JP2001354828A - 低弾性率高分子組成物およびそれを用いたシール材 - Google Patents

低弾性率高分子組成物およびそれを用いたシール材

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JP2001354828A
JP2001354828A JP2000180236A JP2000180236A JP2001354828A JP 2001354828 A JP2001354828 A JP 2001354828A JP 2000180236 A JP2000180236 A JP 2000180236A JP 2000180236 A JP2000180236 A JP 2000180236A JP 2001354828 A JP2001354828 A JP 2001354828A
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polymer composition
weight
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styrene
sealing material
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Toshiaki Sakaki
俊明 榊
Tetsuro Mizoguchi
哲朗 溝口
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広い温度範囲で柔軟性を有し、かつ引張強度、
破断伸び等の特性に優れ、リサイクル可能な低弾性率高
分子組成物とそれを用いたシール材を提供する。 【解決手段】(A)スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体の水素添加物、およびスチレン
−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック
共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む
熱可塑性エラストマーと、(B)オレフィン系ポリマー
と、(C)エチレン−プロピレン−ジエンゴムを50重量
%以上含むゴム成分と、(D)軟化剤と、(E)カーボンブラ
ックとを含有し、上記軟化剤(D)の含有量が上記(A)、
(B)および(C)の合計量100重量部に対して200重量
部以上であり、上記(E)の含有量が上記(A)、(B)および
(C)の合計量100重量部に対して5〜50重量部であ
り、かつ、上記ゴム成分(C)の少なくとも一部が架橋さ
れている低弾性率高分子組成物、およびこれを用いるシ
ール材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低弾性率の高分子
組成物およびそれを用いたシール材に関する。より詳し
くは、極めて広い温度範囲において低い弾性率(すなわ
ち、優れた柔軟性)を示し、高温時の熱変形および低温
時の圧縮永久歪みがいずれも小さく、さらに粘着性をも
有する高分子組成物と、特に通信ケーブルのクロージャ
ーにおいて好適に用いられるシール材とに関する。
【0002】
【従来の技術】通信ケーブルのクロージャーに用いられ
るシール材には、柔軟性、追従性、耐候性および耐老化
性に優れることと、圧縮永久歪みが小さいことが求めら
れる。そこで、従来のシール材には、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体(SIS)の水素添加
物〔すなわち、スチレン−エチレン−プロピレン−スチ
レンブロック共重合体。以下、「SEPS」とい
う。〕、およびスチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体(SBS)の水素添加物〔すなわち、スチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体。
以下、「SEBS」という。〕等の、水素添加された熱
可塑性エラストマーや、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM)等の、主鎖に二重結合を有しないゴム
が用いられている。
【0003】また、上記熱可塑性エラストマーおよびゴ
ムには、柔軟性を向上させるために軟化剤が添加されて
いるが、かかる軟化材としては、流動点が−20℃以
上、特に−15℃程度であるパラフィンオイルが多用さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シ
ール材のうちEPDM等のゴムからなるシール材は、成
形・加工に長時間の加硫工程を要するため、生産効率が
低い。また、近年、環境保護の観点から資源のリサイク
ルが求められているが、EPDM等のゴム単独からなる
シール材ではリサイクルが実用上不可能に近く、あえて
リサイクルを試みるとなると、超臨界水を用いたり、高
濃度のオゾンで分解するなど高価な設備や大変な手間が
かかってしまう。
【0005】また、EPDMにはその用途に応じて成分
を変えたものが種々知られているが、通信ケーブルのク
ロージャーにおけるシール材として使用するには、−3
0〜0℃の低温領域においても圧縮永久歪みが小さくか
つ柔軟性に優れていることが要求されるのに対し、従来
公知のEPDMに上記特性を満足させるのは困難であ
る。例えば、従来公知のEPDMを用いたシール材で
は、−20℃での圧縮永久歪みが90%を超え、室温と
−20℃とでの硬度の変化が非常に大きいことから、前
記低温領域でシール性が悪化し、漏れが発生するおそれ
がある。さらに、前記低温領域では硬度が上昇すること
から、シール性を発揮させるのに必要な圧縮が十分に行
えないという問題がある。
【0006】一方、上記ジブロック共重合体、SEPS
およびSEBSはいずれも熱可塑性を有するものであっ
て、これらを用いたシール材は高温での変形性が大きい
という問題がある。また、これらの熱可塑性エラストマ
ーには、一般に、流動点の高いオイルが配合されるた
め、前記低温領域になると圧縮永久歪みが急激に増大す
るという性質がある。圧縮永久歪みが大きくなるとシー
ル性能の悪化を招き、水の浸入や内部ガスのリークとい
った問題が生じる。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
する高分子組成物を提供すること、すなわち、射出成形
およびリサイクルが可能で、成形・加工が容易であるこ
と、柔軟性に優れる(弾性率が低い)こと、低温領域で
の圧縮永久歪みが小さくかつ高温での変形性が小さいこ
と、引裂強度、表面強度等の機械的強度が良好であるこ
と、引張強度や破断伸びが大きいこと、さらには、成形
時の表面肌が良好であること、を満足する低弾性率高分
子組成物を提供することである。
【0008】また、本発明の他の目的は、特に通信ケー
ブルのクロージャーに好適な、優れた柔軟性と低圧縮歪
み性とを示し、引張強度や破断伸びが大きく、かつ粘着
性を有するシール材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは、先に、SEPSやSEBS等の熱可塑性エラス
トマー中に、EPDMの少なくとも一部が動的加硫され
て微細状態で存在し、かつ流動点が−35℃以下のオイ
ルを熱可塑性樹脂とゴムの合計100重量部に対して2
00重量部以上含む低弾性率高分子組成物の発明につい
て、特許出願している(特願2000−6902号)。
この材料は、射出成形やリサイクルが可能であって、低
温(−30°)から高温(70℃)での圧縮永久歪みが
小さく、かつ弾性率が極めて小さい、といったシール材
として用いるに有利な特徴を有する。
【0010】さらに、本発明者らは、上記特許出願に係
る発明によって得られた、射出成形やリサイクルが可能
で、低温(−30°)から高温(70℃)での圧縮永久
歪が小さく、かつ弾性率が極めて小さい、という特徴を
維持しつつ、高分子組成物の脆さ、機械的強度および成
形時の押出肌を改善するために、さらにオレフィン系ポ
リマーを含有させた低弾性率高分子組成物の発明につい
ても、特許出願している(特願2000−92026
号)。
【0011】本発明は、上記の低弾性率高分子組成物を
もとに、さらに引張強度や破断伸びを大きくし、引裂強
度を向上すべく検討を加えて完成したものである。すな
わち、本願発明は、「(A) スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、および
スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン
ブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1
種を含む熱可塑性エラストマーと、(B) オレフィン系ポ
リマーと、(C) エチレン−プロピレン−ジエンゴムを5
0重量%以上含むゴム成分と、(D) 軟化剤と、 (E) カ
ーボンブラックとを含有し、上記軟化剤(D)の含有量が
上記(A)、(B)および(C)の各成分の合計量100重量部
に対して200重量部以上であり、上記(E)の含有量が
上記(A)、(B)および(C)の各成分の合計量100重量部
に対して5〜50重量部であり、かつ、上記ゴム成分
(C)の少なくとも一部が動的架橋によって架橋されたも
のであることを特徴とする低弾性率高分子組成物」およ
び「前記低弾性率高分子組成物を用いることを特徴とす
るシール材」、に関するものである。
【0012】本発明の低弾性率高分子組成物は上記の組
成を有するものであって、その柔軟性(低弾性率性)の
程度を当該組成物の硬さで表すと、JIS A硬度で通
常10以下である。かかる組成物は、実用上、射出成形
が可能な程度に低弾性率である。通信ケーブルのクロー
ジャーにおけるシール材は、一般に、その硬度を23℃
における1/1サイズコーン針入度で規定する場合、1
0以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上
であるのが適当とされるが、上記本発明の高分子組成物
は上記範囲を十分満足する程度に低弾性率である。
【0013】上記本発明の低弾性率高分子組成物は、軟
化剤およびカーボンブラックの存在下で、EPDMを5
0重量%以上含むゴム成分(C) と、前記熱可塑性エラス
トマー(A) およびオレフィン系ポリマー(B) とを動的架
橋したものである。この「動的架橋」によって、前記熱
可塑性エラストマー(A) およびオレフィン系ポリマー
(B) と、前記ゴム成分(C) とが均一に混和されて、前記
熱可塑性エラストマー(A) およびオレフィン系ポリマー
(B) を海相とすれば、その海相中に前記ゴム成分(C) が
島相として存在する状態(いわゆる海−島構造)になる
と考えられる。
【0014】前記熱可塑性エラストマー(A) はそれ単独
では高温下で変形する性質(熱変形性)を有している
が、上記本発明の低弾性率高分子組成物では前記ゴム成
分(C)とともに動的架橋されていることに起因して、高
温下における変形が実質上阻止されている。しかも、本
発明の低弾性率高分子組成物は、低温下においては前記
ゴム成分(C) (とりわけ、当該ゴム成分(C) 中のEPD
M)が有する、低温での圧縮永久歪みが小さいという特
性を保持している。かかる特性は、前記熱可塑性エラス
トマー(A) 単独では得ることのできないものである。
【0015】さらに、本発明の低弾性率高分子組成物
は、前記熱可塑性エラストマー(A) や一般の熱可塑性樹
脂と同様に、射出成形による成形が可能であって、その
成形物は、単に破砕するだけで容易にリサイクルに供す
ることもできる。すなわち、上記本発明に係る低弾性率
高分子組成物は、柔軟でしかも引張強度破断伸び、引裂
強度が大きく、射出成形によって容易に成形可能であっ
て、成型物を細断しても再度射出成形が可能である(す
なわち、リサイクル性がある)とともに、低温でも圧縮
永久歪みが小さく、高温での熱変形が小さいことから、
かかる点においてもシール材として好適である。
【0016】上記本発明の低弾性率高分子組成物におい
て、前記熱可塑性エラストマー(A)およびオレフィン系
ポリマー(B) と、前記ゴム成分(C) との配合比は、前述
の諸特性が十分に発揮され得る範囲で適宜選択される。
かかる範囲は特に限定されるものではないが、通常、前
記熱可塑性エラストマー(A) およびオレフィン系ポリマ
ー(B) と、前記ゴム成分(C) との配合比は、重量比で7
5:25〜25:75であり、好ましくは70:30〜
30:70である。前記ゴム成分(C) の割合が多くなり
過ぎると動的架橋が困難になり、押出成形を実施しよう
としても成形物が粉々になるなど、適当な成形物が得ら
れなくなる。一方、前記ゴム成分(C) の割合が少なくな
り過ぎると圧縮永久歪みが大きくなり、柔軟性が損なわ
れる。
【0017】オレフィン系ポリマー(B) 単独での配合量
についても、前述の諸特性が十分に発揮され得る範囲で
適宜選択される。かかる範囲は特に限定されるものでは
ないが、通常、前記熱可塑性エラストマー(A) とオレフ
ィン系ポリマー(B) と前記ゴム成分(C) との合計量10
0重量部に対して2〜50重量部であり、好ましくは5
〜40重量部、より好ましくは7〜35重量部である。
オレフィン系ポリマー(B) の配合量が上記範囲を下回る
と、成形時の表面肌を改善したり、引裂強度、表面強度
等の機械的強度を改善したりする効果が得られなくな
る。一方、オレフィン系ポリマー(B) の配合量が上記範
囲を超えると、硬度が上昇して柔軟性が損なわれるた
め、例えばシール材として適さなくなる。
【0018】上記本発明の低弾性率高分子組成物におけ
る軟化剤(D) の含有量は、前記熱可塑性エラストマー
(A) 、オレフィン系ポリマー(B) および前記ゴム成分
(C) の各成分の合計量100重量部に対して200重量
部以上、好ましくは250重量部以上、より好ましくは
300重量部以上となるように設定される。軟化剤(D)
の含有量が上記範囲を下回ると、高分子組成物に十分な
柔軟性を付与することができなくなったり、低硬度化を
図ることができなくなるおそれがある。一方、軟化剤
(D) の含有量の上限は、本発明の高分子組成物について
の前述の諸特性が損なわれることのない範囲であり、か
つ軟化剤の滲出が生じない範囲であれば特に制限されな
いが、一般に、前記成分(A) ,(B) および(C) の合計量
100重量部に対して1000重量部までとするのが適
当である。
【0019】上記本発明の低弾性率高分子組成物におけ
るカーボンブラック(E) の含有量は、前記熱可塑性エラ
ストマー(A) 、オレフィン系ポリマー(B) および前記ゴ
ム成分(C) の各成分の合計量100重量部に対して5〜
50重量部、好ましくは10〜40重量部、さらに好ま
しくは15〜35重量部となるように設定される。カー
ボンブラック(D) の含有量が上記の範囲を下回ると、引
張強度(TB)と破断伸び(EB)および引裂強度(T
R)を向上させるに十分ではなく、一方上記の含有量を
越えてくると低弾性率高分子組成物中のゲル分率が減
り、また圧縮永久歪みも大きくなり、いずれも好ましく
ない。
【0020】因みに、カーボンブラックを通常のゴム配
合物に対して添加するとき、その添加量が多いほどモジ
ュラス(引張応力)は高くなり、引裂強度も上昇する
(反面破断伸びは低下する)ことから、ゴム100重量
部に対して同量程度まで添加することがあり、大抵の場
合は50重量部を越えて添加されている。ところが、S
EEPS/オレフィン系ポリマー/EPDM配合系の動
的架橋材料では、カーボンブラック添加量が引張強度、
破断伸びおよび引裂強度等に及ぼす影響は通常のゴム配
合物の場合と様相を異にすることがわかり、本発明では
上記のように含有量を設定したことに特徴を有するもの
である。
【0021】前記カーボンブラック(E)としての望ま
しい特性は、粒子径が80nm以下、好ましくは60n
m以下であり、DBT吸油量が80cc/100g以
上、好ましくは100cc/100g以上である。本発
明に係る低弾性率高分子組成物は、当該組成物中におけ
る前記ゴム成分(C) の少なくとも一部が動的架橋されて
いることも、大きな特徴の一つとしている。ここでいう
「動的架橋」とは、前記熱可塑性エラストマー(A) およ
びオレフィン系ポリマー(B) と、前記ゴム成分(C) とを
溶融状態でブレンドし、これに前記ゴム成分(C) (の少
なくとも一部)を架橋させるための薬剤を添加すること
によって混練中に前記ゴム成分(C) を架橋させ、前記熱
可塑性エラストマー(A) 中に前記ゴム成分(C) を微分散
させる手法である。この動的架橋によって、前述のアロ
イ化を均一にかつ効率よく達成することができ、本発明
の高分子組成物に前述の諸特性を付与することができ
る。
【0022】なお、前記ゴム成分(C) の少なくとも一部
が動的架橋されている状態は、動的架橋により得られた
高分子組成物を適当な溶剤に溶解させたときに、不溶成
分の量が動的架橋を施す前よりも多くなっているかどう
かによって判定できる。動的架橋前の不溶分(%)と動
的架橋後の不溶分(%)を比較し、後者が多くなってい
れば動的架橋が施されたといえる。一般的には、ゴム成
分100重量部のうち50重量部以上が架橋されたもの
であるのが好ましい。
【0023】上記本発明の低弾性率高分子組成物におい
て、動的架橋は樹脂加硫剤によってなされたものである
のが好ましい。前記軟化剤(D) は、パラフィンオイルで
あること、または、流動点が−35℃以下であることが
好ましい。本発明の低弾性率高分子組成物において、軟
化剤は前記組成物に柔軟性を付与するための機能を果た
すが、種々の軟化剤の中でもとりわけ流動点が−35℃
以下のもの(より好ましくは、流動点が−35℃以下の
パラフィンオイル)を添加することにより、低温下での
柔軟性を確保し、圧縮永久歪みをより一層小さくするこ
とができる。パラフィンオイルは、特に分子量の大きな
ものが低揮発性であるため好ましい。
【0024】前記オレフィン系ポリマー(B) はポリプロ
ピレン系ポリマー(PP)であるのが好ましい。前記ゴ
ム成分(C) におけるEPDMのエチレン含有量は、特に
低温特性を良好なものとする必要がある場合には、55
重量%以下であるのが好ましい。本発明のシール材は、
上記本発明に係る低弾性率高分子組成物を用いて作製さ
れることに特徴を有する。
【0025】通信ケーブルのクロージャー等におけるシ
ール材には、極めて柔軟で、追従性が要求されるほか
に、耐候性、耐老化性、使用温度下で弾性が保持される
こと(低圧縮永久歪み)が必要となる。上記本発明のシ
ール材においては、低弾性率高分子組成物を構成する前
記熱可塑性エラストマー(A) 、オレフィン系ポリマー
(B) およびEPDMを50重量%以上含むゴム成分(C)
のいずれもが、主鎖に二重結合を有しないものであるた
めに、耐候性が極めて優れている。さらに、主鎖に二重
結合を有しないために、耐老化性にも優れている。
【0026】上記本発明のシール材は、ケーブルと筐体
との隙間や、筐体とコード等との隙間におけるシール用
としてすなわち、例えば通信ケーブルのクロージャー等
におけるシール材として好適である。なお、本発明にお
いて「クロージャー」とは、電線や光ファイバーの分岐
・接続のための容器をいう。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。 〔熱可塑性エラストマー(A) 〕本発明の低弾性率高分子
組成物を構成する成分には、前記組成物を、針入度が前
述の範囲にあるシール材として使用するためにも、それ
単独で、すなわち軟化剤を配合しなくても柔軟性を有す
ることが望まれる。
【0028】室温下において、軟化剤を要することなく
柔軟性を示す成分としては、例えば、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体(SIS)とその水素
添加物(SEPS)、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS)とその水素添加物(SEB
S)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−ス
チレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−イ
ソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等
の、いわゆる熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0029】本発明の低弾性率高分子組成物における成
分(A) としては、前記組成物の耐候性や耐老化性を考慮
しない限りにおいて、上記例示の熱可塑性エラストマー
を使用することができる。但し、SIBSは圧縮永久歪
みがそれほど小さくないため、上記例示の中でも特にS
IS、SEPS、SEBS、SBSおよびSEEPSを
使用するのが好ましい。一方、本発明の組成物を通信ケ
ーブルのクロージャー等におけるシール材として使用す
る場合には、耐候性を考慮する必要があるため、ソフト
セグメントに二重結合をほとんど有しないかあるいは全
く有しないSEPS、SEBSおよびSEEPSが適し
ている。なお、SIBSはソフトセグメントに二重結合
を全く有しないため耐候性に優れているが、前述のよう
に、圧縮永久歪みがそれほど小さくないことに考慮する
必要がある。
【0030】従って、本発明ではSEPS、SEBSお
よびSEEPS(すなわち、イソプレンおよび/または
ブタジエンと、スチレンとのブロック共重合体を水添し
たもの)が好適に使用される。なお、SEPSはSIS
に水素添加したものであるが、エチレンとプロピレンは
必ず交互に並んでいる。これに対し、SEEPSは、S
EPS中にエチレンユニットがブロック状に入った構造
を有するものであって、すなわち、エチレンとプロピレ
ンの交互に並んだユニットのほかに、エチレンのみによ
るユニットがブロック状に存在するものである。
【0031】上記例示の熱可塑性エラストマーにおい
て、ブロック共重合体中のスチレン(ハードセグメント
に相当)量が少ないと室温下での弾性が減少し(すなわ
ち、圧縮永久歪みが大きくなり)、多いと硬くなり過ぎ
る。通常、スチレン量は10〜35重量%であることが
好ましい。上記例示の熱可塑性エラストマーは、その分
子量が大きいほど強度が高くなり、また、軟化剤の吸収
量が大きくなる。従って、本発明の高分子組成物には、
分子量の大きな熱可塑性エラストマーを用いるのが有利
である。具体的には、熱可塑性エラストマーの分子量は
一般的に10万以上であることを要し、好ましくは15
万以上、さらに好ましくは20万以上である。
【0032】上記熱可塑性エラストマーのうち、SEP
Sの具体例としては、例えばクラレ(株)製の商品名
「セプトン2063」(スチレン含有量13重量%)、
同社製の「セプトン2023」、同社製の「セプトン2
002」、同社製の「セプトン2005」、同社製の
「セプトン2014」等が挙げられる。SEBSの具体
例としては、例えば旭化成工業(株)製の商品名「タフ
テックH1075」(スチレン含有量20重量%)、シ
ェルジャパン(株)製の商品名「KRATON G16
50」(スチレン含有量29重量%)、アロン化成
(株)製の商品名「エラストマーAR730」等が挙げ
られる。
【0033】SEEPSの具体例としては、例えばクラ
レ(株)製の商品名「セプトン4077」(スチレン含
有量30重量%)、同社製の「セプトン4055」(ス
チレン含有量30重量%)、同社製の「セプトン403
3」(スチレン含有量30重量%)等が挙げられる。 〔オレフィン系ポリマー(B) 〕本発明の低弾性率高分子
組成物におけるオレフィン系ポリマー(B) には、例えば
ポリプロピレン系ポリマー(PP)、ポリエチレン系ポ
リマー(PE)等が挙げられるが、高分子組成物の低硬
度化を達成し、かつ低温特性に及ぼし得る悪影響を低減
するためにも、ポリプロピレン系ポリマーが好適に用い
られる。
【0034】上記ポリプロピレン系ポリマーは、プロピ
レンの単独重合体(PPホモポリマー)に限定されるも
のではなく、例えばポリエチレンのブロックを有するブ
ロック共重合体(P/Eブロックコポリマー)や、エチ
レン部分を有するランダム共重合体(P/Eランダムコ
ポリマー)であってもよい。かかるポリプロピレン系ポ
リマーの具体例としては、例えば、日本ポリケム(株)
製の商品名「ノバテックPP BC6」(P/Eブロッ
クコポリマー)、同社製の商品名「ノバテックPP M
G05BS」(P/Eランダムコポリマー)、同社製の
商品名「ノバテックPP FY6H」(PPホモポリマ
ー)等が挙げられる。
【0035】〔ゴム成分(C) 〕本発明の低弾性率高分子
組成物におけるゴム成分(C) は、前記熱可塑性エラスト
マー(A) と混和されるものであって、熱可塑性エラスト
マー(A) との親和性を有するものであるのが好ましい。
また、本発明の高分子組成物を通信ケーブルのクロージ
ャー等におけるシール材に適用することを考慮すると、
耐候性に優れ、かつ圧縮永久歪みが低いものであるのが
より好ましい。
【0036】かかるゴム成分としては、例えばEPDM
が挙げられる。また、EPDMとともにEPDM以外の
ゴムをブレンドすることを妨げるものではないが、ゴム
中のEPDM量は50重量%以上とするのが好ましい。
EPDM以外のゴムとしては、例えば、ブチルゴム(I
IR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(I
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプ
レンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、1,2−ポリブ
タジエン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、アクリル
ゴム(ACM)、クロロスルフォン化ポリエチレン(C
SM)等を用いることができる。
【0037】EPDMは、そのエチレン含有量が高いと
強度も高くなり、それゆえ軟化剤の高充填が可能になる
が、その一方で、0℃以下になると結晶化して急激に硬
度が上がり、圧縮永久歪みが大きくなる。このため、例
えばシール材のように、低温下でも柔軟性等の機能が発
揮され、かつ圧縮永久歪みが抑制されていることが求め
られる分野、特にケーブルクロージャー用シール材の場
合は、エチレン含有量が60重量%以下、好ましくは5
5重量%以下のEPDMが好適に用いられる。
【0038】EPDMを構成するジエンとしては、エチ
リデンノルボルネン、ジシクロペンタンジエンが一般的
であるが、本発明におけるEPDMはいずれのジエンで
あってもよい。EPDM中のジエン量は、その量が多い
ときは加硫速度が早くなる点において有利であるが、耐
候性、耐老化性を考慮すると、通常15重量%以下であ
るのが好ましく、10重量%以下であるのがより好まし
い。 〔軟化剤(D) 〕本発明における軟化剤(D) は、低弾性率
高分子組成物やシール材における所望のシール材硬度に
応じて添加されるものである。かかる軟化剤としては、
EPDM,SEPS,SEBS,SEEPS等との親和
性の高いものが好ましく、通常、パラフィンオイルが好
適である。中でも、低温下においても、本発明の高分子
組成物にシール材等としての機能を十分に発揮させるこ
とを考慮すれば、ロウ成分を除去して流動点を下げたも
のが好ましく用いられる。
【0039】パラフィンの流動点はJIS K2269
の測定基準において一般的に−15℃であるが、上記の
ように低温特性が要求される分野においては−35℃以
下の流動点を有するものが好ましい。このようなパラフ
ィンオイルの具体例としては、出光興産(株)製の商品
名「ダイアナプロセスオイルPX−90」(流動点−4
5℃)等が挙げられる。 〔カーボンブラック(E)〕本発明におけるカーボンブラ
ック(E) は、前記のように、主として低弾性率高分子組
成物やシール材において、引張強度(TB)と破断伸び
(EB)および引裂強度(TR)を向上させる目的で添
加されるものである。かかるカーボンブラックとして
は、ファーネスブラックに属するものが好ましく、とり
わけSAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Inter
mediate Super Abrasion Furnace)、HAF(High Abras
ion Furnace)、FEF(Fast Extrusion Furnace)あるい
はGPF(General Purpose Furnace)などが好適であ
る。
【0040】〔架橋剤、加硫促進剤および加硫活性化
剤〕本発明において、EPDM等のゴム成分を架橋する
ための架橋剤としては、硫黄等の従来公知の加硫剤や、
従来公知の樹脂加硫剤が使用可能である。本発明におい
ては、中でも、樹脂加硫剤を用いるのが好ましい。樹脂
加硫剤としては、例えばアルキルフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂、ハロゲン化フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂等が挙げられ、その具体例としては、田岡化学
(株)製の商品名「タッキロール」シリーズ等が挙げら
れる。
【0041】樹脂加硫剤は、一般に硫黄よりも加硫が迅
速に起こる。架橋剤の配合量は、EPDMゴム等のゴム
成分100重量部に対し、通常2〜20重量部、好まし
くは5〜17重量部である。本発明においては、前記架
橋剤に加えて、加硫促進剤、加硫活性化剤(加硫促進助
剤)を添加してもよい。加硫促進剤は主として硫黄架橋
時に添加されるものであって、従来公知のチアゾール
系、チウラム系、ジチオカーバメート系、スルフェンア
ミド系等のものが使用できる。加硫促進剤は、前記EP
DMゴム等のゴム成分100重量部に対し、通常1〜1
0重量部程度使用される。また、加硫活性化剤として
は、亜鉛華、ステアリン酸等を用いることができる。加
硫活性化剤は、前記EPDMゴム100重量部に対し、
通常0.1〜100重量部程度使用される。
【0042】〔その他の添加剤〕本発明の低弾性率高分
子組成物には、品質向上等を目的に加工助剤、補強剤、
着色剤、老化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、難燃
剤、粘着付与剤等を適宜添加することができる。補強剤
としてはシリカ等が挙げられ、前記熱可塑性エラストマ
ー(A) ,オレフィン系ポリマー(B) およびゴム成分(C)
の合計量100重量部に対し0〜300重量部を添加で
きる。充填剤としては、炭酸カルシウム、クレイ、炭酸
マグネシウム等が挙げられ、前記(A) ,(B) および(C)
の各成分の合計量100重量部に対し0〜300重量部
を添加できる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、
三酸化アンチモン等が挙げられ、前記(A) ,(B) および
(C) の各成分の合計量100重量部に対し0〜100重
量部を添加できる。また、粘着付与剤としてはクマロン
−インデン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化
水素樹脂等や、液状ポリブデン、液状ポリイソプレン等
の低分子成分等が挙げられ、前記(A) ,(B)および(C)
の各成分の合計量100重量部に対し0〜200重量部
を添加できる。
【0043】〔低弾性率高分子組成物の調製〕本発明に
係る低弾性率高分子組成物は、前記熱可塑性エラストマ
ー(A) 、前記オレフィン系ポリマー(B) 、EPDMを含
む前記ゴム成分(C) および軟化剤(D)を、適宜の添加剤
とともに混練し、これに動的架橋を施すことによって調
製することができる。すなわち、本発明に係る低弾性率
高分子組成物は、例えば(i) ゴム成分(C) と適宜の加硫
剤、加硫活性剤とを細断・混和する工程、(ii)熱可塑性
エラストマー(A) に軟化剤(D) を加えて混和する工程、
次いで(iii) これらの混和物を混合し、さらに必要に応
じて架橋剤と適宜の添加剤を加えて、前記ゴム成分(C)
の少なくとも一部が架橋されるように動的架橋を行う工
程、を経ることによって得ることができる。
【0044】軟化剤(D) の量を多くするときには、全成
分を一度に混練機中や押出機中で混練しようとしても、
スリップを起して均一な分散を達成できないことがあ
る。この場合には、上記(i) の工程と(ii)の工程とに分
けて軟化剤を混合すればよい。すなわち、まず軟化剤を
前記熱可塑性樹脂に吸収させておき、これと細断したE
PDMゴム(ここでゴム中に加硫剤を事前に練り込んで
おく方が有利である)を合して混練することにより、均
一な分散状態を得ることができる。
【0045】また、本発明に係る低弾性率高分子組成物
は、熱可塑性エラストマー(A) 、オレフィン系ポリマー
(B) およびゴム成分(C) を全てブレンドした上で、これ
に軟化剤(D) を吸収させて動的架橋を行うことによって
も、得ることができる。動的架橋は、通常のゴム混練機
を使用して実施することができる。例えば、押出機、ニ
ーダー、バンバリーミキサーを使用することが可能であ
って、とりわけ押出機、中でも二軸押出機が好適であ
る。
【0046】架橋時の回転数は50〜400rpm程度
に設定するのが好ましい。また、動的架橋は、通常16
0〜220℃で行われる。 〔シール材〕本発明のシール材は、上記の低弾性率高分
子組成物を用いて作製されるものであって、好ましく
は、ケーブルと筐体との隙間のシール材として用いられ
るものである。
【0047】本発明に係るシール材は、上記のように、
好ましくは通信ケーブルのクロージャー等におけるシー
ル材として使用されるものであるため、その硬度は、2
3℃における1/1サイズコーン針入度で規定するとき
通常10以上であることを要する。この針入度は、前記
範囲の中でも特に20以上であるのが好ましく、30以
上であるのがより好ましい。シール材の形状は適宜に選
択され、射出成形やプレス成形により作製できる。
【0048】
〔高分子組成物の作製〕
実施例1 ゴム成分としてのEPDM〔住友化学工業(株)製の商
品名「エスプレン532」,エチレン含有量51重量
%,125℃におけるムーニー粘度81,ジエン成分
(エチリデンノルボルネン)の含有比率3.5%〕50
重量部、酸化亜鉛2.5重量部、ステアリン酸0.5重
量部および樹脂加硫剤〔田岡化学(株)製の商品名「タ
ッキロール250−III 」〕6重量部をニーダーで混練
し、細断されたゴム配合物を得た。
【0049】上記のゴム配合物に、熱可塑性エラストマ
ーとしてのSEEPS〔クラレ(株)製の商品名「セプ
トン4077」〕35重量部、オレフィン系ポリマーと
してのポリプロピレンノバテック(PP)〔日本ポリケ
ム(株)製の商品名「BC6」〕15重量部、さらにカ
ーボンブラックHAF(N−330)5重量部を添加し
よく攪拌した。これに、軟化剤としてのパラフィンオイ
ル〔出光興産(株)製の商品名「ダイアナプロセスオイ
ルPX−90」,流動点−45℃,油展分を含む〕40
0重量部を添加して、よくブレンドして吸収させた。
【0050】次いで、上記ブレンド物を、押出機〔アイ
ペックス社製,型番「HTM3838−2」〕に供給
し、押出機内の回転数が200rpm、温度が180℃
の条件で動的架橋を行った。こうして得られた高分子組
成物は非常に柔軟であった。次いで、得られた高分子組
成物を射出成型機〔住友重機械(株)製,型番「SG2
5−HIPRO MIIA」〕を用いて射出成形を行い、
後述する物性評価を行った。
【0051】実施例2 実施例1において、カーボンブラックN−330の添加
量を10重量部とした以外は同様にして高分子組成物を
得、物性を評価した。 実施例3 実施例1において、カーボンブラックN−330の添加
量を17.5重量部とした以外は同様にして高分子組成
物を得、物性を評価した。
【0052】実施例4 実施例1において、カーボンブラックN−330の添加
量を25重量部とした以外は同様にして高分子組成物を
得、物性を評価した。 実施例5 実施例1において、カーボンブラックN−330の添加
量を37.5重量部とした以外は同様にして高分子組成
物を得、物性を評価した。
【0053】実施例5 実施例1において、カーボンブラックN−330の添加
量を50重量部とした以外は同様にして高分子組成物を
得、物性を評価した。 比較例1 実施例1において、カーボンブラックを添加せずに、他
は同様にして高分子組成物を得、物性を評価した。
【0054】比較例2 実施例1において、カーボンブラックN−330の添加
量を75重量部とした以外は同様にして高分子組成物を
得、物性を評価した 〔物性評価〕 (引張強度TBおよび破断伸びEB)上記実施例および
比較例で得られた成形物(射出成形物・プレス成形物)
の引裂強度を、JIS K 6251に記載の「加硫ゴ
ムの引張試験方法」の規定に従って測定した。
【0055】(引裂強度TR)上記実施例および比較例
で得られた成形物(射出成形物・プレス成形物)の引裂
強度を、JIS K 6252に記載の「加硫ゴムの引
裂試験方法」の規定に従って測定した。 (針入度)上記実施例および比較例で得られた成形物
(射出成形物・プレス成形物)の針入度を、JIS K
2220に記載されている「ちょう度測定法」の1/
1サイズの円錐Aを使用して測定した。測定温度は23
℃とした。
【0056】(圧縮永久歪み)上記実施例および比較例
で得られた成形物(射出成形物・プレス成形物)の圧縮
永久歪みを、JIS K 6262に記載の「加硫ゴム
の永久ひずみ試験方法」の規定に従い、測定温度70
℃、測定時間24時間で測定した。 (硬度)アスカーC2硬度計(高分子計器(株)製)を
用いて測定した。
【0057】(ゲル分率)充分に乾燥しサンプル(成形
物)を秤量後(w1g)、ステンレス製のかごに入れて
トルエン中で40℃、72時間浸漬する。その後、ステ
ンレス製かごを引き上げ、室温下で3日間乾燥させ、さ
らに70℃の真空オーブン中で24時間乾燥し、重量を
測定する(w2g)。ゲル分率(%)を次式により算出
する。 ゲル分率 = {[w2−w1×(トルエン不溶成分の総部
数/総部数)]/[w1×(トルエン可溶成分の総部数
/総部数)]}×100 このゲル分率が多くなることは、ゴム分が加硫によって
トルエンに不溶となっていくことを示し、ゴムの加硫が
どの程度進んだかを示す指標となる。
【0058】(リサイクル性)成形物を細断し、射出成
形またはプレス成形できるかどうかにより判断した。以
上の実施例および比較例における配合組成と、物性評価
の結果をまとめて表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】実施例1〜6で得られた高分子組成物は、
射出成形およびリサイクルが可能で、成形・加工が容易
で、かつ耐熱変形性が良好であるとともに、表1より明
らかなように、十分な針入度(柔軟性)と適度な粘着性
とを有しており、さらには、低温領域での圧縮永久歪み
は十分に抑制されていた。従って、実施例1〜6の高分
子組成物は、特に通信ケーブルのクロージャーにおける
シール材として好適な組成物であることが分かった。
【0061】とくに、カーボンブラックの添加量との関
係からみると、カーボンブラック無添加の場合(比較例
1)に比較して、各実施例のものは引張強度、破断伸
び、引裂強度において改善されている。しかし、比較例
2のように、カーボンブラックを50重量部よりも越え
て添加すると、圧縮永久歪みが大きくなり、硬度も小さ
くなり、粘着性が甚だしくなることからシール材として
の使用には適さなくなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/00 C08L 53/00 91/08 91/08 C09K 3/10 C09K 3/10 Z Q Fターム(参考) 4H017 AA03 AA29 AA31 AA39 AB07 AB17 AC02 AC14 AC16 AD05 AE05 4J002 AE031 BB033 BB123 BB154 BP012 BP032 BP033 DA036 GJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) スチレン−イソプレン−スチレンブロ
    ック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン−ス
    チレンブロック共重合体の水素添加物、およびスチレン
    −エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック
    共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む
    熱可塑性エラストマーと、 (B) オレフィン系ポリマーと、 (C) エチレン−プロピレン−ジエンゴムを50重量%以
    上含むゴム成分と、 (D) 軟化剤と、 (E) カーボンブラックとを含有し、 上記軟化剤(D)の含有量が上記(A)、(B)および(C)の各成
    分の合計量100重量部に対して200重量部以上であ
    り、上記(E)の含有量が上記(A)、(B)および(C)の各成分
    の合計量100重量部に対して5〜50重量部であり、
    かつ、上記ゴム成分(C)の少なくとも一部が動的架橋に
    よって架橋されたものであることを特徴とする低弾性率
    高分子組成物。
  2. 【請求項2】前記カーボンブラック(E)の含量が上記
    (A)、(B)および(C)の各成分の合計量100重量部に対
    して10〜40重量部である請求項1記載の低弾性率高
    分子組成物。
  3. 【請求項3】前記カーボンブラック(E)の、粒子径が
    80nm以下であり、吸油量が80cc/100g以上
    である請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
  4. 【請求項4】前記オレフィン系ポリマー(B)がポリプロ
    ピレンである請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
  5. 【請求項5】前記軟化剤(D) がパラフィンオイルである
    請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の低弾性率
    高分子組成物を用いることを特徴とするシール材。
  7. 【請求項7】ケーブルクロージャーに用いられる請求項
    6記載のシール材。
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