JP2001506634A - 粘膜下組織抽出物 - Google Patents

粘膜下組織抽出物

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Abstract

(57)【要約】 温血脊椎動物粘膜下組織から生物学的活性抽出物を調製する方法が記載されている。前記粘膜下組織を抽出賦形剤(補助剤;excipients)の水溶液を用いて抽出し、前記抽出された生物学的活性成分を前記抽出賦形剤から分離し、生物学的活性成分類に富む分離抽出物を得る。前記分離抽出物は、特に、in vitro細胞成長および細胞増殖を促進するための細胞増殖培地添加物として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 粘膜下組織抽出物 本発明は米国政府の後援で、米国保健機構の認める基金#1 RO1 HD31 425−01によって行われた。米国政府は本発明に一定の権利を保有する。 発明の分野 本発明は、天然組織の基底膜から調製される生物学的活性抽出物または濃縮物 、および細胞の成長と増殖を促進させる前記抽出物の使用に関するものである。 より詳細に述べるならば、本発明は粘膜下組織抽出物およびその調製、それにin vivoおよびin vitroな細胞増殖を促進するためのそれらの使用に向けられる。 発明の背景および概要 種々の基底膜およびその他の細胞外基質が組織移植片構成物として、または細 胞培養基質として利用できることは報告されている。複合基質に由来する数種の 基質製品がin vitro細胞増殖の促進の目的に使用するために市販されている。例 えば、ベクトン・デイキンソン(Becton Dickinson)は現在この種の2製品、す なわちヒト細胞外基質(Human Extracellular Matrix)およびマトリゲル(MATR IGEL)商標)基底膜基質を提供している。ヒト細胞外基質はヒト胎盤由来のクロ マトグラフィーで一部精製された基質抽出物で、ラミニン、コラーゲンIV、お よびヘパリン硫酸プロテオグリカンを含む(クラインマン(Kleinman,HK)ら、米 国特許第4,829,000号(1989))。マトリゲル(MATRIGEL)はエンゲル ブレス−ホルム−スワーム(EHS)腫瘍の可溶性基底膜抽出物であり、再構成 基底膜を形成するようにゲル化したものである。これらの基質製品は両方とも費 用のかかる生化学的分離、精製および合成技術を必要とし、したがって製造コス トが高い。 温血脊椎動物から採取した粘膜下組織は、in vivoでは損傷組織または疾患組 織の修復を誘発し、in vitroでは細胞集団の増殖および分化を誘発する特異な移 植片材料として大いに有望なコラーゲン性基質である。粘膜下組織は粘膜層の選 択された部分および外側筋層を機械的に除去し、残っている細胞を低張洗浄液で 溶解することによって調製された主として細胞外基質材料からなる。これまでの 生化学的分析によると、小腸粘膜下組織の組成がその他の基底膜/細胞外基質構 造のそれと同様であり、コラーゲン類、プロテオグリカン類、グリコサミノグリ カン類および糖タンパク質の複雑な配列からなることを示している。粘膜下組織 と同様な細胞外基質組織に共通して確認される主要成分は、細胞粘着タンパク質 類、フィブロネクチン、ヴィトロネクチン、トロンボスポンジン、およびラミニ ン;構造成分類、コラーゲンおよびエラスチン;およびプロテオグリカン類、セ ルグリシン、バーシカン、デコリン、およびパールカンを含む。 多くの研究は、下部尿道、体壁、腱、靭帯、骨、心臓血管組織および中枢神経 系等の多くのin vivo微小環境に移植された粘膜下組織が、ホスト組織の増殖、 組織構造のリモデリングおよび再生を誘発し得ることを示している。移植時に細 胞侵潤および速やかな血管新生が認められ、粘膜下細胞外基質材料が部位特異的 構造および機能特性を有するホスト置換組織に再建される。 粘膜下組織は種々のソース、すなわち食肉生産用に飼育されている動物、例え ばブタ、ウシおよびヒツジまたはその他の温血脊椎動物から摘出した腸組織等か ら得ることができる。組織移植片として、粘膜下組織はリモデリングを受け、ホ ストに移植されると内因性組織の増殖を誘発する。それは血管移植片、膀胱およ びヘルニヤ修復、腱および靭帯の置換および修復、および皮膚移植片に成功裏に 用いられてきた。組織移植片組成物としての粘膜下組織の調製および使用は米国 特許第4,902,508号、第5,281,422号、第5,275,826号、第 5,554,389号に記載されている。 細胞外基質成分と細胞との直接相互作用は、発育中の移動、増殖および分化の 基礎となるプロセスを仲介することが知られている。しかし創傷治癒および組織 再生における細胞外基質の役割はそれほどは十分には研究されていない。本発明 により、粘膜下組織を抽出し、粘膜下組織の生物学的活性成分が分離され、かつ 活性形態で含まれる組成物を提供できることが判明した。このような富化抽出物 を組織培養培地の添加物として用いてin vitro細胞成長および増殖を促進するこ とができ、かつまた局所塗布用クリームおよび包帯等の創傷治癒組成物のための 活性成分として使用することもできる。 図面の簡単な説明 図1Aおよび図1Bは、2種類の増殖因子アッセイにおける3T3線維芽細胞 に与える血清の影響を比較したものである。ウシ新生児血清標準を、全細胞増殖 を調べるアラマーブルーアッセイ(●)(図1A参照)および、DNA合成を調べ る[3H]−チミジン取り込みアッセイ(○)(図1B参照)で試験した。生デー タの単位はアラマーブルー試験では蛍光(λ=590)であり、[3H]−チミ ジンではcpm/ウェル(×10-4)である。右側の軸でデータは相対的増殖因 子単位(GFU)として表わされ、変換等式が与えられている。データ点の各組 は1つの代表的実験から得た3回づつのサンプルの平均値±S.D.である。 図2A−図2Dは、バイオアッセイにおける精製増殖因子に対する応答を示す 。数種の増殖因子に対する3T3線維芽細胞の応答を、全細胞増殖について(ア ラマーブルーアッセイ、●、左軸)およびDNA合成について([3H]−チミ ジンアッセイ、○、右軸)測定した。市販のブタTGFβ1(図2A)、ウシFG F−2(図2B)、ブタPDGF(図2C)、およびヒトEGF(図2D)を、線維 芽細胞では効果的であることが知られている濃度範囲で試験した。 図3A−図3Dは、2種類の増殖因子アッセイにおける線維芽細胞に対するS IS抽出物の影響の比較である。アラマーブルーアッセイ(●)および[3H] チミジンアッセイ(○)におけるSIS抽出物の用量−反応曲線は、種々の抽出 物の範囲および活性の差を示す。腸粘膜下組織は塩酸グアニジン(図3A)、尿素 (図3B)、MgCl2(図3C)またはNaCl(図3D)のいずれかで抽出し た。 図4は、増殖因子特異抗体による活性の中和を示し、[3H]−チミジンアッ セイにおける標準FGF−2(▲)およびSISの2M尿素抽出物(○)のFG F−2活性の中和を示す。データは2実験の平均値である。100%の対照活性 (抗体なし)の数値は1ng/mL FGF−2では3.55±0.03GFU、 0.2mg/mL尿素抽出物では4.96±0.05GFUであった。 図5は、増殖因子特異抗体による活性の中和を示し、アラマーブルーアッセイ における、標準TGFβ1(▲)およびSISからの4Mグアニジン抽出物(● )のTGFβ活性の中和を示す。データは反復実験の平均値である(TGFβ1 、n=2;グアニジン抽出物、n=3)。100%対照(抗体なし)の数値は2 0pg/mLのTGFβ1では0.23±0.01GFU、そして40μg/mL の尿素抽出物では0.15±0.05GFUであった。 図6は、SIS抽出物中のTGFβ関連タンパク質の免疫検出を示す図である 。TGFβの標準であるβ1(10ng)、β2(20ng)、β3(20ng)、ウ シ骨のグアニジン抽出物40μg(B)およびブタのグアニジン抽出物SIS1 60μg(S)、およびSISのグアニジン抽出物からカラムクロマトグラフによ って一部精製した活性フラクション200μg(SP)を、4−20%SDS− PAGEで分離し、PVDF紙に電気ブロッテイングした。TGFβの検出はT GFβに対するアフィニティー精製pan-specificポリクローナル抗体(1:1, 000)で行った。HRPに結合した二次抗体は1:15,000であった。 図7は3T3線維芽細胞増殖に対する胃粘膜下組織の影響を示す。胃粘膜下組 織の尿素(DSSの1’尿素)または塩酸グアニジン抽出物(DSSの1’Gn Hcl)に対する線維芽細胞の反応をアラマーブルーアッセイを用いて測定した 。ウシ新生児血清(NNCS)を対照として用い、NNCS中に存在することが 知られている増殖因子に対する3T3細胞の用量反応−標準曲線を作成した。結 果は相対的増殖因子単位、GFU、として表わされる。 図8は、胃粘膜下組織(SS)、小腸粘膜下組織(SIS)、および膀胱粘膜下組 織(UBS)の抽出物に対する3T3線維芽細胞の反応の比較を示す。ウシ新生 児血清(NNCS)を対照として用い、NNCS中に存在することが知られてい る増殖因子に対する3T3細胞の用量−反応標準曲線を作成した。結果は相対的 増殖因子単位、GFU、として表わされる。 図9は、胃粘膜下組織(SS)、小腸粘膜下組織(SIS)、および膀胱粘膜下組 織(UBS)の抽出物に対する3T3線維芽細胞の反応の比較を示す。ウシ新生 児血清(NNCS)を対照として用い、NNCS中に存在することが知られてい る増殖因子に対する3T3細胞の用量−反応標準曲線を作成した。結果は相対的 増殖因子単位、GFU、として表わされる。 発明の詳細な説明定義 下記の本文中に用いる略語は次の通りである。 SIS:小腸粘膜下組織; FGF−2:基礎的線維芽細胞増殖因子(成長因子); TGFβ:変換増殖因子ベータ; GF:増殖因子; EGF:上皮(表皮細胞)増殖因子; HEP:ヘパリン; HS:ヘパラン硫酸; HS:ヒアルロン酸; PDGF:血小板由来増殖因子 本明細書に用いる用語“生物学的活性成分(bioactive component)”は有効量 の化合物または分子を細胞と接触させた際、検出可能の細胞性反応を直接または 間接的に誘発するあらゆる化合物、分子または錯化合物(complex)を含む。検出 可能な細胞性反応とは、細胞形態学、増殖、成長、タンパク質または遺伝子発現 などの変化を含む。コラーゲンは本明細書の生物学的活性物質の定義によると、 生物学的活性物質ではない。 本明細書に使用する用語“抽出賦形剤(補助剤;excipient)”とは、高分子構 造を崩壊(分断)する作用物質に関係し、化合物類をその物理的特性に基づいて 相互に隔離/分離するのに役立つ作用物質も含む。 本明細書に用いる用語“カオトロピック(chaotropic)試薬”とは、分子間ま たは分子内のイオン結合または水素結合で妨害することによって高分子構造を崩 壊する作用物質に関係する。 ここに用いる用語“富化(enriched)”は、外部ソースからの成分の添加なしに 、複合的な組成物の1つ以上の成分の割合が増加することを言う。よって、粘膜 下組織の富化抽出物とは、ソース粘膜下組織の元々の成分類の或るものの割合が 、そのソース粘膜下組織のその他の元々の成分類に比較して高くなっている抽出 物である。 TGFβ関連因子は、TGFβと同様の活性プロフィールを示す化合物である (すなわち、細胞とこの化合物とが接触した際に、細胞の成長、増殖、形態およ びタンパク質発現に関してTGFβと同様な細胞反応を誘発する)。 本発明は一部は、生物学的活性抽出物およびその調製方法に向けられる。上記 組成物は、粘膜下組織を1つ以上の抽出賦形剤の水溶液で抽出し、抽出された粘 膜下組織生物学的活性成分と抽出賦形剤とを含む水溶液を形成するという方法で 調製される。抽出された生物学的活性成分をその後当業者には公知の方法を用い て抽出賦形剤から分離し、生物学的活性組成物を提供する。 本発明の生物学的活性組成物のソースおよび出発材料として用いられる粘膜下 組織は、温血脊椎動物の腸組織並びにその他の組織ソース、すなわち温血脊椎動 物の消化管、気道、尿路管または生殖管等から分離した粘膜下組織を含む。腸組 織の調製は米国特許第4,902,508号に記載され、特許請求されている。そ の開示は本明細書の記載の一部とする。膀胱粘膜下組織およびその調製は米国特 許第5,554,389号に記載されている。この開示は本明細書の記載の一部と する。胃粘膜下組織も同様な組織処理法を用いて調製され、特徴づけられる。こ の種のものは、1996年12月10日に提出された「胃粘膜下組織由来組織移 植片」と題する米国特許出願第60/032683号に記載されている。つまり 、胃粘膜下組織は胃切片から、腸粘膜下組織の調製と同様な処理法で調製される 。胃組織切片を先ず縦方向にふき取ることで剥離し、外側層(特に平滑筋層)お よび粘膜層の管腔部分を除去する。得られた粘膜下組織は約100−200μm の厚さを有し、主として(98%より多く)無細胞性の、好酸性で染まる(H& E染色)細胞外基質物質からなる。 本発明による生物学的活性組成物のソースとして使用するための好ましい粘膜 下組織は、腸粘膜下組織、胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、および子宮粘膜下組 織を含む。腸粘膜下組織が一つの好ましい出発材料であり、温血脊椎動物腸の筋 層および少なくとも粘膜層の両方から剥離した腸粘膜下組織が特によい。 本発明により抽出するための前記分離粘膜下組織は、低張溶液でよくすすぎ、 まだ粘膜下組織と結合している細胞をすべて溶解し、細胞分解産物を除去すると いう方法で調製される。一般には、粘膜下組織を抽出行程の前に細砕する。好ま しくは粘膜下組織を凍結し、工業的ミキサーで液体窒素下で粉末状にし、−80 °で抽出行程まで保存する。 細砕した粘膜下組織を1種類以上の抽出賦形剤の水溶液を用いて抽出し、粘膜 下組織の抽出された生物学的活性成分と抽出用賦形剤とを含む水溶液を調製する 。抽出は、増殖因子を抽出する場合は一般には中性に近いpH(約5.5ないし約 7.5)で行われ、グリコサミノグリカン成分類の抽出中は酸性pHで行われる。 抽出中の溶液温度は約0ないし約50℃の間に維持される。 本発明による粘膜下組織から生物学的活性成分類を抽出する水溶液を得るため に用いる抽出賦形剤は、酵素類、および酵素阻止剤、緩衝液、塩化ナトリウムお よび塩化マグネシウム等のカオトロピック塩類、そして尿素およびグアニジン等 のその他のカオトロピック試薬を含む。一般的には抽出賦形剤は少なくとも緩衝 剤、および尿素、グアニジン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムおよび非イオ ン性またはイオン性表面活性剤からなる群から選択されるカオトロピック試薬を 含む。カオトロピック試薬としてグアニジンを用いる際には、約2ないし約6M の濃度で用いるのが一般的であり、約4Mが最も一般的である。抽出賦形剤とし て尿素を用いる抽出用溶液は尿素を約2ないし約8Mの濃度で含み、より好まし くは約2ないし約4M尿素を含む。カオトロピック塩の溶液類は約2ないし約8 Mで使用できる。抽出用賦形剤の種類および濃度等の抽出条件を選択し、最適化 して、抽出行程中に生物学的活性成分を変性させずに、それらを可溶化する。 その後、当業者には公知の、透析および/またはクロマトグラフィー法等の方 法を用いて、抽出溶液中の生物学的活性成分類を抽出用賦形剤から分離するとい う方法で、本発明の生物学的活性粘膜下組織抽出物を得る。好ましくは抽出溶液 を透析して抽出用賦形剤の濃度を減らすかまたは除去して、抽出された生物学的 活性成分の溶液を得る。生成溶液を凍結乾燥すると、本発明の生物学的活性組成 物が安定な凍結乾燥物として得られる。 本発明の組成物に含まれる生物学的活性化合物類の性質および量は、抽出溶液 に用いる抽出用賦形剤の性質および組成に依存する。例えば、pH7.4緩衝液 中の2M尿素は、基礎的線維芽細胞増殖因子およびフィブロネクチン富化抽出フ ラクション(fraction)を与え、同じ緩衝液中の4Mグアニジンは、変換増殖因 子βの活性プロフィールを示す化合物に富む抽出フラクションを与える。 その他の抽出用賦形剤を使用すれば、プロテオグリカン類、糖タンパク質類お よびグリコサミノグリカン類を含む生物学的活性抽出が得られる。このような化 合物の例は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸Aお よびコンドロイチン硫酸Bである。 正常な組織修復プロセスは、それが再生であれ瘢痕形成であれ、基礎的細胞− 細胞および細胞−細胞外基質相互作用によって組織化される分解および生合成プ ロセスの複雑な多成分カスケードによって特徴づけられる。これらのプロセスは 、単球/マクロファージ、線維芽細胞および毛細管内皮細胞等の種々の細胞型を 含み、および/またはこれらによって方向づけられる。分泌された循環する細胞 外基質結合増殖因子類は協力して作用し、修復プロセス中の細胞の移動、増殖お よび分化を調節する。例えば、PDGF、EGF、TGFα、TGFβおよびF GF−2は、今なお増加し続けるリスト中のほんの一部である。胚および胎児成 長期に起きる組織発達と同様に、組織修復の事象は細胞、細胞外基質分子および 増殖因子間の相互作用によって仲介される。組織リモデリングプロセスに関する 研究から、現在では増殖因子が細胞外基質成分の合成および沈着(deposition)を 調節し、また逆に、合成された細胞外基質成分が増殖因子の有用性と活性を調節 することが明らかになった。 組織損傷に応答した瘢痕形成に対し、組織再生プロセスは種々の生物材料の移 植によって活発にすることができる。組織工学の分野はこれまで、組織置換また は創傷修復増幅のための自然に起こる、および/または合成される材料の開発に 焦点を当ててきた。本発明によって調製される生物学的活性組成物は、in vitro およびin vivoにおいて細胞成長および増殖を促進することができる。このため 任意に、上記組成物を滅菌して、細胞組織培養用栄養培地の添加物として、また は創傷治癒組成物のための一成分として使用することができる。例えば十分有効 に治癒を促進する量の上記組成物をクリームベースに加え、傷に塗って治癒を促 進する局所用軟膏を調製することができる。或いは、本発明による生物学的活性 組成物の溶液を包帯またはその他の創傷包帯の、傷と接触する部分に塗布するこ ともできる。この際これら包帯は創傷治癒を促進する有効量の生物学的活性組成 物を傷に運搬するための担体として作用する。 さらに、粘膜下組織の成分類で治療した傷の修復を未治療の対照傷と比べて観 察すると、創傷治癒の基礎的原理を研究する機会が与えられる。この生物材料に 存在する活性因子類の組成物の最初の理解は、ホスト組織と交換される生化学的 シグナルおよび応答の研究に重要である。同様に、TGFβ関連性タンパク質と FGF−2の両方を粘膜下組織抽出物中のその他の生物学的活性成分類と共に明 らかにすることによって、創傷治癒および組織再生生物材料としての粘膜下組織 の特性の背後にある新たなメカニズムを洞察することになる。 本発明の分離抽出物は、グルタールアルデヒドなめし、酸性pHにおけるホル ムアルデヒドなめし、エチレンオキシド処理、プロピレンオキシド処理、ガスプ ラズマ滅菌、ガンマ照射、および過酢酸滅菌等の一般的滅菌方法を用いて滅菌で きる。粘膜下組織成分の生物学的活性を顕著には変えない滅菌方法を用いるのが 好ましい。好ましい滅菌方法としては、移植片を過酢酸にさらすこと、低量ガン マ照射(2.5mRad)およびガスプラズマ滅菌方法がある。粘膜下組織増殖因子 粘膜下組織を4種類の水性溶媒で抽出し、その抽出物の、スイス3T3線維芽 細胞に対する影響を評価した。全細胞の増殖、またはDNA合成どちらかを刺激 し得る因子を検出するために2種類のin vitroアッセイを平行して用いた。FG F−2およびTGFβに向かう特異抗体類を用いて、これらの増殖因子が、粘膜 下組織から抽出できる主要線維芽細胞刺激因子であることを確認した。 組織置換の生物材料として用いる際、粘膜下組織は部位特異的組織リモデリン グを誘発する。組織リモデリングを誘発する粘膜下組織成分を確認するために、 粘膜下組織を抽出し、その抽出物について、スイス3T3線維芽細胞を刺激して 増殖とDNAの合成を行う能力を試験した。粘膜下組織の様々な抽出物は、全細 胞増殖アッセイ(アラマーブルー色素還元)およびDNA合成アッセイ([3H ]−チミジン取り込み)両方で分析した際、測定可能な増殖刺激活性を示した。 粘膜下組織から濃度2Mの尿素で抽出されたタンパク質類は、これら2種類のア ッセイにおいて、同様のアッセイにおける基礎的線維芽細胞増殖因子(FGF− 2)の活性プロフィールに非常に似た活性プロフィールを表わした。同様に、抽 出されたタンパク質に応答した細胞形態の変化も、FGF−2による変化に非常 に似ていた。この増殖因子に対する特異抗体による中和実験は、FGF−2の存 在を確認し、それが粘膜下組織の尿素抽出物の線維芽細胞刺激活性作用の60% を占めることを示した。 FGF−2に特異的なモノクローナル抗体を用いるウエスターン・ブロット分 析は、約19kDaに反応性二重線を見いだし、FGF−2の存在をさらに確認 した。粘膜下組織から4Mグアニジンで抽出したタンパク質の活性は、変換増殖 因子β(TGFβ)の特異抗体によって一部中和された。この抽出物にさらした 線維芽細胞の形態変化は、TGFβによって誘発される変化と似ていた。非還元 性ウエスターン・ブロット分析において25kDaに反応性バンドが検出されな かったとはいえ、より高い分子量では数本のバンドが反応した(図6参照)。この TGFβ関連成分の同定方法(identity)については知られていない。粘膜下組 織中のFGF−2およびTGFβ関連活性を同定すれば(FGF−2およびTG Fβは組織発達および分化の重要なプロセスに顕著に影響を与えることは知られ ている)、創傷治癒および組織リモデリングを高める組成物を作成する可能性が 得られる。粘膜下組織グリコサミノグリカン グリコサミノグリカン類(GAG)は粘膜下組織等の細胞外基質の重要な成分 である。したがって抽出を行い、粘膜下組織に存在するグリコサミノグリカン類 の種類を同定した。GAGは、プロテオグリカン コアタンパク質の翻訳後グリ コシル化を表わすから、粘膜下組織には種々様々のプロテオグリカンが見いださ れると予想される。グリコサミノグリカン類は細胞外基質において構造的および 機能的役割両方に貢献する。GAGは細胞外基質に構造的一体性を与えると共に 、軟組織の治癒を数種の方法で調節する。このような調節には、コラーゲン線維 の沈着の組織化、血管新生の促進、凝固阻止、および細胞および組織の増殖およ び分化の開始が含まれる。 創傷治癒期間中は増殖因子−GAG相互作用が多い。ヘパリン鎖は血管新生を 直接刺激しているのかも知れないし、或いはプロテオグリカンの一部として作用 し、FGF−2の血管新生効果を促進しているのかも知れない。コンドロイチン 硫酸Bは数種のプロテオグリカン類の一成分としてTGFβと相互作用し、治癒 後期の基質形成およびリモデリングの調節に役立っているのかも知れない。コン ドロイチン硫酸Bを含むプロテオグリカンは、TGF−β1の機能を調節してい ることに加えて、コラーゲン−フィブリルのサイズ、方向および沈着をコントロ ールすることによって細胞外基質の構造を調節する。 腸粘膜下組織を化学的に抽出し、抽出物を分析した。抽出可能のウロン酸含有 量を測定し、粘膜下組織乾燥重量1gあたり47.7μmol(1mgあたり約 21μgのGAG)であることが示された。酢酸セルロース膜上の電気泳動分離 法を用いて、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸Aお よびコンドロイチン硫酸B(コンドロイチン硫酸Bはデルマタン硫酸としても知 られている)が確認された。選択的酵素で特異的GAGを消化することによって 、これらのGAG類の存在を確認した。広範囲の基底膜細胞外基質成分を有する 他の組織に一般的な2種類のGAG、ケラタン硫酸およびコンドロイチン硫酸C 、はこの粘膜下組織抽出物には検出されなかった。 粘膜下組織移植後に哺乳動物に起きるリモデリング現象は、速やかな血管形成 および早期単核細胞蓄積を含む。間葉および上皮細胞の増殖および分化が、in v ivoな移植の後1週間までに認められるのが普通で、新しい細胞外基質の広範囲 沈着が実質的に直ちに起きる。これらのプロセスにおける粘膜下組織GAGの役 割は不明であるが、個々のGAGが重要な細胞機能を果たすことは知られている 。 例えば、FGF−2は、その受容体に高親和性結合する分子を含む、ヘパリン またはヘパラン硫酸を必要とする。ひとたびその受容体に結合すると、FGF− 2は血管化、細胞分化および細胞増殖を誘発する。同様にしてヘパランも、EG FおよびPDGFによって誘発される線維芽細胞増殖を強化することが知られて おり、ヘパリン、ヘパラン硫酸、およびコンドロイチン硫酸Bはインスリン様増 殖因子−I(IGF−1)のその結合タンパク質への結合を阻止することが最近 判明した。多くのin vivo研究で報告される血管形成および細胞増殖の形態学的 観察から見ると、このような増殖因子類が粘膜下組織のGAG類に結合し、また は移植後の粘膜下組織のGAGに誘引されることはあり得る。 ヒアルロン酸は細胞外基質にあるTGF−β1を隔離すると仮定されている。 胎児の傷では、それは組織再生およびコラーゲンの速やかで非常に組織的な沈着 にも関係している。治癒しつつある組織中の高濃度のヒアルロン酸は、瘢痕のな い創傷修復と関連があり、ヒアルロン酸によるTGF−β1の隔離は瘢痕組織形 成を阻止すると仮定される。粘膜下組織のヒアルロン酸濃度は、損傷に反応して 局所的に放出されるTGF−β1に結合するのに十分な量であるらしく、これに よってin vivo粘膜下組織移植に応答してあらわれる瘢痕組織沈着およびその後 の組織リモデリングが少ないことが説明できる。 コンドロイチン硫酸Bはトロンビン誘発性血小板凝集を阻止することによって 抗凝固剤の一部として増殖因子と相互作用することができ(だが抗凝固剤として の独立的活性も有する)、組織プラスミノーゲン・アクチベータ(tPA)の放 出を起こすことによって、線維素溶解経路を活性化しているのかも知れない。コ ンドロイチン硫酸Bは、ヘパリン補因子IIまたは抗トロンビンIIを通じてよ って直接的に、またはタンパク質C活性化を通じて間接的に、トロンビン生成を 阻止する抗凝固剤として作用することが可能である。粘膜下組織を大直径および 小直径の動脈および静脈の移植片として用いるこれまでの血管研究では、緻密層 を血液接触表面として用いる際には血栓症は重大な問題ではなかった。材料中に 存在するコンドロイチン硫酸Bまたはコンドロイチン硫酸B含有プロテオグリカ ンが、観察された抗血栓性に貢献しているらしい。粘膜下フィブロネクチン フィブロネクチン(Fn)は血漿および細胞外基質の大きい二量体タンパク質 で、分子量約440kDaを有する。Fnは新しい細胞外基質に沈着する最初の タンパク質類の一つであり、線維芽細胞および上皮細胞を含む種々の細胞に対し 化学走性および細胞粘着活性を有する。これらの細胞は創傷治癒および組織リモ デリングに重要であるから、Fnは、ホスト細胞が創傷部位に集まり、滞留する ために中枢的役割を演じているのかも知れない。Fnは乾燥重量の約0.1%で あり、粘膜下組織の厚さ全体に分布している。 2M尿素、2.5mg/mlヘパリン、50mMトリスを含む緩衝液、pH7. 5、で粘膜下組織を抽出すると、フィブロネクチンに富む抽出物が得られる。こ の組成物を用いて、選択細胞集団を所望部位に誘引するための走化性作用物質と してin vivo使用することができる。例えば、フィブロネクチン富化粘膜下組織 抽出物をそれだけで、またはその他の粘膜下組織抽出物と組み合わせて、または その他の生物学的活性分子と組み合わせて用い、移植部位にホスト細胞を誘発し 保持して損傷または疾患組織の修復を助ける組成物を調製することができる。 本発明の一実施態様によれば、温血脊椎動物の粘膜下組織を用いて、前記粘膜 下組織のある種の生物学的活性成分に富む抽出物を調製できる。上記抽出物の調 製方法は、粘膜下組織を抽出用賦形剤水溶液で抽出し、抽出された生物学的活性 成分類の水溶液を形成し、抽出された生物学的活性成分類を前記抽出用賦形剤か ら分離して生物学的活性濃縮物組成物を形成する諸段階を含む。分離抽出物を凍 結乾燥し乾燥粉末形態の抽出物を形成してもよいし、水溶液の形で使用してもよ い。一実施態様において、前記抽出物を用いてin vitroまたはin vivo細胞成長 および増殖を誘発する。 一実施態様において、本発明の粘膜下組織抽出物を、ミネラル類、アミノ酸類 、糖類、ペプチド類、タンパク質類、またはラミニンおよびフィブロネクチン等 の細胞増殖を容易にする糖タンパク質類を含む栄養成分、および上皮増殖因子ま たは血小板由来増殖因子等の増殖因子類と組み合わせる。一好適実施態様におい ては凍結乾燥形態の粘膜下組織を用いて、標準真核培養培地、または原核培養培 地を補充し、標準培地のin vitro培養細胞の増殖を維持、誘発する能力を高める ことができる。より詳細に言えば、本発明の粘膜下組織抽出物を市販の細胞培養 固体および液体培地(血清をベースとするものおよび血清フリーの両方)と共に 用いることができる。粘膜下組織抽出物を含む基質で培養される細胞は粘膜下組 織抽出物基質と直接接触してもよいし、粘膜下組織抽出物基質と液体連通するだ けでもよい。本発明の細胞成長組成物を用いて未分化細胞の分化を誘発し、それ と並んで分化した細胞の増殖を促進し、その間そのような細胞の分化状態を維持 し得ることが予見される。 また、本発明の粘膜下組織抽出物を移植可能の組成物類または人工補装具(pro sthesis)と組み合わせて用い、内因性細胞の増殖を誘発し、in vivo損傷組織ま たは疾患組織の修復を促進することもできる。粘膜下組織抽出物を薬物学的に容 認される担体または賦形剤と組み合わせて、粘膜下組織抽出生物学的活性成分の 運搬および所望組織とのin vivo接触を高めることができる。例えば、粘膜下組 織抽出物を軟膏、クリーム、またはゲルとして処方し、局所適用するか、または 包帯、ガーゼまたは縫合糸のコーティングに用いることができる。軟膏類は一般 に(1)疎水性基剤、すなわち白色ワセリンまたは鉱油等の固定油(不揮発性油 ;fixedoil)類または炭化水素類からなるもの、または(2)吸収基剤、すなわ ち無水物または水を吸収できる物質からなるもの、例えば無水ラノリン等、を用 いて調製される。疎水性かまたは吸収性かにかかわらず、基剤の形成後に活性成 分(分離した抽出物)を、所望濃度に達する量加える。 クリーム類は油/水エマルションである。それらは、一般的には固定油、炭化 水素類等、例えばワックス類、ワセリン、鉱油等を含んでなる油相(内部相)、お よび水および水溶性物質、例えば付加的塩類等を含む水相(連続相)からなる。 これら2つの相は乳化剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤;アカ シア・コロイドクレー、ヴィーガム等の親水性コロイド類の使用によって安定化 される。上記エマルションの形成時に活性成分(分離した抽出物)を所望濃度に 達する量加えるのが普通である。 ゲル類は、疎水性基剤、水、またはエマルション懸濁基剤から選択される基剤 を含む。上記基剤に基剤の基質を形成するゲル化剤を加え、その粘度を高める。 ゲル化剤の例はヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸ポリマ-類等である 。 通常、活性成分(分離された抽出物)はゲル化剤の添加前の時点に所望濃度で加 えられる。 細胞増殖を有効に促進する粘膜下組織の生物学的活性抽出物の調製方法は、粘 膜下組織を抽出用賦形剤の水溶液で抽出して抽出された生物学的活性成分と抽出 賦形剤との水溶液を形成し、上記抽出された生物学的活性成分を上記抽出用賦形 剤から分離して生物学的活性抽出物を形成する諸段階を含む。抽出賦形剤は酵素 、酵素阻止剤またはカオトロピック試薬、またはこれらの組み合わせであり、そ の際カオトロピック試薬とは尿素、グアニジン、塩化ナトリウム、塩化マグネシ ウム、イオン性または非イオン性表面活性剤またはそれらの組み合わせである。 適切な抽出条件の選択によって、あらかじめ選択したある天然成分に富む粘膜 下組織抽出物を調製することができる。抽出用賦形剤の種類および濃度を含む抽 出条件を選択し、最適化して、調整プロセスの間に生物学的活性成分類を変性さ せないで可溶化することができる。例えばpH7.4緩衝液中の2Mの尿素によ れば、基礎的線維芽細胞増殖因子およびフィブロネクチンに富む抽出フラクショ ンが得られ、同じ緩衝液中4Mグアニジンによれば、変換増殖因子βの活性プロ フィールを示す化合物に富む抽出フラクションが得られる。同様に、抽出条件を 選択して、フィブロネクチン、またはコンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫 酸B(デルマタン硫酸)、ヘパリン、ヘパラン硫酸またはヒアルロン酸を含むグリ コサミノグリカンに富む抽出物を分離することができる。 ==実施例1:FGF−2およびTGFβ関連タンパク質の抽出==材料 アラマーブルーはアラマー・ビオサイエンス社(サクラメント、CA)から入 手した。[3H]チミジン(64.0 Ci/mmol)および高化学ルミネッセ ンス(ECL)試薬はアマーシャム・ライフ・サイエンス社(アーリントンハイ ツ、IL)から購入した。ウシ組換えFGF−2はベーリンガー・マンハイム(イ ンディアナポリス、IN)から購入した。精製ブタPDGF、組換えヒトEGF 、ブタTGFβ1、pan-specific、TGFβ中和抗体およびFGF−2中和抗体 はR&Dシステムズ社(ミネアポリス、MN)から購入した。組換えヒトTGF β 3標準はカルビオケム(Calbiochem)から購入した。精製組換えヒトFGF−2 およびFGF−2に対するモノクローナル抗体はパードュー大学のブラド オル ウィン教授から提供を受けた。細胞 スイス3T3マウス線維芽細胞はアメリカ培養コレクション(ベセスダ、MD) から入手した。細胞は、4.5g/Lグルコース、2mMグルタミン、1.5g/ L NaHCO3、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイ シン、および10%ウシ新生児血清(NNCS)(シグマ、セントルイス、MO) を含むダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(シグマ、セントルイス、MO) で増殖させた。細胞を75cm2培養フラスコ中で増殖させ、5%CO2の加湿空 気中に37℃で維持した。3−4日ごとに継代培養を行って、細胞が75%融合 を超えないようにした。全てのアッセイに限定継代数9−13の細胞を用いた。小腸粘膜下組織 小腸粘膜下組織(SIS)を地方食肉処理工場から入手したブタ腸から調製し た。腸を洗って内容物を除去し、反転し、粘膜の表層を機械的剥離によって除去 した。その組織を反転して元の向きにし、外側筋層を除去した。調製したSIS チューブを縦方向に切り開き、水中でよくすすいで基質と結合しているすべての 細胞を溶解し、細胞分解産物を除去した。すすいだ直後に、SISを液体窒素中 で凍結し、−80℃で保存した。凍結組織を1cmのさいの目に刻み、液体窒素 下で工業的ミキサーを用いて粉末化し、2mm2より小さい粒子にし、使用する まで−80℃で保存した。SIS抽出物の調製 これらの研究に用いる抽出緩衝液は、各々50mMトリス-HCl(pH7.4) で調製された4Mのグアニジン、2M尿素、2MのMgCl2および2MのNa Clを含んでいた。SIS粉末を、フェニルメチルスルホニルフルオリド、N− エチルマレイミド、およびベンザミジン(プロテアーゼ阻止剤)各1mlを含む 抽出緩衝液(25%w/v)に懸濁し、4℃で24時間激しく撹拌した。抽出さ れた混合物を4℃で12000×gで30分間遠心分離し、上澄液を集めた。不 溶性物質は上記抽出緩衝液で短時間洗い、遠心分離し、洗浄液を先の上澄液と一 緒にした。上澄液をスペクトレーパー管(Spectrapor tubing)(MWCO350 0、スペクトラム・メディカル・インダストリー、ロスアンジエルス、CA)中 で30容量の脱イオン水に対して十分透析した(72時間に9回交換)。透析液を 12000×gで遠心分離し、不溶性物質を除去し、上澄液をそのまま直ちに使 用するか、または凍結乾燥して長期間保存した。アラマーブルーアッセイ アラマーブルーは代謝インジケーター色素である。酸化還元インジケーターと して、アラマーブルーは正常細胞代謝の反応によって還元され、生きている細胞 数(viable cell number)の間接的尺度となる。このアッセイは最近報告され たものであり(ヴォイティク−ハービン(Voytik-Harbin)ら、In Vitro Cell De v Biol、1997)、ここに簡単に提示する。スイス3T3線維芽細胞を、96 ウェル(96-well)プレートで、1%ウシ新生児血清(NNCS)を含むDME M(200μl)に、8000細胞/mlの割合で培養した。24時間インキュ ベーション後、標準および試験物質を各ウェルに加えた(50μl)。さらに72 時間インキュベーション後、各ウェルを顕微鏡で試験し、細胞生育性、数、およ び形態を観察した。培地を除去し、1%NNCSおよび10%アラマーブルーを 含む新鮮培地を各ウェルに加えた。18−20時間後、色素の還元をLS−50 Bルミネッセンススペクトロメーター(パーキンエルマー、ノーウォーク、CT )を用いて蛍光分光法でモニターした。励起および発光波長はそれぞれ560n mおよび590nmであった。全サンプルを3回づつ試験した。培養培地中に色 素試薬を含むが細胞は含まないウェルで、バックグラウンド蛍光測定値を決定し た。全蛍光測定値の平均および標準偏差を計算し、その後バックグラウンドを補 正した。1増殖因子単位(GFU)は未刺激バックグラウンドより高い(above uns timulated background)、血清(NNCS)に対する最大応答の2分の1と定 義した。3H]−チミジン取り込みアッセイ 有糸分裂活性を、DNA合成中の[3H]−チミジン取り込みの測定によって 定量した。スイス3T3線維芽細胞を96ウェルプレートに、10%NNCS含 有完全DMEM200μl中、14,000細胞/nlの割合で培養した。細胞 を5%CO2インキュベーター中で37℃で、融合するまで(約72時間)増殖 させ、その際培地を、2%NNCSを含むDMEMに変更した。24時間インキ ュベーション後、標準または試験物質(50μl)を各ウェルに加えた。さらに 24時間インキュベーション後、pH7.4の20μl燐酸緩衝食塩液(PBS) に入った[3H]−チミジン1μCiを各ウェルに加えた。4時間後、培地を除 去し、細胞を0.1%トリプシン(100μl)で、最低10分間37℃でイン キュベートすることによって処理した。上記細胞を290PRD細胞採取器(ケ ンブリッジ・テクノロジー社、ウォータータウン、MA)を用いてガラスファイ バー フィルター上に採取し、水で繰り返し洗い、その後70%エタノールです すいだ。上記フィルターを空気乾燥し、5mlエコライト(Ecolite)(ICN、 コスタメサ、CA)液体シンチレーターに入れ、1900TRパッカード液体シ ンチレーション分析器(キャンベラ社、メリデン、CT)を用いて放射能を測定 した。全ての標準および試験物質を3回づつ検定し、平均および標準偏差を計算 した。IGFUは末刺激バックグラウンドより高い、血清(NNCS)に対する 最大応答の2分の1と定義した。特異抗体による中和 TGFβ、FGF−2、PDGF、EGF、およびSIS抽出物の用量反応曲 線を[3H]−チミジンおよびアラマーブルーの両アッセイで作成した。アッセ イにおいて最大応答を与えた各因子または抽出物の最低濃度を用いて中和研究を 行った。抽出物または精製増殖因子類を中和抗体を含まない場合、または含む場 合で、37℃で1時間インキュベートした。抗体濃度は0.5μg/mlから2 00μg/mlまでの範囲であった。中和サンプルの生物活性を[3H]−チミ ジンおよびアラマーブルーアッセイ両方で分析した。FGF−2およびTGFβの免疫検出法 抽出物をサンプル緩衝液と混合し、4−20%勾配または16.5%SDS− PAGEで分離した。上記タンパク質類を、wet transfer系の10mM CAP S緩衝液、10%メタノール、1.3mM SDS中で、ポリビニリデン ジフル オリド膜(PVDF)ペーパーに500mA、4℃で4時間転写した。これらの ブロットを5%乾燥ミルクでブロックした。PBS中0.05%ツイーン−20 、室温で2時間または4℃で一晩。一次抗体を1%ウシ血清アルブミン(BSA )および0.05%ツイーン−20を含むPBS(BTP緩衝液)で希釈し、前 記ブロットと共に37℃で2時間インキュベートした。前記ブロットを0.05 %ツイーン−20−PBSで洗った。ホースラディッシュ ペルオキシダーゼ( HRP)に結合した二次抗体をBTP緩衝液で希釈し、ブロットと共に室温で1 時間インキュベートした。最後に洗った後、これらのブロットを高化学ルミネッ センス(ECL)試薬と共にインキュベートし、メーカーの指示通りハイパーフ ィルム−ECLにさらした(アマーシャム・ライフ・サイエンス社、アーリント ンハイツ、EL)。抗体類の特異的希釈は“図の簡単な説明”に記載されている 。結果:小腸粘膜下組織から抽出された増殖因子活性 数種のカオトロピック水性溶媒を選択してSISから潜在的増殖因子を抽出し た。粉末化したSIS組織を中性緩衝条件下で高濃度のグアニジン、尿素、Na ClまたはMgCl2によって抽出すると、増殖因子活性は効果的に抽出された 。種々の抽出物を2種類のin vitroバイオアッセイで比較する用量反応曲線は、 多数回アッセイおよび多数回抽出の有用性を証明した。2種類のアッセイは異な る相補的情報をもたらした。より伝統的な有糸分裂アッセイ([3H]−チミジ ン取り込み)では融合、静止している線維芽細胞単層のDNA合成の刺激が測定 された。補足的に、全細胞増殖アッセイ(アラマーブルー色素還元)により低密 度の静止線維芽細胞集団の細胞増加を間接的に測定した。両バイオアッセイをウ シ新生児血清を用いて標準曲線で標準化し、結果を相対的増殖因子単位、GFU 、として表わした(図1Aおよび1B参照)。 数種の市販の増殖因子(GF)の反応を2つのアッセイ、すなわち全細胞増殖 のためのアラマーブルーアッセイ(●)およびDNA合成のための[3H]−チ ミジン取り込みアッセイ(○)で評価した。図2A−図2Dを参照されたい。各 GFは2つのアッセイにおいて、特徴的な活性プロフィールを与えた。しかし血 清標準に対して全細胞増殖よりもDNA合成の方がより高い刺激を受けるという 全般的傾向が、これらの精製増殖因子で認められた。ブタTGFβ1は線維芽細 胞のDNA合成および全細胞増殖両方において広範囲のTGFβ1濃度にわたり 中程度の増加を示した(図2A)。精製PDGFは高レベルのDNA合成を誘発し たが全細胞増殖は全くまたはほとんど起こさなかった(図2C)。精製EGFは線 維芽細胞のDNA合成および全細胞増殖両方の用量依存性増加を示し、両アッセ イにおいて5ng/mLで最大刺激が起きた(図2D)。FGF−2は、線維芽細 胞に与える影響がアラマーブルーアッセイでは負の数値を引き起こし、DNA合 成では高レベルの刺激を誘発したという点で、試験したGFのなかでは特殊であ る(図2B)。FGF−2は両アッセイにおいて、大部分の細胞が寄せ集まり、細 胞周期を完了することができないほど高度に刺激された細胞類の特徴である高い “核対細胞質”比を有するのである。この細胞状態はアラマーブルー色素還元に 必要な細胞代謝を顕著に減らし、未刺激(静止)線維芽細胞で記録されるベース ライン値より低い数値となる。 小腸組織の4抽出物の増殖因子活性(塩酸グアニジン、尿素、MgCl2およ びNaCl)を2バイオアッセイ、すなわち、全細胞増殖のためのアラマーブル ーアッセイ(●)、およびDNA合成のための[3H]−チミジン取り込みアッセ イ(○)の用量反応曲線で分析した。図3A−図3Dを参照されたい。グアニジ ン抽出物の活性はアラマーブルーアッセイでは用量増加と共に100μg/mL まで増加した(図3A)。[3H]−チミジンアッセイにおける同抽出物の活性は 200μg/mLで最高で、GFU値はアラマーブルーアッセイで得られた数値 のほぼ2倍であった。4Mグアニジン抽出物は両方のアッセイで正の値をもたら すことができたという点で抽出物類のなかでは特異であった。SISの尿素 抽出物に関する結果は劇的に異なる。尿素抽出物の活性は、トリチウム化チミジ ンアッセイでは、用量増加と共に増加し、最大GFU値は400μg/mLで4 と5の間であった(図3B)。これに対し、同じ抽出物がアラマーブルーアッセイ では負のGFU値を与えた。FGF−2で認められたように、これら2つのアッ セイにおける用量反応曲線はほぼ鏡像であった。MgCl2およびNaCl抽出 物に対する細胞反応は尿素抽出物で見られる反応と同様であった(図3Cおよび 3D)。MgCl2およびNaCl抽出物は尿素抽出物よりは低い刺激性を示した が、1ないし10μg/mLの10分の1の用量範囲で活性であった。総乾燥重 量収量(表1)はこれらの水溶性抽出物では(4ないし7mg/g粉末形態SI S)総タンパク質収量(2ないし4mg/g粉末)と同様であった。タンパク質 含有量は一般的には抽出物乾燥重量の50−70%であった。収量を高める目的 で、24時間より長い抽出時間および反復抽出を試験した。しかし最初の24時 間抽出と洗浄後には、付加的活性はほとんどまたは全く抽出されなかった(デー タは示されず)。 表1.ブタSIS抽出物の総収量 SISの抽出可能成分としてのFGF−2の同定 2M尿素でSISから抽出されたタンパク質によるGF活性および細胞形態と 、精製FGF−2によって誘発されたそれらとの強い類似性は、FGF−2がこ の抽出物の主要GF成分であることを示唆した。この仮説を調べるために、抽出 物をFGF−2に特異的な中和ポリクローナル抗体の漸増量と共にインキュベー トし、この中和された抽出物の3T3線維芽細胞増殖に与える影響を調べた。尿 素抽出物のGF活性の用量依存性中和から、FGF−2が存在し、それは[3H ]チミジン取り込みアッセイで測定して抽出物のGF活性の60%より多くを占 め ることが判明した。上記中和実験のデータを図4に示す。標準FGF−2(▲) およびSISの2M尿素抽出物(○)の活性の、FGF−2に特異的なポリクロ ーナル抗体による中和を[3H]チミジンアッセイを用いて測定した。データは 2実験の平均である。100%対照活性(抗体なし)に対する数値は、1ng/ mLのFGF−2では3.55±0.03GFUであり、0.2mg/mL尿素抽 出物では4.96±0.05GFUであった。 SISの尿素抽出物の活性がFGF−2に対する抗体で中和されることは、線 維芽細胞の形態の変化でも明らかであった。スイス3T3線維芽細胞を、中和抗 体と一緒のものと、PBSと一緒のものと、それぞれを、インキュベートした抽 出物または購入した増殖因子の存在のもとで培養した。20%血清または無血清 対照と比較した際、上記線維芽細胞の精製FGF−2に対する反応は非常に特徴 的で、高い“核対細胞質”比および、より集まった(rounded-up)外観を示した 。尿素抽出物とインキュベートした細胞は、精製FGF−2とインキュベートし た細胞と同様の外観を示した。抗FGF−2によるFGF−2の中和は細胞形態 学の変化を阻止し、細胞は静止しているように見えた。尿素抽出物を抗FGF− 2と共にインキュベートした際にも、細胞形態学は普通尿素抽出物によって誘発 されるものとは異なった。線維芽細胞の外観は刺激された細胞集団のそれであっ たが、血清のある場合の細胞の外観とは異なった。 SISの尿素抽出物中のFGF−2の存在はウェスターンブロット分析におい てさらに確認された。SISの尿素抽出されたタンパク質類を16.5%SDS −PAGE(100μg/レーン)上で分離し、PVDFペーパーに電気ブロッ トした。FGF−2の検出をFGF−2に対するモノクローナル抗体で行った( 1:10,000)。精製ヒト組換えFGF−2(25ng)を、分子量18kD aを有する標準として用いた。上記尿素抽出物には反応バンドの二重線が約19 kDaに再現性をもって検出された。SISの抽出可能成分としてのTGFβの同定 SIS抽出物をTGFβアイソホーム(isoform)(β1、β1.2、β2、β3 、β5)に特異的な中和抗体でスクリーニングした。小腸粘膜下組織の4Mグア ニ ジン抽出物および標準TGFβ1(▲)においてGF活性は中和された。そして 3T3線維芽細胞細胞増殖に与える中和の影響をアラマーブルーアッセイにより 測定した。抽出物を漸増量の抗体と共にインキュベートした結果、活性は減少し 、それは最後には負の値の最小値に達した(図5)。 グアニジン抽出物と共にインキュベートした細胞は精製TGFβ1と共にイン キュベートした細胞と同様の外観を有するが、より多数で、より広範囲であった 。TGFβ1に対する3T3線維芽細胞の応答はFGF−2に対する応答に比べ てより微妙であったが、それでもまだ明らかであった。アラマーブルーアッセイ で、細胞濃度が低い場合は特にそうであった。細胞は血清刺激または静止細胞に 比較してより平坦で、広がっていた。その上、TGFβ1処理細胞はグアニジン 抽出物の存在下で培養したものに比し、培養皿によく付着しなかった。抗TGF βによるTGFβ1の中和は、静止細胞の形態変化を阻止したが、抗TGFβに よるグアニジン抽出物の中和後には細胞はまだ静止細胞とは異なる形態をもつよ うに見え、細胞の多くは細長い、紡錘状の形をとっていた。 TGFβ1、β2、β3およびβ5に対して反応したアフィニティー精製ポリ クローナル抗体を用いてグアニジン抽出物中のTGFβを調べた。非還元、精製 TGFβ1、β2およびβ3標準に相当する分子量である25kDaのところに はタンパク質バンドは検出されなかった。しかしグアニジン中のより高分子量タ ンパク質のバンドはこの抗体と反応した。これらのバンドはグアニジン抽出物の 部分的精製フラクションにも検出された。TGFβの既知ソースである脱ミネラ ル骨粉末のグアニジン抽出物は確認できる25kDaタンパク質バンドを数本の より高分子量のバンドと共に与えた(図7参照)。二次抗体のみを含む対照ではバ ンドは検出されなかった(データは示されず)。検討 増殖因子、特にFGF−2およびTGFβ、も細胞外基質の成分であることを 示唆する証拠が増加している。TGFβは細胞外基質のプロテオグリカン成分で あるデコリンと結合して、骨基質に保存されるとの報告がある。デコリンとの結 合はTGFβの生物学的活性を調節することが示された。他の研究では、TGF βは種々の発達しつつある組織の細胞外基質に、デコリンと共に局所化された。 FGF−2はその受容体に高アフィニティー結合するためにヘパラン硫酸、グリ コサミノグリカン(GAG)との結合に依存している。基底膜/細胞外基質のヘ パラン硫酸プロテオグリカンであるペールカンへの特異的結合は、FGF−2の ための細胞外基質の保存部位である可能性を示唆する。その上、FGF−2もT GFβも、EGF、PDGFおよびIGF−1と共に、エンゲルブレス−ホルム −スワーム マウス腫瘍の基底膜/細胞外基質の抽出物中に確認された。 増加因子類は胃腸組織に確認されている。ナイス(Nice)ら(J.Biol.Chem.2 66巻:14425−14430ページ)はブタ結腸粘膜からFGF−2のN末 端延長型を分離した。TGFαおよびEGFは、著しくより少量であるとはいえ 、結腸粘膜に存在することが判明した。しかし、本研究は、腸粘膜下組織に、特 にこの組織の細胞外基質部分に増殖因子を証明した最初である。 ここで特徴づけられた増殖因子類の中で、FGF−2およびTGFβは創傷治 癒および組織リモデリングに特に重要であることが確認されている。FGF−2 もTGFβも、血管新生過程の調節および創傷治癒中の細胞活性の調節に複数の 重要な役割を演ずることが示されている。例えば、FGF−2は間葉細胞移動及 び増殖を促進して胃粘膜および頭蓋冠骨の治療を加速させる。TGFβは強力な 走化性活性により、また数種の細胞外基質成分の遺伝子発現の調節によって二次 的創傷の治癒を促進する。その上、両因子共、創傷縮小に関係することが示され た。多分、これら2増殖因子の、最も広く研究された役割が血管新生の領域であ る。血管内生に必要な基質リモデリングを起こすタンパク分解活性の調節は、刺 激(FGF−2)および抑制(TGFβ)因子のバランスに依存する。 SISによって誘発するリモデリング反応の事象は胎児創傷治癒および胚形成 のそれらと同様であり、速やかな血管新生、細胞移動、増殖、分化、および細胞 外基質諸成分の高められた生合成を含む。SISの誘発特性は、生物材料が活性 増殖因子を含むのか、またはホスト組織による増殖因子産生の速やかな刺激を誘 発できるのか、またはその両方であることを示唆する。SISのタンパク質抽出 物の特徴づけにより、上記組織に相当の量の増殖因子活性が存在することか明ら かになった。異なる抽出物の種々異なる応答は、数種の増殖因子が存在する可能 性を示唆し、種々の抽出フラクションと関係する生物学的活性の分析では、TG Fβ−関連およびFGF−2成分を確認した。抗FGF−2による最大中和が、 この増殖因子が尿素抽出物の測定可能活性の大部分の原因であることを証明した とはいえ、まだかなりのGF活性が残っている。この活性はまだ同定されていな い。同様に、グアニジン抽出物のTGFβ活性が完全に中和された際も、残留活 性が認められた。TGFβ中和後に認められた負の数値(アラマーブルーアッセ イ)は、前にはTGFβ活性によって隠蔽されていたかも知れないFGF−2活 性の存在を示唆した。しかしグアニジン抽出物の、TGFβおよびFGF−2両 方に対する抗体類による二重の中和は、FGF−2が前記残留活性の原因ではな いことを明らかにした。おそらく、この複雑な抽出物においてTGFβ刺激活性 によって隠蔽された抑制分子(例えばデコリン)の存在がある。 TGFβの検出に用いられるポリクローナル抗体は、粘膜下組織のグアニジン 抽出物において、精製TGFβ標準または骨抽出物で認められる(25kDa) よりもかなり高い分子量のところに数本のタンパク質バンドを確認した。もしあ るとして、これらのタンパク質のどれが粘膜下組織のグアニジン抽出物のTGF β関連性活性をおこすのかは明らかでない。TGFβのこれまでに報告したイソ ホームの一つが粘膜下組織のグアニジン抽出物中に、ウェスターンブロットによ る検出レベル以下ではあるが、存在するという可能性がまだある。しかし小腸粘 膜下組織のグアニジン抽出物のタンパク質を、TGFβ分離プロトコル[ヤマグ チら、1990]に基づくゲル濾過クロマトグラフィーで最初に分離した際には 25kDバンドはあらわれなかったが、抗体と反応する比較的高分子のタンパク 質類が精製の一段階に、TGFβ中和可能の活性をもって存在することが証明さ れた。よって、粘膜下組織はTGFβの公知のイソホームの一つ、TGFβの未 確認の型または新規のTGFβ様GF、を非常に低濃度で含むかも知れない。 ==実施例2:グリコサミノグリカン類の抽出==材料および方法 試薬 .コンドロイチン硫酸A(CSA)、コンドロイチン硫酸B(CSB)、コンド ロイチン硫酸C(CSC)、ヒアルロン酸(HA)、およびヘパリン(HEP) の標準的標本はシグマ(セントルイス、MO)から購入した。ヘパラン硫酸(H S)標準はICNファーマシューティカルス(コスタメサ、CA)から購入した 。XIV型細菌プロテアーゼ、ヒアルロニダーゼ(E.C.4.2.2.1)、コンド ロイチナーゼAC(E.C.4.2.2.5)、コンドロイチナーゼB(E.C.ナンバー なし)、ヘパリナーゼI(E.C.4.2.2.7)およびヘパリナーゼIII(E. C.4.2.2.8)はシグマ(セントルイス、MO)から購入した。チタンIII 酢酸セルロース膜はヘレナ研究所(Helena Labs)(ボーモント、TX)から購入 した。SISからGAG類を抽出: グリコサミノグリカン類をブタSISからブリーン (Breen)らの方法[炭水化物化学における方法、7巻、ニューヨーク:アカデ ミックプレス1976、101−115ページ]を若干改良した方法によって抽 出した。つまり、SISサンプルを液体窒素中で凍結し、乳鉢と乳棒を用いて粉 末にし、それから凍結乾燥した。SIS粉末を秤量し、クロロホルム−メタノー ル溶液に入れ、4℃で24時間定常的に撹拌した。24時間後、その液体を注ぎ 出し、クロロホルム−メタノール溶液を交換し、上記操作を繰り返した。48時 間後、上記懸濁液を1400gで(ベックマンGPR型)20分間遠心分離し、上 澄液を棄てた。生成した沈殿を真空下で乾燥し、その後の使用まで−20℃で保 存した。 乾燥させた脱脂組織の50mgずつのサンプルを0.5M酢酸ナトリウム緩衝 液(pH7.5)2mlに再懸濁し、沸騰水浴中に20分間置き、プロテアーゼ (5μg/mg組織)と共に37℃で12時間インキュベートした。その消化物 に追加の酵素を加えて濃度10μg/mg組織とし、消化をさらに48時間続け た。10mM塩化カルシウムをその消化物に加え、カルシウム濃度を1.0mM とし、そのサンプルを振とう(shaking)インキュベーターに50℃で24時間 置いた。上記組織消化物を4℃に冷やし、トリクロロ酢酸を最終濃度5%となる まで加えた。溶液を10分間撹拌し、その後17,300g(ベックマンJ2− 21型)および4℃で20分間遠心分離した。上澄液を移し、沈殿を5%トリク ロロ酢酸2mlで処理し、再遠心分離した。上澄液を集め、100%エタノール 中5%酢酸カリウムの3容量で4℃で24時間処理した。上澄液は17300g 、4℃で20分間遠心分離し、上澄液を棄てた。沈殿物を100%エタノール2 ml、1:1v/vエタノール−エーテル混合物、および100%エーテル2m lで次々に処理した(処理の間に遠心分離した)。エーテルを連続正圧空気流のも とで除去した。乾燥沈殿物を0.075MのNaCl中2mg/ml濃度で再懸 濁し、直ちに使用するか、または−20℃で乾燥保存した。GAG量の定量: SIS分離物中のGAGsの総量をブルーメンクランツおよび アスボエーハンセンの尿酸分析法[Anal.Biochem 54巻、484ページ、19 73]を若干改良した方法によって評価した。つまり、SIS分離物のサンプル 200μl(0.075MのNaCl中2mg/ml)を濃硫酸中0.0125M 四硼酸カリウム1.2mlに加えた。混合物を100℃に5分間加熱し、氷水中 で冷やした。冷やしたサンプルを、0.5NのNaOH10ml中に3mgのm −ヒドロキシジフェニルの溶液20μlで処理した。10分後、520nmの吸 光度を読んだ(パーキン・エルマー・ラムダ3B分光光度計)。分離GAG鎖の酵素分解: GAG鎖の酵素分解はブリーン[上記参照]らおよび リンハルト[現在の分子生物学のプロトコル、ニューヨーク、NY;ウィリー& ソンズ、1994、ユニット17.13B;ゾースら、J.Biol.Chem.267巻、 24347ページ、1992]が報告した一般的方法を用いて行われた。GAG 分離物のサンプルを0.075MのNaCl中2mg/ml溶液に懸濁し、この 溶液の50μl部分を下記のように酵素で処理した。ヒアルロニダーゼによる消化: GAG分離物を、酢酸ナトリウムおよび塩化ナト リウム0.15Mづつ、および0.07単位のヒアルロニダーゼを含む酢酸ナトリ ウム塩化ナトリウム緩衝液、pH5.4、に懸濁した。上記溶液を振とう水浴中 で37℃で1時間インキュベートした。上記溶液を1分間沸騰させ、酵素を変性 し、それから室温に冷まして電気泳動を行った。コンドロイチナーゼACおよびコンドロイチナーゼBによる消化: GAG分離物 を、トリス、ナトリウムアセテート、および塩化ナトリウム0.05Mずつを含 み、pH8.0に調節した塩化トリスアセテート緩衝液に懸濁した。この緩衝液 に1.5μモルのアルブミンおよび0.07単位の酵素を添加した。上記溶液を 振とう水浴中で37℃で1時間インキュベートした。上記溶液を1分間沸騰させ 、酵素を変性し、それから室温に冷まして電気泳動を行った。ヘパリナーゼIおよびIIIによる消化 .GAG分離物を、200mM塩化ナト リウム、0.01%(w/v)アルブミンおよび3.75単位の酵素を含む5m M燐酸緩衝液、pH7.6、50μlに懸濁した。上記溶液を振とう水浴中で3 0℃で8時間インキュベートした。上記溶液を1分間沸騰し、酵素を変性させ、 それから室温に冷まして電気泳動を行った。分離したGAG類の電気泳動分離 .電気泳動をチタンIII酢酸セルロース膜上 で行った。各膜を1.5cm高さまで水に浸し、反対側の端を試験中使用する緩 衝液に浸した。細い2−4mmバンドが緩衝液浸漬と水浸漬との間に残るように した。痕跡量のフェノールレッドを含むサンプル(2mg/ml)をその膜に1 .0μl部分塗布した。上記膜を電気泳動チェンバーに置き、2−3分間、緩衝 液と水との間の境界に細い黄色線が見えるまで200V定電圧にかけた。プレー トを電気泳動緩衝液に浸し、2分間吸い込ませた。 電気泳動を3種類の緩衝系の一つで行い、異なるGAG種を最適に分離した。 0.05M LiCl−0.01N HCl緩衝液(pH2.0、20分、12mA)を 用いてGAGsのコンドロイチン硫酸群をヘパラン硫酸、ヘパリン、およびヒア ルロン酸から分離した。0.05M燐酸緩衝液系(pH7.2、15分、10mA )を用いてコンドロイチン硫酸Aを組織中のその他のGAGsから分離すること ができた。ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸Bの存在が0.2MZnSO4 (pH5.1、75分、6mA)を含む緩衝系を用いて確認された。 電気泳動後、分離したGAGsを3%酢酸中10%アルシアンブルー溶液(p H2.5)を用いて10分間染色した。過剰の染料を吸い取った後、膜を5%酢 酸および10%エタノールを含む水溶液中で5分間染料を除去した。バックグラ ウンドが清澄でない場合は、染料除去溶液を交換し、操作を繰り返す。膜を換気 フード下で25℃の室内空気で乾かした。結果 GAG分離プロトコルは、乾燥、脱脂SISのサンプル各50mgづつから、 3.5±1.3mgの抽出物を与えた。分離サンプル中に存在するウロン酸の分析 は、抽出物のウロン酸含有量が47.7μmol/g乾燥組織重量であることを 示した。これらの数値はブタSIS組織の乾燥重量1mgあたり21μgの総G AG含有量に相当する。ソース組織としてイヌ大動脈を用いて行った同じ方法は 、ウロン酸28.2μmol/g(12.4μgGAG/mg乾燥組織)という 数値を与えた。これらの数値はその他の組織のGAG量の報告値とよく一致する 。 抽出後、GAG類を分離し、酢酸セルロース電気泳動を用いて同定した。GA G型の異なる構造差のために、異なるGAG種は異なる緩衝系において異なる速 度で移動するから、3種類の緩衝系を用いて抽出混合物中のすべてのGAG型を 最適に分離、同定した。LiCl緩衝系を用いてHS、HEP、およびHAをコ ンドロイチン硫酸から分離し、燐酸緩衝系を用いてコンドロイチン硫酸群を相互 に分離した。燐酸緩衝液中ではCSBとHEPは同様に移動するから、硫酸亜鉛 を含む緩衝系を用いてコンドロイチン硫酸Bの存在が確認されたことは注目すべ きである。 最初の分離および同定後、GAG型を選択的酵素消化および比較電気泳動を用 いて確認した。抽出物サンプルをヘパリナーゼまたはヘパリチナーゼ処理にかけ た。電気泳動のためのLiCl緩衝系を用いて、SIS由来サンプル中のヘパリ ンおよびヘパラン硫酸の存在を確認することができた。 ヘパリナーゼおよびヘパリチナーゼはヘパリンおよびヘパラン硫酸GAG鎖を 選択的に切断するとはいえ、それらは或る種の、またはその他の特定のGAG種 に完全には選択的ではない。ヘパリナーゼの第一の基質はヘパリンであり、ヘパ リチナーゼの第一の基質はヘパラン硫酸である。GAG鎖の構造の類似性から交 差消化が起こっている。交差消化の証拠が見られるが、それはこれら結果の説明 を妨害するものではない。 ZnSO4緩衝系を用いてSIS分離物中のCSBおよびHAの存在を確認し た。基質中のCSBの存在を証明するために、GAG抽出物のサンプルを、コン ドロイチン硫酸BGAG鎖に選択的に作用する酵素であるコンドロイチナーゼB で処理した。それはCSAまたはCSCを消化しない。SIS抽出物のヒアルロ ニダーゼ処理は、上記材料中にHAが存在することを確認した。この緩衝系でC SAとHEPとを分離することはできないことに注意すべきである。それは、こ れらの動きが同じだからである。 燐酸緩衝系を用いてCSAをSIS−GAG分離物中の他の成分類から分離し た。上記材料中のこのGAGの存在を確認するために、サンプルをコンドロイチ ナーゼACで処理した。この酵素はCSAおよびCSCのGAG鎖を選択的に消 化するが、CSBは完全無傷のまま残す。材料中のCSAの存在を確認する他に 、CSCがSIS−GAG分離物中にないことも確認できる。結果の検討 ウロン酸またはヘキソサミンの分析は、未知サンプル中の総GAG濃度を知る ための優れた方法として推奨される。我々はブタSISのウロン酸含有量を定量 し、それが47.7μmol/mg乾燥組織重量であることを確認した。この数 値は組織中の総GAG含有量、21μg/mg乾燥組織重量、に一致する。この 総量には5種類のGAGが貢献していることも確認した。これらのGAGはコン ドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B、ヘパリン、ヘパラン硫酸、およびヒ アルロン酸である。異なる種類の相対的量は本研究では確認しなかった。 SISは小腸の特殊なトリラミネート構造をあらわすから、SIS組成は、ブ タ腸の全体的GAG量を記載した他の報告とは無関係に確立しなければならない 。これらの実験は、粘膜下層、粘膜筋層、およびよく発達していない緻密層から なる構造を有するSISにはGAGの数種類の型が存在することを示している。 種々様々のGAG型がこの組織に見いだされることは驚くにあたらない。なぜ ならばこの構造、特に表面層は実質的に、粘膜層中の速やかに分裂する細胞集団 のための基底膜として役に立っているからである。SIS中のGAG量はその他 の基底膜含有組織、例えばイヌのメニスカル組織および成体強膜で報告された量 とよく一致する。ほぼ完全に基底膜からなる成体角膜は明らかにより多いGAG sを含む一方、皮膚ではそれらは明らかにより少なく含まれる。 ==実施例3:フィブロネクチンの抽出== フィブロネクチン(Fn)は、分子量約440kDaを有する、血漿および細 胞外基質の大きい二量体タンパク質である。Fnは新しい細胞外基質に沈着する 最初のタンパク質類の一つであり、線維芽細胞および内皮細胞を含む種々の細胞 に対する走化性および細胞粘着性活性を有する。これらの細胞は創傷治癒および 組織リモデリングに重要であるから、Fnはホスト細胞を創傷部位に集め、留め るために重要な役割を演じるのかも知れない。 プロトコル/結果: ブタSIS内のFnの定位を凍結切片の免疫組織化学的染色によって行った。 SISのFn含有量を競合的ELISA法によって定量した。ヘパリンを含むカ オトロピック緩衝液による抽出で調製したSISのタンパク質抽出物についてF n含有量を分析した。3回抽出後、組織のコラゲナーゼ消化を行い、非Fn基質 を分解し、残っているすべての抽出可能タンパク質を可溶化した。最後に、Fn をSISから抽出し、アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、ブタ およびヒト血漿フィブロネクチンに関してSDS−PAGEおよびウエスターン ・ブロット分析によって特徴づけた。 SISからのフィブロネクチン抽出に使用した処理法は次の通りである。 ・摩細し、凍結したSISを秤量し、重量を計った容器に入れる。 ・組織1gあたり抽出緩衝液4mlを加える。抽出緩衝液は2M尿素、2.5 mg/mlヘパリン、50mMトリスを含み、pH7.5を有する。 ・磁気撹拌器上で4℃で一晩撹拌する。プロテアーゼ インヒビター(PMS E、NEM、およびベンザミジン)を各1mMになるように加える。 ・残留組織を遠心分離し、ペレットにする。上澄液を集める。 ・フィブロネクチン抽出収率を改善するために尿素/ヘパリン/プロテアーゼ インヒビターで抽出を反復してもよい。 ・トリス緩衝食塩液または燐酸緩衝食塩液に対して抽出物を透析し、抽出剤を 除去する。 ・4℃で保存する。 ・ヴェント(Vuento)およびヴェヘリ(Veheri)の方法[Biochemical Journa l 183巻:331−332ページ、1979]にしたがい、アフィニティーク ロマトグラフィーおよびゼラチン−セファローズ(ファーマシア)ゲルを用いて 透析された抽出物からフィブロネクチンを精製することができる。透析された抽 出物または精製タンパク質のFn濃度はELISA法によって測定できる。 免疫組織化学的染色は、SIS組織の厚さ全体にFnが均質に存在することを 示した。どの層またはどの構造にも明白な特異的局所化または他所に比較した高 濃度はなかった。これは、SIS摘出領域のほぼすべての細胞外部位にFn染色 を示す全ブタ腸と一致していた。ELISA法によると、Fn濃度は第一の組織 抽出物で最高であり、第二の抽出物では減少し、第三の抽出物では無視し得る程 度であった。コラゲナーゼ消化は、上記抽出法に比し有意に多いFnを放出しな かった。Fn含有量はSISの乾燥重量の0.1%と推定される。SDS−PA GEおよびウェスターンブロット分析はすべての被験タンパク質類の抗Fn抗体 が同一であることを示した。 ==実施例4:粘膜下組織抽出物のin vitro細胞刺激活性== 胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織および腸粘膜下組織(またはこれらの成分類) の細胞増殖誘発力をで我々の研究所で開発した2アッセイによってin vitro測定 した。第一のアッセイは、全細胞増殖の指標であるアラマーブルーの使用を含ん でいた。第二のアッセイは3T3線維芽細胞集団へのトリチウム化チミジンの取 り込みを含むものであった。この第二のアッセイはDNA合成程度を示すもので ある(これは必ずしも全細胞増殖と相関するものではない)。これらのアッセイは 例1に記載したように行われた。これら両方のin vitroアッセイの組み合わせ使 用は、材料のDNA合成および/または細胞増殖の誘発力に関する相補的情報を 与える。 結果が図7に示される1実験において、胃粘膜下組織で2種類の抽出法を行い 、得られた抽出物について、スイス3T3線維芽細胞に対する影響を評価した。 胃粘膜下組織を例1に記載の方法によって尿素または塩酸グアニジンで抽出した 。これら抽出法の各々は粘膜下組織から諸成分を示差的に分離することができる 。例えば、TGFPは腸粘膜下組織から塩酸グアニジン法でより効率的に抽出で き、FGFは尿素法でより効率的に抽出できる。 胃粘膜下組織の尿素−または塩酸グアニジン抽出物に対する線維芽細胞の応答 をアラマーブルー・アッセイを用いて測定した(図7)。ウシ新生児血清(NNC S)を対照試験として用い、NNCS中に存在することが知られている増殖因子 に対する3T3細胞の用量反応−標準曲線を作成した。結果は相対的増殖因子単 位、GFU、として表わされる。塩酸グアニジン抽出物(DSSの1’GnHc l)の活性は抽出物量の増加と共に増加し、最大GFU約0.5に達した。これ に対し、尿素抽出物(DSSの1’尿素)では抽出物量の増加につれて負のGF U値が増大した。 第二の実験では、種々の組織から調製した抽出物に対する3T3線維芽細胞の 応答を比較した。3種類それぞれの組織の種々濃度の塩酸グアニジン抽出物が3 T3線維芽細胞増殖に与える影響をアラマーブルー・アッセイを用いて測定した (図8)。また、3種類それぞれの組織の種々濃度の尿素抽出物に対する3T3線 維芽細胞の反応をトリチウム化チミジンアッセイを用いて測定した(図9)。これ らのデータから、3種類すべての生物材料の塩酸グアニジン抽出物はアラマーブ ルー・アッセイにおいて細胞増殖を誘発し、SISが最大程度の細胞増殖を示し 、SSおよびUBSは、それより小さいがまだ正の活性を示すことが明らかであ る。また、3種類すべての生物材料の尿素抽出物が3T3細胞のDNA合成を誘 発し、SSが最大程度のDNA合成を示し、SISは二番目の活性を示し、UB Sは抽出物濃度100μgでごく小さい(だがまだ正の数値である)活性を示す 。
【手続補正書】 【提出日】平成11年6月17日(1999.6.17) 【補正内容】 (1)請求の範囲を別紙の通り差し替える。 (2)明細書第23頁第22行目に「図7」とあるを「図6」と訂正する。 請求の範囲 1.細胞増殖を促進するのに有用な生物学的活性組成物の調製方法であって、 粘膜下組織を抽出賦形剤(補助剤;excipients)の水溶液で抽出して、抽出され た生物学的活性成分類と抽出賦形剤との水溶液を形成し、前記抽出された生物学 的活性成分類を前記抽出賦形剤から分離して、生物学的活性組成物を形成する諸 段階を含んでなる方法。 2.少なくとも1種類の生物学的活性成分を前記生物学的活性組成物の他の生 物学的成分類から分離する段階をさらに含む請求項1記載の方法。 3.前記粘膜下組織が腸粘膜下組織、胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織および子 宮粘膜下組織からなる群から選択される請求項1または請求項2記載の方法。 4.前記抽出賦形剤がカオトロピック試薬類、酵素類および酵素阻止物質類か らなる群から選択される請求項1または請求項2記載の方法。 5.前記抽出賦形剤がカオトロピック試薬を含む請求項1または請求項2記載 の方法。 6.前記カオトロピック試薬が尿素、グアニジン、塩化ナトリウム、塩化マグ ネシウム、イオン性または非イオン性表面活性剤から選択される請求項5記載の 方法。 7.前記抽出賦形剤溶液が少なくとも1種類のプロテアーゼ阻止剤をさらに含 む請求項5記載の方法。 8.前記抽出された生物学的活性成分類を、前記のその他の抽出賦形剤から分 離する段階が、前記抽出された生物学的活性成分類と前記抽出賦形剤との水溶液 を透析する段階を含む請求項1または請求項2記載の方法。 9.前記透析ずみ溶液を凍結乾燥する段階をさらに含む請求項8記載の方法。 10.天然脊椎動物粘膜下組織に存在する少なくとも1種類の生物学的活性成 分に富む(enriched)脊椎動物粘膜下組織の分離抽出物であって、前記富化(enr iched)生物学的活性成分が生物学的に活性のままである前記分離抽出物。 11.前記富化生物学的活性成分が増殖因子である請求項10記載の分離抽出 物。 12.前記富化生物学的活性成分がTGFβ関連タンパク質または線維芽細胞 増殖因子である請求項11記載の分離抽出物。 13.前記富化生物学的活性成分がフィブロネクチンである請求項10記載の 分離抽出物。 14.前記富化生物学的活性成分がグリコサミノグリカンである請求項10記 載の分離抽出物。 15.前記富化生物学的活性成分がコンドロイチン硫酸Aまたはコンドロイチ ン硫酸Bである請求項10記載の分離抽出物。 16.前記富化生物学的活性成分がヘパリン、ヘパラン硫酸またはヒアルロン 酸である請求項10記載の分離抽出物。 17.前記抽出物が乾燥粉末形態または凍結乾燥形態である請求項10記載の 分離抽出物。 18.前記抽出物がクリームの形態である請求項10記載の分離抽出物。 19.天然腸粘膜下組織に存在する生物学的活性成分に富む脊椎動物腸粘膜下 組織の分離抽出物であって、前記富化生物学的活性成分が生物学的に活性のまま である前記分離抽出物。 20.粘膜下組織の生物学的活性成分に富む抽出物を調製するための温血脊椎 動物の粘膜下組織の使用であって、前記調製方法は、粘膜下組織を抽出賦形剤の 水溶液で抽出し、抽出された生物学的活性成分と賦形剤との水溶液を形成し、前 記抽出された生物学的活性成分類を前記抽出賦形剤から分離して生物学的活性抽 出物を形成する諸段階を含んでなる前記使用。 21.請求項2記載の方法によって調製された組成物。 22.細胞増殖培地のための添加物としての請求項10記載の組成物の使用。23.創傷治癒を促進するのに有効な量の請求項10記載の組成物の創傷包帯 への使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/22 A61K 45/00 45/00 A61P 17/02 A61P 17/02 C07K 14/50 C07K 14/50 14/78 14/78 C12N 5/00 E C12N 5/06 A61K 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,HU,ID,IL ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 ブライトマン,アンドリュー,オー. アメリカ合衆国・インディアナ州 47906・ウェスト ラファイエット・シル ビア ストリート 106 (72)発明者 ホディ,ジェイソン,ピー. アメリカ合衆国・インディアナ州 47906・ウェスト ラファイエット・リン ドバーグ ロード 912 (72)発明者 マックファーソン,ティモシー,ビー. アメリカ合衆国・インディアナ州 47905・ラファイエット・プランテーショ ン ウェイ 228 (72)発明者 ヴォイティック−ハービン,シェリー,エ ル. アメリカ合衆国・インディアナ州 46077・ジオンズヴィル・オーク リッジ ドライブ 10307

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞増殖を促進するのに有用な生物学的活性組成物の調製方法であって、 粘膜下組織を抽出賦形剤(補助剤;excipients)の水溶液で抽出して、抽出され た生物学的活性成分類と抽出賦形剤との水溶液を形成し、前記抽出された生物学 的活性成分類を前記抽出賦形剤から分離して、生物学的活性組成物を形成する諸 段階を含んでなる方法。 2.少なくとも1種類の生物学的活性成分を前記生物学的活性組成物の他の生 物学的成分類から分離する段階をさらに含む請求項1記載の方法。 3.前記粘膜下組織が腸粘膜下組織、胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織および子 宮粘膜下組織からなる群から選択される請求項1または請求項2記載の方法。 4.前記抽出賦形剤がカオトロピック試薬類、酵素類および酵素阻止物質類か らなる群から選択される請求項1または請求項2記載の方法。 5.前記抽出賦形剤がカオトロピック試薬を含む請求項1または請求項2記載 の方法。 6.前記カオトロピック試薬が尿素、グアニジン、塩化ナトリウム、塩化マグ ネシウム、イオン性または非イオン性表面活性剤から選択される請求項5記載の 方法。 7.前記抽出賦形剤溶液が少なくとも1種類のプロテアーゼ阻止剤をさらに含 む請求項5記載の方法。 8.前記抽出された生物学的活性成分類を、前記のその他の抽出賦形剤から分 離する段階が、前記抽出された生物学的活性成分類と前記抽出賦形剤との水溶液 を透析する段階を含む請求項1または請求項2記載の方法。 9.前記透析ずみ溶液を凍結乾燥する段階をさらに含む請求項8記載の方法。 10.天然脊椎動物粘膜下組織に存在する少なくとも1種類の生物学的活性成 分に富む(enriched)脊椎動物粘膜下組織の分離抽出物であって、前記富化(enr iched)生物学的活性成分が生物学的に活性のままである前記分離抽出物。 11.前記富化生物学的活性成分が増殖因子である請求項10記載の分離抽出 物。 12.前記富化生物学的活性成分がTGFβ関連タンパク質または線維芽細胞 増殖因子である請求項11記載の分離抽出物。 13.前記富化生物学的活性成分がフィブロネクチンである請求項10記載の 分離抽出物。 14.前記富化生物学的活性成分がグリコサミノグリカンである請求項10記 載の分離抽出物。 15.前記富化生物学的活性成分がコンドロイチン硫酸Aまたはコンドロイチ ン硫酸Bである請求項10記載の分離抽出物。 16.前記富化生物学的活性成分がヘパリン、ヘパラン硫酸またはヒアルロン 酸である請求項10記載の分離抽出物。 17.前記抽出物が乾燥粉末形態または凍結乾燥形態である請求項10記載の 分離抽出物。 18.前記抽出物がクリームの形態である請求項10記載の分離抽出物。 19.天然腸粘膜下組織に存在する生物学的活性成分に富む脊椎動物腸粘膜下 組織の分離抽出物であって、前記富化生物学的活性成分が生物学的に活性のまま である前記分離抽出物。 20.粘膜下組織の生物学的活性成分に富む抽出物を調製するための温血脊椎 動物の粘膜下組織の使用であって、前記調製方法は、粘膜下組織を抽出賦形剤の 水溶液で抽出し、抽出された生物学的活性成分と賦形剤との水溶液を形成し、前 記抽出された生物学的活性成分類を前記抽出賦形剤から分離して生物学的活性抽 出物を形成する諸段階を含んでなる前記使用。 21.請求項2記載の方法によって調製された組成物。 22.細胞増殖培地のための添加物としての請求項10記載の組成物の使用。 24.創傷治癒を促進するのに有効な量の請求項10記載の組成物の創傷包帯 への使用。
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