JP2001355631A - 動圧軸受装置及びこれを備えたスピンドルモータ - Google Patents

動圧軸受装置及びこれを備えたスピンドルモータ

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JP2001355631A JP2000176244A JP2000176244A JP2001355631A JP 2001355631 A JP2001355631 A JP 2001355631A JP 2000176244 A JP2000176244 A JP 2000176244A JP 2000176244 A JP2000176244 A JP 2000176244A JP 2001355631 A JP2001355631 A JP 2001355631A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温環境下においても十分な軸受剛性を確保
することができる動圧流体軸受装置及び動圧流体軸受装
置を備えたスピンドルモータを提供すること。 【解決手段】 シャフトとラジアル面との間に一対のラ
ジアル軸受部が構成され、一対のスラストプレートとス
ラスト面との間に一対のラジアル軸受部の各々に隣接し
て一対のスラスト軸受部が構成される動圧軸受装置にお
いて、ラジアル軸受部とスラスト軸受部とは一方の外気
との界面から他方の界面に至るまで潤滑油が連続して保
持され、潤滑油に対して各軸受部に形成された動圧発生
用溝が相互に相手方軸受部方向への動圧を発生するとと
もに、スラスト軸受部の微小間隙が、高温環境下におい
て常温時よりも軸線方向寸法が縮小することでラジアル
軸受部及びスラスト軸受部において発生する動圧が平衡
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧軸受装置及び
この動圧軸受装置を備えたスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライブ等において使用
されるスピンドルモータでは、振動や騒音の低減並びに
NRRO(non-repeatable run-out:非繰り返し性振
れ)を抑制することを目的として、従来のボールベアリ
ングに代えて相対回転するシャフトとスリーブとを非接
触で支持する動圧軸受装置が使用されるようになってき
ている。
【0003】このような動圧軸受装置を備えたスピンド
ルモータは、例えば特開平9−217735号公報に開
示される。この従来の動圧軸受装置を備えたスピンドル
モータにおいては、ロータを回転自在に軸支持するため
に、シャフトの軸線方向上下部に一対のスラストプレー
トを配置し、各スラストプレートの軸線方向内方面とそ
れぞれ軸線方向に微小間隙を介して対向するロータのス
ラスト面との間に潤滑油を保持し、動圧発生用溝とし
て、スラストプレートの軸線方向内方面にロータの回転
時に潤滑油に半径方向内方への移送圧力を発生するスパ
イラル溝を形成してスラスト軸受部を構成し、また、シ
ャフトとこのシャフトと半径方向に微小間隙を介して対
向するロータのラジアル面との間に潤滑油を保持し、動
圧発生用溝として、シャフトの表面にロータの回転時に
潤滑油にスラスト軸受部方向への移送圧力を発生する軸
線方向にアンバランスな形状のヘリングボーン溝を形成
してラジアル軸受部を構成している。
【0004】この従来の動圧軸受装置を備えたスピンド
ルモータにおいて、ロータの回転時に各スラスト軸受部
のスパイラル溝の外端が潤滑油の半径方向内方への移動
により露出するよう構成される、或いはスラストプレー
トの一方の面とこれに軸線方向に対向するロータとの間
に半径方向外方に向かって間隔が漸増するテーパ状シー
ル部を備えた微少間隙を形成し、このテーパ状シール部
中に潤滑油と外気との界面が位置して保持されるようス
ラスト軸受部を構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記動圧軸受装置は、
スラスト軸受部に動圧発生用溝としてスパイラル溝を用
いることでスラスト軸受部に保持された潤滑油はスラス
ト軸受部の半径方向内方に圧送されると共に、スラスト
軸受部の半径方向外端部にテーパ状シール部を配置する
ことで、潤滑油の軸受外部への漏出が防止されることを
目的として構成されているが、このような構成において
は、テーパ状シール部によって潤滑油をスラスト軸受部
内に留めようとする作用が働くが、スピンドルモータの
回転時においては、ロータの回転にともない、潤滑油に
は外周方向への遠心力が常に働くので潤滑油を完全にシ
ールすることは困難となる。
【0006】即ち、潤滑油と外気との界面から徐々に潤
滑油は微少量毎に半径方向外方へ移動し、その結果、ラ
ジアル軸受部、スラスト軸受部での潤滑油に対する移送
圧力を均衡させるために、ラジアル軸受部側からスラス
ト軸受部側に潤滑油が供給される。このような過程を経
てラジアル軸受部では最終的に潤滑油はスラスト軸受部
側に潤滑油の移送圧力を生じない程度にヘリングボーン
溝のアンバランス部分に潤滑油が存在しなくなり、一方
スラスト軸受部でも殆どの潤滑油が外周側に移動してス
ラスト軸受部では荷重を支持する動圧力の発生が不可能
となる。
【0007】更に、上記構成のように、回転部材である
ロータ側に動圧発生用溝が形成されていない場合には、
このロータ面におけるマイグレーション現象を防止する
手段が無く、潤滑油のスラストプレート外周部方向への
拡散が継続され、その結果、軸受部に保持されるべき潤
滑油は枯渇し、軸受としての機能が失われる。
【0008】また、上述のような動圧軸受装置を備えた
スピンドルモータにおいては、例えばスピンドルモータ
のステータの発熱によってモータ内部の空間が高温とな
ると、潤滑油の粘度低下や動圧軸受部を構成する各部材
の熱膨張係数の差異等による微小間隙の間隙寸法の変化
によってロータの回転時に動圧発生用溝によって潤滑油
に発生する動圧が低下し、十分な軸受剛性を得ることが
できず、ロータの回転が不安定になるという問題があ
る。
【0009】潤滑油の粘度低下を防止しようとして粘度
指数の高い潤滑油を使用すると、ロータの回転時に動圧
発生用溝の潤滑油に対する粘性抵抗が増加し、これが回
転負荷として加わることとなるため、スピンドルモータ
の消費電力が増大する。
【0010】また、米国特許第5,664,889号に開示され
るように、温度上昇時にラジアル軸受部において規定さ
れる間隙を縮小することで動圧の低下が防止されるよ
う、シャフトをスリーブよりも熱膨張係数の大きな部材
から形成した動圧軸受装置も提案されている。しかしな
がら、ラジアル軸受部は、ロータの回転中の姿勢を保持
するためにスラスト軸受部に規定される間隙の寸法より
も小に設定されているため、部材の熱膨張によって間隙
寸法を正確に制御するのは困難であり、シャフトとスリ
ーブとの接触による軸受面の損傷や焼付きを来すおそれ
がある。
【0011】本発明は、高温環境下においても十分な軸
受剛性を確保することができる動圧流体軸受装置及びこ
の動圧流体軸受装置を備えたスピンドルモータを提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的のために、本発
明は、シャフトと、該シャフトの軸線方向に離れた二ヶ
所において外周面から半径方向外方に突設される一対の
円板状スラストプレートと、前記シャフトと半径方向に
微小間隙を介して対向するラジアル面と該ラジアル面の
軸線方向両端から半径方向外方に延設され前記一対のス
ラストプレートの軸線方向内方面とそれぞれ軸線方向に
微小間隙を介して対向する一対のスラスト面と該スラス
ト面の半径方向外端から軸線方向外方に延設され該一対
のスラストプレートの外周面とそれぞれ半径方向に間隙
を介して対向するスラスト内周面とを有する貫通孔が形
成されたスリーブと、該スリーブの貫通孔の両端開口を
実質的に閉塞し且つ該一対のスラストプレートの軸線方
向外方面と軸線方向に間隙を介して対向する円環状の一
対のカウンタプレートと、該シャフトとラジアル面との
間に規定される微小間隙及び該一対のスラストプレート
と該スラスト面との間に規定される微小間隙に保持され
るとともに回転時には少なくとも該一対のスラストプレ
ートの外周面と該スラスト内周面との間に規定される間
隙を充たし且つ該一対のスラストプレートの軸線方向外
方面と該一対のカウンタプレートとの間に規定される間
隙中において外気との界面が形成される潤滑油とを備え
てなる動圧軸受装置であって、前記一対のスラストプレ
ート間における前記シャフトと前記ラジアル面との間に
規定される微小間隙の軸線方向略中央部には、軸受外部
に連通し外気が保持される気体介在部が形成されるとと
もに、該気体介在部の軸線方向両端部には前記潤滑油と
外気との界面が形成され、前記シャフトと前記ラジアル
面の少なくともいずれか一方には前記気体介在部の軸線
方向上下部に前記潤滑油に対して作用する動圧発生用溝
が形成されて一対のラジアル軸受部が構成され、前記一
対のスラストプレートと前記スラスト面の少なくともい
ずれか一方には前記潤滑油に対して作用する動圧発生用
溝が形成されて前記一対のラジアル軸受部の各々に隣接
して一対のスラスト軸受部が構成され、隣接して構成さ
れる前記ラジアル軸受部と前記スラスト軸受部とは前記
気体介在部側界面から前記一対のスラストプレート側界
面に至るまで前記潤滑油が連続して保持されるととも
に、前記潤滑油に対して各軸受部に形成された動圧発生
用溝が相互に相手方軸受部方向への動圧を発生し、前記
スラスト軸受部の微小間隙は、高温環境下において常温
時よりも軸線方向寸法が縮小し、前記ラジアル軸受部及
び前記スラスト軸受部において発生する動圧が平衡する
ことを特徴とする(請求項1)。
【0013】この構成において、スラスト軸受部と隣接
するラジアル軸受部とに相互に相手方軸受部方向に潤滑
油が移動するよう作用する動圧発生用溝が形成され、両
軸受部の協働により必要な動圧を発生せしめて負荷を支
持する。
【0014】潤滑油中に気泡が混入していると、潤滑油
よりも熱膨張係数の大きい気泡が、高温環境下では体積
が増大することで、潤滑油が軸受外部へと押し出されて
しまい潤滑油が不足して軸受の信頼性が著しく低下す
る。これに対し、各ラジアル軸受部と隣接するスラスト
軸受部とは潤滑油が連続して保持され、片方の潤滑油と
外気との界面(気体介在部側)から他方の潤滑油と外気
との界面(スラストプレート外周部側)に至るまで動圧
が極大となるのは1点のみで極小となる点は存在せず、
従って、潤滑油中に気泡が含まれていても自動的に圧力
が最小となる大気中に排除する構成とすることができ
る。
【0015】更に、回転時において、潤滑油と外気との
界面が一対のカウンタプレートと一対のスラストプレー
トの軸線方向外方面との間に規定される間隙中に形成す
ることで、回転時に潤滑油に作用する遠心力によって、
マイグレーション現象で拡散した潤滑油が半径方向外方
に向かって押圧され、カウンタプレートとスラストプレ
ートとの間に規定される間隙に保持される潤滑油に環流
され、外部への漏出が防止される。即ち、回転時の遠心
力がシール機能を強化するよう作用することとなる。
【0016】この場合、カウンタプレートとスラストプ
レートとの間の間隙が半径方向内方に向かって拡大する
よう構成すると、潤滑油の表面張力による保持力によっ
てシール効果が向上する。
【0017】またこの構成において、ラジアル軸受部と
スラスト軸受部とが隣接して構成され、両軸受部に連続
して潤滑油が保持されるとともに、各軸受部に形成され
る動圧発生用溝が相互に相手方軸受部方向に作用する動
圧を発生することから、ラジアル軸受部に規定される間
隙が高温環境下で拡大し発生する動圧が低下し軸受剛性
が低下した場合にも、スラスト軸受部に規定される間隙
が縮小することでスラスト軸受部で発生する潤滑油のラ
ジアル軸受部側への異動圧力が大きくなり、これと平衡
するためにラジアル軸受部、特にアンバランス部分をカ
バーする潤滑油が増え、結果としてラジアル軸受部の剛
性低下が補償される。
【0018】本発明は、スラスト軸受部の間隙の寸法を
拡大することで高温時の軸受剛性の低下を補償するもの
であるため、上記課題に記載するような軸受面の損傷や
焼付きといった問題が発生することはない。また、粘度
指数の高い潤滑油を使用する必要もないため、潤滑油の
粘性過多に起因する消費電力の増大といった問題も生じ
ることはない。
【0019】また、上記動圧軸受装置において、前記一
対のラジアル軸受部には、動圧発生用溝として前記気体
介在部との反対側の前記スラストプレート方向に作用す
る軸線方向にアンバランスなヘリングボーン溝が形成さ
れ、前記一対のスラスト軸受部には、動圧発生用溝とし
て前記シャフト方向に作用するポンプイン型のスパイラ
ル溝が形成されていることを特徴とする(請求項2)。
【0020】スラスト軸受部に形成されるポンプイン型
のスパイラル溝は、潤滑油を半径方向内方へと圧送する
のみであり、スラストプレートの中心部にシャフトが存
在する場合、スラスト軸受部のみでは必要な軸受剛性を
得ることはできないが、スラスト軸受部に隣接するラジ
アル軸受部に形成されるヘリングボーン溝が気体介在部
との反対側のスラストプレート方向に作用する軸線方向
にアンバランスな形状を有することで、スラスト軸受部
とラジアル軸受部の協働により両軸受部の境界部付近に
圧力ピークが現れ、これにより必要な軸支持力が得られ
る。
【0021】スパイラル溝はヘリングボーン溝に比べて
潤滑油の粘性抵抗が小さいため軸受部で発生する損失
(回転負荷の増大)が低減される。更に、スラストプレ
ートとスラスト面との間に周方向に構成されるスラスト
軸受部の径も小径化されるのでスラスト面に対する相対
的な周速が小さくなるが、これも軸受部で発生する損失
の低減には効果的であり軸受部での損失が一層低減さ
れ、高効率の動圧軸受装置が実現される。
【0022】ラジアル軸受部とスラスト軸受部とが協働
して必要な軸支持力を得るよう動圧発生用溝を構成する
ことで、高温環境下において、ラジアル軸受部で間隙寸
法が常温時よりも拡大し、発生する動圧が低下しても、
スラスト軸受部では間隙寸法が常温時よりも縮小し、発
生する動圧が増大することから、ラジアル軸受部方向へ
の潤滑油の移動量が増加するため、ラジアル軸受部での
動圧の低下が補償されることとなる。
【0023】加えて、上記動圧軸受装置において、前記
スリーブは、前記シャフトよりも熱膨張係数の大きな部
材から形成されることを特徴とする(請求項3)。
【0024】シャフトよりもスリーブの熱膨張係数を大
きくすることで、スリーブの半径方向外方への伸張に対
してシャフトの半径方向外方への伸張が追随することな
く、ラジアル軸受部に規定される間隙は一定寸法以上に
保たれることとなる。また、一対のスラストプレートを
設けたシャフトの熱膨張係数よりもスリーブの熱膨張係
数の方が大きくなっているため、スリーブの軸線方向へ
の伸張に対してシャフトの軸線方向への伸張が追随する
ことなく、スラスト軸受部に規定される間隙は縮小する
こととなり、スラスト軸受部で発生する動圧が大きくな
る。
【0025】更に、上記動圧軸受装置において、前記ス
ラストプレートは、前記シャフトよりも熱膨張係数の大
きな部材から形成されるとともに、前記スラストプレー
トと前記シャフトとの間に、前記スラスト軸受部側に開
口する隙間が周方向に形成されていることを特徴とする
(請求項4)。
【0026】スラストプレートをシャフトよりも熱膨張
係数の大きな部材から構成するとともに、スラストプレ
ートとシャフトとの間にスラスト軸受部側に開口する隙
間を周方向に設けることで、高温環境下でスラストプレ
ートがスラスト軸受部方向へと膨張し、スラスト軸受部
に規定される間隙が縮小される。これにより、ラジアル
軸受部での軸受剛性の低下をスラスト軸受部において補
償可能となる。
【0027】本発明のスピンドルモータは、上記動圧軸
受装置を備える(請求項6)。このスピンドルモータ
は、ハードディスク等の磁気ディスク、光磁気ディス
ク、CD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクを始めとする記録
メディア、特にディスク状の記録メディアを駆動するた
めのスピンドルモータとして用いることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】各図面を参照して本発明の実施の
形態について説明する。尚、以下の説明においては、ハ
ードディスクドライブにおいて使用されるスピンドルモ
ータを例にとり本発明について説明するが、本発明は図
示のスピンドルモータに限定されるものではない。
【0029】図1において、このスピンドルモータ20
は、ブラケット22と、このブラケット22の中央開口
22a内に一方の端部が外嵌固定されるシャフト24
と、このシャフト24に対して相対的に回転自在なロー
タ26とを備える。ロータ26は、外周部にハードディ
スク等の記録メディア(図示せず)が載置されるロータ
ハブ26aと、ロータハブ26aの内周側に位置し、潤
滑油が保持される微少間隙を介してシャフト24に軸支
持されるスリーブ部26bとを備えている。ロータハブ
26aの内周部には接着等の手段によってロータマグネ
ット28が固着されており、このロータマグネット28
と半径方向に対向してブラケット22にステータ30が
装着されている。
【0030】スリーブ部26bの略中央部には内周面が
シャフト24の外周面との間に潤滑油が保持される微少
間隙(ラジアル微小間隙)を形成するようスリーブ部2
6bを軸線方向に貫通する貫通孔26cが形成されてお
り、この貫通孔26cの内周面がシャフト24の外周面
に対するラジアル面として作用する。シャフト24の上
部及び下部にはシャフト24の外周面から半径方向外方
に突出する円板状の上部スラストプレート24a及び下
部スラストプレート24bがそれぞれ取付けられてお
り、貫通孔26cの上部スラストプレート24a及び下
部スラストプレート24bに対応する部位には、上部及
び下部スラストプレート24a、24bの外径よりも大
径な上部開口及び下部開口が形成されている。この上部
及び下部開口は、上部スラストプレート24aの上面
(軸線方向外方面)並びに下部スラストプレート24b
の下面(軸線方向外方面)の各々と軸線方向に間隙を介
して対向し且つ中央部にシャフト24が遊嵌状に挿通さ
れる開口を有する円環状の上部カウンタプレート26f
及び下部カウンタプレート26hによって実質的に閉塞
されている。
【0031】貫通孔26c内周部から上部開口の内周面
26d(スラスト内周面)に至る上部スラスト面26i
と、上部スラストプレート24aの下面(軸線方向内方
面)との間には、潤滑油が保持される微少間隙が形成さ
れており、上部スラストプレート24aの下面には、ロ
ータ26の回転にともない潤滑油中に動圧を発生するた
めのスパイラル溝32が形成され上部スラスト軸受部3
4が構成されている。また、貫通孔26c内周部から下
部開口の内周面26e(スラスト内周面)に至る下部ス
ラスト面26jと、下部スラストプレート24bの上面
(軸線方向内方面)との間には、潤滑油が保持される微
少間隙が形成されており、下部スラストプレート24b
の上面には、ロータ26の回転にともない潤滑油中に動
圧を発生するためのスパイラル溝32が形成され下部ス
ラスト軸受部36が構成される。尚、上部スラスト軸受
部34に形成されるスパイラル溝32と下部スラスト軸
受部36に形成されるスパイラル溝32とは実質上同一
の形状を有しており、以下に詳述する。
【0032】図2に示すように、これら上部及び下部ス
ラスト軸受部34、36に形成されるスパイラル溝32
は、発生する動圧が潤滑油を半径方向内方に向かって圧
送する、いわゆるポンプイン型の動圧発生用溝として機
能するよう、外周側の端部が回転方向に対して前方に位
置する形状を有している。尚、スパイラル溝32は、上
部及び下部スラストプレート24a、24bの軸線方向
内側面にかえて、上部及び下部スラスト面26i、26
jに、あるいは上部及び下部スラストプレート24a、
24bと上部及び下部スラスト面26i、26jのそれ
ぞれに形成することも可能である。
【0033】このように上部及び下部スラスト軸受部3
4、36の動圧発生手段をスパイラル溝32とすること
で、ヘリングボーン形状の動圧発生用溝を用いる場合に
比べて、スラストプレート24a、24bの外径を小径
化することができるため、ロータ26に対する周速を小
さくしスラストプレート24a、24b自体の回転時の
抵抗を小さくすることができスピンドルモータ20の効
率を高めることができるとともに、下部スラスト軸受部
36がロータマグネット28及びステータ30からなる
磁気回路部に与える影響を少なくすることができ、十分
な駆動トルクを得ることができる。また、潤滑油の粘性
抵抗による上部及び下部スラスト軸受部34、36の軸
受損を小さくし、スピンドルモータ20の電気的効率を
高め、消費電力を抑制することができる。
【0034】上部スラストプレート24aの外周面は軸
線方向外側に向かって、これと半径方向に対向するスリ
ーブ部26bの上部開口の内周面26dとの間の間隙が
拡大するよう、テーパ状に形成されており、上部スラス
ト軸受部34に保持される潤滑油は、この上部スラスト
プレート24aの外周面とスリーブ部26bの上部開口
の内周面26dとの間の間隙中において、外気との界面
がメニスカス状に形成されている。
【0035】同様に、下部スラストプレート24bの外
周面は軸線方向外側に向かって、これと半径方向に対向
するスリーブ部26bの下部開口の内周面26eとの間
の間隙が拡大するようテーパ状に形成されており、下部
スラスト軸受部36に保持される潤滑油は、この下部ス
ラストプレート24bの外周面とスリーブ部26bの下
部開口の内周面26eとの間の間隙中において、外気と
の界面がメニスカス状に形成されている。
【0036】このように、上部及び下部スラスト軸受部
34、36に保持される潤滑油を、静止時には上部及び
下部スラストプレート24a、24bの外周面とこれと
半径方向に対向するスリーブ部26bの内周面26d、
26eとの間に形成される間隙中において外気との界面
が形成されるよう保持すると、回転時に遠心力によって
潤滑油が半径方向外方に移動した場合でも内周面26
d、26eによってさらなる移動が阻止される。また、
マイグレーション現象によって上部及び下部スラストプ
レート24a、24b及びスリーブ部26bの表面に拡
散した潤滑油は、遠心力の作用で半径方向外方に移動
し、上部及び下部スラスト軸受部34、36に保持され
る潤滑油に環流され、外部に漏出することが防止され
る。
【0037】更に、上部カウンタプレート26fの下面
及び下部カウンタプレート26hの上面(軸線方向内方
面)は、半径方向内方に向かうにつれて上部スラストプ
レート24aの上面及び下部スラストプレート24bの
下面との間の軸線方向間隙が拡大するテーパ状に形成さ
れている。この上部及び下部カウンタプレート26f、
26hの軸線方向内方面と上部及び下部スラストプレー
ト24a、24bの軸線方向外方面との間に規定される
間隙は、上部及び下部カウンタプレート26f、26h
の開口を規定する内周面とシャフト24の外周面との間
の間隙を通じて外気に連通開放されており、スピンドル
モータ20の回転時において、潤滑油は、上部及び下部
カウンタプレート26f、26hの軸線方向内方面と上
部及び下部スラストプレート24a、24bの軸線方向
外方面との間に規定される間隙において外気との界面を
形成して保持されている。
【0038】このように、スピンドルモータ20の回転
時において、潤滑油と外気との界面が半径方向内方を向
くテーパ状に形成された上部及び下部カウンタプレート
26f、26hの軸線方向内方面と上部及び下部スラス
トプレート24a、24bの軸線方向外方面との間に規
定される間隙中にあることから、スピンドルモータ20
の回転時に潤滑油に作用する遠心力によって、マイグレ
ーション現象で拡散した潤滑油が半径方向外方に向かっ
て押圧され、上部及び下部カウンタプレート26f、2
6hの軸線方向内方面と上部及び下部スラストプレート
24a、24bの軸線方向外方面との間に規定される間
隙に保持される潤滑油に環流され、スピンドルモータ2
0の外部への漏出が防止される。
【0039】尚、上部及び下部カウンタプレート24
a、24bの開口を規定する内周面とシャフト24の外
周面との間の半径方向の間隙を可能な限り小さく設定す
ることによって、スピンドルモータ20の回転時に、こ
の半径方向の間隙における外気の流速と上部及び下部カ
ウンタプレート26f、26hの軸線方向内方面と上部
及び下部スラストプレート24a、24bの軸線方向外
方面との間に規定される間隙における外気の流速との差
が大きくなり、潤滑油が気化することによって生じた蒸
気の外部への流出抵抗を大きくして潤滑油の境界面近傍
に於ける蒸気圧を高く保てるので、更なる潤滑油の蒸散
を防止することができる。この場合、これら各面に例え
ばフッ素系材料からなる撥油剤を塗布しておくと、上記
効果を更に高めることができる。
【0040】シャフト24の外周面の略中央部には、貫
通孔26cの内周面との間の間隙の半径方向間隙が拡大
するよう、環状の凹部24cが形成されており、この凹
部24cにはシャフト24中に形成された外気と連通す
る連通孔38が開口し、この開口部より微少間隙中に取
り込まれた外気は凹部24cと貫通孔26cの内周面と
の間に環状の気体介在部40を形成する。この凹部24
cは、軸線方向外側に向かって両端部がテーパ状に形成
されており、シャフト24の外周面と貫通孔26cの内
周面との間の微少間隙中に保持された潤滑油は、凹部2
4cの軸線方向上下部においてそれぞれ気体介在部40
に保持される外気との界面をメニスカス状に形成して軸
線方向上下に分割される。貫通孔26cの内周面のこれ
ら上下に分割されて保持される潤滑油に対応する部位に
は、ロータ26の回転にともない潤滑油中に動圧を発生
するためのヘリングボーン溝42が形成され上部ラジア
ル軸受部44及び下部ラジアル軸受部46が構成されて
いる。尚、上部及び下部スラスト軸受部34、36とこ
れらの各々に隣接する上部及び下部ラジアル軸受部4
4、46とはそれぞれ一方の軸受端部から相手方軸受端
部に至るまで潤滑油が連続して保持される。尚、ヘリン
グボーン溝42については以下に詳述する。
【0041】図3に示すとおり、これら上部及び下部ラ
ジアル軸受部44、46に形成されるヘリングボーン溝
42は、互いに逆方向のスパイラル形状の動圧発生用溝
を連結したものであり、それぞれ発生する動圧が、潤滑
油を気体介在部40とは反対方向である軸線方向外側に
向かって、即ち隣接する上部及び下部スラスト軸受部3
4、36に向かって圧送し、発生する動圧の圧力ピーク
が軸線方向に偏倚するよう、軸線方向外方側(スラスト
プレート24a、24b側)に位置するスパイラル状溝
が軸線方向内方側(気体介在部40側)に位置するスパ
イラル状溝に比べて短くなっている。
【0042】上部及び下部ラジアル軸受部44、46の
ヘリングボーン溝42を、発生する動圧がそれぞれ潤滑
油を軸線方向外側に向かって圧送し、動圧の圧力ピーク
が軸線方向に偏倚して発生する形状とすることで、例え
ば潤滑油の充填時等にラジアル軸受部44、46に保持
される潤滑油中に生じた気泡が圧力の高い軸受部から圧
力の低い気体介在部40に保持される外気との境界面側
へと移動し、気体介在部40から連通孔38を通じて軸
受外部に排出される。
【0043】この構成において、上部及び下部スラスト
軸受部34、36には形成される動圧発生手段はスパイ
ラル溝32であるのでそれのみでは必要な荷重支持圧を
発生できないが、上部及び下部スラスト軸受部34、3
6のスパイラル溝32を、潤滑油を半径方向内方に向か
って(上部及び下部ラジアル軸受部44、46方向)圧
送するポンプイン型の形状とし、またスラスト軸受部3
4、36に隣接するラジアル軸受部44、46のヘリン
グボーン溝42を、潤滑油を軸線方向外側に向かって
(スラスト軸受部34、36方向)へ圧送し、動圧の圧
力ピークが軸線方向に偏倚して発生するよう軸線方向に
アンバランスな形状とすることで、隣接するラジアル軸
受部とスラスト軸受部との境界部近傍において圧力ピー
クが発生することとなる。従って、両軸受部の協働によ
り荷重を支持するに十分な動圧を発生せしめることが可
能となる。この場合、ロータ26の回転時に上部及び下
部ラジアル軸受部44、46近傍の潤滑油の気体介在部
40側境界面が上部及び下部ラジアル軸受部44、46
内に移動してアンバランスなヘリングボーン溝42の一
部を外気中に露出せしめてそれぞれに隣接するスラスト
軸受部34、36の動圧と平衡するよう溝諸元を設定す
る。
【0044】また、上部及び下部ラジアル軸受部44、
46は、それぞれ隣接するスラスト軸受部34、36と
潤滑油が連続して保持され、片方の潤滑油の界面から他
方の潤滑油の界面に至るまで動圧が極大となるのは1点
のみで極小となる点は存在せず、従って、潤滑油中に気
泡が含まれていても自動的に圧力が最小となるメニスカ
ス状に形成された各界面から外気中に排出する構成とす
ることができる。
【0045】このように、各軸受部に保持される潤滑油
中に生じた気泡は、順次低圧である各端部界面側に移動
し、各潤滑油の界面より外気中に排出されるため、気泡
が潤滑油中に滞留することがなく、スピンドルモータ2
0の温度上昇時あるいは外部気圧の変化等によって気泡
が膨張して体積が増加することで、潤滑油が軸受外部に
漏出することが防止される。
【0046】上記構成のスピンドルモータ20における
高温環境下での軸受剛性の補償について説明する。
【0047】シャフト24並びに上部及び下部スラスト
プレート24a、24bをSUS420J2(熱膨張係数:約1
1×10-6)から形成し、スリーブ部26bをBC-6C
(熱膨張係数:約18×10-6)から形成する場合、シ
ャフト24よりもスリーブ部26bの方が熱膨張係数の
大きな部材から形成されているため、約20゜C〜約10
0゜C間の温度変化で、スリーブ部26bの半径方向外方
への伸張にシャフト24の半径方向外方への伸張が追随
することがなく、上部及び下部ラジアル軸受部44、4
6において規定される半径方向の間隙寸法は拡大するの
みで縮小することはない。
【0048】これに対し上部及び下部スラスト軸受部3
4、36においては、上部及び下部スラストプレート2
4a、24bが取付けられたシャフト24の熱膨張係数
よりもスリーブ部26bの熱膨張係数の方が大きくなっ
ているため、スリーブ部26bの軸線方向への伸張に対
してシャフト24の軸線方向への伸張が追随することな
く、上部及び下部スラスト軸受部34、36に規定され
る軸線方向の間隙寸法は縮小することとなる。例えば、
スリーブ部26bの上部スラストプレート24aの軸受
部を構成する軸線方向内側面から下部スラストプレート
24bの軸受部を構成する軸線方向内側面までの軸線方
向寸法が約15mmであるとき、上記温度変化の範囲にお
いて、上部及び下部スラスト軸受部34、36に規定さ
れる軸線方向の間隙寸法は、計算によると約4.2μm
の減少となりスリーブ部26bが熱膨張する前の約半分
となるが、これは十分に制御可能な範囲である。
【0049】上記のとおり、上部及び下部ラジアル軸受
部44、46において規定される半径方向の間隙寸法が
拡大し、上部及び下部ラジアル軸受部44、46で発生
する動圧が低下してラジアル軸受部の負荷容量、剛性等
が減少するが、上部及び下部スラスト軸受部34、36
に形成されるスパイラル溝32がそれぞれ隣接するラジ
アル軸受部44、46方向に作用する動圧を発生すると
ともに、上部及び下部スラスト軸受部34、36におい
て規定される軸線方向間隙が縮小することで、発生する
潤滑油の動圧が高まり且つスパイラル溝32による潤滑
油の圧送能力が大となることで、ラジアル軸受部44、
46ではこれと平衡するためにラジアル軸受部、特にア
ンバランス部分を潤滑油がカバーする領域が増えるので
低下した分の軸受剛性が補償され、安定した軸支持力が
維持される。また、上部及び下部ラジアル軸受部44、
46においては間隙寸法が拡大するのみで縮小すること
はないでので、ロータ26の回転時の姿勢を安定して支
持するためにラジアル軸受部44、46に規定される半
径方向の間隙寸法を小に設定した場合も、部材の熱膨張
に起因してラジアル軸受部44、46を規定するシャフ
ト24の外周面とスリーブ部26bの貫通孔26cの内
周面とが接触し、軸受面に損傷や焼付き等が発生するこ
とはない。
【0050】尚、上記構成に代えて、図4に部分的に示
すように、シャフト24の外周面と、これと直交するス
ラストプレート24a(及び24b)の軸線方向内側面
との境界部付近に、スラスト軸受部34(及び36)方
向に開口するよう、周状の切欠24dを設けるとともも
に、スラストプレート24a(及び24b)をシャフト
24並びにスリーブ部26bよりも熱膨張係数の大きな
部材から形成することで、高温時の熱膨張によるスラス
トプレート24a(及び24b)の伸張方向をスラスト
軸受部34(及び36)側に制御することができる。従
って、図1〜図3に示す実施形態と同様に、高温時にお
いてラジアル軸受部の間隙寸法を変えることなく、スラ
スト軸受部の間隙寸法のみ縮小するよう制御し、軸受剛
性を補償することが可能となる。
【0051】この場合、シャフト24及びスリーブ部2
6bをSUS420J2等のステンレス鋼(熱膨張係数:約11
×10-6)から形成し、スラストプレート24a(及び
24b)をアルミニウム又はアルミニウム合金(熱膨張
係数:約23.6×10-6)から形成するのが好まし
い。
【0052】以上、本発明に従う動圧軸受装置及びその
動圧軸受装置を備えたスピンドルモータの一実施形態に
ついて説明したが、本発明はかかる実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々
の変形乃至修正が可能である。
【0053】即ち、上記においては、シャフト24と上
部及び下部スラストプレート24a、24bとが別々に
形成された動圧流体軸受装置を例にとり説明したが、こ
れらの部材が一体的に形成される場合も同様に本発明を
実施することができる。
【0054】また、上記において、シャフト24、上部
及び下部スラストプレート24a、24b並びにスリー
ブ部26bを構成する部材については好ましい組み合わ
せを例示するのみであり、同様の特性を得ることのでき
る他の部材を用いることも可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1の動圧軸受装置では、
潤滑油中に気泡が含まれていても自動的に圧力が最小と
なる大気中に排除することができ、また、マイグレーシ
ョン現象によってスラストプレート及びスリーブ表面に
拡散した潤滑油は、遠心力の作用で半径方向外方に移動
し、スラスト軸受部に保持される潤滑油に環流され、外
部に漏出することが防止される。
【0056】更に、ラジアル軸受部に規定される間隙が
高温環境下で拡大し発生する動圧が低下し軸受剛性が低
下した場合にも、スラスト軸受部に規定される間隙が縮
小することでスラスト軸受部で発生する動圧が大きくな
り、ラジアル軸受部方向へより多くの潤滑油が移動する
こととなるため、ラジアル軸受部の潤滑油の保持量が増
加し、ラジアル軸受部での軸受構成の低下が補償され
る。即ち、高温環境下にあっても軸受剛性が十分に保た
れ、安定した軸支持力が発揮される。
【0057】本発明の請求項2の動圧軸受装置では、ス
ラスト軸受部で発生する潤滑油の粘性抵抗等に起因する
損失を著しく低減することができ、高効率の動圧軸受装
置を実現することが可能となる。
【0058】本発明の請求項3の動圧軸受装置では、高
温環境下にあってもラジアル軸受部に規定される間隙が
縮小することなく、スラスト軸受部に規定される間隙の
み縮小して十分な軸受剛性を維持することができるとと
もに、ラジアル軸受部を構成するシャフトとスリーブと
の接触による軸受面の損傷や焼付きが防止される。
【0059】本発明の請求項4の動圧軸受装置では、高
温環境下でラジアル軸受部に規定される間隙が縮小する
ことなく、スラスト軸受部に規定される間隙のみ縮小し
て十分な軸受剛性を維持することができるとともに、ラ
ジアル軸受部を構成するシャフトとスリーブの接触によ
る軸受面の損傷や焼付きが防止される。
【0060】本発明の請求項5のスピンドルモータで
は、高温環境下にあっても動圧軸受装置の軸受剛性が低
下することなく、ロータの安定した回転が維持されると
ともに、潤滑油の早期の枯渇による信頼性の低下が防止
され、また、低消費電力化をはかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧軸受装置を備えたスピンドルモー
タの断面図である。
【図2】図1において示すスラストプレートの平面図で
ある。
【図3】図1において示すスリーブの断面図である。
【図4】図1において示す本発明の動圧軸受装置を備え
たスピンドルモータの変形例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
20 スピンドルモータ 24 シャフト 24a、24b スラストプレート 26b スリーブ部 24c 貫通孔 26d、26e 内周面(スラスト内周面) 26f、26h カウンタプレート 26i、26j スラスト面 32 スパイラル溝 34、36 スラスト軸受部 40 気体介在部 42 ヘリングボーン溝 44、46 ラジアル軸受部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトと、該シャフトの軸線方向に離
    れた二ヶ所において外周面から半径方向外方に突設され
    る一対の円板状スラストプレートと、前記シャフトと半
    径方向に微小間隙を介して対向するラジアル面と該ラジ
    アル面の軸線方向両端から半径方向外方に延設され前記
    一対のスラストプレートの軸線方向内方面とそれぞれ軸
    線方向に微小間隙を介して対向する一対のスラスト面と
    該スラスト面の半径方向外端から軸線方向外方に延設さ
    れ該一対のスラストプレートの外周面とそれぞれ半径方
    向に間隙を介して対向するスラスト内周面とを有する貫
    通孔が形成されたスリーブと、該スリーブの貫通孔の両
    端開口を実質的に閉塞し且つ該一対のスラストプレート
    の軸線方向外方面と軸線方向に間隙を介して対向する円
    環状の一対のカウンタプレートと、該シャフトとラジア
    ル面との間に規定される微小間隙及び該一対のスラスト
    プレートと該スラスト面との間に規定される微小間隙に
    保持されるとともに回転時には少なくとも該一対のスラ
    ストプレートの外周面と該スラスト内周面との間に規定
    される間隙を充たし且つ該一対のスラストプレートの軸
    線方向外方面と該一対のカウンタプレートとの間に規定
    される間隙中において外気との界面が形成される潤滑油
    とを備えてなる動圧軸受装置であって、 前記一対のスラストプレート間における前記シャフトと
    前記ラジアル面との間に規定される微小間隙の軸線方向
    略中央部には、軸受外部に連通し外気が保持される気体
    介在部が形成されるとともに、該気体介在部の軸線方向
    両端部には前記潤滑油と外気との界面が形成され、前記
    シャフトと前記ラジアル面の少なくともいずれか一方に
    は前記気体介在部の軸線方向上下部に前記潤滑油に対し
    て作用する動圧発生用溝が形成されて一対のラジアル軸
    受部が構成され、 前記一対のスラストプレートと前記スラスト面の少なく
    ともいずれか一方には前記潤滑油に対して作用する動圧
    発生用溝が形成されて前記一対のラジアル軸受部の各々
    に隣接して一対のスラスト軸受部が構成され、 隣接して構成される前記ラジアル軸受部と前記スラスト
    軸受部とは前記気体介在部側界面から前記一対のスラス
    トプレート側界面に至るまで前記潤滑油が連続して保持
    されるとともに、前記潤滑油に対して各軸受部に形成さ
    れた動圧発生用溝が相互に相手方軸受部方向への動圧を
    発生し、 前記スラスト軸受部の微小間隙は、高温環境下において
    常温時よりも軸線方向寸法が縮小し、前記ラジアル軸受
    部及び前記スラスト軸受部において発生する動圧が平衡
    することを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記一対のラジアル軸受部には、動圧発
    生用溝として前記気体介在部との反対側の前記スラスト
    プレート方向に作用する軸線方向にアンバランスなヘリ
    ングボーン溝が形成され、前記一対のスラスト軸受部に
    は、動圧発生用溝として前記シャフト方向に作用するポ
    ンプイン型のスパイラル溝が形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記スリーブは、前記シャフトよりも熱
    膨張係数の大きな部材から形成されることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記スラストプレートは、前記シャフト
    よりも熱膨張係数の大きな部材から形成されるととも
    に、前記スラストプレートと前記シャフトとの間に、前
    記スラスト軸受部側に開口する隙間が周方向に形成され
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の動圧軸
    受装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の
    動圧軸受装置を備えたスピンドルモータ。
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