JP2001501473A - 環状に改変されたグロビンを取り込んだ酸素結合ヘムタンパク質 - Google Patents

環状に改変されたグロビンを取り込んだ酸素結合ヘムタンパク質

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Abstract

(57)【要約】 記載されているのは、少なくとも一つの環状に改変されたグロビン(特に、アルファグロビン)を取り込んだ少なくとも一つのヘモグロビン分子を含む好適な酸素−結合ヘムタンパク質である。本発明のより好適なヘムタンパク質には、高分子量のマルチマーが含まれる。また、本発明のタンパク質をコードしているポリヌクレオチド、およびベクターおよびそれを含んでいる宿主細胞も記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】 環状に改変されたグロビンを取り込んだ酸素結合ヘムタンパク質 本発明は米国国立保健研究所基金第PHS 5P01 HL−51084号の 政府援助を用いて行われた。政府は本発明に対してある種の権利を持っている。関連出願 本出願は1996年9月27日に出願された米国仮特許出願番号第60/02 6,831号(全文が本明細書において援用される)に対して優先権を請求する 。背景技術 本発明は一般的に酸素結合ヘムタンパク質、特に、少なくとも一つの機能的な 、環状に改変されたグロブリンを取り込んでいる一つまたはそれ以上のヘモグロ ビンテトラマーを組み込んだタンパク質に関している。 さらなる背景として、輸血ができることは、外傷患者に血液損失を補充するこ と、手術患者により少ない危険性でより長い手術を受けさせることおよび救急作 業者が事故犠牲者に供給血液を持っていくことを可能にする。輸血可能な供給血 液には多くの利点があるが、利用可能な血液は人の献血に制限されている。加え て、全血の制限された貯蔵寿命、疾患の伝搬および適合しない血液型分類が完全 に解決されるべき問題である。 例えば、1980年代のHIV混入供給血の存在が、献血された供給血に付随 する問題を回避する必要性に対する意識を高めた。現在ですら、米国保健福祉省 はHIVおよび肝炎を含む、献血に関連した多くの論争を調査するために血液安 全性委員会を創設している。 血漿、白血球、血小板および赤血球を含んでいる移入された血液は、一般的に 、肺から残りの体細胞に酸素を運搬するために使用される。多くの酸素運搬溶液 が 輸血の代替物として研究されてきた。これに関して、有効な血液代用物は三つの 基本的要求を満たさなければならない。第一に、肺から組織へ酸素を運搬しなけ ればならない。第二に、有効であるために十分長くインビボで機能的に残ってい なければならない;および第三に、有害な副作用を惹起してはならない。現在ま でに研究された血液代用物としては、パーフルオルカーボン(Kaufman, R.J.(1991)Biotechnology of Blood(J.G oldstein編)pp.127−162,Butterworth−Hei nemann,Boston)、期限切れのヒト血液からの化学修飾ヘモグロビ ン(Winslow,R.M.(1992)Hemoglobin−based red cell substitutes ,Johns Hopkins University Press,Baltimore)、および微生物およ び哺乳類宿主で産生された組換え体ヘモグロビン(Shen,T.−J.,Ho ,N.T.,Simplaceau,V.,Zoiu,M.,Green,B. N.,Tam,M.F.,& Ho,C.(1993),PNAS USA 9 0,8108−8112;Rao,M.J.,Schneider,K.,Ch ait,B.T.,Chao,T.L.Keller,H.Anderson, S.,Manjula,B.N.,Kumar,R., & Acharya, A.S.(1994)ACBSIB 22,695−700)が挙げられる。 ヘモグロビンについては、各々のヘモグロビン分子は、グロビンとして知られ ている四つのより小さなポリペプチドサブユニットのテトラマーである。鉄−プ ロトポルフィリン錯体であるヘム基は各々のポリペプチドサブユニットに結合さ れており、酸素一分子の可逆的結合に関与している。正常な成人ヘモグロビンは 二つの異なった種類のポリペプチドグロビンから構成されている。アルファグロ ビンとして知られている第一のグロビンは141のアミノ酸残基を含んでいる。 ベータグロビンとして知られている第二のものは146のアミノ酸残基を含んで いる。正常な成人ヘモグロビンにおいて、各々の種類のグロビンの二つが端を切 り取った四面体の形に配置されており、全体的には楕円の形状である。 全ヘモグロビン分子は64,400kDaタンパク質である。X−線結晶構造 はHbAoの大きさが約64Åx55Åx50Åであることを示している(Fe rmi,G.,Perutz,M.F.,Shaanan,B.and Fou rme,B.(1984)Journal of Molecular Bio logy 175,159)。各々のアルファサブユニットのヘム補欠分子族は Lys E10、His CD3、Val E11およびPhe CD1により サブユニットに非共有結合で結合されている。ベータ鎖においては、His C D3がSer CD3で置き換えられている。ヘムは近位のヒスチジンと結合さ れたFe++を含んでいる。遠位のヒスチジンは鉄の周りをさまよっているが配位 はしていない;しかしながら、このヒスチジンは、O2よりもヘムに対して高い 親和性を持つCOの結合、ならびにデオキシ状態での鉄への水素結合を、立体的 および/または電気的に妨げることができる。ヘム中の鉄はFe+++状態へ酸化 することができ、非機能的ヘモグロビンが作り出される(Bunn,H.F.a .F.,B.G.(1986)Hemoglobin−Molecular,G enetic,and Clinical Aspects (Dyson,J. 編)pp.13−19,W.B.Saunders Company,Phil adelphia)。 ヘモグロビンに結合するリガンドにはCO、NO、CN−および最も生理的に 関連するリガンド、O2がある。酸素の結合はS字状パターンで起こり、多リガ ンド結合の協同作用を示している。ヘモグロビンは少なくとも二つの状態、Tお よびR、で存在できることが示されている。T状態はヘモグロビンのデオキシ化 状態に関連しており、一方R状態はリガンド結合ヘモグロビンに関連している。 リガンドが結合したときのTからRへのシフトに関して多くのモデルが提唱され ている。二つの初期モデルは状態の変化を、リガンドが結合されるにつれてのT からRへの協奏的変化、またはTからRへのサブユニットの逐次的変化と説明し ている。Monod、WynmanおよびChangeuxにより提出された協 奏的モデルはTからRへ変換されている全テトラマーから生じる協奏性を説明し ている(Monod、J.,Wynman,J.,andChangeux,J .−P.(1965)Journal of Molecular Biolo gy 12,88−118)。誘導適合モデルはR状態の結果としての協奏性を 説明しており、リガンド結合サブユニットが隣接するT状態サブユニットを誘導 し てRコンホメーションに変化させる(Koshland,D.E.,Nemet hy,G.and Filer,D.(1966)Biochemistry 5,365−386)。最近、Ackersおよび共同研究者は、TからRへの 遷移における中間体状態に対する証拠を提出するTからRへの遷移に対するシン メトリーモデルを提案した(Ackers,G.K.,Doyle,M.L., Myers,D.,and Daugherty,M.A.(1992)Sci ence 255,54−63)。八つの中間体結合状態が、リガンドを結合す ることができない金属置換ヘムを用いて研究された。続いてのリガンドが互い違 いのアルファ/ベータダイマーに結合した場合、最も急な自由エネルギー変化が 起こることが示された。 リガンド親和性はまたアロステリックエフェクターの数にも依存している。酸 素親和性を低下させるエフェクターとしてはプロトン(ボーア効果)、2,3− ジホスホグリセラートおよび塩素イオンが含まれる。エフェクターの生理学的関 連性は、CO2を産生する代謝的に活性な細胞への酸素送達を促進することであ る。 血液代用物を提供する手段としておよびその他の使用のため、ヒトヘモグロビ ンの修飾が広範囲に調べられてきた。ヘモグロビンは十分に特徴付けられたタン パク質であり、有効で安全な血液代用物の基本的要求にあうように改変すること ができる。化学修飾されたヘモグロビン、およびより最近はヘモグロビンの組換 え型が現在、臨床試験の種々の段階で試験されている。 原核生物および真核生物における組換え体ヘモグロビンの過剰産生によりいく つかの問題が生じている。ヒトにおいては、メチオニンアミノペプチダーゼが小 さな疎水性残基を切断すべき信号として認識する(Hernan,R.A.,H ui,H.L.,Andracki,M.E.,Noble,R.W.,Sli gar,S.G.,Walder,J.A.,& Walder,R.Y.(1 992),Biochemistry 31,8619−8628)。従って、 翻訳後に修飾されたヒトヘモグロビンの最初のアミノ酸はバリンである。しかし ながら、大腸菌におけるヒトヘモグロビンの発現の間、最初のメチオニンは切断 されない。さらに、大腸菌メチオニンペプチダーゼは小さな極性側鎖を認識し、 および大腸菌における発現は本質的にアルファ/ベータ鎖の両方の第一次配列に メチオニンを付加する。この問題点は二つの方法で取り扱われてきた。最初のメ チオニンが切断される酵母発現系が利用された(Wagenbach,M.,O ’Roueke,K.,Vitez,L.,Wieczorek,A.,Hof fman,S.,Durfee,S.,Tedesco,J.,& Stetl er,G.(1991)Bio−Technology 9,57−61)。原 核生物での産生においては、最初のアミノ酸(バリン)のメチオニンによる置換 が、HbAoと機能的に同等のタンパク質を産生するためにアルファおよびベー タ鎖の両方で使用された(組換え体ヘモグロビン des−val)(Hern an,R.A.,Hui,H.L.,Andracki,M.E.,Noble ,R.W.,Sligar,S.G.,Walder,J.A.,& Wald er,R.Y.(1992),Biochemistry 31,8619−8 628)。 これらの過剰産生されたヘモグロビンは酵母および大腸菌で誤って組み立てら れることが報告されている(Hernan,R.A.,& Sligar,S. G.(1995)JBC,270,26257−26264)。誤って組み立て られたテトラマーは最初は野生型ヘモグロビンと同様にリガンドを結合するが、 時間がたつと異なった速度でリガンドを結合する異なったテトラマー基体へドリ フトする。ドリフトは時間および温度に依存するようであり、−70℃で保存さ れたタンパク質でもドリフト問題が生じる。−70℃で保存された野生型ヘモグ ロビンはそのような影響を示さなかった。 ヘモグロビン血液代用物は多くの利益と同様に多くの難点があることが示され ている。ヘモグロビンは酸素運搬の強力な道具であるが、これを使用することに より天然の環境から厳密に制御されたタンパク質を除くことになる。ヘモグロビ ンに基づいた血液代用物における一つの重要な問題は、ヘム鉄中の酸素がスーパ ーオキシドイオンとして解離する場合に生じ、ヘモグロビンが第二鉄”met” 状態に酸化されて残される。この自動酸化はヘモグロビンをリガンドを結合でき ない状態として残すことになる。さらに、Fe+++状態は高度の反応性を持つF e4+フェリル状態への経路の中間体であり、ヘムが失われ、脂質の過酸化を起こ すことができる(Giulivi,C.,and Davies,K.J.A. (1994),Methods of Enzymology 231,490 −496;Yamamoto,Y.,and La Mar,G.N.(198 6)Biochemistry 25,5288−5297;Repka,T. ,and Hebbel,R.P.(1991)Blood 78,2753− 2758)。スーパーオキシドが離れる速度(off-rate)は測定される自動酸化 速度を支配しているようである。 ヘモグロビンに基づいた血液代用物に付随する別の重要な問題は、一酸化窒素 (NO)に対するヘモグロビンの親和性であり、それはCOまたはO2に対する 親和性よりも高い。NOは血管拡張剤であり、ヘムリガンドとしてヘモグロビン により、またはニトロソチオールとしてシステイン上で運搬できる(Bonav entura(1996)Nature 380,221−226)。臨床試験 の結果は、ヘモグロビンに基づいた血液代用物で処置された患者はしばしば血圧 が高くなることを示している(Blantz,R.C.,Evan,A.P., and Gabbai,F.B.(1995)Blood Substitut es:Physiological Basis of Efficacy (W inslow,R.M.,Vandegriff,K.D.,and Inta glietta,M.,Ed.)pp.132−142,Birkhauser ,Boston)。ヘモグロビンの別の問題は、分子が十分に小さいため内皮細 胞内層に血管外遊出してNOを結合することである。L−アルギニン(NO合成 経路の中間体)またはニトログリセリン(血管拡張剤)で処置されている患者は ヘモグロビン溶液を投与されている間は標準血圧である(Blantz,R.C .,Evan,A.P.,and Gabbai,F.B.(1995)Blo od Substitutes:Physiological Basis o fEfficacy 、上記文献、を参照されたい)。 多分ヘモグロビン血液代用物の最も著しい欠点は腎臓によるヘモグロビン分子 の急速な濾過である。患者に使用される濃度では、ヘモグロビンは、アルファ/ ベータダイマーへ解離し、これは腎臓濾過されるには十分に小さい。このことは 血液代用物の寿命を著しく減少させるばかりでなく(1時間未満の半減期)、腎 細管に有害な影響を与えて腎毒性を起こしうる(Blantz,R.C.,Ev an,A.P.,and Gabbai,F.B.(1995),Blood Substitutes:Physiological Basis of E fficacy 、上記文献、を参照されたい)。 腎毒性を除去する一つの重要な工程はアルファ/ベータダイマーの架橋である 。現在行われている研究として、二つのアルファまたは二つのベータのリジン残 基への共有結合による化学的架橋が挙げられる(Vandegriff,K.D .,& Le Telier,Y.C.(1994)Artificial−C ells−Blood−Substitutes−and−Immobiliz ation−Biotechnology 22,943−455)。加えて、 ヘモグロビンはグリセルアルデヒドを用いて無作為に多量化されている(Van degriff,K.D.,& Le Telier,Y.C.(1994) rtificial−Cells−Blood−Substitutes−an d−Immobilization−Biotechnology 22,44 3−455)。しかしながら、化学反応の利用は機能的タンパク質の収率を著し く低下させる。 研究者は約2時間の半減期を持つ遺伝子的に架橋されたヘモグロビン分子を生 成させている(Looker,D.,Abbott−Brown,D.,Coz art,P.,Durfee,S.,Hoffman,S/,Mathews, A.,Miller−Roehrich,J.,Shoemaker,G.,K omiyama,N.H.,Nagai,K.,& Stetler,G.L. (1992)Nature 356,258−260)。X−線結晶学によると 、一つのアルファ鎖のC−末端は第二のアルファ鎖のN−末端から2から6Aの みしか離れていないことを示しており(Shaanan,B.,(1983) ournal of Molecular Biology 171,31−5 9)、トリプシン触媒逆加水分解はC−末端に結合された追加のアミノ酸は酸素 結合特性を変化させないことを示している。これらの結果を、C−末端argl 41が別のアルファ鎖のval1と塩橋を形成できるという知見と結び合わせる と、二つのアルファ鎖の遺伝子的な架橋の可能性を示している。これらの研究者 により大腸菌で発現されたジ−アルファ鎖はアルファ−des−val,グリシ ンリンカーおよび天然のアルファ鎖配列から構成されている。この構築物は天然 に存在する低酸素親和性ベータ突然変異体のdes−val誘導体(ベータプレ スバイテリアン、R108K)と共発現され、全構築体はrHb1.1と称され た。 ヘモグロビンに基づいた血液代用物の開発におけるこれらの広範囲な努力にも 関わらず、分子安定性および血漿半減期を増加させ、および腎毒性の危険性を減 少させることができる、より増加した架橋およびより高い分子量を持つ代用物に 対する必要性がいまだに存在している。そのような代用物は望ましくは宿主細胞 において高収量で容易に発現されおよび都合のよい酸素結合能力を持っているで あろう。本発明はこれらの要求を扱っている。発明の要約 従って、本発明の一つの好適な態様は少なくとも一つの環状に改変されたグロ ビンを含んでいる(少なくとも一つの)ヘモグロビン分子を含むヘムタンパク質 を提供する。好適な形では、本発明は隣接したアルファ鎖のNおよびC末端が非 常に近いこと、および一つまたはそれ以上のアミノ酸のリンカーが両方の組の末 端間に挿入されていることを利用している。新末端がタンパク質中の任意の位置 、好適には他の分子との結合のために(例えば、一つまたはそれ以上の他のヘモ グロビン分子と組換え体ヘモグロビン多量体を形成するために)表面に露出され るような位置に形成される。本発明の好適なタンパク質は、二つのアルファおよ び二つのベータグロビンを持つ少なくとも一つの酸素結合ヘモグロビンテトラマ ーを含んでおり、ここで少なくとも一つのグロビンは環状に改変されており、お よび、より好適には表面に露出されたN−およびC−末端を持っている。さらに より好適には、本発明のタンパク質中のヘモグロビン分子はグロビン間の多架橋 を持っているであろう。 本発明の別の好適な態様は、二つのベータグロビンおよびジ−アルファグロビ ン構築物を含む少なくとも一つのヘモグロビン分子を含んでいるヘムタンパク質 (好適には酸素−結合性)を提供する。ジーアルファグロビン構築物は一般的に は別のアルファグロビンに架橋した環状に改変されたアルファグロビンを含んで いる。従って、好適なジ−アルファグロビン構築物は、本来のN−およびC−末 端が一つまたはそれ以上のアミノ酸のリンカー配列により各々がお互いに結合さ れたアルファ鎖を持つ単一ポリペプチドの環状の改変に対応するアミノ酸配列を 含んでいるであろう。都合の良い形においては、ジ−アルファ構築物はポリペプ チドリンカーにより別のタンパク質(例えば、別のジ−アルファ構築物)へ共有 結合で結合でき、高分子量のタンパク質(例えば、ヘモグロビンマルチマー)を 形成する。 本発明の別の好適な態様は、二つの遺伝子架橋により別のアルファグロビンへ 共有結合で結合された環状に改変されたアルファグロビンを持つ一つのポリペプ チドをコードしているポリヌクレオチドを提供する。それ故、好適なポリヌクレ オチドは(1)第一の環状に改変されたアルファグロビンの第一の部分;(2) 第一の遺伝子架橋;(3)第二のアルファグロビン;(4)第二の遺伝子架橋; および(5)環状に改変されたアルファグロビンの第二の部分を連続的にコード しているであろうし、ここで第一および第二の部分は一緒になって全環状に改変 されたアルファグロビンを構成している。それ故、好適なポリヌクレオチドは二 つのアルファグロビン、その第一のものは環状に改変されており、およびその第 二のものは環状に改変されておらず、第一のアルファグロビンの本来のN−およ びC−末端を結合しているポリペプチド中に存在する。 本発明のさらに別の好適な態様は、グロビンの表面露出ループ領域内(即ち、 任意の非らせん表面露出アルファセグメント内)に位置した末端を持っている環 状に改変されたグロビンを提供する。好適な、表面露出末端は溶媒に暴露されて いるであろうし(末端に重なるグロビン構造を持っていない)、隣接するヘモグ ロビンアルファまたはベータサブユニットへの、または別の分子への(例えば、 融合タンパク質を形成する)一つまたは両方の末端の共有結合に有効であろう。 好適な環状に改変されたアルファグロビンは末端アミノ酸として、対応する環状 に改変されていないグロビンの残基47および48、48および49、49およ び50、50および51、113および114、114および115、115お よび116または116および117を持っているであろう。好適な環状に改変 されたベータグロビンは末端アミノ酸として、対応する環状に改変されていない ベータグロビンの残基46および47、47および48、48および49、11 8および119、119および120、120および121、121および12 2を持っているであろう。 本発明の他の好適な態様は、環状に改変されたグロビンをコードしているポリ ヌクレオチド、そのようなポリヌクレオチドを含むベクターまたは宿主細胞、お よびそのようなポリヌクレオチドを含んでいるおよび発現している宿主細胞を培 養することを含むヘムタンパク質の製造法を提供する。 本発明はまた、本発明の酸素結合ヘムタンパク質の治療的有効量を患者に投与 することから成る、温血動物患者(例えば、ヒト患者)における組織酸素供給を 増加させる方法にも関している。 本発明はまた、本発明のヘムタンパク質の有効量を患者に投与することから成 る、温血動物患者(例えば、ヒト患者)の血流中のヘモグロビンを置き換える方 法も提供する。 本発明のさらに別の好適な態様は、本発明の酸素結合ヘムタンパク質の有効量 を動物の血流内へ導入することから成る、温血動物(例えば、ヒト患者)の血管 収縮を誘導するための方法を提供する。 本発明の別の好適な態様は、器官または組織と本発明の酸素結合ヘムタンパク 質を接触させる工程を含む、単離された器官または組織(例えば、貯蔵または輸 送の間の)の酸素供給を増加させる方法を提供する。 追加の態様ならびに本発明の目的、特色および利点は以下の説明から明らかに なるであろう。 図面の簡単な説明 図1はpSS1を発生させるために使用された連結法の図による表現である。 図2はpSS1の発生に使用されたオリゴヌクレオチドカセットを示している 。 図3はpSS1に含まれているジ−アルファ遺伝子のDNA配列を示している 。生じるアミノ酸配列および一次制限部位もまた示されている。 図4はpSLS21およびpSLS22の発生に使用されたオリゴヌクレオチ ドカセット、各々CP1およびCP2、を示している。 図5はpSLS21を発生させるために使用された連結法の図による表現であ る。 図6はpSLS22を発生させるために使用された連結法の図による表現であ る。 図7はpSLS22に含まれている環状に改変されたジ−アルファ遺伝子のD NA配列を示している。生じるアミノ酸配列および一次制限部位もまた示されて いる。ボールド体で強調した領域はグリシンコドン連結領域である。 図8はpSLS23を発生させるために使用された連結法の図による表現であ る。 図9はpSLS24およびpSLS25の発生に使用されたオリゴヌクレオチ ドカセット、各々TA1およびTA2、を示している。 図10はpSLS24を発生させるために使用された連結法の図による表現で ある。 図11はpSLS25を発生させるために使用された連結法の図による表現で ある。 図12はpSLS26を発生させるために使用された連結法の図による表現で ある。 図13はpSLS26に含まれているテトラ−アルファ遺伝子のDNA配列を 示している。生じるアミノ酸配列および一次制限部位もまた示されている。ボー ルド体で強調した領域は単一グリシンおよびGly−Ser−Gly−Gly連 結領域である。 図14はpSLS27を発生させるために使用された連結法の図による表現で ある。修飾テトラ−アルファ遺伝子はわずかに異なった制限部位を含んでいる。 図15はpSLS28を発生させるために使用された連結法の図による表現で ある。 図16は図1、5、6、8、10、11、12、14および15に示されたプ ラスミドの図のための説明文である。 図17は天然のヘモグロビン(HbA)、環状に改変されたヘモグロビン(C PHb)およびオクタマーヘモグロビン(OHb)のための平衡結合曲線を示し ている。 図18はHbAおよびCPHbの血漿残存時間測定の結果を示している。好適な態様の説明 本発明の原理の理解を深める目的で、それらの態様が参照され、同一のものを 説明するために特別な言葉が使用されるであろう。しかしながら、それらにより 本発明の範囲が制限されることを意図しているものではなく、そのような変形、 さらなる改変および本明細書で説明されているような本発明の原理の応用は、本 発明に関係する当業者には普通に生じるであろうごとく意図されていることが理 解されるであろう。 以下の定義が本明細書では使用される。 ヌクレオチド−−糖残基(ペントース)、リン酸および窒素性複素環式塩基を 含んでいるDNAまたはRNAの単量体単位。塩基はグリコシド炭素(ペントー スの1’炭素)を通して糖残基に結合されており、塩基および糖の組み合わせは ヌクレオシドと称されている。塩基はヌクレオチドを特徴付ける。四つのDNA 塩基とはアデニン(”A”)、グアニン(”G”)、シトシン(”C”)および チミン(”T”)である。四つのRNA塩基とはA,G、Cおよびウラシル(” U”)である。 ポリヌクレオチド−−隣接するペントースの3’および5’炭素間のホスホジ エステル結合によりお互いに連結されたヌクレオチドの直線配列。 ポリペプチド−−隣接するアミノ酸のアルファアミノおよびカルボキシ基間の ペプチド結合によりお互いに連結されたアミノ酸の直線配列。 発現−−構造遺伝子により受ける過程であり、ポリペプチドが産生される。転 写および翻訳の組み合わせである。 プラスミド−−プラスミドが宿主細胞中で複製されるように無傷の”レプリコ ン”から成る非染色体性の二本鎖DNA配列。 ベクター−−プラスミド、ウイルスDNAまたは他のDNA配列;それは宿主 細胞中で複製でき、一つまたは少数のエンドヌクレアーゼ制限部位により特徴付 けられ(その部位でそのようなDNAは、例えば、複製、コートタンパク質の産 生またはプロモーターまたは結合部位の喪失のようなDNAの必須な生物学的機 能の伴う損失を起こすことのない決定可能な様式で切断されるであろう)、およ び、例えば、テトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性のような形質転換さ れた細胞の同定に使用するために適したマーカーを含んでいる。 形質転換−−遺伝子発現を可能にするような方法での細胞内へのDNAまたは RNAの導入。 ストロマフリー調製液−−赤血球細胞および赤血球細胞膜断片を含んでいない 調製液。 架橋ヘモグロビン分子−−一つまたはそれ以上のそのグロビンサブユニット間 の共有結合架橋により修飾されたヘモグロビン分子。 環状に改変されたグロビン−−その天然の末端アミノ酸残基間に共有結合連鎖 を持ち、ポリペプチド鎖の別の位置に新しい末端アミノ酸残基を持つグロビン。 遺伝子架橋−−ヘモグロビンテトラマーの二つのグロビンを共有結合で連結し 、二つのグロビンおよび鎖を単一のポリペプチドとしてコードしているポリヌク レオチドの発現により形成されるアミノ酸またはポリペプチド。 天然末端−−環状改変に先だったグロビンの末端アミノ酸残基。 新末端−−環状改変後のグロビンの末端アミノ酸残基。 グロビン−−好適には高分子量凝集体を形成できるヘム含有の密なタンパク質 。 ヘモグロビン−−四つのグロビンのタンパク質。 環状に改変されたヘモグロビンマルチマー−−各々が少なくとも一つの環状に 改変されたグロビンを持っている二つまたはそれ以上のヘモグロビン分子を含む タンパク質、ここで隣接するヘモグロビン分子の環状に改変されたグロビンは一 つまたはそれ以上のアミノ酸のリンカー鎖によりお互いに共有結合で連結されて いる。 上に開示したように、本発明は少なくとも一つの環状に改変されたグロビンを 含んでいる少なくとも一つのヘモグロビン分子を持つ新規ヘムタンパク質に関し ている。これに関して、環状に改変された(CP)タンパク質は連結されたその 天然の末端、およびそのポリペプチド鎖中のいくつかの他の位置に新末端を持っ ている。それ故、環状に改変されたタンパク質は、タンパク質の環状一次配列を 作り、続いて別の部位でタンパク質を再切断することにより、または再切断され たタンパク質に対応するアミノ酸配列をコードしているDNA配列を発現させる ことにより製造できる。生じたタンパク質は、出発タンパク質の一次アミノ酸配 列とは著しく異なった一次配列を持つ新規タンパク質である。しかしながら、命 名法を単純にする目的のため、本分野は新タンパク質を環状に改変された”出発 タンパク質”と称する慣例を採用しており、アルファまたはベータグロビンのよ うな既知のグロビンの一次アミノ酸配列の環状改変に対応する一次アミノ酸配列 を持っているペプチドを称する場合、便宜上本明細書では慣例に従うであろう。 同様に、一つまたはそれ以上の環状に改変されたグロビンを取り込んだ本発明の 四量体ヘムタンパク質はヘモグロビンと称されるであろう。 本発明は通常のヒトヘモグロビンおよび広範囲の種々の既知のヘモグロビン突 然変異体に応用できる。これに関して、通常のヒトヘモグロビンのアルファおよ びベータグロビンのアミノ酸配列が表2に提供されており、表1の略号が用いら れている。 ポリペプチド鎖のアミノ酸構造の変化を含む数百の既知のヘモグロビン突然変 異体も存在する。例えば、アルファグロビンの突然変異形(des−val)が 以下の特別な実験に使用される。このアルファグロビンは鎖のアミノ酸1にバリ ン→メチオニン置換を持っている。他の既知のアルファ突然変異体としてアルフ ァ鎖中のアミノ酸94アスパラギン酸→アスパラギンのようなもの(Hb Ti tusville)が含まれるが、そのような変更に制限されるわけではない。 多くの既知の突然変異体ヘモグロビンはヒトベータグロビン位90、102、 108およびそれらの組み合わせの位置にアミノ酸置換を持っている。ベータ突 然変異の特別な例は以下のものであるが、それらに制限されるわけではない: (1)アミノ酸90グルタミン→リジン(ヘモグロビン アジェノジ) (2)アミノ酸90グルタミン→グリシン (3)アミノ酸108アスパラギン→アスパラギン酸(ヘモグロビン ヨシズ カ) (4)アミノ酸102アスパラギン→スレオニン(ヘモグロビン カンサス) (5)アミノ酸102アスパラギン→セリン(ヘモグロビン ベス イスラエ ル) (6)アミノ酸90グルタミン酸→バリン アミノ酸91ロイシン→メチオニン アミノ酸93システイン→セリン アミノ酸94アスパラギン酸→グルタミン酸 Hemoglobin,Vol19,No.1−2,pp.39−124,M arcel Dekker(1995)からとったいくつかの追加の例示的ヘモ グロビン変異体が本明細書に付属する付録A(本明細書の一部である)に示され ている。 既知の突然変異体に加え、タンパク質またはタンパク質マルチマーへ追加の望 ましい特性を加えるために他の突然変異をこれらの環状に改変されたグロビン内 へ遺伝子工学により起こすことができる。例えば、ヘムの電気的環境を変化させ る突然変異が、分子の還元された、生理学的に活性な形を安定化するため、また はリガンド親和性および選択性を変化させるために含まれるであろう。 一般的に言って、本発明においては、グロビンサブユニットの新規末端は酸素 結合、テトラマーヘムタンパク質を形成する他のグロビンとの組立において、グ ロビンの機能を削除しない部位に形成される。従って、得られるタンパク質は野 生型ヘモグロビンの問題とする機能、例えば、あるレベルでの酸素を結合する能 力を保持しているであろう(それは同一レベルかもしれないし、または野生型タ ンパク質と比較して増加または減少したレベルかもしれない)。 一般的に言って、新規末端を形成するために好適な候補位置は、アルファヘリ ックスセグメント内よりもむしろ、グロビン上の表面露出ループ領域内に存在す るであろう。このことは、ループは高度に規則正しいものではないので、タンパ ク質構造の破壊を最小にすることが期待される。アルファグロビン中に新規末端 を導入するためのより好適な領域には、CおよびEヘリックス間のループ領域( 残基47−51)およびGおよびHヘリックス間のループ領域(残基113−1 17)が含まれる。CおよびEヘリックス間のループ領域が最も好適である。従 って下記の実験において、新規末端は正常成人ヒトアルファグロビンの本来のセ リン49(新N末端)および本来のロイシン48(新C末端)に作り出された。 ヒトベータグロビンの環状改変において(例えば、表1参照)、末端はアルフ ァ鎖のように空間的に近接していないので、より長いリンカーが天然の末端の連 結に使用されるであろう。例えば、約3から5の残基のポリペプチドリンカーが 使用されるであろう。ベータ鎖は構造的にアルファ鎖と類似しているので、新規 末端の導入に好適な部位としては、一般的にアルファ鎖で選択されたものと同一 のループ領域が含まれる。これらにはヘリックスCおよびD間のループ領域(残 基46−49)およびヘリックスGおよびH間のループ領域(残基118−12 2)が含まれるが、これらに制限されるわけではない。これらの内、ヘリックス CおよびD間のループ領域が最も好適である。 本発明の環状に改変されたグロビンの新規末端は好適には、楕円形のテトラマ ーヘモグロビンに組み立てられた時にグロビンの表面に露出されている。新規末 端の選択は、通常のモデル化ソフトウェアー、例えば、アミノ酸の表面露出を確 かにするための分子モデル化ソフトウェアーを用いたSilicon Grap hics Imagingコンピューターによるタンパク質構造のモデル化によ り助けられるであろう。ヘモグロビン分子表面での新規末端の位置づけは、アミ ノ酸またはポリペプチドリンカーを通した他の分子への本分子の共有結合での結 合を容易にする。本発明の一つの好適な実施において、多数のヘモグロビン分子 が各々のヘモグロビン分子の環状に改変されたグロビン間を繋ぐポリペプチドリ ンカーによりお互いに共有結合で連結されているヘモグロビンマルチマーが提供 される。これに関し、このポリペプチドリンカーの長さは特定の応用に合致する ように広範囲に変わりうる;しかしながら、約1から約20のアミノ酸を持つポ リペプチドリンカーがほとんどの応用に適しているであろうし、より共通には約 1から約10のアミノ酸を持っている。出願者の好適な作業においては、リンカ ーへコンホメーションの自由を与えるためにポリペプチドリンカーは多くのグリ シン残基を含んでいた。加えて、分子間リンカーは溶媒に暴露されるであろうの で、親水性残基、例えば、ヒドロキシルまたは酸性基を含むアミノ酸残基(例え ば、下記の実験に報告されている特定の作業で使用されたヒドロキシル含有セリ ン)がうまく利用できる。一般的に言って、分子間リンカーでの適したアミノ酸 の選択および使用は当業者の範囲内であろう。 同様に、本発明のヘモグロビンマルチマー中のヘモグロビン分子の数は変化す るであろうが、約百までのおよびそれを超えるヘモグロビン反復単位を持つマル チマーが含まれる。再び、ほとんどの応用において、少数の反復単位、例えば、 2から約10の範囲のヘモグロビン反復単位が予期されている。 ヘモグロビン分子のグロビン間に分子内架橋を作り出すためには、1から約7 のアミノ酸、より好適には1から約3のアミノ酸の鎖を使用することが望ましい 。 任意の適したアミノ酸またはアミノ酸の組がこの目的に使用でき、例えば、上記 表1に同定されているアミノ酸から選択される一つまたはそれ以上のアミノ酸が 含まれる。架橋に適したアミノ酸の選択および使用は当業者の範囲内であろう。 上に議論されたようなアミノ酸架橋は遺伝子架橋として都合よく導入される。 分子内および/または分子間架橋を導入する他の様式もまた使用され、例えば、 架橋剤による化学処理が含まれているであろう。そのような架橋剤としては、グ リオキサール、アムロニックジアルデヒド、クエン酸ジアルデヒド、グルタルア ルデヒド、アジピン酸ジアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、プロピル アジピン酸ジアルデヒド、フタール酸ジアルデヒド、テレフタールアルデヒドお よびマロン酸ジアルデヒドのようなジアルデヒドが挙げられる。例えば、Bon senら、米国特許第4,001,200;4,001,401;および4,0 53,590号;およびBonhardら、米国特許第4,136,093およ び4,336,248号を参照されたい。 好適に架橋されたヘモグロビン分子は、天然の非架橋ヘモグロビンと比較して 高められた分子安定性を示すであろう。この安定性は、例えば、非架橋対応物と 比較すると増加したヘモグロビン分子の熱安定性(例えば、融点)により示され るであろう。 本発明はまたヒトアルファまたはベータグロビンのような環状に改変されたグ ロビンをコードしている単離されたポリヌクレオチド、好適にはDNA配列、に 関している。そのようなポリヌクレオチドは、例えば、近い将来のグロビン遺伝 子の環状改変に対応する所望の配列を持っているポリヌクレオチドの化学合成に より作製することができる。本発明のそのようなポリヌクレオチドはまた、問題 とするグロビンコード配列の末端を直接またはアミノ酸リンカーのための塩基配 列コーディングを通して結合し、続いて生じた環化配列を切断して環状に改変さ れた配列を生じることによっても製造できる。環状に改変された配列を作製する ための遺伝子操作が、本発明に従った環状に改変されたグロビンおよびそれらを 含んだ構築物をコードする多くの種類のポリヌクレオチドを形成する過度の実験 を行うことなく応用できる。 本発明の好適な態様は、順に:(i)第一の、環状に改変されたグロビンの第 一の部分;(ii)第一の遺伝子架橋;(iii)第二の、全グロビン;(iv )第二の遺伝子架橋;および(v)環状に改変されたグロビンの第二の部分(こ こで第一および第二の部分は一緒になって全環状に改変されたグロビンを構成す る)、を含んでいる単一のポリペプチドをコードしているDNAまたはRNA配 列(好適にはDNA配列)のようなポリヌクレオチドを提供する。コードされた ポリペプチドもまた本発明の一部であり、一般的に言って、第二の環状に改変さ れていないアルファグロビンのアミノ酸配列を含んでいる連結ポリペプチドが結 合した、本来のN−およびC−末端を持っている第一の環状に改変されたグロビ ンを含んでいる。より好適には、そのような構築物の第一および第二のグロビン はアルファグロビンであり、および第一および第二の遺伝子架橋(環状に改変さ れたグロビンのN−およびC−末端および環状に改変されていないグロビンのN −およびC−末端間に存在するペプチド配列)は1から約3のアミノ酸を持って いるであろう。 本発明の実施に使用するためのDNAまたは他のポリヌクレオチドは手作業ま たは自動化装置により合成的に作製される。本発明のポリヌクレオチド配列の合 成的作製手段は当業者には一般的に知られている(特に本明細書に含まれている 教えを考慮して)。ポリヌクレオチド合成のさらなる詳細は、例えば、Mani atisら、Molecular Cloning−A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Laborator y(1984)およびHorvathら、An Automated DNA Synthesizer Employing Deoxynucreosid e 3’−Phosphoramidites ,Methods in Enz ymology 154:313−326,1987)(両方とも本明細書にお いて援用される)を含む本主題に関する標準的教科書を参照できる。さらには、 本発明のポリヌクレオチド配列は天然に存在するポリヌクレオチドの単離および 修飾により構築されるであろう。例えば、出発グロビンポリヌクレオチドは、ゲ ノムまたはcDNAライブラリーから単離された制限断片でもよい。出発ポリヌ クレオチドは続いて既知の技術を用いて操作でき、一般的に前に説明したような 環状に改変されたグロビンをコードする本発明のポリヌクレオチドが製造される 。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド配列を含む発現またはクローニング ベクター(例えば、プラスミドベクターおよびウイルスベクターを含む)を提供 する。発現またはクローニングベクターの必須および望まれる成分部分の合成お よび/または単離、およびそれらの組み立ては当業者の能力で可能であり、およ びそれ自体は過度に試行することなく実施できる。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含み、本ポリヌクレオチドを発現 する宿主細胞にも関している。そのような宿主細胞は、本発明のポリヌクレオチ ドを運んでいる適したベクター(例えば、プラスミドまたはウイルスベクター) で細胞を形質転換することにより作製できる。本発明のポリヌクレオチドはまた 、他の既知の技術(例えば、マイクロインジェクションおよびエレクトロポレー ションなどが含まれる)を用いて細胞内へ導入できる。 宿主細胞は、効率よくヘモグロビンを発現する種々の宿主細胞から選択でき、 例えば、ヒト、マウスまたはブタのような哺乳類細胞、大腸菌、バシラスまたは サルモネラのようなグラム陽性または陰性細菌細胞、サッカロミセス セレビジ エまたはサッカロミセス ポムベのような酵母細胞、または昆虫細胞が含まれる 。 さらに、本発明のポリヌクレオチドを発現する宿主細胞は本発明の環状に改変さ れたグロビンを高収率で産生するように培養できる。グロビンは個々に単離でき 、またはより好適には、環状に改変されたグロビンは宿主細胞において、少なく とも一つの組み立てられたヘモグロビンテトラマーを含む酸素結合ヘムタンパク 質を生成するのに必要な他のグロビンと細胞中で共発現される。従って、例えば 、下記の実験の部において、ジ−アルファまたはテトラ−アルファグロビン構築 物は宿主細胞においてベータグロビンと共発現され、相当する組み立てられたヘ モグロビンテトラマーまたはオクタマーは細胞から高収率で単離された。これに 関し、培養宿主細胞からの本発明のタンパク質の単離および精製は、濾過、遠心 分離およびクロマトグラフィーなどのような通常の技術を用いて達成できる。本 発明のヘムタンパク質の実質的に精製された調製試料がそれらにより製造できる 。 本発明のヘムタンパク質は血液およびヘモグロビン代用物として有用な特性を 示している。例えば、実験の部に開示されているテトラマーのおよびオクタマー のヘムタンパク質は、従来知られているヘモグロビンに基づいた血液代用物と比 較して、熱変性に対して高められた安定性を示している。また、リガンド結合実 験は、これらのタンパク質が野生型ヘモグロビンのリガンド結合特性(酸素結合 、一対の再結合およびCO結合速度を含む)を持っていることを示した。 使用するため、必要に応じてヘムタンパク質は医薬として受容可能な担体内へ 取り込ませることができ、医薬組成物を形成させる。無菌の液体担体(特に水性 担体)、リポソームまたは他のポリマー化およびカプセル化ポリマーが好適であ ろう(例えば、平衡化電解質および緩衝化溶液)。ヘムタンパク質は望ましくは 約1から約20%の濃度であるが、用いられる正確な濃度は各々の応用に依存す る。ヘモグロビンはまた、コロイド(血漿、アルブミン)またはクリスタロイド (食塩、グルコース、デキストラン、ゼラチン、ヘマゾール*または乳酸加リン ゲル液)のような既知の血漿増量剤に溶解するか、または天然の赤血球細胞また はリポソームのような人工赤血球細胞に含ませる。 このようにして調製された医薬製剤は続いてヒトまたは他の動物患者に、例え ば、注射またはカテーテル法などにより便利に投与できる。これらの目的に便利 なように、医薬製剤はバイアル、注射器または点滴バックのような無菌の医用容 器中に包含させることができる。 本発明の酸素結合ヘムタンパク質は、ストロマフリーヘモグロビン型血液置換 、または例えば、心筋梗塞、卒中、糖尿病のような細血管疾患を含む組織への危 うくなった酸素送達に付随する疾患状態における酸素供給を改良するために使用 されるであろう。本発明のヘムタンパク質はさらに、組織への酸素供給を増加さ せるためにも使用できる(例えば、腫瘍細胞または物理的または化学的手段によ る損傷のために低酸素性細胞を持つ他の組織、例えば、火傷、化学薬品への暴露 、物理的障害またはイオン化放射線)。一つの特別な応用において、本発明のヘ ムタンパク質は、治療の効率を良くするために、放射線治療にかけられるべき低 酸素性腫瘍細胞への酸素供給を増加させるために使用される(例えば、米国特許 第5,295,944号を参照されたい)。多くの腫瘍は酸素不均一性(低酸素 の領域を含んでいる)を示し、それはイオン化放射線の細胞毒性作用に対して腫 瘍細胞を保護している。例としては、肉腫、癌腫およびリンパ腫のような充実性 腫瘍、および腫瘍細胞の腫瘤がある分散腫瘍細胞のいくつかの場合(そこから酸 素不均一性の領域を生み出すことができる、例えば、進行白血病)が挙げられる 。そのような場合、腫瘍組織への酸素供給の増加は、組織に対する放射線治療の 効果を促進できる。 腫瘍部位への酸素輸送を増加させるため、本発明のヘム結合タンパク質を含ん でいる製剤が患者へ投与できる(例えば、静脈内に)。次に、化学療法剤が投与 できるが、ヘムタンパク質製剤および化学療法剤投与の間隔は、ヘムタンパク質 が宿主の循環系に完全に取り込まれるのにかかる時間、本製剤の寿命などのよう な因子に依存している。また、患者にイオン化放射線を与えるのに先だっておよ び後に、酸素を濃縮したガスを呼吸させてもよい。このことは、患者に酸素を濃 縮した空気、100%酸素またはカルボゲン(95%酸素/5%CO2)を吸わ せるか、または患者を高圧酸素条件に曝すことにより実施できる。 抗腫瘍効果を持つ任意の型のイオン化放射線を用いることができ、例としては X−線、ガンマ線、高エネルギー電子およびプロトン、中性子およびアルファ粒 子のような高LET放射線が挙げられる。そのようなイオン化放射線は当業者に はよく知られた技術を用いて照射することができる。例えば、X−線およびガン マ線はライナックまたは放射線源から外部的および/または細胞間腔的手段によ り照射される。高エネルギー電子はライナックにより照射できる。高LET放射 線もまたライナックにより照射できるし、また細胞間腔に移植した放射線源から も照射できる。イオン化放射線の線量は一般的には腫瘍の放射線治療処置で通常 用いられる線量であるが、ある場合には、酸素結合ヘムタンパク質の使用がイオ ン化放射線の必要線量を低減するであろう。 別の分野においては、本発明のヘムタンパク質が低用量で血流量の増加が望ま れる場合に使用できる。例えば、出血性、心臓性または敗血性起源のショックの ような異常に低いレベルから血圧を増加させるため、または例えば卒中治療にお けるように、通常レベルから血圧を増加させて改良された血流量を達成するため にヘムタンパク質が投与されるであろう。本発明のヘムタンパク質はまた酸素セ ンサーとしても使用されるであろう。 加えて、本発明のヘムタンパク質はそれから伸びた表面露出末端アミノ酸また はポリペプチドを通して他の分子へ結合され(例えば、共有結合で)、本発明に 従った付加的材料を形成してもよい。例えば、一つの態様において、本発明のヘ ムタンパク質は他の分子と複合体化できて、他の分子と比較して血管保持時間が 増加した活性複合体(conjugate)を形成し、従って、他の分子の血管保持時間 を効果的に調節(増加)する。一つの様式では、本複合体は本発明のヘムタンパ ク質と他の分子を遺伝子的に連結することにより製造できる。従って、ヘムタン パク質および他の分子の両方をコードしているポリヌクレオチドが構築でき、発 現のために適した宿主内へ導入される。DNAの発現は複合体を提供するであろ う。 表面に露出した末端を持つ本発明のヘムタンパク質はこれらの目的に特に都合が よいであろう。末端は表面に露出され、ヘムタンパク質の構造に組み込まれてい ないため、他の分子との結合がヘムタンパク質の構造を有意に破壊せずにその機 能が保存されるであろうし、また、結合された分子がヘムタンパク質内へ埋め込 まれずに溶液中に残されることを可能にするであろう。本発明のヘムタンパク質 と複合体を形成させた場合に増加した保持時間から恩恵が期待されるであろう現 在使用されている治療ペプチドが多数存在し、例えば、インシュリン、エリスロ ポエチンおよびソマトトロピンのような成長ホルモンが含まれている。例えばエ リスロポエチンの場合、エリスロポエチン(体内において赤血球細胞生成を促進 するホルモン)と遺伝子的に結合された本発明のヘムタンパク質の投与は、血液 代用物が分解されおよび血流により濾過される前に、患者の赤血球細胞供給を補 充するために使用されるであろう。 本発明のヘムタンパク質はまた体外で有機分子およびDNAなどのような非ペ プチドへ結合できる。本発明のヘムタンパク質上のリジンへ架橋剤を作用させて 、他の分子への架橋のためにタンパク質上に独特の反応性部位を提供するような (他の分子は既知の化学を使用して組み入れることができる)、タンパク質上の 特定の化学基へ化合物を共有結合で連結する多くの方法が知られている。実例と なる取り付け化学は、例えば、T.E.Creighton(1983)”Pr oteins:Structure and Molecular Prope rties ”,W.H.Freeman,New York;およびW.D.D andliker and A.J.Portman(1971)”Excit ed States of Proteins and Nucleic Ac ids ”,R.F.Steiner and I.Weinryb eds., Plenum Press,New York,pp.199−276に記載さ れている。 本発明のヘムタンパク質はまた、医薬として活性な化合物へ特異的に1:1の 化学量論で結合させることができ、それはヘムタンパク質の構造的完全さに対し て有害な影響を与えることなく達成できるであろうことが期待される。本発明の タンパク質はまた、抗体のようなターゲッティング試薬に結合されてもよく、ま たはMRIイメージング剤自身としても都合よく使用できるし、または他のイメ ージング(例えば、MRIまたはX−線)または治療剤へも結合できる。 本発明(その原理およびその利点)の理解をさらに深めるため、以下の実験が 提供される。この実験は例示であり、本発明を制限するものではないことを理解 されたい。実験 使用された大腸菌株およびプラスミドベクター 大腸菌株DH5aが以下に説明したすべての遺伝子工学実験および遺伝子構築 物のタンパク質発現に使用された。遺伝子構築に使用されたプラスミドpHS4 71およびpWHS486はHernanら(Biochemistry 31 :8619−28(1992))により発生されている。pUC18はNewE ngland BioLabsから市販品として入手可能なプラスミドである。遺伝子工学のためのDNAカセットの作製 ほとんどの遺伝子操作は、所望のコード化領域を含む一対の相補的オリゴヌク レオチドの発生を伴うカセット突然変異誘発を利用した。すべてのオリゴヌクレ オチドはイリノイ大学の遺伝子工学施設により合成的に製造されおよびそこから 購入された。各々のオリゴヌクレオチドの400ピコモルが、50mMトリス− HCl、pH7.6/10mM MgCl2/5mM DTT/100μMED TAを含んでいる100μLの反応液中、37℃にて60分、10単位のT4ポ リヌクレオチドキナーゼでリン酸化された。リン酸化後、95℃で5分間混合お よび加熱し、3−4時間以上かけて室温まで徐々に冷却させることにより相補的 オリゴヌクレオチドをアニール化した。生じた断片は制限部位に対する付着末端 を持っており、遺伝子断片またはプラスミドベクターへの連結を可能にしている 。本明細書の目的のためおよび本分野で一般的に理解されているように、”カセ ット”とは上記のような様式で製造された一対の相補的オリゴヌクレオチドを指 している。プラスミドミニ調製 すべてのプラスミド単離は、問題とするプラスミドを含んでいる大腸菌をLB 培地(リットル当たり10gのトリプトン、5gの酵母抽出物、5gのNaCl )で一夜増殖させた培養物5mLから行われた。市販品として入手可能なQia gen Spin Plasmid Mini−Preparationキット がDNAの精製に使用された。Qiagenキットは高収率でRNAを含まな いプラスミドが得られる。DNAは25μLの水に溶出された。制限切断 すべての制限切断は37℃で実施された。各々の切断に1−10単位の酵素が 使用され、反応は10μLの最終容量で行われた。酵素はNew Englan d Bio−LabsまたはGIBCO BRLから購入された。使用された緩 衝液系は酵素と一緒に供給された。DNA断片単離および精製 続いての結合反応に使用された制限酵素切断DNA断片は、10μg/mLの エチジウムブロミドを含む1%アガロースゲル上、130Vで約1時間分離され た。選択されたDNAバンドをかみそりの刃で切り取り、得られたDNAはBi oLab101からのGeneClean IIキットを用いてゲル断片から単 離された。DNA結合 GeneCleanから得られたプラスミド断片およびオリゴヌクレオチドは 20μLの最終反応液容量中、1単位のT4 DNAリガーゼ(GIBCO B RL)で結合された。ベクターと断片/カセット挿入物比は1:3から1:50 の間で変化した。結合反応は室温で1時間または16℃で一夜行われた。コンピテント細胞および形質転換 大腸菌DH5aはLB培地の5mL−夜培養で増殖させた。500μLの一夜 培養液を50mLのLBへ接種した。細胞は3−4時間増殖させ、5000gで 5分間遠心した。細胞は25mLの冷0.1M CaCl2に再懸濁した。氷上 で20分インキュベートした後、細胞を同一条件で再び遠心した。ペレットは次 に4mLの冷CaCl2に再懸濁した。 コンピテント大腸菌は結合反応が終了したまたはミニ調製DNAで形質転換さ れた。結合反応混合物または0.5μgのミニ調製DNAを20μLのコンピ テント細胞と混合し、氷上で20分間インキュベートした。細胞に37℃で2分 間の熱ショックを与え、すぐに氷上に5分間置いた。1mLのLB培地を加え、 アンピシリン耐性を生み出すために細胞を37℃で1時間インキュベートした。 20μLの細胞を、アガロース(15g/L)およびアンピシリン(0.2g/ L)を含むLBプレート上に置いた。残りの細胞混合物は遠心分離し、上清の一 部を除去し、ペレット化した細胞は再懸濁して同様にプレートに播いた。DNAシークエンシング 遺伝子シークエンシングはPCR増幅を用いるPerkin/Elmer D NAシークエンサーを用いてイリノイ大学DNAシークエンシング施設で行われ た。シークエンシング反応は蛍光標識ジデオキシヌクレオチドで停止された。p UCシークエンシングのためのユニバーサルおよびリバースプライマーが反応を 開始させた。ジーアルファグロビン遺伝子の構築 アルファdes−val遺伝子(pHS471)が二つのグロビン遺伝子配列 の縦列様式の作製に使用された。pHS471をSalIおよびPstIで切断 して第一のアルファグロビンの大多数を含んでいるベクターが得られた。次に、 アルファ遺伝子断片をSacIおよびPstIのよるpHS471の切断で発生 させた。この断片は、SalI制限部位で始まる第一のアルファ遺伝子の最後の 部分、グリシンコドンおよびSacI制限部位で終わる第二のアルファ遺伝子の 最初の部分をコードしている連結カセットと一緒にベクター内へ結合させてpS S1を発生させた。この結合方法の図式は図1に示されている。pSS1中の連 結カセットおよびジ−アルファ遺伝子のDNA配列は各々図2および3に示され ている。 構築物の配列は確認された。連結領域はジアルファベクターをBamHIによ り切断し、pUC18のBamHI部位内へサブクローニングすることによりサ ブ−クローン化された。生じたプラスミドはイリノイ大学シークエンシング施設 で配列決定された。環状に改変されたジーアルファ遺伝子の構築 前記のように作製されたpSS1は、環状に改変されたジ−アルファグロビン 遺伝子の発生に利用された。合成には二つの結合工程および二つのカセットが必 要であった。カセットCP1およびCP2の配列が図4に示されている。第一の 工程において、カセットCP1およびpSS1のMluI/BamHI切断によ り発生した400塩基対断片を、XbaIおよびBamHIで切断したpHS4 71内へ連結させてpSLS21を発生させた(図5)。次に、カセットCP2 およびpSS1のXhoI/BamHI切断により発生した400塩基対断片を 、BamHIおよびPstIで切断したpSS21内へ連結させてpSLS22 を発生させた(図6)。 pSS21のDNA配列はイリノイ大学シークエンシング施設での順および逆 方向での両方のシークエンシングにより確認された。対応するアミノ酸とともに 配列が図7に示されている。 単一のlacプロモーター制御下の、環状に改変されたジ−アルファおよびd asValベータグロビン遺伝子両方から成る単一のオペロンが作製された。X baIおよびPstIでのpSLS22の切断により単離された環状に改変され たジ−アルファグロビン遺伝子、およびPstIおよびHindIIIでのpW HS486の切断により単離されたベータグロビン遺伝子が、XbaIおよびH indIIIで切断されたpUC18内へ連結され、pSLS23が発生した( 図8)。テトラ−アルファ遺伝子融合物の構築 二つの環状に改変されたジ−アルファ遺伝子が連結領域で融合されテトラ−ア ルファ遺伝子が作製された。この構築物がベータグロビン遺伝子とともに発現さ れた場合、一つのテトラ−アルファグロビンおよび四つのベータグロビン遺伝子 から成る機能的なオクタマーグロビンが形成される。三つの連結工程および二つ のカセットがテトラ−アルファ、ベータグロビン遺伝子オペロンの作製に必要と された。構築物に使用されたカセットTA1およびTA2は図9に示されている 。 第一に、pSLS22のStyI/BamHI断片およびカセットTAIを、p SLS22のStyI部位を破壊するためにXbaIおよびBamHIで切断さ れたpSLS22内へ結合させて、pSLS24を発生させた(図10)。第二 に、pSLS22の400塩基対BamHI/XhoI断片およびカセットTA 2を、BamHIおよびPstIで切断されたpSLS24内へ結合させてpS LS25を発生させた(図11)。最後に、pSLS25のXbaI/StyI 断片、pSLS22のStyI/PstI断片、およびpWHS486のpst I/HindIII断片を、XbaIおよびHindIIIで切断されたpUC 18内へ結合させてpSLS26を発生させた(図12)。シークエンシングに より確認されたDNA配列が図13に示されている。この構築物の遺伝子産物は 以後オクタマー環状に改変されたヘモグロビンと称される。より高次の環状に改変されたアルファ遺伝子融合物の構築 六つが融合したアルファ鎖遺伝子を発生させるため、二つの連結工程が部分切 断とならんで必要とされる。第一に、pSLS26をPstIで完全に切断する 。生じた直線状DNAベクターは次に非理想的緩衝液中で15分、3単位の酵素 を用いたBamHIによる部分切断が行われる。この反応からの1350b.p .断片が単離され、BamHIおよびPstIで切断されたpSLS22内へ連 結されてpSLS27が発生する(図14)。次にpSLS27をPstIで完 全に切断し、前記の部分切断と同様な様式でStyIで部分切断する。この反応 からの1500b.p.断片が、StyIおよびPstIで切断されたpSLS 26内へ連結されてpSLS28が発生する(図15)。同様の方法で、任意の 数の高次アルファ遺伝子融合物が、pSLS27のStyI部分的およびPst I切断からの環状に改変されたジアルファセグメントの連続的連結により作製で き、次第により大きなアルファ融合構築物となる。遺伝子工学処理された、新規ヘムタンパク質の発現 プラスミドpSLS23およびpSLS26がコンピテント大腸菌DH5細胞 内へ形質転換された。培養物は、6Lの振盪フラスコ中、37℃にて、200μ g/mLアンピシリンおよび0.5mM d−アミノレブリン酸を含んでいる1 Lの2XYT培地(16gトリプトン、10g酵母抽出物および5gのNaCl /L)で増殖させた。36−48時間後、8000gで5分間の遠心分離により 細胞を採取し、細胞ペーストを取り出して−70℃で凍結保存した。全細胞CO差スペクトル タンパク質発現をアッセイするため、タンパク質精製の前に大腸菌細胞培養物 の一酸化炭素(CO)差スペクトルが測定された。細胞は上記タンパク質発現で 説明された条件にて静止期まで増殖させた。3−5mLの培養液に数粒のジチオ ナイトを添加し、ベースラインが記録された。次にCOを培養液に吹き込み、C ary13分光光度計でスペクトルを記録した。タンパク質の単離および精製 細胞ペーストはCO雰囲気下で放置して融解させ、溶菌および精製の間に使用 されるすべての緩衝液はCOで飽和させた。融解細胞は5倍の(w/v)10m M NaH2PO4、pH6.0、1mM EDTAに再懸濁した。細胞はSt ansted AO−116細胞破壊機を通すことにより溶菌させた。細胞溶菌 後、80単位/mLのDNaseおよび8単位/mLのRNaseを混合物に加 え、室温で1時間インキュベートした。次に混合物をBeckman L8−M 超遠心機中、100,000gで遠心分離した。上清を残し、20mM NaH2 PO4で6.0にpHを調整した。上清は続いて、10mM NaH2PO4、p H6.0、1mM EDTAで平衡化したカルボキシメチルセルロースカラム( Whatman)に加えた。カラムを4カラム容量の10mM NaH2PO4、 pH6.0、1mM EDTAで洗浄し、最終的に20mMトリス−HCl、p H7.0、1mM EDTAまでの段階的濃度勾配で溶出させた。タンパク質を 集め、PM−30アミコン膜を使用して窒素圧で濃縮した。濃縮タンパク質は液 体窒素中でただちに凍結し、使用するまで−70℃で保存した。質量分析 精製タンパク質試料は、タンパク質を水中へ交換させるためセファデックスG −25カラムにかけた。イリノイ大学質量分析施設でタンパク質のエレクトロス プレー質量分析が行われた。試料は、実験のために0.1%ギ酸を含んでいる5 0:50アセトニトリル:水溶液に10pmol/μLの濃度まで希釈された。 環状に改変されたヘモグロビン(CpHb)およびオクタマーの環状に改変さ れたヘモグロビン(OHb)の実験的に測定された質量が計算値と比較された。 各々のタンパク質のベータグロビンは15900±2ダルトンであることが測定 された。この値は、15901.4ダルトンの計算値とよく一致している。各々 のタンパク質の環状に改変されたアルファグロビン構築物は以下に掲げられてい る。しかしながら、計算値は最初のメチオニン残基の切断で期待されるある。値 はよく一致しており、本タンパク質が細菌宿主においては、最初のメチオニン切 断を除いて翻訳後修飾されないことを示している。 計算値 測定値 CpHb ジ−α 30351.6Da 30352.6±3.9Da OHb テトラ−α 60943.6Da 60940.4±9.2DaUV−Vis分光法 タンパク質は数粒のジチオナイトを添加することにより還元され、空気飽和水 へ交換された。酸素結合スペクトルがHitachi U−3300分光光度計 で測定された。次に、試料に数粒のジチオナイトを添加して、デオキシスペクト ルがセプタムで封じたキュベットを用いて測定された。最後に、試料に15秒間 COを穏やかに通気することによりCO結合型を発生させ、スペクトルが記録さ れた。 環状に改変されたヘモグロビン(CpHb)およびオクタマーの環状に改変さ れたヘモグロビン(OHb)のスペクトルは天然のヘモグロビンのスペクトルと ほぼ同一であった。各々の結合状態の吸収極大が以下に掲げられている(nM) 。 SIS−PAGE 精製タンパク質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動が実施された。各々の タンパク質試料は10mMトリス−HCl、pH8.0、1mM EDTA、2 .5%SDS、5%β−メルカプトエタノールおよび0.001%ブロムフェノ ールブルー中で5分間煮沸された。2μLの試料を10−15%濃度勾配ゲル( Phamacia)上に加えた。ゲルはPharmacia PhastSys temを使用し、250ボルト、10.0mA、3.0ワットで総計60ボルト 時間、15℃にて泳動された。ゲルはPhastSystem発色チャンバー中 、ファーストクーマシー染色技術を用いて発色された。酸素平衡測定 自家製ヘムオックス分析器(Ron Hernan、博士論文、Univer sity of Illinois at Urbana Champaign ,1994)で測定された酸素平衡測定は図17に示されている。0.1M[C l-]を含むpH7.4の0.05Mトリス−HCl緩衝液中で天然のヘモグロ ビン、環状に改変されたヘモグロビン(CpHb)およびオクタマーの環状に改 変されたヘモグロビン(OHb)の平衡結合曲線が各々60μM、5μMおよび 5μM[ヘム]で測定された。P50値およびnmax値が各々のタンパク質に対し て計算された。ボーア効果は、0.1M[Cl-]を含む0.05Mビストリス および0.1M[Cl-]を含む0.05Mトリス−HClを用いて、各々pH 6.5および8.5、各々のタンパク質に対するp50値を測定することにより決 定された。最 後に、アロステリックエフェクターに対する各々のタンパク質の応答が0.1m M IHPを加えて測定された。タンパク質間の比較が下に掲げられており、環 状に改変されたヘモグロビンは協調して酸素を結合すること(nmax=2)およ びそれらは天然のヘモグロビンと同様の様式でアロステリックエフェクター(プ ロトンおよびIHP)に応答することを示している。 血漿寿命測定 環状に改変されたヘモグロビンの血管内寿命が測定され、細胞フリーHbAの 寿命と比較された。HbAは前に記載されているように(Ron Hernan 、博士論文、University of Illinois at Urba na Champaign,1994)新しく採血した血液の精製により得られ た。体重が150から200gの若い成人Spaugue Dawleyラット が実験に使用された。タンパク質試料はセファデックスG−25カラムを用いて 、150mM NaCl、5mM KCl、2mM NaPO4から成るpH7 .4の緩衝液内へ交換した。試料は次に約1.5mMヘムまで濃縮した。この溶 液の1mLを濾過滅菌し、手術用に置かれた頚静脈カテーテルを通して各々のラ ットに注入した。ベースラインとして5分に、およびつぎつぎの時間間隔で、同 一のカテーテルから200μLの血液試料を抜き取った。遠心分離により赤血球 から血漿を分離し、ヘモグロビン含量がSigmaからの血漿ヘモグロビン診断 キットにより決定された。測定値は5分での値へ規格化され、各々のタンパク質 に対し て3匹の異なったラットにおける3回の実験が平均された。データの指数関数適 合が図18に示されており、HbAおよび環状に改変されたヘモグロビンに対し て各々30および90分であるとT1/2が計算された。 付録 アルファ鎖の改変体 ベータ鎖の改変体 ガンマ鎖の改変体 A γ鎖の改変体 A γT鎖の改変体 その他 デルタ鎖の改変体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12N 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/14 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも一つの環状に改変されたグロビンを含んでいるヘモグロビ ンから成るヘムタンパク質。 2. 酸素結合ヘモグロビンマルチマーである請求項第1項に記載のタンパ ク質。 3. ヘモグロビンマルチマーは、各々がお互いに約3から約7のアミノ酸 を持つポリペプチドにより共有結合で連結されている架橋ヘモグロビン分子から 成る請求項第2項に記載のタンパク質。 4. 各々のヘモグロビン分子が架橋されたヘモグロビンである請求項第3 項に記載のタンパク質。 5. 架橋されたヘモグロビンが二つの遺伝子的架橋を含んでいる請求項第 4項に記載のタンパク質。 6. 二つのヘモグロビン分子を含んでいる請求項第5項に記載のタンパク 質。 7. 二つのベータグロビンおよびジ−アルファグロビン構築物を含んでい る少なくとも一つのヘモグロビン分子から成る酸素結合ヘムタンパク質であり、 ここで該ジ−アルファグロビン構築物は、二つの遺伝子的架橋により別のアルフ ァグロビンに結合された環状に改変されたアルファグロビンを持っている単一の ポリペプチドを含んでいる、前記タンパク質。 8. 各々が環状に改変されたアルファグロビンの末端を共有結合で結合し ているポリペプチドリンカーによりお互いに結合されている二つまたはそれ以上 の該ヘモグロビン分子から成る請求項第7項に記載のタンパク質。 9. ポリペプチドリンカーが約3から約7のアミノ酸を持つ請求項第8項 に記載のタンパク質。 10. 遺伝子的架橋が1から約7のアミノ酸を持つ請求項第9項に記載のタ ンパク質。 11. 環状に改変されたアルファグロビンがループ領域に存在する末端を持 つ請求項第7項に記載のタンパク質。 12. 環状に改変されたグロビンをコードしているポリヌクレオチド。 13. グロビンがアルファグロビンである請求項第12項に記載のポリヌク レオチド。 14. DNA配列である請求項第12項に記載のポリヌクレオチド。 15. 二つの遺伝子的架橋により別のアルファグロビンに結合されている環 状に改変されたアルファグロビンを持っている単一のポリペプチドをコードして いるDNA配列である請求項第14項に記載のポリヌクレオチド。 16. 第一の、環状に改変されたアルファグロビンの第一の部分; 第一の遺伝子的架橋; 第二のアルファグロビン; 第二の遺伝子的架橋;および 環状に改変されたアルファグロビンの第二の部分、ここで第一および 第二の部分は一緒になって全環状に改変されたアルファグロビンを構築する; を連続的にコードしているDNA配列を含む請求項第15項に記載のポリヌクレ オチド。 17. 別のアルファおよび二つのベータグロビンと一緒に組み立てられて酸 素運搬ヘムタンパク質を形成する、環状に改変されたアルファグロビン。 18. 請求項第17項の環状に改変されたアルファグロビンをコードしてい る単離されたDNA配列。 19. 請求項第12または18項のポリヌクレオチド配列を含むベクター。 20. 請求項第12または18項のDNA配列を含んでいるおよび発現する 宿主細胞。 21. 請求項第20項の宿主細胞を培養することを含む、酸素結合ヘムタン パク質の製造法。 22. 温血動物に治療的に有効量の、酸素を結合する請求項第1項のヘムタ ンパク質を投与することを含む、温血動物における組織酸素供給を増加させる方 法。 23. 温血動物に有効量の、酸素を結合する請求項第1項のヘムタンパク質 を投与することを含む、温血動物における血流中のヘモグロビンを置き換える方 法。 24. 温血動物の血流に有効量の、酸素を結合する請求項第1項のヘムタン パク質を導入することを含む、温血動物において血管収縮を誘導する方法。 25. 単離された器官または組織を酸素を結合する請求項第1項のヘムタン パク質と接触させることを含む、単離された器官または組織の酸素供給を増加さ せる方法。 26. 医薬として受容可能な担体に取り込まれた、酸素を結合する請求項第 1項のヘムタンパク質を含む医薬製剤。
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