JP2005247368A - ガラス保護材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ガラス表面の擦傷を防止でき、且つ平面状に持ち上げた際の自重による破壊からの保護をも兼ねたガラス保護材、特に液晶ディスプレーなどに用いられる比較的薄いガラスの保護に好適に用いられるガラス保護材を提供することを目的とする。
【解決手段】 ガラスを保護するためにガラスとガラスの間に挿入する材料であって、ポリオレフィン系樹脂からなり、曲げ弾性率が49〜700MPaであり、垂下距離が20mm以下であり、デュロメータ硬さが20〜75であり、かつ気孔率が10〜90%である連続気孔を持つ多孔質成形体であるガラス保護材。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、ガラスの保護材に関する。
これまで、ガラスの保護材は紙やプラスチック粉末などが用いられていた(例えば、特許文献1、2参照)。また、サフラワーの種殻を粉砕したものや、ココ椰子の外殻を基材として粉砕したものなどをガラス表面保護材に用いることなども提案されている(例えば、特許文献3参照)。
これらの物の作用は、ガラスを積層したときに、ガラスとガラスの間にこれらの物が存在することで、ガラス同士がこすれて表面に擦傷をつけることを防止するためのものであった。
これとは別に、ガラスはそれ自体、剛性は高いが、周縁部を固定せずに平面状に持ち上げた場合、厚みと面積の割合によっては自重で割れてしまうと言う性質もある。この傾向は、ガラスの表面上に存在する微小な傷によって更に増幅される。従って、ガラスを輸送する際には垂直またはこれに近い状態で輸送されなければならず、輸送形態においても大きな制約があった。従来のガラスの保護材である紙、プラスチック粉末などを用いた場合であっても、この点に関しては何ら効果をもたらさない。
特に最近は、液晶などを用いるディスプレーが多用されており、それに用いるガラスはより薄いものが望まれており、その生産・保管・輸送においてはガラスの破損防止の観点から良好なガラス保護材が望まれている。
特許第3345230号公報 特開平9−110458号公報 特開平9−175830号公報
本発明は、ガラス表面の擦傷を防止でき、且つ平面状に持ち上げた際の自重による破壊からの保護をも兼ねたガラス保護材、特に液晶ディスプレーなどに用いられる比較的薄いガラスの保護に好適に用いられるガラス保護材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、適度な硬さと剛性を持ち、連続気孔を持つ多孔質成形体を用いることで、ガラス表面の擦傷を防止でき、尚且つ平面状に持ち上げた際の自重による破壊からの保護をも兼ねたガラス保護材を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
[1] ガラスを保護するためにガラスとガラスの間に挿入される成形体であって、ポリオレフィン系樹脂からなり、曲げ弾性率が49〜700MPaであり、垂下距離が20mm以下であり、かつデュロメータ硬さが30〜75であり、気孔率が10〜90%である、連続気孔を持つ多孔質成形体であることを特徴とするガラス保護材、
[2] 多孔質成形体が、その通気抵抗が300〜1500mmAqであることを特徴とする[1]に記載のガラス保護材、
[3] 多孔質成形体が、その表面抵抗率が1×1013Ω以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載のガラス保護材、
[4] ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のガラス保護材、
[5] ポリエチレンが、そのメルトマスフローレイトが30g/10分以下であり、かつ密度が900〜970kg/mであることを特徴とする[4]に記載のガラス保護材、
[6] ガラスの厚みが2mm以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のガラス保護材、
[7] ガラスとガラスの間に挿入される成形体が、ガラスと交互に積層される成形体であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のガラス保護材、
である。
本発明のガラス保護材は、ガラス同士がこすれることにより発生するガラス表面の擦傷を防止でき、尚且つガラスを平面状に持ち上げた際の自重による破壊からの保護をも兼ねた効果を有する。更には保護材を、連続気孔を持つ多孔質体にすることによって、積層したガラスの移動に際し、保護材を介して吸引搬送することが出来、このことによって吸引搬送時にガラスの表面につく汚れなども防止することができる。更には保護材を適度な柔らかさにすることで、ガラス表面に付着したゴミなどの異物がガラスにこすれることによって発生する擦傷も緩和することが出来る。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明において用いるポリオレフィン系樹脂とは、エチレンの単独重合体、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα−オレフィンから選ばれる1種以上との共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等との共重合体等のポリエチレン、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα−オレフィンから選ばれる1種以上との共重合体等のポリプロピレンが挙げられる。中でも、エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であってエチレン単量体単位を50モル%以上含有するポリエチレンが好適に用いられる。
これらポリオレフィン系樹脂は、連続気孔を持つ多孔質成形体で用いられる。本発明でいう連続気孔を持つ多孔質成形体とは、その成形品の一つの面から気体や液体の流体を通したときに他の面から流体が出てくるものを言う。
このような連続気孔を持つ多孔質成形体は例えば、ポリオレフィン系樹脂の粉末を加圧または無加圧下で加熱を行い、内部に連続した気孔を残した状態で粉末の表層付近を融着させる焼結成形で得られる多孔質成形体や、ポリオレフィン系樹脂と無機塩等可溶性の素材とを溶融混合させた後に適当な抽剤を用いて可溶性素材を抽出し、その抜け跡の気孔を利用する多孔質体などが含まれる。これらの種々の方法によって多孔質体は得られるが、工程が簡便なこと、各工程の条件を制御し易いこと等から、焼結成形が好適に用いられる。
これらポリオレフィン系樹脂多孔質成形体は、JIS K 6922−2−1997に準拠して測定された曲げ弾性率が49〜700MPaであることが必要であり、好ましくは80〜500MPaである。ガラスの重量を支えてガラス破損を防ぐには、曲げ弾性率は49MPa以上であることが必要であり、ガラスの形状に沿って密着させるには曲げ弾性率が700MPa以下であることが必要である。
また、ポリオレフィン系樹脂多孔質成形体は、23±5℃における垂下距離が20mm以下であることが好ましく、より好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下である。垂下距離が20mmを超えると、成形体自身の剛性が低すぎて、ガラスの重量を支えてガラスの破損を防ぐことは困難である。垂下距離は、JIS K7195−1993に規定された装置を用いて、成形体から幅9.8〜12.8mm、長さ125±0.5mmの試験片を切り出して測定した値を言う。
また、ポリオレフィン系樹脂多孔質成形体は、JIS K 7215−1986に準拠して測定されたタイプDのデュロメータ硬さが30〜75であることが必要であり、好ましくは45〜70であり、60〜68のものが特に好ましい。ガラスの重量を支えてガラスの破損を防ぐにはデュロメータ硬さが30以上であることが必要である。また、接触したガラスに傷をつけないようにする観点からデュロメータ硬さが75以下であることが必要である。
また、ポリオレフィン系樹脂多孔質成形体は、その気孔率が10〜90%であることが必要であり、好ましくは20〜70%であり、より好ましくは30〜60%である。通気性を保持する観点から、気孔率は10%以上が必要であり、強度の維持の観点から気孔率は90%以下が必要である。なお、気孔率は次式により求められる。
気孔率(%)=[(ρ−ρ)/ρ]×100
但し、上式において
ρ=該多孔質成形体を構成するポリオレフィンの真の密度(g/cc)
ρ=該多孔質成形体の見かけ密度(g/cc)
見かけ密度 ρ(g/cc)=W/V
W=該多孔質成形体の重量(g)
V=該多孔質成形体の体積(cc) である。
また、ポリオレフィン系樹脂多孔質成形体は、JIS K 6922−2−1997に準拠して測定された表面抵抗率が帯電防止性能の観点から1×1013Ω以下であることが好ましく、更に好ましくは1×1011Ω以下であり、特に好ましくは1×10Ω以下である。1×1013Ω以下であれば帯電防止性能が発揮でき、成形体に静電気によりガラス表面を傷つける原因物になるゴミや埃が付着することもない。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂多孔質成形体に用いる樹脂としては、ポリエチレンが好ましく、JIS K 6922−2−1997に準拠して測定されたメルトマスフローレイトが30g/10分以下であり、かつJIS K 6922−2−1997に準拠して測定された密度が900〜970kg/mのポリエチレンがより好ましい。
ポリエチレンのメルトマスフローレイトは焼結成形性の観点から30g/10分以下が好ましい。メルトマスフローレイトが30g/10分以下であれば、焼結成形の際に流動が生じ、気孔を塞ぐこともない。メルトマスフローレイトのより好ましい範囲は10g/10分以下である。更に、JIS K 6922−2−1997に準拠して測定されたメルトマスフローレイトが実質0g/10分である高分子量ポリエチレン乃至は超高分子量ポリエチレンも好適に使用できる。
剛性の観点からポリエチレンの密度は900kg/m以上が好ましく、また、900kg/m以上であれば、ガラスに粘着する恐れもない。工業的に生産されたポリエチレンの入手性の観点から密度が970kg/m以下が好ましい。より好ましい密度の範囲は、930〜960kg/mである。
本発明における多孔質成形体は、その通気抵抗が300〜1500mmAqであることが好ましく、より好ましくは500〜1200mmAqである。通気抵抗が300mmAq以上であれば、物品を吸引した時に物品で覆われていない多孔質成形体の部分からの空気の通過量が多くなり、その結果として吸引力が低下するということもない。また、吸引させる装置(真空ポンプなど)の負荷の増大や物品の吸引力の低下等の観点から通気抵抗は1500mmAq以下が好ましい。
なお、通気抵抗は、21mmφのカップを多孔質体に密着させ、1kg/cm2の圧縮空気を60リットル/分の流量で流した時に生じる圧力損失を測定した。1枚の検体でほぼ均等に6点測定し、その平均値を通気抵抗とした。
本発明において連続気孔を持つ多孔質成形体の形状は対象のガラスの形状によって適宜選ばれる。例えば平面状のフィルム、シートなどの形状であっても良いし、例えば対象のガラスの形状に合わせて湾曲させたものでも良い。また、本発明の保護材は、ガラスとガラスの間に挿入する際に、連続した1枚で用いられても良いし、連続していない複数枚を用いることも可能である。
本発明において、用いるガラスに対するガラス保護材の大きさは、ガラスを保護できる大きさであれば特に限定されない。用いるガラスよりも大きいガラス保護材を用いることも可能である。
ガラスの本発明におけるガラス保護材は、ガラスを保護するためにガラスとガラスの間に挿入される成形体であり、ガラスを積層する際にガラスと該保護材を交互に積層してガラスを保護するための成形体でもある。
また、表面或いは内部に、布、織物、編み物、不織布、孔あきフィルム、微多孔膜、金網等、本発明の多孔性を阻害しないものとの複合化も可能である。また、熱安定剤、耐候剤、界面活性剤、帯電防止剤、脱臭剤、吸臭剤、防かび剤、抗菌剤、香料、フィラー等を必要に応じて添加しても良い。これら添加剤を加える際には流動パラフィン等の展着剤を用いることも出来る。
本発明において、ガラス保護材の厚みは、本発明に規定する垂下距離を保つ範囲で、対象のガラスの厚みと面積に応じて、任意に決められるが、ガラス保護材の剛性の観点から0.1mm以上が好ましく、ガラスと保護材を積層した際に嵩張ることから3mm以下が好ましい。
本発明のガラス保護材は、好ましくは焼結成形により得られる。本発明の板状物の保護材の好ましい製造方法である焼結成形法を以下に説明する。焼結成形に用いるポリオレフィン系樹脂粉末は、重合により得られた粉末をそのまま用いても良いし、粉末以外の形状に賦形したものを常温の機械粉砕、低温の機械粉砕(所謂冷凍粉砕)、溶媒に溶解した後貧溶媒を加えて析出させる方法(所謂化学粉砕)等公知の手段で粉末化したものでも良い。これらの粉末はそのまま用いても良いし、必要に応じて分級して用いることも可能である。
焼結成形に用いる粉末の粒径は、成形品の通気抵抗を300〜1500mmAqの範囲にするために、平均粒径が50〜500μmであって尚且つ全体の90%以上が500μm以下であることが好ましく、更に好ましくは、平均粒径が60〜200μmであって尚且つ全体の90%以上が350μm以下である。尚、平均粒径はJIS K0069−1992に規定された乾式篩分け試験方法に基づいて、目開きが45μm、53μm、77μm、105μm、149μm、210μm、297μm、及び355μmの各篩を用いて篩分けを行い、積算百分率が50%となる粒径を言う。
また、焼結成形に用いる粉末は、金型への充填性等への観点から、その安息角が27〜45度のものが好ましい。安息角は、JIS K6722−1995に規定されたかさ比重測定装置の漏斗を用いて、落下高さ50mmで流出させた時に、堆積した粉末の稜線と水平面とで作る角度を測定する。
焼結成形は、例えばポリエチレン粉末を金属等の平板上に均一に散布してその上に更に金属等の平板を重ねて、加熱・冷却することでも得られるし、或いはポリエチレン粉末を金属等の平板上に均一に散布して加熱し、加熱中または加熱後に更にその上に金属等の平板を重ねて冷却し、金属等の平板の面を転写する方法もある。或いは、例えば、金属等の連続したベルトの上に該粉末を均一に散布して加熱中または加熱後に金属等で出来たロールやベルトで挟んで冷却する方法もある。更には、ポリエチレン粉末を所望の空間をもった金型に充填して金型ごと加熱しても良いし、該粉末を入れた所望の空間を持った金型の中に熱風や該粉末の融着を阻害しない熱媒を通すことで加熱しても良い。
これらの成形手法の内、金型中にポリエチレン粉末を充填し、これを加熱・冷却する手法が好適に適用出来る。金型を使用して焼結成形をする場合には、成形後の後処理等を勘案すると、金型ごと加熱する方法が好適に用いられる。
金型ごと加熱する方法としては、熱風炉やヒーターを備えた炉の中に投入しても良いし、金型中に流路を設けて、熱媒を通すことでも良い。いずれの場合も金型の表面温度は(使用するポリエチレンの融点+20℃)〜(使用するポリエチレンの融点+100℃)の範囲に保たれる。ポリエチレン粉末同士が強固に融着していないため強度や剛性が低くなることを避けるために、金型の表面温度は(使用するポリエチレンの融点+20℃)以上が必要である。また、過熱によるポリエチレンの劣化の防止と、激しい流動による気孔の閉塞の防止の観点から、金型の表面温度は(使用するポリエチレンの融点+100℃)以下であることが好ましい。
これらポリオレフィン系樹脂粉末は予め例えば特公平4−28021号公報に記載されているような処理をして親水化したものを成形する方法、予め帯電防止剤等を表面に付着させて成形する方法、成形後に帯電防止剤等を付着させる方法等により、表面抵抗率を1×1013Ω以下の成形体にすることができる。
焼結成形に用いる金型の材質は、加熱時の温度に耐えること及び加熱時に発生するポリエチレンの熱膨張に耐える物であれば特に限定されない。通常は金属製の金型が好適に使用される。金属の中でも、アルミニウムや真鍮などが比較的軽量で熱伝導率が良いことから好適に使用される。これら金属は、そのまま用いても良いし、表面にクロムやニッケルなどで鍍金を施すことも可能である。
本発明の保護材を用いる対象のガラスは特に制約は無いが、厚みが2mm以下、より好ましくは0.1〜1.8mmの比較的薄いガラスでよりその効果が発揮される。
本発明を実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
JIS K 6922−2−1997(条件;荷重2.16kg、温度190℃)によって測定したメルトマスフローレイトが0.00g/分、密度が945kg/mの超高分子量ポリエチレン粉末(商品名;サンファインUH、旭化成ケミカルズ(株)製)100重量部にポリオキシソルビタンモノラウレート0.3重量部を高速ミキサーで混合し、親水性粉末を得た。該粉末を厚み5mmのアルミニウム製の金型に充填し、金型の表面温度204℃になるまで加熱した後、室温まで冷却し、20cm角、厚み約2mmの多孔質焼結シートを得た。得られたシートの曲げ弾性率は95MPa、垂下距離は1mm、タイプDで測定したデュロメータ硬度は38、気孔率は38%、表面抵抗率は1010Ω、通気抵抗は918mmAqであった。
該シートを厚み1.5mmで20cm角のガラスと交互に重ね合わせ、該シートを介して吸引したところ、該シートとガラスとを一体で搬送することが出来た。また、この操作を繰り返して該シートとガラスとを各々20枚交互に重ね合わせて積層し、その後、ガラス表面を目視で観察したが、ガラス表面に傷などの発生は認められなかった。
[比較例1]
実施例1で用いた親水性粉体を、金型に入れて、温度200℃、圧力100kg/cmで加圧して圧縮成形を行い、20cm角、厚み2mmのシートを得た。得られたシートの曲げ弾性率は1100MPa、垂下距離は0mm、タイプDで測定したデュロメータ硬度は67、気孔率は0%、表面抵抗率は1010Ω、通気抵抗は無限大であった。
該シートを厚み1.5mmで20cm角のガラスと交互に重ね合わせ、該シートを介して吸引したところ、該シートのみ吸引され、ガラスは搬送できなかった。
[実施例2]
JIS K7210(条件;荷重2.16kg、温度190℃)によって測定したメルトマスフローレイトが0.08g/分、密度が958kg/mの高密度ポリエチレン粉末(商品名;サンファインSH、旭化成ケミカルズ(株)製)100重量部にポリオキシソルビタンモノラウレート0.3重量部を高速ミキサーで混合し、親水性粉末を得た。該粉末を、金属製の無端ベルト上に散布し、250℃に設定した炉の中を通して加熱した後、室温まで冷却し、厚み約2mmの多孔質焼結シートを得た。得られたシートの曲げ弾性率は310MPa、垂下距離は1mm、タイプDで測定したデュロメータ硬度は40、気孔率は35%、表面抵抗率は1010Ω、通気抵抗は1200mmAqであった。
該シートの上に厚み1.5mmで1m角のガラスを載せ、その四隅をもって水平に移動したところ問題なく移動出来た。また、この操作を繰り返して該シートとガラスとを各々20枚交互に重ね合わせて積層し、その後、ガラス表面を目視で観察したが、ガラス表面に傷などの発生は認められなかった。
[比較例2]
JIS K 7210(条件;荷重2.16kg、温度190℃)によって測定したメルトマスフローレイトが0.00g/分、密度が942kg/mの超高分子量ポリエチレン粉末(商品名:サンファインUH、旭化成ケミカルズ(株)製)70重量部と、JIS K 7210(条件;荷重2.16kg、温度190℃)によって測定したメルトマスフローレイトが0.05g/分、密度が958kg/mの高密度ポリエチレン粉末(商品名;サンファインSH、旭化成ケミカルズ(株)製)30重量部とを混合し、親水性粉末を得た。該粉末を、金属製の無端ベルト上に散布し、250℃に設定した炉の中を通して加熱した後、室温まで冷却し、厚み約1mmの多孔質焼結シートを得た。得られたシートの曲げ弾性率は250MPa、垂下距離は30mm、タイプDで測定したデュロメータ硬度は20、気孔率は49%、表面抵抗率は1010Ω、通気抵抗は200mmAqであった。
該シートの上に厚み1.5mmで1m角のガラスを載せ、その四隅をもって水平に移動しようとしたところ、ガラスは割れて移動できなかった。
本発明のガラス保護材は、ガラスの製造・保管・輸送の分野で好適に利用できる。特に2mm以下の薄いガラスの製造・保管・輸送の分野で好適に利用できる。

Claims (7)

  1. ガラスを保護するためにガラスとガラスの間に挿入される成形体であって、ポリオレフィン系樹脂からなり、曲げ弾性率が49〜700MPaであり、垂下距離が20mm以下であり、かつデュロメータ硬さが30〜75であり、気孔率が10〜90%である、連続気孔を持つ多孔質成形体であることを特徴とするガラス保護材。
  2. 多孔質成形体が、その通気抵抗が300〜1500mmAqであることを特徴とする請求項1に記載のガラス保護材。
  3. 多孔質成形体が、その表面抵抗率が1×1013Ω以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス保護材。
  4. ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス保護材。
  5. ポリエチレンが、そのメルトマスフローレイトが30g/10分以下であり、かつ密度が900〜970kg/mであることを特徴とする請求項4に記載のガラス保護材。
  6. ガラスの厚みが2mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス保護材。
  7. ガラスとガラスの間に挿入される成形体が、ガラスと交互に積層される成形体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス保護材。
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