JP2001356191A - 放射性物質乾式貯蔵設備 - Google Patents

放射性物質乾式貯蔵設備

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JP2001356191A
JP2001356191A JP2001130576A JP2001130576A JP2001356191A JP 2001356191 A JP2001356191 A JP 2001356191A JP 2001130576 A JP2001130576 A JP 2001130576A JP 2001130576 A JP2001130576 A JP 2001130576A JP 2001356191 A JP2001356191 A JP 2001356191A
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cooling
storage
storage tube
slab
radioactive substance
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JP2001130576A
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Tsuneyasu Yamanaka
庸靖 山中
Masami Matsuda
将省 松田
Hidetoshi Kanai
秀俊 金井
Takao Ganda
孝雄 雁田
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で、収納管軸方向の温度分布をより
均一化する。 【解決手段】水平仕切り壁部10が、天井スラブ9と床
スラブ8との間に配置される。複数のキャニスタ2をそ
れぞれ収納する多数の収納管6が、天井スラブ9に吊り
下げられ、水平仕切り壁部10を貫通し床スラブ8に向
かって伸びる。水平仕切り壁部10と天井スラブ9との
間に、水平仕切り壁部10と床スラブ8との間にそれぞ
れ冷却通路が形成される。各冷却通路内を流れる冷却空
気が、収納管6を冷却する。入口ダクト19は、外部か
ら取り込んだ空気を各冷却通路に供給される。各冷却通
路から排出された空気は、空気排出ダクト12より外部
に排気される。水平仕切り壁部10は、下方の冷却通路
内で加熱された冷却ガスを上方の冷却通路内に上昇する
ことを著しく抑制する。従って、上記の課題を達成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射性物質乾式貯蔵設
備に係り、特に、原子力発電所から発生する使用済燃料
等の放射性物質等の高レベル放射性物質を貯蔵するのに
好適な放射性物質乾式貯蔵設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済燃料集
合体を再処理した後の残渣である高レベル放射性物質
は、ガラス固化体としてキャニスタに詰められ安定化さ
れた後、放射性物質乾式貯蔵庫にて長期間保管される。
この放射性物質乾式貯蔵庫は、特開平2−17500号公報に
見られるように、キャニスタ貯蔵室内に多数の円筒状鋼
製スリーブ(収納管)を配置し、これらの収納管は内部に
複数のキャニスタを段積可能なだけの長さを有してい
る。キャニスタ内のガラス固化体からの崩壊熱は、鋼製
スリーブの上端部を保持する天井スラブとこの天井スラ
ブの下方に位置し鋼製スリーブの下端部を保持する床ス
ラブとの間に形成される冷却空気通路内を流れる空気に
よって冷却される。冷却空気通路内に導かれる冷却空気
は、放射性物質乾式貯蔵庫外から取り込まれた外気であ
る。冷却空気の供給は、自然換気により行われる。
【0003】実開昭62−22600 号公報に示された放射性
物質乾式貯蔵庫も、また、特開平2−17500 号公報と同
様に、高レベル放射性物質のガラス固化体を収納した複
数のキャニスタを、有底筒状ピット(収納管)内に段積み
して収納することを開示する。この有底筒状ピットの上
端部は上スラブその下端部は上スラブの下方に位置する
下スラブに保持される。冷却空気が流れる冷却用流路が
有底筒状ピットを取り囲んでその周囲に配置される。有
底筒状ピット内のガラス固化体から発生する崩壊熱は、
冷却用流路内を上方に向かって流れる空気により冷却さ
れる。冷却用流路内への冷却空気の供給は、自然換気で
ある。
【0004】特開平3−273193 号公報に示された放射性
物質乾式貯蔵庫は、使用済燃料集合体を収納したキャニ
スタを収納管内に複数段積みしている。放射性物質乾式
貯蔵庫外から取り入れた冷却空気を上方に導く冷却用流
路が、実開昭62−22600 号公報と同様に、収納管を取り
囲む外管との間で収納管の周囲に形成される。収納管は
天井スラブにより保持される。その冷却用流路内への冷
却空気の供給は、自然換気である。更に、収納管内に外
気をブロアにより吸引して収納管内に導く強制換気手段
が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】放射性物質乾式貯蔵庫
の敷地面積を少なくするためには、前述した各公開公報
に示されているように、収納管内に複数のキャニスタを
段積みすればよい。キャニスタの段積み数を更に増やせ
ば、それだけ放射性物質乾式貯蔵庫の敷地面積を減少で
きる。
【0006】しかしながら、特開平2−17500号公報に示
された放射性物質乾式貯蔵庫では、キャニスタの段積み
数を更に増やすことにより、冷却空気通路の上部の温度
が上昇する。すなわち、天井スラブと床スラブとの間に
形成された水平方向に伸びる冷却空気通路内を流れる冷
却空気が、キャニスタ内の放射性物質の崩壊熱を除去す
ることによって加熱される。この加熱された冷却空気
が、冷却空気通路の上部に向かって上昇する。このた
め、冷却空気通路の上部の温度が上昇する。これは、収
納管上部に位置するキャニスタ内の放射性物質の冷却を
抑制することにつながり、収納管内におけるキャニスタ
の段積み数の増加を制限する。
【0007】実開昭62−22600 号公報及び特開平3−273
193 号公報のように、収納管の周囲を環状体で取り囲み
収納管と環状体との間に形成され冷却空気を上方に導く
冷却用通路を形成した場合には、冷却用通路の圧力損失
は、その流路面積が小さいことから収納管内におけるキ
ャニスタの段積み数が増えるほど大きくなる。このよう
な圧力損失の増加は、冷却用通路内への冷却空気の流入
量を減少させる。特に、その冷却空気の供給はブロア等
を用いて強制的に行われず自然力を用いて行われるの
で、圧力損失の増加が冷却空気の供給量の低下に大きく
影響する。従って、圧力損失の増加は、キャニスタの段
積み数の増加を抑制する方向に作用する。また、それぞ
れの収納管の周囲に環状の冷却用通路を形成するために
上記環状体を設ける必要があるので、実開昭62−22600
号公報及び特開平3−273193 号公報に示された放射性物
質乾式貯蔵庫は、特開平2−17500号公報に示されたそれ
よりも複雑な構造になる。
【0008】本発明の目的は、簡単な構造で、収納管軸
方向における温度分布をより均一化できる放射性物質乾
式貯蔵設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴は、第1スラブと前記第2スラブとの間に形成
される冷却ガス通路を上下方向において複数の冷却通路
に分離し、各収納管が貫通する仕切り部材と、その仕切
り部材によって分離されて形成された複数の冷却通路に
外部から取り込まれた空気を供給する1つの入口ダクト
と、その複数の冷却通路から排出された空気を外部に排
出する1つの空気排出ダクトとを備えたことにある。
【0010】好ましい第1実施形態の特徴は、各冷却通
路の高さがキャニスタの高さと実質的に等しいことにあ
る。
【0011】好ましい第2実施形態の特徴は、第2スラ
ブに設けられて収納管の下端部の周囲に位置し、収納管
の下端部の横方向振動を制限する振れ止め手段を備えた
ことにある。
【0012】好ましい第3実施形態の特徴は、仕切り部
材と収納管との間に間隙を形成したことにある。
【0013】好ましい第4実施形態の特徴は、収納管の
下端と第2スラブとの間に、収納管の軸方向の熱膨張を
少なくとも吸収できる空間を形成することにある。
【0014】好ましい第5実施形態の特徴は、収納管は
仕切り部材及び振れ止め手段に対向する部分にそれぞれ
パッドを備えることによって達成できる。
【0015】好ましい第6実施形態の特徴は、仕切り部
材と収納管とに取り付けられ、収納管の水平方向の振動
を抑制する変形可能な支持部材を備えることにある。
【0016】好ましい第7実施形態の特徴は、仕切り部
材が断熱材で構成されていることにある。
【0017】好ましい第8実施形態の特徴は、収納管内
でその軸方向に収納された複数のキャニスタ間に対流抑
制部材を配置したことにある。
【0018】好ましい第9実施形態の特徴は、仕切り部
材は各々の収納管に設けられた仕切り要素で構成される
ことにある。
【0019】好ましい第10実施形態の特徴は、各々の
冷却通路にそれぞれ冷却ガスの流量を調節する流量調節
手段を設けたことにある。
【0020】好ましい第11実施形態の特徴は、収納管
の横断面の形状が多角形であり、その横断面の角部が冷
却通路の入口方向に向かって配置されることにある。
【0021】好ましい第12実施形態の特徴は、収納管
の横断面が四角形及び六角形のいずれかであることにあ
る。
【0022】好ましい第13実施形態の特徴は、収納管
内に収納されるキャニスタの横断面が、収納管の横断面
の形状と実質的に相似形をしていることにある。
【0023】好ましい第14実施形態の特徴は、冷却通
路内で収納管の間を移動し、収納管の外面の保守点検を
保守点検手段を備えたことにある。
【0024】好ましい第15実施形態の特徴は、各冷却
通路の入口と大気雰囲気とを連絡する冷却空気取入口ピ
ットに、冷却空気取入口ピット内を清掃する手段を設け
たことにある。
【0025】好ましい第16実施形態の特徴は、上部が
開放され内部に放射性物質が収納される容器部と、容器
部の上端部を密封する蓋部とを備えたキャニスタにおい
て、容器部及び蓋部の横断面が多角形をしていることに
ある。
【0026】好ましい第17実施形態の特徴は、容器部
及び蓋部の材質が硼素添加合金であることにある。
【0027】
【作用】本発明は、第1スラブと第2スラブとの間に仕
切り部材を配置しているので、仕切り部材によって形成
される各冷却通路内で冷却ガスが移動することになり、
仕切り部材より下方の冷却通路内で加熱された冷却ガス
が仕切り部材より上方の冷却通路内に上昇することを著
しく抑制する。このため、仕切り部材より上方の冷却通
路内における冷却ガスの温度上昇が抑制されるので、こ
の上方の冷却通路内でも収納管の冷却が効率良く行われ
る。従って、仕切り部材を配置するという簡単な構造
で、収納管軸方向における温度分布をより均一化でき
る。特に、特開平2−17500号公報に示す放射性物質乾式
貯蔵設備よりもキャニスタの段積み数を更に増加でき
る。
【0028】第1実施形態は、各冷却通路の高さがキャ
ニスタの高さと実質的に等しいので、キャニスタは高さ
方向において冷却が阻害されることがなく、キャニスタ
の冷却を効率良く行える。仕切り部材がキャニスタと交
差する位置に配置された場合、冷却通路内を流れる冷却
ガスが仕切り部材と対向する収納管の部分に直接当たら
なくなり、この部分の冷却が阻害される。キャニスタが
収納管内で仕切り部材と交差する位置にある場合は、こ
の交差する部分の冷却が仕切り部材によって阻害される
ことは言うまでもない。本発明は、このような問題を解
消する。
【0029】第2実施形態は、第2スラブに収納管の下
端部の横方向振動を制限する振れ止め手段を設けている
ので、地震時における収納管の下端部の横揺れを抑制で
き、収納管の耐震性を向上できる。
【0030】第3実施形態は、仕切り部材と収納管との
間に形成された間隙を通して、仕切り部材より上方の冷
却通路にそれより下方の冷却通路から少量の冷却ガスが
流入するので、収納管の仕切り部材上面とその仕切り部
材下面との間の温度差が少なくなる。このため、収納管
の仕切り部材貫通部で生じる熱応力を緩和できる。
【0031】第4実施形態は、収納管の下端と第2スラ
ブとの間に収納管の軸方向の熱膨張を少なくとも吸収で
きる空間を形成しているので、放射性物質の崩壊熱によ
り加熱された場合でも収納管が下方に向かって伸びるこ
とができる。このため、収納管の熱膨張による下方への
伸びが拘束されることによる収納管の座屈等による損傷
を防止できる。
【0032】第5実施形態は、収納管は仕切り部材及び
振れ止め手段に対向する部分にそれぞれパッドを備える
ことによってそれらの部分の強度を増加させることがで
き、地震時における仕切り部材及び振れ止め手段との衝
突による収納管の変形を抑制できる。
【0033】第6実施形態は、仕切り部材と収納管との
間に変形可能な支持部材を配置しているので、収納管の
水平方向の振動が抑制でき、収納管の耐震性を向上でき
る。
【0034】第7実施形態は、仕切り部材が断熱材で構
成されているので、仕切り部材より下方の冷却通路内の
冷却ガスの保有する熱、特に冷却通路上部の温度の高い
冷却ガスの熱が仕切り部材より上方の冷却通路内の冷却
ガスに伝わることを抑制する。従って、仕切り部材より
上方の冷却通路内の冷却ガスの温度上昇が抑制される。
【0035】第8実施形態は、収納管内でその軸方向に
収納された複数のキャニスタ間に対流抑制部材を配置し
ているので、放射性物質の崩壊熱による加熱によって生
じる収納管内のガスの対流が1つのキャニスタが配置さ
れた領域内に制限される。このため、収納管内の上部で
の温度上昇が抑制され、収納管内の軸方向での温度分布
がより均一化できる。
【0036】第9実施形態は、仕切り部材は各々の収納
管に設けられた仕切り要素で構成されるので、放射性物
質乾式貯蔵設備自体に仕切り部材を設ける必要がないの
で、放射性物質乾式貯蔵設備の構造を単純化できる。
【0037】第10実施形態は、各々の冷却通路にそれ
ぞれ冷却ガスの流量を調節する流量調節手段を設けてい
るので、冷却通路の冷却ガス流量を流量調節手段により
調節でき、収納管の軸方向の温度分布にアンバランスが
生じた場合でも収納管の軸方向の温度分布を容易により
均一化できる。
【0038】第11実施形態は、横断面の形状が多角形
である収納管の横断面での角部が冷却通路の入口方向に
向かって配置されるので、冷却ガスの流れに対する抵抗
が少なくなり冷却通路の圧力損失を低減できる。
【0039】第12実施形態は、収納管の横断面が四角
形及び六角形のいずれかであるので、隣接する収納管の
間での縮拡流の流れの発生がなくなり冷却ガス流のよど
みが少なくなる冷却通路を形成することができる。この
ため、収納管の冷却能力を向上できる。
【0040】第13実施形態は、収納管内に収納される
キャニスタの横断面が収納管の横断面の形状と実質的に
相似形をしているので、収納管とキャニスタとの間に形
成されるギャップの幅が一様となり、放射性物質の冷却
効率を向上できる。
【0041】第14実施形態は、前記冷却通路内で前記
収納管の間を移動する保守点検手段を備えているので、
収納管の外面の保守点検が容易に行える。
【0042】第15実施形態は、各冷却通路の入口と大
気雰囲気とを連絡する冷却空気取入口ピットに冷却空気
取入口ピット清掃手段を設けているので、外部雰囲気か
ら冷却空気と共に、各冷却通路と外部雰囲気とを連絡す
る通路に入り込みこの通路内に溜った異物の除去が容易
に行える。
【0043】第16実施形態は、容器部及び前記蓋部の
横断面が多角形をしているので、横断面が多角形である
使用済燃料集合体を収納した際にキャニスタ内で無駄な
スペースを減少できる。このため、キャニスタのスペー
ス効率を高めることができる。
【0044】第17実施形態は、容器部及び蓋部の材質
が硼素添加合金であるので、容器部内に使用済燃料集合
体を収納したときの臨界管理が容易になる。
【0045】
【実施例】本発明の好適な一実施例である放射性物質乾
式貯蔵庫を図1,図2,図3、及び図4により説明す
る。
【0046】放射性物質乾式貯蔵庫38は、大部分が地
下にある外壁部13,外壁部13の底部を構成する床ス
ラブ8,床スラブ8より上方に位置した天井スラブ9,
地面45より上方に位置する外壁部47,外壁部13の
内側に位置する内壁部46、及び水平仕切り壁部10を
有する。内壁部46は、外壁部13の内側で床スラブ8
に取り付けられる。天井スラブ9及び水平仕切り壁部1
0は、内壁部46に設置される。水平仕切り壁部10
は、天井スラブ9と床スラブ8の間、具体的には中間に
位置する。外壁部47は、内壁部46の上部に設けられ
る。
【0047】キャニスタ移送室42は、天井スラブ9の
上方で外壁部47内に形成される。キャニスタ移送室4
2は、外壁部47に設置された天井部により被われてい
る。天井走行クレーン40は、キャニスタ移送室42内
に設置され、外壁部47に設けられた走行レール上に設
置される。
【0048】入口ダクト19は、外壁部13と内壁部4
6との間に形成され空気取り入れ口11により、放射性
物質乾式貯蔵庫38の外部の大気中に開口する。空気排
出ダクト12が、入口ダクト19の反対側で外壁部13
と内壁部46との間に形成される。空気排出ダクト12
は、排気筒41内の通路を介して放射性物質乾式貯蔵庫
38の外部の大気中に連絡される。
【0049】天井スラブ9より下方で内壁部46の内側
の領域は、キャニスタ貯蔵室である。内部に複数のキャ
ニスタを収納する複数の収納管6が、キャニスタ貯蔵室
内に配置される。キャニスタ貯蔵室は、水平仕切り壁部
10によって2つの冷却通路に分割される。その1つ
は、天井スラブ9と水平仕切り壁部10との間に形成さ
れる冷却通路32Aである。他の1つは、水平仕切り壁
部10と床スラブ8との間に形成される冷却通路32B
である。冷却通路32Aは、内壁部46に設けられた複
数の入口開口30Aを通して入口ダクト19に連絡さ
れ、その内壁部46と対向して設けられた複数の出口開
口31Aを通して空気排出ダクト12に連絡される。冷
却通路32Aの下方に位置する冷却通路32Bは、内壁
部46に設けられた複数の入口開口30Bを通して入口
ダクト19に連絡され、その内壁部46と対向して設け
られた複数の出口開口31Bを通して空気排出ダクト1
2に連絡される。各冷却通路32A,32Bは、図3及
び図4に示すように、外壁部13の一部であり内壁部4
6と直交する一対の側壁部36の間にある。ルーバ18
が、入口開口30A及び30B、及び出口開口31A及
び31Bにそれぞれ回転可能に設けられる。ルーバ18
は、図示されていないが、モータによって開閉される。
【0050】各収納管6は、床スラブ9から吊り下げら
れ、水平仕切り壁部10を貫通する。すなわち、各収納
管6は、冷却通路32Aを上下方向に横切って冷却通路
32B内に伸びている。環状の振れ止め16が、床スラブ
8上面に設けられる。収納管6の下端部が、振れ止め1
6内に挿入される。パッド17が、水平仕切り壁部10
及び振れ止め16と対向する位置で収納管6に設けられ
る。パッド17の部分の肉厚は、収納管6の他の部分の
それよりも厚い。天井スラブ9に吊り下げられている収
納管6は、図1のAで示すように、天井走行クレーン4
0により上方へ引き抜き可能である。収納管6の下端部
が振れ止め16内へスムースに挿入されるように、振れ
止め16の上端部内面には、ガイドの機能を有する傾斜
面が形成される。
【0051】収納管6は、横断面が円形である。収納管
6は、キャニスタ貯蔵室の水平断面において、正三角形
格子状に配置される。
【0052】水平仕切り壁部10は、収納管6が貫通す
る円形の複数の孔部を有する。これらの孔部は、収納管
6と同様な配列ピッチで正三角形格子状に配置する。中
間振れ止め15は、収納管6のパッド17と対向して水
平仕切り壁部10に設けられる。中間振れ止め15も、
収納管6の挿入時のガイドとなる傾斜面を内側に形成し
ている。間隙が、パッド17の外面と中間振れ止め15
との間に形成される。この間隙の幅は、半径方向におけ
るパッド17の熱膨張量よりも若干広い。収納管6下端
部のパッド17と振れ止め16との間に形成される間隙
の幅も、半径方向におけるパッド17の熱膨張量よりも
若干広くなっている。
【0053】保守点検用ロボットは、天井スラブ9及び
水平仕切り壁部10の下面で収納管6の間に設けられた
走行レール33に沿って走行する。保守点検用ロボット
は、走行レール33に係合した走行台車22,走行台車
22に設けられた下方に伸びる垂直ガイドレール34、
及び垂直ガイドレール34に沿って上下動する保守点検
部35を備える。
【0054】ピット20は、入口ダクト19の下端部に
設けられる。清掃ロボット21がピット21内に設置さ
れる。
【0055】高レベル放射性廃棄物を固めた固化体1,
キャニスタ2に密封した加圧水型原子炉からの大型使用
済燃料集合体3,キャニスタ2に密封した沸騰水型原子
炉からの小型使用済燃料集合体4、そしてキャニスタ2
に密封した使用済燃料集合体の解体物である使用済燃料
棒5、等の放射性物質は、収納管6内に収納され貯蔵さ
れる。収納管6は、キャニスタ2等を収納した後、上端
部を収納蓋7で密封される。収納管6は、前述したよう
に天井スラブ9から上方向に引き抜き可能であり、交換
や点検に役立つ。また、収納管6内には同一の種類の放
射性物質だけでなく、図1のBからDに例示するよう
に、各種の放射性物質を組合せて収納することも可能で
ある。断熱材である仕切り板14が、各収納管6内で段
積みされたキャニスタ2等の間に配置される。仕切り板
14の設置レベルは、水平仕切り壁部10の設置レベル
と同じである。仕切り板14は、ステンレス鋼またはセ
ラミックス等の板上ブロックを用いるとよい。仕切り板
14は、収納管6内での対流を抑制するため、キャニス
タ2及び固化体1の横方向の寸法よりも大きくなってい
る。キャニスタ2等が収納された収納管6は、上端部を
収納蓋7で密封する。
【0056】空気取り入れ口11から取り込まれた外気
は、冷却空気として入口ダクト19内を下降し、入口開
口30A,30Bを介して冷却通路32A,32B内に
流入する。各冷却通路32A,32B内に流入した冷却
空気は、収納管6の間を通過して出口開口31A,31
Bより空気排出ダクト12内に導かれる。この冷却空気
は、排気筒41内を通って放射性物質乾式貯蔵庫38の
外部に排出される。このような冷却空気の流れは、ブロ
ア等により強制的に行われるのではなく、排気筒41の
煙突効果を利用して自然に生じる。収納管6内に収納し
たキャニスタ2に収納された放射性物質の崩壊熱は、冷
却空気による自然冷却により除去される。
【0057】本実施例は、水平仕切り壁部10が天井ス
ラブ9と床スラブ8との間に配置されることにより形成
される各冷却通路32A,32B内を冷却空気が流れ
る。下方の冷却通路32B内で加熱された冷却空気は、
水平仕切り壁部10によって、上方の冷却通路32A内
に上昇することを著しく抑制される。すなわち、冷却通
路32Bの上部の暖かい冷却空気の冷却通路32A内へ
の流入による、冷却通路32A内の冷却空気の温度上昇
が抑制される。このため、この冷却通路32A内でも収
納管6の冷却が効率良く行われる。従って、本実施例
は、水平仕切り壁部10を配置するという簡単な構造
で、特開平2−17500号公報に示す放射性物質乾式貯蔵庫
よりも収納管6の軸方向における温度分布をより均一化
できる。これは、特開平2−17500号公報に示す放射性物
質乾式貯蔵設備よりもキャニスタの段積み数を更に増加
できることにつながる。水平仕切り壁部10は、上記の
ような温度分布の均一化だけでなく、地震時において、
高さ方向の中間部における収納管6の横揺れを抑制する
機能も有する。このため、収納管6の耐震強度が増大す
る。特に、中間振れ止め15は、その横揺れを抑制す
る。
【0058】各冷却通路32A,32Bのそれぞれの高
さが、キャニスタ2の高さと実質的に等しい。これは、
キャニスタ2が位置する収納管6の部分に必ず冷却空気
が接触することになり、キャニスタ2の冷却が水平仕切
り壁部10によって阻害されることがない。収納された
放射性物質の崩壊熱によって加熱されるキャニスタの冷
却が、効率良く行われる。もし、水平仕切り壁部10が
キャニスタ2と交差する位置に配置されると、冷却通路
内を流れる冷却空気が水平仕切り壁部10と対向する収
納管6の部分に直接当たらなくなり、この部分の冷却が
阻害される。
【0059】水平仕切り壁部10が断熱材であるコンク
リート製であるので、冷却通路32B内の冷却空気の保有
する熱、特に冷却通路32B上部の温度の高い冷却空気
の熱が冷却通路32A内の冷却空気に伝わることを抑制
する。従って、冷却通路32A内の冷却空気の温度上昇が
抑制され、冷却通路32A内での収納管6の冷却を効率
良く行うことができる。水平仕切り壁部10は、熱伝導
率が小さく断熱材として機能するステンレス鋼板、及び
耐震構造物と断熱物質との組合せによって構成してもよ
い。
【0060】水平仕切り壁部10に設けられた中間振れ
止め15と収納管6との間に上記のように形成された間
隙を通して、冷却通路32Aにそれより下方の冷却通路
32Bから少量の冷却空気が流入する。この冷却空気の流
れは、水平仕切り壁部10の上面に接する冷たい冷却空
気と水平仕切り壁部10下面に接する暖かい冷却空気に
よって、収納管6の水平仕切り壁部10貫通部に生じる
熱応力を緩和できる。この間隙を通る冷却空気量が多く
なると、冷却通路32A上部での温度が上昇するので、
間隙の横断面積は適切に設定する必要がある。
【0061】本実施例は、各々の冷却通路に対して入口
開口及び出口開口にそれぞれルーバ18を設けているの
で、冷却通路32A,32B内の冷却空気流量を該当す
るルーバ18の角度を調節することによりそれぞれ別に
制御できる。このため、異なる冷却通路にまたがって配
置される収納管6の軸方向の温度分布にアンバランスが
生じた場合でも、ルーバ18の角度を調節することによ
り収納管6の軸方向の温度分布を容易により均一化でき
る。図示されていないが、各冷却通路32A,32B内
の温度を測定し、この温度が設定温度になるように制御
装置が前述したモータの回転を制御し、ルーバ18の角
度を調節することも可能である。
【0062】また、金属材料が低温脆化を生じることが
知られている。放射性物質乾式貯蔵庫が北の地域に建設
された場合、厳冬期の過冷却による収納管6等の低温脆
性破壊を防ぐために、外気の取り入れ量を制限する必要
が生じる場合がある。このとき、冷却通路32Aの部分
に位置するキャニスタ2に収納された放射性物質の発熱
量と冷却通路32Bの部分に位置するキャニスタ2に収
納されたその発熱量とにアンバランスが生じたとして
も、該当するルーバ18の角度を調節することにより冷
却通路32A,32B内の冷却空気流量をそれぞれ独立
して適切に制御できる。
【0063】更に、前述した収納管6の水平仕切り壁部
10貫通部に生じる熱応力緩和のための間隙を通しての
漏洩空気流が多くなると、冷却通路32A,32B内の
冷却空気流量のバランスが不適切になる。この状態を解
消するため、冷却通路32A,32Bの開口に設けられ
たルーバ18の角度を制御することによって、一方の冷
却通路内の冷却空気流量が不足しないように調節され
る。
【0064】収納管6内で段積みされた複数のキャニス
タ2間への仕切り板14の配置は、固化体1及びキャニ
スタ2から放出される熱(放射性物質の崩壊熱)による加
熱によって生じる収納管6内のガスの対流を、1つのキ
ャニスタ2が配置された領域内に制限する。このため、
収納管6内の上部での温度上昇が抑制され、収納管6内
の軸方向での温度分布がより均一化できる。仕切り板1
4が断熱材であるので、仕切り板14を介しての熱の移
動が少なくなる。
【0065】収納管6は、放射性物質の崩壊熱による加
熱により軸方向に熱膨張する。収納管6の下端と床スラ
ブ8との間、具体的には収納管6の下端と円筒状の振れ
止め16の底面との間に、収納管6の軸方向の熱膨張を
吸収できる空間が形成されている。このため、収納管6
の熱膨張による下方への伸びが拘束されないので、収納
管6の座屈等による損傷を防止できる。
【0066】振れ止め16は、地震時における収納管6
の下端部の横揺れを抑制する。このため、収納管6の耐
震性が向上する。
【0067】収納管6は、水平仕切り壁部10及び振れ
止め16と対向する部分にそれぞれパッド17を有す
る。パッド17の形成は、それらの部分における強度を
増加させることができ、地震時における中間振れ止め1
5及び振れ止め16との衝突による収納管6の変形を抑
制できる。
【0068】空気取入口11から入口ダクト19に流入
する空気に含まれる砂塵及び飛来異物等の異物のうち比
較的大きくて重いものは、入口ダクト19の下端部に設
けられたピット20内に溜る。入口開口30A,30B
は、ピット20より上方に位置するので、それらの異物
の蓄積により閉塞しない。ピット20に設置された吸引
式の清掃ロボット21は、定期的にピット20内の清掃
を行い、ピット20に蓄積された異物を外部に排出す
る。従って、ピット20内に蓄積された異物の除去が容
易に行える。
【0069】入口ダクト19内に流入した空気に含まれ
る異物のうち埃等の比較的小さくて軽いものは、入口開
口30A,30Bを通って冷却通路32A,32B内に
流入し収納管6の外表面に付着する。これは、冷却空気
による収納管6の冷却効率を低下させることになる。従
って、収納管6に付着した異物の除去が必要になる。ま
た、収納管6の外表面が腐食した場合にも除熱性能が劣
化するので、収納管外表面の研磨が必要になる場合もあ
る。万が一、収納管6の腐食の進展が激しい場合には、
収納管6を溶接等で補修することが必要になる場合も考
えられる。このため、保守点検用ロボットが前述したよ
うに設けられている。保守点検用ロボットが定期的に走
行レール33に沿って走行されることによって、保守点
検部35が収納管6の外表面を点検する。収納管6に上
記の事態が生じていることが発見された場合は、保守点
検部35による保守,補修が行われる。保守点検用ロボ
ットにより収納管6の外表面の保守点検が容易に行え
る。
【0070】放射性物質を収納管6内に収納する場合
に、キャニスタ2の使用は必ずしも必要としない。しか
しながら、キャニスタ2は、核燃料物質等の放射性物質
を閉じ込める障壁として役立つ。更に、キャニスタ2の
材質として硼素添加合金、例えば硼素添加ステンレス
鋼、または硼素添加アルミニウム等を用いることによ
り、その優れた中性子吸収能力は、臨界管理に有利に作
用する。すなわち、キャニスタ2内に使用済燃料集合体
を収納したときの臨界管理が容易になる。
【0071】放射性物質の収納管6内への収納は、放射
性物質の冷却及び収納管6の軸方向の温度分布から以下
のようにするとよい。
【0072】まず、第1に、放射性物質の収納したキャ
ニスタ2、及び固化体1は、冷却通路の出口開口31
A,31B側に位置する収納管6から、順次、その入口
開口30A,30B側に位置する収納管6に向かって、
収納管6内に収納していくとよい。このため、放射性物
質乾式貯蔵庫38内に持ち込まれたばかりの発熱量の大
きな放射性物質が収納されたキャニスタ2等が、冷却通
路32A,32Bの下流側から、順次、収納管6に収納
される。従って、発熱量の大きな放射性物質は、放射性
物質が収納された収納管6のうち常に最も上流側にある
収納管6内に位置することになる。換言すれば、放射性
物質乾式貯蔵庫38内に持ち込まれたばかりの発熱量の
大きな放射性物質は、冷却通路内で最も温度の低い冷却
空気により冷却されることになる。これは、発熱量の大
きな放射性物質を冷却するにあたって非常に好都合なこ
とである。収納管6内に収納されたその発熱量の大きな
放射性物質は、温度の低い冷却空気によって効率良く冷
却される。反対に、期間の経過に伴って、冷却通路の出
口開口31A,31B側に位置する収納管6に収納され
た放射性物質は、発熱量が少なくなるので、これよりも
上流側でキャニスタを収納した収納管の冷却によって温
度が上昇した冷却空気によっても冷却が可能である。
【0073】このような貯蔵方法を採用することによ
り、収納管6の間で発熱量に応じて放射性物質を移動さ
せなくても、期間の経過に伴って、放射性物質乾式貯蔵
庫38内に持ち込まれたばかりの発熱量の大きな放射性
物質は上流側の収納管内に収納され、早い次期に放射性
物質乾式貯蔵庫38内に持ち込まれ発熱量が小さくなっ
た放射性物質は下流側の収納管内に収納されることにな
る。
【0074】第2の貯蔵方法は、潜在的に温度が高くな
りやすい収納管6の上部に、その下部に収納した放射性
物質よりも発熱量の小さな放射性物質(例えば、キャニ
スタ2に収納した状態で)を配置することである。これ
によって、収納管6上部の温度を低下させることができ
る。
【0075】これらの第1及び第2の貯蔵方法は、特開
平2−17500号公報の第1図に示すような水平仕切り壁部
10を設けていない放射性物質乾式貯蔵庫に対しても適
用できる。
【0076】キャニスタ及び収納管の他の実施例を以下
に説明する。
【0077】従来では、使用済燃料集合体を放射性物質
乾式貯蔵庫から再処理施設まで運ぶ場合に、使用済燃料
輸送キャスクへ積み替えるためにキャニスタを開封して
使用済燃料集合体を取り出さねばならない。これは、作
業量の増大につながる。この問題を解消するために、図
5に示すキャニスタ及び収納管を考えた。キャニスタ2
は、放射性物質が収納される容器部と、容器部の上端部
を密封する蓋部を有する。本実施例のキャニスタ2は、
容器部及び蓋部の横断面が正方形状をしている。このキ
ャニスタ2を収納する収納管6の横断面も、実質的に正
方形(角部はガタつき軽減のため変形させてある)であ
る。4体の小型使用済燃料集合体4が、そのキャニスタ
2内に収納できる。小型使用済燃料集合体4以外に前述
した大型使用済燃料集合体3及び使用済燃料集合体を解
体した使用済燃料棒5を収納してもよい。このようなキ
ャニスタ2は、使用済燃料輸送キャスクへそのまま装荷
するのに好適である。キャニスタ2の材質として銅また
は銅合金を用いれば、伝熱上有利となる。本実施例のキ
ャニスタ2は、横断面が正方形をしているので、使用済
燃料集合体を収納した際に内部の無駄なスペースを減少
できる。このため、キャニスタのスペース効率を高める
ことができる。本実施例は、放射性物質を収納したキャ
ニスタ2を密封したまま使用済燃料輸送用キャスク内に
装荷し放射性物質乾式貯蔵庫外に搬出するので、収納管
内の放射性物質の搬出作業を短時間に行うことができ
る。
【0078】図5の収納管6は、図6に示すごとく冷却
空気の入口方向に対して収納管横断面における角部を向
けて配置される。すなわち、収納管6は、その角部を側
壁部36に面して配置される。収納管6の横断面での角
部が冷却通路の入口方向に向かって配置されるので、冷
却空気の流れに対する収納管6の抵抗が少なくなり冷却
通路の圧力損失を低減できる。収納管の横断面が円形の
場合にはこれらの収納管の間に形成される冷却通路内で
冷却空気のよどみが生じ、冷却に寄与しない冷却空気の
流れが生じる。本実施例は、収納管6の横断面が正方形
であるので、隣接する収納管6の間に形成される冷却通
路の幅を一様にすることができる。このため、冷却空気
流のよどみが少なくなるので、収納管6の冷却能力をア
ップさせることができる。更に、キャニスタ2及び収納
管6の横断面が共に正方形と実質的に同じであるので、
収納管6とキャニスタ2との間に形成されるギャップの
幅が一様となり、放射性物質の冷却効率を向上できる。
【0079】キャニスタ2及び収納管6の横断面を六角
形にしてもよい。特に、使用済燃料集合体を解体した使
用済燃料棒5を収納する場合には、横断面が六角形のキ
ャニスタ2に密封することがコンパクト化に役立つ。こ
のようなキャニスタも、使用済燃料輸送キャスクへその
まま装荷するのが好適である。この場合、収納管6の横
断面も相似形である六角形とすることが除熱上好まし
い。横断面が六角形の収納管6は、図7に示すように、
冷却通路の冷却空気の入口方向に対して収納管横断面に
おける角部を向けて配置される。これらの収納管6は、
三角形格子状に配列される。これらの収納管6は、図7
に示すごとく三つの対角線のうち一つの対角線が他の2
つのそれよりも長くなっている。この最も長い対角線を
冷却空気の入口方向にして向け、かつ図7のb寸法をa
寸法の1.5倍ないし2.5倍にすることによって、収納
管6相互間の流路断面積が均一化され、冷却通路の圧力
損失も小さくなる。キャニスタ2及び収納管6の横断面
を六角形にした場合でも、図5の実施例と同じ効果が得
られる。
【0080】図8は、図1の実施例における収納管6及
び水平仕切り壁部10付近の他の実施例を示す。本実施
例は、収納管6に設けられたパッド17と水平仕切り壁
部10の間にベローズ24を設けたものである。ベロー
ズ24は、収納管6に接合されており、冷却空気の漏洩
を防ぐと共に地震時の横方向振動を吸収できる。この構
造は、収納管6に発生する熱応力が小さく、収納管6と
水平仕切り壁部10との間の間隙を通しての冷却空気の
漏洩防止が上下の冷却通路間の除熱バランスの確保に役
立つ場合に適用される。本実施例は、収納管6の水平方
向における振動を抑制でき、収納管6の耐震性を向上で
きる。
【0081】図9は、本発明の他の実施例である放射性
物質乾式貯蔵庫を示す。本実施例は、図1の実施例の構
造のうち、床スラブ8,天井スラブ9及び水平仕切り壁
部10を実質的に複数の要素に分割しこれらの要素を収
納管6に設けたものである。本実施例の他の構造は、図
1の実施例のそれと同じである。
【0082】本実施例で用いる収納管6は、軸方向に床
スラブ要素25,仕切り壁要素27及び天井スラブ要素
26を有する。このような要素を有する収納管6は、床
スラブ要素25,仕切り壁要素27及び天井スラブ要素
26が互いに隣接するように建屋床28の上に設置され
る。図10は、本実施例の斜視図を示す。本実施例で
は、収納管6が正三角形格子状に配列されることから、
床スラブ要素25,仕切り壁要素27及び天井スラブ要
素26は六角形状をしている。しかし、収納管6が正方
格子状に配列される場合にはそれらの要素は四角形状と
なる。本実施例は、図1の実施例に比べて放射性物質乾
式貯蔵庫の構造を単純化できる。
【0083】図5に示す構造を適用した放射性物質乾式
貯蔵庫の他の実施例を図11に示す。本実施例は、横断
面が正方形状をした収納管6を取り囲む外筒29を設
け、収納管6と外筒29との間に収納管6の軸方向に伸
びる冷却通路を形成する。本実施例は、実開昭62−2260
0 号公報の第1図に示す放射性物質乾式貯蔵庫において
キャニスタ及び収納管を本実施例の図11の構造にした
ものである。本実施例で用いるキャニスタ2は、使用済
燃料輸送キャスクへそのまま装荷でき、内部に4体の小
型使用済燃料集合体4を収納できる。外筒29も、相似
形である正方形を採用し正方格子状に配列される。外筒
29は、横断面を六角形状とし、三角形状に配列するこ
とも可能である。このキャニスタ2は、大型使用済燃料
集合体3及び使用済燃料集合体を解体した使用済燃料棒
5を収納することができる。
【0084】また、図12に例示するように隣接する外
筒29同士を一体化し、隣接する冷却空気が軸方向に流
れる冷却通路が一重の壁で仕切られるようにしてもよ
い。このような構造は、冷却空気による冷却に必要な冷
却通路の流路面積を確保した上で、放射性物質乾式貯蔵
庫のコンパクト化を図ることができる。また、図1の実
施例と同様に、発熱量の低い放射性物質を収納管6の上
部に収納することが、キャニスタ及び使用済燃料被覆管
の最高温度を低く保つために好適である。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、仕切り部材より上方の
冷却通路内における冷却ガスの温度上昇が抑制されるの
で、この上方の冷却通路内でも収納管の冷却が効率良く
行われる。従って、仕切り部材を配置するという簡単な
構造で、収納管軸方向における温度分布をより均一化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である放射性物質乾式
貯蔵庫の縦断面図である。
【図2】図1のキャニスタ貯蔵室付近の拡大縦断面図で
ある。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図1のキャニスタ及び収納管の他の実施例の横
断面図である。
【図6】図5の収納管の配列状態を示す説明図である。
【図7】収納管の他の実施例の配列状態を示す説明図で
ある。
【図8】図1の水平仕切り壁部及び収納管付近の他の実
施例の縦断面図である。
【図9】本発明の他の実施例である放射性物質乾式貯蔵
庫の縦断面図である。
【図10】図9の収納管の斜視図である。
【図11】本発明の他の実施例である放射性物質乾式貯
蔵庫の縦断面図である。
【図12】本発明の他の実施例である放射性物質乾式貯
蔵庫の縦断面図である。
【符号の説明】
2…キャニスタ、6…収納管、8…床スラブ、9…天井
スラブ、10…水平仕切り壁部、12…空気排出ダク
ト、13…外壁部、14…仕切り板、16…振れ止め、
17…パッド、18…ルーバ、19…入口ダクト、21
…ピット清掃用ロボット、30A,30B…入口開口、
31A,31B…出口開口、32A,32B…冷却通路、
35…保守点検部、38…放射性物質乾式庫、46…内
壁部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 将省 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 金井 秀俊 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 雁田 孝雄 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1スラブ,前記第1スラブよりも下方に
    位置しこの第1スラブとの間に冷却ガスが流れる通路を
    形成する第2スラブと、前記第1スラブに設置されて前
    記冷却ガス通路内を前記第2スラブに向って伸び、内部
    に放射性物質が収納されたキャニスタを収納する複数の
    収納管と、前記第1スラブと前記第2スラブとの間に配
    置されて前記冷却ガス通路を上下方向において複数の冷
    却通路に分離し、前記各収納管が貫通する仕切り部材
    と、前記仕切り部材によって分離された前記複数の冷却
    通路に外部から取り込まれた空気を供給する1つの入口
    ダクトと、前記複数の冷却通路から排出された空気を外
    部に排出する1つの空気排出ダクトとを備えたことを特
    徴とする放射性物質乾式貯蔵設備。
  2. 【請求項2】前記各冷却通路の高さは、前記キャニスタ
    の高さと実質的に等しい請求項1の放射性物質乾式貯蔵
    設備。
  3. 【請求項3】前記第2スラブに設けられて前記収納管の
    下端部の周囲に位置し、前記収納管の下端部の横方向振
    動を制限する振れ止め手段を備えた請求項1の放射性物
    質乾式貯蔵設備。
  4. 【請求項4】前記仕切り部材と前記収納管との間に間隙
    を形成した請求項1の放射性物質乾式貯蔵設備。
  5. 【請求項5】前記収納管の下端と前記第2スラブとの間
    に、前記収納管の軸方向の熱膨張を少なくとも吸収でき
    る空間を形成した請求項1または3の放射性物質乾式貯
    蔵設備。
  6. 【請求項6】前記収納管の水平方向の振動を抑制する変
    形可能な支持部材を前記仕切り部材と前記収納管との間
    に配置した請求項1の放射性物質乾式貯蔵設備。
  7. 【請求項7】前記仕切り部材が断熱材で構成されている
    請求項1,3,4または5の放射性物質乾式貯蔵設備。
  8. 【請求項8】前記各冷却通路は地下に設けられ、前記各
    冷却通路の入口及び出口は、地上の大気雰囲気と連通し
    ている請求項1の放射性物質乾式貯蔵設備。
  9. 【請求項9】各々の前記冷却通路にそれぞれ冷却ガスの
    流量を調節する流量調節手段を設けた請求項1の放射性
    物質乾式貯蔵設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019015700A (ja) * 2017-07-11 2019-01-31 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 キャスク用架台、キャスク貯蔵構造、およびキャスク貯蔵方法
CN110534218A (zh) * 2019-09-12 2019-12-03 中广核工程有限公司 核电厂乏燃料卧式贮存模组

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