JP2001507310A - 関節連結機械の操向システム - Google Patents

関節連結機械の操向システム

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Abstract

(57)【要約】 関節連結機械においては、機械の制御を操向輪アセンブリに組み込み、操向輪を通して機械的なフィードバックをオペレータに提供する操向システムを提供することが長い間望まれていた。本発明は、機械(10)の第1フレーム(12)上に操向輪アセンブリ(22)を設け、第1フレーム(12)に対して関節運動する第2フレーム(14)上に制御弁(36)を設けることにより、この目的を達成する。操向輪アセンブリ(22)と制御弁(36)は、その長さ方向に沿って配置された一対の定速Uジョイント(94,96)を含んだシャフトアセンブリ(88)により連結される。シャフトアセンブリ(88)は操向輪アセンブリ(22)と制御弁(36)の間で実質上同一の回転量を転換する。操向輪アセンブリ(22)の回転量に応じて、制御弁(36)は第1及び第2状態で作動可能であり、機械(10)の作動に合った異なる操向モードを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 関節連結機械の操向システム 技術分野 本発明は一般的に関節連結機械の操向システムに関し、特に、操向輪に機械的 フィードバックを提供する操向システムに関する。 背景技術 関節連結機械の作動においては、関節連結点の両側で機械のフロントフレーム 及びリアフレームの間に連結された一対の油圧シリンダーを含んだ操向機構(ス テアリング機構)を使用するのが一般的である。操向を達成するために、操向シ リンダが選択的に作動され、一方の操向シリンダを伸長し他方を縮めてフロント フレームをリアフレームに対して回動する。 操向シリンダへの加圧流体の制御は幾つかの異なる方法により達成される。多 くの操向システムは、操向輪に連結され操向輪の回転に応じて操向シリンダに流 体を供給する手計量ユニット(HMU)を利用している。この操向システムは有 効に働くことが知られているが、オペレーターに過度の制御を要求するホイール ローダのような機械を 作動するときにはオペレータが疲労し易くなることが知られている。 このシステムを改良する試みとして、操向輪以外の例えばハンドル及びレバー の操向制御と一体化された電子制御を付加することがある。これはオペレーター の疲労を減少させるばかりでなく、他の機械機能例えばトランスミッションの制 御をレバーに組み込むことができる。このタイプの制御は、物質を一つの位置か ら他の位置に移動するための、しばしば物質を隣接するトラックに詰め込むため に利用される例えばホイールローダのような機械の作動に採用されている。この タイプの制御はトラック積載作業のような作業には非常によく合っているが、通 常“搬送”として知られている物質を一つの場所から他の場所に移動するときに は幾つかの小さな欠点を発揮することが知られている。 関節連結操向システムの他の改良点は、電子トランスミッション制御を比較的 小さなレンジ(領域)を回転する操向輪に組み込んだことであり、これによりト ランスミッションの制御は操向輪と一体化される。操向輪は、操向輪が取り付け られているリアフレームに対して関節運動可能なフロントフレームに取り付けら れた油圧制御弁に連結されている。操向輪と制御弁との間の連結は、各 フレームが関節運動をすると制御弁の機械的モジュレーション(調整)を生成す るために、互いに特定な位相関係で位置付けされた一対のUジョイント(継手) を利用している。これによりオペレータは機械が操向されると機械的なフィード バックを受けることになる。加うるに、機械の反応は、中立位置からの操向輪の 最初の移動は機械が関節運動しているときに経験するよりも制御弁の位置での反 応は小さなものになるというものである。これは、“運搬”作業中により小さな ジャーキイ(がたがた動くこと)を提供し、トラック積載作業中にはより小さな 量の操向輪の回転で反応し易い操向システムを提供するものとして知られている 。これは大型のホイールローダの操作には非常な成功を収めているが、この機械 的モジュレーションはハイウェイ上を高速で走行するより小さなホイールローダ のオペレータにはそれほど効果的な或いは乗り心地の良いものではない。 本発明は上述した問題の一つ或いはそれ以上を克服せんとするものである。 発明の開示 本発明の1つの側面においては、操向システムは関節連結機械に使用するのに 適合している。機械は、第1及び第2フレーム部材の間に連結され た少なくとも一つの流体アクチュエータの動きに応じて、互いに回動運動をする ように取り付けられた第1及び第2フレーム部材を有している。操向システムは 第1フレーム部材上に回転可能に取り付けられた操向制御部材を含んでいる。制 御弁が第2フレーム部材上に取り付けられていて、流体アクチュエータの動きを 選択的に制御するために操向制御部材を回転すると、第1及び第2状態のいずれ か一つで作動可能である。操向制御部材に連結された第1端部部分及び制御弁に 連結された第2端部部分を有するシャフトアセンブリが含まれている。シャフト アセンブリは端部部分の間に配置された一対の定速Uジョイントを有している。 Uジョイントは、二つのフレーム部材が相互に移動するときフレーム部材の間の 角度の変更を収容するように適合している。この角度変更の間、シャフトアセン ブリの第1及び第2端部部分の間の約1:1の回転比が維持される。 本発明の他の側面においては、第1フレーム部材と、相対運動の為に第1フレ ーム部材に回動可能に取り付けられた第2フレーム部材を含んだ関節連結機械の 操向システムが提供される。少なくとも一つの流体アクチュエータが第1フレー ム部材と第2フレーム部材の間に連結されており、機械の操向を提供するために フレーム部材の間の相 対運動を引き起こすように移動可能である。操向輪が第1フレーム部材上に回転 可能に取り付けられている。第1及び第2端部部分を有するシャフトアセンブリ が設けられており、操向輪は第1端部部分上に取り付けられている。一対の定速 Uジョイントがシャフトアセンブリの第1及び第2端部部分の間に離間した関係 で配置されている。制御弁が、シャフトアセンブリの第2端部部分に連結される ように適合した回転アクチュエータを有する第2フレーム部材上に取り付けられ ている。操向輪の第1所定回転範囲の回転に応じて制御弁は第1状態に移動され 、第1所定モード下で加圧流体が流体アクチュエータに連通される。操向輪の第 2所定回転範囲の回転に応じて制御弁は第2状態に移動され、第2所定モード下 で加圧流体が流体アクチュエータに連通される。 本発明のさらに他の側面においては、互いに相対運動可能なように回動可能に 取り付けられた第1及び第2フレーム部材を含んだ関節連結機械の操向システム が提供される。少なくとも一つの流体アクチュエータが第1フレーム部材と第2 フレーム部材の間に連結されていて、機械の操向を提供するためにフレーム部材 の間に相対運動を引き起こすように移動可能である。操向輪が第1フレーム部材 に取り付けられており、制御弁が第2フ レーム部材に取り付けられている。制御弁は回転アクチュエータを有しており、 第1及び第2状態のいずれかに移動可能である。第1状態では、加圧流体が第1 圧力範囲で流体アクチュエータに連通される。第2状態では加圧流体が第1圧力 範囲よりも大きい第2圧力範囲で流体アクチュエータに連通される。第1定速U ジョイントにより操向輪に連結された第1端部部分と、第2定速Uジョイントに より制御弁の回転アクチュエータに連結された第2端部部分を有するシャフトア センブリが設けられている。シャフトアセンブリは操向輪の回転量が実質上回転 アクチュエータの回転量に等しくなるように、操向輪の回転を回転アクチュエー タの回転に変換するために作動される。 上述した操向システムによると、関節連結機械のフレーム部材の間に伸長する 流体アクチュエータは、その最大位置の間で比較的小さな全体回転量を必要とす る操向輪により制御される。操向輪が制御弁を作動するように接続されているた め、操向輪の最初の回転部分の間には少量の加圧流体が操向シリンダに差し向け られるように操向シリンダに供給される加圧流体が調節され、関節運動の微妙な 変更が可能となる。これは比較的高速下での操作の助けとなる。或いは、操向輪 を大きく回転した部分では、機械を狭い場所で負荷状態で 作動しているときにより大きな動きを達成するために、増加された加圧流体の流 れが操向シリンダに供給されるように制御弁が調整される。この操向システムは 、機械の作動の全てのフェーズにおいて非常に汎用性があり、かつ機械のオペレ ータが通常経験する疲労を減少する機械の制御を最終的に提供する。 図面の簡単な説明 図1は本発明の原理を具備した機械の概略側面図; 図2は図1に示された機械のフロントフレーム部材及びリアフレーム部材の概 略斜視図であり、発明をよりはっきり示すためにフレーム部材の一部分が破断さ れている。 図3は本発明の制御弁の概略図; 図4は図2の4−4線に沿って断面されたシャフトアセンブリの一部分の断面 図; 図5は図3で円弧5で囲まれた部分の拡大図; 図6はフロント及びリアフレーム部材の概略平面図であり、非関節運動位置に おける操向アセンブリの数多くの部品の位置を示している。 図7は図6に類似したフロント及びリアフレーム部材の概略平面図であり、第 1の関節運動位置における操向アセンブリの数多くの部品の位置を示している。 図8はフロント及びリアフレーム部材の概略平面図であり、第2の関節運動位 置における操向アセンブリの数多くの部品の位置を示している。 図9はパイロット弁の回転と制御弁から差し向けられたパイロット圧力との関 係を示すグラフである。 発明を実施するための最良の態様 図面を参照すると、実質上垂直軸15回りに互いに回動可能なように取り付け られた第1及び第2フレーム部材12,14を有する機械10が示されている。 第1フレーム部材、即ちリアフレーム部材は機械の両側に位置する一対の車輪1 6(図1には一つが示されている)及び車輪16の駆動を提供するエンジン(図 示せず)を収容するエンジン収容体18の支持を提供する。オペレータステーシ ョン20はリアフレーム12上に取り付けられており、機械を作動するために利 用される複数の制御装置を収容している。これらの制御装置のうち操向輪アセン ブリ22のような操向制御部材が、通常コンソール(図示せず)により支持され ており、このコンソールはオペレータステーションにより支持されている。 第2フレーム部材、即ちフロントフレーム部材14は機械の両側に位置する一 対の車輪24(図 1では一つが示されている)を支持している。図面には特に示されていないが、 図1に示されているようなホイールローダのような機械は、通常エンジンから前 輪24への駆動を提供する。バケット26のような作業機器は機械のフロントフ レーム上に取り付けられており、物質を積載したり置いたりしたりするために実 質上垂直面内を移動可能である。作業機器を作動するための制御装置もオペレー タステーション中に設けられている。 一対の流体アクチュエータ、即ち油圧操向シリンダ28(図示せず)が機械の 長手方向に伸長する縦方向中心線29(図6−8)の両側でフレーム部材12と 14の間に取り付けられている。操向シリンダは縦方向中心線の両方の側でリア フレーム部材に対してフロントフレーム部材を回動するように作動されて、機械 の操向を提供する。図2に最も良く示されるように、操向シリンダ28の第1端 部部分30はリアフレーム部材12に連結されており、第2端部部分32はフロ ントフレーム部材14に連結されている。図面には示されていないが、他の操向 シリンダも機械の反対側で同様な方法で取り付けられている。 あとで詳細に説明する方法で一方の操向シリンダが伸長し他方の操向シリンダ が縮むように、操向シリンダ28への加圧流体の流れを逐次的に制 御するために、一般的に符号34で示される流体制御手段が設けられている。流 体制御手段はフロントフレーム14上に取り付けられた制御弁36を含んでいる 。本実施形態においては、制御弁36はエンジンにより駆動されるポンプ38か ら操向弁40にパイロット圧力を差し向けるパイロット弁として示されている。 操向弁40は良く知られた方法で各操向シリンダのヘッド端部及びロッド端部か ら伸長する一対の管路により操向シリンダに連結されている。パイロット圧力に 応じて操向弁が作動されると、メインシステムポンプ(図示せず)中の加圧流体 が良く知られた方法で操向シリンダに差し向けられ、操向シリンダの逐次作動、 すなわち一方のシリンダを伸ばして他方のシリンダを縮ませる。パイロットシス テムが図3に概略的に示されている。 制御弁36は回転アクチュエータ42としての方向制御部分と、直線方向に移 動可能な弁スプール46を有する圧力調整弁44と、回転アクチュエータ42が 中立位置からいずれかの方向に移動されたとき弁スプール46の直線運動を機械 的に与えるアクチュエータ48を含んでいる。回転アクチュエータ42は操向弁 40に接続された一対の制御ポート50,52と、タンク56に接続されたドレ インポート54と、入力通路58を含ん でいる。回転アクチュエータ42は制御ポート50,52がドレインポート54 に連通し、入力通路58からブロックされる中立位置を有している。回転アクチ ュエータが図3で見て時計回り方向に移動されると、流体のパス62を介して制 御ポート52とドレインポート54との間の連通を維持しながら流体のパス60 を介して入力通路58と制御ポート50との間の連通が確立される。同様に、回 転アクチュエータ42が反時計回り方向に移動されると、流体のパス66を介し て制御ポート50とドレインポート54との間の連通を維持しながら流体のパス 64を介して入口通路と制御ポート52との間の連通が確立される。 説明的な目的の為に、制御弁はパイロット圧力を操向弁に連通し、これにより システム圧および流れを各操向シリンダに差し向けるパイロット弁として説明し てきた。ここで注意すべきは、制御弁はエンジンにより駆動されるポンプと直接 連通しても良く、いずれのシステムも本発明の原理を逸脱せずして採用可能であ る。どちらの場合にも、加圧流体の流れ(パイロット又はシステム圧)は制御弁 36中に回転可能に取り付けられた回転アクチュエータ42により指図される。 図3及び図5を参照すると、回転アクチュエータ42は軸72回りに回転可能 に弁ボデイ70中 に伸長するシャフト68を有しているのが示されている。カム部材74が軸72 に沿って位置付けされており、シャフト68と共に回転される。カム部材は、図 で見て水平平面に沿って実質上伸長した複数の作動表面を画成している。カム部 材74は、図で見て軸74の実質上真下となる中央に配置された中立部分76を 有している。第1作動表面78が中立部分の両側に配置されており、比較的大き な所定の半径で画成されて僅かな曲率を有する第1作動表面を提供する。第2作 動表面80が各第1作動表面78に隣接してその外側に配置されている。各第2 作動表面80は第1作動表面の半径よりも小さな第2所定半径で画成されて、第 1作動表面の曲率よりもより大きな量の曲率を形成する。 アクチュエータ48がカム部材74の下方にカムフォロアとして配置されてお り、カム部材74に係合する第1端部部分84と、スプリング87(図3)を介 して圧力調整弁44に係合する第2端部部分86を有している。図示された実施 形態では、アクチュエータ48は直線的に移動し、上述したように弁スプール4 6の直線運動を与える。アクチュエータがカム部材74に接触してアクチュエー タが直線方向に移動すると、アクチュエータは操向弁、よって操向シリンダ28 に差し向け られる圧力の量を制御し、流体の圧力が増加する割合を制御する。 回転アクチュエータ42の動きは、第1端部部分90が操向輪22に連結され 、第2端部部分92が回転アクチュエータ42により画成されたシャフト68に 連結されたシャフトアセンブリ88により分け与えられる。シャフトアセンブリ 88は、シャフトアセンブリに沿って互いに離間した関係で配置された一対の定 速(CV)Uジョイントを含んでいる。シャフトアセンブリの第1端部部分90 はオペレータステーション20中に配置されて、操向輪22と第1CVジョイン ト94との間に伸長している。シャフトアセンブリの第2端部部分92はCVジ ョイント96により回転アクチュエータ42で画成されたシャフト68に連結さ れている。二つのCVジョイント94,96は入れ子式の第3シャフト部分98 により相互連結されており、第2フレーム14が第1フレーム12に対して関節 運動をすると、第1CVジョイント94方向及び第1CVジョイント94から離 れる方向の第2CVジョイント96の動きを吸収する。図示された実施形態にお いては、二つのCVジョイント94,96は通常20カルダンUジョイントとし て知られているタイプとして示されている。通常レッパジョイントとして知られ てい るCVジョイントの他のタイプ、或いは幾つか知られているCVジョイントも本 発明の範囲を逸脱せずして一方又は両方の位置に使用可能であることに注意すべ きである。二つのCVジョイントの重要な機能は、フロントフレーム14とリア フレーム12との間の関節運動の量に拘わらず、実質上同じ量の回転を操向輪2 2と回転アクチュエータ42に分け与えることである。 産業上の利用可能性 操向システムの作動の説明は、図6に最も良く示されているように、フロント フレーム部材14及びリアフレーム部材12が縦方向中心線29に沿って実質上 中心に整列している状態から開始される。この位置では、操向輪により画成され た平らな部分は概略水平方向に展開していてフロントフレーム14の横方向部分 に平行となるように示されている。これに対応して、回転アクチュエータ42は アクチュエータ48がカム部材74の中央部分76に係合する中立位置となって いる。 図7を参照すると、操向輪22が反時計回り方向に回転された状態が示されて いる。回転量は、操向輪の平な部分の延長線と操向輪が回転していないときの横 方向の線で挟まれる角度Aとして示されている約10度である。操向機能を開始 する と、即ち操向輪を初期回転すると、同じ量の回転がシャフトアセンブリ88を介 して回転アクチュエータ42に移される。これによりカム74が図3で見て反時 計回り方向に同一の10度初期回転する。この回転量はカムを第1作動表面78 に沿ってアクチュエータ48に係合させる。この状態になると、調整弁44が作 動されて加圧流体が入口通路58に差し向けられる。加圧流体は制御ポート50 を流れのパス66を介してドレイン54と連通すると同時に、流れのパス64を 介して制御ポート52に連通される。これにより加圧流体が操向弁40に差し向 けられ、メインシステムから一つの操向シリンダ28のヘッド端および他の操向 シリンダのロッド端への流体の流れを制御して、一方の操向シリンダ28を伸長 し他方を収縮させる。 操向輪が回転の第1範囲内、即ち0〜13度の範囲内の量(10度)で回転さ れたので、制御弁36は第1状態で作動し、圧力550〜850kPaのパイロ ット圧を操向弁40に差し向ける。この第1状態は操向輪が2度以上回転したと き開始され、このとき圧力は0〜550kPaに比較的迅速に上昇する。パイロ ット圧力は550〜850kPaの範囲内の圧力で操向弁に供給される。 操向輪の初期回転量が例えば図8で角度Cで示 される13度を越えた場合には、回転アクチュエータは同一量回転され、図では 約25度として示されている。この回転量においては、アクチュエータ48は第 2作動表面80に係合するように位置付けされる。この状態では、圧力850〜 1925kPaの加圧流体が上述したのと同様な方法で操向弁40に差し向けら れる位置に、アクチュエータは調整弁44を移動させる。これにより、フロント フレーム14はリアフレーム12に対して操向輪の回転角度25度と実質上等し い量だけ回転される。この位置が図8で角度Dとして示されている。 図9に示されたグラフから明らかなように、第2領域R2の流体圧は第1領域 R1の流体圧よりも大きいばかりでなく、操向輪の所定範囲の回転に対してより 速い割合でその圧力が増加する。 回転アクチュエータ42の作動についての上述した状態は、操向機能の開始当 初にのみ起こる事に注意されたい。フロントフレーム14がリアフレーム12に 対して回転すると、カム74に対するアクチュエータ48の位置が変更され、中 立位置に戻される。これは関節連結軸15及び操向輪22に対する制御弁36の 位置付けの結果発生する。フロントフレーム14が動き出すと、制御弁36が関 節連結軸15に中心を有する円弧に沿っ てフロントフレームと一緒に移動する。第1CVジョイントはシャフトアセンブ リ88の第1端部部分90に取れつけられてリアフレーム12に固定されている ので、第1CVジョイントは制御弁の移動につれては回転しない。このために、 フレームの関節運動が続くと二つのCVジョイントの間の距離が増加する。この 距離の変化はシャフトアセンブリ88の入れ子式の第3部分98により吸収され る。さらに、第2CVジョイント96と垂直軸15との間の距離は二つのCVジ ョイント94と96の間の距離よりも大きいので、フロントフレームが回動運動 すると二つのCVジョイントの間の角度関係も変更される。回転アクチュエータ 42は二つのCVジョイントを含んだシャフトアセンブリにより操向輪に連結さ れており、回転アクチュエータの作動は操向輪により指図されるので、フロント フレームが関節運動すると回転アクチュエータ42と制御弁36との間の相対回 転が自然に発生する。回転アクチュエータと制御弁の間の界面が制御弁と固定さ れていない操向輪との間のただ一つの連結であるので、この相対回転は発生する 。故に、これらの構成部品の間の相対回転はフロントフレームの関節運動に伴っ て必ず発生する。相対回転の方向は操向輪の元の回転方向と反対である。故に、 フロントフレームが関 節運動をすると、アクチュエータ42はカム74の中立位置76に戻る方向に移 動され、関節運動が引き続くと操向弁への加圧流体の量を徐々に減少させ、操向 輪の位置がその当初の回転角度から変更されないと仮定すると、関節角度が操向 輪の回転角度に到達すると最終的に連通を完全に遮断する。 故に、上述した操向システムに拠れば、関節連結機械は非常に汎用的の方法で 制御されるのが理解される。ハイウェイ上を走行するような比較的高速で作動さ れているときには、操向の修正は通常比較的緩やかであり、操向輪の小さな回転 を必要とする。このタイプの修正は制御弁を第1状態で作動させ、比較的スムー ズで微妙な操向の修正を提供する。反対に、フレームの間の関節角度がかなり大 きいトラック積載作業のときには、操向の修正には操向輪の回転の大きな角度を 必要とする。その結果、制御弁はその第2状態で作動し、操向の修正は素早くな り、狭い場所で作動しているときに非常に望ましい増加されたフレームの加速を 提供する。ステアリングシステムのこの側面により、機械が非常に汎用的になる と同時に、操向輪の最大位置の間における回転量を非常に減少させる。この減少 された回転の付加的な利益の為に、例えばトランスミッションの制御のような数 多くの他の機械の制御が、もし望むならば操向輪の設計に組込まれる。機械の制 御をこのように一体的に組み込むことにより、オペレータの疲労が非常に減少さ れる。 本発明の他の側面、目的及び利益は図面、発明の詳細な説明及び添付請求の範 囲を研究することにより得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴォーグ、ブライアン・エイ アメリカ合衆国、60446 イリノイ、ロメ オビル、エス.ハイポイント・ドライヴ 103、アパートメント 205 (72)発明者 ウエルス、スティーブン・アール アメリカ合衆国、60504 イリノイ、オー ロラ、ジョンズバリー・レーン 3100

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 第1及び第2フレーム部材(12,14)に連結された少なくとも一つの流体ア クチュエータ(28)の移動に応じて、互いに回動可能に取り付けられた第1及び第 2フレーム部材(12,14)を有する関節連結機械(10)に使用するのに適した操向シ ステムであって、 第1フレーム部材(12)上に回転可能に取り付けられた操向制御部材(22)と; 第2フレーム部材(14)上に取り付けられ、操向制御部材(22)が回転すると流体 アクチュエータ(28)の動きを選択的に制御する為に第1及び第2状態のいずれか 一つに作動可能な制御弁(36)と; 操向制御部材(22)に連結された第1端部部分(90)と、制御弁(36)に連結された 第2端部部分(92)とを有するシャフトアセンブリ(88)とを具備し; 前記シャフトアセンブリ(88)は端部部分(90,92)の間に配置された一対の定速 Uジョイント(94,96)を有しており、前記第1及び第2フレーム部材(12,14)が互 いに移動すると二つのフレーム部材(12,14)の間の角度変更を収容するように適 合し、シャフトアセンブリ(88)の第1及び第2端部部分(90,92)の間の回転比を 約1:1に維持する操向システム。 2. 操向制御部材(22)は操向輪である請求項1記載の操向システム。 3. 制御弁(36)は加圧流体を操向弁(40)に供給して流体アクチュエータ(28)の 動きを制御するパイロット弁である請求項1記載の操向システム。 4. パイロット弁(36)は操向制御部材(22)の第1所定範囲の回転に応じて、操 向弁(40)に連通している加圧流体の出力が第1所定領域(R1)の圧力に維持され る第1状態と、操向制御部材(22)の第2所定範囲の回転に応じて、操向弁(40)に 連通している加圧流体の出力が第2所定領域(R2)の圧力に維持される第2状態 で作動し、前記第2領域(R2)の圧力は前記第1領域(R1)の圧力よりも大きく 、圧力の上昇率も大きい請求項3記載の操向システム。 5. パイロット弁(36)はカム部分(74)を有する回転アクチュエータ(42)と、カ ム部分(74)に係合するように位置付けされている直線アクチュエータ(48)を含ん でおり、操向弁(40)に差し向けられる加圧流体の量を制御するように適合してい る請求項4記載の操向システム。 6. カム部材(74)は中央部分(76)と、中央部分(76)の両側の第1作動表面(78) と、第1作動表面(78)に隣接して中央部分(76)の反対側に配置された第2作動表 面(80)とを画成しており、前記直線アクチュエータ(48)が第1作動表面(78)のい ずれかに係合す るとパイロット弁(36)を第1状態で作動させ、直線アクチュエータ(48)が第2作 動表面(80)のいずれかに係合するとパイロット弁(36)を第2状態で作動させる請 求項5記載の操向システム。 7. 第1及び第2作動表面(78,80)は中央部分(76)から概略水平面内で伸長し 、前記第1作動表面(78)は第1所定半径で画成されており、前記第2作動表面(8 0)は第1作動表面(78)の半径よりも小さな第2所定半径で画成されて第1作動表 面(78)の曲率よりも大きな曲率を有する表面を形成する請求項6記載の操向シス テム。 8. 関節連結機械(10)の操向システムであって、 第1フレーム部材(12)と; 該第1フレーム部材(12)と相対運動可能なように該第1フレーム部材に回動可 能に取り付けられた第2フレーム部材(14)と; 第1及び第2フレーム部材(12,14)の間に連結され、フレーム部材(12,14)の間 に相対運動を引き起こして機械(10)の操向を提供する少なくとも一つの流体アク チュエータ(28)と; 第1フレーム部材(12)上に回転可能に取り付けられた操向輪(22)と; 第1及び第2端部部分(90,92)を有し、該第1端部部分(90)が操向輪(22)に連 結されたシャフトアセンブリ(88)と; シャフトアセンブリ(88)の前記第1及び第2端部部分(90,92)の間に離間関係 で配置された一対の定速Uジョイント(94,96)と; シャフトアセンブリ(88)の第2端部部分(92)に連結可能なように適合した回転 アクチュエータ(42)を有し、第2フレーム部材(14)上に取り付けられた制御弁(3 6)とを具備し; 前記制御弁(36)は、第1所定回転範囲内の操向輪(22)の最初の回転に応じて、 加圧流体が第1所定領域(R1)の圧力で流体アクチュエータ(28)に連通する第1 状態と、第2所定回転範囲内の操向輪(22)の最初の回転に応じて、加圧流体が第 2所定領域(R2)の圧力で流体アクチュエータ(28)に連通する第2状態で作動可 能である操向システム。 9. 一対の定速Uジョイント(94,96)の内一方(94)はシャフトアセンブリ(88) の第1端部部分(90)により操向輪(22)に連結されており、一対の定速Uジョイン ト(94,96)の内他方(96)は回転アクチュエータ(42)に連結されており、前期シャ フトアセンブリ(88)は第1及び第2フレーム部材(12,14)の間の相対運動の全領 域に渡り、操向輪(22)の回転量に実質上等しい回転アクチュエータ(42)の回転量 に転換するように適合している請求項8記載の操向システム。 10. 回転アクチュエータ(42)は加圧流体が流体 アクチュエータ(28)に連通されない中立位置を有しており、前記回転アクチュエ ータ(42)は操向輪(22)の回転入力の結果中立位置から離れる方向に移動して加圧 流体を流体アクチュエータ(28)に連通して第2フレーム部材(14)を第1フレーム 部材(12)に対して移動し、第1フレーム部材(12)に対する第2フレーム部材(14) の移動が回転アクチュエータ(42)を前記操向輪(22)の回転入力と反対方向の中立 位置方向に回転して、流体アクチュエータ(28)への流体の流れを徐々に減少し、 操向輪(22)の付加的な回転がない状態で、第1及び第2フレーム部材(12,14)の 間の関節角が操向輪(22)の回転角に実質上等しくなったときに流体アクチュエー タ(28)への流体の流れを最終的に除去する請求項8記載の操向システム。 11. 制御弁(36)は加圧流体を操向弁(40)に連通させて流体アクチュエータ(2 8)の作動を制御するパイロット弁である請求項8記載の操向システム。 12. 回転アクチュエータ(42)は、回転アクチュエータ(42)の中立位置を画成 する中央部分(76)と、中央部分(76)の両側に隣接して配置された一対の第1作動 表面(78)と、第1作動表面(78)に隣接して中央部分(76)の反対側に配置された一 対の第2作動表面(80)を有するカム(74)を含んでいる請求項11記載の操向シス テム。 13. パイロット弁(36)は、操向弁(40)に連通す る圧力の量を制御するために、カム部分(74)に係合するように適合した第1端部 部分(84)と、圧力調整弁(44)に係合するように適合した第2端部部分(86)を有す るアクチュエータ(48)を含んでいる請求項12記載の操向システム。 14. 前記アクチュエータ(48)は回転アクチュエータ(42)がその中立位置のと きにはカム部分(74)の中央部分(76)に係合し、制御弁(36)が第1状態で作動され るときには第1作動表面(78)に係合し、制御弁(36)が第2状態で作動されるとき には第2作動表面(80)に係合する請求項12記載の操向システム。 15. 制御弁(36)の第1作動状態では、約0〜13度の回転角である操向輪(2 2)の第1所定範囲の回転の間制御弁(36)と操向弁(40)の間でパイロット圧力は約 0〜850kPaの圧力領域(R1)で連通され、制御弁(36)が第2状態のときに は、約14〜35度の回転角である操向輪(22)の第2所定範囲の回転の間制御弁 (36)と操向弁(40)の間で約850〜1925kPaの圧力領域(R2)のパイロッ ト圧力が連通される請求項11記載の操向システム。 16. 制御弁(36)と操向弁(40)の間で連通される流体圧力の増加率は、操向輪 (22)の第1回転範囲の回転の間は約850kPaであり、操向輪(22)の第2回転 範囲の回転の間は約1075kPaである請求項15記載の操向システム。 17. 関節連結機械(10)の操向システムであって、 第1フレーム部材(12)と; 第1フレーム部材(12)と相対運動可能なように第1フレーム部材(12)に回動可 能に取り付けられた第2フレーム部材(14)と; 第1及び第2フレーム部材(12,14)の間に連結され、フレーム部材(12,14)の間 に相対運動を引き起こすように移動して機械(10)の操向を提供する少なくとも一 つの流体アクチュエータ(28)と; 第1フレーム部材(12)上に取り付けられた回転可能な操向輪(22)と; 回転アクチュエータ(42)を有し、加圧流体が第1領域(R1)の圧力で流体アク チュエータ(28)に連通する第1状態と、加圧流体が第1領域(R1)より大きな第 2領域(R2)の圧力で流体アクチュエータ(28)に連通する第2状態で作動可能な 、第2フレーム部材(14)上に取り付けられた制御弁(36)と; 操向輪(22)と第1定速Uジョイント(94)の間に連結された第1部分(90)と、第 2定速Uジョイント(96)により制御弁(36)の回転アクチュエータ(42)に連結され た第2部分(92)を有するシャフトアセンブリ(88)とを具備し; 前記シャフトアセンブリ(88)は、操向輪(22)の回転量が回転アクチュエータ(4 2)の回転量に実質上等しいように操向輪(22)の回転を回転アクチュエータ (42)の回転に転換するように作動可能である操向システム。 18. 第1フレーム部材(12)及び第2フレーム部材(14)は実質上垂直に展開し た軸(15)回りに互いに回動可能である請求項17記載の操向システム。 19. 一対の流体アクチュエータ(28)が第1及び第2フレーム部材(12,14)の 間に連結され、軸(15)の両側に配置されている請求項18記載の操向システム。 20. 制御弁(36)と操向弁(40)の間で連通している流体の圧力は、制御弁(36) の第1状態の作動の間は約0〜850kPaの間で増加し、制御弁(32)の第2状 態の作動の間は約850〜1925kPaの間で増加する請求項17記載の操向 システム。 21. 第1定速Uジョイント(94)は回動軸(15)から所定距離離れた第1フレー ム部材(12)上に配置されており、第2定速Uジョイント(96)は第2フレーム(94) が第1フレーム(12)に対して回転するにつれて変化する距離回動軸(15)から離間 して第2フレーム部材(14)上に取り付けられた制御弁(36)に隣接して配置されて おり、前記第1及び第2Uジョイント(94,96)は、第1及び第2フレーム部材(12 ,14)の間の相対運動に応じて、第2Uジョイント(96)の第1Uジョイント(94)に 接離する方向の動きを収容する入れ子式のシャフトアセンブリ(88)の部分(98)に より連結されている請求項18記載の操向システム。 22. 第1及び第2定速Uジョイント(94,96)は二重カルダンUジョイントで ある請求項21記載の操向システム。
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