JP2001352977A - 樹状細胞(DC)膜分子Siglec−9に対する抗体、並びにそれを用いたDC検出法及びDC分離法 - Google Patents

樹状細胞(DC)膜分子Siglec−9に対する抗体、並びにそれを用いたDC検出法及びDC分離法

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JP2001352977A
JP2001352977A JP2000176187A JP2000176187A JP2001352977A JP 2001352977 A JP2001352977 A JP 2001352977A JP 2000176187 A JP2000176187 A JP 2000176187A JP 2000176187 A JP2000176187 A JP 2000176187A JP 2001352977 A JP2001352977 A JP 2001352977A
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Hiroshi Watarai
浩志 渡会
Yasunori Yamaguchi
泰範 山口
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹状細胞(DC)の検出及び分離法、並びにそ
のための抗体を提供する。 【解決手段】 DCに特異的に発現し、かつDCの成熟化に
伴い発現が上昇する該細胞の膜分子Siglec-9を特異的に
認識する抗体、並びにその抗体を用いてDCを検出、分離
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト樹状細胞(De
ndritic Cell=DC)に発現する膜分子Siglec-9に対する
抗体、並びにそれを用いたDC検出法及びDC分離法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】DCは、生体内では骨髄に存在するCD34陽
性細胞を前駆細胞として分化・成熟し、抗原提示細胞と
して、免疫応答の誘導、維持、拡大、調節において重要
な役割を担っていることが知られている。1990年代に入
って、DCを前駆細胞からサイトカインで分化・誘導でき
るようになり、大量のDCを扱えるようになって分子・細
胞・生体レベルにおいてDCの免疫応答における役割の重
要性が明らかになってくると共に、免疫制御の標的とし
て注目されるようになった。
【0003】これまでの生物学的研究成果から、ヒト単
球(Monocyte;Moともいう)をGM-CSF及びIL-4存在下で培
養することによりDC(monocyte-derived DC;mo-DCとも
いう)を誘導することが可能であることが明らかとなっ
ている[ジャーナル・オブ・リュウコサイト・バイオロ
ジー、59巻、208-218頁(1996年)]。このin vitro分
化誘導系は人工的な部分があるものの、実際にDCとして
の機能を有することが明らかとなってきた。DCの重要な
機能は、抗原の細胞内への取り込み作用(食作用)及び
その抗原の情報をT細胞に伝えてT細胞を刺激活性化す
ることである。また、DCは分化の段階によって未成熟DC
(Immature DC)と成熟DC(Mature DC)の二つに分別す
ることができる。未成熟 DC内に取りこまれた抗原は細
胞内でプロセシングを受け、抗原由来のペプチドとして
DC表面のMHCクラスII分子上に提示される。CD4陽
性の抗原特異的ヘルパーT細胞は、抗原受容体で抗原由
来のペプチドとMHCクラスII分子の複合体を認識し、
共刺激分子からの刺激なども加わり、感作、活性化され
る。また、DCによりMHCクラスI分子を介してCD8陽性細
胞傷害性T細胞(CTL)も刺激、活性化される。食作用は
未成熟mo-DCで強く、成熟 mo-DCでは弱くなる。T細胞へ
の抗原提示能は、それに関与するCD40、CD80、CD86、MH
CクラスI分子、MHCクラスII分子の発現の程度と一致し
て、未成熟mo-DCでは弱く、成熟mo-DCになると強くな
る。
【0004】ところで、抗原取込能から抗原提示能とい
う機能変化に伴って細胞表面上に提示される膜分子の変
化が起こることは想像に難くないが、この成熟化(matu
ration)の過程でどのような事象が起こっているかを考
えた場合に、細胞膜表面上に新たに発現した分子の発現
はすべてmRNAの発現から起こるとは限らないという事
実が存在する。例えば未熟な(Immature)段階から発現
が見られるHLA-DRが成熟化に伴ってmRNA及びタンパク質
の発現量の変化をほとんど伴わずに細胞内から細胞膜表
面上に移動(translocation)するということが知られ
ている。また、実際のmRNAの発現量とタンパク質の発現
量を比較した場合にほとんど相関がない場合や、mRNAは
発現しているのにタンパク質として翻訳されていない場
合も存在する[バイオケミカル・バイオフィジカル・リ
サーチ・コミュニケーション、231巻、1-6頁(1997
年)]。これまで遺伝子側からは増幅可能なこと、大量
に解析することが可能なこと、ハンドリングが容易なこ
と、数々の手法が編み出せることなどから精力的に解析
がなされてきたが、実際に発現しているタンパク質の変
化を追うことができれば、そのような変化は細胞内の事
象をよりよく反映しており現実に近いものということが
できるというのも事実である。
【0005】DCに関しては、上述の知見に加えて、DCに
いくつかのサブセットが存在することも明らかになって
いるが、そのようなサブセットは成熟、未成熟で機能が
異なることが知られている。しかしサブセット間でのそ
のような機能の違いが何に起因するのか、その答えは得
られていない。少なくとも細胞内シグナリングに関与す
ると考えられる膜分子、特にDCの成熟化に伴って発現す
る膜分子、の解明が待たれるところである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、DCの機
能発現に重要となるDCの成熟化に着目し、DC の成熟に
よって発現が上昇する膜分子の同定を中心とした探索研
究を、ProteomicsによるDCの 成熟により発現が調節さ
れる膜分子の網羅的同定を基に実施してきた。Proteomi
csとは、タンパク質について、遺伝子のGenomicsに対応
した言葉であり、タンパク質の大規模研究を行うもので
ある。タンパク質の発現量、翻訳後の修飾や相互作用な
どの性質を研究し、例えば正常細胞とがん細胞において
発現タンパク質レベルで何が起こっているか、細胞ネッ
トワークやプロセスなどの全体的な生物学的情報を得る
ものである。
【0007】DCに特異的に存在する膜分子が同定される
ならば、該膜分子に対する抗体の作製や、医療分野での
該抗体の利用が可能となるだろう。本発明の目的は、DC
特異的に発現される膜分子を見出し、DCを特異的に認識
する抗体を作製し、提供することである。
【0008】また、DC特異的に発現されるだけではな
く、DCの成熟化に伴って発現が上昇する膜分子を見出
し、成熟DCを特異的に認識する抗体を作成し提供するこ
とである。本発明の別の目的は、DCを特異的に認識する
抗体を使用してDCを分離する方法、および検出する方法
を提供することである。また、別の目的は、成熟DCを特
異的に認識する抗体を使用して成熟DCを分離する方法、
および検出する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、DCの 成
熟により発現が調節される膜分子を探索研究した結果、
未成熟 DCおよび成熟DCの両方からUnigeneのひとつであ
る膜分子(Siglec-9)を同定し、この分子がDCの成熟に
伴い、そのタンパク質レベルでの発現が3倍程度上昇す
ること、および各種血球系細胞の中でDC特異的に発現が
見られる分子であることを今回見出した。この膜分子は
既知のSiglec (Sialic acid binding immunoglobulin-l
ike lectin) ファミリー に属する分子(Siglec1〜Sigl
ec8)と高いホモロジーを有しており、immunoglobulin
tyrosin-based inhibitory motif (ITIM)を有している
ことからSiglec-9と命名された。
【0010】Siglec-9は元々、その染色体配列情報
が、OB-binding protein like proteinとしてカナダの
グループにより報告されていることが判明した(Youse
f,GeorgeM.等;Anticancer Res.(1999)、19(4B), 2843
-2852)。その後、同グループにより、Siglec ファミリ
ーに属する新しい分子として同定され、463個のアミノ
酸からなる全アミノ酸配列が決定されている(2000年3
月24日付でGenBankに登録)。このアミノ酸配列は本発
明者らが同定したものと完全に一致することがわかった
が、上記グループはSiglec-9の血球系細胞における発現
特異性やDCの成熟に伴う発現の上昇について一切報告し
ていない。
【0011】また、抗体を用いてSiglec-9が単球/顆粒
球に発現しているとの報告がなされている[NCBI: PubM
ed ID 10801860及び10801862]が、Siglec ファミリー
に属する分子は互いにホモロジーが高いことから、この
抗体がSiglec-9のみを特異的に検出しているのかどうか
微妙である。いずれにしてもDCにおける発現についての
言及は一切ない。
【0012】因みに、Siglec ファミリーとしてこれま
でに報告されている8つの分子(Siglec-1〜Siglec8)
は以下に示す通り、ほとんどが血球系細胞特異的に発現
しており、ITIMを有し、機能抑制性シグナルを入れる分
子である可能性が示唆されている。
【0013】・Siglec-1(Sialoadhesin)はマクロファー
ジ特異的である(1994年)。 ・Siglec-2(CD22)は成熟B 細胞特異的であり(1993年)、
またリガンドはCD45RO(T細胞)/CD75(B細胞)である。 ・Siglec-3(CD33)は骨髄前駆細胞特異的である(1995
年)。 ・Siglec-5は単球と成熟好中球特異的である(1998年)。 ・Siglec-6(CD33L)はB 細胞特異的である(1999年)。 ・Siglec-7は単球とナチュラルキラー(NK)細胞特異的
である(1999年)。 ・Siglec-8は好酸球特異的である(2000年)。
【0014】しかしながら、ITIMの意義やそのシグナル
伝達への関与などについてはCD22を除いて詳細が不明で
ある。CD22はB細胞の活性化の負の調節因子として知ら
れている(イムニティー、6巻、509-517頁(1997
年))。ITIMは免疫抑制に関与する可能性が示唆されて
いるが、しかしITIMをもつというだけでは、Siglec分子
に対する抗体やSiglec分子の可溶化型分子が、免疫応答
の制御効果を有するのか否か、またどのような免疫応答
の制御効果を持つのかどうかは明らかではなく、実際に
そのような抗体や可溶化型分子を作製して免疫応答制御
を確認してはじめて明らかになることである。
【0015】最近の研究成果から1)DCは不均一な細胞
集団でありいくつかのサブセットが存在すること[ステ
ム・セルズ、15巻、409-419頁(1997年)]、2)DC サ
ブセットはT細胞活性化において異なる機能(アポトー
シス誘導、T細胞のTh1, Th2への分化誘導など)を持つ
こと[サイエンス、283巻、1183-1186頁(1999年)]、
3)DCを介して免疫応答を制御することが可能であるこ
と(DC 療法、DC特異的な薬剤、抗体、サイトカインな
ど)、が明らかになってきた。
【0016】ヒトDC サブセットとしては大別して、ミ
エロイド系DCとリンパ球系DCとがある。ミエロイド系DC
には2つの分化経路が存在することが示されており[ジ
ャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン、18
4巻、695-706頁(1996年)]、CD34陽性の造血幹細胞を
GM-CSFとTNF-aで培養する系ではCD14陽性CD1a陰性およ
びCD14陰性CD1a陽性の前駆細胞が出現し、前者からは真
皮(dermal)DC、後者からは表皮ランゲルハンス細胞に
分化することが知られている。本発明者らが用いたmo-D
Cは生体内では前者由来のDCと類似しており、ミエロイ
ド系DCに属すると考えられている。一方、ヒトリンパ球
系DCは、形質細胞様のCD4陽性T細胞がIL-3存在下で未熟
なDC(CD11c陰性、CD14陰性)へと分化し、IL-3とCD40
リガンドの刺激により樹状細胞DCとして機能的に成熟す
ることが知られている[ジャーナル・オブ・エクスペリ
メンタル・メディスン、185巻、1101-1111頁(1997
年)]。また、mo-DCはCD40リガンドあるいはエンドト
キシンによる刺激によりナイーブT細胞をTh1に分化・誘
導する機能を有する所謂DC1に分化するという報告があ
る[サイエンス、283巻、1183-1186頁(1999年)]。こ
のように本発明者らが用いたmo-DCは少なくともDC1に分
化し得る一群であることがわかる。また、末梢血には少
なくとも2つのDC サブセットが存在しており、系統マー
カー(CD3、CD19、CD56、CD14)陰性、HLA-DR陽性、CD1
1c陽性と系統マーカー(CD3、CD19、CD56、CD14)陰
性、HLA-DR陽性、CD11c陰性、CD123強陽性の表現型を示
す。それらDCは成熟後、前者はDC1、後者はナイーブT細
胞をTh2に分化・誘導する機能を有する所謂DC2であるこ
とが知られており[ブラッド、95巻、2484-2490頁(200
0年)]、本発明者らはSiglec-9が末梢血中ではこれら
両方のDCサブセットに特異的に発現していることを今
回見出した。
【0017】このように、Siglec-9は末梢血中でDC特異
的に発現されるタンパク質であること、またmo-DCの成
熟化に伴い発現が上昇していることなどの知見から、Si
glec-9はDCの機能に関連した分子であることが考えら
れ、免疫応答を制御するための標的分子としても期待さ
れる。
【0018】一方、抗原をパルスした自己の末梢血DCを
用いた癌ワクチンのパイロットスタディも行なわれてお
り[ネイチャー・メディスン、2巻、52-58頁(1996
年)]、Siglec-9分子のDC発現の特異性を利用して、
特異的抗体を用いた末梢血DCの高純度の分離の利点は計
り知れないものがある。また、成熟 DCと未成熟DCとの
分離、成熟 DCの検出などにも有用である。
【0019】上記の知見に基き本発明を要約すると以下
のようになる。 (1) DCを特異的に認識すること、T細胞、B細胞、単
球、ナチュラルキラー細胞及び顆粒球を認識しないこ
と、並びにSiglec-9タンパク質又はその断片と特異的に
免疫結合することを特徴とする抗体。 (2) 成熟DCを特異的に認識することを特徴とする、
上記(1)に記載の抗体。 (3) 前記抗体が、Siglec-9のアミノ酸配列(配列番
号1)中、以下の位置の配列42〜65、57〜79、112〜13
7、175〜194、273〜294、298〜319、及び403〜419から
なるペプチドを認識する、上記(1)または(2)に記載
の抗体。 (4) ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体で
ある、上記(1)、(2)または(3)に記載の抗体。 (5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の抗体を用
いてDCを分離する方法。 (6) 成熟DCを分離することを特徴とする、上記(5)
に記載の方法。 (7) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の抗体を用
いてDCを検出する方法。 (8) 成熟DCを検出することを特徴とする、上記(7)
に記載の方法。
【0020】本明細書中で使用する「特異的に認識す
る」とは、Siglec-9分子のみが有するエピトープと免疫
学的に交差反応することを意味する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。上述したように、本発明は、Siglec-9がDCに特異
的に発現していること、並びにDCの成熟化に発現が上昇
すること、という知見に基いている。この知見を利用す
ることによりDCを特異的に認識し、一方T細胞、B細
胞、単球、ナチュラルキラー細胞及び顆粒球を認識しな
い、Siglec-9に対する抗体、更には、成熟DCを特異的に
認識する抗体を得ることができる。
【0022】上記の特性を有するいずれの抗体も本発明
に包含されるが、目的の抗体を得るための抗原エピトー
プは、Siglec-9のアミノ酸配列(配列番号1)において
抗原性の高い領域、表在性がある領域、二次構造をとら
ない可能性のある領域、他のタンパク質(特にSiglecフ
ァミリーの他のタンパク質)とホモロジーがないか又は
低い領域から選択されうる。ここで抗原性の高い領域
は、Perkerらの方法(Biochemistry. 25巻 5425
−5432、1986年)によって推定可能である。表
在性がある領域は、例えばハイドロパシーインデックス
を計算しプロットすることによって推定可能である。二
次構造をとらない可能性のある領域は、例えば、Chouと
Fasmanの方法(Adv Enzymol Relat Areas Mol Biol. 4
7巻 45−148、1978年)によって推定可能で
ある。さらに、特にSiglecファミリーの他のタンパク質
とホモロジーがないか又は低い領域は、Siglec-9のアミ
ノ酸配列と他のタンパク質のアミノ酸配列との相同性比
較によって推定可能である。
【0023】上記の手法で推定されたSiglec-9の部分ア
ミノ酸配列を基に、ペプチド合成法を利用することによ
って該アミノ酸配列からなるペプチドを合成することが
できる。目的のペプチドは、例えば、R.B. Merrifield
(Science 232:341-347,1986)によって開発された固相ペ
プチド合成に基いた市販のペプチド合成機を使用して合
成し、保護基を脱離後、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフ
ィー等を単独もしくは組合わせた方法により精製する。
得られた精製ペプチドはキーホールリンペットヘモシア
ニン(KLH)やアルブミンなどのキャリヤタンパク質と
結合し免疫原として使用することができる。
【0024】さらに、遺伝子組換えSiglec-9を免疫原と
してSiglec-9に対するポリクローナル抗体・モノクロー
ナル抗体を公知の手法により作製することもできる。こ
の場合、Siglec-9、モノクローナル抗体、ポリクローナ
ル抗体、または他のタンパク質に関して用いられる「組
換え」という用語は、これらのタンパク質が宿主細胞内
で組換えDNAによって生産されたものであることを意味
する。宿主細胞としては、原核生物(例えば大腸菌のよ
うな細菌)及び真核生物(例えば酵母、CHO細胞、昆虫
細胞等)のいずれも使用され得る。
【0025】本発明の「抗体」はペプチド抗体、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体いずれでもよい。
「抗体」は、マウスまたは他の適した宿主動物を免疫に
用いられたタンパク質に特異的に結合するであろう抗体
を産生するか、産生するであろうリンパ球を引き出すた
めに、皮下、腹腔内、または筋肉内の経路によって、抗
原あるいは抗原発現細胞により免疫化することによって
得られる。さらに宿主動物としてはヒト抗体遺伝子のレ
パートリーを有するトランスジェニック動物に抗原また
は抗原発現細胞を投与し、所望のヒト抗体を取得しても
良い[Proc NatlAcad Sci U S A.、97巻、722−7
27頁(2000年)、国際公開公報WO96/33735、WO97
/07671、WO97/13852、WO98/37757参照]。そのかわり
に、リンパ球をin vitroで免疫化しても良い。宿主動物
から得られた血清から、抗原に結合する画分を集め、精
製することにより、ポリクローナル抗体を取得すること
ができる。また、ハイブリドーマ細胞を形成するため
に、ポリエチレングリコールのような適当な融合試薬を
用いて、リンパ球を骨髄腫細胞と融合させることによ
り、モノクローナル抗体を作製することができる(Godi
ng, Monoclonal Antibodies: Principals and Practic
e、59−103、Academic Press、1986)。例え
ば本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法
(Nature、256巻495ページ1975年)を用いて
も、組換えDNA法(Cabillyら、米国特許 第48165
67号)を用いても作製することができる。
【0026】抗原タンパク質はSiglec-9タンパク質の全
てまたは部分配列をコードするDNAを、大腸菌や酵母、
昆虫細胞、動物細胞などで発現させることにより調製す
ることができる。遺伝子組換えSiglec-9は、アフィニテ
ィクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフ
ィー等を単独もしくは組合わせた方法により精製し、こ
の精製標品を免疫原として用いる。
【0027】また、本発明の抗体は、無傷の抗体であっ
てもよいし、あるいは(Fab')2やFabなどの抗体断片であ
ってもよい。また、定常領域をヒトの定常領域に置き換
えたキメラ抗体(例えばマウス-ヒトキメラ抗体;Cabil
lyら、米国特許4816567及びMorrisonら, Proc. Natl. A
cad. Sci., 89:6851 (1984))、定常領域および超可変
領域(または、Complementary-determining region;CD
R)を除く全ての可変領域をヒトの配列に置き換えたヒ
ト化抗体(Carterら, Proc. Natl. Acad. Sci., 89:4285
(1992)及びCarterら,BioTechnology, 10:163 (1992))
も本発明の抗体に含まれる。また、このようにして得ら
れた本発明の抗体に対する抗体、すなわち抗イディオタ
イプ抗体もまた本発明に含まれる。
【0028】このようにして得られたSiglec-9に対する
各種抗体は、請求項に記載されている様に様々な用途で
使用可能である。Siglec-9がDCに特異的に発現が見られ
る分子であることを利用して、マグネットビーズを結合
させた本抗体を末梢血に作用させ、これを磁場に通すこ
とで末梢血DCを特異的に分離することができる。また、
本抗体を蛍光標識し、FACSを用いて末梢血から目的のDC
を検出・分離したり、mo-DCのin vitroでの分化を確認
することができる。さらに、Siglec-9はDCの成熟化に伴
って発現量が上昇するタンパク質であることから、本抗
体を用いてFACSにより未成熟DCと成熟 DCを分離するこ
ともできる。Siglec-9の検出に関しては、FACSでの検出
にとどまるものではない。例えばウェスタンブロッティ
ングにおいて本抗体を1次抗体として作用させることに
より検出可能であることが予想されるし、タンパク質レ
ベルでの発現確認を行うことができる。また、Siglec-9
の機能を評価する用途にも使用可能である。成熟 DCは
強力な抗原提示細胞であり、MHCクラスII分子を介したC
D4陽性のT細胞を刺激活性化及びMHCクラスI分子を介し
たCD8陽性細胞障害性T細胞を刺激活性化することが知ら
れている。これら機能を制御し得るか否かを確認するた
めに、アロジェニックMLR(Mixed LeucocyteReaction)
での機能を抑制しうるか否かの確認、抗原特異的にCTL
を誘導した場合にその機能を抑制しうるか否かの確認、
さらにDCの抗原提示に関わる分子か否かの確認等のin v
itroでのアッセイにも使用確認可能である。
【0029】本発明の抗体はさらに、in vivoで免疫応
答を制御するために使用することもできる。Siglec-9
は、前述したとおり、細胞内ドメインにITIMを有してい
ることから分子機能抑制的に働く膜分子であると予想さ
れる。このため、本発明の抗体がアゴニスト様の活性を
有する抗体(agonistic抗体)であれば分子機能抑制的
に作用するし、逆に、アンタゴニスト様の活性を有する
抗体(antagonistic抗体)であれば分子機能活性的に作
用することが期待される。このようにSiglec-9の機能制
御可能な抗体を作用させることでDCの機能を制御するこ
とによる免疫応答を制御し得ることが期待される。
【0030】さらにはSiglec-9の可溶化型分子(すなわ
ち、細胞外領域に相当する分子)にも免疫応答を制御す
る活性が期待される。本発明の抗体類またはSiglec-9の
可溶化型分子を用いてSiglec-9リガンドを取得すること
も可能である。可溶化型Siglec-9リガンドは直接Siglec
-9に作用し、DC上のSiglec-9を介したシグナルを制御し
得る。また、Siglec-9リガンドとSiglec-9のinteractio
nをモジュレートできる低分子物質やSiglec-9リガンド
及びSiglec-9に関わる細胞内シグナル経路をモジュレー
トする低分子物質もシグナルの制御に有用である。
【0031】本発明の抗体類またはSiglec-9の可溶化型
分子、Siglec-9リガンドの可溶化型分子、上記低分子を
治療に用いる場合には、例えば癌、自己免疫疾患、臓器
移植、感染症、アレルギーなどの疾患の治療に適用可能
である。投与法および投与剤型は特に制限されないが、
静脈、動脈内投与、筋内投与、経口投与、座剤投与などで
あり、薬学的に許容可能な賦形剤や希釈剤と組合わせて
経口用または非経口用に処方することができるが、好ま
しくは非経口投与である。投与は1日あたり1回かまたは
数回に分けて行い、投与量は患者の重篤度、年齢、性
別、体重などの条件に応じて決定され、副作用を併発し
ない範囲である。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが、本発明
はこれらの実施例によって限定されないものとする。実施例1 DCの細胞膜の調製 細胞膜タンパク質の場合、元々発現量が低いこと、また
ハンドリングが難しいことが挙げられる。これを解決す
る手段の一つとして、より純度の高い細胞膜を取得する
方法を確立することが必要である。細胞膜表面をコート
し、これを均一に破砕することで、比重の重くなった細
胞膜を密度勾配遠心により取得する方法で純度の高い細
胞膜を調製した[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・
ケミストリー、258巻、10062-10072頁(1983年)]。
【0033】ターゲットとしている膜分子の発現量の少
なさとハンドリングの難しさから、大量のヒトDCを集め
るためにアフェレーシス産物(単核球画分)から単球を
分離してmo-DC大量調製した。LPS(リポポリサッカライ
ド)刺激あり、なしを同数の細胞で実施し、同数(5×1
08細胞)の未成熟DCと成熟DCを得た。
【0034】実施例2 タンパク質の高感度検出とin ge
l digestion Mannら[アナリティカル・ケミストリー、68巻、850-85
8頁(1996年)]の手法に従って銀染色によりタンパク
質を検出した。酵素消化法についてはトリプシンを用い
たin gel digestion法[アナリティカル・バイオケミス
トリー、224巻、451-455頁(1995年)]により行い、以
下で使用する分析サンプルとした。
【0035】実施例3 膜タンパク質の分画 実施例1で得られた細胞膜より界面活性剤を用いて細胞
膜タンパク質を可溶化した後、コンカナバリンAセファ
ロースにアプライし、界面活性剤含有緩衝液にて洗浄し
た。これら素通り画分をConA FTとした。吸着画分はメ
チル-a-D-グルコピラノシドと界面活性剤を含有緩衝液
で溶出した(ConA EL)。ConA FTは小麦胚アグルチニン
セファロースに再度アプライし、界面活性剤含有緩衝液
にて洗浄した。これら素通り画分をWGA FTと称した。吸
着画分はN-アセチルグルコサミンと界面活性剤を含有緩
衝液で溶出した(WGA EL)。ConA EL、WGA EL、WGA FT
を分子同定サンプルとした。これら画分をSDS-PAGEにて
展開した後、実施例2の手法によりタンパク質を検出
し、短冊状に切ったゲルをin gel digestionして分析サ
ンプルとした。
【0036】実施例4 LC/MSによる微量分析 LC/MS(Thermoquest社LCQ)を用いて、実施例3で得たサン
プルを分析した。95%溶液A(0.1%ギ酸)および
5%溶液B(0.08%ギ酸、80%アセトニトリル)
で平衡化したPepMap逆相カラム(内径0.075mm×
長さ150mm)(LCパッキングス社製)にかけ、18
0ナノリットル/分の流速で、5分洗浄後、67.5分か
けて溶液Bの比率を50%まで直線的に上げることによ
り順次溶出しMSに導入した。MSに導入されたサンプルは
次の繰り返しサイクルでデータ取得を行い、その配列情
報を得ることとした。1. Full MS Scan:m/z=0〜2000の
レンジでの親イオンの分子量の観測。2. Zoom MS Sca
n:Full MS Scanで同定された親イオンの価数の観測。
3. MS/MS Scan:Zoom MS Scanで測定された分子にHeガ
スをあてた場合に生じる娘イオンの観測。理論的なb,y
シリーズとどれだけの本数がどれだけの強度でマッチン
グするかをスコア化してランクをつける同定法(SEQUES
Tアルゴリズム)により同定した[アメリカン・ソサイ
アティ・フォー・マス・スペクトロメトリー、5巻、976
-989頁(1994年)]。
【0037】実施例5 Siglec-9の同定 実施例4の手法により同定された分子のうち、未成熟 DC
及び成熟DCの両方からUnigeneの1つであるSiglec-9が同
定された。同定対象となったフラグメントはm/z=920.7
の2価イオンであり、そのMS/MSのパターンはSiglec-9
の部分アミノ酸配列(64〜81)EGANTDQDAPVATNNPAR
(配列番号3)に非常に良く帰属された。Siglec ファ
ミリーはファミリー内でのホモロジーが非常に高く、ア
ミノ酸レベルで80%程度あるが、上記配列は、ホモロジ
ーがないところに存在することから、DCでSiglec-9が発
現していることが予想された。また、このフラグメント
のMSでのイオン強度から定量を行うと、3倍程度Mature
DCの方が多かったことから、細胞膜表面上で成熟化に伴
い3倍程度アップレギュレート(Up-regulate)している
分子であることが予想された。
【0038】Siglec-9の推定アミノ酸配列の一次構造に
ついてKyteとDoolittleの方法(ジャーナル・オブ・エ
クスペリメンタル・メディスン、157巻、105−1
32頁、1982年)に従い、ハイドロパシープロット
解析を行なった(図1)。その結果、Siglec-9はN末端
にシグナル配列を有するI型の細胞膜貫通タンパク質で
あることが明らかとなった。Siglec-9は463アミノ酸
残基からなり、ハイドロパシープロット解析結果から2
1残基のシグナル配列、317残基の細胞外領域、32
残基の膜貫通領域、93残基の細胞内領域を有してい
た。さらにホモロジー検索並びにモチーフ検索の結果か
ら細胞外領域は8ヶ所のアスパラギン結合型糖鎖付加部
位、10ヶ所のシステイン残基を持つ3つのイムノグロ
ブリンスーパーファミリーに属する構造を有していた。
また、細胞内領域のC末端側には、2つのよく保存され
たITIMをもっていた。
【0039】実施例6 RT-PCRによるSiglec-9の発現確
Siglec-9の発現がDC特異的であるか否かを明らかにする
ために、RT-PCRによる確認を実施した。まず、ヒト末梢
血より、Ficoll 勾配により単核球画分及び赤血球画分
を分離した。単核球画分よりCD3陽性(T細胞)、CD19陽
性(B細胞)、CD14陽性(単球)、CD56陽性(NK細胞)
をFACS vantage(Becton Dickinson)により分離し、赤
血球画分よりCD66b陽性(顆粒球)を分離した。また、
単核球画分よりLinage陰性(CD3, CD14, CD19, CD56陰
性)細胞をMACSにより分離し、この中からDC1(HLA-DR,
CD11c陽性)及びDC2(HLA-DR, CD123陽性)をFACS van
tageにより分離した。それぞれの細胞よりISOGEN LS
(ニッポンジーン社製)を用いてmRNAを調製し、クロー
ンテック社のSMART法の添付文書に従い一本鎖DNAを調製
した。この一本鎖DNAを鋳型として、Siglec-9遺伝子 5'
リーダー配列特異的センスプライマー5'-ATGCTGCTGCTGC
TGCTGCCCCTGCTCTGGGGGAGG-3'(配列番号4)と3'末端特
異的アンチセンスプライマー5'-TCATCTGTGGATCTTGATCTC
CGAGTACTCGGTGTC-3'(配列番号5)を用いたRT-PCRを実
施した。反応にはLA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)を用
い、95℃を30秒、55℃を1分、72℃を2分のサイクルを40
回行う反応条件を用いた。その結果、これら7種類の血
球系細胞のうち、Siglec-9はDC1及びDC2に目的の大きさ
(1391 bp)のバンドが検出され、その他の細胞(T細
胞, B細胞, 単球, NK細胞, 顆粒球)ではバンドが検出
されなかった。このことから、Siglec-9は血球系細胞の
中でDC特異的に発現が見られる分子であることが示され
た。
【0040】実施例7 Siglec-9に対するペプチド抗体
の設計とペプチド合成並びにペプチド抗体作製 Siglec-9に対する特異的ペプチド抗体を作製するために
Siglec-9の推定アミノ酸配列から設計を行なった。ま
ず、Parkerの法則(前述)に従い抗原性の高い部分を選
択し、これらの中からChouとFasmanの方法(前述)に基
づき表在性がある部分、2次構造を取らない可能性のあ
る部分、さらに糖鎖付加が予想されない部分、システイ
ン残基を含まない部分、他のSiglecファミリー及び他の
タンパク質とホモロジーの低い部分7ヶ所を選びシング
ルペプチドを合成した。選んだ領域は、以下のアミノ酸
位置からなる配列:(42〜65)、(57〜79)、
(112〜137)、(175〜194)、(273〜
294)、(298〜319)、(403〜419)で
ある。これらシングルペプチドを精製し、0.2mg/ml
の濃度で1mg/mlのキーホールリンペットヘモシアニン
(KLH)に対してコンジュゲートした。このKLH-結合ペ
プチド(100μg)を免疫原として8回繰り返しウサギに
免疫し、ペプチド抗体を作製した。
【0041】
【発明の効果】本発明により、DCを他の血球系細胞から
選択的に高い純度で分離することができるのみならず、
成熟DCと未成熟DCとの分離も可能とすることから、DC療
法への該細胞の供給を可能とする。分離されたDCは、抗
原をパルスしたのち、再び患者に戻すことにより癌ワク
チンとして利用するなどの用途が期待される。
【0042】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Kirin Brewery Company, Limited <120> Antibodies to Siglec-9, a membrane molecule of dendritic cell (DC), and methods for detecting DC and for separating DC using the same <130> P00-0438 <140> <141> <160> 5 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 463 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Leu Trp Gly Arg Glu Arg Ala Glu 1 5 10 15 Gly Gln Thr Ser Lys Leu Leu Thr Met Gln Ser Ser Val Thr Val Gln 20 25 30 Glu Gly Leu Cys Val His Val Pro Cys Ser Phe Ser Tyr Pro Ser His 35 40 45 Gly Trp Ile Tyr Pro Gly Pro Val Val His Gly Tyr Trp Phe Arg Glu 50 55 60 Gly Ala Asn Thr Asp Gln Asp Ala Pro Val Ala Thr Asn Asn Pro Ala 65 70 75 80 Arg Ala Val Trp Glu Glu Thr Arg Asp Arg Phe His Leu Leu Gly Asp 85 90 95 Pro His Thr Lys Asn Cys Thr Leu Ser Ile Arg Asp Ala Arg Arg Ser 100 105 110 Asp Ala Gly Arg Tyr Phe Phe Arg Met Glu Lys Gly Ser Ile Lys Trp 115 120 125 Asn Tyr Lys His His Arg Leu Ser Val Asn Val Thr Ala Leu Thr His 130 135 140 Arg Pro Asn Ile Leu Ile Pro Gly Thr Leu Glu Ser Gly Cys Pro Gln 145 150 155 160 Asn Leu Thr Cys Ser Val Pro Trp Ala Cys Glu Gln Gly Thr Pro Pro 165 170 175 Met Ile Ser Trp Ile Gly Thr Ser Val Ser Pro Leu Asp Pro Ser Thr 180 185 190 Thr Arg Ser Ser Val Leu Thr Leu Ile Pro Gln Pro Gln Asp His Gly 195 200 205 Thr Ser Leu Thr Cys Gln Val Thr Phe Pro Gly Ala Ser Val Thr Thr 210 215 220 Asn Lys Thr Val His Leu Asn Val Ser Tyr Pro Pro Gln Asn Leu Thr 225 230 235 240 Met Thr Val Phe Gln Gly Asp Gly Thr Val Ser Thr Val Leu Gly Asn 245 250 255 Gly Ser Ser Leu Ser Leu Pro Glu Gly Gln Ser Leu Arg Leu Val Cys 260 265 270 Ala Val Asp Ala Val Asp Ser Asn Pro Pro Ala Arg Leu Ser Leu Ser 275 280 285 Trp Arg Gly Leu Thr Leu Cys Pro Ser Gln Pro Ser Asn Pro Gly Val 290 295 300 Leu Glu Leu Pro Trp Val His Leu Arg Asp Ala Ala Glu Phe Thr Cys 305 310 315 320 Arg Ala Gln Asn Pro Leu Gly Ser Gln Gln Val Tyr Leu Asn Val Ser 325 330 335 Leu Gln Ser Lys Ala Thr Ser Gly Val Thr Gln Gly Val Val Gly Gly 340 345 350 Ala Gly Ala Thr Ala Leu Val Phe Leu Ser Phe Cys Val Ile Phe Val 355 360 365 Val Val Arg Ser Cys Arg Lys Lys Ser Ala Arg Pro Ala Ala Gly Val 370 375 380 Gly Asp Thr Gly Ile Glu Asp Ala Asn Ala Val Arg Gly Ser Ala Ser 385 390 395 400 Gln Gly Pro Leu Thr Glu Pro Trp Ala Glu Asp Ser Pro Pro Asp Gln 405 410 415 Pro Pro Pro Ala Ser Ala Arg Ser Ser Val Gly Glu Gly Glu Leu Gln 420 425 430 Tyr Ala Ser Leu Ser Phe Gln Met Val Lys Pro Trp Asp Ser Arg Gly 435 440 445 Gln Glu Ala Thr Asp Thr Glu Tyr Ser Glu Ile Lys Ile His Arg 450 455 460 <210> 2 <211> 1392 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 2 atgctgctgc tgctgctgcc cctgctctgg gggagggaga gggcggaagg acagacaagt 60 aaactgctga cgatgcagag ttccgtgacg gtgcaggaag gcctgtgtgt ccatgtgccc 120 tgctccttct cctacccctc gcatggctgg atttaccctg gcccagtagt tcatggctac 180 tggttccggg aaggggccaa tacagaccag gatgctccag tggccacaaa caacccagct 240 cgggcagtgt gggaggagac tcgggaccga ttccacctcc ttggggaccc acataccaag 300 aattgcaccc tgagcatcag agatgccaga agaagtgatg cggggagata cttctttcgt 360 atggagaaag gaagtataaa atggaattat aaacatcacc ggctctctgt gaatgtgaca 420 gccttgaccc acaggcccaa catcctcatc ccaggcaccc tggagtccgg ctgcccccag 480 aatctgacct gctctgtgcc ctgggcctgt gagcagggga caccccctat gatctcctgg 540 atagggacct ccgtgtcccc cctggacccc tccaccaccc gctcctcggt gctcaccctc 600 atcccacagc cccaggacca tggcaccagc ctcacctgtc aggtgacctt ccctggggcc 660 agcgtgacca cgaacaagac cgtccatctc aacgtgtcct acccgcctca gaacttgacc 720 atgactgtct tccaaggaga cggcacagta tccacagtct tgggaaatgg ctcatctctg 780 tcactcccag agggccagtc tctgcgcctg gtctgtgcag ttgatgcagt tgacagcaat 840 ccccctgcca ggctgagcct gagctggaga ggcctgaccc tgtgcccctc acagccctca 900 aacccggggg tgctggagct gccttgggtg cacctgaggg atgcagctga attcacctgc 960 agagctcaga accctctcgg ctctcagcag gtctacctga acgtctccct gcagagcaaa 1020 gccacatcag gagtgactca gggggtggtc gggggagctg gagccacagc cctggtcttc 1080 ctgtccttct gcgtcatctt cgttgtagtg aggtcctgca ggaagaaatc ggcaaggcca 1140 gcagcgggcg tgggagatac gggcatagag gatgcaaacg ctgtcagggg ttcagcctct 1200 caggggcccc tgactgaacc ttgggcagaa gacagtcccc cagaccagcc tcccccagct 1260 tctgcccgct cctcagtggg ggaaggagag ctccagtatg catccctcag cttccagatg 1320 gtgaagcctt gggactcgcg gggacaggag gccactgaca ccgagtactc ggagatcaag 1380 atccacagat ga 1392 <210> 3 <211> 18 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 3 Glu Gly Ala Asn Thr Asp Gln Asp Ala Pro Val Ala Thr Asn Asn Pro 1 5 10 15 Ala Arg <210> 4 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: a sense primer specific for 5'-leader sequence of Siglec-9 gene <400> 4 atgctgctgc tgctgctgcc cctgctctgg gggagg 36 <210> 5 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: an antisense primer specific for 3'-end of Siglec-9 gene <400> 5 tcatctgtgg atcttgatct ccgagtactc ggtgtc 36
【0043】
【配列表フリーテキスト】配列番号4:Siglec-9遺伝子
5'リーダー配列特異的センスプライマー。 配列番号5:Siglec-9遺伝子3'末端特異的アンチセン
スプライマー。
【図面の簡単な説明】
【図1】Siglec-9の推定アミノ酸配列の一次構造につい
てKyteとDoolittleの方法(ジャーナル・オブ・エクス
ペリメンタル・メディスン、157巻、105−132
頁、1982年)に従って行ったハイドロパシープロッ
トを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/577 B C12Q 1/68 Z 33/577 C12N 15/00 C // C12Q 1/68 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA53 BA80 CA02 CA20 DA02 DA06 DA12 GA01 GA11 HA03 HA15 4B063 QA01 QQ03 QQ08 QQ42 QQ79 QR31 QR62 QS12 QS16 QS25 4B064 AG01 AG27 CA10 CA19 CA20 CC24 DA01 DA13 4H045 AA11 AA30 BA10 CA40 DA75 DA76 DA86 EA20 EA22 EA28 FA34 FA72 FA74 GA22 HA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹状細胞(DC)を特異的に認識するこ
    と、T細胞、B細胞、単球、ナチュラルキラー細胞及び顆
    粒球を認識しないこと、並びにSiglec-9タンパク質又は
    その断片と特異的に免疫結合することを特徴とする抗
    体。
  2. 【請求項2】 成熟DCを特異的に認識することを特徴と
    する、請求項1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】 前記抗体が、Siglec-9のアミノ酸配列
    (配列番号1)中、以下の位置の配列42〜65、57〜79、
    112〜137、175〜194、273〜294、298〜319、及び403〜4
    19からなるペプチドを認識する、請求項1または2に記
    載の抗体。
  4. 【請求項4】 ポリクローナル抗体又はモノクローナル
    抗体である、請求項1、2または3に記載の抗体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の抗体を
    用いてDCを分離する方法。
  6. 【請求項6】 成熟DCを分離することを特徴とする、請
    求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の抗体を
    用いてDCを検出する方法。
  8. 【請求項8】 成熟DCを検出することを特徴とする、請
    求項7に記載の方法。
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