JP2001510089A - 自由に流れる混合物を貯蔵し送出する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、自由に流れる混合物を絞り出す装置で、該混合物に絞り出す力が加わると、少なくとも一つの構成状態の流れが突出されるものに関する。この装置は、自由に流れる成分（２）を収容する少なくとも一つの円筒容器（１）を含む。円筒容器（１）は、軸方向に移動する２つのピストン（２、４）で閉鎖されており、円筒壁の底部に材料出口開口部（５）を有する。材料出口開口部（５）は、絞り出し圧力により下部ピストン（４）が材料出口開口部（５）を通過して端部位置（４’）に移動すると、自由に流れる成分（２）の流れを吐出する。好適な形態によれば、装置は上述した型式の円筒容器を少なくとも一つ有し、空間上で離れて又は同時に、２つ以上の自由に流れる成分を絞り出すのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、自由に流れる成分（特に、接着剤やシーラント）を貯蔵し、輸送し
、吐出する装置に関する。

【０００２】 自由に流れる混合物（低粘度又は高粘度）を貯蔵し又は所定の時間に輸送する
場合、漏れ、乾燥、又は反応性混合物（例えば、シーラントや接着剤）の場合は
反応に対して防護しなければならない。したがって、上記自由に流れる混合物を
収容する容器は、閉鎖されており、使用直前に開放される。容器を開放する操作
はまったく別の段階を含む。いま反応性物質を充填した容器が複雑な塗布装置の
一部である場合、供給開始時における容器の開放操作は複雑で過ちを犯し易い。

【０００３】 反応装置の場合、例えば接着剤やシーラントなどの２つの成分は別々に保管し
なければならない。分離された成分は、使用直前に接触して、塗布されて反応す
る前に完全に混合されなければならない。このような２つの成分又は複数成分の
接着剤やシーラント（又はコーティング材料）を産業的規模で塗布する場合、上
述の問題は非常に高価な計量及び混合装置によって解消されている。これらの装
置により、２成分又は複数成分が容易且つ適正に貯蔵され、計量され、そして混
合できる。

【０００４】 少量しか使用しない場合、すなわち少量生産、又は手作り又は末端ユーザの場
合、上述した混合して計量することは非常に複雑で費用もかかることであるから
、２成分又は多成分混合物を塗布することは問題外である。したがって、このよ
うな分野のユーザは１成分装置を好む。その理由は、この装置は、接着剤又はシ
ール材（コーティング）の最終特性に悪影響を及ぼす可能性のある混合又は計量
ミスのリスクを負うことない簡単な塗布装置を用いることができるからである。
しかし、多くの場合、１成分混合物の反応速度は最終強度又は最小強度を上げる
ために十分なものでなく、そのため従来から２成分混合物が依然として上記分野
でも利用されている。上述のように、そこでは入念な混合及び計量装置が使用で
きないので、混合ミスを無くすために、別の方法が用いられている。これら従来
の２成分及び多成分混合物の場合、２つの成分の量が多く、しかも粘度が高いの
が一般的である。しかし、このことは、特別な２成分塗布装置が上記２成分混合
物にも必要とされることを意味する。上記２成分装置の例としては、例えば、リ
キッド・コントロール社から「Ｓｕｐｅｒｍｉｘ」の名前で販売されている型式
の静的なミキサーに囲まれた軸方向のカートリッジがある。また、２つの平行な
カートリッジと動的なミキサーヘッドを有する２成分装置が、例えばＥＰ−Ｂ−
３１３５１９及びＥＰ−Ｂ−３５１３５８で知られている。ＤＥ−Ａ−４２０２
５９１には、ミキサーに供給される糸状ペーストが薄い隣接した層を形成するミ
キサーに入れる前に少なくとも２つのペーストを予備混合する方法が開示されて
いる。ＤＥ−Ｃ−２９２７５８４には、２つの軸方向に伸びるシリンダが一方の
背後に他方を配置されたピストン−シリンダ装置を用いて予め決められた混合比
率で２成分の物を計量する装置が記載されている。特別な機構を用い、２つの部
屋の間に配置された２つのピストンは逆方向に同時に移動でき、後部の部屋から
の成分はピストンと前部の部屋の中央を通る成分ラインを介して、混合ユニット
の配置されている前端部に案内される。これらすべての２成分装置は、使用に際
して、特別な装置又は塗布装置を必要とする。

【０００５】 実際には、標準的な塗布装置によって、そのような多成分混合物を塗布できる
ことが望ましい。ＷＯ９５／２４５５６には、プレスによって空にするように設
計されたカートリッジ用の計量装置が記載されている。この計量装置は、混合要
素と、２つのロータにより駆動される歯車ポンプを有する計量室とを有する。主
成分はカートリッジに収容され、これを絞り出すとき、カートリッジはロータを
介して歯車ポンプを駆動する。その結果、計量装置を用いて、標準的なカートリ
ッジプレスによって計量された状態で２成分が混合される。この装置の欠点は、
計量装置が機械的に移動される部分を有し、歯車ポンプによって混合室で反応成
分が交じり合い、そのために反応装置は動作上の中断が生じた場合でも計量室で
反応を継続することである。これは、作業を再開した場合に、硬化した成分によ
って深刻な問題を生じる。

【０００６】 ＷＯ９５／２７５５８には、少なくとも２つの流動媒体を混合する方法と装置
が記載されている。好適な実施形態において、第１の（主たる）媒体は、一般の
カートリッジに収容されている。第２の流動性媒体を収容する第２の部屋は、上
記カートリッジに対応して設計されたアタッチメントに収容されている。上記部
屋は、流れ領域及び／又は第１の部屋に、第１の流動媒体を第１の部屋から第２
の部屋へと一部分岐させる少なくとも一つの開口要素を介して、接続されている
。第２の部屋は、第１の媒体を第２の媒体から分離すると共に第２の部屋に入る
第１の媒体により共通の開口方向に移動する移動可能な分離要素を含み、そのた
めに第２の流動媒体がアタッチメント内の部屋から押し出される。この装置は多
くの場合に有益な結果をもたらすものであるが、実際には、特に第２の媒体が低
粘度の場合に、深刻な漏洩の問題が入口及び出口の開口部で生じ得ることが認め
られていた。これらの問題は、反応装置に長期に亘って保存する場合や、塗布作
業が短時間の中断を含む場合に、極めて不都合なものである。

【０００７】 そこで、本発明が解決しようとする課題は、吐出圧力を加えることにより少な
くとも一つの成分を吐出する流動成分吐出装置を提供することである。また、本
発明の課題は、２つ又はそれ以上の複数の自由に流れる成分（特に、シーラント
や接着剤）を空間的に離して且つ同時に吐出する装置を提供することである。こ
れらの装置は、従来から広く市場に提供されている１成分接着剤又はシーラント
用塗布装置を共に使用できるものであることが望ましい。

【０００８】 本発明により提案された解決策は請求の範囲に記載されており、それは自由に
流れる成分を吐出する装置を本質的に提供するものである。この装置では、自由
に流れる成分を収容する円筒容器を有する。この装置は、軸方向に移動可能な２
つのピストンによって閉鎖されており、円筒壁の下端部に材料出口開口部を有す
る。この開口部は、吐出圧力によって下部のピストンが材料出口開口部から端部
位置に移動すると、自由に流れる成分の流れが吐出される。

【０００９】 本発明の好適な実施形態は、空間的に離れて２つ以上の自由に流れる成分を同
時に吐出する装置に関し、上述した円筒容器を少なくとも一つ有する。

【００１０】 保管及び輸送中、少なくとも一つの自由に流れる成分が、２つの移動可能なピ
ストンを有する円筒容器に収容される。塗布時、２つのピストンの一方に圧力が
加えられる。その結果、２つのピストンが、自由に流れる流体と共に、円筒容器
の出口開口部に向って前進する。もともとは出口開口部の近傍に配置されていた
下部ピストンは出口開口部を通り、自由に流れる成分の流れを解放する。その後
、円筒容器に設けたストッパによりピストンの前進が規制される。その結果、更
なる圧力を上部のピストンに加えると、自由に流れる成分が容器から流出する。
容器から送出される自由に流れる成分の単位時間当たり量は出口開口部の径、上
部ピストンに加える吐出圧、及び自由に流れる流体の粘度に影響される。

【００１１】 以上の原理は、種々の包装装置に適用できる。特に好適な実施形態は、例えば
、シーラント、接着剤、塗布材料などの、２成分または多成分の反応装置用のカ
ートリッジである。２つの軸方向に移動可能なピストンを有する容器を起動又は
開放する初期圧力は、 例えば、カートリッジ用ガン又はその他の駆動部の前進ピストンを介して、機
械的及び直接的に、 また、例えば、ある離れた部品を前方に駆動させるねじ付きスピンドルを介し
て機械的及び間接的に、 さらに、圧力によって自由に流れる成分を介する等の種々の方法で得ることが
できる。なお、最後方法の場合、軸方向に移動可能な２つのピストンを有する容
器は別の外側容器に収容され、この別の容器を介して自由に流れる成分が流れ、
ピストンにかかる圧力は材料の事前の配分により制御される。

【００１２】 自由に流れる成分の好適な実施例としては、反応性接着剤、シーラント、また
は基本要素としてのコーティング材料が挙げられる。第２の及び／又は他の自由
に流れる成分としては、触媒成分、カラー成分、反応性架橋剤又はそれらの組み
合わせがある。

【００１３】 本発明にかかる装置の好適な実施形態は、軸方向に移動可能な２つのピストン
と材料出口開口部を有する少なくとも一つの円筒容器が、第２の容器として商業
的に入手可能なカートリッジに取り付けられるアダプタの形をしていることに特
徴を有する。アダプタの円筒容器は、少量の触媒、架橋剤、及び／又はカラー成
分が充填され、カートリッジから絞り出される接着剤又はシーラントの基本成分
の体積流が材料の流れに対向する移動可能なピストンを前方に移動し、上記少量
の触媒、架橋剤、及び／又はカラー成分を絞り出す。上記２成分は連続的に混合
され、出来あがった混合物は適宜アダプタにねじ留めされたノズルを介して均一
に吐出される。上記２成分は、アダプタに設けた静的なミキサーで完全に混合し
てもよい。基本的に、塗布前に混合されなければならないあらゆる形式の２成分
接着剤やシーラント若しくはコーティング材料が本発明のプロセスに利用できる
。好適な一実施形態では、主成分は１成分の湿式硬化装置で、そこには第２の成
分が硬化剤、触媒、カラー成分、又はそれらの混合物が添加される。基本となる
接着剤やシーラントはポリジメチルシロキサン、アルコキシシラン末端プレポリ
マー又は反応性のエポキシ基を含むポリマーを主成分として含むものであるが、
反応性のイソシアネート基を含むポリウレタン接着剤又はシーラントを主成分と
して含むものであってもよい。特に適当なポリウレタン接着剤又はシーラントは
、例えば、ＷＯ９５／００５７２の実施例３に記載されている。アルコキシシラ
ン末端ポリエーテルを主成分として含む適当な接着剤又はシーラントは、ＤＥ−
Ｃ−４１１９４８４に詳細に記載されている。この文献に記載されているフッ素
系界面活性剤は、本発明に基づいて利用される接着剤やシーラントの一部として
必ずしも含まれるものでない。適当なアルコキシシラン末端ポリウレタンは、Ｄ
Ｅ−Ａ−３６２９２３７に記載されている。

【００１４】 触媒成分は、使用する基本接着剤又はシーラントにより決まる。ポリウレタン
の分野では有機金属成分として知られている例えば鉄や錫の混合物は、ポリウレ
タンに代えて利用することもできる。また、混合物は、例えば鉄や二価又は四価
の錫の１，３−ジカルボルニル混合物を含むが、特にＳｎ（ＩＩ）カルボキシレ
ート又は二価アルキルＳｎ（ＩＶ）ジカルボキリレート又は対応するシアルコキ
シレート（例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫ジブチレート、ジオクタール錫ジアセテート、ジブチル錫マレアート、錫（
ＩＩ）オクテート）を含む。また、高活性第３アミン又はアミジンを、触媒とし
て、また上述した錫の混合物と組み合わせて使用してもよい。適当なアミンとし
ては、非環式及び特に環式混合物（例えば、テトラメチルブタネジアミン、ビス
（ヂメチルアミノエチル）エーテル、１，４−ヂアゾビサイクロオクタン、１，
８−ヂアゾバイシクロ（５．４．０）アンデセン、２．２−ジモロフォリノヂエ
チルエーテル又はジメチルビペラジン、若しくは上述のアミンの混合物）である
。

【００１５】 基本となる接着剤又はシーラントの構成はアルコキシシラン末端プレポリマー
であるが、上述した錫の混合物を使用してもよい。しかし、好適なアミン触媒は
長い鎖の脂肪族アミンである。

【００１６】 好適な架橋混合物は、有機のジアミンとトリアミン（例えば、エチレンジアミ
ン、プロプリレンヂアミン、１，４−ジアミノブタン、ヂエチレントリアミン、
またはピペラジン、及び「ジェファミン」型の低分子量のアミノ末端ポリエーテ
ル）である。適当なポリオール架橋剤は、原則として、ポリウレタンの分野で知
られている任意のポリオールであり、具体的には、低分子量のポリエーテルジオ
ール及びポリエーテルトリオール、ポリエステルポリオール、ε−カプロラクタ
ン（「ポリカプロラクタン」として知られている）である。しかし、オレイン化
合物のポリエステルポリオールが特に好適である。これらのポリエステルポリオ
ールは、例えば、１から１２の炭素原子を含む１つ又は複数のアルコールとの混
合物でオレフィン的に不飽和な脂肪性の酸を含む脂肪混合物を少なくとも一部に
含むエポキシ化トリグリセライドの開環し、後にアルキル残基中でトリグリセラ
イド誘導体を１〜１２個の炭素を含むアルキルポリエステルポリオールにエステ
ル交換して得られる（例えば、ＤＥ−Ａ−３６２６２２３参照）。その他の好適
なポリオールとしては、ポリカーボネートポリオールやジメルジオール（ヘンケ
ル社製）、特にカストールオイルやその誘導体である。この架橋成分は、適宜、
例えばエチレングリコール、グリセロール、アミノアルコール又は水等の利用可
能な低分子量の水素混合物を含む。

【００１７】 シラン化合物として知られている低分子量のシラン架橋物を、アルコキシレン
末端プレポリマー装置や接着剤／シーラントを主成分とするポリジメチルシロキ
サンの架橋成分として使用することもできる。

【００１８】 上述したジアミンやポリアミンを、反応性エポキシ基を含むポリマーを主成分
とする接着剤やシーラント装置に利用してもよい。

【００１９】 液体の架橋物又は触媒は直接使用することができるが、不活性溶媒及び／又は
可塑剤に置換してもよいし、適宜濃縮装置で溶媒の粘度を基本となる接着剤やシ
ーラントの粘度に適合させてもよい。高分散シリカ、ベントナイト、セルロース
誘導体及び同様の流動助剤が例としてある。

【００２０】 本発明の他の形態において、アダプタを介してカラー成分を加えてもよい。こ
れは、ユーザは一つの基本色（例えば、無色又は白色）の一つの接着剤又はシー
ラントを供給し、カラー成分を自分の必要に合わせるものであるから、ユーザに
とって保管が容易になる。自動車の製造の場合、例えば車用にラッカーが使用さ
れる。

【００２１】 触媒及び／架橋剤、並びにカラー成分は、単一のペースト中で混ぜてもよい。

【００２２】 上述のように、特に好適な実施形態では、触媒、架橋剤、及び／又はカラー成
分は、基本成分に対して少量しか使用されず、そのためアダプタは小容積でよい
。この成分は、基本成分の０．５〜１０重量％だけ使用される。しかし、上記２
成分は重量及び容積に関して同量使用してもよい。また、装置は、混合される成
分比率に適合させるべきである。これは、容器の容積を材料成分が充填されるレ
ベルによって調整することで、または材料出口開口部の断面を調整することで、
容易に行なうことができる。

【００２３】 本発明は、以下の実施例に示されている。

【００２４】 （実施例） 図２に示す本発明のアダプタは、商業的に入手可能な１成分湿式硬化型１成分
ポリウレタン接着剤／シーラント（テロスタット８５９０、ヘンケル・テロソン
社製）のカートリッジにねじ止めし、ＰＵＲシックナーを用いて濃縮された５ｍ
ｌの水溶液をアダプタに入れた。接着剤／シーラント架橋混合物を、商業的に利
用可能なカートリッジガンによって、アルミニウム製のアングルに塗布した。ア
ルミニウムのアングルには、ポリウレタンポリマー（テロスタット８５１０、ヘ
ンケルテロソン社製）が予めコーティングされて１５分間空気乾燥した。次に、
アルミニウムのアングルを相互に組み立て、５ｍｍ厚の接着線を形成した。組立
から６０分経過後、接着剤の引張強度を試験した。約１．５Ｎ／ｍｍ²の平均平 均強度（９個の測定値の平均値）が得られた。その後のショアＡ硬度は、３８で
あった。最終的に、ｃａ．５０のショアＡ硬度が得られた。

【００２５】 比較実験では、架橋剤又はアダプタの無い状態で、接着剤／シーラントをアル
ミニウムアングルに同様に塗布し、引張強度を試験した。６０分後、０．１５Ｎ
ｍｍ²の引張強度が測定された。

【００２６】 ＷＯ９５／２７５５８に記載のアダプタと比較すると、本発明のアダプタによ
れば以下の利点が得られた。 ・ 架橋剤を充填した本発明のアダプタは、貯蔵中、カートリッジガンを用いた
接着剤／シーラント架橋混合物の塗布中のいずれも、漏洩の問題は無かった。こ
れに対し、ＷＯ９５／２７５５８のアダプタの場合、貯蔵中及び混合物の塗布中
、アダプタ室の後部から架橋剤が漏れた。 ・ 塗布作業を中断した場合、架橋剤が接着剤／シーラントと接触して、出口で
材料の硬化が生じた。また、塗布作業を再開すると、異常事態を生じた。このよ
うな問題は、本発明のアダプタでは、観察されなかった。

【００２７】 本発明の装置の好適な実施形態が添付図面に示してある。本発明による上述の
利点及びその他の利点は、上記実施形態の説明から明瞭である。すべての図面は
、側面図である。

【００２８】 図１は、自由に流れる混合物（特に、接着剤、シーラント）を送る本発明の装
置の一実施形態を示す。円筒容器１は、自由に流れる成分２を収容するために利
用される。円筒容器１は、２つの軸方向に移動可能なピストン３、４で閉鎖され
ている。これらのピストンは、円筒体（シリンダ）に密着し、低粘度の自由に流
れる成分２が漏れ出るのを防止すると共に、これらピストン３、４を移動するた
めには非常に僅かな圧力しか必要としないように簡単に軸方向に移動できるよう
に設計されている。シール部材７は、Ｏリングの形をしているか又はピストンに
鋳造されたシールリップであり、ピストンと円筒体の壁との間に適宜設けられる
。

【００２９】 その自由に流れる成分２を除去するためには、所定の圧力が矢印Ａの方向に向
かってピストン３に加えられる。このとき、ピストン３が位置３’に移動すると
、自由に流れる成分に加わる圧力によってピストン４が位置４’に移動する。ス
トッパ６が存在することにより、ピストン４は位置４’に保持され、更に移動す
ることは出来ない。この位置で、材料出口開口部５は開放されている。そのため
、ピストン３に更なる圧力を加えると、自由に流れる成分２は上記材料出口開口
部を介して流出できる。円筒容器から自由に流れる成分２を送り出す作業は、矢
印Ａ方向に圧力を加えてピストン３を材料出口開口部に向って移動させることで
行なわれる。ノズル（例えば、標準的なカートリッジ式チップのように、材料の
流れを変える流体通路）を材料出口開口部に適宜設けてもよい。これらの実施形
態は、図１に示していない。

【００３０】 図２は、２つの自由に流れる混合物２、１３を空間上で分離すると共に同時に
吐出する装置を示し、図１の円筒状容器１が別の円筒状容器（アダプタ）８内に
配置されている。容器８は、材料入口開口部１４を介して、容器１２の材料出口
開口部１５と接続されている。図２は、容器１２の下部だけを示す。問題の容器
は、接着剤及び／又はシーラント用に、商業的に利用可能なカートリッジである
。そのようなカートリッジは、取り外し開口部１５に外ねじを有し、アダプタ８
の材料入口開口部１４には対応する内ねじが形成されており、アダプタ８はねじ
込み動作によってカートリッジ１２に固定的に接続できる。しかし、２つの容器
８、１２は、他の機構（例えば、差し込み式の連結、キャップナットを有する平
坦なフランジ、機械的なロック機構等を有する押し込み連結）によって連結して
もよい。

【００３１】 容器１は、第２の自由に流れる成分１３が前部容器１２から、同軸上に配置さ
れた間隙９を介して容器８に押し込まれ、該隙間を介してアダプタ８の出口開口
部１０に向けて輸送されるように、アダプタ８内に配置されている。排出時、第
２の自由に流れる成分１３の吐出圧がピストン３に圧力を加える。これにより、
上述のように、ピストン３、４が位置３’、４’に移動する。一つの好適な実施
形態において、分配ヘッドが内側容器に取り付けられる。容器８がカートリッジ
１２上にねじ止めされると、分配ヘッドは２つのピストン３、４を端部位置３’
、４’に前進させる。また、分配ヘッドは、容器８と隙間９の材料間に適当な圧
力差ができるように設計されている。分配ヘッドは、図２に示していない。出口
開口部１５を解放すると、成分２が材料出口開口部５で隙間９の成分１３と接触
し、該成分１３と共に出口開口部１０と適宜設けた静的なミキサー１１を介して
吐出される。この静的なミキサー１１は、２つの自由に流れる成分を完全に混合
するために必要である。

【００３２】 図３は、本発明にかかる装置の他の実施形態を示す。本実施形態は、材料出口
開口５が管状通路１６に解放され、これにより成分２だけが成分１３と材料出口
開口部１０で接触するという点で、図２の実施形態と異なる。この実施形態は、
反応速度が速い場合に効果的で、特に、これら２つの成分材料を頻繁に中断しな
がら塗布しなければならない場合に有効である。その理由は、複数の成分が交わ
る場所で材料の硬化は実質的に生じないからである。静的なミキサー１１で始ま
る材料の硬化は静的なミキサー１１を取り外して清掃することにより又は新しい
廃棄可能な静的なミキサーと交換することにより容易に解消できる。

【００３３】 図４は他の実施形態の容器１８を示す。この容器１８は、軸方向に移動可能な
上述の型式の容器１を有し、図２と図３に示すようにして、材料入口開口部１４
を介して別の容器に連結することができる。同心的に設けた隙間１９は、図２と
図３の同心的に配置された隙間９に対応しており、自由に流れる成分を輸送する
ために利用される。図２と図３に示す実施形態との主たる違いは、側部に配置さ
れた静的なミキサー２１で、このミキサーは符号２３の位置で搬送方向に方向転
換されている。成分の流れ２と１３が符号２２に示す位置で静的なミキサーに入
り、その中で均質に混合される。成分を形作るための塗布ノズルは、静的なミキ
サーの出口端部２０に適宜連結できる。２つの成分が図４に示す装置の中で交わ
る動作原理は、図２に示す装置の場合と同様である。図４に示す実施形態では、
成分２が管状通路を迂回し、２つの自由に流れる成分は入口領域２２で接触する
（図４には図示せず）。

【００３４】 図５は、本発明にかかる装置の他の実施形態を示す。ここで、２つの容器３１
、４１は、共に２つの軸方向に移動可能なピストン３３、４３及び３４、４４を
収容しており、隣接して配置されている。上述した原理と同様に、軸方向に移動
可能なピストン３３、４３と３４、４４は、ピストン３３、４３に吐出圧を加え
ることにより、位置３３’、４３’及び３４’、４４’に移動する。同時に、２
つの材料出口開口部３５、４５が開放される。隔壁３０の作用により、２つの通
路３６、４６が形成され、２つの成分２、１３が共通材料出口開口部５０で互い
に接触する。ここで、２つの材料は、隣接する糸（流れ）のようにして共に押し
出されるか、またはこれら成分を混合する静的なミキサー５１に適宜搬送される
。

【００３５】 図５に示す装置の実施形態において、成分２、１３の体積は異なるようにする
ことができる。これは、材料２、１３を収容する部屋の断面を違えることで達成
でき、この場合、２つのピストンの送り通路３３、４３は等しい長さを有する。
２つの部屋３１、４１が同一断面であるが異なる容積を有する場合、ピストン３
３、４３に必要な供給は、異なる大きさの材料出口開口部３５、４５又は通路３
６、４６を介して行なわれる。しかし、ピストン３３、４３を前進させる機構は
、それぞれ異なる前進移動通路が形成されるように設計される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 請求項１の発明にかかる装置の一実施形態の概略を示す。

【図２】 アダプタに取り付けた図１の容器を有する請求項２と３の装置を
示す。

【図３】 図２に示す装置と類似の他の形態を示し、第２の成分の流れが異
なる状態で案内されるものである。

【図４】 図２に示す装置の他の形態を示し、材料の流れが異なる方向に案
内され、異なる構成の静的ミキサーを備えたものである。

【図５】 隣接して配置された実質的に同一収容能力を有する２つの容器の
実施形態を示す。

【符号の説明】

１…円筒容器、２…成分、３，４…ピストン、５…材料出口開口部、８…容器、
９…隙間、１０…開口部、１２…貯蔵容器、１３…成分。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミヒャエル・シェッツレ ドイツ連邦共和国デー−69190ヴァルドル フ、マティアス−ヘース−シュトラーセ76 番 Ｆターム(参考） 3E065 DA03 GA03 JA23 4G036 AC70 4G037 AA11 EA10

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自由に流れる混合物、特に接着剤やシーラント、を送り出す
   装置において、上記装置は、 ・自由に流れる成分（２）を収容する円筒容器（１）を有し、 ・上記円筒容器は、軸方向に移動可能なピストン（３）と（４）で閉鎖されるよ
   うに設計されており、 ・上記円筒容器はまた、円筒壁の下端部に、材料出口開口部（５）を有し、 ・上記円筒容器はさらに、ピストン（４）が送出圧力によって材料出口開口部を
   介して端部位置に移動した後、成分（２）の流れを吐出するようにした装置。
2. 【請求項２】 接着剤やシーラントのような２つ又はそれ以上の自由に流れ
   る成分を空間的に離れて同時に送出する装置であって、請求項１の円筒容器を少
   なくとも一つ有することを特徴とする装置。
3. 【請求項３】 上記容器（１）は容器（８）の中に配置され、 貯蔵容器（１２）から容器（８）に押し込まれる第２の自由に流れる成分（１
   ３）は、ピストン（３）と（４）を同時に軸方向に移動させ、同心的に配置され
   た隙間（９）を介して開口部（１０）に送られ、 これにより、自由に流れる成分（２）は開口部（５）から流出し、隙間（９）
   における第２の成分（１３）と接触し、 成分（２）と（１３）は開口部（１０）に取り付けたミキサー（１１）で混合
   される、請求項２の装置。
4. 【請求項４】 容器（１）は、側部に配置されたミキサー（２１）と共に一
   つのユニットを形成する容器（１８）の中に配置されていることを特徴とする請
   求項３の装置。
5. 【請求項５】 自由に流れる成分（２）と（１３）を収容する円筒容器（３
   １）と（４１）は隣接して配置され、下端部に、対向し且つ通路（３６）と（４
   ６）に開放した開口部（３５）と（４５）を有し、後者は壁（３０）により分離
   され、成分（２）と（１３）は共通の開口領域（５０）又は固定されたミキサー
   （５１）で互いに接触するようにした請求項２の装置。