JP3734884B2 - 樹脂微粒子およびゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、4−メチル−1−ペンテン重合体を主成分とする樹脂微粒子およびそれを配合することにより調製することができる優れたゴム組成物に関する。別の観点からすれば、本発明は軽量で電気絶縁性に優れ、ゴム配合用の補強材、充填材として好適な樹脂微粒子および該樹脂微粒子を配合することにより調製することが可能で、加硫時の金型との粘着が実質的になく、しかも低比重の加硫物を与えるゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種ゴムには、通常、補強材としてカーボンブラック、シリカ等が、また充填材として炭酸カルシウム、クレー、タルク等が配合されることが多い。これらは何れも微粒子で、ゴムに配合することにより、ゴムの引張強度等の物性を向上させたり、硬さを制御する働きがある。
これら微粒子状の補強材あるいは充填剤の比重は、カーボンブラックが1.86、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク等が2以上と高い。
【0003】
一方、例えば自動車の防振ゴム、ウェザーストリップスポンジ、グラスランチャネル、タイヤ、ホース類、電線の被覆、絶縁層等の加硫ゴム部品は、省エネルギーの観点から軽量化が望まれており、それに伴いより低比重の充填剤の開発が要望されている。
本発明者らは、電気絶縁特性に優れ、低比重であるポリプロピレン微粒子をゴムに配合して軽量且つ電気絶縁特性に優れた加硫ゴムを得ることを試みたが、ポリプロピレン微粒子配合ゴム組成物を150℃以上の温度で型加硫すると金型に粘着し、取り出し性が悪かった。また、その加硫物は高温下(150℃)での圧縮永久歪が大であり、自動車の防振ゴム、ウェザーストリップスポンジ、グラスランチャネル、タイヤ、ホース、電線の被覆、絶縁層等の加硫ゴム部品には不適当であることが明らかになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ゴムに好適に配合することができる樹脂微粒子を提供することである。
本発明の他の目的は、ゴムに配合して軽量なゴム加硫物を与え得る低比重の樹脂微粒子を提供することである。
本発明の他の目的は、電気絶縁性に優れた樹脂微粒子を提供することである。
本発明の他の目的は、ゴムに配合して高温での圧縮永久歪が大きくなることのないゴム加硫物を与え得る樹脂微粒子を提供することである。
本発明のさらなる目的は、充填材を含有する従来の加硫ゴムよりも低比重の加硫ゴムを与え得るゴム組成物を提供することである。
本発明のさらなる他の目的は、加硫時に金型との粘着が実質的になく、加硫ゴムを金型から容易に取り出すことができるゴム組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
第1に、各々の微粒子が4−メチル−1−ペンテン単位80重量%以上97重量%以下と炭素数2〜20のα−オレフィン単位3重量%以上20重量%以下で含有する4−メチル−1−ペンテン共重合体を70重量%以上および4−メチル−1−ペンテン共重合体100重量部当り0〜30重量部の可塑剤と0〜30重量部未満の他の重合体を含有しそして平均粒径が0.1〜50μmであることを特徴とする樹脂微粒子が提供され、
第2に、(1)ゴム相中に、上記樹脂微粒子が、平均粒径0.1〜50μmの微粒子状に分散しており、
(2)該ゴム相中のゴム100重量部当り、該樹脂微粒子中の4−メチル−1−ペンテン共重合体が10〜400重量部の割合で存在している、
ことを特徴とするゴム組成物が提供されて、
本発明の上記目的および利点が達成される。
以下、本発明を詳述するが、それにより本発明の別の目的、利点および効果が明らかとなろう。
【0006】
本発明の樹脂微粒子を構成している4−メチル−1−ペンテン共重合体(以下単に4−メチル−1−ペンテン重合体ということがある)は4−メチル−1−ペンテン単位を80重量%以上97重量%以下、好ましくは90重量%以上97重量%以下の量で含有する4−メチル−1−ペンテン共重合体である。該4−メチル−1−ペンテン共重合体において、4−メチル−1−ペンテン以外の共重合成分として、炭素数2〜20のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を挙げることができ、なかでも1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンが好ましい。4−メチル−1−ペンテン以外の上記共重合成分は、1種単独であるいは2種以上併用して用いることができる。
【0007】
上記4−メチル−1−ペンテン共重合体に占める4−メチル−1−ペンテン成分以外の共重合成分は、20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。
【0008】
4−メチル−1−ペンテン重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準じ、荷重:5.0kg、温度:260℃の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜500g/10分の範囲にあることが好ましい。そして、1.0〜200g/10分の範囲にあることが特に好ましい。
【0009】
このような4−メチル−1−ペンテン重合体は、市販されており、本発明の樹脂微粒子群を製造するにあたって使用することができる。市販品として、三井石油化学工業(株)製のTPX MX001、MX002、MX004、MX021、MX321、RT18、RT31、DX820、DX845等を挙げることができる。
【0010】
本発明の各々の樹脂微粒子は、上記した4−メチル−1−ペンテン重合体を70重量%以上、好ましくは80重量%以上含有している。
【0011】
本発明の個々の樹脂微粒子は、4−メチル−1−ペンテン重合体100重量部当り、最大30重量部、好ましくは最大20重量部可塑剤を含有することができる。該可塑剤としてはパラフィン系、ナフテン系、アロマ系等の鉱油類;α−オレフィンのオリゴマーあるいはコオリゴマー;エステル系可塑剤;各種植物油、動物油等を挙げることができる。
【0012】
また、本発明の個々の樹脂微粒子は、4−メチル−1−ペンテン重合体100重量部当り、他の重合体、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン等のポリオレフィン類;ナイロン6、66、68、10、12等のポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等のポリエステル類を30重量部未満、好ましくは20重量部未満含有することができる。
【0013】
さらに、本発明の個々の樹脂微粒子は、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ剤、核剤、顔料、染料等、通常ポリオレフィンに添加して使用される各種配合剤を本発明の目的の達成を損なわない範囲で含有することができる。
【0014】
以上のような本発明の樹脂微粒子を製造する方法として、例えば下記の方法を例示することができる。
すなわち、4−メチル−1−ペンテン重合体のペレットを、ボールミル型の粉砕機で機械粉砕して微粉体とし、得られた微粉体を遠心式の分級機で分級することにより、平均粒径0.1〜50μmの樹脂微粒子を取得することができる。
上記方法で、ボールミル型の粉砕機、遠心式の分級機は、それ自体公知のものであって、市販されているものを用いることができる。
【0015】
また、上記4−メチル−1−ペンテン重合体のペレットは、前述した可塑剤、4−メチル−1−ペンテン重合体以外の重合体、通常ポリオレフィンに添加して使用される各種配合剤等を含有してもよい。
【0016】
以上説明した本発明の樹脂微粒子は、ゴムの補強材あるいは充填剤として用いることができる。
【0017】
上記ゴムとしては、特に制限されないが、具体的にはエチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・ブテン−1共重合ゴム、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合ゴム等のエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム;天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム等のジエン系ゴム;その他ブチルゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴムおよびウレタンゴム等を挙げることができる。
【0018】
本発明の上記樹脂微粒子を、ゴム100重量部当り10〜400重量部、好ましくは30〜150重量部の割合で用いることにより、
(1)ゴム相中に上記樹脂微粒子(以下4−メチル−1−ペンテン重合体樹脂相ということがある)が、平均粒径0.1〜50μmの微粒子状に分散し、
(2)該ゴム相中のゴム100重量部当り、該樹脂微粒子中の4−メチル−1−ペンテン重合体が10〜400重量部、好ましくは30〜150重量部の割合で存在している、
本願の第2の発明であるゴム組成物を得ることができる。
【0019】
上記ゴム組成物において、4−メチル−1−ペンテン重合体樹脂相は、4−メチル−1−ペンテン重合体100重量部当り、最大30重量部、好ましくは最大20重量部可塑剤を含有することができる。該可塑剤としてはパラフィン系、ナフテン系、アロマ系等の鉱油類;α−オレフィンのオリゴマーあるいはコオリゴマー;エステル系可塑剤;各種植物油、動物油等を挙げることができる。
【0020】
また、該4−メチル−1−ペンテン重合体樹脂相は、4−メチル−1−ペンテン重合体100重量部当り、他の重合体、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン等のポリオレフィン類;ナイロン6、66、68、10、12等のポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等のポリエステル類を最大30重量部、好ましくは最大20重量部含有することができる。
【0021】
さらに、4−メチル−1−ペンテン重合体樹脂相は、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ剤、核剤、顔料、染料等、通常ポリオレフィンに添加して使用される各種配合剤を本発明の目的の達成を損なわない範囲で含有することができる。
【0022】
ゴム相は、通常、ゴムに配合する架橋剤、架橋助剤、軟化剤、老化防止剤、顔料、発泡剤、発泡助剤、粘着付与剤、粘着防止剤を含有することができる。
【0023】
本発明のゴム組成物は、ゴム相中に4−メチル−1−ペンテン重合体樹脂相が、平均粒径0.1〜50μm、好ましくは1〜30μmの微粒子状に分散している。
このような本発明のゴム組成物を調製する方法として、例えば以下の2つの方法を例示することができる。
【0024】
(1)第1の方法
まず、4−メチル−1−ペンテン重合体ペレットを機械粉砕し、分級することにより、平均粒径0.1〜50μmの微粒子(本願第1の発明の樹脂微粒子)を取得する。
次に、平均粒径0.1〜50μm、好ましくは1〜30μmに調整された4−メチル−1−ペンテン重合体微粒子とゴムとを、バンバリーミキサー、オープンロール等の混練機を用い、4−メチル−1−ペンテン重合体の融点(通常220〜240℃)より低い温度、好ましくは該融点より100℃以上低く且つ50℃以上の温度で混練して、ゴムに微粒子を分散させる。
【0025】
(2)第2の方法
平均粒径50μmを超える粉末状あるいはペレット状の4−メチル−1−ペンテン重合体をゴムと共に4−メチル−1−ペンテン重合体の融点を越える温度、好ましくは該融点より10℃以上高く、350℃以下の温度で、バンバリーミキサー、二軸押出機等の混練機を用いて、高剪断応力下に混練し、4−メチル−1−ペンテン重合体を微粒子状に分散させる。
【0026】
いずれの方法を採用するにしても、4−メチル−1−ペンテン重合体のペレットあるいは粒子中に可塑剤、4−メチル−1−ペンテン重合体以外の重合体、ポリオレフィンに通常用いられる各種配合剤が含有されていてもよい。
また、ゴム中に通常ゴムに配合される架橋剤、架橋助剤、その他の副資材が配合されていてもよい。第1の方法で行う場合は、混練する際に上記副資材を添加してもよい。
【0027】
以上の方法で調製されたゴム組成物は、それ自体公知の方法および装置を用いて加硫することにより、軽量のゴム部品を製造することができる。加硫は4−メチル−1−ペンテン重合体の融点(通常220〜240℃未満)ないし室温で行われる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0029】
(4−メチル−1−ペンテン重合体微粒子の調製)
4−メチル−1−ペンテン重合体(メルトフロレート:27g/10分、1−デセン単位含有量:3重量%)のペレットをボールミル型の粉砕機で粉砕し、遠心式の分級機で分級して、下記の平均粒径を有するポリメチルペンテン樹脂微粒子を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
(ポリプロピレン樹脂微粒子の調製)
ポリプロピレン(三井石油化学工業(株)製、ハイポールJ700)のペレットにつき、上記と同様な方法で粉砕、分級して、平均粒径10μmのポリプロピレン樹脂微粒子B−1を得た。なお、各微粒子の平均粒径は、コールターカウンター法に従って測定された値である。
【0032】
実施例1
表2に示される配合組成のゴム組成物を調製した。
【0033】
【表2】
【0034】
表2のエチレン・プロピレンゴムは、ジエン成分がエチリデンノルボルネンであり、ヨウ素価が12であり、ムーニー粘度(ML1+4、121℃)が15のものである。
ゴム組成物は、
(イ)まず、混練機として、1.7lのバンバリーミキサーを用いて、エチレン・プロピレンゴム、酸化亜鉛、ステアリン酸、ポリメチルペンテン樹脂微粒子A−1およびプロセスオイルを、混練温度140℃で5分間混練して(充填率75%)、混練物を得、
(ロ)次に、この混合物、架橋剤および架橋助剤を、8インチロールを用いて、混練温度80℃で、5分間混練する、
ことにより調製した。
【0035】
次に、得られたゴム組成物から下記加硫条件下で加硫し、縦120mm、横100mm、厚さ2mmの加硫シートを得た。
加硫条件
加硫方式:熱板によるプレス
プレス機:150トン、スチーム加熱式プレス加硫機
加硫温度:160℃
加硫時間:30分
【0036】
上記のようにして得た加硫ゴムシートの引張強度、伸び、比重、体積固有抵抗をJIS K6301に記載の方法で測定した。結果を表3に示した。
また、加硫物の金型からの取り出し性は、160℃、30分間加硫後、加硫シートと金型との粘着性によって評価した。
【0037】
実施例2〜3、比較例1
表2のポリメチルペンテン樹脂微粒子A−1に代えて、樹脂微粒子としてそれぞれA−2(実施例2)、A−3(実施例3)、A−4(比較例1)を用いる他は、実施例1と同じ操作を繰返してゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを得、試験を行った。結果を表3に示した。
【0038】
【表3】
【0039】
実施例4
実施例1の配合を示す表2において、ゴム成分としてスチレンブタジエンゴム[日本合成ゴム社製:SBR#1500、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)52]を用い、加硫剤として硫黄1.5重量部を用い、そして加硫助剤としてN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアシド1.0重量部を用いる他は、実施例1を繰返した。結果を表4に示した。
【0040】
実施例5および6
ポリメチルペンテン樹脂微粒子として、各々A−2(実施例5)、A−3(実施例6)を用いる他は実施例4を繰返した。結果を表3に示した。
【0041】
実施例7および8
ポリメチルペンテン樹脂微粒子A−1の配合量を、各々50重量部(実施例7)、200重量部(実施例8)とする以外は実施例4を繰返した。結果を表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】
比較例2、3および4
ポリメチルペンテン樹脂微粒子A−1の代わりに、下記の充填材を用いる他は実施例4を繰返した。結果を表5に示した。
比較例2 FEFカーボンブラック(旭カーボン社製:旭#60)
比較例3 ミストロンベーパータルク(Cyprus社製)
比較例4 ポリプロピレン樹脂微粒子B−1
【0044】
【表5】
【0045】
実施例9
ゴム組成物の配合を表6に示されるようにする以外は、実施例1と同様に操作した。結果を表7に示した。
【0046】
【表6】
【0047】
比較例6
実施例9において、ポリメチルペンテン樹脂微粒子A−1の代わりに、FEFカーボンブラック(旭カーボン社製:旭#60)を用いる他は実施例9を繰返した。結果を表7に示した。
【0048】
【表7】
【0049】
実施例10
ゴム組成物の配合を表8に示されるようにする以外は、実施例1と同様に操作した。結果を表9に示した。
【0050】
【表8】
【0051】
比較例6
実施例10において、ポリメチルペンテン樹脂微粒子A−1に代えて、SRFカーボンブラック(旭カーボン社製:旭#50)を用い、フタル酸ジオクチルの代わりにジ−(2−エチルヘキシル)フタレートを用いる他は実施例10と同様に操作した。結果を表9に示した。
【0052】
【表9】
【0053】
実施例11
ゴム組成物の配合を表10に示されるようにする以外は、実施例1と同様に操作した。結果を表11に示した。
【0054】
【表10】
【0055】
比較例7
実施例11において、ポリメチルペンテン樹脂微粒子A−1に代えて、SRFカーボンブラック(旭カーボン社製:旭#50)を用いる他は実施例11と同様に操作した。結果を表11に示した。
【0056】
【表11】
【0057】
以上の実施例、比較例から、本発明の樹脂微粒子を補強材、充填材として用いたゴム組成物は、
(1)カーボンブラック、タルク等を用いた場合と比べて比重が小さく、且つ電気絶縁性に優れた加硫物を与え、
(2)ポリプロピレン微粒子を用いた場合と比べて加硫物の高温での圧縮永久歪が小さく、カーボンブラック、タルク等を用いた場合と実質的に同等であり、
(3)加硫の際、金型への粘着が無いことがわかる。
従って、本発明の樹脂微粒子を用いたゴム組成物から、自動車の防振ゴム、ホース、ウェザーストリップスポンジ、グラスチャネル、タイヤ、電線の被覆等のゴム部品を製造する際に、補強材、充填材として好ましく用いられる。
【0058】
本発明の樹脂微粒子を用いて得ることができるゴム組成物は、上記のように従来に無い優れた性能を示すだけでなく、従来問題となっていた4−メチル−1−ペンテン重合体の産業廃棄物のリサイクルにも有用である。例えば4−メチル−1−ペンテン重合体の主用途の一つにゴムホース、電線用のマンドレル、シースがあるが、この用途では4−メチル−1−ペンテン重合体を繰返し使用する際に加工成形時の高温で4−メチル−1−ペンテン重合体が劣化し、低分子量化し、その結果、物性が低下する。そして使用に適さない程物性が低下した4−メチル−1−ペンテン重合体は廃棄されていた。しかし、本発明に示されたようにゴムの充填剤として使用すれば、再使用することが可能である。
【0059】
【発明の効果】
本発明の樹脂微粒子を配合して得ることができるゴム組成物からの加硫ゴムは、軽量且つ電気絶縁性に優れ、しかも高温での圧縮永久歪は、カーボンブラック、タルクを用いた場合と実質的に同等である。また、加硫時に金型との粘着が実質的にない。
Claims (2)
- 各々の微粒子が4−メチル−1−ペンテン単位80重量%以上97重量%以下と炭素数2〜20のα−オレフィン単位3重量%以上20重量%以下で含有する4−メチル−1−ペンテン共重合体を70重量%以上および4−メチル−1−ペンテン共重合体100重量部当り0〜30重量部の可塑剤と0〜30重量部未満の他の重合体を含有しそして平均粒径が0.1〜50μmであることを特徴とする樹脂微粒子。
- (1)ゴム相中に、請求項1に記載の樹脂微粒子が、平均粒径0.1〜50μmの微粒子状に分散しており、
(2)該ゴム相中のゴム100重量部当り、該樹脂微粒子中の4−メチル−1−ペンテン共重合体が10〜400重量部の割合で存在している、
ことを特徴とするゴム組成物。
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