JP2001358030A - 軟磁性膜の製造方法と、この軟磁性膜を用いた平面型磁気素子、フィルタ、及び薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

軟磁性膜の製造方法と、この軟磁性膜を用いた平面型磁気素子、フィルタ、及び薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JP2001358030A JP2000175369A JP2000175369A JP2001358030A JP 2001358030 A JP2001358030 A JP 2001358030A JP 2000175369 A JP2000175369 A JP 2000175369A JP 2000175369 A JP2000175369 A JP 2000175369A JP 2001358030 A JP2001358030 A JP 2001358030A
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Yoshito Sasaki
義人 佐々木
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    • H01F10/08Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
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Abstract

(57)【要約】 従来では、Fe−M−O膜等の酸素を含有する軟磁性膜
を反応性スパッタ法等により形成したが、この方法では
再現性が悪く、組成比や膜厚等にばらつきがあった。 【解決手段】 元素T(TはFe,Ni,Co)の酸化
物の粉末a、及び元素M(MはHfやZr等)の酸化物
の粉末bを混ぜ合わせ、焼結してターゲット2を形成す
ることで、前記ターゲット2をスパッタすることにより
形成できる軟磁性膜11を組成比や膜厚にばらつきがな
く再現性良く形成でき、歩留まりの向上を図ることがで
きる。また組成比や膜厚のばらつきを少なくできること
で、磁気的または電気的なばらつきをなくすことが可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば平面型磁気
素子(トランス、インダクタ)の磁心に用いられる軟磁
性膜に係わり、特に前記軟磁性膜を高い再現性で形成で
き、膜厚及び組成比のばらつきを少なくすることが可能
な軟磁性膜の製造方法と、この軟磁性膜を用いた平面型
磁気素子、フィルタ、及び薄膜磁気ヘッドの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】平面型磁気素子(トランス、インダク
タ)、フィルタ、及び薄膜磁気ヘッドなどの磁性層とし
て使用される軟磁性膜には、高周波領域において、高い
透磁率、飽和磁束密度、及び比抵抗を示し、しかも小さ
い保磁力を有するものが要求されている。
【0003】このような高周波特性に優れた軟磁性材料
として、Fe−M−O合金を例示することができる。な
お元素Mは、希土類元素や、Ti,Zr,Hf,V,N
b,Ta,Wなどの元素である。
【0004】上記した軟磁性材料は酸素を含有するもの
であるが、軟磁性膜中に酸素を含有させる方法として
は、例えば反応性スパッタ法を挙げることができる。
【0005】前記反応性スパッタ法では、例えばターゲ
ットにFe−Hf合金を用い、Arなどの不活性ガス中
にO2ガスを混合した(Ar+O2)混合ガス雰囲気中で
スパッタを行なう。
【0006】これにより、Hfと活性なOとが結合し、
2ガスの流量を調節することによって、磁性膜中に含
まれるOの組成比を増減させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら反応性ス
パッタ法では、以下のような問題点があった。
【0008】すなわちO2ガスの流量を適性に制御する
ことが非常に難しく、成膜の再現性(安定性)が悪化
し、歩留まりの低下が問題となっていた。
【0009】特に上記の反応性スパッタ法を用いると、
軟磁性膜全体が均一な組成で形成されず、局部的に酸素
量等の多い領域や少ない領域が存在し、磁気的あるいは
電気的な特性にばらつきが発生しやすくなる。
【0010】また反応性スパッタ法以外に、例えばマグ
ネトロンスパッタ法を用い、Feのターゲットに、Hf
2から成る複数のチップを用いた複合型ターゲット
を、Ar雰囲気中でスパッタする方法がある。
【0011】しかしながら上記の方法によっても、組成
比や膜厚のばらつきが大きく再現性の適切な改善には至
らないことがわかった。これはターゲットにはスパッタ
されやすい領域とされにくい領域とが存在し、前記複数
のチップの配置等によりスパッタ量が変化することによ
ると考えられる。また組成比や膜厚のばらつきにより磁
気的あるいは電気的な特性のばらつきも発生する。
【0012】また上記の複合型ターゲットを用いると、
上記したばらつきの発生に加え、軟磁性膜を構成する各
元素の組成比を所定の組成範囲内に容易に自由に変動さ
せにくいといった問題もある。
【0013】例えば、軟磁性膜中に占める酸素の組成比
を多くしたい場合は、HfO2のチップ枚数を増やせば
よいが、HfO2のチップ枚数を増やすと、Oの組成比
は大きくなるものの、同時にHfの組成比も大きくな
り、Feの組成比は急激に低下してしまう。このためF
eの組成比に大きく左右される飽和磁束密度Bsは小さ
くなってしまうという問題が発生する。
【0014】またHfの組成比に対して酸素の組成比を
2倍以上にしたい場合、上記の方法ではそれを実現でき
ない。なぜならチップ材としてHfO2を用いているた
め、元々Oの組成比はHfの組成比の2倍しかないから
である。
【0015】また各構成元素の組成比を所定の組成範囲
内に適切に調整すべく、上記したHfO2チップに加
え、さらにF34チップをターゲットに配置し、Fe
量、O量の低減を抑制する手法もあるが、この方法であ
っても依然として成膜の再現性は低く、良好な磁気的あ
るいは電気的な特性を有する軟磁性膜の形成には至らな
い。
【0016】以上のように従来の反応性スパッタ法及び
マグネトロンスパッタ法では、軟磁性膜を再現性良く形
成することは難しく、また各構成元素の組成比を自由に
且つ適切に調節することができなかった。
【0017】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、磁性膜の組成比を適性に調節することがで
き、しかも成膜の再現性(安定性)に優れた磁性薄膜の
成膜方法と、この軟磁性膜を用いた平面型磁気素子、フ
ィルタ、及び薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供すること
を目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明における軟磁性膜
の製造方法は、Fe,Co,Niのうち1種または2種
以上の元素Tの酸化物からなる粉末aと、Ti,Zr,
Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Si,Cr,
P,C,B,Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種
または2種以上の元素Mの酸化物からなる粉末bとを焼
結してターゲットを形成し、前記ターゲットと対向する
位置に基板を配置し、前記ターゲットをスパッタして前
記基板上に、元素Tと元素Mと酸素とを含有する軟磁性
膜を成膜することを特徴とするものである。
【0019】上記の軟磁性膜の製造方法では、あらかじ
め元素Tの酸化物の粉末aと、元素Mの酸化物の粉末b
とを混ぜ合わせ、焼結してターゲットを形成しており、
この方法によれば、均一な組成を有する前記ターゲット
を形成することができる。
【0020】したがって前記ターゲットによって形成さ
れた軟磁性膜もまた均一な組成を有し、再現性を従来に
比べて高めることができ、歩留まりを向上させることが
可能である。
【0021】また本発明では軟磁性膜の組成比や膜厚の
ばらつきを小さくできるので、これによって磁気的また
は電気的なばらつきを抑制することが可能である。
【0022】また上記の製造方法を用いて形成された具
体的な軟磁性膜の組成比等については後で詳述するが、
本発明によれば、粉末aを元素Tの酸化物で形成し、粉
末bを元素Mの酸化物で形成しているから、焼成された
ターゲット内に占める、元素Mに対する酸素の組成比の
割合を、前記元素Mの酸化物を分子式で示した場合にお
ける前記元素Mの原子数に対する元素Oの原子数の割合
よりも大きくでき、軟磁性膜中に占める酸素の含有量
を、従来に比べて自由にしかも適切な組成範囲内で形成
することができる。
【0023】また本発明における軟磁性膜の製造方法
は、Fe,Co,Niのうち1種または2種以上の元素
Tの酸化物からなる粉末aと、Ti,Zr,Hf,V,
Nb,Ta,Mo,W,Al,Si,Cr,P,C,
B,Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種または2
種以上の元素Mの酸化物からなる粉末bと、Fe,C
o,Niのうち1種または2種以上の元素Sの粉末cと
を焼結してターゲットを形成し、前記ターゲットと対向
する位置に基板を配置し、前記ターゲットをスパッタし
て前記基板上に、元素Tと元素Sと元素Mと酸素とを含
有する軟磁性膜を成膜することを特徴とするものであ
る。
【0024】上記した製造方法によれば、粉末a,bの
他に、元素Sの粉末cを加えて焼結しターゲットを形成
している。なお前記元素Tと元素Sは同じ元素であって
も異なる元素であってもよい。
【0025】上記した方法であると、軟磁性膜中に占め
る各構成元素の組成比を適切且つ自由に調整することが
可能である。例えば軟磁性膜中に占める元素Tの割合が
小さくなり過ぎる場合に、粉末cを新たにターゲット内
に混入し前記ターゲットの元素Tの組成比を上げれば、
成膜される軟磁性膜においても前記元素Tの組成比を上
げることが可能である。
【0026】本発明では、前記軟磁性膜の組成比の調節
は、各粉末の割合を調節して行うことができる。したが
って容易にしかも適切に前記軟磁性膜の組成比の調整を
行うことが可能である。
【0027】また本発明では、前記軟磁性膜の成膜は、
Ar雰囲気中で行うことが好ましい。従来、使用されて
いた反応性スパッタ法の場合には、Arガス以外にO2
ガスを成膜装置内に導入し、前記O2ガスの流量比を調
整することによって軟磁性膜中に占める酸素の組成比の
調整を行っていたが、本発明によれば不活性ガスである
Arガスだけを成膜装置内に導入すればよいので、導入
ガスの制御が容易である。
【0028】本発明では、上記した製造方法によって以
下の組成比等を有する軟磁性膜を成膜することが可能で
ある。
【0029】本発明では前記元素T及び元素SにFeを
選択し、前記軟磁性膜は、組成式がFeabcで示さ
れ、組成比はat%で、44.5≦a≦57.5、8≦
b≦19、30.5≦c≦41、a+b+c=100を
満足し、透磁率μr′と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗
で表されるμr′・ρ値(×103)が、600以上で
あることが好ましい。
【0030】本発明の製造方法によれば、Feと元素M
とOとの組成比を適正に調整することができ、透磁率μ
r′と比抵抗ρとの乗で表されるμr′・ρ値(×10
3)を従来よりも向上させ、これにより優れた高周波特
性を有する軟磁性膜を製造することができる。
【0031】また本発明では、前記組成比はat%で、
45.5≦a≦55、9≦b≦17.5、32.5≦c
≦40、a+b+c=100を満足し、透磁率μr′と
比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値
(×103)が、800以上であることがより好まし
い。
【0032】また本発明では、前記組成比はat%で、
45.5≦a≦54、9.5≦b≦16.5、35≦c
≦40、a+b+c=100を満足し、透磁率μr′と
比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値
(×103)が、1000以上であることがさらに好ま
しい。
【0033】また本発明では、(前記軟磁性膜中に占め
る酸素の組成比)/(前記軟磁性膜中に占める元素Mの
組成比)が、元素Mの酸化物を分子式で表した場合にお
ける(O原子の数)/(M原子の数)よりも大きいこと
が好ましい。
【0034】また本発明では、前記軟磁性膜は、元素M
の酸化物を多量に含むアモルファス相に、Feを主体と
することが好ましい。
【0035】なお前記アモルファス相には、元素Mの酸
化物の他に、Feの酸化物が含まれることが好ましい。
【0036】さらに本発明では、元素T及び/または元
素SにCoを選択し、さらに元素T及び/または元素S
にFe,Niのうち少なくとも一方を選択してターゲッ
トを粉末a,bの焼結体、または粉末a,b,cの焼結体
で形成し、あるいはさらに前記ターゲットをPt,R
u,Rh,Pd,Ir,Os,Sn,Ti,Au,A
g,Cuから選ばれる1種または2種以上の元素Xの粉
末d、及び/または前記元素Xの酸化物からなる粉末e
を加えて焼結形成し、前記軟磁性膜は、組成式が、(Q
1-dCodxyzwで示され、元素Qは、Fe,Ni
のうちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、組
成比を示すdは、0<d≦0.5、x,y,z,wはa
t%で、x≦59、28≦z、0≦w≦20、残部がy
であることが好ましい。
【0037】あるいは本発明では、元素T及び/または
元素SにCoを選択し、あるいはさらに前記元素T及び
/または元素SにFe,Niのうち少なくとも一方を選
択してターゲットを粉末a,bの焼結体、または粉末
a,b,cの焼結体で形成し、あるいはさらに前記ターゲ
ットをPt,Ru,Rh,Pd,Ir,Os,Sn,T
i,Au,Ag,Cuから選ばれる1種または2種以上
の元素Xの粉末d、及び/または前記元素Xの酸化物か
らなる粉末eを加えて焼結形成し、前記軟磁性膜は、組
成式が、(Coe1-exyzwで示され、元素Q
は、Fe,Niのうちどちらか一方あるいは両方を含む
元素であり、組成比を示すeは、0.5<e≦1.0、
x,y,z,wはat%で、x≦59、28≦z、0≦
w≦20、残部がyであることが好ましい。
【0038】また本発明では、前記組成比を示すx,
y,z,wはat%で、x≦56、31.5≦z、0≦
w≦19、残部がyである関係を満足し、透磁率μr′
と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ
値(×103)が、600以上であることが好ましい。
【0039】また本発明では、前記組成比を示すx,
y,z,wはat%で、x≦53.5、33.5≦z、
0≦w≦19、残部がyである関係を満足し、透磁率μ
r′と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′
・ρ値(×103)が、800以上であることがより好
ましい。
【0040】さらに本発明では、前記組成比を示すx,
y,z,wはat%で、x≦52、35≦z、0≦w≦
19、残部がyである関係を満足し、透磁率μr′と比
抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値
(×103)が、1000以上であることがさらに好ま
しい。
【0041】また本発明では前記元素Qは、Feである
ことが好ましい。また本発明では、(前記軟磁性膜中に
占める酸素の組成比)/(前記軟磁性膜中に占める元素
Mの組成比)が、元素Mの酸化物を分子式で表した場合
における(O原子の数)/(M原子の数)よりも大きい
ことが好ましい。
【0042】さらに本発明では、前記軟磁性膜は、元素
Mの酸化物を多量に含むアモルファス相に、元素Q及び
/またはCoを主体とする微結晶相が混在した膜構造を
有することが好ましい。
【0043】上記の膜構造の場合、前記アモルファス相
には、元素Mの酸化物の他に、元素Qの酸化物、及び/
またはCoの酸化物を含むことが好ましい。
【0044】また本発明では、前記軟磁性膜の膜構造
は、元素Mの酸化物を多量に含むアモルファス相に、元
素Tを主体とする微結晶相が混在し、(軟磁性膜中に占
める酸素の組成比)/(軟磁性膜中に占める元素Mの組
成比)が、元素Mの酸化物を分子式で表した場合におけ
る(O原子の数)/(M原子の数)よりも大きく、前記
アモルファス相には、元素Mの酸化物の他に元素Tの酸
化物が含まれることが好ましい。
【0045】上記した本発明における製造方法によれ
ば、(軟磁性膜中に占める酸素の組成比)/(軟磁性膜
中に占める元素Mの組成比)を、元素Mの酸化物を分子
式で表した場合における(O原子の数)/(M原子の
数)よりも大きくすることができ、これによって軟磁性
膜中に占める酸素の含有量を増やすことができると同時
に、元素Tを相当量含有させることができ、よって高い
透磁率μr′と比抵抗ρを有する高周波特性に優れた軟
磁性膜を製造することができる。
【0046】また本発明では前記軟磁性膜の透磁率μ
r′と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′
・ρ値(×103)は、600以上であることが好まし
く、より好ましくは、800以上であり、さらに好まし
くは、1000以上である。
【0047】また本発明では、前記微結晶相は、さらに
元素Mの酸化物を含んでいることが好ましい。これによ
って微結晶相の比抵抗を向上させることができ、膜全体
の比抵抗を高めることができる。
【0048】また本発明では、前記微結晶相の結晶構造
は、bcc構造、hcp構造、fcc構造のうち1種あ
るいは2種以上の混成構造からなることが好ましく、前
記結晶相の結晶構造は、主にbcc構造から成ることが
より好ましい。
【0049】また本発明では、前記微結晶相の平均結晶
粒径は、30nm以下であることが好ましい。
【0050】さらに本発明では、前記元素Mは、Zr,
Hfのうち一方あるいは両方を含む元素であることが好
ましい。
【0051】また本発明では、前記粉末a,bの少なく
とも一方を窒化物で形成し、前記軟磁性膜を構成する一
元素として、Oの代わりにNを、あるいはOと共にNを
含有してもよい。元素Nを含有させた場合も、Oを含有
させた場合と同様に、軟磁性膜の透磁率μr′と比抵抗
ρを高めることができ、高周波特性に優れた軟磁性膜を
製造することが可能である。
【0052】本発明における平面型磁気素子の製造方法
は、上記した軟磁性膜によって磁心を形成することを特
徴とするものである。
【0053】また本発明におけるフィルタの製造方法
は、上記した軟磁性膜によって磁心を形成することを特
徴とするものである。
【0054】さらに本発明は、少なくとも下部コア層
と、記録媒体との対向部で前記下部コア層と磁気ギャッ
プを介して対向する上部コア層と、両コア層に記録磁界
を与えるコイル層とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記下部コア層と上部コア層のうち少なくとも一方を、
上記した軟磁性膜により形成することを特徴とするもの
である。
【0055】本発明では上記した軟磁性膜の製造方法を
使用することにより、平面型磁気素子、フィルタ、及び
薄膜磁気ヘッドを再現性良く形成することができ、歩留
まりを向上させることが可能である。
【0056】また本発明によれば、高周波特性に優れた
各磁気デバイスを製造することが可能である。
【0057】
【発明の実施の形態】図1はマグネトロンスパッタ装置
の内部構造を示す構成図である。
【0058】図1に示すように、マグネトロンスパッタ
装置1のチャンバー12内には、ターゲット2を取り付
けるための電極部4と、前記ターゲット2と対向する位
置に、基板保持部8とが設けられている。なお前記基板
保持部8上には、基板9が置かれている。
【0059】図1に示すように電極部4内には、磁石5
が設けられており、この磁石5から発生する磁界によっ
て、前記ターゲット2の表面には、エロージョン領域が
形成される。
【0060】図1に示すように、前記チャンバー12に
は、ガス導入口6と、ガス排気口7とが設けられてお
り、前記ガス導入口6からAr(アルゴン)ガスが導入
される。
【0061】前記電極部4に、高周波電源(RF電源)
10から高周波が印加されることによって、電場と磁場
の相互作用により、マグネトロン放電が発生し、前記タ
ーゲット2がスパッタされ、前記ターゲット2と対向す
る位置に配置された基板9上に、軟磁性膜11が形成さ
れる。
【0062】本発明により成膜される前記軟磁性膜11
は、Fe,Co,Niのうち1種または2種以上の元素
Tと、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,
Al,Si,Cr,P,C,B,Ga,Geと希土類元
素から選ばれる1種または2種以上の元素MとOとを含
有するものである。なお希土類元素とは、Sc、Yとラ
ンタノイド(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,E
u,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
u)からなる17元素を指している。
【0063】本発明における軟磁性膜の製造方法では、
軟磁性膜を構成する各元素の組成比や膜厚等のばらつき
を抑え、再現性を高めるためにターゲット2を以下の手
法によって形成している。また上記のように本発明にお
ける軟磁性膜11には構成元素として酸素を含有するも
のであるが、本発明の製造方法によれば、必要量の酸素
を自由にしかも容易に前記軟磁性膜11中に含有させる
ことができる。
【0064】本発明では、前記元素Tの酸化物からなる
粉末aと、前記元素Mの酸化物からなる粉末bとを用意
し、これら粉末a,bを混ぜ合わせた後、焼結してター
ゲット2を形成している。
【0065】従来では、複合型ターゲットを用い、例え
ばFeから成るターゲットに、HfO2から成るチップ
を配置し、前記ターゲットをスパッタすることでFe−
Hf−Oの組成から成る軟磁性膜を製造していたが、タ
ーゲットには上記したエロージョン領域の形成位置によ
ってスパッタされやすい領域と、スパッタされにくい領
域が発生するため、複合型ターゲットを用いた手法であ
ると、チップの配置等によって、予定していた組成比の
軟磁性膜を成膜しにくく再現性が悪化しやすい。
【0066】一方本発明によれば、粉末a,bを用い、
予め予定していた組成比を有する軟磁性材料でターゲッ
ト2を焼結形成するために、前記ターゲット2は、全て
の領域においてほぼ均一な組成を有する。したがって前
記ターゲット2をスパッタして形成された軟磁性膜11
は、前記ターゲット2とほぼ同様の組成比を有し、所定
の組成範囲内で再現性良く前記軟磁性膜11を形成する
ことが可能になる。
【0067】しかも本発明によれば粉末aは元素Tの酸
化物であり、粉末bは元素Mの酸化物であるために、粉
末a,bを混合する際の割合を適正に調節すれば、前記
ターゲット2中に占める酸素量を自由にしかも容易に大
きくすることができる。したがって前記ターゲット2を
スパッタして形成された軟磁性膜11の酸素量を、高周
波特性に必要な組成範囲内で形成しやすくなる。
【0068】特に本発明のターゲット2を用いれば、
(前記軟磁性膜11中に占める酸素の組成比)/(前記
軟磁性膜11中に占める元素Mの組成比)を、元素Mの
酸化物を分子式で表した場合における(O原子の数)/
(M原子の数)よりも大きくすることが可能である。
【0069】また本発明では、元素Tの酸化物から成る
粉末aと、元素Mの酸化物から成る粉末bと、さらにF
e,Co,Niのうち1種または2種以上の元素Sの粉
末cとを用意し、これら粉末a,b,cを混ぜ合わせた
後、焼結してターゲット2を形成してもよい。
【0070】元素Sの粉末cを新たに加える理由は、強
磁性を示すFe,Co,Niの含有量を適切にしかも容
易に所定範囲内に収めるためである。これによって軟磁
性膜11を構成する元素T,S、元素M、及び酸素の各
構成元素を適切な組成範囲内に収めることができる。
【0071】なお本発明ではFe,Co,Niから選択
される元素Tの種類と、元素Sの種類とが同じでも異な
っていてもよい。
【0072】なお本発明では、ターゲット2内に占める
元素T,S、元素M及びOの組成比を所定の組成範囲内
で形成するには、前記粉末a,b、あるいは粉末a,
b,cを混ぜ合わせ焼結する前に各粉末の割合(質量
比)を適正に調整すればよい。よって本発明では容易に
しかも適切に軟磁性膜11の各構成元素の組成比を調整
することが可能である。
【0073】また本発明の軟磁性膜11の製造方法によ
れば、マグネトロンスパッタ装置1内に導入ガスとして
不活性なArガスのみを導入している。このため反応性
スパッタ法のように、Arガス以外に導入されるO2
スの流量を調整するといった困難な調整工程を必要とせ
ず、容易にしかも適切に所定の組成比を有する軟磁性膜
11を形成することが可能である。
【0074】なお本発明における軟磁性膜11の成膜に
は、スパッタ法の他に蒸着法、MBE(モレキュラー−
ビーム−エピタキシー)法またはICB(イオン−クラ
スター−ビーム)法などが使用できる。
【0075】またスパッタ装置としては図1に示すよう
なマグネトロンスパッタ装置1の他に、イオンビームス
パッタ装置、または対向ターゲット式スパッタ装置など
既存のものを使用できる。
【0076】なお本発明では、ターゲット2を酸化物で
形成するため、DC(直流電流)スパッタ装置を使用す
ることはできない。
【0077】本発明では上記した製造方法によって以下
に説明するような高周波特性に優れた軟磁性膜11を製
造することができる。下記の軟磁性膜11ではインダク
タンスの向上に必要な透磁率μr′と、渦電流損失を抑
制するために必要な比抵抗ρの双方を高めることが可能
である。
【0078】(1)Fe−M−O膜 Feは強磁性を示す元素であり、したがってFeは磁性
を担う元素である。特に高飽和磁束密度を得るには、F
eの含有量は多いことが好ましいが、前記含有量が多す
ぎるとOの含有量の低下により比抵抗を低下させる。F
eの含有量は下記に示すように50at%前後に設定す
る。
【0079】元素Mは酸素と結合しやすく結合すること
で酸化物を形成し、膜中ではアモルファス相として存在
する。酸素と結合する元素Mは、軟磁気特性と高抵抗を
両立するために必要なものである。
【0080】Fe−M−O膜を形成するには、粉末aを
構成する元素T、及び粉末cを構成する元素SにFeを
選択し、粉末a,bあるいは粉末a,b,cによってタ
ーゲット2を焼結形成すればよい。例えば粉末aはFe
34であり、粉末bはHfO 2であり、粉末cはFeで
ある。そして各粉末の割合を適切に調整してターゲット
2を形成することにより、下記の組成比を有するFe−
M−O膜を得ることが可能である。
【0081】Fe−M−O膜は、組成式がFeabc
で示され、組成比はat%で、44.5≦a≦57.
5、8≦b≦19、30.5≦c≦41、a+b+c=
100を満足するものである。
【0082】上記した組成範囲内で、各元素の組成比を
適正に選択することで、本発明では、前記透磁率μr′
と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ
値(×103μΩ・cm)を600以上にすることがで
きる。
【0083】軟磁性膜の高周波特性を向上させるには、
インダクタンスの向上に必要な透磁率μr′と、渦電流
損失を抑制するために必要な比抵抗ρの双方を高める必
要性がある。
【0084】そして上記した組成範囲内であると、前記
μr′・ρ値を600以上にすることができ、高周波特
性に優れたFe−M−O膜を製造できる。
【0085】また本発明では、前記組成比はat%で、
45.5≦a≦55、9≦b≦17.5、32.5≦c
≦40、a+b+c=100を満足し、透磁率μr′と
比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値
(×103μΩ・cm)が、800以上であることがよ
り好ましい。
【0086】これにより、Fe−M−O膜の透磁率μ
r′と比抵抗ρをより高めることができ、高周波特性に
優れた磁気デバイスを製造することができる。
【0087】さらに本発明では、前記組成比はat%
で、45.5≦a≦54、9.5≦b≦16.5、35
≦c≦40、a+b+c=100を満足し、透磁率μ
r′と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′
・ρ値(×103μΩ・cm)が、1000以上である
ことがより好ましい。また前記酸素の組成比cは、35
(at%)よりも大きいことがより好ましく、さらに3
6〜40(at%)であることが、より確実に前記μ
r′・ρ値を1000以上にできて好ましい。
【0088】これにより、さらにFe−M−O膜の透磁
率μr′と比抵抗ρを高めることができ、高周波特性に
優れた磁気デバイスを製造することができる。
【0089】なお既に詳述した通り、本発明の製造方法
によれば、(Fe−M−O膜中に占める酸素の組成比)
/(Fe−M−O膜中に占める元素Mの組成比)を、元
素Mの酸化物を分子式で表した場合における(O原子の
数)/(M原子の数)よりも大きくすることができる。
【0090】このように、(Fe−M−O膜中に占める
酸素の組成比)/(Fe−M−O膜中に占める元素Mの
組成比)を、元素Mの酸化物を分子式で表した場合にお
ける(O原子の数)/(M原子の数)よりも大きくする
と、Fe−M−O膜中に含まれる酸素量を多くすること
ができ、一方、Feの含有量も相当量確保することがで
きる。
【0091】また本発明では、このように膜中に多量の
酸素を含有することで、前記Fe−M−O膜は、図5に
示すように、元素Mの酸化物を多量に含むアモルファス
相に、Feを主体とする微結晶相が混在した膜構造を有
するものとなっている。
【0092】元素Mは酸素と結合し、膜中ではアモルフ
ァス相として存在し、一方、Feは、微結晶相として前
記アモルファス相中に混在する。
【0093】前記アモルファス相は、元素Mの酸化物で
形成されることで高い比抵抗ρを示し、膜全体に関して
も高い比抵抗を示す。一方、微結晶相は、飽和磁束密度
Msや透磁率μr′の向上に寄与し、膜全体としての飽
和磁束密度Ms及び透磁率μr′の向上に役立ってい
る。
【0094】また本発明では、軟磁性膜中に含まれる酸
素は、元素Mとのみ結合して膜中に入り込んでいるわけ
ではなく、前記元素Mと結合しない酸素はFeと結合し
てFe−Oの酸化物を形成し、アモルファス相に元素M
の酸化物とともに含まれるものと考えられる。
【0095】このように本発明の製造方法によれば、F
e−M−O膜に、アモルファス相中に元素Mと酸素とが
結合したM−Oや、さらにFeと酸素が結合したFe−
Oを含むことができ、膜中に占める酸素量を増やすこと
ができ、しかもFeも相当量含有させることが可能にな
る。
【0096】また本発明では、前記微結晶相の結晶構造
は、bcc構造(体心立方構造)、hcp構造(稠密六
方構造)、fcc構造(面心立方構造)のうち1種ある
いは2種以上の混成構造からなることが好ましく、より
好ましくは、前記微結晶相の結晶構造は、主にbcc構
造から成ることである。Feからなる微結晶相は、主と
してbcc構造からなることが確認されている。
【0097】また本発明では、前記微結晶相の平均結晶
粒径は、30nm以下であることが好ましい。また本発
明では、前記元素Mは、Zr,Hfのうち一方あるいは
両方を含む元素であることが好ましい。
【0098】また本発明では、前記軟磁性膜を構成する
一元素として、Oの代わりにNが、あるいはOと共にN
が用いられていてもよい。
【0099】この場合、例えば粉末a及び/または粉末
bを窒化物で形成してターゲット2を焼結形成すればよ
い。
【0100】Oの代わりに、あるいはOと共にNを膜中
に含有させても、前記軟磁性膜の透磁率μr′と比抵抗
ρとの乗で表されるμr′・ρ値(×103μΩ・c
m)を向上させることができ、高周波特性に優れた磁気
デバイスを製造することができる。
【0101】(2)Q−Co−M−O(元素Qは、F
e,Niのうちどちらか一方あるいは両方を含む元素)
あるいはCo−Q−M−O この軟磁性膜は、Coを含有しており、CoはFe,N
iと同様に、強磁性を示す元素である。したがってC
o,Fe,Niは磁性を担う元素である。特に高飽和磁
束密度を得るには、Coと元素Qの含有量は多いことが
好ましいが、Coと元素Qの含有量が多くなりすぎる
と、Oの含有量の低下により比抵抗を低下させる。Co
と元素Qとを合わせた含有量は50%前後であることが
好ましい。
【0102】またCoは、一軸磁気異方性を大きくする
作用がある。Coを添加した軟磁性膜の一軸異方性は、
Fe−M−O膜の一軸異方性よりも数倍大きくなり、し
たがって本発明における軟磁性膜の透磁率の周波数特性
は、非常に良好なものとなる。
【0103】一方、元素Mは上記したように、酸素と結
合しやすく、結合することで酸化物を形成し、膜中では
アモルファス相として存在する。酸素と結合する元素M
は、軟磁気特性と高抵抗を両立するために必要なもので
ある。
【0104】上記のQ−Co−M−O膜、Co−Q−M
−O膜を形成するには、粉末aを構成する元素T及び/
または粉末cを構成する元素SにCoを選択すればよ
い。さらにそれに加えて前記元素T及び/または元素S
にFe,Niのうち少なくとも一方を選択する。例えば
粉末aはFe34であり、粉末bはHfO2であり、粉
末cはCoである。
【0105】また本発明では、Pt,Ru,Rh,P
d,Ir,Os,Sn,Ti,Au,Ag,Cuから選
ばれる1種または2種以上の元素Xの粉末d、及び/ま
たは前記元素Xの酸化物からなる粉末eを、前記粉末
a,bあるいは粉末a,b,cと一緒に混ぜてターゲッ
ト2を焼結形成してもよい。前記元素Xは、軟磁性膜の
耐食性、及び周波数特性を向上させるものであるが、含
有量が20at%を越えると、軟磁気特性、特に飽和磁
化が低下しすぎて好ましくない。
【0106】以上のように本発明では、粉末a,bある
いは粉末a,b,cを混ぜ合わせてターゲット2を焼結
形成する他に、さらにこれら粉末に、上記の粉末d及び
/または粉末eを加えて混ぜ合わせ前記ターゲット2を
焼結形成してもよい。そして各粉末の割合を適切に調整
してターゲット2を形成することにより、下記の組成比
を有するQ−Co−M−O膜、Q−Co−M−O−X
膜、あるいはCo−Q−M−O膜、Co−Q−M−O−
X膜を得ることができる。
【0107】前記軟磁性膜は、組成式が、(Q1-d
dxyzwで示され、組成比を示すdは、0<d
≦0.5、x,y,z,wはat%で、x≦59、28
≦z、0≦w≦20、残部がyであることが好ましい。
【0108】上記の組成比の範囲内であれば、透磁率μ
r′と比抵抗ρが向上し、前記透磁率μr′と比抵抗ρ
との乗で表されるμr′・ρ値を、400(×103μ
Ω・cm)以上にすることが可能である。
【0109】また前記軟磁性膜は、組成式が、(Coe
1-exyzwで示され、元素Qは、Fe,Niの
うちどちらか一方あるいは両方を含む元素であり、組成
比を示すeは、0.5<e≦1.0、x,y,z,wは
at%で、x≦59、28≦z、0≦w≦20、残部が
yであることが好ましい。
【0110】上記の組成比の範囲内であれば、透磁率μ
r′と比抵抗ρが向上し、前記透磁率μr′と比抵抗ρ
との乗で表されるμr′・ρ値を、400(×103μ
Ω・cm)以上にすることが可能である。
【0111】また上記軟磁性膜の膜構造としては、元素
Mの酸化物を多量に含むアモルファス相に、Fe及び/
またはCoを主体とする微結晶相が混在していることが
好ましい。
【0112】前記アモルファス相は、主に元素Mの酸化
物で形成されるので、高い比抵抗ρを示し、膜全体に関
しても高い比抵抗を示す。
【0113】また本発明における製造方法によれば、
(Q−Co−M−O膜中に占める酸素の組成比またはC
o−Q−M−O膜中に占める酸素の組成比)/(Q−C
o−M−O膜中に占める元素Mの組成比またはCo−Q
−M−O膜中に占める元素Mの組成比)を、元素Mの酸
化物を分子式で表した場合における(O原子の数)/
(M原子の数)よりも大きくすることが可能である。
【0114】またこれにより前記アモルファス相には、
元素Mの酸化物の他に、Q及び/またはCoの酸化物が
入り込み、よって軟磁性膜中に占める酸素量を増やすこ
とができ、比抵抗ρを向上させることが可能であると同
時に、Co及びQを相当量含有させることができ、飽和
磁束密度Ms及び透磁率μr′を高め、高周波特性に優
れた軟磁性膜を製造することができる。
【0115】また本発明では、前記組成比を示すx,
y,z,wはat%で、x≦56、31.5≦z、0≦
w≦19、残部がyである関係を満足し、透磁率μr′
と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ
値(×103)が、600以上であることが好ましい。
【0116】さらに本発明では、前記組成比を示すx,
y,z,wはat%で、x≦53.5、33.5≦z、
0≦w≦19、残部がyである関係を満足し、透磁率μ
r′と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′
・ρ値(×103)が、800以上であることがより好
ましい。
【0117】また本発明では、前記組成比を示すx,
y,z,wはat%で、x≦52、35≦z、0≦w≦
19、残部がyである関係を満足し、透磁率μr′と比
抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値
(×103)が、1000以上であることがさらに好ま
しい。
【0118】また本発明では、前記元素Qは、Feであ
ることが好ましい。なおQ−Co−M−O膜またはCo
−Q−M−O膜においても、Fe−M−O膜と同様に、
前記微結晶相の結晶構造は、bcc構造、hcp構造、
fcc構造のうち1種あるいは2種以上の混成構造から
なることが好ましく、より好ましくは前記微結晶相の結
晶構造は、主にbcc構造から成ることである。また前
記微結晶相の平均結晶粒径は、30nm以下であること
が好ましい。
【0119】(3)また本発明では、上記した粉末a,
bあるいは粉末a,b,cを焼結形成したターゲット2
を用いて軟磁性膜を製造すれば、上記した(1)(2)
以外にも高周波特性に優れた軟磁性膜を形成することが
可能である。
【0120】本発明における製造方法によって形成され
た軟磁性膜の膜構造は、元素Mの酸化物を多量に含むア
モルファス相に、元素Tを主体とする微結晶相が混在
し、(軟磁性膜中に占める酸素の組成比)/(軟磁性膜
中に占める元素Mの組成比)が、元素Mの酸化物を分子
式で表した場合における(O原子の数)/(M原子の
数)よりも大きく、前記アモルファス相には、元素Mの
酸化物の他に元素Tの酸化物が含まれることが好まし
い。これによって透磁率μr′及び比抵抗ρの双方を高
めることができ、上記の膜構成を有する軟磁性膜を使用
することにより、高周波特性に優れた磁気デバイスの製
造が可能である。
【0121】上記のように、(軟磁性膜中に占める酸素
の組成比)/(軟磁性膜中に占める元素Mの組成比)
を、元素Mの酸化物を分子式で表した場合における(O
原子の数)/(M原子の数)よりも大きくすれば、軟磁
性膜中に占める酸素量を増加させることができ、一方、
元素Tを相当量含有させることができる。
【0122】さらに、前記アモルファス相には、元素M
の酸化物の他に元素Tの酸化物が含まれていると、酸素
がアモルファス相に入り込み易くなり、膜中に占める酸
素量を増加させることができる。
【0123】また本発明では、前記軟磁性膜の透磁率μ
r′と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′
・ρ値(×103μΩ・cm)を、600以上にするこ
とがで好ましく、より好ましくは、800以上であり、
さらに好ましくは、1000以上である。これにより高
周波特性に優れた磁気デバイスを製造することが可能で
ある。
【0124】また本発明では、前記微結晶相の結晶構造
は、bcc構造、hcp構造、fcc構造のうち1種あ
るいは2種以上の混成構造からなることが好ましく、よ
り好ましくは、前記微結晶相の結晶構造は、主にbcc
構造から成ることである。また前記微結晶相の平均結晶
粒径は、30nm以下であることが好ましい。
【0125】さらに前記元素Mは、Zr,Hfのうち一
方あるいは両方を含む元素であることが好ましい。
【0126】また本発明では、前記粉末a,bの少なく
とも一方を窒化物で形成し、前記軟磁性膜を構成する一
元素として、Oの代わりにNが、あるいはOと共にNが
含有されても、軟磁性膜の透磁率μr′及び比抵抗ρを
向上させることができる。
【0127】以上のように本発明の軟磁性膜の製造方法
によれば、高周波特性に優れた上記(1)〜(3)の特
徴を有する軟磁性膜を再現性良く形成でき、さらに所定
の組成範囲内に容易にしかも適切に形成することが可能
である。
【0128】ただし本発明における製造方法によって上
記(1)〜(3)以外の軟磁性膜を形成することは可能
である。すなわち上記した製造方法によって形成される
軟磁性膜11の各構成元素の組成比等は、ターゲット2
の形成に必要な粉末a,b,c,d,eを如何なる材料
とするのか、さらには各粉末を如何なる割合で混ぜ合わ
せるのかに左右されるため、本発明では、各粉末を混ぜ
合わせる際の割合等を調整することにより、磁気デバイ
スとして必要な磁気特性を有するように軟磁性膜11の
組成を自由にしかも容易に変えることができる。
【0129】前記ターゲット2に使用される材質を調整
することによって、例えばフェライトのような結晶体の
軟磁性膜や、全体がアモルファス構造の軟磁性膜を形成
でき、また反強磁性膜など種々の磁性膜を成膜できるも
のと考えられる。
【0130】次に図1に示すスパッタ装置に得られた軟
磁性膜11は、図2、3に示すインダクタの磁心や、図
3に示す薄膜磁気ヘッドのコア層の形成に使用される。
【0131】図2は本発明におけるインダクタの構造を
示す平面図であり、図3は図2の3−3線断面図であ
る。
【0132】図3に示すように、基板30上に取り出し
電極31を形成する。この取り出し電極31は、端子と
しての役割を有している。前記基板30上及び取り出し
電極31上に、絶縁膜32と磁性膜33と絶縁膜34を
順次積層し、絶縁膜34上にスパイラルコイル状の平面
コイル35を形成する。平面コイル35の中心部は、絶
縁膜32と磁性膜33と絶縁膜34に開けられたスルー
ホールを介して取り出し電極31と接続されている。さ
らに平面コイル35を覆う絶縁膜36を形成し、絶縁膜
36上に磁性膜37を形成する。平面コイル35の端か
らは取り出し電極38が基板30上に延びている。前記
取り出し電極38も、取り出し電極31と同様に端子と
しての機能を有している。
【0133】平面コイル35は、銅、銀、金、アルミニ
ウムあるいはこれらの合金などの良導電性金属材料から
なり、インダクタンス、直流重量特性、サイズなどに応
じて、電気的に直列に、または並列に、さらに縦にある
いは横に絶縁膜を介して適宜配置することができる。
【0134】また平面コイル35を並列的に複数設け、
各平面コイル35を絶縁膜36を介して対向させること
で、トランスを構成できる。さらに、平面コイル35
は、導電層を基板上に形成後、フォトエッチングするこ
とにより各種の形状に作成できる。導電層の成膜方法と
しては、ブレス圧着、メッキ、金属溶射、真空蒸着、ス
パッタリング、イオンブレーティング、スクリーン印刷
焼成法などの適宜の方法を用いればよい。
【0135】絶縁膜32,34,36は、ポリイミドな
どの高分子フィルム、SiO2、ガラス、硬質炭素膜な
どの無機質膜からなるものを用いることが好ましい。こ
の絶縁膜32,34,36は、ペースト印刷またはスピ
ンコート後に焼成する方法、溶融メッキ法、溶射、気相
メッキ、真空蒸着、スパッタリング、イオンブレーティ
ングなどの方法により形成される。
【0136】本発明では前記磁性膜33,37を図1に
示すスパッタ装置1内でスパッタ形成する。本発明によ
れば前記磁性膜33,37を組成比や膜厚にばらつきが
なく再現性良く形成でき、歩留まりの向上を図ることが
できる。また組成比や膜厚のばらつきを少なくすること
で、磁気的または電気的なばらつきをなくすことが可能
である。そして本発明では、高周波特性に優れたインダ
クタの製造が可能である。
【0137】図4は、本発明の実施形態としての薄膜磁
気ヘッドの縦断面図である。図4に示す薄膜磁気ヘッド
は、浮上式ヘッドを構成するスライダのトレーリング側
端面に形成されたものであり、読み出しヘッド(再生ヘ
ッド)上に書込み用のインダクティブヘッドが積層され
た、いわゆるMR/インダクティブ複合型薄膜磁気ヘッ
ドである。なお図4に示す薄膜磁気ヘッドは、インダク
ティブヘッドである。
【0138】図4に示す符号40は、磁性材料製の下部
コア層である。前記下部コア層40の上に、Al23
どの非磁性の絶縁材料で形成されたギャップ層41を形
成し、さらに前記ギャップ層41の上に、レジスト材料
やその他の有機材料で形成された絶縁層42を形成す
る。
【0139】前記絶縁層42上に、Cuなどの電気抵抗
の低い導電性材料により、コイル層43を螺旋状に形成
する。なお前記コイル層43は、後述する上部コア層4
5の基端部45bの周囲を周回するように形成されてい
るが、図4では前記コイル層43の一部のみが現れてい
る。そして前記コイル層43の上に、有機樹脂材料など
の絶縁層44を形成する。
【0140】前記絶縁層44の上に、磁性材料製の上部
コア層45を形成する。上部コア層45の先端部45a
は、記録媒体との対向部において、下部コア層40上に
前記ギャップ層41を介して接合され、ギャップ長Gl
の磁気ギャップが形成されている。また上部コア層45
の基端部45bは、ギャップ層41及び絶縁層42に形
成された穴を介して、下部コア層40に磁気的に接合さ
れている。
【0141】書込み用のインダクティブヘッドでは、コ
イル層43に記録電流が与えられると、下部コア層40
及び上部コア層45に記録磁界が誘導され、下部コア層
40と上部コア層45の先端部45aとの磁気ギャップ
部分からの洩れ磁界により、ハードディスクなどの記録
媒体に磁気信号が記録される。
【0142】本発明では、上記した下部コア層40及び
上部コア層45を、図1に示すスパッタ装置1内でスパ
ッタ形成することができる。本発明によれば前記コア層
40,45を組成比や膜厚にばらつきがなく再現性良く
形成でき、歩留まりの向上を図ることができる。また組
成比や膜厚のばらつきを少なくすることで、磁気的また
は電気的なばらつきをなくすことが可能である。そして
本発明では、高周波特性に優れた薄膜磁気ヘッドの製造
が可能である。
【0143】なお本発明における軟磁性膜の製造方法
は、他の磁気デバイスの製造の際にも使用可能である。
例えば、一次側と二次側のコイルを設けたトランスの軟
磁性膜にも適用できる。
【0144】さらに近年では、移動通信機器が発達し、
例えば携帯電話機用のLCフィルタの構成要素の中で占
有面積の大きい空心インダクタに、前記軟磁性膜を用い
たインダクタを適用できる。
【0145】
【実施例】本発明では従来例として、Feで形成された
ターゲットに、Fe34で形成された16枚のチップ
と、ZrO2で形成された32枚のチップを配置し、前
記ターゲットをスパッタすることによって得られた軟磁
性膜11の膜厚及び比抵抗ρを図6に示すNo.1〜N
o.16の測定点について測定した。なお膜厚の測定は
触針式の膜厚測定方法で行い、比抵抗ρは4端子抵抗計
で測定した。
【0146】測定の結果、膜厚及び比抵抗は、その平均
値に対し20%以上のばらつきがあることがわかった。
このようにターゲットにチップを配置した複合型ターゲ
ットを用いた場合には、軟磁性膜の場所によって、膜厚
や諸特性のばらつきが大きくなることがわかった。
【0147】次に実施例として、Fe34から成る粉末
a(全粉末中に3.6mol%占める)、ZrO2から
成る粉末b(全粉末中に22.7mol%占める)、F
eから成る粉末c(全粉末中に73.7mol%占め
る)を混ぜ合わせた後、焼結してターゲット2を形成
し、前記ターゲット2をスパッタすることによって得ら
れた軟磁性膜11の膜厚及び比抵抗ρを図6に示すN
o.1〜No.16の測定点について測定した。なお膜
厚の測定は触針式の膜厚測定方法で行い、比抵抗ρは4
端子抵抗計で測定した。その測定結果を表1に示す。
【0148】
【表1】
【0149】表1に示すように膜厚の平均値は2.9μ
mで、しかも各測定点における膜厚のばらつきは10%
以内であり、よって上記の焼結ターゲットを用いれば膜
厚のばらつきを改善できる。このように焼結ターゲット
は、膜厚制御性に優れていることがわかる。
【0150】また比抵抗値の平均値は1042μΩ・c
mであり、しかも各測定点における比抵抗値のばらつき
は5%以内であり、よって上記の焼結ターゲットを用い
れば比抵抗のばらつきを改善できる。さらに高周波特性
に優れた軟磁性膜を成膜できることがわかる。
【0151】なお上記の焼結ターゲットを用いて成膜し
た軟磁性膜の透磁率μr′は883であった。
【0152】このように本発明の製造方法によれば、反
応性スパッタ法やあるいは複合型ターゲットを用いたス
パッタ法に比べて、前記軟磁性膜を組成比や膜厚にばら
つきがなく再現性良く形成でき、また磁気的あるいは電
気的なばらつきを少なくできることがわかる。
【0153】次に本発明では、Fe、元素M、及びOか
ら成る軟磁性膜を、焼結ターゲットを用いて成膜し、各
元素の組成比と、透磁率μr′と比抵抗ρの乗で表され
るμr′・ρ値との関係を測定した。その実験結果を図
7に示す。
【0154】図7における三元図は、各辺が、Feの組
成比(at%)、元素Mの組成比(at%)、及びOの
組成比(at%)となっており、三元図内に示す数値
は、Fe−M−O膜の透磁率μr′と比抵抗ρとの乗で
表されるμr′・ρ値(×10 3μΩ・cm)の領域で
ある。
【0155】ここで本発明では、前記μr′・ρ値が6
00以上、800以上、及び1000以上となるときの
各元素の組成比を三元図上から求めた。
【0156】図7に示すように、Feの組成比を、4
4.5〜57.5(at%)、元素Mの組成比を、8〜
19(at%)、Oの組成比を、30.5〜41(at
%)とした場合、前記μr′・ρ値が600以上になる
ことがわかる。
【0157】またFeの組成比を、45.5〜55(a
t%)、元素Mを、9〜17.5(at%)、Oの組成
比を、32.5〜40(at%)とした場合、前記μ
r′・ρ値が800以上になることがわかる。
【0158】またFeの組成比を、45.5〜54(a
t%)、元素Mを、9.5〜16.5(at%)、Oの
組成比を35〜40(at%)とした場合、前記μr′
・ρ値が1000以上になることがわかる。
【0159】なお前記Oの組成比は、35at%よりも
大きく40at%以下であることがより好ましく、36
〜40(at%)の範囲内であることが、さらに好まし
い。前記Oの組成比が上記範囲内であると確実にμr′
・ρ値を1000以上にできることが、図7から理解で
きる。
【0160】なお軟磁性膜中に占める酸素は、比抵抗を
向上させるために必要な元素であり、本発明では、上記
したように、Fe−Hf−O膜中に占める酸素量は、最
低でも30.5(at%)以上となっている。
【0161】前記酸素は、元素Mと結合することで軟磁
性膜内に入り込み、前記軟磁性膜中において前記元素M
の酸化物は、主にアモルファス相を形成する。
【0162】すなわち前記元素Mの酸化物の含有量を適
正に調整することにより、比抵抗を高めることができ
る。
【0163】一方、軟磁性膜中に占めるFeは、飽和磁
束密度Msの向上に関与し、前記Fe量を増やせば、飽
和磁束密度を向上させることができる。
【0164】また透磁率μr′に関しては様々な要因が
関与して、前記透磁率μr′の大きさが決定される。前
記透磁率μr′を高めるには、飽和磁束密度Msが高い
ことが好ましいが、高周波帯域における前記透磁率μ
r′の安定性を図るには、比抵抗ρも高いことが必要で
ある。比抵抗ρが低いと高周波帯域において渦電流損失
が大きくなり、一般的に前記透磁率μr′は周波数の増
加とともに低下しやすいからである。
【0165】なお透磁率μr′と比抵抗ρはトレードオ
フの関係にあることが一般的に知られており、したがっ
て比抵抗ρが高すぎても透磁率μr′の極端な低下を招
き、逆に透磁率μr′が高すぎても比抵抗ρの極端な低
下を招き好ましくない。
【0166】したがって透磁率μr′と比抵抗ρの双方
を適正な値に設定するには、軟磁性膜中に占める酸素量
を適正に調整し、またFe量に関しては図7に示すよう
に50(at%)前後に設定することがよいことが理解
できる。
【0167】図7の三元図に示す境界Aは、(軟磁性膜
中に占める酸素の組成比)/(前記軟磁性膜中に占める
元素Mの組成比)と、元素Mの酸化物を分子式で表した
場合における(O原子の数)/(M原子の数)とが一致
する部分であり、図面上、前記境界Aよりも下側の領域
(すなわちOの組成比が増える方向、元素Mの組成比が
低下する方向)に向かうと、(前記軟磁性膜中に占める
酸素の組成比)/(前記軟磁性膜中に占める元素Mの組
成比)が、元素Mの酸化物を分子式で表した場合におけ
る(O原子の数)/(M原子の数)よりも多くなる。
【0168】前記境界Aよりも図示下側の領域における
各元素の組成比を適正に選択することで、μr′・ρ値
(×103μΩ・cm)を600以上、好ましくは80
0以上、より好ましくは1000以上に容易に設定する
ことができ、Fe−Hf−O膜の高周波特性を従来に比
べて向上させることが可能になる。
【0169】次に本発明では、Co、元素Q(実験では
Feを使用)、元素M、及びOから成る軟磁性膜を、焼
結ターゲットを用いて成膜し、各元素の組成比と、透磁
率μr′と比抵抗ρの乗で表されるμr′・ρ値との関
係を測定した。その実験結果を図8に示す。
【0170】図8は、CoとFeとを足した組成比(a
t%)、元素Mの組成比(at%)、及びOの組成比
(at%)の三元図であり、三元図内に示す数値は、F
e−Co−M−O膜の透磁率μr′と比抵抗ρとの乗で
表されるμr′・ρ値(×10 3μΩ・cm)である。
【0171】ここで本発明では、前記μr′・ρ値が6
00以上、800以上、及び1000以上になるCoと
Fe、元素M及びOの組成比を三元図上から求めた。な
おFeとCoの割合は9:1である。
【0172】図8に示すように、FeとCoの組成比x
を、56(at%)以下、酸素の組成比zを31.5
(at%)以上、0≦w≦19、残部を元素Mの組成比
yとした場合、前記μr′・ρ値が600以上になるこ
とがわかる。
【0173】またFeとCoの組成比xを、53.5
(at%)以下、酸素の組成比zを33.5(at%)
以上、0≦w≦19、残部を元素Mの組成比yとした場
合、前記μr′・ρ値が800以上になることがわか
る。
【0174】またFeとCoの組成比xを、52(at
%)以下、酸素の組成比zを35(at%)以上、0≦
w≦19、残部を元素Mの組成比yとした場合、前記μ
r′・ρ値が1000以上になることがわかる。
【0175】上記Q−Co−M−O膜あるいはCo−Q
−M−O膜においても、Fe−M−O膜と同様に、高い
透磁率μr′と比抵抗ρを得るに、軟磁性膜中に占める
酸素量を多くし、一方、CoとFeの含有量を相当量確
保する必要性がある。また元素Qの割合を、元素QとC
oの組成比を足し合わせた含有量に対し半分以上にする
ことで、透磁率μr′と飽和磁束密度Msを向上させる
ことができる。
【0176】図8に示す三元図に表示された境界Bは、
(軟磁性膜中に占める酸素の組成比)/(前記軟磁性膜
中に占める元素Mの組成比)と、元素Mの酸化物を分子
式で表した場合における(O原子の数)/(M原子の
数)とが一致する部分であり、図面上、前記境界Bより
も下側の領域(すなわちOの組成比が増える方向、元素
Mの組成比が低下する方向)に向かうと、(前記軟磁性
膜中に占める酸素の組成比)/(前記軟磁性膜中に占め
る元素Mの組成比)が、元素Mの酸化物を分子式で表し
た場合における(O原子の数)/(M原子の数)よりも
多くなる。
【0177】前記境界Bよりも図示下側の領域での各元
素の組成比を適正に選択することで、軟磁性膜中におけ
る酸素量を増やすことができ、同時にCoと元素Qの含
有量を相当量確保することができ、透磁率μr′と比抵
抗ρとの乗で表されるμr′・ρ値(×103μΩ・c
m)を600以上、好ましくは800以上、より好まし
くは1000以上に容易に規制することができ、高い透
磁率μr′と比抵抗ρを有する高周波特性に優れた軟磁
性膜を製造することができるのである。
【0178】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、元素T
(TはFe,Ni,Co)の酸化物の粉末a、及び元素
M(MはHfやZr等)の酸化物の粉末bを混ぜ合わ
せ、焼結してターゲットを形成することで、前記ターゲ
ットをスパッタすることにより形成できる軟磁性膜を組
成比や膜厚にばらつきがなく再現性良く形成でき、歩留
まりの向上を図ることができる。また組成比や膜厚のば
らつきを少なくできることで、磁気的または電気的なば
らつきをなくすことが可能である。
【0179】また本発明では、各粉末を混ぜ合わせる際
の割合を適正に調整するだけで、予定していた組成比を
有する軟磁性膜を容易にしかも適切に形成することがで
きる。
【0180】また本発明では、粉末a,bが共に酸化物
であることから、得られる軟磁性膜の酸素の含有量を大
きくすることができ、また他の構成元素の組成比を所定
の組成範囲内に設定しやすい。よって本発明では、透磁
率μr′、比抵抗ρ等の諸磁気特性に優れた軟磁性膜を
形成でき、このような軟磁性膜を、平面型磁気素子、フ
ィルタ、あるいは薄膜磁気ヘッド等に使用すれば、高周
波特性に優れた磁気デバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における軟磁性膜の製造に使用するスパ
ッタ装置の内部構造を示す構成図、
【図2】本発明の実施形態の構造を示す平面型磁気素子
(インダクタ)の拡大平面図、
【図3】図2に示す3−3線の断面図、
【図4】本発明の実施形態の構造を示す薄膜磁気ヘッド
の縦断面図、
【図5】本発明における軟磁性膜の膜構造を示す模式
図、
【図6】膜厚及び比抵抗の測定点を示す軟磁性膜の平面
図、
【図7】Fe−M−O膜におけるFeと、元素MとOと
の組成比と、透磁率μr′と比抵抗ρとの乗で表される
μr′・ρ値(×103μΩ・cm)との関係を示す三
元図、
【図8】Fe−Co−M−O膜におけるCo及びFe
と、元素MとOとの組成比と、透磁率μr′と比抵抗ρ
との乗で表されるμr′・ρ値(×103μΩ・cm)
との関係を示す三元図、
【符号の説明】
1 マグネトロンスパッタ装置 2 ターゲット 4 電極部 5 磁石 6 ガス導入口 7 ガス排気口 8 基板保持部 9 基板 10 高周波電源 11 磁性膜 12 チャンバ 30 基板 31、38 取り出し電極 32、34、36 絶縁膜 33、37 磁性膜 35 平面コイル 40 下部コア層 41 ギャップ層 42、44 絶縁層 43 コイル層 45 上部コア層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/31 G11B 5/31 M H01F 10/14 H01F 10/14 10/16 10/16 Fターム(参考) 4K018 AD09 BA01 BA02 BA03 BA04 BA11 BA14 DA11 KA29 4K029 BA50 BB08 BB10 BC06 BD03 BD04 CA05 DC09 5D033 BA02 DA03 DA22 DA31 5E049 AA01 AA04 AA09 BA12 BA14 GC02

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe,Co,Niのうち1種または2種
    以上の元素Tの酸化物からなる粉末aと、Ti,Zr,
    Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Si,Cr,
    P,C,B,Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種
    または2種以上の元素Mの酸化物からなる粉末bとを焼
    結してターゲットを形成し、 前記ターゲットと対向する位置に基板を配置し、 前記ターゲットをスパッタして前記基板上に、元素Tと
    元素Mと酸素とを含有する軟磁性膜を成膜することを特
    徴とする軟磁性膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 Fe,Co,Niのうち1種または2種
    以上の元素Tの酸化物からなる粉末aと、Ti,Zr,
    Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Si,Cr,
    P,C,B,Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種
    または2種以上の元素Mの酸化物からなる粉末bと、F
    e,Co,Niのうち1種または2種以上の元素Sの粉
    末cとを焼結してターゲットを形成し、 前記ターゲットと対向する位置に基板を配置し、 前記ターゲットをスパッタして前記基板上に、元素Tと
    元素Sと元素Mと酸素とを含有する軟磁性膜を成膜する
    ことを特徴とする軟磁性膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記軟磁性膜の組成比の調節は、各粉末
    の割合を調節して行う請求項1または2に記載の軟磁性
    膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記軟磁性膜の成膜は、Ar雰囲気中で
    行う請求項1ないし3のいずれかに記載の軟磁性膜の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記元素T及び元素SにFeを選択し、
    前記軟磁性膜は、組成式がFeabcで示され、組成
    比はat%で、44.5≦a≦57.5、8≦b≦1
    9、30.5≦c≦41、a+b+c=100を満足
    し、透磁率μr′と比抵抗ρ(μΩ・cm)との乗で表
    されるμr′・ρ値(×103)が、600以上である
    請求項1ないし4のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記組成比はat%で、45.5≦a≦
    55、9≦b≦17.5、32.5≦c≦40、a+b
    +c=100を満足し、透磁率μr′と比抵抗ρ(μΩ
    ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値(×103
    が、800以上である請求項5記載の軟磁性膜の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記組成比はat%で、45.5≦a≦
    54、9.5≦b≦16.5、35≦c≦40、a+b
    +c=100を満足し、透磁率μr′と比抵抗ρ(μΩ
    ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値(×103
    が、1000以上である請求項5記載の軟磁性膜の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 (前記軟磁性膜中に占める酸素の組成
    比)/(前記軟磁性膜中に占める元素Mの組成比)が、
    元素Mの酸化物を分子式で表した場合における(O原子
    の数)/(M原子の数)よりも大きい請求項5ないし7
    のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記軟磁性膜は、元素Mの酸化物を多量
    に含むアモルファス相に、Feを主体とする微結晶相が
    混在した膜構造を有する請求項5ないし8のいずれかに
    記載の軟磁性膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記アモルファス相には、元素Mの酸
    化物の他に、Feの酸化物が含まれる請求項9記載の軟
    磁性膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 元素T及び/または元素SにCoを選
    択し、さらに前記元素T及び/または元素SにFe,N
    iのうち少なくとも一方を選択してターゲットを粉末
    a,bの焼結体、または粉末a,b,cの焼結体で形成
    し、あるいはさらに前記ターゲットをPt,Ru,R
    h,Pd,Ir,Os,Sn,Ti,Au,Ag,Cu
    から選ばれる1種または2種以上の元素Xの粉末d、及
    び/または前記元素Xの酸化物からなる粉末eを加えて
    焼結形成し、 前記軟磁性膜は、組成式が、(Q1-dCodxyzw
    で示され、元素Qは、Fe,Niのうちどちらか一方あ
    るいは両方を含む元素であり、組成比を示すdは、0<
    d≦0.5、x,y,z,wはat%で、x≦59、2
    8≦z、0≦w≦20、残部がyである請求項1ないし
    4のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 元素T及び/または元素SにCoを選
    択し、あるいはさらに前記元素T及び/または元素Sに
    Fe,Niのうち少なくとも一方を選択してターゲット
    を粉末a,bの焼結体、または粉末a,b,cの焼結体で
    形成し、あるいはさらに前記ターゲットをPt,Ru,
    Rh,Pd,Ir,Os,Sn,Ti,Au,Ag,C
    uから選ばれる1種または2種以上の元素Xの粉末d、
    及び/または前記元素Xの酸化物からなる粉末eを加え
    て焼結形成し、 前記軟磁性膜は、組成式が、(Coe1-exyzw
    で示され、元素Qは、Fe,Niのうちどちらか一方あ
    るいは両方を含む元素であり、組成比を示すeは、0.
    5<e≦1.0、x,y,z,wはat%で、x≦5
    9、28≦z、0≦w≦20、残部がyである請求項1
    ないし4のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記組成比を示すx,y,z,wはa
    t%で、x≦56、31.5≦z、0≦w≦19、残部
    がyである関係を満足し、透磁率μr′と比抵抗ρ(μ
    Ω・cm)との乗で表されるμr′・ρ値(×103
    が、600以上である請求項11または12に記載の軟
    磁性膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記組成比を示すx,y,z,wはa
    t%で、x≦53.5、33.5≦z、0≦w≦19、
    残部がyである関係を満足し、透磁率μr′と比抵抗ρ
    (μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値(×10
    3)が、800以上である請求項11または12に記載
    の軟磁性膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記組成比を示すx,y,z,wはa
    t%で、x≦52、35≦z、0≦w≦19、残部がy
    である関係を満足し、透磁率μr′と比抵抗ρ(μΩ・
    cm)との乗で表されるμr′・ρ値(×103)が、
    1000以上である請求項11または12に記載の軟磁
    性膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記元素Qは、Feである請求項11
    ないし15のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  17. 【請求項17】 (前記軟磁性膜中に占める酸素の組成
    比)/(前記軟磁性膜中に占める元素Mの組成比)が、
    元素Mの酸化物を分子式で表した場合における(O原子
    の数)/(M原子の数)よりも大きい請求項11ないし
    16のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記軟磁性膜は、元素Mの酸化物を多
    量に含むアモルファス相に、元素Q及び/またはCoを
    主体とする微結晶相が混在した膜構造を有する請求項1
    1ないし17のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記アモルファス相には、元素Mの酸
    化物の他に、元素Qの酸化物、及び/またはCoの酸化
    物を含む請求項18記載の軟磁性膜の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記軟磁性膜の膜構造は、元素Mの酸
    化物を多量に含むアモルファス相に、元素Tを主体とす
    る微結晶相が混在し、 (軟磁性膜中に占める酸素の組成比)/(軟磁性膜中に
    占める元素Mの組成比)が、元素Mの酸化物を分子式で
    表した場合における(O原子の数)/(M原子の数)よ
    りも大きく、 前記アモルファス相には、元素Mの酸化物の他に元素T
    の酸化物が含まれる請求項1ないし4のいずれかに記載
    の軟磁性膜の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記軟磁性膜の透磁率μr′と比抵抗
    ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値(×1
    3)は、600以上である請求項20記載の軟磁性膜
    の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記軟磁性膜の透磁率μr′と比抵抗
    ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値(×1
    3)は、800以上である請求項20記載の軟磁性膜
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記軟磁性膜の透磁率μr′と比抵抗
    ρ(μΩ・cm)との乗で表されるμr′・ρ値(×1
    3)は、1000以上である請求項20記載の軟磁性
    膜の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記微結晶相は、さらに元素Mの酸化
    物を含んでいる請求項9、10、18、19あるいは2
    0ないし23のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記微結晶相の結晶構造は、bcc構
    造、hcp構造、fcc構造のうち1種あるいは2種以
    上の混成構造からなる請求項9、10、18、19ある
    いは20ないし24に記載の軟磁性膜の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記微結晶相の結晶構造は、主にbc
    c構造から成る請求項25記載の軟磁性膜の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記微結晶相の平均結晶粒径は、30
    nm以下である請求項9、10、18、19あるいは2
    0ないし26のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記元素Mは、Zr,Hfのうち一方
    あるいは両方を含む元素である請求項1ないし27のい
    ずれかに記載の軟磁性膜の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記粉末a,bの少なくとも一方を窒
    化物で形成し、前記軟磁性膜を構成する一元素として、
    Oの代わりにNを、あるいはOと共にNを含有する請求
    項1ないし28のいずれかに記載の軟磁性膜の製造方
    法。
  30. 【請求項30】 請求項1ないし29のいずれかに記載
    された軟磁性膜によって磁心を形成することを特徴とす
    る平面型磁気素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 請求項1ないし29のいずれかに記載
    された軟磁性膜によって磁心を形成することを特徴とす
    るフィルタの製造方法。
  32. 【請求項32】 少なくとも下部コア層と、記録媒体と
    の対向部で前記下部コア層と磁気ギャップを介して対向
    する上部コア層と、両コア層に記録磁界を与えるコイル
    層とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、前記下部コア層
    と上部コア層のうち少なくとも一方を、請求項1ないし
    29のいずれかに記載された軟磁性膜により形成するこ
    とを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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