JP2001507241A - ワクシニアトポイソメラーゼにより触媒されるrna鎖に対するdna鎖の共有結合 - Google Patents

ワクシニアトポイソメラーゼにより触媒されるrna鎖に対するdna鎖の共有結合

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、RNA鎖に対してDNA鎖を共有結合する方法であって、(a)トポイソメラーゼ切断部位を含むDNA切断基質と、その部位に特異的なトポイソメラーゼとをインキュベートすることにより、トポイソメラーゼ−DNA中間体[ここで、前記トポイソメラーゼ−DNA中間体は1以上の5’一本鎖テールを有する]を形成することと;および(b)トポイソメラーゼ−DNA中間体の共有結合形DNA鎖を前記RNAアクセプター鎖に対して連結でき、且つ該トポイソメラーゼを解離できる条件において、5’一本鎖テールに対して相補的なアクセプターRNA鎖を前記トポイソメラーゼ−DNA中間体に添加することと、それにより該RNA鎖に該DNA鎖を共有結合するとことを具備する方法を提供する。本発明はまた、RNA分子の5’末端にタグ付加する方法も提供する。本発明は、更に、トポイソメラーゼを使用することにより、インビトロにおいて結合されたDNA−RNA分子を提供する。本発明はまた、mRNAにタグを付加する方法を提供する。本発明は、キャップの形成されてないRNAを除去した後に、キャップを形成したmRNAを使用して、完全長遺伝子配列を単離し且つクローニングする方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ワクシニアトポイソメラーゼにより触媒される RNA鎖に対するDNA鎖の共有結合 本出願は、同時係属中の米国仮出願番号第60/049,405号(1997年6月12日出願 )の利益を請求する。 本発明は、米国保健社会福祉省国立衛生研究所によるグラント番号第GM46330 号の下における助成で創作された。従って、アメリカ合衆国政府は、本発明にお ける一定の権利を有する。 本出願を一貫して、種々の引用文献を括弧中に引用する。引用することにより 、これらの出版物の開示はそっくり本出願中に組み込まれ、これにより本発明の 属する当該技術の現状をより十分に記述する。これらの引用文献類の全文献の目 録を、配列表および請求の範囲に先んじて本出願の末部に掲載した。 発明の背景 ワクシニアトポイソメラーゼ(Vaccinia topoisomerase)は、二本鎖DNAに結合 し、配列5’-CCCTTでの共有結合形DNA-(3’−ホスホチロシル)-タンパク付加 物を形成する。該酵素は、DNA5’および門A3’よりなる切断容易な36-merCCCTT 鎖(DNA-p-RNA)と、直ちに反応する。しかしながら、RNA5’およびDNA3’からな る、切断容易なホスフェート(RNA-p-DNA)である36-merは、共有結合形付加物の 形成には不十分な基質である。ワクシニアトポイソメラーゼは、共有結合で維持 されたCCCTT-含有DNAを、5’-OH末端化RNAアクセプターに効率的に転移する;こ れにより、トポイソメラーゼは、インビトロにおいて、RNAの5’末端のタグ付け に使用することが可能である。 そのアクセプターDNAが、トポイソメラーゼ-DNAドナー複合体の非切断DNA鎖に 対して塩基の対合が可能である条件で、共有結合したCCCTT-含有DNA鎖を5’-OH 末端化DNAアクセプターに再連結することは、有効であり、且つ即効性(Krel>0.5 sec-1)である。DNAに対する鎖転移速度は、該アクセプター鎖の5’ヌクレオチ ドでの塩基のミスマッチによって、検出可能な影響を受けない。該アク セプターの5’末端でのヌクレオチドの欠失および挿入は、再連結の速度を遅ら せる:観察された反応速度の序列は:+1挿入>-1欠失>+2挿入>>-2欠失:である。 これらの研究結果は、エステル交換反応作用における5’OH末端に位置された性 質が重要であることを強調するものであるが、しかしまた、DNA分子類と、誤っ て対合した末端または対合していない末端とを結合することにより、トポイソメ ラーゼが突然変異を起こす可能性をも高めてしまう。 ワクシニアトポイソメラーゼ、即ち314-アミノ酸真核性I型酵素は、特異的な 標的配列である5’-(T/C)CCTTで、二本鎖DNAに結合し、切断する(1-3)。切 断はエステル交換反応であり、この反応では、TpNホスホジエステルが前記酵 素のTyr-274により攻撃され、その結果、DNA-(3’-ホスホチロシル)タンパク付 加物が形成される(4)。該共有結合したトポイソメラーゼは、多様なDNA鎖の転 移反応を触媒する。これは、最初に切断された同じ結合を横切るCCCTT含有鎖の 再連結(超螺旋性DNAを緩和処理する間に生ずるような再連結)を可能にし、或 いは該鎖を異種アクセブターDNA5’末端に対して連結することも可能であり、そ れによって組換え分子を創作する(5-7)。 シングルCCCTT標的部位を含有する二本鎖DNA基質は、該切断および鎖転移ステ ップを詳細に分析するために使用されてきた。切断−再連結平衡は、トポイ 対してエステル交換をする場合に確立される(8-11)。切断容易な鎖の5’-OH化 末端の遠位の断片があるために、容易には切断されない鎖と安定して対合されて いるという事実の効果により、平衡にある該反応が、活性部位の近くで安定して 維持されている。CCCTT含有鎖の約20%は、平衡に共有結合している(11)。「自 殺」切断は、該CCCTT含有基質が、切断容易な結合の15塩基対以下の3’を含む場 合に生じ、これは、短脱離鎖がタンパク-DNA複合体から分離されるからである。 酵素過剰では、自殺基質の>90%が切断される(11)。 該自殺中間体は、切断されたCCCTT鎖をDNAアクセプターに転移することが可能 である。該自殺中間体の非切断鎖の5’-OH末端が3’ホスホチロシル結合を攻撃 する場合に、分子内鎖転移は生じ、Tyr-274を脱離基として放出する。この結果 、ヘアピンDNAループが形成される(5)。自殺中間体が外因性5’-OH 末端化アクセプター鎖を洪給する場合に、分子内再連結が生じ、その配列は切断 容易なホスフェートの直ぐ近くにおける非切断鎖の一本鎖テール(single-strand tail)に対して相補的である(5)。アクセプター鎖が不在である場合には、該ト ポイソメラーゼは、3’ホスフェート末端化加水分解産物を放出しながら、CCCTT 鎖を水に転移することが可能であり、或いは、3’ホスホグリセロール誘導体を 放出しながらグリセロールに転移することが可能である(12)。該加水分解およ びグリセロール分解(glycerololysis)反応は、DNAアクセプター鎖に対する再連 結よりも更に緩慢であるにも関わらず、非DNA求核試薬に対する鎖転移の程度は 、15-40%にも達し得る。 DNA切断におけるワクシニアトポイソメラーゼの特異性、および鎖転移におけ るその転用性は、ポリヌクレオチド合成[ここでは、CCCTT切断部位を含有するD NAオリゴヌクレオチドを、他のDNA分子と適切な末端とを結合するための活性化 リンカーとして使用する]のためのトポイソメラーゼを基礎とする戦略に影響を 与えてきた(13)。本研究は、RNA含有ポリヌクレオチド類を切断し再結合する ワクシニアトポイソメラーゼの能力を試験している。該酵素は、CCCTT含有分子 [ここで、切断容易鎖またはその相補鎖の何れかは、完全にRNAからなる]に対 して共有結合しないことは、以前から明らかであった(9)。更に、該酵素の五 炭糖特異性を探求するために、我々は、合成CCCTT含有基質[ここで、該切断容 易鎖は、DNA含有する半分とRNAを含有する半分からなる]を製造した。このよう に、我々は、該酵素が切断の容易なホスフェートのRNA下流に対しては無作用で あるが、しかし、その切断容易なホスフェートの領域5’がRNA形態にある場合に は、共有結合形複合体を形成しないことを示した。また、該アクセプター鎖の5 ’末端による対合はDNA鎖転移反応速度に対して寄与していることが評価された 。 発明の概要 本発明は、RNA鎖に対してDNA鎖を共有結合する方法であって、(a)トポイソ メラーゼ切断部位を含有するDNA切断基質とその部位に特異的なトポイソメラー ゼとをインキュベートすることにより、トポイソメラーゼ-DNA中間体を形成 することと[ここで、前記トポイソメラーゼ−DNA中間体は1以上の5’一本鎖テ ールを有する];並びに(b)前記トポイソメラーゼ-DNA中間体の5’一本鎖テ ールをRNAアクセプター鎖に連結でき、且つ前記トポイソメラーゼを解離できる 条件において、該トポイソメラーゼ-DNA中間体を、該5’一本鎖テールに対して 相補的なアクセプターRNA鎖を添加することと、それにより該DNA鎖を該RNA鎖に 共有結合することとを具備する方法を提供する。該DNA切断基質は、トポイソメ ラーゼ切断部位を有するDNA鎖を1以上の相補的なDNA鎖にハイブリダイズするこ とと、それによりトポイソメラーゼ切断部位とオリゴヌクレオチド脱離基(切断 容易な結合の3’に位置する)とを有するDAN切断基質を形成することにより製作 することが可能であり、或いはトポイソメラーゼ切断部位を含むプラスミドベク ターであってもよい。 また、本発明は、5’一本鎖テールを有する共有結合形トポイソメラーゼ‐DNA 中間体も提供する。 本発明のもう一つの側面は、トポイソメラーゼ触媒により共有結合されたDNA- RNA分子を提供する。 本発明は、標識された5’末端を有する共有結合されたDNA-RNA分子を提供する 。 本発明は更に、RNA分子の5’末端をタグ付けする方法であって;(a)トポイ ソメラーゼ切断部位を有するDNA切断基質とその部位に特異的なトポイソメラー ゼとをインキュベートすることによりトポイソメラーゼ‐DNA中間体を形成する ことと[ここで、前記トポイソメラーゼ-DNA中間体は1以上の5’一本鎖テール を有する];並びに(b)前記トポイソメラーゼ‐DNA中間体の共有結合されたD NA鎖を前記RNA分子に連結でき、且つ前記トポイソメラーゼを解離できる条件に おいて、その5’一本鎖テールに対して相補的な5’ヒドロキシ末端化RNA分子を 、該トポイソメラーゼ‐DNA中間体に添加することと、それにより5’末端にタグ を付したDNA-RNA連結産物を形成することとを具備する方法を提供する。前記DNA 切断基質は、例えば、トポイソメラーゼ切断部位を有したDNA鎖を相補的なDNA鎖 にハイブリダイズし、それによりトポイソメラーゼ切断部位とオリゴヌクレオチ ド脱離基(切断容易な結合の3’に位置する)とを有する DNA切断基質を形成することにより作成することができる。 本発明のもう一つの側面は、5’末端タグ付加RNA分子を提供する。 もう一つの側面において、本発明はまた、トポイソメラーゼの使用によりイン ビトロで結合されたDNA-RNA分子を提供する。 本発明は更に、キャップを形成したメッセンジャーRNAの5’末端にタグを付す 方法であって:a)細胞または組織からmRNAを単離することと;b)単離された mRNAからRNAキャップ構造を除去し、その結果、脱キャップRNAとすることと;c )前記脱キャップRNAを脱リン酸化し、それにより脱キャップ脱リン酸化RNAを形 成することと;d)トポイソメラーゼ切断部位および相補鎖[前記相補鎖は前記 トポイソメラーゼ切断部・位の下流に混成、または任意の塩基組成物を有する] を有するトポイソメラーゼのためのDNA切断基質[前記DNA切断基質はDNA(N)基質 として示す]を構築することと;e)前記DNA-(N)基質をトポイソメラーゼで切断 し、それにより非切断鎖に混成の、または任意の塩基組成物の5’テールを有す る共有結合形トポイソメラーゼ-DNA-(N)M複合体を形成することと;並びにf) 前記切断共有結合形トポイソメラーゼ-DNA-(N)M複合体を、ステップ(c)にお いて形成された脱キャップ脱リン酸化RNAと共にインキュベーションし、5’DNA- タグ付加DNA-RNA連結産物を形成することとを具備する方法を提供する。 ここで使用される通り、該DNA切断基質の塩基(N)の数は、DNA-(N)基質として 上記に示すが、1から4塩基長が可能である。 本発明はまた、キャップのないRNAを排除した後に、キャップを形成したmRNA を単離し、クローニングする方法であって:a)細胞または組織からmRNAを単離 することと;b)該mRNAを脱リン酸化することと;c)切断されたトポイソメラ ーゼ-BioDNA-(N)複合体と前記脱リン酸化mRNAとをインキュベートし、5’BioDNA -タグ付加DNA-RNA連結産物を形成することと;d)ストレプトアビジンに対して 吸着することにより、5’BioDNA-タグ付加DNA-RNA連結産物と何れの未反応切断 トポイソメラーゼBioDNA-(N)複合体を除去することと、且つ何れの非吸着物質を も回収することと[前記物質は、キャップ形成5’末端を有したRNAを濃縮したも のであり、且つステップ(b)における脱リン酸化を妨害し 、それにより前記切断トポイソメラーゼ-BioDNA-(N)複合体との反応を不可能に する];e)ステップ(d)における非吸着物質から回収した濃縮されたRNAか ら5’末端キャップを除去することと;f)キャップを除去したRNAを脱リン酸化 し、それにより脱キャップ脱リン酸化RNAを形成することと;g)切断されたト ポイソメラーゼ-BioDNA-(N)複合体を前記脱キャップ脱リン酸化RNAとインキュベ ートし、5’BioDNA-タグ付加DNA-RNA連結産物を形成することと;h)前記5’DN Aタグ付加DNA-RNA連結産物をアフィニティー精製することと;並びにi)該切断 部位のトポイソメラーゼ切断基質5’の切断容易鎖に一致するセンスプライマー と、アンチセンスプライマー[前記アンチセンスプライマーは、3'ポリ(A)テ ールまたは内在的なRAN配列の何れかに対して相補性を有する]とを使用して、D NA-RNA連結産物の脱キャップ脱リン酸化RNAをPCR増幅することとを具備する方法 を提供する。 本発明はまた、完全長遺伝子配列を得る方法であって、単離したmRNA配列に対 してDNAタグを結合することと、DNAを合成するためのテンプレートとして前記DN Aタグ付加mRNAを使用することと具備する方法を提供する。DNAは、更に発現ベク ターに挿入されてもよく、組換えタンパクを発現するために使用されてもよい。 図面の簡単な説明 図1A−B. DNA-p-RNAおよびRNA-p-DNA鎖のトポイソメラーゼ切断。(A)該 切断反応において使用された36bp基質を、黒丸(●)により示す32P標識化した 切断容易なホスフェートと共に示す。切断容易なホスフェートに隣接する上鎖部 分(DNAまたはRNAの何れかである)は、一括して括弧に入れる;下鎖は全てDNA である。(B)50mMのトリス‐HCl(pH8.0)、0.2pmolの基質(DNA-p-RNAまたはRNA -p-DNAの何れか)および表示通りのトポイソメラーゼを含有する反応混合物(20μ l)を37℃で10分間、インキュベートした。共有結合形付加物の形成(トポイソメ ラーゼに対して転移されたインプット標識の%)を、添加した酵素量の関数とし て表示する。 図2A−B. RNA含有36-mer基質の切断の速度論。反応混合物(20μl当た り)は、50mMのTris-HCl(pH8.0)、0.2pmolの放射性標識した36-mer基質および1pm olのトポイソメラーゼを含有していた。共有結合形付加物の形成(トポイソメラ ーゼに対して転移されたインプット標識の%)を、37℃でのインキュベート時間 の関数として表示する。(A)DNA-p-DNAおよびDNA-p-RNAの切断;x軸は秒単位 。(B)RNA-p-DNAの切断:x軸は分単位。 図3A−B. RNAアクセプターに対する鎖転移。(A)共有結合形トポイソメ ラーゼ-DNA複合体(目殺中間体)および18merアクセプター鎖(DNAまたはRNA) の構造を示す。(B)再連結反応は、材料および方法の下に記述された通りのシ ングルターンオーバー条件の下で行われた。再連結の範囲(30-mer鎖転移産物に 変換されたインプット標識化DNAのパーセンテージとして表示)は、インキュベ ーション時間の関数として表示する。 図4. 鎖転移反応産物の分析。50mMのトリス‐HCl(pH8.0)、0.5pmolの5’標 識化自殺DNA切断基質、および2.5pmolのトポイソメラーゼを含有する反応混合物 (20μl)を、37℃で10分間インキュベートした。次に鎖転移を、50倍過剰量の アクセプターDNA(18-merD;レーン1および2)、またはアクセプターRNA(18- merR;レーン5および6)を添加し、同時に該混合物を0.3MのNaClに調整するこ とにより開始した。再連結反応は、10分間のインキュベーションの後、SDSを0.2 %まで添加することによって停止した。試料は、フェノール/クロロホルムで抽 出し、且つエタノール沈澱を行った。そのペレットを、12μlの0.1MのNaOH、1mM のEDTA(NaOH+)、または12μlの10mMのトリス-HCl(pH8.0)、1mMのEDTA(NaOH-)の 何れかの中に再攪拌した。これらの試料を、37℃で16時間インキュベートした。 インプット18-merDNA基質(トポイソメラーゼに対して暴露されていない)を含 有するコントコール試料を並行して処理した(レーン3および4)。アルカリ処 理をした試料を、1.2μlの1MのHClを添加することにより中和した。次に、全試 料をエタノール沈澱し、ホルムアミド中に再懸濁し、5分間、95℃で加熱し、続 いてTBE中で7Mの尿素を含有する17%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動を行った 。該ゲルのオートラジオグラフィを示す。30-mer再連結産物および18-merインプ ット鎖の位置を左側に示す。得られた該RNA鎖転移反応産物(レーン6)のアル カリ加水分解分離種をアス タリスクにより表示した。 図5A−B. T3RNAポリメラーゼにより転写されたRNAのDNA‐タグ付け。 (A)共有結合形トポイソメラーゼ-DNAドナー複合体およびRNAアクセプターの 構造を示す。該自殺中間体の5’シングル鎖テールは、T3転写産物の5’末端での 18ヌクレオチドに対して相補的てある。反応混合物(15μl当たり)は、50mMの トリス−HCl(pH8.0)、0.3MのNaCl、および0.1pmolの32P-GMP標識T3転写産物を含 有していた。(B)再連結は、予め形成したトポイソメラーゼ−DNAドナー(RNA アクセプターよりも10倍モル濃度過剰で)添加することにより開始した。インキ ュベートを37℃で行った。アリクウォット(15μl)を記述された時間で除去し、 直ちにSDSおよびEDTAを添加することにより反応を停止した。該試料を、50%ホル ムアミドに調整し、5分間、95℃で加熱し、TBE中で7Mの尿素を含有する12%ポリ アクリルアミドゲルで電気泳動した。前記標識化36-merT3転写産物の5’末端へ の12ヌクレオチドDNAドナー鎖を転移することにより、標識化48-mer産物が得ら れた。インプット36-merの48-merへの転換を、リン画像化装置(phosphorimager )で該ゲルをスキャンすることにより数値化した。 図6A−C. DNA欠失および挿入を導くトポイソメラーゼ触媒鎖転移反応の速 度論。(A)予め形成したドナー複合体の構造を図の上部に示す。再連結反応は 、材料および方法の下に記述された通りのシングルターンオーバー条件の下で行 った。全DNAアクセプターを、インプットCCCTT-含有基質に対して50倍モル濃度 過剰でインキュベートした。(B)欠失形成。完全な塩基対18-merアクセプター DNAオリゴヌクレオチド(白丸;○)、17-merオリゴヌクレオチド[該ドナー複 合体にアニーリングして1ヌクレオチドのギャップを欠失した(黒四角;■)] および16-mer鎖[アニーリングして2ヌクレオチドギャップを脱離した(白四角 ;□)]の構造を示す。(C)挿入形成。完全な塩基対18-merアクセプター(白 丸;○)、5’に余分な1ヌクレオチドを含む19-merオリゴヌクレオチド(黒三 角;▲)、および5’に余分な2ヌクレオチドを含む20-merアクセプター(三角 ;△)の構造を示す。再連結の程度をインキュベーション時間の関数として表示 する。 図7. 欠失および挿入DNA鎖転移産物の分析。アクセプターに対する陥没およ び突出5’末端による再連結は、図6の対する説明文中で記述された通りに行わ れた。該反応産物を、TBE中の7Mの尿素を含有した17%のポリアクリルアミドゲル を通した電気泳動により分析した。このゲルのオートラジオグラフィを示す。該 アクセプター鎖は以下の通りである:アクセプターなし(レーン2);完全に対 合された18-mer(レーン3および8):1ヌクレオチドギャップを有する17-mer (レーン4);2ヌクレオチドギャップを有する16-mer(レーン5);1ヌクレ オチド挿入を有する19-mer(レーン6);2ヌクレオチド挿入を有する20-mer( レーン7)。5’を標識した18-mer切断容易鎖は含有するがトポイソメラーゼは 含有しないコントコール試料をレーン1および9で分析した。 図8. シングル5’塩基ミスマッチを含むDNAアクセプターに対する鎖移転。再 連結反応は、材料および方法の下で記述された通りのシングルターンオーバー条 件下で実施された。全DNAアクセプターを、該インプットCCCTT-含有基質に対し て50倍モル濃度の過剰量でインキュベートした。十分に相補的な18-merと、3つ の末端ヌクレオチド変異体の構造を示す。 図9A−B. 分子内ヘアピン形成の速度論。(A)塩基対合の可能性のないペ アピン形成。DNA切断基質は、30-mer相補鎖(●)または18-mer相補鎖(○) に対して、5’32P標識18-mer切断容易鎖をアニーリングすることにより製造した ;該基質類の構造を、矢印により示されるトポイソメラーゼ切断部位と共に示す 。50mMのトリスHCl(pH7.5)、O.5pmolのDNA基質および1pmolのトポイソメラーゼ を含有する反応混合物(20μl当たり)を、37℃で、10分間、インキュベートし た。次に、この混合物を、0.3MのNaClに調整した。アリクウォット(20μl)を 、塩の添加に先んじて(0時間)、および塩添加の後に種々の間隔をおいて、直 ちに回収した;該反応は、停止溶液(1%のSDS、95%のホルムアミド、20mMのEDTA )を等容量で添加することにより直ちに停止した。該試料を、熱変性し、TBE中 で7Mの尿素を含有する17%のポリアクリルアミドゲルを通して電気泳動した。分 子内鎖転移の程度(ヘアピン産物に変化したインプット標識化基質のパーセント として表示)を、NaClの添加後の時間の関数として表示する。(B)塩基対合の 可能性を伴なうヘアピン形成。18-mer/30-mer切断基質 の横造を、矢印により示されるトポイソメラーゼ切断部位と共に示す。50mMのト リスHCl(pH7.5)、0.5pmolのDNA基質および1pmolのトポイソメラーゼを含有する 反応混合物(20μl当たり)を、37℃で、2分間、インキュベートした。次に、 この混合物を0.3MのNaClに調整した。アリクウォット(20μl)を、塩添加に先 んじて(0時間)、および塩添加後、および塩添加の後に種々の間隔をおいて、 直ちに回収した。分子内鎖転移の程度は、NaClの添加後の時間の関数として表示 される。 図10A−B. ワクシニアトポイソメラーゼを使用したRNAのアフィニティー タグ形成。(A)鎖転移反応経路を図を用いて説明する。シングルトポインメラ ーゼ認識部位を含むビオチン化DNA基質を、ダイナビーズ(Dynabeads;Dynal)ス トレプトアビジン固体支持体上に固定した。ビオチン部分(黒四角により示す) を、自動オリゴヌクレオチド合成の標準的プロトコールルを経て、CCCTT-含有鎖 の5’末端で導入する。精製されたワクシニアトポイソメラーゼを、ビーズに結 合したDNAと反応し、図解される通りに、共有結合形酵素‐DNAドナー複合体を形 成した。DNAに結合しない酵素は、緩衝液で該ビーズを洗浄することにより除去 される。この鎖転移反応は、[32P]-CMP標識化T7転写産物(アルカリホスファタ ーゼによる前処理により脱リン酸化されている)の添加により開始される。該ド ナー複合体の5’一本鎖テールは、T7転写産物の5’末端の12ヌクレオチドに対 して相補的である。共有結合で維持されるビオチン化DNA鎖のT7転写産物に対す る再連結は、30-merRNAの50ヌクレオチド産物への転換として観察される。該 混合物を、37℃で、15分間、インキュベートした。次に、ビーズを、遠心により 回収し、洗浄し、並びに0.8%のSDSおよび80%のホルムアミドを含有する20μlの 緩衝液に再懸濁した。前記試料を、95℃で、5分間加熱し、5分間遠心し、次に その上清をTBE緩衝液中で7M尿素を含有する12%のポリアクリルアミドゲルを通し て電気泳動した。(B)前記ゲルのオートラジオグラフィを図中に示す。レーン B(Bound:結合)−ダイナビーズに結合した鎖転移反応産物;レーンF(Free ;遊離)−鎖転移反応からの上清。インプット30-merT7転写物、および50-mer産 物の位置を右側に示す。 図11. DNA−タグ付加mRNAを使用して完全長遺伝子配列を得る方法のスキー ム表示。簡単には、固体支持体に対して吸着させることにより、即ち、ストレプ トアビジンで結合した磁気ビーズに対してビオチン化したキャップ形成mRNAを結 合することを用いる等の方法により、キャップを形成した完全長mRNAを単離する 。この単離されたmRNAは、キャップを除去され(タバコ酸性ホスファターゼを使 用する)、且つ脱リン酸化され(アルカリホスファターゼを使用する)、次に、 以下に概説する方法を用いてDNAタグにより修飾する。DNA-タグ付加mRNAを使用 して、逆転写酵素を使用した第一の鎖cDNAを生成し、且つPCRを用いて増幅した 。増幅cDNAを、次に、プラスミドベクターに挿入する。 発明の詳細な説明 一貫して本出願には、以下の標準的な略語を使用して特定のヌクレオチドを示 す: C=シトシン A=アデノシン U=ウラシル T=チミジン G=グアノシン 本発明は、RNA鎖に対してDNA鎖を共有結合する方法であって、(a)トポイソ メラーゼ切断部位を有するDNA切断基質と、その部位に対して特異的なトポイソ メラーゼとをインキュベートすることにより、トポイソメラーゼ−DNA中間体を 形成することと[ここで、前記トポイソメラーゼ−DNA中間体は1以上の5’一本 鎖テールを有する];並びに(b)前記トポイソメラーゼ−DNA中間体の共有結 合DNA鎖をRNAアクセプター鎖に連結でき、且つ前記トポイソメラーゼを解離でき る条件において、該トポイソメラーゼ−DNA中間体に対して、該5’一本鎖テール に対して相補的なアクセプターRNA鎖を添加することと、それにより該DNA鎖を該 RNA鎖に共有結合することとを具備する方法を提供する。前記DNA切断基質は、ト ポイソメラーゼ切断部位を有するDNA鎖を、1以上の相補的DNA鎖に対してハイブ リダイズし、それによりトポイソメラーゼ切断部位とオリゴヌクレオチド脱離基 (切断容易結合の3’に位置する)とを有するDNA切断基質を形成することにより 作成してもよく、或いは、トポイソメラーゼ切断部位を有するプラスミドベクタ ーであってもよい。 上述の方法の態様において、前記トポイソメラーゼ切断部位は、CCCTTを有す る配列である。好ましい態様において、トポイソメラーゼは、ワクシニアトポイ ソメラーゼ酵素である。更なる態様において、ワクシニアトポイソメラーゼ酵素 は、修飾されたワクシニアトポイソメラーゼ酵素である。もう一つの態様におい て、トポイソメラーゼ切断部位を有したDNA鎖は、放射性の標識がなされている 。好ましい態様において、放射性標識は、32Pまたは放射性ハロゲンである。ヌ クレオチドを放射性標識する手段は、当該技術分野において周知である(Ausube lら、分子生物学の簡単なプロトコール、第三版、Wiley、1995;米国特許5,746, 997 05/05/98発行を参照されたい)。もう一つの好ましい態様において、トポイ ソメラーゼ切断部位を有したDNA鎖は、ビオチン部分で、または他のアフィニテ ィ精製用タグ、例えば、キチン結合ドメイン、グルタチオン−S−転移酵素等で 標識される。アフィニティー標識をヌクレオチドに付加する方法は、当該技術分 野において周知である(Carniaciら、Genomics 37:327-336、1996;Ausubelら 、上記文献を参照されたい)。態様において、前記トポイソメラーゼ結合DNA中 間体および前記アクセプターRNA鎖は、インビトロにおいて結合する。 本発明は、5’一本鎖テールを有する共有結合形トポイソメラーゼ−DNA中間分 子を提供する。前記共有結合形トポイソメラーゼ−DNA中間分子の態様において 、該5’一本鎖テールは特定の配列を有する。もう一つの態様において、5’一本 鎖テールを有する共有結合形トポイソメラーゼ−DNA中間分子は、RNA鎖にDNA鎖 を共有結合するための上述した方法により生成される。5’一本鎖テールを上述 の方法により生成した5’一本鎖テールを有する共有結合形トポイソメラーゼ−D NA中間分子の更なる態様において、5’一本鎖テールは特定の配列を有する。上 述の方法のステップ(a)により生成した5’一本鎖テールを有する共有結合形 トポイソメラーゼ−DNA中間分子のもう一つの態様において、前記DNA鎖は放射性 標識化される。前記共有結合形トポイソメラーゼ−DNA中間分子の好ましい態様 において、前記放射性標識は、32Pまたは放射性ハロゲンである。上述の方法の ステップ(a)により生成した5’一本鎖テールを有する共有結合形トポイソメ ラーゼ−DNA中間分子のもう一つの態様において、前記DNA鎖は、アフィニティー 標識を付される。前記共有結合形トポイソメラーゼ−DNA中間分子の好ましい態 様において、前記アフィニティー標識は、ビオチン部分、または キチン結合ドメイン、グルタチオン−S−転移酵素部分等である。 本発明は、更に、トポイソメラーゼ触媒により共有結合されたDNA-RNA分子を 提洪する。 本発明は、RNA鎖にDNA鎖を共有結合するための上述の方法により共有結合され たDNA-RNA分子を提供する。好ましい態様において、前記共有結合されたDNA-RNA 分子は、5’末端標識を有する。更なる態様において、前記5’末端標識は、32P または放射性ハロゲンである。もう一つの態様において、5’末端標識は、ビオ チン部分、キチン結合ドメイン、グルタチオン−S−転移酵素部分等である。 本発明は、標識化5’末端を有した共有結合されたDNA-RNA分子を提供する。 前記共有結合されたDNA-RNA分子の好ましい態様において、5’末端標識は、32P または放射性ハロゲンである。前記共有結合されたDNA-RNA分子のもう一つの好 ましい態様において、前記5’末端標識は、ビオチン部分、キチン結合ドメイン 、グルタチオン−S−転移酵素部分等である。 本発明は、更に、RNA分子の5’末端にタグを付加する方法であって:(a)ト ポイソメラーゼ切断部位を有するDNA切断基質と、その部位に特異的なトポイソ メラーゼとをインキュベートすることにより、トポイソメラーゼ−DNA中間体を 形成することと[ここで、前記トポイソメラーゼ−DNA中間体は1以上の5’一本 鎖テールを有する];並びに(b)前記トポイソメラーゼ−DNA中間体の5’一本 鎖テールを、前記RNA分子に対して連結でき、且つ前記トポイソメラーゼを解離 できる条件下において、前記トポイソメラーゼ−DNA中間体に、該5’一本鎖テー ルに対して相補的な5’−ヒドロキシ基末端化RNA分子を添加することと、それに よって5’末端タグ付加DNA-RNA連結産物を形成することとを具備する方法を提供 する。前記DNA切断基質は、例えば、トポイソメラーゼ切断部位を有するDNA鎖を 、相補的なDNA鎖にハイブリダイズし、それによりトポイソメラーゼ切断部位と 、オリゴヌクレオチド脱離基(切断容易な結合の3’に位置する)とを有するDNA 切断基質を形成することにより作成することが可能である。 前記RNA分子は、インビトロにおける合成産物であってもよく、或いは、細胞 または組織から単離されてもよい。インビトロにおけるRNAの合成方法は、当該 技術分野において周知である(Ausubelら、上記文献を参照されたい)。また、 細胞および/または組織からRNAを単離する方法も、当該技術分野において周知 である(Ausubelら、上記文献を参照されたい)。本発明の実施に有用なRNAを得 るための使用に適切な細胞および組織には、動物の細胞および植物の細胞の両者 が含まれる。特に好ましい細胞には、哺乳動物の細胞(齧歯類の細胞、霊長類の 細胞等)および昆虫の細胞が含まれる。また、RNAは細菌等の原核細胞から単離 してもよい。 上述の方法の好ましい態様において、前記RNAは、合成または単離の後に脱リ ン酸化される。もう一つの好ましい態様において、前記脱リン酸化は、前記RNA 分子をアルカリホスファターゼで処理することにより達成される。好ましい態様 において、前記トポイソメラーゼはワクシニアトポイソメラーゼ酵素である。も う一つの好ましい態様において、前記ワクシニアトポイソメラーゼ酵素は、修飾 されたワクシニアトポイソメラーゼ酵素である。好ましい態様において、前記切 断部位は、CCCTTを有する。もう一つの好ましい態様において、更に前記方法は 、ステップ(a)に先んじて、ビオチン部分、または他のアフィニティー精製用 部分を、前記DNA切断基質に対して導入することを具備する。また、もう一つの 好ましい態様において、前記方法は更に、ステップ(a)に先んじて、アフィニ ティー精製用タグ付加DNA切断基質を、固体支持体上に固定することを具備する 。好ましい態様において、前記固体支持体は、それに結合したアビジン、ストレ プトアビジン、キチン、グルタチオン等のアフィニティー精製用物質を有するセ ファロース樹脂または磁気ビーズである。そのような物質を製造するための方法 は、当該技術分野において周知である。また、もう一つの好ましい態様において 、前記方法は更に、分離用固体支持体[この支持体に対して、前記ビオチン化5 ’末端標識化DNA-RNA連結産物が固定されている]を修飾されていないRNAを 含む液体相から分離することにより、ビオチン化5’末端標識化DNA-RNA連結産物 を精製することを具備する。好ましい態様において、前記DNA切断基質の5’末端 は、アフィニティー標識を付される。好ましい態様において、前記アフィニティ ー標識はビオチン部分である。もう一つの好ましい態様において、前記方法は更 に、ビオチン化5’末端アフィニティー標識DNA切断基質を固体支持体上に固定す ることを具備する。好ましい態様において、前記固体支持体は、ストレプ トアビジンで修飾される。もう一つの好ましい態様において、前記方法は更に、 前記ストレプトアビジン−修飾化固体支持体[この支持体に対して、前記5’末 端タグ付加DNA-RNA連結産物が固定されている]を修飾されていないRNAを含む液 体相から分離することにより、ビオチン化5’末端アフィニティー標識DNA-RNA連 結産物を精製することを具備する。 ここで使用される通り、修飾されていないRNAは、DNA鎖に共有結合していない RNA鎖(単数または複数)として定義する。 本発明は、5’末端タグ付加RNA分子を提供する。前記5’末端タグ付加RNA分子 の好ましい態様において、前記タグはDNA配列である。更に好ましい態様におい て、5’末端タグ付加RNA分子は更に、5’末端標識を含む。好ましい態様におい て、前記5’末端標識は、32Pまたは放射性ハロゲンである。もう一つの好ましい 態様において、5’末端標識は、ビオチン部分、または他のアフィニティー精製 用部分である。 態様において、前記5’末端タグ付加RNA分子は、RNA分子の5’末端にタグを付 加する上述の方法により生成される。態様において、前記5’末端タグ付加RNA分 子は更に、5’末端標識を含む。更なる態様において、5’末端標識は、32Pであ る。もう一つの態様において、5’末端標識は、ビオチン部分である。 もう一つの側面において、本発明は更に、トポイソメラーゼを使用することに より、インビトロにおいて結合されたDNA-RNA分子を提供する。 ここで使用される通り、前記DNA切断基質のヌクレオチドの数(N)[上述ではDN A-(N)−基質と称する]は、1から4ヌクレオチド長でよい。 本発明はまた、キャップを形成したメッセンジャーRNAの5’末端にタグを付加 する方法であって:a)細胞または組織からmRNAを単離することと;b)前記単 離されたmRNAからRNAキャップ構造を除去し、その結果、脱キャップRNAを得るこ とと:c)前記脱キャップRNAを脱リン酸化し、それにより脱キャップ脱リン酸 化RNAを形成することと;d)トポイソメラーゼ切断部位と相補鎖[前記相補鎖 は混成または任意の塩基組成物を前記トポイソメラーゼ切断部位の下流に有する ]とを有するトポイソメラーゼのDNA切断基質[前記DNA切断基質はDNA-(N)基質 と称する]を構築することと;e)前記DNA-(N)基質をトポ イソメラーゼにより切断ぢ、それにより非切断鎖における混成または任意な塩墓 組成物の5’テールを有する共有結合形トポイソメラーゼ−DNA−(N)複合体を形 成することと:並びに、f)前記切断された共有結合形トポイソメラーゼ−DNA- (N)複合体を、ステップ(c)において形成した前記脱キャップ脱リン酸化RNAと インキュベートし、5’DNA-タグ付加DNA-RNA連結産物を形成することとを具備す る方法を提供する。 前述した方法の態様において、前記RNAキャップ構造の除去は、前記mRNAをピ コホスファターゼで酵素処理すること、または過ヨウ素酸酸化およびベータ脱離 により化学的に脱キャップ化することの何れかにより行う。好ましい態様におい て、該ピロホスファターゼは、タバコ酸性ピロホスファターゼである。もう一つ の好ましい態様において、該トポイソメラーゼ切断部位はCCCTTである。またも う一つの好ましい態様において、該DNA-(N)切断基質は、該切断の上流にビオチ ン部分を再し、これはBioDNA-(N)と示される。態様において、該方法は更に、ス テップ(e)に先んじた該ビオチン部分のストレプトアビジンへの結合による、 ビオチン化5’DNA−タグ付加DNA-RNA連結産物のアフィニティー精製(affinity p urification)を具備する。 本発明は、また、キャップ形成メッセンジャーRNAの5’末端にタグを形成する 方法により生成された5’タグ付加DNA-RNA連結産物を提供する。態様において、 5’末端タグ付加DNA-RNA連結産物は更に、5’末端標識を有する。5’末端タグ付 加DNA-RNA連結産物の更なる態様において、該標識は32Pである。5’末端タグ付 加DNA-RNA連結産物のもう一つの態様において、該標識はビオチン部分である。 本発明はまた、キャップのないRNAを除去した後に、キャップ形成mRNAを単離 およびクローニングする方法であって:a)細胞または組織からmRNAを単離する ことと;b)前記mRNAを脱リン酸化することと;c)切断したトポイソメラーゼ −BioDNA-(N)複合体を該脱リン酸化したmRNAとインキュベートし、5’BioDNA-タ グ付加DNA-RNA連結産物を形成することと:d)ストレプトアビジンに吸着させ ることにより、5’BioDNA-タグ付加DNA-RNA連結産物、および何れの反応してい ない切断されたトポイソメラーゼ−BioDNA-(N)複合体をも除去す ることと、且つ何れの非吸着物質[前記物質は、キャップ形成5’を有するRNAに 富む濃縮したものであり、且つステップ(b)における脱リン酸化に対して抵抗 性であるため、切断されたトポイソメラーセ−BioDNA-(N)複合体と反応する能力 を有していない]をも回収することと;e)ステップ(d)における非吸着物質 から回収された濃縮RNAから5’末端キャップを除去することと;f)脱キャップ RNAを脱リン酸化し、それにより脱キャップ脱リン酸化RNAを形成することと;g )切断されたトポイソメラーゼ−BioDNA-(N)複合体を脱キャップ脱リン酸化RNA とインキュベートし、5’BioDNA−タグ付加DNA-RNA連結産物を形成することと; h)前記5’DNAタグ付加DNA-RNA連結産物をアフィニティー精製することと;お よびi)前記DNA-RNA連結産物の脱キャップ脱リン酸化RNAを、切断部位の前記ト ポイソメラーゼ切断基質5’の切断容易鎖に相当するセンスプライマーと、アン チセンスプライマー[前記アンチセンスプライマーは、3’ポリ(A)テールまた は内在的RNA配列の何れかに対して相補的である]とを使用してPCR増幅を行うこ ととを具備する方法を提供する。上述の方法の好ましい態様において、ステップ 'h)におけるアフィニティー精製は、該5’BioDNA-タグ付加DNA-RNA連結産物を ストレプトアビジンヘ結合することによるものである。もう一つの好ましい態様 において、該RNAキャップ構造の除去は、ピロホスファターゼによる該mRNAの酵 素処理、または過ヨウ素酸塩酸化(periodate oxidation)およびベータ脱離(beta elimination)により化学的な脱キャップ化の何れかによるものである。またも う一つの好ましい態様において、該ピロホスファターゼはタバコ酸性ピロホスフ ァターゼである。 DNA鎖をRNA鎖に共有結合する方法の態様において、該5’一本鎖テールは、特 異的に設計された配列を有する。 本発明のもう一つの側面は、RNA鎖の混合物中の問題のRNA鎖の連結をターゲテ ィングする方法を提洪し、これは、RNA鎖にDNA鎖を共有結合する上述の方法を具 備する。RNA鎖の混合物中の問題のRNA鎖の連結をターゲティングする方法(RNA鎖 に対してDNA鎖を共有結合する方法を具備する)の態様において、該5’一本鎖テ ールは、共有結合したDNA-RNA連結産物の特性を提供する。 もう一つの好ましい態様において、完全長遺伝子配列を得るための方法であっ て;(a)完全長mRNAを単離することと;(b)単離したmRNAに対してDNAタグ 配列を結合することと;および(c)テンプレートとしてタグ付加mRNAを使用し たcDNA合成を行うこととを具備する方法が提供される。 完全長mRNAだけが、本発明の本側面において使用されることを保証するために (従って、完全長遺伝子配列の生成を保証すること)、キャップが形成されたmR NAだけを単離することが、一般的に望ましい。真核生物の一次転写産物は、その 開始部位または5’、即ち、5’メチル化キャップの添加による該一次転写物のヌ クレオチドが修飾され、これは、酵素的分解から該mRNAを保護する目的に適って いる(Shatkin、Cell 9:645、1976)。完全長転写物だけが、そのように修飾され るであろう。該キャップ構造は、ビオチン、キチン結合ドメイン等のアフィニテ ィー精製用タグの添加等により修飾されてよい(Carniciら、上記文献)。該ア フィニティータグを付したキャップ形成mRNAは、次に、分解されたmRNA、または ポリAテールを有したRNA類(完全長をコードするmRNAではない)から単離され得 る。 アフィニティー精製(例えば、ストレプトアビジン、アビジン、キチン、グル タチオン等を結合した固体支持体等のアフィニティー精製用物質と該タグ付加mR NAとを結合することによる)を使用し、タグの付加のないRNAから、該アフィ ニテイタグ付加mRNAを分離することができる。或いは、該キャップ形成mRNAと、 例えば、フェニルボロン酸固体支持体等に結合した固体支持体とを接触させるこ とにより、キャップを欠くRNA種から、修飾されてないキャップ形成mRNAを分離 することができる[TheusおよびLiarakos、Biotechnique 9(5):610-612、1990 を参照されたい]。適切な固体支持体類には、セファロースおよびアガロース等 の種々のカラムクロマトグラフィーゲル類、並びに磁気ビーズ類が含まれる。 何れの真核細胞種類も、動物細胞類と植物細胞類の両者を含む本発明の該方法 の実施において使用されるべきmRNAの供給源として使用できる。適切な動物細胞 には、哺乳動物細胞類(齧歯類、ヒト以外の霊長類、霊長類、ヤギ、ヒツジおよ びウシ等)、並びに昆虫細胞(ガ、およびショウジョウバエ等)が含まれる。異 なる細胞種からmRNAを抽出する方法は、当該分野において周知である(例え ば、Ausubelらの上記文献を参照されたい)。 好ましくは、該単離したmRNAは、単離後に、脱キャップおよび脱リン酸化され る。RNA類を脱キャップする方法は、当該分野において周知であり、酵素的方法 (タバコピロホスファターゼのようなピロホスファターゼを使用すること等によ る)と化学的方法(過ヨウ素酸酸化およびベータ脱離等)の両法を含む。同様に 、RNAを脱リン酸化する方法は当該分野において周知であり、例えばアルカリホ スファターゼを使用することによる方法等である。 上述した方法を使用し、DNAタグ配列を、単離した完全長mRNAに結合すること ができる。二本鎖DNA切断基質として、および共有結合形トポイソメラーゼ−DNA 中間体として、図11に、好ましいDNAタグ配列を示している。該トポイソメラ ーゼ−DNA中間体の相補鎖は、1から4ヌクレオチドの3’オーバーハングを含み 、これはアデニン、グアニン、シトシンまたはチミンの混合体の何れかであって よく、該図中にNとして示される。これらのヌクレオチド類は、該単離されたmRN A分子の5’末端の最初の1から4塩基と塩基対をなすものであり、これによりエ ステル交換反応(該DNAタグを該RNA配列の末端に結合する)に対する該共有結合 形で結合したトポイソメラーゼの触媒作用が可能になる。該DNAタグ配列は、ト ポイソメラーゼ認識部位、即ち好ましくはCCCTTを具備し、更に加えて、発現ベ クターへのcDNA分子の二次的挿入に有用な、EcoR1等の部位特異的制限エンドヌ クレアーゼの認識部位を具備してもよい。 DNA-RNA分子は、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、当該技術分野におい て周知の技術を用いた、完全長cDNA配列の合成および増幅のためのテンプレート として使用される(Ausubelら、上述の文献)。適切なプライマーは、該DNA-RNA 分子の5’タグ配列の全部分または一部分、並びに遺伝子特異的3’プライマーま たはオリゴdTプライマーを含む。 増幅された遺伝子産物を、次に、該増幅反応混合物の他の成分から単離する。 この精製はカラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動等のような種々の方法を使 用して達成することが可能である。好ましい精製方法は、低融点アガロースゲル 電気泳動を利用する。該反応混合物は、臭化エチジウム染色等の適切な手段類に より分離され、視覚化される。正しいサイズの増幅産物を示すDNAバンドを、 該ゲルの残余から切り取り、96ウェルマイクロタイタープレートの対応する適 切なウェルの中に置く。続いて、これらの断片を溶解し、その中に含有されたDN Aをクローニング挿入物として利用する。 精製し増幅した遺伝子配列を、次に、発現ベクターに挿入する。種々の発現ベ クターは、本発明の実施における、原核生物の発現および真核生物の発現の何れ の使用にも適切である。一般的に、該発現ベクターは、1以上の以下の特徴を有 する:プロモーターエンハンサー配列、選択マーカー配列、複製起点、アフィニ ティー精製タグ配列、誘導要素配列およびエピトープータグ配列等。 プロモーター−エンハンサー配列は、RNAポリメラーゼが結合するDNA配列であ り、且つ転写を開始する。該プロモーターは、どちらの鎖が転写されるかにより 転写の極性を決定する。細菌性プロモーターは、コンセンサス配列、即ち転写の 開始に関連する−35および−10ヌクレオチド(これは特異的なシグマ因子と RNAポリメラーゼとにより結合される)からなる。真核細胞性プロモーター類は 更に複雑である。発現ベクター類において有利な大部分のプロモーター類は、RN AポリメラーゼIIにより転写される。基本転写因子(GTFs)は、初めに、該開始部 分の近くの特異的な配列に結合し、続いてRNAポリメラーゼIIの結合を補充す る。これらの最小プロモーター要素に加えて、小配列要素が、問題のプロモータ ーの活性を調節するモジュールDNA-結合/トランス−活性化タンパク(例えば、 AP-1、SP-1)により特異的に認識される。ウイルス性プロモーターは、細菌また は真核生物プロモーター類として同様の機能を供給し、並びに、トランス(バク テリオファージT7)における特異的なRNAポリメラーゼの提供、或いは細胞性因 子およびRNAポリメラーゼ(SV40、RSV、CMV)の補充の何れかを行う。ウイルス性 プロモーターは、それらが一般的に特に強力なプロモーターである場合に好まし い。 更に、プロモーターは構成的でもよく、更に好ましくは調節可能でもよく、そ の何れかである(即ち、誘導可能または抑制解除可能である)。誘導可能要素は 、プロモーターとの接合において作用し、並びにリプレッサー(例えば、大腸菌 のIacO/LAC Iqリプレッサーシステム)ミたはインデューサー(例えば、酵母のg all/GAL4インデューサーシステム)の何れかと結合するDNA配列要素である 。何れかの場合において、転写は、該プロモーターが抑制解除または誘導される (この時点において、転写が「開始」される)まで、事実上「遮断」される。 構成性プロモーターの例は、バクテリオファージλのIntプロモーター、pBR32 2のβ−ラクタマーゼ遺伝子配列のblaプロモーター、pPR325のクロラムフェニコ ールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子配列のCATプロモーター等を含む。誘導 性の原核生物のプロモーターの例は、バクテリオファージの主要な右側および左 側プロモーター(PLおよびPR)、大腸菌のtrp、reca、lacZ、LacI、AraCおよびgal プロモーター、α−アミラーゼ(Ulmanen Ett、J.Bacteriol.162:176-182、198 5)およびB.スブチリス(B.subtilis)のシグマ−28−特異的プロモーター(G ilmanら、遺伝子配列32:11-20(1984))、バチルス属(Bacillus)のバクテリオフ ァージ類のプロモーター(Gryczan、バチルス類の分子生物学、AcademicPress、 Inc.、NY(1982))、ストレプトミセス属(Streptomyces)のプロモーター(Wardら 、Mol.Gen.Genet.203:468-478、1986)等を含む。例えば、原核生物のプロモー ター類は、グリック(Glick、J.Ind.Microtiot.1:277-282、1987);セナチ エンポ(Cenatiempo、Biochimie 68:505-516、1986);およびゴッテスマン(G ottesman、Ann.Rev.Genet.18:415-442、1984)により概説されている。 好ましい真核生物のプロモーター類には、例えば、マウスメタロチオネインI 遺伝子配列のプロモーター(Hamerら、J.Mol.Appl.Gen.1:273-288、1982) ;ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKnight、Cell 31:355-365、1982): SV40初期プロモーター(Benoistら、Nature(London)290:304-310、1981):酵 母gall遺伝子配列プロモーター(Johnstonら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)79 :6971-6975、1982);Silverら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)81:5951-5955 、1984)、CMVプロモーター、EF-1プロモーター、エクジソン−反応プロモーター (単数または複数)等を含む。 ベクターを含有する細胞のみを成長させるための選択手段を提供する場合、発 現ベクターにおける選択マーカー配列は、価値のある要素である。そのようなマ ーカーには、2つの種類がある:即ち、薬剤耐性および栄養要求性である。薬剤 耐性マーカーは、細胞に対して、それなしではその細胞を殺してしまう外因的に 添加した薬剤を解毒することを可能にする。栄養要求性マーカーは、細胞に対し て、必須成分を合成することと同時に、その必須成分(通常はアミノ酸)を欠く 培地中において成長することとを可能にする。 一般的な選択マーカー遺伝子配列は、アンピシリン、テトラサイクリン、カナ マイシン、ブレオマイシン、ストレプトマイシン、ヒグロマイシン、ネオマイシ ン、ゼオシンTM等の抗生物質に対する耐性を有する配列を含む。選択可能な栄養 要求性遺伝子配列は、例えば、hisD(これは、ヒスチジノールの存在下の、ヒス チジンを含有しない培地中での成長を可能にする)を含む。 酵母発現システムにおいて使用するための好ましい選択可能なマーカー配列は 、URA3である。オロチジン−5’−ホスフェートデカルボキシラーゼ(ウラシル の生合成に必須の酵素)をコードする遺伝子において突然変異を有する実験室用 の酵母菌株は、外因性ウラシルが不在では成長できない。野生型遺伝子のコピー (S.pombeにおけるura4+およびS.cerevisiaeにおけるURA3)が、トランスにおけ るこの欠失を捕捉するであろう。 発現ベクターにおいて有用な更なる要素は、複製起点配列である。複製の起点 は、多重結合の起点−結合タンパクにより認識されるマルチプルショートリピー ト配列(multiple short repeated sequences)を含むユニークなDNA配列であ り、該起点部位でのDNA複製酵素の集合において重要な役割を演じている。ここ で使用される発現ベクターにおいて使用するために適切な複製起点は、大腸菌の oriC、2μおよびARS(共に酵母システムにおいて有用である)、sfl、SV40(哺 乳動物システムにおいて有用である)等を含む。 本発明に従って使用される発現ベクターに含まれ得る追加的な要素は、アフィ ニティー精製タグ類またはエピトープタグ類をコードする配列である。アフィニ ティー精製タグ類は、一般的に、固体支持体上に固定された結合パートナーと相 互作用できるペプチド配列である。ヒスチジン等の単一のアミノ酸が複数連続し てコードされる合成DNA配列は、発現されたタンパクに融合される場合に、ニッ ケルセファコース等の樹脂カラムに対する高親和性結合によって組換えタンパク の1ステップ精製に使用されてよい。エンドペプチダーゼ認識配列は、ポリアミ ン酸タグおよび問題のタンパクとの間で強化され、結果として、エンテロキナー ゼおよび他のプロテアーゼによる消化によるリーダーペプチドの除去を可能にす る。キチン結合ドメイン(キチンに対して結合する)、グルタチオン−S−トラ ンスフェラーゼ(グルタチオンに対して結合する)、ビオチン(アビジンおよび ストレプトアビジンに対して結合する)のようなペプチド類をコードする配列は また、問題のタンパクの精製を促進するために使用することも可能である。アフ ィニティー精製タグは、当該技術で周知の方法[インテイン類の使用を含む(タ ンパク自己スプライシング要素、Chongら、Gene 192:271-281、1997)]により 問題のタンパクから分離することが可能である。 エピトープタグ類は、エピトープ特異的抗体により認識される短ペプチド配列 である。組換えタンパクとエピトープタグとを含有する融合タンパクは、クロマ トグラフィー樹脂に結合した抗体を使用して、簡便且つ容易に精製することが可 能である。該エピトープタグの存在は、更に、ウエスタンブロット等の二次的な 評価において、その組換えタンパク自身に対して特異的な抗体を産生することな く、該組換えタンパクを検出することを可能にする。一般的に使用されエピトー プタグの例は、V5、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、ヘマグルチニ ン(hemaglutinin;HA)、ペプチドPhe-His-His-Thr-Thr、キチン結合ドメイ ン等を含む。 発現ベクターにおける更なる使用可能な要素は、マルチプルクローニング部位 またはポリリンカーである。一連の制限エンドヌクレアーゼ認識部位をコードす る合成DNAは、該プロモーター要素の下流でプラスミドベクターに挿入される。 これらの部位は、特異的な位置で該ベクターにDNAを都合よくクローニングする ようにする。 前述の要素は、併用され、本発明のライブラリーの作成において有用な発現ベ クターを産生することが可能である。適切な原核生物のベクターは、大腸菌にお いて複製可能であるようなプラスミドを含む[例えば、pBR322、ColEl、pSC101 、PACYC184、itVX、pRSET、pBAD(Invitrogen、Carlsbad、CA)等]。そのよう なプラスミドはサンブロックにより開示されている(cf.「分子クローニング: 実験室マニュアル」第二版、Sambrook、FritschおよびManiatisによる編集、Col d Spring Harbor Laboratory、(1989))。pC194、pC221、pT127等を含むバチル スプ ラスミドは、グリクザンにより開示されている(Gryczan、バチルス類の分子生 物学、Academic Press、NY(1982)、pp.307-329)。適切なストレプトミセス(Str eptomyces)プラスミド類は、p1J101(Kendallら、J.Bacterilo.169:4177-4183 、1987)、およびoC31のようなストレプトミセスバクテリオファージ(Chaterら 、 Sixth International Symposium on Actinomycetales Biology、Akademiai K aido、Budapest、Hungary(1986)、pp.45-54)を含む。シュードモナス(Pseudomo nas)プラスミド類は、ジョンら(Johnら、Rev.Infect.Dis.8:693-704、1986 )、およびイザキ(Izaki、Jpn.J.Bacteriol.33:729-742、1978)により概 説されている。 適切な真核生物プラスミドは、例えば、BPV、ワクシニア、SV40、2-ミクロン サークル、pcDNA3.1、pcDNA3.1/GS、pYES2/GS、pMT、pIND、pIND(Spl)、pVgRXR (Invitrogen)等、またはそれらの誘導体を含む。そのようなプラスミド類は当 該技術において周知である(Botsteinら、Miami Wntr.Symp.19:265-274、198 2;Broach、「酵母サッカロミセスの分子生物学:生活環と遺伝」、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、NY、p.445-470、1981;Broach、Cel l 28:203-204、1982;Dilonら、J.Clin.Hematol.Oncol.10:39-48、1980;Ma niatis:Cell Biology:A Comprehensive Treatise、Vol.3、Gene Sequence Exp ression、Academic Press、NY、pp.563-608、1980)。 正しい配向での遺伝子配列挿入を有するプラスミドが同定された場合、プラス ミドDNAは、発現するホスト細胞の形質転換において使用するために製造される 。プラスミドDNAを製造する方法および細胞を形質転換する方法は、当該技術に おける当業者に周知である。そのような方法は、例えば、上述のアウスベルら(A usubelらの上述の文献)により記述される。 原核細胞のホストは、一般的に、組換えタンパクの生成に対して非常に効率的 且つ便利なものであり、更に好ましい種類の発現システムの一つである。原核細 胞は、非常に多くの場合、大腸菌の種々の菌株により代表される。しかしながら 、また、他の細菌株を含む他の微生物も使用可能である。 認識された真核生物ホスト類は、大腸菌等の細菌、およびバチルス、ストレプ トミセス、シュードモナス、サルモネラ、セラシア属等の種類を含む。しかしな がら、そのような条件下では、該ポリペプチドはグルコシル化されることなない 、だろう。ここでの使用に選択される原核細胞のホストは、該発現プラスミドに おけるレプリコンおよびコントロール配列に適合していなくてはならない。 適切なホストは、多くの場合、真核細胞を含んでよい。好ましい真核細胞ホス トは、例えば、インビボ或いは組織培養の何れかの状態にある酵母、真菌類、昆 虫細胞類、および哺乳類細胞を含む。ホストとして有用であり得る哺乳類細胞は 、HeLa細胞、VERO、3T3またはCHOK1等を起源とする繊維芽細胞、HEK293またはリ ンパ球起源の細胞(32D細胞等)、並びにそれらの誘導体類を含む。好ましい哺 乳動物ホスト細胞は、CHO、32D等の非接着細胞を含む。好ましい酵母ホスト細胞 は、S.ポンベ、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、S.セレビシアエ(I NVSc1等)等を含む。 加えて、植物細胞もまた、ホストとして使用が可能であり、植物細胞に適合す るコントロール配列[例えば、カリフラワーモザイクウイルス35Sおよび19S、ノ パリン(nopaline)合成プロモーターおよびポリアデニレーションシグナル配列等 ]も使用可能である。。もう一つの好ましいホストは、キイロショウジョウバエ ・ラルバエ(Drosophila larvae)を例とする昆虫細胞である。ホストとして昆虫 細胞を使用する場合、キイロショウジョウバエアルコール脱水素酵素プロモータ ーを使用することが可能である(RUbin、Science 240:1453-1459、1988)。或 いは、バキュロウイルスベクター類は、昆虫細胞における所望する遺伝子配列に よりコードされるペプチドを多量に発現するように操作される(Jasny、Science 238:1653、1987);Millerら、Genetic Engineering(1986)、Setlow、J.K.ら による編集、Plenum、Vol.8、pp.277-297)。本発明はまた、上述の方法により 産生された発現遺伝子産物の精製され、単離され、または濃縮された改変物をも 特徴とする。 本発明は、以下の実験の詳細により更に詳しく理解されるであろう。しかしな がら、特定の方法および考察された結果が、その後に続くクレームにおいてより 十分に記載される本発明を、ただ単に説明するものであることは、当該技術にお ける当業者には容易に認識されるものである。 実験の詳細 方法と材料 タンデムRNA-p-DNA及びDNA-p-RNAオリゴヌクレオチドの調製 相補的な36マ−DNA鎖にハイブリダイズされた2つの18マー鎖(合成RNA又はDN Aオリゴヌクレオチド)を連結することによって、切断容易なホスフェートに単 一の内部32Pラベルを含有するCCCTT含有36マーオリゴヌクレオチドを調製した。 近位のCCCTT含有18マー鎖の配列は、DNAでは5'-CATATCCG TGTCGCCCTTであり、RN Aでは5'-CAUAUCCGUGUCCCUUであった。遠位の18マー鎖の配列は、DNAでは5'-ATTC CGATAGTGACTACAであり、RNAでは5'-AUUCCGAUAGUGACUACAであった。遠位の18マー 鎖は、[γ32P]ATPとT4ポリヌクレオチドモナーセの存在下で5'ラベルした後、ゲ ルで精製した。36マー鎖の配列は、5'-TGTAGTCACTATCGGAATAAGGGCGACACGGATATG であった。65℃で2分間、0.2MNaCl中で加熱した後、徐々に室温まで冷却するこ とによって、該鎖をアニーリングした。該ハイブリダイゼーション混合物中にお ける、近位18マー及び36マー鎖に対する5'ラベルした遠位18マーのモル比は、1 :4:4であった。単一のニックを有するアニーリング反応の産物は、精製された 組換えワクシニアウイルスDNAリガーゼを用いて、インビトロで接着せしめた(1 4,15)。連結反応混合物(400μL)は、50mM Tris HCl(pH8.0),5mM DTT,10mM Mn Cl2,1mM ATP,5'32P-ラベルされたニックを有する基質10pmol、及びリガーゼ16 0pmolを含有していた。22℃で4時間インキュベートした後、最終濃度25mMにな るようにEDTAを添加することによって、反応を停止した。フェノール−クロロフ ォルムで該サンプルを抽出し、エタノール沈殿によって、ラベルされた核酸を水 相から回収した。36マーの二重構造体(duplex)をTE緩衝液(10mM tris HCl,pH8 .0,1mM EDTA)中に溶解した。ラベルされた18マー遠位鎖を非ラベルCCCTT含有1 8マー鎖に連結すると、内部がラベルされた36マー産物が形成されることが、17% 変性ポリアクリルアミドゲルを通して反応産物を電気泳動することによって確認 された。連結の程度[36マー/(36マー+18マー)]は以下のとおり: DNA-p-DNA(88%):DNA-p-RNA(67%);RNA-p-DNA(66%) であった。 内部ラベルされた36マー二重構造体へのトポイソメラーゼの共有結合 記載されているように(16,17)、細菌中で組換えワクシニアトポイソメラー ゼを発現させ、ホスホセルロース及びSP5PWカラムクロマトグラフィーによって 精製した。共有結合付加物形成をアッセイするための反応混合物は、(20μL当 たり)50mM Tris-HCl(pH8.0),36マー二重構造体0.2pmol、及びトポイソメラー ゼIpmolを含有していた。トポイソメラーゼを加えることによって、反応を開始 させ、最終濃度1%になるようにSDSを加えることによって停止させた。該サンプ ルをSDS-PAGEによって分折した。放射性ラベルされたポリヌクレオチドのトポイ ソメラーゼポリペプチドへの転移によって、共有結合複合体の形成が明らかとな った(3)。FUJIX BAS1000リン画像化装置を用いてゲルをスキャンすることによっ て、付加物形成の程度を定量し、共有結合でタンパク質に転移した5’32Pラベル されたインプット36マー基質のパーセントとして表した。 RNAアクセプターへのDNA鎖の転移 [γ32P]ATPとT4ポリヌクレオチドキナーゼの存在下で、18マーのCCCTT含有DNA オリゴヌクレオチド(5'-CGTGTCGCCCTTATTCCC)の5'末端をラベルした後、ゲルで 精製し、30マーの相補鎖にハイブリダイズさせて18マー/30マー自殺切断基質を 形成させた。(20μL当たり)50mM Tris-HCl(pH8.0),18マー/30マ−DNA 0.5pm ol、及びトポイソメラーゼ2.5pmolを含有する反応混合物中で、共有結合トポイ ソメラーゼ−DNA複合体を形成させた。該混合物を37℃で5分間インキュベートし た。同時に該反応混合物が0.3M NaClになるように調整しながら、25pmol/20μL の濃度(すなわち、インプットDNA基質に対して50倍モル過剰)になるように18 マーのアクセプター鎖5'-ATTCCGATAGTGACTACA(DNA又はRNAの何れか)を加えるこ とによって、鎖転移反応を開始させた。それぞれ最終濃度0.2%及び50%になるよ うにSDSとホルムアミドを加えることによって、該反応を停止させた。該サンプ ルを熱変性させた後、TBE(90mM Tris-ホウ酸、2.5mM EDTA)中の7M尿素を含有 する17%ポリアクリルアミドを通して電気泳動を行った。鎖転移の程度(30マー 鎖転移産物に転換された、ラベルされたノンプットDNAのパーセントとして表し た)は、リン画像化装置を用いて湿潤ゲルをスキャンすることによって定量した 。32 Pラベルした36マ−RNAの調製 エンドヌクレアーゼEagIで消化することによって直鎖状にしたpBluescript II -SK(-)プラスミドテンプレートから、T3 RNAポリメラーゼによって、36ヌクレオ チドのランオフ転写物をインビトロで合成した。40mM Tris HCl(pH8.0),6mM M gCl2,2mMスペルミジン,10mM NaCl,10mM DTT,0.5mM ATP,0,5mM CTP,0.5mM L TP,6.25μM[α32P]GTP,テンプレートDNA 5μg,及びT3 RNAポリメラーゼ100ユ ニット(Promega)を含有する転写反応混合物(100μL)は、90分間37℃でイン キュベートした。該混合物を0.1% SDS,10mM EDTA,及び0.5M酢酸アンモニウム に調整することによって、反応を停止させた。該サンプルをフェノール−クロロ ホルムで抽出して、エタノールで沈殿せしめた。沈殿をホルムアミド中に再懸濁 し、TBE中に7Mの尿素を含有する12%ポリアクリルアミドゲルを通して電気泳動を 行った。該湿潤ゲルのオートラジオグラフィーによって、放射性ラベルした36マ ーRNAの位置を決定し、1M酢酸アンモニウム、0.2%SDS、及び20mM EDTAを含有す る0.4mLの緩衝液中に、4℃で16時間浸すことによって、切り出したゲルのスライ スから溶出した。溶出物をフェノール柚出して、エタノールで沈殿させた。該RN AをTE中に再懸濁した。RNA5'末端の脱リン酸化は、10mM Tris HCl(pH7.9)、50mM NaCl、10mM MgCl2、1mM DTT、10pmolの36マーRNA、及び30ユニットのウシ腸ア ルカリホスファターゼ(New England Biolabs)を含有する反応混合物(30μL) 中で行った。37℃で1時間インキュベートした後、該混合物をフェノール抽出し て、エタノール沈殿した。上述のように、電気泳動によってホスファターゼ処理 した36マー転写物を再精製した。 ワクシニアトポイソメラーゼを用いた、RNAへのアフィニティータグの付加 鎖転移反応経路を図10aに図示する。ダイナビーズ(Dynabeads;Dynal)スト レプトアビジン固相支持体上に、単一のトポイソメラーゼ認識部位を含有するビ オチン化されたDNA基質を固定化する。自動化されたオリゴヌクレオチド合成の 標準プロトコールによって、ビオチン部分(黒の四角で示されている)をCCCTT 含有鎖の5'末端に導入する。精製されたワクシニアトポイソメラーゼをビーズに 結合し たDNAと反応させて、図に示したように、共再結合酵素−DNAドナー複合体を形成 させる。ビーズを緩衝液で洗浄することによって、DNAに結合していない酵素を 除去する。鎖転移反応は、アルカリホスファターゼによる前処理によって脱リン 酸化せしめた[32P]-CMPラベルしたT7転写物を添加することにより開始する。ド ナー複合体の5'一本鎖の尾部は、T7転写物の5'末端に存在する12のヌクレオチド と相補的である。共有結合によって固定されたビオチン化DNA鎖のT7転写物への 再連結は、30マーRNAの50ヌクレオチド産物への転換として観察される。 実験の詳細:トポインメラーぜ認識部位を含有するビオチン化25マー鎖を相補的 な5'リン酸化された24マー鎖(4倍モル過剰で存在する)にアニーリングするこ とによって、DNA基質を形成した。該鎖は、0.2M NaClの存在下で10分間65℃で加 熱した後、徐々に室温まで冷却することによってアニーリングした。50mM Tris- HCl(pH8.0)、1M NaClの中で、22℃で10分間、10μgのダイナビーズとともにDNA 10pmolをインキュベートすることによって、ビオチン化二重構造体をストレプト アビジンビーズ上に固定化した。1mLの50mM Tris-HCl(pH8.0)で該ビーズを2度 洗浄した。20μLの50mM Tris-HCl(pH8.0)の中に、該洗浄したビーズを再懸濁し た。ビーズに結合したDNA基質に5倍モル過剰量のトポイソメラーゼ(50pmol)を 添加した。該混合物を37で、分インキュベートした。遠心によって、ビーズを回 収し、1mLの50mM Tris-HClで二度リンスした後、18μLの50mM Tris-HCI,0.3M N aCl中に再懸濁した。[32P]-CMPラベルしたT7転写物1pmolを添加することによっ て、鎖転移反応を開始した。該混合物を37℃で15分間インキュベートした。該ビ ーズを遠心によって回収し、洗浄して、0.8% SDS及び80%ホルムアミドを含有す る緩衝液20μL中に再懸濁した。 該サンプルを95℃で5分間加熱し、5分間遠心した後、TBE緩衝液中に7M尿素を 含有する12%ポリアクリルアミドを通して上清を電気泳動した。ゲルのオートラ ジオグラフィーを図10Bに示す。レーンB(結合;Bound)−ダイナビーズに結合 した鎖転移反応の産物;レーンF(free)−鎖転移反応の上清。インプット30マーT 7転写物及び50マー産物の位置を右側に示す。 RNA基質:エンドヌクレアーゼXhoIで消化することによって直鎖状にしたpBluesc r ipt II-SK(-)プラスミドテンプレートから、T7 RNAポリメラーゼにより、30ヌク レオチドのランオフ転写物をインビトロで合成した。該転写物は、T3 RNA転写物 の調製で述べた反応条件と同様の反応条件で、[α32P]-CTPでラベルした。30マ ーRNAをゲル精製し、続いて記載したように脱リン酸化した。 結果 切断容易なホスフェートの3'にRNAを含有する二重構造体基質へのトポイソメラ ーゼの共有結合 フクシニアトポイソメラーゼは、CCCTT含有RNA二重構造体に、共有結合せず、 且つ2つの鎖のうち一方がRNAであるRNA-DNAハイブリッド二重構造体上に、共有 結合複合体も形成しない(9)。対照実験によって、CCCUU含有RNA鎖上に共有結合 付加物を形成できないのは、CCCTT配列中のチミン塩基がワラシルで置換されて いるためであることが示された(9)。ワクシニアトポイソメラーゼが、全てのRNA 鎖と共有結合を形成しない理由について理解を深めるために、我々は、切断容易 な鎖がタンデムRNA-DNA又はDNA-RNA共重合体であり、切断されない鎖は全てがDN Aである36bp二重構造体基質を調製した(図1)。これらの二重構造体の切断容 易なホスホジェステルを32Pでユニークにラベルした。2つの18マーオリゴヌク レオチド(1つは、5’32Pでラベルされていた)を相補的な36マーDNA鎖にアニー リングさせ、単一のニックを有する二重構造体を形成させることによって、基質 分子を構築した。次に、ワクシニアワイルスDNAリガーゼによって触媒される反 応において、ラベルされていないCCCTT鎖(又はCCCUU鎖)に5'ラベルした18マー 鎖を連結した。該36マー二重構造体産物を単離した後、ワクシニアDNAトポイソ メラーゼ用の基質として用いた。我々は、ラベルしたホスフェートをpと表記し 、これらの基質をDNA-p-DNA、DNA-p-RNA、RNA-p-DNAと称することにする。 トポイソメラーゼによるCCCTT部位へのエステル転移反応によって、3’32Pラ ベルされた18マーオリゴヌクレオチドが酵素に共有結合するであろう。10分で、 DNA-p-RNA基質上に共有結合複合体が形成される程度は、インプットトポイソメ ラーゼに比例し:飽和量の酵素で、36マー鎖の80〜85%がトポイソメラーゼに転 移された(図1)。同一レベルのトポイソメラーゼは、1%未満のRNA-p-DNA36マ ー鎖に 共有結合した。このように、トポイソメラーゼは、切断容易なホスフェートの下 流のRNA置換は許容したが、CCCTT配列がRNAの型であるときには、共有結合性付 加物の形成は妨げられた。 飽和レベルのトポイソメラーゼでの共有結合反応の速度論を評価した(図2) 。全てDNAである36マー(DNA-p-DNA)は、2分で21%の終末点に達するように結合 した(図2A)。見かけの切断−再連結平衡定数(Kcl−共有結合複合体/非共有 結合複合体)は0.26であり、これは5'末端ラベルされたCCCTT含有DNA基質の平衡 切断について以前報告された0.2〜0.25という値と一致する(10,11)。DNA-p-RNA3 6マーは、5分で80%の終末点に達するように、共有結合した(図2A、他のデータ は示されていない)。DNA-p-RNAに対する見かけの平衡定数は(Kcl=4)、全て がDNAであるリガンドに対して観察されたものに比べて有意に高い。 きわめて遅いが、RNA-p-DNA 36マーはトポイソメラーゼに転移された。4時間 後、4%のCCCUU含有RNA鎖が、酵素に共有結合した(図2B)。該実験では、終末点 は確定されなかった。しかし、最も初期の時点において、DNA-p-RNA上に形成さ れた付加物の量(10秒で12%)に対する、RNA-p-DNA上への共有結合性付加物の形 成の初速度(1分当たりインプット基質の0.04%が切断された)を比較すること によって、基質のCCCTT部分のRNA置換が、約103のオーダーで、共有結合複合体 形成の速度を遅くしていると推測される。 RNAアクセプターへのDNA鎖の転移 切断された鎖の再結合は、Tyr-274とCCCTT部位との3'ホスホジエステル結合に 、5'ヒドロキシ末端化されたポリヌクレオチドが攻撃することによって起こる。 該エステル転移ステップは、生じたトポイソメラーゼ−DNA複合体が、共有結合 で保持された鎖を別のアクセプター鎖に再連結する能力をアッセイすることによ って、鎖切断とは独立して研究することができる(5,11)。共有結合トポイソメラ ーゼ−DNAドナー複合体を形成するために、まず、30マー鎖(CGTGTCGCCCTTATTCC C)にハイブリダイズされた5’32Pラベルした18マー切断容易鎖からなる自殺基 質とともに、酵素をインキュベートした。 トポイソメラーゼによって該DNAを切断すると、6ヌクレオチドの脱離基(ATTCC ) が解離する。再連結のために利用できるアクセプターがその場にないと、酵素は 、自殺中間体として実質上DNAにトラップされる(図3)。酵素過剰での5分間の 反応で、90%を超える5’32Pラベルされた鎖がタンパク質に共有結合する。同時 にイオン強度を0.3M NaClまで増加させながら、共有結合ドナー複合体の5'一本 鎖尾部に相補的な18マーアクセプター鎖(DNA又はRNAの何れか)を50倍モル過剰 量添加することによって、鎖転移反応を開始した(図3)。再連結期の間に、Na Clを添加すると、鎖が閉じた後のトポイソメラーゼの解離を促進し、鎖転移産物 をの再切断を妨げる。共有結合で保持された12マーのCGTGTCGCCCTTを18マーに連 結すると、32Pラベルされた30マーが得られる(図4、レーン1)。自殺中間体 は、94%のインプットCCCTT含有鎖を18マーDNA鎖に転移した(図3)。最も初期 の時点で(5秒)の再連結の程度は、終末値の90%であった。該データから、再連 結の速度定数(Krel)は、0.5秒-1と算定された。以前には、Krel値は〜1.3秒-1 と決定されている(37℃でのKcl及びKrelの実験値)(18)。 トポイソメラーゼは、共有結合で保持された12マーDNAを即座に18マーRNAアク セプターに連結して、30マーの産物を形成した(図4、レーン5)。インプット CCCTT鎖の89%がRNAに転移され、5秒で終末値の40%に達した。このデータを用い て、シングルターンオーバーのRNAへの鎖転移について0.1秒-1の速度定数を推定 した。このように、DNAへの再連結は、RNAへの再連結の約10倍速かった。RNAの 再連結速度が遅いことは、DNA-p-RNA 36マーに対する切断−再連結の平衡定数( Keq=Kcl/Krel)の増加が観察されたことの説明になり得るかもしれない。 鎖転移反応産物の分析 RNAへの鎖転移によって予想される産物は、5'末端がユニークに32Pラベルされ た30マーのタンデムDNA-RNA鎖(CGTGTCGCCCTTAUUCCGAUAGUG ACUACA)である。該 分子の構造は、NaOHによる処理に対する該産物の感受性を分析することによって 確かめた。ラベルされた30マーRNA連結産物は、インプット18マーCCCTT含有DNA 鎖に比べてさらに早く移動する別の種に、ほぼ定量的に変換された(図4及びレ ーン6)。該産物の移動度は、13ヌクレオチドの長さの鎖と一致していた。RNA 鎖転移産物の32Pラベルされた予想アルカリ水解産物は、13マー(5-CGTGTCGCCCT TAp)で ある。対照反応は、自殺基質の32Pラベルされた18マー切断容易鎖も、DNAへの鎖 転移の30マー産物もアルカリに感受性でないことが示された(図4、レーン4及 び2)。トポイソメラーゼは、インビトロでRNAをDNAに連結するために用いるこ とができると結論付けられる。 T3 RNAポリメラーゼによってインビトロで合成されたRNA転写物へのDNAリガンド のタグ付加 トポイソメラーゼを介したRNAへの鎖転移の実用には、RNA転写物の5'タグ付加 が含まれる。バクテリオファージRNAポリメラーゼは、フェーズ(phase)プロモ ーターを含有するプラスミドDNAテンプレートから、インビトロでRNAを合成する ために、広く用いられてきた。このような転写物が、トポイソメラーゼに触媒さ れる連結に対する基質であるかどうかをテストするために、我々は、トポイソメ ラーゼで切断された時に、pBluescriptベクターからT3 RNAポリメラーゼによっ て転写された任意のRNAの予想された5'配列と相補的な5'一本鎖尾部を含有する と思われるCCCTT含有自殺切断基質を構築した(図5)。[α32P]GTPを含有する 転写反応で、36ヌクレオチドのT3転写物を合成した。5'末端を脱リン酸化するた めに、RNAをアルカリホスファターゼで処理した。トポイソメラーゼ−DNA共有結 合中間体は、ラベルされていない自殺基質上に形成された。放射性ラベルされた T3転写物を自殺中間体とインキュベートすると、36マーRNAは、ポリアクリルア ミドゲル電気泳動における移動度が遅い(データは示していない)新規な種に変 換された。該産物(48ヌクレオチド)の見かけのサイズは、12マーCCCTT DNA鎖 への連結の指標であった。T3転写物へのDNAの連結の速度論は、図5に示されて いる。反応は、1分以内に、殆ど終了し、その終末点では、29%のインプットRNA がDNAに結合していた。アルカリホスファターゼで処理されていないT3転写物を 含有する反応では、DNA-RNA連結産物は形成されなかった(データは示していな い)。 挿入及び欠失の形成−速度論分析 上述の実験で用いられたアクセプターポリヌクレオチドは、トポイソメラーゼ −DNAドナー複合体の5'一本鎖尾部と完全にハイブリダイズすることができた。 ワ クシニアウイルストポイソメラーゼは、共有結合したドナー3'末端とアクセプタ ーの5'末端の間に、単一のヌクンオチドギャップが残るようにハイブリダイズす るアクセプターオリゴヌクレオチドに、CCCTT鎖を結合し得るということが以前 に示されている。該ギャップを横切って再連結すると、インプット切断容易鎖と 比べて、産物中に1塩基の欠失が生じた(5)。該酵素は、ハイブリダイズしたと き、ドナー3'末端とアクセプターの最後から2番目の塩基対合したヌクレオチド との間に、余分のヌクレオチドを1つ導入するアクセプターオリゴヌクレオチド への鎖転移も触媒する。この場合、再連結は1塩基の挿入をもたらすであろう(5 )。インビトロでの欠失及び挿入の形成は、哺乳類I型トポイソメラーゼでも公表 されていろ(19)。しかし、これらの酵素による鎖の結合速度に対する、アクセプ ター鎖のギャップ及び挿入の効果についての報告はない。 ワクシニアトポイソメラーゼ共有結合中間体によるアクセプターオリゴヌクレ オチド(ドナー複合体と塩基対を形成して、完全な塩基対を成す3'二重構造体セ グメント、又は1ヌクレオチドギャップを有する3'二重構造体、又は2ヌクレオ チドギャップを生じせしめる)への鎖転移の速度論を評価した。最も速い分析時 点である10秒で、84%のインプットDNA基質が、完全にペアリングしたアクセプタ ーに連結した(図6A)。鎖転移産物のサイズは、予想通り30ヌクレオチドであっ た(図7、レーン3)。アクセプター鎖を添加しないと、30マー産物は全く形成 されなかった(図7、レーン2)。 1ヌクレオチドギャップを横切った再連結は、遅いが、きわめて効率的であっ た。1ヌクレオチドのギャップを横切って、85%のインプット基質が結合し、予想 された29ヌクレオチドの産物が得られた(図6A及び図7、レーン4)。図6の速 度論データは、見かけの速度定数0.005秒-1の1次指数関数に良くフィットする 。このように、トポイソメラーゼによる、1ヌクレオチドのギャップを横切った 鎖の閉鎖のシングルターンオーバーは、完全なペアを成すニックを横切って結合 する速度に比べて、102のオーダーで遅かった。ワクシニアワイルストポイソメ ラーゼによって触媒される2ヌクレオチドのギャップを横切った鎖転移は、予想 された28ヌクレオチドの産物を形成したが(図7、レーン5)、該反応は弱かっ た(図6A)。2ヌクレオチドギャップ産物が直線的に蓄積されるのが、2時間の インキュベ ーションにわたって観察され、この時点で、インプットDNAのうち10%が結合され たにすぎなかった。初速度に基づいて、1ヌクレオチドギャップを横切る連結に 比べて、2ヌクレオチドギャップを横切る再連結は、102のオーダーで遅いこと が推測された(従って、ニックを横切った結合の速度に比べて、104のオーダー で遅い)。 5'末端に1又は2のヌクレオチドを余分に含有したDNAアクセプターを用いて、 同様の実験を行った(図6C)。これらのアクセプターへの再連結によって、それ ぞれ31及び32ヌクレオチドのラベルされた鎖転移産物が得られた(図7、レーン 6及び7)。インプットDNAの90%が再連結されて、1ヌクレオチド挿入産物を形 成した(図6C)。lヌクレオチドが挿入された再連結については、0.04秒-1の速 度定数が算出された。2ヌクレオチド挿入産物の形成においても、同様の終末点 が達成されたが、鎖転移速度は相当遅かった(図6C)。2ヌクレオチド挿入で観 察された速度定数は、0.0001秒-1の速度、すなわちニックのKrelに比べて、103 のオーダーで遅かった。 鎖転移に対する5'アクセプター塩基のミスマッチの影響 ドナー複合体の5'尾部の-2〜-18の位置(CCCTTエレメントの切断容易な+1 T:A 塩基対に対して)と塩基対を形成し得るが、切断容易な結合のすぐ3'の位置(-1 )に塩基のミスマッチを有している一群の18マーのアクセプターへの、トポイソ メラーゼによる鎖転移を調べた。正常な-1A:T塩基対を有する対照アクセプター は、10秒で反応を完了し、5秒で終末点の89%に達した(図8)。-1の位置にT:T 、C:T、又はG:Tというミスペアを含有するDNAは、同程度の鎖転移を維持し、各 ケースにおいて、5秒で77%の終末点に達した(図8)。このように、本実験で検出 した限りでは、-1の位置のミスマッチは、鎖転移反応に殆ど影響を与えなかった 。鎖結合ステップの速度に対する塩基のミスマッチの影響と、単一ヌクレオチド の欠失の影響との間には、明確且つ有益な相違が存在する。 分子内ヘアピン形成の速度論 外部のアクセプターオリゴヌクレオチドが存在しない場合には、12マー/30マ ー共有結合複合体の非切断容易鎖の5'OH末端は、向きを変えて、求核試薬として 作用し、DNA−(3-ホスホチロシル)結合を攻撃する(5)。反応産物は、12塩基対の 基部と18ヌクレオチドのループを含有するヘアピン分子である。シングルターン オーバーの条件下で、該反応の速度論を調べた。図9Aに示した実験では、3時間 で65%のインプットCCCTT鎖がヘアピン産物に転換された。観察された速度定数は 、57×10-4-1であった。同時に、18塩基対の切断基質上に形成された共有結合 複合体によるヘアピン形成速度を分析した(図9A)。この場合には、非切断容易 鎖の5'-OHによる攻撃によって12塩基対の基部及び6ヌクレオチドのループを含 有するヘアピン分子が生じた。10時間でインプットCCCTT鎖の69%がヘアピン産物 に転換された。観察された速度定数は、8.2×10-3-1であった。このように、1 8ヌクレオチドの5'尾部は、シスの鎖転移に対して攻撃する求核試薬として、6 マーの5'尾部に比べて約7倍効果的であった。これらの共有結合複合体によるヘ アピン形成は、一本鎖尾部による塩基対合が全く存在しなくても起こることに注 意されたい 再連結の速度に対する、塩基対形成の寄与を調べるために、18マー /30マー基質の底鎖の5'末端と最後から2番目の塩基を5'-ATに変更した(図9B) 。ここでは、底鎖の5'末端の3塩基(5'-ATT)は、脱離鎖(5'-ATTCCC)の5'末 端の塩基と同一である。このため、一本鎖尾部は自己相補的であり、切断容易な ホスフェートに隣接した3つの塩基対を形成することができる。該DNA上への分 子内ヘアピン形成は極めて速く、反応は10〜20秒で完了した(図9B)。観察され た再連結の速度定数は、0.2秒-1であった。この値を非相補的な18マー/30マー 基質に対する再連結速度定数(図9A)と比較することによって、3塩基のペアに より約350倍加速されたと推測された。 CCCTT含有ヘアピン分子のシングルターンオーバー切断の速度論 42ヌクレオチドの5’32Pラベルされたヘアピン産物をゲルで精製し、ワクシニ アトポイソメラーゼによる共有結合付加物を形成するための基質としてテストし た。37℃15秒で、インプット放射能の55%がトポイソメラーゼポリペプチドに転 移した。60秒で90%転移という終末点に達した(データは示されていない)。ヘ アピン 切断の見かけの速度定数は、0.06秒-1であった。このように、トポイソメラーゼ は、切断容易なホスフェートの下流にペアを形成した標準的塩基が存在しないCC CTT含有分子を迅速且つ効率的に切断した。ヘアピン切断の速度定数は、CCCTT部 位の3'の二重構造体DNAのペアリングした5つの塩基を含有する18マー/30マー 目殺基質に対するkctの約1/5である。 考察 ワクシニアトポイソメラーゼは、様々なレパートリーの鎖転移反応を触媒する 。完全な塩基対を成したアクセプターDNAオリゴヌクレオチドへの共有結合したD NAの再連結は、DNA弛緩反応の鎖閉鎖ステップに対するモデルを与える。ここで 、代わりの核酸アクセプターへの鎖転移の速度論を分析する。該知見は、エステ ル転移速度に影響を与えるパラメーターに対する新しい洞察を提供し、トポイソ メラーゼがインビボで突然変異を生成する可能性を明らかにし、RNA修飾酵素と してのワクシニアトポイソメラーゼの実用性を示唆する。 共有結合付加物形成のための糖の特異性は、CCCTTエレメントに存在する ワクシニアトポイソメラーゼは、CCCUU含有RNA鎖には、共有結合できないよう である。このことは、CCCUU鎖がRNA-RNA又はRNA-DNA二重構造体の一部であると きに当てはまる(9)。該酵素の糖特異性は、切断容易なホスフェートの5'側にDNA が存在することが厳格に必要とされることに起因する(すなわち、CCCTT部位がD NAでなければならない)ということが示されている。さらに、以前の実験によっ て、相補的RNA鎖にアニーリングしたときに、CCCTT鎖は切断されないことが示さ れたので(9)、CCCTTエレメントは、DNA-DNA二重構造体でなければならない。こ のことは、切断を受けるためには、CCCTT部位がB型のヘリックスコンフォメーシ ョンをとっていなければならないことを示唆するため、該RNA-DNAハイブリッド の結果は示唆に富むものである。RNA及びDNAポリヌクレオチド鎖は、RNA-DNAハ イブリッドの内部では種々のコンホメーションをとり、DNA鎖が厳密なA又はBの 何れでもなく、実際にはこれら2つの型の中間の特性を示すコンホメーションを とっているのに対し、RNA鎖はA型のヘリックスコンフォメーションを保持してい る(dsRNA中に見出される)(20,21)。ワクシニアトポイソメラーゼは、主溝中の CCCTT部位 のヌクレオチド塩基と接触する(9,22)。これは、CCCTT部位の特異的なホスフェ ートとも接触する(23)。非BコンフォメーションのCCCTT部位をとることによって 、これらの接触が弱められるか、又は失われるのかもしれない。フクシニアトポ イソメラーゼが、切断容易なホスフェートの下流に位置するヌクレオチドの糖の 組成には相対的に影響を受けないという知見は、リガンドの該部分中のヘリック スのコンフォメーションが、部位の認識又は反応化学には重要でないことを示唆 している。トポイソメラーゼは、脱離鎖がRNAであるDNA-p-RNA鎖を切断する。実 際に、平衡時の切断程度は、DNA-p-DNA鎖に対して達成された程度に比べて有意 に高い。 RNAへの鎖転移 DNA-p-RNA基質に対する切断−再連結の平衡定数Keq(=Kcl/Krel)は、RNA再連 結のシングルターンオーバーの速度Krel/RNAが、Krel/DNAの約1/10であるという 発見によって説明できる。それにもかかわらず、RNAへの再連結の程度はきわめ て高く、インプットCCCTT鎖の約90%が、2分の反応で18マーのRNAアクセプター 鎖に再連結される。CCCTT含有DNA鎖は、トポイソメラーゼによって、バクテリオ ファージRNAポリメラーゼによりインビトロで合成された転写物に素早く結合さ れ得ることが示されている。約30%のRNAが、2〜5分の反応で、DNA鎖に転移され る。該特性は、5'末端のRNA配列が知られた任意のRNAの5'にタグを付けるために (すなわち、非切断容易鎖が、意図したRNAアクセプターの5'配列に相補的であ るワクシニアトポイソメラーゼ用の自殺DNA切断基質をデザインすることによっ て)利用することができる。いくつかの実用には、(1)RNAの5'末端の32Pラベリ ング、及び(2)例えば、ビオチン化トポイソメラーゼ切断基質を用いることによ る、RNAの5'末端のアフィニティーラベリングが含まれる。(標準的なT4 RNAリ ガーゼ反応と比較した)トポイソメラーゼを介したRNA鎖の利点としては、研究 者が、RNA分子の複雑な混合物中の所望のRNAにトポイソメラーゼによる連結をタ ーゲッティングし得ることがあり得よう。 フレームシフト及びミスセンス突然変異導入 フクシニアトポイソメラーゼは、窪んだ末端又は余分のヌクレオチドを含有す る相補的なDNAアクセプターに再連結させることにより、フレームシフト突然変 異の相同物を生成することが、以前に報告された(5)。細胞のI型トポイソメラー ゼについても、HenningfeldとHecht(19)によって、同様の反応が記載されている 。主要な問題は、これらの異常な再連結反応が、トポイソメラーゼをインビボで 突然変異原にさせ得る程に強固なものかどうかということである。速度論的な分 析は、これを肯定し、どの種のフレームシフト反応が最も起こりやすいか(トポ イソメラーゼに固有な特性のみを考慮に入れる)という点について初めて手がか りを与える。ワクシニア酵素の場合、フレームシフトを生成する再連結反応の順 序は、+1の挿入>-1の欠失>+2の挿入>>-2の欠失である。 これらのトポイソメラーゼによって触媒される反応の中で最も遅いのは、2ヌ クレオチドのギャップを横切った鎖の閉鎖である(初速度=毎秒インプットされ たDNAの0.002%が再連結)。この場合には、攻撃する求核試薬は、非切断容易鎖 への塩基対合によって、DNA−タンパク質ホスホジエステルから幾らかの距離を 隔てて配置されている。5'ヒドロキシルをホスホジエステルに1塩基対分近づけ ると、反応速度が100のオーダーで増加する。余分に塩基対が導入されたヌクレ オチドは、鎖の結合に対する障害にはなりにくいようであり、1又は2ヌクレオ チドの挿入を形成する。トポイソメラーゼの活性部位は、余分なヘリックスヌク レオチド(extrahelical nucleotide)を収容し得るのかもしれない。あるいは 、トポイソメラーゼによって生じたニックでは、これらのヌクレオチドは、DNA ヘリックス中に挿入されるのかもしれない。 トポイソメラーゼが、インビボでマイナスフレームシフトを形成する経路には 、アクセプター鎖がどのように作られるかという点が異なる2つの経路が考えら れる。(1)脱離鎖の5'末端は、ヌクレアーゼによってトリミングされ、その後、 生じたギャップを横切って連結が起こり得る;又は(2)同種の(homologous)DNA 一本鎖が共有結合中間体を攻撃する。第二の経路では、侵入鎖(invading stran d)を形成するために(及びおそらく脱離鎖を除去するために)、ヘリカーゼが 必要であろう。プラスフレームシフトの場合には、トポイソメラーゼに対して、 後者の経路のみが利用可能であろう。何故なら、元の脱離鎖の5'にヌクレオチド を付 加する機構は存在しないからである。何れの経路が採られるとしても、最も迅速 に触媒される突然変異生成鎖−結合反応が、インビボで最も顕著なものとなる公 算が高いと考えるのが妥当であろう。-2フレームシフトの場合のように、もし 再連結反応が遅ければ、細胞は、突然変異による損傷が修復される(例えば、共 有結合したトポイソメラーゼを除去することによって)機会がより多くなる。こ れには、(1)トポイソメラーゼが結合したDNA鎖の一部を切り出すこと;又は(2) トポイソメラーゼ−DNA付加物の加水分解が必要とされるであろう。後者の反応 を触媒する酵素が、最近Yangらによって発見された(24)。 切断容易なホスフェートに直接隣接する-1位に塩基ミスマッチを導入しても、 再連結速度には、殆ど影響を与えない。この結果は、1ヌクレオチドギャップの1 0-2という速度効果と箸しい対照を成す。-1塩基のミスマッチは、酵素の活性部 位に存在する切断容易なホスフェートと末端ヌクレオチドの5'-ヒドロキシル求 核試薬との近さをあまり変化させないと推定される。該結果は、トポイソメラー ゼがインビトロでミスセンス突然変異を生成する能力を有していることを明確に 示していろ。フレームシフト突然変異導入に関与する上記の一本鎖侵入経路は、 原理的には、トポイソメラーゼがインビボでミスセンス突然変異を作り出す機会 を与える。インビトロでの連結の速度論からは、トポイソメラーゼが生成したミ スセンス突然変異は、フレームシフトよりも顕著だと思われる。 塩基の相補性の速度的寄与度 ワクシニアトポイソメラーゼによる分子内ヘアピン形成の速度論的分析は、鎖 閉鎖における塩基相補性の役割について、初めて定量的な評価を提供する。共有 結合複合体に対してシスの位置に結合している18ヌクレオチドの非ペアリング一 本鎖による、DNA-(3'-ホスホチコシル)結合への攻撃の速度定数は、5.7×10-4-1 であった。-1、-2、及び-3の位置での塩基対形成を可能にするために、一本鎖 尾部の末端塩基のみを変えると、ヘアピン形成の速度定数が350倍増加した。3 つの潜在的な塩基対がシスの位置に連結する速度は、切断容易な結合の3'に18の 塩基対を形成する共有結合されていないアクセプター鎖とほぼ同じ再連結速度で あった。共有結合した酵素が、僅か3つの相補的ヌクレオチドのみを有するDNA 鎖を取 り込んで迅通に再結合するという能力は、ワクシニアトポイソメラーゼが、鎖の 浸入を介して、又は2つのトポイソメラーゼ−DNA複合体間での相互的な鎖転移 によって、インビボで組換え中間体の形成を触媒するという推測に信憑性を与え る(25)。 遺伝子配列の生成 既知の配列の96塩基テストRNA断片(GGG AGA CCC AAG CTC GCC CGG TTC TTT T TG TCA AGA CCG ACC TGT CCG GTG CCC TGA ATG AAC TGC AGG ACG AGG CAG CGC G GC TAT CGT GGC TGG)を用いて、遺伝子配列をクローニングするためのDNAタグ 付加RNA(DNA-tagged RNA)の使用を評価した。該テストRNAは、製造者が供与し たプロトコールを利用して、アンビオン社(Ambion Co.)のT7インビトロ転写モ ット(Invitrotranscription kit)を用いて合成した。 トポイソメラーゼ−DNA中間体は、以下のように作成した。 エッペンドルフチューブ中の2×B&W緩衝液(10mM Tris pH 7.5,1mM EDTA,2M NaCl)25Lで2度、25μLのストレプトアビジン結合ダイナビーズ(Dynal)を洗 浄した後、50μLの1×B&W緩衝液中に再懸濁した。1.5μgのビオチン化オリゴ(T OPOB1)及び2つのアニーリングオリゴ(TOPOP2、TOPOP3)0.75μgを前記ビーズ に加え、5分間70℃に加熱した後、氷上で2分間冷却した。次に、各々25μLのNEB #1緩衝液(New England Biolabs−10mM Bis Tris Propane-HCl,10mM MgCl2,1 mM MDTT,25℃でpH7.0)で該ビーズを2度洗浄して、アニーリングしなかった全 てのオリゴヌクレオチドを除去した。オリゴヌクレオチドは、ドルトン・バイオ ケミカルズ(Dalton Biochemicals:Canada)によって合成され、以下の配列を 有していた。 TOPOB1-5’B-GTTTTGGCTCCCATATACGACTCGCCCTTNTTCCGATAGTG TOPOP2-5’-NAAGGGCGAGTC TOPOP3-5’-CACTATCGGAA TOPOB1の5'末端は、ビオチン化されたグアニンヌクレオチドを用いることによ って、自動化された合成のラウンド中にビオチン化した。 アニーリングステップの後、DNA基質は、基本的に以前記載したように、ワク シニアトポイソメラーゼを用いて修飾した。25μLの1×NEB #1緩衝液中のビーズ に 、約2.5μgのフクシニアトポイソメラーゼ1を添加した。室温で5分間、該混合 物を回転している輪の上に置いた後、25μLの1×NEB #1緩衝液中で3回洗浄した 。洗浄されたトポイソメラーゼ-DNA中間体を結合したビーズ10μLに、約100〜20 0ngの96マーRNAを添加した後、15μLの0.5M NaClを添加し(最終濃度0.3M)、チ ューブを5分間室温で回転した。 次に、DNA付加RNAを結合したビーズを1×RT緩衝液で2度洗浄し(cDNAサイク ルキット、インビトロゲン、カールスバッド、CA、cat.# L1310-01)、RT96で プライミングし(第一の鎖の合成)、製造者のマニュアルに従って、cDNAサイク ルキット、並びにプライマーPCR96及びPCR53を用いてPCRを行った。 RT96-5’-CCACGATAGCCGCGCT PCR96-CGTCCTGCAGTTCATTCAG PCR53-GGCTCCCATATACGACTC 反応サイクルは、以下の通りであった。94℃で2分、その後25〜35サイクル(1 0秒/サイクル)94℃、55℃、及び72℃の後、72℃で5分。製造者のマニュアル従 い、TOPOTMTAクローニングキット(インビトロゲン、カールスバッド、CA、cat .#K4500-01)を用いて、生じた増幅されたcDNAをプラスミドベクター中に挿入 した。 ここまでは、本発明の具体的な実施態様を参照してきたが、当業者であれば、 以下の請求の範囲においてその範囲が定義されている本発明の原理及び精神から 外れずに、これらの実施態様を変化させ得ることが理解できよう。
【手続補正書】 【提出日】平成11年4月2日(1999.4.2) 【補正内容】 1.明細書第29頁第18行目「該混合物を37で、分インキュベートした。 」とある記載を、「該混合物を37℃で、10分間インキュベートした。」と訂正す る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シューマン、スチュアート アメリカ合衆国、ニューヨーク州 10021、 ニューヨーク、アパートメント 9アー ル、イースト・シックスティーサード・ス トリート 504 (72)発明者 セキグチ、ジョアン アメリカ合衆国、マサチューセッツ州 02178、ベルモント、エルム・ストリート 97 (72)発明者 フェルナンデッツ、ジョーゼフ アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92008、カールスバッド、スカイライン・ ストリート 3930 (72)発明者 マーシル、ロバート アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92008、カールスバッド、ファラデイ・ア ベニュー 1600 (72)発明者 ホーフラー、ジェイムズ アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92009、カールスバッド、ジャスミン・コ ート 957 (72)発明者 コミスキー、ジョン アメリカ合衆国、カリフォルニア州 90028、カールスバッド、アダムス・アベ ニュー 3764

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.DNA鎖をRNA鎖に共有結合せしめる方法であって、 (a) トポイソメラーゼ切断部位を具備するDNA切断基質と、該部位に対して 特異的なトポイソメラーゼとをインキュベートすることによって、一以 上の5'一本鎖尾部を有するトポイソメラーゼ−DNA中間体を形成するこ とと、 (b) トポイソメラーゼ−DNA中間体の共有結合したDNA鎖が、RNAアクセプタ ー鎖に連結することができ、且つトポイソメラーゼが解離し得る条件下 において、前記トポイソメラーゼ−DNA中間体に、前記5'一本鎖尾部に 相補的なアクセプターRNA鎖を添加することにより、DNA鎖をRNA鎖に共 有結合せしめること とを具備する方法。 2.請求項1の方法であって、トポイソメラーゼ切断部位を有するDNA鎖を相 補的DNA鎖にハイブリダイズすることによって、DNA切断基質を作出し、それによ りトポイソメラーゼ切断部位及び切断容易な結合の3'に位置するオリゴヌクレオ チド脱離基を有するDNA切断基質を形成する方法。 3.請求項1の方法であって、DNA切断基質が、トポイソメラーゼ切断部位を 具備するプラスミドベクターである方法。 4.請求項1の方法であって、トポイソメラーゼ切断部位がCCCTTを具備する 配列である方法。 5.請求項1の方法であって、トポイソメラーゼがワクシニアトポイソメラー ゼ酵素である方法。 6.請求項1の方法であって、トポイソメラーゼ切断部位を具備するDNA鎖が 放射性ラベルされている方法。 7.請求項6の方法であって、放射性ラベルが、32P又は放射性ハロゲンであ る方法。 8 請求項1の方法であって、トポイソメラーゼ切断部泣を有するDNA鎖が、 ビオチン部分でラベルされている方法。 9 請求項1の方法であって、トポイソメラーゼ結合DNA中間体とアクセプタ ーRNA鎖がインビトロで連結される方法。 10.一以上の5'一不鎖尾部を具備するトポイソメラーゼ−DNA中間体分子。 11.請求項10のトポイソメラーゼ−DNA中間体分子であって、5'一本鎖尾 部が特異的な配列を具備するトポイソメラーゼ−DNA中間体分子。 12.請求項1の方法のステップ(a)によって生じた5'一本鎖尾郎を具備する トポイソメラーゼ−DNA中間体分子。 13.5'一本鎖尾部が特異的な配列を具備する、請求項1の方法のステップ(a )によって生じた5'一本鎖尾部を具備するトポイソメラーゼ−DNA中間体分子。 14.DNA鎖が放射性ラベルされている、請求項1の方法のステップ(a)によっ て生じた5'一本鎖尾部を具備するトポイソメラーゼ−DNA中間体分子。 15.放射性ラベルが32P又は放射性ハロゲンである請求項13のトポイソメ ラーゼ−DNA中間体分子。 16.DNA鎖がアフィニティーラベルされている、請求項1の方法のステップ( a)によって生じた5'一本鎖尾部を具備するトポイソメラーゼ−DNA中間体分子。 17.アフィニティーラベルがビオチン部分、キチン結合ドメイン、又はグル タチオン-S-トランスフェラーゼ部分である請求項16のトポイソメラーゼ−DNA 中間体分子。 18.トポイソメラーゼ触媒によって共有結合されたDNA-RNA分子。 19.請求項1の方法によって共有結合されたDNA-RNA分子。 20.5'末端ラベルを有する、請求項19の共有結合されたDNA-RNA分子。 21.5'末端ラベルが32P又は放射性ハロゲンである請求項20の共有結合さ れたDNA-RNA分子。 22.5'末端ラベルがビオチン部分、キチン結合ドメイン、又はグルタチオン -S-トランスフェラーゼ部分である請求項20の共有結合されたDNA-RNA分子。 23.ラベルされた5'末端を有する共有結合されたDNA-RNA分子。 24.5'末端ラベルが32P又は放射性ハロゲンである請求項23の共有結合さ れたDNA-RNA分子。 25.5'末端ラベルがビオチン部分、キチン結合ドメイン、又はグルタチオン -S−トランスフェラーゼ部分である請求項23の共有結合されたDNA-RNA分子。 26.RNA分子の5'末端にタグ付加する方法であって、 (a) トポイソメラーゼ切断部位を具備するDNA切断基質と、該部位に対して 特異的なトポイソメラーゼとをインキュベートすることによって、一以 上の5'一本鎖尾部を有するトポイソメラーゼ−DNA中間体を形成するこ とと、 (b) トポイソメラーゼ−DNA中間体の共有結合したDNAが、RNA分子に連結す ることができ、且つトポイソメラーゼが解離し得る条件下において、前 記トポイソメラーゼ−DNA中間体に、前記5'一本鎖尾部に相補的な5'ヒ ドロキシル末端化されたRNA分子を添加することにより、5'末端タグ付 加DNA-RNA連結産物を形成すること とを具備する方法。 27.5'ヒドロキシル末端化されたRNA分子が、インビトロ合成の産物又は細 胞若しくは組織から単離した産物である請求項26の方法。 28.合成又は単離後に、RNA分子が脱リン酸化される請求項27の方法。 29.RNA分子をアルカリホスファターゼで処理することによって、脱リン酸 化が達成される請求項28の方法。 30.請求項26の方法であって、トポイソメラーゼ切断卸位を有するDNA鎖 を相補的DNA鎖にハイブリダイズすることによって、DNA切断基質を作出し、それ によりトポイソメラーゼ切断部位及び切断容易な結合の3'に位置するオリゴヌク レオチド脱離基を有するDNA切断基質を形成する方法。 31.トポイソメラーゼがワクシニアトポイソメラーゼ酵素である請求項26 の方法。 32.切断部位がCCCTTを具備する請求項26の方法。 33.DNAが5'末端ラベルを具備する請求項26の方法。 34.請求項33の方法であって、5'末端ラベルがビオチン部分、キチン結合 ドメイン、又はグルタチオン-S-トランスフェラーゼ部分である請求項33の方 法 35.5'ヒドロキシル末端化されたRNA分子の添加に先立って、5'末端ラベル されたDNAを固相支持体上に固定化することをさらに具備する請求項33の方法 。 36.固相支持体がストレプトアビジン、アビジン、キチン、又はグルタチオ ンを具備する請求項35の方法。 37.未修飾のRNAを具備する液相から5'末端ラベルされたDNA-RNA連結産物が 固定化されている固相支持体を分離することにより、ビオチン化された5'末端タ グ付加DNA-RNA連結産物を精製することをさらに具備する請求項35の方法。 38.5'末端タグ付加RNA分子。 39.タグがDNA配列である請求項38の5'末端タグ付加RNA分子。 40.さらに5'末端ラベルを具備する請求項39の5'末端タグ付加RNA分子。 41.ラベルが32P又は放射性ハロゲンである請求項41の5'末端タグ付加RNA 分子。 42.ラベルがビオチン部分、キチン結合ドメイン、又はグルタチオン-S-ト ランスフェラーゼ部分である請求項43の5'末端タグ付加RNA分子。 43.請求項26の方法によって作成された5'末端タグ付加RNA分子。 44.トポイソメラーゼを用いることによってインビトロで結合したDNA-RNA 分子。 45.(a)完全長のmRNAを単離することと; (b)該単離したmRNAにDNAタグ配列を付着することと; (c)タグ付加したmRNAをテンプレートとして用いてcDNAを合成すること とを具備する完全長の遺伝子配列を得る方法。 46.アフィニティー精製材料を利用することによって、mRNAを単離する請求 項45の方法。 47.単離されるmRNAが、アフィニティー精製タグ付加キャップ構造を具備す る請求項46の方法。 48.アフィニティー精製タグがビオチン部分、キチン結合ドメイン、又はグ ルタチオン-S-トランスフェラーゼ部分である請求項46の方法。 49.アフィニティー精製材料が、フェニルボロン酸、ストレプトアビジン、 アビジン、キチン、又はグルタチオンと複合体を形成した固相支持体を具備する 請求項46の方法。 50.固相支持体が磁気ビーズ又はセファロースである請求項49の方法。 51.mRNAが植物細胞又は動物細胞から単離される請求項45の方法。 52.動物細胞が哺乳類細胞又は昆虫細胞である請求項51の方法。 53.単離した後にmRNAがデキャッピングされ、且つ脱リン酸化される請求項 45の方法。 54.酵素的に又は化学的処理によって、mRNAがデキャッピングされる請求項 53の方法。 55.酵素がピロホスファターゼである請求項54の方法。 56.化学処理が過ヨウ素酸酸化又はβ脱離である請求項54の方法。 57.mRNAがアルカリホスファターゼを用いて脱リン酸化される請求項53の 方法。 58.DNAタグ配列がI型トポイソメラーゼに対する認識部位を具備する請求 項45の方法。 59.DNAタグ配列が部位特異的制限エンドヌクレアーゼに対する認識部位を さらに具備する請求項58の方法。 60.I型トポイソメラーゼがワクシニアDNAトポイソメラーゼである請求項 58の方法。 61.DNAタグ配列が図11に示されている二本鎖配列を具備し、Nがアデノ シン部分、グアノシン部分、シトシン部分、又はチミジン部分を表している請求 項58の方法。 62.Nが1〜4ヌクレオチド塩基である請求項61の方法。 63.ワクシニアDNAトポイソメラーゼが二本鎖タグ配列に共有結合している 請求項61の方法。 64.増幅用プライマーがタグ配列(5')と遺伝子特異的配列(3')のアンチコー ド配列を具備する、合成したcDNAを増幅することをさらに具備する請求項45の 方法。 65.増幅されたcDNAを発現ベクター中に挿入することをさらに具備する請求 項64の方法。 66.DNAタグ配列が直鎖状にされた発現ベクターである請求項45の方法。 67.請求項45の方法によって調製した単離された完全長の遺伝子配列。 68.請求項45の方法の調製した単離された完全長の遺伝子配列及び発現ベ クターを具備する核酸構築物。 69.発現ベクターが、プロモーター−エンハンサー配列、選択マーカー配列 、複製起点、エピトープタグをコードする配列、又はアフィニティー精製タグを コードする配列から選択される1以上の要素を具備する請求項68の核酸構築物 70.プロモーター−エンハンサー配列が、T7プロモーター、gallプロモータ ー、メタロチオネインプロモーター、AraCプロモーター、又はCMVプロモーター −エンハンサーである請求項69の核酸構築物。 71.選択マーカー配列が、抗生物質耐性遺伝子をコードする請求項69の核 酸構築物。 72.エピトープタグ配列が、V5、ペプチドPhe-His-His-Thr-Thr、ヘマグル チニン、又はグルタチオン-S-トランスフェラーゼをコードする請求項69の核 酸構築物。 73.アフィニティー精製タグ配列がポリアミノ酸又はポリペプチドをコード する請求項69の核酸構築物。 74.前記ポリアミノ酸配列がポリヒスチジンである請求項73の核酸構築物 。 75.前記ポリペプチドがキチン結合ドメイン又はグルタチオン-S-トランス フェラーゼである請求項73の核酸構築物。 76.前記ポリペプチドをコードする配列が、インテインをコードする配列を 含んでいる請求項73の核酸構築物。 77.発現ベクターが、真核生物発現ベクター又は原核生物発現ベクターであ る請求項68の核酸構築物。 78.真核生物発現ベクターが、pYES2、pMT、pIND、又はpcDNA3.1.である請 求項77の核酸構築物。 79.完全長遺伝子配列を得る方法であって、 (a)アフィニティー精製材科を利用することによって完全長のmRNAを単離する ことと: (b)単離されたmRNAをデキャッピングし、脱リン酸化することと; (c)該デキャッピングし、脱リン酸化したmRNAに、図11に示されている配列 を 具備し、且つワクシニアDNAトポイソメラーゼが付着しているDNAタグ配列を 付着せしめることと: (d)テンプレートとしてタグ付加されたmRNAを用いてcDNAを合成することと; (e)合成されたcDNAを増幅し、ここで増幅プライマーがタグ配列(5')のアンチ コ−ド配列と遺伝子特異的配列(3')を具備していることと; (f)発現ベクター中に増幅されたcDNAを挿入すること とを具備する方法。
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