JP2001356050A - 分光方法及びフィルムの製造方法 - Google Patents

分光方法及びフィルムの製造方法

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JP2001356050A
JP2001356050A JP2000178061A JP2000178061A JP2001356050A JP 2001356050 A JP2001356050 A JP 2001356050A JP 2000178061 A JP2000178061 A JP 2000178061A JP 2000178061 A JP2000178061 A JP 2000178061A JP 2001356050 A JP2001356050 A JP 2001356050A
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light
wavelength
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film
image sensor
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Koji Ishikawa
浩司 石川
Hajime Hirata
肇 平田
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Toray Industries Inc
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  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】誤差の少ない分光方法、厚み測定方法、およ
び、これらを用いたフィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】入射光を光分散手段へ入射させて波長毎の
光に分光し、分光した波長毎の光をその強度に応じた電
気信号に変換する変換手段に入射させ、得られた電気信
号から分光スペクトルを得るに際し、変換手段上の特定
の位置に入射する光の波長を、光分散手段の特性から導
かれる校正式によって決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回折格子などの光
分散手段によりリニアイメージセンサなどの受光手段上
の光の波長と受光手段上の各画素との対応関係を精度良
く決定するのに好適に用いることができる分光手段、厚
み測定方法およびこれらを用いたフィルムの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、分光器の波長校正方法として、た
とえば、特開昭61−246607号公報に記載されて
いるように、狭帯域透過フィルタを用いる方法が知られ
ていた。上記の分光器は、平面回折格子、結像レンズお
よびリニアイメージセンサから構成されており、この方
法は、リニアイメージセンサの画素と波長との対応関係
を、透過波長が既知の狭帯域透過フィルタにより決定す
るもので、異なる2つの波長について対応する画素の位
置を決定し、他の画素の対応関係を単に線形式にて補間
することが通常であった。
【0003】しかしながら、回折格子などの光分散手段
を用いる場合、リニアイメージセンサの画素と、対応す
る波長との関係は通常は非線形となるため、上記のよう
に、回折格子の分光特性を無視した方法で行うと、測定
される波長と実際の波長とで誤差を生ずるという問題が
あった。したがって、たとえば、分光スペクトルの強弱
の波長位置からフィルムなどの膜厚を演算する場合など
においては、上記の誤差がフィルム膜厚の測定精度の低
下につながり、高品質なフィルムの製造に支障をきたす
などの問題を生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来の問題点を解決し、誤差の少ない分光方法、厚
み測定方法、および、これらを用いたフィルムの製造方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、入射光を光分散手段へ入射させて波長毎の
光に分光し、分光した波長毎の光をその強度に応じた電
気信号に変換する変換手段に入射させ、得られた電気信
号から分光スペクトルを得るに際し、変換手段上の特定
の位置に入射する光の波長を光分散手段の特性から導か
れる校正式によって決定する分光方法を特徴とする。
【0006】ここで、校正式が正弦関数を含んでいると
好ましい。
【0007】また、特定の波長を有する入射光を用い
て、変換手段上の特定の位置に入射する光の波長を決定
し、その結果に基づいて校正式を補正する、上記の分光
方法も好ましく、変換手段としてマルチチャンネル検出
器を用いることも好ましい。
【0008】さらに、測定対象に光を照射し、測定対象
による反射光中に含まれる干渉光を受光した後、その干
渉光を分光し、分光した光をその強度に応じた電気信号
に変換する変換手段に入射させ、この変換手段で得られ
た電気信号に基づいて測定対象の厚みを算出するに際
し、変換手段上の特定の位置に入射する光の波長を上記
に記載の方法により決定する厚み測定方法も好ましい。
【0009】また、間隙を有する口金から樹脂を吐出し
てフィルムを製造するに際し、フィルムの厚みを上記に
記載の厚み測定方法を用いて測定し、得られた測定値に
基づいて口金の間隙を制御するフィルムの製造方法も好
ましい。
【0010】さらに、この製造方法により製造されたフ
ィルムも好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施態様に係
る分光方法について、図1のフィルム膜厚測定装置を用
いて説明する。
【0012】図1において膜厚測定装置60は、投光部
30と受光部40と分光部50とからなり、投光部30
は光源であるハロゲンランプ1と平行光生成光学系2と
から構成され、受光部40は受光器6と平行光生成光学
系7とから構成されている。また、分光部50は反射型
平面回折格子(光分散手段)8と結像レンズ9とリニア
イメージセンサ(変換手段)10とから構成されてい
る。71〜75はレンズ、81、82はピンホール板で
ある。
【0013】ハロゲンランプ1から出射された光は、平
行光生成部2によって平行光化され、測定光3として矢
印A方向に走行するフィルム(測定対象)4に照射され
る。フィルム4から反射された反射光5は、受光器6に
よって受光された後、平行光生成光学系7によって平行
光化される。平行光化された光は、一定角度で反射型平
面回折格子8へ入射し、波長毎の光に分光される。分光
された光は、結像レンズ9によって必要とする波長範囲
のみがリニアイメージセンサ10へ結像され、その波長
範囲の分光スペクトル、つまり分光強度の強弱が検出さ
れる。
【0014】上記の分光部50における詳細を図2を用
いて説明する。図2においては、反射型平面回折格子8
の反射面11の垂線12に対する、入射光の入射角を
i、入射光の波長λに対応する出射光の出射角をβλ、
リニアイメージセンサ上に分光される波長範囲の中心波
長λ0の出射角をβ0とし、また、結像レンズ9からリニ
アイメージセンサ10の受光面13までの距離をLとし
ている。さらに、リニアイメージセンサ10は、その受
光面の中心画素または中心位置(中心に位置する2つの
画素の境界が中心となる場合)に、反射型平面回折格子
8から出射角β0で出射された上記に記載の中心波長λ0
が入射するように配置されている。
【0015】反射型平面回折格子8へ入射角iで入射し
た光は、反射型平面回折格子8によって波長λ毎に出射
角βλで出射される。反射型平面回折格子8によって分
光された波長毎の光は、結像レンズ9によってリニアイ
メージセンサ10上へ結像され、電気信号に変換され
る。変換された電気信号は、波長毎の光の強度分布、す
なわち、分光スペクトルの情報を含んでいる。
【0016】さて、ここで、リニアイメージセンサ10
上へ結像される光の波長は、以下の回折格子に関する
(1)式から導かれる。
【0017】 mλ/d=sini+sinβλ (1) m:次数 λ:波長 d:回折格子の格子間隔 i:光の入射角 βλ:波長λの出射角 また、リニアイメージセンサ10上に入射する波長λの
入射位置xλは、中心波長λ0が入射する位置、つまり
上記に記載のリニアイメージセンサ10の中心画素また
は中心位置を原点として、以下の(2)式で表される。
【0018】 xλ=Ltan(βλ−β0) (2) (1)式において分光に利用する次数mを1とすると、
(1)式と(2)式とから、校正式である(3)式が導
き出せる。
【0019】 xλ=Ltan(sin-1(λ/d−sini)−β0)(3) よって、正弦関数を含む校正式である(3)式を用いる
ことにより、波長λの光がリニアイメージセンサ10上
のどの位置に入射するかを容易に知ることができ、リニ
アイメージセンサ10上の画素とその画素に入射する光
の波長λとの正確な対応を知ることができる。
【0020】すなわち、変換手段たるリニアイメージセ
ンサ10上の特定の位置(画素)に入射する光の波長
を、光分散手段たる反射型平面回折格子の特性から導か
れる校正式により決定することで、精度の高い分光方法
とすることができる。
【0021】なお、上記においては光分散手段として反
射型平面回折格子を用いた例について説明したが、十分
な波長分解能や分光特性を持つ光分散手段であれば好適
に用いることができ、たとえば、透過型平面回折格子や
凹面回折格子、プリズムを用いることができる。
【0022】透過型平面回折格子を用いた場合、上記の
反射型平面回折格子と比較すれば、回折格子に対して、
入射光を透過させるか反射させるかだけの違いであるか
ら、校正式として上記(3)式をそのまま用いることが
できる。
【0023】また、凹面回折格子を用いた場合につい
て、図3に基づいて説明をする。図3は分光部を表して
おり、スリット16、凹面回折格子14およびリニアイ
メージセンサ10が、凹面回折格子14のローランド円
15上に配置されている。また、リニアイメージセンサ
10は、中心画素17付近に分光すべき反射光19(中
心波長λ0)が入射するように、かつ、ローランド円1
5と中心波長λ0の反射光19とが交わる位置の接線方
向20と平行となるように設置されている。ここで、入
射光18の入射角をi、中心波長λ0の出射角をβ0、ま
た波長λの出射角をβλ、ローランド円の直径をRとす
ると、校正式は以下のように表される。
【0024】 xλ=Rcosβ0×tan(β0−βλ)× (cosβ0+sinβ0×tan(2β0−βλ)) (4) ここでβλは、(1)式から βλ=sin-1(mλ/d−sini) (5) となる。
【0025】このように、各光分散手段の特性に応じた
校正式を導出することにより、変換手段上の特定の位置
に入射する光の波長を高精度に決定することができる。
【0026】また、光分散手段の校正式には、上記のよ
うに正弦関数を含んでいることが好ましいが、もちろ
ん、正弦関数で表すことができる余弦関数や正接関数を
含んでいても構わない。
【0027】ところで、上記したような分光方法を実施
するにあたっては、回折格子などの光分散手段や結像レ
ンズ、リニアイメージセンサなどの設置精度が重要とな
る。そこで、一度各手段を設置した後、透過波長が既知
の、半値全幅が100nm以下である狭帯域透過フィル
タを用いて、あらかじめリニアイメージセンサ10上の
画素と光の波長λとの対応を1箇所あるいは複数箇所測
定しておき、この結果に基づいて、上記(3)式の校正
式の入射角i、出射角β0、結像レンズ9とリニアイメ
ージセンサ10の受光面13までの距離Lをパラメータ
として調整して、(3)式の校正式を補正することによ
り、リニアイメージセンサ10の画素と光の波長λとの
対応精度を向上させることもできる。
【0028】また、反射型平面回折格子8の格子間隔
や、結像レンズ9の焦点距離、リニアイメージセンサ1
0の画素間隔や画素の大きさの設計値との誤差を補正す
るため、上記の狭帯域透過フィルタの波長とリニアイメ
ージセンサの画素との対応結果に基づいて、反射型平面
回折格子8の格子間隔dや結像レンズ9とリニアイメー
ジセンサ10の受光面13までの距離L、入射角iおよ
び出射角β0をパラメータとして調整して校正式を補正
することにより、リニアイメージセンサ10の画素と波
長との対応精度を向上させることもできる。
【0029】さらに、上記に記載の各手段の設置精度や
設計値からの誤差を補正するために、屈折率と膜厚が既
知の均質な校正板を用いて、リニアイメージセンサ10
により校正板で生ずる干渉現象を干渉波形として検出
し、干渉波形の明暗のピーク波長から求まる複数の膜厚
値がほぼ同じ値を示すように、入射角i、出射角β0
格子間隔dおよび結像レンズとリニアイメージセンサの
受光面13までの距離Lをパラメータとして調整して校
正式を補正することにより、リニアイメージセンサ10
の画素と光の波長λとの対応精度を向上させることもで
きる。
【0030】また、リニアイメージセンサ10の画素と
波長との対応付けを素早く行いたい場合には、狭帯域透
過フィルタによって分光範囲内の波長とリニアイメージ
センサ10の画素との対応関係を3〜10点測定して、
n次の近似式で、リニアイメージセンサ10の画素と光
の波長λとの対応付けを行うこともできる。この場合、
nとしては2〜9の範囲内であると好ましい。
【0031】なお、上記においては、反射型平面回折格
子8への結像に結像レンズ9を用いたが、たとえば、光
分散手段に反射型凹面回折格子を用いた場合、それ自体
に結像効果があるため、結像レンズを設ける必要がな
い。よって、光分散手段の特性に応じて、適宜結像レン
ズの要否を選択することができる。
【0032】また、上記においては、変換手段9として
リニアイメージセンサを用いたが、光分散手段によって
分光された光を十分な分解能を持って検出できるマルチ
チャンネル検出器であれば好適に用いることができる。
具体的には、光検出素子を微小幅で1列に配置したもの
や、2〜3列に並べたものや、千鳥状に配置したものを
用いることにより、分解能を向上させることができる。
もちろん、上記したリニアイメージセンサを2〜3列に
並べ、千鳥状に配置したものでもよい。リニアイメージ
センサを用いる場合は、必要とする波長分解能に応じ
て、たとえば、64〜10,000画素のものを適宜選
択すればよく、これにより、リニアイメージセンサ上に
結像された波長範囲の光をその画素数で分割して一挙に
取り出すことができ、測定の高速化を図ることができ
る。リニアイメージセンサ上に結像される光は、その結
像されている波長範囲内で連続した波長を持っている
が、リニアイメージセンサの画素の大きさは有限である
ため、その画素に対応する波長を決定するときは、それ
ぞれの画素の中央に結像される波長とするのが好ましい
が、その画素内に結像されている波長の平均値や、画素
内に結像されている波長の中心値や、平均値以外の代表
値を用いてもよい。
【0033】さらに、図1の膜厚測定装置60の光源と
して、ハロゲンランプを用いた例を説明したが、本発明
の分光方法において光分散手段に入射させる光は、連続
光だけでなく、単色光や単色光を複数含んだ多色光でも
よく、連続光と単色光を組み合わせたものを用いること
もできる。これらの光を発生させる光源としては、具体
的には、タングステンランプやキセノンランプ、水銀キ
セノンランプ、重水素ランプ、ハロゲンヒータ、セラミ
ックヒータ、ニクロム線、フラッシュランプ、蛍光灯、
レーザー、LEDなどを単独で、または、組み合わせて
用いることができる。
【0034】なお、本発明は、フィルムなどの測定対象
に光を照射し、測定対象による反射光中に含まれる干渉
光を受光した後、その干渉光を光分散手段により分光
し、その分光した光をその強度に応じた電気信号に変換
する変換手段に入射し、この変換手段で得られた電気信
号に基づいて測定対象の厚みを得るに際し、変換手段上
の特定の位置に入射する光の波長を決定するのに好適に
用いることができる。
【0035】ここで、上記に記載の厚みは、分光強度の
強弱(明暗)の波長から(5)式によって求めることが
できる。
【0036】 d=1/(2(n2−sin2θ)1/2)×(λm×λm+1/(λm−λm+1)) (5) d:測定対象の厚み n:測定対象の屈折率 θ:測定光の入射角 λm、λm+1(λm>λm+1):隣り合う明部および暗部の
ピーク波長なお、上記においては、フィルムなどの膜厚
測定装置に本発明を適用した例を説明したが、光分散手
段と変換手段を備えた装置であれば本発明を適用するこ
とができ、たとえば、液晶のセルギャップの測定やカラ
ーフィルタの膜厚測定に用いることもできる。
【0037】また上記した厚み測定方法は、間隙を有す
る口金から冷却ドラムなどの成形手段上に樹脂を吐出し
てフィルムを製造するに際し、そのフィルムの膜厚を高
精度に測定して、その測定結果を口金の間隔を制御する
ことに利用すると、フィルムの厚みむらを低減させるこ
とができ高品質のフィルムを得ることができる。これ
は、たとえば、厚みの測定値が、あらかじめ設定した値
を超えた場合に、その測定位置に対応する口金の間隙を
狭めたり、また、フィルムの厚みと口金の間隙との関係
を求めておき、この関係に基づいてフィルムの厚みが一
定となるように、口金の間隙を制御するようにしてもよ
い。また、上記の口金の間隙を制御する方法として、間
隙の幅方向に複数個のヒートボルトを配置し、このヒー
トボルトを加熱することによって生じる熱膨張を利用し
て間隙を制御したり、また、モータなどを使用して機械
的に力を加えて間隙を制御したりする方法を採ることも
できる。
【0038】上記のフィルムは、厚みが30μm以下の
高分子フィルムであると高精度に膜厚を測定することが
できる。高分子フィルとしては、たとえば、ポリエステ
ルフィルムやポリプロピレンフィルム、アラミドフィル
ム、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイド
フィルムが好ましい。
【0039】
【実施例】(実施例)図1、2に示すような膜厚測定装
置を用いて高分子フィルムの分光スペクトルを測定し
た。用いた構成部品、設定条件等は以下のとおりであ
る。
【0040】 平面回折格子:ブレーズ波長694nm 溝数1,800本/mm 大きさ52×52mm□ 結像レンズ :焦点距離 102mm 口径 63.5mm リニアイメージセンサ:CCDイメージセンサ 有効画素数2,048(200×14μm/画素) 全画素長28.6mm 検出可能波長0.4〜1.1μm なお、本実施例では、リニアイメージセンサの受光波長
領域が約640〜790nmになるように各部材を配
置、設定した。
【0041】まず、透過波長660.9nmと768.
5nmを持った狭帯域透過フィルターを反射型平面回折
格子前に挿入して、その波長に対応するリニアイメージ
センサの画素を測定した。図4はその結果を示したもの
であり、例えば波長660.9nmはリニアイメージセ
ンサの326.46画素、波長768.5nmは181
7.23画素へ結像されていることが判る。この場合、
660.9nmの光がリニアイメージセンサ上に結像さ
れる画素は、理論的には(3)式によってリニアイメー
ジセンサの中心画素、つまり分光範囲の中心波長である
715nmの光が結像される位置から−10.45mm
の位置となり、この値から導かれる画素の位置は27
9.3画素目であった。しかし、実際には326.46
画素で設計値とずれており、反射型平面回折格子の設置
角度等に若干のズレがあることが予想される。そこで、
このずれを既知の厚みと屈折率を持ったフィルムの干渉
波形で補正した。図5は屈折率1.68、厚み6.1μ
mの高分子フィルムを測定したときに得られた干渉波形
を示したものであり、干渉波形の明部と暗部のピーク位
置の画素は表1に示す通りである。補正は、(3)式に
対して入射角iをパラメータとして変化(出射角β、β
0も変化)させることにより明部と暗部のピーク位置の
画素に対応する波長を変化させて、それぞれの角度での
明部と暗部のピーク波長から演算される複数の膜厚値
が、ほぼ同じ値を示す角度を探すことによって行った。
つまり、各ピークから演算される膜厚が同じ値を示すと
いうことは、リニアイメージセンサの画素と波長との対
応が正確であるということを示している。ここで膜厚d
の演算は上記に記載の(5)式によって求めた。ここで
実施例ではθを30°として演算した。
【0042】表2は、上記方法によってリニアイメージ
センサの画素と波長との対応づけを行った結果を示した
ものであって、これらの波長位置から求められる平均膜
厚は6.09μmで、標準偏差は0.03μmとなっ
た。このとき、入射角の調整は設計値に対して約−2°
程度であった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】(比較例)表1に示した画素に対応する波
長を、反射型平面回折格子の特性を考慮しない近似式に
よって対応付けた他は実施例と同様にして平均厚みと標
準偏差を求めた。近似式は、実施例で説明した2枚の狭
帯域透過フィルタによって得られた結果から、画素と波
長の対応を(6)式で表した。
【0046】 λ=αa+b (6) λ:波長 α:狭帯域透過フィルタの波長と、それと対応する画素
とから求められる係数(本例では0.072) a:リニアイメージセンサの画素番号 b:定数(本例では637.337) 表3は一次式で対応付けられた明部と暗部の画素に対応
する波長を示したものであり、これらから演算される平
均膜厚は6.28μmで標準偏差は0.21μmであっ
た。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、光分散手段を用いて光
を分光するに際し、光分散手段の特性から導かれる校正
式によって、変換手段上の波長の位置を決定するので、
誤差が少なく高精度な分光方法を提供することができ
る。
【0049】また、特定の波長を有する入射光を用い
て、変換手段上の特定の位置に入射する光の波長を決定
し、その結果に基づいて校正式を補正する場合には、よ
り高精度な分光方法とすることができる。
【0050】さらに、測定対象に光を照射し、測定対象
による反射光中に含まれる干渉光を受光した後、その干
渉光を分光し、その分光した光をその強度に応じた電気
信号に変換する変換手段に入射させ、この変換手段で得
られた電気信号に基づいて測定対象の厚みを得るに際
し、変換手段上の特定の位置に入射する光の波長を上記
に記載の方法により決定すれば、フィルムなどの厚みを
精度よく測定することができる。
【0051】また、間隙を有する口金から樹脂を吐出し
てフィルムを製造するに際し、フィルムの厚みを上記に
記載の方法を用いて測定し、得られた測定値に基づいて
口金の間隙を制御すれば、フィルムの厚みを高精度に測
定することができるので、均一な厚みを有する高品質な
フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係る分光方法を実施す
るための膜厚測定装置を示す概略構成図である。
【図2】 図1の膜厚測定装置の分光部を示す概略構成
図である。
【図3】 本発明の他の実施態様に係る膜厚測定装置の
分光部を示す概略構成図である。
【図4】 実施例における測定例を示す概略スペクトル
図である。
【図5】 実施例における測定例を示す概略スペクトル
図である。
【符号の説明】
1:ハロゲンランプ(光源) 2:平行光生成光学系 3:測定光 4:フィルム(測定対象) 5:反射光 6:受光器 7:平行光生成光学系 8:反射型平面回折格子(光分散手段) 9:結像レンズ 10:リニアイメージセンサ(変換手段) 11:反射面 12:垂線 13:受光面 14:凹面回折格子 15:ローランド円 16:スリット 17:中心画素 18:入射光 19:反射光 20:接線 30:投光部 40:受光部 50:分光部 60:膜厚測定装置 71:レンズ 72:レンズ 73:レンズ 74:レンズ 75:レンズ 81:ピンホール板 82:ピンホール板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01J 3/18 G01J 3/18 // B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 2F065 AA30 BB01 CC02 EE00 FF52 GG02 GG04 GG07 HH03 HH12 JJ02 JJ25 LL04 LL22 LL28 LL30 LL42 LL67 QQ29 2G020 AA04 BA02 BA18 CA12 CB04 CB23 CB24 CB31 CB43 CC04 CC05 CC27 CD06 CD16 CD24 CD38 CD39 4F207 AG01 AP11 AQ01 AR12 KA01 KA17 KL63 KL76 KL83 KM05 KM06 KM15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を光分散手段へ入射させて波長毎
    の光に分光し、分光した波長毎の光をその強度に応じた
    電気信号に変換する変換手段に入射させ、得られた電気
    信号から分光スペクトルを得るに際し、変換手段上の特
    定の位置に入射する光の波長を光分散手段の特性から導
    かれる校正式によって決定することを特徴とする分光方
    法。
  2. 【請求項2】 校正式が正弦関数を含んでいる、請求項
    1に記載の分光方法。
  3. 【請求項3】 特定の波長を有する入射光を用いて、変
    換手段上の特定の位置に入射する光の波長を決定し、そ
    の結果に基づいて校正式を補正する、請求項1または2
    に記載の分光方法。
  4. 【請求項4】 変換手段としてマルチチャンネル検出器
    を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の分光方法。
  5. 【請求項5】 測定対象に光を照射し、測定対象による
    反射光中に含まれる干渉光を受光した後、その干渉光を
    分光し、分光した光をその強度に応じた電気信号に変換
    する変換手段に入射させ、この変換手段で得られた電気
    信号に基づいて測定対象の厚みを算出するに際し、変換
    手段上の特定の位置に入射する光の波長を請求項1〜4
    のいずれかに記載の方法により決定することを特徴とす
    る厚み測定方法。
  6. 【請求項6】 間隙を有する口金から樹脂を吐出してフ
    ィルムを製造するに際し、フィルムの厚みを請求項5に
    記載の方法を用いて測定し、得られた測定値に基づいて
    口金の間隙を制御することを特徴とするフィルムの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法により製造された
    フィルム。
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