JP2008281228A - 薬剤注入方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、ボイラ水の一部を蒸気として排出し一部をブローするように構成されたボイラ缶体と、該ボイラ缶体から排出された蒸気によって生成したドレン水を循環させて補給水とともに給水として利用する循環経路とを備えたボイラ装置に、複数のボイラ用薬剤成分を注入する薬剤注入方法であって、前記ボイラ用薬剤成分の内、前記補給水の供給量に応じて増加する不要成分と反応して消費される消費系成分群を、前記補給水の供給量に応じて注入し、それ以外の非消費系成分群を前記ブロー量に応じて注入し、且つ、少なくとも何れか一方の注入に、複数の成分が予め複合された複合薬剤を用いることを特徴とする薬剤注入方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
即ち、薬剤成分の内、硬度分散剤などの如く、補給水に含まれる不要成分(例えば、カルシウム等の金属成分)に反応して消費される消費系成分群は、補給水の供給量に応じて注水することにより適量を注水することができるが、pH調整剤などの非消費系成分群は、ボイラ水に維持されることから、上記の如き複合薬剤を補給水量に応じて注入しつづけると、非消費系成分群の濃度が必要以上に高くなり、逆に腐食を招くこととなる。
本発明は、上記問題点及び要望に鑑み、各薬剤成分を個別に注入するといった煩雑さを低減しつつも、注入する各薬剤成分量を適量にすることのできる薬剤注入方法の提供を課題とする。
斯かる薬剤注入方法においては、消費系成分群及び非消費系成分群の少なくとも何れか一方の注入に、複合薬剤を用いることから、すべてを個別に注入する場合に比して煩雑さを低減できる。
また、消費系成分群を補給水の供給量に応じて注入することから、該消費系成分群を適量とすることができる。また、非消費系成分群をブロー量に応じて注入することから該非消費系成分群をも適量とすることができる。
即ち、非消費系成分群は、主にブローによって系外に排出されることとなるため、このブロー量に応じて非消費系成分群を注入することにより、同様に非消費系成分群も適量注入することができる。
また、本発明に於いては、前記非消費系成分群が、少なくとも、前記ボイラ水のpHを調整するpH調整剤と、前記ボイラ装置内部に皮膜を形成する皮膜形成剤とを含むものが好ましい。
図1は、本実施形態に於いてボイラ用薬剤成分が注入されるボイラ装置を示す概略模式図である。
更に、前記ボイラ缶体2は、蒸気の排出によってボイラ水中に含まれる不純物の濃度が上昇することから、不純物濃度を所定の範囲に保つべく、不純物が濃縮された水Eをブローしうるように構成されている。
ここでは、ブローによってボイラ水の電気伝導度が所定以下(例えば、450mS/m以下)に維持されるように設定されている。
尚、補給水量は、例えば、供水タンク3b内に配された水位センサー(図示せず)から水位情報を得て、この水位情報に基づいて調整されるようになっている。
前記非消費系成分群供給手段6は、例えば、該成分群の複合薬剤液を貯留する貯留部6aと、ブローラインに配された流量計等からブロー量に関連する情報を入手し、入手した情報に応じて貯留部6aから給水タンク3b内に非消費系成分群の薬液を注入するように制御する制御部6bとを備えている。
尚、ブロー量は、例えば、濃度センサー(図示せず)から缶体2内の水に含まれる所定不純物(例えば、金属イオン)の濃度情報を得て、この濃度情報に基づいて調整されるようになっている。
上記の如きボイラ装置の稼働時に於いては、蒸気として排出され且つドレン水Cとして回収されない水Dの量及びブロー量に応じて給水タンク3bの水位が低下することから、給水タンク3bの水位に基づいて補給水Aが供給されることとなる。
ここで、本実施形態に於いては、この補給水量の情報を入手し、入手した情報による補給水量に応じて消費系成分群供給手段5から該成分群の複合薬液を給水タンク3b内に注入する。更に、ブロー量の情報を入手し、入手した情報によるブロー量に応じて非消費系成分群供給手段6から該成分群の複合薬液を注入する。
好ましくは、少なくとも硬度分散成分及び炭酸ガス中和成分を含むものを採用することができる。
前記脱酸素成分としては、例えば、ビタミンC、ビタミンCの塩、タンニン、糖類型脱酸素剤、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、亜硫酸塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上用いることができる。
好ましくは、ビタミンC及びビタミンCの塩の少なくとも一方を用いることができる。
前記硬度分散成分としては、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸及びそれらの塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
好ましくは、エチレンジアミン四酢酸及びその塩の少なくとも一方を用いることができる。
前記硬度分散剤として、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸又はその塩(EDTA−Na)が用いられた場合には、補給水Aに含まれているカルシウムイオンやマグネシウムイオンがキレート化され、ボイラ装置の内部表面に対してスケールが付着されにくくなる。また、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸又はそれらの塩などが用いられた場合には、カルシウムイオンやマグネシウムイオンによって形成されたスケールの結晶核の成長が妨げられ、スケールが付着しにくくなる。
このような硬度分散剤を用いることにより、ボイラ装置の内部表面に於けるスケール付着を防止でき、例えば、ボイラの伝熱効率を維持して運転することができる。
前記硬度スラッジ化成分としては、リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等からなる群より選ばれた1種又は2種以上を用いることができ、好ましくは、リン酸ナトリウムを用いることができる。
前記スラッジ分散剤成分としては、タンニン、リグニン、デンプン等からなる群より選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
ここで、前記Mアルカリ成分とは、補給水Aに溶存する炭酸水素塩及び炭酸塩としてのアルカリ成分を意味するものである。
前記炭酸ガス中和成分としては、モルホリン、シクロヘキシルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノエタノール等からなる群より選ばれた1種又は2種以上を用いることができ、好ましくは、モルホリン又は2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いることができる。
前記pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などを1種又は2種以上用いることができる。
前記皮膜形成剤としては、シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、オルトケイ酸塩、ポリケイ酸塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
好ましくは、シリカ(無水ケイ酸)又はケイ酸ナトリウムを用いることができる。
また、ブロー量に応じて非消費系成分群を注入する方法としては、例えば、ブローラインに配された流量計からブロー量に関連する情報(ブロー量情報)を受信し、この情報に基づき所定量の非消費系成分群の薬液を注入させる方法を採用することができる。
また、例えば、前記非消費系成分群として水酸化ナトリウム及びシリカを含む複合薬剤を注入する場合においては、ブロー量1L当たり水酸化ナトリウムが40〜400mg(シリカが10〜600mg)となる量とすることができる。
例えば、本実施形態に於いては、補給水量に応じて消費系成分群を注入する方法として例えば、補給水量を調整する補給水ポンプから補給水量に関連する情報として、補給水量情報を入手し、この情報に基づき所定量の消費系成分群の薬液を注入させる方法を採用したが、本発明に於いては、水位センサーなどから補給量に関連する情報として水位情報などを入手し、この情報に基づき所定量の消費系成分群の薬液を注入させる方法を採用してもよい。
同様に、ブロー量に応じて非消費系成分群を注入する方法としても、例えば、濃度センサーなどからブロー量に関連する情報として濃度情報などを受信し、この情報に基づき所定量の非消費系成分群の薬液を注入させる方法を採用してもよい。
A・・・補給水、 B・・・給水、 C・・・ドレン水
Claims (3)
- ボイラ水の一部を蒸気として排出し一部をブローするように構成されたボイラ缶体と、該ボイラ缶体から排出された蒸気によって生成したドレン水を循環させて補給水とともに給水として利用する循環経路とを備えたボイラ装置に、複数のボイラ用薬剤成分を注入する薬剤注入方法であって、
前記ボイラ用薬剤成分の内、前記補給水の供給量に応じて増加する不要成分と反応して消費される消費系成分群を、前記補給水の供給量に応じて注入し、それ以外の非消費系成分群を前記ブロー量に応じて注入し、且つ、少なくとも何れか一方の注入に、複数の成分が予め複合された複合薬剤を用いることを特徴とする薬剤注入方法。 - 前記消費系成分群が、少なくとも、前記補給水に含まれる金属成分を分散させる硬度分散成分と、前記補給水に含まれるMアルカリ成分が前記ボイラ装置内で分解することにより発生する炭酸ガスを中和する炭酸ガス中和成分とを含む請求項1記載の薬剤注入方法。
- 前記非消費系成分群が、少なくとも、前記ボイラ水のpHを調整するpH調整剤と、前記ボイラ装置内部に皮膜を形成する皮膜形成剤とを含む請求項1又は2記載の薬剤注入方法。
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