JP2001503001A - 片持ち棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 スタンドと、スタンドから延びている片持ち梁部材とを備えた、板、管、異形ストリップ等の長尺物のための片持ち棚であって、スタンド（１）がＴ形異形スタンドとして形成され、そのフランジ（２）に、打ち抜き部（３）が互いに間隔を持って且つ同じ高さで対をなして並設され、各片持ち梁部材（４）の端部に、打ち抜き部（３）に着脱可能に掛止するための二つのフック（５）が保持要素として設けられている前記片持ち棚において、許容積載量が最大で、容易に製造でき、組み立てが簡単で、片持ち梁部材を１つの面内で相互に一定の方向へ向けるための変位または位置調整を簡単に行えるように構成するため、フック（５）は、打ち抜き部（３）に水平方向へ部分的に差込み可能である。各フック（５）の差込み可能な領域（６）に、ロック要素（２０）を水平方向において受容するために形成された穴（８）が設けられている。力を伝達させるためのロック要素（２０）はロックフック（２１）として形成するのが有利である。

Description

【発明の詳細な説明】 片持ち棚 本発明は、スタンドと、スタンドから延びている片持ち梁部材とを備えた、板 、管、異形ストリップ等の長尺物のための片持ち棚であって、スタンドがＴ形異 形スタンドとして形成され、そのフランジに、打ち抜き部が互いに間隔を持って 且つ同じ高さで対をなして並設され、各片持ち梁部材の端部に、打ち抜き部に着 脱可能に掛止するための二つのフックが保持要素として設けられている前記片持 ち棚に関するものである。 欧州特許第００６１５１４号公報からこの種の片持ち棚は知られており、この 片持ち棚では片持ち梁部材の掛止または掛止解除は常に特定の角度でしか行うこ とができない。したがって、特定の条件のもとでは、即ち片持ち梁部材の長さが 比較的長く、及び（または）高さ方向の間隔が狭い場合には、片持ち梁部材をそ の上にある積載物とともに予め除去しなければならないので、これに対応して作 業コストと時間コストを要する。 ドイツ特許公開第３５１５２６０号公報に示されている片持ち棚では、片持ち 梁部材は水平方向に挿入可能で、固定要素によりロック可能である。この構成で はスタンドは四角形のパイプであり、水平方向に設けた穿孔の穴列が水平方向に 延びて四角形のパイプを貫通している。 片持ち梁部材は二脚構成であり、Ｕ字状の板縁異形部を備えており、これらの板 縁異形部にも固定穴が貫通して設けられ、固定穴の下方に受け台を有している。 この受け台は、片持ち梁部材の長手方向において、穴列とスタンド接触面の間の 間隔に対応する間隔で両側の固定穴から離間している。穿孔部を公差に関し適正 に形成し、配置するためには高い精度が必要であり、したがって大きな作業コス ト及び製造コストを要する。 最後に、欧州特許公告第０５１９３１６号公報からは本発明の対象に種類的に 類似した片持ち梁が知られており、その構成の特徴は、各フックが部分的に下方 へ向けて肉厚にした首部を有し、首部の下面が打ち抜き部の下稜の部分領域で取 付け面を形成していることにある。この構成は極めて高い寸法精度を必要とする 。この場合くさび部の上り勾配部分は、フランジの厚さのほぼ半分に対応し且つ フック内面とフランジ内面との間隔よりも０１ｍｍないし０．５ｍｍの嵌合精度 のぶんだけ短い長さを有している必要がある。この場合首部の取付け面の水平方 向の長さは、フランジの厚さのほぼ半分に対応していなければならない。またフ ックの高さ方向の寸法は、フランジの打ち抜き部の下稜と上稜との間隔よりも嵌 合公差のぶんだけ（有利には０．１ｍｍないし０．５ｍｍ）短くなければならな い。 本発明の課題は、これら従来の技術から出発し、冒頭で述べた種類の片持ち棚 を改善して、簡単な手段により 次のように構成すること、即ち許容積載量が最大で、容易に製造でき、組み立て が簡単で、片持ち梁部材を１つの面内で相互に一定の方向へ向けるための変位ま たは位置調整を簡単に行えるように構成すること、しかも互いに協働する構成要 素であるスタンド及び片持ち梁部材の公差精度に対する高度な要求が必要でない ように構成することである。 この課題は、本発明によれば、フックが、打ち抜き部に水平方向へ部分的に差 込み可能であること、各フックの差込み可能な領域に、ロック要素を水平方向に おいて受容するために形成された穴が設けられていることにより解決される。こ れにより得られる特別な利点は、ロック要素が主荷重または反作用力をスタンド の細条部付近へ伝達し、したがって強度が最大の領域へ伝達することにある。こ れにより最大積載量が得られる。 本発明の構成により、寸法正確な製造及び小さな公差を省略したことによる低 コストな製造が得られるとともに、片持ち梁部材の組み立て時の容易な掛止及び 掛止解除が可能になり、極めて好都合である。 本発明の有利な構成では、力を伝達するためのロック要素は、製造技術的にも 、経済的にも簡潔に構成されたロックフックである。このようなロックフックを 使用することにより、最小の作業時間で極めて簡単な組み立てが可能になり、し かもスタンドにおける片持ち梁部材の高い位置安定性を保証することができる。 この場合有利な構成は、各片持ち梁部材の端部に、足板が有利には一体形成で 固定されており、足板が、横細条部とその側面に設けた縦細条部とを備えるＵ字 状の横断面を有し、縦細条部の一端に前記フックが突出可能に配置されているこ とである。足板は鋳造鋼から成る成形部材であるのが有利である。足板は、たと えば同サイズで大量に製造可能な大量生産部品であり、自動鋳造装置により低コ ストで生産するために適しているので有利である。他方、足板は鍛造部材または 押し抜き部材であってもよい。 本発明の有利な構成によれば、各足板の横細条部の、フックとは逆の側の端部 に、位置調整要素を受容するために形成された穴が設けられている。これらの穴 は、たとえば足板の横細条部の内面及び外面にそれぞれ調整ナットを用いてねじ 込み可能な、且つ位置調整可能な標準的な位置調整ねじを受容するために用いら れる。角度調整を良好にするため、互いに並設される二つの位置調整要素を足板 の下部領域に設けてもよい。 さらに、本発明の有利な構成では、ロックフックは鍵のごとく形成され、円形 の横断面を備えた軸部材を有し、軸部材は、一端にロック突起を備え、他端に直 角に配置されるグリップ部材を備えている。この場合、ロックフックに設けた穴 はロック突起を差込むための鍵穴のごとく、コンパチブルな貫通形状に形成され ている。 本発明の他の詳細、特徴、利点は、添付の図面に図示 した実施形態に関する以下の説明から明らかになる。 図１は 片持ち棚の斜視図である。 図２は 片持ち梁部材を掛止したスタンドの側面図である。 図３は 図２の片持ち梁部材の側面図で、足板の構成が幾分異なっている実施形 態を示す図である。 図４ａ,図４ｂ,図４ｃは それぞれ足板を上から見た図、側面から見た図下から見た図である。 図５ａ,図５ｂは それぞれロック要素の側面図、断面図である。 図６は ロック要素またはロックフックの他の実施形態の側面図である。 図１に図示した本発明による片持ち棚は、複数個のＴ形異形スタンド１を有し ている。Ｔ形異形スタンドは少なくとも二つ設けられるが、その数量は任意であ る。Ｔ形異形スタンド１は等間隔で配置してもよいが、等間隔で配置しなくても よい。図示した実施形態の場合、これらのＴ形異形スタンド１は二重Ｔ形異形ス タンドとして形成されている。異形スタンド１のフランジ２には複数対の打ち抜 き部３が設けられている。各対の打ち抜き部３は同じ高さにあり、且つ互いに間 隔を持ってフランジ２に並設されている。これらの対の打ち抜き部３は各二重Ｔ 形担持体１の一方のフランジ２に設けてもよいし、或いは両フランジに設けても よい。異形スタンド１の下 端には支持足１４が装着されている。異形スタンド１の間には公知のスペーサー １５、及び締付けねじ１７を備えた対角線方向のスパン用結合材１６を配置して もよい。 図２と図３からわかるように、打ち抜き部３に掛止されるべき片持ち梁部材４ は、固定側端部にフック５を備えた足板７を有している。フック５は、それぞれ 対ごとに一対の打ち抜き部３に水平方向へ差込み可能であり、その際それぞれの フック５の差込み可能な領域６には、それぞれ１つのロック要素２０を水平方向 に受容するために形成された穴８が設けられている。さらに、穴８に差込まれた ロック要素２０を図示した図２からわかるように、ロック要素２０は力を伝達さ せるために最適に構成されたロックフック２１を有している。ロックフック２１ は頑丈な且つ簡潔な構造を有しており、熱処理鋼から成る鍛造部材であるのが有 利である。 ロックフック２１は、図５ａ及び図５ｂの詳細図に示すように、ロック突起２ ３を備えた円形の軸部材２２と、ロックフック操作用のグリップ部材２４とを有 している。グリップ部材２４は、図２に示すようにロック突起２３と同じ方向に 指向するよう配置されている。ロックフック２１は、上方に向けたグリップ部材 ２４及びロック突起２３とともに、自動ロック式に構成された（たとえば楕円形 に構成された）穴８の中へ鍵のように挿入され、グリップ部材２４を把持して矢 印１９の方向へ下向きに１８０°回動せしめる。その際ロック突起２３を破線で 示した下部位置へ回動させて、ロック要素２０が破線で示した位置において側方 にロックされるように穴８と係合させる。この１回の作業で片持ち梁部材４を足 板７及びフック５を用いてＴ形担持体または二重Ｔ形担持体のフランジ２に固定 することができる。 図４ａないし図４ｃからわかるように、足板７は有利には一体に形成され、Ｕ 字状の横断面を有し、横細条部１０とその側面に設けた縦細条部９とを備えてい る。縦細条部９の一端には、前記フック５が突出可能に配置されている。フック ５には、ロック要素２０を差込むために形成された穴８が設けられている。穴８ は自動ロック型であるのが有利であり、円形とは異なる形状、即ち楕円形（elli ptisch）、楕円体形（elliptoidisch）或いは卵形(oval)または長穴状の形状を 有している。さらに、足板７の横細条部１０には、フック５とは逆の側の端部に 、位置調整要素を受容するために形成された穴１１が設けられている。位置調整 要素は、図２からわかるように任意のねじであってよく、ねじ止め状態において フランジ２の内面で多少とも支持され、これにより片持ち梁部材４の水平位置を 極めて簡単に且つ経済的に修正する用を成すねじであればよい。 図５ａ及び図５ｂに図示したロック要素２０またはロックフック２１は鍵のよ うに構成されているが、これは１つの例にすぎない。この例の場合、ロック要素 ２０またはロックフック２１と協働するように足板７に設けた 穴８は、たとえば図２、図３及び図４ｂに示すように、コンパチブルな貫通形状 を備えた、ロック突起を差込むための鍵穴のごとく形成されている。ロック突起 の形状、及び足板７のフック５に設けた穴８のコンパチブルな構成は、当業者の 任意の判断にゆだねられている。図５ｂに示唆したようなロック機能は、軸部材 ２２のロック突起２３を穴８に差込んだ後、グリッブ部材２４を矢印１９の方向 に単に横倒しにするだけで行われる。その際、図５ａと図５ｂから明らかなよう に、ロック要素２０の形状は簡潔である。 図６によれば、ロック要素２０はそのグリップ部材２４の末端に隆起部２５を 備えている。これにより穴８への差込みミスが阻止され、片持ち梁部材４の取り 付け時の確実性が向上する。 互いに協働する個々の要素、即ち足板７と、フック５と、ロック要素２０の例 示した実施形態はもちろんこれに限定されるものではなく、当業者の熟練に基づ く判断の範囲内であれば、片持ち梁部材の実施形態に応じて他の実施形態でもよ い。ただし、互いに協働する前記個々の要素は本発明の基本思想に対応していな ければならず、また冒頭で述べた本発明の課題を解決するものでなければならな い。たとえばロック要素２０は、挿入時に足板７の１つのフック対の両フックを 貫通するように延長された軸部材２２を備えていてもよい。これにより、場合に よっては本発明による装置はいっそう簡潔になる。ま た隆起部２５の代りに、突起または他の構成的手段でもよい。それぞれの構成は 、本発明による装置を特殊な使用状態に適合させるべく、当業者の判断にゆだね られている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．スタンドと、スタンドから延びている片持ち梁部材とを備えた、板、管、異 形ストリップ等の長尺物のための片持ち棚であって、スタンド（１）がＴ形異形 スタンドとして形成され、そのフランジ（２）に、打ち抜き部（３）が互いに間 隔を持って且つ同じ高さで対をなして並設され、各片持ち梁部材（４）の端部に 、打ち抜き部（３）に着脱可能に掛止するための二つのフック（５）が保持要素 として設けられている前記片持ち棚において、フック（５）が、打ち抜き部（３ ）に水平方向へ部分的に差込み可能であること、各フック（５）の差込み可能な 領域（６）に、ロック要素（２０）を水平方向において受容するために形成され た穴（８）が設けられていることを特徴とする片持ち棚。 ２．ロック要素（２０）が、力を伝達するために形成されたロックフック（２１ ）であることを特徴とする、請求項１に記載の片持ち棚。 ３．各片持ち梁部材（４）の端部に、足板（７）が有利には一体形成で固定され ており、足板（７）は、横細条部（１０）とその側面に設けた縦細条部（９）と を備えるＵ字状の横断面を有し、縦細条部（９）の一端に前記フック（５）が突 出可能に配置されていることを特徴とする、請求項１または２に記載の片持ち棚 。 ４．足板（７）の横細条部（１０）の、フック（５）と は逆の側の端部に、位置調整要素を受容するために形成された穴（１１）が設け られていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか一つに記載の片持 ち棚。 ５．ロックフック（２１）が鍵のごとく形成され、円形の横断面を備えた軸部材 （２２）を有し、軸部材（２２）が、一端にロック突起（２３）を備え、他端に 直角に配置されるグリップ部材（２４）を備えていることを特徴とする、請求項 １から４までのいずれか一つに記載の片持ち棚。 ６．穴（８）がロック突起（２３）を差込むための鍵穴のごとく、コンパチブル な貫通形状に形成されていることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか 一つに記載の片持ち棚。 ７．ロックフック（２１）のグリップ部材（２４）が、穴（８）へのグリップ部 材（２４）の挿入を阻止する末端の隆起部（２５）を備えていることを特徴とす る、請求項１から６までのいずれか一つに記載の片持ち棚。 ８．ロック要素（２０）が有利には熱処理鋼から成る鍛造部材であることを特徴 とする、請求項１から３までのいずれか一つに記載の片持ち棚。 ９．穴（８）が、各フック（５）の差込み可能な領域（６）において自動ロック 式に構成され、円形とは異なる形状、有利には楕円形、楕円体形或いは卵形また は長穴状の形状を有していることを特徴とする、請求項１か ら８までのいずれか一つに記載の片持ち棚。