JP2001355804A - 復水処理剤の注入量の制御方法 - Google Patents
復水処理剤の注入量の制御方法Info
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Abstract
入量に制御できる方法を提供する。 【解決手段】 ドレン回収率と原水のMアルカリ度によ
って復水処理剤の注入量を制御することを特徴としてい
る。また、前記ドレン回収率は、原水の水温,ドレン水
の水温および給水の水温によって決定することを特徴と
している。
Description
入量を最適値に制御する方法に関する。
(重炭酸イオン)が、缶内で熱分解することにより二酸
化炭素が発生し、この発生した二酸化炭素がドレン水に
再溶存することにより炭酸水を生成する。そして、発生
した炭酸水でドレン配管の構成要素である鉄が溶解さ
れ、ドレン配管を腐食させている。
ドレン水に復水処理剤を注入している。この復水処理剤
としては、モルホリン,シクロヘキシルアミンといった
気化性アミンが用いられている。前記気化性アミンは、
炭酸水を中和する作用があるため、ドレン水に発生する
炭酸水と反応させることによりドレン配管の構成要素で
ある鉄の溶解を防止し、ドレン配管の腐食を防止してい
る。しかし、給水中に含まれているMアルカリ度は、原
水(ドレン水と混合する前の給水)に含まれるMアルカ
リ度とドレン水に含まれるMアルカリ度の和であるた
め、このドレン配管の防食に効果的な復水処理剤の薬注
量は常に一定にならない。そのため、復水処理剤は、あ
る程度のMアルカリ度に対応するため、過剰に注入され
ている。
に鑑み、ドレン配管の防食に効果的な復水処理剤の注入
量に制御できる方法を提供することを目的としている。
解決するためになされたものであって、請求項1に記載
の発明は、ドレン回収率と原水のMアルカリ度によって
復水処理剤の注入量を制御することを特徴としている。
レン回収率は、原水の水温,ドレン水の水温および給水
の水温によって決定することを特徴としている。
ついて説明する。この発明は、ドレン回収率と原水のM
アルカリ度を測定することにより、復水処理剤の注入量
を決定することができる。
る。前記ドレン回収率は、給水がドレン水として、どれ
くらい返ってきたかを表す値であって、前記ドレン回収
率は、式1で求めることができる。
び給水の水温により前記ドレン回収率を求めることがで
きる。
る。前記Mアルカリ度は、ボイラ給水等に含まれる重炭
酸イオン濃度を表している。この重炭酸イオン濃度によ
り、重炭酸イオンの熱分解で生じる二酸化炭素(炭酸ガ
ス)の発生量が決まる。また、この熱分解で発生した二
酸化炭素は、蒸気とともにドレン配管等に供給される。
そして、蒸気が凝縮して水に変わるときに二酸化炭素が
水に溶けて炭酸水が生成される。この炭酸水により、ド
レン配管等のpHが低くなり、ドレン配管の腐食を引き
起こす。つまり、給水のMアルカリ度によって、発生す
る二酸化炭素の量,すなわち炭酸水の量が変化する。逆
に、給水のMアルカリ度が分かれば、発生する炭酸水の
量が分かり、この炭酸水を中和する復水処理剤の注入量
も決定することができる。
表されるように、前記ドレン回収率と原水のMアルカリ
度から求めることができる。
の復水処理剤は、ドレン配管の酸腐食を防止するために
添加されるものである。この復水処理剤としては、発生
した酸を中和できるものであればとくに制限がないが、
気化して蒸気とともに搬送され、ドレン発生箇所で再凝
縮するモルホリン,シクロヘキシルアミン等の気化性ア
ミンが好ましい。
レン回収率と前記原水のMアルカリ度により、前記給水
のMアルカリ度が分かり、前記給水のMアルカリ度から
復水処理剤の注入量を決定することができる。
細に説明する。これらは例示であって、この発明の範囲
を何ら限定するものではない。
水を用いてボイラ運転を行う。このときの運転条件とし
て、原水温度15℃,給水温度60℃,ドレン水温度1
00℃である。この各温度により、ドレン回収率を求め
ると52.9%である。ここで、ドレン水は、蒸気が濃
縮した水であるため、Mアルカリ度成分は、ほとんど存
在しておらず、Mアルカリ度はゼロになる。以上の条件
で、給水のMアルカリ度を求めると、18.8mg/リッ
トルであった。また、給水のMアルカリ度を測定すると
19.0mg/リットルとなり、ほぼ計算値と等しい値と
なった。
ン回収率から給水のMアルカリ度を算出することができ
る。つまり、原水のMアルカリ度,原水温度,給水温度
およびドレン水温度を測定することにより給水のMアル
カリ度を算出することができる。ここにおいて、原水の
Mアルカリ度は、ほとんど不変の値であるため、最初の
水分析時にMアルカリ度を測定すれば、その値を使用す
ることができる。そのため、ボイラ運転中は、原水温
度,給水温度およびドレン水温度を測定するだけで、給
水のMアルカリ度を求めることができる。
の関係について実験を行った。給水のMアルカリ度を1
9mg/リットルと固定し、復水処理剤の添加量を変化さ
せてドレン水のpHを測定した。
ットルの場合は、ドレン水のpHは5.9となり、弱酸
性を示した。このことから、復水処理剤添加後のドレン
水には、まだ炭酸水が残存しており、復水処理剤が不足
していることが分かる。この場合は、ドレン水に炭酸水
が存在しているため、ドレン配管の腐食は起こる。
ットルの場合は、ドレン水のpHは8.6となり、ほぼ
中性を示した。このことから、復水処理剤添加後のドレ
ン水には、炭酸水が存在しておらず、復水処理剤のアル
カリ性が微量存在していることが分かる。これは、Mア
ルカリ度成分の重炭酸イオンが加熱によってすべて二酸
化炭素に変化するわけではないため、復水処理剤を当量
投入すると、少しアルカリ性側にpHは表れる。しか
し、このときのアルカリ性は、ごく中性に近いものであ
るため、原水と混合されることにより、希釈されほぼ中
性することができる。この場合は、炭酸水がドレン水に
存在していないため、ドレン配管の腐食は起こらない。
ットルの場合は、ドレン水のpHは11.0となり、弱
アルカリ性を示した。このことから、復水処理剤添加後
のドレン水には、炭酸水が残存しておらず、復水処理剤
が多量に残存していることが分かる。この場合は、炭酸
水がドレン水に存在していないため、ドレン配管の腐食
は起こらない。ただし、弁類のような銅合金部材は、未
反応の気化性アミンにより腐食する場合があるので、復
水処理剤の大過剰量の添加は好ましくない。
アルカリ度の当量以上であれば、ドレン配管の腐食を防
止することができる。また、復水処理剤は、給水のMア
ルカリ度と当量で腐食を防止することができるので、復
水処理剤の無駄を無くすためには、給水のMアルカリ度
と当量加えることが好ましい。
温度,給水温度およびドレン水温度により給水のMアル
カリ度,すなわち復水処理剤の添加量を求めることがで
きる。つまり、原水のMアルカリ度とドレン回収率によ
り復水処理剤の添加量を求めることができる。
ン配管の防食に効果的な復水処理剤の薬注量を制御する
ことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ドレン回収率と原水のMアルカリ度によ
って復水処理剤の注入量を制御することを特徴とする復
水処理剤の注入量の制御方法。 - 【請求項2】 前記ドレン回収率は、原水の水温,ドレ
ン水の水温および給水の水温によって決定することを特
徴とする請求項1に記載の復水処理剤の注入量の制御方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000179211A JP4300337B2 (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | 復水処理剤の注入量の制御方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008281228A (ja) * | 2007-05-08 | 2008-11-20 | Miura Co Ltd | 薬剤注入方法 |
JP5925371B1 (ja) * | 2015-09-18 | 2016-05-25 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 水質管理装置、水処理システム、水質管理方法、および水処理システムの最適化プログラム |
JP2021162200A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 三浦工業株式会社 | ボイラシステム |
-
2000
- 2000-06-15 JP JP2000179211A patent/JP4300337B2/ja not_active Expired - Fee Related
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