JP2001355334A - パイプ連結金具 - Google Patents

パイプ連結金具

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JP2001355334A JP2000179748A JP2000179748A JP2001355334A JP 2001355334 A JP2001355334 A JP 2001355334A JP 2000179748 A JP2000179748 A JP 2000179748A JP 2000179748 A JP2000179748 A JP 2000179748A JP 2001355334 A JP2001355334 A JP 2001355334A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業中にパーツを取り落とす心配がなく、短
時間で脱着作業を行うことのできるパイプ連結金具を提
供すること。 【解決手段】 把持具本体3の両側に設けた円弧溝5
a,5bに沿って円弧状の把持部材2a,2bを周方向
に移動させることによってパイプ把持部6a,6bと把
持部材2a,2bとの間にパイプを把持する。パイプ把
持部6a,6bに重ねて把持部材2a,2bを格納する
構成とすることで把持具本体3の両側を完全な開放状態
とし、パイプのどのような位置においても容易にパイプ
連結金具1を取り付けられるようにする。また、パイプ
把持部6a,6bとこれを固定する雄ネジ4a,4bを
把持具本体3に一体的に取り付けることにより、作業中
の部品の落下を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセットして配
備された2本のパイプを接続するパイプ連結金具の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセットして配備される2本のパイプ
を接続するためのパイプ連結金具として、既に様々なも
のが提案されている。その構造を大別すると、図17
(a)に示されるようなパイプ連結金具と図18(a)
に示されるようなパイプ連結金具とに分けることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図17(a)は、パイ
プを通す貫通孔102を備えた連結金具本体103の一
端に半円弧状のパイプ支持部104を形成すると共に、
パイプ支持部104の下端部にピン105を介して半円
弧状のパイプ把持部材106を回転自在に取り付け、こ
のパイプ把持部材106の先端部をパイプ支持部104
の上端部に固定する構造のパイプ連結金具101につい
て示した斜視図である。
【0004】また、図17(b)は、このパイプ連結金
具101においてパイプ把持部材106の先端部とパイ
プ支持部104とを固定するための構造について簡略化
して示した部分断面図であり、図17(c)は、パイプ
連結金具101からその構成要素であるツマミ付ナット
109を取り外した状態で図17(b)に相当する部分
を示した平面図である。
【0005】図17(b)および図17(c)に示され
るように、パイプ支持部104の上端部には、パイプ把
持部材106の先端部を嵌合するための溝状の欠切部1
07が形成されており、この欠切部107を表裏に貫通
するようにしてパイプ支持部104の上端部にピン10
8が取り付けられている。更に、ピン108の中央部に
は、パイプ把持部材106の先端部を固定するためのツ
マミ付ナット109を備えた雄ネジ110の基部が直交
するかたちで固着されている。
【0006】また、パイプ把持部材106の先端部に
は、これらのピン108,雄ネジ110との干渉を避け
るための横溝111と縦溝112とが刻設され、パイプ
把持部材106の先端部がピン108,雄ネジ110と
干渉することなく欠切部107に突入できるようになっ
ている。
【0007】パイプ支持部104に対するパイプ把持部
材106の固定は、図17(a)および図17(b)に
示されるように、パイプ把持部材106の先端部をパイ
プ支持部104の欠切部107に突入させた状態でツマ
ミ付ナット109を締め付け、ツマミ付ナット109の
下面でパイプ把持部材106の先端部の上面、つまり、
縦溝112の外周部を強く押さえて固定することによっ
て達成される。この係合を解除してパイプ把持部材10
6を外側に回転させる場合には、単に、ツマミ付ナット
109を緩めるだけでよく、ツマミ付ナット109自体
を雄ネジ110から取り外してしまう必要はない。
【0008】このような構造を有するパイプ連結金具1
01を使用してオフセット配備されたパイプを接続する
場合には、予め、パイプ支持部104の上端部に対する
パイプ把持部材106の係合を解除し、パイプ把持部材
106を開いておくようにする。
【0009】そして、まず、オフセットして配備された
2本のパイプのうちの何れか一方を連結金具本体103
の貫通孔102に通してから、パイプ連結金具101を
この一方のパイプに沿って必要な位置にまでずらせ、所
望の接続位置に達したところで、パイプ支持部104と
パイプ把持部材106とによって他方のパイプを挟むよ
うにしてパイプ把持部材106を閉じ、前述したように
してパイプ把持部材106の先端部をパイプ支持部10
4に固定することになる。
【0010】従って、このような構造でパイプ同士の接
続作業を行う場合には、予め、接続対象となるパイプの
うちの何れか一方を必ず貫通孔102に通しておかなけ
ればならず、パイプ中央部での接続作業が困難となる問
題がある。また、パイプの端部にキャップ状のエンドピ
ース等が設けられている場合には、貫通孔102に対す
るパイプの挿入に支障をきたすので、パイプ同士の接続
作業自体が不可能となってしまう。
【0011】一方、図18(a)は、半円弧状のパイプ
支持部114,114を並列して設けた対称形の連結金
具本体115,115を重合させ、雄ネジ116および
ツマミ付ナット117でパイプに共締めすることによっ
て、2本のパイプを接続するようにしたパイプ連結金具
113について示す斜視図、また、図18(b)はその
断面図である。
【0012】このような構造のパイプ連結金具113を
適用した場合、パイプ中央部での接続作業もキャップ状
のエンドピース等を備えたパイプの接続作業も実施する
ことが可能である。
【0013】しかし、安全上の観点、つまり、ツマミ付
ナット117の脱着時間を短くして足場の悪い状況下で
作業する作業者の安全を確保するといった目的から、雄
ネジ116とツマミ付ナット117の螺合部の長さが最
低限度に抑えられており、この結果、連結金具本体11
5,115を大きく離間させてパイプ中央部での接続作
業を行うような場合には、一旦、完全にツマミ付ナット
117を取り外してしまわなければならないといった問
題が生じる。
【0014】このようにして連結金具本体115,11
5を完全に分離させてしまうと、連結金具本体115,
115をパイプに仮り止めすることができず、雄ネジ1
16やツマミ付ナット117、また、場合によっては、
連結金具本体115,115自体を取り落としてしまう
といった可能性もあり、高所で作業を行うような場合、
落下事故の危険等が懸念される。
【0015】また、このように作業が煩雑化する結果、
雄ネジ116とツマミ付ナット117との螺合部の長さ
を短縮しているとは言え、実際に作業時間が短縮される
といった保証はなく、作業者自身の安全向上に役立つ構
造であるかどうかにも疑問が残る。
【0016】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、パイプのどのような位置においても容
易に接続作業を行うことができ、しかも、全体が一体化
していて作業中にパーツを取り落とすような心配もな
く、短時間で脱着作業を行うことのできるパイプ連結金
具を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、パイプを把持
するための二つの円弧状の把持部材と、これらの把持部
材を装着する把持具本体とから成るパイプ連結金具であ
り、前記目的を達成するため、特に、把持具本体の両側
に前記把持部材の外周部を周方向摺動自在に保持するた
めの円弧溝を有するパイプ把持部を配備し、前記円弧溝
の側壁には把持部材に沿って延びる円弧状の長穴を穿設
すると共に、前記把持部材の周方向一端部の側面に雌ネ
ジを刻設し、前記円弧状の長穴を介して円弧溝の側壁を
貫通する雄ネジを前記雌ネジに螺合して二つの円弧状の
把持部材を把持具本体に固定したことを特徴とする構成
を有する。
【0018】このような構成によれば、パイプを把持す
るための円弧状の把持部材は、把持具本体の両側の円弧
溝に重合した状態でコンパクトに収納される。このパイ
プ連結金具を用いてオフセット配備された2本のパイプ
を接続する際には、まず、把持具本体の両側に円弧状の
把持部材を格納した状態のまま、2本のパイプの各々の
対向面に把持具本体の両側のパイプ把持部を押し当てる
ようにして把持具本体を挿入する。このとき円弧状の把
持部材は円弧溝に重合して格納されているため、把持具
本体の両側は完全な開放状態となっており、パイプのど
のような位置においても容易に把持具本体を挿入するこ
とができる。そして、円弧溝の側壁に穿設された円弧状
の長穴を貫通して把持部材の雌ネジと螺合した雄ネジを
緩め、把持具本体の両側に格納されている円弧状の把持
部材の各々を夫々の円弧溝に沿って周方向に摺動させ、
把持具本体のパイプ把持部と円弧状の把持部材とによっ
て各々のパイプを包み込むようにしてパイプを保持す
る。最終的に、把持部材の雌ネジと螺合している雄ネジ
を強く締め付けることによって把持部材を把持具本体の
パイプ把持部に確実に固定する。把持部材の各々は、把
持部材の雌ネジと螺合した雄ネジと円弧状の長穴との嵌
合部、および、把持部材の外周と円弧溝の端部内周との
接触面によって支承されるため、径方向外側に向けて作
用する力、つまり、把持部材を押し開こうとする力に対
して強い耐久力を発揮することができる。また、パイプ
連結金具を構成する把持部材や雄ネジは全て把持具本体
と一体に取り付けられているため、作業中に部品を取り
落とすといった心配もない。更に、把持部材の各々は、
把持部材の端部側面に設けられた雌ネジと螺合した雄ネ
ジと円弧状の長穴との嵌合、および、把持部材の外周と
円弧溝の端部内周との接触によって支承される構造であ
るため、雄ネジを締め付ける前の段階では、把持部材の
端部、つまり、雌ネジの刻設位置を支点として径方向内
側への回転が許容される。従って、パイプ連結金具の取
り付け対象となるパイプの径が細いような場合には、把
持部材を円弧溝に沿って適当な距離だけ周方向に摺動さ
せた状態で、前述のネジ止め位置を支点として把持部材
を内側に回転させることにより、小径のパイプを的確に
把持することができる。この場合、把持部材の外周と円
弧溝の端部内周との接触による支承効果は得られないの
で、把持部材の雌ネジと螺合している雄ネジを強く締め
付けることによって把持部材の開きを防止することにな
る。
【0019】また、前記把持具本体は、把持部材の外周
部を周方向摺動自在に保持するための円弧溝を有するパ
イプ把持部を一側に配備した一対の把持具本体構成要素
を回転自在に接続して形成することができ、その接続部
に、把持具本体構成要素同士の成す捩れ角を所望する値
に設定する回転角設定機構を配備した構成とすることが
可能である。
【0020】このような構成によれば、一対の把持具本
体構成要素によって形成される把持具本体の両側に位置
するパイプ把持部の成す捩れ角を任意に設定することが
できるので、斜交して配備されたパイプ同士も的確に接
続することができるようになる。
【0021】更に、具体的な構成として、一対の把持具
本体構成要素間に生じる回転を許容して一対の把持具本
体構成要素を相互に接近する方向に付勢するスプリング
と、これら一対の把持具本体構成要素の接続面の各々に
形成された凹凸嵌合部とから成る回転角設定機構を提案
する。
【0022】この場合、パイプ把持部の成す捩れ角は把
持具本体構成要素の接続面の各々に形成された凹凸嵌合
部によって保持される。捩れ角を変更する際には、スプ
リングの付勢力に抗して把持具本体構成要素同士を相互
に離間させて各々の接続面を引き離し、把持具本体構成
要素同士を相互に回転させて所望する捩れ角を得た後、
改めてスプリングの力で接続面を当接させ、当該回転位
置において凹凸嵌合を得るようにする。
【0023】また、本発明は、パイプを把持するための
二つの円弧状の把持部材と、これらの把持部材を装着す
る把持具本体とから成るパイプ連結金具において、前記
把持具本体の両側に前記把持部材の各々と対向する円弧
状のパイプ把持部を形成すると共に、この把持具本体と
前記把持部材との間に、前記パイプ把持部に対する前記
把持部材の接離移動を案内するためのガイド機構と、前
記把持部材を任意の接離移動位置で固定するための把持
部材固定機構とを一体的に配備したことを特徴とする構
成により、前記と同様の目的を達成した。
【0024】このような構成を有するパイプ連結金具に
よってオフセット配備された2本のパイプを接続する際
には、まず、ガイド機構の案内に沿ってパイプ把持部か
ら把持部材を離間させ、パイプ把持部と把持部材との間
に間隙を形成させる。そして、この間隙を利用して、パ
イプ連結金具の側方から各々のパイプを挿入する。前記
と同様、把持具本体の両側は完全な開放状態となるた
め、パイプのどのような位置においても容易にパイプ連
結金具を挿入することが可能である。そして、把持部材
を再びパイプ把持部に接近させて円弧状のパイプ把持部
と把持部材とによってパイプを把持し、把持部材固定機
構によってパイプ把持部に対する把持部材の位置を固定
し、パイプ把持部と把持部材とによるパイプの把持状態
を確保する。前記と同様、パイプ連結金具を構成する把
持部材やガイド機構および把持部材固定機構等の全てが
把持具本体と一体に取り付けられているため、作業中に
部品を取り落とすといった心配がない。
【0025】ここで、前記ガイド機構は、パイプ把持部
の各々に沿って把持具本体に形成された円弧溝と、各々
の把持部材の周方向一端部の側面に設けられた突起と、
把持部材の各々に穿設された円弧状の長穴と、これら円
弧状の長穴を貫通して把持部材の各々を把持具本体の中
央部に共締めする雄ネジとで構成することができ、ま
た、前記把持部材固定機構は、把持部材の各々を把持具
本体の中央部に共締めする雄ネジによって構成すること
ができる。
【0026】このような構成によれば、各々の把持部材
の周方向一端部の側面に設けられた突起と他方のパイプ
把持部に沿って把持具本体に形成された円弧溝との摺嵌
作用、および、各々の把持部材に穿設された円弧状の長
穴と把持具本体中央部の雄ネジとの摺嵌作用によってパ
イプ把持部に対する把持部材の接離移動が案内されるこ
とになる。そして、把持部材を把持具本体の中央部に共
締めする雄ネジによって構成される把持部材固定機構を
強く締め付けることにより、把持具本体に対する把持部
材の移動が禁止され、把持部材が任意の移動位置で固定
される。把持部材を押し開こうとする力の多くは、把持
具本体中央部の雄ネジを中心として把持部材を回転させ
る方向に作用するが、この力は、把持部材の周方向一端
部に設けられた突起と把持具本体に設けられた円弧溝の
側壁との当接によって受け止められるので、把持部材が
不用意に回転して開くことはない。つまり、前記と同
様、把持部材を押し開こうとする力に対して強い耐久力
を得ることができる。
【0027】また、把持具本体の中央部に円弧溝の端部
と連絡する切欠部を形成することにより、パイプ連結金
具の取り付けの自由度を更に向上させることが可能であ
る。
【0028】このような構成によれば、把持部材を把持
具本体から限界位置まで離間させることによって、把持
部材の周方向一端部に設けられた突起を円弧溝から離脱
させて切欠部に退避させることが可能となる。突起を円
弧溝から離脱させることにより突起と円弧溝の側壁との
干渉が解消されるので、把持部材は把持具本体の雄ネジ
を中心として自由に回転できる状態となる。この結果、
把持部材を回転させて把持具本体のパイプ把持部の対向
位置から完全に退避させた状態で、オフセット配備され
た2本のパイプの側方からパイプ連結金具を取り付ける
ことが可能となり、取り付けの自由度が一層向上するこ
とになる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の幾つかについて詳細に説明する。図1は、本発
明を適用した一実施形態のパイプ連結金具1の構成の概
略を示す斜視図である。
【0030】このパイプ連結金具1は、図1に示される
ように、概略において、パイプを把持するための二つの
円弧状の把持部材2a,2bと把持具本体3および雄ネ
ジ4a,4bによって構成される。
【0031】このうち、把持具本体3は、一対の把持具
本体構成要素3a,3bを接続して形成され、把持具本
体構成要素3a,3bの一側には、各々、把持部材2
a,2bの外周部を周方向摺動自在に保持するための円
弧溝5a,5bを備えたパイプ把持部6a,6bが一体
に設けられている。つまり、一体化された把持具本体3
は、その両側にパイプ把持部6a,6bを備える。
【0032】更に、パイプ把持部6a,6bに設けられ
た円弧溝5a,5bの側壁には、把持部材2a,2bに
沿って延びる円弧状の長穴7a,7bが穿設して配備さ
れ、把持部材2a,2bの周方向下端部の側面には、図
6の断面図に示されるように、雄ネジ4a,4bを螺合
するための雌ネジ8a,8bが螺刻されている。把持部
材2a,2bは円弧溝5a,5bに設けられた各々の長
穴7a,7bを貫通した雄ネジ4a,4bによって円弧
溝5a,5bに対して周方向摺動自在に取り付けられ
る。なお、長穴7a,7bを把持具本体3の表裏に設け
て両側から把持部材2a,2bを固定するようにしても
よい。
【0033】把持具本体3(把持具本体構成要素3a,
3b)および把持部材2a,2bは、アルミニウム合金
等を利用した押し出し加工等によって予め長尺のものを
作成しておき、これを押し出し方向と直交する面で切断
することにより大量生産が可能である。円弧溝5a,5
bや長穴7a,7bの部分に関しては機械加工を利用し
た追加工によって形成する。
【0034】ここで、図6を参照して、把持具本体構成
要素3a,3bの接続部に設けられた回転角設定機構9
の構造について説明する。
【0035】この回転角設定機構9の主要部は、把持具
本体構成要素3a,3b間に生じる回転を許容して把持
具本体構成要素3a,3bを相互に接近する方向に付勢
するスプリング10と、把持具本体構成要素3a,3b
の接続面の各々に形成された凹凸嵌合部11a,11b
とによって構成される。
【0036】このうち、スプリング10は、把持具本体
構成要素3a,3bの中央部を貫通して穿設された段付
穴12a,12bの大径部に内嵌されたリテーナ13
a,13bの有するフック14a,14bに、自然長よ
りも伸ばされた状態、つまり、圧縮方向に付勢された状
態で両端を係止して取り付けられ、把持具本体構成要素
3a,3bを相互に接近する方向に付勢している。
【0037】また、リテーナ13a,13bは段付穴1
2a,12bに対して回転自在であり、スプリング10
に不用意な捩れを生じることなく、把持具本体構成要素
3a,3b間の回転を許容する。リテーナ13a,13
bの形状の詳細を図8(a)に示す。この部品はプレス
等を利用した打ち抜きと曲げ加工の組み合わせによって
容易に製造可能である。
【0038】一方、把持具本体構成要素3a,3bの接
続面の各々に形成する凹凸嵌合部11a,11bの形状
としては、例えば、図8(b)に示すように、段付穴1
2a,12bの周りに90°刻みで形成された4つの矩
形状突起とこれに対応する4つの矩形状の凹部を利用す
ることが可能である。一例として、把持具本体構成要素
3a,3bの間に90°の捩れ角を設定したときの状態
を図3に示す。このような構造は、例えば、図19に示
されるような足場16の組み立てにおいて、互いに直交
して配備されたパイプ18,23等を固定する際に便利
である。
【0039】また、図8(c)に示すように、段付穴1
2a,12bの周りに放射線状に設けられた多数の突条
を凹凸嵌合部11a,11bとして利用してもよく、こ
の場合は、把持具本体構成要素3a,3b間に実質的に
無段階の捩れ角を設定することが可能となる。従って、
例えば、図19に示されるように、縦横に固定された多
数のパイプによって形成される足場16に斜交いとなる
パイプ17を掛け渡し、このパイプ17に対して斜交す
るパイプ18,19,20等にパイプ17を固定する際
に便利である。
【0040】図7はスプリング10の取り付け構造の変
形例について示した断面図である。この場合、把持具本
体構成要素3a,3bの接続は、実質的に、把持具本体
構成要素3a,3bの段付穴15a,15bに通された
ピン21と、その先端に取り付けられたCリング等の抜
け止め防止部材22によって達成される。スプリング1
0は前記とは逆に自然長よりも縮められた状態、つま
り、伸長方向に付勢された状態でピン21の頭部と段付
穴15aの段差部との間に介装されており、ピン21の
頭部を段付穴15aの段差部から離間させる方向に付勢
することによって、前記と同様、把持具本体構成要素3
a,3bを相互に接近する方向に付勢している。
【0041】このような構造によれば、把持具本体構成
要素3a,3bとの接続がピン21と抜け止め防止部材
22によって達成されるため、万一、スプリング10が
座屈したり破断したような場合であっても、把持具本体
構成要素3a,3bの接続状態が確保されるといったメ
リットがある。
【0042】次に、パイプ連結金具1を利用したパイプ
の接続作業について簡単に説明する。パイプ連結金具1
は、通常、把持具本体構成要素3a,3b間の捩れをな
くして把持部材2a,2bを把持具本体3の両側の円弧
溝5a,5bに格納した図1のような状態で、コンパク
トに収納されている。
【0043】そこで、このパイプ連結金具1を用いてオ
フセット配備された2本のパイプを接続する際には、ま
ず、接続すべき2本のパイプの斜交状態を確認して把持
具本体構成要素3a,3b間の捩れ角を調整する。例え
ば、図19に示されるようなパイプ18とパイプ23を
接続する場合にはパイプ間に90°の捩れが存在するの
で、把持具本体構成要素3a,3b間にも90°の捩れ
を設定することになる。ここで、図6に示されるような
回転角度設定機構9を適用した場合には90°刻みの捩
れ角の設定が可能であり、また、図7に示されるような
回転角度設定機構9を適用した場合には、事実上、無段
階の角度設定が可能となる。
【0044】次いで、把持具本体3の両側に把持部材2
a,2bを格納した状態のまま、2本のパイプの各々の
対向面に把持具本体3の両側のパイプ把持部6a,6b
を押し当てるようにして把持具本体3を挿入する。把持
部材2a,2bは円弧溝5a,5bに重合して格納され
ているため、把持具本体3の両側は完全な開放状態とな
っており、パイプの端部あるいは中央部等のどのような
位置においても容易に把持具本体3を挿入することがで
きる。無論、パイプの端部に太目のエンドピース等が装
着されているような場合であっても何ら支障はない。
【0045】次に、把持部材2a,2bの雌ネジ8a,
8bと螺合した雄ネジ4a,4bを緩め、把持具本体3
の両側に格納されている円弧状の把持部材2a,2bの
各々を夫々の円弧溝5a,5bに沿って周方向に摺動さ
せ、把持具本体3のパイプ把持部6a,6bと円弧状の
把持部材2a,2bとによって各々のパイプを包み込む
ようにして保持する。
【0046】この際、パイプ把持部6a,6bおよび把
持部材2a,2bの円弧の曲率とパイプの外径とが概ね
一致していれば、図2に示すように、円弧状の把持部材
2a,2bを円弧溝5a,5bの曲率に沿って限界位置
まで摺動させ、2本のパイプを完全に包み込むように把
持することが望ましい。この場合、把持部材2a,2b
の各々は、把持部材2a,2bに螺合した雄ネジ4a,
4bと円弧状の長穴7a,7bとの嵌合部、および、把
持部材2a,2bの外周と円弧溝5a,5bの端部内周
との接触面により径方向外側に向かう揺動を禁止された
状態で支承されることになるので、径方向外側に向けて
作用する力、つまり、把持部材2a,2bを押し開こう
とする力に対して強い耐久力を発揮することができる。
【0047】また、もし、パイプ把持部6a,6bおよ
び把持部材2a,2bの円弧の曲率に比べてパイプの外
径が著しく小さいような場合には、図4に示すように、
把持部材2a,2bを円弧溝5a,5bの曲率に沿って
限界位置にまで摺動させた状態で雄ネジ4a,4bを支
点として把持部材2a,2bを径方向内側に揺動させる
か、あるいは、図5に示すように、把持部材2a,2b
を円弧溝5a,5bの曲率に沿って途中まで摺動させた
状態で止め、雄ネジ4a,4bを支点として把持部材2
a,2bを径方向内側に揺動させることによって、細め
のパイプを的確に把持することができる。
【0048】なお、図5に示した把持方法を適用した場
合には、パイプと把持部材2a,2bとの接点から雄ネ
ジ4a,4bに至る距離、つまり、雄ネジ4a,4bを
支点とする作用点までの距離を図4の場合と比べて短め
にすることができるので、雄ネジ4a,4bの周りに作
用するモーメントを軽減することが可能であり、把持部
材2a,2bの開き防止の点で有利である。
【0049】何れの場合も、最終的には、雄ネジ4a,
4bを強く締め付けて把持部材2a,2bを円弧溝5
a,5bの側壁に固定することで把持部材2a,2bの
移動や揺動を防止してパイプを把持することになる。
【0050】パイプ連結金具1を構成する把持部材2
a,2bや雄ネジ4a,4bは全て把持具本体3と一体
に取り付けられているため、作業中に部品を取り落とす
といった心配は全くない。
【0051】円弧溝5a,5bと把持部材2a,2bと
の嵌合部の形状に関しては、例えば、図9(a)〜図9
(d)に示されるように様々な形状のものを適用するこ
とが可能である。このうち、図4あるいは図5に示され
るようにして雄ネジ4a,4bを支点とする把持部材2
a,2bの揺動が許容されるのは、図9(a)および図
9(b)のように、嵌合部にアンダーカットを生じない
構造のものである。
【0052】図9(c)および図9(d)に示されるよ
うな構造のものは、専ら、パイプ把持部6a,6bおよ
び把持部材2a,2bの円弧の曲率とパイプの外径とが
一致しているような場合に適し、剛性の点で優れる。ま
た、図9(c)および図9(d)のようにアンダーカッ
トのある構造の場合は円弧溝5a,5bの加工が複雑と
なるが、この種の問題は、例えば、図10(a)および
図10(b)に示されるように、把持具本体構成要素3
a,3bを2分割構成とすることにより容易に解消され
得る。いずれの場合においても、円弧溝5a,5bおよ
び雄ネジ4a,4bは、把持具本体3の表裏両側に配備
するように構成することが可能である。
【0053】次に、パイプを把持するための二つの円弧
状の把持部材と把持具本体とによって構成されるパイプ
連結金具の幾つかの変形例を図11〜図14を参照して
簡単に説明する。
【0054】図11に示されるパイプ連結金具24も図
1で示した実施形態と同様、パイプを把持するための二
つの円弧状の把持部材2a,2bと把持具本体3および
雄ネジ4a,4bとによって構成されるが、把持具本体
3が一体構造である点、および、円弧溝5a,5bを備
えたパイプ把持部6a,6bが横方向に並列配備されて
いる点で図1の実施形態のものと相違する。その断面構
造を図13に示す。
【0055】このような構造を有するパイプ連結金具2
4の場合、その使用目的は、専ら、平行配備された2本
のパイプの接続に制限される。また、接続作業に際して
は、平行配備された2本のパイプの側方から図11の状
態のパイプ連結金具24を押し当て、図12に示される
ように、把持部材2a,2bを円弧溝5a,5bに沿っ
て周方向に移動させることで2本のパイプを把持するこ
とになる。
【0056】図1の実施形態と同様、細いパイプを把持
する場合には、把持部材2a,2bを円弧溝5a,5b
に沿って適当な距離だけ周方向に摺動させた状態で、雄
ネジ4a,4bを支点として把持部材2a,2bを内側
に回転させることが可能である。
【0057】更に、図14に示されるパイプ連結金具2
5のように、把持部材2a,2bを円弧溝5a,5bに
沿って内側から外側に向けて摺動させて突き出す構造と
することも可能である。このような構成によれば、把持
部材2a,2bが2本のパイプを外側から内側に向けて
巻回するかたちとなるので、パイプ連結金具25によっ
て把持された2本のパイプが不用意に外側に離間するの
を確実に防止することができるといったメリットがあ
る。
【0058】次に、把持部材の接離移動を案内するため
のガイド機構と把持部材を任意位置で固定するための把
持部材固定機構とを備えたパイプ連結金具について説明
する。
【0059】図15(a)はガイド機構と把持部材固定
機構とを備えたパイプ連結金具26の構成を示す斜視図
であり、この実施形態のパイプ連結金具26は、図15
(a)に示される通り、概略において、円弧状の把持部
材27a,27bと把持具本体28によって構成され
る。
【0060】把持具本体28の両側には把持部材27
a,27bの各々と対向する円弧状のパイプ把持部29
a,29bが形成されている。更に、把持具本体28の
表面側には、円弧状のパイプ把持部29bに沿って把持
部材27aのための円弧溝30aが刻設される一方、把
持具本体28の裏面側には、図15(b)に示されるよ
うに、円弧状のパイプ把持部29aに沿って把持部材2
7bのための円弧溝30bが刻設されている。
【0061】円弧溝30a,30bの上端部には、これ
らの円弧溝30a,30bに連絡する一定の面積を持っ
た切欠部36が、略矩形状の貫通穴によって形成されて
いる。
【0062】更に、把持具本体28の中央部上方には、
把持部材27a,27bを把持具本体28に共締めして
取り付けるための雄ネジ33を通すための貫通孔34が
図15(b)に示されるようにして穿設されている。
【0063】また、円弧状の把持部材27a,27bの
周方向の下端部には、前述の円弧溝30a,30bに摺
嵌する突起31a,31bが突設され、更に、把持部材
27a,27bの各々に、円弧状の長穴32a,32b
が穿設されている。
【0064】そして、把持部材27a,27bの各々
は、夫々の突起31a,31bを円弧溝30a,30b
に摺嵌させた状態で把持具本体28の表裏に配置され
る。これらの把持部材27a,27bは、各々の長穴3
2a,32bと把持具本体28の貫通孔34を貫通して
把持具本体28の裏面側で図示しないナットに螺合する
雄ネジ33により、把持具本体28に一体的に取り付け
られる。
【0065】このうち、把持部材27a,27bの接離
移動を案内するためのガイド機構35は、把持具本体2
8の円弧溝30a,30bと雄ネジ33、および、把持
部材27a,27bの突起31a,31bと円弧状の長
穴32a,32bによって構成され、また、把持部材2
7a,27bを任意位置で固定するための把持部材固定
機構は雄ネジ33によって構成される。
【0066】パイプ連結金具26を利用して平行にオフ
セット配備されたパイプを接続する場合には、まず、把
持部材27a,27bを固定している雄ネジ33を緩め
る。そして、把持部材27a,27bを手で持って、可
能な限り把持具本体28のパイプ把持部29a,29b
から離間する方向、つまり、図15において上方に移動
させる。
【0067】このとき、把持部材27a,27bの移動
軌跡は、円弧溝30a,30bと突起31a,31bと
の摺接作用、および、長穴32a,32bと雄ネジ33
との摺接作用によって案内されるので、把持部材27a
は図15において右上方に向けて、また、把持部材27
bは図15において左上方に向けて移動することにな
る。
【0068】この結果、パイプ連結金具26の両側部、
つまり、パイプ把持部29aと把持部材27aとの間、
および、パイプ把持部29bと把持部材27bとの間に
大きな間隙が生じ、パイプ連結金具26の側方から各々
のパイプを挿入することが可能となる。パイプ連結金具
26の両側は完全な開放状態となるため、パイプのどの
ような位置においても容易にパイプ連結金具26を挿入
することができる。
【0069】しかし、パイプのオフセット間隔が狭くパ
イプ間にパイプ連結金具26を挿入することが困難な場
合や、あるいは、取り付け対象となるパイプの径が太く
てパイプ連結金具26の両側の間隙からパイプを通すこ
とが困難な場合もある。
【0070】そのような場合は、把持部材27a,27
bを限界位置まで引き出して突起31a,31bを円弧
溝30a,30bから切欠部36に逃がし、雄ネジ33
を中心とする把持部材27a,27bの揺動動作を許容
した状態で、把持部材27a,27bの各々を把持具本
体28に対して略90°内側に回転させ、パイプ連結金
具26の全体形状を略T字型にして、把持部材27a,
27bの先端を2本のパイプ間に突入させることも可能
である。この場合は、パイプ連結金具26のパイプ把持
部29a,29bを各々のパイプの側面に押し当てた段
階で把持部材27a,27bを通常の角度に戻し、再
び、突起31a,31bを円弧溝30a,30bに摺嵌
させることになる。
【0071】何れの場合も、最終的には、把持部材27
a,27bを再びパイプ把持部29a,29bに接近さ
せて円弧状のパイプ把持部29a,29bと円弧状の把
持部材27a,27bとによって各々のパイプを把持
し、把持部材固定機構を構成する雄ネジ33を締め付け
て把持具本体28に対する把持部材27a,27bの位
置を固定し、パイプ把持部29a,29bと把持部材2
7a,27bとによるパイプの把持状態を確保する。
【0072】パイプ連結金具26を構成する把持部材2
7a,27bやガイド機構となる突起31a,31bお
よび把持部材固定機構となる雄ネジ33等は全て把持具
本体28と一体に取り付けられているため、作業中に部
品を取り落とすといった心配がない。
【0073】また、把持部材27a,27bを押し開こ
うとする力の多くは、雄ネジ33を中心として把持部材
27a,27bを回転させる方向に作用するが、この力
は、把持部材27a,27bの周方向下端部に設けられ
た突起31a,31bと把持具本体28に設けられた円
弧溝30a,30bの側壁との当接によって受け止めら
れるので、把持部材27a,27bが不用意に回転して
開くことはない。つまり、把持部材27a,27bを押
し開こうとする力に対して強い耐久力を得ることができ
る。
【0074】図15の実施形態では把持部材27a,2
7bを把持具本体28の表裏に分離して配備したが、把
持部材27a,27bや円弧溝30a,30bを把持具
本体28の同一面側に配備することも可能である。
【0075】次に、ガイド機構と把持部材固定機構とを
備えたパイプ連結金具の変形例について簡単に説明す
る。
【0076】図16は一変形例のパイプ連結金具40を
示す正面図である。パイプ連結金具40の主要な構成要
素は図15(a)のパイプ連結金具26の場合と概ね同
様であるが、新たにターンバックル38が装備されてい
る点、および、切欠部36が省略されている点で図15
(a)の実施形態のものとは相違する。
【0077】ターンバックル38は、正ネジと逆ネジを
両端部に刻設して形成したもので、これらの正ネジと逆
ネジの先端は、各々、把持部材27a,27bに水平方
向に刻設された雌ネジ39a,39bと螺合している。
【0078】このような構造において、ターンバックル
38を手で持って回転させると、ターンバックル38の
両端部の正ネジと逆ネジが共に雌ネジ39a,39bと
螺合を深める方向、あるいは、共に螺合を浅くする方向
に回転し、その結果として、把持部材27a,27bと
の間に、これら把持部材27a,27bを接近させる方
向、あるいは、離間させる方向の力が作用する。
【0079】把持部材27a,27bの移動方向は、溝
30a’,30b’と突起31a,31bとの摺接作
用、および、長穴32a,32bと雄ネジ33との摺接
作用によって規制されているので、把持部材27a,2
7bを離間させる方向にターンバックル38を回転させ
た場合には、結果的に、把持部材27aは図16におい
て右上方に向けて移動し、また、把持部材27bは図1
6において左上方に向けて移動することになる。
【0080】つまり、このような操作によってパイプ連
結金具40の両側部、要するに、パイプ把持部29aと
把持部材27aとの間、および、パイプ把持部29bと
把持部材27bとの間に大きな間隙が生じ、接続対象と
なるパイプの受け入れ体制が整う。
【0081】また、把持部材27a,27bを接近させ
る方向にターンバックル38を回転させた場合には、把
持部材27aは図16において左下方に向けて移動し、
また、把持部材27bは図16において右下方に向けて
移動することになり、パイプ把持部29aと把持部材2
7aとの間、および、パイプ把持部29bと把持部材2
7bとの間に挟み込まれた各々のパイプが確実に把持さ
れることになる。
【0082】ターンバックル38を利用してこのような
開閉操作を行う場合、把持部材27a,27bの相対的
な姿勢が一定の状態に保たれていないと、雌ネジ39
a,39bに対するターンバックル38の角度が変化し
てカジリを生じる可能性があるので、長穴32a,32
bと溝30a’,30b’の形状は、なるべく、把持部
材27a,27bが単純な平行移動状態で接離移動する
ような形状にすることが望ましい。
【0083】このような構成の場合、ターンバックル3
8の支えのみによって把持部材27a,27bの開きを
防止することが可能であるため、雄ネジ33には必ずし
も把持部材27a,27bの移動を禁止するための締結
機能は要求されない。つまり、この雄ネジ33を頭付リ
ベット等に換装することも可能である。
【0084】
【発明の効果】本発明のパイプ連結金具は、把持具本体
の両側に設けた円弧溝に沿って円弧状の把持部材を周方
向に移動させることによってパイプを把持するようにし
たので、パイプの接続作業に際して把持具本体の両側を
完全な開放状態とすることが可能であり、パイプのどの
ような位置においても容易にパイプ連結金具を挿入して
パイプを把持することができる。そして、把持部材の各
々は、把持部材を円弧溝に取り付けるための雄ネジ、お
よび、把持部材の外周と円弧溝の端部内周との接触面に
よって支承されるため、径方向外側に向けて作用する把
持部材を押し開こうとする力に対して強い耐久力を発揮
することができる。しかも、把持部材の各々は、円弧溝
の上のどのような移動位置においても基部を支点として
径方向内側に回転させることができるので、接続対象と
なるパイプの径が細いような場合であっても、このパイ
プを的確に把持することができる。また、パイプ連結金
具を構成する把持部材や雄ネジは全て把持具本体と一体
に取り付けられているため、作業中に部品を取り落とす
といった心配は全くない。
【0085】更に、一対の把持具本体構成要素を回転可
能に接続して把持具本体を構成し、把持具本体両側のパ
イプ把持部が成す捩れ角を回転角設定機構によって自由
に調整できるようにしたので、斜交して配備されたパイ
プも的確に接続することができるようになった。
【0086】また、パイプを把持する二つの円弧状の把
持部材をガイド機構によって案内してパイプ把持部と接
離する方向に移動可能とし、その移動位置を把持部材固
定機構によって任意に固定できるようにしたので、把持
具本体の両側を完全な開放状態とすることが可能であ
り、パイプのどのような位置においても容易にパイプ連
結金具を挿入してパイプを把持することができ、様々な
径のパイプにも対処することができる。
【0087】更に、ガイド機構による接離移動の規制を
キャンセルするための構成を設け、把持具本体をその基
部を支点として自由に回転できるようにしたので、平行
配備されたパイプをパイプ連結金具の間隙から挿入する
のが困難な場合には、把持部材を回転させて把持具本体
のパイプ把持部から完全に退避させて、オフセット配備
された2本のパイプの側方からパイプ連結金具を取り付
けることもできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態のパイプ連結金具
の構成の概略を示す斜視図である。
【図2】同実施形態のパイプ連結金具のパイプ把持部を
引き出した状態を示す斜視図である。
【図3】同実施形態のパイプ連結金具の把持具本体構成
要素を相互に回転させた状態を示す斜視図である。
【図4】同実施形態のパイプ連結金具のパイプ把持部を
限界まで引き出して回転させた状態を示す斜視図であ
る。
【図5】同実施形態のパイプ連結金具のパイプ把持部を
途中まで引き出して回転させた状態を示す斜視図であ
る。
【図6】同実施形態のパイプ連結金具の回転角設定機構
の構成の概略を示す断面図である。
【図7】回転角設定機構の変形例を示す断面図である。
【図8】図8(a)はリテーナの形状の詳細を示す斜視
図、図8(b)は凹凸嵌合部の形状の詳細を示す平面
図、図8(c)は凹凸嵌合部の変形例を示す平面図であ
る。
【図9】図9(a)〜図9(d)は円弧溝と把持部材と
の嵌合部の形状を例示した断面図である。
【図10】図10(a)および図10(b)は円弧溝に
アンダーカットがある場合の構成例について示した断面
図である。
【図11】円弧状の把持部材と把持具本体とによって構
成されるパイプ連結金具の変形例について示した斜視図
である。
【図12】変形例のパイプ連結金具のパイプ把持部を引
き出した状態を示す斜視図である。
【図13】変形例のパイプ連結金具の構造を示す断面図
である。
【図14】円弧状の把持部材と把持具本体とによって構
成されるパイプ連結金具の他の変形例について示した斜
視図である。
【図15】図15(a)はガイド機構と把持部材固定機
構とを備えたパイプ連結金具の構成を示す斜視図、図1
5(b)は把持具本体を示す正面図である。
【図16】図16はガイド機構と把持部材固定機構とを
備えたパイプ連結金具の変形例を示す正面図である。
【図17】図17(a)は従来のパイプ連結金具の一例
について示した斜視図、図17(b)はその要部を簡略
化して示した部分断面図、図17(c)はその要部を簡
略化して示した平面図である。
【図18】図18(a)は従来のパイプ連結金具の他の
例について示した斜視図、図18(b)はその断面図で
ある。
【図19】斜交してオフセット配備されたパイプをパイ
プ連結金具で接続した状態について簡略化して示す斜視
図である。
【符号の説明】 1 パイプ連結金具 2a,2b 把持部材 3 把持具本体 3a,3b 把持具本体構成要素 4a,4b 雄ネジ 5a,5b 円弧溝 6a,6b パイプ把持部 7a,7b 円弧状の長穴 8a,8b 雌ネジ 9 回転角設定機構 10 スプリング 11a,11b 凹凸嵌合部 12a,12b 段付穴 13a,13b リテーナ 14a,14b フック 15a,15b 段付穴 16 足場 17,18,19,20 パイプ 21 ピン 22 抜け止め防止部材 23 パイプ 24 パイプ連結金具 25 パイプ連結金具 26 パイプ連結金具 27a,27b 把持部材 28 把持具本体 29a,29b パイプ把持部 30a,30b 円弧溝(ガイド機構の一部) 30a’,30b’ 溝 31a,31b 突起(ガイド機構の一部) 32a,32b 長穴(ガイド機構の一部) 33 雄ネジ(把持部材固定機構,ガイド機構の一部) 34 貫通孔 35 ガイド機構 36 切欠部 38 ターンバックル 39a,39b 雌ネジ 40 パイプ連結金具 101 パイプ連結金具 102 貫通孔 103 連結金具本体 104 パイプ支持部 105 ピン 106 パイプ把持部材 107 欠切部 108 ピン 109 ツマミ付ナット 110 雄ネジ 111 横溝 112 縦溝 113 パイプ連結金具 114 パイプ支持部 115 連結金具本体 116 雄ネジ 117 ツマミ付ナット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オフセットして配備された2本のパイプ
    を把持するための二つの円弧状の把持部材と、これらの
    把持部材を装着する把持具本体とから成るパイプ連結金
    具であって、前記把持具本体の両側に前記把持部材の外
    周部を周方向摺動自在に保持するための円弧溝を有する
    パイプ把持部を配備し、前記円弧溝の側壁には前記把持
    部材に沿って延びる円弧状の長穴を穿設すると共に、前
    記把持部材の周方向一端部の側面に雌ネジを刻設し、前
    記円弧状の長穴を介して前記円弧溝の側壁を貫通する雄
    ネジを前記雌ネジに螺合して前記二つの円弧状の把持部
    材を前記把持具本体に固定したことを特徴とするパイプ
    連結金具。
  2. 【請求項2】 前記把持具本体は、前記把持部材の外周
    部を周方向摺動自在に保持するための円弧溝を有するパ
    イプ把持部を一側に配備した一対の把持具本体構成要素
    を回転自在に接続して形成され、その接続部には、前記
    把持具本体構成要素同士の成す回転角を所望する値に設
    定する回転角設定機構を配備したことを特徴とする請求
    項1記載のパイプ連結金具。
  3. 【請求項3】 前記回転角設定機構は、前記一対の把持
    具本体構成要素間に生じる回転を許容して該一対の把持
    具本体構成要素を相互に接近する方向に付勢するスプリ
    ングと、前記一対の把持具本体構成要素の接続面の各々
    に形成された凹凸嵌合部とによって構成されていること
    を特徴とする請求項2記載のパイプ連結金具。
  4. 【請求項4】 オフセットして配備された2本のパイプ
    を把持するための二つの円弧状の把持部材と、これらの
    把持部材を装着する把持具本体とから成るパイプ連結金
    具であって、前記把持具本体の両側に前記把持部材の各
    々と対向する円弧状のパイプ把持部を形成すると共に、
    この把持具本体と前記把持部材との間に、前記パイプ把
    持部に対する前記把持部材の接離移動を案内するための
    ガイド機構と、前記把持部材を任意の接離移動位置で固
    定するための把持部材固定機構とを一体的に配備したこ
    とを特徴とするパイプ連結金具。
  5. 【請求項5】 前記ガイド機構は、前記パイプ把持部の
    各々に沿って前記把持具本体に形成された円弧溝と、前
    記各々の把持部材の周方向一端部の側面に設けられて前
    記円弧溝に摺嵌する突起と、前記把持部材の各々に穿設
    された円弧状の長穴と、これら円弧状の長穴を貫通して
    前記把持部材の各々を前記把持具本体の中央部に共締め
    する雄ネジとによって構成され、前記把持部材固定機構
    は、前記雄ネジによって構成されていることを特徴とす
    る請求項4記載のパイプ連結金具。
  6. 【請求項6】 前記把持具本体の中央部に前記円弧溝の
    端部と連絡する切欠部を形成したことを特徴とする請求
    項5記載のパイプ連結金具。
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JP2016047022A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 コトコ株式会社 連結具及び連結型アーチ
WO2016166541A1 (en) * 2015-04-16 2016-10-20 Klawz Limited Scaffold clamps

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