JP2001354742A - 水性ポリウレタン樹脂水溶液及び水分散液、並びにこれらの製造方法 - Google Patents
水性ポリウレタン樹脂水溶液及び水分散液、並びにこれらの製造方法Info
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Abstract
ウレタン樹脂の水溶液又は水分散液、並びにこれらの製
造方法を提供する。 【解決手段】 下記式(I) 又は(II)の化合物の少なくと
も一種をウレタン結合により分子鎖中に含むウレタン樹
脂が水中に溶解又は分散されている。 【化1】 (式中、R1 〜R4 は同一又は異なってC1-4 の直鎖又
は分岐鎖のアルキル基、又はR1 ,R2 が同一又は異な
ってC1-18のアルキル、アルキレン又はアルケニル基
で、R3 ,R4 が5又は6員環の環状脂肪族アミン、又
はR1 〜R4 中の1〜3個が同一又は異なってC1-18の
アルキル、アルキレン又はアルケニル基及び残りの1〜
3個が同一又は異なってC1-4 の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基を示す) 【化2】 (式中、R1 はC1-18のアルキル基、アルキレン基又は
アルケニル基であり、R 3 ,R4 は5員環又は6員環の
複素環化合物を示す)
Description
ルホン酸第4級アンモニウム塩をウレタン結合によって
分子鎖中に含有する水性ポリウレタン樹脂が、水中に溶
解又は分散されてなる水溶液及び水分散液、並びにその
製造方法に関するものである。
溶液および水分散体の製造法としては、界面活性剤を使
用することによりポリウレタン樹脂を水に分散させる方
法、ポリオール成分にポリエチレングリコールのような
親水性のポリオールを使用してウレタン樹脂を自己分散
型とする方法、ポリウレタン樹脂にアニオン基やカチオ
ン基等の親水性基を導入する方法、およびこれらを併用
する方法が知られている。これらのうち、界面活性剤の
添加により製造したポリウレタン樹脂分散体は、分散液
の安定性及び添加する界面活性剤の影響によるポリウレ
タン樹脂の性能の劣化等の問題がある。また、親水性の
ポリオールを使用してウレタン樹脂を自己乳化型とする
方法では、ウレタン樹脂に水溶性を持たせるために、あ
る程度の割合で親水性のポリオールを分子内に導入する
必要があり、この親水性ポリオールはウレタン樹脂中に
おいて、ソフトセグメントとして働くため、ソフトセグ
メント部分に対して親水性のポリオールの占める割合が
固定される。このためウレタン樹脂としての性能の幅が
狭められる。
をポリウレタン樹脂に導入する方法としては、ポリマー
の一成分としてスルホン酸基やカルボン酸基、または第
4級アンモニウム基等の極性基を導入することにより、
ポリマーを水性化する方法が数多く知られている。
方法としては、(1)ポリマーを合成する際に、これら
の極性基を持つ原料モノマーまたはオリゴマーを使用す
る方法、(2)ポリマーの不飽和部分やアルコール基を
変成しスルホン基等を導入、またはポリマーのアミノ基
をアルキル化して第4級アンモニウム基を導入する方
法、などがある。通常ポリウレタン樹脂に(1)の製造
方法で極性基を導入する場合には、極性基をもつジオー
ル成分を原料に使用する方法が用いられ、カチオン基の
導入では多くの第4級アンモニウムジオールが知られて
いる。一方、ポリウレタン樹脂に(1)の製造方法でア
ニオン基を導入する場合には、同様にスルホン酸または
リン酸またはカルボン酸(およびこれらの塩)を含むジ
オール成分が用いられる。
リン酸塩含有のジオール成分は一般にポリウレタンの製
造に使用する低沸点溶媒に溶解性が低く、特にスルホン
酸基の含有率が高いジオール成分はこれらの低沸点有機
溶媒に難溶〜不溶のため使用が困難である。その為、反
応溶媒としてジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン等の高沸点の極性溶媒を併用し反応を行う場合もあ
るが、この場合水性化した後に反応に使用した高沸点溶
媒を除去する事が困難であり、最終的に水性樹脂中に高
沸点有機溶媒が残留することとなる。その他にスルホン
酸基を導入する方法としては、スルホン酸基を含有する
ポリエステルポリオールオリゴマーを原料として使用す
る方法が知られているが、この方法ではスルホン酸基の
含有比率が低くならざるを得ず、またオリゴマーの組成
や分子量などが限定されるため、自由にポリウレタン樹
脂の分子設計が行えない。一方、カルボン酸基含有ジオ
ールとしては3,3−ジメチロールプロピオン酸などの
使用が知られているが、カルボン酸基はアニオン性が弱
いため、ポリマー変成の効果が十分でない。
ン製造に使用する低沸点有機溶媒に可溶であり、スルホ
ン酸基含有ジオール成分として有用な下記の一般式
(I)または一般式(II)で表されるN,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)アミノエチルスルホン酸第4級ア
ンモニウム塩を分子内に導入する事により、低沸点有機
溶媒中でのポリウレタン合成を可能とし、また、ポリウ
レタン樹脂の分子設計を自由に行い、容易にポリウレタ
ンの水性化が行える技術を提供するものである。
題を解決するための手段として、水性ポリウレタン樹脂
の製造において、下記の一般式(I)または一般式(I
I)で表されるN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
アミノエチルスルホン酸第4級アンモニウム塩を親水基
として、ウレタン樹脂中に含有させることにより、容易
に水性化したウレタン樹脂が製造できる。
しくは異なって炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアル
キル基、またはR1 ,R2 が同一もしくは異なって炭素
数1〜18のアルキル基またはアルキレン基またはアル
ケニル基であり、R3 ,R4 が5または6員環の環状脂
肪族アミン、またはR1 〜R4 のうちの1〜3個が同一
もしくは異なって炭素数1〜18のアルキル基またはア
ルキレン基またはアルケニル基および残りの1〜3個が
同一もしくは異なって炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖
のアルキル基を示す。)
基またはアルキレン基またはアルケニル基であり、R
3 ,R4 は5員環もしくは6員環の複素環化合物を示
す。)
液及び水分散液は、スルホン酸基を含有する水性ポリウ
レタン樹脂が水中に溶解又は分散されたもので、前記ポ
リウレタン樹脂が、前記一般式(I)又は(II)の化合
物の少なくとも一種を、ウレタン結合によって分子鎖中
に含有することを特徴とする。又、本発明は、上記の水
性ポリウレタン樹脂水溶液及び水分散液において、ポリ
ウレタン樹脂が、一般式(I)又は(II)の化合物の他
に、活性水素基を含有する化合物として、高分子ポリオ
ール、低分子活性水素含有化合物又は一官能活性水素含
有化合物を、分子鎖中に含有することを特徴とするもの
でもある。
水性ポリウレタン樹脂が、水中に溶解又は分散された水
溶液又は水分散液を製造するための方法であって、当該
製造方法が、以下の工程A及びB: 工程A:前記一般式(I)又は(II)の化合物の少なく
とも一種と、有機ポリイソシアネート化合物と、活性水
素基を含有する化合物を、イソシアネート基に対して不
活性な溶媒中で反応させる工程、及び 工程B:前記工程Aで得られた反応液に水を加えた後、
前記溶媒を留去する工程を含むことを特徴とするもので
ある。 又、本発明の水性ポリウレタン樹脂水溶液及び水分散液
の製造方法は、前記工程Aにおいて、前記有機ポリイソ
シアネート及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
アミノエチルスルホン酸第4級アンモニウム塩と活性水
素基含有化合物を、イソシアネート基:活性水素基の当
量比が(1.05〜2.0):1の範囲となるようにし
て反応させることを特徴とするものでもある。
化合物の第4級アンモニウム塩のうち、R1 ,R2 ,R
3 ,R4 が同一もしくは異なって炭素数1〜4の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基を持つ化合物の具体例として
は、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモ
ニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチ
ルアンモニウム塩等があげられる。また、R1 ,R2 が
同一もしくは異なって炭素数1〜18のアルキル基また
はアルキレン基またはアルケニル基であり、R3 ,R4
が5または6員環の環状脂肪族アミンの具体例として
は、N,N−ジメチルピペリジニウム塩、N,N−ジメ
チルピロリジニウム塩、N−ラウリル−N−メチルピペ
リジニウム塩、N−ベンジル−N−メチルピペリジニウ
ム塩、N,N−ジベンジルピペリジニウム塩等があげら
れる。
もしくは異なって炭素数1〜18のアルキル基またはア
ルキレン基またはアルケニル基および残りの1〜3個が
同一もしくは異なって炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖
のアルキル基を持つ化合物の具体例としては、ラウリル
トリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリエチルアンモ
ニウム塩、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、セチ
ルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルア
ンモニウム塩、オレイルトリメチルアンモニウム塩、ジ
ラウリルジメチルアンモニウム塩、トリラウリルメチル
アンモニウム塩、または長鎖アルキル基としてヤシ、大
豆、牛脂、硬化牛脂などの天然物由来のアルキル基を持
つ第4級アンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニ
ウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩などがあげ
られる。
1 〜R4 の炭素数が少ないものが好ましく、例えば、R
1 〜R4 がメチル基であるテトラメチルアンモニウム
塩、R1〜R4 がエチル基であるテトラエチルアンモニ
ウム塩及びR1 〜R3 がエチル基であり、R4 がベンジ
ル基であるベンジルトリエチルアンモニウム塩があげら
れる。
4級アンモニウム塩の具体例としては、ラウリルピリジ
ニウム塩、ミリスチルピリジニウム塩、セチルピリジニ
ウム塩、ステアリルピリジニウム塩、ラウリルピコリニ
ウム塩などがあげられる。
液及び水分散液に含まれるウレタン樹脂は、上記ジオー
ルスルホン酸第4級アンモニウム塩と各種有機ポリイソ
シアネートを用いて製造される。本発明において、有機
イソシアネート化合物は従来ポリウレタン製造に使用さ
れているものが使用できる。このような有機イソシアネ
ート化合物としては、特には限定されないが、代表的な
ものとして、脂肪族ポリイソシアネートとしてはヘキサ
メチレンジイソシアネート(HDI)、脂環族ポリイソ
シアネートとしてはイソホロンジイソシアネート(IP
DI)、ノルボルネンジイソシアネート(NDI)、芳
香脂肪族ポリイソシアネートとしては、キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)、芳香族ポリイソシアネートと
しては、2,4−または2,6−トルエンジイソシアネ
ート(TDI)、ジフェニルメタン−2,4’−または
4,4’−ジイソシアネート(MDI)、などがそれぞ
れ挙げられる。また、これらのイソシアネートは単独で
も、また二種以上の混合物で使用しても良い。これらの
うち好ましいものはMDI、HDIおよびIPDIであ
り、特に好ましいものはHDIである。
されるジオールスルホン酸第4級アンモニウム塩以外
の、活性水素基を有する化合物を、分子鎖中に含有する
ことができる。活性水素基を有する化合物としては、特
に限定はされないが、例えば高分子ポリオール、低分子
の活性水素化合物などが挙げられる。高分子ポリオール
としては、代表的なものとして、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、シリコーンポリオールな
どが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、活
性水素基含有多官能化合物にアルキレンオキサイドが付
加した構造の化合物が挙げられ、例えば、ビスフェノー
ルAなど多価フェノール類のアルキレンオキサイド付加
物及びヘキサメチレンジアミンなどのアミン類のアルキ
レンオキサイド付加物ある。また、これらは2種以上混
合して使用しても差し支えない。
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−または
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコールなどの二官能ポリオールまた、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの
三官能以上のポリオール、ビスフェノールAなどの多価
フェノール類およびモノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イソ
ホロンジアミン、トリレンジアミンなどのアミン類およ
びこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
通常末端封止材と称される一官能活性水素含有化合物を
使用することができる。特に限定はされないが、例えば
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
高級アルコールなどのモノアルコール類、あるいはこれ
らのモノアルコール類のアルキレンオキサイド付加物、
メチルエチルケトオキシムなどのオキシム類、ε‐カプ
ロラクタムなどのラクタム類、及びジブチルアミンなど
のアミン類を挙げることができ、これらを単独または2
種以上の混合物として使用することができる。
水分散液中に含まれるウレタン樹脂は、公知の一段また
は多段階イソシアネート重付加反応法で製造することが
できる。一段階法の例としては、有機ポリイソシアネー
トおよびジオールスルホン酸第4級アンモニウム塩と活
性水素基含有化合物成分とを、イソシアネート(以下、
NCOと略記)基と活性水素基との当量比が通常(1.
05〜2.0):1、好ましくは(1.05〜1.
6):1の範囲で、通常20〜150℃、好ましくは4
0〜80℃で2〜20時間反応させて末端NCOプレポ
リマーとし、次いで通常10〜60℃、好ましくは20
〜40℃で、水性化を行った後、使用した有機溶剤を減
圧下に留去することにより目的とする水性ポリウレタン
樹脂を得る方法があげられる。
ホン酸基の含有量は、目的に応じて任意に決定できる。
含有量の上限は、必要とするウレタン樹脂の特性を満足
させる範囲において、使用するイソシアネート化合物と
ジオールスルホン酸第4級アンモニウム塩の分子量によ
り決定される。通常、ポリウレタン樹脂を自己分散させ
る目的で使用する場合には、ポリウレタン樹脂の固形分
に対し、1.0〜5.0重量%が好ましく、1.0重量
%未満では樹脂の水性化が不十分であり、5.0重量%
を超えると自己分散体ではなく、水溶液となるが、ポリ
ウレタン樹脂の皮膜性能は劣化する。ただし、ポリオー
ル成分にポリエチレングリコールのような親水性のポリ
オールを併用する場合においては、1.0%未満であっ
ても、ウレタン樹脂の水分散体を得ることができる。一
方、水溶性とする場合には5.0重量%以上を使用する
ことが好ましく、他の親水性基と併用することは特に有
効である。また、スルホン酸第4級アンモニウム塩の含
有により、ウレタン樹脂の水性化以外に特性を持たせる
場合には、特に含有量の上限に制限はない。樹脂固形分
中のスルホン酸基の含有量は、一般式(I)または(I
I)で表されるジオールスルホン酸第4級アンモニウム
塩の使用比率を変えることにより調整する。
記一般式(I)又は(II)の化合物の少なくとも一種
と、有機ポリイソシアネート化合物と、活性水素基を含
有する化合物とを、イソシアネート基に対して不活性な
溶媒を用いて反応させる。イソシアネート基に対して不
活性な溶媒としては、特に限定されないが、N−メチル
ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドなどのアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素系溶剤およびジオキサン、テトラヒドロフランなどの
エーテル系溶媒が挙げられる。これらは、2種類以上を
混合して使用しても差し支えない。溶媒の量は、ポリウ
レタンの量に対して通常0〜200%である。反応温度
は通常おだやかな条件、たとえば20〜150℃好まし
くは20〜80℃である。また、反応時間は通常3〜2
0時間である。反応圧力も通常常圧下で行われるが、加
圧下で行ってもよい。また反応を促進させるために、通
常使用されている触媒たとえばアミン系触媒(トリエチ
レンジアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミ
ンなど)、錫系触媒(ジブチルチンジラウレートな
ど)、鉛系触媒(オクチル酸鉛など)などを用いてもよ
い。
は、前記の工程Aで得られた反応液に水を加えた後、溶
媒を留去し、必要に応じて、所定量の水を加えて所望の
固形分濃度に調整する。尚、添加する水に公知の方法で
ある鎖延長剤のポリアミン等を添加しても良い。本発明
で最終的に得られる水性ポリウレタン樹脂水溶液及び水
分散液の固形分は通常10〜70重量%であり、これは
目的に応じて調節が可能である。また、これらの水性ポ
リウレタン樹脂は、通常常温〜180℃にて、水分を揮
発させることにより良好な皮膜を形成する組成とするこ
とができる。尚、本発明の水性ポリウレタン樹脂水溶液
及び水分散液には、必要に応じて乳化安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、消泡剤、流動調整
剤、撥水剤、滑性付与剤、充填剤等の各種添加剤を加え
ることもできる。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 〔製造例1〕撹拌機、温度計、冷却管のついた反応容器
に、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチ
ルスルホン酸63.9gを水100gに溶解し、35%
テトラエチルアンモニウムヒドロキシド125.9gを
滴下した後、水を減圧下に濃縮することにより、10
2.6gのジオールスルホン酸第4級アンモニウム塩を
得た。
いた反応容器に、製造例1で得られたジオールスルホン
酸第4級アンモニウム塩12.4g、2官能ポリエステ
ルポリオール(平均分子量2000)57.2g、HD
I16.6g、およびアセトン72.3gを秤り込み、
錫系触媒を加え、撹拌下60℃で6時間反応した。得ら
れたアセトン溶液を35℃に冷却した後、水206gを
加えて減圧下にアセトンを留去し、水を加えて固形分を
調整することにより、固形分30%、粘度50mPa・
sのウレタン樹脂水分散液を得た。
いた反応容器に、製造例1で得られたジオールスルホン
酸第4級アンモニウム塩24.0g、2官能ポリエステ
ルポリオール(平均分子量2000)40.0g、3官
能ポリエステルポリオール(平均分子量480)1.8
g、HDI19.5g、およびアセトン70.0gを秤
り込み、錫系触媒を加え、撹拌下55℃で5時間反応し
た。得られたアセトン溶液を35℃に冷却した後、水2
00gを加えて減圧下にアセトンを留去し、水を加えて
固形分を調整することにより、固形分30%、粘度50
mPa・sのウレタン樹脂水溶液を得た。
いた反応容器に、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノエチルスルホン酸42.7gを水200gに
溶解し、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド
(有効成分30%−メタノール/水溶液)139.4g
を滴下した後、水およびメタノールを減圧下に濃縮する
ことにより、80.8gのジオールスルホン酸第4級ア
ンモニウム塩を得た。
いた反応容器に、製造例2で得られたジオールスルホン
酸第4級アンモニウム塩70.0g、2官能ポリエステ
ルポリオール(平均分子量2000)228.8g、3
官能ポリエステルポリオール(平均分子量480)7.
9g、HDI66.6g、およびアセトン305.6g
を秤り込み、錫系触媒を加え、撹拌下60℃で6時間反
応した。得られたアセトン溶液を35℃に冷却した後、
水850gを加えて減圧下にアセトンを留去し、水を加
えて固形分を調整することにより、固形分30%、粘度
10mPa・sのウレタン樹脂水分散液を得た。
(2−ヒドロキシエチル)アミノエチルスルホン酸テト
ラメチルアンモニウム塩をN,N−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノエチルスルホン酸ナトリウムに替えて
実施例1〜3と同様の操作を行ったところ、N,N−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチルスルホン酸ナ
トリウムが溶媒であるアセトンに溶解しないため、反応
が進行せず、ポリマーの水分散体を得ることが出来なか
った。
液及び水分散液は、特別な製造工程を必要とせず任意の
含有量でスルホン酸基を含有する組成とすることができ
る。また、その含有率を調整することにより、容易に自
己分散性〜水溶性のポリウレタン樹脂を製造する事がで
きる。更に、他の成分を自由に設計することができるこ
とより、得られた水性ポリウレタン樹脂は乾燥し水分を
蒸発させることにより、良好なフィルムを得ることが出
来る。
ウム塩を含有する事により、これらの官能基及び対イオ
ンの性質により得られる特性をポリウレタン樹脂の皮膜
に付与することが可能であり、例えば、イオン性基の含
有により得られる無機物等の分散性、接着性の向上や、
帯電防止性および導電性、吸水性の付与、風合いの調整
及び第4級アンモニウム塩の含有により得られる抗菌性
の付与などがあげられる。これらの特性により、本発明
による水性ポリウレタン樹脂水溶液及び水分散液は、繊
維仕上げ剤、水性塗料、接着剤、各種コーティング剤な
どの幅広い分野に利用が可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 スルホン酸基を含有する水性ポリウレタ
ン樹脂が、水中に溶解又は分散された水溶液又は水分散
液であって、前記ポリウレタン樹脂が、 a)一般式(I)で表されるN,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)アミノエチルスルホン酸第4級アンモニウ
ム塩: 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 は同一もしくは異なっ
て炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、また
はR1 ,R2 が同一もしくは異なって炭素数1〜18の
アルキル基またはアルキレン基またはアルケニル基であ
り、R3 ,R4 が5または6員環の環状脂肪族アミン、
またはR1 〜R4 のうちの1〜3個が同一もしくは異な
って炭素数1〜18のアルキル基またはアルキレン基ま
たはアルケニル基および残りの1〜3個が同一もしくは
異なって炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基
を示す。)、又は b)一般式(II)で表されるN,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)アミノエチルスルホン酸第4級アンモニウ
ム塩: 【化2】 (式中、R1 が炭素数1〜18のアルキル基またはアル
キレン基またはアルケニル基であり、R3 ,R4 は5員
環もしくは6員環の複素環化合物を示す。)の少なくと
も一種を、ウレタン結合によって分子鎖中に含有するこ
とを特徴とする水性ポリウレタン樹脂水溶液及び水分散
液。 - 【請求項2】 前記ポリウレタン樹脂が、前記一般式
(I)又は(II)のN,N−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノエチルスルホン酸第4級アンモニウム塩の他
に、活性水素基を含有する化合物として、高分子ポリオ
ール、低分子活性水素含有化合物又は一官能活性水素含
有化合物を、分子鎖中に含有することを特徴とする請求
項1に記載の水性ポリウレタン樹脂水溶液及び水分散
液。 - 【請求項3】 スルホン酸基を含有する水性ポリウレタ
ン樹脂が、水中に溶解又は分散された水溶液又は水分散
液を製造するための方法であって、当該製造方法が、以
下の工程A及びB: 工程A:a)一般式(I)で表されるN,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)アミノエチルスルホン酸第4級ア
ンモニウム塩: 【化3】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 は同一もしくは異なっ
て炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、また
はR1 ,R2 が同一もしくは異なって炭素数1〜18の
アルキル基またはアルキレン基またはアルケニル基であ
り、R3 ,R4 が5または6員環の環状脂肪族アミン、
またはR1 〜R4 のうちの1〜3個が同一もしくは異な
って炭素数1〜18のアルキル基またはアルキレン基ま
たはアルケニル基および残りの1〜3個が同一もしくは
異なって炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基
を示す。)、又は b)一般式(II)で表されるN,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)アミノエチルスルホン酸第4級アンモニウ
ム塩: 【化4】 (式中、R1 が炭素数1〜18のアルキル基またはアル
キレン基またはアルケニル基であり、R3 ,R4 は5員
環もしくは6員環の複素環化合物を示す。)の少なくと
も一種と、有機ポリイソシアネート化合物と、活性水素
基を含有する化合物を、イソシアネート基に対して不活
性な溶媒中で反応させる工程、及び工程B:前記工程A
で得られた反応液に水を加えた後、前記溶媒を留去する
工程を含むことを特徴とする、水性ポリウレタン樹脂水
溶液及び水分散液の製造方法。 - 【請求項4】 前記工程Aにおいて、前記有機ポリイソ
シアネート及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
アミノエチルスルホン酸第4級アンモニウム塩と活性水
素基含有化合物を、イソシアネート基:活性水素基の当
量比が(1.05〜2.0):1の範囲となるようにし
て反応させることを特徴とする請求項3に記載の水性ポ
リウレタン樹脂水溶液及び水分散液の製造方法。
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