JP2001509952A - 粒子光学的装置の色収差を補正するための装置 - Google Patents

粒子光学的装置の色収差を補正するための装置

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JP2001509952A JP52798099A JP52798099A JP2001509952A JP 2001509952 A JP2001509952 A JP 2001509952A JP 52798099 A JP52798099 A JP 52798099A JP 52798099 A JP52798099 A JP 52798099A JP 2001509952 A JP2001509952 A JP 2001509952A
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Abstract

(57)【要約】 電子光学的に回転対称なレンズは、低加速電圧においてしばしば分解能の限界を決める色収差により、必ず損害を受ける。このレンズ欠点は、回転対称な場の補償により取り除くことはできない。それにも関わらず、解像度を改善するために、2つの補正要素(34,40)が設けられた補正器(28)によって、色収差を補正することが提案されている。各補正要素は、幾つかの四極場を構成する。知られた補正器を使用すると、色の倍率誤差は、許容しがたいほど大きいことが知られている。この問題を解決するために、本発明に従った補正器の補正要素に、少なくとも5層の四極場を発生する電極(60−a,60−b,6−c,6−d)が設けられる。補正四極場の中の電子経路の強い周期性のために、実際に補正器を使用することができるように、色の倍率誤差は十分に制限(またはゼロと)される。

Description

【発明の詳細な説明】 粒子光学的装置の色収差を補正するための装置発明の分野 I発明の分野 本発明は、装置の中で粒子ビームにより照射される物体を露光するために、装 置の光軸に沿って移動する電気的に帯電した粒子のビームを放出する粒子源と、 電気的に帯電した粒子のビームを集束させるための集束レンズと、 集束レンズの色収差を補正するための補正装置とを有し、 その補正装置は補正要素を有し、 各補正要素は電気的四極場を発生するための電極が設けられ、 前記電極は光軸に沿った連続する層に配置され、 層の電極により発生された四極場は、隣接層の電極により発生された四極場に 関して、光軸の回りに実質的に90°の角度で回転されている粒子光学的装置に 関する。 また、本発明は、上記装置で使用される補正装置及び、粒子光学的装置の集束 レンズを色収差を補正するための補正装置を動作させる方法に関する。 粒子光学的装置のレンズ欠点の補正のための補正システムは、”A Poss ible Chromatic Correction System for Electronic Lenses”G.D.Archard著,Proc .Phys.Soc.London,1995年、817−829頁、第6及び 7章及び、図2bに記載されている。発明の背景 II 一般的な到達技術 電子顕微鏡或は電子リソグラフィ装置などの粒子光学的装置は、一般的には、 研究されるまたは扱われる物体に、熱電子源や電界放出型の電子源のような粒子 源により発生された電気的に帯電した粒子のビーム(通常は電子ビーム)を照射 するように配置される。物体への照射の目的は、研究される物体の像を描く(電 子顕微鏡の試料)ため、或は、例えばマイクロエレクトロニクスで、物体上に微 小な構造を作るため(電子リソグラフィ装置)であろう。両方の場合に、集束レ ンズは電子ビームを集束させるために必要である。 電子ビームの集束は、原理的には、2つの方法で行われる。第1の方法によれ ば、検査される試料の像を描かれる領域は、電子ビームによってだいたい一様に 露光され、試料の拡大された画像が集束レンズにより形成される。この場合、集 束レンズは、結像レンズ系の対物レンズにより形成され、対物レンズの解像度は 装置の解像度を決める。この種の装置は、透過型電子顕微鏡(TEM)として知 られている。第2の集束方法によれば、通常は非常に縮小した形で、(走査型電 子顕微鏡またはSEMでは)試験される試料に、または、(リソグラフィ装置の 場合には)関連したマイクロ構造が設けられる物体に、電子源(またはその部分 )の放出面の像が描かれる。電子源の像(例えば偏向コイルにより物体を横切っ て移動する”スポット”)が、再び、結像レンズ系により形成される。そして、 集束レンズは、スポットを形成するレンズ系の対物レンズであり、この対物レン ズの解像度は、ビームのスポットサイズを決め、これにより、装置の解像度を決 める。 このような装置の全てに使用されるレンズは、通常は、磁気レンズであるが、 静電レンズでも良い。両形式のレンズは実質上、通常は、回転対象である。この ようなレンズは、必ず、理想的でない振舞いをする。即ち、それらは、本質的に 、レンズの解像度を制限するレンズ欠点を持っている。いわゆる球面収差と色収 差は、通常は、レンズの解像度を決める。このように、これらのレンズ欠点は、 知 られた電子光学装置の解像度の限界を決める。粒子光学の原理に従って、前記レ ンズ欠点は、回転対称な電界または磁界による補償により取り除くことができな い。 現在の電子光学的装置では、特に、スポットを形成する対物レンズを有する走 査型粒子光学装置(いわゆる走査型電子顕微鏡(SEM))では、30kV以上 の大きさのオーダーの以前の習慣的な電圧よりも、0.5kVから5kVの大き さのオーダーの低い電子ビームの加速電圧の値を選択する傾向がある。これは、 非導体試料(例えば電気的集積回路のためのフォトレジスト材料)の充電が、そ のような比較的低い加速電圧で実質上減少され、また、いわゆる一定部分の(t opographic)コントラストの実質上の改善がこれらの定電圧でも達成 されたためである。このような低加速電圧に対しては、色収差は、支配的なレン ズ欠点であり、粒子光学的装置の解像度を決める要素である。(これは、色収差 はΔΦ/Φに比例するという事実を考慮すると容易に理解される。ここで、ΔΦ は、電子ビームに広がる不変エネルギーであり、Φは公称加速電圧である。それ ゆえ、Φが上昇すると、この要素は減少する。) 粒子光学的装置の解像度を高めるために、回転対称でない構造を有する補正装 置(補正器と称す)により前記レンズ欠点を減少することが提案されている。 III 到達技術の背景 回転対称でない光学要素により、結像系の色収差をゼロにするた rische und chromatische Korrektur vo n Elektronen−Linsen”,Optik2、114から132 頁、特に114から119頁に記載されている。 引用論文(特に1a、1b及び1c章)に記載されている非回転 対象な光学要素は、補正要素として働く、シリンダーレンズと、四極場と単極場 により構成される。シリンダーレンズは、電子ビームのための非点収差経路を形 成する。四極場と単極場の組み合わせにより構成される補正要素は前記非点収差 経路に配置される。知られた構造の電子経路の色収差は、光軸を有する第1面( いわゆるx−z面)で補正される。そして、続いて、同じことが、そこへ垂直に 伸びる第2面(y−z面)で行われる。色補正を受けるx−z面の電子経路の領 域では、y−z面の電子ビームと光軸の間の距離は公称エネルギーの電子に対し てはゼロに等しい。逆も同じである。電子ビームで公称エネルギーから偏差した エネルギーが発生するので、この偏差したエネルギーを有する電子線は、公称エ ネルギーの光線と違う経路を進む。偏差したエネルギーを持つ電子線は、公称経 路から偏差した経路に沿って補正部を横切る。従って、軸からの距離ゼロの前記 領域で、これらの射線に対しては軸からの距離はゼロではない。しかし、引用論 文では、偏差したエネルギーの射線に対しては、光軸からのこの距離は非常に小 さいので、偏向効果は無視できるくらい小さい。(これに関しては、特に引用論 文の1c章参照) III−1 到達技術より生じる問題点 一般的に言って、Scherzerの論文で開示された構成は、粒子光学的装 置では単純に使用できない。Scherzerによる構成は結像系を構成する。 一方、SEMのような粒子光学的装置は、色収差のみを補正し、結像レンズ(対 物レンズ)の強さに何も或はほとんど影響を与えない補正系を必要とする。引用 論文より知られる系を、平行に到着し、平行に現れる斜線を伴った系により置き かえることは可能であろう。その結果、後者の系は、対物レンズにより連続され ることができ、系の色収差は、対物レンズの色収差を補償できる。しかし、偏差 するエネルギーの射線に対して光軸からの 距離は非常に小さいので偏向効果は無視できるくらい小さいという記述された仮 定は、現在の粒子光学的装置の実際の状況では、無効のように見える。以後、I II−2とIII−2−b章にて詳細に説明される。 特に、SEM型の粒子光学的装置では、対物レンズの要求された強さによって 、補正部で使用される静電界は、軸からの距離が小さいにも関わらず、光軸から 短距離を移動する電子線の許容できない影響が起こるであろうという強さを持つ 。従って、公称値から偏差したエネルギーを持つ電子は、補正器を、公称位置か ら実質上偏差した位置に残すであろう。この効果は、更なる誤差、いわゆる色倍 率誤差を起こすであろう。それは、粒子的光学装置の解像度を、既に記述した色 収差と実質的に同じ程度に制限するであろう。これは、後者の色誤差による分散 円の半径rspotに関して、rspot=a(δΦ)2cαを保つことを立証できるか らである。ここで、aは定数、Ccは対物レンズの色収差の係数、δΦは電子の 公称エネルギーからの相対偏差(それゆえδΦ=ΔΦ/Φ0)、αは電子ビーム の口径の角度である。コンピュータシミュレーションによれば、定数αは100 より非常に大きく、それにより、後者の(2次)色収差に対する1次色収差のト レードオフによる、解像度に関する利得はほとんど無い。 以下の章III−2−aとIII−2−bでは、電子顕微鏡でScherze rによる引用論文で開示された方法の使用は、許容できない大きな色の倍率誤差 を起こすことが立証されるであろう。 III−2 現在の到達技術を使用して起こる色の倍率誤差 最初に、補正要素が直視(それゆえレンズ強さKx=0)を有するx−z面の 補正強さ(Kcorr)とy−z面のレンズ強さ(Ky)の両方にに対して、1つの 補正要素の関連する光学特性に関する式が、次の章III−2−a−1からII I−2−a−3で導かれる。 2つの量KcorrとKyの比較は、(1次の)色収差の望ましい補正に関するy− z面の強さを明らかにするであろう。続いて、次の章III−2−bでは、補正 系でそのような補正要素の使用することは、許容できない高い値の色の倍率誤差 を招くことが立証される。 III−2−a 一つの補正要素の関連した光学的特性の決定 以下の計算では、「弱い補正器のアプローチ」が使用される。即ち、補正器の 軸ポテンシャルの変化は、加速場のポテンシャルよりも非常に小さい。このため 、摂動論が使用できる。また、色収差はx−z面で起こると仮定される。 出発点は、Scherzerの引用論文の式(1.4)である。x−z面の近 軸運動方程式は、 式(1の各記号は、以下の意味である。) Φは、光軸のポテンシャルの級数展開の回転対称な項(”ゼロ次”項)である 。;光軸上ではx及びyは、両方とも0なので、軸ポテンシャルのこの項はzの みに依存する。 Φ’及びΦ”は、第1または第2のzへの微分項である。それぞれ、光軸状の ポテンシャルのゼロ次項である。(従って、これらの微分項も、排他的にzに依 存する。) Φ2は、光軸上のポテンシャルの級数展開の四極子項(2次項)である。これ も、zに排他的に依存する。 減少した軸X=xΦ1/4(x=XΦ-1/4)、Xはいわゆる「Picht変数」 、への一般的に知られた変換を使用し、近軸運動方程式(1)の単純化した式は 、次のように得られる。 式(2)の変数TはΦ、Φ’及びΦ2の関数であり、 を満たす。 Tに関するこの式(3)は、Xの関数としてのxに関する式とその微分を式( 1)に代入することにより得られる。 色収差の補正要素の補正器の強さの定義に達するために、回転対称なレンズの 類似を考慮する。回転対称なレンズに対しては、色収差の係数Ccは、次の式に より一般的に知られた方法で定義される。 記号は、次のような意味である。 xは、前記光軸に平行に移動しレンズに入射する電子に関する光軸からの距離 である。 Δ(x’)は、色収差により起こり、レンズにより偏向された後の電子経路と 光軸の間の角度の偏差である。ここでx’(=dx・dz、zは光軸方向の軸の 位置)は、電子経路と光軸の間の角度である。 ΔΦ/Φ0nは、公称エネルギーΦ0nに関する電子のエネルギーの(等価電圧方 法で表現された)偏差ΔΦである。Φ0は一般的に、電子が補正器に入るときの ポテンシャルである。この量は、それゆえ、熱エネルギー拡散ΔΦを含む。それ ゆえ、公称エネルギーを有しない電子については、Φ0=Φ0n+ΔΦである。 fは、レンズの焦点距離である。(また、1/Kとして表現され、レンズの逆 強さである。) 前記定義と同様に、色収差に関する補正要素の補正器の強さKcorrは、次のよ うに定義される。 または、 まだ説明されていない式(5)と(6)の記号は、以下の意味である。 Xは補正要素の電子に関する光軸からの距離である。 X(1)は、z=1の領域即ち、補正要素の出力での、X値である。電子は、 光軸に平行に、補正要素に入出力すると仮定される。そのため、X’(−1)= X’(1)=0である。 ΔX’(1)は、電子経路と、補正されるべきレンズの色収差の補正に関する 光軸の間の角度の偏差である。ここで、X’(dX/dz)は電子経路と光軸の 間の角度である。 x−z面の補正要素の強さの式を見つけるために、それゆえ、電子経路と光軸 の間の角度の偏差ΔX’(1)が決定されなければならない。このために、最初 に、関数T(式(3)参照)が明確に決定され、次に、Tの明確な式を用いて、 式(2)の微分方程式の解により、量ΔX’(1)が決定される。上記計算を実 行するために、摂動論が適用される。2次以上の展開がされないTとX’の級数 展開が使用される。 III−2−a−1 関数Tの決定 関数Tの決定は、式(3)に基づく。補正要素の中のポテンシャルΦの変化は 、電子が補正要素に入る時の(等価ポテンシャル法で表現される)エネルギーΦ0 に関して小さいと仮定される。補正要素の中の任意の電子の全てのポテンシャ ルΦに対して、次のように書くことができる。Φ=Φ0+εg、ここで、gは、 zの関数で、補正要素のポテンシャル変化を表す。εは、次数パラメータで、そ の指数は級数展開の次数を示す。量Φ0は、定数であり、zの関数ではない。 計算は、公称ポテンシャルΦ0nの電子と任意の量ΔΦ偏差した電子の、全ての 電子に対して成り立つ。このため、電子は、ポテンシャルΦ0n+ΔΦを有する。 関数g=g(z)に対しては、計算は、補正要素の入り口(z=−1)と出口 (z=1)で行われる。g(−1)=g’(−1)=g(1)=g’(−1)= 0である。Φに対して前記選択を使用して、Φ’=εg’である。 Φ2の選択は、Scherzerの引用論文の式(2.6)に基づく(117 頁参照)。この式Φ=Φ0+εg(公称エネルギーの軸ポテンシャル)では、Φ ’=εg’及びΦ”=εg”が挿入され、2次項まで展開される。これらの実行 でΦ2を生じる。 式(7)は、非特定関数h=h(z)で−(1/16)g’2を置き換えて一 般化する。式(7)は次のようになる。 (Scherzer公式(2.6)による項Φ’2/Φに従って望ましいポテ ンシャル変化を示す装置を製造することは実際には非常に難しいので、この一般 化が行われる。この関数hの実際の出現は、最終的な補正効果に影響を及ぼさな いということが、計算に従い、コンピュータシミュレーションで立証される。こ のため、この一般化は正しく、それゆえ前記項は正確に実現される必要はない。 ) 式(8)は、前述の式Φ=Φ0+εg及びその微分Φ’=εg’及びΦ”=ε g”と同様に、この関数が、εの2乗の項を含むように展開された後に、関数T についての式(3)に代入される。 式(9)は、1次項T1(εに比例)と2次項T2(ε2に比例)を有する。そ れゆえ、もし、T=T1+T2と書かれるなら、 及び が成り立つ。 III−2−a−2 出射角ΔX’(1)の偏差の決定 出射角ΔX’(1)を決定するために、最初に(既にIII−2章で示した) 補正要素が直視を有する方法で、関数hが決定される。これは、式(18)とな ろう。続いて、補正要素の強さが、軸Φ(z)でのポテンシャルの関数として決 定される。これは、式(20)を生じる。 経路方程式Xは、3つの項の和として記述される。即ち、1に等しいゼロ次項 と、1次項X1と、2次項X2により、X=1+X1+X2となる。(またX’=X1 ’+X2’及びX”=X1”+X2”である)。式(2)により与えられたXの微 分方程式は、上記式X=1+X1+X2とX’=X1’+X2’と、X”=X1”+ X2”及び前述の式T=T1+T2を代入するとつぎのようになる。 1次項と2次項を分離し、T1の式(10)に代入すると、X1は、 となる。 式(12)の2次項に関して、X2は次のようである。 1の式(10)、T2の式(11)、X1の式(13)に代入すると、となる。 X2は経路方程式の2次項を表すので、予想できるように、X”2はε2に比例 するということは、式(15)より明らかであるということに注意する。X2の 上記微分方程式は、期間z=−1からz=1に亘って積分される。 この積分に、次が使用される。 式(17)は、2次条件g(−1)=g’(−1)=g(1)=g’(1)=0 の部分積分の結果である。式(17)のX2’(−1)はゼロに等しい。それは 、X’(−1)=X1’(−1)+X2’(−1)であるからである。ここで、式 (13)の組み合わせの2次条件g’(−1)=0のためにX’(−1)はゼロ である。また、X1’(−1)はゼロに等しい。式(13)共に2次条件g’( −1)=0のためである。 形∫hdzは、また、−∫g’2dzで表現されることができる。このために 、公称エネルギーに対し、補正部は直視を有しなけらばならないという要求が使 用される。それにより、ΔΦ=0に対し X’(1)=0またはΦ0=Φ0nである。2次条件g(1)=0と共に式(13 )に基づいて、X’(−1)=X1’(−1)+X2’(−1)及びX1’(−1 )=0が成り立つので、Φ0=Φ0nに対してX2’(1)=0が成り立つ。これは 、式(16)の左辺項はゼロでなけらばならないことを意味し、∫hdzと−∫ g’2dzの関係は、となる。 上記積分式(18)は、式(16)のhに代入できる。ここで、Φ0=Φ0n+ ΔΦは電子の非公称ポテンシャルである。X2’(1)−X2’(−1)=ΔX2 ’(1)に対しΦ’=εg’もまた代入される(III−2−a−1章参照)。 これは、 を生じる。 補正要素の強さは、式(6)により与えられる。ここで、分子の量ΔX2’は 式(19)で与えられる。式(6)の分母X(1)に関しては、それが2次であ ることに注目する。それは、X(1)=1+X1(1)+X2(1)について、X1 (1)=0(なぜなら式(13)と結合してg(1)=0)及び、X2(1)は 2次なので、それによりX(1)は2次となるからである。式(6)の分子は2 次なので(式(16)でε2が発生を参照)、式(6)の分母 のX(1)は1と等しくできる。このような状況で、式(19)を式(6)に代 入すると、x−z面の補正要素の強さKcorrに関する最後の式が得られる。 III−2−a−3 y−z面での補正要素の強さの決定 この章で記述される計算は公称ポテンシャルΦ0nの電子に対して成り立つ。S cherzerの論文の方程式(1.4)に基づき、y−z面での近軸運動方程 式が成立し、y−z面で、減少した軸Yへの知られた変換が行われ、x−z面に 類似し:Y=yΦ1/4、y−z面での近軸運動方程式Y”+TY=0を生じる。 (x−z面での式(2)と比較)。関数Tは今適用でき: である。 y−z面での関数Tの式は、Φ2/Φの符合を除いてx−z面での関数Tと同 一であることに注意する。 y−z面での補正要素の強さKyは、次のように定義される。 Y=1+Y1+Y2が、x−z面に関する計算に類似して定義され る。領域1(そのためY1(1))の1次項Y1はゼロである。これによりY(1 )=1+Y2(1)、Y2(1)は2次となる。これにより式(26)の分母Y( 1)は、2次となる。分子Y’(1)はy−z面では2次であり、そのため、分 子のゼロ次以上の項は無視され得る。そして、分子は1と仮定される。このよう にy− れにより上記関係Y(1)=1+Y2(1)に従って、Ky=−Y2’(1)が成 立する。 Y2’(1)に対してまだ決まっていない式は、X2’(1)(式(16)に従 う)と同じ構造を持つ。しかし、関数Tと逆符号のために、Y2’(1)に関す る式の微分の幾つかの係数は異なった値を持つ。y−z面と同じ方法で行われた 計算の後、最終的にY2”に対して以下の式が得られる。 この式は、x−z面で成立する式(15)と類似している。x−z面で使用した 計算と類似した計算を使用し、最終的にY2’(1)に関する以下の式が式(2 3)より得られる。この式はx−z面に対する式と類似している。式(15)が一度積分され、hに 関する積分式(18)がそこで含まれるときに発生する。 最後に、εg’=Φ’が式(24)に代入された時に、x−z面 の補正要素の強さKyに関する最終的な式が得られる。 式(20)を使用し、Kyの値を生じる。 重要な結論が、式(26)から導かれる。1つの直視補正要素の場合には、y −z面のレンズ強さは、x−z面の補正強さよりも何倍も大きい。それゆえ、こ のファクタの値は、14の大きさのオーダーである。典型的な構成を用いたコン ピュータシミュレーションと正確な電子経路を用い、ファクタは約20であるこ とが明白であり、それによって、前述のアプローチは、いずれにせよ、正しいオ ーダーの大きさのファクタを生じる。 量Kyはレンズ強さを示し、その量の逆数値は焦点距離を表し、また、量Kco rr は補正器強さを表し、電子の偏差エネルギーがどの程度かを示す量は補正要素 の置かれた光軸に関する角度偏差を示すということに注意する。 III−2−b 補正系での補正要素の使用 らい高い値であることが想定されることが以後立証される。このために、上述の 単一の補正要素が、Archardの前記論文に記載された色収差に関する知ら れた系の部分を構成することが仮定される。そこで記載された補正系は、各々は 強さKQを有する2つの四極子レンズの組み合わせと、強さKQ/2を有する2つ の四極レン ズの間に配置された単一の補正要素よりなる上述の幾つかの補正サブシステムと より構成される。全体の補正系はこのように、第1四極レンズと、第1及び第2 のサブシステム及び、第2の四極レンズが連続して構成される。計算のために、 補正系の全ての四極レンズと単一補正要素は薄い要素で形成されていると仮定す る。各四極レンズは、強さの逆数(即ち1/KQまたは2/KQ)を合計する色収 差係数Cc,Qを持ち、第1四極レンズと第1補正サブシステムの間の距離dに関 して、d=1/KQが成立する。それは、第2補正サブシステムの間の距離dに 関しても成立し、2つの補正サブシステムの間の距離2dに関しては、2d=2 /KQが成立する。補正系全体の出口のx−z面の色の倍率誤差のみが計算され る。y−z面の色の倍率誤差は非常に小さいからである。 強さKQの四極子の場合には、一方の側のx0とx0’(y−z面上で出て行く 射線と光軸或は射線の傾斜との間の距離)及び、他方の側のxiとxi’の間の関 係(y−z面上で入射する射線と光軸或は射線の傾斜との間の距離)は、次の関 係が成立する。 ここで、δΦは、加速電圧の公称値Φ0に関する相対偏差であり、δΦ=ΔΦ/ Φ0である。 同様に、y−z面の関連する量の間に以下の関係が成立する。 最後に、射線の回折無しに距離zに亘った射線の移動に対して、同様に次の式 が成立する。明らかに、対応する関係はy−z面の対応する量について成立する。 更に、x−z面で上述の単一補正要素に関して次の式が成立する。 一方、y−z面の関連する量の間の関係に関して次の式が成立する。 式(30)と(31)では、量δΦはx0に関する最終的な式に貢献しないマ トリックス要素から、その中でδΦが発生しても、省略されている。これは、現 在の計算は単に、色の倍率誤差の大きさのオーダーの感触を与えることを目的と しており、また、前記マトリックス要素は単に、最終的な値x0に無視できるく らい小さいδΦの高次の貢献をするだけだからである。このような無視はまた、 以下の、マトリックスの詳細のために起こる。 上記式(27)及び(30)を使用し、x−z面の補正サブシステムについて 、(即ち、2つの四極レンズの間に配置され、各々は 強さKQ/2を有する単一補正要素よりなる系)次のようになる。 また、式(28)と(31)を使用し、y−z面に関して、 式(32)と(33)の微分に関して、全四極子の色収差はゼロと仮定される 。もし、KCORR>>KQなら、この仮定は有効である。補正系全体のx−z面で のビーム経路は、第1四極子と第1及び第2サブシステムと第2四極子のビーム 経路を結合することによりわかる。全四極子の色収差はゼロであることが再び仮 定される。これにより次を生じる。 0に関する上記式(34)の詳細は次を生じる。 もし、KCORR>>KQが成立するなら、(既に前のIII−2−a 次のように近似できる。 corr>>KQならば、式(36)は好適な近似を示す。Kcorrは実質上KQの 数倍(例えば3またはそれ以上)に等しいなら、この式(36)は、色の倍率誤 差は許容できないくらい大きいくなるということを立証するのに使用できる近似 を保つ。 式(34)から、X0’に関し、次のようになる。 もし、上記仮定(即ち、全四極子の色収差がゼロである)が許容できないなら 、式(37)は、次のようになることに注目される。 色収差補正器としての好適な動作として、出射角x0’と出射高x0(それにより x0’/x0)はδΦに直接比例することが必要である。この要求は、式(36) の項δΦ(4Kcorry/KQ 2)が1に関して十分に小さいときにのみ、満足さ れる。前記III− よってこの項は56δΦ(4Kcorr/KQ2となる。後者の式の量の実際の値は 、例えば、Φ0=500V、ΔΦ=0.25V、であり、それにより、δΦ=1 0-4、及び、Kcorr-pKQである。ここでpは、比例定数である。式(38)よ り、pは、どのような 場合にも1より大きくなけらばならい。実際には、pの値は、3から5の大きさ のオーダーの値が選択されねばならない。これらの値を用い、前記項は0.45 と大体等しくなり、それにより、1に関して無視できるくらい小さくない。それ ゆえ、この知られた構成の補正器全体の色の倍率誤差は、このような大きな値を 取るので、Scherzerにより提案された補正部を使用するArchard により提案された補正系は、実際には使用できない。これは、11I−2章で述 べたrspotに関する式は、この様に高い値を仮定するので、補正されるべき粒子 レンズの解像度に関する利得が、色の倍率誤差による解像度の損失により、実際 には相殺されるからである。発明の概要 IV 本発明の目的とステップ 本発明の目的は、前述した色の大きな倍率誤差の問題が起こらない、前述のこ の種の補正装置を提供することにある。このために、本発明の実際の光学装置は 、補正要素(34,40)は少なくとも5層の電極を有することを特徴とする。 IV−1 本発明に従って行われるステップの説明 多くの電極層を有する場合には、1つの補正要素の伝達特性は、計算を使用し て得られる。そのような構成要素による完全な補正器の色の倍率誤差は十分に小 さいことが立証される。III−2−a−3章で与えられた記述と類似して、出 発点は、経路方程式Y=1+Y1+Y2の関係である。ここで、Y1は1次項、Y2 は2次項である。今、Y”=Y1”+Y2”が成立する。電子に及ぼす平均力は平 均<Y”>に比例する。(<Y>はYの値の平均を表す。)Y”の平均値<Y” >は、この様に<Y”>=<Y1”>+<Y2”>と表される。 式(13)と同様に、次が成立する。 関数gは、補正要素の項軸でポテンシャル変化を表す、zの関数である。補正要 素は幾つかの層で構成されるので、関数gは連続的周期的変化を示す。周期の数 は層の数の半分に等しいので2次微分g”も連続的周期的であろう。多くの周期 に亘ったこのような関数の平均値は、実質的にゼロである。それにより、<Y1 ”>も0に等しい。この様に、<Y”>=<Y2”>である。<Y2”>の決定は 式(27)を使用し、以下が直接導かれる。 式(40)では、式(17)のように、等式<gg”>=−<g’2>が再び使 用される。この等式は、正確に、整数周期で成立し、小さすぎない周期数の場合 に好適な近似として成立する。さらに、式(18)に類似し、式h=−(1/1 6)<g’2>が使用されることができる。後者の2つの等式を代入すると次の 式を得る。 Φ=Φ0+εg(III−2−a−1参照)に対しては、Φ’=εg’である。 また、<Y”>=<Y2”>に対しては、 となる。式(42)の微分に対しては、電子は補正要素の光軸に高さ1で平行に 入射するということが仮定される。光学要素の振舞いは線形であるので、高さY0 で入射する電子に関しては、一般的に式(42)は更に、Y0を乗じなければな らないということが成り立っ。 式(42)を基にして、光軸に平行に移動する電子は光軸方向に加速されると 推論される。 上記式(42)、光軸にほぼ平行に伸びる電子経路の領域でのみ成立する。以 下の微分方程式が電子経路Y(z)で成立することを立証する更なる計算が行わ れる。 知られているように、式(43)のような形を持つ微分方程式は、正弦関数の形 の解を持つ。これは、再び、このような関数により現される電子経路は、常に軸 方向の力を受ける。補正要素は、y−z面の電子経路の進路か実際には半波長の 整数の正弦波状(それにより、出射面の正弦関数の角度はn.π)になるように 、励起される。Archardによる知られた補正要素では、ファクタKyが1 つの補正要素に関する伝達マトリックスの中で発生することが既に立証されてい る(式(31)参照)。そのファクタは式(35)と(36)の中でも起こる。 後者の式の中でのこのファクタの発生は関連する補正器の中の色の倍率誤差を引 き起こす。本発明による補正要素に関し、式(31)に対応する式は次のように なることが立証される。 後者の式(44)は、単に、角度αZの正弦波状経路に関する伝送マトリックス Tとなる。ここで、αに対し次が成立する。 式(31)の中の変数Kyの位置は、式(44)で値0を有する。それにより、 式(35)のファクタδΦは相殺される。これは、色の倍率誤差はかなり低減さ れる。図面の簡単な説明 V 図面の簡単な説明 本発明は図を参照してさらに詳細に説明される。対応する要素は、同一番号で 示される。 図1は本発明に従った補正装置(補正器)が使用できる粒子光学的装置の対応す る部分を示す図である。 図2はx−z面とy−z面の両方に対する補正要素と四極子より成 る補正器を示す図である。 図3はx−z面とy−z面の両方に対する知られた補正器のビーム経路を示す図 である。 図4は本発明の補正要素の1つの層を構成する電極の形をを示す。 図5は本発明の補正要素をを示す図である。 図6は11層電極より成る本発明の補正要素のx−z面とy−z面の両方に対す るビーム経路を示す図である。 図7は11層電極より成る補正要素の本発明の補正器のx−z面とy−z面の両 方に対するビーム経路を示す図である。 図8は5層電極より成る本発明の補正要素のx−z面とy−z面の両方に対する ビーム経路を示す図である。 図9は5層電極より成る補正要素の本発明の補正器のx−z面とy−z面の両方 に対するビーム経路を示す図である。 図10は色の倍率誤差が正確にゼロになるように補正要素が励起された本発明の 補正器のビーム経路を示す図である。発明の詳細な記載 VI発明の実施例の詳細な説明 図1は走査型電子顕微鏡(SEM)の柱状部2の部分の形の粒子光学的装置を 示す。通常は、電子ビームはこの装置の電子源から放出され(図示していない) 、前記ビームは光軸4に沿って進む。電子ビームは1つまたはそれ以上のコンデ ンサーレンズ6のような電磁的レンズを横切り、対物レンズ8に達する。このい わゆる単極レンズは、試料室12の壁10によってもまた形成される、磁気回路 の部分を形成する。対物レンズ8は、試料14を走査する電子ビーム焦点を形成 するのに使用される。走査は、対物レンズ8の中に設けられた走査コイル16に よってx方向及びy方向に試料を横切って電子ビームを移動することにより起こ る。試料14は、x方向の移動のためのキャリア20とy方向の移動のためのキ ャリア22を 有する試料テーブル18の上に配置される。試料の好ましい領域は、2つのキャ リアにより検査することにより選択され得る。この顕微鏡で像を描くことは、対 物レン8の方向に戻る、試料から放出された2次電子により実現される。2次電 子はこのレンズの内穴に設けられた検出器24によって検出される。検出器を動 かし、また、例えば陰極線管(図示していない)などにより、検出された電子の 流れを試料の像を形成するのに使用できる信号に変換するための制御部26が検 出器に接続される。後述するように、色収差を補正するための補正器28は、コ ンデンサレンズ6と対物レンズの間に配置される。 図2はx−z面とy−z面の両方に対する補正要素と四極子より成る補正器の 構成を示す図である。この図は、図に含まれている補正要素34と40に依存し て、本発明の補正器と、到達技術よりられた補正器を表すことができる。両場合 の完全な補正器は、第1四極子30と、第2四極子32と、第1補正要素34と 、第3四極子36と、第4四極子38と、第2補正要素40と、第5四極子42 と、第6四極子44との連続より成り、全ての要素は、光軸4に関して中心が合 わされている。図2の上図は、x−z面に適用され、下図は、y−z面に適用さ れる。これは、四極子の記号を基に推論される。1つの面の四極子は、他の面の 四極子と対抗する。 図2がArchardによる引用文献から知られた補正器を表すときには、第 1補正要素34がy−z面で正の回折効果を有しx−z面で中性である。この要 素の効果はシリンダレンズの効果と考えられる。第2補正要素40はx−z面で 正の回折効果を有しy−z面で中性である。この要素の効果もシリンダレンズの 効果と考えられ、前のシリンダレンズと垂直に伸びる。知られた補正器の四極子 32と36は補正要素34の中に集積され、四極子38と42は補正要素40の 中に集積される。これは、補正器の振舞いに関しては、大きな差を生じない。こ のような補正器に関しては、その中 の、電子線の進路はコンピュータシミュレーションによって決定されることがで きる。 図3は、市場でに手に入るシミュレーションプログラムによる、上述のコンピ ュータシミュレーションの結果を示す。このコンピュータプログラムは”TRC /TRASYS”として知られ、また、オランダDelftのDelft技術大 学の応用物理学科、粒子光学グループから手に入る。前記シミュレーションプロ グラムに従って要求される電界は、分析的な表現で入力できる。或は、”ELD ,静電レンズ設計”及び”EMD,静電多極設計”として知られる幾つかのプロ グラムにより計算できる。これらのプログラムは、前述のDelft技術大学よ り手に入る。 図3はx−z面とy−z面に対する知られた補正器の電子線の進路を示す図で ある。電子線の進路のシミュレーションに関しては、加速電圧Φ0n=1000V で、入射電子ビームの中の電子は、3つのエネルギー、即ち、1000Vの公称 電圧、偏差ΔΦ=±2Vの間で分散される。この補正器の補正要素34と40は 、全く同一である。しかし要素40は要素34に対し90°回転されている。こ の補正器の各四極子は、そして補正要素の四極子は、双曲線の接線の半径0.7 5mmの中心穴を有し、図4に示すように、構成されると仮定する。2つの四極 子34と40は、電気的終端のために、連続的に、管で構成される。1.5mの 内径を有し、厚さ1.5mmの第1四極子が1mmの距離で続き、また、1mm の距離で1.5mの内径を有する電気的終端のための管が1mmの距離で続く。 四極子30に関しては、電極の電圧は、x−z面とy−z面に対しそれぞれ、+ 4.34Vと−4.34Vに等しい。四極子44に関しては、反対の値が成立す る。補正要素の直接隣接する四極子は、これらの補正要素と集積されている。こ れは、補正器の動作に関しては、大きな差は生じない。各補正要素は、連続的に 、前記内径と0Vの電圧を持つ管より成り、1mmの厚さを持つ第1の四極子が 1mmの距離で連続し、1.5mmの厚さを持つ第2の四極子が1mmの距離で 連続し、1mmの厚さを持つ第3の四極子が1mmの距離で連続し、前記内径と 0Vの電圧を持つ管が1mmの距離で連続する。補正要素の外側の2つの四極子 32、34,36の電極の電圧は、それぞれ、x−z面に対しては−80.3V であり、また、+80.3Vである。中央の四極子の電圧は、それぞれ、−55 6.8V及び+556.8Vに等しい。補正要素38,40,42の対応する四 極子の電圧に関しては、反対の値を有する。 光軸4に平行に入射する射線46の更なる進路は、x−z面に対しては射線4 8で、また、y−z面に対しては射線50で示される。 図3は、関連する参照番号で、図2の様々な光学要素の位置を示す。分散が起こ らない限り、異なったエネルギーの電子は全て同じ経路を通る。 第1四極子30と第2四極子32は、射線50(即ちy−z面の射線)が補正 要素34の中心を通過するように励起される。第1四極子30の(わずかな)色 収差のために、射線50は、四極子から発出するときに、わずかに角度偏差を受 ける。それによって、異なったエネルギーの射線は、わずかに異なった高さで、 補正要素34に入る。y−z面の第1補正要素34は、強いレンズなので、異な ったエネルギーの射線は、この高さの差により異なった角度で系32,34,3 6から発出する。これは、公称エネルギーを有する射線50の電子は補正要素3 4より、射線50に平行に、実際に移動無しに、射線50−bとして発出するこ とを意味する。一方、これらの要素を通過するエネルギー差により、射線50は 更に射線50−aに(正エネルギー偏差で)と50−cに(負エネルギー偏差で )分離される。従って、これらの3つの射線は、四極子38に相互に異なる高さ と角度で入射する。3つの射線は、実質的には、1つの物体の点(即ち、補正要 素34の中心の光軸40と射線50の交叉点)から発するので、3つの射線は、 互いに実質的に平行に第 2補正要素へ入り四極子38で回折される。第2補正要素40は、y−z面でレ ンズ効果を有しないので、3つの射線は、同じ高さの差でこの要素40から発出 する。しかし、相互のエネルギー差により、3つの射線は、異なった角度で、要 素40から発出する。補正要素の色収差補正効果は、この角度差の発生により明 らかである。続いて、射線は四極子42により再び光軸の方向へ偏向される。偏 差するエネルギーの2つの光線は、中央射線と比べた角度偏差を保持する。四極 子44は、再びもとにへ射線を偏向し、公称エネルギーの射線は、再び光軸に平 行に向けられる。他の2つの射線は、公称エネルギーの中心射線に関する角度偏 差を保持する。図は、比較的小さな色の倍率誤差が発生すること(即ち、四極子 44からの出射時の高さの差)を示す。しかし、実際上は許容できる。 x−z面では、第1の四極子30により、射線48は光軸から離れる様に偏向 されその後、比較的大きな高さで、系32,34,46に入る。四極子32は、 この射線を、光軸に平行に補正要素34に入るように、偏向する。x−z面と公 称エネルギーの電子に関しては、補正要素34は、中性効果を有し、しかし、こ の要素の中ではエネルギーを偏差させるための強い角度偏差が起き、そのため、 四極子36より発出する射線は互いに角度偏差を持つ3つの射線に分割される。 系32,34,46から系38,40,42の距離に亘って、この角度偏差は、 3つの射線が後者の系に入ると共に、高さの差に変換される。この高さの差は、 実質的に、射線50がy−z面で補正要素34に入る高さの差よりも大きい。こ れは、四極子30と補正要素34との間の距離は、補正要素34と40の間の距 離よりも小さいという事実による。また、特に、四極子30は、結局、色収差の 補正のために設計されそれゆえ強い散乱を起こす補正要素34により起こされた 散乱よりも実質的に小さい散乱を起こすという事実による。四極子38はこれら の3つの射線の進路にわずかな効果を有するが、しかし、x−z面の第2補正要 素40は強い レンズなので、この要素の中では高さの大きな差によるエネルギーの異なる射線 間で大きな角度差が起きる。これらの射線の間では、公称エネルギーの射線は、 四極子44により再び光軸に平粉方向に向き(x−z面に関しては積極的に動作 し)、一方、偏差しているエネルギーの射線は異なった角度で発出する。しかし 、記述した処理の結果、これらの3つの射線52−a、52−b及び52−cは 補正系よ実質上偏差する高さで発出する。これは、大きな色の倍率誤差を意味す る。本発明は、この問題の解決方法を提供する。図4は、本発明の補正要素を形 成するために幾つかの更なる電極と組み合わせて使用した電極の形を示す。この ように構成された補正要素は、図5を参照して以後詳細に説明されよう。図4に 示す電極は、4つの平面形の導体(極)60−a,60−b,60−c及び60 −dよりなり、互いに電気的に絶縁され、この図の面に垂直に伸びる光軸4の回 りに対称にグループ化されるために、1つの平面に配置される。この図は、また 、相互に垂直なx及びy方向を示す。これらの極の境界線は、光軸に面し、双曲 線に接する仮想中心円の周りに配置された双曲線のような形である。製造上の簡 単化のために、双曲線の形は、円弧により知られた方法で近似される。各極60 −aから60−dは、それぞれ、ポテンシャルV1、V2、V3及びV4に調整され る。最も簡単な場合には、V1とV3は等しく、V2とV4も同様で、その場合には V1とV3は反対である。しかし、代わりに、四極子効果を失わずに、固定の量を 全ての前記ポテンシャルに加えることも可能である。この固定の量は、補正要素 の次の電極で、違う値を取っても良い。それで、静電単極子、即ちレンズ効果を 有する要素が、四極子に重ねられる。図4に示す極の配置は、好ましい四極子効 果を実現するための1つの可能性のみを示す。代わりに、知られた方法の多数の 極(例えば12)を使用することも可能である。光軸に面する境界線は短くかつ 線形になり前記線形部分は光軸の回りに円上に所定の隙間で対象に配置される。 これら の各極は、四極場が好適に近似されるように励起される。しかし、その上に、重 ねられた高次の場もまた形成される。四極子の形は、広い意味では、本発明の考 えに関連しない。 図5は、本発明の、図4に示す電極のように構成され、連続的に配置された1 1個の電極、62,64−a,64−b...,64−i及び66よりなる補正 要素の側面図である。電気的終端の目的で、0Vの管が、電極62の左及び、電 極66の右に配置される。前記各電極は、層と呼ばれ、前記層は共に、光軸にお いて(単極子)ポテンシャル変化Φ0及び光軸の近くに(四極子)ポテンシャル 変化Φ2を生じる。各層の斜線は、四極子の励起が起こる方向を示す。層62, 64−b,64−d,64−f,64−h及び66は同じ方向に励起されること を示す。層64−a,64−c,64−e及び64−gは前記方向と逆の方向に 励起される。この励起は、x−z面で対応する層上に交互に正または負レンズで 示した記号により示される。y−z面では勿論前者と反対である。図5は、また 、光軸で(単極子)ポテンシャル変化Φ0を示す。各四極子64−aから64− iは四極子励起だけではなく、単極子励起も有し、一方、2つの四極子62と6 6は、四極子励起のみを有する。 図5に従った補正要素のx−z面及びy−z面の両方の電子線の進路を図6に 示す。これらの射線のシミュレーションに関し、加速電圧Φ0は1000V、入 射射線の電子は3つのエネルギーの間で分散される。即ち、公称電圧は1000 Vで、偏差はΔΦ=±5Vである。この場合、更なるシミュレーションデータは 、層62と66のポテンシャルはx−z面で262.8Vまた、y−z面で−2 62.8Vであり、層64−a,64−c,64−e,64−g及び64−iの ポテンシャルはx−z面で107.1Vまた、y−z面で931.9Vである。 層64−b,64−d,64−f及び64−hのポテンシャルはx−z面で−1 26.9Vまた、y−z面で−912.1Vである。双曲線に接する中心円の半 径は、1.5 mmである。四極子62と66及び隣接四極子64−aと64−iの間の距離と 同様に、それぞれ、四極子62と66と電気的終端のための隣接した管の距離は 1mmに等しい。 四極子62と66の厚さは1mmに等しい。全ての四極子64−aから64− iの厚さは隙間と同様に1.5mmに等しい。図6は、前記シミュレーションプ ログラムと前記寸法とポテンシャルを使用したシミュレーションにより得られた 図である。 電子線68が補正要素の第1四極子62に、光軸4に平行に入射する。x−z 面では、補正要素の第1四極子62により光軸から離れる様に偏向される。その 後、次の四極子64−aにより再び光軸に向かって偏向される。これが、四極子 64−bから64−iにより何回か繰り返され、その後、四極子66により、射 線70は補正要素から再び、光軸に平行に発出する。厳密に言うと、後者は、1 000Vの公称エネルギーを有する電子にのみ成立する。;5Vまたは−5V偏 差する電子は、わずかに偏差した角度の経路、即ち、それぞれ経路72と74を を進む。この図は、x−z面では、補正要素の出口で、実際に色の倍率誤差が起 こらないことを示す。図6に示す補正要素の補正効果は、射線72と74の間の 比較的大きな角度差として、明白である。 x−z面では、射線68は補正要素の第1四極子62により光軸に向かって偏 向される。その後、再び次の四極子64−aにより光軸から離れる向きに向かっ て偏向される。次の四極子64−bは、電子を線を光軸に向かって再び偏向する 。この射線は四極子64−cの領域で前記軸と交叉し、その後、比較的光軸から 遠くで四極子64−dに入射する。後者の四極子は射線を再び軸方向に偏向する 。その後四極子64−eにより軸から離れる向きに偏向され、そして、再び四極 子64−fにより軸方向に偏向される。この射線は四極子64−gの領域で前記 軸と交叉し、その後、比較的光軸から遠くで四極子64−hに入射する。後者の 四極子は射線を再び軸方向に偏 向する。四極子64−iは、再び、射線を光軸から離れる向きに向かって四極子 66へ偏向し、最終的に、射線を補正要素から光軸に平行に発出する。厳密に言 えば、後者は、1000Vの公称エネルギーを有する電子にのみ成立する。;5 Vまたは−5V偏差する電子は、偏差した角度の経路、即ち、それぞれ経路76 と78をを進む。この図は、この図は、補正要素の出口で、わずかに色収差が起 こる(実際には無視できる)ことを示す。y−z面のある位置で過度の経路は、 補正要素の位置と正確に一致しない。これは、とりわけ、様々な四極子はまた単 極励起を有し、様々な光学要素は理想的に薄くなく所定の薄さであるという事実 を基に説明できる。 図6は、射線76と78の間の比較的大きな角度差を示す。しかし、この差は 、補正器の全体として、ほとんどまたは全く色動作に影響を及ぼさない。これに 関し、2つの理由がある。第1の理由は、射線は、完全な補正器の光軸に平行に 入射しないことである。第2の理由は、補正要素の長さの選択と四極子励起のた めに、非補正面による補正器強さへの貢献は、全体的な補正器強さに従属させら れるからである。後者はまた、Archard(9章)の引用論文で立証される 。同じ理由により、この角度偏差は、色の倍率誤差には重要でない。最後に、値 n=2(式(44)参照)は図6のビーム経路に対して成立することに注意する 。 図7は、図6に示されるように、11層電極より成る補正要素の本発明の補正 器のx−z面とy−z面の両方に対するビーム経路を示す図である。図2に示す 補正器を構成するために、補正要素は2つの付加的な四極子と共に組み立てられ ている。それゆえ、付加的な四極子は、四極子30と44である。図6と違って 、図7では、電子は全ての場合には、光軸に平行に補正要素に入射しないことに 注意する。4つの場合の2つの場合では、所定の角度で入射する。 これは、(第1の補正要素34に対し)第1の四極子30の存在により、あるい は、(補正要素40の前で)第1の補正要素34を横 切ることによる。従って、図6の電子経路は単純に図7へ移せない。 図7のシミュレーションで使用される補正要素の励起は、図6からわずかに偏 差する。層62と66のポテンシャルは、x−z面で242.9V、y−z面で −242.9Vであり、層64−a,64−c,64−e,64−g及び64− iのポテンシャルは、x−z面で106.8V、y−z面で932.9Vであり 、層64−b,64−d,64−f及び64−hのポテンシャルは、x−z面で −127.2V、y−z面で−911.8Vである。以下のデータは、図7のシ ミュレーションで使用される四極子30と44で成り立つ。各四極子は、図4に 従った電気的終端のための2つの管の間に配置された電極層よりなる。電極層と 管の間の距離は、両側で1mmに等しい。電極層の厚さは2mmであり、双曲線 に接する中心円の半径は1.5mmである。管の内径と同様である。管は0Vの ポテンシャルを持ち、間に配置された電極層のポテンシャルは四極子30のx− z面で+29.7Vで、y−z面で−29.7Vある。反対の値が四極子44で 成り立つ。 図7は、そこで使用される補正器は、全体として、公称エネルギーの電子の直 視を有することを示す。即ち、光軸に平行に入射する射線は、再び光軸に平行に 発出する。色収差に対する補正器に予想できるように、明らかに、偏差するエネ ルギーの電子は、補正器を偏差角で発出する。補正器から(光軸に向かって)発 出する射線39と41は、1005Vのエネルギーに対応する。(光軸から離れ る向きの)射線45と47は、995Vのエネルギーに対応する。(光軸に平行 に発出する)射線43は、1000Vの公称エネルギーに対応する。図は、片側 の系32,34,36と他の38,40,42(x−z面に対して)との間にま た、片側の系38,40,42と他の側の四極子44(y−z面に対して)との 間の強い分散を明らかに示す。補正要素34と40はこの目的のために設計され たので、これは予想できる。図7はまた、色の倍率誤差(即ち、補 正器から発出する偏差エネルギーの射線間の高さの差)は、実質的に知られた補 正器よりも(図3と比較して)小さい。 図7は図3と比較されたとき、図7の発出する経路の角度差は、図3よりも実 質的に大きい。これは、特に、図3では2Vのエネルギー拡散がまた、図7では 5Vのエネルギー拡散が仮定されるという事実による。 図8は、本発明による補正要素のビーム経路を示す図であり、x−z面とy− z面に対して5層のみから成る場合である。補正要素のこのような構成は、図示 されていない。しかし図5を基にして、この図の64−aから64−iの9層を 3層64−a,64−b及び64−cに置きかえることを仮定することにより容 易に想像される。層64−bの励起は、層64−a,64−cと逆である。層6 4−a,64−cの励起は、四極子62と66と逆である。これらの5つの四極 子は、電気的終端のための2つの管により囲まれている。この補正要素の各四極 子は図4のように構成されると仮定される。双曲線に接する中心円の半径は、電 気的終端のための管の内径のように3mmに等しい。補正要素は、連続して、0 Vの電圧の管と、2mmの距離で厚さ2mmの第1四極子62が続き、2mmの 距離で厚さ3mmの第2四極子64−aが続き、3mmの距離で厚さ3mmの第 3四極子64−bが続き、3mmの距離で厚さ3mmの第4四極子64−cが続 き、2mmの距離で厚さ2mmの第5四極子66が続き、最後に、2mmの距離 で前記内径と0Vの電圧を有する管が続く。外の2つの四極子62と66の電極 の電圧はx−z面で513.4V、y−z面で−513.4Vである。2つの四 極子64−aと64−cの電極の電圧はx−z面で299V、y−z面で205 9.6Vである。中央の四極子64−bの電圧は、x−z面で−361.4V、 y−z面で−1997.2Vである。 図8に示す電子線の進路のシミュレーションに関しては、加速電圧Φ0=10 00Vであり、入射電子線の電子は3つのエネルギー の間で分散されていると仮定される。即ち公称電圧1000Vと、偏差ΔΦ=± 5Vである。図8は、前述のシミュレーションプログラムと寸法とポテンシャル を用いたシミュレーションにより得られる。 図8では、電子線は、補正要素の第1四極子62に光軸4に平行に入射する。 x−z面では、射線68は、補正要素の第1四極子62により光軸から離れる方 向に偏向される。その後、次の四極子64−aにより光軸方向に再び偏向される 。続いて、四極子64−bは再び光軸から離れる方向に偏向する。その後、四極 子64−cにより光軸方向に偏向される。続いて射線70は、最後の四極子66 を横切り、再び光軸と平行に補正要素から発出する。厳密に言えば、後者は、1 000Vの公称エネルギーを有する電子に対してのみの場合である+。5Vおよ び−5V偏差するエネルギーを有する電子は、それぞれ経路72と74のわずか に異なった角度の経路を進む。この図は、5層より成る補正要素の出口で、x− z面には色の倍率誤差が実質的に起こらないことを再び示す。色収差の補正効果 は、射線72と74の間の比較的大きな角度差として明白である。 y−z面では、補正要素の第1四極子62により射線68は光軸に向かって偏 向される。その後、次の四極子64−aによりわずかに戻るように偏向される。 しかし、更に、光軸の方向に移動を続ける。続いて、四極子64−bは電子ビー ムを再びもっと急峻に光軸に偏向する。射線は四極子64−bの領域で前記軸と 交叉する。続いて、比較的軸から遠くで四極子64−cに入射する。後者の四極 子は再びわずかに急峻に射線を伸ばす。その後、射線は最後の四極子66で偏向 される。それにより最終的に、補正要素から光軸に平行に発出する。厳密に言え ば、後者は、1000Vの公称エネルギーを有する電子にのみ成り立つ。+5V または−5V偏差するエネルギーを有する電子は、偏差した角度の経路を進む。 即ち、それぞれ経路76及び78である。図8は、(実際は無視できる)わず かな色の倍率誤差が補正要素の出口で、y−z面で発生することを示す。式(4 4)が図8に適用されたときには、値n=1が使用されることに注意する。高さ 1で光軸に平行に入射する射線は、高さ−1で軸に平行に発出することを意味す る。一般的に言って、伝達マトリックスの行列式が1に等しいなら、この伝達マ トリックスはドリフト空間マトリックスと同じ特性を有する。これは、分散が大 きくても、色の倍率誤差を許容できないくらい大きくする機構が無いことを意味 する。 図9は、x−z面とy−z面に対して5層から成る2つの補正要素の各々で、 本発明の補正器のビーム経路を示す図である。前記補正要素のビーム経路を図8 に示す。補正要素は、図2の補正器を構成するために2つの付加的な四極子と共 に組み立てられる。このように、付加的な四極子は、四極子30と44である。 図9に示すシミュレーションで使用される補正器では、四極子32と36は補正 要素34に集積され、四極子38と42は補正要素40に集積される。これは補 正器の動作には本質的な差は無い。図7と反対に、図9の電子は補正要素の光軸 に平行に入射しないが、ゼロから偏差する所定の角度で入射する。第1補正要素 34に関しては、これは第1四極子30の存在による。第2補正要素40に関し ては、第1補正要素は横切られているという事実による。従って、図8の電子経 路は、図9に単純に移行できない。 図9の電子線の経路のシミュレーションに関しては、加速電圧Φ0=1000 Vであり、入射電子線の電子は3つのエネルギーの間で分散されているとと仮定 される。即ち公称電圧1000Vと、偏差ΔΦ=±2Vである。補正要素32, 34,36及び38,40,42は、図8を参照して記述される様に構成され、 電極には異なった電圧が存在する。外側の2つの四極子62と66の電極の電圧 は、x−z面では508.0V、y−z面では−508.0Vである。2つの四 極子64−aと64−cの電極の電圧は、x−z面では2 93.6V、y−z面では2065.0Vである。そして中央の四極子64−b に関しては、x−z面では−366.8V、y−z面では−1991.8Vであ る。以下のデータは図9の付加的四極子30と44で成り立つ。各四極子は、電 気的終端のための2つの管の間にに配置された図4に従った電極層より成る。両 側で電極層と管の間の距離は、1mmに等しい。電極層の厚さは2mmで、双曲 線に接する中心円の半径は、管の内径のように1.2mmである。管は0Vのポ テンシャルを持ち、四極子30の間に配置された電極層の電圧は、x−z面では +6.49V、y−z面では−6.49Vである。四極子44に対しては、反対 の値が成り立つ。図9は、前述のシミュレーションプログラムと寸法とポテンシ ャルを用いたシミュレーションにより得られる。 図9は、そこで使用される補正器は、全体として、公称エネルギーの電子の直 視を有することを示す。色収差に対する補正器に予想できるように、明らかに、 偏差するエネルギーの電子は、補正器を偏差角で発出する。図は、色の倍率誤差 は、(図3と比較し)知られた補正器よりも、非常に小さいことを示す。それゆ え図8と9を基にして、十分に動作する色収差の補正器を、5層以下で構成でき ることが推論される。 図10は、色の倍率誤差が正確にゼロである様に励起された補正要素を用いた 本発明による補正器のビーム経路を示す図である。この補正器の補正要素の各々 は、x−z面とy−z面の両方に対して、7層で構成される。そのような補正要 素の構成は図示されていない。しかし、図5を基に、64−aから64−iの9 層を、層64−a,64−b,64−c,64−d,及び64−eの5層に置き 換え、層64−bと64−dの励起を層64−a,64−c及び64−eと逆に し、後者の3つの層の励起を四極子62と66と再び逆にすると仮定することで 容易に想像できる。 図10の2つの補正要素に関し、補正要素の電極の寸法と電圧は 異なる。以下の寸法と電圧は第1補正要素32,34,36で成り立つ。補正要 素の7つの四極子は、電気的終端のための2つの管で囲まれている。補正要素の 各四極子は、図4に示すように構成されていると仮定される。電気的終端のため の管内径のように、双曲線異接する中心円の半径は1.2mmである。補正要素 は、連続的に0Vの管と、続いて0.8mmの距離で厚さ0.8mmの第1四極 子62と、続いて0.8mmの距離で厚さ1.2mmの第2四極子64−aと、 続いて1.2mmの距離で厚さ1.2mmの第3四極子64−bと、続いて1. 2mmの距離で厚さ1.2mmの第4四極子64−cとにより構成される。他の 寸法は知られている。それは、補正要素は、電極64−cを通る面に関して鏡面 対象であるためである。外側の2つの四極子62と66の電極の電圧は、x−z 面では280.8V、y−z面では−280.8Vである。3つの四極子64− aと64−c及び64−eの電極の電圧は、x−z面では107.2V、y−z 面では1004.0Vである。2つの四極子64−bと64−dの電極の電圧は 、x−z面では−133.6V、y−z面では−977.6Vである。 以下の寸法と電圧は、第2補正要素38,40,42で成り立つ。第2補正要 素の構成は、第1補正要素の構成と同じである。第2補正要素の寸法を得るため に、第1補正要素の全ての寸法はファクタ0.82倍しなければならない。第1 および最後の管の電圧は0Vである。外側の2つの四極子62と66の電極の電 圧は、x−z面では−256.3V、y−z面では256.3Vである。3つの 四極子64−aと64−c及び64−eの電極の電圧は、x−z面では912. 1V、y−z面では98.5Vである。2つの四極子64−bと64−dの電極 の電圧は、x−z面では−890.1V、y−z面では−120.5Vである。 2つの四極子30と44の電極は、半径1.2mmの双曲線に接する中心円を 有する。2つの四極子は、連続的に、内径1.2mm の管と、続いて1mmの距離で厚さ2mmの四極子と、続いて1mmの距離で内 径1.2mmの電気的終端のための管とにより構成される。四極子30の電極の 電圧は、x−z面及びy−z面でそれぞれ+14.8V、−14.8Vである。 四極子44では反対の値が成立する。電子線の経路のシミュレーションに関して は、加速電圧Φ0=1000Vであり、入射電子線の電子は3つのエネルギーの 間で分散されていると仮定される。即ち公称電圧1000Vと、偏差ΔΦ=±5 Vである。図10は、前述のシミュレーションプログラムと寸法とポテンシャル を用いたシミュレーションにより得られる。 図10では、射線80は、軸4上の点から、丸いレンズを通して伸びる。丸い レンズの位置は軸上に参照番号82で示されている。丸いレンズの影響の下に、 射線80は軸に平行に向けられる。その後、x−z面の射線とy−z面の射線を 形成するために、四極子30により分割される。x−z面とy−z面の射線の進 路は、図6,7,8、及び9を参照して記述されたのと同じであり、再び詳述は 必要無い。図10のビーム経路と前記他の図のビーム経路の違いは、図10では 、射線は、正弦波半周期の整数を形成する経路を進まない。四極子は、各補正要 素からわずかに偏差した経路の形で励起される。この偏差のために、2つの次数 の自由度が得られる(1つは補正要素に対して)。これらの次数の自由度は、x −z面に対して、y−z面に対する対応する点と一致する、色の倍率誤差をゼロ に等しくする点を作るのに使用される。そして更に、これらの一致する点を光軸 上の望ましい位置に移動するのに使用される。この位置は、図10の参照番号8 4で示される。色収差が補正されるべき円いレンズは、その点に配置され、その 結果、色の倍率誤差がゼロに等しい、色収差を補正した系が得られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.装置の中で粒子ビームにより照射される物体(14)を露光するために、装 置の光軸(4)に沿って移動する電気的に帯電した粒子のビームを放出する粒子 源と、 電気的に帯電した粒子のビームを集束させるための集束レンズ(8)と、 集束レンズの色収差を補正するための補正器(28)とを有し、 該補正器(28)は、補正要素(34,40)を有し、各補正要素は、電気的 四極場を発生するための電極(62,64,66)を設けられ、前記電極は、光 軸に沿った連続する層に配置され、層の電極により発生された四極場は、隣接層 の電極により発生された四極場に関して、光軸の回りに実質的に90°の角度で 回転されている粒子光学的装置であって、 補正要素(34,40)は、少なくとも5層の四極電極を有することを特徴と する粒子光学的装置。 2.請求項1記載の色収差を補正するための補正器(28)。 3.補正器(28)は補正要素を有し、各々の補正要素には電気的四極場を発生 するための電極が設けられ、前記電極は光軸に沿って連続する層に配置され、そ の層の電極により発生された四極場は、隣接層の電極により発生された四極場に 関して装置の光軸の回りに、実質的に90°の角度で回転された、粒子光学的装 置の集束レンズの色収差を補正するための補正器(28)を動作させる方法であ って、 色の倍率誤差がゼロに等しい補正器の第1補正要素の点は、補正器の第2補正要 素の対応する点と一致するように、四極場を発生する場が励起されることを特徴 とする方法。
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