JP2001510445A - 芳香族ヒドロキシカルボン酸の生成 - Google Patents

芳香族ヒドロキシカルボン酸の生成

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Abstract

(57)【要約】 フェノールなどの芳香族ヒドロキシ化合物を、フッ化物イオンの存在下で二酸化炭素と接触させる段階を含む、サリチル酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸の生成方法。生成物は、医薬および化学中間体として、またポリマー用のモノマーとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 芳香族ヒドロキシカルボン酸の生成 発明の分野 本発明は、フッ化物イオンの存在下で芳香族ヒドロキシ化合物と二酸化炭素を 接触させることによって、芳香族ヒドロキシカルボン酸を生成する方法に関する 。 技術背景 芳香族ヒドロキシ酸は、工業上重要な品目である。例えばo−ヒドロキシ安息 香酸(サリチル酸)は、例えばアスピリンを製造するための化学中間体として使 用され、一方、p−ヒドロキシ安息香酸はパラベンの製造に使用され、また、ポ リエステルを製造する際のモノマーとしても使用される。芳香族ヒドロキシ酸は 、通常高温高圧下で芳香族ヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩を二酸化炭素と反 応させる、コルベ−シュミット反応を用いて製造することが可能である。コルベ −シュミット反応は、100年にわたり芳香族ヒドロキシ酸を調製するための標 準的な手順であり、例えばA.S.Lindsey他のChem.Rev.,vol.57,p.583〜620 (1957年)を参照されたい。しかしながらこの方法は、いくつかの製造段階を含 んでその実施が複雑かつ困難であり、最終生成物のコストが増大する。また、そ の後廃棄されるNaOHまたはKOH(ナトリウム塩またはカリウム塩として) などの腐食性化合物を使用するため、実質的なコストもかさむ。 発明の概要 本発明は、フッ化物イオンの存在下、約100℃〜約300℃の温度で芳香族 ヒドロキシ化合物と二酸化炭素を接触させる段階を含む芳香族ヒドロキシカルボ ン酸の生成方法であって、二酸化炭素が少なくとも約0.1MPaの分圧を有す る生成方法に関する。 発明の詳細 この方法による生成物は、芳香族ヒドロキシカルボン酸である。芳香族ヒドロ キシカルボン酸は、少なくとも1個の芳香族炭素環式環と、芳香族炭素環式環の 炭素原子に結合する少なくとも1個の水酸基および1個または複数個のカルボキ シル基(好ましくは1個のカルボキシル基)を含有する化合物を表す。この化合 物は、1個または複数個の芳香族環を含有してもよく、このような環が2個以上 存在する場合は、これらの環がナフタレンのように縮合してもよく、ビフェニル のように共有結合によって結合するか、またはジフェニルエーテルのように2価 の基によって結合してもよい。また、1個または複数個の芳香族環に、1個また は複数個のアルキル基などの不活性基が結合してもよい。いずれかの特定の理論 または説明に限定されると意図することなく、本明細書では、カルボキシル基に よって置換される芳香族環での位置は、コルベ−シュミット反応で置換される位 置と同様であると考えられる。したがって、これらの位置の少なくとも一個所は 、芳香族ヒドロキシ化合物中では置換されないことが好ましいとされる。この方 法によって生成される化合物には、p−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安 息香酸、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−5−メチル安 息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、およびヒドロキシ−ナフトエ酸が含ま れる。好ましい生成物は、p−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、 および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸である。 この方法における出発物質の1つは、芳香族ヒドロキシ化合物である。芳香族 ヒドロキシ化合物は、少なくとも1個の芳香族炭素環式環を含み、また、芳香族 炭素環式環の炭素原子に結合する少なくとも1個の水酸基を含有する化合物を表 す。この化合物は、1個または複数個の芳香族環を含有してもよく、このような 環が2個以上存在する場合は、これらの環がナフタレンのように縮合してもよく 、ビフェニルのように共有結合によって結合するか、またはジフェニルエーテル のように2価の基によって結合してもよい。また、1個または複数個の芳香族環 に、1個または複数個のアルキル基などの不活性基が結合してもよい。有用な芳 香族ヒドロキシ化合物には、フェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、o −クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール、およびレソルシノールが含ま れる。フェノールおよび2−ナフトールは好ましい芳香族ヒドロキシ化合物であ り、フェノールが特に好ましい。 この方法におけるその他の成分は、二酸化炭素である。この方法でのCO2の 分圧は決定的なものではなく、少なくとも約0.1MPaが好ましく、より好ま しくは約5MPa〜約70MPaの範囲であり、特に好ましくは約10MPa〜 約25MPaである。CO2の圧力は、この方法で得られる芳香族ヒドロキシカ ルボン酸の1個または複数個の位置異性体にも影響を及ぼす場合がある。 フッ化物イオンは存在する必要があり、いずれかの特定の理論に限定されると 意図することなく、この方法における促進剤であると考えられる。フッ化物イオ ンは、この方法で「有効である」ことが好ましい。有効であるとは、フッ化物イ オンが反応成分と相互に作用することが可能であることを表す。所望のプロセス が進行すると、フッ化物イオンは反応成分に対し有効になる。有機化学における フッ化物イオンのこのような使用法は、一般に、本明細書中に参考として援用さ れるJ.H.Clark,Chem.Rev.,vol.80,p.429〜451(1980年)で論じられてお り、p.430〜431のセクションではフッ化物イオン源の選択を扱っている 。一方法では、フッ化物イオンを、そのプロセス媒体との相互作用によってさら に有効なものとすることが可能である。(溶媒)ポリエーテルトリグライムまたは テトラグライム、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル 、ジメチルエーテル、そしてホルマールなどの特定のプロセス成分によって、添 加された化合物を含有するフッ化物イオンの有効性が増大する。いわゆる「クラ ウンエーテル」でも、この有効性を増大させることができる。フッ化物陰イオン と関係する陽イオンも、プロセス媒体中のフッ化物の溶解度に影響を及ぼす。セ シウム、ルビジウム、テトラアルキルアンモニウムの各陽イオンなど、大きい1 価の陽イオンも、フッ化物イオンの有効性を促進させる。好ましいフッ化物は、 フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、およびフッ化セシウムであり、フッ化セシ ウムが特に好ましい。これらのフッ化物は、アルミナなどの不活性固体上にも支 持され、「Michael Addition of Nitroalkane to α,β-Unsaturated Carbonyl Compounds on KF/Al23/PEG-4000」、Chinese Chemical Letters,vol.3,p.159 〜160(1992年)に記載されるように、KFの活性に著しい増大が見られるもので ある。 芳香族ヒドロキシ化合物とCO2の比は限定されるものではない。フッ化物: 芳香族ヒドロキシ化合物の比は約1以上が好ましく、より好ましくは約2以上、 特に好ましくは約4以上である。結晶性フッ化物:芳香族ヒドロキシ化合物の比 の好ましい上限は約10であり、より好ましくは約6である。反応に対するフッ 化物イオンの触媒としての有効性は、固体状態の場合その表面積に依存すると考 えられていることから、フッ化物がアルミナなどの固体表面上に分散する場合、 またはフッ化物が高い比表面積を有する場合は、フッ化物と反応成分の比を非常 に低くすることが可能である。 本発明の方法は、約100℃〜約300℃の温度で有利に実施される。この方 法において好ましい温度範囲は、約110℃〜約250℃である。フェノールが 芳香族ヒドロキシ化合物として使用される場合、好ましい温度範囲は約110℃ 〜約160℃である。コルベーシュミット反応でよく知られるように、この方法 における温度は、芳香族ヒドロキシ酸の1個または複数個の異性体を得る場合に 影響を及ぼす。この方法はまた好んで用いられ、当業者は最小限の通常実験を行 うことによってこのプロセス温度(およびその他の反応条件)を最適化し、特定 の芳香族ヒドロキシ酸異性体を得ることができると考えられている。 また、プロセス成分を確実に混合するためにこれらの成分を幾分かきまぜたり 、その他の振動を加えることも好ましい。分散剤(プロセス温度で液体であり、 出発物質および/または生成物のいずれかまたはすべての溶媒となり、または溶 媒とはならない材料)は、この方法に任意選択的に使用される。分散剤は、この 方法を妨げない(停止させない)ものとする。有用な分散剤には、ヘキサデカン やクラウンエーテル、そしてトリグライムやテトラグライムなどの(ポリ)エー テルなどの、炭化水素が含まれる。また、KOHやNaOHなどの強酸は10モ ルパーセント未満(当初存在する芳香族ヒドロキシ化合物の量に対して)が存在 することが好ましく、それらはほとんど存在しないことがより好ましい。 この方法を、所望の生成物を生成するのに充分な期間実施することができる。 この期間は、一般に約1分〜数日の範囲内であり、プロセス条件によって変化す る。芳香族ヒドロキシカルボン酸の1個または複数個の位置異性体が得られる状 況は、このプロセスがどの程度の期間進行したかに依存する。このプロセス中、 初期に形成された芳香族ヒドロキシカルボン酸は、当初形成された生成物の位置 異性体である、もう1つの化合物に(部分的に)異性化される。いかなる特定の 異性体を生成するための最適な時間(およびその他のプロセス条件)は最小限の 実験によって決定される。 芳香族ヒドロキシカルボン酸は、当業者によく知られる方法によって分離する ことができる。例えば生成物が固体である場合、特に冷却された反応生成物から 沈殿させ、ろ過によって分離する。分離方法の実施例を参照されたい。 この方法は、事実上および経済上得られる場合と同様に無水の条件下で実施さ れることが好ましい。相当量の水分が存在することによって、1種または複数種 の所望の生成物の収率が減少する。また有機化合物、特にフェノールは高温で酸 化される傾向にあるため、事実上可能な程度までに酸素を排除するものとする。 実施例では、以下の略号を使用する。 N − 2−ナフトール PHBA − p−ヒドロキシ安息香酸 SA − サリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸) フッ化物と基質(例えばフエノール)の比はモルで表される。 実施例では、様々な種類の装置が使用される。これらの装置には、表1に示す 対応する番号が付与される。 表2に、各種装置の特徴を示す。これらの器具は、撹拌、容積、温度制御、圧 力定格、および構造材料の点で比較される。これらの装置を使用する方法のそれ ぞれについて、以下に記載する。1.加熱テープ法 加熱テープ装置は、ステンレス鋼製の10〜15ml高圧管反応器、圧力計、 吸込弁および排出弁からなる予備実験装置である。反応器に巻き付けた加熱テー プでこの反応器を加熱し、反応器の外側の、加熱テープのすぐ下の温度を測定し た。温度プローブは温度制御器に接続されて加熱テープに接続したVariacと共に 使用され、反応器を所望の温度に維持した。 出発物質を計量し、グローブボックス内の反応器に加えた。次いでポンプを使 用して二酸化炭素で反応器を加圧し、算出した圧力、すなわち反応器加熱後に付 与される、装置限界未満の最終圧力に到達させた。次に、反応器に加熱テープを 巻き付け、このテープと反応器の外側の間に温度プローブを配置した。次いです べての装置に絶縁材を巻き付け、圧力計のみ見えるようにした。 反応器を所望の温度に加熱し、温度制御器およびVariacを使用して、その温度 に特定の時間維持した。次に、データ表に注釈されるように、反応器を自然に冷 却させまたは氷水で冷却した。反応器を室温に冷却した後、反応器内容物をアセ トンまたはメタノールの液体溶媒中にゆっくりと圧出し、得られた固体を洗浄し て管反応器からかき出した。指示される手順にしたがって固体および液体溶媒の 分析を行った。 2.砂浴 砂浴装置は、砂の流動床によって加熱が行われること以外は、加熱テープ装置 と類似する。これは振とうを行わないことから、同様に予備装置と見なされる。 この装置は、ステンレス鋼製5ml高圧管反応器、圧力計、吸込弁および排出弁 からなる。温度制御器は流動砂浴の一部であり、反応器を所望の温度に維持する ために使用した。管反応器の容積は、砂浴のサイズおよびその平面形状により、 加熱テープ法で使用される反応器よりも小さい。より大きい容積(10〜15m l)の反応器は、砂浴内で垂直方向にのみ配置され、このため出発物質によって 反応器の一端に栓が形成された。より小さい容積の反応器は水平に配置させるこ とが可能であり、この固体の栓の形成が防止された。 出発物質を計量し、グローブボックス内の反応器に加えた。次いでポンプを使 用して二酸化炭素で反応器を加圧し、算出した圧力、すなわち反応器加熱後に付 与される、装置限界未満の最終圧力に到達させた。反応器および圧力計を、圧力 計のみが砂の上に見えるようにホルダ上に配置した。反応器を所望の温度に加熱 し、特定の時間この温度に維持した。 次に、データ表に注釈されるように、反応器を自然に冷却させまたは氷水で冷 却した。反応器を室温に冷却した後、反応器内容物をアセトンまたはメタノール の液体溶媒中にゆっくりと圧出し、得られた固体を洗浄して管反応器からかき出 した。指示される手順にしたがって固体および液体溶媒の分析を行った。 3.振とう管 振とう管は、温度浴と、管反応器用の数個の孔を有するアルミニウムブロック からなる。管反応器は、ステンレス鋼製で約5mlの容積を有する。アルミニウ ムブロックは、このブロックの最上部と底部に配置された4個のカートリッジヒ ータで加熱される。これらのカートリッジヒータと反応器用孔は、適度に均等な 温度分布を得るため間隔をおいて設けられている。 アルミニウムブロック最上部の穿孔内にプローブを配置して、このブロックの 温度を測定した。温度プローブは温度制御器に接続されて、カートリッジヒータ に接続したVariacと共に使用され、ブロック内の反応器を所望の温度に維持した 。振とうを開始する前にブロックを絶縁材で覆い、これによって熱の対流量を減 少させると共に、熱いアルミニウムブロックの最上部に誰も触れることのないよ うにした。温度浴は、水平運動の機械的源として使用され、水は入っていない。 振とうは、アルミニウムブロックを載せた温度浴バスケットの、100rpmの 水平運動によって生じる。 出発物質を計量し、グローブボックス内の管反応器に加えた。出発物質と一緒 に、直径0.3cmの10個のステンレス鋼ボールベアリングも管反応器のそれ ぞれに加え、振とう中に上記物質を分散させた。次いで二酸化炭素を用い、反応 器を室温で、初期設定点まで加圧した。次に、まだ圧力計に接続されている加熱 ブロック内に反応器を配置し、次いでブロック内で所望の温度に加熱した。最終 反応温度で所望の圧力を得るため、必要である場合は、反応器をさらに二酸化炭 素で満たした。 高温に対する予防措置のため、初めに二酸化炭素を満たす際に、反応器をアル ミニウムブロック内に配置しなかった。より低い圧力から開始することによって 、反応器上への取付けや圧力計への配管を調節することが可能であり、必要であ る場合は、これらの取付け部品を熱いアルミニウムブロック付近で取り扱う前に 調節することが可能になった。これらの反応器は通常200℃より高い温度に加 熱されることから、室温での二酸化炭素の開始圧力が、高温では所望の最終圧力 になると推測された。 反応器が一度所望の温度に加熱され、最大圧力が確実に得られるよう充分長い 時間この温度に維持したら、この圧力を記録して圧力計を反応器から取り外した 。圧力計および関連する管を取り外すことによって、反応系内に漏れを生じさせ るような圧力をどの配管にも加えることなく、ブロックを左右に自由に動かすこ とが可能になった。アルミニウムブロックの振とうは、圧力計を反応器から取り 外した後に開始した。 特定の反応時間の後、革のグローブを使用して管反応器を注意深くアルミニウ ムブロックから取り外し、この反応器を氷浴内に浸漬してすばやく温度を下げた 。反応器を、氷浴内で約10分間保持した。この反応器を、アセトンやメタノー ルなどの液体溶媒中に減圧し、指示される手順にしたがって固体および液体溶媒 の分析を行った。 4.チタン反応器 チタン反応器装置は、4個のポートを備える100ml反応器、スターラを回 す圧縮空気駆動モータ、循環浴、およびポンプまたは圧力発生機からなる。反応 器上の4個のポートは、圧力計、熱電対、二酸化炭素用入口、および安全弁用に 使用される。反応器を封止する工程では、TEFLON(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEの商標)、ポリテトラフルオロエチレンに 包まれたo−リングを正しい位置に取り付け、スターラにトップハウジングを、 そして反応器の底部にバッフルを配置し、熱電対をそのポートに付け加え、そし て6個のボルトを規則正しく調節してトップハウジングを反応器の底部に固定す るため、少なくとも15分を必要とする。加熱し、または冷却するため、循環浴 を使用して、反応器ジャケットを通してエチレングリコールを循環させた。 出発物質を計量し、反応器の底部に加えてからトップハウジングをボルトで締 めた。数回の実験作業の間に上記物質をグローブボックス内で添加したが、一旦 一片としてまとめられてしまうと、反応器の部品およびポートのサイズが原因と なって、反応器を内部チャンバから外部チャンバに移すことが著しく困難になっ た。したがって、チタン反応器による2〜3の実験作業のみがグローブボックス 内で確実に行われた。 出発物質を含む反応器を封止した後、二酸化炭素をゆっくりと反応器に添加し て約100psiとし、次いでゆっくりと開放してこのシステムの外に空気をパ ージした。このパージング工程を数回繰り返した。次に、冷却水をトップハウジ ングに流してモータのベアリングを冷やした状態に維持し、空気を流して振とう を開始させた。所望の温度設定点に温度調節を行うため循環浴を使用する際、二 酸化炭素を増加させて反応器に添加した。これは、高温に加熱する場合特に重要 である。その理由は、反応器を初めに液体二酸化炭素で満たし、次いで加熱する 場合、圧力は反応器の圧力限界へとすばやく増大し、所望の温度に到達するため に内容物の一部をパージしなければならず、結果的に出発物質に損失が生じるか らである。110℃よりも高温の実験では、その温度にするために循環浴を使用 し、次いでシェルがエチレングリコールでみたされた状態で放置され、加熱テー プを使用してさらに加熱される。このような高温に対しては、固有の封止方法と して利用可能な循環浴または液体ポンプがないため、上記のような手順を使用し た。反応器はアセトンやメタノールなどの液体溶媒に減圧され、指示された手順 にしたがって固体および液体溶媒の分析を行った。 分析法 実施例では数種類の分析法を参照する。これらの分析法を以下に記載し、また 、各実施例では番号を付して参照する。 すべての試薬を商業上の供給者から購入した。生成物の分離を、J.T.Bakerシ リカゲル(40 60μm)を使用したフラッシュカラムクロマトグラフィによ って行った。核磁気共鳴(NMR)スペクトルをVarian Gemini 300MHz分光計に 記録し、高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)をHewlett Packard 1090機器 で行った。 分析法#1 この分析ではカラムクロマトグラフィおよびNMRを使用し、生成物中のフェ ノール、SA、およびPHBAの相対量を定量した。 反応器をアセトンまたはメタノール中に減圧し、反応器内の残渣をスパテルを 使用して除去するか、アセトンまたはメタノールに溶かした後ピペットで除去し た。ロータバップを使用して反応混合物から溶媒を除去した。少量のメタノール を残渣に添加してカラムクロマトグラフィ用の溶液を調製した。カラム用に、5 0%石油エーテルと50%エチルエーテルの溶媒混合物を溶離剤として調製した 。このカラムにシリカゲルを充填し、反応生成物を含有する溶液をシリカゲルの 最上部に加えた。次いで溶媒混合物を添加して液体クロマトグラフィを実施した 。第一留分を採取した後、溶離剤を純粋なエチルエーテルまたはメタノールに交 換して第二留分を得た。 両留分に関してNMRスペクトルを得た。生成物および生成物分布を、各生成 物の化学シフトおよびピーク面積に基づいて決定した。収率が得られる場合は、 それらを粗生成物のNMRスペクトルに基づいて計算した。 分析法#2 この分析ではカラムクロマトグラフィおよびNMRを使用し、生成物中のフェ ノール、SA、およびPHBAの相対量を定量した。 反応器をアセトンまたはメタノール中に減圧し、反応器内の残渣をスパテルを 使用して除去するか、アセトンまたはメタノールに溶かした後ピペットで除去し た。ロータバップを使用して反応混合物から溶媒を除去した。少量のメタノール を残渣に添加してカラムクロマトグラフィ用の溶液を調製した。このカラムにシ リカゲルを充填し、メタノールを溶離剤として使用した。反応混合物を含有する メタノール溶液をシリカゲルの最上部に加え、次いでメタノールを添加して液体 クロマトグラフィを実施した。一種類の留分のみを採取した。溶媒を除去し、残 渣を真空ポンプで乾燥させた。 カラム留分について、NMRを使用して分析した。NMRスペクトルから得ら れた生成物のピーク面積によって、この生成物の分布を決定した。 分析法#3 この分析ではカラムクロマトグラフィおよびHPLCを使用し、生成物中のフ ェノール、SA、およびPHBAの相対量を定量した。 反応器をアセトンまたはメタノール中に減圧し、反応器内の残渣をスパテルを 使用して除去するか、アセトンまたはメタノールに溶かした後ピペットで除去し た。ロータバップを使用して反応混合物から溶媒を除去した。少量のHPLC級 メタノールを残渣に添加してカラムクロマトグラフィ用の溶液を調製した。この カラムにシリカゲルを充填し、HPLC級メタノールを溶離剤として使用した。 反応混合物のメタノール溶液をシリカゲルの最上部に加え、次いでメタノールを 添加してカラムクロマトグラフィを実施した。一種類の留分のみを採取した。こ の留分を500ml容量フラスコに注ぎ、特定量の内標準(2−ナフトール)を 添加した。次いでHPLC級メタノールを添加して500ml溶液を調製した。 HPLCを使用して分析を行った。HPLC分離条件を以下の表に示す。2− ナフトールを内標準として、フェノール、PHBA、およびSAの標準溶液から 検量線を得た。検量線を使用して生成物の収率と分布を決定した。HPLC分離条件 溶媒 50%水+35%テトラヒドロフラン+15%メタノール 流速 1ml/分 注入体積 0.1μl 検出器 ダイオードアレイUV検出器 分析法#4 この分析では、NaOHを用いた標準滴定を使用し、生成物中のフェノール、 SA、およびPHBAの相対量を定量した。 分析法#5 この分析では、エーテル/水による処理およびNMRを使用し、生成物中の2 −ナフトールと6−HNAの相対量を定量した。 反応混合物から溶媒を除去した後、粗生成物が得られた。この粗生成物を水と エーテルの混合物で処理した。エーテル層を水層から分離した。次いでエーテル 層を水で洗浄し、水層をエーテルで抽出した。エーテル層をすべて一緒にし、M gSO4で乾燥させた。エーテルを除去した後、残渣を真空ポンプで乾燥させた 。 NMRを使用して生成物を分析した。 実施例1〜20では、フェノールがヒドロキシ芳香族化合物であった。実施例 21〜24では、2−ナフトールがヒドロキシ芳香族化合物であった。 実施例1 装置4を使用し、KF10.3gとフェノール4.3gをこの装置4に加えた 。反応器をCO2で114bar(1.14×107Pa)に加圧し、スターラを 800rpmに設定し、120℃で86時間加熱した。方法2による分析によっ て、10%PHBAと5%SAの収率がもたらされた。 実施例2〜7 これらの実施例を表3に要約する。 実施例8〜13 これらの実施例を表4に要約する。また、実施例8〜10では反応器内にトリ グライム4〜5mlが存在し、実施例11〜13ではテトラグライム5〜6ml が存在した。 実施例14〜15 これらの実施例は、ヘキサデカンを「分散剤」として使用して行われた。各反 応ではヘキサデカン41mlを添加した。その結果を表5に要約する。 実施例16〜20 これらの実施例は、ヘキサデカン4mlを「分散剤」として使用して行われた 。実施例17および18ではステアリン酸ナトリウム0.003gも存在し、一 方、実施例19および20ではTwcen(登録商標)−80が10μ存在した。結 果を表6に要約する。 実施例21〜24 これらの実施例では、2−ナフトールがヒドロキシ芳香族化合物であった。結 果を表7に要約する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.フッ化物イオンの存在下で、芳香族ヒドロキシ化合物と二酸化炭素を約10 0℃〜約300℃の温度で接触させる工程を含むことを特徴とする芳香族ヒドロ キシカルボン酸の製造方法。 2.前記二酸化炭素が少なくとも約0.1MPaの分圧を有することを特徴とす る請求項1に記載の方法。 3.前記分圧が約5MPa〜約70MPaであることを特徴とする請求項2に記 載の方法。 4.前記温度が約110℃〜約250℃であることを特徴とする請求項1に記載 の方法。 5.前記温度が約110℃〜約250℃であることを特徴とする請求項3に記載 の方法。 6.フッ化物:芳香族ヒドロキシ化合物のモル比が少なくとも約1であることを 特徴とする請求項1に記載の方法。 7.フッ化物:芳香族ヒドロキシ化合物のモル比が少なくとも約2であることを 特徴とする請求項1に記載の方法。 8.フッ化物:芳香族ヒドロキシ化合物のモル比が約4〜約10であることを特 徴とする請求項1に記載の方法。 9.フッ化物:芳香族ヒドロキシ化合物のモル比が少なくとも約2であることを 特徴とする請求項5に記載の方法。 10.前記芳香族ヒドロキシ化合物がフェノールまたは2−ナフトールであるこ とを特徴とする請求項1に記載の方法。 11.前記芳香族ヒドロキシ化合物がフェノールであることを特徴とする請求項 1に記載の方法。 12.前記芳香族ヒドロキシ化合物がフェノールであることを特徴とする請求項 9に記載の方法。 13.前記温度が約110℃〜約160℃であることを特徴とする請求項12に 記載の方法。 14.前記フッ化物が、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、またはフッ化セシ ウムとして存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。 15.前記フッ化物がフッ化セシウムとして存在することを特徴とする請求項1 に記載の方法。 16.前記フッ化物がフッ化セシウムとして存在することを特徴とする請求項9 に記載の方法。 17.前記フッ化物がフッ化セシウムとして存在することを特徴とする請求項1 0に記載の方法。 18.分散剤がさらに存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。 19.前記分散剤がポリエーテルまたはクラウンエーテルであることを特徴とす る請求項18に記載の方法。
JP54251397A 1996-05-20 1997-05-14 芳香族ヒドロキシカルボン酸の生成 Ceased JP2001510445A (ja)

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