JP2001356494A - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法

Info

Publication number
JP2001356494A
JP2001356494A JP2000177810A JP2000177810A JP2001356494A JP 2001356494 A JP2001356494 A JP 2001356494A JP 2000177810 A JP2000177810 A JP 2000177810A JP 2000177810 A JP2000177810 A JP 2000177810A JP 2001356494 A JP2001356494 A JP 2001356494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
propen
compound
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000177810A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Sakamoto
敦 坂本
Hisashi Hotta
久 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000177810A priority Critical patent/JP2001356494A/ja
Publication of JP2001356494A publication Critical patent/JP2001356494A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐刷性と汚れ防止性能が良好な平版印刷版を
得ることができる感光性平版印刷版の処理方法を提供す
る。 【解決手段】 Si原子付着量が0.1〜8mg/m2であ
るアルミニウム支持体上に感光層を設けてなる感光性平
版印刷版を、露光し、非還元糖及び塩基(但し珪酸塩を
除く)を含む現像液で現像後、不感脂化処理を2浴以上
の処理浴で行うことを特徴とする感光性平版印刷版の処
理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版の
処理方法に関し、特に、汚れ防止と耐刷性を両立した平
版印刷版を得るための感光性平版印刷版の処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から広く使用されている感光性平版
印刷版は、支持体としてアルミニウム板を使用し、その
上に光分解性あるいは光硬化性の感光層を設けたもので
ある。これらの感光層は活性光線によって、前者は現像
液に可溶化し、後者は不溶性となる。従って、これを現
像すると当該感光層の現像液可溶部のみが除去されて支
持体表面が露出する。アルミニウム支持体の表面は親水
性なので、現像で支持体の表面が露出された部分(非現
像部)は水を保持して油性インキを反発する。一方、現
像によって感光層が除去されなかった領域(画像部)
は、親油性なので水を反発し、インキを受けつける。
【0003】かかる感光性平版印刷版の現像液として
は、一般にアルカリ性水溶液が用いられてきた。中で
も、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸塩水溶液が
一般的に使われてきた。しかしながら、珪酸塩はアルカ
リ領域では安定であるが、中性でゲル化、不溶化し、ま
た蒸発乾固するとフッ化水素酸のような強烈な酸にしか
溶けなくなる欠点がある。実際、現像槽や現像液補充セ
ンサーに珪酸アルミニウムが固着し洗浄が困難であった
り、現像液の廃液を中和する際にシリカゲルが発生する
といった問題点があった。このような問題点を解決する
ために、珪酸塩以外のアルカリ剤を用いる試みがなさ
れ、例えば非還元糖と珪酸塩以外の塩基を含有する現像
液が提案されている。例えば特開平8−160631号
公報、特開平8−234447号公報、特開平8−30
5039号公報などである。上記の非還元糖と塩基を含
有する現像液によれば、上記の珪酸塩からなる現像液に
よる欠点は解消される。
【0004】しかしながら、このような現像液で従来の
感光性平版印刷版を現像しようとすると、アルミニウム
支持体の陽極酸化皮膜が現像液で溶解され、現像液中で
蓄積されてカス、ヘドロとなって自動現像機の洗浄性を
悪くしたり、スプレーの目詰まりを起こすなどと言う別
の不都合点があった。また、珪酸塩を含まないpH10
〜13.2程度の現像液で陽極酸化皮膜処理を施した基
板を現像した場合、現像時に陽極酸化皮膜の溶解に伴い
非画像部が白色化するという問題点もある。また、印刷
時に版を放置することで、インキがさらにとれにくくな
るという問題点がある。このような現像を放置汚れと称
している。これらの不都合への対策として、従来から支
持体の陽極酸化皮膜への種々の処理が提案されている。
現像時の溶解防止能があるといわれている水蒸気処理
は、非画像部の白色化を防止することができるが、放置
汚れの問題点は解消できなかった。一方、陽極酸化皮膜
へのシリケート処理により、非画像部の白色化、放置汚
れの問題は解決できるが、耐刷力が劣化するという欠点
があった。
【0005】従って、予め表面を親水化処理した支持体
にポジ型感光層を設けても、支持体と感光層との密着が
良く、耐刷性能が劣化しない技術が望まれていた。上記
の諸問題を解決するため、米国特許明細書3,136,
636号においては、ポリアクリル酸、カルボキシルメ
チルヒドロキシエチルセルロースのような水溶性ポリマ
ーの中間層を設けることが提案されているが、未だ耐刷
力の点で満足のゆくものではなかった。米国特許明細書
4,483,913号においては、ポリ(ジメチルジア
リルアンモニウムクロライド)のような4級アンモニウ
ム化合物の中間層を設けることが提案されているが、汚
れ防止性能が不十分であり満足のゆくものではなかっ
た。
【0006】この問題を解決するため、耐刷性と汚れ防
止性能を両立する手段として、特開平11−10963
7号公報において、陽極酸化処理後のシリケート処理の
際にシリケート吸着量を制御することが提案されてい
る。この方法によれば、非還元糖と珪酸塩以外の塩基を
含有する現像液により、吸着シリケート量が一定の範囲
にある感光性平版印刷版を現像処理しても、耐刷性、汚
れ防止性が良好でかつ非画像部の白色化防止、現像液中
のカス、ヘドロ防止に有効であるとされている。しかし
ながら、従来からの陽極酸化皮膜上に感光層を有する感
光性平版印刷版を珪酸塩水溶液からなる現像液で現像し
た場合と比べると、アルミニウム支持体上へのシリケー
ト量が制御されているため、汚れ防止性能が未だ不十分
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、アルミニウム板を支持体とする感光性平版印刷版
を、非還元糖及び塩基(但し珪酸塩を除く)を含有する
現像液で現像した場合において、耐刷性と汚れ防止性能
が良好な平版印刷版を得ることができる感光性平版印刷
版の処理方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定範囲量のSi
原子が付着したアルミニウム板を支持体とする感光性平
版印刷版を露光後、非還元糖と塩基(珪酸塩を除く)を
含有する現像液で現像したのちに、不感脂化処理を2浴
以上の処理浴で行うことにより、耐刷性と汚れ防止性能
が良好な平版印刷版が得られることを見出し、本発明を
完成させるに至った。したがって本発明は、Si原子付
着量が0.1〜8mg/m2であるアルミニウム支持体上に
感光層を設けてなる感光性平版印刷版を、露光し、非還
元糖及び塩基(但し珪酸塩を除く)を含む現像液で現像
後、不感脂化処理を2浴以上の処理浴で行うことを特徴
とする感光性平版印刷版の処理方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法が適用できる感光性
平版印刷版は特に限定されるものではなく、従来のポジ
型・ネガ型感光性平版印刷版、光重合型感光性平版印刷
版、ポジ型・ネガ型赤外線感応性平版印刷版などに適用
できる。以下、感光性平版印刷版について、支持体、中
間層、各種感光層の順で詳しく説明する。
【0010】<支持体>まず、感光性平版印刷版の支持
体およびその処理に関して説明する。 (アルミニウム板)アルミニウム板は、純アルミニウム
またはアルミニウムを主成分とし微量の異原子を含むア
ルミニウム合金等の板状体である。この異原子には、ケ
イ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜
鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金組成と
しては、10質量%以下の異原子含有率が適当である。
好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全
に純粋なアルミニウムは、精錬技術上製造が困難である
ため、できるだけ異原子を含まないものがよい。また、
上述した程度の異原子含有率のアルミニウム合金であれ
ば、本発明に使用し得る素材ということができる。アル
ミニウム板は、その組成が特に限定されるものではな
く、従来公知、公用の素材のものを適宜利用することが
できる。好ましい素材として、JIS A 1050、同
1100、同1200、同3003、同3103、同3
005材が挙げられる。本発明において用いられるアル
ミニウム板の厚さは、約0.1mm〜0.6mm程度が適当
である。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、表
面の圧延油を除去するための、例えば界面活性剤または
アルカリ性水溶液で処理する脱脂処理が必要に応じて行
われる。
【0011】(粗面化処理および陽極酸化処理)上記の
ようなアルミニウム板は、一般にまずその表面が粗面化
処理される。この粗面化処理の方法としては、機械的に
粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方
法および化学的に表面を選択溶解させる方法がある。機
械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラ
スト研磨法、バフ研磨法などと称せられる公知の方法を
用いることができる。また、電気化学的な粗面化法とし
ては、塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により
行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報
に開示されているような両者を組み合わせた方法も利用
することができる。このように粗面化されたアルミニウ
ム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理および中
和処理された後、表面の保水性や耐摩耗性を高めるため
に陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化
処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を形成
するものならばいかなるものでも使用することができ、
一般には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれら
の混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の
種類によって適宜決められる。
【0012】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解
質の濃度が1〜80%溶液、液温は5〜70℃、電流密
度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間1
0秒〜5分の範囲にあれば適当である。陽極酸化皮膜の
量は1.0g/m2以上が好適であるが、より好ましく
は2.0〜6.0g/m2の範囲である。陽極酸化皮膜
が1.0g/m2未満であると耐刷性が不十分であった
り、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷
時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が
生じ易くなる。なお、このような陽極酸化処理は平版印
刷版の支持体の印刷に用いる面に施されるが、電気力線
の裏回りにより、裏面にも0.01〜3g/m2の陽極
酸化皮膜が形成されるのが一般的である。
【0013】(親水化処理)上記のように陽極酸化処理
されたアルミニウム板は、その陽極酸化皮膜をアルカリ
金属珪酸塩の水溶液を用いて親水化処理される。このア
ルカリ金属珪酸塩による親水化処理は、従来より知られ
ている種々の方法を採用し得るが、アルカリ金属珪酸塩
のアルミニウム支持体表面上への付着量がSi原子の量
として0.1〜8mg/m2、好ましくは0.5〜6m
g/m2、さらに好ましくは0.5〜4mg/m2とする
必要がある。該付着量がSi原子の量として0.1mg
/m2未満の場合は、汚れ性能が劣り、所期の目的が達
せられない。また、現像液中にアルカリ金属珪酸塩を含
まない現像液を用いた場合には、現像時の非画像部の白
色化や現像時のカス、ヘドロの発生を防止できない。ま
た、該付着量がSi原子の量として8mg/m2を越え
る場合は、耐刷性能が劣り、所期の目的が達せられな
い。
【0014】上記のアルカリ金属珪酸塩のアルミニウム
支持体表面上への付着量は、蛍光X線分析装置(XR
F;X−ray Fluorescence Spec
trometer)を用いて、検量線法によりSi原子
の量(Simg/m2)として測定される。検量線を作
成するための標準試料は、既知量のSi原子を含む珪酸
ナトリウム水溶液を、アルミニウム基板の上の30mm
φの面積内に均一に滴下後、乾燥させたものが用いられ
る。蛍光X線分析装置の機種としては特に限定はない
が、後記実施例では、理学電機工業(株)製RIX30
00を用い、下記条件にてSi−Kαスペクトルのピー
ク高さよりSi原子の量を測定した。
【0015】 装置 :理学電機工業(株)製RIX3000 X線管球 :Rh 測定スペクトル :Si−Kα 管電圧 :50kV 管電流 :50mA スリット :COARSE 分光結晶 :RX4 検出器 :F−PC 分析面積 :30mmφ ピーク位置(2θ) :144.75deg. バックグランド(2θ):140.70deg.,146.85deg. 積算時間 :80秒/sample
【0016】この親水化処理は、アルカリ金属珪酸塩が
0.001〜30質量%、好ましくは0.01〜10質
量%、特に好ましくは0.1〜5質量%で、25℃での
pHが10〜13であるアルカリ金属珪酸塩水溶液に、
陽極酸化処理されたアルミニウム支持体を4〜80℃で
0.5〜120秒間、好ましくは2〜30秒間浸漬する
方法により、Si原子の付着量が上記特定量となるよう
アルカリ金属珪酸塩濃度、処理温度、処理時間等の処理
条件を適宜選択して、好ましく行うことができる。この
親水化処理を行うに当たり、アルカリ金属珪酸塩水溶液
のpHが10より低いと液はゲル化し、13.0より高
いと陽極酸化皮膜が溶解されてしまうので、この点注意
を要する。親水化処理に用いられるアルカリ金属珪酸塩
としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウ
ムなどが使用される。
【0017】この親水化処理においては、必要に応じ、
アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHを高く調整するために
水酸化物を配合することができ、その水酸化物としては
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムな
どが挙げられる。また、必要に応じ、アルカリ金属珪酸
塩水溶液にアルカリ土類金属塩もしくは第IVB族金属塩
を配合してもよい。このアルカリ土類金属塩としては、
硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウ
ム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、これらのアルカリ
土類金属の硫酸塩、塩酸塩、燐酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、
ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。第IVB族金属
塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタ
ンカリウム、蓚酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ
化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウ
ム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなど
を挙げることができる。アルカリ土類金属塩もしくは第
IVB族金属塩は単独または2以上組み合わせて使用する
ことができる。これらの金属塩の好ましい使用量範囲は
0.01〜10質量%であり、さらに好ましい範囲は
0.05〜5.0質量%である。
【0018】親水化処理に用いるアルカリ金属珪酸塩水
溶液には、さらに金属フッ化物を添加することもでき
る。使用される金属フッ化物はフッ化アルカリ金属及び
フッ化アルカリ土類金属であり、これらの中から少なく
とも1種を使用することができる。フッ化アルカリ金属
としてはフッ化カリウム、フッ化ナトリウムが特に好ま
しく、フッ化アルカリ土類金属としてはフッ化ベリリウ
ムが特に好ましい。金属フッ化物の濃度としては0.0
01〜30質量%、好ましくは0.01〜10質量%、
特に好ましくは0.1〜5質量%である。
【0019】また、上記の親水化処理には下記のような
前処理及び/又は後処理を施すことができる。 (酸性水溶液処理)上記親水化処理されたアルミニウム
支持体を、必要に応じ、酸性水溶液で処理することがで
きる。この酸性水溶液としては、硫酸、硝酸、塩酸、蓚
酸、燐酸などの水溶液が挙げられる。また、この酸性水
溶液処理は、親水化処理されたアルミニウム支持体を、
上記のような酸の濃度0.001〜10質量%、好まし
くは0.01〜1質量%の水溶液に、温度15〜70
℃、好ましくは25〜50℃で、0.5〜120秒間、
好ましくは2〜30秒間程浸漬することにより行うのが
適当である。この酸性水溶液処理により、親水化処理に
よりアルミニウム支持体に付着したアルカリ金属珪酸塩
の量を減少させるよう調整することができる。
【0020】(熱水処理)上記親水化処理の前、又は後
に、水蒸気もしくは60〜100℃の水又は60〜10
0℃の希薄アルカリ溶液による処理を行ってもよい。特
公平6−35215号公報及び特開平10−44637
号公報には前処理が提案され、特開昭63−99992
号公報には後処理が提案されている。水蒸気による処理
を行う場合、その温度は120℃以下が好ましい。また
希薄アルカリ溶液はpHが7.5〜13.0までの範囲が好
ましく、このpH範囲であれば、どのようなアルカリ剤
を用いてもよい。代表的なアルカリ剤としては、M(O
H)n、M(CO3)n、M(OH3COO)n、M(BO3)n、M
m(PO3)の一般式で示される水酸化物、炭酸塩、酢酸
塩等が用いられる(ここでMはアンモニア、アルカリ金
属及びアルカリ土類金属を示す。またn及びmは1〜3
の整数である。)。またグルコン酸ナトリウム、酒石酸
ナトリウム、酒石酸カリウムなどのアルカリ性有機酸塩
も使用でき、NR3の一般式で示されるアミノ化合物
(例えば、モノエタノールアミンなど)を用いることが
できる。pHが13.0より高いアルカリ溶液で処理する
と陽極酸化皮膜が溶解するので好ましくない。水又は希
薄なアルカリ溶液による処理の場合、処理液温度60〜
100℃が適当であり、希薄なアルカリ水溶液を使用す
る場合には多少低めの温度、即ち60〜80℃が好まし
い。一方、処理時間は、水蒸気による処理及び60〜1
00℃の水又は60〜100℃の希薄なアルカリ水溶液
による処理のいずれの場合においても1〜120秒が適
当であり、5〜30秒の範囲が好ましい。
【0021】(酸により分解しうるエステル基及び/又
は酸に分解しうるエーテル基を有する化合物による処
理)上記親水化処理の前、又は後に、下記一般式(I)
又は(II)で表される基を有する化合物で処理すること
ができる。具体的には、水又は有機溶剤に下記の化合物
を溶解させた溶液を塗布、乾燥させる。
【0022】
【0023】好ましくは、一般式(I)で示される、酸
により分解し得るエステル基を有する化合物は下記一般
式(I−I)又は(I−II)で示される化合物である。
【0024】
【0025】式中R1は置換基を有していてもよいm価
の脂肪族炭化水素を示す。R2、R3、R4は同一でも異
なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、置
換基を有していてもよいアリール又はアラルキル、アル
コキシ、ハロゲンもしくは−O−C(=O)−R7を示
し、好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル、炭素原
子数1〜8個のアルコキシ、クロルもしくは−O−C
(=O)−R7、更に好ましくは炭素原子数1〜4個の
アルキル、炭素数1〜8個のアルコキシ基を示す。
5、R6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換
基を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香族炭化水素
を示す。R7は置換基を有していてもよいアルキル、ア
リール、もしくはアラルキル基を示す。m、nは正の整
数、好ましくはmは1〜1000、nは1〜500の整
数を示す。a1、a2、b1、b2はそれぞれ0又は1を示
す。一般式(I)で示されるエステル基を少なくとも1
個有する化合物の具体例としては、特公平5−6627
5号公報に列挙されているものがある。また、一般式
(II)で示される酸により分解し得るエーテル基を有す
る化合物は下記一般式(II−I)又は(II−II)で示さ
れる化合物がある。
【0026】
【0027】式中R1は置換基を有していてもよいm価
の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。R2、R3、R4
同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アル
キル基、置換基を有していてもよいアリール又はアラル
キル、アルコキシ、ハロゲンもしくは−OR6を示し、
好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル、炭素原子数
1〜8個のアルコキシ、クロルもしくは−OR6、更に
好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル又は−OR6
を示す。R5は置換基を有していてもよい2価の脂肪族
又は芳香族炭化水素を示す。R6は置換基を有していて
もよいアルキル、アリール、もしくはアラルキル基、好
ましくは炭素原子数1〜8個のアルキル、又は炭素原子
数6〜15のアリール基を示す。またR5とR6が結合し
て脂肪族環又は芳香族環の一部を形成してもよい。m、
nは正の整数、好ましくはmは1〜1000、nは1〜
500の整数を示す。a、bはそれぞれ0又は1を示
す。一般式(II)で示されるエーテル基を少なくとも1
個有する化合物の具体例としては、特公平5−6627
5号公報に列挙されているものがある。
【0028】塗布溶液におけるこれらの化合物の濃度は
0.001〜10質量%、温度10〜50℃、pH1〜1
3の範囲にあれば適当である。塗布方法としては浸漬塗
布、回転塗布、スプレー塗布、カーテンコート等のいず
れを用いてもよい。塗布量は、乾燥後の被覆量で1〜10
0mg/m2が好適であるが、より好ましくは5〜50mg/m2
範囲である。
【0029】(亜硝酸塩による処理)上記親水化処理の
前、又は後に、例えば特開平4−244896号公報や
特開平6−183167号公報に提案されているよう
に、亜硝酸塩水溶液で処理してもよい。使用できる亜硝
酸塩としては、周期律表のIa、IIa、IIb、IIIb、I
Va、IVa、VIa、VIIa、VIII族の金属の亜硝酸塩又は
アンモニウム塩、すなわち亜硝酸アンモニウムが挙げら
れ、その金属塩としは、例えばLiO2、NaNO2、K
NO2、Mg(NO22、Ca(NO22、Zn(N
22、Al(NO23、Zr(NO24、Sn(NO
24、Cr(NO23、Co(NO22、Mn(N
22、Ni(NO22等が好ましく、特に、アルカリ
金属亜硝酸塩が好ましい。亜硝酸塩は2種以上併用する
こともできる。
【0030】亜硝酸塩処理方法としては、水溶液に浸漬
する方法又は水溶液を支持体に塗布する方法等が挙げら
れるが、水溶液に浸漬する方法がより好ましい。処理条
件は、支持体の状態及びアルカリ金属の種類により異な
るので、一義的には決定できないが、例えば亜硝酸ナト
リウムを用いた場合には濃度は一般的には0.001〜1
0質量%、より好ましくは0.01〜2質量%、浴温度は
一般的には室温から約100℃前後、より好ましくは6
0〜90℃、処理時間は一般的には5〜300秒、より
好ましくは10〜180秒の範囲から選択することが適
当である。また、亜硝酸塩水溶液のpHは8.0〜11.0
に調整されていることが好ましく、8.5〜9.5に調整さ
れていることが特に好ましい。
【0031】亜硝酸塩水溶液のpHを上記の範囲に調整
するには、例えば種々のアルカリ緩衝液等を用いて好適
に調整することができる。該アルカリ緩衝液としては、
限定はされないが例えば、炭酸水素ナトリウムと水酸化
ナトリウムの混合水溶液、炭酸ナトリウムと水酸化ナト
リウムの混合水溶液、塩化ナトリウムと水酸化ナトリウ
ムの混合水溶液、塩酸と炭酸ナトリウムの混合水溶液、
四ホウ酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合使用液な
どを好適に用いることができる。また、上記アルカリ緩
衝液はナトリウム塩以外のアルカリ金属塩、例えばカリ
ウム塩なども用いることができる。該亜硝酸塩処理の効
果を高めるために、当該処理中に超音波をかけてもよ
い。該亜硝酸塩水溶液には必要に応じて添加剤を加える
ことができる。例えば、水溶性高分子、界面活性剤など
を添加することができる。亜硝酸塩処理は、他の前処理
や後処理と組み合わせて実施することもでき、例えば特
開平6−183167号公報に開示されているように、
支持体を80〜95℃の熱水又はアルカリ水溶液中で浸
漬処理した後、該亜硝酸塩処理を施し、珪酸酸塩による
親水化処理をした後、熱水により処理する。該熱水によ
る処理は、浴温度60〜90℃、より好ましくは80〜
90℃、時間は10〜180秒程度である。また、特開
平4−244896号公報に提案されているように、亜
硝酸塩による処理を別個に行わずに、親水化処理に使用
する珪酸塩溶液に亜硝酸塩を含ませてもよい。
【0032】(カルボン酸塩による処理)上記親水化処
理の前、又は後に、特開平10−171104号公報に
提案されているように、カルボン酸塩水溶液による処理
を施してもよい。使用するカルボン酸は以下の構造式を
有する化合物である。 (R1COO)nZ R2COO−Z−OOCR3又は R4(COO)2Z 但し、R1、R2、R3はそれぞれ同一でも異なっていて
もよい水素又は1〜10個の炭素原子数を有する脂肪族
基、脂環式又は芳香族基を表し、R4は炭素原子数0〜
10この脂肪族基、脂環式又は芳香族基の2価の基であ
る。Zは水素イオン、NH4イオン、Ia族金属イオン
もしくはIIa族、VIIa族、VIII族、IIb族又はIVb族
金属から選ばれる1価又は2価のイオンである。そし
て、nは1又は2の整数を表す。好ましくは以下の構造
式を有する化合物の少なくとも1つを含む親水性化合物
である。
【0033】
【0034】但し、R1、R2、R3はそれぞれ同一でも
異なっていてもよい水素又は1〜10個の炭素原子数を
有する脂肪族基、脂環式又は芳香族基を表し、R4は脂
肪族、脂環式又は芳香族化合物から誘導される2価の基
であり、X1はNH4イオン又はアルカリ金属イオンから
選ばれ(但し、X2、X3が同時に水素であることはな
い)、そしてYはIIa族、VIIa族、VIII族、IIb族又
はIVb族金属から選ばれる2価の金属イオンである。
【0035】具体的な化合物は、ギ酸アンモニウム、ギ
酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸カルシウム、ギ酸バ
リウム、ギ酸マグネシウム、ギ酸亜鉛、ギ酸マンガン、
ギ酸ニッケル、ギ酸ストロンチウム、ギ酸鉛、酢酸アン
モニウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネ
シウム、酢酸亜鉛、酢酸ニッケル、酢酸ストロンチウ
ム、酢酸鉛、プロピオン酸アンモニウム、プロピオン酸
ナトリウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸カル
シウム、プロピオン酸バリウム、プロピオン酸マグネシ
ウム、プロピオン酸亜鉛、プロピオン酸マンガン、プロ
ピオン酸ニッケル、プロピオン酸ストロンチウム、プロ
ピオン酸鉛、酪酸アンモニウム、酪酸ナトリウム、酪酸
カリウム、酪酸カルシウム、酪酸バリウム、酪酸マグネ
シウム、酪酸亜鉛、酪酸マンガン、酪酸ニッケル、酪酸
ストロンチウム、酪酸鉛、蓚酸アンモニウム、蓚酸ナト
リウム、蓚酸カリウム、蓚酸カルシウム、蓚酸バリウ
ム、蓚酸マグネシウム、蓚酸亜鉛、蓚酸マンガン、蓚酸
ニッケル、蓚酸ストロンチウム、蓚酸鉛、
【0036】マロン酸アンモニウム、マロン酸ナトリウ
ム、マロン酸カリウム、マロン酸カルシウム、マロン酸
バリウム、マロン酸マグネシウム、マロン酸亜鉛、マロ
ン酸マンガン、マロン酸ニッケル、マロン酸ストロンチ
ウム、マロン酸鉛、コハク酸アンモニウム、コハク酸ナ
トリウム、コハク酸カリウム、コハク酸カルシウム、コ
ハク酸バリウム、コハク酸マグネシウム、コハク酸亜
鉛、コハク酸マンガン、コハク酸ニッケル、コハク酸ス
トロンチウム、コハク酸鉛、グルタル酸アンモニウム、
グルタル酸ナトリウム、グルタル酸カリウム、グルタル
酸カルシウム、グルタル酸バリウム、グルタル酸マグネ
シウム、グルタル酸亜鉛、グルタル酸マンガン、グルタ
ル酸ニッケル、グルタル酸ストロンチウム、グルタル酸
鉛、フタル酸アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタ
ル酸カリウム、フタル酸カルシウム、フタル酸バリウ
ム、フタル酸マグネシウム、フタル酸亜鉛、フタル酸マ
ンガン、フタル酸ニッケル、フタル酸ストロンチウム、
フタル酸鉛などである。上記のような化合物を濃度0.0
1〜10質量%、温度30〜95℃の水溶液として支持
体の浸漬に用いる。浸漬時間は1〜60秒が適当であ
る。
【0037】(高分子化合物による処理)上記親水化処
理の前、又は後に、高分子化合物による処理を施しても
よい。例えば特開平10−171104号公報は、カル
ボン酸塩水溶液による処理後に実施する親水性高分子に
よる処理を提案している。高分子化合物としては、ポリ
アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピ
ロリドンなどのアクリル酸共重合体、ポリエチレンイミ
ン、ジアクリルジメチルアルミニウムクロライド、ポリ
ビニルイミダゾリン、ポリアルキルアミノエチルアクリ
レートなどのマレイン酸共重合体、またポリエチレング
リコールポリオキシエチレン、ポリプロピレングリコー
ル、エチレンジアミン、ヘキサエチレンジアミン、ポリ
ウレタン樹脂、ポリヒドロキシメチル尿素、ポリヒドロ
キシメチメラミン樹脂、更に変性デンプン、デキストリ
ン、CMC(カルボキシメチルセルロース)、CEC
(カルボキシエチルセルロース)、ヒドロキシエチルセ
ルロース、グアーガム、トラガカントガム、アラビアガ
ム、キサンタンガム、アルギン酸ソーダ、ゼラチンなど
が挙げられる。上記高分子化合物を1質量%以下、好ま
しくは0.001〜0.1質量%を含む水溶液を好ましくは
pH9以下、温度30〜95℃、浸漬時間1〜90秒間
の条件で支持体の浸漬に用いる。
【0038】(ホウ酸塩又はメタホウ酸塩処理)上記親
水化処理の前に、特開平10−24668号公報に提案
されるような、ホウ酸塩又はメタホウ酸塩の水溶液によ
る処理を施すことができる。0.01〜5.0質量%、好ま
しくは0.5〜2.0質量%、20〜90℃、好ましくは5
0〜70℃のホウ酸又はメタホウ酸のアルカリ金属塩又
はアルカリ土類金属塩のうちの少なくとも1種を含む水
溶液で処理する。この処理によって、消去性を劣化させ
ることなく、網点の目の開きを改善することができる。
使用液の濃度が0.01質量%より上では、処理槽直後の
ロール上などへの溶液からの溶質の析出が問題になり、
工程上欠点がある。さらに温度が20℃より下では処理
の効果を得るには処理時間が長くなりすぎて実用的では
なく、90℃より上では処理が強すぎて陽極酸化皮膜が
侵されてスポット状の汚れが発生する場合があるなどの
欠点がある。
【0039】(その他)上記親水化処理の後に、フッ化
ジルコニウムカリウム(K2ZrF6)水溶液による処理
を施すこともできる。例えば、特開平10−33995
3号公報には、フッ素原子及びジルコニウム原子の付着
量を所定量とする処理が提案されている。使用する処理
液におけるフッ化ジルコニウムカリウムの濃度は0.01
〜0.2質量%程度で、pHは3〜5が好ましい。処理液
には硫酸、酢酸、リン酸などの酸を添加することができ
る。この処理は10〜90℃で実施するのが好ましく、
処理時間は1〜120秒が適当である。また、上記親水
化処理を施した後、特開平7−316882号公報に記
載されるように、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類
金属イオンなどのイオン含有水で洗浄してもよい。
【0040】(バックコート)アルミニウム支持体の裏
面に、必要に応じて、バックコートが設けられる。かか
るバックコートとしては、特開平5−45885号公報
記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号
公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および
重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ま
しく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH
34、Si(OC254、Si(OC374、Si
(OC494などの珪素のアルコキシ化合物が安価で
入手し易く、それから与えられる金属酸化物の被覆層が
耐現像性に優れており特に好ましい。
【0041】<中間層>上記の親水化処理したアルミニ
ウム支持体、あるいは親水化処理後、任意に後処理を施
したアルミニウム支持体の上に各種感光層を設けること
ができるが、ポジ型感光層を設ける場合、必要に応じ
て、上記支持体上に中間層を設け、該中間層上にポジ型
感光層を設けることもできる。
【0042】(酸基とオニウム基とを有する高分子化合
物の中間層)中間層形成に用いる高分子化合物として、
酸基を有する、あるいは、酸基を有する構成成分と共に
オニウム基を有する構成成分をも有する高分子化合物が
一層好適に用いられる。この高分子化合物の構成成分の
酸基としては、酸解離指数(pKa)が7以下の酸基が
好ましく、より好ましくは−COOH、−SO3H、−
OSO3H、−PO32、−OPO32、−CONHS
2、−SO2NHSO2−であり、特に好ましくは−C
OOHである。好適なる酸基を有する構成成分は、下記
の一般式(1)あるいは一般式(2)で表される重合可
能な化合物である。
【0043】
【0044】式中、Aは2価の連結基を表す。Bは芳香
族基あるいは置換芳香族基を表す。D及びEはそれぞれ
独立して2価の連結基を表す。Gは3価の連結基を表
す。X及びX′はそれぞれ独立してpKaが7以下の酸
基あるいはそのアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩
を表す。R1は水素原子、アルキル基またはハロゲン原
子を表す。a,b,d,eはそれぞれ独立して0または
1を表す。tは1〜3の整数である。酸基を有する構成
成分の中でより好ましくは、Aは−COO−または−C
ONH−を表し、Bはフェニレン基あるいは置換フェニ
レン基を表し、その置換基は水酸基、ハロゲン原子ある
いはアルキル基である。D及びEはそれぞれ独立してア
ルキレン基あるいは分子式がCn2nO、Cn2nSある
いはCn2n+1Nで表される2価の連結基を表す。Gは
分子式がCn2n-1、Cn2n-1O、Cn2n-1Sあるい
はCn2nNで表される3価の連結基を表す。ただし、
ここでnは1〜12の整数を表す。X及びX′はそれぞ
れ独立してカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、硫酸
モノエステルあるいは燐酸モノエステルを表す。R1
水素原子またはアルキル基を表す。a,b,d,eはそ
れぞれ独立して0または1を表すが、aとbは同時に0
ではない。酸基を有する構成成分の中で特に好ましくは
一般式(1)で示す化合物であり、Bはフェニレン基あ
るいは置換フェニレン基を表し、その置換基は水酸基あ
るいは炭素数1〜3のアルキル基である。D及びEはそ
れぞれ独立して炭素数1〜2のアルキレン基あるいは酸
素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基を表す。
1は水素原子あるいはメチル基を表す。Xはカルボン
酸基を表す。aは0であり、bは1である。
【0045】酸基を有する構成成分の具体例を以下に示
す。ただし、本発明はこの具体例に限定されるものでは
ない。アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等
が挙げられ、さらに下記のものが挙げられる。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】上記のような酸基を有する構成成分は、1
種類あるいは2種類以上組み合わせてもよい。 (オニウム基を有する高分子化合物の中間層)また、上
記中間層形成に用いられる高分子化合物の構成成分のオ
ニウム基として好ましいものは、周期律表第V族あるい
は第VI族の原子からなるオニウム基であり、より好まし
くは窒素原子、リン原子あるいはイオウ原子からなるオ
ニウム基であり、特に好ましくは窒素原子からなるオニ
ウム基である。また、この高分子化合物は、その主鎖構
造がアクリル樹脂やメタクリル樹脂やポリスチレンのよ
うなビニル系ポリマーあるいはウレタン樹脂あるいはポ
リエステルあるいはポリアミドであるポリマーが好まし
い。中でも、主鎖構造がアクリル樹脂やメタクリル樹脂
やポリスチレンのようなビニル系ポリマーがさらに好ま
しい。特に好ましい高分子化合物は、オニウム基を有す
る構成成分が下記の一般式(3)、一般式(4)あるい
は一般式(5)で表される重合可能な化合物であるポリ
マーである。
【0050】
【0051】式中、Jは2価の連結基を表す。Kは芳香
族基あるいは置換芳香族基を表す。Mはそれぞれ独立し
て2価の連結基を表す。Y1は周期律表第V族の原子を
表し、Y2は周期律表第VI族の原子を表す。Z-は対アニ
オンを表す。R2は水素原子、アルキル基またはハロゲ
ン原子を表す。R3、R4、R5、R7はそれぞれ独立して
水素原子あるいは場合によっては置換基が結合してもよ
いアルキル基、芳香族基、アラルキル基を表し、R6
アルキリジン基あるいは置換アルキリジンを表すが、R
3とR4あるいはR6とR7はそれぞれ結合して環を形成し
てもよい。j,k,mはそれぞれ独立して0または1を
表す。uは1〜3の整数を表す。オニウム基を有する構
成成分の中でより好ましくは、Jは−COO−または−
CONH−を表し、Kはフェニレン基あるいは置換フェ
ニレン基を表し、その置換基は水酸基、ハロゲン原子あ
るいはアルキル基である。Mはアルキレン基あるいは分
子式がCn2nO、Cn2nSあるいはCn2n+1Nで表
される2価の連結基を表す。ただし、ここでnは1〜1
2の整数を表す。Y1は窒素原子またはリン原子を表
し、Y2はイオウ原子を表す。Z-はハロゲンイオン、P
6 -、BF4 -あるいはR8SO3 -を表す。R2は水素原子
またはアルキル基を表す。R3、R4、R5、R7はそれぞ
れ独立して水素原子あるいは場合によっては置換基が結
合してもよい炭素数1〜10のアルキル基、芳香族基、
アラルキル基を表し、R6は炭素数1〜10のアルキリ
ジン基あるいは置換アルキリジンを表すが、R3とR4
るいはR6とR7はそれぞれ結合して環を形成してもよ
い。j,k,mはそれぞれ独立して0または1を表す
が、jとkは同時に0ではない。オニウム基を有する構
成成分の中で特に好ましくは、Kはフェニレン基あるい
は置換フェニレン基を表し、その置換基は水酸基あるい
は炭素数1〜3のアルキル基である。Mは炭素数1〜2
のアルキレン基あるいは酸素原子で連結した炭素数1〜
2のアルキレン基を表す。Z-は塩素イオンあるいはR8
SO3 -を表す。R2は水素原子あるいはメチル基を表
す。jは0であり、kは1である。オニウム基を有する
構成成分の具体例を以下に示す。ただし、本発明はこの
具体例に限定されるものではない。
【0052】
【0053】
【0054】中間層形成に用いる高分子化合物には、上
記のようなオニウム基を有する構成成分を1モル%以
上、好ましくは5モル%以上含むことが望ましい。オニ
ウム基を有する構成成分が1モル%以上含まれると密着
性が一層向上される。また、オニウム基を有する構成成
分は1種類あるいは2種類以上組み合わせてもよい。さ
らに、中間層形成に用いる高分子化合物は、構成成分あ
るいは組成比あるいは分子量の異なるものを2種類以上
混合して用いてもよい。
【0055】また、この酸基と共にオニウム基をも有す
る高分子化合物においては、酸基を有する構成成分を2
0モル%以上、好ましくは40モル%以上含み、オニウ
ム基を有する構成成分を1モル%以上、好ましくは5モ
ル%以上含むことが望ましい。酸基を有する構成成分が
20モル%以上含まれると、アルカリ現像時の溶解除去
が一層促進され、また酸基とオニウム基との相乗効果に
より密着性がなお一層向上される。また、このオニウム
基と共に酸基をも有する高分子化合物においても、構成
成分あるいは組成比あるいは分子量の異なるものを2種
類以上混合して用いてもよいことはいうまでもない。以
下に、上記のオニウム基と共に酸基をも有する高分子化
合物の代表的な例を示す。なお、ポリマー構造の組成比
はモル百分率を表す。
【0056】
【表1】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】(中間層形成用高分子化合物の製法等)上
記のような中間層形成に用いる、酸基を有するあるいは
酸基と共にオニウム基をも有する高分子化合物のいずれ
も、一般には、ラジカル連鎖重合法を用いて製造するこ
とができる(“Textbook of Polymer Science" 3r
d ed,(1984)F.W.Billmeyer,A Wiley-Interscience Publ
ication参照)。また、これらの高分子化合物の分子量
は広範囲であってもよいが、光散乱法を用いて測定した
時、質量平均分子量(Mw)が500〜2,000,0
00であることが好ましく、また2,000〜600,
000の範囲であることが更に好ましい。また、この高
分子化合物中に含まれる未反応モノマー量は広範囲であ
ってもよいが、20質量%以下であることが好ましく、
また10質量%以下であることがさらにに好ましい。ま
た、酸基と共にオニウム基をも有する高分子化合物の代
表的な例の一つとして上記したp−ビニル安息香酸とビ
ニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重
合体(表1のNo.1)を例にとって、その合成例を示
せば次のとおりである。
【0061】p−ビニル安息香酸[北興化学工業(株)
製]146.9g(0.99mol)、ビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロリド44.2g(0.21
mol)および2−メトキシエタノール446gを1L
の3口フラスコに取り、窒素気流下攪拌しながら、加熱
し75℃に保った。次に2,2−アゾビス(イソ酪酸)
ジメチル2,76g(12mmol)を加え、攪拌を続
けた。2時間後、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチ
ル2,76g(12mmol)を追加した。更に、2時
間後、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.76
g(12mmol)を追加した。2時間攪拌した後、室
温まで放冷した。この反応液を攪拌下12Lの酢酸エチ
ル中に注いだ。析出する固体を濾取し、乾燥した。その
収量は189.5gであった。得られた固体は光散乱法
で分子量測定を行った結果、重量平均分子量(Mw)は
3.2万であった。他の高分子化合物も同様の方法で合
成できる。
【0062】(中間層の形成法)中間層は、上記した酸
基を有するあるいは酸基と共にオニウム基をも有する高
分子化合物(以下単に「高分子化合物」という)を、上
記した親水化処理したアルミニウム支持体あるいは親水
化処理後さらに酸性水溶液処理したアルミニウム支持体
(以下単に「アルミニウム支持体」という)の上に種々
の方法により塗布して設けられる。中間層を設けるため
に一般的に採用される方法の一つは、メタノール、エタ
ノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそ
れらの混合溶剤あるいはこれら有機溶剤と水との混合溶
剤に高分子化合物を溶解させた溶液をアルミニウム支持
体上に塗布し、乾燥して設ける方法であり、他の一つ
は、メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなど
の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤あるいはこれら有
機溶剤と水との混合溶剤に高分子化合物を溶解させた溶
液に、アルミニウム支持体を浸漬して高分子化合物を吸
着させ、しかる後、水などによって洗浄し、乾燥して設
ける方法である。前者の方法では、高分子化合物の0.
005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布で
きる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー
塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。
また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質
量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度
は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬
時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分であ
る。
【0063】上記の高分子化合物の溶液は、アンモニ
ア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物
質や、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸、ニトロ
ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機
スルホン酸、フェニルホスホン酸などの有機ホスホン
酸、安息香酸、クマル酸、リンゴ酸などの有機カルボン
酸など種々の有機酸性物質、ナフタレンスルホニルクロ
ライド、ベンゼンスルホニルクロライドなどの有機酸ク
ロライド等によりpHを調整し、pH=0〜12、より
好ましくはpH=0〜5、の範囲で使用することもでき
る。また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のために
黄色染料を添加することもできる。高分子化合物の乾燥
後の被覆量は、2〜100mg/m2が適当であり、好
ましくは5〜50mg/m2である。上記被覆量が2m
g/m2よりも少ないと、十分な効果が得られない。ま
た、100mg/m2より多くても同様である。
【0064】<ポジ型感光層>上記の親水化処理したア
ルミニウム支持体、親水化処理後さらに酸性水溶液処理
等の後処理をしたアルミニウム支持体、あるいは中間層
の設けられたアルミニウム支持体などの上にポジ型感光
層を設けるために使用されるポジ型感光性組成物として
は、露光前後で現像液に対する溶解性、または膨潤性が
変化するものであればいずれでも使用できる。以下、代
表的なポジ型感光性組成物について説明するが、これに
より本発明は限定されない。
【0065】(感光性化合物)感光性組成物の感光性化
合物としては、o−キノンジアジド化合物が挙げられ、
その代表例としてo−ナフトキノンジアジド化合物が挙
げられる。o−ナフトキノンジアジド化合物としては、
特公昭43−28403号公報に記載されている1,2
−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドとピロガロー
ル−アセトン樹脂とのエステルであるものが好ましい。
【0066】その他の好適なo−キノンジアジド化合物
としては、米国特許第3,046,120号および同第
3,188,210号明細書中に記載されている1,2
−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドとフェノール
ホルムアルデヒド樹脂とのエステルがある。
【0067】その他の有用なo−ナフトキノンジアジド
化合物としては、数多くの特許に報告され、知られてい
るものが挙げられる。例えば、特開昭47−5303
号、同48−63802号、同48−63803号、同
48−96575号、同49−38701号、同48−
13354号、特公昭37−18015号、同41−1
1222号、同45−9610号、同49−17481
号、特開平5−11444号、特開平5−19477
号、特開平5−19478号、特開平5−107755
号、米国特許第2,797,213号、同第3,45
4,400号、同第3,544,323号、同第3,5
73,917号、同第3,674,495号、同第3,
785,825号、英国特許第1,227,602号、
同第1,251,345号、同第1,267,005
号、同第1,329,888号、同第1,330,93
2号、ドイツ特許第854,890号等の各公報または
明細書中に記載されているものを挙げることができる。
【0068】さらにその他のo−キノンジアジド化合物
としては、分子量1,000以下のポリヒドロキシ化合
物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドと
の反応により得られるo−ナフトキノンジアジド化合物
も使用することができる。例えば特開昭51−1394
02号、同58−150948号、同58−20343
4号、同59−165053号、同60−121445
号、同60−134235号、同60−163043
号、同61−118744号、同62−10645号、
同62−10646号、同62−153950号、同6
2−178562号、同64−76047号、米国特許
第3,102,809号、同第3,126,281号、
同第3,130,047号、同第3,148,983
号、同第3,184,310号、同第3,188,21
0号、同第4,639,406号等の各公報または明細
書に記載されているものを挙げることができる。
【0069】これらのo−ナフトキノンジアジド化合物
を合成する際には、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシ
ル基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸ク
ロリドを0.2〜1.2当量反応させることが好まし
く、0.3〜1.0当量反応させることがさらに好まし
い。1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドと
しては、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸
クロリドが好ましいが、1,2−ジアゾナフトキノン−
4−スルホン酸クロリドも用いることができる。また得
られるo−ナフトキノンジアジド化合物は、1,2−ジ
アゾナフトキノンスルホン酸エステル基の位置および導
入量の種々異なるものの混合物となるが、ヒドロキシル
基がすべて1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エス
テルに転換された化合物がこの混合物中に占める割合
(完全にエステル化された化合物の含有率)は5モル%
以上であることが好ましく、さらに好ましくは20〜9
9モル%である。
【0070】また、o−ナフトキノンジアジド化合物を
用いずにポジ型に作用する感光性化合物として、例えば
特公昭52−2696号に記載されているo−ニトリル
カルビノールエステル基を含有するポリマー化合物やピ
リジニウム基含有化合物(特開平4−365049号な
ど)、ジアゾニウム基含有化合物(特開平5−2496
64号、特開平6−83047号、特開平6−3244
95号、特開平7−72621号など)も使用すること
ができる。さらに光分解により酸を発生する化合物と
(特開平4−121748号、特開平4−365043
号など)、酸により解離するC−O−C基またはC−O
−Si基を有する化合物との組み合せ系も使用すること
ができる。例えば光分解により酸を発生する化合物とア
セタールまたはO、N−アセタール化合物との組み合せ
(特開昭48−89003号など)、オルトエステルま
たはアミドアセタール化合物との組み合せ(特開昭51
−120714号など)、主鎖にアセタールまたはケタ
ール基を有するポリマーとの組み合せ(特開昭53−1
33429号など)、エノールエーテル化合物との組み
合せ(特開昭55−12995号、特開平4−1974
8号、特開平6−230574号など)、N−アシルイ
ミノ炭素化合物との組み合せ(特開昭55−12623
6号など)、主鎖にオルトエステル基を有するポリマー
との組み合せ(特開昭56−17345号など)、シリ
ルエステル基を有するポリマーとの組み合せ(特開昭6
0−10247号など)、およびシリルエーテル化合物
との組み合せ(特開昭60−37549号、特開昭60
−121446号、特開昭63−236028号、特開
昭63−236029号、特開昭63−276046号
など)等が挙げられる。感光性組成物中に占めるこれら
のポジ型に作用する感光性化合物(上記のような組み合
せを含む)の量は10〜50質量%が適当であり、より
好ましくは15〜40質量%である。
【0071】(結合剤)o−キノンジアジド化合物は単
独でも感光層を構成し得るが、結合剤(バインダー)と
してのアルカリ水に可溶な樹脂と共に使用することが好
ましい。このようなアルカリ水に可溶性の樹脂として
は、この性質を有するノボラック樹脂があり、たとえば
フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホル
ムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、
フェノール/クレゾール(m−、p−、o−またはm−
/p−/o−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデ
ヒド樹脂などのクレゾールホルムアルデヒド樹脂などが
挙げられる。これらのアルカリ性可溶性高分子化合物
は、重量平均分子量が500〜100,000のものが
好ましい。その他、レゾール型のフェノール樹脂類も好
適に用いられ、フェノール/クレゾール(m−、p−、
o−またはm−/p−/o−混合のいずれでもよい)混
合ホルムアルデヒド樹脂が好ましく、特に特開昭61−
217034号公報に記載されているフェノール樹脂類
が好ましい。
【0072】また、フェノール変性キシレン樹脂、ポリ
ヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレ
ン、特開昭51−34711号公報に開示されているよ
うなフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特
開平2−866号公報に記載のスルホンアミド基を有す
るビニル樹脂やウレタン樹脂、特開平7−28244
号、特開平7−36184号、特開平7−36185
号、特開平7−248628号、特開平7−26139
4号、特開平7−333839号公報などに記載の構造
単位を有するビニル樹脂など種々のアルカリ可溶性の高
分子化合物を含有させることができる。特にビニル樹脂
においては、以下に示す(1)〜(4)のアルカリ可溶
性基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種を重合成
分として有する皮膜形成性樹脂が好ましい。
【0073】(1)N−(4−ヒドロキシフェニル)ア
クリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メ
タクリルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチ
レン、o−またはm−ブロモ−p−ヒドロキシスチレ
ン、o−またはm−クロル−p−ヒドロキシスチレン、
o−、m−またはp−ヒドロキシフェニルアクリレート
またはメタクリレート等の芳香族水酸基を有するアクリ
ルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類およびビドロキシスチレン
類、(2)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸およびそのハーフエステル、イタコン酸、
無水イタコン酸およびそのハーフエステルなどの不飽和
カルボン酸、
【0074】(3)N−(o−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェ
ニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスル
ホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノ
スルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミ
ド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリ
ルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタ
クリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニ
ル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノス
ルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルア
ミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレ
ート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p
−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−
アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなど
のアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、
o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−ア
ミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノス
ルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノス
ルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタ
クリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、
(4)トシルアクリルアミドのように置換基があっても
よいフェニルスルホニルアクリルアミド、およびトシル
メタクリルアミドのような置換基があってもよいフェニ
ルスルホニルメタクリルアミド。
【0075】さらに、これらのアルカリ可溶性基含有モ
ノマーの他に以下に記す(5)〜(14)のモノマーを
共重合した皮膜形成性樹脂が好適に用いられる。(5)
脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタ
クリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルア
クリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、(6)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸
ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸
4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−
ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アク
リル酸エステル、(7)メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル
酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブ
チル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エス
テル、
【0076】(8)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N
−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエ
チルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N
−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルア
ミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルア
ミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよび
N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアク
リルアミドもしくはメタクリルアミド、(9)エチルビ
ニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、
フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、
【0077】(10)ビニルアセテート、ビニルクロロ
アセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどの
ビニルエステル類、(11)スチレン、α−メチルスチ
レン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのス
チレン類、(12)メチルビニルケトン、エチルビニル
ケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン
などのビニルケトン類、(13)エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレ
フィン類、(14)N−ビニルピロリドン、N−ビニル
カルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなど。
【0078】これらのアルカリ可溶性高分子化合物は、
重量平均分子量が500〜500,000のものが好ま
しい。このようなアルカリ可溶性高分子化合物は1種類
あるいは2種類以上を組み合せて使用してもよい。ま
た、かかる高分子化合物の感光性組成物中に占める割合
は、80質量%以下が適当であり、好ましくは30〜8
0質量%、より好ましくは50〜70質量%である。こ
の範囲であると現像性および耐刷性の点で好ましい。
【0079】さらに、米国特許第4,123,279号
明細書に記載されているように、t−ブチルフェノール
ホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアル
デヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換
基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合
物あるいはこれらの縮合物のo−ナフトキノンジアジド
スルホン酸エステル(例えば特開昭61−243446
号に記載のもの)を併用することは画像の感脂性を向上
させる上で好ましい。
【0080】(現像促進剤)感光性組成物中には、感度
アップおよび現像性の向上のために環状酸無水物類、フ
ェノール類および有機酸類を添加することが好ましい。
環状酸無水物類としては、米国特許4,115,128
号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エ
ンドオキシ−Δ<SUP>4 </SUP>−テトラヒドロ無水フタ
ル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、ク
ロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無
水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。フ
ェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフ
ェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−ト
リヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロ
キシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、
4,4′,4″−トリヒドロキシ−トリフェニルメタ
ン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,
5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなど
が挙げられる。
【0081】さらに、有機酸類としては、特開昭60−
88942号、特開平2−96755号公報などに記載
されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル
硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボ
ン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフ
ィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホ
スフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息
香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、
3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル
酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−ジカルボン酸、
エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビ
ン酸などが挙げられる。上記の環状酸無水物類、フェノ
ール類および有機酸類の感光性組成物中に占める割合
は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは
0.1〜5質量%である。
【0082】(現像安定剤)また、感光性組成物中に
は、現像条件に対する処理の安定性(いわゆる現像許容
性)を広げるため、特開昭62−251740号公報や
特開平4−68355号公報に記載されているような非
イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、
特開平4−13149号公報に記載されているような両
性界面活性剤を添加することができる。非イオン界面活
性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、
ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレー
ト、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテルなどが挙げられる。両性界面活性剤の具
体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、
アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキ
ル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベ
タイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業
(株)製)およびアルキルイミダゾリン系(例えば、商
品名レボン15、三洋化成(株)製)などが挙げられ
る。上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の感
光性組成物中に占める割合は、0.05〜15質量%が
好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0083】(焼き出し剤、染料、その他)感光性組成
物中には、露光後直ちに可視像を得るための焼出し剤、
画像着色剤としての染料やその他のフィラーなどを加え
ることができる。染料としては、特開平5−31335
9号公報に記載の塩基性染料骨格を有するカチオンと、
スルホン酸基を唯一の交換基として有し、1〜3個の水
酸基を有する炭素数10以上の有機アニオンとの塩から
なる塩基性染料をあげることができる。添加量は、全感
光性組成物の0.2〜5質量%である。
【0084】また、上記特開平5−313359号公報
に記載の染料と相互作用して色調を変えさせる光分解物
を発生させる化合物、例えば特開昭50−36209号
(米国特許3,969,118号)に記載のo−ナフト
キノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニド、特開昭5
3−36223号(米国特許4,160,671号)に
記載のトリハロメチル−2−ピロンやトリハロメチルト
リシジン、特開昭55−62444号(米国特許2,0
38,801号)に記載の種々のo−ナフトキノンジア
ジド化合物、特開昭55−77742号(米国特許4,
279,982号)に記載の2−トリハロメチル−5−
アリール1,3,4−オキサジアゾール化合物などを添
加することができる。これらの化合物は単独または混合
し使用することができる。これらの化合物のうち400
nmに吸収を有する化合物を先の黄色染料として用いて
もよい。
【0085】画像の着色剤として前記上記特開平5−3
13359号公報に記載の染料以外に他の染料を用いる
ことができる。塩形成性有機染料を含めて好適な染料と
して油溶性染料および塩基染料を挙げることができる。
具体的には、オイルグリーンBG、オイルブルーBO
S、オイルブルー#603、(以上、オリエント化学工
業株式会社製)、ビクトリアピュアブルーBOH、ビク
トリアピュアブルーNAPS、エチルバイオレット6H
NAPS(以上、保土谷化学工業(株)製)、ローダミ
ンB(C145170B)、マラカイトグリーン(C1
42000)、メチレンブルー(C152015)等を
挙げることができる。
【0086】また、感光性組成物中には、下記一般式
〔I〕、〔II〕あるいは〔III 〕で表わされ、417n
mの吸光度が436nmの吸光度の70%以上である黄
色系染料を添加することができる。
【0087】
【0088】式〔I〕中、R1およびR2はそれぞれ独立
に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
またはアルケニル基を示す。またR1とR2は環を形成し
てもよい。R3、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子、
炭素数1〜10のアルキル基を示す。G1、G2はそれぞ
れ独立にアルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、アシル基、アリールカルボニル基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基またはフルオロアルキルスルホニル基
を示す。またG1とG2は環を形成してもよい。さらにR
1、R2、R3、R4、R5、G1、G2のうち1つ以上に1
つ以上のスルホン酸基、カルボキシル基、スルホンアミ
ド基、イミド基、N−スルホニルアミド基、フェノール
性水酸基、スルホンイミド基、またはその金属塩、無機
または有機アンモニウム塩を有する。YはO、S、NR
(Rは水素原子もしくはアルキル基またはアリール
基)、Se、−C(CH32−、−CH=CH−より選
ばれる2価原子団を示し、n1は0または1を示す。
【0089】
【0090】式〔II〕中、R6およびR7はそれぞれ独立
に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール
基、置換アリール基、ヘテロ環基、置換ヘテロ環基、ア
リル基または置換アリル基を表わし、また、R6とR7
は共にそれが結合している炭素原子と共に環を形成して
も良い。n2は0、1または2を表わす。G3およびG4
はそれぞれ独立に、水素原子、シアノ基、アルコキシカ
ルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、
アシル基、置換アシル基、アリールカルボニル基、置換
アリールカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フ
ルオロアルキルスルホニル基を表わす。ただし、G3
4が同時に水素原子となることはない。また、G3とG
4とはそれが結合している炭素原子と共に非金属原子か
ら成る環を形成しても良い。さらにR6、R7、G3、G4
のうち1つ以上に1つ以上のスルホン酸基、カルボキシ
ル基、スルホンアミド基、イミド基、N−スルホニルア
ミド基、フェノール性水酸基、スルホンイミド基、また
はその金属塩、無機または有機アンモニウム塩を有す
る。
【0091】
【0092】式〔III〕中、R8、R9、R10、R11、R
12、R13はそれぞれ同じでも異なっていてもよく水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
リール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、
シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、ニトロ基、カルボキシル基、クロル基、ブ
ロモ基を表わす。
【0093】(ポジ型感光層の形成、その他)ポジ型感
光層は、上記の各感光性組成物の成分を溶解する溶媒に
溶かして支持体上に塗布することによって得られる。こ
こで使用する溶媒としては、γ−ブチロラクトン、エチ
レンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケ
トン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチル
アセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メ
トキシ−2−プロピルアセテート、トルエン、酢酸エチ
ル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、水、N
−メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルなどがあり、これらの溶媒を単独あるい
は混合して使用できる。そして、溶液中の感光性組成物
成分の濃度(固形分)は、2〜50質量%が適当であ
る。塗布量としては0.5g/m2〜4.0g/m2が好
ましい。0.5g/m2よりも少ないと耐刷性が劣化す
る。4.0g/m2よりも多いと耐刷性は向上するが、
感度が低下してしまう。また、感光性組成物溶液の支持
体上への塗布等感光層の形成方法は、従来から知られた
種々の方法によることができる。
【0094】感光性組成物中には、塗布法を良化するた
めの界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号
公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加
することができる。好ましい添加量は、全感光性組成物
の0.01〜1質量%であり、さらに好ましくは0.0
5〜0.5質量%である。以上のようにして得られた平
版印刷版では、原画フィルムに対して忠実な印刷物を得
ることができるが、焼ボケおよび印刷物のがさつき感が
悪い。焼ボケを改良する方法としてこのようにして設け
られた感光層の表面を凹凸にする方法がある。例えば特
開昭61−258255号公報に記載されているように
感光組成物溶液中に数μmの粒子を添加し、それを塗布
する方法があるが、この方法では焼ボケの改良効果も小
さくかつがさつき感は全く改良されない。
【0095】ところが、例えば特開昭50−12580
5号、特公昭57−6582号、同61−28986
号、同62−62337号公報に記載されているような
感光層の表面に凹凸となる成分をつける方法を用いると
焼ボケは改良され、さらに印刷物のがさつき感は良化す
る。さらに、特公昭55−30619号公報に記載され
ているように感光物の感光波長領域に吸収を持つ光吸収
剤をマット層中に含有させると焼ボケ・がさつき感がさ
らに良化する。また1インチ175線の線数からなる原
画フィルムよりも焼ボケしやすく、印刷物のがさつき感
が出やすい1インチ300線以上の線数からなる原画フ
ィルムおよびFMスクリーニングにより得られた原画フ
ィルムを用いても良好な印刷物を得ることができる。以
上のように感光性印刷版の感光層表面に設けられた微少
パターンは次のようなものが望ましい。すなわち塗布部
分の高さは1〜40μm、特に2〜20μmの範囲が好
ましく、大きさ(幅)は10〜10000μm、特に2
0〜200μmの範囲が好ましい。また量は1〜100
0個/mm2、好ましくは5〜500個/mm2の範囲で
ある。
【0096】<ネガ型感光層>以下にネガ型感光層とし
て代表的なジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光層に
ついて説明する。ネガ作用型感光性ジアゾ化合物として
は米国特許第2,063,631号及び同第2,66
7,415号の各明細書に記載されているジアゾニウム
塩とアルドールやアセタールのような反応性カルボニル
基を含有する有機縮合剤との反応生成物であるジフェニ
ルアミン−p−ジアゾニウム塩とホルムアルデヒドとの
縮合生成物(所謂感光性ジアゾ樹脂)が好適に用いられ
る。この他の有用な縮合ジアゾ化合物は特公昭49−4
8001号、同49−45322号、同49−4532
3号の各公報等に開示されている。これらの型の感光性
ジアゾ化合物は通常水溶性無機塩の形で得られ、従って
水溶液から塗布することができる。また、これらの水溶
性ジアゾ化合物を特公昭47−1167号公報に開示さ
れた方法により1個又はそれ以上のフェノール性水酸
基、スルホン酸基又はその両者を有する芳香族又は脂肪
族化合物と反応させ、その反応生成物である実質的に水
不溶性の感光性ジアゾ樹脂を使用することもできる。
【0097】また、特開昭56−121031号公報に
記載されているようにヘキサフルオロリン酸塩又はテト
ラフルオロホウ酸塩との反応生成物として使用すること
もできる。フェノール性水酸基を有する反応物の例とし
ては、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4−ビス(4′
−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、レゾルシノール、
又はジレゾルシノールのようなジフェノール酸であっ
て、これらは更に置換基を有していてもよい。ヒドロキ
シフェンゾフェノンには2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベ
ンゾフェノン又は2,2′,4,4′−テトラヒドロキ
シベンゾフェノンが含まれる。好ましいスルホン酸とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタリ
ン、フェノール、ナルトール及びベンゾフェノン等のス
ルホン酸のような芳香族スルホン酸、又はそれらの可溶
性塩類、例えば、アンモニウム及びアルカリ金属塩が例
示できる。
【0098】スルホン酸基含有化合物は、一般に低級ア
ルキル、ニトロ基、ハロ基、及び/又はもう一つのスル
ホン酸基で置換されていてもよい。このような化合物の
好ましいものとしては、ベンゼンスルホン酸、トルエン
スルホン酸、ナフタリンスルホン酸、2,5−ジメチル
ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、
ナフタリン−2−スルホン酸、1−ナフトール−2(又
は4)−スルホン酸、2,4−ジニトロ−1−ナフトー
ル−7−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン−5−スルホン酸、m−(p′−アニリノ
フェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリザ
リンスルホン酸、o−トルイジン−m−スルホン酸及び
エタンスルホン酸などが挙げられる。アルコールのスル
ホン酸エステルとその塩類もまた有用である。このよう
な化合物は通常アニオン性界面活性剤として容易に入手
できる。その例としてはラウリルサルフェート、アルキ
ルアリールサルフェート、p−ノニルフェニルサルフェ
ート、2−フェニルエチルサルフェート、イソオクチル
フェノキシジエトキシエチルサルフェートなどのアンモ
ニウム塩又はアルカリ金属塩が挙げられる。
【0099】これらの実質的に水不溶性の感光性ジアゾ
樹脂は水溶性の感光性ジアゾ樹脂と前記の芳香族又は脂
肪族化合物の水溶液を好ましくはほぼ等量となる量で混
合することによって沈澱として単離される。また、英国
特許第1,312,925号明細書に記載されているジ
アゾ樹脂も好ましい。また、特開平3−253857号
公報に記載されているリンの酸素酸基を含有するジアゾ
樹脂、また特開平04−018559号公報に記載され
ているカルボキシル基含有アルデヒド又はそのアセター
ル化合物で縮合したジアゾ樹脂、また特開平04−21
1253号や特開平05−002273号公報に記載さ
れているフェノキシ酢酸などのカルボキシ基含有芳香族
化合物との共縮合ジアゾ樹脂も好ましい。
【0100】ジアゾ樹脂の含有量は、感光層中に5〜5
0質量%含まれているのが適当である。ジアゾ樹脂の量
が少なくなれば感光性は当然大になるが、経時安定性が
低下する。最適のジアゾ樹脂の量は約8〜20質量%で
ある。一方、バインダーとしては、種々の高分子化合物
が使用され得るが、本発明においては、ヒドロキシ、ア
ミノ、カルボン酸、アミド、スルホンアミド、活性メチ
レン、チオアルコール、エポキシなどの基を含むものが
望ましい。このような好ましいバインダーには、英国特
許第1,350,521号明細書に記載されているシェ
ラック、英国特許第1,460,978号及び米国特許
第4,123,276号の各明細書に記載されているよ
うなヒドロキシエチルアクリレート単位又はヒドロキシ
エチルメタクリレート単位を主なる繰り返し単位として
含むポリマー、米国特許第3,751,257号明細書
に記されているポリアミド樹脂、英国特許第1,07
4,392号明細書に記載されているフェノール樹脂及
びポリビニルフォルマール樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂のようなポリビニルアセタール樹脂、米国特許第
3,660,097号明細書に記されている線状ポリウ
レタン樹脂、ポリビニルアルコールのフタレート化樹
脂、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから縮合さ
れたエポキシ樹脂、ポリアミノスチレンやポリアルキル
アミノ(メタ)アクリレートのようなアミノ基を含むポ
リマー、酢酸セルロース、セルロースアルキルエーテ
ル、セルロースアセテートフタレートなどのセルロース
誘導体などが包含される。ジアゾ樹脂とバインダーから
なる組成物には、更に、英国特許第1,041,463
号明細書に記されているようなpH指示薬、米国特許第
3,236,646号明細書に記載されているリン酸、
染料などの添加剤を加えることができる。
【0101】<光重合型感光層>光重合性感光層の主な
成分は、付加重合可能なエチレン性二重結合を含む化合
物、光重合開始剤、有機高分子結合剤等であり、必要に
応じ、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物
が添加される。付加重合可能な二重結合を含む化合物
は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ま
しくは2個以上有する化合物の中から任意に選択するこ
とができる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち
2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合
物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつも
のである。モノマーおよびその共重合体の例としては、
不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイ
ン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステ
ル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのア
ミド等が挙げられる。
【0102】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオぺンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー等がある。
【0103】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレー
ト、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテ
トラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキ
シ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメ
タン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニ
ル〕ジメチルメタン等がある。
【0104】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ぺンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコール
ジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビト
ールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネー
ト、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビ
トールテトライソクロトネート等がある。
【0105】マレイン酸エステルとしては、エチレシグ
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマ
ーの混合物も挙げることができる。また、脂肪族多価ア
ミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの
具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチ
レンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレン
ビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−
メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリ
ルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレン
ビスメタクリルアミド等がある。その他の例としては、
特公昭48−41708号公報中に記載されている1分
子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシ
アネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸
基を含有するビニルモノマーを付加せしめた1分子中に
2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化
合物等が挙げられる。
【0106】 CH2=C(R5)COOCH2CH(R6)OH (A) (ただし、R5およびR6はHまたはCH3を示す。) また、特開昭51−37193号に記載されているよう
なウレタンアクリレート類、特開昭48−64183
号、特公昭49−43191号、特公昭52−3049
0号各公報に記載されているようなポリエステルアクリ
レー卜類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応さ
せたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレート
やメタクリレートを挙げることができる。さらに日本接
着協会誌vol.20、No.7、300〜308ぺー
ジ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマー
として紹介されているものも使用することができる。な
お、これらの使用量は、全成分に対して5〜70質量%
(以下%と略称する。)、好ましくは10〜50%であ
る。
【0107】光重合開始剤としては、使用する光源の波
長により、特許、文献等で公知である種々の光開始剤、
あるいは2種以上の光開始剤の併用系(光開始系)を適
宜選択して使用することができる。450nm以上の可
視光線、Arレーザー、半導体レーザーの第2高調波、
SHG−YAGレーザーを光源とする場合にも、種々の
光開始系が提案されており、例えば米国特許第2,85
0,445号に記載のある種の光還元性染料、例えばロ
ーズべンガル、エオシン、エリスロシンなど、あるい
は、染料と開始剤との組み合わせによる系、例えば染料
とアミンの複合開始系(特公昭44−20189号)、
ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料
との併用系(特公昭45−37377号)、ヘキサアリ
ールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデ
ンケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭54−
155292号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物
と染料の系(特開昭48−84183号)、環状トリア
ジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−15102
4号)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−
112681号、特開昭58−15503号)、ビイミ
ダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59
−140203号)、
【0108】有機過酸化物と色素の系(特開昭59−1
504号、特開昭59−140203号、特開昭59−
189340号、特開昭62−174203号、特公昭
62−1641号、米国特許第4766055号)、染
料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−17181
05号、特開昭63−258903号、特願平2−63
054号など)、染料とボレート化合物の系(特開昭6
2−143044号、特開昭62−150242号、特
開昭64−13140号、特開昭64−13141号、
特開昭64−13142号、特開昭64−13143
号、特開昭64−13144号、特開昭64−1704
8号、特開平1−229003号、特開平1−2983
48号、特開平1−138204号など)、ローダニン
環を有する色素とラジカル発生剤の系(特開平2−17
9643号、特開平2−244050号)、チタノセン
と3−ケトクマリン色素の系(特開昭63−22111
0号)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基あ
るいはウレタン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽
和化合物を組み合わせた系(特開平4−221958
号、特開平4−219756号)、チタノセンと特定の
メロシアニン色素の系(特開平6−295061号)、
チタノセンとベンゾピラン環を有する色素の系(特願平
7−164583)等を挙げることができる。
【0109】光重合性開始系として用いられるチタノセ
ン化合物は、前記した増感色素との共存下で光照射した
場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物であ
ればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−15
2396号、特開昭61−151197号公報に記載さ
れている公知の化合物を適宜に選択して用いることがで
きる。
【0110】さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニ
ル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル
−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフ
ェニ−1−イル(以下「A−1」ともいう。)、ジ−シ
クロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テ
トラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−
1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペン
タジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−
1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビ
ス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−
イル(以下「A−2」ともいう。〕、ジ−メチルシクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラ
フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジ
エニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−
イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−
ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニ
ウム(以下「A−3」ともいう。)等を挙げることがで
きる。
【0111】光重合性組成物に用いられるチタノセン化
合物は単独でまたは2種以上併用して用いることができ
る。これらの光重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽
和化合物100質量部に対し、0.05〜100質量
部、好ましくは0.1〜70質量部、更に好ましくは
0.2〜50質量部の範囲で用いることができる。
【0112】光重合性組成物は、通常、バインダーとし
て有機高分子重合体を含有するが、本発明では架橋性基
を側鎖に有する重合体を用いる。このような有機高分子
重合体(以下、単にポリマーともいう)としては、それ
自身が架橋性基(不飽和基ともいう)およびカルボキシ
ル基を側鎖に有し、且つ架橋性基が下記一般式〔I〕
【0113】
【0114】〔式中R1〜R5は水素、ハロゲノ、カルボ
キシル、スルホ、ニトロ、シアノ、アミド、アミノやそ
れぞれ置換基を有していてもよいアルキル、アリール、
アルコキシ、アリーロキシ、アルキルアミノ、アリール
アミノ、環状アルキル、アルキルスルホニル、アリール
スルホニルから選ばれた基であり、Zは酸素、硫黄、N
HまたはNR(Rはアルキル基)から選ばれる〕で表わ
されるところに特徴がある。
【0115】更に光重合性感光層のバインダーとして用
いられる、架橋性基を側鎖に有するポリマーは、米国特
詐第3,376,138号、第3,556,792号、
第3,556,793号各明細書により公知であるが、
開示されているポリマーは、ポリマーそのものが、光架
橋性レジストとして使われており、光重合性組成物のバ
インターとしての使用方法とは明白な相異がある。上記
ポリマーの合成方法には、大別して次の2つの方法があ
る。 (A法):カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン
酸無水物基を側鎖として有する幹ポリマーに対して、後
記一般式〔I−a〕で示される化合物を高分子反応させ
て、
【0116】
【0117】(式中、R1〜R5は一般式〔I〕の場合と
同義)で示される架橋性基を−COO−、−COS−、
−CONH−または−CONR−の各連結基を介して導
入する方法。 (B法):前記一般式〔I〕で示される架橋性基とさら
に該架橋性基よりも付加重合反応性に富んだエチレン性
不飽和基とを有するモノマーを不飽和カルボン酸と共重
合させて、ポリマーを得る方法。
【0118】
【0119】〔式中、R1〜R5は一般式〔I〕の場合と
同義であり、YはOH、−SH、−NH2、−NHR
(Rはアルキル基)またはハロゲン原子を示す。〕 上記一般式〔I−a〕におけR1〜R5のアルキル基は、
直鎖、分枝、または環状であってもよく、炭素数1〜7
のものが好ましく、これらのアルキル基には更に炭素数
1〜2のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルコキシカル
ボニル基、フェニル基、ヒドロキシ基などの置換基を有
していてもよく、R1〜R5のアリール基としてはフェニ
ル基、フリル基が好ましく、これにはハロゲノ基(例え
ばクロロ、ブロモなど)、ヒドロキシ基、炭素数1〜7
のアルキル基、アリール基(例えばフェニル、メトキシ
フェニルなど)、炭素数1〜7個のアルコキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基などの置
換基を有していてもよい。R 1〜R5のアルコキシ基とし
ては炭素数1〜7のものが好ましく、アリールオキシ基
としてはフェニルオキシ基が好ましく、これには炭素数
1〜7のアルキルもしくはアルコキシ基などの置換基を
有していてもよい。R1〜R5のアルキルアミノ基として
は、炭素数1〜15のものが好ましく、アリールアミノ
基としてはフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基が好ま
しい。R1〜R5のアルキルスルホニル基としては炭素数
1〜15のものが好ましく、アリールスルホニル基とし
てはフェニルスルホニル基などが好ましく、これには炭
素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ
基、アミノ基などの置換基を有していてもよい。
【0120】上記A法をさらに詳しく示すと、幹ポリマ
ーとしてはアクリル酸又はメタアクリル酸の共重合体お
よび当該共重合体を高分子反応により酸ハロゲン化物と
した共重合体があげられる。又、マレイン酸無水物、イ
タコン酸無水物等の共重合体があげられる。共重合する
コモノマーとしては、スチレンまたはそのアルキル置換
誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アリ
ールエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸アリールエステル、または脂肪族ビニルエステル
があげられる。好ましくはアクリル酸またはメタアクリ
ル酸とアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸ベンジルとの共重合体があげられる。これらの共重合
体に架橋性基を導入するには一般式〔I−a〕で示され
る架橋性アルコール、アミン、チオール、ハロゲン化物
を所定反応条件下、反応溶媒中に前述の共重合体と混合
溶解し、反応触媒および重合禁止剤とを加え加熱するこ
とによつて得られる。具体的にはメタクリル酸とメタク
リル酸ベンジルの共重合体を例にとって以下に示す。
【0121】攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器および
温度計を備えつけた300mlの三つ口フラスコ中にポ
リ(メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル=27/73
モル比)19.8g、反応溶媒として酢酸エチレングリ
コールモノメチルエーテルを40.2g、架橋性基を含
有する試薬としてアリル臭素化物6.0g、触媒として
トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド10.4
gおよび重合禁止剤としてパラメトキシフェノール0.
01gを加え混合溶解し、窒素雰囲気下70℃にて13
時間加熱攪拌を行った。冷却後メチルエチルケトンを加
え遊離する四級塩を除去する。さらにメタノールを加え
て希釈し希塩酸中に注いで沈殿させる。水洗し後吸引濾
過をし、真空乾燥させると得られるポリマーの収量は1
3.6gであった。アリル基は幹ポリマーのカルボン酸
に対して35%導入された。このとき粘度は30℃のメ
チルエチルケトンで[η]=0.161であった。
【0122】無水マレイン酸の共重合体に該架橋性基を
導入する合成例は米国特許第2,047,398号明細
書に記載された方法で行なうことができ、これにより無
水マレイン酸部が開環した不飽和エステル、アミド、チ
オエステル等が導入される。なお、無水マレイン酸共重
体への架橋性基の導入方法としては、特開昭48−82
902号公報に記載の類似例があげられるが、この方法
による架橋性基はマレイン酸イミドの窒素原子に結合し
ており、明白に前述のポリマーとは異なった化合物であ
り、ここで使用される架橋性基を側鎖に有するポリマー
とは区別される。
【0123】一方、B法をさらに詳しく示すと、該架橋
性基を有する少なくとも2つ以上の炭素−炭素二重結合
を含むモノマーは、既知合成法により該架橋性基を有す
るアルコール、アミン、チオールと不飽和カルボン酸、
好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸との縮合反応
により合成される。この少なくとも2つ以上の不飽和基
を含むモノマーを不飽和カルボン酸、好ましくはアクリ
ル酸またはメタクリル酸と共重合させることにより該架
橋性基を有する共重合体を得る。共重合するモノマー
は、不飽和カルボン酸に付け加えてさらに他のモノマー
が共重合されてもよく、例えばアクリル酸アルキル、メ
タクリル酸アルキル、メタクリル酸べンジル、メタクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリロニトリル等が挙
げられる。
【0124】以下、メタクリル酸アリルとメタクリル酸
との共重合例を示す。類似の合成法として、米国特許第
2,047,398号明細書に記載の方法があげられ
る。攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、滴下漏斗およ
び温度計を設置した3リットルの4口フラスコに反応溶
媒として1,2−ジクロルエタン1.68リットルを入
れ窒素置換しながら70℃に加熱した。滴下漏斗にメタ
クリル酸アリル100.8g、メタクリル酸7.6gお
よび重合開始剤として2,2'−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)1.68gを0.44リットル
の1,2−ジクロルエタンに溶解して入れておき、2時
間かけてこの混合溶液をフラスコ中に攪拌しながら滴下
した。滴下終了後さらに反応温度70℃で5時間攪拌し
反応を完結した。加熱終了後重合禁止剤としてパラメト
キシフェノール0.04gを加え反応溶液を500ml
まで濃縮し、この濃縮液を4リットルのヘキサンに加え
て沈殿させ、真空乾燥後61g(収率56%)の共重合
ポリマーを得た。このとき粘度は30℃のメチルエチル
ケトンで[η]=0.068であった。
【0125】前記一般式〔I−a〕で示される代表的な
化合物は、アリルアルコール、2−メチルアリルアルコ
ール、クロチルアルコール、3−クロル−2−プロペン
−1−オール、3−フェニル−2−プロペン−1−オー
ル、3−(ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−
オール、3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(3・4−ジヒドロキシフエニ
ル)−2−プロペン−1−オール、3−(2・4−ジヒ
ドロキシフェニル−2−プロペン−1−オール、3−
(3・4・5−トリヒドロキシフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(3−メトキシ−4−ヒドロキシ
フエニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3・4
−ジヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(3・5−ジメトキシ−4−ヒド
ロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(4−メトキシフェニル)−2−
プロペン−1−オール、3−(4−エトキシフェニル)
−2−プロペン−1−オール、3−(2−メトキシフェ
ニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3・4−ジ
メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−
(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)−2−プロ
ペン−1−オール、
【0126】3−(2・4・6−トリメトキシフェニ
ル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メトキシ
−4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペン−1−
オール、3−1−(3’−メトキシフェニル)−4−ベ
ンジルオキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、
3−フェノキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オ
ール、3−(3・4・5−トリメトキシフェニル)−2
−プロペン−1−オール、3−(4−メチルフェニル)
−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−3−(2
・4・6−トリメチルフェニル)−2−プロペン−1−
オール、3・3−{ジ−(2・4・6−トリメチルフェ
ニル)}−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−
3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オー
ル、3・3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、
3−(2−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オー
ル、3−(3−クロルフェニル)−2−プロペン−1−
オール、3−(4−クロルフェニル)−2−プロペン−
1−オール、3−(2・4−ジクロルフェニル)−2−
プロペン−1−オール、3−(2−ブロムフェニル)−
2−プロペン−1−オール、3−ブロム−3−フェニル
−2−プロペン−1−オール、3−クロル−3−フェニ
ル−2−プロペン−1−オール、3−(4−ニトロフェ
ニル)−2−プロペン−1−オール、
【0127】3−(2−ニトロフェニル)−2−プロペ
ン−1−オール、3−(3−ニトロフェニル)−2−プ
ロペン−1−オール、2−メチル−3−フェニル−2−
プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−クロル
フェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−
3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オー
ル、2−メチル−3−(4−アミノフェニル)−2−プ
ロペン−1−オール、2−メチル−3・3−ジフェニル
−2−プロペン−1−オール、2−エチル−1・3−ジ
フェニル−2−プロペン−1−オール、2−エトキシメ
チレン−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2
−フェノキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オー
ル、2−メチル−3−(4−メトキシフェニル)−2−
プロペン−1−オール、2・3−ジフェニル−2−プロ
ペン−1−オール、1・2・3−トリフェニル−2−プ
ロペン−1−オール、2・3・3−トリフェニル−2−
プロペン−1−オール、2−エトキシ−3−フェニル−
2−プロペン−1−オール、1・3−ジフェニル−2−
プロペン−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−
3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニ
ル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−
オール、1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)
−2−プロペン−1−オール、1−(4−メトキシフェ
ニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、
【0128】1・3−ジ(4−クロルフェニル)−2−
プロペン−1−オール、1−(4−ブロムフェニル)−
3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニ
ル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−
オール、1・3−ジ(2−ニトロフェニル)−2−プロ
ペン−1−オール、1−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−
フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−
プロペン−1−オール、1・1−ジ(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オー
ル、1・1・3−トリフェニル−2−プロペン−1−オ
ール、1・1・3・3−テトラフェニル−2−プロペン
−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−3−フェ
ニル−2−プロペン−1−オール、1−(ドデシルスル
ホニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、
1−フェニル−2−プロペン−1−オール、1・2−ジ
フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−
2−メチル−2−プロペン−1−オール、1−シクロへ
キシル−2−プロペン−1−オール、1−フェノキシ−
2−プロペン−1−オール、2−ベンジル−2−プロペ
ン−1−オール、1・1−ジ(4−クロルフェニル)−
2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ−2−プロ
ペン−1−オール、
【0129】1−カルボキシアミド−2−プロペン−1
−オール、1−シアノ−2−プロペン−1−オール、1
−スルホ−2−プロペン−1−オール、2−エトキシ−
2−プロペン−1−オール、2−アミノ−2−プロペン
−1−オール、3−(3−アミノ−4−メトキシフェニ
ルスルホニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4
−メチルフェニルスルホニル)−2−プロペン−1−オ
ール、3−フェニルスルホニル−2−プロペン−1−オ
ール、3−ベンジルスルホニル−2−プロペン−1−オ
ール、3−アニリノスルホニル−2−プロペン−1−オ
ール、3−(4−メトキシアニリノスルホニル)−2−
プロペン−1−オール、3−アニリノ−2−プロペン−
1−オール、3−ナフチルアミノ−2−プロペン−1−
オール、3−フェノキシ−2−プロペン−1−オール、
3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オー
ル、3−(3−メチルフェノキシ)−2−プロペン−1
−オール、3−(2・4−ジメチルフェニル)−2−プ
ロペン−1−オール、1−メチル−3−カルボキシ−2
−プロペン−1−オール、3−カルボキシ−2−プロペ
ン−1−オール、3−ブロム−3−カルボキシ−2−プ
ロペン−1−オール、1−カルボキシ−3−クロル−3
−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ
−3−メチル−2−プロペン−1−オール、
【0130】1−(2−カルベトキシイソプロピル)−
3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−(1−カ
ルベトキシプロピル)−2−プロペン−1−オール、1
−(1−カルベトキシエチル)−3−メチル−2−プロ
ペン−1−オール、1−カルベトキシ−3−クロル−3
−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルベトキ
シメチレン−3−メチル−2−プロペン−1−オール、
1−アミド−2・3−ジメチル−2−プロペン−1−オ
ール、1−シアノ−3−メチル−2−プロペン−1−オ
ール、3−スルホ−2−プロペン−1−オール、3−ブ
トキシ−2−プロペン−1−オール、1−シクロへキシ
ル−3−(2−ヒドロキシシクロへキシル)−2−プロ
ペン−1−オール、3−シクロベンジル−2−プロペン
−1−オール、3−フリル−2−プロペン−1−オー
ル、3−クロム−2−プロペン−1−オール、3−ブロ
ム−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−クロ
ル−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−ブロ
ム−2−プロペン−1−オール、1−カルボイソブトキ
シ−3−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オー
ル、2−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オ
ール(2−クロルシンナミルアルコール)、2−ブロム
−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−ブロ
ムシンナミルアルコール)、
【0131】2−ブロム−3−(4−ニトロフェニル)
−2−プロペン−1−オール、2−フルオロ−3−フェ
ニル−2−プロペン−1−オール(2−フルオロシンナ
ミルアルコール)、2−フルオロ−3−(4−メトキシ
フェニル)−2−プロペン−1−オール、2−ニトロ−
3−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オー
ル、2−ニトロ−3−フェニル−2−プロペン−1−オ
ール(2−ニトロシンナミルアルコール)、2−シアノ
−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−シア
ノシンナミルアルコール)、2−クロル−2−プロペン
−1−オール(2−クロルアリルアルコール)、2−ブ
ロム−2−プロペン−1−オール(2−ブロムアリルア
ルコール)、2−カルボキシ−2−プロペン−1−オー
ル(2−カルボキシアリルアルコール)、2−カルベト
キシ−2−プロペン−1−オール(2−カルベトキシア
リルアルコール)、2−スルホン酸−2−プロペン−1
−オール(2−スルホン酸アリルアルコール)、2−ニ
トロ−2−プロペン−1−オール(2−ニトロアリルア
ルコール)、2−ブロム−3・3−ジフルオロ−2−プ
ロペン−1−オール、2−クロル−3・3−ジフルオロ
−2−プロペン−1−オール、2−フルオロ−3−クロ
ル−2−プロペン−1−オール、2・3−ジブロム−3
−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、
【0132】2・3−ジヨード−3−カルボキシ−2−
プロペン−1−オール、2・3−ジブロム−2−プロペ
ン−1−オール、2−クロル−3−メチル−2−プロペ
ン−1−オールが挙げられる。また上記具体例におい
て、1位のアルコールをチオアルコールやアミン、ハロ
ゲンで置き換えた化合物も勿論使用できる。ポリマー中
の架橋性基含有量の好ましい範囲はそれぞれ共重合モル
比で、10〜90モル%、5〜60モル%、より好まし
い範囲は20〜70モル%、10〜40モル%である。
【0133】また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸
性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する付
加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用で
ある。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレー
ト/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重
合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)ア
クリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の
付加重合性ビニルモノマー)共重合体が好適である。こ
の他に水溶性有機高分子として、ポリビニルピロリドン
やポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮
膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン
とエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これらの有機高分子重合体は全組成中に任意な量を混和
させることができる。しかし90質量%を超える場合に
は形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えな
い。好ましくは10〜90%、より好ましくは30〜8
0%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物
と有機高分子重合体は、質量比で1/9〜9/1の範囲
とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/
2であり、更に好ましくは3/7〜7/3である。
【0134】また、以上の基本成分の他に感光性組成物
の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性
不飽和化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱
重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁
止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノー
ル、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、
t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオ
ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第
一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加
量は、全組成物の質量に対して約0.01%〜約5%が
好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防
止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂
肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層
の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量
は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
【0135】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C.I.Pigment Blue15:3,15:4,1
5:6など)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チ
タンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイ
オレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン
系染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約
0.5%〜約20%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物
性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレー
ト、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等
の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は
全組成物の10%以下が好ましい。
【0136】光重合性組成物を支持体上に塗布する際に
は種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使
用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、
テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキ
サノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメ
トキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテ
ート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル
などがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使
用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃
度は、1〜50質量%が適当である。
【0137】光重合性組成物には、塗布面質を向上する
ために界面活性剤を添加することができる。その被覆量
は乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範
囲が適当である。より好ましくは0.3〜5g/m2
ある。更に好ましくは0.5〜3g/m2である。
【0138】〔酸素遮断性保護層〕光重合性感光層の上
に酸素遮断性保護層を設けることが望ましい。酸素遮断
性保護層に含まれる水溶性ビニル重合体としては,ポリ
ビニルアルコール、およびその部分エステル、エーテル
およびアセタール、またはそれらに必要な水溶性を有せ
しめるような実質的量の未置換ビニルアルコール単位を
含有するその共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコ
ールとしては、71〜100%加水分解され、重合度が
300〜2400の範囲のものが挙げられる。具体的に
は株式会社クラレ製PVA−105、PVA−110、
PVA−117、PVA−117H、PVA−120、
PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、P
VA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA
−204、PVA−205、PVA−210、PVA−
217、PVA−220、PVA−224、PVA−2
17EE、PVA−220、PVA−224、PVA−
217EE、PVA−217E、PVA−220E、P
VA−224、PVA−405、PVA−420、PV
A−613、L−8等が挙げられる。上記の共重合体と
しては、88〜100%加水分解されたポリビニルアセ
テートクロロアセテートまたはプロピオネート、ポリビ
ニルホルマールおよびポリビニルアセタールおよびそれ
らの共重合体が挙げられる。その他有用な重合体として
はポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアラビアゴム
が挙げられ、これらは単独または、併用して用いても良
い。
【0139】酸素遮断性保護層を塗布する際用いる溶媒
としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノール
などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布溶液
中の固形分の濃度は1〜20質量%が適当である。酸素
遮断性保護層にはさらに塗布性を向上させるための界面
活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の可塑剤等
の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑剤として
はたとえばプロピオンアミド、シクロヘキサンジオー
ル、グリセリン、ソルビトール等がある。また、水溶性
の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加しても良い。
その被覆量は乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約15
g/m2の範囲が適当である。より好ましくは1.0g
/m2〜約5.0g/m2である。
【0140】<赤外線感光性平版印刷版>赤外線吸収剤
を含む画像形成層を有する平版印刷版は、支持体上に画
像形成層を有し、さらに必要に応じて他の層を有してな
る。従来公知のポジ型赤外線感光性平版印刷版材料とし
ては、例えば特開平7−285275号公報記載の、ノ
ボラック樹脂等のフェノール性水酸基を有するアルカリ
可溶性樹脂に、光を吸収し熱を発生する物質と、種々の
オニウム塩、キノンジアジド化合物類等を添加した画像
記録材料が挙げられる。他方、(A)赤外線吸収剤を有
し、さらに少なくとも(B)アルカリ可溶性高分子化合
物、(C)アルカリ可溶性高分子化合物と相溶させて該
アルカリ可溶性高分子化合物のアルカリ水溶液への溶解
性を低下させるとともに、加熱により該溶解性低下作用
が減少する化合物を含有して構成されるポジ型赤外線感
光性平版印刷版がある。また、ネガ型の平版印刷用原版
の場合には、露光部が硬化して画像部となるため、画像
形成層にさらに(D)熱により酸を発生する化合物と、
(E)酸により架橋する架橋剤とを含有して構成され
る。以下に、各構成成分について簡単に説明する。
【0141】−(A)赤外線吸収剤− 赤外線吸収剤(以下、「(A)「成分」ということがあ
る。)は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有す
る。使用可能な赤外線吸収剤としては、波長700nm以
上の領域に、好ましくは波長750nm〜1200nmの波
長領域に赤外線を高効率に吸収しうる染料又は顔料が好
ましく、波長760nm〜1200nmの領域に吸収極大を
有する染料又は顔料がより好ましい。前記染料材として
は、市販の染料又は文献(例えば、「染料便覧」、有機
合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載の公知のもの
が挙げられ、例えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピ
ラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン
染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノン
イミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が
挙げられる。
【0142】中でも、例えば、特開昭58−12524
6号、特開昭59−84356号、特開昭59−202
829号、特開昭60−78787号等に記載のシアニ
ン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−1
81690号、特開昭58−194595号等に記載の
メチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58
−224793号、特開昭59−48187号、特開昭
59−73996号、特開昭60−52940号、特開
昭60−63744号等に記載のナフトキノン染料、特
開昭58−112792号等に記載のスクワリリウム色
素、英国特許434,875号明細書に記載のシアニン
染料、米国特許5,380,635号明細書に記載のジ
ヒドロペリミジンスクアリリウム染料等が好適に挙げら
れる。
【0143】また、米国特許第5,156,938号明
細書に記載の近赤外吸収増感剤も好ましく、米国特許第
3,881,924号明細書に記載の置換されたアリー
ルベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−1426
45(米国特許第4,327,169号明細書)に記載
のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−1810
51号、同58−220143号、同59−41363
号、同59−84248号、同59−84249号、同
59−146063号、同59−146061号に記載
のピリリウム系化合物、特開昭59−216146号に
記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号
明細書に記載のペンタメチンチオピリウム塩等、特公平
5−13514号、同5−19702号に記載のピリリ
ウム化合物、市販品としては、Epolight III-178、
Epolight III-130、Epolight III-125、Epoli
ght IV−62A(エポリン社製)等も好ましい。
【0144】さらに、米国特許第4,756,993 号明細書に
記載の式(I)、(II)で表される近赤外線吸収染料も
好適なものとして挙げることができる。上記のうち、シ
アニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッ
ケルチオレート錯体がより好ましい。前記顔料として
は、市販の顔料又はカラーインデックス(C.I)便
覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編)、197
7年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、198
6年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984
年刊)に記載の顔料が挙げられ、たとえば、黒色顔料、
黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色
顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、そ
の他ポリマー結合色素が挙げられる。
【0145】具体的には、例えば、不溶性アゾ顔料、ア
ゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタ
ロシナニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及
びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン
系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔
料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔
料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、
無機顔料、カーボンブラック等が挙げられる。中でも、
カーボンブラックが好ましい。
【0146】前記顔料は、表面処理をせずに用いてもよ
いし、表面処理を施した後に用いてもよい。表面処理の
方法としては、樹脂やワックスを表面コートする方法、
界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シ
ランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネ
ート等)を顔料表面に結合させる方法等が挙げられる。
これらの表面処理の方法は、「金属石鹸の性質と応用」
(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、198
4年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、19
86年刊)に記載されている。前記顔料の粒径として
は、0.01μm 〜10μm が好ましく、0.05μm 〜1
μm がより好ましく、0.1μm 〜1μm が最も好まし
い。前記粒径が、0.01μm 未満であると、感光層塗布
液等の分散液を調製したときの分散物の安定性が劣化す
ることがあり、10μm を超えると、画像形成層の均一
性が悪化することがある。
【0147】顔料を分散する方法としては、インク製造
やトナー製造等に汎用の分散機等、公知の分散技術から
適宜選択することができる。前記分散機としては、超音
波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、ス
ーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、
KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミ
ル、加圧ニーダー等が挙げられる。その詳細について
は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)に記載がある。
【0148】前記染料又は顔料の含有量としては、画像
形成層の全固形分質量に対して0.01〜50質量%が好
ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、さらに染料
の場合には、0.5〜10質量%が最も好ましく、顔料の
場合には、3.1〜10質量%が最も好ましい。前記含有
量が0.01質量%未満であると、感度が低くなることが
あり、50質量%を超えると、画像形成層の均一性が低
下し、その耐久性が劣化することがある。前記染料又は
顔料は、他の成分と同一層に添加してもよいし、別の層
を設けてそこに添加してもよい。別の層とする場合は、
後述の(C)成分を含有する層に隣接する層に添加する
ことが好ましい。また、染料又は顔料と、アルカリ可溶
性高分子化合物とは同一の層に含有することが好ましい
が、別の層にそれぞれ含有させても構わない。
【0149】−(B)アルカリ可溶性高分子化合物− 本発明に使用可能なアルカリ可溶性高分子化合物(以
下、「(B)成分」ということがある。)としては、下
記(1)〜(3)の酸性基を主鎖及び/又は側鎖の構造
中に有するアルカリ水可溶性の高分子化合物を用いるこ
とができる。 (1)フェノール基(−Ar−OH) (2)スルホンアミド基(−SO2NH−R) (3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド
基」という。) 〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CON
HSO2R〕 前記(1)〜(3)中、Arは置換基を有していてもよ
い2価のアリール連結基を表し、Rは、置換基を有して
いてもよい炭化水素基を表す。以下に、その具体例を示
すが、本発明においては、これらに限定されるものでは
ない。
【0150】(1)フェノール基を有するアルカリ可溶
性高分子化合物としては、例えば、フェノールとホルム
アルデヒドとの縮重合体、m−クレゾールとホルムアル
デヒドとの縮重合体、p−クレゾールとホルムアルデヒ
ドとの縮重合体、m−/p−混合クレゾールとホルムア
ルデヒドとの縮重合体、フェノールとクレゾール(m
−、p−又はm−/p−混合のいずれでもよい。)とホ
ルムアルデヒドとの縮重合体等のノボラック樹脂又はピ
ロガロールとアセトンとの縮重合体を挙げることができ
る。さらに、フェノール基を側鎖に有するモノマーを重
合させた高分子化合物を挙げることもできる。側鎖にフ
ェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェ
ノール性水酸基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ
以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独
重合、或いは、該重合性モノマーに他の重合性モノマー
を共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。フ
ェノール基を側鎖に有するモノマーとしては、フェノー
ル基を側鎖に有するアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はヒ
ドロキシスチレン等が挙げられる。
【0151】具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニ
ル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)
アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アク
リルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリ
ルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリル
アミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルア
ミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒド
ロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニル
アクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレー
ト、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒド
ロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレ
ン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレー
ト、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレー
ト、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレー
ト、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレ
ート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリ
レート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタク
リレート等を好適に挙げることができる。
【0152】前記フェノール基を有するアルカリ可溶性
高分子化合物の質量平均分子量としては、5.0×102
〜2.0×105 のものが、数平均分子量としては、2.0
×102 〜1.0×105 のものが、画像形成性の点で好
ましい。また、フェノール基を有するアルカリ可溶性高
分子化合物は、単独での使用のみならず、2種類以上を
組合わせて使用してもよい。組合わせる場合には、米国
特許第4123279号明細書に記載されているよう
な、t−ブチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮重
合体や、オクチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮
重合体のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基と
して有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体
を併用してもよい。これらの縮重合体も、質量平均分子
量が5.0×102 〜2.0×105 のもの、数平均分子量
が2.0×102 〜1.0×105 のものが好ましい。
【0153】(2)スルホンアミド基を有するアルカリ
可溶性高分子化合物としては、例えば、スルホンアミド
基を有する化合物を主たるモノマー構成単位とする重合
体、即ち、単独重合体又は前記モノマー構成単位に他の
重合性モノマーを共重合させた共重合体を挙げることが
できる。スルホンアミド基を有する重合性モノマーとし
ては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも一つの水素
原子が結合したスルホンアミド基−SO2 −NH−と、
重合可能な不飽和結合とを、それぞれ1以上有する低分
子化合物からなるモノマーが挙げられる。中でも、アク
リロイル基、アリル基又はビニロキシ基と、置換或いは
モノ置換アミノスルホニル基又は置換スルホニルイミノ
基と、を有する低分子化合物が好ましい。前記低分子化
合物としては、例えば、下記一般式(a)〜(e)で表
される化合物が挙げられるが、本発明においては、これ
らに限定されるものではない。
【0154】
【0155】式中、X1、X2それぞれ独立に酸素原子又
はNR7を表す。R1、R4は、それぞれ独立に水素原子
又はCH3を表す。R2、R5、R9、R12、R16は、それ
ぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1〜12の
アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又は
アラルキレン基を表す。R3、R7、R13は、それぞれ独
立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜1
2のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はア
ラルキル基を表す。また、R6、R17は、それぞれ独立
に置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表
す。R8、R10、R14は、それぞれ独立に水素原子又は
CH3を表す。R11、R15は、それぞれ独立に単結合又
は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレ
ン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又はアラルキ
レン基を表す。Y1、Y2はそれぞれ独立に単結合又はC
Oを表す。中でもm−アミノスルホニルフェニルメタク
リレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタ
クリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)
アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0156】(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶
性高分子化合物としては、例えば、活性イミド基を有す
る化合物を主たるモノマー構成単位とする重合体を挙げ
ることができる。活性イミド基を有する化合物を主たる
モノマー構成単位とする重合体としては、1分子中に、
下記式で表される活性イミド基と、重合可能な不飽和結
合とをそれぞれ1以上有する低分子化合物からなるモノ
マーを単独重合、或いは、該モノマーに他の重合性モノ
マーを共重合させて得られる高分子化合物を挙げること
ができる。
【0157】
【0158】このような化合物としては、具体的には、
N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N
−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適
に挙げることができる。さらに、上記のほか、前記フェ
ノール基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を
有する重合性モノマー、及び活性イミド基を有する重合
性モノマーのうちいずれか2種類以上を重合させた高分
子化合物、或いは、これら2種以上の重合性モノマーに
さらに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分
子化合物も好適に挙げられる。フェノール基を有する重
合性モノマー(M1)に、スルホンアミド基を有する重
合性モノマー(M2)及び/又は活性イミド基を有する
重合性モノマー(M3)を共重合させる場合の配合比
(M1:M2及び/又はM3;質量比)としては、5
0:50〜5:95が好ましく、40:60〜10:9
0がより好ましい。
【0159】アルカリ可溶性高分子化合物が、前記酸性
基(1)〜(3)より選ばれるいずれかを有するモノマ
ー構成単位と、他の重合性モノマーの構成単位とから構
成される共重合体である場合、該共重合体中に、前記酸
性基(1)〜(3)より選ばれるいずれかを有するモノ
マー構成単位を10モル%以上含むことが好ましく、2
0モル%以上含むことがより好ましい。前記モノマー構
成単位の含有量が、10モル%未満であると、十分なア
ルカリ可溶性が得られずに、現像ラチチュードが狭くな
ることがある。前記共重合体の合成方法としては、従来
より公知のグラフト共重合法、ブロック共重合法、ラン
ダム共重合法等を用いることができる。
【0160】前記酸性基(1)〜(3)より選ばれるい
ずれかを有するモノマーを構成単位とする重合性モノマ
ーと共重合させる。他の重合性モノマーとしては、例え
ば、下記(a)〜(1)に挙げるモノマーを挙げること
ができるが、本発明においては、これらに限定されるも
のではない。
【0161】(a)2−ヒドロキエチルアクリレート又
は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸
基を有するアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステ
ル類。 (b)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベ
ンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルア
クリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等
のアルキルアクリレート。 (c)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−ク
ロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチル
アミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
ト。
【0162】(d)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロ
ヘキシルアクリるアミド、N−ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフ
ェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアク
リルアミド等のアクリルアミド、又はメタクリルアミ
ド。 (e)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類。 (f)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類。 (g)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等とスチレン類。
【0163】、(h)メチルビニルケトン、エチルビニ
ルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン等のビニルケトン類。 (i)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジェ
ン、イソプレン等のオレフィン類。 (j)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等。 (k)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、
N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタ
クリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリ
ルアミド等の不飽和イミド。 (l)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0164】前記アルカリ水可溶性高分子化合物として
は、単独重合体、共重合体に関わらず、膜強度の点で、
質量平均分子量が2000以上、数平均分子量が500
以上のものが好ましく、質量平均分子量が5000〜3
00000、数平均分子量が800〜250000であ
り、分散度(質量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜
10のものがより好ましい。また、前記アルカリ可溶性
高分子化合物が、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、
クレゾール−アルデヒド樹脂等である場合には、質量平
均分子量が500〜20000であって、数平均分子量
が200〜10000のものが好ましい。
【0165】前記アルカリ水可溶性高分子化合物の含有
量としては、画像形成層の全固形分質量に対して30〜
99質量%が好ましく、40〜95質量%がより好まし
く、50〜90質量%が最も好ましい。前記含有量が、
30質量%未満であると、画像形成層の耐久性が低下す
ることがあり、99質量%を越えると、感度、耐久性が
低下することがある。また、前記高分子化合物は、1種
類のみを用いても、2種類以上を組合わせて用いてもよ
い。
【0166】−(C)前記アルカリ可溶性高分子化合物
と相溶させて該アルカリ可溶性高分子化合物のアルカリ
水溶液への溶解性を低下させるとともに、加熱により該
溶解性低下作用が減少する化合物− この(C)成分は、分子内に存在する水素結合性の官能
基の働きにより、前記(B)アルカリ可溶性高分子化合
物との相溶性が良好であり、均一な画像形成層用塗布液
を形成しうるとともに、アルカリ可溶性高分子化合物と
の相互作用により、該アルカリ可溶性高分子化合物のア
ルカリ可溶性を抑制する機能(溶解性抑制作用)を有す
る化合物を指す。
【0167】また、加熱によりアルカリ可溶性高分子化
合物に対する前記溶解性抑制作用は消滅するが、この赤
外線吸収剤自体が加熱により分解する化合物である場合
には、分解に十分なエネルギーが、レーザー出力や照射
時間等の諸条件により付与されないと、アルカリ可溶性
高分子化合物の溶解性抑制作用を十分に低下させること
ができず、感度が低下するおそれがある。このため、
(C)成分の熱分解温度としては、150°C以上が好
ましい。
【0168】(C)成分としては、前記(B)アルカリ
可溶性高分子化合物との相互作用を考慮して、例えば、
スルホン化合物、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ア
ミド化合物等の前記アルカリ可溶性高分子化合物と相互
作用しうる化合物の中から適宜選択することができる。
特に、例えば、前記(B)成分として、ノボラック樹脂
を単独で用いる場合には、後述する「(A+C)成分」
が好ましく、以下に例示するシアニン染料A等がより好
ましい。(A+C)成分については後述する。
【0169】(C)成分と前記(B)アルカリ可溶性高
分子化合物との配合比(C/B)としては、一般に1/
99〜25/75が好ましい。前記混合比が、1/99
未満、即ち、(C)成分が少なすぎると、アルカリ可溶
性高分子化合物との相互作用が不十分となり、アルカリ
可溶性を低下させることができず、良好に画像形成する
ことができないことがあり、25/75を超える、即
ち、(C)成分が多すぎると、相互作用が過大となり、
感度が著しく低下することがある。
【0170】−(A+C)成分− 前記(A)成分及び(C)成分に代えて、これら双方の
特性を有する化合物((A+C)成分)を用いることが
できる。前記(A+C)成分は、光を吸収して熱を発生
する性質(即ち、(A)成分の特性)を有し、しかも7
00〜1200nmの波長領域に吸収域を持つと共に、さ
らにアルカリ可溶性高分子化合物と良好に相溶しうる塩
基性染料である。(A+C)成分は、その分子内にアン
モニウム基、イミニウム基等のアルカリ可溶性高分子化
合物と相互作用する基を有する(即ち、(C)成分の特
性)ため、前記高分子化合物と相互作用して、そのアル
カリ可溶性を抑制することができる。前記(A+C)成
分としては、例えば、下記一般式(Z)で表される化合
物を挙げることができる。
【0171】
【0172】前記一般式(Z)中、R21〜R24は、それ
ぞれ独立に水素原子、又は置換基を有していてもよい炭
素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、シクロアルキル基、アリール基を表し、R21
22、R23とR24はそれぞれ結合して環構造を形成して
いてもよい。R21〜R24としては、例えば、水素原子、
メチル基、エチル基、フェニル基、ドデシル基、ナフチ
ル基、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基等が挙げ
られ、これらの基は、さらに置換基を有していてもよ
い。ここで、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、
カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、
カルボキシル基、カルボン酸エステル、スルホン酸エス
テル等が挙げられる。
【0173】式中、R25〜R30は、それぞれ独立に置換
基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基を表
し、前記R25〜R30としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、フェニル基、ドデシル基、ナフチル基、ビニル
基、アリル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これら
の基は、さらに置換基を有していてもよい。ここで、置
換基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボニル基、
ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、カルボキシル
基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げ
られる。
【0174】式中、R31〜R33は、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよい炭素数
1〜8のアルキル基を表し、前記R32は、前記R31又は
33と結合して環構造を形成していてもよく、m>2の
場合は、複数のR32同士が結合して環構造を形成してい
てもよい。前記R31〜R33としては、例えば、塩素原
子、シクロヘキシル基、R32同士が結合してなるシクロ
ペンチル環、シクロヘキシル環等が挙げられ、これらの
基は、さらに置換基を有していてもよい。ここで、置換
基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボニル基、ニ
トロ基、ニトリル基、スルホニル基、カルボキシル基、
カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられ
る。また、mは1〜8の整数を表し、中でも1〜3が好
ましい。
【0175】式中、R34〜R35は、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、又は置換基を有してもよい炭素数
1〜8のアルキル基を表し、前記R34は、R35と結合し
て環構造を形成していてもよく、m>2の場合は、複数
のR34同士が結合して環構造を形成していてもよい。前
記R34〜R35としては、例えば、塩素原子、シクロヘキ
シル基、R34同士が結合してなるシクロペンチル環、シ
クロヘキシル環等が挙げられ、これらの基は、さらに置
換基を有していてもよい。ここで、置換基としては、例
えば、ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリ
ル基、スルホニル基、カルボキシル基、カルボン酸エス
テル、スルホン酸エステル等が挙げられる。また、m
は、1〜8の整数を表し、中でも、1〜3が好ましい。
【0176】式中、X-は、アニオンを表し、例えば、
過塩素酸、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソ
プロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−O−トル
エンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメ
チルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベン
ゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−
クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホ
ン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ド
デシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スル
ホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイ
ル−ベンゼンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸等
が挙げられる。中でも、六フッ化リン酸、トリイソプロ
ピルナフタレンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼン
スルホン酸等のアルキル芳香族スルホン酸が好ましい。
【0177】前記一般式(Z)で表される化合物は、一
般にシアニン染料と呼ばれる化合物であり、具体的に
は、以下に示す化合物が好適に用いられるが、本発明に
おいては、これらに限られるものではない。
【0178】
【0179】上述の(A)成分及び(C)成分に代え
て、これら双方の特性を有する前記(A+C)成分を用
いる場合、該(A+C)成分と前記(B)成分との使用
量比〔(A+C)/(B)〕としては、1/99〜30
/70が好ましく、1/99〜25/75がより好まし
い。
【0180】以下は、ネガ型平版印刷版の記録層を構成
する成分である。 −(D)熱により酸を発生する化合物− 画像形成材料がネガ型の場合、加熱時に酸を発生する化
合物(以下、「酸発生剤」という。)を併用する。この
酸発生剤は、100°C以上に加熱することにより分解
して酸を発生する化合物を増す。発生する酸としては、
スルホン酸、塩酸等の pKa が2以下の強酸であること
が好ましい。前記酸発生剤の添加量としては、画像形成
層の全固形分質量に対し0.01〜50質量%が好まし
く、0.1〜40質量%がより好ましく、0.5〜30質量
%が最も好ましい。
【0181】−(E)酸により架橋する架橋剤− 平版印刷用原版がネガ型である場合、酸により架橋する
架橋剤(以下、単に「架橋剤」という場合がある。)を
併用する。 前記架橋剤としては、以下のものを挙げることができ
る。 (i)アルコキシメチル基又はヒドロキシメチル基で置
換された芳香族化合物 (ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル
基又はN−アシルオキシメチル基を有する化合物 (iii)エポキシ化合物 さらに、特開平11−254850号公報に記載のもの
やフェノール誘導体等も挙げることができる。前記架橋
剤の添加量としては、画像形成層の全固形分質量に対し
5〜80質量%が好ましく、10〜75質量%がより好
ましく、20〜70質量%が最も好ましい。前記フェノ
ール誘導体を架橋剤として使用する場合、該フェノール
誘導体の添加量としては、画像形成材料の全固形分質量
に対し5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%が
より好ましい。
【0182】本発明の感光性平版印刷の処理方法では、
ポジ型・ネガ型感光性平版印刷版、光重合型感光性平版
印刷版、ネガ型赤外線感光性平版印刷版、ポジ型赤外線
感光性平版印刷版を同一の自動現像機で、同一の処理液
を用いて共通処理することが可能である。 <露光・現像・後処理>赤外線感光性平版印刷版は、近
赤外から赤外領域に発光波長を持つレーザーを搭載した
プレートセッターなどにより露光される。かかるレーザ
ーとしては波長760nmから1200nmの赤外線を放射
する固体レーザー及び半導体レーザーが好ましい。本発
明においては、レーザー照射後すぐに現像処理を行って
も良いが、レーザー照射工程と現像工程の間に加熱処理
を行うことが好ましい。加熱処理の条件は、80℃ 〜
150℃の範囲内で10秒〜5秒間行うことが好まし
い。この加熱処理により、レーザー照射時、記録に必要
なレーザエネルギーを減少させることができる。必要に
応じて加熱処理を行った後、本発明の処理方法で現像、
フィニッシング処理される。また、紫外・可視光線感光
性平版印刷版は透明原画を通じて、例えば、水銀灯、メ
タルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルラン
プ、タングステンランプ、カーボンアーク灯等により露
光された後、本発明の処理方法で現像、フィニッシング
処理される。また光重合型感光性平版印刷はアンゴンレ
ーザー、YAGレーザーで走査露光された後、必要により
加熱処理を行って本発明の処理方法で現像、フィニッシ
ング処理される。
【0183】本発明の感光性平版印刷版の処理方法は自
動現像機を用いて行われる。かかる自動現像機は、現像
処理浴、多段階の不感脂化処理浴などからなり、感光性
平版印刷版を搬送する装置と、各処理浴およびスプレー
装置および後段の不感脂化処理浴から前段の不感脂化処
理浴へのオーバーフロー部などで構成され、露光済みの
感光性平版印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み
上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像お
よび不感脂化処理をするものである。また、最近は処理
液が満たされた処理浴中に液中ガイドロールなどによっ
て感光性平版印刷版を浸漬搬送させて現像処理する方法
も知られている。本発明の感光性平版印刷版の処理方法
では、現像後、任意に水洗工程を経て、平版印刷版はア
ラビアガムや澱粉誘導体等の水溶性樹脂を主成分とする
不感脂化液で処理される。
【0184】本発明において、この平版印刷版の不感脂
化処理は、第1の処理浴から最終の処理浴を通じて2浴
以上で行われる。自動現像機の簡略化、設置スペース、
製造コスト等から、水洗浴を省略し、2段階の不感脂化
処理浴を有することが好ましい。このような自動処理に
おいては、現像浴および不感脂化処理浴に処理量や稼働
時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理す
ることができる。本発明の方法において、後段の不感脂
化処理浴とその前段の不感脂化処理浴が同じ不感脂化液
の場合、処理量に応じた新鮮な不感脂化液の補充は後段
の不感脂化処理浴に行い、そのオーバーフロー排液を前
段の不感脂化処理浴に排出させ、同様にして順次オーバ
ーフロー排液を前段の不感脂化処理浴へ補充していくこ
とができる。また、現像部では実質的に未使用の処理液
で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0185】<現像液>特に記載にない限り、現像液及
び現像補充液を一括して現像液と称す。本発明の処理方
法に用いられる現像液は非還元糖と塩基(珪酸塩を除
く)を主成分とする現像液である。かかる現像液として
は、特開平8−160631号公報や特開平8−234
447号公報記載の現像液が好ましく用いられる。中で
も好ましい例としては、特開平8−305039号公報
記載の現像液が挙げられる。好ましい現像液を具体的に
説明すると、非還元糖から選ばれる少なくとも一つの化
合物と、少なくとも一種の塩基からなり、pHが9.0
〜13.8の範囲である現像液である。
【0186】かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基
やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還
元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元
基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して
還元した糖アルコールに分類され、何れも本発明に好適
に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロー
スやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配
糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げら
れる。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、
リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−
マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズ
リシットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に
二糖類のマルトースに水素添加したマルチトールおよび
オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が
好適に用いられる。これらの中で本発明に好ましい非還
元糖は糖アルコールとトレハロース型少糖類であり、中
でもD−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度
なpH領域に緩衝作用があることと、低価格であること
で好ましい。
【0187】これらの非還元糖は、単独もしくは二種以
上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める
割合は0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましく
は、1〜20質量%である。この範囲以下では十分な緩
衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃
縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。非還元
糖に組み合わせる塩基としては従来より知られているア
ルカリ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、同
カリウム、同リチウム、燐酸三ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、燐酸二ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アン
モニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモ
ニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム
などの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチル
アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイ
ソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプ
ロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有
機アルカリ剤も用いられる。
【0188】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいの
は水酸化ナトリウム、同カリウムである。その理由は、
非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広い
pH領域でpH調整が可能となるためである。また、燐
酸三ナトリウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。こ
れらのアルカリ剤は該現像液組成物のpHを9.0〜1
3.8の範囲になるように添加され、その添加量は所望
のpH、非還元糖の種類と添加量によって決められる
が、より好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。
尚、本発明に用いられる現像液には、非還元糖とアルカ
リ剤の組み合わせに代えて、非還元糖のアルカリ金属塩
を主成分として用いることもできる。該非還元糖塩は非
還元糖とアルカリ金属水酸化物とを混合し該非還元糖の
融点以上に加熱し、脱水すること、或いは非還元糖とア
ルカリ金属水酸化物の混合水溶液を乾燥することによっ
て得られる。
【0189】現像液には更に、特開平8−160631
号公報や特開平8−134447号公報記載の、糖類以
外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液が併用でき
る。かかる緩衝液として用いられる弱酸としては、解離
定数(pKa)が10.0〜13.2のものが好ましい。
このような弱酸としては、PergamonPress
社発行のIONISATION CONSTANTS
OF ORGANICACIDS IN AQUEOU
S SOLUTIONなどに記載されているものから選
ばれ、例えば2,2,3,3,-テトラフルオロプロパノール-1
(pKa 12.74)、トリフルオロエタノール(同1
2.37)、トリクロロエタノール(同12.24)など
のアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.
68)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)な
どのアルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3-ヒド
ロキシ-2-ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同
12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸
(同11.7)、3,4-ジヒドロキシスルホン酸(同12.
2)、3,4-ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,
2,4-トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイド
ロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.3
4)、o-クレゾール(同10.33)、レゾルソノール
(同11.27)、p-クレゾール(同10.27)、m-
クレゾール(同10.09)などのフェノール性水酸基
を有する化合物、
【0190】2−ブタノンオキシム(同12.45)、
アセトキシム(同12.42)、1,2-シクロヘプタジオ
ンヂオキシム(同12.3)、2-ヒドロキシベンズアル
デヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシ
ム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.
37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)など
のオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン
(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同
12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン
(同11.9)などの核酸関連物質、他に、ジエチルア
ミノメチルホスホン酸(同12.32)、1-アミノ-3、3、
3-トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピ
リデンジホスホン酸(同12.10)、1、1、-エチリデン
ジホスホン酸(同11.54)、1,1-エチリデンジホス
ホン酸1-ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾ
ール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.
8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツ
ル酸(同12.5)などの弱酸が挙げられる。
【0191】これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホ
サリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合
わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わ
せて用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組
み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用さ
れる。
【0192】[界面活性剤]本発明に用いられる現像液
には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像
部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活
性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性
界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の好ましい例とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グ
リセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル
類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ
糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビト
ール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノ
ールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキル
アミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエ
タノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオ
キシドなどの非イオン性界面活性剤、
【0193】脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキ
シアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、
ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、オレフィンスル
ホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分
岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエ
チレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−
オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥
珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、
硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル
塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセ
リド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
スチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル
リン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエー
テルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水
マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水
マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホ
ン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、
【0194】アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミ
ン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタ
イン類、アルキルアミノカルボン酸類、スルホベタイン
類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性
界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中で
ポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレ
ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどの
ポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それら
の界面活性剤もまた包含される。
【0195】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の
界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用することができ、現像液中に0.001〜10質量
%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加さ
れる。
【0196】[現像安定化剤]本発明に用いられる現像
液には、種々現像安定化剤が用いられる。それらの好ま
しい例として、特開平6−282079号公報記載の糖
アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブ
チルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルア
ンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドな
どのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロ
ライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げら
れる。更には、特開昭50−51324号公報記載のア
ニオン界面活性剤または両性界面活性剤、また特開昭5
5−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマ
ー、特開昭56−142528号公報に記載されている
水溶性の両性高分子電解質がある。
【0197】更に、特開昭59−84241号公報のア
ルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特
開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレ
ン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面
活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレン
ジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載
の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコー
ル、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を
有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公
報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシ
ドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合
物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
【0198】[有機溶剤]現像液には更に必要により有
機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対
する溶解度が約10質量%以下のものが適しており、好
ましくは5質量%以下のものから選ばれる。例えば、1
−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−
フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタ
ノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル
−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベ
ンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコ
ール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシ
ベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキ
サノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチル
シクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノー
ル、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニル
ジエタノールアミンなどを挙げることができる。有機溶
剤の含有量は使用液の総質量に対して0.1〜5質量%
である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係
があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は
増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少
なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶
解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくな
るからである。
【0199】[還元剤]本発明に用いられる現像液には
更に還元剤が加えられる。これは印刷版の汚れを防止す
るものである。好ましい有機還元剤としては、チオサリ
チル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、
レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化
合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどの
アミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤
としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸
水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン
酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩などを挙げることができる。これらの還元剤のう
ち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。
これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、
0.05〜5質量%の範囲で含有される。
【0200】[有機カルボン酸]現像液には更に有機カ
ルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン
酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香
族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例と
しては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン
酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアル
カン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和
脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香
族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アン
トラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物
で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息
香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4
−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子
酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、
1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキ
シナフトエ酸は特に有効である。上記脂肪族および芳香
族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカ
リウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好まし
い。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は
格別な制限はないが、0.1質量%より低いと効果が十
分でなく、また10質量%以上ではそれ以上の効果の改
善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に溶解
を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使用時
の現像液に対して0.1〜10質量%であり、よりこの
ましくは0.5〜4質量%である。
【0201】[その他]本発明に用いられる現像液に
は、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡
剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。硬
水軟化剤としては例えば、ポリ燐酸およびそのナトリウ
ム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジア
ミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ト
リエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエ
チレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−
ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジア
ミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカ
ルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およ
びアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン
酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホ
ン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチ
レンホスホン酸)および1−ヒドロキシエタン−1,1
−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩お
よびアンモニウム塩を挙げることができる。このような
硬水軟化剤はそのキレート化力と使用される硬水の硬度
および硬水の量によって最適値が変化するが、一般的な
使用量を示せば、使用時の現像液に0.01〜5質量
%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲であ
る。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十分に
達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色抜け
など、画像部への悪影響がでてくる。
【0202】現像液の残余の成分は水である。本発明に
用いられる現像液は使用時よりも水の含有量を少なくし
た濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにして
おくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成
分が分離や析出を起こさない程度が適当である。また、
スプレードライ法等で水分を除去するか、或いは固形原
料を混合した固形化現像剤も好ましい態様である。
【0203】<不感脂化液>次に本発明に用いられる不
感脂化液の成分について説明する。不感脂化液としては
アラビアガムの約15〜20%の水溶液に、必要に応じ
て、界面活性剤、湿潤剤、pH調整剤、キレート剤等を含
有させた組成物が適している。アラビアガム以外にも種
々の水溶性高分子化合物が不感脂化液の主成分として用
いられる。例えば、デキストリン、ステラビック、スト
ラクタン、アルギン酸塩類、ポリアクリル酸塩類、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリルアミド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキ
シアルキルセルロース塩、大豆のオカラから抽出した水
溶性多糖類が好ましく、また、プルランまたはプルラン
誘導体、ポリビニルアルコールも好ましい。
【0204】さらに、変成澱粉誘導体としてブリティッ
シュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリンおよびシャー
ディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可
溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉お
よび無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐
酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン
酸澱粉およびカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カ
ルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スル
フォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベ
ンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ
澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロ
キシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架
橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合
体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル
共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチ
ン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カオチン性
澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイ
ン酸共重合体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、
澱粉ポリプロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体が
好ましい。
【0205】また天然高分子化合物としては、かんしょ
澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉および
コーンスターチ等の澱粉類、カラジーナン、ラミナラ
ン、海ソウマンナン、ふのり、アイリッシュモス、寒天
およびアルギン酸ナトリウム等の藻類から得られるも
の、トロロアオイ、マンナン、クインスシード、ペクチ
ン、トラガカントガム、カラヤガム、キサンチンガム、
グアービンガム、ローカストビンガム、キャロブガム、
ベンゾインガム等の植物性粘質物、デキストラン、グル
カン、レバン等のホモ多糖ならびにサクシノグルカンお
よびサンタンガム等のヘトロ多糖等の微生物粘質物、に
かわ、ゼラチン、カゼインおよびコラーゲン等の蛋白質
が好ましい。これらの水溶性樹脂は2種以上組み合わせ
ても使用でき、好ましくは5〜40wt%、より好ましく
は10〜30wt%の範囲で含有させることができる。
【0206】また本発明に用いられる不感脂化液中に界
面活性剤を添加することにより塗膜の面状等が良化す
る。使用できる界面活性剤としてはアニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオ
ン界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤として
は脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカン
スルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、α−オレフ
ィンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、
ジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキ
ルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩
類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテ
ル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム
類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウ
ム塩類、石油スルホン酸塩類、
【0207】硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸ア
ルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテ
ル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステ
ル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン
化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケ
ン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類
等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハ
ク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフ
タレンスルホン酸塩類およびα−オレフィンスルホン酸
塩類、ジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、が特に好
ましく用いられる。
【0208】カチオン界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩類、第4級アンモニウム塩類等が用いられる。両
性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン
類、アルキルイミダゾリン類、アルキルアミノカルボン
酸類等が用いられる。ノニオン界面活性剤としては、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン
ポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エ
ステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、
ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチ
レン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,
N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪
酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリプロピ
レングリコールの分子量200〜5000、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン又はソルビトールのポリオキ
シエチレン又はポリオキシプロピレンの付加物、アセチ
レングリコール系等が挙げられる。又、弗素系、シリコ
ン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができ
る。該界面活性剤は二種以上併用することができる。使
用量は特に限定する必要はないが、好ましい範囲として
は不感脂化液の0.01〜20質量%である。
【0209】その他不感脂化液には必要により湿潤剤と
してグリセリン、エチレングリコール、トリエチレング
リコール等を添加することができる。これらの湿潤剤の
好ましい使用量としては0.1〜5質量%である。不感
脂化液は、一般的には酸性領域pH3〜6の範囲で使用
する方が有利である。pHを3〜6にするためには一般
的には不感脂化液中に鉱酸、有機酸又は無機塩等を添加
し調節する。その添加量は0.01〜2質量%である。
例えば鉱酸としては硝酸、硫酸、リン酸、メタリン酸等
が挙げられる。有機酸としてはクエン酸、酢酸、蓚酸、
マロン酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ
酸、乳酸、レブリン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸、
またグリシン、α−アラニン、β−アラニンなどのアミ
ノ酸等が挙げられる。無機塩としては硝酸マグネシウ
ム、第1リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、硫
酸ニッケル、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリ
ン酸ナトリウム等が挙げられる。鉱酸、有機酸又は無機
塩等の少なくとも1種もしくは2種以上を併用してもよ
い。
【0210】上記成分の他必要に応じてキレート化合物
を添加してもよい。通常、不感脂化液は濃縮液として市
販され、使用時に水道水、井戸水等を加えて希釈して使
用される。この希釈する水道水や井戸水に含まれている
カルシウムイオン等が印刷に悪影響を与え、印刷物を汚
れ易くする原因となることもあるので、キレート化合物
を添加して、上記欠点を解消することができる。好まし
いキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミン
テトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナ
トリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、その
カリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチ
レンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような
有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボ
ン酸類を挙げることが出来る。上記キレート剤のナトリ
ウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効であ
る。これらキレート剤は不感脂化液組成中に安定に存在
し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量として
は使用時の不感脂化液に対して0.001〜1.0質量
%が適当である。
【0211】更に本発明に用いられる不感脂化液には防
腐剤を添加することが好ましい。防腐剤は繊維、木材加
工、食品、医薬、化粧品、農薬分野等で使用されている
公知の物が使用できる。例えば第4級アンモニウム塩、
一価フェノール誘導体、二価フェノール誘導体、多価フ
ェノール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾロピリミ
ジン誘導体、一価ナフトール、カーボネート類、スルホ
ン誘導体、有機スズ化合物、シクロペンタン誘導体、フ
ェニル誘導体、フェノールエーテル誘導体、フェノール
エステル誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体、ニトリル
誘導体、ナフタリン類、ピロール誘導体、キノリン誘導
体、ベンゾチアゾール誘導体、第2級アミン、1,3,
5トリアジン誘導体、チアジアゾール誘導体、アニリド
誘導体、ピロール誘導体、ハロゲン誘導体、二価アルコ
ール誘導体、ジチオール類、シアン酸誘導体、チオカル
バミド酸誘導体、ジアミン誘導体、イソチアゾール誘導
体、一価アルコール、飽和アルデヒド、不飽和モノカル
ボン酸、飽和エーテル、不飽和エーテル、ラクトン類、
アミノ酸誘導体、ヒダントイン、シアヌール酸誘導体、
グアニジン誘導体、ピリジン誘導体、
【0212】飽和モノカルボン酸、ベンゼンカルボン酸
誘導体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、ビフェニル、ヒ
ドロキサム酸誘導体、芳香族アルコール、ハロゲノフェ
ノール誘導体、ベンゼンカルボン酸誘導体、メルカプト
カルボン酸誘導体、第4級アンモニウム塩誘導体、トリ
フェニルメタン誘導体、ヒノキチオール、フラン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、イソキノ
リン誘導体、アルシン誘導体、チオカルバミン酸誘導
体、リン酸エステル、ハロゲノベンゼン誘導体、キノン
誘導体、ベンゼンスルホン酸誘導体、モノアミン誘導
体、有機リン酸エステル、ピペラジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、ピリミジン誘導体、チオファネート誘導体、
イミダゾリン誘導体、イソオキサゾール誘導体、アンモ
ニウム塩誘導体等の中の公知の防腐剤が使用できる。
【0213】特に好ましい防腐剤として、ピリジンチオ
ール−1−オキシドの塩、サリチル酸およびその塩、
1,3,5−トリスヒドロキシエチルヘキサヒドロ−S
−トリアジン、1,3,5−トリスヒドロキシメチルヘ
キサヒドロ−S−トリアジン、1,2−ベンズイソチア
ゾリン−3−オン、5−クロル−2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,
3−プロパンジオールが挙げられる。好ましい添加量
は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮す
る量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異な
るが、使用時の不感脂化液に対して0.01〜4質量%
の範囲が好ましく、また種々のカビ、細菌に対して効力
のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好まし
い。
【0214】また、消泡剤を添加することもでき、特に
シリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及び可
溶化型等がいずれも使用できる。好ましくは使用時の不
感脂化液に対して0.001〜1.0質量%の範囲が最
適である。不感脂化液の残余の成分は水である。本発明
に用いられる不感脂化液は使用時よりも水の含有量を少
なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するよう
にしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度
は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
また、スプレードライ法等で水分を除去するか、或いは
固形原料を混合した固形化不感脂化剤も好ましい態様で
ある。本発明に用いられる不感脂化液は乳化分散型でも
よく、その油相としては有機溶剤が用いられ又、可溶化
剤の助けを借りて、可溶化型にしてもよい。感光性平版
印刷版の特性に合せて溶液タイプ、乳化タイプ等容易に
設けることができ、画像部の感脂性の保護と非画像部の
親水性保護に優れた効果を発揮する。
【0215】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版の処理方法に
よれば、汚れ防止性能に優れた平版印刷版を得ることが
できる。また、耐刷性、現像時の非画像部の白色化防止
にも優れ、現像液中のカス、ヘドロをも防止でき、長期
にわたって安定した処理が可能になる。
【0216】
【実施例】以下実施例及び比較例により本発明を詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【実施例1〜4】<支持体の作成方法> (a)下記の表2成分からなるAl溶湯を調製し、溶湯処
理、ろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの
鋳塊をDC鋳造法で作成し、表面を平均10mm面削機で
削り取った後、約5時間550℃で均熱保持し、温度4
00℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.
7mmの圧延板とし、更に連続焼鈍機を使った熱処理を5
00℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ
た。このアルミ板を幅1030mmにした後、連続的に処
理を行った。
【表2】
【0217】(b)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度2.
6wt%、アルミニウムイオン濃度6.5wt%、温度
70℃でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミ
ニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーに
よる水洗を行った。 (c)温度30℃の硝酸濃度1wt%水溶液(アルミニウ
ムイオン0.5wt%含む)で、スプレーによるデスマ
ット処理を行い、その後スプレーで水洗した。前記デス
マットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用
いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
【0218】(d)60Hzの交流電圧を用いて連続的に
電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液
は、硝酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5w
t%、アンモニウムイオン0.007wt%含む)、温
度35℃であった。交流電源波形は図1に示した波形で
電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが2ms
ec、duty比1:1、台形の短形波交流を用いて、カーボ
ン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。
補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽
は図2に示すものを2個使用した。電流密度は電流のピ
ーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽
極時の電気量の総和で230C/dm2であった。補助
陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その
後、スプレーによる水洗を行った。
【0219】(e)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26
wt%、アルミニウムイオン濃度6.5wt%でスプレ
ーによるエッチング処理を70℃でおこない、アルミニ
ウム板を1.0g/m2溶解し、前段の交流を用いて電
気化学的な粗面化をおこなったときに生成した水酸化ア
ルミニウムを主体とするスマット成分の除去と、生成し
たピットのエッジ部分を溶解し、エッジ部分を滑らかに
した。その後スプレーで水洗した。
【0220】(f)温度60℃の硫酸濃度25wt%水溶
液(アルミニウムイオンを0.5wt%含む)で、スプ
レーによるデスマット処理をおこない、その後スプレー
による水洗をおこなった。 (g)陽極酸化装置を使って硫酸濃度100g/L(アル
ミニウムイオンを0.5wt%含む)、温度50℃、3
0A/dm2にて陽極酸化量が2.5g/m2になるよう
に陽極酸化処置をおこなってから、スプレーによる水洗
をおこなった。次に上記の如く処理された基板に下記表
3に示したようにシリケート処理(珪酸ナトリウム水溶
液処理)を行い、異なるSi原子付着量の基板A〜Dを
作成した。
【0221】基板への珪酸ナトリウムの付着量は、蛍光
X線分析装置を用いて検量線法によりSi原子の量(m
g/m2)として測定した。すなわち、蛍光X線分析装
置として理学電機工業(株)製RIX3000を用い、
下記条件にてSi−Kαスペクトルのピーク高さよりS
i原子の量を測定した。 装置 :理学電機工業(株)製RIX3000 X線管球 :Rh 測定スペクトル :Si−Kα 管電圧 :50kV 管電流 :50mA スリット :COARSE 分光結晶 :RX4 検出器 :F−PC 分析面積 :30mmφ ピーク位置(2θ) :144.75deg. バックグランド(2θ):140.70deg.,146.85deg. 積算時間 :80秒/sample また、表3〜5中に示すSi原子量はアルミニウム中に
含まれているSi原子量を差し引いて補正した量であ
る。
【0222】つぎに、中間層形成用の高分子化合物を下
記のような溶液にして塗布をし、80℃で15秒間乾燥
した。乾燥後の被覆量は10mg/m2であった。 中間層(A) 表1のNo.2の高分子化合物 0.1g メタノール 100g 水 1g
【0223】上記支持体に下記感光液Aを塗布すること
により感光層を設けた。 感光液A 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特 許第3,635,709 号明細書の実施例1に記載されているもの) 0.8g バインダー ノボラックI 1.5g ノボラックII 0.2g ノボラック以外の樹脂III 0.4g p−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (米国特許第4,123,279 号明細書に記載されているもの) 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g 安息香酸 0.02g ピロガロール 0.05g 4−〔p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル) アミノフェニル〕−2,6−ビス(トリクロロメチル) −S−トリアジン(以下トリアジンAと略) 0.07g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製の 対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に変えた染料) 0.045g F176PF(フッ素系界面活性剤) (大日本インキ化学工業(株)製) 0.01g メチルエチルケトン 15g 1−メトキシ−2−プロパノール 10g
【0224】
【0225】乾燥後の感光層塗布量は1.3g/m2
あった。さらに真空密着時間を短縮させるため、特公昭
61−28986号公報記載の方法でマット層を形成さ
せることにより、感光性平版印刷版を作成した。このよ
うに作成した感光性平版印刷版を1030mm×800mm
に裁断、多数枚用意した感光性平版印刷版を1mの距離
から3kwのメタルハライドランプにより1分間画像露
光した。これらの版を現像処理浴の後に第1の不感脂化
処理浴と第2の不感脂化処理浴のオーバーフロー液を第
1の不感脂化処理浴に排出する機構を持った自動現像機
で処理した。その際、現像液には現像液(A)を20L
仕込み、30℃で12秒間現像処理し、第1の不感脂化
処理浴には下記の不感脂化液(A)を4L仕込み、また
第2の不感脂化処理浴にも不感脂化液(A)を4Lを仕
込んで開始した。
【0226】 現像液(A) D−ソルビット 27.0 g 水酸化カリウム 12.6 g トリエタノールアミンのエチレンオキシド30モル付加物 0.16g DEQUEST 2066(米国モンサント社製キレート剤)0.34g 水 70.8 g
【0227】 不感脂化液(A)(不感脂化補充液も同じ処方) アラビアガム 1.80g グルコース 3.50g 酵素変性馬鈴薯澱粉 18.30g 酵素変性玉蜀黍澱粉 3.70g 燐酸化ワキシ−玉蜀黍澱粉 1.80g ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 0.91g αオレフィンスルホン酸ナトリウム 0.44g 第一燐酸アンモニウム 0.27g リン酸 0.10g クエン酸 0.09g αアラニン 0.35g 共重合体A 0.50g EDTA−四ナトリウム塩 0.27g エチレングリコール 1.80g ベンジルアルコール 2.30g デヒドロ酢酸ナトリウム 0.04g エマルジョン型シリコン消泡剤 0.02g 水 68.40g 共重合体A
【0228】上記のようにして得られた平版印刷版につ
いて、耐刷性、汚れ性、カス、ヘドロを評価した。評価
方法は以下のとおりである。結果を表3に併せて示す。 耐刷性:小森印刷機(株)製印刷機スプリントを用い
て、正常に印刷されなくなるまでの印刷枚数をもって評
価した。印刷枚数が多いほど耐刷性が良好である。 汚れ性:ハイデルベルグ社製SOR−M印刷機にて10
00枚印刷後印刷を停止し、30分間放置する。その
後、再度印刷機に取り付けて100枚印刷した。その時
の非画像部のインキの払われ方を観察し、次の様に評価
した。 ○・・・インキの払われ方が速い(汚れ難い) △・・・インキの払われ方が遅いが×程は遅くない ×・・・インキの払われ方が遅い(汚れ易い)
【0229】カス・ヘドロ:現像浴には現像液(A)を
20L仕込み、30℃で12秒間現像処理し、現像液へ
は下記の現像補充液(A)を1m2あたり60cc補充し
た。第1の不感脂化処理浴には不感脂化液(A)を4L
仕込み、また第2の不感脂化処理浴にも不感脂化液
(A)を4L仕込んだ。第2の不感脂化浴には不感脂化
液(A)を1m2当たり20cc補充して、1日当たり1
60版、3ヶ月間連続して行った。3ヶ月後に現像部の
現像液を抜いて現像浴の底部を目視で観察した。 ○:カス・ヘドロが発生しない。 ×:カス・ヘドロが大量に発生する。
【0230】 現像補充液(A) D−ソルビット 58.3 g 水酸化カリウム 25.9 g トリエタノールアミンのエチレンオキシド30モル付加物 0.24g Dequest 2066(米国、モンサント社製キレート剤) 1.2 g 水 61.36g
【0231】
【比較例1】不感脂化処理浴を1浴にしたことを除い
て、実施例2と同様にして平版印刷版を作成した。
【比較例2】現像液、補充液をぞれぞれ下記のB液にし
たことを除いて、実施例2と同様にして平版印刷版を作
成した。 現像液(B) [SiO2]/[K2O]モル比1.2、SiO21.4質量%の ケイ酸カリウム水溶液 1000g ポリオキシエチレン(付加モル数n=10)ジグリセリン 2g 現像補充液(B) [SiO2]/[K2O]モル比1.0、SiO22.0質量%の ケイ酸カリウム水溶液 1000g ポリオキシエチレン(付加モル数n=10)ジグリセリン 4g
【0232】
【比較例3】シリケート処理をしなかったことを除い
て、実施例2と同様にして作成した。
【比較例4】Si量を多く付着させたことを除いて、実
施例2と同様にして作成した。
【0233】
【表3】
【0234】
【実施例5〜8、比較例5〜8】実施例1〜4で作成し
た異なるSi原子付着量の基板A〜D、実施例1〜4と
同様に中間層(A)を設けた。上記支持体に下記に示す
感光液(B)を塗布し120℃、1分間乾燥後、塗布量
1.0g/m2の平版印刷用原版を作成した。感光液
(B) N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/ アクリロニトリル/メタクリル酸メチル (重量平均分子量(GPC,ポリスチレン標準)50000、 重合モル比35/30/35) 2.000g クレゾールノボラック(m/p=6/4、重量平均分子量 4500、残存モノマー1.2wt%) 0.100g 赤外線吸収色素(シアニン染料A) 0.155g 無水テトラヒドロフタル酸 0.190g エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシナフタレン スルホン酸に変えたもの 0.050g フッ素系界面活性剤 (F−176、大日本インキ化学工業(株)製) 0.035g 3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン ヘキサフルオロ ホスフェート 0.030g メチルエチルケトン 12.0g 1−メトキシ−2−プロパノール 12.0g γ−ブチロラクトン 24.0g
【0235】[露光・現像処理]平版印刷版をCREO
社プレートセッター Trendsetter 3244 F(192チャ
ンネルのマルチムービー搭載)で画像露光(2400dp
i)する前に、各種パラメーター(Sr, Sd, bmslope, bm
curve)の調整を行った。次に、ドラム回転数を150
rpmに固定して出力を3〜6Wまで焼く10%きざみ
に段階的に変化させて全面露光し、現像した。露光部の
感光層が完全に溶出した出力値をClearとし、その2倍
の出力(9W)に設定し、露光はこの条件で行った。Qu
ark Express Ver.3.3で作成した出力画像を出力ソフトA
llegro RIPでRIP展開(リニアカーブ)し、Trendsetter
3244 Fで平版印刷版に出力した。こうして露光した平
版印刷版を実施例2と同様に現像、不感脂化処理を行っ
た。
【0236】
【比較例5】不感脂化処理浴を1浴にしたことを除い
て、実施例6と同様にして平版印刷版を作成した。
【比較例6】現像液、補充液をそれぞれB液にしたこと
を除いて、実施例6と同様にして平版印刷版を作成し
た。
【比較例7】シリケート処理をしなかったことを除い
て、実施例6と同様にして作成した。
【比較例8】Si量を多く付着させたことを除いて、実
施例6と同様にして作成した。これらの平版印刷版を実
施例1〜4と同様に評価した。結果を以下の表4に示
す。
【0237】
【表4】
【0238】
【実施例9〜12、比較例9〜12】実施例1〜4で作
成した異なるSi原子付着量を基板A〜Dに下記処方の
感光液(C)を塗布し100℃、1分間乾燥後、塗布量
1.5g/m2の感光層Cを形成した。 感光液(C) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.5g アリルメタアクリレート/メタクリル酸 2.0g (83/17質量比)光重合体、分子量10万(A) 下記 化合物1(増感染料) 0.15g 化合物2(光重合開始剤) 0.20g 化合物3(光重合開始剤) 0.40g ε−フタロシアニン/(A)分散物 0.20g メガファックF-177(大日本インキ化学工業(株)製 フッ素界面活性剤) 0.02g クペロンAL(ニトロソ化合物、和光純薬製) 0.015g プロピレングリコールモノメチルエーテル 7.5g メチルエチルケトン 9.0g
【0239】
【0240】この感光層上にポリビニルアルコール(ケ
ン化度98モル%、重合度500)の3質量%の水溶液
を乾燥塗布質量が2.5g/m2となるように塗布し、
120℃で3分間乾燥させ、光重合性平版印刷版を得
た。これらの版をハイデルベルグ社製グーテンベルグ
(SHG−YAGレーザー75mW,532nm)を用
い200μJ/cm2、2540dpi、175線/インチの
条件で1%きざみで1〜99%網点、及びベタ画像を露
光した。このように露光した平版印刷版を実施例2と同
様に現像、不感脂化処理を行った。
【0241】
【比較例9】不感脂化処理浴を1浴にしたことを除い
て、実施例10と同様にして平版印刷版を作成した。
【比較例10】現像後、補充液をそれぞれB液にしたこ
とを除いて、実施例10と同様にして平版印刷版を作成
した。
【比較例11】シリケート処理をしなかったことを除い
て、実施例10と同様にして作成した。
【比較例12】Si量を多く付着させたことを除いて実
施例10と同様にして作成した。これらの平版印刷版を
実施例1〜4と同様に評価した。結果を表5に示す。
【0242】
【表5】
【0243】いずれの実施例においても、Si原子付着
量が0.1〜8mg/m2であるアルミニウム支持体上
に感光層を設けてなる感光性平版印刷版を、露光、非還
元糖と珪酸塩以外の塩基からなる現像液で現像後、不感
脂化処理を2浴以上の処理浴で行った平版印刷版は、現
像時にカス・ヘドロを生じることなく、平版印刷版を作
成できるだけでなく、汚れ防止、耐刷性が優れていた。
一方、比較例は汚れ防止、カス・ヘドロの発生抑制を両
立できず、あるいは耐刷性が不十分であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において、アルミニウム支持体の電気化
学的な粗面化処理に用いた交流電源波形を表す図であ
る。
【図2】実施例において、アルミニウム支持体の電気化
学的な粗面化処理に用いた電解槽の構造を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA04 AA12 AB03 AC01 AD01 AD03 DA20 FA16 FA28 2H096 AA06 BA01 BA09 CA03 GA08 GA09 HA02 2H114 AA04 AA10 AA14 AA23 BA01 BA10 DA03 DA04 DA27 DA28 DA34 DA42 DA43 DA46 DA52 DA53 DA55 DA59 DA60 EA03 EA05 GA01 GA05 GA22

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si原子付着量が0.1〜8mg/m2であ
    るアルミニウム支持体上に感光層を設けてなる感光性平
    版印刷版を、露光し、非還元糖及び塩基(但し珪酸塩を
    除く)を含む現像液で現像後、不感脂化処理を2浴以上
    の処理浴で行うことを特徴とする感光性平版印刷版の処
    理方法。
JP2000177810A 2000-06-14 2000-06-14 感光性平版印刷版の処理方法 Pending JP2001356494A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000177810A JP2001356494A (ja) 2000-06-14 2000-06-14 感光性平版印刷版の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000177810A JP2001356494A (ja) 2000-06-14 2000-06-14 感光性平版印刷版の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001356494A true JP2001356494A (ja) 2001-12-26

Family

ID=18679346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000177810A Pending JP2001356494A (ja) 2000-06-14 2000-06-14 感光性平版印刷版の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001356494A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006062005A1 (ja) * 2004-12-09 2006-06-15 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. リソグラフィー用洗浄液及びレジストパターン形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006062005A1 (ja) * 2004-12-09 2006-06-15 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. リソグラフィー用洗浄液及びレジストパターン形成方法
US7795197B2 (en) 2004-12-09 2010-09-14 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Cleaning liquid for lithography and method for resist pattern formation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9207537B2 (en) Lithographic printing original plate
JP5301015B2 (ja) 感光性平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法
EP0949539A2 (en) Photosensitive resin composition
JP4166167B2 (ja) 感光性平版印刷版用現像液及び平版印刷版の製版方法
JP2004271985A (ja) 感光性平版印刷版用現像液及び平版印刷版の製版方法
JP2003082426A (ja) 平版印刷版用支持体および平版印刷版原版
JP2008151929A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP3795658B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
EP1552954B1 (en) Dummy plate precursor for planographic printing
JP2003080857A (ja) 平版印刷版用支持体および平版印刷版原版
JP2006018203A (ja) 平版印刷版原版
JP2001356494A (ja) 感光性平版印刷版の処理方法
JP2005091472A (ja) 感光性平版印刷版用現像液及び平版印刷版の製版方法
JP2003098657A (ja) ポジ型印刷版用原版
JP4054244B2 (ja) 画像記録材料
JP4448303B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2003048379A (ja) 平版印刷版用支持体および平版印刷版原版
JP4414733B2 (ja) 平版印刷版原版の製版条件の評価方法及び平版印刷版の品質管理方法
JP4328172B2 (ja) 感光性組成物およびそれを用いたポジ型平版印刷版原版の製造方法
JP2004109442A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2005352270A (ja) 平版印刷版原版
JP2004109427A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2007057977A (ja) 平版印刷版原版
JP2003103949A (ja) 平版印刷版用支持体及びそれを用いた平版印刷版原版
JP2001343758A (ja) 感光性平版印刷版の現像処理方法