は、当該分野で公知である。IGF
−Iをコードする配列は、例えば、Urea(1983)Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 80:7461によって記載されるようなホスホル
アミダイト手順を用いて、そしてDayhoffのアミノ酸配列に従って化学的
に合成され得る。IGF−Iのヒトの遺伝子は、本明細書中で参考として援用さ
れている、Niwaら(1986)Annals New York Acad
.Sci.469:31−52またはBuellら(1985)Nucleic
Acids Res.13:1923−1938に開示されるように化学的に
合成されている。IGF−Iをコードするヌクレオチド配列はまた、その相補的
なDNAへのIGF−Iに対応するメッセンジャーRNAの転写、および後者を 二本鎖のcDNAへ転換することによって、得られ得る。あるいは、IGF−I
をコードするヌクレオチド配列は、IGF−I遺伝子を含む既知のベクターから
、本発明の組換えDNA構築物へ引き続いて挿入するための遺伝子を取り出すた
めの制限酵素消化を使用することによって、直接得られ得る。このようなベクタ
ーは、例えば、Niwaら(1986)Annals New York Ac
ad.Sci。469:31−52およびBuellら(1985)Nucle
ic Acids Res.13:1923−1938に開示されるベクターと
して、当該分野で公知である。本明細書中で参考として援用されている、国際公
開番号第WO 97/12044号もまた参照のこと。
【0072】 目的の任意の所定のタンパク質について、タンパク質をコードする配列は、P
pSEC10分泌リーダーをコードするヌクレオチド配列に隣接する構築物中に
配置される。従って、分泌リーダーをコードするヌクレオチドおよびタンパク質
をコードする配列の転写は、融合タンパク質を生じる。タンパク質分解的プロセ
シングの後、成熟タンパク質は、培養培地中に分泌される。好ましくは、2つの
塩基性アミノ酸は、分泌リーダーがKex2のようなプロテアーゼによって所望
のタンパク質から切断され得るように、コード配列を2つに分ける。本発明のP
pSEC10分泌リーダー(配列番号4、およびその変異体またはフラグメント
)は、この型の2塩基性のプロセシング部位で終結する。
【0073】 本発明のDNA構築物は、レプリコン(例えば、プラスミド、コスミド、ウイ
ルス、ミニ染色体)に連結され得、従って、インビボで自律的にDNAを複製し
得る発現ベクターを形成する。このような自律的に複製するベクターとしては、
酵母の自律複製配列および2μに基づくベクターが挙げられる。好ましくは、レ
プリコンはプラスミドである。このようなプラスミド発現ベクターは、1つ以上
の複製システムに維持され、好ましくは、2つの複製システム(一方は、発現目
的のために酵母の宿主細胞中での安定な維持を可能にし、そしてもう一方は、ク
ローニング目的のために原核生物宿主中での安定な増殖を提供する)である。こ
のような酵母−細菌シャトルベクターの例として、Yep24(Botstei
nら(1979)Gene 8:17−24;pCI/1(Brakeら(19
84)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:4642−46
46)、およびYrp17(Stnichombら(1982)J.Mol.B
iol.158:157)が挙げられる。クローニングの目的のためには、本発
明のPpSEC10ヌクレオチド配列を用いて組み立てられる組換えDNA構築
物を含有するプラスミドベクターは、当該分野で利用可能である種々の技術を使
用して適切な宿主細胞中に導入され得る。これらの技術としては、トランスフェ
リン−ポリカチオン媒介性DNA移入、裸の核酸またはカプセル化された核酸を
用いるトランスフェクション、リポソーム媒介性細胞融合、DNAがコートされ
たラテックスビーズの細胞内輸送、プロトプラスト融合、ウイルス感染、エレク
トロポレーション、リン酸カルシウム媒介性トランスフェクション、およびリチ
ウム塩媒介性形質転換が挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】 さらに、プラスミド発現ベクターは、高コピー数および低コピー数のプラスミ
ドであり得る。コピー数は、一般的には、約1から約200までの範囲である。
高コピー数の酵母ベクターを用いる場合、一般的には、単一の宿主中に、少なく
とも10コピー、好ましくは少なくとも20コピー、そして通常は約250コピ
ーを超えないで存在する。ベクターの効果、および宿主についての目的のタンパ
ク質の発現の効果に依存して、高コピー数または低コピー数のいずれかのベクタ
ーが所望され得る。例えば、Brakeら(1984)Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 81:4642−4646を参照のこと。
【0075】 より好ましくは、組換えDNA構築物は、酵母のゲノムへの構築物の組込みを
可能にするプラスミドベクター中に連結される。このような組込みベクターの例
は、当該分野で公知である。例えば、Botsteinら(1979)Gene
8:17−24を参照のこと。組込みベクターの使用によって、酵母宿主細胞
中の外因性タンパク質の産生の安定性は最大になる(Romanosら(199
2)Yeast 8:423−488)。このようなベクターはさらに、酵母宿
主DNA配列の2つのセグメントを含む。例えば、DNA構築物は、Pichi
a pastoris HIS4遺伝子のような酵母遺伝子の相同性領域に隣接
され得、その結果、この構築物は、相同組換えの手段によって酵母のゲノム中に
組み込まれ得る。ベクターは、制限酵素を用いて直鎖状にされ、そして直鎖状に
されたDNAは、酵母宿主細胞DNAでの単一の交差型組込みを刺激する。
【0076】 本発明の複数の組み込まれた組換えDNA構築物のコピーを有する酵母宿主細
胞が、当該分野で周知の方法によって生成され得る。少なくとも2つのこのよう
なアプローチが、開発されている。第1のアプローチは、形質転換された細胞集
団の低い割合として天然に生じる、多コピー株を同定することに依存する。この
様式においては、多数の形質転換体が、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
、イムノブロッティングによって目的のタンパク質の産生レベルについてスクリ
ーニングされるか、またはコロニードットブロットハイブリダイゼーションを使
用して多コピーの外因性遺伝子についてスクリーニングされる。あるいは、多コ
ピーの組換えDNA構築物が、酵母宿主細胞の形質転換の前に単一のベクター中
に構築される。これらの方法の概説については、例えば、Creggら(199
3)Bio/Technology 11:905−910を参照のこと。本発
明の多コピーのDNA構築物を用いて単一のベクターが構築される場合、これは
、約3コピー、好ましくは約6コピー、より好ましくは約8コピーの特定のDN
A構築物を含み得る。目的の所定のタンパク質について、および所定の酵母株に
ついて、PpSEC10ヌクレオチド配列およびコード配列を含有するDNA構
築物の最適な数を決定することは、当業者の技術範囲内である。
【0077】 少なくとも1つのPpSEC10ヌクレオチド配列および目的のタンパク質の
コード配列を含む、少なくとも1コピーの組換えDNA構築物を含有する発現ベ
クターで形質転換される酵母細胞は、任意の酵母細胞であり得る。「酵母」によ
って、子嚢菌酵母(Endomycetales)、担子菌酵母、およびFun
gi Imperfecti(Blastomycetes)に属する酵母が意
図される。子嚢菌酵母は、2つの科(Spermophthoraceaeおよ
びSaccharomycetaceae)に分類される。後者は、Schiz
osaccharomycoideae(例えば、Schizosacchar
omyces属)、Nadsonioideae、Lipomycoideae
、およびSaccharomycoideae(例えば、Pichia属、Kl
uyveromyces属、およびSaccharomyces属))の4つの
亜科から構成される。担子菌酵母として、Leucosporidium属、R
hodosporidium属、Sporidiobolus属、Filoba
sidium属、およびFilobasidiella属が挙げられる。Fun
gi Imperfectiに属する酵母は、2つの科、Sporobolom
ycetaceae(例えば、Sporobolomyces属、Buller
a属)およびCryptococcaceae(例えば、Candida属)に
分けられる。酵母の分類は、将来変更され得るので、本発明の目的については、
酵母は、Skinnerら編(1980)Biology and Activ
ities of Yeast(Soc.App.Bacteriol.Sym
p.シリーズ第9巻)に記載されるように定義される。上記に加えて、当業者は
、酵母の生物学および酵母の遺伝学の操作についておそらく熟知している。例え
ば、本明細書中で参考として援用される、Bacilaら編(1978)Bio
chemistry and Genetics of Yeast;Rose
およびHarrison編(1987)The Yeasts(第2版);St
rathernら編(1981)The Molecular Biology
of the Yeast Saccharomycesを参照のこと。
【0078】 本発明の実施のために適切な酵母の選択は、当業者の技術範囲内である。発現
のための酵母宿主を選択する場合、適切な宿主は、例えば、良好な分泌能力およ
び低いタンパク質分解活性を有することが示されている酵母が挙げられ得る。酵
母は、一般的には、種々の供給源から入手可能であり、これらには、Yeast
Genetic Stock Center、Department of
Biophysics and Medical Physics、Unive
rsity of California,Berkeley,Califor
nia;およびアメリカンタイプカルチャーコレクション、Rockville
,Marylandを含む。
【0079】 本発明の特定の目的のものは、Pichia属、Kluyveromyces
属、Saccharomyces属、Schizosaccharomyces
属、およびCandida属の種である。特定の目的の種として、Pichia
pastoris、Kluyveromyces lactis、およびSa
ccharomyces種(S.cerevisiae、S.carlsber
gensis、S.diastaticus、S.douglasii、S.k
luyveri、S.norbensis、およびS.oviformis)が
挙げられる。
【0080】 本発明の1つの実施態様において、目的のタンパク質を産生するための形質転
換を受ける酵母宿主は、そのゲノム中に無能化されたPpSEC10遺伝子を有
する変異体Pichia pastoris株である。「無能化された」によっ
て、ヒトによって遺伝子操作されており、その結果、それが野生型PpSEC1
0タンパク質を発現しないか、または非常に低下したレベルで、もしくはその酵
母細胞からは分泌され得ない形態のこのタンパク質を発現する、野生型遺伝子が
意図される。分泌されたSec10pタンパク質の非存在またはこのタンパク質
の減少した集団は、培養培地から分泌された目的のタンパク質の精製を単純化す
る。
【0081】 変異体Pichia pastoris株は、当該分野で周知である多数の方
法によって生成され得る。例えば、野生型PpSEC10遺伝子配列は、部位特
異的変異誘発法を使用することによって無効にされ得、その結果、野生型Sec
10pタンパク質は転写されないか、または転写される場合は、分泌可能なSe
c10pタンパク質に翻訳されない。
【0082】 あるいは、PpSEC10コード配列の種々の部分が、野生型遺伝子型から欠
失され得る。無能化されたPpSEC10遺伝子を生じるために不可欠である欠
失の大きさを決定することは、当業者の技術範囲内である。従って、無能化され
た遺伝子は、このような欠失が、残存しているコード配列をリーディングフレー
ムの外にシフトさせる場合には、単一のヌクレオチドの欠失によって生じ得る。
より大きな欠失は、産物の発現の完全な欠失を生じ得る。あるいは、目的の遺伝
子のリーディングフレームを破壊するためにコード配列中にさらなる配列が挿入
され得、それによって、発現される産物の劇的な変更を生じるか、または産物の
発現の欠失を生じる。
【0083】 1つの実施態様において、無能化された遺伝子は、PpSEC10遺伝子中に
栄養要求性マーカー遺伝子を挿入し、それによってPpSEC10遺伝子を破壊
することによって調製され得る。このような栄養要求性マーカー遺伝子は、Pi
chiaまたはSaccharomyces HIS4遺伝子、Pichiaま
たはSaccharomyces ARG4遺伝子、PichiaまたはSac
charomyces URA3遺伝子などから選択され得る。
【0084】 本発明の別の実施態様においては、PpSEC10遺伝子は、無能化されたP
pSEC10遺伝子での野生型PpSEC10遺伝子の置換によって無能化され
る。遺伝子置換は、例えば、野生型PpSEC10遺伝子の特異的遺伝子座での
酵母宿主ゲノム中への無能化された遺伝子の部位特異的組込みに適切な形質転換
条件下で、無能化されたPpSEC10遺伝子を導入することによって行われる
。組込みは、宿主の内因性遺伝子を置換するかまたは変更する。酵母宿主の標的
PpSEC10遺伝子座へ無能化された遺伝子を導入する1つの手段は、無能化
された遺伝子を含み、そして標的の野生型PpSEC10遺伝子の5’および3
’末端に相同である末端を有する直鎖状のDNAフラグメントで酵母宿主を形質
転換することである。これによって、形質転換の際に、相同組換えがPpSEC
10遺伝子の特異的遺伝子座で生じることを指向する。
【0085】 当業者は、上記の改変した遺伝子を用いる形質転換のための宿主Pichia
株が、野生型Pichia細胞であり得ることを認識する。これは、無能化され
たPpSEC10遺伝子を用いる形質転換の際に、PpSEC10遺伝子産物の
発現の低下についてスクリーニングされ得る。使用される宿主株は、所望の形質
転換体の同定および選択における補助のために、その中に1つ以上の欠損を有し
得る。
【0086】 従って、無能化されたPpSEC10遺伝子を含む変異体株が、例えば、上記
のような、無能化されたPpSEC10遺伝子を含むDNA構築物での形質転換
によって、得られ得る。あるいは、Pichia pastoris細胞は、天
然のPpSEC10遺伝子に対するアンチセンスヌクレオチド配列を有するDN
A構築物を含有する発現ベクターで形質転換され得る。本明細書中で開示される
PpSEC10コード配列の場合には、当業者は、標準的な組換えDNA技術を
使用してこのようなDNA構築物を容易に調製し得る。
【0087】 酵母宿主中へ外因性のDNAを導入する方法は、当該分野で周知である。酵母
を形質転換するための多数の方法が存在する。例えばスフェロプラスト形質転換
が、Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 75:1919−1933およびStinchcombら、EPO公開番号
第45,573号によって教示され、これらは、本明細書中で参考として援用さ
れる。形質転換体は、適切な栄養培地中で増殖させられ、そして適切である場合
には、内因性のDNAの保持を確実にするために選択圧下で維持される。発現が
誘導性である場合には、酵母宿主の増殖が高密度の細胞を生じることが可能であ
り得、次いで、発現が誘導される。
【0088】 小容量および大容量の培養の両方において酵母細胞を培養する方法が、当該分
野で周知である。例えば、酵母Pichia pastorisは、100g/
リットル乾燥重量よりも大きい細胞密度で培養され得る。少なくとも0.3g/
lの所望のタンパク質が産生され得る。好ましくは、0.5、1.0、2.5、
8.0、または12g/lの所望のタンパク質が産生される。本発明の組換えD
NA構築物を含有する酵母細胞の小規模培養は、目的のタンパク質を大量に産生
するこれらの細胞についてスクリーニングされ得る。このようなスクリーニング
は、当該分野で慣用的である。培養培地の成分(たとえば、炭素または窒素供給
源)は、分泌される所望のタンパク質の量を増大させるために変更され得る。P
pSEC10プロモーターが目的のタンパク質の発現を調節するために使用され
る場合、培地中の炭素供給源は、例えば、グルコース、グリセロール、またはメ
タノールであり得る。Sec10pタンパク質の分泌は、培地へのカゼインアミ
ノ酸の添加によって増強される。好ましくは、培地は、2×酵母ニトロゲンベー
スを含む。
【0089】 目的の分泌されたタンパク質は、任意の従来の手段によって収集され得、そし
てクロマトグラフィー、電気泳動、透析、溶媒−溶媒抽出などによって培地成分
から精製される。例えば、タンパク質は、酢酸ナトリウムを有する細胞を含まな
い培地で希釈すること、そしてカチオン交換樹脂と希釈した培地とを接触させる
ことによって、続いて疎水性相互作用クロマトグラフィーによって、精製され得
る。この方法を使用すると、所望のタンパク質は、代表的には95%より高い純
度である。さらなる精製が、当該分野で周知の方法を使用して行われ得る。
【0090】 酵母宿主細胞中で目的のタンパク質を発現させるためのキットが提供される。
このキットは、本発明の組換えDNA構築物を含有する、酵母細胞および発現ベ
クターを提供する。酵母細胞は、上記に列挙された任意の酵母細胞であり得る;
しかし、好ましくは、酵母細胞は、Pichia pastoris細胞である
。DNA構築物は、目的の成熟タンパク質のコード配列に加えて、少なくとも1
つの本発明のPpSEC10ヌクレオチド配列を含む。ベクターが酵母細胞中に
導入される場合、目的のタンパク質が発現される。
【0091】 本発明はさらに、所望のタンパク質がPpSEC10プロモーターの制御下で
発現され得る培養条件を同定する方法を提供する。この方法は、Pichia
pastoris細胞を培養する工程、および培養培地中のSec10pタンパ
ク質を検出する工程を包含する。Sec10pタンパク質が培地中に分泌される
培養条件は、所望のタンパク質がPpSEC10プロモーターの制御下で発現さ
れ得る条件である。変更され得る培地の構成要素として、塩の素性および/また
は濃度、微量元素、炭素源、およびアミノ酸が挙げられる。ビオチン濃度もまた
、変更され得る。
【0092】 培養培地中の新規のSec10pタンパク質は、例えば、放射性標識されたS
ec10p抗体を使用してラジオイムノアッセイによって検出され得る。Sec
10pに特異的に結合する抗体の調製は、本発明のSec10pタンパク質のア
ミノ酸配列、より詳細には、配列番号6に示される配列、またはその変異体もし
くはフラグメントを使用して得られ得る。このSec10pタンパク質は、Pp
SEC10ヌクレオチド配列、より詳細には、配列番号7に示されるヌクレオチ
ド配列、または配列番号6に示されるポリペプチド配列の変異体もしくはフラグ
メントをコードする配列によってコードされる。抗体は、ポリクローナルまたは
モノクローナルであり得る。ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を惹起す
るための技術は、当該分野で周知である。抗体は、Sec10pエピトープ、好
ましくは、他のPichia pastorisタンパク質上には存在しないエ
ピトープに特異的に結合する。代表的には、エピトープをコードする連続するア
ミノ酸の最少の数は、6、8、または10である。しかし、特に連続的ではない
残基を含むエピトープを形成するためには、より多くのアミノ酸、例えば、少な
くとも15、25、または50個が使用され得る。特異的結合抗体は、Pich
ia pastorisタンパク質のウェスタンブロットもしくは免疫細胞化学
アッセイにおいて他のタンパク質を検出しないか、またはSec10pアミノ酸
を用いて提供されるシグナルよりも少なくとも10倍低いシグナルを提供する。
Sec10pタンパク質に特異的に結合する抗体として、成熟Sec10pタン
パク質、その変異体もしくはフラグメント、Sec10p分解産物、Sec10
p融合タンパク質、またはSec10pタンパク質の選択的スプライシングされ
た形態に結合する抗体が挙げられる。本発明の好ましい実施態様においては、抗
体は、Sec10pタンパク質溶液を免疫沈降させ、そしてポリアクリルアミド
ゲルのウェスタンブロット上でSec10pタンパク質と反応する。
【0093】 Sec10p抗体を精製するための技術が、当該分野で利用可能である。好ま
しい実施態様において、抗体は、Sec10pタンパク質、融合タンパク質、ま
たはポリペプチドが結合されるカラムに抗血清を通過させることによってアフィ
ニティー精製される。次いで、結合した抗体は、例えば、高い塩濃度を有する緩
衝液を使用して溶出される。任意のこのような技術が、本発明の調製を達成する
ために選択され得る。抗Sec10p抗体はまた、培養培地に由来するタンパク
質を含有するポリアクリルアミドゲルのウェスタンブロットにおいてSec10
pタンパク質を検出するために使用され得る。
【0094】 以下の実施例は、説明のために提供され、そして限定のためには提供されるの
ではない。
【0095】 (実施例) 実施例1〜4は、Pichia pastoris遺伝子のクローニングを示
す。実施例5〜7は、発現系中の要素としての、PpSEC10プロモーターお
よび分泌リーダーの有用性を実証する。全てのPichia pastoris
発現構築物を、標準Invitrogen(Sibia)プラスミド中に生成し
た。
【0096】 (実施例1:新規のPpSEC10タンパク質の単離) Pichia pastorisの変動しない培養物に由来する培地のタンパ
ク質組成物を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を使用して可視化した
。72時間(3サンプル)および96時間(1サンプル)の培養物に由来する培
地のサンプルを、1×Tris−Tricineサンプル緩衝液中で再構成し、
そして10%のTricinゲル上にロードした。電気泳動後、ゲルを、ポリビ
ニリデンフルオライド転写メンブレン(PVDF)にエレクトロブロットし、そ
してクマシーブリリアントブルーR250(CBBR)で染色した。18kDa
に対応する染色されたバンドを切り出し、そしてタンパク質配列決定のためにシ
ーケンサー上にロードした。
【0097】 約18kDaのメジャーなタンパク質を観察し、そして最初にSec18pと
命名した。続く配列情報によって、以下に記載するような、Sec10pに名称
を修正した。単離したSec10pタンパク質のアミノ酸配列を、配列番号6に
示す。このアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を、配列番号7に示す。
配列を、実施例2、3、および4に以下において記載するように決定した。
【0098】 (実施例2:成熟Sec10pのN末端35アミノ酸の決定) Edmund分解を、分泌された成熟Sec10pタンパク質のN末端の35
アミノ酸を決定するために使用した。以下の配列を決定した:A−D−Y−M−
C−H−M−A−C−G−L−A−I−Y−G−A−W−E−C−G−(P)−
E−A−G−P−F−D−(S)−E−C−L−X−A−T−(D)。この配列
は、配列番号6のアミノ酸1〜35に対応する。
【0099】 (実施例3:Sec10pのN末端アミノ酸をコードするDNAのクローニン
グ) 上記で決定したアミノ酸配列に基づいて、1つの5’および2つの3’縮重P
CRプライマーを設計した。5’プライマーは、配列5’−GA(Y)TA(Y
)ATGTG(Y)CA(Y)ATGGC−3’(配列番号10)を有した。3
’プライマーは以下の配列を有した:5’−TC(N)GG(N)CC(R)C
A(Y)TCCCA(N)GC−3’(配列番号11)、および5’−GC(Y
)TC(N)GG(N)CC(R)CA(Y)TCCCA−3’(配列番号12
)。ここで、全ての3つの縮重プライマー配列について、Y=CまたはT;R=
AまたはG;およびN=G,A,T,またはCである。縮重PCRを、鋳型とし
てPichia pastorisゲノムDNAを使用してこれらのプライマー
を用いて行った。縮重PCRによって、62塩基対のフラグメントを生成した。
【0100】 フラグメントをベクターpCRII(Invitrogen,San Die
go,California)中にクローン化し、そして配列決定した。3つの
別々のクローンの配列を決定し、そして以下のコンセンサスを得た:5’−GA
TTATATGTGTCATATGGCTTGTGGTTTAGCCATCTA
CGGTGCCTGGGAATGCGGACCCGA−3’(配列番号13)。
縮重産物の配列は、N末端部分の20アミノ酸をコードした。
【0101】 (実施例4:PpSEC10コード配列のクローニング) 配列番号13に示す縮重DNA配列を、相補末端の迅速な増幅(RACE)反
応を行うために、遺伝子特異的プライマーを設計するために使用した。2つの5
’および2つの3’RACEプライマーを設計した。5’プライマーを3’RA
CE反応において使用し、そして3’プライマーを5’RACE反応において使
用した。これらの反応を行うためのキット(Marathon,cDNA増幅キ
ット)を、Clontech(Palo Alto,California)か
ら購入した。5’プライマーは:5’−GCATTCCCAGGCACCGTA
GATGGC−3’(配列番号14)および5’−GCACCGTAGATGG
CTAAACCACAAGC−3’(配列番号15)であった。3’プライマー
は:5’−GCCATCTACGGTGCCTGGGAATGC−3’(配列番
号16)および5’−GCTTGTGGTTTAGCCATCTACGGTGC
−3’(配列番号17)であった。
【0102】 cDNAライブラリーを、標準的な技術を使用してPichia pasto
risから生成した。3’および5’RACE反応を、全ての4つの遺伝子特異
的プライマーを用いて行い、そしてそれらの配列が重複しているフラグメントを
産生するために設計した。3つのプライマーを使用して行った反応によって、適
切な大きさのPCR産物を生じた。
【0103】 RACE産物をクローン化し、そして配列決定し、そして配列番号7に示され
るSec10pコード配列を得た。この配列の翻訳された成熟Sec10pタン
パク質産物のアミノ酸配列を、配列番号6に示す。
【0104】 次いで、5’プライマーおよび3’プライマーを、PCRを使用して、PpS
EC10前駆体ポリペプチドをコードする配列の完全なコード配列を増幅するた
めに作製した。5’プライマーは、5’−ATGCTATTCAACAAATT
TGCCGCAACCC−3’(配列番号18)であり、そして3’プライマー
は、5’−TTAAACACTAGTGGGTGTATAGGTTTGG−3’
(配列番号19)であった。これらのプライマーを用いるPCRによって、配列
番号7に示す成熟Sec10pコード領域を得た。これは、配列番号6に示す翻
訳されたアミノ酸配列を有する。PpSEC10分泌リーダーは、配列番号5に
示す配列を有する。この分泌リーダー配列の翻訳されたアミノ酸配列を配列番号
4に示す。
【0105】 (実施例5:Pichia pastorisからの酸性ホスファターゼおよ
びIGF−Iの分泌を指向するためのPpSEC10分泌リーダーの使用) 最初の研究は、レポータータンパク質としてPichia pastoris
酸性ホスファターゼ(Pho1p)を利用した。PHO1がコードする酸性ホス
ファターゼは、通常は、P.pastorisから分泌され(Payneら(1
995)Gene 163:19−26)、そして容易にアッセイされる。この
実施例において、Saccharomyces cerevisiae α因子
(Mfα)、P.pastoris PpSEC10、およびP.pastor
is PHO1分泌リーダーによって指向される酸性ホスファターゼの分泌を比
較した。ベクターPpAO815(Invitrogen,San Diego
,California)中にクローン化された調節領域に作動可能に連結され
た、α因子、PpSEC10、またはPHO1分泌リーダーのいずれかを有する
、酸性ホスファターゼ遺伝子を含有するDNA構築物を、P.pastoris
株の形質転換のために使用した。
【0106】 分泌された全酸性ホスファターゼ活性(420nMでの吸光度)、およびP.
pastoris培養物(OD650)の光学密度あたりの、分泌された酸性ホス ファターゼ活性を決定した。表1および2から、PpSEC10分泌リーダーが
、S.cerevisiae α因子分泌リーダーと少なくとも同様に機能する
ことが明らかである。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】 本発明者らはまた、組換えヒトIGF−I(rhIGF−I)の分泌を指向す
る、PpSEC10分泌リーダーの能力を試験した。試験した全てのDNA構築
物は、アルコールオキシダーゼ(AOX)プロモーターを利用した。この構築物
および実施例7中に記載した構築物中で使用したrhIGF−I遺伝子を、組込
みベクターを有する酵母株から単離した。この遺伝子のコード配列は、本明細書
中で参考として援用されている、国際公開番号第WO 97/12044号に記
載されている。ARS(自律複製配列)ベクターを用いる予備実験は、PpSE
C10分泌リーダーがrhIGF−Iの分泌を指向し得ることを確立した。この
産生株とPpSEC10分泌リーダーとを比較するために、rhIGF−I D
NA構築物の増大するコピーを有するプラスミドを単離し、そしてPichia
ゲノム中に組み込んだ。現在のrhIGF−I産生株(SMD1120)は、r
hIGF−I DNA構築物の8個の組み込まれたコピーを有し、そしてα因子
分泌リーダーを使用する。PpSEC10分泌リーダーおよびrhIGF−Iコ
ード領域を含有する10コピーまでのDNA構築物を有する形質転換体を試験し
た。最良の結果を、3コピーを含有する株から得た。これは、20%未満ほどの
SMD1120を産生した(データは示さない)。
【0110】 PpSEC10分泌リーダーを用いてIGF−Iの発現を改良するためのいく
つかのアプローチが可能である。グリコシル化部位を分泌リーダーに導入するこ
とが、IGF−Iの場合のように、それ自体がグリコシル化されていない異種タ
ンパク質の分泌を促進するという以前の研究からの、ある指摘が存在する。さら
に、酸性ホスファターゼの分泌を用いる最近の実験は、PpSEC10プロモー
ターがアルコールオキシダーゼプロモーターよりも有意に良好であり得ることを
示す。
【0111】 (実施例6:PpSEC10分泌リーダーはS.cerevisiae中で機
能する) S.cerevisiae中でのP.pastoris PpSEC10分泌
リーダーの機能性を決定するために、P.pastoris PHO1をレポー
ター遺伝子として利用した。これらの実験において使用したプラスミドは、2μ
に基づくものであり、そしてURA3およびd−LUE2選択マーカー遺伝子の
両方を含んだ(Barrら(1988)J.Biol.Chem.263:16
471−16478);(Brakeら(1990)Meth.Enzymol
.185:408−421);(Cousensら(1987)Gene 61
:265−275);(Payneら(1995)Gene 163:19−2
6)。
【0112】 これらの発現ベクター中に挿入されたDNA構築物は、ADH/GAPハイブ
リッドプロモーター、および調節領域としてのS.cerevisiae α因
子遺伝子のターミネーターを含む。この実施例においては、S.cerevis
iae α因子またはP.pastoris PpSEC10分泌リーダーのい
ずれかを有するP.pastoris酸性ホスファターゼ遺伝子を、レポーター
遺伝子が調節領域に作動可能に連結されるようにこのDNA構築物中に導入した
【0113】 S.cerevisiae株AD4を、発現ベクターを用いて形質転換し、そ
して形質転換体をウラシルを含まない培地上で選択した。単一の形質転換体のコ
ロニーを、水中に懸濁し、次いで、ロイシンを含まない(−leu)培地を含む
プレート上にストリークした。ロイシンの非存在下での増殖は、発現培地中での
増殖の前に、プラスミドコピー数を増大させる。−leuプレートに由来するコ
ロニーを、一晩のYEPD(8%グルコース)の接種に使用した。2%のグルコ
ースを有するYEPDアッセイ培養物中に飽和した一晩培養物を希釈して、約0
.05のOD650にした。サンプルを接種後4時間および29時間で採取し、そ して培地を酸性ホスファターゼ活性についてアッセイした。100μlの培養物
を、0.7mlの3mM 酢酸ナトリウム中に希釈した。次いで、20mMのT
ris(pH7.5)中に5mg/mlのp−ニトロフェニルリン酸を含有する
0.2mlの基質溶液を添加した。アッセイサンプルを、37℃にて60分間イ
ンキュベートした。反応を、0.5mlの1MのNa2CO3の添加によって停止
させ、そして遊離したp−ニトロフェノールの420nm(A420)における吸 光度を測定した。酵素活性を、15分あたりに遊離したp−ニトロフェノールの
マイクロモルとして計算した。この実験による結果(表3)は、PpSEC10
分泌リーダーが、S.cerevisiaeからの酸性ホスファターゼの分泌を
指向することについて、α因子分泌リーダーと同様に有効であることを明らかに
実証する。
【0114】
【表3】
【0115】 (実施例7:PpSEC10プロモーターおよびシグナルリーダーによって指
向されるPichia pastorisからの組換えヒトIGF−I(rhI
GF−I)の分泌) これらの実験において使用したDNA構築物は、PpSEC10分泌リーダー
のコード配列およびPpSEC10プロモーターに作動可能に連結されたrhI
GF−I、およびPpSEC10ターミネーター配列から構成される。このDN
A構築物を、選択マーカーとしてP.pastoris HIS4遺伝子を含む
プラスミド中に導入した。1、2、3、4、および5コピーのDNA構築物を有
するいくつかのベクターを、単離した。これらのベクターを、P.pastor
is株SMD1163を形質転換するために使用した。形質転換体は、ゲノム中
に組み込まれたベクターを有した。
【0116】 各形質転換体に由来するいくつかのコロニーおよび形質転換していないSMD
1163を、5mlのYEPD(2%)培養に接種するために使用した。30℃
での増殖の48時間後、これらの培養物を、20mlのSD培地中に1から40
0倍に希釈し、そして30℃で増殖させつづけた。サンプルを、48時間で採取
した。培養サンプル(0.60ml)を、細胞を除去するために遠心分離し、そ
して細胞を含まない上清をTCA沈殿させた。TCA沈殿物の3分の2を、PA
GEによって分析した。残りの3分の1を、ウェスタン分析に使用した。
【0117】 これらのアッセイの結果は、PpSEC10 DNA構築物を含有する形質転
換体が発現し、そしてrhIGF−Iを分泌することを示す(データは示さない
)。rhIGF−Iのバンドの正体を、抗IGF−I抗体を使用するウェスタン
分析によって確認した。この観察によって、PpSEC10プロモーター、分泌
リーダー、およびターミネーター配列が、P.pastoris中で異種タンパ
ク質を発現し、そしてその分泌を指向する効力を確立する。
【0118】 (実施例8:PpSEC10ノックアウトプラスミドおよび変異体Pichi
a pastorisの構築) 以下は、エンドヌクレアーゼで消化された場合にPichia pastor
isゲノム中で組換えし得、その結果、PpSEC10遺伝子を無能化する、D
NAフラグメントを生成するプラスミドの構築を記載する。ppGen2クロー
ン(配列番号1)を、ベクターポリリンカーおよびPpSEC10プロモーター
を切断する、SstIおよびSpeIで消化した。この消化によって、SstI
およびXbaIで消化したpLitmus28ベクター(New Englan
d Biolabs Inc.,Beverly,Massachusetts
)中にクローン化された、1661塩基対(bp)のフラグメントを生成した。
このクローニング工程において、フラグメントのSpeI突出をベクターのXb
aI部位にクローン化し、そしていずれの部位も再生されない。生じるプラスミ
ドをp357−1と命名する。
【0119】 次に、第2のフラグメントを、BamHIおよびSpeIでppGen2を消
化することによって生成した。このフラグメントは、Sec10遺伝子の大部分
を含むが、開始メチオニンおよび分泌シグナルをコードする配列を欠失している
。313bpの長さであるこのフラグメントを、BamHIおよびSpeIで消
化したp357−1中にクローン化した。生じるプラスミドをp359−2と呼
ぶ。
【0120】 次いで、プラスミドp359−2をBamHIで消化し、そしてカナマイシン
耐性遺伝子ppKanを含む2kbのBamHIフラグメントをクローン化した
。生じるプラスミドをp367−4と命名し、そしてこれが最終的な構築物であ
る。ppKanフラグメントは、pUC4K(Invitrogen,San
Diego,California)(これは、P.pastorisプロモー
ターおよびターミネーターを使用するように操作された)に由来するKan耐性
マーカーを含む。プロモーターはURA3遺伝子由来であり、そしてターミネー
ターはPEP4遺伝子由来である。
【0121】 PpSEC10遺伝子を、Stearnら(1990)Meth.Enzym
ol.185:280−297によって記載されている、1工程の破壊方法によ
って無能化した。プラスミドp367−4を、SpeIおよびSphIで消化し
、これによって1kbを超えるPpSEC10遺伝子プロモーターおよび完全な
ppKanおよびPpSEC10遺伝子セグメントを含有する3.3kbのフラ
グメントを生じる。この3.3kbのフラグメントを、P.pastoris株
GST115およびSMD1163を形質転換するために使用した。G418(
geneticin)に対して耐性であるコロニーを単離し(Scorerら(
1994)Bio/Technology 12:181−184)、そしてS
ec10pタンパク質を産生するそれらの能力についてスクリーニングした。両
方の株のいくつかのSEC10無能化誘導体を単離した。
【0122】 明細書中で言及した全ての刊行物および特許出願は、本発明のかかわる当業者
のレベルを示す。全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出
願が詳細にそして個々に参考として援用されるかのように、同じ程度で本明細書
中で参考として援用される。
【0123】 上記の発明は、理解を明確にする目的のために、説明および例示の方法によっ
ていくらか詳細に記載されているが、特定の変更および改変が添付の請求の範囲
の範囲内で行われ得ることが、明らかである。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/16 (C12N 1/19 (C12N 1/19 C12R 1:84) C12R 1:84) C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ビショップ, ロバート アメリカ合衆国 カリフォルニア 94662 −8097, エミリービル, ピー.オー. ボックス 8097, ホートン ストリート 4560, カイロン コーポレイション内 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA80 DA12 FA02 GA11 4B050 CC03 DD04 LL03 4B065 AA77X AA77Y AA87X AA93X AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA38 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロモーターのヌクレオチド配列および目的のタンパク質をコ
    ードするヌクレオチド配列を適切なリーディングフレーム中に含有する、組換え
    DNA構築物であって、ここで、該プロモーターの該ヌクレオチド配列が以下: a)配列番号2に示されるヌクレオチド配列 b)配列番号2に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号2に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、組換えDNA構築物。
  2. 【請求項2】 前記プロモーターの前記ヌクレオチド配列が、配列番号2に示
    される配列、または配列番号2に示される配列に対して少なくとも70%の配列
    同一性を有するその機能的に等価な変異体もしくはフラグメントである、請求項
    1に記載のDNA構築物。
  3. 【請求項3】 前記タンパク質が、IGF−I、またはその機能的に等価な変
    異体もしくはフラグメントである、請求項1に記載のDNA構築物。
  4. 【請求項4】 分泌リーダーをコードするヌクレオチド配列をさらに含有する
    、請求項1に記載のDNA構築物であって、ここで、該分泌リーダーをコードす
    る該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号4に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列; b)配列番号5に示されるヌクレオチド配列; c)配列番号5に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; d)配列番号5に示されるヌクレオチド配列の少なくとも24個の連続するヌ
    クレオチドを含有するヌクレオチド配列; e)高ストリンジェンシーの条件下でa)、b)、またはc)のヌクレオチド
    配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、DNA構築物。
  5. 【請求項5】 前記プロモーターの前記ヌクレオチド配列が、配列番号2に示
    される配列、または配列番号2に示される配列に対して少なくとも70%の配列
    同一性を有するその機能的に等価な変異体もしくはフラグメントであり、そして
    前記分泌リーダーの前記ヌクレオチド配列が、配列番号5に示される配列、また
    は配列番号5に示される配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するそ
    の機能的に等価な変異体もしくはフラグメントである、請求項4に記載のDNA
    構築物。
  6. 【請求項6】 転写ターミネーターのヌクレオチド配列をさらに含有する、請
    求項1に記載のDNA構築物であって、ここで、該ターミネーターの該ヌクレオ
    チド配列が、以下: a)配列番号3に示されるヌクレオチド配列; b)配列番号3に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号3に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、DNA構築物。
  7. 【請求項7】 前記プロモーターの前記ヌクレオチド配列が、配列番号2に示
    される配列、または配列番号2に示される配列に対して少なくとも70%の配列
    同一性を有するその機能的に等価な変異体もしくはフラグメントであり、そして
    前記ターミネーターの前記ヌクレオチド配列が、配列番号3に示される配列、ま
    たは配列番号3に示される配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する
    その機能的に等価な変異体もしくはフラグメントである、請求項6に記載のDN
    A構築物。
  8. 【請求項8】 転写ターミネーターのヌクレオチド配列をさらに含有する、請
    求項4に記載のDNA構築物であって、ここで、該ターミネーターの該ヌクレオ
    チド配列が、以下: a)配列番号3に示されるヌクレオチド配列; b)配列番号3に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号3に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、DNA構築物。
  9. 【請求項9】 前記プロモーターの前記ヌクレオチド配列が、配列番号2に示
    される配列、または配列番号2に示される配列に対して少なくとも70%の配列
    同一性を有するその機能的に等価な変異体もしくはフラグメントであり、そして
    前記分泌リーダーの前記ヌクレオチド配列が、配列番号5に示される配列、また
    は配列番号5に示される配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するそ
    の機能的に等価な変異体もしくはフラグメントであり、そして前記転写ターミネ
    ーターの前記ヌクレオチド配列が、配列番号3に示される配列、または配列番号
    3に示される配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するその機能的に
    等価な変異体もしくはフラグメントである、請求項8に記載のDNA構築物。
  10. 【請求項10】 前記タンパク質が、IGF−I、またはその機能的に等価な
    変異体もしくはフラグメントである、請求項8に記載のDNA構築物。
  11. 【請求項11】 酵母によって認識されるプロモーターのヌクレオチド配列、
    分泌リーダーをコードするヌクレオチド配列、および目的のタンパク質をコード
    するヌクレオチド配列を、適切なリーディングフレーム中に含有する組換えDN
    A構築物であって、ここで、該分泌リーダーをコードする該ヌクレオチド配列が
    、以下: a)配列番号4に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列; b)配列番号5に示されるヌクレオチド配列; c)配列番号5に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; d)配列番号5に示されるヌクレオチド配列の少なくとも24個の連続するヌ
    クレオチドを含有するヌクレオチド配列; e)高ストリンジェンシーの条件下でa)、b)、またはc)のヌクレオチド
    配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、組換えDNA構築物。
  12. 【請求項12】 前記分泌リーダーをコードする前記ヌクレオチド配列が、配
    列番号5に示される配列、または配列番号5に示される配列に対して少なくとも
    70%の配列同一性を有するその機能的に等価な変異体もしくはフラグメントで
    ある、請求項11に記載のDNA構築物。
  13. 【請求項13】 前記目的のタンパク質が、IGF−I、またはその機能的に
    等価な変異体もしくはフラグメントであり、そして前記分泌リーダーをコードす
    る前記ヌクレオチド配列が、配列番号4に示されるアミノ酸をコードするヌクレ
    オチド配列である、請求項11に記載のDNA構築物。
  14. 【請求項14】 前記構築物が、転写ターミネーターのヌクレオチド配列をさ
    らに含有し、ここで、該ターミネーターの該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号3に示されるヌクレオチド配列; b)配列番号3に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号3に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、請求項11に記載のDNA構築物。
  15. 【請求項15】 前記分泌リーダーをコードする前記ヌクレオチド配列が、配
    列番号5に示される配列、または配列番号5に示される配列に対して少なくとも
    70%の配列同一性を有するその機能的に等価な変異体もしくはフラグメントで
    あり、そして前記転写ターミネーターの前記ヌクレオチド配列が、配列番号3に
    示される配列、または配列番号3に示される配列に対して少なくとも70%の配
    列同一性を有するその機能的に等価な変異体もしくはフラグメントである、請求
    項14に記載のDNA構築物。
  16. 【請求項16】 酵母によって認識されるプロモーターのヌクレオチド配列、
    目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列、および転写ターミネーターの
    ヌクレオチド配列を適切なリーディングフレーム中に含有する組換えDNA構築
    物であって、ここで、該ターミネーターの該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号3に示されるヌクレオチド配列; b)配列番号3に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号3に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、組換えDNA構築物。
  17. 【請求項17】 前記ターミネーターの前記ヌクレオチド配列が、配列番号3
    に示される配列、または配列番号3に示される配列に対して少なくとも70%の
    配列同一性を有するその機能的に等価な変異体もしくはフラグメントである、請
    求項16に記載のDNA構築物。
  18. 【請求項18】 前記目的のタンパク質が、IGF−I、またはその機能的に
    等価な変異体もしくはフラグメントである、請求項16に記載のDNA構築物。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載のDNA構築物を少なくとも1コピー含有す
    る、ベクター。
  20. 【請求項20】 前記ベクターが自律複製性ベクターである、請求項19に記
    載のベクター。
  21. 【請求項21】 前記ベクターが組込みベクターである、請求項19に記載の
    ベクター。
  22. 【請求項22】 請求項8に記載のDNA構築物を少なくとも1コピー含有す
    る、ベクター。
  23. 【請求項23】 請求項11に記載のDNA構築物を少なくとも1コピー含有
    する、ベクター。
  24. 【請求項24】 請求項16に記載のDNA構築物を少なくとも1コピー含有
    する、ベクター。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載のDNA構築物の少なくとも1コピーで安定
    に形質転換された、酵母宿主細胞。
  26. 【請求項26】 前記酵母が、Pichia pastoris、Sacch
    aromyces cerevisiae、およびKluyveromyces
    lactisからなる群より選択される、請求項25に記載の酵母宿主細胞。
  27. 【請求項27】 請求項8に記載のDNA構築物の少なくとも1コピーで安定
    に形質転換された、酵母宿主細胞。
  28. 【請求項28】 請求項11に記載のDNA構築物の少なくとも1コピーで安
    定に形質転換された、酵母宿主細胞。
  29. 【請求項29】 前記酵母宿主がPichia pastorisであり、そ
    して前記タンパク質が、IGF−I、またはその機能的に等価な変異体もしくは
    フラグメントであり、そして前記分泌リーダーをコードする前記ヌクレオチド配
    列が、配列番号4に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列である
    、請求項28に記載の酵母宿主細胞。
  30. 【請求項30】 請求項16に記載の構築物の少なくとも1コピーで安定に形
    質転換された、酵母宿主細胞。
  31. 【請求項31】 無能化Pichia pastoris PpSEC10遺
    伝子を有する、変異体Pichia pastoris株。
  32. 【請求項32】 前記株が、プロモーターのヌクレオチド配列および目的のタ
    ンパク質をコードするヌクレオチド配列を適切なリーディングフレーム中に含有
    する少なくとも1コピーのDNA構築物で安定に形質転換され、ここで、該プロ
    モーターの該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号2に示されるヌクレオチド配列 b)配列番号2に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号2に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、請求項31に記載の変異体Pichia past
    oris株。
  33. 【請求項33】 前記株が、酵母によって認識されるプロモーターのヌクレオ
    チド配列、分泌リーダーをコードするヌクレオチド配列、および目的のタンパク
    質をコードするヌクレオチド配列を適切なリーディングフレーム中に含有する少
    なくとも1コピーのDNA構築物で安定に形質転換され、ここで、該分泌リーダ
    ーをコードする該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号4に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列; b)配列番号5に示されるヌクレオチド配列; c)配列番号5に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; d)配列番号5に示されるヌクレオチド配列の少なくとも24個の連続するヌ
    クレオチドを含有するヌクレオチド配列; e)高ストリンジェンシーの条件下でa)、b)、またはc)のヌクレオチド
    配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、請求項31に記載の変異体Pichia past
    oris株。
  34. 【請求項34】 前記細胞が、酵母によって認識されるプロモーター、目的の
    タンパク質をコードするヌクレオチド配列、および転写ターミネーターのヌクレ
    オチド配列を適切なリーディングフレーム中に含有する少なくとも1コピーのD
    NA構築物で安定に形質転換され、ここで、該ターミネーターの該ヌクレオチド
    配列が、以下: a)配列番号3に示されるヌクレオチド配列; b)配列番号3に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号3に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、請求項31に記載の変異体Pichia past
    oris細胞。
  35. 【請求項35】 発現系として酵母宿主細胞を使用する目的の成熟タンパク質
    の発現および分泌のための方法であって、少なくとも1コピーの組換えDNA構
    築物を含有するベクターで該酵母宿主細胞を安定に形質転換する工程、および該
    DNA構築物が発現される条件下で該形質転換した細胞を培養する工程を包含し
    、ここで、該DNA構築物は、プロモーターのヌクレオチド配列および該目的の
    タンパク質をコードするヌクレオチド配列を適切なリーディングフレーム中に含
    有し、ここで、該プロモーターの該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号2に示されるヌクレオチド配列 b)配列番号2に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号2に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、方法。
  36. 【請求項36】 発現系として酵母宿主細胞を使用する、目的の成熟タンパク
    質の発現および分泌のための方法であって、少なくとも1コピーの組換えDNA
    構築物を含有するベクターで該酵母宿主細胞を安定に形質転換する工程、および
    該DNA構築物が発現される条件下で該形質転換した細胞を培養する工程を包含
    し、ここで、該DNA構築物は、酵母によって認識されるプロモーターのヌクレ
    オチド配列、分泌リーダーをコードするヌクレオチド配列、および該目的のタン
    パク質をコードするヌクレオチド配列を適切なリーディングフレーム中に含有し
    、ここで、該分泌リーダーをコードする該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号4に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列; b)配列番号5に示されるヌクレオチド配列; c)配列番号5に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; d)配列番号5に示されるヌクレオチド配列の少なくとも24個の連続するヌ
    クレオチドを含有するヌクレオチド配列; e)高ストリンジェンシーの条件下でa)、b)、またはc)のヌクレオチド
    配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、方法。
  37. 【請求項37】 発現系として酵母宿主細胞を使用する目的の成熟タンパク質
    の発現および分泌のための方法であって、少なくとも1コピーの組換えDNA構
    築物を含有するベクターで該酵母宿主細胞を安定に形質転換する工程、および該
    DNA構築物が発現される条件下で該形質転換した細胞を培養する工程を包含し
    、ここで、該DNA構築物は、酵母によって認識されるプロモーターのヌクレオ
    チド配列、該目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列、および転写ター
    ミネーターのヌクレオチド配列を適切なリーディングフレーム中に含有し、ここ
    で、該ターミネーターの該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号3に示されるヌクレオチド配列; b)配列番号3に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; c)配列番号3に示される配列の少なくとも24個の連続するヌクレオチドを
    含有するヌクレオチド配列; d)高ストリンジェンシーの条件下でa)またはb)のヌクレオチド配列にハ
    イブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、方法。
  38. 【請求項38】 以下: a)配列番号6に示されるアミノ酸配列; b)配列番号6に示されるアミノ酸配列の機能的に等価な変異体またはフラグ
    メントを含有するアミノ酸配列; c)配列番号6に示されるアミノ酸配列の少なくとも24個の連続するアミノ
    酸残基を含有するアミノ酸配列; d)配列番号7に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配
    列; e)配列番号7に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;お
    よび f)高ストリンジェンシーの条件下で、配列番号7に示されるヌクレオチド配
    列、または配列番号7に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体もし
    くはフラグメントを含有するヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチ
    ド配列によってコードされる、アミノ酸配列 からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、単離されたタンパク質。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載のタンパク質に選択的に結合する、抗体。
  40. 【請求項40】 プロモーターおよびタンパク質をコードするヌクレオチド配
    列を適切なリーディングフレーム中に含有する組換えDNA構築物であって、こ
    こで、該タンパク質をコードする該ヌクレオチド配列が、以下: a)配列番号6に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列; b)配列番号7に示されるヌクレオチド配列; c)配列番号7に示されるヌクレオチド配列の機能的に等価な変異体またはフ
    ラグメントを含有するヌクレオチド配列; d)配列番号7に示されるヌクレオチド配列の少なくとも24個の連続するヌ
    クレオチドを含有するヌクレオチド配列; e)高ストリンジェンシーの条件下でa)、b)、またはc)のヌクレオチド
    配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列 からなる群より選択される、組換えDNA構築物。
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