JP2016090408A - 原子炉格納容器 - Google Patents

原子炉格納容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2016090408A
JP2016090408A JP2014225666A JP2014225666A JP2016090408A JP 2016090408 A JP2016090408 A JP 2016090408A JP 2014225666 A JP2014225666 A JP 2014225666A JP 2014225666 A JP2014225666 A JP 2014225666A JP 2016090408 A JP2016090408 A JP 2016090408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
containment vessel
heat
layer
reactor containment
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014225666A
Other languages
English (en)
Inventor
政隆 日高
Masataka Hidaka
政隆 日高
正 藤井
Tadashi Fujii
正 藤井
健 酒井
Takeshi Sakai
健 酒井
直久 綿引
Naohisa Watabiki
直久 綿引
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2014225666A priority Critical patent/JP2016090408A/ja
Publication of JP2016090408A publication Critical patent/JP2016090408A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

【課題】炉心溶融あるいは原子炉圧力容器の破損等のシビアアクシデント発生時においても、燃料デブリによる加熱に対し、健全性を確保し得る原子炉格納容器を提供する。【解決手段】原子炉格納容器は、複数体の燃料集合体を装荷する炉心を内包する原子炉圧力容器1、原子炉圧力容器1を下方より支持する筒状のペデスタルと、ペデスタルにより画定される原子炉格納容器下部区画2を備える。ペデスタルは、径方向に内側より順次配される少なくとも、第一層、第二層及び第三層からなる多層構造を有し、第一層は反射材7、第二層は耐熱材8、第三層はコンクリート材3であって、原子炉格納容器下部区画2内の燃料デブリ6によるペデスタルへの熱負荷を低減する。【選択図】図2

Description

本発明は、原子炉格納容器における冷却技術に係り、特に、極めて稀ではあるが、万が一発生する原子炉のシビアアクシデント時に、溶融した炉心の熱負荷によって原子炉圧力容器が破損し、炉心溶融物である燃料デブリが原子炉格納容器の下部区画に落下する事象を想定した場合に、原子炉格納容器の耐力、健全性を確保し破損防止に好適な原子炉格納容器に関する。
地震、風水害、火災等で外部電源が喪失した場合に備え、原子炉力プラントでは、非常用炉心冷却系が非常用発電機で稼動し、炉心の溶融防止に十分な冷却水を炉心に供給する構造を有する。しかし、万が一、非常用炉心冷却系が機能せず炉心が溶融するようなシビアアクシデントが発生すると、炉心溶融物である燃料デブリが原子炉圧力容器の底部に落下し、更に、原子炉圧力容器が破損して原子炉格納容器下部区画の床面に炉心溶融物が落下するケースも想定される。このようなシビアアクシデントにおいても、原子炉格納容器の損傷を回避し、核分裂生成物の放散を防止する必要がある。
このため、原子炉格納容器は鋼製あるいはコンクリート製であり、その底部にコンクリートのベースマットが敷かれ、ペデスタル構造のコンクリート側壁によって原子炉圧力容器が支持される。このコンクリート側壁や構造壁によって仕切られた格納容器下部区画は、万が一のシビアアクシデントに対して燃料デブリによる熱負荷に加えて、例えば地震やその余震の発生も考慮し、強度を保持する必要がある。
燃料デブリが原子炉格納容器下部区画の床面に落下した際に熱負荷を受ける部位の一つとして、コンクリート床面の他に、原子炉圧力容器を支持するコンクリート側壁も重要である。コンクリート床面に拡がる燃料デブリがコンクリート側壁に到達しない場合においても、燃料デブリ表面からの輻射熱でコンクリート側壁は加熱される。また、燃料デブリがコンクリート側壁に到達した場合、接触面の高さは側壁の下端から数10センチメートルと想定されるが、更にその上方の側壁も輻射熱により加熱され、コンクリート材が脱水、分解され、側壁上方の全域に亘って脆化する可能性がある。
高温の燃料デブリの輻射熱伝達に対し、原子炉圧力容器を支持するコンクリート側壁の破損を防止する技術として、特許文献1が提案されている。特許文献1では、コンクリート床面上の燃料デブリからペデスタルを構成するコンクリート側壁に向かう輻射熱を遮る反射部材を、原子炉格納容器内に配置する。また、コンクリート床面上に、燃料デブリを受け止める耐熱壁を有するコアキャッチャーを設け、その耐熱壁の内側に輻射熱反射板材を取り付ける構造が開示される。
特開2013−7574号公報
"室内環境計画",建築学大系22,彰国社(昭和44年) D.J.Green,R.H.J.Hannink,M.V.Swain,"TRANSFORMATIN TOUGHENING of CERAMICS",CRC PRESS.(1989) P.Patnaik,"Kandbook of InorganicChemicals."McGraw−Hill. (2002)
特許文献1では、燃料デブリからコンクリート側壁に向かう輻射熱を遮る反射部材が原子炉格納容器内に配置されているものの、燃料デブリの落下位置はシビアアクシデントの事象ごとに異なるため、コンクリート側壁防護の機能は、反射部材の配置位置に依って、不確定性が生じる。また、仮に、反射部材に燃料デブリが落下すると、この反射部材自体が融解、破損する場合も想定される。
また、特許文献1では、反射部材により反射される輻射熱を、注水管の先端部に設けられた溶融弁の溶融に用い、圧力抑制プールより注水管を介して、原子炉格納容器に冷却水を導入するものである。しかしながら、シビアアクシデントによっては、圧力抑制プールが破損し、冷却水の導入が困難となる可能性が生じ得る。
そこで、本発明は、万が一、炉心溶融あるいは原子炉圧力容器の破損等のシビアアクシデント発生時においても、燃料デブリによる加熱に対し、健全性を確保し得る原子炉格納容器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の原子炉格納容器は、複数体の燃料集合体を装荷する炉心を内包する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を下方より支持する円筒状のペデスタルと、前記ペデスタルにより画定される格納容器下部区画空間部を備え、前記ペデスタルは、前記格納容器下部区画空間部より径方向に、内側より順次配される少なくとも、第一層、第二層及び第三層からなる多層構造を有し、前記第一層は前記第二層より反射率の高い反射材、前記第二層は前記第一層より融点の高い耐熱材、前記第三層はコンクリート材であって、前記格納容器下部区画空間部内の燃料デブリによる、前記ペデスタルへの熱負荷を低減可能とすることを特徴とする。
本発明によれば、万が一、炉心溶融あるいは原子炉圧力容器の破損等のシビアアクシデント発生時においても、燃料デブリによる加熱に対し、健全性を確保し得る原子炉格納容器を提供できる。
例えば、燃料デブリが原子炉格納容器のコンクリート床面に拡がる等のシビアアクシデントが生じた場合においても、燃料デブリからの輻射熱によるコンクリート側壁の脱水、分解による脆化を防止できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
沸騰水型原子力プラントの概略構成図である。 本発明の一実施例に係る実施例1の原子炉格納容器の縦断面図である。 本発明の実施例1に係る原子炉格納容器の縦断面図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の原子炉格納容器の縦断面図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3の原子炉格納容器の縦断面図である。 図5に示す反射材、耐熱材及びコンクリート材よりなる側壁の横断面図である。 図5に示す反射材、耐熱材及びコンクリート材よりなる側壁の横断面図である。 図5に示す反射材、耐熱材及びコンクリート材よりなる側壁の横断面図である。 本発明の他の実施例に係る実施例4の原子炉格納容器の縦断面図である 本発明の他の実施例に係る実施例5の原子炉格納容器の縦断面図である。 図10に示す反射耐熱材パネルの正面図及び横断面図である。 本発明の他の実施例に係る実施例6の原子炉格納容器の縦断面図である。 図12に示す反射材、耐熱材及びコンクリート材よりなる側壁の横断面図である。
本発明の実施形態に係る原子炉格納容器は、沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)、改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)、及び加圧水型原子炉(Pressuried Water Reactor:PWR)等の軽水炉、高速増殖炉(Fast Breeder Reactor:FBR)等の高速炉(Fast Reactor:FR)、及び新型転換炉(Advanced Thermal Reactor:ATR)等の各種原子炉の原子炉格納容器として適用可能である。以下では、これら各種原子炉のうち、一例としてBWRへ本発明の実施形態に係る原子炉格納容器を適用する場合を例に説明するが、これに限られるものではなく、また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の変形が可能である。
図1に、本発明の一実施形態に係る原子炉格納容器が適用される沸騰水型原子力プラントの概略構成図を示す。原子力プラント40は、原子炉49及び原子炉格納容器41を備えている。原子炉格納容器41は、原子炉建屋42内に設置されて、上端部に原子炉格納容器上蓋43が取り付けられて密封されている。原子炉格納容器41は、内部に形成されたドライウェル44、及び冷却水が充填された圧力抑制プールが内部に形成された圧力抑制室(ウェットウェル)45を有する。ドライウェル44に連絡されるベント通路46の一端が、圧力抑制室45内の圧力抑制プールの冷却水中に浸漬されている。原子炉格納容器上蓋43の真上に複数に分割された放射線遮蔽体であるシールドプラグ47が配置され、これらのシールドプラグ47が、原子炉建屋42の運転床67に設置されている。
原子炉建屋42には、原子炉格納容器41が内部に設置されており、この原子炉格納容器41の上部には、原子炉停止時に原子炉圧力容器1の蓋を開けて燃料集合体56を取り出し、隣接する使用済燃料プール66へ移す際に通すプールであって、放射線の遮蔽等のために水を張るための原子炉ウェル64が設けられている。なお、燃料集合体56の取り出し及び使用済燃料プール66への移送は、燃料交換機68にて行われる。更に、この原子炉ウェル64を挟み込むように、ドライヤ・セパレータプール65及び使用済みの燃料を一時的に保管する使用済燃料プール66が設けられている。ドライヤ・セパレータプール65は、定期検査時に蒸気乾燥器52や気水分離器51といった炉内構機器を仮置きする場所として使われる。
原子炉49、原子炉圧力容器上蓋48が取り付けられて構成される原子炉圧力容器1、核燃料物質を含む複数の燃料集合体56が装荷された炉心50、蒸気乾燥器52及び気水分離器51を備えている。炉心50、蒸気乾燥器52及び気水分離器51は原子炉圧力容器1内に配置される。原子炉圧力容器1内に設置された炉心シュラウド55が、炉心50を取り囲んでいる。炉心50内に装荷された各燃料集合体56は、下端部が炉心支持板57によって支持され、上端部が上部格子板58によって保持される。気水分離器51は炉心50の上端部に位置する上部格子板58よりも上方に配置され、蒸気乾燥器52が気水分離器51の上方に配置される。ここで、燃料集合体56は、図示しない核燃料物質として例えばMOX燃料のペレットを、ステンレス製の被覆管内にその軸方向に複数充填された燃料棒を有する。複数の燃料棒を横断面四角形状のチャンネルボックス内に正方格子状に配列して燃料集合体56が形成されている。
複数の制御棒案内管59が炉心50の下方に配置され、複数の制御棒案内管59を含むサポートシリンダが形成されている。炉心50内の燃料集合体56間に出し入れされて原子炉出力を制御する制御棒60が、各制御棒案内管59内に配置されている。複数の制御棒駆動機構ハウジング5が、原子炉圧力容器1の下鏡61に取り付けられている。制御棒駆動機構(図示せず)が、それぞれの制御棒駆動機構ハウジング5内に設置され、制御棒案内管59内の制御棒60と連結されている。原子炉圧力容器1内に設置された蒸気乾燥器52、気水分離器51、炉心シュラウド55、上部格子板58、炉心支持板57、サポートシリンダ、制御棒案内管59、炉心シュラウド下部胴は、炉内構造物である。
原子炉圧力容器1は、原子炉格納容器41内の底部に設けられた格納容器床4上に設けられた筒状のペデスタル62上に据え付けられている。筒状のγ線遮蔽体63が、ペデスタル62の上端に設置され、原子炉圧力容器1を取り囲んでいる。
以下、本明細書では、ペデスタル62の内壁面により画定される区画、すなわち、空間を原子炉格納容器下部区画と呼称する。筒状のペデスタル62の縦断面図において、ペデスタル62を、側壁あるいは、ペデスタル62の構成部材であるコンクリート材と呼称する。また、ペデスタル62の内壁面によって画定される区画である原子炉格納容器下部区画内において、中央を内側、また、中央からペデスタル62の外壁面へと向う径方向外壁面側を外側と定義する。
以下、炉心溶融あるいは原子炉圧力容器1の破損等のシビアアクシデント発生時を想定し、ペデスタル62の構造を主として、図面を参照し実施例を説明する。なお、図1に示すように、ペデスタル62の周囲は、ドライウェル44により取り囲まれている。
図2は、本発明の一実施例に係る実施例1の原子炉格納容器41の縦断面図である。図2では、図1に示す原子炉圧力容器1の底面付近、ペデスタル62及び原子炉格納容器41の格納容器床4の部分拡大縦断面図であり、一点鎖線矢印は燃料デブリ6による輻射熱の進行方向を示し、点線矢印は気体(気相)の通流方向を示している。
複数体の燃料集合体56を装荷する炉心50を内包する原子炉圧力容器1は、上述のとおり原子炉格納容器41の内部に配置される。原子炉格納容器下部区画2を画定する側壁36(ペデスタル62)は、格納容器床4の上方に設けられた原子炉圧力容器1の支持構造物であり、原子炉圧力容器支持部材14によって原子炉圧力容器1は側壁36に固定される。原子炉圧力容器1と側壁36の間には間隙17が存在し、原子炉格納容器41の上部空間と連通している。原子炉圧力容器1の下部に、制御棒駆動機構ハウジング5が位置している。本図では、制御棒駆動機構ハウジング5の具体的記載を省略し、原子炉格納容器下部区画2内における配置領域のみを示している。
図2では、原子炉格納容器下部区画2を画定する側壁36が、3層構造を備える例を示している。原子炉格納容器下部区画2を画定する側壁36の最内層は、正反射性材で形成される反射材7である。反射材7の外層は耐熱材8であり、これら反射材7と耐熱材8との間隙に流路15が形成される。流路15の上端は、原子炉格納容器下部区画2の上部に開放され、間隙17に連通している。耐熱材8の外層はコンクリート材3であり、これら耐熱材8とコンクリート材3との間隙に流路16が形成される。これら3層と流路が原子炉格納容器下部区画2の側壁36を構成する。
ここで、反射材7は、例えば、正反射性材料であるアルミ電解研磨材、ガラス鏡面金属材、銀蒸着鋼材、アルミ・ロジウム蒸着鋼材、または溶融亜鉛めっき鋼材等により形成される。各鋼材の反射率につき以下の表1に示す。表1に示す反射率は、非特許文献1等により既知のものである。
Figure 2016090408
表1に示されるように、上記各鋼材の中でも、アルミ電解研磨材、銀蒸着鋼材及び溶融亜鉛めっき鋼材は、90%を超える反射率を有する。また、耐熱材8は、例えば、ジルコニアあるいはアルミナにより形成される。非特許文献2及び非特許文献3に開示されるように、ジルコニアの融点は約2970Kであり、アルミナの融点は約2345Kである。
側壁36の内側下端には、流路15と流路16を接続して周方向に連通する下部ヘッダー12が設けられている。換言すれば、格納容器床4には、円筒状の反射材7及び耐熱材8の下端部と対応する位置に円環状の溝である下部ヘッダー12が形成されている。下部ヘッダー12は、給気管10を介して原子炉格納容器41内の気相空間である、ドライウェル44と連通している。側壁36の内側上端には、側壁36の内周面に沿って円環状に形成された溝あるいは凹部として上部ヘッダー11が設けられている。上部ヘッダー11は、給排気管9を介して流路16と原子炉格納容器41内の気相空間である、ドライウェル44と連通している。図示しないが、耐熱材8の下端は開放されているものの、下部ヘッダー12の周方向複数個所にて格納容器床4上に支持されている。同様に、反射材7、耐熱材8、及びその外側のコンクリート材3は、流路15と流路16を形成するスペーサ等を介して相互に固定され、コンクリート側壁として一体化されている。なお、ここで、流路15及び流路16を形成するため、周方向に複数設けられるスペーサは、流路15及び流路16内を通流する流体に対し流路抵抗となるため、周方向に配置するスペーサの数は少ない程望ましい。
ここで、極めて稀ではあるが万が一、非常用炉心冷却系が機能せず炉心50が溶融するようなシビアアクシデントが発生し、燃料デブリ6が原子炉圧力容器1の底部である下鏡61に落下し、更に、原子炉圧力容器1が破損した場合を想定する。
図2に示すように、原子炉圧力容器1の破損箇所から燃料デブリ13が原子炉格納容器下部区画2の床面に落下し、燃料デブリ6の塊が格納容器床4上に形成される。燃料デブリ6は、その内部に含む溶融核燃料物質による崩壊熱により内部発熱している。そのため、格納容器床4は、燃料デブリ6の熱により侵食されると共に、側壁36に向かって燃料デブリ6の輻射熱R1が放射される。燃料デブリ6からの輻射熱R1は、側壁36の反射材7に入射し、反射材7が格納容器床4に対しほぼ垂直に配置されているため、輻射熱R1は原子炉格納容器下部区画2の上方に反射される。これにより、輻射熱R1は、原子炉圧力容器1の下鏡61あるいは制御棒駆動機構ハウジング5に吸収され、側壁36に代わって原子炉圧力容器1の下部あるいは制御棒駆動機構ハウシング5が温度上昇、あるいは融解することにより、その熱容量に相当する分、側壁36の熱負荷が緩和される。融解した原子炉圧力容器1あるいは制御棒駆動機構ハウジング5の構造材は、格納容器床4に落下して燃料デブリ6と混合する。しかし、原子炉圧力容器1あるいは制御棒駆動機構ハウジング5の構造材の融点は、約1700K程度であり、約2000K以上に達する燃料デブリ6の発熱温度より低い。そのため燃料デブリ6の温度が低下すると共に、単位燃料デブリ当たりの核分裂性核種密度が低下し、崩壊熱の発熱密度が減少する効果がある。
正反射性材料の反射率は、上述のとおり、アルミ電解研磨材の場合で約90〜95%、溶融亜鉛めっき鋼板で約95%程度である。従って、単純計算で輻射熱R1のうち約5〜10%が反射材7の内表面に吸収され、吸収された熱は反射板7の外表面へと伝達され、反射材7の温度が上昇する。反射板7の外表面温度の上昇により流路15内の気相温度が上昇し、熱膨張により気相(気体)の密度が低下する。これにより、原子炉格納容器41内の気相空間であるドライウェル44と流路15との間に自然循環力が生じる。この自然循環力により、比較的低温のドライウェル44内の気体が冷却気体G1として、給気管10及び下部ヘッダー12を介して流路15内に流入する。この冷却気体G1によって、反射材7の外表面が冷却され、反射材7に吸収された輻射熱R1の一部が除熱される。また、下部ヘッダー12には、給排気管9及び流路16を介して冷却気体G2も流入する。反射材7の冷却に供された冷却気体G3は、間隙17を通り原子炉格納容器41の上部空間へ流出する。このように、反射板7により、燃料デブリ6からの輻射熱R1による側壁36の破損あるいは融解が抑制される。
次に、ドライウェル44から流入する冷却気体G1,G2による冷却が不足し、反射材7が温度上昇し融解するケース、又は燃料デブリ6が反射材7に接触(付着)し直接加熱により反射材7が融解するケースを、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の実施例1に係る原子炉格納容器41の縦断面であり、輻射熱R1により反射材7が融解した後の状態を表している。燃料デブリ6からの輻射熱R1は、耐熱材8に入射し、耐熱材8の温度が上昇する。しかし、耐熱材8は反射材7より高い融点を有する材質(上述のジルコニアあるいはアルミナ)により形成されているため、融解するまでの尤度が大きい。耐熱材8の温度が上昇すると、耐熱材8の外表面に接する流路16内の気相温度が上昇し、気相の密度が低下する。これにより、原子炉格納容器41内の気相空間であるドライウェル44と流路16との間に自然循環力が生じる。この自然循環力により、比較的低温のドライウェル44内の気体が冷却気体G1として、給気管10及び下部ヘッダー12を介して流路16内に流入し、流路16内を通流することで耐熱材8の外表面を冷却する。耐熱材8の外表面の冷却に供された冷却気体G1は、上部ヘッダー11を介して給排気管9より、ドライウェル44へ冷却気体G3として排気される。これにより、耐熱材8の外表面が冷却され、耐熱材8の融解が防止されると共に、コンクリート材3の熱負荷が緩和される。
燃料デブリ6が反射材7に接触(付着)し、反射材7が融解するケースでは、反射材7の融解後に耐熱材8の下部が燃料デブリ6により直接加熱されることとなる。しかし、上述のとおり、給気管10を介して下部ヘッダー12より流路16内に流入する比較的低温の冷却気体G1によって耐熱材8の外表面は冷却されており、耐熱材8の融解が防止されると共にコンクリート材3の熱負荷が緩和される。また、更に、上述のとおり、自然循環力により冷却気体G1がドライウェル44より流路16内へ連続供給されることにより、流路16内を、冷却気体G1が継続して通流することにより、耐熱材8に接触(付着)する燃料デブリ6の除熱も可能となる。
本実施例によれば、燃料デブリ6からの輻射熱R1の大半が、側壁36内面(3層構造の最内層)の反射材7により上方の原子炉圧力容器1の底部(下鏡61)又は制御棒駆動機構ハウシング5へと反射される。これにより、燃料デブリ6の輻射熱R1による側壁36を構成するコンクリート材3の脱水、分解による脆化を防止できる。これにより、原子炉格納容器41の耐力、健全性を確保することが可能となる。
また、仮に、反射材7が融解した場合においても、耐熱材8により燃料デブリ6が直接コンクリート材3に接触することを防止できる。更に、耐熱材8の外表面が継続して冷却されることにより、耐熱材8の内表面に接触する燃料デブリ6は除熱され、側壁36を構成するコンクリート材3の熱負荷が緩和される。
更にまた、融解した原子炉圧力容器1あるは制御棒駆動機構ハウジング5の構造材が、燃料デブリ6に混合されることによって、燃料デブリ6の温度が低下すると共に、燃料デブリ6内に含まれる溶融核燃料物質による崩壊熱の発熱密度が減少し、格納容器床4を含む原子炉格納容器41の損傷を抑制することが可能となる。
図4は、本発明の他の実施例に係る実施例2の原子炉格納容器の縦断面図である。図2又は図3と同様の構成要素に同一の符号を付している。実施例1では、気相空間であるドライウェル44より給気管10及び給排気管9を介して冷却気体G1,G2を流路15,16内に導入する構成とした。これに対し、本実施例では、ドライウェル44(図1)内に水張りし、冷却水を流路15,16内に通流する構成とする点が実施例1と異なる。
図4に示すように、図2に示した原子炉格納容器下部区画2の構造において、原子炉格納容器41の気相空間であるドライウェル44内に水張りし、冷却水源18を形成する。反射材7と耐熱材8との間隙により形成される流路15、及び耐熱材8とコンクリート材3との間隙に形成される流路16は、弁22を備えた給水管20を介して冷却水源18に連通している。ドライウェル44内への水張り(冷却水源18の形成)は、圧力抑制室45(図1)内の圧力抑制プール水を用いても良く、圧力抑制プールとは別に冷却水プールを設け水張りする構成としても良い。
流路15の上端は、原子炉格納容器下部区画2の上部に開放されている。また、流路16の上端は、上部ヘッダー11に開放されている。上部ヘッダー11は、弁23を備えた排水排気管21を介し、原子炉格納容器41内の気相空間であるドライウェル44(冷却水源18の水面より上方の気相空間)と連通している。なお、排水排気管21の連通先は気相空間に限定されず、原子炉格納容器41内の冷却水源18の水面下と連通するよう構成しても良い。
弁22は、燃料デブリ6からの加熱による原子炉格納容器下部区画2の温度上昇により自動的に開く、溶融弁タイプの自動弁である。また、弁22と直列に電源喪失時に開(ノーマルオープン)となる電動弁を設けることにより、溶融弁である弁22の誤作動を防止する構成とすることが望ましい。また、弁22に遠隔操作で開く電動弁を並列に設け、溶融弁の不作動時に原子炉の制御室(図示せず)からの操作で弁22を開く機能を備えても良い。
また、図示しないが、弁22を備えた給水管20と下部ヘッダー12を、流路15と流路16のそれぞれに独立して設けても良い。このような構成とすれば、仮に、反射材7が破損した場合であっても、流路15の欠損箇所より、冷却水(給水)L1が原子炉格納容器下部区画2へ流出することで、流路16の水頭に影響を及ぼすことを防止できる。更に、弁22を備えた給水管20と下部ヘッダー12、流路15、及び流路16を、反射材7と耐熱材8の周方向において複数分割して設ける構成としても良い。このような構成とすれば、仮に、反射材7の一部が融解しても、他の健全な反射材7の外表面に接する流路16の冷却水(給水)L1が、欠損箇所からの逆流で失われぬよう隔離できる。同様に、耐熱材8の一部が融解しても、流路16の冷却水(給水)L1が欠損箇所からの逆流で失われぬよう隔離できる。
図4では、実施例1で想定したようにシビアアクシデントが発生し、原子炉圧力容器1の破損箇所から燃料デブリ13が原子炉格納容器下部区画2の床面に落下し、燃料デブリ6の塊が格納容器床4上に形成された状態を示している。このような状態では、側壁36に向い燃料デブリ6の輻射熱R1が放射され、輻射熱R1は反射材7によって原子炉格納容器下部区画2の上方に反射される。輻射熱R1は、原子炉圧力容器1の下部(下鏡61)あるいは制御棒駆動機構ハウジング5に吸収され、側壁36に代わって原子炉圧力容器1の下部が温度上昇、あるいは融解することにより、その熱容量に相当する分、側壁36の熱負荷が緩和される。
原子炉格納容器下部区画2の温度上昇により弁22が溶融して開き、冷却水源18から冷却水(給水)L1が、流路15と流路16に流入する。実施例1で述べたように、反射材7の内表面では、輻射熱R1のうち5〜10%が吸収され、反射材7の温度が上昇する。内表面に吸収された輻射熱は、反射材7の外表面へ伝達され冷却水L1を加熱し、流路15内の冷却水温度が上昇する。その後、加熱が続くと流路15内の冷却水L1は沸騰し、冷却水と発生した蒸気の気液二相流LG2は上昇流となって、流路15の上端から原子炉格納容器下部区画2内に落下する。落下した気液二相流(排水)LG2は、燃料デブリ6及び格納容器床4に接触し、その顕熱、潜熱により燃料デブリ6及び過熱した格納容器床4を冷却する。
流路15内では、気液二相流(排水)LG2の流出と、流れが気液二相流となることによる平均密度が低下し、冷却水源18との間に水頭差が生じる。これにより、流路15内に、給水管20及び下部ヘッダー12を介して冷却水(給水)L1が流入する。この冷却水(給水)L1の供給によって、反射材7の外表面が連続的に冷却され、反射材7に吸収された輻射熱R1の一部が除熱される。
輻射熱R1が過大で冷却水(給水)L1による反射材7の冷却量を超えた場合、反射材7の外表面の熱流束が沸騰遷移点を超え、熱伝達形態が遷移沸騰から膜沸騰に遷移し、熱伝達率が低下する。これにより、反射材7の温度が上昇して図3の気体冷却の場合と同様に融解する可能性もある。その場合、冷却水源18から冷却水(給水)L1の一部が、下部ヘッダー12を介して反射材7の融解による流路15の欠損箇所から原子炉格納容器下部区画2内に流入する。流入した冷却水(給水)L1の一部は、燃料デブリ6及び格納容器床4に接触し、その顕熱、潜熱により燃料デブリ6及び過熱した格納容器床4を冷却する。
また、反射材7の一部が融解すると、その融解で欠落した空間を通過した輻射熱R1は、耐熱材8の内表面に入射し、輻射熱が吸収されて耐熱材8の温度が上昇する。耐熱材8の温度が上昇し、耐熱材8の外表面からの加熱によって流路16内の冷却水温度が上昇する。その後、加熱が続くと流路16内の冷却水L1は沸騰し、冷却水と発生した蒸気の気液二相流(排水)LG1は上昇流となって、上部ヘッダー11を介して排水排気管21から冷却水源18に戻る。なお、上部ヘッダー11を、原子炉格納容器下部区画2及び流路15に連通しておき、気液二相流(排水)LG1を、原子炉格納容器下部区画2内に戻しても良い。耐熱材8は、反射材7より反射率が低く輻射熱を多く吸収するが、融点が高いため融解し難く、気体と比較して顕熱、潜熱の大きい水による冷却によって、原子炉格納容器41の耐力、健全性を実施例1と比較しより高く確保することができる。これによって、側壁36を構成するコンクリート材3の熱負荷が緩和される。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、反射材7及び耐熱材8の除熱量を増加でき、これら反射材7及び耐熱材8の融解防止、並びに側壁36への熱負荷の軽減が可能となる。これにより、原子炉格納容器の耐力、健全性を実施例1よりも高く確保することが可能となる。
また、反射材7、耐熱材8の冷却後に残る冷却水を用いて、格納容器床4上の燃料デブリを冷却できるため、更に、原子炉格納容器41の耐力、健全性を確保できる。
図5に、本発明の他の実施例に係る実施例3の原子炉格納容器の縦断面図を示す。また、図6〜図8に、反射材7、耐熱材8及びコンクリート材3よりなる側壁36の横断面図を示す。なお、図6〜図8では説明を分かり易くするため、本来、横断面が円環状の側壁36の一部を横断面矩形状にて表している。よって、以下では、図6〜図8において「周方向」とは、各図において上下の方向に対応し、「鉛直方向」とは図面を貫通する方向に対応する。図2〜図4と同様の構成要素に同一の符号を付している。実施例1及び実施例2では、反射材7と耐熱材8との間隙、及び耐熱材8とコンクリート材3との間隙により流路を形成した。これに対し、本実施例では、反射材7及び耐熱材8内に流路を形成する点が異なる。
図5では、図2に示した原子炉格納容器下部区画2の構造において、反射材7と耐熱材8の間隙、及び耐熱材8とコンクリート材3の間隙を取り去り、反射材7、耐熱材8、及びコンクリート材3を一体構造に成形している。一体構造の成形には、例えは、反射材7及び耐熱材8の構成材料と同一の材料で形成された粒子(粒子径小)を、反射材7と耐熱材8との間、耐熱材8とコンクリート材3との間に介在させ、反射材7及耐熱材8を貫通するようコンクリートネジにて、コンクリート材3に締結し固定することで成形できる。なお、一体構造の成形法は、これに限らず、他の方法を用いても良い。
図6に示すように、反射材7と耐熱材8は、周方向に所定の間隔にて離間すると共に鉛直方向に延伸するよう形成され、冷却気体G1を通流可能とする複数の円管状流路24,25を有する。円管状流路24,25は、図5に示す下部ヘッダー12と、反射材7の上端及び耐熱材8の上端を連通する。給気管10より流入する冷却気体(給気)G1は、下部ヘッダー12を介して反射材7と耐熱材8内部を冷却しながら、円管状流路24,25内を上昇する。反射材7及び耐熱材8の冷却に供された冷却気体G1は、間隙17を介し冷却気体(排気)G3として原子炉格納容器41の上部空間に流出する。
反射材7に吸収された輻射熱R1の一部は、円管状流路24内を流れる冷却気体G1に伝達され、反射材7の温度上昇が抑制される。また、輻射熱R1の一部は、反射材7と耐熱材8が接しているため、接触面を介して熱伝導により耐熱材8にも伝達され、更に、反射材7の温度上昇が抑制される。耐熱材8に伝達された熱は、円管状流路25内を流れる冷却気体G1に伝達されると共に、耐熱材8とコンクリート材3が接しているため、接触面を介して熱伝導によりコンクリート材3にも伝達され、一体構造に成形された側壁36の温度上昇が抑制される。
実施例1で述べたように、反射材7の融点は耐熱材8の融点より低い。反射材7に吸収された輻射熱R1の一部が、円管状流路24内を流れる冷却気体G1への熱伝達量、及び反射材7との接触面を介する耐熱材8への熱伝導量の和を超えると、反射材7の温度が上昇する。反射材7の温度が融点に達すると、反射材7は融解し、耐熱材8が輻射熱R1に曝される。耐熱材8は、反射率が反射材7より低いものの、融点は反射材7より高く融解し難い。また、耐熱材8は、円管状流路25内を流れる冷却気体G1により冷却され、耐熱材8の温度上昇が抑制される。輻射熱R1の一部は、耐熱材8とコンクリート材3が接しているため、接触面を介して熱伝導によりコンクリート材3にも伝達され、更に、耐熱材8の温度上昇が抑制される。これにより、一体構造に成形された側壁36の熱負荷が緩和される。
図7に、反射材7と耐熱材8の構造の変形例を示す。反射材7は、その外表面(耐熱材8と相対する面)に、周方向に所定の間隔にて離間すると共に鉛直方向に延伸するよう形成された、横断面略半円形状の切り欠き26を複数有する。また、耐熱材8は、その外表面(コンクリート材3と相対する面)に、周方向に所定の間隔にて離間すると共に鉛直方向に延伸するよう形成された、横断面略半円形状の切り欠き27を複数有する。反射材7、耐熱材8、及びコンクリート材3を張り合わせた3層構造にて側壁36を構成する。図7では、反射材7の外表面に形成される切り欠き26と、耐熱材8の外表面に形成される切り欠き27とが径方向において重ならぬよう形成する構造を示すが、これに限られず、これら切り欠き26及び切り欠き27が、径方向において重なる(整列する)よう形成しても良い。
なお、図7に示す切り欠き26、27に替えて、反射材7と耐熱材8の相対する面、すなわち、反射材7の外表面と耐熱材8の内表面に、それぞれ横断面略半円形状の切り欠きを形成し、反射材7と耐熱材8を組み合わせた際に、横断面略円形状になるよう構成しても良い。この場合、反射材7と耐熱材8との張り合わせ面を中心とする円管状流路が、周方向に所定の間隔にて離間し複数形成される。
また、図8に示すように、反射材7の外表面(耐熱材8と相対する面)に、周方向に所定の間隔にて離間すると共に鉛直方向に延伸する、横断面略矩形形状の切り欠き28を複数設ける。また、同様に、耐熱材8の外表面(コンクリート材3と相対する面)に、周方向に所定の間隔にて離間すると共に鉛直方向に延伸する、横断面略矩形形状の切り欠き29を複数設ける。そして、反射材7、耐熱材8及びコンクリート材3を一体構造に成形する。このように、冷却気体G1を通流可能とする流路を、その横断面が略矩形形状となるよう形成することにより、流路面積あたりの濡れぶち長さが、図7に示す横断面略半円形状の流路より長くなり伝熱面積が増加する。また、図8に示す切り欠き28、29を、反射材7と耐熱材8の相対する面、すなわち、反射材7の外表面と耐熱材8の内表面に形成し、反射材7と耐熱材8を組み合わせた際に、各切り欠き28と切り欠き29とが一体化し、横断面略矩形形状の流路を形成するよう構成しても良い。この場合、反射材7と耐熱材8との張り合わせ面を中心とする角管状流路が、周方向に所定の間隔にて離間し複数形成される。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、反射材7と耐熱材8との接触面、耐熱材8とコンクリート材3との接触面を介する熱伝導による除熱が加わるため、反射材7及び耐熱材8の除熱量を、実施例1に比し増加することが可能となる。これにより反射材7、耐熱材8の融解防止及びコンクリート材3への熱負荷軽減を更に向上することができる。また原子炉格納容器の耐力、健全性を更に向上できる。
また、反射材7及び耐熱材8の流路構造に切り欠きを用いることにより、反射材7と耐熱材8の加工を簡略化でき、側壁36の施工性が向上する。
図9に、本発明の他の実施例に係る実施例4の原子炉格納容器の縦断面図を示す。図4及び図5と同様の構成要素に同一の符号を付している。実施例3では、気相空間であるドライウェル44より給気管10を介して冷却気体(給気)G1を流路内に導入する構成とした。これに対し、本実施例では、ドライウェル44(図1)内に水張りし冷却水を流路内に通流する構成とする点が実施例3と異なる。
図9に示すように、図5に示した原子炉格納容器下部区画2の構造において、原子炉格納容器41の気相空間であるドライウェル44内に水張りし、冷却水源18を形成する。反射材7と耐熱材8は、それぞれ図6に示す円管状流路24,25、又は、図7に示す横断面略半円形状の切り欠き26,27により形成される流路、あるいは、図8に示す横断面略矩形形状の切り欠き28,29にて形成される流路を有する。以下では、反射材7が図6に示す円管状流路24を有し、耐熱材8が図6に示す円管状流路25を有する場合を一例として説明する。
図9に示すように、反射材7に設けられた円管状流路24及び耐熱材8に設けられた円管状流路25は、弁22を備えた給水管20を介して冷却水源18に連通している。ドライウェル44への水張り(冷却水源18の形成)は、圧力抑制室45(図1)内の圧力抑制プール水を用いても良く、また、圧力抑制プールに替えて、新たに別の冷却水プールを設け水張りする構成としても良い。
反射材7内の円管状流路24と耐熱材8内の円管状流路25の上端は、原子炉格納容器下部区画2の上部に開放されている。すなわち、これら円管状流路24,25の上端は、原子炉圧力容器41と側壁36との間に存在する間隙17と連通可能とされる。また、円管状流路24,45の下端は、弁22を備えた給水管20と下部ヘッダー12を介して冷却水源18と連通している。
また、図示しないが、弁22を備えた給水管20と下部ヘッダー12を、円管状流路24と円管状流路25のそれぞれに独立して設けても良い。このような構成とすれば、仮に、反射材7が破損した場合であっても、円管状流路24の欠損箇所より、冷却水(給水)L1が原子炉格納容器下部区画2へ流出することで、円管状流路25の水頭に影響を及ぼすことを防止できる。更に、弁22を備えた給水管20と下部ヘッダー12、円管状流路24、及び円管状流路25を、反射材7と耐熱材8の周方向において複数分割して設ける構成としても良い。このような構成とすれば、仮に、反射材7の一部が融解しても、他の健全な反射材7に設けられた円管状流路24の冷却水(給水)L1が、欠損箇所からの逆流で失われぬよう隔離できる。同様に、仮に、耐熱材8の一部が融解しても、円管状流路25の冷却水(給水)L1が欠損箇所からの逆流で失われぬよう隔離できる。
図9に示すように、極稀ではあるが万が一、シビアアクシデントが発生し、格納容器床4へ燃料デブリ6が落下した場合を想定する。この場合、格納容器床4上に堆積し塊状となる燃料デブリ6により、原子炉格納容器下部区画2の温度は上昇する。この温度上昇によって弁22が溶融して開き、冷却水源18から冷却水(給水)L1が、給水管20及び下部ヘッダー12を介し円管状流路24,25へ流入する。反射材7の内表面では輻射熱R1のうち5〜10%が吸収される。これにより、反射材7の温度が上昇し、円管状流路24内の冷却水L1の温度が上昇する。その後、加熱が続くと円管状流路24内の冷却水L1は沸騰し、冷却水L1と発生した蒸気の気液二相流LG2は上昇流となって、円管状流路24の上端から原子炉格納容器下部区画2内に落下する。落下した気液二相流(排水)LG2は、燃料デブリ6及び格納容器床4に接触し、その顕熱、潜熱により燃料デブリ6及び過熱した格納容器床4を冷却する。ここで、円管状流路24から出た気液二相流(排水)LG2を冷却水源18に戻す構成としても良い。
円管状流路24内では、気液二相流(排水)LG2の流出と、流れが気液二相流となることによる平均密度の低下により冷却水源18との間に水頭差が生じる。この水頭差により円管状流路24内には、給水管20及び下部ヘッダー12を介し冷却水(給水)L1が流入する。この冷却水(給水)L1の供給により、反射材7の外表面が連続的に冷却され、反射材7に吸収された輻射熱R1の一部が除熱される。
吸収された輻射熱が過大で冷却水(給水)L1による反射材7の冷却量を超えた場合、反射材7の外表面の熱流束が沸騰遷移点を超え、熱伝達形態が遷移沸騰から膜沸騰に遷移し熱伝達率が低下する。これにより、反射材7の温度が上昇して融解する可能性がある。その場合、冷却水源18から冷却水(給水)L1の一部が、下部ヘッダー12を介して反射材7の融解箇所より原子炉格納容器下部区画2内に流入する。流入した冷却水(給水)L1の一部は、燃料デブリ6及び格納容器床4に接触し、その顕熱、潜熱によって燃料デブリ6及び過熱した格納容器床4を冷却する。
上記のように、反射材7の一部が融解すると、その融解で欠落した空間を通過する輻射熱R1は耐熱材8の内表面に入射する。耐熱材8の内表面では輻射熱を吸収し耐熱材8の温度が上昇する。耐熱材8の温度上昇により、円管状流路25内を通流する冷却水L1は加熱され温度上昇する。その後、加熱が続くと円管状流路25内の冷却水L1は沸騰し、冷却水L1と発生した蒸気の気液二相流(排水)LG2は上昇流となり、円管状流路25の上端より原子炉格納容器下部区画2内に落下する。なお、円管状流路25より流出する気液二相流(排水)LG2を冷却水源18に戻す構成としても良い。
耐熱材8は、反射材7より反射率が低く輻射熱を多く吸収するものの、反射材7より融点が高いため融解し難い。気体と比較して顕熱、潜熱の大きい水による冷却により、健全性の維持が更に向上する。これにより、側壁36を構成するコンクリート材3の熱負荷が緩和される。
本実施例によれば、実施例3の効果に加え、顕熱、潜熱の大きな冷却水L1により反射材7及び耐熱材8を冷却する構成であることから、原子炉格納容器の耐力、健全性を実施例3と比較し、更に向上できる。
図10に、本発明の他の実施例に係る実施例5の原子炉格納容器の縦断面図を示し、図11に、図10に示す反射耐熱材パネルの正面図及び横断面図を示す。図2及び図3と同様の構成要素に同一の符号を付している。本実施例では、反射材7及び耐熱材8を組み合わせ分割することで、小型の分割パネルをなし、これら複数の分割パネルをコンクリート材3の内表面に貼り付ける構成とした点が、実施例1乃至実施例4と異なる。
反射材7及び耐熱材8を設置する場合、既設炉では原子炉格納容器下部区画2内の空間寸法、容積、及びアクセスハッチ(図示せず)の寸法の制限により材料の搬入及び/又は施工が困難になる可能性がある。その場合に、反射材7及び耐熱材8を複数のパネル形状に分割し小型化することによって、材料の搬入及び施工が容易となり、既設炉における施工時の作業性が向上する。分割、小型化した反射材7及び耐熱材8のパネル(以下、反射耐熱材パネルと称す)は、既設炉のみならず新設炉においても適用可能である。また、反射耐熱材パネルの修理又は取替え時においても、対象の反射耐熱材パネルのみの交換で済むため経済性が向上する。
図11において、下図に示す正面図は、反射耐熱材パネル19を内側より見た正面図であり、上図に示す横断面図は正面図におけるA−A断面図である。A―A横断面図に示すように、反射耐熱材パネル19を構成する反射材7及び耐熱材8の板面は、コンクリート材3の曲率(図1に示すペデスタル62の内壁面の曲率)に合わせ、円弧状に曲げ加工されている。流路15と流路16を形成するため(これら流路の径方向の幅を規定するため)、反射材7と耐熱材8との間にスペーサ33、耐熱材8の外表面にスペーサ34が取り付けられる。スペーサ33とスペーサ34は、流路15と流路16を縦方向、すなわち、コンクリート材3に貼り付けられた際における鉛直方向に、分割する構造材として機能する。反射耐熱材パネル19の縦方向の一列、あるいは、複数列が一つの下部ヘッダー12を共用するように構成する。これにより、スペーサ33とスペーサ34は、反射材7あるいは耐熱材8に、破損が生じた場合の隔離壁として機能する。反射耐熱材パネル19は、スペーサ33、スペーサ34、反射材7及び耐熱材8を貫通する、反射耐熱材パネル取り付け穴35を有する。ボルトあるはコンクリートネジ等を、反射耐熱材パネル取り付け穴35に挿入し、コンクリート材3の内表面(内壁面)に締結し固定することで、反射耐熱材パネル19を取り付けることが容易となる。また、反射材7と耐熱材8の上面及び下面は、各反射耐熱材パネル19の反射材7と耐熱材8と相互に水密が保たれるように、防水加工が施されている。
なお、図11では、スペーサ33及びスペーサ34を、反射耐熱材パネル19を構成する反射材7及び耐熱材8の周方向両端部に取り付ける構成とした。しかし、これに限られるものではなく、反射耐熱材パネル19のサイズにもよるが、例えば、反射耐熱材パネル19の略中央部の1箇所のみにスペーサを配しても良く、また、両端部に加え中央部あるいは両端部間の周方向に複数個所、スペーサを配する構成としても良い。
反射耐熱材パネル19は反射材7と耐熱材8のそれぞれに分割しても良く、下部ヘッダー12を流路15と流路16のそれぞれに分割するよう構成しても良い。
また、反射耐熱材パネル19を構成する反射材7及び耐熱材8の構造を、上述の図6〜図8に示す構造としても良い。この場合、図11に示すスペーサ33及びスペーサ34は不要となり、反射耐熱材パネル19をコンクリート材3に取り付けるため、反射材7と耐熱材8を貫通する反射耐熱材パネル取り付け穴35のみ有する構成とすれば良い。
本実施例によれば、実施例1から実施例3の効果に加え、側壁36の複層化の施工性やメンテナンス性とメンテナンスに係わる経済性を向上することが可能となる。
図12に、本発明の他の実施例に係る実施例6の原子炉格納容器の縦断面図を示し、図13に、図12に示す反射材、耐熱材及びコンクリート材よりなる側壁の横断面図を示す。図2及び図3と同様の構成要素に同一の符号を付している。実施例1乃至実施例5においては、反射材7及び耐熱材8との間隙、耐熱材8とコンクリート材3との間隙、あるいは、反射材7及び耐熱材8の内部に、冷却気体または冷却水を通流可能とする流路を有する構成とした。これに対し、本実施例では、これら冷却用の流路を有さない構成とした点が、他の実施例と異なる。
図12に示すように、核燃料物質を含む複数体の燃料集合体56が装荷される炉心50を内包する原子炉圧力容器1が、原子炉格納容器41の内部に配置される(図1及び図12)。原子炉格納容器下部区画2の側壁36は、格納容器床4の上方に設けられた原子炉圧力容器1の支持構造物であり、原子炉圧力容器支持部材14により原子炉圧力容器1は側壁36に固定される。原子炉圧力容器1の下部に、制御棒駆動機構ハウジング5が位置している。なお、図12では、制御棒駆動機構ハウジング5の配置領域のみを二点鎖線にて示している。
図12に示すように、原子炉格納容器下部区画2の側壁36は、最内層に配置され正反射性材で形成された反射材7、反射材7の外表面と接触し配される耐熱材8、耐熱材8の外表面と接触し配されるコンクリート材3から構成され、これれら、反射材7、耐熱材8、及びその外側のコンクリート材3は相互に固定され、原子炉格納容器下部区画2の側壁36として一体化されている。
燃料デブリ6からの輻射熱R1は、原子炉格納容器下部区画2の側壁36の最内層に配される反射材7に入射する。輻射熱R1のうち5〜10%は、反射材7の内表面にて吸収され、反射材7の温度が上昇する。熱伝導により高温の反射材7から耐熱材8に熱が伝達され耐熱材8の温度も上昇する。しかし、反射材7により輻射熱R1の大半が反射され、原子炉圧力容器1の底部(下鏡61)及び制御棒駆動機構ハウジング5へと入射する。これにより、反射材7と耐熱材8が受け取る熱量が減少するため、コンクリート材3の熱負荷が緩和される。
反射材7の温度が上昇して融点に達するか、あるいは燃料デブリ6が反射材7に直接接触(付着)し、反射材7が融解するケースでは、反射材7の融解熱及び耐熱材8の熱容量の和に相当する熱量が消費される。従って、この消費される熱量分、燃料デブリ6からコンクリート材3への熱負荷が緩和される。また、燃料デブリ6が反射材7に直接接触(付着)し、反射材7及び耐熱材8の双方が融解するケースでは、反射材7及び耐熱材8の融解熱の和に相当する熱量が消費される。これにより、消費される熱量分、燃料デブリ6からコンクリート材3への熱負荷が緩和される。
本実施例によれば、特に、側壁36を冷却するための流路を形成することなく、燃料デブリからの輻射熱R1の大半が、側壁36の最内層に配される反射材7により上方の原子炉圧力容器1及び制御棒駆動機構ハウジング5等の構造材に反射するので、燃料デブリの輻射熱による側壁の脱水、分解による脆化を防止できる。
また、耐熱材8により燃料デブリがコンクリート材3に直接接触することを防止でき、コンクリート材3の熱負荷が緩和される。
従って、原子炉格納容器41の耐力、健全性を確保することが可能となる。更に、反射後の輻射熱の入射により溶融する原子炉圧力容器1及び制御棒駆動機構ハウジング5等の構造材が、燃料デブリに混合されるため、燃料デブリの温度を低下できると共に、燃料デブリに含まれる溶融核燃料物質による崩壊熱の発熱密度を減少でき、原子炉格納容器の損傷を抑制することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1・・・原子炉圧力容器
2・・・原子炉格納容器下部区画
3・・・コンクリート材
4・・・格納容器床
5・・・制御棒駆動機構ハウジング
6,13・・・燃料デブリ
7・・・反射材
8・・・耐熱材
9・・・給排気管
10・・・給気管
11・・・上部ヘッダー
12・・・下部ヘッダー
14・・・原子炉圧力容器支持部材
15,16・・・流路
17・・・間隙
18・・・冷却水源
19・・・ 反射耐熱材パネル
20・・・給水管
21・・・排水排気管
22,23・・・弁
24,25・・・円管状流路
26,27,28,29・・・切り欠き
33,34・・・スペーサ
35・・・反射耐熱材パネル取り付け穴
36・・・側壁
40・・・原子力プラント
41・・・原子炉格納容器
42・・・原子炉建屋
43・・・原子炉格納容器上蓋
44・・・ドライウェル
45・・・圧力抑制室(ウェットウェル)
46・・・ベント通路
47・・・シールドプラグ
48・・・原子炉圧力容器上蓋
49・・・原子炉
50・・・炉心
51・・・気水分離器
52・・・蒸気乾燥器
55・・・炉心シュラウド
56・・・燃料集合体
57・・・炉心支持板
58・・・上部格子板
59・・・制御棒案内管
60・・・制御棒
61・・・下鏡
62・・・ペデスタル
63・・・γ線遮蔽体
64・・・原子炉ウェル
65・・・ドライヤ・セパレータプール
66・・・使用済燃料プール
67・・・運転床
68・・・燃料交換機

Claims (10)

  1. 複数体の燃料集合体を装荷する炉心を内包する原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器を下方より支持する筒状のペデスタルと、
    前記ペデスタルにより画定される格納容器下部区画を備え、
    前記ペデスタルは、前記格納容器下部区画より径方向に、内側より順次配される少なくとも、第一層、第二層及び第三層からなる多層構造を有し、
    前記第一層は前記第二層より反射率の高い反射材、前記第二層は前記第一層より融点の高い耐熱材、前記第三層はコンクリート材であって、
    前記格納容器下部区画内の燃料デブリによる、前記ペデスタルへの熱負荷を低減可能とすることを特徴とする原子炉格納容器。
  2. 請求項1に記載の原子炉格納容器において、
    前記第一層は、前記燃料デブリからの輻射熱を前記原子炉圧力容器の下部方向へ反射することを特徴とする原子炉格納容器。
  3. 請求項2に記載の原子炉格納容器において、
    前記第一層と第二層との間に配され、気相及び/又は液相を通流する第一の流路と、
    前記第二層と第三層との間に配され、気相及び/又は液相を通流する第二の流路と、を有し、前記第一層乃至第三層を、前記気相及び/又は液相により冷却することを特徴とする原子炉格納容器。
  4. 請求項2に記載の原子炉格納容器において、
    前記第一層は、周方向に所定の間隔にて複数離間配置されると共に鉛直方向に延伸する第一の流路を有し、
    前記第二層は、周方向に所定の間隔にて複数離間配置されると共に鉛直方向に延伸する第二の流路を有し、
    前記第一の流路及び第二の流路内を、気相及び/又は液相を通流することにより、前記第一層乃至前記第三層を冷却することを特徴とする原子炉格納容器。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の原子炉格納容器において、
    前記ペデスタルの底部側に、前記第一及び第二の流路の下端と前記ペデスタルの外周側に配されるドライウェルとを連通可能とする給気口を設け、
    前記給気口を介し前記ドライウェルより、前記第一及び第二の流路へ冷却気体を導入することを特徴とする原子炉格納容器。
  6. 請求項3又は請求項4に記載の原子炉格納容器において、
    前記ペデスタルの外周側に配されるドライウェル内に水張りし、
    前記ペデスタルの底部側に、前記第一及び第二の流路の下端と、前記ドライウェルとを連通可能とする溶融弁を備える給水管を設け、
    前記燃料デブリの輻射熱による、前記格納容器下部区画内の温度上昇により、前記溶融弁が融解し、前記給水管を介して前記ドライウェル内の冷却水を前記第一及び第二の流路へ導入することを特徴とする原子炉格納容器。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の原子炉格納容器において、
    前記第一及び第二の流路の上端部は、前記原子炉圧力容器の下部付近にて、前記格納容器下部区画内に開放されることを特徴とする原子炉格納容器。
  8. 請求項4に記載の原子炉格納容器において、
    前記第一の流路は、前記第二層に相対する前記第一層の面に形成される、横断面略半円形状又は略矩形形状であって、鉛直方向に延伸する切り欠きにより構成され、
    前記第二の流路は、前記第三層に相対する前記二層の面に形成される、横断面略半円形状又は略矩形形状であって、鉛直方向に延伸する切り欠きにより構成されることを特徴とする原子炉格納容器。
  9. 請求項3に記載の原子炉格納容器において、
    前記第一層と前記第二層の間に設けられ、前記第一の流路の径方向の幅を規定する第一のスペーサと、
    前記第二層の前記第三層と相対する面に設けられ、前記第二の流路の径方向の幅を規定する第二のスペーサと、を有し、
    所望の大きさに分割されてなる反射耐熱材パネルを、前記第三層に複数貼り付け、前記多層構造のペデスタルを形成することを特徴とする原子炉格納容器。
  10. 請求項3乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の原子炉格納容器において、
    前記反射材は、アルミ電解研磨材又は銀蒸着鋼材若しくは溶融亜鉛めっき鋼材により形成され、
    前記耐熱材は、ジルコニア又はアルミナにより形成されることを特徴とする原子炉格納容器。
JP2014225666A 2014-11-06 2014-11-06 原子炉格納容器 Pending JP2016090408A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014225666A JP2016090408A (ja) 2014-11-06 2014-11-06 原子炉格納容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014225666A JP2016090408A (ja) 2014-11-06 2014-11-06 原子炉格納容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016090408A true JP2016090408A (ja) 2016-05-23

Family

ID=56017502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014225666A Pending JP2016090408A (ja) 2014-11-06 2014-11-06 原子炉格納容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016090408A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107958711A (zh) * 2017-12-18 2018-04-24 中广核研究院有限公司 一种反应堆堆坑及反应堆堆坑系统
JP2021032693A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 アクセスハッチおよびアクセスハッチ保護システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107958711A (zh) * 2017-12-18 2018-04-24 中广核研究院有限公司 一种反应堆堆坑及反应堆堆坑系统
JP2021032693A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 アクセスハッチおよびアクセスハッチ保護システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10510450B2 (en) Heat pipe molten salt fast reactor with stagnant liquid core
JP3554001B2 (ja) コリウム防護用アセンブリ
US11189384B2 (en) Systems and methods for enhancing isolation of high-temperature reactor containments
EP2571028B1 (en) Reactor vessel reflector with integrated flow-through
KR20140123089A (ko) 일체형 용융염 원자로
US10147506B2 (en) Conformal core cooling and containment structure
US20090207963A1 (en) Nuclear reactor
US11901088B2 (en) Method of heating primary coolant outside of primary coolant loop during a reactor startup operation
JP2021092566A (ja) 完全に受動的な残留力除去(dhr)システムを組み込んだ液体金属冷却原子炉
US20230197301A1 (en) Nuclear reactor cooled by liquid metal incorporating a passive decay heat removal system with a phase change material thermal reservoir and a removable thermally-insulating layer around the phase change material reservoir
JPH0727050B2 (ja) 受動冷却系を備えた液体金属冷却型原子炉
US6195405B1 (en) Gap structure for nuclear reactor vessel
JP2011163829A (ja) 炉心溶融物冷却構造
JP2016090408A (ja) 原子炉格納容器
JP2009074960A (ja) 反射体制御方式の高速炉
JP4746911B2 (ja) 高速炉および高速炉施設の建設方法
JP2008122248A (ja) 高速炉
US20230106712A1 (en) Liquid metal cooled nuclear reactor incorporating a fully passive decay heat removal (dhr) system with a modular cold source
US9911514B2 (en) Nuclear reactor cavity floor passive heat removal system
JP2013076675A (ja) 液体金属冷却原子炉用受動冷却システム
JP2015078948A (ja) 高速炉の原子炉施設
JP2014173984A (ja) 原子炉
RU100326U1 (ru) Устройство стенки корпуса теплообменника
JP2021032693A (ja) アクセスハッチおよびアクセスハッチ保護システム
JP2009085650A (ja) 高速炉の炉心構成要素,炉心燃料集合体、及び炉心並びに原子炉構造