JP2001510754A - 保護書類 - Google Patents

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JP2001510754A JP2000504008A JP2000504008A JP2001510754A JP 2001510754 A JP2001510754 A JP 2001510754A JP 2000504008 A JP2000504008 A JP 2000504008A JP 2000504008 A JP2000504008 A JP 2000504008A JP 2001510754 A JP2001510754 A JP 2001510754A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は少なくとも１枚の機械的検査可能の磁気層と、可視スペクトル域において半透明な層からなる少なくとも１枚の別の層とを有する物体保護用保安エレメントに関する。該半透明層が前記磁気層を覆うようにその上に配置されている。本発明は、更に、このような保安エレメントを有する保護書類に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は少なくとも１枚の機械的検査可能の磁気層と少なくとも１枚の別の層
とを有する保安エレメントを持った銀行券、保護カード、ＩＤカードのような保
護書類に関する。
【０００２】 磁気性保安エレメントを有する銀行券、或いはＩＤカードのような保護書類を
提供することは近年公知であった。ドイツ特許第１，６９６，２４５号は例えば
鉄磁性コーティングを有する保護糸を埋め込んだ偽造防止紙を開示している。従
来使用されている磁気材料は非常に暗い本体色を有するが、保護糸は紙に完全に
埋め込んでさえも紙の表面に暗いストリップとして認識される。この欠点を除く
ためドイツ特許第１，６９６，２４５号は紙上の磁気材料の光学的影響を除くた
め両面に不透明な白色コーティングを有する磁気材料を塗布した糸を付加的に作
ることを既に提案している。
【０００３】 さらにドイツ特許第２，７５４，２６７号から磁気コーティングと更なる保安
上の特徴を持った保護糸を備えることが公知である。組み入れるべきである保護
特徴に対する重要な選択基準は、この特徴が偽造者に簡単には認識できず且つ模
倣できないことである。この理由により磁気層は例えばＵＶ光線（紫外線）のも
とで蛍光性のある不透明なラッカーや金属層と組み合わされる。しかし、ドイツ
特許第２，７５４，２６７号記載の方法は、書類が実際に機械で検査されるとき
偽造防止性を増大するのみである。上記保護特徴は書類が本物であるか否かを目
で見てチェックできないか、または容易にはできない。
【０００４】 ゆえに、磁気特性の機械的チェックと目による真実性のチェックの両方を可能
にする保護糸が出願された（ＷＯ９２／１１１４２）。この場合に磁気層は文字
や模様の形状をした間隙を有する不透明な金属層と結合され、該磁気層は観察者
から見て金属層の下に配置され、磁気層の光学的影響が紙上に現れないようにな
っている。前記間隙は実際に反射光で紙の中に認識できないが、透過光の中で不
透明な周囲からハイコントラストに浮き出ている。しかしながら、これは文字の
レフトアウト（left-out）区域が透明であること、すなわち文字の区域に磁気材
料が存在してはいけないことを前提条件とする。ゆえに保安エレメントの製造に
あたり磁気層と目で認識できる文字とが互いに揃い、重ならないように製造しな
ければならない。
【０００５】 本発明は、固有の色彩が反射光にほとんど現れない磁気コーティングを有し且
つ付加的に簡単な方法で目で検査できる特徴を有する保安エレメントを備えた保
護書類を提供するという課題に基づいている。
【０００６】 この課題の解決法は独立の請求の範囲記載されている。関連した内容と好適な
実施の形態は従属項の主題である。
【０００７】 可視スペクトル域で半透明であるカバー層は、磁気層の暗い外観を弱めて通常
望ましくない光の作用を十分に排除する事実が驚くほどに公開されている。この
半透明のカバー層は付加的に、例えば磁気層に文字の形状をした間隙を提供する
か、または磁気層そのものを視覚的および／または機械的に認識できる文字や模
様の形状に形成することにより、視覚的および／または機械的に認識できる情報
を有する保安エレメントを提供できるようにする。この場合、カバー層と磁気層
を正確に整列して配置することはもはや必要でない。その理由は視覚的に認識で
きる情報は半透明層を通して認識できるからである。
【０００８】 したがって、最も簡単な実施の形態において、保安エレメントは磁気層と該磁
気層を覆う半透明層とからなる。
【０００９】 好適な実施の形態によれば、半透明層が薄い半透明金属層で構成されている。
十分に厚い半透明金属層は不透明金属層に非常に良く似た光反射特性を有する。
【００１０】 これは通常少なくとも一部分が偽造防止紙に埋め込まれている保護糸を製造す
るとき有利に利用される。糸が完全に紙に埋め込まれた区域において、反射光で
紙の表面に（糸を）認めることは殆どできない。それは磁気層が金属層で十分に
覆われているからである。しかし、透過光によれば糸が不透明な金属糸のように
周囲とハイコントラストで暗いストリップのように見える。
【００１１】 もちろん隣接した半透明金属層の代わりに、その他の半透明材料や、層、例え
ば光学的に可変な干渉層顔料を有する印刷用インキや液晶層や半透明反射層を有
する回折構造のような層を使用することもできる。
【００１２】 別の好適な実施の形態によれば、保安エレメントの半透明層は個々のスクリー
ンエレメントが不透明な層、なるべくは金属層からなるスクリーン層により形成
される。スクリーンエレメントは任意の形状を有することができる。標準的な幾
何学的形状、例えば点、線、三角形などや、特殊の模様、数、文字なども使用す
ることができる。スクリーンの幅は、磁気層を十分に覆うことができ、一方スク
リーン層の下にある情報も同時に認識できる状態に選ばれる。スクリーンエレメ
ントは印刷用インキなるべくは白色インキまたは明るいインキにより、または任
意のコーティング法、例えば蒸着法やホットエンボシング法などにより製造され
る。
【００１３】 磁気層は使用されるカバー層の種類に関係なく、その全面が使用されるか、ま
たはある区域のみが使用されかのいずれかである。好適な実施の形態によれば、
磁気層はコーディング（coding）、特にバーコードの形状で使用される。しかし
、磁気層は視覚的および／または機械的に認識できる文字の形状の間隙のみを含
むこともできる。更に、視覚的および／または機械的に認識できる情報が磁気層
のコードの自由域（free areas）または間隙に配置されることができる。
【００１４】 特殊な実施の形態によれば、磁気層の自由域は例えば磁気材料と同一の色を持
った非磁性層で満たされることができる。これは付加的に磁気コードの存在を偽
装する。この非磁性層もまた文字や模様などの形状をした間隙を有することがで
きる。
【００１５】 磁気層と半透明カバー層の独創的組み合わせは磁気層に試験可能な情報を提供
するばかりでなく、保安エレメントのデザインにおいて半透明カバー層を含める
ことができる。このことは、いろいろな特殊効果と共に、保安エレメントやこの
保安エレメントを備えた物体の偽造防止性を増大する共通の効果を有する多種類
の実施の形態を作り出す。
【００１６】 上述したように、保安エレメントは、少なくとも一部分が保護書類の中に含ま
れる保護糸またはプランセット（planchets ）として形成されることができる。
しかし、保安エレメントを帯やラベルの形状に作り、これを物体の表面に取りつ
けることも考えられる。これらの物体も同様に保護書類である。しかし、本発明
の保安エレメントは製品保護の分野にも非常に有利に使用される。この場合、保
安エレメントは独創的な磁気層および半透明カバー層の他に、コイルのような別
の盗難防止エレメントを有することができる。別の実施の形態によれば、いかな
る形状の物体にも製品保護のため適用される書類材料上に、或いはその中に、本
発明の保安エレメントを設けることができる。
【００１７】 本発明の色々の実施の形態とそれらの効果を添付図面を参照して更に詳細に説
明する。
【００１８】 図１は本発明による保護書類１を示す。この場合の保護書類１は、保護糸２が
所謂「ウインド保護糸」の形状で埋め込まれている銀行券である。保護糸２は製
紙時にある程度紙の中に織りこまれ、紙の表面に一定の規則正しい間隔で入る。
このような区域３を図面にハッチングで示している。
【００１９】 しかしながら、「保護書類」という言葉は銀行券に限定されない。この言葉は
検査カード、株券、ＩＤカードなどやこれらの類似品のような任意の貴重な書類
を言う。
【００２０】 同様に、独創的な保安エレメント２は必ずしも保護糸である必要がない。例え
ば、保安エレメント２は、薄層の連続ラベルまたは自立形ラベルとして、保護書
類１の表面に完全に配置されることができる。同様に、この特殊エレメントの形
状も自由に選択することができる。例えば、保安エレメント２は保護書類１の１
端から他端まで連続的に、または任意の希望する輪郭で島状の模様に作ることも
できる。
【００２１】 もし保安エレメント２を保護書類上に薄層の連続物としてのみ設けたい場合は
、保安エレメント２の薄層連続物を箔材料上に別個に作り、後でこれを保護書類
上に移すのが便利である。この場合、保安エレメント２の薄層連続物を箔材料上
に、（後で保護書類上で希望する向きに対し）逆向きに表示しなければならない
。
【００２２】 図２は箔材料の実施の形態を示すものであり、ここに示す伝達箔２０は帯の形
状をしている。キャリヤ７、例えば透明なプラスチック箔は第１工程で、必要に
応じ、分離層８を設け、保護書類に移した後で保安エレメント２の層構造がキャ
リヤ７から分離できるようにしている。次に、可視スペクトル域において半透明
である第１カバー層６を分離層８に取り付け、次に磁気層５を第１カバー層６に
取り付ける。この例ではカバー層６が一定のスクリーン幅を有するスクリーン層
として図示されている。最後に、保護書類に層構造体２１を固定するための接着
層９を磁気層５の上に取り付ける。この接着層９は例えば熱溶融性接着剤または
放射線硬化接着剤である。
【００２３】 或る場合には書類に防護層としてキャリヤ７を同じように残しても良い。この
場合、もちろんキャリヤ材料上に分離層８を設けてはいけない。その代わりとし
て、エレメント２の層構造がキャリヤ層７に対し良好な接着性を有するように付
加的な手段をとらねばならない。
【００２４】 ラベル状の保安エレメントがこのような伝達箔の助けを借りて一定の場所に移
される必要のある場合、この伝達箔は保安エレメント層構造を全体的に設け、そ
して例えば接着剤を選択的に活性化することにより、前記全面的なコーチングか
ら必要区域においてのみ層構造を剥して移すことができる。またその代わりに、
キャリヤ材料は希望の単一エレメントを隔離された区域に前もって設けることが
できる。
【００２５】 次に説明する保安エレメントの層連続物はすべて、もちろん、このような伝達
箔上に作り、その後書類に移すこともできる。しかしながら、より明瞭に説明す
るため実質的にキャリヤ層と、その上に確実なマーキングのために設けられた層
と、からなる保安エレメントのみが図示され且つ説明されている。このような保
安エレメントは通常、保護糸や保護ラベルのようなキャリヤ箔と一緒に保護書類
上に或いはその中に固定されている。
【００２６】 図３は保安エレメントの層構造の最も簡単な実施の形態を示す。キャリヤ４が
全面に磁気層５を備え、磁気層５の上にスクリーンの形状をしたスクリーン層６
が設けられ、そのスクリーンエレメントは不透明材料で構成されている。スクリ
ーン層６は磁気層５を覆う独創的効果を確実にするため、完成書類上で観察者に
向かなければならない。
【００２７】 保安エレメントが保護糸として使用される場合、スクリーン層６の反対側にも
磁気材料を覆うことが便利である。このようにして磁気層５とキャリヤ層４との
間、すなわちキャリヤ層４の反対面または全面に別のスクリーン層なるべくは白
色または明るく印刷した層を設ける。この白色または明るい層は、下側から紙の
色にうまく適合し実質的に紙の裏側面に現れないようにする効果を生ずる。
【００２８】 しかし、第２のスクリーン層を使用することは、保護糸を前面と背面で同一に
見せるので、糸を紙の正しい側に入れる必要がない効果をもたらす。
【００２９】 もちろん、このような付加的なカバリング方法は他の実施の形態にも利用する
ことができる。
【００３０】 図４は図３を参照して説明した層連続物を有する保安エレメントを示す。しか
しながら、この場合は磁気層５が文字や模様などの形状をした間隙１０を備えて
いる。保安エレメントが紙の層に埋め込まれている場合、キャリヤ層４が透明ま
たは少なくとも半透明となるよう好都合に製作されている。これによって、間隙
１０は透過光で見た場合、不透明な磁気材料により形成された文字を周囲に高度
にコントラストして認識される。間隙１０の区域内の層６のスクリーンエレメン
トはこの作用を大きく減ずる。しかし、反射光で見ると、スクリーン６は間隙１
０を付加的に偽装するので、間隙１０は実質的に見えない。前述したように、ス
クリーン層６も磁気層５の暗い外観を十分にカバーする。
【００３１】 図５は図４を参照して説明した保安エレメントの別の変形を示し、これはキャ
リヤ層４と、見て確認できる情報の形状をした間隙１０を有する磁気層５と、ス
クリーン層６とからできている。間隙１０の区域において、スクリーン層６のス
クリーン幅は変化している。図５は磁気スクリーン材料５の区域におけるスクリ
ーン幅ａが間隙１０の区域におけるスクリーン幅ｂより大である場合を示す。も
ちろん、スクリーン幅ａがスクリーン幅ｂより小の逆の場合も同様に可能である
。スクリーン幅ａ、ｂの選択に応じて、磁気層５の間隙１０は一層強調されまた
は隠される。
【００３２】 図６は磁気層５がキャリヤ層４の全体に存在し、スクリーンカバー層６のみが
読取可能の情報１２を有する。読取可能情報１２はスクリーン幅の変化により表
示される。図６はスクリーン幅ａが情報１２の区域のスクリーン幅ｂより大きい
場合を再び示している。もちろん、ここでも逆の場合が可能である。この保安エ
レメントは、磁気層５が十分にカバーされ、一方カバー層６の適用により同じ操
作で簡単に作られて視覚的および／または機械的に認識できる情報が同時に表示
される効果を有する。
【００３３】 図７は磁気による本物確認の特徴ばかりでなく光学的に変化し視覚的に検査可
能な確実性の特徴を有する独創的保安エレメントの実施の形態を示す。この保安
エレメントはコーディング（符号化）の形状をした磁気層５の特殊デザインを一
層明確に示すため縦断面で示されている。この目的のためキャリヤ層４はその一
表面に磁気真実性特徴５を備え、この例では磁気による確認の特徴５が磁気コー
ドの形状をしている。磁気層５の上にカバー層６が配置されている。キャリヤ層
４の反対面に層１３が存在し、キャリヤ層４から離れた方を向く層１３にレリー
フ構造の回折構造を備えている。このレリーフ構造に蓄積した情報を目で見える
ようにするため、層１３に反射層１４を備えている。
【００３４】 保安エレメントを透過光で検査可能にするか、または片側からのみ検査可能に
するかに応じて、各層を差別してデザインしなければならない。保安エレメント
を透過光で検査可能にする場合、キャリヤ層４を透明材料または少なくとも半透
明材料で作らねばならない。反射層１４は、同様に少なくとも半透明層でなけれ
ばならない。例えばキャリヤ層４は層１３と異なった反射率を持った透明ラッカ
ー、或いは半透明金属層で作らねばならない。
【００３５】 しかしながら、反射層１４をスクリーンエレメントが不透明な金属層からなる
スクリーンとして形成されれば特に効果的な実施の形態が生まれる。この場合、
一方では光学的に変化する情報を反射光で見ることができ、他方ではキャリヤ層
４の表面に備えた磁気層５を見ることができる。このことは、磁気層５が図７に
示すようにコーディングの形状でキャリヤ層４の上に存在せず、図４および図５
に示したような文字の形状をした間隙１０を有する場合に特に興味深い。特に保
安エレメントが偽造防止紙の中にウインド保護糸として埋め込まれている場合に
、回折構造１３と反射層１４は磁気層５の付加的なカバー層として作用する。ウ
インド域の透明な反射層１４を有する回折層１３が監視者に対面していれば、こ
の監視者は第１に反射光の中に光学的に変化する効果を認識する。透過光の中に
おいてのみ磁気層５の間隙１０がスクリーンの間隙を通して見えるようになる。
磁気層５の上に配置されたスクリーン層６は、たとえ紙の裏面が観察された時で
も前記糸が見えないよう、すなわち、暗い磁気層を覆うように作用する。
【００３６】 反射層１４を不透明な金属層として形成することも考えられる。この場合カバ
ー層６が監視者に対面すれば磁気層の自由域とカバー層の自由域の回折構造のみ
観察することができる。磁気層５が例えば文字形状の間隙を持っていれば、これ
らの文字は回折層１３の光学的に変化する効果を示す。保安エレメントを裏から
見ると、観察者は光学的に変化する情報のみ認識するだけである。不透明な反射
層１４はキャリヤ層４の反対面の磁気層５の認識を阻止する。
【００３７】 ある状態では保安エレメントの両面が互いに別々に検査されることが好都合の
場合もあるかもしれない。この場合キャリヤ層４は不透明でなければならない。
この場合反射層１４は随意に設計することができる。
【００３８】 上記のすべての実施の形態について、さらに回析構造は必ずしも分離層、例え
ばラッカー層の中に埋め込まれる必要がないと考える。もちろん回析構造は直接
キャリヤ層４の表面に合体させることができる。
【００３９】 図８に示すように、本発明の別の実施の形態はキャリヤ層４の表面に全ての保
護に関連する層を配置することを可能にする。この場合に文字または模様の形状
の間隙１０を有する磁気層５が先ずキャリヤ層４に設けられる。この上に透明な
ラッカー層１５が置かれ、このラッカー層１５は可視スペクトル域の外側および
／または内側の放射線で活性化されたとき出す少なくとも一つの発光物質を持っ
ている。ラッカー層１５の上に、規則正しいスクリーンの形状をしたカバー層６
が配置されている。最後の層は、レリーフ構造の回折構造を中に組入れているラ
ッカー層１３と、反射層１４である。反射層１４は、磁気層５に組み込まれた間
隙１０を透過光で視覚的および／または機械的に認識できるようにするため、同
様に半透明である。上述したように、反射層１４は半透明の金属層またはスクリ
ーン不透明金属層、その他に異なる反射率を有する透明ラッカー層で作ることが
できる。もちろん発光性層１５も複数の発光物質を含有することができ、または
異なる放射波長を持った複数の融合域を有することもできる。模様の形状の利用
も可能である。保安エレメントを環境の影響および機械的負荷から保護するため
付加的に保護層、例えば透明なラッカー層（図示せず）を設けることができる。
【００４０】 図９はカバー層が、不透明なスクリーンエレメントを有するスクリーン層をも
はや有しない、本発明の別の実施の形態を示す。その代わりとして、磁気層５に
設けている半透明層１６、なるべく半透明金属層を使用する。スクリーンカバー
層に関連して説明したように、視覚で確認できる情報を組み入れるために半透明
層も使用される。
【００４１】 これは、図１０に示すように情報１９の区域にスクリーンを設けることにより
行われる。
【００４２】 図１１は磁気層５が文字や模様などの形状の間隙１０を有し、その上に半透明
層１６を配置した場合を示す。ここでも、文字は周囲に対し好対照の情報として
透過光で確認される、しかし反射光で見た場合文字は見えにくい。
【００４３】 図１２は保安エレメント２の別の実施の形態を示す。この場合、キャリヤ層４
は、規則正しいスクリーン形状で図示されているスクリーンカバー層６で覆われ
た層２０を片側に備えている。キャリヤ層４の反対側に同一のスクリーンカバー
層６が設けられ、これは保安エレメントが両側から見て同一の外観を呈すること
を保証する。しかし、このキャリヤ層４の下側の第２スクリーン層６は層２０と
キャリヤ層４との間に配置されるか、または完全に廃止される。層２０は色彩が
一定であるが異なる成分の材料で構成されている全面層である。
【００４４】 図１３、１４、１５は層２０の各種実施の形態を示す平面図である。これらの
実施の形態において層２０はキャリヤ層４の少なくとも部分域に広がった隣接層
を形成する。
【００４５】 図１３によれば、層２０は交互に配置された区域５および区域２１（分かりや
すくするため図中に線で分けている）からなる。実際にこれらの区域は色が同一
であるから目で区別できない。しかし、区域５には機械的に検知できる磁気材料
が存在し、中間域２１には磁気特性のない同一色の材料が存在する。磁気層５は
コーディング（coding）を表示することができる。図１３に示すように磁気層５
と非磁気層２１の両者は読みやすい情報の形状をした間隙１０を有することがで
きる。しかし間隙１０はなくてもよい。
【００４６】 図１４は磁気領域２０と非磁気領域２１のもう一つの相対的配置を示す。ここ
では保安エレメントの端縁域の非磁性域に設けられている間隙１０と整列して磁
気材料５が配置されている。図１４は間隙１０に平行に存在する全体的な所謂「
磁気通路」としての磁気区域５を示す。また、その代わりに、これらの磁気通路
を中断して、間隙１０に平行に配置された磁気コードを作ることも考えられる。
この場合に磁気コードの中間域は同様に非磁気層２１で満たされねばならない。
【００４７】 図１５も同様に層２０の実施の形態の平面図を示す。この場合、磁気区域５は
同様に、中間域が同じ色の非磁気層２１で満たされているコードを形成する。こ
の例では間隙１０が非磁気層２１のみに配置されている。
【００４８】 図１６は最後に層２０の別の可能な実施の形態を示す。この例では、層２０は
隣接せずに、分離した磁気域５と非磁気域２１で構成されている。図１６に示す
ように磁気域５と同じ色をした非磁気域２１が、例えば読みやすい情報や模様な
どを表示することができる。これは磁気域５と磁気域５との間の距離に応じて大
きさや情報の内容を変えることができる。
【００４９】 磁気層（例えば磁気コード）およびカバー層（例えば異なるスクリーン幅）に
ついて示した説明の変形を、本発明の範囲内で意のままに互いに組み合わせでき
ることはすべての実施の形態について可能である。光学的可変層、蛍光性層やそ
の他の追加の層のような付加的な特徴も図示した全ての実施の形態に組み込むこ
とができる。光学的可変層とは、図示したように、例えばシネラマ、映画やホロ
グラムを表現するエンボス回折構造である。もちろん透明または不透明な干渉層
のようなその他の光学的可変層も使用することができる。後者は保安エレメント
に直接付着されるか、または染料の形状で印刷用インクに混合された蒸気である
こともできる。不透明な特別有効なインクは特にスクリーンカバー層を作るのに
適している。
【００５０】 本発明の保安エレメントは、真実性の特徴を有するプラスチック箔や紙のよう
なキャリヤ材料を準備し、次に必要な形状のばらばらのエレメントに切断するこ
とにより、簡単な方法で製造される。ラベルとして使用するため片面は付加的に
接着剤を塗布される。キャリヤ材料のないエレメント層構造のみを書類に設けた
い場合、エレメント層構造を有する分離状の伝達帯、例えばホットエンボス箔を
準備し、次にその一部分を、例えば熱および圧力の作用により、連続状の書類ま
たは書類材料に移す。保安エレメントもすでに最終形状で伝達帯上に作られ、次
に移されることができる。磁気層は印刷される（例えばスクリーン印刷法により
）か、または塗装法により施工されるかのいずれかである。磁気層が文字や模様
などの形状をした間隙を有する場合、または磁気コードとして形成される場合、
別の視覚的および／または機械的に認識できる情報を、別の実施の形態に基づく
磁気層の自由中間域に、配置することができる。この情報は例えば金属製顔料を
含む印刷用インキかまたはホットスタンピングなどの金属溶射法で作られる文字
などにより構成されることができる。
【００５１】 同様に、カバー層は印刷技術により作られる。スクリーンカバー層の場合は金
属顔料含有の白色または明るい印刷用インキを使用することが特に適している。
しかし、物体色を持った光学的可変中間層顔料のような特殊の染色顔料を含む印
刷用インキを使用することもできる。
【００５２】 しかし、カバー層に固い金属層を使用する場合の金属層は金属溶射法により施
工されねばならない。半透明の全面カバー層は簡単に真空溶射法により作られる
。同様に、中断された金属層はマスクを使用した蒸着法により作られる。また、
金属層は第１工程において全面に施され、次に必要な区域がエッチング法で除去
される。別の方法として、後で除去する区域に付着防止層を施す方法により行う
方法がある。金属を全面塗装してのち、付着防止層が化学的に溶かされ、重ねて
ある金属が除かれる。
【００５３】 独創性の保安エレメントが保護糸として使用される場合、この保安エレメント
を対称に作ることが効果的である。この場合に同じ層の順序で２個のキャリヤを
作り、それらを一緒に膠づけして両キャリヤの間に特徴層が入るようにする。こ
れによつてそれらが湿気や腐食のような危険な環境の影響を受けるのを防護する
。しかし、保護に関する層をキャリヤに付け、最終工程でこれらの層に保護箔層
上の防護ラッカー層やラミネートを供給することでしばしば十分である。
【００５４】 同様に磁気層の下にカバー層を設けて、保安エレメントが両側から同一の外観
を示すようにすることが有効である。
【００５５】 図示して説明した保安エレメントと保護書類は多種類の製品を保護するために
使用される。例えば、通常コイルや複雑な電子回路を経て制御装置と通信してい
る窃盗防止ラベルに一層の保護を提供するため、本発明の保安エレメントを使用
することができる。また、本発明による保安エレメントを有する保護書類例えば
銀行券を、ＣＤや本などの任意の物体に真正なものであることの証明としてつけ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による保護書類を示す
【図２】 保安エレメントを製造するため伝達帯の形状をした本発明の箔材料の横断面を
示す
【図３】 スクリーンカバー層を有する本発明の保安エレメントの横断面を示す
【図４】 磁気層およびスクリーンカバー層に間隙を有する本発明の保安エレメントの横
断面を示す
【図５】 磁気層およびスクリーンカバー層に間隙を有し、スクリーンの幅が間隙の区域
と磁気層の区域において異なる本発明の保安エレメントの横断面を示す
【図６】 スクリーンカバー層を有し、情報がスクリーン幅の変化によりカバー層の中に
表示されるようになった本発明の保安エレメントの横断面を示す
【図７】 回折構造と磁気コードとスクリーンカバー層とを有する本発明の保安エレメン
トの縦断面を示す
【図８】 磁気層の中の間隙と付加的な回折構造と蛍光層とを有する本発明の保安エレメ
ントの横断面を示す
【図９】 半透明の全面カバー層を有する本発明の保安エレメントの横断面を示す
【図１０】 スクリーンにより一定区域が中断されている半透明カバー層を有する本発明の
保安エレメントの横断面を示す
【図１１】 磁気層および半透明カバー層に間隙を有する本発明の保安エレメントの横断面
を示す
【図１２】 本発明の保安エレメントの特殊な実施の形態の横断面を示す
【図１３】 図１２に示した層２０の特殊な実施の形態の平面図を示す
【図１４】 図１２に示した層２０の別の特殊な実施の形態の平面図を示す
【図１５】 図１２に示した層２０の別の特殊な実施の形態の平面図を示す
【図１６】 図１２に示した層２０の別の特殊な実施の形態の平面図を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ブールシャルト，テオ ドイツ連邦共和国 Ｄ−83703 グムント ブーヒレイテン １ Ｆターム(参考） 2C005 HA02 HB01 HB09 JA03 JA12 JA30 JB11 KA09 KA37 KA40 LA05 LA25 4F100 AB01B AK01C AR00A AR00B AR00E BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10B BA10C BA10E DA20 DG07 EH462 GB71 GB90 HB31B HB31D JG06A JJ10 JL11E JM02C JN01B JN02B

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 少なくとも１枚の機械的検査可能の磁気層と少なくとも１枚
    の別の層とを有し、前記別の層が可視スペクトル域において半透明であり、該半
    透明層が前記磁気層を覆うようにその上に配置されていることを特徴とする物体
    を保護するための保安エレメント。
  2. 【請求項２】 前記半透明層が不透明なスクリーンエレメントからなるスク
    リーンで構成されていることを特徴とする請求項１記載の保安エレメント。
  3. 【請求項３】 前記不透明スクリーンエレメントが明るい印刷インキ、メタ
    リック顔料を含む印刷用インキ、メタリック・エフェクトインキ、または金属層
    からなることを特徴とする請求項２記載の保安エレメント。
  4. 【請求項４】 前記スクリーン層に視覚的および／または機械的に認識でき
    る情報が表示されることを特徴とする請求項２または請求項３記載の保安エレメ
    ント。
  5. 【請求項５】 前記情報がスクリーン幅の変化により、または希望する情報
    の形状をしたスクリーンエレメントの不存在により表示されることを特徴とする
    請求項４記載の保安エレメント。
  6. 【請求項６】 前記半透明層が半透明な金属層からなることを特徴とする請
    求項１記載の保安エレメント。
  7. 【請求項７】 前記視覚的および／または機械的に認識できる情報が前記半
    透明金属層に表示されることを特徴とする請求項６記載の保安エレメント。
  8. 【請求項８】 前記情報が前記金属層を文字や模様などを有する一定面積の
    スクリーンとして製作することにより表示されることを特徴とする請求項７記載
    の保安エレメント。
  9. 【請求項９】 スクリーンの形状をした第２不透明層または半透明な金属層
    が前記磁気層の下に配置されていることを特徴とする請求項１〜８の中のいずれ
    か１項記載の保安エレメント。
  10. 【請求項１０】 前記磁気層が文字や模様などの形状をした間隙を有するこ
    とを特徴とする請求項１〜９の中のいずれか１項記載の保安エレメント。
  11. 【請求項１１】 前記磁気層がコーディング、特にバーコードの形状で使用
    されることを特徴とする請求項１〜９の中のいずれか１項記載の保安エレメント
    。
  12. 【請求項１２】 更に視覚的および／または機械的に認識できる情報が前記
    磁気層のコードの自由域または前記間隙の中に配置されることを特徴とする請求
    項１０、１１のいずれか１項記載の保安エレメント。
  13. 【請求項１３】 前記磁気層の自由中間域に、文字や模様などの形状をした
    間隙を有し且つ前記磁気層と同一の色を有する非磁気層が存在することを特徴と
    する請求項１２記載の保安エレメント。
  14. 【請求項１４】 発光物質、回折構造、干渉層などのような別の保安特性を
    付加的に有することを特徴とする請求項１〜１３の中の少なくとも１項記載の保
    安エレメント。
  15. 【請求項１５】 随意に糸または帯の形状を有するプラスチック箔に形成さ
    れることを特徴とする請求項１〜１４の中の少なくとも１項記載の保安エレメン
    ト。
  16. 【請求項１６】 自己接着ラベルの形状に設計されていることを特徴とする
    請求項１〜１４の中の少なくとも１項記載の保安エレメント。
  17. 【請求項１７】 少なくとも１枚の機械的検査可能の磁気層と、前記磁気層
    の上に配置されている少なくとも１枚の別の層とを有するプラスチック箔を含む
    保安エレメントを製造するための箔材料において、前記別の層が半透明層であり
    且つ該半透明層が前記磁気層の上にこれを覆うように配置されていることを特徴
    とする箔材料。
  18. 【請求項１８】 前記箔材料が伝達箔として形成されていることを特徴とす
    る請求項１７記載の箔材料。
  19. 【請求項１９】 前記半透明層が半透明金属層、または不透明なスクリーン
    エレメントからなるスクリーンを包含することを特徴とする請求項１７または請
    求項１８記載の箔材料。
  20. 【請求項２０】 レリーフ構造の形状をした回折構造を有することを特徴と
    する請求項１７〜１９の中の少なくとも１項記載の箔材料。
  21. 【請求項２１】 請求項１〜１６の中の少なくとも１項記載の保安エレメン
    トを有することを特徴とする銀行券、保護カード、ＩＤカードなどのような保護
    書類。
  22. 【請求項２２】 前記保安エレメントが保護書類の中に少なくとも一部分埋
    め込まれていることを特徴とする請求項２１記載の保護書類。
  23. 【請求項２３】 銀行券、保護カード、ＩＤカードなどのような保護書類の
    中に少なくとも一部分埋め込まれている糸や帯の形状をした保安エレメントを製
    造するための箔材料の製造方法において、 １）プラスチック箔に磁気材料を塗装する工程、 ２）前記磁気層に可視スペクトル域で半透明な層を加える工程、 ３）前記箔材料を予定の寸法および形状をした保安エレメントに分割する工程、
    を有することを特徴とする箔材料の製造方法。
  24. 【請求項２４】 偽造防止のため物体の表面に加えられる保安エレメントを
    製造するための箔材料の製造方法において、 １）できれば分離層を付着しているプラスチックキャリヤー箔を準備する工程、
    ２）可視スペクトル域で半透明な層を加える工程、 ３）磁気層を加える工程、 ４）接着剤層を加える工程、 を有することを特徴とする箔材料の製造方法。
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