JP2001357822A - 外装体、並びに、電池およびその使用方法 - Google Patents

外装体、並びに、電池およびその使用方法

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JP2001357822A
JP2001357822A JP2000175999A JP2000175999A JP2001357822A JP 2001357822 A JP2001357822 A JP 2001357822A JP 2000175999 A JP2000175999 A JP 2000175999A JP 2000175999 A JP2000175999 A JP 2000175999A JP 2001357822 A JP2001357822 A JP 2001357822A
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positive electrode
metal
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Naoteru Hayashi
直輝 林
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重負荷領域における放電特性を向上させるこ
とができる電池を提供する。 【解決手段】 電池は、中空円筒状の正極合剤2と、こ
の正極合剤2に接して配置されたセパレータ3と、この
セパレータ3中に充填した負極合剤4とを備えている。
金属缶1の表面は外装体10で被覆されている。外装体
10の少なくとも一部の当該部分は、熱伝導率λが0.
01〜0.1(kcal/mh℃)である材料で構成さ
れている。外装体10の当該部分の厚さは0.1〜3
(mm)の範囲にある。外装体10は2種類以上の材料
を積層した構造であってもよい。このとき、少なくとも
1層が、上述の熱伝導率λを有し、またさらに上述の厚
さを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の金属缶の表
面に被覆される外装体、並びに、この外装体を使用する
電池、およびこの電池の使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯用電子機器の普及により、筒
形アルカリ電池の需要は増える一方である。これと共
に、電子機器のデジタル化、及び圧縮技術の向上に伴な
い、消費電力量も大きくなりつつある。これらを受け
て、アルカリ乾電池の重負荷領域、たとえば1W、1.
5Wといった領域での放電時間が重要な特性となり始め
ている。
【0003】一般に、放電特性の向上のためには、より
多くの活物質を充填した方が有利であるが、耐漏液特性
の向上のためにはより少ない充填量にした方が有利に働
く。すなわち、双方の特性バランスを考慮して、正負極
の充填量を決めることが重要である。
【0004】しかし、放電は充填されたすべての活物質
が使われるわけではなく、放電負荷によって活物質はあ
る一定の割合でしか使われない。特に、中負荷から重負
荷領域の放電になるに従い、活物質の利用率は少なくな
る。特に中空状の正極ペレットと、正極に接して配置さ
れたセパレータと、セパレータ中に充填した負極とを備
えたいわゆるインサイドアウト構造を有するアルカリ電
池では電極間の反応面積が小さいため中負荷、重負荷に
おいて活物質の利用率が少なくなる。
【0005】よって、活物質の充填量以外にも中負荷、
重負荷領域の放電時間を向上させる技術が必要である。
すなわち、電池内の反応を促進することによって効率的
に活物質を利用する技術が必要である。
【0006】一方、従来アルカリ電池の外装体としてシ
ュリンクラベルやシュリンクチューブなどの熱収縮性外
装体を使って電池を被覆する構成をとることが多く、役
割としては単に電気的絶縁と商品的外装でしかなく、電
池特性上特別な特性を与えるものではない。また、従来
の外装体の厚さは0.05mm程度である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、中負荷、重負
荷領域における放電では電池内から熱が発生するが、シ
ュリンクラベル等の外装体の材料は、熱伝導率が大きい
ため、電池内で発生する熱を利用することができない。
そのため電池内の反応は促進を妨げられ、十分な放電時
間が得られないでいるのが現状である。
【0008】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、重負荷領域における放電特性を向上させ
ることができる外装体、並びに、この外装体を用いる電
池およびその電池の使用方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の外装体は、電池
の金属缶の表面を被覆する外装体において、前記外装体
の少なくとも一部の当該部分は、熱伝導率λが0.01
〜0.1(kcal/mh℃)である材料で構成されて
いるものである。上述の外装体の当該部分の厚さは0.
1〜3(mm)の範囲にある。上述の外装体は2種類以
上の材料を積層した構造であり、当該部分が少なくとも
1層を構成する。
【0010】本発明の電池は、金属缶の表面が外装体で
被覆されている電池であって、中空円筒状の正極と、こ
の正極に接して配置されたセパレータと、このセパレー
タ中に充填した負極とを備えた電池において、前記外装
体の少なくとも一部の当該部分は、熱伝導率λが0.0
1〜0.1(kcal/mh℃)である材料で構成され
ているものである。上述の外装体の当該部分の厚さは
0.1〜3(mm)の範囲にある。上述の外装体は2種
類以上の材料を積層した構造であり、当該部分が少なく
とも1層を構成する。
【0011】本発明の電池の使用方法は、中空円筒状の
正極と、この正極に接して配置されたセパレータと、こ
のセパレータ中に充填した負極とを備え、かつ金属缶の
表面が外装体で被覆されている電池を、放電させる電池
の使用方法において、前記外装体の少なくとも一部の当
該部分は、熱伝導率λが0.01〜0.1(kcal/
mh℃)である材料で構成されている方法である。上述
の外装体の当該部分の厚さは0.1〜3(mm)の範囲
にある。上述の外装体は2種類以上の材料を積層した構
造であり、当該部分が少なくとも1層を構成する。上述
の電池の使用方法は、重負荷領域で放電させる。上述の
重負荷領域は、放電電流が1〜3Aの範囲にある。
【0012】本発明の外装体、並びに、電池およびその
使用方法によれば、以下のことが考えられる。一般に、
アルカリ電池は放電中に電池内部から熱が発生する。ま
た重負荷になるに従い電池内部から発生する熱は大き
く、電池としての温度も高くなる。電池の外装体として
熱伝導率の小さい外装体を用いることによって電池から
の放熱を小さくし、電池内部から発生する熱を利用し
て、電池内部の反応を促進することができる。すなわ
ち、正極および負極活物質の利用率も向上し、放電特性
の向上につながる。この結果は特に、放電中に発熱の大
きい重負荷領域における放電で有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、外装体、並びに、電池およ
びその使用方法に係る発明の実施の形態について説明す
る。図1は、本実施の形態の電池の一例である円筒状の
単3形アルカリマンガン電池を示す断面図である。
【0014】図1において、金属缶1は、開口部と底を
有する円筒状の金属容器である。この金属缶1は、電池
の容器としての機能を有すると共に正極端子11の機能
も兼ね備えている。
【0015】図1において、金属缶1の内側には、中空
円筒状の正極合剤2が収納されている。この正極合剤2
は、金属缶1内にて所定の圧力で成形されている。正極
合剤2は、つぎの方法により成形される。まず、金属缶
1に挿入する前に、ペレット状の正極合剤を作製する。
ペレット状の正極合剤は、二酸化マンガンとグラファイ
トを混合し、内径を9.0mm、外形を13.3mm、
高さを14〜14.5mmとする中空円筒状に加圧成形
したものである。
【0016】つぎに、中空円筒状に成形したペレット状
の正極合剤を複数個(例えば3個)金属缶1に挿入す
る。つぎに、金属製のシリンダーを正極合剤の中心孔に
挿入する。シリンダーは円柱状であり、その外形はペレ
ット状の正極合剤の内径にほぼ等しい。また、このシリ
ンダーの外形は正極端子11の内径よりも大きい。
【0017】シリンダーは、その先端が金属缶1の底に
ぶつかるまで挿入する。つぎに、リング状の加圧治具
を、シリンダーを通じて、金属缶1の開口部から挿入す
る。このリング状の加圧治具の内径は上述のシリンダー
の外形とほぼ同じである。加圧治具の外形は金属缶1の
内径とほぼ同じである。加圧治具の、金属缶1の底側の
面は、平面であり、金属缶1の円筒の中心軸とほぼ直角
をなしている。
【0018】つぎに、この加圧治具を金属缶1の底の方
向に移動させることにより、正極合剤の表面から圧力を
かけ、正極合剤全体を加圧する。所定の圧力を加えるこ
とにより、正極合剤2の加圧後の高さが約42mmとな
るように成形する。
【0019】つぎに、金属缶1、および成形された正極
合剤2の内側に、セパレータ3を介して、亜鉛合金粉
末、水酸化カリウム水溶液およびゲル化剤等からなるゲ
ル状の負極合剤4を充填する。
【0020】この後、金属缶1の開口部に負極集電ピン
5、並びに、プラスティックシール6、封口板7、およ
び負極端子8からなる封口体9を入れ、かしめて封口す
る。つぎに、金属缶1の外側表面に外装体10を形成す
る。これにより、アルカリマンガン電池が完成する。
【0021】図1に示すように、外装体10は、金属缶
1の表面を被覆している。外装体10は、金属缶1の表
面に密着している。外装体10が金属缶1を被覆してい
る領域はつぎの通りである。まず、外装体10は、金属
缶1の円筒の側面全体を被覆している。また、正極端子
11側では、セパレータ3の端部が正極11側の金属缶
1とぶつかる位置よりも少し外側の地点から、最外周に
至る金属缶1の外表面を被覆している。負極端子8側で
は、かしめることにより折れ曲がった金属缶1の開口部
の端部まで、金属缶1の外表面を被覆している。
【0022】なお、外装体10は、上述した全領域を被
覆しなければならないというわけではない。上述した全
領域の一部、例えば金属缶1と正極合剤2が接触してい
る領域の大部分を占めるような領域であってもかまわな
い。
【0023】外装体10の材質としては、ABS樹脂、
ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどを採
用することができる。なお、外装体10の材質はここに
列挙したものに限定されるわけではない。このほか、柔
軟性、絶縁性を有するものであればいかなる材質も採用
することができる。ただし、つぎに述べる熱伝導率の範
囲に入る材質であることが望ましい。
【0024】外装体10の熱伝導率λは0.01〜0.
1(kcal/mh℃)の範囲内にあることが望まし
い。すなわち熱伝導率λの小さい材料を用いた外装体で
あることが好ましい。熱伝導率λの小さい材料を採用す
ることにより、電池内で発生する熱が利用できる。
【0025】なお、外装体10はその全体において、熱
伝導率λが0.01〜0.1(kcal/mh℃)の範
囲にある材料で構成されていることに限定されない。外
装体10の一部、例えば金属缶1と正極合剤2が接触し
ている領域の大部分を占めるような領域であってもかま
わない。ここで、当該一部において、熱伝導率λが0.
01〜0.1(kcal/mh℃)である材料で構成さ
れていればよい。
【0026】図1に示すように、外装体10は薄い膜で
ある。その厚さは全体でほぼ同一の厚さになっている。
外装体10の厚さは0.1〜3(mm)の範囲にあるこ
とが望ましい。厚さが0.1mmよりも薄くなると、電
池内部で発生する熱の保存性が不十分であり反応の促進
を十分に図ることができないからである。厚さが3mm
を超えると電池全体の体積が大きくなり、エネルギー密
度が低下してしまうからである。
【0027】なお、外装体1の厚さは外装体1全体で均
一である必要はない。部分的に厚さが異なってもよい。
外装体10の一部、例えば金属缶1と正極合剤2が接触
している領域の大部分を占めるような領域であってもか
まわない。すなわち、外装体10の少なくとも一部の当
該部分の厚さが0.1〜3(mm)の範囲にあればよ
い。また、当該部分の熱伝導率λが0.01〜0.1
(kcal/mh℃)である材料で構成されていればよ
い。
【0028】上述においては、外装体10が単一の膜か
らなる場合について説明したが、外装体10は単一の膜
であることに限定されない。外装体10は多層、すなわ
ち外装体10が2種類以上の材料を積層した構造からな
るものであってもよい。ここで、当該部分が少なくとも
1層を構成すること、すなわち、多層のうち少なくとも
一層の厚さが0.1〜3(mm)の範囲にあり、また、
この一層の熱伝導率λが0.01〜0.1(kcal/
mh℃)であればよい。
【0029】つぎに、アルカリマンガン電池を放電した
ときの、電池内部で発生する反応について説明する。ア
ルカリマンガン電池における活物質は電解法で製造され
た二酸化マンガン(電解二酸化マンガン、EMD)、ア
ルカリ性の電解液、そして金属亜鉛粉末である。二酸化
マンガンは品位が高いこと、反応性が高いこと、および
純度がきわめて高いことから、化学的製法による二酸化
マンガンでも天然鉱石でもなく電解二酸化マンガンが用
いられる。電解液は濃厚苛性アルカリ、通常は35〜5
2%の範囲のKOHである。
【0030】負極には亜鉛粉末が使われ、重負荷でも能
力を十分発揮できるよう電極反応が進行する面の表面積
を大きくしてある。また、亜鉛を、高分子でどろどろに
した強アルカリ液に分散させて固相と液相をより均質に
分布(反応物質と生成物の物質移動の分極を小さくす
る)させている。
【0031】放電においては、正極である二酸化マンガ
ンはまず1電子還元反応によりオキシハイドロキサイド
になる。 MnO2 +H2 O+e- →MnOOH+OH- (1)
【0032】この反応では放電曲線はスムーズな右下が
り曲線を描きながら反応物質MnO 2 の中にMnOOH
が均一に生成してゆく。この反応は4価のマンガン酸化
物の結晶格子の中にH(H+ +e- )が均一に拡散した
形で反応が進行するためで、反応の途中経過でMnOO
Hという明確な相が分離して生成することはない。した
がって放電曲線は平坦でなく右下がりとなる。
【0033】より低い電圧では、MnOOHはさらに次
式により放電をすることができる。 3MnOOH+e- →Mn3 4 +OH- +H2 O (2) この反応は平坦な放電カーブを示すが、最初の還元段階
よりも遅いので軽負荷放電条件下でのみ効果がある。
【0034】負極に注目すると、最初に進行するのは高
濃度苛性アルカリ電解液中で可溶性の亜鉛酸イオンZn
(OH)4 2- の生成反応である。 Zn+4OH- →Zn(OH)4 2- +2e- (3) しかし、反応が進んでOH- の活量が減少すると、電解
液は亜鉛酸イオンで飽和され、次段階では反応(4)が
進行する。
【0035】その後、正極では反応(1)によって水が
どんどん消耗するから、この影響で負極でも水の不足と
いう環境が生じ、水酸化亜鉛は次式に従ってゆっくりと
脱水してZnOへと移行する。 Zn+2OH- →Zn(OH)2 +2e- (4) Zn(OH)2 →ZnO+H2 O (5)
【0036】以上総合すると、MnO2 lモル当たりの
1電子反応の深度までの連続放電にさせたとき電池全体
の反応は 2MnO2 +Zn+2H2 O →2MnOOH+Zn(OH)2 (6) で表される。
【0037】これと対照的に軽負荷や間欠放電などの全
電池の反応は1モル当たり1.33電子の反応で、おそ
らく次のように書ける。 3MnO2 +2Zn→Mn3 4 +2ZnO (7) アルカリマンガン電池の初期の開回路電圧は約1.5〜
1.65Vであるが、この電圧の大きさは、正極物質の
純度や活性度、あるいは負極電解液中のZnOの含有率
に依存している。機能上の終止電圧0.75Vに達する
までの放電中の平均の電圧は約1.2Vである。
【0038】上述した反応は、発熱反応である。したが
って、電池の放電により電池内部で熱が発生する。ま
た、温度が上昇し電池内部の温度が高くなると、反応が
促進される。
【0039】本実施の形態における電池の使用方法にお
いては、重負荷領域で放電させることにより、放電特性
を向上させることができる。ここで、重負荷領域として
は、放電電流が1〜3Aの範囲にあることが望ましい。
放電電流が1Aより小さいと、電池内部での反応速度が
小さくなる。したがって、電池内部での温度上昇も小さ
い。電池内部の温度が高くならないと、放電特性を向上
させる効果が期待できない。
【0040】放電電流が3Aよりも大きいと、放電時間
が短くなる。放電時間が短くなると、電池内部の温度が
十分に高くなる前に、終電圧に達してしまう。この場
合、温度を上昇させることにより、反応を促進させると
いう効果が得られない。
【0041】なお、本発明は上述の実施の形態に限らず
本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0042】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではないことはもちろんである。
【0043】(従来例)ここでは、外装体10として従
来使用されている材質を用いた。図1を参照しながら説
明する。正極合剤2は、二酸化マンガンとグラファイト
の約9:1混合物に若干量の40%の水酸化カリウム水
溶液電解液を加えたものからなる。これを金属缶1内で
外径13.3mm、内径9.0mm、高さ42.0mm
の中空円筒状に成形した。
【0044】この正極合剤2の中にセパレータ3を挿入
し、約1.5gの電解液を注液して含浸させる。負極合
剤4は、酸化亜鉛を飽和させた40%の水酸化カリウム
水溶液にゲル化剤を加えて混合し、このゲル状電解液に
対して重量比で約2倍の亜鉛合金粉末を加え、混合して
作製した。この負極合剤4をセパレータ3の中に充填
し、封口体9と金属缶1を嵌合して単3形のアルカリマ
ンガン電池を作製した。
【0045】さらに、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)からなる外装体10を、金属缶1の表面に被覆し
た。ポリエチレンテレフタレートの熱伝導率λは、表1
に示すように0.14(kcal/mh℃)である。外
装体10の厚さとしては、0.05mm、0.1mm、
0.5mm、1mm、および3mmのものを用い、5種
類の電池を作製した。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例1)電池の外装体10として、A
BS樹脂を用いた。このほかの条件は従来例と同様であ
る。ABS樹脂の熱伝導率λは、表1に示すように0.
10(kcal/mh℃)である。
【0048】(実施例2)電池の外装体10として、ポ
リウレタンを用いた。このほかの条件は従来例と同様で
ある。ポリウレタンの熱伝導率λは、表1に示すように
0.05(kcal/mh℃)である。
【0049】(実施例3)電池の外装体10として、ポ
リスチレンを用いた。このほかの条件は従来例と同様で
ある。ポリスチレンの熱伝導率λは、表1に示すように
0.03(kcal/mh℃)である。
【0050】(実施例4)電池の外装体10として、ポ
リプロピレンを用いた。このほかの条件は従来例と同様
である。ポリプロピレンの熱伝導率λは、表1に示すよ
うに0.01(kcal/mh℃)である。
【0051】(実施例5)電池の外装体10として、図
2に示すように、積層したものを用いた。積層した膜の
うち外装体下層13としてポリウレタンを用い、外装体
上層12としてポリエチレンテレフタレートを用いた。
外装体下層13のポリウレタンの厚さとしては、0.0
5mm、0.1mm、0.5mm、1mm、および3m
mの5種類とした。外装体上層12のポリエチレンテレ
フタレートの厚さは、この5種類全てにおいて0.05
mmとした。これらの組み合わせにより、5種類の電池
を作製した。このほかの条件は従来例と同様である。
【0052】(実施例6)電池の外装体10として、積
層したものを用いた。積層した膜のうち外装体下層13
としてポリスチレンを用い、外装体上層12としてポリ
エチレンテレフタレートを用いた。外装体下層13のポ
リスチレンの厚さとしては、0.05mm、0.1m
m、0.5mm、1mm、および3mmの5種類とし
た。外装体上層12のポリエチレンテレフタレートの厚
さは、この5種類全てにおいて0.05mmとした。こ
れらの組み合わせにより、5種類の電池を作製した。こ
のほかの条件は従来例と同様である。
【0053】(比較例1)電池の外装体10として、天
然ゴムを用いた。このほかの条件は従来例と同様であ
る。天然ゴムの熱伝導率λは、表1に示すように0.1
2(kcal/mh℃)である。
【0054】(比較例2)電池の外装体10として、ビ
ニロン繊維を用いた。このほかの条件は従来例と同様で
ある。ビニロン繊維の熱伝導率λは、表1に示すように
0.21(kcal/mh℃)である。
【0055】つぎに、上述のように作製した従来例、実
施例1〜6、および比較例1〜2について、重負荷放電
特性の評価を行った。重負荷放電特性の評価は電池作製
直後に行った。重負荷放電特性は、1A連続定電流放電
によって行った。この結果得られた0.9V終止の連続
放電時間を表2に記した。試験数は5個である。また評
価に使用した外装体の材料の常温での熱伝導率λも併記
した。また、外装体の厚さによる影響を考慮に入れ、
0.05mm〜3mmの範囲で評価を行った。
【0056】
【表2】
【0057】表2の「1A連続放電時間(分)」の値を
基に重負荷放電特性について評価する。外装体の厚さが
0.05mmの場合、従来例(熱伝導率λ=0.14k
cal/mh℃)の放電時間が55分であるのに対し
て、実施例1〜4および比較例1(熱伝導率λ=0.0
1〜0.12kcal/mh℃)は、56〜58kca
l/mh℃と高い値を示している。また、二層構造であ
る実施例5,6においても56〜57分と従来例よりも
高い値を示している。
【0058】外装体の厚さが0.1mmの場合、従来例
(熱伝導率λ=0.14kcal/mh℃)の放電時間
が56分であるのに対して、実施例1〜4(熱伝導率λ
=0.01〜0.10kcal/mh℃)は、57〜6
1kcal/mh℃と高い値を示している。また、二層
構造である実施例5,6においても60〜61分と従来
例よりも高い値を示している。
【0059】外装体の厚さが0.5mmの場合、従来例
(熱伝導率λ=0.14kcal/mh℃)の放電時間
が56分であるのに対して、実施例1〜4および比較例
1(熱伝導率λ=0.01〜0.12kcal/mh
℃)は、58〜63kcal/mh℃と高い値を示して
いる。また、二層構造である実施例5,6においても6
1〜63分と従来例よりも高い値を示している。
【0060】外装体の厚さが1mmの場合、従来例(熱
伝導率λ=0.14kcal/mh℃)の放電時間が5
7分であるのに対して、実施例1〜4(熱伝導率λ=
0.01〜0.10kcal/mh℃)は、60〜68
kcal/mh℃と高い値を示している。また、二層構
造である実施例5,6においても65〜67分と従来例
よりも高い値を示している。
【0061】外装体の厚さが3mmの場合、従来例(熱
伝導率λ=0.14kcal/mh℃)の放電時間が5
6分であるのに対して、実施例1〜4(熱伝導率λ=
0.01〜0.10kcal/mh℃)は、60〜68
kcal/mh℃と高い値を示している。また、二層構
造である実施例5,6においても64〜68分と従来例
よりも高い値を示している。
【0062】これらのことから、従来例と比較して、外
装体10の熱伝導率λは、0.01〜0.1(kcal
/mh℃)の範囲内にあることが望ましい。
【0063】つぎに、実施例1〜6について、外装体の
厚さが0.05mmから3mmと変化するに従い、放電
時間がどのように変化するかをみてみる。各実施例にお
いて、外装体の厚さが厚くになるに従い、放電時間は長
くなる傾向にあることが認められる。この中で、実施例
5についてみてみると、外装体のうちポリウレタンの厚
さが0.05mmのときは放電時間が56分であるのに
対して、ポリウレタンの厚さが0.1〜3mmになると
60〜65分と急激に高い値となっている。
【0064】また、実施例6についてみてみると、外装
体のうちポリスチレンの厚さが0.05mmのときは5
7分であるのに対して、ポリスチレンの厚さが0.1〜
3mmになると61〜68分と急激に高い値となってい
る。
【0065】これらの結果と、外装体を実際に金属缶に
被覆する場合は積層構造にする場合が多いということを
考え合わせると、外装体の厚さ、または外装体のうち熱
伝導率が0.01〜0.1kcal/mh℃の範囲内に
ある膜の厚さは0.1〜3(mm)の範囲にあることが
望ましい。
【0066】以上のことから、本実施例によれば、断熱
性を有する材料、すなわち熱伝導率の小さい材料からな
る外装体を用い、またはさらに従来よりも厚い外装体を
用い、金属缶の表面に被覆することによって重負荷領域
における放電特性を大きく向上させることができる。ま
た外装体が2種類以上の材料で積層されている場合に
は、少なくとも1種類が熱伝導率が小さく、従来よりも
厚い材料であれば重負荷領域における放電特性を向上さ
せることができる。その結果、従来の電池に比べて大幅
に放電時間を向上させることができる。
【0067】なお、上述の発明の実施の形態では単3形
のアルカリマンガン電池を用いて説明したが、電池サイ
ズは特に限定されるものではない。またアルカリマンガ
ン電池以外にも酸化銀電池、ニッケル亜鉛電池、ニッケ
ルカドミウム電池、ニッケル水素電池など金属缶に外装
体の必要なアルカリ電池においても、電池内構造が中空
状の正極ペレットと正極に接して配置されたセパレータ
とセパレータ中に充填した負極とを備えた、いわゆるイ
ンサイドアウト構造を有している電池で同様の効果が得
られることは明らかである。
【0068】また、インサイドアウト構造を有していれ
ば正極、負極のサイズや組成、セパレータの仕様や電解
液の濃度などについても特に限定されるものではない。
【0069】また、上述の発明の実施の形態では、一次
電池について説明したが、この一次電池に限定されるわ
けではない。一次電池のほかに二次電池についても本発
明を適用することができる。
【0070】また、上述の発明の実施の形態では、円筒
形の電池について説明したが、この円筒形の電池に限定
されるわけではない。このほかの形状の電池について
も、本発明が適用できることはもちろんである。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、断熱性を有する材料、
すなわち熱伝導率の小さい材料からなる外装体を用い、
またはさらに従来よりも厚い外装体を用い、金属缶の表
面に被覆することによって重負荷領域における放電特性
を大きく向上することができる。また外装体が2種類以
上の材料で積層されている場合には、少なくとも1種類
が熱伝導率の小さい材料であり、またさらに従来よりも
厚いものであれば重負荷領域における放電特性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池のうち、外装体が一層からな
る場合の例を示した断面図である。
【図2】本発明に係る電池のうち、外装体が二層からな
る場合の例を示した断面図である。
【符号の説明】
1‥‥金属缶、2‥‥正極合剤、3‥‥セパレータ、4
‥‥負極合剤、5‥‥負極集電ピン、6‥‥プラスティ
ックシール、7‥‥封口板、8‥‥負極端子、9‥‥封
口体、10‥‥外装体、11‥‥正極端子、12‥‥外
装体上層、13‥‥外装体下層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池の金属缶の表面を被覆する外装体に
    おいて、前記外装体の少なくとも一部の当該部分は、熱
    伝導率λが0.01〜0.1(kcal/mh℃)であ
    る材料で構成されていることを特徴とする外装体。
  2. 【請求項2】 外装体が2種類以上の材料を積層した構
    造であり、当該部分が少なくとも1層を構成することを
    特徴とする請求項1記載の外装体。
  3. 【請求項3】 外装体の当該部分の厚さが0.1〜3
    (mm)の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の
    外装体。
  4. 【請求項4】 外装体が2種類以上の材料を積層した構
    造であり、当該部分が少なくとも1層を構成することを
    特徴とする請求項3記載の外装体。
  5. 【請求項5】 金属缶の表面が外装体で被覆されている
    電池であって、中空円筒状の正極と、この正極に接して
    配置されたセパレータと、このセパレータ中に充填した
    負極とを備えた電池において、前記外装体の少なくとも
    一部の当該部分は、熱伝導率λが0.01〜0.1(k
    cal/mh℃)である材料で構成されていることを特
    徴とする電池。
  6. 【請求項6】 外装体が2種類以上の材料を積層した構
    造であり、当該部分が少なくとも1層を構成することを
    特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 【請求項7】 外装体の当該部分の厚さが0.1〜3
    (mm)の範囲にあることを特徴とする請求項5記載の
    電池。
  8. 【請求項8】 外装体が2種類以上の材料を積層した構
    造であり、当該部分が少なくとも1層を構成することを
    特徴とする請求項7記載の電池。
  9. 【請求項9】 中空円筒状の正極と、この正極に接して
    配置されたセパレータと、このセパレータ中に充填した
    負極とを備え、かつ金属缶の表面が外装体で被覆されて
    いる電池を、放電させる電池の使用方法において、前記
    外装体の少なくとも一部の当該部分は、熱伝導率λが
    0.01〜0.1(kcal/mh℃)である材料で構
    成されていることを特徴とする電池の使用方法。
  10. 【請求項10】 外装体が2種類以上の材料を積層した
    構造であり、当該部分が少なくとも1層を構成すること
    を特徴とする請求項9記載の電池の使用方法。
  11. 【請求項11】 外装体の当該部分の厚さが0.1〜3
    (mm)の範囲にあることを特徴とする請求項9記載の
    電池の使用方法。
  12. 【請求項12】 外装体が2種類以上の材料を積層した
    構造であり、当該部分が少なくとも1層を構成すること
    を特徴とする請求項11記載の電池の使用方法。
  13. 【請求項13】 重負荷領域で放電させることを特徴と
    する請求項9記載の電池の使用方法。
  14. 【請求項14】 重負荷領域は、放電電流が1〜3Aの
    範囲にあることを特徴とする請求項13記載の電池の使
    用方法。
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