JP2001354797A - 吸引用多孔質体の製造方法 - Google Patents

吸引用多孔質体の製造方法

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JP2001354797A JP2000178364A JP2000178364A JP2001354797A JP 2001354797 A JP2001354797 A JP 2001354797A JP 2000178364 A JP2000178364 A JP 2000178364A JP 2000178364 A JP2000178364 A JP 2000178364A JP 2001354797 A JP2001354797 A JP 2001354797A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸引により固定乃至は移動する際に使用する
多孔質体の少なくとも片面の表面粗さが算術平均粗さ
(Ra)で1μm以下、通気抵抗を300〜1500mmA
q、曲げ弾性率が500〜7000kg/cm2のポリエチレ
ン製多孔質体の製造方法を提供する。 【解決手段】 メルトフローレートが30g/10分以
下、密度が0.85〜0.97g/ccであり、最大粒
径が300μm以下のポリエチレン粉末を、該ポリエチ
レンが接する面の少なくとも片面の表面粗さが、最大高
さ(Ry)で10μm以下の材料に接触させ、該材料の
表面温度を(使用するポリエチレンの融点+20℃)〜
(使用するポリエチレンの融点+100℃)の範囲で加
熱し、焼結成形をして、多孔質体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸引用多孔質体の
製法に関する。更に詳しくは、易塑性変形物などの物品
を吸引して固定して加工を施したり、或いは搬送したり
する時に用いられる吸引用多孔質体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ガラス、紙、プラスチック等
の板状物や、箱状物の搬送には吸引力を利用した手法が
用いられている。最も古くから行われているのは、ゴム
等の素材をカップ状に賦形し、その端面を対象物に密着
させて、カップの内部を負圧にすることによって対象物
を固定し、搬送する機構である。この方法は、比較的剛
性があり、吸引による力で塑性変形を起こさない物につ
いては適用出来るものの、吸引による力で塑性変形を起
こす物では吸引した時に対象物自体の変形が起こり、吸
引できなかったり、対象物の商品価値を落とす等の問題
があって使用できなかった。
【0003】それを解決するために、吸引部の対象物に
当たる面に、金属やプラスチック製の多孔性の物を設置
し、該多孔体を平面、或いは曲面等の対象物に悪影響を
及ぼさない形状にして、その面に対象物を密着させて吸
引する方法も種々なされている。しかるに、これらの方
法では、多孔体の表面粗度が粗すぎるために、特に吸引
の力で塑性変形を起こすような素材では、素材に多孔体
の表面の転写が生じたり、それによる素材の変形が生ず
るため、塑性変形し易い素材には使用することが出来な
かった。
【0004】上記現象の解決策には表面粗度の小さい多
孔質体が求められるが、例えば焼結成形で多孔質体を作
る場合に、メルトフローレイトの高い材料を用いれば表
面粗度の小さい多孔質体が得られるが、通気抵抗が大き
くなると同時に多孔質体の剛性が高くなりすぎ、本発明
の用途には用いることが出来なかった。また、通気抵抗
を比較的低く設計した多孔質体では表面粗度が大きすぎ
て本発明の用途には用いることは困難であった。
【0005】この点の解決策として、特開平9−174
694号公報には「得られた多孔質シートを転写用基材
の平滑面と接触させて、そのシート面に熱転写する方
法」で多孔質体の表面粗度を改良する方法が開示されて
いる。しかし、この方法によってもまだ多孔質体の表面
粗度が粗いために、特に高精度が要求される分野におい
ては、満足される物は得られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
状況に鑑みてなされたのであり、吸引により固定乃至は
移動する際に使用する多孔質体の少なくとも片面の表面
粗さが算術平均粗さ(Ra)で1μm以下、通気抵抗を
300〜1500mmAq、曲げ弾性率が500〜7000
kg/cm2のポリエチレン製多孔質体の製造方法を提供す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、上記課題を解決するに至った。即ち、本発明
は、1.物品を吸引して固定乃至は搬送する際に使用す
る多孔質体であって、少なくとも片面の表面粗さが算術
平均粗さ(Ra)で1μm以下であり、通気抵抗が30
0〜1500mmAqであり、曲げ弾性率が500〜700
0kg/cm2である、ポリエチレン製多孔質体を作る方法で
あって、メルトフローレートが30g/10分以下、密
度が0.85〜0.97g/ccであり、最大粒径が4
00μm以下のポリエチレン粉末を、該ポリエチレンが
接する面の少なくとも片面の表面粗さが、最大高さ(R
y)で10μm以下の材料に接触させ、該材料の表面温
度を(使用するポリエチレンの融点+20℃)〜(使用
するポリエチレンの融点+100℃)の範囲で加熱し、
焼結成形をして、多孔質体を得ることを特徴とする吸引
用多孔質体の製造方法、
【0008】2.ポリエチレン粉末は、粘度法による分
子量が60万以上の超高分子量ポリエチレン(A)30
〜90重量部と、メルトフローレートが0.01〜30
g/10分のポリエチレン粉末(B)10〜70重量部
とからなることを特徴とする請求項1記載の吸引用多孔
質体の製造方法、である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明について、以下詳細に説明
する。本発明に於ける、物品の一つである易塑性変形物
とは、吸引により固定乃至は搬送する際の吸引力で表面
乃至は全体が容易に塑性変形をおこしてしまうような物
質を言い、例えば焼く前のパンやクラッカー・パイなど
の生地、豆腐類、軟質のプラスチック等のフィルム類、
焼成前の粘土やセラミックなどが挙げられる。これらの
物質は、薄葉状であっても良いし、立方体や直方体乃至
は無定型の物であっても良い。
【0010】一般に、多孔質体とは、金属、セラミッ
ク、プラスチック等の粉末を加圧または無加圧下で加熱
を行い、内部に連続した気孔を残した状態で粉末の表層
付近を融着させて得られる多孔質体や、金属やセラミッ
クの粉末とプラスチック粉末や木粉等を混合して焼成
し、焼成過程または焼成後の過程でプラスチック粉末や
木粉を燃焼等の手段で除去し、それらの除去後に生ずる
気孔を利用する多孔質体や、プラスチック等熱可塑性の
素材と無機塩等可溶性の素材とを溶融混合させた後に適
当な抽剤を用いて可溶性素材を抽出し、その抜け跡の気
孔を利用する多孔質体などが含まれる。これらの種々の
方法によって多孔質体は得られるが、工程が簡便なこ
と、各工程の条件を制御し易いこと等から、焼結成形が
好適に用いられる。
【0011】本発明では、焼結体として、ポリエチレン
の焼結体を使用する。本発明の多孔質体は、多孔質体の
成形範囲で種々の形状、例えば、シートなどの板状、円
筒状、円柱状、角柱状、直方体、立方体、その他異形品
等の形状にすることが可能である。また、表面或いは内
部に、布、織物、編み物、不織布、孔あきフィルム、微
多孔膜、金網等、本発明の多孔性を阻害しないものとの
複合化も可能である。また、熱安定剤、耐候剤、界面活
性剤、帯電防止剤、脱臭剤、吸臭剤、防かび剤、抗菌
剤、香料、フィラー等を必要に応じて添加しても良い。
これら添加剤を加える際には流動パラフィン等の展着剤
を用いることも出来る。
【0012】多孔質体の素材としては、吸引物を傷つけ
ない柔らかさと吸引による負圧に対抗できるだけの剛性
とを兼ね備えていること等から、プラスチックが好まし
く、その中でも、成形性、耐薬品性、焼結成形に適する
粉末が得られ易い等の理由で、ポリオレフィンが好適に
用いられる。ポリオレフィンは、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−ペンテン−1などの単独
重合体、エチレンやプロピレンと他のα−オレフィンと
の共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレ
ンとアクリル酸、メタクリル酸及びこれらのエステルと
の共重合体などが挙げられる。
【0013】これらポリオレフィンの中でも、エチレン
の単独重合体、またはエチレンと他のα−オレフィンと
の共重合体であるポリエチレン共重合体、及び、プロピ
レンの単独重合体、またはプロピレンとエチレン等、他
のα―オレフィンとの共重合体であるポリプロピレン共
重合体が、1)焼結成形に好適な粉末を容易に得ること
が出来る、2)焼結成形を容易に行うことが出来る、
3)耐薬品性に優れている、4)比較的柔らかく適度な
剛性がある等の理由から好適に適用できる。
【0014】本発明では、ポリエチレンは、上記の内、
エチレンの単独重合体、またはエチレンと他のα−オレ
フィンとの共重合体であるポリエチレン共重合体を含
み、重合や機械粉砕により焼結成形に好適な粉末が容易
に得られる、適度に柔らかく剛性があるので好ましい。
ポリエチレンのメルトフローレートは30g/10分以
下の物が好適に用いられ、望ましくは10g/10分以
下、更に望ましくは1g/10分の物が良い。メルトフ
ローレートが30g/10分を超すと焼結成形時に樹脂
の流動が生じ易く、そのために気孔率の制御が困難にな
る。尚、メルトフローレートは、JISK6760-199
5によって求める。
【0015】また、ポリエチレンの密度は0.85〜
0.97g/ccが好ましく、更に好ましくは0.92
〜0.96g/ccである。密度が0.85g/cc未
満では、ポリエチレンそのものの剛性が低いために、こ
れを用いて多孔質体を得たとしても、この多孔質体自身
が吸引時に変形を起こし易いので好ましくない。吸引す
る対象物の性質と吸引する力に応じてこの範囲のポリエ
チレンを選択することが出来る。尚、ポリエチレンの密
度はJIS K6760-1995に記載の方法で求める。
【0016】ポリエチレンの最大粒径は、400μm以
下の物が好適に用いられ、好ましくは300μm以下、
更に好ましくは200μm以下である。最大粒径が40
0μmを超すと出来上がった焼結成形体の表面粗度が大
きくなり、好ましくない。最大粒径は、JIS Z88
01に記載のふるいを使用して通過させた時に、用いた
ふるいの目開きを最大粒径とした。上記、最大粒径が4
00μm以下のポリエチレンを得るためには、重合で直
接得ても良いし、重合で得られた粉末を分級によって上
記の範囲にしても良い。また、一度粉末以外の形状に賦
形した物を常温乃至は低温下で機械粉砕を施して、上記
の範囲の物を得ても良いし、機械粉砕した物を分級して
得ても良い。更には、溶媒で溶解した後、貧溶媒を加え
て析出させ、粉末化した物でも良い。
【0017】これらポリエチレン粉末は上記の範囲の物
を単独で使用しても良いし、粘度法での分子量が60万
以上の超高分子量ポリエチレン粉末(A)30〜90重
量部と、メルトフローレートが0.01〜30g/10
分のポリエチレン粉末(B)10〜70重量部との混合
物を用いるのがより好ましい。これらのポリエチレン
は、親水基を持ったモノマーとの共重合、親水基を持っ
たモノマーのグラフト、界面活性剤の添加等、公知の手
段を用いて親水化されていても良い。尚、親水化は、粉
末の状態で親水化された物を多孔質体に成形して親水性
多孔質体を得ても良いし、予め多孔質体に成形した物を
公知の方法で親水化しても良い。
【0018】このポリエチレン粉末を用いて多孔質体を
得るためには、焼結成形の手法が好に用いられる。焼結
成形は、例えば該粉末を金属等の材料の平板上に均一に
散布して、加熱・冷却することでも得られるし、或いは
該粉末を金属等の材料の平板上に均一に散布して加熱
し、加熱中または加熱後に更にその上に金属等の材料の
平板を重ねて冷却し、金属等の材料の平板の面を転写す
る方法もある。或いは、例えば、金属等の材料の連続し
たベルトの上に該粉末を均一に散布して加熱中または加
熱後に金属等の材料で出来たロールやベルトで挟んで冷
却する方法もある。更には、該粉末を所望の空間をもっ
た金型に充填して金型ごと加熱しても良いし、該粉末を
入れた所望の空間を持った金型の中に熱風や該粉末の融
着を阻害しない熱媒を通すことで加熱しても良い。
【0019】これらの成形手法の内、金型中にポリエチ
レン粉末を充填し、これを加熱・冷却する手法と、該粉
末をベルト上に均一に散布して加熱・冷却する方法とが
好適に適用出来る。金型を使用して焼結成形をする場合
には、成形後の後処理等を勘案すると、金型ごと加熱す
る方法が好適に用いられる。金型ごと加熱する方法とし
ては、熱風炉やヒーターを備えた炉の中に投入しても良
いし、金型中に流路を設けて、熱媒を通すことでも良
い。
【0020】いずれの場合も金型或いはベルトなどの材
料の表面温度は(使用するポリエチレンの融点+20
℃)〜(使用するポリエチレンの融点+100℃)の範
囲に保たれる。金型或いはベルトなどの材料の表面温度
が(使用するポリエチレンの融点+20℃)以下では、
強固に融着していないため強度が低くなると共に多孔質
体の表面粗度が粗くなり、また金型或いはベルトなどの
材料の表面温度が(使用するポリエチレンの融点+10
0℃)を超えると過熱によるポリエチレンの劣化の恐れ
が増加すると共に、激しい流動が起こり、その結果適正
な気孔を保てなくなるので好ましくない。
【0021】焼結成形に用いる金型或いはベルトなどの
材料の材質は、加熱時の温度に耐えること及び加熱時に
発生するポリエチレンの熱膨張に耐える物であれば特に
限定されない。通常は金属製の金型が好適に使用され
る。金属の中でも、アルミニウムや真鍮などが比較的軽
量で熱伝導率が良いことから好適に使用される。これら
金属は、そのまま用いても良いし、表面にクロムやニッ
ケルなどで鍍金を施すことも可能である。この時、用い
る金型或いはベルトなどの材料の該ポリエチレンが接す
る面の少なくとも片面は、表面粗さが、最大高さ(R
y)で10μm以下、好ましくは5μm以下に仕上げら
れていることが好ましい。金型或いはベルトなどの材料
のポリエチレンが接する面の表面粗さが、最大高さ(R
y)で10μm以上の粗面では、その粗面が焼結成形時
にポリエチレンに転写されて、多孔質体の表面が所望の
表面粗度にならないために好ましくない。ここで言う、
表面粗さの最大高さ(Ry)は、先端が0.1mmRの測
定子を用い、接触法によってJIS B0601-1994に
従って測定した値を言う。
【0022】この様な条件下で成形された多孔質体は、
算術平均粗さ(Ra)が、1μm以下であることが必要
である。多孔質体の算術平均粗さ(Ra)が1μmを超
えると、吸引する対象物に対して多孔質体の転写が起こ
り、その結果吸引する対象物の表面が粗くなり、好まし
くない。多孔質体の算術平均粗さ(Ra)は、 以下の方
法で測定される。即ち、先端のRが0.5μmである接
触子を用いて、測定長さを10mm、試料の送り速度を
0.3mm/secで測定した表面粗さから、JIS
B0601-1994に従って算術平均粗さを求める。1枚
の試験片で3個所測定し、その平均値を取った。
【0023】本発明の多孔質体は、その通気抵抗が30
0〜1500mmAqの範囲にあることが必要である。好
ましくは500〜1000mmAqの範囲である。通気抵抗
が300mmAq以下では、物品を吸引した時に物品で覆
われていない多孔質体の部分からの空気の通過量が多く
なり、その結果として吸引力が低下する恐れがある。通
気抵抗が1500mmAqを超えると、吸引させる装置
(真空ポンプなど)の負荷が大きくなるばかりなく、物
品の吸引力も低下するので好ましくない。なお、通気抵
抗は、21mmφのカップを多孔質体に密着させ、1k
g/cm2の圧縮空気を60リットル/分の流量で流し
た時に生じる圧力を測定した。1枚の検体でほぼ均等に
6点測定し、その平均値を通気抵抗とした。
【0024】本発明の多孔質体は、その曲げ弾性率が5
00〜7000kg/cm2の範囲にあることが必要である。
好ましくは800〜5000kg/cm2の範囲である。曲げ
弾性率が500kg/cm2に満たないと吸引した時に、多孔
質体自身の変形が起こり、それが被吸引物に転写される
恐れがあるので好ましくない。また、曲げ弾性率が70
00kg/cm2を上回ると、吸引装置や被吸引物に対する密
着性が悪くなり、好ましくない。尚、曲げ弾性率は、支
点間距離30mm、曲げ速度5mm/minで測定した。以
下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0025】
【実施例1】JIS K7210(条件;荷重2.16
kg、温度190℃)によって測定したメルトフローレ
イトが0.00g/分、密度が0.942g/cc、融
点が135℃の超高分子量ポリエチレン粉末(商品名;
サンファインUH、旭化成工業株式会社製)を、目開き
250μmの篩で篩い、通過した物を原料とした。該ポ
リエチレン粉末の接触する面を最大高さ(Ry)で4μ
mの粗さに仕上げたアルミニウム製の金型に充填し、金
型の表面温度が218℃になるまで加熱した後、室温ま
で冷却し、厚み約2mmの多孔質焼結シートを得た。得
られたシートは、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で
0.9μm、通気抵抗が850mmAq、曲げ弾性率は10
50kg/cm2であった。
【0026】
【比較例1】実施例1で用いた原料をそのまま用い、該
ポリエチレン粉末の接触する面を最大高さ(Ry)で1
0.8μmの粗さに仕上げたアルミニウム製の金型に充
填し、実施例1と同様に成形し、多孔質焼結シートを得
た。得られたシートは、表面粗さが算術平均粗さ(R
a)で1.2μm、通気抵抗が830mmAq、曲げ弾性率
は1050kg/cm2であった。
【0027】
【実施例2】実施例1で使用した超高分子量ポリエチレ
ン粉末100重量部とポリオキシソルビタンモノラウレ
ート0.3重量部を高速ミキサーで混合し、親水性粉体
を得た。該親水性粉体を、目開き180μmの篩でふる
い分けし、その通過品を使用して、実施例1で使用した
金型に充填し、金型の表面温度が186℃になるまで加
熱した後、室温まで冷却し、厚み約2mmの多孔質焼結
シートを得た。得られたシートは、表面粗さが算術平均
粗さ(Ra)で0.9μm、通気抵抗が750mmAq、曲
げ弾性率は890kg/cm2であった。このシートの表面に
水を約50マイクロリッター滴下させると、水は約10
秒で全量シートの中に吸収された。
【0028】
【比較例2】実施例2で使用した超高分子量ポリエチレ
ン粉末を用いて、該ポリエチレン粉末の接触する面を最
大高さ(Ry)で12.4μmの粗さに仕上げたアルミ
ニウム製の金型に充填し、金型の表面温度が186℃に
なるまで加熱した後、室温まで冷却し、厚み約2mmの
多孔質焼結シートを得た。得られたシートは、表面粗さ
が算術平均粗さ(Ra)で1.2μm、通気抵抗が73
0mmAq、曲げ弾性率は890kg/cm2であった。
【0029】
【実施例3】実施例1で使用した超高分子量ポリエチレ
ン粉末70重量部とメルトフローレートが0.05g/
10分、密度が0.958g/cc、融点が135℃の
高密度ポリエチレン粉末(商品名:サンファインSH、
旭化成工業株式会社製)30重量部を混合し、該混合粉
末100重量部にポリオキシソルビタンモノラウレート
0.3重量部を高速ミキサーで混合し、親水性粉末を得
た。該親水性粉末を、目開き180μmの篩でふるい分
けし、その通過品を使用した。該ポリエチレン混合粉末
の接触する面を最大高さ(Ry)で3.1μmの粗さに
仕上げたアルミニウム製の金型に充填し、金型の表面温
度が203℃になるまで加熱した後、室温まで冷却し、
厚み約2mmの多孔質焼結シートを得た。得られたシー
トは、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1.0μm、
通気抵抗が900mmAq、曲げ弾性率は1730kg/cm2
あった。このシートの表面に水を約50マイクロリッタ
ー滴下させると、水は約10秒で全量シートの中に吸収
された。
【0030】
【実施例4】実施例3で使用したポリエチレン混合粉末
を使用し、該ポリエチレン混合粉末の接触する面を最大
高さ(Ry)で4μmの粗さに仕上げたアルミニウム製
の金型に充填し、金型の表面温度が158℃になるまで
加熱した後、室温まで冷却し、厚み約2mmの多孔質焼
結シートを得た。、得られたシートは、表面粗さが算術
平均粗さ(Ra)で0.6μm、通気抵抗が990mmA
q、曲げ弾性率は5800kg/cm2であった。
【0031】
【実施例5】実施例1で使用した超高分子量ポリエチレ
ン粉末(1)30重量部とメルトフローレートが0.0
5g/10分、密度が0.958g/cc、融点が13
5℃の高密度ポリエチレン粉末(B)70重量部を混合
し、該混合粉末100重量部にポリオキシソルビタンモ
ノラウレート0.3重量部を高速ミキサーで混合し、親
水性粉末を得た。該親水性粉末を、目開き180μmの
篩でふるい分けし、その通過品を使用した。該ポリエチ
レン混合粉末の接触する面を最大高さ(Ry)で3.1
μmの粗さに仕上げたアルミニウム製の金型に充填し、
金型の表面温度が205℃になるまで加熱した後、室温
まで冷却し、厚み約2mmの多孔質焼結シートを得
た。、得られたシートは、表面粗さが算術平均粗さ(R
a)で1.0μm、通気抵抗が900mmAq、曲げ弾性率
は3290kg/cm2であった。このシートの表面に水を約
50マイクロリッター滴下させると、水は約10秒で全
量シートの中に吸収された。
【0032】
【比較例3】実施例5で使用したポリエチレン混合粉末
を、目開き180μmの篩でふるい分けし、その不通過
品を使用して、実施例5で使用した金型に充填し、金型
の表面温度が178℃になるまで加熱した後、室温まで
冷却し、厚み約2mmの多孔質焼結シートを得た。得ら
れたシートは、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1.
4μm、通気抵抗が420mmAq、曲げ弾性率は1180
kg/cm2であった。
【0033】
【比較例4】メルトフローレイトが45g/10分、密
度が0.915g/cc、融点が100℃のポリエチレ
ン(商品名:サンテックM6545、旭化成工業株式会
社製)を機械粉砕で粉砕し、目開き280μmの篩を通
過した物を原料にした。該粉末を、該粉末の接する表面
粗さが最大高さ(Ry)で3.1μmの金型に充填し、
金型の表面温度が150℃になるまで加熱した後、室温
まで冷却し、厚み約2mmのシートを得た。得られたシ
ートは、通気抵抗が1200mmAq以上であり、殆ど通気
性を示さなかった。
【0034】
【比較例5】実施例1で用いた原料をそのまま用い、該
ポリエチレン粉末の接触する面を最大高さ(Ry)で
3.1μmの粗さに仕上げたアルミニウム製の金型に充
填し、金型の表面温度が150℃になるまで加熱した
後、室温まで冷却し、厚み約2mmのシートを得た。得
られたシートは、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で
2.2μm、通気抵抗が830mmAq、曲げ弾性率は30
0kg/cm2であった。また、このシートを真空掃除機で吸
引したところ、吸引力で破壊してしまった。
【0035】
【実施例6】メルトフローレートが0.05g/10
分、密度が0.958g/cc、融点が135℃の高密
度ポリエチレン粉末100重量部と、ポリオキシソルビ
タンモノラウレート0.3重量部を高速ミキサーで混合
し、親水性粉末を得た。該親水性粉末を、目開き180
μmの篩でふるい分けし、その通過品を使用した。該粉
末を、該粉末の接触する面を最大高さ(Ry)で1.6
μmの粗さに仕上げたステンレススチール製の金属ベル
ト上に均一に散布し、金属ベルトの表面温度が165℃
になるまで加熱した後、室温まで冷却し、厚み約2mm
の多孔質焼結シートを得た。、得られたシートは、金属
ベルトに接していた面の表面粗さが、算術平均粗さ(R
a)で0.5μm、通気抵抗が700mmAq、曲げ弾性率
は3000kg/cm2であった。このシートの表面に水を約
50マイクロリッター滴下させると、水は約10秒で全
量シートの中に吸収された。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、表面粗度が小さ
いことと、通気抵抗が小さいと言う相矛盾する二つの性
質を同時に満たすポリエチレン製多孔質体が得られ、こ
の多孔質体を用いて易塑性変形物などの物品を吸引し
て、固定して加工を施したり、搬送したりすることが可
能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品を吸引して固定乃至は搬送する際に
    使用する多孔質体であって、少なくとも片面の表面粗さ
    が算術平均粗さ(Ra)で1μm以下であり、通気抵抗
    が300〜1500mmAqであり、曲げ弾性率が500〜
    7000kg/cm2である、ポリエチレン製多孔質体を作る
    方法であって、メルトフローレートが30g/10分以
    下、密度が0.85〜0.97g/ccであり、最大粒
    径が400μm以下のポリエチレン粉末を、該ポリエチ
    レンが接する面の少なくとも片面の表面粗さが、最大高
    さ(Ry)で10μm以下の材料に接触させ、該材料の
    表面温度を(使用するポリエチレンの融点+20℃)〜
    (使用するポリエチレンの融点+100℃)の範囲で加
    熱し、焼結成形をして、多孔質体を得ることを特徴とす
    る吸引用多孔質体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエチレン粉末は、粘度法による分子
    量が60万以上の超高分子量ポリエチレン(A)30〜
    90重量部と、メルトフローレートが0.01〜30g
    /10分のポリエチレン粉末(B)10〜70重量部と
    からなることを特徴とする請求項1記載の吸引用多孔質
    体の製造方法。
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