JP2001503088A - 有機フォトクロミック材料及び製法並びにこれを用いたフォトクロミック製品 - Google Patents

有機フォトクロミック材料及び製法並びにこれを用いたフォトクロミック製品

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JP2001503088A JP10518379A JP51837998A JP2001503088A JP 2001503088 A JP2001503088 A JP 2001503088A JP 10518379 A JP10518379 A JP 10518379A JP 51837998 A JP51837998 A JP 51837998A JP 2001503088 A JP2001503088 A JP 2001503088A
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Abstract

(57)【要約】 発明は、新規な有機フォトクロミック材料、新規材料作成のための少なくとも1種の可塑剤の使用、材料作成及び全てまたは一部が新規材料から構成されるフォトクロミック製品に関する。可塑剤、望ましくはフタル酸エステルの配合は、母材ポリマー内に単に分散する形態によるか、あるいは母材ポリマーと化学結合する別の形態による。新規材料は注目すべき光学的及び機械的特性とともに、優れたフォトクロミック特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 有機フォトクロミック材料及び製法 並びにこれを用いたフォトクロミック製品 本請求の範囲に記載されている発明は: −新規な有機フォトクロミック材料; −前記新規材料の製造のための少なくとも1種の可塑剤の使用; −前記製造; −前記新規材料により全てもしくは一部が構成されているフォトクロミック製品 ; に関する。 プラスチック材の眼用フォトクロミックレンズの作成には細心の注意を要する 。このようなレンズのポリマー母材は、露光前の高い初期透過度及び露光後の十 分な暗色化度を有し、しかも迅速な暗色化及び透明化速度並びに十分な機械的特 性をもつ材料を生成するように、理想的には: −熱網状組織であり; −全体にわたって光学歪がなく; −特にスピロオキサジン(spiroxazine)類及びクロメン(chro mene)類から選ばれるフォトクロミック着色剤を受け入れ、かつ前記フォト クロミック着色剤が存在する状態で熱網状組織になるのに適していなければなら ない。さらに、前記材料はまた小さな温度依存性、高い耐疲労性、できるだけ高 い屈折率、等を有していなければならない。 従来技術では、有機メガネレンズの製造に適切な共重合体、特にPCT出願公 開第92/05209号に記述された共重合体が知られている。前記共重合体は 、化学式Aが: で、a及びbは0から4の値をとり、R1及びR2はHまたはCH3,R3は-O-, -S-,-CO-,-SO2-,-CH2-,-CH=CH-または-C(CH32-である第 1のモノマーの、 スチレンまたはその誘導体の1種からなる第2のモノマー; さらに、選択的に芳香族ビニル化合物及び芳香族メタクリレートから選ばれる、 第3のモノマー; との、過酸化物類の開始剤および種々の臭素化化合物から選ばれる連鎖移動剤の 存在の下におけるラジカル重合により得られる。 前記共重合体はフォトクロミック製品の前記母材ポリマーになると期待された 。しかし、共重合後に得られる母材にフォトクロミック特性を与えるために前記 共重合可能な調合物にフォトクロミック着色剤を加える試みがなされると、着色 剤が前記過酸化物開始剤により破壊されてしまうことがわかる。 過酸化物開始剤を、ジアゾ化合物、例えばアゾ−ビス−イソブチロニトリルの ようなより穏やかなラジカル重合開始剤で置き換えたとしても、用いられる前記 臭素化連鎖移動剤によりフォトクロミック着色剤が抑えられてしまうため、得ら れる材料はやはり満足できるものではない。 特に、特殊な熱拡散工程により前記母材中に着色剤をさらに取り込むことを試 みることはできる。しかし、そのような製造工程の効率には議論の余地があり、 どうあろうとも製造工程が複雑になり前記材料のコストがかさむ。 ゆえに、容易で費用のかからない製造工程により作成される性能のよいフォト クロミック材料が真に必要とされている。 上記技術的問題に直面した出願人は、1995年7月12日及び1995年1 2月5日にそれぞれ出願されたフランス国特許出願第9,508,424号及び 第9,514,343号で有機フォトクロミック材料をすでに提案しており、前 記有機フォトクロミック材料は屈折率が1.55より高く、光学的歪がない。前 記材料は、少なくとも1種のモノマーが基になっており、良好なフォトクロミッ ク特性及び光学特性を有している。ここで前記少なくとも1種のモノマーの化学 式Iは:であって、R=HまたはCH3,m及びnはそれぞれ1または2である。しかし 、前記化合物は暗色化状態での暗色度が不十分であり、また暗色化及び透明化速 度が非常に遅い、等の難点があった。 本発明の第1の主題である新規な材料は、前記フランス国特許出願第9,50 8,424号及び第9,514,343号による前記材料を、上記の観点から改 良したものに等しい。本新規材料は概して、暗色化状態での暗色度がより高いだ けでなく、より迅速なフォトクロミック反応を示し、同時に適当な機械的及び光 学的特性を示す。本発明の範囲内で、新規フォトクロミック材料は改善されたフ ォトクロミック特性をもって完成され、しかもフォトクロミック特性の前記改善 は前記機械的特性を犠牲にすることなく得られている。 特色として、本発明の有機フォトクロミック材料は構造内に、多かれ少なかれ 、前記構造に結合した少なくとも1種の可塑剤を含有している。 1.55以上の屈折率を有し光学歪のない前記有機フォトクロミック材料は: (a)少なくとも1種の、化学式がIのモノマー: ここでR=HまたはCH3、m及びnはそれぞれ1または2である; (b)少なくとも1種の、化学式がIIの芳香族モノビニルモノマー: ここでR1=HまたはCH3、前記モノビニルモノマーはスチレンからなることが 望ましい; (c)前記材料にフォトクロミック特性を与える少なくとも1種のフォトクロミ ック着色剤の有効量;前記着色剤はスピロオキサジン類、スピロピラン(spi ropyran)類及びクロメン類からなる群から選ばれる; (d)フタル酸エステル類から選ばれることが望ましい少なくとも1種の可塑剤 ; を含む調合物のラジカル重合により得られる材料である。 前記調合物は一般に少なくとも1種の連鎖移動剤の有効量及び少なくとも1種 のラジカル重合開始剤の有効量をさらに含む。さらに、 (e)少なくとも1種の、化学式がIIIの芳香族ジビニルモノマー: ここでR1=HまたはCH3、前記ジビニルモノマーはジビニルベンゼンからなる ことが望ましい; 及び/または (f)少なくとも1種の、化学式がIVの(メタ)アクリルモノマー: CH2=C(R)-COOR’ ここでR=HまたはCH3、R’は4ないし16個の炭素原子を有し、メチルフ ェニルまたはメチルフェノキシラジカル、あるいは化学式が、nが1から10の 範囲の数でありR’’=CH3またはC25である、ポリオキシエトキシル化基 :-(CH2-CH2O)nR’’で選択的に置換された、直鎖または枝分かれアルキ ルラジカルである。前記(メタ)アクリルモノマーはエチルヘキシルメタクリレ ートからなることが望ましい; 及び/または、 前記材料に基調色を与えることが望ましい場合には、有効量の少なくとも1種の 非フォトクロミック着色剤; をさらに含むことができる。 ここで、本発明の材料の調合物に配合する、あるいは配合することができる、 成分のそれぞれの種類及び量をより詳細に検討する。 化学式がIの前記モノマー(a)はよく知られ、市販されている。これは前記 PCT出願公開第92/05209号における化学式がAの第1のモノマーを意 味することに注意されたい。化学式がIで、R=H、m=n=2のモノマーが特 に望ましい。前記モノマーは特にジアクリル(Diacryl)121という商 品名で(オランダ国の)アクゾ・ノーべル(Akzo Nobel)社から発売 されている。 化学式がIのモノマーは、一般に50ないし90重量%が、重合前調合物に配 合される。配合量がこれより少ないときには、前記重合可能な調合物(すなわち 母材)は重合中に収縮する傾向を有するため、金型から早く取り出さなければな らなくなり、従って最終材料の光学的特性の劣化の原因となる。また配合量がよ り多い場合には、最終材料は平凡な光学特性しかもたないことが認められる。 化学式がIIの前記芳香族モノビニルモノマー(b)−スチレン及び/または メチルスチレン−は、ポリマーの網状構結合を弱めるために前記化学式がIのモ ノマーと組み合わされて配合される。重合した前記調合物がかなり高い屈折率( n=1.595)を有するので、上記程度の、スチレンを配合することが特に望 ましい。スチレンは、この種のモノマーの中で特に望ましい化合物を構成する。 化学式がIIの前記モノマーは一般に、5ないし40重量%、望ましくは8な いし30重量%の量が、前記重合前調合物に配合される。配合量が少なすぎると 、前記母材内の引張応力の強さに期待した効果が認められず(複屈折現象が認め られる等);また屈折率が低い母材が得られる。配合量が多すぎると、前記母材 は重合中に金型に貼りつく傾向をもつことが認められ、またフォトクロミック特 性の(そのうちでも特に前記応答速度に関する)低下が認められる。 本発明の材料は、フォトクロミック材料に関するから、さらに少なくとも1種 のフォトクロミック着色剤の有効量を前記母材に含む。前記着色剤は、フォトク ロミック特性を有するスピロオキサジン類、スピロピラン類及びクロメン類から 選ばれる。この種のフォトクロミック着色剤の非常に多くが文献に記載され、ま た市販されている。 本発明の範囲で使用可能なスピロオキサジン着色剤は、特に以下の米国特許に 記述されている:第3,562,175号、第4,634,767号、第4,6 37,968号、第4,720,547号、第4,756,973号、第4,7 85,097号、第4,792,224号、第4,816,584号、第4,8 31,142号、第4,909,963号、第4,931,219号、第4,9 36,995号、第4,986,934号、第5,114,621号、第5,1 39,707号、第5,233,038号、第4,215,010号、第4,3 42,668号、第4,669,473号、第4,851,530号、第4,9 13,544号、第5,171,636号、第5,180,524号、第5,1 66,345号並びにヨーロッパ特許出願公開第0,508,219号、第0, 232,295号及び第0,171,909号。 本発明の範囲では、以下の例ではSPO1と称される、1,3−ジヒドロ−1 ,3,3−トリメチル−6’−(ピペリジノ)スピロ[2H−インドール−2,3 ’−ナフト[2,1b][1,4]オキサジン](構造式は前記例で改めて示される )の使用が特に推奨される。 本発明の範囲では、化学式が: のスピロオキサジン類の使用も椎奨される。ここで: −R1は、少なくとも1つの脂環基が別の少なくとも1つの脂環及び/または芳 香環と結合するか、架橋するか、あるいは縮合することにより形成される多環基 であり、前記環は選択的に少なくとも1つの異種原子及び/または少なくとも1 つの不飽和結合を含む; −R2,R3は、同種または異種であり、1ないし12個の炭素原子を有する直鎖 または枝分かれアルキル基の、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アル キルアリール基、シクロアルキル基を表わし、R2及びR3は選択的に互いに組み 合わさり5ないし10個の原子を有する炭素環または複素環基を形成することが できる; −R4,R5,R6及びR7は、同種または異種であって: +水素原子、あるいは +選択的にハロゲン化されている、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、ア ルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、またはアラルキル基、 あるいは +ハロゲン原子、あるいは +R=Hの-OR,-OCOR,-COOR基、アルキル及び/またはシクロアル キル及び/またはアリール基、あるいは +(ポリ)エーテル、(ポリ)アミド、(ポリ)カーボネート、(ポリ)カルバ メート、(ポリ)ユリアまたは(ポリ)エステル、あるいは +*化学式がIのモノマーと結合すれば、その性質に従って一置換または二置換 型のアルキル、アリール、またはアラルキルであるアミンの、第一、第二または 第三アミンを生じるアミノラジカル、 *または選択的に1つまたは2つの異種原子を含むシクロアミンラジカル、 +またはCF3,CN,NO2およびSCNを含む群から選ばれる電子受容性基、 を表わすか、あるいは +R4,R5,R6及びR7ラジカルの内少なくとも2つは組み合わさって、少なく とも1つの、5または6員の芳香環または5ないし7員の脂環を選択的に形成す ることができ、前記芳香環は少なくとも1つの複素環を形成するようにして、少 なくとも1つの異種原子を選択的に含み、前記脂環は、R4からR7に対して上で 定義されたものと同じ、1つまたはそれ以上の同種または異種ラジカルにより選 択的に置換され; −nはいかなる数でもよく、n≧2の時、R8ラジカルの内2つは任意に組み合 わさって少なくとも1つの芳香環または複素芳香環を形成することができて; スピロオキサジン類の1種で、以下の例ではSPO2と称される、1,3−ジヒ ドロ−1−ボルニ−3,3,4,6−テトラメチルスピロ[2H−インドールー 2,3’−3H−ナフト[2,1b][1,4]オキサジン](構造式は前記例で− めて示される)の使用が特に推奨される。 1995年8月30日出願のフランス国特許出願第9,510,221号の対 象である、上記のスピロオキサジン類は、脂環基R1で置換されたインドール誘 導体と例えば米国特許第3,578,602号、第4,634,767号、第4 ,913,544号及びヨーロッパ特許出願公開第600,669号に記述され ているような芳香族ニトロソアルコール誘導体との縮合により得ることができる 。この反応は、エタノール、トルエンまたはジクロロメタンのような溶媒中で行 うことができる。 前記インドール誘導体自体は、文献に記載の方法を組み合せることにより得ら れる。 第1段階は、カトリツキー(Katritzky)等による、テトラヘドロン (Tetrahedron)誌,第47巻(1991年),2683ページに記 載の方法に従って行われる。前記アミンのニトロシル化(第2段階)は、亜硝酸 ナトリウム−塩酸との反応により行われ、ニトロソ誘導体の還元(第3段階)は 、THF(テトラヒドロフラン)中でLiAlH4との反応により行われる(フ リードマン(Fridman)等、ロシアン・ケミカル・レビューズ(Russ ian Chemical Reviews)誌、第40巻(1971年)、第 1号、34ページ)。合成の最後の段階(4)は酸性媒質、例えば塩酸−エタノ ー ルまたは酢酸中で、適当なケトンとのヒドラジンの反応(この反応の総括的な考 察については、ロビンソン(Robinson)の“フィッシャーのインドール 合成”、ワイリー−インターサイエンス(1982年)を見るとよい)により行 われる。 本発明の範囲で使用できるクロメン着色剤は特に、米国特許第567,605 号、第4,889,413号、第4,931,221号、第5,200,116 号、第5,066,818号、第5,224,602号、第5,238,981 号、第5,106,998号、第4,980,089号、第5,130,058 号及びヨーロッパ特許出願公開第0,562,915号に記述されている。前記 クロメン類は特にナフトピランからなる。 本発明の範囲では、以下の例でCR1と称される、2,2−ビス(4’−メト キシフェニル)−5,6−ジメチル−2H−ナフト[1,2b]ピラン(構造式は 前記例で改めて示される)の使用が特に推奨される。 本発明の範囲で使用できるスピロピラン着色剤は、特に次のテキストに記述さ れている: ジー・ブラウン(G.Brown)編集“化学の技法”、ワイリー−インター サイエンスの、アール・シー・バーテルソン(R.C.Bertelson)に よる第III巻(1971年)、第III章:“フォトクロミズム”(45〜2 94ページ)。 “フォトクロミズム−分子と系”−エイチ・デュル(H.Durr)及びエイ チ・ブーア−ローラン(H.Bouas−Laurent)編集、エルスビア( 1990年)の、アール・ガグリーメッティ(R.Gugliemetti)に よる第8章:スピロピラン類(314〜455ページ)。 上述の全文書における教示は、参照として本明細書に含まれる。 本発明の範囲で、前記スピロオキサジン類及び/またはクロメン類の配合が、 耐疲労性の小さいスピロピラン類の配合よりも一般に望ましい。 説明としてまた決して限定するものではなく、本発明の重合前調合物(及び重 合調合物)中には、前記モノマーの重量に対して0.01ないし1重量%、望ま しくは0.05ないし0.5重量%、の前記フォトクロミック着色剤が一般に配 合されていることをここに示しておく。 本発明の調合物中には“少なくとも”1種のフォトクロミック着色剤の有効量 が含まれていることを示してきた。実際、本発明の範囲で、ある特定の色合い、 特に灰色または茶色、の暗色化状態を得る目的でフォトクロミック着色剤を組み 合せて配合することがよくある。本発明の特に望ましい実施の形態の変形の1つ では、配合フォトクロミック着色料は2種のスピロオキサジン類及び2種のクロ メン類を含む。 特色として、本発明の有機フォトクロミック材料が作り出される前記調合物は 少なくとも1種の可塑剤を含有する。前記材料の改善されたフォトクロミック特 性を得ることができたのは、前記可塑剤の配合によるものである。出願人は、フ ォトクロミック着色剤が投入された、化学式がI及びIIのモノマーを基にした 重合可能な調合物への(妥当な量の)可塑剤の添加が、それぞれの機械的特性を 変えることなく前記調合物のフォトクロミック特性に有益な効果を与えることを 驚くべき方法で示した。このことは、以下の例で与えられる結果により明らかに される。 前記可塑剤−化学式がI及びIIの化合物を基にした重合化母材用可塑剤−は 特にリン酸トリフェニルまたはフタル酸エステルからなる。本発明の材料がつく られる調合物は、少なくとも1種のフタル酸エステルを含むことが望ましい。前 記フタル酸エステルは原則的に飽和フタル酸エステル、望ましくは立体的に封鎖 された飽和フタル酸エステル、及び不飽和フタル酸エステルから選ばれる;前記 飽和及び不飽和フタル酸エステルは1つまたは2つの置換基を有する。 飽和フタル酸エステル−少なくとも1種の飽和フタル酸エステル−が本発明の 材料の構造に入っても、モノマーが存在しないので母材ポリマーと化学結合する ことはない。前記母材中に分散するだけである。安定性の問題に対しては、立体 封鎖フタル酸エステルの配合が推奨されることは当然である。 本発明の材料が得られる前記重合可能な調合物に可塑剤として配合されること が望ましい、置換基を2つ含むフタル酸エステルを以下に挙げる。前記フタル酸 エステルは3つのサブグループに分けて挙げられる。直鎖フタル酸エステル :同一のあるいは異なるアルキル基が一般に1から12個 炭素原子を含む(より多数の炭素原子を含むこともできる)、ジアルキルフタレ ート。特に: ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフ タレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチル(テレ)フタレート、ジノニルフ タレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチロクチルフ タレート、ウンデシルドデシルフタレート。封鎖フタル酸エステル :アルキル基の内少なくとも1つが枝分かれした、上記と 同種の、ジアルキルフタレート。特に: ジイソブチルフタレート、ジイソヘプチルフタレート、ジイソオクチルフタレー ト、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジ(2−エチルヘキシ ル)フタレート、ジ(1−メチルヘプチル)フタレート、あるいは(アルキル基 が上に示したように一般に1から12個の炭素原子を含む)ジアルキルシクロア ルキルフタレート、ジシクロアルキルフタレート、ジアルキルフェニルアルキル フタレート及びジフェニルアルキルフタレート;特にシクロヘキシルイソオクチ ルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルシクロヘキシルフタレート 、ブチルベンジルフタレート。その他のフタル酸エステル :特に、アルキル基が一般に1から12個の炭素原子 を含むアルコキシ基により置換されたフタレート。例えば、ジメトキシエチルフ タレート、ジブトキシエチルフタレート、ジブトキシエトキシエチルフタレート 。 本発明の範囲で、飽和フタル酸エステルとして、ジブチルフタレート(DBP )及び/または、特にジオクチルテレフタレートの形態で、ジオクチルフタレー ト(DOP)を配合することが特に望ましい。 不飽和フタル酸エステル−少なくとも1種の不飽和フタル酸エステル−が本発 明の材料の構造に入ると、二重結合が介在するのでラジカル重合中にエステルは 母材ポリマーと化学結合する。前記エステルは事実上モノマーとして入る。従っ て前記エステルは母材ポリマー中に完全に固定され、安定化される。不飽和フタ ル酸エステルとして、ジアリルフタレートを配合することが特に強く椎奨される 。 本発明の材料が得られる重合可能な調合物中に特有に配合される前記可塑剤の 配合量は、一般に1ないし10重量%である。配合量が少なすぎると、前記フォ トクロミック特性への有用な作用が現われない。配合量が多すぎると、前記機械 的特性への有害な影響が現われる。 本発明の新規な有機フォトクロミック材料が得られる重合可能な調合物の主要 成分の配合の種類及び量は上に明示されている。本調合物にはその他の成分(化 学式がIII及び/またはIVの化合物)が配合されることが望ましく、また重 合反応は一般に少なくとも1種の連鎖移動剤及び少なくとも1種のラジカル重合 開始剤の有効量の存在の下で進むことはすでに示してある。本発明の上記2つの 態様については以下に明示する。 前記重合可能な調合物は、化学式がIIIの化合物(モノマー)を少なくとも 1種含むことが望ましい。前記化学式がIIIの化合物は、ジビニルベンゼン( DVB)あるいはジ(メチルビニル)ベンゼンからなる。ジビニルベンゼン(D VB)は化学式がIIIの化合物の中でも特に望ましい。少なくとも1種の化学 式がIIIの化合物の配合は特に、化学式がIIの化合物の影響を一般に和らげ るという利点がある。前記化学式がIIIの化合物のフォトクロミック特性の発 現に対する有益な作用が明白に証明されている。ジビニルベンゼンに関しては、 本重合化合物が比較的高い屈折率(n=1.61)をもつため、その配合により 本発明の材料の屈折率が高められるという利点も有する。 前記化学式がIIIの化合物を15重量%に達し得るレベルまで配合すること が推奨される。配合量がこれより多いと、前記有益な効果はもはや見られない。 前記材料の機械的効果が変化し、光学的欠陥が発生する。前記化学式がIIIの 化合物は一般に、配合量が2重量%より多くなったときにその有益な作用を現わ し始める。よって、配合量を一般には2ないし15重量%,望ましくは2ないし 6重量%とすることが椎奨される。 前記重合可能な調合物はまた、化学式がIVの化合物(モノマー)を少なくと も1種含むことが望ましい。これは前に述べたように、(メタ)アクリルモノマ ーである。特に、ブチル−、ペンチル−、ヘキシル−、ヘプチル−、オクチル− 、または2−エチルヘキシルーメタクリレートであり、あるいはエチルトリグリ コール(メタ)アクリレートであってもよい。2−エチルヘキシルメタクリレー ト(MAEH)が、望ましい化学式がIVの化合物である。この種の化合物の存 在 が、前記重合材料の金型からの取り出し及びその後の仕上処理の実施にとって望 ましいことが明らかになっている。 屈折率を低下させるという欠点を有する化学式がIVの化合物の配合量は、一 般に20重量%までに限られている。期待される有益な効果は、一般に数重量% の配合量から現われる。従って一般には、前記化合物の配合量は4ないし15重 量%とすることが椎奨される。 上に明示したように、化学式がIII及びIVの化合物の配合は必須ではない が、一般には望ましい。すなわち、本発明の範囲で、前記可塑剤及び化学式がI IIの化合物のフォトクロミック特性に関して、ある種の相乗効果が明らかにな っている。 前記化学式がI,II,III,IVの化合物は−比較的一定の量が配合され るかあるいは配合可能であるから−本発明の材料がつくられる調合物の主成分で ある。前記材料は、前記化合物−モノマー−から基本的なラジカル共重合により 得られる。前記ラジカル共重合は一般に、上記したように少なくとも1種の連鎖 移動剤及び少なくとも1種のラジカル重合開始剤の有効量の存在の下で進む。 前記連鎖移動剤は一般に、重合される前記モノマーの重量に対して最大5重量 %,望ましくは0.01ないし2重量%が配合される。前記材料が薄く(t≦2 .0mm)つくられるという前提の下では、前記連鎖移動剤は除き得ることに注 意されたい。前記前提の下では、熱排出問題等に直面することはない。2.0m mより厚い本発明の材料をつくるには、上記の量の連鎖移動剤の存在がほとんど 必須である。上記の最大レベル5重量%をこえることは、つくられる前記材料の ガラス転移温度が低くなりすぎるので、まず勧めることはできない。厚さが1. 5ないし20mmの範囲の材料(レンズ)の作成に対しては、連鎖移動剤を約0 .9重量%とすることが強く推奨される。本発明の材料の着色性及び暗色化速度 は連鎖移動剤の配合量にともなって増加することに注意されたい。同様に、連鎖 移動剤の配合量が増加すると、機械的耐性が強まり、光学的品質の改善等が見ら れる。 前記連鎖移動剤が重合中に存在する前記フォトクロミック着色剤を破壊しては ならないこと及び/または前記材料の脱色を連鎖移動剤特有の方法で引きおこし てはならないことが、好都合であることは明らかである。ハロゲン化連鎖移動剤 を用いたときの前記有害な現象は、出願人によりすでに言及されている。従って 、本発明の範囲では非ハロゲン化連鎖移動剤の使用が推奨される。 直鎖アルカンチオール類及びビス−メルカプト−エチルエーテルから選ばれる 少なくとも1種の(非ハロゲン化)連鎖移動剤を配合することが、特に推奨され る。前記直鎖アルカンチオール類は一般に2ないし18個、望ましくは4ないし 16個の炭素原子を含む。前記直鎖アルカンチオール類の特定の例は、ブタンチ オール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチ オール、デカンチオール、ドデカンチオール及びテトラデカンチオールである。 ドデカンチオールの使用が強く椎奨される。 少なくとも1種のアリールまたはアルキルラジカルあるいはチオフェノール類 で置換された(上述した種類の)アルカンチオール類のような他の種類の連鎖移 動剤の使用を排除するものではない。 ビス−メルカプト−エチルエーテルに関しては、その有用性により化学式を明 示する: HS-CH2-CH2-O-CH2-CH2-SH 前記化合物は全て当業者にはよく知られており、市販されている。 配合される前記ラジカル重合開始剤すなわち触媒もまた、存在する前記フォト クロミック着色剤に対してそれ自体不活性でなければならない。このことが出願 人が過酸化物タイプの開始剤の使用を推奨しない理由である。出願人はジアゾ化 合物から選ばれるラジカル重合開始剤の使用を推奨する。この化合物は当業者に よく知られており、市販されている。前記ジアゾ化合物の例には、アゾビスイソ ブチロニトリル(AIBN)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ ル)(AMBN)があり、後者が望ましい。触媒は一般に、存在する前記モノマ ーの重量に対して、0.01ないし1重量%,望ましくは0.05ないし0.5 重量%が用いられる。前記触媒が存在しないかあるいは極めて少量しか存在しな い場合には、より高温で共重合を進ませる必要があり、従って反応を制御するこ と等が困難になる。触媒の量が多すぎると、フリーラジカルが過剰に生成され、 この過剰なフリーラジカルは存在する前記フォトクロミック着色剤の破壊及び最 終材料の疲労を引きおこす。前記最後の前提の下では、進行する反応も加速され て制御困難となる。 出願人は、アルカンチオール類の連鎖移動剤とジアゾ類の重合開始剤の組合せ により優秀なフォトクロミック特性を示すフォトクロミック材料を得られること に触れておいた。 本発明の材料は、上述したように−上に明示した成分を含む調合物のラジカル 重合により得られる−透明有機フォトクロミック材料である。少なくとも1種の 非フォトクロミック着色剤の有効量を、前記重合により得られる材料が一定の基 調色をもつように前記重合前調合物に配合することは、本発明の範囲から排除さ れない。 非フォトクロミック着色剤の種類は当業者に知られている。その配合はなんら 特別な問題を生じない。 前記調合物が、この種の調合物に有用な作用を有することが知られている他の 種類の添加剤を含むこと、特にHALS(封鎖アミン光安定剤)タイプの安定剤 を含むことを排除するものではないことをさらに注意しておく。ヨーロッパ特許 出願公開第195,898号明細書に記述される前記化合物は、光安定剤であり スピロオキサジン類を基にしたフォトクロミック調合物の(光に対する)疲労へ の耐性を高める。従って、着色剤として少なくとも1種のスピロオキサジンを含 む本発明の調合物に、前記化合物の妥当量を配合することもまた推奨される。前 記化合物は前記共重合反応に対する障害となるので、2重量%をこえて配合する ことはほとんど勧められない。配合量は一般に0.5重量%以下のレベルである 。 本発明の調合物はまた、例えば2−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)− 4−メチル−フェノール(TINUNIN Pという商品名で市販されている製 品)のようなUV吸収剤類の添加剤を含むこともできる。 本発明の別の目的に従い、本発明は改善されたフォトクロミック特性を有する 有機フォトクロミック材料の作成に対する少なくとも1種の可塑剤の使用に関す る。前記可塑剤は特に、本明細書で強く示されているように、トリフェニルホス フェートまたはフタル酸エステル類からなる。フタル酸エステル類の使用、特に 上に明記したフタル酸エステルの使用が一般に望ましい。出願人の知る限り、現 在までのところ前記可塑剤の本特性は新規であり、全く考えられてもいなかった 。配合される可塑剤は前記母材ポリマー中に分散するか、望ましくは母材ポリマ ーと化学結合する。 本発明の別の目的に従い、本発明は上述のような有機フォトクロミック材料の 作成プロセスに関する。前記プロセスは: (a)上に明示した、少なくとも1種の化学式がIのモノマー; (b)上に明示した、少なくとも1種の化学式がIIの芳香族モノビニルモノマ ー; (c)上に明示した、有効量の少なくとも1種のフォトクロミック着色剤; (d)上に明示した、少なくとも1種の可塑剤; (g)望ましくは、上に明示した、有効量の少なくとも1種の連鎖移動剤(t≦ 2.0mmの薄いブロック材を作るという前提の下で連鎖移動剤の配合なしです ませることができることがわかっている); (h)上に明示した、少なくとも1種のラジカル重合開始剤の有効量; を含み、さらに選択的に(望ましくは): (e)上に明示した、少なくとも1種の化学式がIIIの芳香族ジビニルモノマ ー; 及び/または (f)上に明示した、少なくとも1種の化学式がIVの(メタ)アクリルモノマ ー; を含む調合物のラジカル重合を含む。 前記調合物は、上に示したように、種々の添加剤をさらに含み、特に少なくと も1種の非フォトクロミック着色剤を含む。 進められる重合は、配合されている少なくとも2種の(化学式がI及びIIの )モノマーの共重合である。5種までの(化学式がI,II,III,IV+二 重結合を少なくとも1つ有する可塑剤の)モノマーを配合できる。 前記共重合は、“前記フォトクロミック着色剤を含む”(非フォトクロミック 着色剤を選択的に含む:上記参照)、全ての構成成分を含む調合物について進め られる。 前記共重合は、当業者によく知られている条件の下で進められる。 本発明の最後の目的に従い、本発明は本発明の有機フォトクロミック材料で全 てあるいは一部が構成されるフォトクロミック製品に関する。前記製品の非限定 例は、眼用補正レンズ、サングラス用レンズ(材料は非フォトクロミック着色剤 を含む)、乗り物及び建物の窓用プラスチック板等である。前記製品においては 、本発明のフォトクロミック材料がいかなる厚さの製品(大量製品)も構成する か、あるいはフィルムすなわち支持体上に施された成層を構成する。 前記眼用レンズは望ましい製品であり、例えば米国特許第2,242,386 号、第3,136,000号または第3,881,683号にあるように、共重 合を進めることにより不自由なくつくることができる。 本発明は以下に与えられる例3〜6,8〜14,17〜19により説明される 。例1,2,7,15及び16は比較のために与えられる。これらは処方に可塑 剤を含まない参照調合物に関する。前記例1〜19に示される割合は全て重量% である。2mm厚の試験管が実際につくられ、材料のフォトクロミック及び機械 的特性を評価するために試験された。前記試験管は、適当な金型内で、前記重合 可能な調合物を以下の条件の下で重合を進めることにより得られた:前記重合可 能な調合物を前記触媒(ラジカル重合開始剤)の熱分解が始まるまで徐々に加熱 した。前記熱分解はフリーラジカルを発生させる。温度が53℃に達すると、1 6時間53℃に維持した。16時間経過後、3時間かけて温度を90℃まで上げ た。次いで90℃を2時間維持した。前記熱処理後、試験されるべき材料の試験 管を金型から取りだした。 以下に明記する熱処理は、本発明の重合可能な調合物から、レンズ金型内で処 理された、眼用レンズを得るために出願人により行われたものであることに言及 しておく。 例で用いられた出発原料は以下の通りである:モノマー アクゾ・ケミカル社のジアクリル121 DIA スチレン STY ジビニルベンゼン DVB 2−エチルヘキシルメタクリレート MAEH可塑剤 ジアリルフタレート(モノマー) DAP ジブチルフタレート DBP触媒 (ラジカル重合触媒) 2,2’−アゾビス2−メチルブチロニトリル AMBN連鎖移動剤 1−ドデカンチオール DDTフォトクロミック着色剤 化学種 製造業者 呼称 スピロオキサジン ジェームズ・ロビンソン SPO1* スピロオキサジン フレーメル・テクノロジーズ SPO2** クロメン(ナフトピラン)ジェームズ・ロビンソン CR1*** * SPO1: 1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−6’−(ピペリ ジノ)スピロ[2H−インドール−2,3’−3H−ナフト[2,1b][1,4] オキサジン] **SPO2:1,3−ジヒドロ−1−ボルニル−3,3,4,6−テトラメチル スピロ[2H−インドール−2,3’−3H−ナフト[2,1b][1,4]オキサ ジン] ***CR1:2,2−ビス(4’−メトキシフェニル)−5,6−ジメチル−2 H−ナフト[1,2b]ピラン 本発明に従う材料(例3〜6,8〜14及び17〜19)の前記試験管は、可 塑剤を含まない材料(例1,2,7,15及び16)の試験管と同様に、上記条 件の下で、処方が以下に与えられる表に明記される重合可能な調合物の重合によ りつくられれた。 得られた材料のフォトクロミック特性は、2つのパラメータの測定により評価 した: −着色性=OD15−OD0;(2mm厚の)正規化試料の光学濃度の発現。 (露光前に)測定された光学濃度がOD0の前記試料を(40,000ルック スの)キセノンランプの下で15分間露光する。15分後前記暗色化した試料の 新しい光学濃度OD15を測定する。この測定は前記着色剤の最大吸収波長、すな わちSPO1については560nm,SPO2については620nm,またCR 1については504nmで行われる。着色性すなわち暗色化量は、前記光学濃度 O D15とOD0との差の絶対値により定量化される; −半暗色化時問:t1/2(秒);初期状態に戻る速度を特性づける。上記条件 での15分間の露光(OD15)後、前記露光を終了し(OD15−OD0)/2ま で戻る時間を計る;これがt1/2である。 得られた材料の機械的特性は2つのパラメータの測定により評価した: −ガラス転移温度:Tg(℃);最大正接δ(最大tg δ)の測定により決 定される。前記温度は動的機械的分析(DMA)により決定する。本パラメータ 及びその測定方法は当業者によく知られている; −弾性率E’(GPa);25℃及び100℃で(ゴム合で)測定される。 眼用に望ましいような熱網状ポリマーに対してはTg>100℃であり、25 ℃におけるE’が高く、100℃におけるE’が低すぎないことの全てが必要で あることが当業者に知られている。前記100℃におけるE’は研磨時あるいは フレームに取りつけるときの裁断時のレンズの軟化傾向を表わす。 前記表に与えられた結果に関して、以下の所見を述べる。例1から6 (表1) 結果は、フォトクロミック強度(着色性)だけでなく、フォトクロミック過程 の速度に関してもDAPが有益な効果をもつことを示している。例4から6(D AP+CVB)を例2(DVBのみ)及び例3(DPAのみ)と比較すると、あ る種の相乗効果がることがわかる。 例1は、DVBもDAPも含んでいない処方のフォトクロミック特性は平凡で あることをはっきりと示している。 例2の処方は、100℃でのE’が高すぎることを示している。このようなE ’では、‘ボール落下試験’における破損の可能性が現実になる。 それにもかかわらず注目すべきことは、例6でフォトクロミック性能に有害な 影響を与えることなく、十分高い100℃でのE’を得られていることである。例7から10 (表2) これらの処方はMAEHを含んでいる。DVB/STY比が一定の時の、DA P配合レベルの増大がフォトクロミック及び機械的特性に与える効果が示されて いる。例11から14 (表3) 例11から13の処方には、フォトクロミック着色剤として別のスピロオキサ ジンが配合されている。この処方の機械的特性は測定していない。SPO1をS PO2で置き換えても、機械的特性のレベルには影響がない。実際、例11から 13による材料の前記機械特性は、例3から6による材料の機械的特性に極めて 近い。 例14は、母材と結合しない可塑剤(ジブチルフタレート)を使用した結果を 示している。例15から19 (表4) クロメン類の着色剤を使用している。これらの処方で作成した材料の機械的特 性は測定していない。前段で示した理由のため、例15から19による材料の前 記機械的特性は、実際、例3から6による材料の機械的特性に極めて近い。 例15は、DVBも可塑剤も含まない処方のフォトクロミック特性が平凡であ ることをはっきりと示している。例16はDVB配合の有益な効果を示し、例1 9はDAPの作用の効果がさらに有益であることを示している。 例18は、着色性に関する相乗効果を示している。この相乗効果は、他の処方 においても、透明化速度に関して見られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/30 C08F 220/30 265/06 265/06 G02C 7/10 G02C 7/10 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,BR,CA,C N,JP,KR,MX,RU,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.有機フォトクロミック材料において: 屈折率が1.55より高く、 (a)少なくとも1種の、化学式がI: のモノマー;ここでR=HまたはCH2、m及びnはそれぞれ1または2; (b)少なくとも1種の、化学式がII: の芳香族モノビニルモノマー;ここでR1=HまたはCH3;前記モノビニルモ ノマーはスチレンからなることが望ましい; (c)前記材料にフォトクロミック特性を与える、有効量の少なくとも1種の 着色剤;前記着色剤はスピロオキサジン類、スピロピラン類及びクロメン類か らなる群から選ばれる; (d)フタル酸エステル類から選ばれることが望ましい、少なくとも1種の可 塑剤; を含む調合物のラジカル重合により得られることを特徴とする材料。 2.前記調合物が: (e)少なくとも1種の、化学式がIII: の芳香族ジビニルモノマー;ここでR1=HまたはCH3;前記ジビニルモノマ ーはジビニルベンゼンからなることが望ましい; をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の材料。 3.前記調合物が: (f)少なくとも1種の、化学式がIV: CH2=C(R)-COOR’ の(メタ)アクリルモノマー;ここでR=HまたはCH3、R’は4ないし1 6個の炭素原子を有する直鎖または枝分かれアルキルラジカルであり、メチル フェニルまたはメチルフェノキシラジカル、あるいは化学式が-(CH2-CH2 O)nR”でn=1〜10、R”=CH3またはC25のポリオキシエトキシル 化基で選択的に置換され;前記(メタ)アクリルモノマーはエチルヘキシルメ タクリレートからなることが望ましい; をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第1項または第2項のいずれかに記 載の材料。 4.前記調合物が、直鎖アルカンチオール及びビス−メルカプト−エチルエーテ ルからなる群から選ばれることが望ましく、ドデカンチオールからなることが 望ましい、有効量の少なくとも1種の非ハロゲン化連鎖移動剤をさらに含むこ とを特徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の材料。 5.前記調合物が、ジアゾ類からなり、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロ ニトリル)からなることが望ましい、有効量の少なくとも1種のラジカル重合 開始剤をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか に記載の材料。 6.前記調合物が、有効量の少なくとも1種の非フォトクロミック着色剤をさら に含むことを特徴とする請求の範囲第1項から第5項のいずれかに記載の材料 。 7.前記可塑剤(d)が、1ないし2個の置換基をもつ、望ましくは立体封鎖さ れた飽和フタル酸エステル及び不飽和フタル酸エステルからなる群から選ばれ ることを特徴とする請求の範囲第1項から第6項のいずれかに記載の材料。 8.前記可塑剤(d)が,ジブチルフタレート及びジオクチル(テレ)フタレー トからなる群から選ばれることを特徴とする請求の範囲第1項から第7項のい ずれかに記載の材料。 9.前記可塑剤(d)が,ジアリルフタレートからなることを特徴とする請求の 範囲第1項から第7項のいずれかに記載の材料。 10.前記調合物が: 50ないし90重量%の、少なくとも1種の、化学式がIのモノマー(a); 5ないし40重量%の、少なくとも1種の、化学式がIIのモノマー(b); 0.1ないし10重量%の、少なくとも1種の、可塑剤(d); 0ないし15重量%の、少なくとも1種の、化学式がIIIのモノマー(e) ; 0ないし20重量%の、少なくとも1種の、化学式がIVのモノマー(f); を含むことを特徴とする請求の範囲第1項から第9項のいずれかに記載の材料 。 11.望ましくはフタル酸エステル類から選ばれる、少なくとも1種の可塑剤を使 用することを特徴とする高められたフォトクロミック特性を有する有機フォト クロミック材料の作成方法。 12.屈折率が1.55より高い有機フォトクロミック材料の作成方法において、 前記方法が: (a)少なくとも1種の、化学式がI: のモノマー;ここでR=HまたはCH3、m及びnはそれぞれ1または2; (b)少なくとも1種の、化学式がII: の芳香族モノビニルモノマー;ここでR1=HまたはCH3;前記モノビニルモ ノマーはスチレンからなることが望ましい; (c)前記材料にフォロクロミック特性を与える、有効量の少なくとも1種の 着色剤;前記着色剤はスピロオキサジン類、スピロピラン類及びクロメン類か らなる群から選ばれる; (d)フタル酸エステル類から選ばれることが望ましい、少なくとも1種の可 塑剤; (g)望ましくは、直鎖アルカンチオール及びビス−メルカプト−エチルエー テルからなる群から選ばれることが望ましく、ドデカンチオールからなること が望ましい、有効量の少なくとも1種の非ハロゲン化連鎖移動剤; (h)ジアゾ化合物から選ばれ、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニト リル)からなることが望ましい、有効量の少なくとも1種のラジカル重合開始 剤; を含む調合物のラジカル重合を含むことを特徴とする方法。 13.前記調合物が: (e)少なくとも1種の、化学式がIII: の芳香族ジビニルモノマー;ここでR1=HまたはCH3;前記ジビニルモノマ ーはジビニルベンゼンからなることが望ましい; (f)少なくとも1種の、化学式がIV: CH2=C(R)-COOR’ の(メタ)アクリルモノマー;ここでR=HまたはCH3;R’は4ないし1 6個の炭素原子を有する直鎖または枝分かれアルキルラジカルであり、メチル フェニルまたはメチルフェノキシラジカル、あるいは化学式が-(CH2-CH2 O)nR”でn=1〜10、R”=CH3またはC22のポリオキシエトキシル 化基で選択的に置換され;前記(メタ)アクリルモノマーはエチルヘキシルメ タクリレートからなることが望ましい; のいずれかあるいはいずれをもさらに含むことを特徴とする請求の範囲第12 項記載の方法。 14.全てまたは一部が請求の範囲第1項から第10項のいずれかに記載のフォト クロミック材料からなることを特徴とするフォトクロミック製品。 15.眼用あるいはサングラス用レンズからなることを特徴とする請求の範囲第1 4項記載の製品。 16.乗り物あるいは建物の窓用プラスチック板からなることを特徴とする請求の 範囲第14項記載の製品。
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